説明

高用量の経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥剤形

【解決手段】 本発明は、硫黄含有材料など不快な味の有効成分およびマトリックスのマスキングに関わり、顆粒および/または有効成分の形状および/または特性を十分に保護する保護性顆粒結合剤および有効成分を有する保護性顆粒を含む、口腔内で可溶性の/分解可能な凍結乾燥剤形、および再現性のある方法、を提供する。さらには、治療の必要に際して患者の口腔内に投薬形態を設置する工程と、それを許可するための剤形の十分な分解/溶解、および特に保護性顆粒の溶液、懸濁液、またはスラリーとしての嚥下を許す工程、および少なくとも部分的に分解した/溶解した剤形の嚥下の工程、を有する、口腔内で可溶性の/分解可能なあらゆる投薬形態を用いた患者の治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
共通の錠剤圧縮器及びコーティング技術を用いて製造された従来の錠剤は、有効成分に加えて比較的多くのパーセンテージの賦形剤の使用を必要とする。そのような賦形剤には、注入剤、結合剤、潤滑剤、抗粘着剤、流動促進剤、着色料、ポリマーコーティング、可塑剤、崩壊剤などが含まれる。前記賦形剤レベルは、いくつかの例において、薬剤特性及び前記錠剤の使用目的に依存して、前記錠剤重量の90%を超える。従って、用量レベルが50mg以上の苦い味の薬剤に対して、錠剤重量は、1.5g以上となり、これは人における消費、特に老人及び子どもの患者に対して問題である。代替製造技術として凍結乾燥を使用することによって、より少ない賦形剤の使用を必要とするという利点を提案する。
【0002】
凍結乾燥剤形は既知である。Lafonによる米国特許第4,616,047号、Nguyenらによる米国特許第5,843,347号及びBlondeらによる米国特許第3,855,712号を参照のこと。これらの凍結乾燥剤形は、’047特許に記載されたような凍結乾燥乳剤に基づくものであり、これらの処方には、ショ糖、グルコース、キシロース、ソルビトール、サッカリン及びサッカリン化物質(saccharinates)(特にナトリウム、カリウム及びカルシウムサッカリン)、サイクラミン酸(特にナトリウム、カリウム及びカルシウムサイクラミン酸)、アスパルテーム、及び特にクエン酸、アスコルビン酸及び酒石酸などに含まれる味覚修飾剤(特にサッカリン及びサイクラミン酸タイプの合成甘味料の苦い後味を隠す目的で使用)及びアロマなどの天然或いは合成甘味料が含まれる。’347特許には、他の事と共に、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸エステルエチル/ビニル酢酸コポリマー、ポリメチルシロキサン、ポリアクリルアミド、PVP及びポリビニル酢酸、ポリ乳酸及びポリグリコール酸及びそれらのコポリマー、ポリウレタン、ポリペプチド及びその他のものを含む、たくさんの化合物でコーティングされる凍結乾燥マイクロビーズが記載されている。1実施形態において、前記コーティングは、含有物質が溶解するのを可能にする微小孔性半透過性膜を産生し、ここにおいて有効成分を含有する水溶液を排出する浸透圧が生じる。これらの処方は、様々な希釈剤、甘味料及び人工甘味料、更には天然或いは合成香料及びそれらの混合物を含むことができる。米国特許第4,490,407号及び第3,939,260号を参照のこと。
【0003】
非凍結乾燥処方において、味覚マスキングのために様々なコーティング物質を使用することが知られている。例えば、米国特許第5,178,878号、第5,223,264号、第6,024,981号及び第6,740,341号を参照のこと。これら全てはEden Prairie(ミネソタ)のCIMA LABS INC.が権利を有している。
【0004】
しかしながら、凍結乾燥剤形の調合において味覚マスキングコーティング技術を用いる場合、問題も存在する。凍結乾燥剤形に含有される成分はしばしば、例えば水、短鎖直鎖状アルコール、及びそれらと同等物を含む凍結乾燥溶媒に懸濁、分散或いは溶解される。溶媒曝露が延長されるので、その凍結乾燥工程が何時間も延長される。時々、これらの成分はそのような溶媒曝露、特に延長曝露によって有害な影響を受ける。実は、物質は意図せず溶解し、それによっていくつかの望ましい性状を破壊してしまう。例えば、溶解された顆粒はもはや顆粒ではない。同様に、味覚マスキング剤形では、前記味覚マスキングコーティングは損なわれ、従って味覚マスキングも同様に損なわれる。従って、剤形を産生する技術における改善に対する重要なニーズが未だ残っている。
【0005】
さらに、薬剤、食事性サプリメントなどにおいて見出されたいくつかの有効成分は、チュアブルで溶解可能及び分解可能な剤形において隠すのが困難な味覚を有している。この味覚マスキング問題は、治療上有効な量で患者を治療するために多くのこれら成分が高用量で投与されるべきであるという事実によってより悪化する。悪い味の有効成分を隠すために、硫黄−コーティング産物など、製造者は上述したような様々なコーティング物質を適用する工程を利用している。しかしながら、これによって顆粒のサイズが増加し、あらゆる剤形に取り込まれ得る有効成分の量の減少をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1実施形態において、有効成分、及び前記顆粒及び/若しくは有効成分の形態及び/若しくは性状を実質的に保護し、硫黄−含有物質など有効成分の悪い味を隠すのに関与する保護性顆粒化結合剤を有する保護性顆粒を含む、経口的に溶解可能/分解可能な、凍結乾燥剤形を提供する。前記剤形はさらに、マトリックスも含む。「保護性顆粒」という用語は、少なくとも1つの保護性顆粒化結合剤及び/若しくは有効成分を取り込んだ顆粒を意味する。「保護性顆粒化結合剤」とは、凍結乾燥溶媒と接触する前に前記顆粒及び/若しくは有効成分が有している実質的に望ましい形態或いは構造で、前記顆粒及び/若しくは有効成分を保存することができる顆粒化結合剤である。これには、限定されるものではないが、粒子サイズ、結晶或いは非結晶形態、構造、顆粒化の状態、色或いは香り、或いはそれらと同等のものを保存することが含まれる。特に、好ましい実施形態において、前記有効成分のわずか10%が、最も好ましくはわずか5%が凍結乾燥工程の間に溶解するであろう。これは、特定の時間での懸濁液を遠心分離し、そのAPIの溶液濃度を測定することによって測定され得る。前記剤形のバランスは、本明細書では単純に「マトリックス」としても言及される外顆粒マトリックスである。好ましい実施形態において、本発明は比較的高用量の有効成分を含有する剤形を産生するために使用される。本発明の剤形は、それらは固形として口の中に置かれ、口の中で溶解/分解され、その後結果生じた溶液、分散液、懸濁液或いはスラリーが飲み込まれるであろうことを意味する、直接経口投薬用を意図している。
【0007】
1実施形態において、前記剤形は、少なくとも1つの有効成分及び少なくとも1つの保護性顆粒化結合剤を持つ顆粒を有するものである。これはさらに、本明細書において「保護性顆粒」としても言及される。前記保護性顆粒はさらに、コーティング物質、固形支持体、付加的な味覚マスキング物質、付加的な顆粒化結合剤、pH調節物質或いは緩衝剤、及び本明細書に記載されたような他の賦形剤も含む。
【0008】
前記マトリックスは、1若しくはそれ以上の結合剤、凍結乾燥結合剤、注入剤、糖、人工甘味料、ポリマー、香料、味覚マスキング物質、有効成分、着色料、潤滑剤、発泡性崩壊剤、非発泡性崩壊剤、粘度修飾因子、界面活性剤及び緩衝剤を有する。このマトリックスは一般的に、しばしば前記保護性顆粒と共に凍結乾燥される。
【0009】
別の実施形態において、前記剤形は少なくとも1つの硫黄含有有効成分を有する。
【0010】
さらなる他の実施形態において、前記剤形は、口の中で好ましい感覚受容性を提供するように有効成分に対して選択される少なくとも1つの香料を含有する。いくつかの香料には、限定されるものではないが、フルーツパンチ、オレンジ、バナナ、チェリー、ミント、バブルガム、グレープ、パラダイスパンチ、ピーチ、マンゴー、及びそれらの組み合わせが含まれる。硫黄含有薬剤或いは味の悪い薬剤に対して、及び特にモダフィニル、ファモチジン或いはフェンタニル及び/若しくはそれらの塩類において特に有用な香料は、ミント及びフルーツパンチを含む。
