説明

高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法

【課題】地盤改良工事において良好な施工性を確保しつつ、また得られる地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制することができる地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法を提供する。
【解決手段】結合材として下記の高炉スラグ組成物を用いて水/該高炉スラグ組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉スラグ組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成るものを地盤改良用スラリー組成物とした。
高炉スラグ組成物:粉末度が3000〜13000cm/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、アルカリ刺激材を0.5〜1.5質量部又は5〜45質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法に関する。近年、二酸化炭素排出量の削減やエネルギー消費効率の改善についての要求が益々強くなっている。かかる事情に鑑み、山留工事、地下止水工事、軟弱地盤の改良工事等においても、製鉄所から副産する高炉水砕スラグが、高炉スラグ微粉末の形で高炉セメントの原料として有効利用されている。一般に前記のような地盤改良を行なう場合には、地盤中にセメント系固化材と水とを混合したセメントスラリー(セメントミルク)を地盤に注入し、削孔混練機械を用いて原位置で土と撹拌混合しており、ここではセメント系固化材として高炉セメントが用いられている。高炉セメントは、普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末を混合して造られ、JIS−R5211の規格では、高炉スラグ微粉末の分量によって、A種(5%超〜30%)、B種(30%超〜60%)及びC種(60%超〜70%)の3種類に分けられているが、実際の地盤改良を行なう分野では、性能バランスの良い高炉セメントB種が多用されている。地盤改良において高炉セメントB種は、地盤1m中に100〜400kgの割合で混入するのが一般的であるが、高炉セメントB種1トンを工場で製造するために約400kgの二酸化炭素を排出しているので、高炉セメントB種を用いて地盤1mを改良するためには、施工機械の運転や材料の運搬等により発生する二酸化炭素の排出を除き、40〜160kgの二酸化炭素を排出していることになる。そのため、地盤改良を行なう分野では、施工性を確保しつつ、改良した地盤が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末をもっと高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制する技術の出現が要求されている。本発明は、かかる要求に応える高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤改良にポルトランドセメントを用いる場合の影響について、ポルトランドセメントは水と接すると水酸化カルシウムを生じるためアルカリ性を呈し、これを地盤改良に用いると、地盤のpHが10程度まで上昇して植物の生育等に悪影響を及ぼすこと、またローム層のような含水比が低い地盤の改良にポルトランドセメントを用いると、ポルトランドセメント中に含まれる六価クロムが溶出し易くなって、環境に悪影響を及ぼすこと等が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。別に、地盤改良に用いるセメントスラリーの流動性を改善する提案(例えば、特許文献1〜3参照)や、地盤改良にも適用できる高炉スラグ等を用いた水硬性組成物についての提案(例えば、特許文献4〜8参照)等もあるが、二酸化炭素の排出量の低減に寄与するような具体的な報告や提案はされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−256161号公報
【特許文献2】特開2000−169209号公報
【特許文献3】特開2006−298726号公報
【特許文献4】特開昭62−158146号公報
【特許文献5】特開昭63−2842号公報
【特許文献6】特開平1−208354号公報
【特許文献7】特開平10−114555号公報
【特許文献8】特開2002−241152号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「セメント系固化材による地盤改良マニュアル」、セメント協会編、1984年、頁42−44.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、地盤改良工事において施工性を確保しつつ、地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制した地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、結合材として高炉スラグ微粉末を高い割合で含有する特定の高炉スラグ組成物を混和剤と共に用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法が正しく好適であることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有して成る地盤改良用スラリー組成物であって、結合材として下記の高炉スラグ組成物を用いて水/該高炉スラグ組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉スラグ組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成ることを特徴とする高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物に係る。
【0008】
高炉スラグ組成物:粉末度が3000〜13000cm/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、アルカリ刺激材を0.5〜1.5質量部又は5〜45質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。
【0009】
また本発明は、本発明に係る高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物を、土1m当たり300〜1200kgの割合で用いることを特徴とするソイルセメントスラリーの調製方法に係る。
【0010】
