説明

高着色力カーボ物質

黒色顔料としてカーボ・ベジタビリスを含む黒色着色物質。その着色物質は、たとえば食品または医薬品の製造における着色剤として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒色色素としてカーボ・ベジタビリスを含む水分散性黒色着色物質に関する。その着色物質は、たとえば食品や医薬品の製造において着色剤として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
天然または合成の着色物質を含む着色剤は、一般に食品や医薬品の製造において添加物として使用されている。多種多様の着色剤が商業的に入手可能であり、それによって、製造者は、特定の色調が要望される場合、要望される色を有する単一の着色剤または適切な組合わせにおいて製品に要望される色を与える着色剤の混合物を選択することができる。
【0003】
商業的に入手可能な着色剤は、通常染料またはアゾ染料と呼ばれる物質を含む合成物質を含むことができ、または、そのような剤は、たとえば着色物質を含む植物材料の形態で、または天然にそのような物質を含む植物、動物または微生物物質から分離された多かれ少なかれ精製された着色物質として、天然起源の色素または他の着色物質を含むことができる。すべての色調をカバーし、そしてまた特定の着色物質の要望される性質の改善のための、天然の着色物質に対する一定のニーズがある。一般に自然界で見つからない1つの特定の色は黒色である。たとえば食品または医薬品に黒い色を与える着色物質を得るための源は、「カーボ・ベジタビリス」である。この色素物質は植物材料の炭化によって生産される。
【0004】
カーボ・ベジタビリスは、純粋な形態での、たとえば食品または菓子類の製造において扱うのが非常に難しい、非常に軽い細かい黒い粉末である。それは、空気の流れによって容易にまき散らかされ、そして、それは非常に疎水性であり、酸、アルカリおよび有機溶媒を含む普通のどんな洗浄剤にも溶けないので、きれいにするのが非常に難しい。
【0005】
したがって、着色色素の性質は、しばしば色素が分散状態で提供されることを要求する。
【0006】
現在、カーボ・ベジタビリスを含むそのような着色物質は、グルコース・シロップまたはセルロース誘導体の溶液の中に色素粉末を分散させることによって生産され、それにより、「そのまま」使用することができるか、またはさらなる着色組成物を提供するために処理することができる水性のペーストが得られる。カーボ・ベジタビリスを含む商業的に入手可能な物質は、特に次のいずれかのためにすべての用途には充分適していない。
・高い粘度
・または
・低い着色力
・または両方
【0007】
上記の性質に関連する問題は、とりわけ、生産工場においてポンプで製品を移動させることが高い粘度のために困難であり、そのため手作業で運ばなければならないということである。さらに、低いカーボの着色力は、いずれの特定用途においても、より多くの量の着色物質を加えることを必要とする。かくして、大量の水を加える必要があり、それは恐らく、食品または医薬品の中の水および/または砂糖の含有量を望まれないほど高くしてしまう。
【0008】
従来の典型的な製品は、レザーヘッド出版(Leatherhead Publishing)によって2008年を出版されたビクトリア・エマーソン(Victoria Emerton)編、成分ハンドブック,食品着色剤(Ingredients Handbook, Food Colours)に記載されている。その製品は10質量%のカーボ・ベジタビリスを含む水分散性のペーストであることを特徴とする。より高い着色力の製品が入手可能であるが、そのような製品は極端に高い粘度を有する(後述の実施例を参照)。
【0009】
国際公開第97/26802号は親水コロイドを含む水相の中に表面活性物質を使用せずに分散した水不溶性および/または疎水性の天然色素を含む水分散性色素組成物に関する。植物性カーボンブラック色素は適切な水不溶性の疎水性天然色素の目録の中に簡単に言及されている。国際公開第97/26802号の実施例のいずれも色素として植物性のカーボンブラックを使用していない。
【0010】
欧州特許第2011835号は、少なくとも1種の水不溶性色素および親水コロイドとして少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水分散性組成物に関する。欧州特許第2011835号は色素としてカーボ・ベジタビリスの使用については何ら言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第97/26802号
