説明

高眼圧症を治療するための眼科組成物

本発明は、式Iの強力なカリウムチャンネルブロッカー化合物、または患者の眼において高眼圧を引き起こす緑内障および他の状態の治療のためのこの組成物に関する。また、本発明は、哺乳類種、特にヒトの眼に対して神経保護効果を与えるための、このような化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
緑内障は、眼圧が、正常な眼の機能を可能とするには高過ぎる、眼における変性疾患である。その結果、損傷が視神経頭部に起り、視覚機能の不可逆的損失を引き起こす可能性がある。治療をしなければ、緑内障は、最終的には失明を引き起こす可能性がある。高眼圧症、即ち、視神経頭部損傷または特徴的な緑内障性視野欠損を伴わない高眼圧の状態は、緑内障の兆候における初期段階を単に表しているに過ぎないものであると、大部分の眼科医は現在考えている。
【0002】
緑内障および高眼圧を治療するためのいくつかの治療法が存在するが、これらの作用薬は、有効性および副作用の面から理想的ではない。最近、カリウムチャンネルブロッカーが、眼における眼圧を下げることが分かり、したがって、高眼圧症およびこれに関わる変性眼状態の治療に対してさらに今一度の手段を提供することが分かった。カリウムチャンネルの閉塞は、液体分泌を減少させることができ、ある環境の下では、平滑筋収縮を増加し、IOPを下げることが期待され、眼における神経保護効果を有することができる。(米国特許第5573758号および第5925342号;Moore等、Invest.Ophthalmol.Vis.Sci 38、1997年;WO89/10757、WO94/28900、およびWO96/33719を参照されたい。)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、強力なカリウムチャンネルブロッカー、または患者の眼における高眼圧に関わる緑内障および他の状態の治療における、この組成物の使用に関する。本発明は、また、哺乳類種、特にヒトの眼に対して神経保護効果を与える、このような化合物の使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
さらに詳しくいえば、本発明は、構造式I:
【0005】
【化2】

