説明

高純度フッ素ガス、その発生および使用、ならびにフッ素ガス中の不純物の監視方法

フッ素ガスを発生させる装置であって、少なくとも1つのフッ素発生セルと、フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を検出するための少なくとも1つのフッ素発生セル検出器とを含み、フッ素発生セルの少なくとも1つが、フッ素発生セル検出器と接続される、装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2009年10月16日付けの欧州特許出願公開第09173332.9号明細書(この出願の内容全体が、あらゆる目的で本明細書に援用される)に対する優先権を主張する本発明は、高純度フッ素ガスおよびその発生、フッ素ガス発生装置、ならびにフッ素ガス中の不純物の監視および制御を行う方法、ならびにその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素ガスは、不可欠な基本的なガスであり、その反応特性のため、光起電力セルおよび液晶ディスプレイ用TFT(薄膜トランジスタ)を製造するための半導体産業におけるエッチングガスまたはクリーニングガスとして使用される。特に、光学材料用の金属フッ化物のアニーリング、またはエキシマレーザー用のガスとしての使用においては、フッ素の光学的性質も重要であり、この目的に使用されるフッ素ガス量は増加している。これらの要求に伴って、高純度フッ素ガスが強く必要とされている。たとえば、半導体製造分野では、99.7%以上の高純度のフッ素ガスが要求される。特に、光学用途では、フルオロカーボン、特にCFなどの不純物が減少し、99.9〜99.99体積%の純度を有する高純度フッ素ガスが要求される。したがって、この目的のため、フルオロカーボン、特にCFの量が減少した高純度フッ素ガスの必要性が高まっている。
【0003】
一般に、商業基準で供給されるフッ素ガスは、約1.5体積%の不純物を含有する。不純物の大部分は、N、O、CO、CFなどのフルオロカーボン、ならびにSF、SiF、およびHFなどのガスである。工業生産では、Fは、KFおよびHFを含む溶融組成物の電気分解によって発生し、多くの場合炭素アノードが用いられる。最適な運転条件では、Fを発生させる電気分解セルは、100ppmv未満のCFを発生させる。しかし場合により、フッ素プラントから得られるフッ素中のフルオロカーボン、特にCFの含有率が、予測可能または明らかな理由なしに、はるかに高くなる。通常の技法により、ほとんどの場合、わずか1つのセルがCF発生の増加に関与しており、それによって全体的なフッ素の発生が汚染されることが示された。フルオロカーボン、特にCFは、FTIR(フーリエ変換IR)分光法、TDL(波長可変ダイオードレーザー)分光法、GC(ガスクロマトグラフィー)、および広い濃度範囲で低い検出限界を有する他の方法を用いて直接検出することができる。しかしこれらの装置は、高価で複雑で場所を取ったり、高速オンライン分析装置(GC)として機能できなかったり、小さなサンプル区画に対する設置に問題が生じるため限定されたり、外部検出器(FTIR)が必要となったりする。
【0004】
典型的な工業用フッ素発生電気分解セルによって、約94〜97体積%のフッ素からなるガス混合物が発生し、残りはHFとごく微量の他の不純物である。アノードの「燃焼」が起こると、CFの濃度が主として1体積%〜10体積%の間の値まで増加し;COF濃度は数千ppmvまで増加し;HFはわずかに増加する。OFが存在する場合、その濃度は低下する。
【0005】
(特許文献1)に記載の方法は、金属材料またはニッケル膜を有する金属材料を含む容器中にフルオロニッケル(fluoronickel)化合物を充填する事を含み、前記容器が、金属材料またはニッケル膜の表面上に形成されたフッ素化層を有し、フルオロニッケル化合物を250〜600℃に加熱し、容器内部の圧力を0.01MPa(絶対圧力)以下に下げるステップと、それぞれ少なくとも1回第1のステップを行った、フッ化水素含有率が500体積ppm以下まで低下したフッ素ガスを、フルオロニッケル化合物中に吸蔵させて、さらに前記第1のステップを行い、次に200〜350℃において不純物ガスを含有するフッ素ガスをフルオロニッケル化合物と接触させ、フッ素ガスを固定および除去して、GCまたはIRによって不純物を分析するステップとを含む、高純度フッ素ガスを発生させその不純物を分析する方法である。
【0006】
しかし、この方法を用いると、後工程処理および必要な指示が非常に複雑になり、費用がかかる。さらに、この方法を用いると、フッ素ガスの分析、および得られたフッ素ガスの品質制御を、単純に、特に、オンライン、半オンライン、またはアットラインで行うことは不可能である。
【0007】
このような高純度フッ素ガスを発生させる装置、高純度フッ素ガスの製造方法、およびフッ素ガスの分析方法(特に、オンライン分析方法)を見いだした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,955,801B2号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、高純度フッ素ガスを発生させる装置を提供する。本発明の別の目的は、高純度フッ素ガスを発生させる方法、および得られたフッ素ガスの組成を分析する方法を提供することである。さらに、本発明は、その使用にも関する。フルオロカーボン、特にCFを発生する1つのセル/複数のセルを直ちに検出するためにオンライン、半オンライン、またはそれぞれのF発生電気分解セルの近くでのアットラインで使用することができる、特に高速で、信頼性があり、安価で、比較的小型の分析器または分析方法を見いだした。
