説明

高脂血症を治療する方法及び組成物

哺乳類被験体における高脂血症、コレステロール値亢進及び/又は心臓循環器疾患を予防及び治療するための方法と、ベルベリン化合物かベルベリン関連又は誘導化合物かを含む組成物とを提供する。本発明の前記方法及び組成物は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、脂質代謝異常食後高脂血症又は黄色腫の予防及び治療に効果を奏する。ベルベリン化合物かベルベリン関連又は誘導化合物かを第2の抗高脂血症薬、又は異なる治療薬と併用した、高脂血症及び/又は心臓循環器疾患に対するより効果的な治療ツール、及び/又は哺乳類被験体における高脂血症に随伴する高脂血症及び1つまたは2つ以上の原因又は関連症状又は状態を予防又は低減するのに効果的な二重活性療法及び製剤を用いた、他の組成物及び方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類被験体における高脂血症を治療する方法及び組成物に関する。より具体的には、本発明は高脂血症をはじめ、高脂血症に随伴する状態や合併症を治療及び/又は予防する方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、2004年11月23日付けの特許文献1及び2004年9月17日付けの特許文献2に基づくあらゆる優先権を主張し、各出願は引用により本明細書に取り込まれる。
【特許文献1】中国特許出願第200410095066.X号明細書
【特許文献2】中国特許出願第200410078150.0号明細書
【0003】
心臓血管疾患は、過去20年間にわたりその発症率が33%減少したものの、目下、米国内における死因のトップである。感染、自己免疫応答、高コレステロール血症及び高脂血症等、幾つかの原因が心臓血管疾患に随伴している。心臓血管疾患の約90%はアテローム性動脈硬化症と診断されており、低密度リポタンパク(LDL)の高血中濃度に起因している。
【0004】
哺乳類には少なくとも5種類の区別可能なリポタンパクがあり、その各々は大きさ、組成、密度及び機能が異なっている。小腸細胞内では、食物由来の脂質が「キロミクロン」と呼ばれる、トリグリセリド含量が多くコレステロール含量が少ない、大型のリポタンパク複合体に貯蔵される。肝臓では、トリグリセリド及びコレステロール・エステルが貯蔵され、そして超低密度リポタンパク(VLDL)と呼ばれるトリグリセリド・リッチなリポタンパクとして血漿中に放出される。これらは主に肝臓中で作られるか、又は脂肪組織から放出されるトリグリセリドを輸送する。酵素作用により、VLDLは還元されて肝臓に取り込まれるか、又は中密度リポタンパクに(IDL)に変換される。IDLは肝臓に取り込まれるか、又は更に低密度リポタンパク(LDL)に変化する。LDLは肝臓に取り込まれて分解されるか、又は肝外組織に取り込まれる。高密度リポタンパク(HDL)は、コレステロール逆輸送と呼ばれるプロセスにより、周囲組織からのコレステロール除去を助ける。リポタンパクの形態の中には、LDLのように「悪玉」コレステロール、即ち、心臓病又は動脈硬化に起因する他の疾病のリスクを増大させると考えられている物がある。HDLのような他の形態は「善玉」コレステレロール、即ち健康維持に不可欠である。
【0005】
LDLの代謝は肝臓低密度タンパク受容体(LDLR)によって調節されている。LDLRの発現が増加すると、受容体を介したエンドサイトーシスによる血漿LDLのクリアランスが改善され、血漿LDL濃度が低下し、動脈粥腫の発症率が低下する。LDLR発現は一般に細胞内貯蔵コレステロールの負のフィードバック機構により、転写レベルで調節される。この調節は、LDLRプロモーターのステロール調節エレメント(SRE−1)とSRE結合タンパク(SREBP)との相互作用により制御される。不活性状態では、SREBPはSREBP開裂活性タンパク(SCAP)と会合している。SCAPはコレステロール−感知ドメインを含み、SCAP−SREBP輸送活性の活性化に伴うステロールの欠乏に応答する。コレステロール欠乏状態では、SCAPはSREBPをゴルジ体に輸送し、そこでSREBPのN−末端転写活性ドメインが特異的な開裂により前駆体タンパクから放出される。活性型SREBPは核に移動し、その同族のSRE−1部位に結合し、LDLR遺伝子の転写を活性化する。豊富なコレステロールの存在下では、SCAP−SREBP複合体はステロールによる活性抑制を受けて小胞体内で不活性型を維持し、LDLR遺伝子の転写は最小限の恒常的活性レベルに維持される。
【0006】
LDL調節機構が欠損又は不全であると、血流中の血清脂質の異常な上昇で特徴付けられる高脂血症に至る場合がある。高脂血症はアテローム性動脈硬化症及び他の心臓血管疾患及び末梢血管病の原因であることが知られている。一次性高脂血症は一般に遺伝子欠陥によって起こり、二次性高脂血症は一般に疾病、医薬品、及び/又は食事的要因等の二次的要因によって起こる。高脂血症はまた、一次的要因及び二次的要因の組合せによって起こる場合もある。
【0007】