[式中、
およびYは、独立に、O;H;HおよびR;HおよびR;またはRおよびRであり、
Xは、−(CHR−または−(CHRCO−を表し、
W、YおよびZは、独立に、CHおよびNであり、
は、水素、C1〜6アルコキシ、OH、C3〜8シクロアルコキシ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6アルケニル、S(O)R、COOR、COR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、C5〜10ヘテロシクリル、CF、OCF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1〜6アルキルアミノまたはハロゲンを表し、前記アリール、アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、
およびRは、独立に、水素、C1〜6アルコキシ、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−S、C1〜6アルキル−CO−、C1〜6アルケニル、C3〜8シクロアルコキシ、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−S、C3〜8シクロアルキル−CO−、COOR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、C5〜10ヘテロシクリル、CF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1〜6アルキルアミノまたはハロゲンを表し、前記アリール、アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、または
およびRは、環における介在原子と一緒になって、4員から8員環を形成することができ、この環は、N、OおよびSから選択される1から2個の原子が割り込むことができ、および/または1から4個の二重結合を有し、
Qは、水素、C1〜10アルキル、−(CH(CHR)(CHOR、−(CH(CHR)(CHNR、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH5〜14縮合シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリール、−(CH(CHR)(CHCOOR、−(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CHNHR、−(CH(CHR)(CHNHCOOR、−(CH(CHR)(CHN(R)COR、−(CH(CHR)(CHN(R)COR、−(CH(CHR)(CHNHCOR、−(CH(CHR)(CHCONH(R)、アリール、CF、−(CH(CHR)(CHSOR、−(CH(CHR)(CHSON(R)、−(CHCON(R)、−(CHCONHC(R)、−(CHCONHC(R)COR、−(CHCOR、ニトロ、シアノまたはハロゲンを表し、前記アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、
Rは、水素、またはC1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC5〜10ヘテロアリールを表し、
は、水素、C1〜6アルキル、−(CHCOOR、−(CHCORまたは−(CHN(R)を表し、
は、水素、C1〜10アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR)(CH1〜6アルコキシ、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−N(R)、−(CH(CHR)(CHCOOR、または−(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリールを表し、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたはアリールは、Rから選択される1から3個の基で場合により置換されており、
は、水素、C1〜10アルキル、C1〜6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR)(CH1〜6アルコキシ、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリ−ル、−(CH(CHR)(CHN(R)、CH(CHR)(CHNHR、−(CH(CHR)(CHCOOR、または(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CHNRCOOR、−(CH(CHR)(CHCOR、−(CH(CHR)(CHSOR、−(CH(CHR)(CHSON(R)を表し、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rから選択される1から3個の基で場合により置換されており、または
およびRは、QのNRの介在「N」と一緒になって、O、S、C(O)またはNRの1から2個の原子により場合により割り込まれ、1から4個の二重結合を場合により有し、Rから選択される1から3個の基で場合により置換されている、3員から10員炭素環式または複素環式環を形成し、
は、F、Cl、Br、I、CF、OH、N(R)、NO、CN、−COR、−CONHR、−CONR、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C〜Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1〜6アルコキシ、(アリール)O−、−(CHOH、(C〜Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、−(C〜Cアルキル)NR(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)O(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)S(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)−C3〜10ヘテロシクリル−R、−(CH−Z−C(=Z)N(R)、−(C2〜6アルケニル)NR(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)O(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)S(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)−C3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)−Z−C(=Z)N(R)、−(CHSOR、−(CHSOH、−(CHPO(OR)、−(CHOPO(OR)、C3〜10シクロアルキル、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロシクリル、C2〜6アルケニルおよびC〜C10アルキルを表し、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリルおよびアリールは、C1〜6アルキル、CN、NO、OH、CON(R)およびCOORから選択される1から3個の基で場合により置換されており、
は、H、C1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−SON(R)、−SO1〜6アルキル、−SO6〜10アリール、NO、CNまたは−C(O)N(R)を表し、
およびZは、独立に、NR、O、CHまたはSを表し、
mは、0から3であり、
nは、0から4であり、
pは、0から1であり、および
qは、0から2である。]を有する、新規なテトラヒドロカルバゾールおよび関連化合物または薬剤として許容されるこの塩、in vivoで加水分解可能なこのエステル、光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体もしくはこれらの混合物を使用する、緑内障および/または高眼圧症(高眼圧)の治療に関する。
【0006】
本発明のこの態様および他の態様は、全体としての本発明の検討により実現される。
【0007】
本発明は、式Iの新規なカリウムチャンネルブロッカーに関わるものである。また、本発明は、上述の式Iのカリウムチャンネルブロッカーおよび薬剤として許容される担体を含む組成物の投与、好ましくは、局所的またはカマラル内(intra−camaral)投与により、高眼圧を減少させ、または緑内障を治療するための方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態は、Qが、C1〜10アルキル、−(C1〜6アルキル)OR、または(CH(CHR)(CHNRであり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0009】
本発明の別の実施形態は、W=Y=Z=CHであり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0010】
本発明の別の実施形態は、Rが、C1〜6アルコキシ、OH、C1〜6アルキルであり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0011】
本発明の別の実施形態は、Xが、−(CHR−であり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0012】
本発明の別の実施形態は、Xが、−(CHRCO−であり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0013】
本発明のなお別の実施形態は、YおよびYが共にHであり、またはYおよびYの一方がOであり、他方がHであり、他のすべての変数が初めに記載された通りである場合に実現される。
【0014】
本発明のなお別の実施形態は、YおよびYの一方がHおよびRであり、他方がHおよびRであり、他のすべての変数が初めに記載された通りである場合に実現される。
【0015】
本発明の別の実施形態は、Qが、C1〜10アルキル、または(CH(CHR)(CHNRであり、Xが、−(CHRCO−であり、RおよびRが、独立に、HおよびC1〜6アルキルであり、YおよびYがHであり、他のすべての変数が、初めに記載された通りである場合に実現される。
【0016】
本発明の別の実施形態は、Rが、F、Cl、Br、I、OH、CF、N(R)、NO、CN、−CONHR、−CONR、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C〜Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1〜6アルコキシ、(アリール)O−、−(CHOH、(C〜Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C〜Cアルキル)C(O)−、−(CHPO(OR)、−(CHOPO(OR)、C2〜6アルケニル、およびC〜C10アルキルから選択され、前記アルキルおよびアルケニルが、C〜Cアルキル、およびCOORから選択される1から3個の基で場合により置換されている場合に実現される。
【0017】
本発明の式Iの化合物の例は、
1−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N,N−ジイソブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
7−メトキシ−9−[2−(trans−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
7−メトキシ−9−[2−(cis−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド、
N−(2,2−ジメチルプロピル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド1−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N,N−ジブチル−2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−エチル−2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
4−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−2,2,7,7−テトラメチルオクタン−3,6−ジオン、
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N,N−ジイソブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
7−メトキシ−2,2−ジメチル−9−[2−(trans−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
7−メトキシ−2,2−ジメチル−9−[2−(cis−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン、
2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−4−オキソ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−4−オキソ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
または薬剤として許容されるこの塩、in vivoで加水分解可能なこのエステル、光学異性体、ジアステレオマーもしくはこれらの混合物である。
【0018】
本発明は、別途特定されない限り、以下において定義される用語を使用して、詳細に本明細書において記載される。
【0019】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸およびキラル面を有し、本発明に含まれる、光学異性体を含めたすべての可能な異性体を伴う、ラセミ化合物、ラセミ体混合物として、および個々のジアステレオマーとして存在することができる。(E.L.Eliel and S.H.Wilen Stereochemistry of Carbon Compounds (John Wiley and Sons、New York 1994年)、特に、1119頁〜1190頁を参照されたい。)。
【0020】
任意の変数(例えば、アリール、ヘテロシクリル、R、R等)が、任意の構成において1度より多く存在する場合は、各存在についての定義は、他の存在毎に独立したものである。また、置換基/または変数の組合せは、このような組合せが、安定な化合物をもたらす場合に限り許される。
【0021】
が、−O−であり、炭素に結合している場合は、カルボニル基と称し、これが、窒素(例えば、ピリジル基の窒素原子)またはイオウ原子に結合している場合は、それぞれに、N−オキシドおよびスルホキシド基と称する。
【0022】
「アルキル」という用語は、別途定義されていない限り、1〜10個の炭素原子を含む、一価アルカン(炭化水素)から誘導される基を意味する。これは、直鎖、分岐または環状であってもよい。好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。アルキル基が、アルキル基で置換されるといわれる場合は、これは、「分岐アルキル基」で交換できるように使用される。
【0023】
シクロアルキルは、別途定義されていない限り、炭素原子間に交互または共鳴二重結合を持たない、3〜15個の炭素原子を含むアルキルの1種である。これは、結合することのできる、1から4個の環を含んでもよい。このようなシクロアルキル要素の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ジアマンチル、[2.2.2]ビシクロオクチル、および[1.1.1]ビシクロペンチルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0024】
アルケニルは、C〜Cアルケニルである。
【0025】
アルコキシは、本明細書において言及されている、場合により置換されているアルキル基を伴う、酸素架橋を介して結合した炭素原子の表示された数のアルキル基を意味する。前記基は、直鎖または分岐配列において指定された長さの基であり、長さにおいて2以上の炭素原子が存在すれば、これらは、二重結合または三重結合を含んでもよい。このようなアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、アリロキシ、プロパルギルオキシ等である。
【0026】
ハロゲン(ハロ)は、塩素、フッ素、ヨウ素または臭素を意味する。
【0027】
アリールは、芳香族環、例えば、フェニル、置換フェニル等、加えて、結合した環、例えば、ナフチル、フェナントレニル等を意味する。したがって、アリール基は、少なくとも6個の原子を有する少なくとも1つの環を含み、このような環が5個まで存在し、この中に22個までの原子を含み、隣接炭素原子または適切なヘテロ原子間に交互(共鳴)二重結合を持つ。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルおよびフェナントレニル、好ましくは、フェニル、ナフチルまたはフェナントレニルである。アリール基は、同様に、定義されている様に置換されていてもよい。好ましい置換されるアリールとしては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0028】
本明細書において使用される、ヘテロシクリルまたは複素環式という用語は、飽和または不飽和であり、炭素原子ならびにN、OおよびSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子からなり、任意の上記定義された複素環式環が、ベンゼン環に結合している任意の二環式基を含む、安定な3〜7員単環式または安定な8〜11員二環式複素環式環を表す。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子に結合して、安定な構造の構築をもたらしてもよい。結合した複素環式環系は、炭素環式環を含んでもよく、1つだけの複素環式環を含むことを必要とする。ヘテロシクリルまたは複素環式という用語は、ヘテロアリール部分を含む。このような複素環式要素の例としては、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンジイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロピロリル、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、およびチエニルが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、ヘテロシクリルは、2−アゼピノニル、ベンゾイミダゾリル、2−ジアゼピノニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピロリル、イミダゾリル、2−イミダゾリジノニル、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノニル、2−ピリミジノニル、2−ピロリジノニル、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、およびチエニルから選択される。
