説明

高粘度液体輸送用コンテナ

【課題】タンク内の残液を少なくすることができ、かつフロート挿入時の作業性、及びメンテナンス性に優れた高粘度液体輸送用コンテナを提供する。
【解決手段】架台上に搭載された、高粘度液体を収容するタンクと、前記タンク内に配置される桶状のフロート体3と、を有する高粘度液体輸送用コンテナにおいて、前記タンクは、その中央に上記高粘度液体を排出するための排出口が設けられた逆円錐面形状の底板19を有し、前記フロート体3は、その側壁外面に前記タンクの内壁に弾接するリング状のパッキン26を備え、当該フロート体の底板は、前記タンクの底板と同一頂角の逆円錐面形状とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度の液状物の運搬に使用する金属性のコンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業用のインキやグリス等の高粘度の液状物を金属性のコンテナを用いて搬送する際には、内容物の粘度の高さゆえに、内容物をタンクより排出した後も、内容物がタンクの内壁に残留してしまう。従来、このような問題を解決するコンテナとして、ゴム部材等よりなるシール部材を外周に備える内蓋をタンク内部に挿入し、シール部材でタンク内壁に付着した液状物を掻き落とすようにしたものが知られている。
【0003】
図6は、従来の高粘度液体輸送用コンテナを説明するための図であり、図6aは従来の高粘度液体輸送用コンテナの正面図を、また図6bは右側面断面図をそれぞれ表す。
【0004】
図6a,6bにおいて、61は、円筒形状のタンク本体である。タンク61上端の開放口は蓋体62で閉塞され、タンク61の下端にはボックス状領域63を介して排出バルブ64が接続される。タンク61は、溶接により台座65に固定されている。タンク61の外側面には、タンク1の真円を保つための補強リング66a〜66cが溶接され、さらにそれぞれの補強リング66a〜66cは、補強リブ67により互いに接続される。
【0005】
内蓋68は、平面円形状の底面部69と、外壁部71とよりなる。底面部69の上面にはリブ70が放射状に接合され、また外壁部71には、その全周にわたり、平板形状のゴム部材よりなるパッキン72a,72bが固定されている。
【0006】
図7は、内蓋68をタンク61に挿入した状態の拡大図である。内蓋68には、外壁部71の上下2箇所にパッキン72a,72bが設けられており、それぞれのパッキンは、内蓋68の傾きを防止するプレート部材73と共に、外壁部71に設けたパッキン固定部71aに、ネジ部材により固定されている。図7で示すように、内蓋68は、下側のパッキン72bを下向きに曲げた状態で、また上側のパッキン72aを上側に曲げた状態で、タンク61に挿入される。
【0007】
以上のように構成される従来の高粘度液体輸送用コンテナでは、液体排出時にタンク61内の液面が下降するのに合わせて内蓋68は下降し、タンク61の内壁面に付着している内容物は、パッキン72a,72bで掻き落とされる。
【0008】
また、特許文献1、あるいは特許文献2においては、上述した従来の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、上側のパッキン72aと、下側のパッキン72bとの間に乾燥抑制剤を充填し、タンク61の内壁に付着した残留物の乾燥固化を防ぐことで、内蓋68の降下をスムーズにするものが開示されている。
【特許文献1】特開平9−188388号公報
【特許文献2】特開平11−91867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の高粘度液体輸送用コンテナは、タンク、及び内蓋の底面は平板形状をなしており、液体の排出が完了し、内蓋がタンクの底面まで下降しても、内蓋の底面と、タンクの底面との間に残る内容物を完全に排出することはできなかった。
【0010】
