説明

高炉炉体の撤去方法

【課題】高炉炉体を確実に且つ短時間で分離・撤去する方法を提供する。
【解決手段】高炉炉体の撤去しようとする範囲の上方を切り離し、撤去しようとする範囲の下方の基礎コンクリートあるいはベースグラウト11をワイヤソーで切断し、一体的に接合した敷ビーム12及び炉底マンテル35からなる高炉炉体36を上昇させ、その間に横移動手段を配置し、高炉炉体36を前記横移動手段上に降ろして横移動させ、炉体櫓14外に移動させる高炉炉体の撤去方法において、横移動手段を滑り部材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉改修における高炉炉体の撤去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉炉体の撤去方法については、例えば、特許文献1に提案されているものがあった。この特許文献1には、高炉本体の下部に設けられている敷ビームより下側の基礎コンクリートに予め複数の切断区分に分割された水平切断部を計画し、高炉本体が直立状態を維持するようにしてそれぞれの切断区分をワイヤソーで切断し、ワイヤソーで切断した部分には、剥離性を確保してグラウト材、或いは、砂又は鉄粒子を充填するので、敷ビームによる高炉の冷却を、切断中にも継続して行うことができ、高炉の操業中に解体作業を開始することができる技術が開示されている。また、この方法は一体的に接合した前記敷ビーム及び炉底マンテルからなる高炉炉底部を上昇させ、該高炉炉底部と前記基礎コンクリートの下部とを離反させ、その間に横移動手段を配置し、前記高炉炉底部を前記横移動手段上に降ろして横移動させるので、不定形の状態で固化する高炉炉底部内の残渣の量や、残渣が固化したときの形状によらずに作業手順を画一化することができると提案している。
【特許文献1】特開2002−339007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の高炉炉体の撤去方法は、横移動手段として、レール部材、台車、ころ、又は空気式浮上装置等を想定している。これらの横移動手段は、高炉炉底部の移動抵抗を減らすことは可能である。しかしながら、これらの横移動手段を配置するには、移動させる予定の高炉炉体の撓み+横移動手段の高さ+余裕代分の空間を確保する必要がある。この空間を確保するために、高炉炉底部を含む炉体を上昇させる際には、上部の高炉炉体は吊下支持されたままであるので、搬出部と上部の高炉炉体との中間部を上昇代以上の幅で切断しておく必要がある。すなわち、搬出部の上昇代が大きいとそれだけ、中間部を切断除去する作業負荷が大きくなる。また、ワイヤソーにて切断する高炉炉底のコンクリート切断面は、時に剥落したり、一部が剥落しきれずに高炉炉底にくっついていたり、高炉炉底部のたわみが一部で大きかったりして、計画していた空間が確保できなくなることがある。すなわち、横移動手段は、高炉炉底からコンクリート片が垂れ下がっていたり、切断面にコンクリート切断片が剥落していたりしても設置可能で、簡素な形状である必要がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、横移動手段用の取込空間を最小として、高炉の解体作業を短期間で確実に行うことができる高炉炉体の撤去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る高炉炉体の撤去方法は、高炉炉体の撤去しようとする範囲の上方を切り離し、撤去しようとする範囲の下方の基礎コンクリートあるいはベースグラウトをワイヤソーで切断し、一体的に接合した敷ビーム及び炉底マンテルからなる高炉炉体を上昇させ、その間に横移動手段を配置し、前記高炉炉体を前記横移動手段上に降ろして横移動させ、炉体櫓外に移動させる高炉炉体の撤去方法において、横移動手段を滑り部材とする。
【0006】
横移動手段の滑り部材は、敷板と、滑り板と、前記敷板と前記滑り板との間に塗布する潤滑剤とにより構成されることが望ましい。
【0007】