【0029】
「ヘテロ原子」という用語は、独立の基準に基づいて選択される、O、SまたはNを意味する。
【0030】
「ヘテロアリール」という用語は、5もしくは6個の環原子を有する単環式芳香族炭化水素基、または8〜10個の原子を有する二環式芳香族基で、少なくとも1つのヘテロ原子、O、SもしくはNを含み、炭素原子または窒素原子が、結合の点であり、1個または2個のさらなる炭素原子が、OまたはSから選択されるヘテロ原子により場合により置換されており、1から3個のさらなる炭素原子が、窒素へテロ原子により場合により置換されている基を意味し、前記ヘテロアリール基は、本明細書において記載されている様に、場合により置換されている。このような複素環式要素の例としては、ベンゾイミダゾリル、ベンジイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニルおよびトリアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。さらなる窒素原子は、例えば、チアジアゾールを与えるために、最初の窒素および酸素またはイオウと一緒に存在してもよい。
【0031】
本発明は、また、式Iの化合物の1つを単独で、または、次の活性成分の1つ以上との組合せにおいて、即ち、βアドレナリン遮断薬、例えば、チモロール(timolol)、ベタキソロール(betaxolol)、レボベタキソロール(levobetaxolol)、カルテオロール(carteolol)、レボブノロール(levobunolol)等、副交感神経作用薬、例えば、エピネフリン(epinephrine)、イオピジン(iopidine)、ブリモニジン(brimonidine)、クロニジン(clonidine)、パラ−アミノクロニジン(para−aminoclonidine)等、炭酸脱水酵素阻害剤、例えば、ドルゾールアミド(dorzolamide)、アセタゾールアミド(acetazolamide)、メタゾールアミド(metazolamide)またはブリンゾールアミド(brinzolamide)等、EP4作用薬(例えば、WO02/24647、WO02/42268、EP1114816、WO01/46140、PCT特許出願番号CA2004000471、およびWO01/72268において記載されているもの等)、プロスタグランジン、例えば、ラタノプロスト(latanoprost)、トラバプロスト(travaprost)、ユノプロストン(unoprostone)、レスキュラ(rescula)、S1033(米国特許第5889052号、第5296504号、第5422368号および第5151444号において示されている化合物)等、降圧脂質、例えば、ルミガン(lumigan)および米国特許第5352708号において示されている化合物等、メマンチン(memantine)を含めた、米国特許第4690931号において開示されている神経保護剤、特に、WO94/13275において示されている、エリプロジル(eliprodil)およびR−エリプロジル等、PCT/US00/31247において示されている5−HT2レセプターの作用薬、特に、1−(2−アミイノピロピル)−3−メチル−1H−イムダゾール−6−オールフマレートおよび2−(3−クロロ−6−メトキシ−インダゾール−1−イル)−1−メチル−エチルアミンまたはこれらの混合物との組合せにおいて、高眼圧症または緑内障の治療を必要とする患者に投与することにより、高眼圧症または緑内障を治療するための組成物および方法に関する。降圧脂質(基体プロスタグランジン構造のα−鎖結合におけるカルボン酸基が、電気化学的に中性の置換基で置換されている。)の例は、カルボン酸基が、C1〜6アルコキシ基、例えば、OCH(PGF2a1−OCH)等、またはヒドロキシ基(PGF2a1−OH)で置換されているものである。
【0032】
好ましいカリウムチャンネルブロッカーは、カルシウム活性化カリウムチャンネルブロッカーである。さらに好ましいカリウムチャンネルブロッカーは、高伝導性カルシウム活性化カリウム(Maxi−K)チャンネルブロッカーである。Maxi−Kチャンネルは、神経平滑筋および上皮組織において優勢な、膜電位および細胞内Ca2+でゲートされるイオンチャンネルの仲間である。
【0033】
本発明は、Maxi−Kチャンネルが、ブロックされた場合に、正味の溶質およびHO流出を阻害して、IOPを低下させることにより、房水産生を阻害することの知見に基づくものである。この知見は、Maxi−Kチャンネルブロッカーが、他の眼科学的機能障害、例えば、黄斑浮腫および黄斑変性症等の治療に有用であることを示唆する。IOPを下げると、網膜および視神経への血流を促進することが知られている。したがって、本発明の化合物は、黄斑浮腫および/または黄斑変性症を治療するのに有用である。
【0034】
IOPを低下させるMaxi−Kチャンネルブロッカーは、神経保護効果を与えるのに有用であると考えられる。これらは、また、IOPを低下させることにより、網膜および視神経頭部血流速度を増加させ、網膜および視神経酸素を増加させるのに有効であり、これらが一緒に結合した場合は、視神経の健康に役立つものと考えられる。結果として、本発明は、さらに、網膜および視神経頭部血流速度を増加させ、網膜および視神経酸素分圧を増加せるための方法に加えて、神経保護効果またはこれらの組合せを与える方法に関する。
【0035】
市販薬剤の多くは、カリウムチャンネル拮抗薬として機能する。これらの内で最も重要なものとしては、化合物のグリブリド(Glyburide)、グリピジド(Glypizide)およびトルブタミド(Tolbutamide)が挙げられる。これらのカリウムチャンネル拮抗薬は、抗糖尿病薬として有用である。本発明の化合物は、糖尿病を治療するために、これらの化合物の1つ以上と組み合わされてもよい。
【0036】
カリウムチャンネル拮抗薬は、また、クラス3抗不整脈剤として、およびヒトにおける急性梗塞を治療するのに利用される。自然界に存在する毒素の多くは、アパミン(Apamin)、イベリオトキシン(Iberiotoxin)、カルブドトキシン(Charybdotoxin)、ノキアストキシン(Noxiustoxin)、カリオトキシン(Kaliotoxin)、デンドロトキシン(Dendrotoxin)、肥満細胞脱顆粒(MCD)ペプチド、およびβ−ブンガロトキシン(Bungarotoxin)(β−BTX)を含めて、カリウムチャンネルを閉塞することが知られている。本発明の化合物は、不整脈を治療するために、これらの化合物の1つ以上と組み合わされてもよい。
【0037】
鬱病は、神経伝達物質の放出における減少に関わりがある。鬱病の現在の治療は、神経伝達物質取込みのブロッカー、および神経伝達物質の寿命を延ばすために作用する、神経伝達物質劣化において含まれる酵素の阻害剤を含む。
【0038】
アルツハイマー病は、また、減少した神経伝達物質の放出が特徴である。薬剤の3つのクラスが、アルツハイマー病の治療のために研究されている。即ち、コリン作用性増強剤、例えば、抗コリンエステラーゼ薬剤(例えば、フィソスチグミン(physostigmine)(エセリン(eserine))、およびタクリン(Tacrine)(テトラヒドロアミノクリジン(tetrahydroaminocridine))等;他の場所で、僅かな効果でもって神経細胞代謝に影響を及ぼす向知性薬(例えば、ピラセタム(Piracetam)、オキシラセタム(Oxiracetam);および脳の脈管構造に影響を及ぼす薬剤、例えば、ニモジピン(Nimodipine)を含む、エルゴロイド(ergoloid)メシレートamdカルシウムチャンネルブロック薬剤の混合物等。セレギリン(Selegiline)、即ち、脳のドーパミンを増加する、モノアミンオキシダーゼB阻害剤およびノルエピネフリン(norepinephrine)は、幾人かのアルツハイマー患者において穏やかな改善を引き起こすことが報告されている。アルミニウムキレート剤は、アルツハイマー病が、アルミニウムの毒性によるものと考えている人達にとって興味の対象となっている。神経安定薬を含めた、挙動に影響を及ぼす薬剤、および不安緩解剤が使用されている。穏やかなトランキライザーである不安緩解剤は、神経安定薬よりも効果が少ない。本発明は、カリウムチャンネル拮抗薬として有用な新規な化合物に関する。
【0039】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療において、抗コリンエステラーゼ薬剤、例えば、フィソスチグミン(エセリン)およびタクリン(テトラヒドロアミノクリジン)等、向知性薬、例えば、ピラセタム、オキシラセタム等、エルゴロイドメシレート、選択的カルシウムチャンネルブロッカー、例えば、ニモジピン等、またはモノアミンオキシダーゼB阻害剤、例えば、セレギリン等と組み合わされてもよい。また、本発明の化合物は、不整脈治療において、アパミン、イベリオトキシン、カルブドトキシン、ノキアストキシン、カリオトキシン、デンドロトキシン、肥満細胞脱顆粒(MCD)ペプチド、β−ブンガロトキシン(β−BTX)またはこれらの組合せと組み合わされてもよい。本発明の化合物は、さらに、糖尿病を治療するために、グリブリド、グリピジド、トルブタミドと組み合わされてもよい。
【0040】
本明細書における実施例は、本発明を例示するのであって限定するものではない。言及されている化合物のそれぞれは、カリウムチャンネル拮抗薬であり、したがって、最大限の神経伝達物質の放出を達成するために、細胞を脱分極状態に維持することが望ましい、言及されている神経疾患において有用である。本発明において生成される化合物は、適切な、知られている、薬剤として許容される賦形剤と簡単に組み合わせて、有効なカリウムチャンネル閉塞を達成するために、ヒトを含む哺乳類に投与されてもよい組成物を生成する。
【0041】
医薬における使用のためには、式Iの化合物の塩は、薬剤として許容される塩である。しかしながら、他の塩は、本発明による化合物または薬剤として許容されるこの塩の調製において有用であってもよい。本発明の化合物が酸性である場合は、適切な「薬剤として許容される塩」は、無機塩基および有機塩基を含む、薬剤として許容される非毒性塩基から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬剤として許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が挙げられる。
【0042】
本発明の化合物が塩基性である場合は、塩は、無機および有機酸を含む、薬剤として許容される非毒性酸から調製されてもよい。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマール酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0043】
上述の薬剤として許容される塩および他の一般的な薬剤として許容される塩の調製は、Berg等、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977年:66:1頁〜19頁でさらに完全に記載されている。
【0044】
本明細書において使用される「組成物」という用語は、特定の量において特定された成分を含む生成物、加えて、特定された量における特定の成分の組合せから、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図するものである。
【0045】
本発明による化合物が、ヒト対象に投与される場合は、毎日の投薬量は、個々の患者の年齢、体重、性別および応答、加えて、患者の症状の重篤度により一般的に変動する投薬量で、指定された医者により通常決定される。
【0046】
使用されるMaxi−Kチャンネルブロッカーは、静脈内に、皮下に、局所に、経皮的に、非経口的にまたは当業者に知られている任意の他の方法により、治療有効量において投与することができる。
【0047】
眼科薬剤組成物は、好ましくは、溶液、懸濁液、軟膏、クリームの形態において、または固体体挿入物として、眼に対して、局部投与のために適合される。この化合物の眼科組成物は、医薬の0.01ppm〜5%、特に、0.1ppm〜1%を含んでもよい。より高い投薬量、例えば、約10%、またはより低い投薬量は、投与量が、眼圧を減少させ、緑内障を治療し、血流速度または酸素分圧を増加することにおいて有効であれば、採用することができる。単独投与量に対しては、化合物の1ng〜5000μg、好ましくは、10ng〜500μg、特に、100ng〜200μgが、ヒトの眼に適用することができる。
【0048】
化合物を含む薬学的製剤は、非毒性薬学的有機担体、または非毒性薬学的無機担体と都合よく混合されてもよい。薬剤として許容される担体の一般的なものは、例えば、水、水および水相溶性溶剤、例えば、低級アルカノールまたはアラルカノールとの混合物、植物油、ポリアルキレングリコール、石油を基としたゼリー、エチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、イソプロピルミリステートおよび他の普通に使用される許容される担体である。薬学的製剤は、また、非毒性補助物質、例えば、乳化剤、保存剤、湿潤剤、体質剤等、例えば、ポリエチレングリコール200、300、400および600、カーボワックス1,000、1,500、4,000、6,000および10,000、第四級アンモニウム化合物等の抗菌成分、低温殺菌性を有することが知られていて、使用において無害であるフェニル水銀塩、チメロサール(thimerosal)、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、緩衝液成分、例えば、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコネート緩衝液等、および他の通常成分、例えば、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、オレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチレート、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸等を含んでもよい。さらに、適切な眼科ビヒクルは、通常のリン酸塩緩衝液ビヒクル系、等張ホウ酸ビヒクル、等張塩化ナトリウムビヒクル、等張ホウ酸ナトリウムビヒクル等を含めて、本発明の目的のための担体媒体として使用することができる。薬学的製剤は、また、ミクロ粒子組成物の形態において存在してもよい。薬学的製剤は、また、固体挿入物の形態において存在してもよい。例えば、医薬のための担体として、固体水溶性ポリマーを使用してもよい。挿入物を形成するために使用されるポリマーは、任意の水溶性非毒性ポリマー、例えば、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、(ヒドロキシ低級アルキルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等;アクリレート、例えば、ポリアクリル酸塩、エチルアクリレート、ポリアクリルアミド等;天然製品、例えば、ゼラチン、アルギネート、ペクチン、トラガカント、カラヤ、コンドラス(chondrus)、寒天、アカシア等;デンプン誘導体、例えば、酢酸デンプン、ヒドロキシメチルデンプンエーテル、ヒドロキシプロピルデンプン等、加えて、他の合成誘導体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、中和されたカルボポールおよびキサンタンゴム、ゲラン(gellan)ゴム、および前記ポリマーの混合物等であってもよい。
【0049】
本発明の組成物の投与にとって適切な対象としては、霊長類、ヒトおよび他の動物、特に、ヒトおよび家畜、例えば、ネコおよびイヌ等が挙げられる。
【0050】
薬学的製剤は、非毒性補助物質、例えば、使用において無害である抗菌成分等、例えば、チメロサール、ベンズアルコニウムクロライド、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルドデシニウムブロミド、ベンジルアルコール、またはフェニルエタノール;緩衝液成分、例えば、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、またはグルコネート緩衝液等;および他の通常の成分、例えば、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチレート、エチレンジアミン四酢酸等を含んでもよい。
【0051】
眼科溶液または懸濁液は、眼における許容されるIOP水準を維持するために、必要の度毎に投与されてもよい。哺乳類の眼に対する投与は、1日約1回または2回であることが考えられる。
【0052】
局所的眼投与のためには、本発明の新規な組成物は、単位投薬量が、活性成分の治療有効量または併用療法の場合にはこの数倍の量を含む様に組成された、溶液、ゲル、軟膏、懸濁液または固体挿入物の形態を取ってもよい。
【実施例】
【0053】
例示の目的で与えられる以下の実施例は、本発明の実証である。実施例において使用される用語の定義は、次の通りである:
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸
NMR:核磁気共鳴
TFA:トリフルオロ酢酸
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
SGC:シリカゲルクロマトグラフィー
h=hr:時間
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
min:分
LC/MC:液体クロマトグラフィー/質量分析
RP−HPLC:逆相高性能液体クロマトグラフィー
equiv=eq:当量。
【0054】
一般的実験条件:NMRスペクトルは、残留溶媒ピークを基準としたVarian Instrumentsにおいて、室温で記録された。LC−MSは、2.0×50mm X−Terra C18カラムおよび3.75分にわたる10〜98%MeCN勾配と、それに続く1分間の98%MeCN勾配を使用して、Aglient HPLCおよびエレクトロスプレーイオン化を伴うMicromass ZQ検出器において測定された。水性およびMeCN溶離液は、それぞれに、0.06および0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸を含んでいた。質量ピークは、相対的発生量の減少順序において列挙される。分離用HPLC分離は、C18カラム、例えば、YMC 20×150mm5μProC18、Phenomenex 100×21.2mm5μC18Luna、または9.4×250mm SB−C18 Zorbaxカラム等を使用して行った。
【0055】
例示の目的で与えられる以下の実施例は、本発明の実証である。本発明の化合物は、以下のスキームにおいて、適切な場合には、変更を伴って作ることができる。
【0056】
【化3】