また、内蓋をタンクに挿入する際には、平板状のパッキンを、特殊な治具を用いて曲げながら挿入しなければならず、内蓋を挿入する際の作業性が非常に悪かった。さらに、パッキンを内蓋に固定する際には、内蓋の外壁部より水平に突出させたパッキン固定部に、ネジ部材を垂直方向に挿入してパッキンを締着しているので、ネジ部材が脱落したか否かを、内蓋をタンクに挿入した状態で容易に確認することができない。特に、下側のパッキンを固定するネジ部材については、ネジ部材の脱落を確認することはできず、また下側のパッキンを固定するネジ部材が脱落した場合は、タンクに充填された内容物の中に落下してしまうという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タンク内壁面の掻き落とし性能、及びタンク内の残液排出性能を向上させ、かつ内蓋挿入時の作業性、及び内蓋のメンテナンス性に優れた高粘度液体輸送用コンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る高粘度液体輸送用コンテナは、架台上に搭載された、高粘度液体を収容するタンクと、前記タンク内に配置される桶状のフロート体と、を有する高粘度液体輸送用コンテナにおいて、前記タンクは、その中央に上記高粘度液体を排出するための排出口が設けられた逆円錐面形状の底板を有し、前記フロート体は、その側壁外面に前記タンクの内壁に弾接するリング状のパッキンを備え、当該フロート体の底板は、前記タンクの底板と同一頂角の逆円錐面形状をなすことを特徴とするものである。
【0013】
これにより、タンク底板に残存する液体を排出することができ、タンク内の残液を少なくすることができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る高粘度液体輸送用コンテナは、請求項1に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、前記パッキンは、円筒形状をなすパッキン本体の下端周縁をつば状に延出してなることを特徴とするものである。
【0015】
これにより、フロートをタンクに容易に挿入することができるようになり、フロートを挿入する際の作業性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に係る高粘度液体輸送用コンテナは、請求項2に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、前記パッキンは、前記パッキン本体を通って水平方向に挿入されたネジ部材により、前記フロート体の前記側壁に対して固定されることを特徴とするものである。
【0017】
これにより、パッキンを固定するネジ部材の締結状態を容易に確認することができ、メンテナンス性を向上することができる。また、ネジ部材が液体内に落下するのを防止することも可能となる。
【0018】
また、本発明の請求項4に係る高粘度液体輸送用コンテナは、請求項1に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、前記タンクは、その側壁外面の下端部に複数のプレート部材を備え、前記架台は、平面四角形状の基台の上面に前記タンクの下端部を収容保持する円筒部材を固設し、該円筒部材の外周に、前記タンクの前記複数のプレート部材とそれぞれ当接する支持板を配設してなることを特徴とするものである。
【0019】
これにより、タンクと架台とをネジ部材により固定することができるので、タンクの溶接箇所を少なくすることができ、タンクの歪みを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による高粘度液体輸送用コンテナによれば、タンクの底面と、フロートの底面のそれぞれを、同一頂角の逆円錐面形状としたので、内容物の排出が完了した時点においてタンク底板に残存する液体を、タンク底板の斜面に沿わせて排出口に導くことが可能となり、これにより、タンク内部の残液を少なくすることができ、運搬する液体の輸送効率を向上することができる。
【0021】
また、フロートの底面を逆円錐面形状としているので、フロートをタンク内において安定させることができる。これにより、フロートをスムーズに下降させることができ、タンク内壁面の掻き落とし精度を向上させることができる。また、フロートが下降する際の、フロートの傾き、あるいは転覆を防止することも可能となる。
【0022】
また、パッキンの形状を、下方に向けて広がるつば付形状のものとしたので、特殊な治具を用いずにフロートをタンクに挿入することができ、フロートを挿入する際の作業性を向上させることができる。
【0023】
また、パッキンを、水平方向に挿入したネジ部材により、フロートに固定するので、フロートの上面より、パッキンを固定するネジ部材の締結状態を確認することができ、これにより、コンテナの運搬時、あるいは保管時におけるメンテナンス性を向上させることができる。また、ネジ部材が液体内に落下するのを防止することができる。