【0010】
一般に、フッ素の発生は、フッ素発生セル中で行うことができ、フッ素発生セルの始動時(コンディショニングモード)は、フッ素の含有率は検出器システムによって、特に本発明ではFTIRおよび/またはUVによって測定される。用語「フッ素発生セル」(簡略化のために使用される)は、フッ素発生電気分解セルを意味し、すなわち、通常はKFおよびHFの溶融組成物の電気分解によってフッ素を電気分解的に発生させるセルを意味する。
【0011】
これらのセル中では、多くの場合、電流を輸送するために炭素アノードが使用される。このようなアノードは、場合により予測できずにアノードの燃焼が起こる。フッ素発生セル中のアノードの燃焼は、わずかに高いHF含有率(たとえばFTIRによって測定される)および非常に高いCF含有率(CおよびCOFの含有率も増加するが、OF量は減少し、すべては検出器システムによって、特に本発明ではUVによって監視される)によって示される。電流効率測定中(本発明では、好ましくはUV分光計を用いて行われる)、驚くべきことに、アノードの燃焼が起こるときに、フッ素の唯一の直接測定手段としてのUV分光法で、フッ素濃度の急激な低下が示されることが分かった。したがって、燃焼は、燃焼中のF濃度の急激な低下によって容易に検出でき、その燃焼中に不純物が形成される(主としてCFおよびCOF)。この燃焼の結果(CF、C、COF、HFの増加、OFの減少)は、不純物含有率が変化するだけでなく、検出器システムによって、特に本発明ではUV分光法によって監視されるフッ素含有率の急激な低下も起こる。UV分光法による測定中は、全UVスペクトルを測定に用いることができる。好ましくは、全スペクトルではなく、この特定の波長における吸収のみが陥られ、特定のUV分光法では、200〜400nmの間、より好ましくは250〜330nmの間、非常に好ましくは270〜290nmの間、特に好ましくは275〜285nmの間、さらには約280nmの波長が測定に用いられるが、その理由は、この波長でFのUV吸収がほぼ最大となるからである。スペクトルは、前記範囲内のすべての波長を含む場合もあり、選択された波長のみを含む場合もある。その範囲内の1つの単一波長のみ、数個の単一波長、または非常に狭い帯域、たとえば1〜5nmの幅のUV光帯を発するUV光源を用いることもできる。可能性のある不純物、たとえば、CF、C、COF、HF、およびOFは、この範囲の波長を吸収せず、そのためF濃度の低下/増加を選択的に監視することができ;驚くべき特徴として、アノードの燃焼は、CF濃度の増加によってではなく、発生したガスのF含有率の低下によって検出される。
【0012】
燃焼が終了すると、CF(C、COF、およびHF)の濃度は再び減少し始め、同時にOF量は再び増加し始める。アノードの燃焼の終了は、セルを離れるガス混合物中のフッ素含有率の増加によっても検出可能である。
【0013】
フッ素発生の複数の段階から分かるように、アノードの燃焼が回避されると、不純物、たとえば、CF、C、COF、HFなどを減少させることができる。
【0014】
特に、高純度フッ素を発生させるために、測定フッ素含有率(たとえば、0.1体積%を超える、特に0.3体積%を超える、または0.5体積%を超える、さらには1体積%を超える)の減少を検出した直後に、そのフッ素発生セルを、純粋なフッ素を発生させることから分離する。これによって、不調の電気分解セルから得られる不純物による、発生したフッ素の汚染が防止される。これは次に、フッ素含有率がさらに低下かどうかが観察される。フッ素含有率が低下し続ける場合、そのフッ素発生セルを停止し、回復させる(修理する)か;あるいは、セルによるフッ素の発生を続け、次に、そのフッ素は、たとえばスクラバー中で破壊されるか、または含有する不純物を除去するために清浄器に通される。この方法(生成した不純物を有するフッ素の破壊または精製)でセルによるフッ素の発生を続けた場合にフッ素含有率が低下せず、再び元のフッ素含有率レベルに到達する場合は、純粋なフッ素の発生が(たとえばバルブスイッチ)によって再開される。したがって、本発明の装置およびフッ素製造方法は、他の場合には必要となるそれぞれの精製ステップが不要になるように不純物による汚染を防止する最新技術の方法とは異なる。
【0015】
さらに、発生中は、フッ素発生セルの電流効率を独立して測定するための手段、たとえば流量計によって、各セルについて電流効率を測定することができる。電流効率の低下は、セル中の短絡を示すはずである。電流効率測定に関しては、ある時間の間に電気分解に流れ込む電流を知ることが重要である(これによって、その時間の間に発生すべきフッ素の理論量が得られる)。ガス混合物の流れ、およびその中のFの含有率を測定することによって、ある時間で発生するフッ素量が求められる。その時間の間に発生したフッ素量と理論的に発生するフッ素量との間の関係に100を掛けると、電流効率が%の単位で得られる。不足しているパーセント値は、フッ素発生セル内部のFとHとの間の再結合反応、および電気分解でのO、OFの形成に起因し、Fおよび/または電流の全ての減少は短絡に起因しうる。フッ素発生セル中で電流効率が低下する場合、発生したFを送出するラインから、前記フッ素発生セルを分離することができる。このセルは停止させて整備または修理を行う場合もあり、あるいはセルの運転を続け、Fが通常通り発生するまで発生したFを廃棄する場合もあり、次に、セルを再接続することができる。
