説明

高炉の炉底耐火物の温度測定装置及び方法

【課題】必要な時に光ファイバーの補修、交換が可能な高炉の炉底耐火物の温度測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】炉底耐火物12中に直線状の耐熱金属製の保護管13を、保護管13の両端が炉底耐火物12及び鉄皮20から突出する状態で複数本配置すること、保護管13内には耐熱金属製のチューブ14に収納された光ファイバー15が挿通していること、鉄皮20から突出した各保護管13は鉄皮20から突出する案内管21、24を通じて耐圧構造の中継箱25内に導かれること、保護管13に挿入された各光ファイバー15が中継箱25内で直列接続されていること、各光ファイバー15は融着接合されていること、及び直列に接続された光ファイバー15の端部には光制御部が接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の炉底耐火物の温度を測定する装置及び方法(以下、「炉底耐火物の温度測定装置」及び「炉底耐火物の温度測定方法」と称することもある)に関する。
【背景技術】
【0002】
高温で使用される各種プラントの容器や配管においては、内部の断熱材の剥離、異常反応、冷却不良などによってホットスポットが生じることがあり、ホットスポットは、特に高圧容器においては大きな事故の原因となるため、十分な注意が必要である。このホットスポットの徴候を検出する唯一確実な方法は、発生可能領域全面において温度測定を行うことである。
特に、高炉においては、炉底耐火物の残存量が高炉の寿命を決定しており、残存量を推定するための炉底耐火物の温度測定は極めて重要な技術である。
【0003】
特許文献1には、光ファイバーに入射したレーザーパルスによって光ファイバー内の散乱光を励起し、後方散乱光(ラマン散乱光)から光ファイバーの長さ方向に沿った一次元温度分布を測定することが開示されている。そして、特許文献2では光ファイバーを高炉の鉄皮表面に螺旋状に配置し、高炉の表面の温度を測定することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−201489号公報
【特許文献2】特開平6−3197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
更には、高炉の内部にある炉底耐火物の温度測定も、光ファイバーを用いて測定することが試みられているが、高炉は20〜30年という期間で改修が行われており、光ファイバーはそれよりも遥かに短い寿命(例えば、5〜6年)であるので、高炉内の耐火物に光ファイバーをセットしても、光ファイバーを長期的に補修等ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、必要な時に光ファイバーの補修、交換が可能な炉底耐火物の温度測定装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定装置は、光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する装置であって、
前記炉底耐火物中に直線状の800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置すること、前記各保護管内には800℃以上で使用可能な耐熱金属製のチューブに収納された前記光ファイバーが挿通していること、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれること、前記保護管に挿入された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続されていること、前記各光ファイバーは融着接合されていること、及び前記直列に接続された光ファイバーの端部には前記光制御部が接続されていることを特徴としている。
【0008】
第1の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定装置において、前記各保護管は前記炉底耐火物のうち、直線状に水平配置された定形レンガの一稜線角部にそれぞれ埋設されているのが好ましい。
【0009】
第2の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定装置は、光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する装置であって、
前記炉底耐火物は前記高炉の下部に配置された環状の炉底耐火物であって、直線状の又は湾曲した800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置すること、前記各保護管内には800℃以上で使用可能な耐熱金属製のチューブに収納された前記光ファイバーが挿通していること、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれること、前記保護管に挿入された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続されていること、前記各光ファイバーは融着接合されていること、及び前記直列に接続された光ファイバーの端部には前記光制御部が接続されていることを特徴とする。
【0010】
第1、第2の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定装置において、前記保護管は内径が4〜7mmのステンレス又は800℃以上で使用可能な耐熱合金からなっているのが好ましい。また、前記耐熱金属製のチューブは、内径が1.8〜3.5mmのニッケルとクロムを含む鉄基耐熱合金又はその他の耐熱合金からなっているのが好ましい(以下の炉底耐火物の温度測定方法においても同じ)。この場合、小径のチューブ内に光ファイバーの素線が配置されている。