【特許文献2】欧州特許第2011835号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は上記の従来技術の欠点のないカーボ・ベジタビリスを含む着色物質を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、カーボ・ベジタビリスおよび分散剤として少なくとも1質量%の少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水分散性着色物質によって解決される。
【0014】
本発明は、さらに、少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水性媒体の中にカーボ・ベジタビリスを分散させることを含む水分散性着色物質を調製する方法に関する。
【0015】
さらに、本発明は、食用品または医薬品の着色のための上記の着色物質の使用に関する。上記の着色物質を含む食用品または医薬品も、本発明によって提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって提供される水分散性着色物質は、食用品および医薬品の着色に非常に効果的である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
また、本発明の着色物質は、粒径の小さい着色組成物を得るために粉砕するなど、任意の公知の従来技術を使用して、さらに加工することができる。有用な手法としては、国際公開第91/06292号に記載されているような湿式粉砕が挙げられる。したがって、提供されるような着色物質の優れた着色特性は、任意の特定のニーズによってさらに改善されることができる。
【0018】
任意のさらなる改良プロセスの結果として得られる着色組成物の品質は、常に、着色「原料」の品質に依存するであろう。したがって、本発明によって提供される着色物質は、上記の改善された特性のために、従来製品と比較して、そのようなさらなるプロセスにおいて優れている。特に、着色力(色素の含有量の合計)は、任意の着色物質の非常に重要な品質パラメータである。
【0019】
現行の製品は分散液の中に約10質量%のカーボを含むが、本発明によって調製された着色物質は、10質量%超の、たとえば15質量%超の、たとえば20質量%超の、たとえば25質量%超の、たとえば30質量%超の、たとえば40質量%超のカーボを含むことができる。したがって、本発明は、約15質量%の、たとえば20質量%の、たとえば25質量%の、または約30質量%、40質量%または50質量%のようなさらに高い含有量のカーボを含むことができる。当業者であれば十分に理解しているように、粒径、表面積と、得られる分散液の粘度の間に非常に強い相互関係がある。したがって、着色物質の中のカーボ・ベジタビリスの高含有量は、粘度を落とさずに、より大きな粒径でより容易に達成される。
【0020】
カーボ含有量がより少ない着色物質も、本発明に包含される。そのようなより少ない含有量は、0.5質量%〜10質量%の範囲内にあることができ、たとえば約2質量%、4質量%、6質量%および8質量%の含有量であり、たとえば0.5質量%〜8質量%、たとえば0.5質量%〜6質量、たとえば0.5質量%〜4質量%、たとえば0.5質量%〜2質量%の範囲である。
【0021】
この文脈において、用語「カーボ・ベジタビリス」および「カーボ」は、交換可能に使用され、たとえば緩慢な熱分解、酸素のない状態における木材、砂糖、骨炭または他の物質の加熱によって製造され得る黒色色素粉末を意味する。その結果生じた柔らかく、脆い、軽い、黒い、多孔質の材料は、「炭」とも呼ばれ、さらに活性炭(「活性チャーコール」または「活性コール」とも呼ばれる。)に加工され得る。前に述べたように、その材料は、非常に多孔質であり、したがって非常に大きな表面積を有する。1グラムの炭は、500mより大きな表面積を有する。さらに、炭は非常に疎水性である。これらの特性は、色素粉末を非常に分散しにくくする。しかし、分散液は、色素粉末に関係する粉塵問題のためにすべての実用化に必要とされる。
【0022】
したがって、カーボ・ベジタビリスを含む分散液は商業的に入手可能である。しかし、カーボ・ベジタビリスを含むそのような従来技術の着色物質は、10質量%程度の低い色素粉末含有量のときでさえ高い粘度を有する。高い粘度は、粉末粒子の巨大な表面積と分散剤との間の内部摩擦による。したがって、黒い色調を付与しそしてカーボ・ベジタビリスを含む着色物質を必要としている製造者は、従来技術の着色物質の「不十分」な特性を受け入れることを強要されてきた。
【0023】
驚くべきことに、本発明者らは、オクテニルコハク酸デンプンを分散剤として使用すると、多量のカーボ・ベジタビリス(粒径が10μm未満のものでさえ)を分散させることができ、同時に従来技術の製品および他の変性デンプンと比較して優れた(低い)粘度を得ることができることを見いだした。今まで、カーボ・ベジタビリスを含む高品質着色物質は入手することができなかった。
【0024】