【0016】
一態様では、本発明は、高純度フッ素ガスを発生させる装置であって、少なくとも1つのフッ素発生セルと、フッ素発生セルによって得られる生成物の成分を検出するための少なくとも1つのフッ素発生セル検出器とを含み、フッ素発生セルの少なくとも1つがフッ素発生セル検出器と接続される、装置を提供する。前述したように、フッ素発生セルは電気分解セルであることに留意する必要がある。
【0017】
好ましくは、本発明の装置は、少なくとも2つの電気分解セルを含む。より好ましくは、少なくとも6つの電気分解セルを含む。少なくとも8つの電気分解セルを有する装置が非常に好適である。装置は、さらに多くの電気分解セルを含むことができ、たとえば10個以上を含むことができる。装置は、フッ素ガスに対する要求が高まった場合に、希望するなら追加の電気分解セルを加えることができるように好ましくは構成される。セルは、好ましくは、冷却水を内部に循環させることができるジャケットを含む。数個の電気分解セルを提供することの利点は、整備または修理のために1つまたはさらに多くのセルを分離し、可能であれば停止させる場合に、他のセルの処理量を増加させることで補償できることである。
【0018】
本発明において、フッ素ガスは、好ましくは高純度フッ素ガスである。
【0019】
本発明による装置は、場合により、前記フッ素発生セルを独立して開放または閉鎖する制御手段を更に含む。各セルを開放または分離するためには、バルブが非常に好適である。
【0020】
フッ素発生セルに関しては、この分野で日常的に使用されるあらゆる種類のフッ素発生セルを本発明に使用することができる。好ましくは、フッ素発生セルは、溶融電解質の電気分解によってフッ素を発生させる電気分解セルである。一般に、フッ素ガスは、フッ素発生セルから発生する。フッ素発生セル本体は、一般に、HFおよびFに対して耐性の金属または金属合金、特にNi、Monel、炭素鋼などでできている。フッ素発生セル本体には、溶融電解質、たとえば混合溶融塩が満たされ、たとえば、フッ化カリウム−フッ化水素系(すなわち「KF−HF系」)を電解槽として含み、これは好適な原材料、特にHFを供給することによって再生することができる。フッ素発生セル本体は、一般に、アノード室およびカソード室を含む。アノード室内に配置されたアノードと、カソード室内に配置されたカソードとの間に電圧を印加することによって電気分解が行われるときにフッ素ガスが発生し、原材料の供給は、連続的または定期的に行うことができる。
【0021】
本発明の一実施形態では、フッ素発生セルは、アノードを含み、好ましくは炭素アノードを含む。
【0022】
電気分解セルは、発生したFおよびHのための捕集器に接続される。典型的には、各セルは20〜30個のアノードを含む。整流器によってアノードに電力が供給される。装置は、セルのジャケットに冷却水を供給する冷却水回路を有することが多い。
【0023】
場合により、F用の沈殿箱(settling box)およびH用の沈殿箱が各セルに接続される。沈殿箱は、セル内で発生したFおよびHのガス速度を低下させることで、電解質のダストが外に出て行くのを防止する機能を果たす。好ましくは、沈殿箱は、振動器を含み、容易に除去できるようにするため、分離した電解質のダストを加熱して溶融させることを含む。
【0024】
本発明の別の一実施形態では、フッ素発生セル検出器は、フッ素発生セルによって得られたフッ素中に存在する不純物の検出に用いられる。装置中に数個のフッ素発生セルが含まれる場合(好ましい実施形態である)、各フッ素発生セルに1つのセル検出器が割り当てられるか、あるいは、数個のセルまたはすべてのセルを同時に、または少なくとも迅速に連続して検出できる検出器が用いられる。
【0025】
本発明の別の一実施形態では、フッ素発生セル検出器は:
(a)フッ素発生セルから得られた生成物からサンプルを抜き取るように操作可能なサンプラーと;
(b)サンプルからのあらゆるフッ素およびHFを破壊し、不純物、特にCFを場合により含有するガス流を発生させるためのスクラバーと;
(c)スクラバーから回収されたガス流中に含まれる不純物を検出するための手段、特に、炎イオン化検出器などのGC検出器、熱伝導率検出器、TDL分光法、FTIR、またはこの分野で通常使用される他の検出器とを含む。
【0026】
たとえば、マルチミラー(multi−mirror)FT−IR装置を使用して、数個のセルによって発生したガス流から抜き取られたサンプルを同時に分析することができる。
【0027】
本発明の一実施形態では、フッ素発生セルによって得られたフッ素中に存在するCFを検出するために、フッ素発生セル検出器が用いられる。前述したように、フッ素ガス流は、フッ素およびHFが除去され、CFがガス流中に残留するように処理され;それが主成分となり、たとえばGC検出器、炎イオン化検出器、熱伝導率検出器、TDL−分光法、FTIR、またはこの分野で通常使用される他の検出器によって分析することができる。
【0028】