【0057】
スキーム1は、カリウムチャンネル変性剤のテトラヒドロカルバゾールクラスの調製を示す。シクロヘキサノンおよび3−メトキシフェニルヒドラジンを使用するフィッシャーインドール合成は、2つのメトキシテトラヒドロカルバゾールの混合物を与えた。これらは、SGCで分離された。これらは、ブロモケトンでアルキル化して、最終生成物を与えることができる。α−ブロモアセテートでのアルキル化、続いて、酸およびアミド形成への加水分解は、アセトアミド誘導体を与えた。類似の方法は、スキーム2において示される置換テトラヒドロカルバゾールを調製するために使用された。
【0058】
【化4】

【0059】
いくつかの方法が、オキソ−テトラヒドロカルバゾールの調製のために報告されている。例えば、Scott等、(Tetrahedron;59;33;2003年;6323頁)およびIyer等;(J.Chem.Soc.Perkin Trans.2;1973年;878頁)は、それぞれに、7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オンおよび7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−1−オンへの手段を報告している。本発明者等は、インドール形成工程(スキーム3)における酸素に代えて、塩化銅(II)を使用する、7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オンの合成のためのIida等の変更方法(J.Org.Chem.1980年、45、2938頁)を使用した。工程の残りは、先に使用されたものと同様のものであった。
【0060】
【化5】

【0061】
【化5】

【0062】
1−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
工程A.7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール
16mLの酢酸における、4.04gの3−メトキシフェニルヒドラジン塩酸、2.27gのシクロヘキサノンおよび1.90gの酢酸ナトリウムの混合物を窒素下で4時間還流した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水およびEtOAcとに分割した。合わせたEtOAc抽出物を0.1N HCl、5%NaHCO、および飽和ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物をヘキサンにおける15〜25%EtOAcを使用して、シリカゲルで繰り返し精製し、2つの異性体生成物を得た。ゆっくりと溶出する異性体が標記化合物であった。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.57(br s,1NH)、7.35(d,8.5Hz,1H)、6.84(d,2.1Hz,1H)、6.77(dd,2.1 & 8.5Hz,1H)、3.86(s,3H)、2.67〜2.74(m,4H)、1.85〜1.95(m,4H)。LC−MS:3.60分。(m/Z=202.2)。速く溶出する少量異性体は、5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールと同定された。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.67(br s,1NH)、7.01(dd,8.0 & 7.1Hz,1H)、6.91(d,8.0Hz,1H)、6.48(d,7.6Hz,1H)、3.91(s,3H)、2.95〜2.98(m,2H)、2.70〜2.74(m,2H)、1.83〜1.93(m,4H)。LC−MS:3.63分。(m/Z=202.2)。
【0063】
工程B.1−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1mLの無水DMFにおける、上記工程Aからの7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール33.7mgの溶液に、12mgのNaH(60%油分散体)を添加した。2〜3分後に、31.3mgの1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オンを添加した。反応混合物を0.1%TFAを伴う水における60〜100%MeCNを使用して、RP−HPLCで精製し、凍結乾燥後に固体として標記化合物を得た。LC−MS:4.02分。(m/Z=300.2)。
【0064】
【化6】