【0011】
本発明の剤形を製造する工程は、ある場合には、大量の有効成分の封入、及び今まで不可能であると考えられてきた凍結乾燥剤形の実現と同様に以前では不可能であった有効成分の形態を可能にするものである。これらの工程はさらに、本発明の一部であるとも考えられる。
【0012】
本発明はさらに、消化過程への少なくとも1つの有効成分の急速送達、若しくはいくつかの他の口腔内分解錠剤と比較した場合の舌の上でのその有効成分の滞留時間の減少も可能し、口の中の好ましい感覚受容性も提供する。
【0013】
本発明の更なる別の実施形態において、本明細書に記載されたあらゆる経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥溶剤形を用いて患者を治療する方法を提供し、この方法は、治療を必要とする患者の口の中に前記剤形を置く工程、前記剤形、特に前記保護性顆粒を溶液、懸濁液或いはスラリーとして飲み込むことを可能にするように前記剤形が十分に溶解/分解するのを可能にする工程、及び前記患者が少なくとも部分的に溶解/分解した剤形を飲み込むのを可能にする工程を有するものである。この方法は、飲み込むことができない或いはできなくなる患者、老人患者、精神患者、及び子どもに対して特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の「直接経口投薬に適応した剤形」或いはより簡単に「剤形」とは、口の中で素早く溶解/分解するように適応された錠剤、カプセル、キャプレッツ、ウエハース、フィルム及びそれらと同等物などの固形として定義される。最も好ましいのは錠剤、キャプレッツ及びウエハースである。前記剤形が口の中で溶解及び/若しくは分解した後、結果生じる溶液、スラリー或いは懸濁液は、有効成分が口の下流である消化管を通過できるように飲み込まれる。次に前記有効成分は、例えば胃及び/若しくは腸を介して血流へ入る。
【0015】
「経口的に溶解(可能)/分解(可能)」とは、前記剤形内の水溶性成分が、溶液、懸濁液或いはスラリーとして摂取されるのを可能にするのに十分なほど溶解及び/若しくは分解することを意味している。最も好ましくは、前記溶液、懸濁液或いはスラリーは、一般的にザラザラしないものと考えられ、本分野の当業者による味覚テストによって粘度及び口の感覚の観点から心地良いものであろう。
【0016】
本発明に従った剤形が「溶解可能」或いは「分解可能」であると考えられるかどうか、若しくはその両者は、少なくとも、剤形の性質、有効成分の負荷、剤形及び使用された物質のサイズに依存するということは理解されるべきである。本発明に従った「溶解させる工程」とは、ある人の口の中で溶ける工程と同様な工程であり、多数の因子、最も重要なものとしては問題になっている成分の水溶性の程度、及び前記剤形がどのくらいの高度に水溶性な成分から構成されているかに依存している。これは、前記物質の性質(25℃の水(グラス中)或いは37℃の水(口の中)へのその特有の溶解性)、さらには粒子サイズ、平均粒子サイズ、多孔度、形態(結晶、非結晶、固形溶液)及びそれらと同等物のような要因に関与するものである。しかしながら、本来水溶性でない物質は、例えば単にその平均粒子サイズを減少することによっていきなり水溶性になることはないと理解されるであろう。「分解」及び同等な用語は、前記剤形がより小さな粒子及び/若しくは凝集体へと崩壊することを意味している。本発明に従った剤形が口の中に及びは好ましくは舌の上に置かれた場合に理解されるように、前記剤形の一部は分解され、その他は口の中に置かれた時から飲み込まれるまでの期間において溶解し始めるであろう。実は、いくつかの物質は、崩壊し溶解し始めるであろう。文脈で他の意味を指示しない限り、「溶解」或いは「分解」の使用は片方或いは両方の工程の可能性を示唆することを意味している。
【0017】
本発明の剤形は好ましくは、例えば120秒以内、好ましくは60秒以内、より好ましくは40秒以内、さらに好ましくは30秒以内に口の中で十分に急速に溶解及び/若しくは分解し、前記保護粒子を含有する溶液、懸濁液或いはスラリーとしてそれらを飲み込むことを可能にするであろう。いくつかの実施形態において、溶解/分解は、約10秒以内に生じる。好ましくは、前記剤形はさらに好ましい感覚受容性も提供する。一般的に、前記剤形がUSP分解装置において60秒以内に溶解する場合、本明細書に記載された口腔溶解/分解標準を満たすようである。29/24USP/NF2671を参照のこと。このテストは、特定の条件下で液体媒体中に置かれた時、剤形が処方された時間内で分解するかどうかを決定するために使用される。好ましくは、本明細書に記載された前記剤形はさらに好ましい感覚受容性も提供する。
【0018】
本明細書で使用される「好ましい感覚受容性」とは、経口剤形が比較的ザラザラした感覚を提供せず、粘度、粒子の粘着及びそれらと同等のことの観点で心地よい食感を持ち、心地よい、好ましくは好ましい摂取にするような、十分な味覚マスキングを提供することを意味する。本発明によって考慮されるように、前記剤形は十分に小さく、唾液分泌を促す、及び/若しくは口の中の滞留時間を短くするように、短時間で溶解/分解するものであり、好ましい経験を提供するのに役立つあらゆるもの或いは全てのものである。
【0019】
「溶液、スラリー或いは懸濁液」とは、前記剤形が、容易に飲み込まれ得る溶液或いは懸濁された固形を含有する液体を作るのに十分に溶解/分解するような、前記剤形が十分な量の液体(水/唾液)と混合されることを意味する。
【0020】
本発明に従った「保護性顆粒化結合剤」とは、凍結乾燥溶媒からそこへ十分な保護を提供し、味覚マスキング能も提供する、有効成分と共に顆粒へ取り込まれた成分を意味する。特に、それは前記剤形及び/若しくは前記顆粒からの、前記有効成分の意図していない望ましくない漏出を止めることを意味する。最も好ましい観点において、本発明の機能に対しては必要ではないものではあるが、前記保護性顆粒化結合剤は、少なくとも1つの構造的完全性、前記有効成分の機能的及び/若しくは物理的特性、凍結乾燥工程の間及びその後の顆粒化を十分に保護すべきである。これらの保護性顆粒化結合剤自身はさらに、味覚マスキングも提供し、付加的な利点を与える。しかしながら最も重要なのは、前記保護性顆粒化結合剤は、上述したように、凍結乾燥の間前記有効成分及び/若しくは顆粒に対して十分な保護を提供するが、一度同じものを含有した剤形(或いは保護性顆粒)が患者の口から消えた場合、前記有効成分の意図した放出に対して「意図しない変化」をほとんど或いは全く与えないことである。
【0021】
一般的に剤形の「漏出」を決定するために使用される2つのテストが存在する。第一に、剤型若しくは顆粒を評価するために顕微鏡が使用される。前記剤形或いは必要に応じて前記顆粒は、一般的に2〜4時間という時間の長さで溶液へ放置され、次に前記溶液から除去し、顕微鏡下で検査される。このテストは膨張及び前記剤形の外部への一般的な変化を示す一方、これは漏出の正確な検出ではなく、従って推奨されるテストではない。第二の定量化テストは、前記剤形或いは必要に応じて前記顆粒を一般的に2〜4時間の時間の長さで溶液へ放置する工程、前記上清を除去する工程、及び放出された有効成分の量を定量的に測定する工程を必要とする。第二のテストは、前記有効成分のあらゆる放出を含む、前記剤形に対するあらゆる変化を決定することにおいてより正確である。従って、本発明に対して、第二の定量化テストは、漏出を決定する方法である。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、前記定量化テストによって測定されたような漏出の量は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下であり、これは前記有効成分の溶解度及び保護性顆粒結合剤の量に依存するものである。本発明に従うと、前記有効成分が溶媒不溶性である場合、漏出は10%以下及びより好ましくは5%以下であることが好ましい。さらに、溶媒溶解性有効成分が使用された場合、保護性顆粒結合剤の量における増加、及び/若しくはpHの調節及び/若しくは前記溶媒のイオン強度は、漏出を減少するように操作されるということも、本発明によって考慮される。