本発明の別の一実施形態では、フッ素発生セル検出器はUV分析器である。各フッ素発生セルに対してUV測定を行うことで、炭素アノードを用いるのにもかかわらず中断することなく不純物をほぼ含有しないフッ素ガスを発生させることが可能であり、この場合特に不純物はCFを指している。前述の範囲内のUV光、特に約280nmの波長を用いて操作できるUV検出器を有する装置が特に好ましい。前述したように、この波長範囲内のUV光は、F含有率を監視する機能を果たすが、にもかかわらず、それぞれの汚染物質、たとえばCFの増加を伴うアノードの燃焼の確認に使用することができる。その利点は、前述の別の実施形態に記載されるように、精製作業を必要とせずに、F含有率の分析および監視によって、CF含有率を間接的に求めることができることである。
【0029】
本発明の別の好ましい一実施形態では、フッ素発生セル検出器は、オンライン、半オンライン、またはアットラインの検出器である。
【0030】
本発明では、「オンライン」は、すべてのフッ素ガスが検出器を通過することを意味し;「半オンライン」は、フッ素ガスの一部が検出器に通され、その部分は分析後に本流と合流することを意味し;「アットライン」は、発生したフッ素ガスの一部が本流から取り出され、フッ素流の分析された部分は、分析後に処理、回収、またはその他に使用されることを意味する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、各フッ素発生セルが、独立してフッ素発生セル検出器に接続されるか、あるいは、前述したように、数個のサンプルを同時または迅速に連続して監視可能な1つの検出器に数個のセルが接続されるかである。
【0032】
本発明の別の一実施形態では、1つまたは複数のフッ素発生セル検出器は制御手段に接続される。制御手段に関しては、この分野で通常使用されるあらゆる種類の手段、特にバルブまたはスイッチを、本発明に使用することができる。
【0033】
たとえば、1つまたは複数のセル検出器は、制御盤に接続することができ、この制御盤は、1つまたは複数のバルブ、1つまたは複数のスイッチ、整流器、ならびに装置のその他の部分にも接続される。F含有率の低下(各フッ素発生セルの性能の異常を示しており、場合によってはアノードの燃焼によって発生する)が検出された場合、制御盤は、光および/または音による警報を発することができ、あるいは、1つまたは複数のバルブを自動的に閉じて、それぞれのセルを他のセルから分離することで、正常に機能する他のセルが発生するFの汚染を防止することもできる。
【0034】
本発明の一実施形態では、装置はNaF塔をさらに含む。NaF塔中では、ガスをその中に通すことによってHFを吸収させることができる。特に、発生したFガスをNaF塔に通すことで、そこからHFを除去することができる。塔は、加熱、およびパージガスを通すことによって再生することができる。
【0035】
本発明の一実施形態では、装置は粒子フィルターを更に含む。発生したフッ素ガスは、固化した電解質塩を取り込むことが多いことが観察された。粒子フィルターは、HFおよびフッ素に対して耐性の材料でできた多孔質体であってよい。たとえば10nmまでの直径の孔隙を有するフィルターが非常に好適である。フッ素ガスは、液体HFを用いて操作される洗浄器中、たとえば、ジェットスクラバー中でさらに処理することができる。
【0036】
本発明の別の一実施形態では、装置は、フッ素発生セルの電流効率の監視および制御のための手段、たとえば流量計を含む。電流効率は、好ましくは、上記手段によって各セルについて測定される。フッ素ガス発生中に、電流効率が低下した場合には、たとえば制御手段によって、前記フッ素発生セルを閉じる(他のセルから分離する)ことができる。
【0037】
別の一態様によると、本発明は、本明細書で前述した本発明による装置を使用するステップを含む、フッ素の製造方法にも関する。特に、本発明は、本明細書で前述した本発明による装置を使用するステップを含む、高純度フッ素ガスを発生させる方法に関する。
【0038】
さらに、本発明は、本発明による装置の、半導体加工システム、光起電力セルを加工するシステム、またはTFT(液晶ディスプレイに用いられる薄膜トランジスタ)を加工するシステムにおける使用、特に、上記装置のプロセスチャンバー洗浄システムにおける使用に関する。前記目的に使用されるチャンバーは、望ましくない堆積物が、内壁、チャンバー内部の部品、およびチャンバーに接続されるラインの上に形成されることが多いことがよく知られている。これらの堆積物は、フッ素ガスを使用して、場合により不活性ガス、たとえば、N、O、および/またはArで希釈して、熱的に、あるいはプラズマ支援下で処理することによって除去することができる。
【0039】
本発明の別の一実施形態では、フッ素発生セル検出器、特にUV分析器は、NaF塔と併用され、フッ素およびHFのみ(CF、Cなどを含まない)がフッ素発生セル中に残存することの指示器として使用することができる。
【0040】
別の一態様では、本発明は、フッ素発生セル検出器、たとえばUV分析器を使用することによって、高純度フッ素ガスの製造におけるCFなどの不純物を監視する方法に関する。CF含有率を間接的に監視するためにフッ素濃度を用いることができるという事実は驚くべきことであり、他の場合には2つの検出器が必要となる2種類の不純物を検出するために1つの測定を行うことが必要となるので、好都合でもある。
【0041】
さらに別の一態様では、本発明は、フッ素発生セル検出器、たとえばUV分析器を使用した、高純度フッ素ガスの調製におけるアノードの燃焼の検出方法に関する。
【0042】