【0065】
N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
工程A.(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸
10mLの無水DMFにおける、実施例1の工程Aからの7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール0.25gの溶液に、150mgのNaH(60%油分散体)を添加した。10分後に、0.21gのメチルブロモアセテートを添加し、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。水および5N NaOHのそれぞれ1mLを反応混合物に注意深く添加した。一晩中、室温で撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を水およびエーテルを使用して処理し、標記化合物を含む酸性画分を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.37(d,8.5Hz,1H)、6.79(dd,2.3 & 8.6Hz,1H)、6.70(d,2.3Hz,1H)、4.74(s,2H)、3.87(s,3H)、2.70〜2.72(m,2H)、2.63〜2.66(m,2H)、1.93〜1.98(m,2H)、1.84〜1.89(m,2H)。LC−MS:3.29分。(m/Z=260.2)。
【0066】
工程B.N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
0.5mLの無水DMFにおける、上記工程Aからの(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸2.6mgの溶液に、2.3mgのHOBt、2.6mgのジブチルアミン、7.7mgのEDC、および2.6mgのDIEAを添加した。一晩中、室温で放置後、反応混合物を0.1%TFAを伴う水における65〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCで精製した。標記化合物を凍結乾燥後に、無色固体として得た。LC−MS:4.31分。(m/Z=371.3、393.3)。
【0067】
【化7】

【0068】
表1における実施例3〜17を実施例3の工程Bにおいて記載されている方法と同じ方法を使用して、適切なアミンから調製した。実施例13〜16に対して使用されたアミンの調製は、全体が本明細書に参照として組み込まれるWO2004/04354において記載されている。
【0069】
【表1】


【0070】
【化8】

【0071】
1−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
標記化合物を実施例1の工程Aからの5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールで、実施例1の工程Bに記載された方法と同じ方法を使用して調製した。LC−MS:4.07分。(m/Z=300.2)。
【0072】
【化9】

【0073】
表2における実施例19〜21を実施例1の工程Aからの5−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールで開始して、実施例2に記載された方法と同じ方法を使用して調製した。
【0074】
【表2】

【0075】
【化10】

【0076】
1−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
工程A.7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール
標記化合物を3,3−ジメチルシクロヘキサノンおよび3−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用して、実施例1の工程Aにおいて記載されている方法を使用して調製した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.53(br s,1NH)、7.36(br d,1H)、6.84(d,2.0Hz,1H)、6.77(dd,2.0 & 8.5Hz,1H)、3.86(s,3H)、2.69(br t,2H)、2.49(br s,2H)、1.64(t,6.3Hz,2H)、1.07(s,6H)。速く溶出する少量異性体をまた、SGCから単離した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.625(br s,1NH)、7.01(dd,8.0 & 8.0Hz,1H)、6.92(d,8.0Hz,1H)、6.49(d,7.8Hz,1H)、3.92(s,3H)、2.96(br t,5.6Hz,2H)、2.49(s,2H)、1.62(t,6.3Hz,2H)、1.07(s,6H)。後者は、5−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールと同定された。
【0077】
工程B.1−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
標記化合物を7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールおよび1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オンを使用して、実施例1の工程Bにおいて記載されている方法を使用して調製した。LC−MS:4.24分。(m/Z=328.2、350)。
【0078】
【化11】

【0079】
4−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−2,2,7,7−テトラメチルオクタン−3,6−ジオン
標記化合物を実施例22に対する精製中に単離した。LC−MS:4.90分。(m/Z=448.3、426.2)。
【0080】
【化12】

【0081】
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4、9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール
標記化合物を実施例22の工程Aからの7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール17.2mgの溶液に、3.6mgの60%NaH油分散体を添加し、次いで、13.6mgの1−ブロモ−3,3−ジメチルブタンを添加して調製した。45℃で3時間加熱後、反応混合物を1:1ジオキサンおよび水で希釈し、0.1%TFAを伴う水における75〜100%MeCN勾配を使用して、直接RP−HPLCで精製し、凍結乾燥後に無色固体として標記化合物を得た。LC−MS:4.84分。(m/Z=314.3)。
【0082】
【化13】

【0083】
N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
工程A.(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸
標記化合物を実施例2の工程Aにおいて記載された方法を使用して、実施例22の工程Aからの7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾールから調製した。粗生成物を0.1%TFAを伴う水における55〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCでさらに精製し、純粋な標記化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.38(d,8.4Hz,1H)、6.79(dd,2.3 & 8.5Hz,1H)、6.71(d,2.2Hz,1H)、4.73(s,2H)、3.87(s,3H)、2.70(t,6.3Hz,2H)、2.41(s,2H)、1.64(t,6.4Hz,2H)、1.08(s,6H)。4.73ppmシグナルを放射するNOE差スペクトルは、6.71および2.41ppmにおけるポジティブNOEを与えた。LC−MS:3.55分。(m/Z=288.2)。
【0084】
工程B.N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
0における、上記工程Aからの(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸、11.5mgのHOBt、および9.7mgのジブチルアミンに、24mgのEDCおよび19.4mgのDIEAを添加した。反応混合物を40℃で2時間加熱し、0.1%TFAを伴う水における75〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCで精製した。標記化合物を凍結乾燥後に無色固体として得た。LC−MS:4.46分。(m/Z=399.3、421.3)。
【0085】
【化14】

【0086】
表3における実施例26〜40を実施例25の工程Bにおいて記載されている方法と同じ方法を使用して、適切なアミンから調製した。実施例36〜39に対して使用されたアミンの調製は、全体が参照として本明細書に組み込まれるWO2004/04354において記載されている。
【0087】
【表3】


【0088】
【化15】

【0089】
9−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン
工程A.3−[(3−メトキシフェニル)アミノ]シクロヘキス−2−エン−1−オン
25.62gの3−メトキシアニリンおよび24.77gのシクロヘキサン−1,3−ジオンの混合物を130℃で、窒素下で6.5時間加熱した。形成された水を蒸留により除去した。残渣を300mLのクロロホルムに溶解し、約10gの活性炭と一緒に、2〜3時間撹拌し、濾過し、蒸発させて、標記化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.26(t,8.0Hz,1H)、6.72〜6.79(m,3H)、6.13(br s,1NH)、5.65(s,1H)、3.81(s,3H)、2.52(t,6.3Hz,2H)、2.39(t,6.5Hz,2H)、2.04(tt,6.5 & 6.3Hz,2H)。この粗生成物をさらなる精製なしで使用した。
【0090】
工程B.7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン
1.5LのMeCNにおける、上記工程Aからの3−[(3−メトキシフェニル)アミノ]シクロヘキス−2−エン−1−オンに、6.60gのPd(OAc)、および80.10gのCu(OAc)を添加した。この混合物を窒素下で26時間還流した。温かい混合物をさらに2.5LのMeCNと一緒に、200gのシリカゲルを通して濾過した。濾液を蒸発させて固体を得た。この固体を500mLの水と一緒に沸騰させ、室温まで冷却し、濾過した。濾液から緑色が消えるまで固体を水で洗浄した。この粗生成物をMeCNを使用するSGCを使用して精製した。SGCからの生成物を1:1EtOAcおよびMeCNでさらに洗浄し、褐色固体として標記化合物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.87(d,8.4Hz,1H)、6.905(d,2.1Hz,1H)、6.82(dd,2.1 & 8.7Hz,1H)、3.82(s,3H)、2.98(t,6.2Hz,2H)、2.53(t,6.5Hz,2H)、2.22(tt,6.2 & 6.5Hz,2H)。LC−MS:2.32分。(m/Z=216.1)。
【0091】
工程C.9−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン
1mLの無水DMFにおける、上記工程Bからの7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オンに、29.5mgの1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オンおよび53.8mgの炭酸セシウムを添加した。室温で24時間後に、反応混合物を1:1ジオキサンおよび水で希釈し、0.1%TFAを伴う水における50〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCで精製した。標記化合物を凍結乾燥後に無色固体として得た。LC−MS:3.09分。(m/Z=314.1)。
【0092】
【化16】