【0023】
好ましい実施形態において、前記保護性顆粒化結合剤は、前記凍結乾燥溶媒へ溶解しない、或いは前記凍結乾燥溶媒へ曝される間実質的な保護を提供するように、少なくとも十分ゆっくりと溶解するものが選択される。さらに、前記有効成分は、前記保護性顆粒化結合剤によって実質的に保護されるものも選択される。より好ましくは、前記保護性顆粒化結合剤は、選択された凍結乾燥溶媒において実質的に不溶性である有効成分との組み合わせで使用されるように選択される。
【0024】
本発明に従った「溶液不溶性」とは、前記保護性顆粒及び/若しくは前記剤形内の不溶性成分は、1〜6時間の期間、より好ましくは2〜4時間の期間、凍結乾燥溶媒と接触した場合容易に溶解しない或いは十分に分解しないことを意味する。再び、これは、遠心分離を用い次に溶液濃度を測定することによって測定され得る。前記保護性顆粒結合剤及び有効成分はその溶媒不溶性に基づいて選択されることが好ましい一方、そのような選択は、限定されるものではないが、有効成分の味、有効成分及び/若しくは保護性顆粒結合剤の量、保護性顆粒結合剤に対する有効成分の比率、マトリクスによって前記剤形へ与えられる味覚マスキングの程度、或いは前記保護性顆粒結合剤へ添加される他の成分、若しくは前記剤形へ添加されるコーティングなどの多数の因子に依存するものであることが理解されるであろう。従って、前記有効成分、及び/若しくは前記剤形内の他の成分は、溶媒不溶性、部分的に溶媒不溶性、或いは溶媒溶解性であることが本発明によって考慮される。加えて、前記凍結乾燥溶媒は、前記凍結乾燥溶媒のpHレベル及びイオン強度を調節し漏出或いは変化を防ぐのを助けることを含む、LSPコーティング、有効成分、及び/若しくは剤形の溶解性を減少するように選択されるということもさらに本発明によって考慮される。
【0025】
「発泡性」とは、水や唾液を含む液体と混合された場合、前記剤形がガスを発生することを意味している。好ましい発泡剤は、水及び/若しくは口の中の唾液への発泡性分解剤の曝露で生じる化学反応の手段によってガスを発生する。この反応は、可溶性酸源及びアルカリモノ炭酸或いは炭酸源の反応でしばしば生じる結果である。これら2つの一般的な化合物の反応は、水或いは唾液との接触で二酸化炭素ガスを産生する。そのような水−活性化物質は一般的に、水への曝露によって時期尚早に前記錠剤を分解するので、無水で吸収湿気は少量若しくは存在しない状態、若しくは安定水和形態で維持されるべきである。もちろん、発泡性カップル(或いは個々の酸及び塩基別々に)は、コーティングでコーティングされ、時期尚早な反応を阻止することができる。
【0026】
本発明の剤形には、少なくとも1つの有効成分及び少なくとも1つの保護性顆粒結合剤を有する顆粒、及びマトリックスが含まれる。前記顆粒は、他の有効成分或いはあらゆる他の薬学的賦形剤も同様に含まれ得るが、少なくとも1つの第一の有効成分を有する。これらには、固形支持体、味覚マスキング剤、ビーズ、結合剤、崩壊剤、pH調節物質、緩衝剤及びそれらと同等物が含まれ得る。前記顆粒は、好ましくは治療上有効な量の前記少なくとも1つの有効成分を提供するのに十分な量で、1若しくはそれ以上の剤形で存在する。好ましくは、用量は2つ以下の剤形で、最も好ましくは1つの剤形で見出される。
【0027】
「治療上有効な量」とは、必要とされた或いは望ましい治療反応を誘発するのに十分な薬剤或いは有効成分の量或いは含量、言い換えれば、患者へ投与された場合、相当の生物学的反応を誘発するのに十分な量である。その用量は至適である必要はなく、治癒或いは症状の軽減を提供するものでもない。ビタミン或いはミネラルを言及する際に使用されたように、「有効な量」という用語は、患者に対する特定成分のうち米国1日当たりの推奨摂取量(RDA)の少なくとも約10%を意味している。例えば、意図した成分がビタミンCである場合、ビタミンCの有効な量はRDAの10%或いはそれ以上を提供するのに十分なビタミンCの量を含むものである。
【0028】
前記顆粒には、少なくとも1つの第一の有効成分が含まれる。本発明に従った「有効成分」には、凍結乾燥され得る物質、或いは本発明に有用な他の物質が含まれる。そのような有効成分には、系統的に分布可能な薬学的成分、ビタミン、ミネラル、食事性サプリメント、さらには非系統的に分布可能な薬剤が含まれる。前述のもののあらゆる組み合わせ或いは混合物も本発明によって考えられる。薬学的成分は、限定されるものではないが、制酸薬、鎮痛薬、抗炎症剤、抗生物質、利尿剤、食欲抑制薬、抗ヒスタミン剤、抗喘息薬、抗利尿剤、整腸剤、抗片頭痛剤、鎮痙剤、鎮静剤、抗機能亢進剤、降圧剤、精神安定剤、うっ血除去薬、免疫抑制剤、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫薬、抗真菌薬、制吐剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、血管作動性薬、抗ぜんそく薬、骨格筋弛緩剤、パーキンソン病に対する薬剤、抗精神病薬、造血細胞増殖因子、抗高脂血症剤、抗凝固剤、線維素溶解薬、抗血栓薬、ホルモン、治療用タンパク質及びペプチド、抗不整脈薬、抗狭心症薬、ベータ遮断薬及びそれらの組み合わせを含む。本発明に従った1実施形態において、前記有効成分は、好ましくは実質的に凍結乾燥溶媒不溶性であり、高投与量で苦い味であり、モダフィニル或いはその塩類などの化合物を含有する硫黄を含む医薬品である。フェンタニル及びその塩類もさらに有効成分として好ましい。
【0029】
本明細書において用いられたように、「ビタミン」という用語は、食事で必要とされる微量有機物質を意味するものである。本発明の目的に対して、ビタミンには、限定されるものではないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKが含まれる。最も好ましいのは、選択された凍結乾燥溶媒において不溶性であるこれらのビタミンである。さらに、それらの補酵素もビタミンという用語の範囲内に含まれる。補酵素は、ビタミンの特異的化学形態である。本発明に有用な補酵素には、チアミンピロリン酸(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(AND)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素A(CoA)、ピリドキサールリン酸、ビオサイチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B.sub.12、リポイルリシン、11−シス−レチナール、及び1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールが含まれる。ビタミンという用語にはさらに、コリン、カルニチン、及びアルファ、ベータ及びガンマカロテンも含まれる。
【0030】
本明細書において用いられたように、「ミネラル」という用語は、ヒト食事において必要とされる無機物質、金属及びそれらと同等物を意味するものである。従って、本明細書で用いられるように「ミネラル」という用語は、限定されるものではないが、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロミウム及びそれらと同等物、及びそれらの混合物を含む。
【0031】
本明細書で用いられたような「食事性サプリメント」という用語は、少量で投与された場合、相当な栄養効果を有している物質を意味するものである。食事性サプリメントには、限定されるものではないが、蜂花粉、ブラン、小麦胚芽、昆布、肝油、朝鮮人参、及び魚油、アミノ酸、タンパク質、及びそれらの混合物が含まれる。以上から分かるように、食事性サプリメントは、ビタミン及びミネラルを含む。
【0032】
少なくとも1つの有効成分が望ましい一方、複数の有効成分も使用される。従って、前記剤形は凍結乾燥及び非凍結乾燥有効成分も含む。1つの有効成分はコーティングされ、他の有効成分はコーティングされない。凍結乾燥顆粒の一部として本発明に従った少なくとも若干量の有効成分が存在する限り、本明細書に記載されたあらゆる量の有効成分が可能である。
【0033】