さらに別の一態様では、本発明は、光起電力セルまたはTFTの半導体の製造方法であって、(a)本明細書で前述した本発明によって、または本明細書で前述した本発明の装置によってフッ素を製造するステップと;(b)得られたフッ素を、半導体加工システム、光起電力セルを加工するシステム、またはTFTを加工するシステムに供給するステップとを含む方法に関する。用語「加工」は特に、半導体、光起電力セル、およびTFTを元素フッ素でエッチングするステップと、半導体、光起電力セル、およびTFTの製造中にプロセスチャンバーを洗浄するステップとを含んでいる。
【0043】
本発明は、プロセスチャンバーの洗浄方法であって、(a)本明細書で前述したように本発明によってフッ素を製造するステップと;(b)得られたフッ素をプロセスチャンバー洗浄システムに供給するステップとを含む方法にも関する。
【0044】
さらに、別の一態様では、本発明は、フッ素発生セルで発生したフッ素の監視を、特にアットライン、半オンライン、またはオンライン測定で行われるFTIRおよび/またはUVで行う方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのオンラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の一実施形態を概略的に示す概略図である。
【図2】フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するための半オンラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の別の一実施形態を概略的に示す概略図である。
【図3】フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのアットラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の別の一実施形態を概略的に示す概略図である。
【図4】フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置のさらに別の一実施形態を概略的に示す概略図である。
【図5】フッ素ガスのUVスペクトログラムの一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以降、本発明を非常に詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を理解しようとする当業者に役立つように例証として提供されるものであり、本発明の範囲の限定を意図したものではない。
【0047】
本発明の装置
図1は、フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのオンラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の一実施形態を概略的に示す概略図である。図1中、高純度フッ素ガスを発生させる装置は、原材料を供給するシステム1を含み;システム1は好ましくは、HFを貯蔵し、それを電気分解セルに送出する機能を果たす少なくとも1つのHF(フッ化水素)貯蔵タンクを含む。
【0048】
装置は、少なくとも1つのフッ素発生セル2、およびフッ素発生セルによって得られた生成物の成分を検出するためのフッ素発生セル検出器6;場合により、独立して前記フッ素発生セル2の開閉を行うための制御手段3、独立してフッ素発生セル2の電流効率を測定する手段5、粒子フィルター4、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8を含む。
【0049】
特に、原材料を供給するシステム1は、フッ素発生セル2と接続され;フッ素発生セル2は、場合により使用される制御手段3と接続され;制御手段3は、場合により使用される粒子フィルター4と接続され;粒子フィルター4は、独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する手段5と接続され;手段5はフッ素発生セル検出器6と接続され;フッ素発生セル検出器6は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、それを回収するためのシステム8と接続される。さらに、システム7は、フッ素の排出および回収のためのシステム9と接続される。さらに、システム7またはシステム8は、たとえば、アルカリ水溶液を含有するスクラバーであってよい。
【0050】
図2は、フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するための半オンラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の別の一実施形態を概略的に示す概略図である。図2中、高純度フッ素ガスを発生させる装置は、少なくとも1つのフッ素発生セル2、およびフッ素発生セルによって得られた生成物の成分を検出するためのフッ素発生セル検出器6;場合により、独立して前記フッ素発生セル2の開閉を行うための制御手段3、独立してフッ素発生セル2の電流効率を測定する手段5、粒子フィルター4、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8を含む。
【0051】