【0093】
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン
1mLの無水DMFにおける、実施例41の工程Bからの7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オンに、27.2mgの1−ブロモ−3,3−ジメチルブタンおよび53.8mgの炭酸セシウムを添加した。反応混合物を45℃で1時間、35℃で3日間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を1:1ジオキサンおよび水で希釈し、0.1%TFAを伴う水における60〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCで精製した。標記化合物を凍結乾燥後に無色固体として得た。LC−MS:3.66分。(m/Z=300.2、322.1)。
【0094】
【化17】

【0095】
N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
工程A.エチル(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセテート
40mLの無水DMFおける、実施例41の工程Bからの7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン1.822gの溶液に、1.48gのエチルブロモアセテートおよび2.897gの炭酸セシウムを添加した。混合物を室温で3日間撹拌後、350mLの水で希釈し、4×100mLのEtOAcで抽出した。合わせたEtOAc抽出物を水(3×150mL)および飽和ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、黄色固体として標記化合物を得た。それは、30mLのEtOAcから、白っぽい固体として再結晶化することができる。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.15(d,8.7Hz,1H)、6.94(dd,2.2 & 8.7Hz,1H)、6.73(d,2.1Hz,1H)、4.77(s,2H)、4.26(q,7.1Hz,2H)、3.88(s,3H)、2.90(t,6.2Hz,2H)、2.59〜2.62(m,2H)、2.26〜2.31(m,2H)、1.30(t,7.3Hz,3H)。LC−MS:2.85分。(m/Z=302.1,324.0)。
【0096】
工程B.(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸
50mLのMeOHにおける、上記工程Aからのエチル(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセテート1.17g、4.15mLの水、および0.85mLの5N NaOHの混合物を35℃で、一晩中加熱した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水に溶解し、50mLのEtOAcで抽出した。この抽出物は棄てた。水性相を1mLの濃HClで酸性化し、3×75mLのEtOAcで抽出した。合わせたものを飽和ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、黄色固体として標記化合物を得た。H NMR(CDCN,500MHz)δ9.79(br s,10H)、7.94(d,8.5Hz,1H)、6.92(d,2.3Hz,1H)、6.86(dd,2.2 & 8.6Hz,1H)、4.91(s,2H)、3.83(s,3H)、2.87(t,6.2Hz,2H)、2.46〜2.49(m,2H)、2.17〜2.22(m,2H)。LC−MS:2.37分。(m/Z=274.1)。
【0097】
工程C.N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド
0.9mLの無水DMFにおける、上記工程Bからの(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)酢酸20.5mgの溶液に、17.2mgのHOBt、14.5mgのジブチルアミン、28.8mgのEDC、および29.1mgのDIEAを添加した。室温で一晩中放置した後、反応混合物を0.1%TFAを伴う水における50〜100%MeCN勾配を使用して、RP−HPLCで精製した。標記化合物を凍結乾燥後に無色固体として得た。LC−MS:3.50分。(m/Z=385.1)。
【0098】
【化18】

【0099】
表4における実施例44〜58を実施例43の工程Cにおいて記載されている方法と同じ方法を使用して、適切なアミンから調製した。実施例54〜57に対して使用されたアミンの調製は、全体が参照として本明細書に組み込まれるWO2004/04354において記載されている。
【0100】
【表4】