本発明の分散液はここでは「水分散性着色物質」として特徴づけられることに注目することが重要である。この着色物質は「着色剤」として「そのまま」使用することもできるし、さらに加工され「着色組成物」を生じることができる「着色物質原料」と見なすこともできる。いかなる着色剤または着色組成物の品質も着色物質原料の品質に完全に依存するので、評価することは特に重要である。
【0025】
用語「カーボ・ベジタビリス」、「ベジタブルブラック」または「ベジタブルカーボン」は、食品着色物質として使用することができる物質を識別するために法令において特別に使用されている。現行のEUの法令の下では、カーボ・ベジタビリスはE番号E153によって識別される。
【0026】
本発明によれば、カーボ・ベジタビリス色素粉末は、オクテニルコハク酸デンプンから選択された少なくとも1種の分散剤を含む水または水性媒体の中に分散される。オクテニルコハク酸デンプンは、デンプンをpH8〜8.5でn−オクテニルコハク酸無水物(nOSA)で処理することによって作られるデンプンのn−オクテニルコハク酸誘導体に与えられた一般名である。これらのデンプン誘導体は、C−アルケン鎖のために部分的に疎水性である。
【0027】
好ましくは0.11以下、より好ましくは0.03以下の置換度(D.S.)を有するオクテニルコハク酸デンプンは、本発明において使用される。
【0028】
オクテニルコハク酸デンプンはEU食品添加物法令による一般E番号E1450を有する。
【0029】
分散剤(オクテニルコハク酸デンプン)は、好ましくは、着色物質の全質量を基準として少なくとも1質量%の量で使用される。したがって、少なくとも10質量%、少なくとも20質量%、少なくとも30質量%、少なくとも40質量%、少なくとも50質量%、少なくとも60質量%および少なくとも70質量%の含有量が、本発明によって包含される。さらに、約1%〜約70%の範囲内のいかなる量も使用することができると考えられる。したがって、着色物質中の分散剤の含有量が約10質量%、約20質量%、約30質量%、約40質量%、約50質量%および約60質量%は、本発明によって包含される。
【0030】
なお、着色物質(たとえばカーボ・ベジタビリスおよび/またはデンプン)の異なる材料/物質の割合はすべて質量パーセントとして計算される。
【0031】
当業者には明らかなように、本発明の組成物は水および他の適切な液体を除去するために乾燥してもよい。したがって、組成物全体を基準として5質量%未満の水分または組成物全体を基準として1%未満の水分を有する乾燥したまたは半乾燥の着色物質が意図される。
【0032】
適切な乾燥方法としては、噴霧乾燥、減圧下での水の蒸発、組成物の凍結乾燥、噴霧冷却、ベルト乾燥、および流動床乾燥が挙げられる。当業者は、乾燥した組成物の意図した使用に依存して、適切な乾燥方法を容易に適用するであろう。
【0033】
追加の液体や物質が、本発明による着色物質の中に含まれてもよい。そのような物質としては、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、アルコール、樹脂または防腐剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0034】
さらに、本発明の水分散性着色物質は、炭水化物もしくは糖アルコールまたはそれらの混合物のような1種以上の可塑剤を含んでもよい。炭水化物は、好ましくは、ブドウ糖、乳糖、果糖およびショ糖のような、単糖、二糖およびオリゴ糖からなる群から選択される。糖アルコールは、たとえば、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、アドニトールおよびグリセロールからなる群から選択されることができる。可塑剤の量は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0〜95質量%の範囲内であり、より好ましくは5〜50質量%の範囲内であり、さらに好ましくは10〜30質量%の範囲内である。
【0035】
本発明の水分散性着色物質は、少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水性媒体の中にカーボ・ベジタビリスを分散させることを含む、記述された方法によって調製される。好ましい調製方法は、a)少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを水に溶かす工程、b)オクテニルコハク酸デンプン溶液の中にカーボ・ベジタビリスを分散させる工程を含む。
【0036】