特に、原材料を供給するシステム1は、フッ素発生セル2と接続され;フッ素発生セル2は、場合により使用される制御手段3と接続され;制御手段3は、場合により使用される粒子フィルター4と接続され;粒子フィルター4は、独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する手段5と接続され;手段5は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8、および、場合により使用される粒子フィルター4を場合により介してフッ素発生セル検出器6と接続され;フッ素発生セル検出器6は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8と接続される。さらに、システム7は、フッ素の排出および回収のためのシステム9と接続される。
【0052】
図3は、フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのアットラインフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置の別の一実施形態を概略的に示す概略図である。図3中、高純度フッ素ガスを発生させる装置は、少なくとも1つのフッ素発生セル2、およびフッ素発生セル検出器6;場合により、独立して前記フッ素発生セル2の開閉を行うための制御手段3、独立してフッ素発生セル2の電流効率を測定する手段5、粒子フィルター4、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8;およびフッ素の処理または回収のためのシステム10を含む。
【0053】
特に、原材料を供給するシステム1は、フッ素発生セル2と接続され;フッ素発生セル2は、場合により使用される制御手段3と接続され;制御手段3は、場合により使用される粒子フィルター4と接続され;粒子フィルター4は、独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する手段5と接続され;手段5は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、それを回収するためのシステム8、および、場合により使用される粒子フィルター4を場合により介してフッ素発生セル検出器6と接続され;フッ素発生セル検出器6は、フッ素の処理または回収のためのシステム10と接続される。さらに、システム7は、フッ素の排出および回収のためのシステム9と接続される。
【0054】
図4は、フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を監視するためのフッ素発生セル検出器を使用する、本発明の高純度フッ素ガスを発生させる装置のさらに別の一実施形態を概略的に示す概略図であり、フッ素発生セル検出器、特にUV分析器は、フッ素およびHFのみ(CF、Cなどを含まない)がフッ素発生セル中に残存することの指示器として使用することができる。図4中、高純度フッ素ガスを発生させる装置は、少なくとも1つのフッ素発生セル2、およびフッ素発生セルによって得られた生成物の成分を検出するためのフッ素発生セル検出器6;場合により、独立して前記フッ素発生セル2の開閉を行うための制御手段3、独立してフッ素発生セル2の電流効率を測定する手段5、粒子フィルター4、NaF塔11、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8を含む。
【0055】
特に、原材料を供給するシステム1は、フッ素発生セル2と接続され;フッ素発生セル2は、場合により使用される制御手段3と接続され;制御手段3は、場合により使用される粒子フィルター4と接続され;粒子フィルター4は、独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する手段5と接続され;手段5は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8、および、NaF塔11と場合により使用される粒子フィルター4と手段5とを場合により介してフッ素発生セル検出器6と接続され;フッ素発生セル検出器6は、それぞれ、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8と接続される。さらに、システム7は、フッ素の排出および回収のためのシステム9と接続される。
【0056】
図5は、フッ素ガスのUVスペクトログラムである。図5から分かるように、約280nmにおいて、フッ素の可能性のある不純物(CF、C、C...、O、N、NO、COF、CO、OF、SO、SF、SiF、HF...)は有意なUV吸収を有さない。したがって、FのUV吸収帯、特に270〜290nmの波長、さらには約280nmにおけるUV検出が本発明において特に好ましい。
【0057】