【0024】
また、タンクを架台に固定する際に、タンクの下端部を架台に設けた円筒状部材で保持し、さらに、タンクと前記円筒状部材のそれぞれに設けたプレート部材を設け、互いを当接させるものとしたので、タンクと架台とをネジ部材により固定することが可能となり、これにより、タンクの溶接箇所を少なくすることができ、タンクの歪みを防止することができる。この結果、フロートをスムーズに下降させることができるようになり、タンク内壁面の掻き落とし精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る高粘度液体輸送用コンテナ100の外観を表す図である。
【0027】
本実施の形態1の高粘度液体輸送用コンテナ100は、液体物を収容する金属製のタンク1と、タンク1を支持固定する架台2と、タンク1の内部に収容され、タンク1の内壁面に残留する液体を掻き落とすコマ型形状のフロート3とよりなる。タンク1の上端の開放口は蓋体4により閉塞される。
【0028】
以下、図面を参照しながら、高粘度液体輸送用コンテナ100の各構成について説明する。
【0029】
まず、タンク1、及び架台2の構成について、図1、及び図2を用いて説明する。図2はタンク1の側面図である。
【0030】
図2において、5は、タンク1の胴体部となるタンク胴板であり、6は、排出口6aを底面に有するタンク底板である。
【0031】
タンク胴板5は、ステンレス製の円筒形状部材であり、その上端には、金属製の平板を環状に加工し、上側に向かって広がるテーパ形状とした上縁材7が溶接接合される。この上縁材7は、タンク1上端の歪みを防ぐものである。なお、タンク胴板5と上縁材7の溶接部分は、タンク胴板5の内壁と上縁材7との接合面の段差がなくなるように研磨加工されている。
【0032】
タンク胴板5の外側面には、その上端部、中央部、及び下端部のそれぞれにおいて、タンク1の真円度を保つための胴リング8a,8b,8cが溶接され、タンク胴板5の下端部には、胴リング8cを跨ぐように、タンク1を架台2に固定するためのプレート部材14が固定されている。また、タンク1の中央部付近であって、胴リング8bの上側には、タンク胴板5の周長を略4分割した長さのステンレス製部材をネジ部材により互いに接続してなるバンド17が周着される。バンド17には、係止金具18、及びカード差し16(図1参照)が設けられている。
【0033】
タンク底板6は、逆円錐面形状のステンレス部材であり、その下端に平面円形状の排出口6aを有する。排出口6aには排出管9が接続され、その先には、排出バルブ10が接続される。タンク底板6の斜度は、後述するフロート3の底板の角度と同じであれば、任意の角度とすることができる。
【0034】
次に、架台2の構成を、図1を用いて説明する。
【0035】
架台2は、フォークリフトのフォーク挿入口12を有する平面方形状の台座部11の上面に開口部(図示せず)を設け、該開口部を囲むように、タンク1の下端部を支持する短円筒状のスカート11を溶接し、さらに、スカート11の外周面に、タンク固定用プレート15を、タンク1のプレート部材14がタンクに固定されるのと略同じ間隔で固定したものである。
【0036】
上記のように構成される架台2は、タンク1の下端部を架台2のスカート11内部に収容し、タンク1に溶接した胴リング8cをスカート11の上端で担持すると共に、胴リング8cより下側のタンク1の領域をスカート11の内面で支持し、さらに、タンク1のプレート部材14と、架台2のタンク固定用プレート15とをそれぞれ当接させ、プレート部材14と、タンク固定用プレート15とをネジ部材により締着することで、タンク1を支持する。
【0037】
次にフロート3の構成について説明する。
【0038】
図3aは、フロート3の断面図であり、図3bは、フロート3の平面図を表す。また図4は、フロート3の部分拡大断面図である。
【0039】
図3a,bにおいて、19は、逆円錐面形状のステンレス部材よりなるフロート底板である。フロート底板19の斜度は、タンク底板6の斜度と同じ角度である。すなわちフロート底板19とタンク底板6は、互いに合致する形状をなしている。フロート底板19の中心には、所定の重さのウェート20が貫設される。フロート底板19の上面には、フロート3を補強するリブ21が4本固定され、それぞれのリブ21は、後述するフロート胴板23と、ガゼット22により接続される。