【0011】
第3の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定方法は、光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する方法であって、
前記炉底耐火物中に直線状又は円弧状の800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置し、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれ、前記保護管に挿入され、800℃以上で使用可能な耐熱性金属からなるチューブに収納された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続され、前記各光ファイバーは融着接合されて、前記直列に接続された光ファイバーの端部に前記光制御部が設けられ、前記炉底耐火物の各所の温度を測定し、しかも、前記チューブに入った前記光ファイバーは前記保護管から引き抜いて交換可能である。
【0012】
なお、第3の発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定方法において、前記各保護管は前記炉底耐火物のうち、直線又は円弧状に水平配置された定形レンガの一稜線角部にそれぞれ埋設されている場合等がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る高炉の炉底耐火物の温度測定装置及び方法においては、炉底耐火物に直線状又は円弧状の耐熱金属製の保護管を挿通し、その中にチューブに挿入された光ファイバーを挿通しているので、光ファイバーが何らかの理由により破断や透過率が減衰した場合には、炉底耐火物を破損しない状態で光ファイバーを交換できる。従って、高炉の寿命に比較して寿命の短い光ファイバーを適当時期に交換しながら、使用できる。
【0014】
特に、直線状の保護管を直線状又は円弧状に水平配置された定形レンガの一稜線角部にそれぞれ埋設する場合は、炉底耐火物に貫通孔を設けることなく、保護管を埋設できる。
これによって、光ファイバーが挿通されたチューブを交換可能に保護管に装着できる。
また、光ファイバーの中継箱に位置する部分の温度は、中継箱が炉外にあることから、常温に近い温度になり、炉内部分にある光ファイバーの温度と明確に異なる。この位置を基準点と見做して光ファイバー長さ方向の位置合わせをすることで、測定位置の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る炉底耐火物の温度測定装置を高炉の炉底に設置した場合の説明図である。
【図2】同炉底耐火物の温度測定装置に使用する保護管の断面図である。
【図3】同炉底耐火物の温度測定装置に使用する光ファイバーの接続状態を示す説明図である。
【図4】(A)、(B)は炉底耐火物に保護管を設置する場合の説明図である。
【図5】(A)、(B)は環状の炉底耐火物の一部に保護管を配置する場合の説明図である。
【図6】環状の炉底耐火物の位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る炉底耐火物の温度測定装置10は、高炉11の底部に配置された炉底耐火物12を挿通する複数本の800℃以上で使用可能な耐熱金属の一例であるステンレス製(又はそれ以外の耐熱合金製)の保護管13を有している。保護管13の内径は、4〜7mm(この実施の形態では、例えば6mm)、外径は6〜9mm(例えば8mm)となっている。図2に示すように、各保護管13内には、隙間を設けて挿通する800℃以上で使用可能な耐熱金属の一例であるインコロイ(登録商標、ニッケル、クロム、鉄を主成分とする鉄基合金)又は耐熱合金製のチューブ14を有している。このチューブ14はこの実施の形態では、例えば内径が2.2mm(1.8〜3.5mm)、外径が3.2mm(3〜5mm)となっている。
【0017】
図2に示すように、保護管13内に挿入されているチューブ14内には、光ファイバー素線(光ファイバー)15が隙間を有して配置されている。光ファイバー素線15はコア16を不透光性のクラッド17で包み、更にその上を耐熱被覆材18で覆っている。本実施の形態では、チューブ14内には、一本の光ファイバー素線15が配置されているが、これは光ファイバー素線15を交換の際の容易性を重視したためのもので、複数本配置することも可能である。なお、光ファイバー素線15は周知のもので、マルチモード光ファイバーの一種であるGI型である。また、光ファイバー素線15が繋がっていることは、光ファイバー素線15の中のコア16が繋がっていることになる。
【0018】
保護管13は図1に示すように、炉底耐火物12を挿通し、かつ高炉11の周壁となる鉄皮20を貫通している。鉄皮20を貫通する部分には、短い第1の案内管21が設けられ端部にはフランジ22が設けられている。このフランジ22と対となるフランジ23を有する第2の案内管24が設けられた中継箱25が第1の案内管21にフランジ22、23を介して連結されている。
【0019】
第1、第2の案内管21、24及び中継箱25は耐圧構造となって、高圧の高炉11内の圧力に耐える構造となって、小径の保護管13の両側部が、鉄皮20の両側にある第1、第2の案内管21、24を貫通し、鉄皮20の両側部にある中継箱25まで挿通している。