図1〜4に概略的に示される装置は、Fを発生する電気分解セルを2つ以上含むことができる。たとえば、装置は、8つのフッ素発生電気分解セル2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、および2hを含むことができ、これらは原材料、たとえばHFを送出するシステム1に接続される。これらのセル2a〜2hのそれぞれをシステム1に接続することができる。セル2a〜2hのそれぞれには、それぞれの制御手段、たとえばバルブ3a〜3hが割り当てられる。これによってセル2a〜2hの1つを閉じながら、他のセルはFの発生を続けることが可能となる。装置は、1つ以上の粒子フィルターをさらに含むことができる。好ましくは、装置が多数の電気分解セルを含む場合、検出器6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、および6hを含み、そのそれぞれがセル2a....2hの1つが発生するフッ素ガスをそれぞれが分析することができ;あるいは検出器6は、セル2a〜2hからのフッ素ガスを別々に迅速に連続して分析することができる1つの検出器を含むこともできる。セル2a〜2hから出たフッ素ガスは、マニホールドを通過して共通ライン中に移動することができる。
【0058】
多数の電気分解セル2a〜2hを有する装置の類似の配列は、図2〜4の装置において好ましい。
【0059】
本発明の方法
本発明の方法を説明するために、参考として図1を用いる。図1中、原材料HFは、原材料を供給するシステム1を介して、独立して、少なくとも1つのフッ素発生セル2中に供給され、次に、1つまたは複数のセル2中でフッ素ガスが得られる。得られたフッ素ガスは、独立して1つまたは複数の前記フッ素発生セル2の開閉を行うための制御手段3、粒子フィルター4、および独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する手段5を通過し、次にフッ素発生セル検出器6中に供給され、そこで独立して、各フッ素発生セル2からのフッ素ガスの検出および分析が行われ;好ましくは、1つのフッ素発生セル検出器6が各フッ素発生セルに対して割り当てられ、したがって1つの検出器6が、1つのフッ素発生セルからのフッ素ガスを検出する。
【0060】
フッ素発生セル検出器6は、発生したフッ素の組成を監視するために用いられる。フッ素発生セル検出器6が、アノードの燃焼、たとえば、HF含有率のわずかな増加、CF含有率の極度の増加(CおよびCOFも増加し、一方OF量は減少する)、または測定フッ素含有率の低下(たとえば0.1体積%〜0.5体積%を超える)(これらは、FTIR、GC、および/またはUVによって測定される)を検出すると、そのフッ素発生セルを、純粋なフッ素の製造から分離し、フッ素含有率がさらに低下するかどうかを観察して、たとえば、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8へのバルブを開放しながら、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7へのバルブを閉じる。フッ素含有率が低下し続ける場合は、フッ素発生セル2を停止し(たとえば電流=0A)、場合により、これは、たとえばフッ素発生セル、アノードなどの交換によって修理することができる。フッ素含有率が低下し続けず、元のフッ素含有率レベルに再び到達する場合は、フッ素発生セル2は再び純粋なフッ素の製造に使用され、たとえば、発生したフッ素の処理または精製のためのシステム7へのバルブを再び開放し、同時に、不純物を含有するフッ素ガスの処理または精製を行い、次にそれを回収するためのシステム8へのバルブを閉じる。次に、発生したフッ素は、システム7から、フッ素の排出および回収のためのシステム9中に排出される。
【実施例】
【0061】
実施例1
KHF電解質が満たされた10個のフッ素発生セル2、フッ素ガスが、10個のセル2中の電気分解によって発生する。得られたフッ素ガスは、独立して前記フッ素発生セル2の開閉を行うためのスイッチ3、粒子フィルター4、および独立してフッ素発生セルの電流効率を測定する流量計5を通過し、次に、280nmにおけるUV吸着を検出するUV分析器6中に供給され、UV分析器6は、独立して、各フッ素発生セルを検出する。フッ素発生セル検出器(UV分析器)6が、0.1体積%を超える測定フッ素含有率の低下を検出する場合には、不純物を含有するフッ素ガスを破壊するためのスクラバーシステム8へのバルブを開放し、同時に精製セクション7へのバルブを閉じる。そのフッ素含有率が低下し続ける場合には、スイッチ3によってフッ素発生セル2を停止する(たとえば電流=0A)。フッ素含有率が低下し続けず、元のフッ素含有率レベルに再び到達する場合、あるいは整備または修理の後に、精製セクション7へのバルブを再び開放し、同時に不純物を含有するフッ素ガスを破壊するためのスクラバーシステム8へのバルブを閉じ、ここでシステム8にはアルカリ水溶液が満たされる。次に、発生したフッ素は、スクラバー7から、フッ素の排出および回収のためのシステム9中に排出される。
【0062】
結果を表1に示す。
【0063】
実施例2
表1に示されるように5つのフッ素発生セル2を使用したことを除けば、実施例1と同じである。
【0064】
実施例3
表1に示されるように測定フッ素含有率の低下が0.5体積%を超えることを除けば、実施例1と同じである。
【0065】
実施例4
表1に示されるように測定フッ素含有率の低下が0.5体積%を超えることを除けば、実施例2と同じである。
【0066】
【表1】

【0067】
実施例から分かるように、本発明の方法または本発明の装置を使用することで、10個のフッ素発生セルからなる純粋なフッ素の発生箇所は、111ppmv未満の最大CF含有率で連続して運転することができる。
【0068】
さらに、実施例から分かるように、本発明の方法または本発明の装置を使用することで、5個のフッ素発生セルからなる純粋なフッ素の発生箇所は、250ppmv未満の最大CF含有率で連続して運転することができる。