また、横移動手段の滑り部材の敷板と滑り板が、SS材とSUS材、SUS材とSUS材、SS材とSS材のいずれかの組み合わせであることが望ましい。横移動手段の滑り部材の敷板と滑り板との少なくとも一方の内面側がSUS材であることがより望ましい。
【0008】
また、ワイヤソーで切断した隙間に球状粒子を充填し、横移動手段の滑り部材を滑り板のみとすることもできる。
【0009】
さらに、ワイヤソーで切断した隙間に球状粒子を充填する場合、球状粒子は、最大直径10mm以下の球状あるいは楕円球状の鉄球であることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
横移動手段を滑り板のみ、あるいは敷板と滑り板と前記敷板と前記滑り板との間に塗布する潤滑剤とにより構成される滑り部材としたので、横移動手段用の取込空間を最小にできる。例えば、ワイヤソーにて切断する高炉炉底のコンクリート切断面が、時に剥落したり、一部が剥落しきれずに高炉炉底にくっついていたり、高炉炉底部のたわみが一部で大きかったりしても、僅かな横移動手段用の取込空間が確保できれば、高炉の解体作業を短期間で確実に行うことができる。
【0011】
また、高炉炉体を、横移動手段を介して横移動させるので、不定形の状態で固化する高炉炉底部内の残渣の量や、残渣が固化したときの形状によらずに作業手順を画一化することができ、簡単に短時間で炉体櫓外に横移動させることができるので、高炉の改修を含む解体作業を短期に終了することができることは言うまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る高炉炉底部の解体方法が適用される高炉10について説明する。高炉10は、基礎コンクリート11と、基礎コンクリート11上に設けられた敷ビーム12と、敷ビーム12上に設けられた高炉本体13を有している。また、高炉10の上部には、複数の排気管15が設けられている。高炉10及び排気管15は、高炉10の周囲の4カ所に立設する支柱22を所定位置で接続した炉体櫓14に支持されており、炉体櫓14の下部には高炉10を囲繞する環状管16が支持されている。また、炉体櫓14の上端部には、炉頂アウトリガークレーン17が設けられ、炉体櫓14の中間部に設けられた仮設張出デッキ18と共に、高炉10の上部に設けられた装入設備19等の保守、解体作業を行うことができる。また、炉体櫓14内の仮設張出デッキ18と実質的に同じレベルには、作業デッキ21が配置され、作業デッキ21には、高炉本体13を支持可能な複数台のセンターホールジャッキ50等の吊下手段を取付けることができる。以下、詳しく説明する。
【0013】
まず、敷ビーム12について説明する。図1に示すように、基礎コンクリート11上に設けられた敷ビーム12は、並べて配置された多数のH形鋼23と、隣接するH形鋼23の間に設けられ内部に冷却水を通過させる冷却管24と、多数のH形鋼23の上部に設けられ平面視して円状の炉底板26を有している。また、冷却管24の下側にはグラウト材25が注入されて固化され、冷却管24の上側には、スタンプ材28が炉底板26の上側から図示しない注入口を介して注入され固化されている。高温になる敷ビーム12の上側は、冷却管24及びスタンプ材28の伝熱効果により効率よく冷却され、敷ビーム12の下側の基礎コンクリート11は、グラウト材25の断熱効果によって、温度上昇が制限されている。
【0014】
次に、高炉本体13について説明する。高炉本体13は、筒状に形成され、炉底板26の上部に溶接されて立設している。高炉本体13の外側は鉄皮29で覆われ、その内側には、多数のステーブクーラ30が配置されている。また、高炉本体13の内側下部には、耐火物からなる炉底煉瓦層31が形成されている。高炉10の吹き卸し後には、炉底煉瓦層31の一部が溶損してコークス層32と一体になって固化しており、また、コークス層32の下側には、冷却凝固した残銑33が残っている。高炉本体13は、中間部を実質的に水平に切断され、切断部分より上側に形成された上部マンテル34と、切断部分より下側に形成され残存煉瓦及び残銑33を内蔵する炉底マンテル35とに分離される。なお、本明細書中においては、一体的に接合した敷ビーム12及び炉底マンテル35を高炉炉底部36として説明する。