使用された有効成分の量は、大きく変えることができ、特に、前記有効成分のタイプ及び特性、治療されることが意図されているものの状態、患者のサイズとタイプ、剤形のサイズ及び性質、1つ以上の有効成分が剤形から送達されるかどうか、及びいくつの剤形が各用量を送達するために使用されるかに依存している。一般的に、あらゆる個々の剤形に対する有効成分の総量は薬学的に有効な量であり、特定の実施形態において、有効成分の総量は重量で約0.01mg〜約2.0gの量であり、より好ましくは約0.05mg〜約1gであり、さらにより好ましくは約1mg〜約800mgであり、最も好ましくは約85mg〜約425mgの量である。これは、有効成分の量にのみ基づいており、例えば、保護性顆粒結合剤、及び/若しくは最終剤形におけるあらゆる他のコーティング或いは賦形剤は含まれていない。有効成分である前記顆粒の割合の観点において、前記有効成分は、前記顆粒の重量で約0.1%〜約99.9%の範囲であり、より好ましくは前記顆粒の重量で約50%〜約98%の量であり、最も好ましくは前記顆粒の重量で約85%〜約95%の量である。このバランスは、あらゆるコーティング、保護性顆粒結合剤、及び賦形剤である。
【0034】
本発明に従った有効成分及び/若しくは顆粒を、凍結乾燥溶媒に接触させている間溶解或いは分解から実質的に保護するために使用される前記保護性顆粒結合剤はしばしば、前記保護性顆粒の重量パーセンテージのバランスを構成している。他の例において、前記バランスは、他のコーティング及び/若しくは賦形剤及びそれらと同等物を含む。
【0035】
前記保護性顆粒結合剤はさらに、悪い味の有効成分に対する味覚マスキング剤としても作用する。味覚マスキングは、口の中に剤形を置き、それが口の中で溶解/分解し、飲み込まれる時点まで口の中で維持することによって測定され得る。それは、その時点で飲み込まれる或いは吐き出される。
【0036】
前記保護性顆粒結合剤は一般的に、pH依存性物質である、アクリルポリマー、修飾セルロース及びそれらと同等物を含む、あらゆる天然或いは合成ポリマーから製造される。1実施形態において、前記結合剤物質は一般的に酸性(pH7或いはそれ以下)で可溶化し、別の実施形態においては、前記結合剤物質は一般的に塩基性(pH7或いはそれ以上)のpHで可溶化するであろう。第三の実施形態において、前記物質は一般的に中性pH(pH6〜8)で可溶化する。限定されるものではないが、取り扱い及び加工の容易さ、コスト、厚さ、前記保護性顆粒結合剤及び/若しくは前記有効成分の意図された溶解部位、及び使用される前記凍結乾燥溶媒のタイプ及びpHを含む既定状況においてどの物質が保護性顆粒結合剤として使用されるかを決定する多数の因子が存在する。
【0037】
1つの好ましい実施形態において、前記保護性顆粒結合剤は、約6.5或いはそれ以下のpHで可溶化する物質から製造される。別の実施形態において、前記結合剤は約6.0〜約6.5の間のpHで可溶化する。これらのポリマー及びコポリマーは、薬理学的に許容可能で、適切な放出を提供でき、加工が便利であるものが好ましい。これらには、例えばアクリルポリマー、修飾セルロース、例えばメチルメタクリル酸、ブチルメタクリル酸及びジメチルアミノエチルメタクリル酸のコポリマーなどのアミノアルキルアクリル酸コポリマーが含まれる。European Pharmacopoeia 4.4(04/2003:1975)の3385を参照のこと。1つの特に好ましい実施形態において、前記コポリマーは、約150,000の相対的分子量を有し、ジメチルアミノエチルメタクリル酸群:ブチルメタクリル酸群:メチルメタクリル酸群の比は2:1:1であり、ジメチルアミノエチル群の含有量は乾燥物質存在量に基づいて約20.8%〜25.5%である。
【0038】
薬学的に好ましい物質は、正常形態で或いは微粒子化EUDRAGIT(登録商標)E−100で及びそれらの混合物で使用され得る、商標EUDRAGIT(登録商標)E−100下で得られる。EUDRAGIT(登録商標)は、一群のアクリルポリマーであって、Rohm GmbH、Chemische fabrik、Kirschenallee、D−64293、Darmstadt、Germanyの商標である。
【0039】
これらの物質は一般的に室温で固形である。しかしながら、それらは、溶媒或いは溶媒系に溶解される、懸濁される、乳化される、分散される或いはそれらと同等のことによって適用される。本発明に従った好ましい溶媒には、水、正常C−Cアルコール、分岐C−Cアルコール、変性C−Cアルコール、及びアセトン及びMEKなどの低分子ケトンなど、EUDRAGIT(登録商標)E−100に実質的に溶解する或いは分散することができるものが含まれる。(SDA−3A)及び変性エタノールを含むエタノールは最も好ましい。
【0040】
本発明の剤形において、前記保護性顆粒は一般的に、マトリックスとなる前記剤形のバランスで、治療上有効な量の有効成分を提供するのに十分な量で前記剤形中に存在する。一般的に、前記保護性顆粒の量は、好ましくは約0.1%〜約90%であり、より好ましくは前記剤形の重量で約1%〜約80%である。一般的に、前記有効成分の量は、好ましくは前記剤形の重量で約0.01mg〜約2gであり、より好ましくは0.05mg〜約1gであり、さらにより好ましくは約1mg〜約800mgであり、最も好ましくは約85mg〜約425mgである。本発明の利点の一つとして、いくつかの実施形態において、前記剤形は、比較的高用量の有効成分(苦い薬剤に対して50mg以上)を含み、例えば、本発明によって考慮される1つの剤形には、85mg〜425mgの間のモダフィニルが含まれる。さらに結果生じた剤形は、口当たりが良いサイズを維持する、若しくは既定の用量に対してより少ない剤形へ分割され得る。
【0041】
一般的に、あらゆる個々の剤形に対する前記保護性顆粒中の前記保護性顆粒結合剤の総量は、前記保護性顆粒の重量で約0.1%〜約50%の量であり、より好ましくは前記保護性顆粒の重量で約2%〜約25%の量であり、最も好ましくは前記保護性顆粒の重量で約5%〜約15%の量である。(これらの例において、「顆粒」には、前記有効成分及びあらゆる他の味覚マスキング、調節放出或いは遅延放出コーティング及びあらゆる賦形剤の重量が含まれており、顆粒の限定サンプルに基づいたパーセント重量増加として測定される。)もちろん、これらのパーセンテージは、使用された有効成分の種類、使用された保護性顆粒結合剤の種類及びタイプ、使用された味覚マスキング剤の種類或いはタイプ、前記味覚マスキング剤の濃度、剤形に送達される有効成分の量などに依存するものである。
【0042】
さらに、顆粒化或いは製粉工程の前或いは間に、これに限定されるものではないが、注入剤、味覚マスキング剤、崩壊剤、結合剤、香料などの別の成分が前記顆粒へ添加されることも考慮される。あらゆる他の成分は、前記顆粒の重量で約0%〜約99.5%の量で添加される。
【0043】
本発明の剤形はさらに、前記剤形のバランスを作るマトリックスも含む。前記マトリックスは、少なくとも1つの結合剤、凍結乾燥結合剤、注入剤、糖、人工甘味料、ポリマー、香料、味覚マスキング物質、有効成分、着色料、潤滑剤、発泡性崩壊剤、非発泡性崩壊剤、粘度修飾剤、界面活性剤及び緩衝剤を有する。あらゆる従来の物質は、口の中での溶解可能性/分解可能性を含む、本発明の全体の目的を満たしている限り、本発明に従ったマトリックスを提供するために使用される。1若しくはそれ以上のこれらの成分の量は、有効成分の量、保護性顆粒サイズ、剤形の形、溶解/分解の速度、優れた味覚マスキングに対するニーズ、いくつの成分が使用されるか、どの成分が使用されるかなどで変わるであろう。量のあらゆる組み合わせは、本発明に従った可溶性で貯蔵可能な剤形、特に好ましい感覚受容性を示す剤形の製造を十分に可能にするものが考えられる。
【0044】
結合剤は、結合剤として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用ないくつかの結合剤には、アカシア、トラガント、ゼラチン、スターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギニン酸及びそれらの塩類などのセルロース物質、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、ガウアゴム、多糖酸、ベントナイト、糖、転化糖、キサンタンゴム、デキストラン20、40、70、ポビドン、コポビドン、シクロデキストリン及び誘導体、及びそれらと同等物が含まれる。結合剤は、従来の量で、好ましくは総剤形の約0.2重量%〜約20重量%、より好ましくは約2重量%〜約10重量%の量で使用され得る。