【0069】
また、実施例から分かるように、より多い数のセルを有する装置の使用も好都合である。最後に、F含有率が0.1体積%低下した場合に、それぞれのセルが他のセルから分離されると、0.5体積%の場合と比較して、CFの最大含有率がより低い範囲内となる。
【0070】
本発明の概念の技術範囲内の種々の修正および変更は、個々の当業者によって考案することができるが、そのような修正および変更も本発明の範囲内となることを理解すべきである。
【0071】
参照により本明細書に援用されるあらゆる特許、特許出願、および刊行物の開示が、用語が不明瞭となりうる程度で本出願の説明と一致しない場合には、本明細書の説明が優先されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素ガスを発生させる装置であって、少なくとも1つのフッ素発生セルと、前記フッ素発生セルによって得られた生成物の成分を検出するための少なくとも1つのフッ素発生セル検出器とを含み、前記フッ素発生セルの少なくとも1つが前記フッ素発生セル検出器と接続される、装置。
【請求項2】
前記フッ素発生セル検出器が、前記フッ素発生セルによって得られたフッ素中に存在する不純物の検出に用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フッ素発生セル検出器が:
(a)前記フッ素発生セルから得られた前記生成物からサンプルを抜き取るように操作可能なサンプラーと;
(b)前記サンプルからのあらゆるフッ素およびHFを破壊し、不純物、特にCFを場合により含有するガス流を発生させるためのスクラバーと;
(c)前記スクラバーから回収された前記ガス流中に含まれる不純物を検出するための手段、特に、炎イオン化検出器などのGC検出器、熱伝導率検出器、TDL分光法、またはFTIRとを含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記フッ素発生セル検出器が、前記フッ素発生セルによって得られたフッ素中に存在するCFの検出に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記フッ素発生セル検出器がUV分析器である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記UV分析器が、200〜400nmの範囲内、好ましくは250〜330nmの範囲内のUV光を用いて操作される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
2つ以上のフッ素発生セルを含み、各フッ素発生セルが独立して、前記フッ素発生セル検出器と接続される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
(a)独立して前記フッ素発生セルの開閉を行うための制御手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記フッ素発生セル検出器が独立して、それぞれの前記制御手段と接続される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置を使用するステップを含む、フッ素ガスの発生方法。
【請求項11】
半導体加工システム、光起電力セルを加工するシステム、またはTFTを加工するシステムにおける請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項12】
プロセスチャンバーを洗浄するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項13】
半導体、光起電力セル、またはTFTの製造方法であって、(a)請求項10に記載の方法によってフッ素を発生させ、(b)得られた前記フッ素が、半導体加工システム、光起電力セルを加工するシステム、またはTFTを加工するシステムに使用される、方法。
【請求項14】
プロセスチャンバーの洗浄方法であって、(a)請求項10に記載の方法によってフッ素を発生させ、(b)得られた前記フッ素が前記プロセスチャンバーの洗浄に使用される、方法。
【請求項15】
UV分析器を使用するステップを含む、フッ素ガスの調製方法におけるアノードの燃焼の検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−507629(P2013−507629A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533618(P2012−533618)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065334
【国際公開番号】WO2011/045338
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(592165314)ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Fluor GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans−Boeckler−Allee 20,D−30173 Hannover,Germany
【Fターム(参考)】