【0040】
フロート底板19の縁端には、円筒形状のフロート胴板23が接合され、フロート胴板23の内側面には、フロート胴板23の真円度を確保するための2本のリング部材24a,bが溶接されており、フロート胴板23の外側面には、フロート3の傾きや転覆を防止する摺動材25と、ゴム部材等よりなるパッキン26とが取り付けられる。摺動材25は、樹脂製の矩形板部材を面取り加工して形成したものであり、図3bで示すように、フロート胴板23の外側面に等間隔で8箇所固定されている。なお、摺動材25の数、及び固定位置は、上述のものに限られず、それぞれ任意のものとすることができる。
【0041】
パッキン26は、図4に示すように、フロート胴板23に固定される短円筒状のパッキン本体26aと、パッキン本体26aの下端より所定の角度でつば状に張り出す押圧部26bとよりなり、押圧部26bの先端には、所定幅の水平面26cが形成されている。パッキン26の押圧部26bの長さや角度、あるいは水平面26cの幅や角度は、フロート3をタンク1の内部に挿入した際に、パッキン26がタンク1の内壁を弾接することができ、かつパッキン26による押圧力が、フロート3の降下を妨げる抵抗とならない範囲において適宜決定すればよい。パッキン26は、皿穴加工が施されたパッキン押さえ27を介して、皿ネジ、及びナットを用いてフロート胴板23に固定される。
【0042】
次に、以上のように構成される本実施の形態1の高粘度液体輸送用コンテナ100の作用、効果について説明する。
【0043】
まず、高粘度液体輸送用コンテナ100を組み立てる際には、フロート3をタンク1の内部に挿入し、蓋体4を被着する。この際、パッキン26の形状は、タンク1の下方に向けて広がるつば付形状となっており、特殊な治具を用いずにフロート3をタンク1に挿入することができ、フロート3を挿入する際の作業性は向上する。
【0044】
高粘度の液体を搬送する際には、排出バルブ10より液体を圧送し、図5(a)で示すようにタンク1に内容物を充填する。そして、フォークリフトにより高粘度液体輸送用コンテナ100をトラック等に載貨する。このとき、タンク1には、係止金具18が取り付けられたバンド17が固定されており、この係止金具18にロープを掛けて高粘度液体輸送用コンテナ100をトラック等に固定することで、従来の高粘度液体輸送用コンテナのように、タンクに直接溶接された金具にロープを掛ける場合に比べて、タンク1に掛かる負担を軽減することができ、これにより、タンク1の歪みを防止することができる。
【0045】
また、パッキン26を、水平方向に挿入したネジ部材により、フロート3に固定しており、タンク1の上面より、パッキン26を固定するネジ部材の締結状態を確認することができるので、高粘度液体輸送用コンテナ100の運搬時、あるいは保管時におけるメンテナンス性は向上する。また、ネジ部材が脱落した場合であっても、液体内に落下するのを防止することができ、安全性を高めることも可能となる。
【0046】
高粘度液体輸送用コンテナ100の搬送先においては、排出バルブ10に排出ホースを接続し、吸引ポンプ等を用いてタンク1より内容物を排出する。内容物の排出に伴ない、フロート3はタンク1の内部を下降し(図5(b)参照)、同時に、タンク1の内壁に残留している内容物はパッキン26により掻き落とされる。
【0047】
この際、フロート3の底面は逆円錐面形状をなしており、タンク1内でフロート3の挙動は安定するので、フロート3はタンク1内をスムーズに下降できるようになり、これにより、タンク1の内壁面に残留している内容物の掻き落とし精度は向上する。また、フロート3の底面は逆円錐面形状をなしており、タンク1内でフロート3の挙動が安定するので、液体排出時のフロート3の傾き、あるいは転覆は防止される。さらに、タンク1の胴体部の溶接箇所を従来の高粘度液体輸送用コンテナに比して少なくしており、またタンク1と架台とを、溶接によらずネジ部材を用いて固定するので、タンク1の歪みの発生は抑えられ、これにより、フロート3はタンク1内をスムーズに下降できるようになり、タンク1の内壁面に残留している内容物の掻き落とし精度は向上する。
【0048】