【0045】
凍結乾燥結合剤は、凍結乾燥結合剤として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用ないくつかの凍結乾燥結合剤には、デキストラン70、ポビドン及びメチルセルロースが含まれる。凍結乾燥結合剤は、従来の量で、好ましくは約2%〜約10%、及びより好ましくは約4%〜約8%の量で使用され得る。
【0046】
注入剤は、注入剤として使用されると知られているあらゆるものであり得る。本発明に有用ないくつかの注入剤には、マンニトール、ブドウ糖、ソルビトール、ラクトース、スクロース及び炭酸カルシウムが含まれる。注入剤は、従来の量で、好ましくは約0.5%〜約99%の量で、より好ましくは約5%〜約50%の量で使用され得る。
【0047】
使用される特に好ましいタイプの注入剤は、糖である。本発明に使用される糖には、糖、糖アルコール、ケトース、サッカライド、多糖、オリゴサッカライド及びそれらと同等物、さらにセルロール及び修飾セルロースが含まれる。
【0048】
糖はさらに、限定されるものではないが、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ラクトース及びスクロースを含む、直接圧縮及び/若しくは間接圧縮糖も含む。もちろん、これらの糖は一般的に、直接圧縮糖、すなわちその圧縮率及び/若しくは流動を増加するように修飾された糖として、若しくは、十分な流動性及び/若しくは圧縮率を持たず、限定されるものではないが流動を増加する流動促進剤、流動及び/若しくは圧縮率を増加する顆粒剤、及びそれらと同等物などの何らかの増加なしにその高速加工及び複数錠剤加工が可能となった間接圧縮糖、として存在する。もちろん、顆粒化のような技術はさらに、間接圧縮糖へと加工される前に直接圧縮糖と考えられる十分な流動及び圧縮率を最初から持つものを変換するためにも使用され得る。これは、糖からのみ製造される錠剤を直接的に圧縮する工程、及び加工前後の両方で前記流動及び圧縮率を比較する工程によって測定され得る。加工後に流動及び/若しくは圧縮率が減少していた場合、その物質は間接圧縮糖になった可能性が高い。しかしながら、その特性の減少が、その糖を商業工程で使用する前に増強或いはさらなる加工を必要するのに十分なものであるかどうかは、使用する量、使用する加工装置のタイプ、及び全体の処方を含む多数の因子に依存するものであろう。しかしながら一般的に、いくつかのさらなる加工或いは増強は必要とされる。決定的ではないが、しばしば間接圧縮糖は、その粒子の少なくとも約90%が約200ミクロン以下、より好ましくは80%が約150ミクロン以下である。
【0049】
全ての糖の量は、約0.5%〜約95%の範囲である。より好ましくは、糖の量は約5%〜約50%、さらにより好ましくは約5%〜25%の間の範囲である。
【0050】
人工甘味料は、人工甘味料として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。限定されるものではないが、本発明において有用ないくつかの人工甘味料には、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム及びカリウムアセサルファームが含まれる。人工甘味料は、従来の量で、好ましくは約0.1%〜約10%の範囲の量で使用される。
【0051】
ポリマーは、アクリルポリマー、修飾セルロース及びそれらと同等物を含む天然或いは合成ポリマーを含む。1実施形態において、前記コーティング物質は、例えば、限定されるものではないが、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルナトリウムセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリオキシマー及び/若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの修飾セルロールであるEUDRAGIT E100を含む、一群のアクリルポリマーである、Rohn&GmbH,Chemische−Fabrik,Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,GermanyからのEUDRAGIT(登録商標)のような、pH6.0〜6.5或いはそれ以下で可溶性となるpH依存性物質である。ポリマーは従来の量で、好ましくは約0%〜約15%までの範囲の量で使用される。
【0052】
香料は、香料として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用な香料には、合成香味油及び香味芳香族及び/若しくは天然油、植物、葉、花、果物及びその他からの抽出物、及びそれらの組み合わせが含まれる。これらは、シナモンオイル、冬緑油、ペパーミントオイル、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ、タイム油、シーダー葉油、ナツメグ油、セージ油、苦扁桃油及び桂皮油が含まれる。さらに、バニラ、レモン、オレンジ、バナナ、ブドウ、ライム及びグレープフルーツを含む柑橘油、及び、リンゴ、ナシ、桃、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコット及びその他を含む果実エッセンスも香料として有用である。
【0053】
本発明はさらに、使用された有効成分のタイプ、種類、量などに対する香料の選択も考慮するものである。例えば、硫黄含有薬剤に対して特に有用な、及び特にモダフィニルにおいて有用なのは、ミント及びフルーツパンチを含む香料である。
【0054】
香料は、従来の量で、好ましくは前記剤形の重量で約0%〜約20%の範囲の量で、より好ましくは前記剤形の重量で約1%〜約10%で、及び最も好ましくは前記剤形の重量で約3%〜約8%の範囲の量で使用される。
【0055】
着色料は、着色料として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用な着色料には、二酸化チタン、及び、F.D.&C.色素及びブドウ皮抽出物、レッドビート粉末、ベータカロチン、アナトー、ターメリック、パプリカなどの天然着色量として知られているものなどの食品に適した色素が含まれる。着色料は、従来の量で、好ましくは前記剤形の重量で約0%〜約5%の範囲の量で使用される。
【0056】
潤滑剤は、潤滑剤として使用することが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用な潤滑剤には、内因性或いは外因性潤滑剤が含まれる。内因性潤滑剤には、マグネシウム、カルシウム、ステアリン酸の亜鉛塩、水素化及び部分的に水素化された植物油、動物性脂肪、ポリエチレングリコール、ポリエチレンモノステアリン酸、タルク、軽油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム及びそれらと同等物が含まれる。潤滑剤は、従来の量で、好ましくは前記剤形の重量で約0%〜約5%の量で使用される。
【0057】
本発明において有用な崩壊剤は、発泡性或いは非発泡性である。本発明において有用な発泡性崩壊剤は、Wehling et al.,米国特許第5,178,878号、5〜7カラム目に記載されたような(これはこの参照によって本明細書に組み込まれるものである)、発泡性崩壊剤として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。発泡剤に対する酸性源或いは酸は、ヒト消費に対して安全なものであり、一般的に食物酸、酸無水物及び酸性塩を含む。食物酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸及びコハク酸などが含まれる。これらの酸は直接摂取されるため、水へのそれらの完全溶解性は、もし本発明の発泡性錠剤処方が一杯の水に溶解するならば、あまり重要ではない。酸無水物及び上述した酸も使用される。酸性塩には、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素二ナトリウム、酸クエン酸塩及び亜硫酸ナトリウム酸が含まれる。