保護管13は炉底耐火物12を貫通しているが、図4(A)、(B)に示すように、炉底耐火物12は複数の定形レンガ(例えば、6面体レンガ)26を積層して構成されているので、保護管13を挿通させようとする例えば直線状に水平配置された定形レンガ26の一稜線角部に断面角形又は扇状の切欠き27を設け、並べて配置された定形レンガ26の一角部に直線状の保護管13を配置するのがよい。
【0020】
並べて配置された保護管13の端部は、それぞれ中継箱25内にあって、各中継箱25は金属製の連結管28によって連結されている。連結管28内には光ファイバーコード30が配置されている。この光ファイバーコード30は、複数の保護管13内に挿入されている、チューブ14内に配置された各光ファイバー素線15を、チューブ14の端部において外被置換部品29によって、外被が耐熱性の樹脂である光ファイバーコード30に換えられる。即ち、光ファイバーコード30は、内部に光ファイバー素線15を有している。これによって、チューブ14内の光ファイバー素線15が連結管29内を挿通する光ファイバーコード30内の光ファイバー素線15に中継箱25内で継ぎ目無しに連続(直列接続)する。各光ファイバーコード30から飛び出た光ファイバー素線15は、図3に示すように、中継箱25内において工具を用いて融着接合され、その周囲は熱収縮チューブ30aでカバーされている。なお、符号32は中継箱25の蓋である。
【0021】
なお、第2の案内管24が中継箱25に繋がる部分では、保護管13が突出するが、保護管13と高炉11とは熱膨張差があるため、溶接は行わずに、第2の案内管24と保護管13との隙間にはパテ(微粉の不定形耐火材)31が充填されており、熱膨張差が吸収されるようになっている。
【0022】
直列に接続された光ファイバー素線15の両端部は、光ファイバー素線15を2芯備えたアプローチケーブル33を介して光制御部を有する測定器34に接続されている。この光制御部では、光ファイバー素線15内にパルスレーザー光(光パルスの一例)を送り、周知の方法から反射したラマン散乱光の強さとその到達時間から、高炉11の所定部位の温度を測定している。即ち、ラマン散乱光には、ストークス光とアンチストークス光があり、温度依存性の強いアンチストークス光と温度依存性の弱いストークス光の強度比を測定して、所定部位の温度を測定している。
【0023】
測定器34で測定したデータは通信ケーブル36を用いてFAパソコン37に伝達され、更に通信ケーブル38を介してプロコン(又はDCS)39に送付される。これによって、高炉11内の炉底耐火物12の温度を連続的に測定できる。光ファイバーと光制御部を有する測定器34を有して光ファイバー温度センサが構成されている。
【0024】
保護管13内に配置された光ファイバー素線15の寿命は約5年と高炉11の寿命に比べて短いので、定期的に若しくは異常発生時に交換する必要があるが、保護管13は残して保護管13内のチューブ14ごと光ファイバー素線15を交換することになる。この場合、古いインコロイ(登録商標)からできているチューブ14と、新しいチューブ14とを連結し、古いチューブ14を保護管13から引き抜くことによって行う。なお、最初に保護管13内に光ファイバー素線15を通すには、炉底耐火物施工時に、保護管13内にピアノ線を入れておき、施工後にピアノ線の端部に挿入しようとする光ファイバー素線15が挿入されているチューブ14の一端を連結し、一端を接合し、ピアノ線を保護管13から引き抜くことによってチューブ14ごと光ファイバー素線15を保護管13内に挿入する。
【0025】
続いて、図5(A)、(B)、図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る炉底耐火物の温度測定装置41(光ファイバーを除く部分については、炉底耐火物の温度測定装置10と同じ)について説明する。
この実施の形態においては、図6に示すように、高炉11の下部に設けられている環状の炉底耐火物42の温度測定を行うものである。まず、図5(B)に示すように、環状の炉底耐火物42の120度位置(3等分位置)に中継箱43を設け、各中継箱43に第3の案内管47を配置して、高炉11の鉄皮20内、即ち、環状の炉底耐火物42内に保護管13を、その両端が中継箱43内に露出するようにして配管を行う。この保護管13内に光ファイバー素線15が配置されたチューブ14を配置する。この実施の形態において、高炉11を平面視して3分割した位置に中継箱43を設けたが、場合によっては、2分割又は4分割以上の位置に中継箱を設けてもよい。
【0026】
そして、環状の炉底耐火物42の内部に、又は炉底耐火物42に沿って保護管13を円弧状(湾曲)又は直線状に配置し、その両端部を中継箱43内に突出させる。この実施の形態では上下に複数段の炉底耐火物42の温度測定を行っているので、中継箱43も上下に存在することになり、特定の中継箱43は、図示しない連結管で連結されている。複数の保護管13内に挿入されている、チューブ14内に配置された各光ファイバー素線15は、チューブ14の端部において外被置換部品29によって、外被が耐熱性の樹脂である光ファイバーコード30に換えられる。各光ファイバーコード30から飛び出た光ファイバー素線15同士が中継箱43内において工具を用いて融着接合され、その周囲は熱収縮チューブ30aでカバーされる。
【0027】
直列に接続された光ファイバー素線15の両端には、前記した測定器が接続され、光ファイバー素線15にパルスレーザー光を送り、そのラマン散乱光と到達時間から炉底耐火物42の温度を測定している。
なお、光ファイバー素線15の装着は、第1の実施の形態に係る炉底耐火物の温度測定装置10と同様である。