一次性高脂血症は、家族性高カイロミクロン血症、家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性III型高脂血症、家族性高トリグリセリド血症、及び家族性アポリポタンパクB−100欠損症を含む。家族性高カイロミクロン血症は遺伝子の障害に起因し、脂肪分子を分解する酵素であるLPリパーゼの欠損を起こす。LPリパーゼの欠損は、血中に大量の脂肪又はリポタンパクを蓄積させる場合がある。家族性高コレステロール血症は、LDL受容体遺伝子の1つまたは2つ以上の変異に起因し、LDL受容体の機能不全、更にはLDL受容体の完全欠損に至る。これらの遺伝子欠陥は、LDLクリアランスの低下又は非効率化を伴い、血漿中のLDL及び総コレステロール量の増大を招く。家族性複合型高脂血症は、多発性リポタンパク型高脂血症としても知られており、コレステロール及びトリグリセリド濃度の周期的な増加及びHDL濃度の減少を招く場合がある。家族性アポリポタンパクB−100欠損症は、グルタミンがアルギニンに置き換わるという、単一のヌクレオチド変異による常染色体優性の遺伝子異常である。この変異は、LDL粒子のLDL受容体への親和性を減じ、LDL及び総コレステロールの血漿中濃度を増大させる。家族性III型高脂血症は、III型高リポタンパク血症とも呼ばれ、血清トリグリセリド及びコレステロール値の中度ないし重度の上昇を招き、アポリポタンパクEの機能異常を伴う。家族性高トリグリセリド血症では、血漿中VLDL値が上昇する。これは、軽度ないし中度にトリグリセリド値を上昇させる場合があり(通常、コレステロール値は上昇しない)、しばしば低血漿HDL値を伴う場合がある。
【0008】
二次性高脂血症は、非管理の糖尿病(インシュリン依存性糖尿病及び非インシュリン依存性糖尿病)(非特許文献1及び2)、甲状腺機能低下症、尿毒症、ネフローゼ症候群、先端巨大症、閉塞性肝疾患、及びタンパク異常血症(多発性骨髄腫、エリテマトーデス)(非特許文献3)等の疾病が引き金になる場合がある。また、経口避妊薬、グルココルチコイド及び降圧薬を含む多くの医薬品も、二次的高脂血症を招く場合がある。カロリー摂取の増加といった食事的要因、最近の体重増、飽和脂肪及びコレステロールの多い食品の摂取、及びアルコール摂取も、二次性高脂血症の発現に更に寄与する。
【非特許文献1】Bianchi,R.ら,Diab.Nutr.Metabl.,7:43−51(1994)
【非特許文献2】Welborn,T.A.,Aust.NZ J.Med.24:61−64(1994)
【非特許文献3】Harrison’s Principles of Internal Medicine,Ed.Braunwald,E.ら、11th Edition,McGraw−Hill 1016−1024(1988)
【0009】
理由の如何によらず、リポタンパク値の上昇は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、高血圧、間欠性跛行、脂質代謝異常、食後高脂血症及び黄色腫を含む、数多くの疾病状態と関連している。
【0010】
コレステロール値を含めたリポタンパク値の低下は、高脂血症に伴う疾病のリスク及び/又は重篤度を軽減する。高脂血症の治療には、主として抗異脂肪血症薬に着目した様々な異なる戦略が長年にわたって試みられており、この医薬品の2004年度の世界市場は260億ドルと見積もられている(非特許文献4)。高脂血症及びコレステロール値亢進(elevated cholesterol)の治療に最も普通に処方される医薬品は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ(HMG−CoAレダクターゼ)阻害剤を用いるもので、「スタチン系薬剤」とも呼ばれている。スタチン系薬剤は、コレステロールの産生を遅らせるか、又は血流からのLDLに対する肝臓のクリアランス能力を高めることにより、コレステロール値を下げる。最新のスタチン系薬剤はアトルバスタチン(Lipitor(登録商標))であり、これがトリグリセリドの低減並びに総LDLコレステロールの低減用に認可されている唯一のスタチン系薬剤である。他のスタチン系薬剤としては、主としてLDLコレステロールを低減させるセリバスタチン(Baychol(登録商標))、フルバスタチン(Lescol(登録商標))、ロバスタチン(Mevacor(登録商標))、プラバスタチン(Pravachol(登録商標))及びシンバスタチン(Zocor(登録商標))が入手可能である。しかし、スタチン系薬剤の使用に伴う肝不全及び潜在的な致死的横紋筋融解症の発症率に関する検討から、低用量のスタチン系薬剤と他の投薬とを組み合わせた補助的療法が開発されている。この戦略もある程度は有効であるが、この分野では高脂血症の投薬治療の改良に対する重要なニーズが依然として存在する。
【非特許文献4】Commercial Insights Antiyslipidemics: Commercial Absorption of Lipitor’s Dominance,Datamonitor,May,2005
【0011】