【0058】
炭酸源には、乾燥固形炭酸、及び炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウム、炭酸マグネシウム及びセスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、L−リシン炭酸塩、炭酸アルギニン及び無定形炭酸カルシウムなどの炭酸水素塩が含まれる。
【0059】
本発明の発泡性崩壊剤は、二酸化炭素を形成する反応に必ずしも依存するとは限らない。小児科的に安全な酸素或いは他のガスに発展する反応物も本発明の観点内であると考えられる。発泡剤が酸性源及び炭酸源などの2つの相互反応性成分を含む場合、両者の成分は完全に反応することが好ましい。従って、同等な当量物を与える成分の当量比が好ましい。例えば、使用された酸が二酸である場合、2倍のモノ(1)−反応性炭酸塩基、若しくはジ(2)−反応性塩基の当量は、実現される完全な中和に対して使用されるべきである。しかしながら、本発明の他の実施形態において、酸或いは炭酸源の量は他の成分の量を超過する。これは、過剰な両成分を含有する錠剤の味覚及び/若しくは実行を増強するのに有用である。この場合において、両成分の付加的量は反応せずに残ることは許容可能である。
【0060】
一般的に、本発明に従った剤形の形成に有用な本発明の発泡性崩壊剤の量は、最終組成物の約0%〜約10%の範囲であるべきである。
【0061】
非発泡性崩壊剤は、非発泡性崩壊剤として使用されることが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用ないくつかの非発泡性崩壊剤には、微結晶性セルロース(AVICEL(登録商標)PH 200、AVICEL(登録商標)PH 113、AVICEL(登録商標)PH 101)、AC−Di−Sol(クロスカルメロースナトリウム)及びPVP−XL(架橋ポリビニルピロリドン);デンプン及び修飾デンプン;ポリマー;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;さらにはカルボポル(carbopol)などの化合物;甘味料;ベントナイトなどの粘土;アルギン酸;寒天、アラビア、キサンタン、ガウア、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン及びトラガントなどのゴムが含まれる。非発泡性崩壊剤は、従来の量で、好ましくは前記剤形の重量で約0%〜約15%の量で使用される。
【0062】
粘度修飾因子は、粘度修飾因子として使用することが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用ないくつかの粘度修飾因子には、限定されるものではないが、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、コンニャク粉、カラギーナン、キサンタンゴム、他の親水性ポリマー、或いはそれらの混合物が含まれる。粘度修飾因子は、従来の量で、好ましくは約0%〜約5%の量で、より好ましくは外顆粒マトリックスの重量で約0.05%〜約0.5%の量で使用され得る。
【0063】
界面活性剤は、界面活性剤として使用されることが知られているあらゆるものであり:アニオン性、カチオン性、両性、スクロエステル7−11−15などの非イオン性界面活性剤;ポリソルベート20−60−80;ポロキサマー188−407;ソルビタンステアリン酸などである。本発明において有用ないくつかの界面活性剤には、限定されるものではないが、様々なグレードの以下の商品:Arlacel(登録商標)、Tween(登録商標)、Capmul(登録商標)、Centrophase(登録商標)、Cremophor(登録商標)、Labrafac(登録商標)、Lacrafil(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Myverol(登録商標)、Target(登録商標)、及びあらゆる非毒性短鎖及び中鎖アルコールが含まれる。界面活性剤は、従来の量で、好ましくは約0%〜約10%の量で、より好ましくは外顆粒マトリックスの重量で約0.5%〜約5%の量で使用され得る。
【0064】
緩衝剤は、緩衝剤として使用することが知られているあらゆるものであり得る。本発明において有用ないくつかの緩衝剤には、あらゆる弱酸或いは弱塩基、若しくは好ましくは胃腸粘膜に対して有害でないあらゆる緩衝系が含まれる。これらには、限定されるものではないが、発泡性成分、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、及び等価カリウム塩として以前言及したあらゆる酸或いは塩が含まれる。緩衝剤は、従来の量で、好ましくは約0.1%〜約5%の量で、より好ましくは前記マトリックスの重量で約0.2%〜約2%の量で使用され得る。
【0065】
結果生じた剤形が本発明の完全な目的を満たし、少なくとも1つの有効成分の治療上有効な量を含む限り、マトリックスの量は決定的ではない。前記マトリックス及びそのマトリックスを構成する成分の量は変えられると考えられる。
【0066】
標準技術を用いて特に高用量有効成分を有する十分な特性を提供することは、過度に高容積の賦形剤、コーティング、注入剤などを必要とし、結果生じる錠剤が大きすぎることが見出されていた。本発明に従った凍結乾燥及び顆粒化は、これらの問題を解決する。あらゆる特定の理論に束縛されることなく、本明細書で用いられたような凍結乾燥は、賦形剤の量及び口の中の滞留時間を減少する。付加的にいくつかのレベルの味覚マスキングを与える保護性顆粒結合剤に加えて、この組み合わせによって、口の中に悪い味を残すことなく比較的多量の有効成分を含むことを可能にする。
【0067】
凍結乾燥が好ましいが、本発明に従った剤形を生じる限りあらゆる方法を使用し剤形を製造することが考慮される。本発明の1実施形態において、経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥剤形を製造する方法が提供される。成分及び工程はあらゆる順番で添加される或いは実行される一方、剤形は、保護性顆粒を製造するための賦形剤を含む他の成分と共に若しくはなしに、有効成分及び少なくとも1つの保護性顆粒結合剤を顆粒化する工程、結果生じた保護性顆粒をマトリックスと混合し混合物を形成する工程、及び錠剤、ウエハース、カプレットなどを含む望ましい形態へ前記混合物を凍結乾燥する工程によって製造され得る。結果生じた剤形のコーティングは、必要であれば、あらゆる既知の方法で達成される。
【0068】
別の実施形態において、前記混合物はさらに、少なくとも1つの香料も含む。別の実施形態において、前記方法はさらに、前記混合物を凍結乾燥前に容器の一部へ置く工程、及び前記混合物を凍結乾燥後前記剤形へ密封する工程も含む。
【0069】
前記保護性顆粒は、好ましくは湿潤顆粒化工程によって製造されるが、さらに乾燥顆粒化工程によっても製造される。湿潤顆粒化とは、凝集体を製造する若しくは望ましい粒子サイズに顆粒化するあらゆるタイプの撹拌を備えた容器において粉末へ液体を添加する工程である(Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Vol.1,Marcel Dekker,Inc.p.148−151(1989))。高用量及び不十分な流動及び/若しくは圧縮率を有する有効成分は、しばしば湿潤顆粒化される(同文献)。乾燥顆粒化は、2つの表面間の破砕、直接衝突、或いは切断を介して適用される機械的応力を使用し、望ましい粒子サイズに対する粒子状物質のサイズを減少する(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.22,4th Ed.,John Wiley&Sons,p.279−296(1997).)。どの顆粒化法が使用されるかは問題ではなく、一度顆粒が製造されたら、前記顆粒は乾燥される或いは湿潤化される。
【0070】