本発明に係る高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物(以下、本発明のスラリー組成物という)は、少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有して成るものである。本発明のスラリー組成物は結合材として特定の高炉スラグ組成物を用いたものであり、かかる高炉スラグ組成物は、粉末度が3000〜13000cm/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、アルカリ刺激材を0.5〜1.5質量部又は5〜45質量部の割合で添加したものである。
【0011】
前記の高炉スラグ微粉末は、粉末度が3000〜13000cm/gのものを使用するが、好ましくは3000〜8000cm/gのものを使用し、より好ましくは3500〜6500cm/gのものを使用する。粉末度が3000〜13000cm/gの範囲を外れたものを使用すると、調製したスラリー組成物の流動性が悪くなったり、これを用いた地盤の強度発現が低下したりする。尚、本発明において粉末度はブレーン法による比表面積で表したものである。
【0012】
また石膏としては、無水石膏、二水石膏、半水石膏が挙げられるが、無水石膏が好ましい。無水石膏としては、それを90質量%以上の純度で含有するものであれば使用でき、天然無水石膏や副産無水石膏等が使用できる。粉末度は、2500〜8000cm/gのものが好ましく、3000〜6500cm/gのものがより好ましい。
【0013】
更にアルカリ刺激材としては、水酸化カルシウム、生石灰、軽焼マグネシア、軽焼ドロマイト、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、なかでも水と接触したときに徐々に水酸化カルシウムを生成する性質を持つアルカリ刺激材が好ましく、かかる性質を有するアルカリ刺激材としてポルトランドセメントがより好ましい。ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等が挙げられるが、汎用の普通ポルトランドセメントが好ましい。
【0014】
本発明のスラリー組成物では、水/高炉スラグ組成物の質量比を40〜250%に調製するが、好ましくは45〜230%に調製する。かかる質量比が250%より大きいと、地盤の強度の低下が大きくなり、逆に、かかる質量比が40%より小さいと、ソイルセメントスラリーの流動性が低下する。また本発明のスラリー組成物では、高炉スラグ組成物100質量部当たり、混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有させて用いる。尚、本発明において水/高炉スラグ組成物の質量比は、(用いた水の質量/用いた高炉スラグ組成物の質量)×100で求められるものである。
【0015】
本発明のスラリー組成物において、混和剤としては、従来公知のソイルセメント用に用いられるものが挙げられる。これには例えば、流動化剤、消泡剤等が挙げられる。
【0016】
流動化剤としては、特に限定されるものではないが、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量(GPC法、プルラン換算、以下同じ)が2000〜70000の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものが好ましく、なかでも炭素数3〜8のα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものがより好ましく、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものが特に好ましい。
【0017】
流動化剤としては、質量平均分子量1500〜50000のポリアクリル酸のアルカリ金属塩からなるものも好ましく、これは前記の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩と組み合わせて使用することもできる。以上説明した流動化剤の使用量は、高炉スラグ組成物100質量部当たり、0.1〜5質量部の割合とするが、0.3〜4質量部の割合とするのが好ましい。
【0018】
消泡剤としては、特に限定されるものではないが、ポリアルキレングリコールモノアルケニル(又はアルキル)エーテル、変性ポリジメチルシロキサン、リン酸トリアルキル等の消泡剤が挙げられる。なかでも、経済性及び効果の発現程度の点から、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルから成る消泡剤が好ましい。消泡剤は、本発明のスラリー組成物を調製する際の泡立ちによるトラブルを無くし、同時に該スラリー組成物を地盤に注入して掘削撹拌する際の空気の巻き込みを抑えて得られる地盤硬化体の強度発現性を高めるために用いる。消泡剤の使用量としては、高炉スラグ組成物100質量部当たり、0.001〜0.1質量部の割合とするのが好ましく、0.002〜0.01質量部の割合とするのがより好ましい。
【0019】
本発明のスラリー組成物は公知の方法で調製できる。例えば、高炉スラグ組成物と混和剤と水の各所定量をミキサーに投入して練り混ぜる方法で調製することができる。この際、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて、ベントナイト、繊維等の添加材、凝結遅延剤や硬化促進剤等の添加剤を添加することもできる。
【0020】
本発明に係るソイルセメントスラリーの流動化方法では、以上説明した本発明のスラリー組成物を、求められるソイルセメントスラリーの流動性や地盤硬化体の強度に応じて、土と混合してソイルセメントスラリーとする。この際、本発明のスラリー組成物は、土1m当たり300〜1200kgの割合となるように用いるが、400〜1100kgの割合となるように用いるのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、地盤改良工事において、結合材として特定の高炉スラグ組成物を混和剤と共に用いることにより、二酸化炭素の排出量を抑制しつつ、調製したソイルセメントスラリーの経時的な流動性の低下を抑えて良好な施工性を確保することができ、同時に地盤硬化体に必要な強度を発現させることができるという効果がある。
【0022】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
【実施例】
【0023】
試験区分1(混和剤としての流動化剤の調製)
撹拌機を備えたフラスコに水145g及び30%濃度の苛性ソーダ470gを投入した後、内温を60℃に保ちつつ撹拌しながら、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物(クラレ社製、商品名イソバン600)395gを徐々に加えながら加水分解し、共重合物のアルカリ金属塩を得た。これをGPCで分析したところ、質量平均分子量が23000、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物のナトリウム塩からなる水溶性ビニル共重合体のナトリウム塩(p−1)であった。同様な方法で、流動化剤(p−2)及び(p−3)を調製した。
【0024】
前記の流動化剤を含み、本発明で使用した混和剤としての流動化剤及び消泡剤を表1にまとめて示した。
【0025】
【表1】