【0015】
次に、高炉炉底部36の解体方法の手順について説明する。
【0016】
(炉底部切離工程)
まず、高炉本体13の下部に設けられている敷ビーム12より下側の基礎コンクリート11に予め6つの切断区分68〜73に分割された水平切断部49を計画する。図2に示すように、撤去しようとする高炉炉底部下方の基礎コンクリート(あるいはベ−スグラウト)11をワイヤソー74〜79で切断する範囲を、高炉炉底部を水平移動する方向(図2において左右方向)と平行な複数の切断区分68〜73に分割する。その分割幅は、400mm以上で5000mm以下とすることが好ましい。
【0017】
各切断区分68〜73の境界80〜91は、図示しない穿孔機を用いて側方から行われるボーリング加工によって分離され、穿孔が施された隣接する境界80・81、境界82・83、境界84・85、境界86・87、境界88・89及び境界90・91には、それぞれワイヤソー74〜79が挿通される。ワイヤソー74〜79によって切断区分68〜73は、例えば、上下に5〜20mmの幅で切断することができる。
【0018】
各切断区分68〜73での切断要領は同じなので、ワイヤソー74によって、切断区分68を切断する場合を例に説明する。ワイヤソー74によって、切断するときの切断範囲は、高炉本体13の荷重によって敷きビーム12が屈曲せず、また、切断部分にひび割れ等が発生しない程度にする。次に、切断した部分にフレキシブルホースを挿入し、上下の切断面47、48の双方に液状の剥離材を塗布する。次に、ワイヤソー74で切断した部分、すなわち切断面47、48の間にグラウト材56を充填する。グラウト材56が固化(硬化)する前には、高炉本体13の荷重は、ワイヤソー74で切断した部分以外の未切断部分に加わるが、充填されたグラウト材56が硬化すると、硬化したグラウト材56で高炉本体13の荷重を支持することができる。
【0019】
このようにして、部分切断、剥離材塗布、グラウト材56の注入及び硬化を繰り返し行い、切断区分68を完全に切断し、その後、同様の手順で切断区分69〜73を切断することによって、水平切断部49を切断し、高炉本体13の荷重を全て板状に配置され固化したグラウト材56で受ける。敷ビーム12より下側を切断するので、敷ビーム12内に配置された冷却管24による高炉本体13の冷却を継続して行うことができる。すなわち、高炉10の操業中においても炉底部切離工程を行うことができる。
【0020】
また、剥離材塗布及びグラウト材充填の代わりに球状粒子として砂又は鉄粒子を充填すると更に高炉本体の荷重支持強度が増し、また、剥離材を塗布する必要がないのでグラウト材充填に比べ工程を短縮することができる。充填する球状粒子としては、破壊強度が1mmの粒径で0.1kg以上の荷重に耐える粒子とすることが好ましい。破壊強度が低いと、球状粒子が塑性変形し・破壊し、結果として、後述する高炉炉底部の水平移動に要する力が大きくなる。球状粒子としては、例えばショットピーニング用に使用される鉄球を用いることができる。なお、ここで言う破壊強度とは、球状粒子1個が破壊する荷重である。
【0021】
また、球状粒子は、高炉炉底部の下方の切断部に充填可能な大きさである必要があり、現実的には最大直径10mm以下の球状又は楕円球状の鉄球を用いる。ただし、球状粒子の直径が小さくなると破壊強度が小さくなり、安価に入手できる鉄球においても、直径が1mm以下になると、破壊強度が0.1kgよりも小さくなる。一方、球状粒子の最大直径が大きくなると、球状粒子の単位荷重が大きくなり、充填時の球状粒子の流動性が悪化する。従って、球状粒子の最大直径は1mm以上4mm以下であることがより望ましい。
【0022】