好ましい実施形態において、製粉後、前記保護性顆粒は、ふるい−振動法によってテストした場合、約1〜約1000ミクロン、より好ましくは約10〜約800ミクロン、最も好ましくは約20〜約600ミクロンの平均粒子サイズを有する。別の好ましい実施形態において、前記保護性顆粒は好ましくは、約10%以下は45ミクロン未満であり、10%以下は600ミクロン以上である粒子サイズ分布を有している。もちろん、それ以上及びそれ以下は破棄される。
【0071】
いくつかの実施形態において、前記保護性顆粒及び前記マトリックスは、凍結乾燥前に凍結乾燥溶媒と混合される。本発明に従う有用な凍結乾燥溶媒には、限定されるものではないが、水、イソプロピルアルコール、エチルアルコール及びトリブチルアルコール、若しくはそれらの組み合わせが含まれても良い。前記溶媒はさらに、香料、甘味料、ポリマー、結合剤、着色料、緩衝剤、及び界面活性剤などの他の成分も含む。前記保護性顆粒結合剤は、前記溶媒に溶解しないものを選択されるべきである、若しくは凍結乾燥溶媒に曝される間、十分な保護を提供するように十分にゆっくりと溶解すべきである。
【0072】
同じように、前記有効成分は、前記保護性顆粒結合剤によって実質的に保護されるように選択されるべきである。1つの好ましい実施形態において、前記保護性顆粒結合剤は、選択された凍結乾燥溶媒に実質的に不溶性である有効成分との組み合わせで使用されるように選択される。例えば、顆粒結合剤EUDRAGIT(登録商標)E−100は、モダフィニル、ファモチジン或いはフェンタニル及び/若しくはそれらの塩類と共に使用されることが好ましい。本発明の1観点において、多少の溶媒は結果生じる剤形中に検出されるが、前記剤形はあらゆる残留溶媒がほとんど含まれないことが好ましいと考えられる。
【0073】
マトリックス物質、保護性顆粒及び凍結乾燥溶媒の混合は、あらゆる期間で、あらゆる条件下で、あらゆる種類の従来の混合装置を用いて混合され、本発明に従った混合物を形成する。一般的に混合する工程は、前記コーティング粒子或いはマトリックス物質の望ましい特性を変えない、例えば限定されるものではないが、粒子サイズ分布を根本的に変えないなどの条件下で行われる。特に内容物均一性が問題である場合前記混合物は均一であることが一般的には望ましい一方、ランダム或いはパターン分布が考慮される場合がある。従って、混合する工程は、あらゆる混合操作としてより広く考えられるものである。
【0074】
前記混合物は次に鋳型へ注ぐ、若しくは患者への投与用へ様々な形態へ成形され、凍結乾燥される。凍結乾燥は、Lafonによる米国特許第4,616,047号、Nguyenらによる米国特許第5,843,347号及びBlondeらによる米国特許第3,855,712号に記載されたように実行し、これらの全てはこの参照によって本明細書に組み込まれるものである。一般的に言えば、前記保護性顆粒を含む全ての未加工物質の重さを計測し、次に様々な可溶性成分の溶液を調合する。前記保護粒子及び他の不溶性物質の懸濁液は、場合により均質化を伴って、ミキサー或いは撹拌器を用いて達成され、次にその懸濁液を前もって作られたブリスターへ注ぐ。これらは次に凍結乾燥器に積み込み、ここで前記物質はまず凍結され、次に凍結乾燥される。
【0075】
一度凍結乾燥されると、前記剤形はさらに、刻印、塗布、コーティング、印刷などもされることが考慮される。これらの剤形は、大量に、ブリスターパックに、従来の開閉式で再び密閉できる複数錠剤ボトルに、或いは他の同様なパッケージングに貯蔵される。
【0076】
本発明は、あらゆる有効成分、特に、高用量(50mg以上)の悪い味覚化合物を必要とするものを投与するために使用されると考慮される送達媒体である。これは、飲み込みが困難な人、老人、子ども、障害を持った人などに特に有用である。前記剤形は口の中に置かれ、これによって患者の唾液によって容易に飲み込める感覚受容的に好ましいスラリー/溶液/懸濁液へ前記剤形を分解/溶解することが可能となる。
【0077】
投薬の頻度は、前記剤形中に存在する有効成分の量、前記剤形のサイズ、患者の体重、患者の症状、前記有効成分の副作用などを含む様々な因子に依存する。複数の剤形で多数頻度の投薬による投与は、上述の因子、さらに患者の症状の持続時間、前記有効成分がどの位患者のシステムに残るかなどに依存することが考慮される。さらに、本発明に従った少なくとも1つの剤形は、少なくとも1ヶ月に1回の期間で患者へ投与されるであろうことも考慮される。そのような投与は、上述した因子、さらに患者の症状、患者の年齢及びサイズ、前記有効成分が患者のシステムに残る時間、副作用のタイプと種類なども含む。
【実施例1】
【0078】
【表1】

【0079】
顆粒は高剪断造粒機中で作製し、モダフィニル粉末を造粒機のボウルへ入れて、ユードラジット(登録商標)Eのアルコール溶液(30%)をゆっくりと添加した。顆粒の形成および成長に十分な剪断を提供するために、羽根車および剪断機のスピードはあらかじめ選択した値に維持した。顆粒は次に湿式ミル処理して、流動層へ入れて1% LOD未満まで乾燥した。篩振とう法で決定したところ、生成した顆粒の重量の70%は750ミクロンと250ミクロンとの間であった。
【実施例2】
【0080】
【表2】

【0081】
キサンタンゴム、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO 無水)を水へ添加して、均一な溶液が得られるまで室温で攪拌した。
【0082】
そして、実施例1で調製した92%ポテンシーを有するモダフィニル顆粒、スクラロース、デキストラン70、乳糖、香味剤(グレープおよびいちご)を真空システムを装備したミキサーへ導入した。混合粉末を大気圧(〜1000HPa)下で約15分間まで、および低圧(200〜400HPa)下で約15分間まで、攪拌した。
【0083】
キサンタンゴム/NaHPO溶液をさらに、低圧(〜200HPa)下で数分間、ミキサーにかけた。
【0084】
乾燥前の懸濁液を大気圧下の室温で約60分間、次に低圧(200〜250HPa)下で数分間、さらに大気圧(〜1000HPa)下で少なくとも30分間、攪拌した。
【0085】
均一な懸濁液をあらかじめ作製したPVCブリスターへ分注した。ブリスターを満たす間、ユニット重量およびブリスター重量を測定した。
【0086】
そして懸濁液を満たしたブリスターを凍結乾燥機へ導入し、−25℃以下の温度で少なくとも30分間凍結し、さらに約240分間凍結乾燥した。この工程に続き、最高温度約+60℃で少なくとも90分間、2度目の乾燥を行った。
【0087】
次に凍結乾燥生成物を満たしたブリスターを、恒温恒湿室(RH<40%)(T=18〜22℃)中でアルミ箔で密封した。凍結乾燥生成物に関する、外観、硬度、脆性、崩壊時間、含水量、および質量の均一性を測定した。
【0088】
結果として得られた錠剤は以下の規格を満たした:
外観: 白色からオフホワイトの固体の経口剤形であり、ブリスターから容易に取り出せる。
【0089】
硬度 >15 N
脆性 <5% 50回転後
崩壊時間 (n=6) 平均<60秒
含水量 <2%
重量均一性: 理論的質量±5%
【実施例3】
【0090】
本願明細書では、以下の組成を有する剤形を作製するために、実施例2で記述したのと同様の工程、および実施例1の顆粒を用いた。
【0091】
【表3】

【実施例4】
【0092】
以下の調合にある剤形を作製するために、上述の実施例2および3に記述したのと同様の工程を用いた。
【0093】
【表4】

【0094】
本願明細書の発明は特定の実施形態への参照と共に記述してあるが、それらの実施形態は、本発明の応用および原理を説明するためだけのものであることを理解されたい。従って、説明のための実施形態への様々な変更をすることができ、添付した請求項によって定義するところの本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の修正を考案することができることを、理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥剤形であって、
少なくとも1つの第一の有効成分及び少なくとも1つの保護性顆粒結合剤を有する保護性顆粒と、マトリックスとを有するものであり、
この剤形は、患者の口の中への直接経口投薬に適用された、凍結乾燥された経口的に溶解可能/分解可能なものである、剤形。