【0028】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、第1の実施の形態に係る炉底耐火物の温度測定装置で使用した光ファイバーと、第2の実施の形態で使用した光ファイバーを直列に接続して炉底耐火物の全体の温度を測定することもできる。
【符号の説明】
【0029】
10:炉底耐火物の温度測定装置、11:高炉、12:炉底耐火物、13:保護管、14:チューブ、15:光ファイバー素線、16:コア、17:クラッド、18:耐熱被覆材、20:鉄皮、21:第1の案内管、22、23:フランジ、24:第2の案内管、25:中継箱、26:定形レンガ、27:切欠き、28:連結管、29:外被置換部品、30:光ファイバーコード、30a:熱収縮チューブ、31:パテ、32:蓋、33:アプローチケーブル、34:測定器、36:通信ケーブル、37:FAパソコン、38:通信ケーブル、39:プロコン、41:炉底耐火物の温度測定装置、42:環状の炉底耐火物、43:中継箱、47:第3の案内管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する装置であって、
前記炉底耐火物中に直線状の800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置すること、前記各保護管内には800℃以上で使用可能な耐熱金属製のチューブに収納された前記光ファイバーが挿通していること、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれること、前記保護管に挿入された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続されていること、前記各光ファイバーは融着接合されていること、及び前記直列に接続された光ファイバーの端部には前記光制御部が接続されていることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の高炉の炉底耐火物の温度測定装置において、前記各保護管は前記炉底耐火物のうち、直線状に水平配置された定形レンガの一稜線角部にそれぞれ埋設されていることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定装置。
【請求項3】
光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する装置であって、
前記炉底耐火物は前記高炉の下部に配置された環状の炉底耐火物であって、直線状の又は湾曲した800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置すること、前記各保護管内には800℃以上で使用可能な耐熱金属製のチューブに収納された前記光ファイバーが挿通していること、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれること、前記保護管に挿入された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続されていること、前記各光ファイバーは融着接合されていること、及び前記直列に接続された光ファイバーの端部には前記光制御部が接続されていることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の高炉の炉底耐火物の温度測定装置において、前記保護管は内径が4〜7mmのステンレス又は800℃以上で使用可能な耐熱合金からなっていることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の高炉の炉底耐火物の温度測定装置において、前記耐熱金属製のチューブは、内径が1.8〜3.5mmのニッケルとクロムを含む鉄基耐熱合金又はその他の耐熱合金からなっていることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定装置。
【請求項6】
光ファイバーの一端に光の投光及び受光を行う光制御部を設けて、該光制御部から前記光ファイバーに光パルスを入射し、この光パルスにより前記光ファイバー内で発生するラマン散乱の後方散乱光が戻ってくるまでの時間と戻ってきた光信号の強さから、測定位置までの距離と温度を測定する光ファイバー温度センサを用いて鉄皮で囲まれた高炉の炉底耐火物の温度を測定する方法であって、
前記炉底耐火物中に直線状又は円弧状の800℃以上で使用可能な耐熱金属製の保護管を、該保護管の両端が前記炉底耐火物及び前記鉄皮から突出する状態で複数本配置し、前記鉄皮から突出した前記各保護管は前記鉄皮から突出する案内管を通じて耐圧構造の中継箱内に導かれ、前記保護管に挿入され、800℃以上で使用可能な耐熱性金属からなるチューブに収納された前記各光ファイバーが前記中継箱内で直列接続され、前記各光ファイバーは融着接合されて、前記直列に接続された光ファイバーの端部に前記光制御部が設けられ、前記炉底耐火物の各所の温度を測定し、しかも、前記チューブに入った前記光ファイバーは前記保護管から引き抜いて交換可能であることを特徴とする高炉の炉底耐火物の温度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40881(P2013−40881A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179071(P2011−179071)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000233697)株式会社日鉄エレックス (51)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】