前に述べたように、カーボ・ベジタビリス色素粉末粒子は、炭の本来の性質のために非常に大きな全表面積を有する。明らかに、カーボ・ベジタビリス粉末粒子の大きさは、表面積を決め、そしてその結果、生じる水分散性着色物質の粘度を決める因子である。粒子径の減少は、増大した表面積に帰着し、したがって、色素粉末がオクテニルコハク酸デンプン溶液の中に分散したとき、粘度の増加に帰着する。一般的な法則として、いかなる着色色素粒子物質および/または組成物の色特性が色素粒子径の減少とともに増加することは、当業者によく知られている。したがって、本発明の水分散性着色物質の平均色素粒子径は、好ましくは10μm未満である。特定用途にはより小さい粒子径が好ましいかもしれない。そのような粒子径としては、2μm未満のような5μm未満の平均粒子径または1μm未満の平均粒子さえ挙げられる。しかし、より大きな粒子径を有する水分散性着色物質も、本発明に含まれる。そのようなより大きな粒子径としては、約15μm、約20μm、30μm、40μm、50μmのような平均径が挙げられ、または約60μm、70μmまたは100μmのようなさらに高い平均粒子径さえ挙げられる。
【0037】
本発明の製品は、約1のカーボ・ベジタビリス:オクテニルコハク酸デンプンの比率を含むことができる。しかし、カーボ・ベジタビリス粒子径に依存して、約5:1〜1:5の範囲内の任意のカーボ・ベジタビリス:オクテニルコハク酸エステル誘導体の比率を使用することができ、たとえば約5:1〜約1:1のような、約1:1〜約1:5のような、約3:1〜約1:3のような、約2:1〜約1:2のような比率を使用することができると考えられる。したがって、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、そして約1:4の比率が、本発明によって包含される。比率はすべて質量比率として計算される。
【0038】
前述したように、「本発明の水分散性着色物質」は、利用可能な先行技術の方法を使用して、さらに加工することができる。そのような適切な1つのプロセスは、生じた分散液の粒子径を減少させることを目指した任意のプロセスである。後述するように、粒子径を減少させるプロセスは、追加の工程として本発明の方法に好都合に追加される。
【0039】
さらに、本発明の方法は、着色物質を混合する前または後のいずれかに、炭水化物または糖アルコールのような可塑剤の添加を含むことができ、および/またはたとえば酸化防止剤、安定剤、粘度重合剤、アルコール、樹脂または防腐剤から選択される少なくとも1種のさらなる成分を分散液の中に混合することを含むことができる。
【0040】
任意のさらなる添加物を有するまたは添加物を含まない着色物質に帰着する本発明の方法に引き続いて、粉砕を行ない、小さい分離した色素体を得てもよい。好ましくは、粉砕は、平均粒子直径が10μm未満になるまで、より好ましくは5μm未満、さらに好ましくは5μm未満、さらに好ましくは2μm未満になるまで続けられる。最も好ましくは、平均粒子直径は1μm未満である。適用できる粉砕方法としては、たとえばボールミルを使用した粉砕および湿式粉砕が挙げられる。
【0041】
粉砕はまた、上記の添加なしで適用されることができる。本発明の着色物質は、ヒトまたは動物が消費するための任意の食用の製品に黒い色調を与えるための他のすべての着色物質として使用することができる。さらに、その着色物質は医薬品の製造に使用されてもよい。明らかに、本発明の着色物質は、要望される色調を与えるために他の着色物質とブレンドされまたは混合されてもよい。
【0042】
本発明の着色物質の特に有用な用途は、甘草の染色である。
【実施例】
【0043】
本発明は、次の実施例によってさらに詳しく説明される。
【0044】
実施例1:本発明の水分散性着色組成物の調製
【0045】
【表1】

【0046】
すべての成分を量り取り、ガラスビーカーの中で混合した。
受け入れ可能な粘度を有する、カーボ粉末25%およびデンプン13質量%を含む黒い液体が得られた。
【0047】
実施例2:本発明の水分散性着色組成物の調製および粒子径を減少させるさらなる処理
【0048】
【表2】

【0049】
すべての成分を量り取り、ガラスビーカーの中で混合した。
低い粘度を有するカーボ粉末20%を含む黒い液体が得られた。
【0050】
この液体を、ダイノ・ミル(Dyno-Mill)(ウィリー・エー・バッチョフェン・エージー・マシーネンファブリック(Willy A Bachofen AG Maschinenfabrik)、スイス国、ムッテンツ(Muttenz)、CH−4132)にボールミル(湿式粉砕)に投入し、ミルによって3回運転した。製品をモールヴァン・マスターサオザー(Malvern Mastersizer)(モールヴァン・インストルメンツ(Malvern Instruments)、英国)で測定され、粒子径は2ミクロン(μm)であることが分かった。
【0051】
実施例3:本発明による水分散性着色組成物の調製
【0052】
【表3】

【0053】
すべての成分を量り取り、ガラスビーカーの中で混合した。
受け入れ可能な粘度を有する、カーボ粉末25%およびデンプン20質量%を含む黒い液体が得られた。
【0054】