【請求項2】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は硫黄含有化合物である。
【請求項3】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、モダフィニル、ファモチジン、或いはフェンタニル及び/若しくはそれらの塩である。
【請求項4】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、塩基性pHで溶解するものである。
【請求項5】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、中性pHで溶解するものである。
【請求項6】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、酸性pHで溶解するものである。
【請求項7】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、約7以下のpHで溶解するものである。
【請求項8】
請求項1記載の剤形において、前記マトリックスは、少なくとも1つの結合剤、凍結乾燥結合剤、注入剤、糖、人工甘味料、ポリマー、香料、味覚マスキング物質、有効成分、着色料、潤滑剤、発泡性崩壊剤、非発泡性崩壊剤、粘度調節物質、界面活性剤、及び緩衝剤を有するものである。
【請求項9】
請求項1記載の剤形において、この剤型は、さらに、
口に対して好ましい感覚受容性を提供するように、前記有効成分に対して選択される少なくとも1つの香料を有するものである。
【請求項10】
請求項9記載の剤形において、前記香料は、フルーツパンチ、オレンジ、バナナ、チェリー、ミント、バブルガム、グレープ、パラダイスパンチ、ピーチ、マンゴー及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるものである。
【請求項11】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、前記剤形の重量で約0.01mg〜約2gの量で存在するものである。
【請求項12】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、前記剤形の重量で約0.05mg〜約1gの量で存在するものである。
【請求項13】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、前記剤形の重量で約1mg〜約800mgの量で存在するものである。
【請求項14】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、前記剤形の重量で約85mg〜約425mgの量で存在するものである。
【請求項15】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は、約50mg以上の量で存在するものである。
【請求項16】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、前記剤形の重量で約0.1%〜約90%の量で提供されるものである。
【請求項17】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、前記剤形の重量で約1%〜約80%の量で提供されるものである。
【請求項18】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒はさらに、少なくとも1つの賦形剤を有するものである。
【請求項19】
請求項18記載の剤形において、前記賦形剤は、結合剤、pH調節物質、注入剤、崩壊剤、固体支持体或いは緩衝剤である。
【請求項20】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、前記保護性顆粒の重量増加に基づいて、約0.1%〜約50%の量で提供されるものである。
【請求項21】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、前記顆粒の重量増加に基づいて、約2%〜約25%の量で提供されるものである。
【請求項22】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒結合剤は、前記顆粒の重量増加に基づいて、約5%〜約15%の量で提供されるものである。
【請求項23】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、約1〜約1000ミクロンの平均粒子サイズを有するものである。
【請求項24】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、約10〜約800ミクロンの平均粒子サイズを有するものである。
【請求項25】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、約20〜約600ミクロンの平均粒子サイズを有するものである。
【請求項26】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、約10%未満が45ミクロン以下であり、約10%未満が600ミクロン以上である粒子サイズ分布を有するものである。
【請求項27】
請求項1記載の剤形において、前記保護性顆粒は、約10%未満が75ミクロン以下であり、約10%未満が425ミクロン以上である粒子サイズ分布を有するものである。
【請求項28】
請求項1記載の剤形において、前記有効成分は一般的に水不溶性である。
【請求項29】
直接経口投薬形態に対する、経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥剤形を製造する方法であって、
少なくとも1つの有効成分と少なくとも1つの保護性顆粒結合剤とを顆粒化して保護性顆粒を製造する、前記顆粒化する工程と、
前記保護性顆粒をマトリックス及び凍結乾燥溶媒と混合して混合物を形成する、前記混合する工程と、
前記混合物を凍結乾燥させて剤形を形成する、前記凍結乾燥させる工程と
を有する、方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、この方法は、さらに、
凍結乾燥前に、容器の一部に前記混合物を置く工程と、
凍結乾燥後に、前記容器の中に前記剤形を密封する工程と
を有するものである。
【請求項31】
請求項29記載の方法において、この方法は、さらに、
前記保護性顆粒とマトリックスとを混合して混合物を形成する間に、感覚受容性に優れて好ましい香料を添加する工程を有するものである。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、前記香料は、フルーツパンチ、オレンジ、バナナ、チェリー、ミント、バブルガム、グレープ、パラダイスパンチ、ピーチ、マンゴー及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるものである。
【請求項33】
患者を治療する方法であって、
請求項1記載の経口的に溶解可能/分解可能な凍結乾燥剤形を、治療を必要とする患者の口の中に置く工程と、
前記剤形を患者の口の中で十分に溶解/分解させ、溶液、懸濁液或いはスラリーを形成させる工程と、
前記溶液、懸濁液或いはスラリーを飲み込む工程と
を有する、方法。

【公表番号】特表2009−544706(P2009−544706A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521804(P2009−521804)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/016638
【国際公開番号】WO2008/013808
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(509025614)シマ ラブス インク. (6)
【出願人】(508093838)セファロン フランス (2)
【氏名又は名称原語表記】CEPHALON FRANCE
【Fターム(参考)】