内容物の排出をさらに続けると、フロート3はタンク1の底面に到達し、タンク底板6と、フロート底板19とが合致した状態となる(図5(c)参照)。この際、タンク底板6とフロート底板19の形状は共に、同一頂角の逆円錐面形状であり、タンク底板6とフロート底板19との間に残存する液体は、フロート3により押圧され、タンク底板6の斜面に沿って排出口6aに導かれることとなるので、フロート底板19とタンク底板6との間に残存する液体をより多く排出でき、これにより、運搬する液体の輸送効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、タンク内の残液を少なくすることができ、かつフロート挿入時の作業性、及びメンテナンス性に優れた高粘度液体輸送用コンテナを提供することができる点において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係る高粘度液体輸送用コンテナの外観図である。
【図2】図2は、タンクの右側面図である。
【図3】図3(a)は、フロートの右側断面図であり、図3(b)は、フロートの平面図である。
【図4】フロートの拡大右側断面図である。
【図5】図5(a)ないし(c)は、液体排出時のフロートの状態を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、従来の高粘度液体輸送用コンテナの正面図であり、図6(b)は、高粘度液体輸送用コンテナの右側断面図である。
【図7】図7は、従来の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、内蓋をタンクに挿入した状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1、61 タンク
2 架台
3 フロート
4、62 蓋体
5 タンク胴板
6 タンク底板
6a 排出口
7 上縁材
8a,8b,8c 胴リング
9 排出管
10、64 排出バルブ
11 台座部
12 フォーク挿入口
13 スカート
14 プレート部材
15 タンク固定用プレート
16 カード差し
17 バンド
18 係止金具
19 フロート底板
20 ウェート
21 リブ
22 ガゼット
23 フロート胴板
24a,24b リング部材
25 摺動材
26、72a,72b パッキン
27 パッキン押え
63 ボックス領域
65 台座
66a〜66c 補強リング
67 補強リブ
68 内蓋
69 底面部
70 リブ
71 外壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台上に搭載された、高粘度液体を収容するタンクと、前記タンク内に配置される桶状のフロート体と、を有する高粘度液体輸送用コンテナにおいて、
前記タンクは、その中央に上記高粘度液体を排出するための排出口が設けられた逆円錐面形状の底板を有し、
前記フロート体は、該フロート体の側壁外面に、前記タンクの内壁に弾接するリング状のパッキンを備え、当該フロート体の底板は、前記タンクの底板と同一頂角の逆円錐面形状をなす、
ことを特徴とする高粘度液体輸送用コンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、
前記パッキンは、円筒形状をなすパッキン本体の下端周縁をつば状に延出してなる、
ことを特徴とする高粘度液体輸送用コンテナ。
【請求項3】
請求項2に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、
前記パッキンは、前記パッキン本体を通って水平方向に挿入されたネジ部材により、前記フロート体の前記側壁に対して固定される、
ことを特徴とする高粘度液体輸送用コンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載の高粘度液体輸送用コンテナにおいて、
前記タンクは、その側壁外面の下端部に複数のプレート部材を備え、
前記架台は、平面四角形状の基台の上面に前記タンクの下端部を収容保持する円筒部材を固設し、該円筒部材の外周に、前記タンクの前記複数のプレート部材とそれぞれ当接する支持板を配設してなる、
ことを特徴とする高粘度液体輸送用コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−143605(P2010−143605A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321938(P2008−321938)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(508321649)株式会社キューシー (2)
【Fターム(参考)】