【0101】
機能分析
A.Maxi−Kチャンネル
化合物の活性はまた、以下の分析により定量化することができる。
【0102】
Maxi−Kチャンネルの阻害剤の同定は、HEK−293細胞におけるチャンネルのアルファおよびベータ1サブユニット両方のトランスフェクション後、およびHEK−293細胞の内因性カリウム伝導性を選択的に排除するカリウムチャンネルブロッカーと一緒に培養した後に、細胞の静止電位を設定するための、発現したMaxi−Kチャンネルの能力に基づくものである。Maxi−Kチャンネル阻害剤が存在しない場合は、遺伝子移入HEK−293細胞は、Maxi−Kチャンネルの活性の結果である、Eに近い、負側の、過分極膜電位(−80mV)を示す。Maxi−Kチャンネルブロッカーと一緒の培養によるMaxi−Kチャンネルの閉塞は、細胞脱分極の原因となる。膜電位における変化は、2つの成分、供与体クマリン(CCDMPE)および受容体オキサノール(DiSBAC(3))を使用する、電圧感応性蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)染料対で決定することができる。
【0103】
オキサノールは、親油性アニオンであり、膜電位によって膜全体に分布する。正常状態の下では、細胞の内側が、外側に関して負である場合は、オキサノールは、膜の外側小葉で蓄積され、クマリンの励起が、FRETを引き起こす原因となる。膜の脱分極を引き起こす状態は、細胞の内側へのオキサノールの再分布を引き起こし、結果として、FRETにおける減少の原因となる。したがって、比率変化(供与体/受容体)は、テスト化合物が、Maxi−Kチャンネルを活発に閉塞する場合に決定する膜の脱分極後に増加する。
【0104】
HEK−293細胞は、受託番号ATCC CRL−1573の下で、American Type Culture Collection、12301 Parklawn Drive、Rockville、Maryland、20852から入手した。微生物に対する一般からのアクセスに関するいずれの制限も、特許発行により確定的に除去される。
【0105】
HEK−293細胞におけるMaxi−Kチャンネルのアルファおよびベータ1サブユニットのトランスフェクションは、次の様にして行われた:HEK−293細胞を100mmの組織培養処置皿において、皿当たり3×10細胞の密度で蒔き、合計5枚の皿を用意した。細胞を10%ウシ胎仔血清、1X L−グルタミン、および1X ペニシリン/ストレプトマイシンで補給されるダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)からなる媒体において、37℃、10%COで成長させた。Maxi−K hα(pCIneo)およびMaxi−K hβ(pIRESpuro)DNAでのトランスフェクションのために、150μlのFuGENE63を血清なし/フェノールレッドなしのDMEMの10ml中に滴状添加し、室温で5分間培養した。次いで、FuGENE63溶液を各プラスミドDNAの25μgを含むDNA溶液に滴状添加し、室温で30分間培養した。培養期間後に、FuGENE63/DNA溶液の2mlを細胞の各プレートに滴状添加し、細胞を上述の条件と同じ条件下で2日増殖させた。2日目の最後で、細胞を600μg/mlG418および0.75μg/mlプロマイシンの両方で補給されるDMEMからなる選択媒体の下に置いた。細胞を別々のコロニーが形成されるまで成長させた。5つのコロニーが収集され、6ウェル組織培養処理皿に移した。合計75のコロニーが収集された。細胞を融合性単層が得られるまで成長させた。次いで、細胞をチャンネルへの125I−イベリオトキシン−D19Y/Y36Fの結合を監視するアッセイを使用して、Maxi−Kチャンネルアルファおよびベータ1サブユニットの存在に対してテストした。次いで、125I−イベリオトキシン−D19Y/Y36F結合活性を発現する細胞をVIPR装置で、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ABS方法を使用して、遺伝子移入HEK−293細胞の膜電位を調節するMaxi−Kチャンネルの能力を監視する機能分析において評価した。ノイズ比に対して最大のシグナルを与えるコロニーを希釈制限の対象とした。このために、細胞を約5細胞/mlで再懸濁し、200μlを96ウェル組織培養処理プレートにおける個々のウェルに蒔き、1ウェル当たり約1個の細胞を加えた。合計で2つの96ウェルプレートを作った。融合性単層が形成された時に、細胞を6ウェル組織培養処理プレートに移した。合計で62ウェルを移した。融合性単層が得られた時に、細胞をFRET−機能分析を使用してテストした。ノイズ比に対して最良のシグナルを与える遺伝子移入細胞を同定し、次の機能分析において使用した。
【0106】
機能分析のために:
次いで、遺伝子移入細胞(2E+06細胞/mL)を96−ウェルポリ−D−リシンプレート上で、約100,000細胞/ウェルの密度で蒔き、約16時間〜約24時間培養する。細胞の媒体を吸引し、細胞をダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水(D−PBS)の100μlで1度洗浄する。ウェル当たり、D−PBSにおいて約9μMのクマリン(CCDMPE)−0.02%プルロニック−127の100μlを添加し、ウェルを暗所において、約30分間培養する。細胞をダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水の100μlで2度洗浄し、(mM)140NaCl、0.1KCl、2CaCl、1MgCl、20Hepes−NaOH、pH7.4、10グルコースにおけるオキサノール(DiSBAC(3))の約4.5μMの100μlを添加する。HEK−293細胞の内因性カリウム伝導性の阻害剤の3マイクロモルを添加する。Maxi−Kチャンネルブロッカーを添加し(約0.01マイクロモル〜約10マイクロモル)、細胞を室温で、暗所において、約30分間培養する。
【0107】
プレートを電圧/イオンプローブリーダー(VIPR)装置に掛け、CCDMPEおよびDiSBAC(3)両方の蛍光発光を10秒間記録する。この点で、高カリウム溶液(mM):140KCl、2CaCl、1MgCl、20Hepes−KOH、pH7.4、10グルコースの100μlを添加し、両染料の蛍光発光をさらに10秒間記録する。CCDMPE/DiSBAC(3)比は、高カリウム溶液の添加前は、1に等しい。Maxi−Kチャンネル阻害剤が存在しない場合、高カリウム溶液の添加後の比は、1.65〜2.0の間で変動する。Maxi−Kチャンネルが、知られている標準の化合物またはテスト化合物により完全に阻害されている場合は、この比は、1のままである。したがって、蛍光比における濃度依存性変化を観察することにより、Maxi−Kチャンネル阻害剤の活性を滴定することが可能である。
【0108】
本発明の化合物は、約1nM〜約20μM、さらに好ましくは、約10nM〜約500nMの範囲におけるIC50を伴い、蛍光比の濃度依存性阻害を引き起こすことが分かった。
【0109】
B.高伝導性カルシウム活性化カリウムチャンネルにおける化合物効果の電気生理学的分析
方法:
大伝導性カルシウム活性化カリウム(Maxi−K)チャンネルを通過する電流の流れを記録するパッチクランプを室温で、通常の方法(Hamill等、1981年、Pfluegers Archiv.391、85頁〜100頁)を使用して、Maxi−Kチャンネルのα−サブユニットを構造的に発現するCHO細胞、またはα−およびβ−サブユニットの両方を構造的に発現するHEK−293細胞から切除された膜パッチで作った。ガラス毛細管作製(Garner #7052またはDrummond custom borosilicate glass 1−014−1320)を2段階で行い、約1〜2ミクロンの先端直径を持つマイクロピペットを用意した。ピペットを(mM):150KCl、10Hepes(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンメタンスルホン酸)、1Mg、0.01Caを含み、KOHでpH7.20に調整された溶液で一般的に満たした。プラズマ膜およびピペット間に、高抵抗性(>10オーム)シールを形成後、内側を外にして切除される膜パッチを形成するために、ピペットを細胞から引き出した。パッチを(mM):150KCl、10Hepes、5EGTA(エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)、1〜5μMの遊離Ca濃度を生成するのに十分なCaを含む浴溶液の中に切除し、pHをKOHで7.2に調整した。例えば、4.193mMのCaを1μMの遊離濃度を与えるために、22℃で添加した。EPC9増幅器(HEKA Elektronic、Lambrect、Germany)を電圧調節および膜パッチを横切る電流の流れを測定するために使用した。先頭段階に対する入口をAg/AgClワイヤーでピペット溶液に接続し、増幅器の底を0.2M KClにおいて溶解した寒天で充填した管でカバーされたAg/AgClワイヤーで、浴溶液に接続した。Maxi−K電流の存在は、膜電位および細胞内カルシウム濃度に対するチャンネル開口確率の感度により確認した。
【0110】
データ収集は、PULSEソフトウェア(HEKA Elektronic)で制御し、PULSEFIT(HEKA Elektronic)およびIgor(Wavemetrics、Oswego、OR)ソフトウェアを使用して、後の分析のために、マッキントッシュコンピュータ(Apple Computers)のハードドライブに蓄えた。
【0111】
結果:
Maxi−Kチャンネルについての本発明の化合物の効果を浴溶液の一定過融解を伴って、内側を外にして切除された膜パッチにおいて試験した。膜電位を−80mVに保持し、正膜電位(一般的に、+50mV)に対する短時間(100〜200ms)電圧工程をMaxi−Kチャンネルを一時的に開口させるために15秒毎に1度適用した。各試験における正制御として、Maxi−K電流をパッチが、カルシウムが添加されていない標準浴溶液に、1mMのEGTAを添加することより作られるカルシウムの低濃度(<10nM)に一時的に曝露された後に、パルス電位で排除した。各実験において閉塞されたチャンネルの画分を膜パッチの内側に対する特定化合物の適用により引き起こされたピーク電流における減少から計算した。化合物は、閉塞の定常状態水準が達成されるまで適用された。チャンネルブロックのK値は、Hill式で、各化合物濃度において得られた画分閉塞を適合させることにより計算した。本発明において記載された化合物によるチャンネルブロックに対するK値は、0.01nM〜10μMを超える範囲である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iの化合物
【化1】