砂又は鉄粒子の充填には、図5(A)、(B)に示すノズル59を採用した。この鋼管(ステンレス鋼管であってもよい)からなるノズル59の内面に耐摩耗性材料60、例えばレジン系又は珪酸塩系を含むAl23 とSiO2 を主成分とする耐摩耗性材料を塗布した。これは、ノズル59内に砂又は鉄粒子を流動させながら切断部に充填するため、ノズルの摩耗が激しく、この摩耗を防ぐのに効果がある。このノズル59の先部には鋼製の盲蓋61を有し、その手前にスリット63があり、この部分から砂又は鉄粒子が吹き出る。また、ノズル59の下部には散水ノズル62が設けられ、砂又は鉄粒子の充填と共に散水し、これらの粉体の舞い上がりを防止する。また、砂又は鉄粒子の流動には圧縮空気を使用した。この圧縮空気によりノズル59内を気体搬送させて切断部に砂又は鉄粒子を充填する。
【0023】
(炉体切断工程)
水平切断部49の大半又は全部を切断した後、高炉10を吹き卸し、高炉本体13の鉄皮29の上部及び下部に複数の吊下用ブラケット52、53を溶接固定すると共に、炉体櫓14に複数のセンターホールジャッキ50、51を取付け、高炉10を、吊下用ブラケット52、53及びセンターホールジャッキ50、51を介して炉体櫓14に吊下支持する。次いで、高炉本体13の中間部、すなわち、高炉本体13の羽口レベルより下側を実質的に水平に所定幅で切断し、上部マンテル34を、炉底マンテル35から分離する。このとき、上部マンテル34は、上側の吊下用ブラケット52及び上側のセンターホールジャッキ50によって支持され、炉底マンテル35を含む高炉炉底部36は、下側の吊下用ブラケット53及び下側のセンターホールジャッキ51によって支持されている。次に、上部マンテル34及び高炉炉底部36と、これらに接続する装入設備19や出銑床54等との接続を解除し、炉体櫓14の上部に設けられた装入設備19等を炉頂アウトリガークレーン17及び仮設張出デッキ18を用いて解体撤去する。また、同時に、水平切断部49の未切断部をワイヤソーで切断する。
【0024】
(高炉炉底部撤去工程)
センターホールジャッキ50を用いて上部マンテル34を吊下した状態で、センターホールジャッキ51を用いて高炉炉底部36を上昇させる。高炉炉底部36は、水平切断部49に塗布された剥離材の作用により小さな力で簡単に基礎コンクリート11の下部から離反して上昇することができる。又は、油圧ジャッキにて炉底部を上昇することも可能である。次いで、切断面47、48の間、すなわち切断面48上に滑り部材64からなる横移動手段を配置する。横移動手段の滑り部材64は、複数の敷板65及び敷板65上を滑動する滑り板66とする。敷板65と滑り板66との間には、グリース等の潤滑剤67を塗布することが望ましい。また、横移動手段の滑り部材の敷板と滑り板は、SS材とSUS材、SUS材とSUS材、SS材とSS材のいずれかの組み合わせとする。ここで、横移動手段の滑り部材の敷板と滑り板との少なくとも一方の内面側がSUS材であることが望ましい。また、ワイヤソー74〜79で切断した隙間に球状粒子を充填する場合には、横移動手段の滑り部材64に敷板65を使用せず、滑り板66のみとしてもよい。
【0025】
図6にスライド搬送時に、スライド上下面部材を種々に変更した場合の摩擦係数を調査した結果を示す。コンクリート面上をコンクリートを滑らせる場合の摩擦係数0.58が、鉄板上をグリース潤滑したSUS材では0.08〜0.13迄低減できることがわかる。本発明に係る横移動手段の厚さは、例えば、横移動搬出する対象の高炉炉体重量が4000ton程であっても、滑り部材厚みは12mmSUS滑り板+25mm敷鉄板=37mmで済み、例えば空気浮上装置を使用する場合に比べ、150mm程取込空間高さが少なくて済む。
【0026】
そして、高炉炉底部36を滑り板66上に降ろして、図示しないウインチ等を用いて横移動させ、炉体櫓14外に移動させる。炉体櫓14外には、例えば、図4に示すような重量物搬送台車57を配置しておき、高炉炉底部36を重量物搬送台車57に固定した後、高炉設備の系外に設けられた図示しない作業ヤードに輸送することができる。このような手順によって、高炉炉底部36の解体を行うことができる。炉体櫓14に吊下げられた状態の上部マンテル34は、例えば、高炉炉底部36を搬出した後に設置する図示しないレール部材上への下降と、下側部分の切断及び撤去作業を繰り返して解体することができ、また、上部マンテル34を複数のリング状マンテルに分割し、下側のリング状マンテルから順に系外に搬出することも可能である。