実施例4:本発明の着色物質と従来製品の粘度および着色力の比較
実施例1および3において製造された製品を、市販のカーボ・ベジタビリス調合品と比較した。
【0055】
【表4】

【0056】
例5:実施例3と同じ濃度および同じカーボ/デンプン比率におけるNOSAデンプン(n−オクテニルコハク酸無水物でデンプンを処理することによって作られたn−オクテニルコハク酸デンプン)の代わりに変性非NOSAデンプンを使用した比較例
【0057】
【表5】

【0058】
すべての成分を量り取り、ガラスビーカーの中で混合した。
カーボ粉末を液体に分散させることができなかった。そして得られたカーボ粉末25%を含む製品は、乾燥していて塊があり、実施例3において得られたもののように液体ではなかった。
【0059】
文献
国際公開第97/26802号
欧州特許出願公開第2011835号
国際公開第91/06292号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボ・ベジタビリスおよび分散剤として少なくとも1質量%の少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水分散性着色物質。
【請求項2】
カーボ・ベジタビリス粒子の平均粒子直径が10μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の着色物質。
【請求項3】
カーボ・ベジタビリス粒子の平均粒子直径が6μm未満であることを特徴とする請求項2に記載の着色物質。
【請求項4】
カーボ・ベジタビリス粒子の平均粒子直径が1μm未満であることを特徴とする請求項2に記載の着色物質。
【請求項5】
少なくとも1種の分散剤が、組成物全体を基準として少なくとも10質量%の量で存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色物質。
【請求項6】
カーボ・ベジタビリス:オクテニルコハク酸誘導体の比率が約5:1〜約1:5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色物質。
【請求項7】
組成物全体を基準として5質量%より多い水分を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色物質。
【請求項8】
組成物全体を基準として5質量%未満の水分を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色物質。
【請求項9】
少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水性媒体の中にカーボ・ベジタビリスを分散させることを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水分散性着色物質を調製する方法。
【請求項10】
a)水の中に少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを溶かす工程、およびb)オクテニルコハク酸デンプン溶液の中にカーボ・ベジタビリスを分散させる工程を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
より小さい粒子径を有する水分散性着色物質を得るために分散液を粉砕する工程をさらに含む請求項9および10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種のオクテニルコハク酸デンプンを含む水性媒体の中にカーボ・ベジタビリスを分散させた分散液を調製することによって得ることができる水分散性着色物質。
【請求項13】
食用または医薬品の着色のための請求項1〜8のいずれか1項に記載の水分散性着色物質の使用。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の水分散性着色物質を含む食用製品。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の水分散性着色物質を含む医薬品。

【公表番号】特表2013−502909(P2013−502909A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526030(P2012−526030)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062291
【国際公開番号】WO2011/023673
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(503260310)セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ (23)
【Fターム(参考)】