【0026】
試験区分2(高炉スラグ組成物の調製)
表2に記載の調合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏、アルカリ刺激材を用いて高炉スラグ組成物を調製し、高炉スラグ組成物(S−1)〜(S−10)及び(R−1)〜(R−10)を得た。

【0027】
【表2】

【0028】
表2において、
sg−1:粉末度が4100cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が5900cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:粉末度が1020cm/gの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4150cm/gの無水石膏
gp−2:粉末度が5800cm/gの無水石膏
rc−1:普通ポルトランドセメント
rc−2:早強ポルトランドセメント
【0029】
試験区分3(地盤改良用スラリー組成物の調製)
実施例1〜40及び比較例1〜36
表3又は表4に記載の配合条件で、パン型強制練りミキサーに、表2に記載の高炉スラグ組成物及び練り混ぜ水(水道水)の各所定量を投入し、また混和剤として表1に記載の流動化剤及び消泡剤の各所定量を投入して練り混ぜ、各例の地盤改良用スラリー組成物を調製した。



【0030】
【表3】








【0031】
【表4】

【0032】
表3及び表4において、
高炉スラグ組成物の種類:表2に記載したもの
流動化剤及び消泡剤の種類:表1に記載したもの
流動化剤及び消泡剤の使用量:高炉スラグ組成物(比較例34〜36は高炉セメントB種)100質量部当たりの固形分としての質量部
*1:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm、ブレーン値3850cm/g、ポルトランドセメントを50%含有)
【0033】
試験区分4(ソイルセメントスラリーの調製及び評価)
実施例41〜80及び比較例37〜72
・ソイルセメントスラリーの調製
試験区分3で調製した各例の地盤改良用スラリー組成物を用いて、次のようにソイルセメントスラリーを調製し、評価した。目標の一軸圧縮強度を材齢28日で5N/mm以上に想定して、土1m当たりの地盤改良用スラリー組成物の含有量(kg)の調合を定めた。試験区分3で調製した地盤改良用スラリー組成物の所定量をホバートミキサーに投入した後、表5に記載の物性値を有する土(地盤を掘削して得られた粘性土/珪砂=3/1(質量比)で混合した混合土)を加えて混合し、表6及び表7に記載の各例のソイルセメントスラリーを調製した。各例のソイルセメントの調合条件は表6及び表7に記載した。
【0034】
【表5】

【0035】
・調製したソイルセメントスラリーの物性評価
調製した各例のソイルセメントスラリーについて、練り混ぜ直後のフロー値、練り混ぜてから90分経過後のフロー値、空気量及び一軸圧縮強度をつぎのように求め、結果を表6及び表7にまとめて示した。また二酸化炭素の排出量についても併せて示した。
・フロー値:JIS−R5201に準拠し、練り混ぜ直後及び90分経過後にフロー試験を行い、15回落差後のフロー値(mm)を測定した。
・空気量:JIS−A6201(1977年版)に準拠して求めた。
・一軸圧縮強度試験:JIS−A1108に準拠し、直径50mm×高さ100mmの型枠を用いて成形した成形品について、材齢28日の圧縮強度(N/mm)を測定した。
























【0036】
【表6】









【0037】
【表7】

【0038】
表6及び表7において、
注入量:土1m当たりの地盤改良用スラリー組成物の注入量(kg)
注入率:土1m当たりの地盤改良用スラリー組成物の注入割合(容積%)
結合材の含有量:土1m当たりの高炉スラグ組成物又は高炉セメントB種の含有量(kg)
二酸化炭素の排出量:土1mを改良するときの二酸化炭素の排出量(kg)。但し、石膏の製造に必要なエネルギーに由来する二酸化炭素の排出量を除いてポルトランドセメントの使用量から計算した値。
【0039】
表6及び表7からも明らかなように、各実施例で調製したソイルセメントスラリーは、従来から使用されてきた高炉セメントB種を用いた比較例70〜72に比べて、土1mを改良する場合の炭酸ガスの排出量が少ないことが特徴であり、しかもフロー値がいずれも200mm以上の良好な流動性及び流動保持性が得られ、同時に目標の一軸圧縮強度も十分満足する結果が得られている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有して成る地盤改良用スラリー組成物であって、結合材として下記の高炉スラグ組成物を用いて水/該高炉スラグ組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉スラグ組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成ることを特徴とする高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
高炉スラグ組成物:粉末度が3000〜13000cm/gの高炉スラグ微粉末を80〜95質量%及び石膏を5〜20質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、アルカリ刺激材を0.5〜1.5質量部又は5〜45質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。
【請求項2】
アルカリ刺激材がポルトランドセメントである請求項1記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項3】
ポルトランドセメントが普通ポルトランドセメントである請求項1記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項4】
石膏が無水石膏である請求項1〜3のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項5】
高炉スラグ微粉末が、その粉末度が3500〜6500cm/gのものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項6】
混和剤の少なくとも一部として、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量が2000〜70000の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなる流動化剤を含有する請求項1〜5のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項7】
混和剤の少なくとも一部として、質量平均分子量が1500〜50000のポリアクリル酸のアルカリ金属塩からなる流動化剤を含有する請求項1〜6のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項8】
混和剤の少なくとも一部として、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルからなる消泡剤を含有する請求項1〜7のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項9】
水/高炉スラグ組成物の質量比を45〜230%に調製した請求項1〜8のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つの項記載の高炉スラグ組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物を、土1m当たり300〜1200kgの割合で用いることを特徴とするソイルセメントスラリーの調製方法。

【公開番号】特開2010−285466(P2010−285466A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138003(P2009−138003)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発/エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】