または薬剤として許容される塩、in vivoで加水分解可能なエステル、光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体もしくはこれらの混合物
[式中、
およびYは、独立に、O;H;HおよびR;HおよびR;またはRおよびRであり、
Xは、−(CHR−または−(CHRCO−を表し、
W、YおよびZは、独立に、CHおよびNであり、
は、水素、C1〜6アルコキシ、OH、C3〜8シクロアルコキシ、C1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C1〜6アルケニル、S(O)R、COOR、COR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、C5〜10ヘテロシクリル、CF、OCF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1〜6アルキルアミノまたはハロゲンを表し、前記アリール、アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、
およびRは、独立に、水素、C1〜6アルコキシ、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−S、C1〜6アルキル−CO−、C1〜6アルケニル、C3〜8シクロアルコキシ、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−S、C3〜8シクロアルキル−CO−、COOR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、C5〜10ヘテロシクリル、CF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1〜6アルキルアミノまたはハロゲンを表し、前記アリール、アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、または
およびRは、環における介在原子と一緒になって、4員から8員環を形成することができ、この環は、N、OおよびSから選択される1から2個の原子が割り込むことができ、または1から4個の二重結合を有し、
Qは、水素、C1〜10アルキル、−(CH(CHR)(CHOR、−(CH(CHR)(CHNR、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH5〜14縮合シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリール、−(CH(CHR)(CHCOOR、−(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CHNHR、−(CH(CHR)(CHNHCOOR、−(CH(CHR)(CHN(R)COR、−(CH(CHR)(CHN(R)COR、−(CH(CHR)(CHNHCOR、−(CH(CHR)(CHCONH(R)、アリール、CF、−(CH(CHR)(CHSOR、−(CH(CHR)(CHSON(R)、−(CHCON(R)、−(CHCONHC(R)、−(CHCONHC(R)COR、−(CHCOR、ニトロ、シアノまたはハロゲンを表し、前記アルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rの1から3個の基で場合により置換されており、
Rは、水素、またはC1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC5〜10ヘテロアリールを表し、
は、水素、C1〜6アルキル、−(CHCOOR、−(CHCORまたは−(CHN(R)を表し、
は、水素、C1〜10アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR)(CH1〜6アルコキシ、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−N(R)、−(CH(CHR)(CHCOOR、または−(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリールを表し、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたはアリールは、Rから選択される1から3個の基で場合により置換されており、
は、水素、C1〜10アルキル、C1〜6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR)(CH1〜6アルコキシ、−(CH(CHR)(CH3〜8シクロアルキル、−(CH(CHR)(CH3〜10ヘテロシクリル、−(CH(CHR)(CH5〜10ヘテロアリ−ル、−(CH(CHR)(CHN(R)、CH(CHR)(CHNHR、−(CH(CHR)(CHCOOR、または(CH(CHR)(CH6〜10アリール、−(CH(CHR)(CHNRCOOR、−(CH(CHR)(CHCOR、−(CH(CHR)(CHSOR、−(CH(CHR)(CHSON(R)を表し、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、Rから選択される1から3個の基で場合により置換されており、または
およびRは、QのNRの介在「N」と一緒になって、O、S、C(O)またはNRの1から2個の原子により場合により割り込まれ、および1から4個の二重結合を場合により有し、およびRから選択される1から3個の基で場合により置換されている、3員から10員炭素環式または複素環式炭素環を形成し、
は、F、Cl、Br、I、CF、OH、N(R)、NO、CN、−COR、−CONHR、−CONR、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C〜Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1〜6アルコキシ、(アリール)O−、−(CHOH、(C〜Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、−(C〜Cアルキル)NR(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)O(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)S(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C〜Cアルキル)−C3〜10ヘテロシクリル−R、−(CH−Z−C(=Z)N(R)、−(C2〜6アルケニル)NR(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)O(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)S(CH3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)−C3〜10ヘテロシクリル−R、−(C2〜6アルケニル)−Z−C(=Z)N(R)、−(CHSOR、−(CHSOH、−(CHPO(OR)、−(CHOPO(OR)、C3〜10シクロアルキル、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロシクリル、C2〜6アルケニルおよびC〜C10アルキルを表し、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリルおよびアリールは、C〜Cアルキル、CN、NO、OH、CON(R)およびCOORから選択される1から3個の基で場合により置換されており、
は、H、C1〜6アルキル、−C(O)C1〜6アルキル、−C(O)OC1〜6アルキル、−SON(R)、−SO1〜6アルキル、−SO6〜10アリール、NO、CNまたは−C(O)N(R)を表し、
およびZは、独立に、NR、O、CHまたはSを表し、
mは、0から3であり、
nは、0から4であり、
pは、0から1であり、および
qは、0から2である。]。
【請求項2】
Qが、C1〜10アルキル、−(C1〜6−アルキル)ORまたは(CH(CHR)(CHNRであり、およびW=Y=Z=CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが−(CHRCO−であり、ならびにYおよびYが共にHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、C1〜6アルコキシ、OH、C1〜6アルキルであり、Qが、C1〜10アルキルまたは(CH(CHR)(CHNRであり、Xが−(CHRCO−であり、RおよびRが、独立に、HおよびC1〜6アルキルであり、ならびにYおよびYがHであり、ならびに他のすべての変数が初めに記載された通りである、請求項1に記載の化合物。
(請求項4a) 遊離OH基が存在する、請求項1に記載の化合物。
(請求項4b) OH基が、OPO(OH)として誘導される、請求項4aに記載の化合物。
【請求項5】
1−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N,N−ジブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N,N−ジイソブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
7−メトキシ−9−[2−(trans−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
7−メトキシ−9−[2−(cis−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド、
N−(2,2−ジメチルプロピル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド1−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N,N−ジブチル−2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−エチル−2−(5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
4−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−2,2,7,7−テトラメチルオクタン−3,6−ジオン、
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ジプロピルアセトアミド、
2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N,N−ジイソブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
7−メトキシ−2,2−ジメチル−9−[2−(trans−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
7−メトキシ−2,2−ジメチル−9−[2−(cis−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
9−(3,3−ジメチルブチル)−7−メトキシ−1,2,3,9−テトラヒドロ−4H−カルバゾール−4−オン、
2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド、
9−[2−(trans−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−4−オキソ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
9−[2−(cis−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−7−メトキシ−4−オキソ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール、
N−(3,3−ジメチルブチル)−N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)アセトアミド、
N−エチル−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−1,3−チアゾール−2−イルアセトアミド、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−(7−メトキシ−4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−カルバゾール−9−イル)−N−プロピルアセトアミド
の化合物、または薬剤として許容される塩、in vivoで加水分解可能なこのエステル、光学異性体、ジアステレオマーもしくはこれらの混合物。
【請求項6】
高眼圧症または緑内障を治療するための医薬の製造における式Iの化合物の使用であって、請求項1の構造式Iの化合物の治療有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、使用。
【請求項7】
黄斑浮腫、黄斑変性症を治療するための、網膜および視神経頭部血流速度を増加するための、網膜および視神経酸素分圧を増加するための、および/または神経保護効果のための医薬の製造における式Iの化合物の使用であって、請求項1の化合物、または薬剤として許容される塩、光学異性体、ジアステレオマーもしくはこれらの混合物の薬剤としての有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、使用。
【請求項8】
カリウムチャンネルを含む哺乳類細胞の再分極または過分極を予防するための医薬の製造における式Iの化合物の使用、あるいは、請求項1に記載の化合物、または薬剤として許容されるこの塩、光学異性体、ジアステレオマーもしくはこれらの混合物の薬剤としての有効量を投与することを含む、アルツハイマー病、鬱病、認知障害、および/または不整脈障害を、その必要がある患者において治療する方法。
【請求項9】
糖尿病をその必要がある患者において治療するための医薬の製造における式Iの化合物の使用であって、請求項1に記載の化合物、または薬剤として許容されるこの塩、光学異性体、ジアステレオマーもしくはこれらの混合物の薬剤として有効な量を投与することを含む、使用。
【請求項10】
請求項1の式Iの化合物および薬剤として許容される担体を含む組成物。
【請求項11】
式Iの化合物が、局所製剤として適用され、前記局所製剤が、溶液または懸濁液として、場合によりキサンタンゴムもしくはゲランゴムを含めて投与される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
βアドレナリン遮断薬、副交感神経作用薬、交感神経作用薬、炭酸脱水酵素阻害薬、EP4作用薬、プロスタグランジンまたはこの誘導体、降圧脂質、神経保護剤、および/または5−HT2レセプター作用薬からなる群に属する活性成分の1つ以上が、場合により添加される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
βアドレナリン遮断薬が、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロールまたはレボブノロールであり、副交感神経作用薬がピロカルピンであり、交感神経作用薬が、エピネフリン、ブリモニジン、イオピジン、クロニジンまたはパラアミノクロニジンであり、炭酸脱水酵素阻害薬が、ドルゾールアミド、アセタゾールアミド、メタゾールアミドまたはブリンゾールアミドであり、プロスタグランジンが、ラタノプロスト、トラバプロスト、ユノプロストン、レスキュラまたはS1033であり、降圧脂質がルミガンであり、神経保護剤が、エリプロジル、R−エリプロジルまたはメマンチンであり、および5−HT2レセプター作用薬が、1−(2−アミノプロピル)−3−メチル−1H−イミダゾール−6−オールフマレートまたは2−(3−クロロ−6−メトキシ−インダゾール−1−イル)−1−メチル−エチルアミンである、請求項12に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−515973(P2008−515973A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536741(P2007−536741)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/036039
【国際公開番号】WO2006/044232
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】