【0027】
本実施の形態においては、高炉炉底部36を、敷ビーム12より下側の基礎コンクリート11から切断するので、作業の開始を高炉10の吹き卸し前に行うことができ、高炉の解体作業の工期を短縮することができる。また、円筒状の炉底マンテル35と円板状の敷ビーム12を一体的に固着させたまま容器状に形成するので、内部に残銑33やコークス層32等の不定形物を有したまま上昇させ、高炉炉底部36の下部に横移動手段として取り込み空間高さの少ない滑り部材64を配置するので、高炉炉底部36の解体撤去を迅速かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高炉炉底部の解体方法が適用される高炉の部分正断面図である。
【図2】同高炉の平断面図である。
【図3】同高炉及び炉体櫓の正断面図である。
【図4】同高炉及び炉体櫓の正断面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、砂又は鉄粒子を充填するノズルの構造を説明する正面図、底面図である。
【図6】スライド搬送時に、スライド上下面部材を種々に変更した場合の摩擦係数を示す説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10:高炉、11:基礎コンクリート、12:敷ビーム、13:高炉本体、14:炉体櫓、15:排気管、16:環状管、17:炉頂アウトリガークレーン、18:仮設張出デッキ、19:装入設備、21:作業デッキ、22:支柱、23:H形鋼、24:冷却管、25:グラウト材、26:炉底板、28:スタンプ材、29:鉄皮、30:ステーブクーラ、31:炉底煉瓦層、32:コークス層、33:残銑、34:上部マンテル、35:炉底マンテル、36:高炉炉底部、47、48:切断面、49:水平切断部、50、51:センターホールジャッキ、52、53:吊下用ブラケット、54:出銑床、56:グラウト材、57:重量物搬送台車、58:台車、59:ノズル、60:耐摩耗性材料、61:盲蓋、62:散水ノズル、63:スリット 、64:滑り部材、65:敷板、66:滑り板、67:潤滑剤、68〜73:切断区分、74〜79:ワイヤソー、80〜91:境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉炉体の撤去しようとする範囲の上方を切り離し、撤去しようとする範囲の下方の基礎コンクリートあるいはベースグラウトをワイヤソーで切断し、一体的に接合した敷ビーム及び炉底マンテルからなる高炉炉体を上昇させ、その間に横移動手段を配置し、前記高炉炉体を前記横移動手段上に降ろして横移動させ、炉体櫓外に移動させる高炉炉体の撤去方法において、横移動手段を滑り部材とすることを特徴とする高炉炉体の撤去方法。
【請求項2】
横移動手段の滑り部材が、敷板と、滑り板と、前記敷板と前記滑り板との間に塗布する潤滑剤とにより構成されることを特徴とする請求項1記載の高炉炉体の撤去方法。
【請求項3】
横移動手段の滑り部材の敷板と滑り板が、SS材とSUS材、SUS材とSUS材、SS材とSS材のいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項2記載の高炉炉体の撤去方法。
【請求項4】
ワイヤソーで切断した隙間に球状粒子を充填し、横移動手段の滑り部材を滑り板のみとすることを特徴とする請求項1記載の高炉炉体の撤去方法。
【請求項5】
ワイヤソーで切断した隙間に充填する球状粒子が、最大直径10mm以下の球状あるいは楕円球状の鉄球であることを特徴とする請求項4記載の高炉炉体の撤去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−283183(P2006−283183A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108780(P2005−108780)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)