コレステロール低減のための別の治療方法として、胆汁酸捕捉剤(例えば、コレスチラミン、クロフィブラート)、及び/又はニコチン酸(ナイアシン)といった、上昇したトリグリセリド値を下げることによって機能するものがある。しかし、胆汁酸捕捉剤は便秘、腹痛、腹部膨満、嘔吐、下痢、体重減少及び鼓腸等の胃腸障害を招く可能性があり、又、他の医薬品の吸収を減ずる可能性がある。ニコチン酸は肝臓障害、目眩、かすみ目を起こす可能性があり、多くの患者に許容されない。
【0012】
従来の治療薬の使用に加え、伝統的医薬品(漢方薬や和薬)が心臓血管疾患の治療に長年用いられている。これらには、トロンボキサンA2を遮断することにより体内のコレステロールを減少させる、ターメリック根とも呼ばれるクルクミンの使用が含まれる。トロンボキサンはA2はまた、天然の血小板凝集阻害剤であるプロスタサイクリンを増大させる機能を有し、更に血餅形成を阻害するように作用する(非特許文献5)。クルクミンは血清中の総コレステロール及びLDLコレステロール値を低下させ、有益なHDLコレステロール値を上昇させるために用いられてきた。コレステロールを低下させる目的で提案されてきた他のハーブ及び植物性治療薬には、インド産のググルの木(Commiphora Mukul)の樹脂から作られるググリピッド、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、カルニチン、クロムコエンザムQ10、繊維、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米、ロイヤルゼリー、魚油、及び緑茶が含まれる。しかし、これら天然物由来の植物性製品及び鉱物製品の殆どが共通した投与上の問題点を抱え、多くは少なくとも一部の患者に対して許容し難い有害な副作用をもたらす。
【非特許文献5】Srivastavaら,Arzneimittelforschung,1986,36(4):715−17
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
平均して、先進7カ国の人口の42%が高脂血症を患っている(非特許文献6)。これらの統計及び高脂血症治療に関する最先端の状況をみる限り、高脂血症及びその他の疾病及び高い脂質値に伴う状態を患う患者らにおいて安全かつ有効に血漿脂質値を下げるための新しい化合物、製剤及び方法の同定に関して、未だ満たされていない緊急のニーズがこの分野には存在する。
【非特許文献6】Commercial Insights Antidyslipidemics: Commercial Absorption of Lipitor’s Dominance,Datamonitor,May,2005
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明は、哺乳類被験体における高脂血症を治療及び管理するための新規かつ改良された組成物及び方法を提供することを目的とする。
【0015】
本発明はまた、哺乳類被験体におけるコレステロール代謝障害を治療及び管理するための新規かつ改良された組成物及び方法を提供することを、もう一つの目的とする。
【0016】
本発明はまた、高脂血症又はコレステロール値亢進が引き金となるか又はこれらにより悪化する疾病、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、脂質代謝異常、食後高脂血症、高血圧及び黄色腫等を含み、かつこれらに限定されない心臓血管疾患を治療及び予防するための組成物及び方法を提供することを、更にもう一つの目的とする。
【0017】
本発明は、哺乳類被験体における高脂血症又はコレステロール値亢進を治療及び/又は予防するために、下記式Iで表されるベルベリン及び関連化合物及び誘導体を用いた新規かつ劇的に有効な方法並びに組成物を提供することにより、これらの目的を達成し、かつ更なる目的と優位性とを満足するものである。
【0018】
【化1】

式I
【0019】
但し、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13はそれぞれ独立に、集合的に、又は本開示にしたがって活性(例えば、抗異脂肪血症、LDL修飾、又はLDLR修飾)化合物を産し得る任意の組合せの形で、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アリール、アロイル、アラルキル、ニトリル、ジアルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルカノイルアミノ、カルバモイル、カルバミル、カルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、又は複素環基の場合がある。R基が複数有る場合は、前記R基は上述の基から選択されるいずれかの基の場合があり、同じでも異なっていてもよい。ある例示的な実施形態においては、哺乳類被験体における高脂血症の治療及び/又は予防のための有用な候補化合物を提供するために、上記式Iで表される下記の例示的な構造変形例が選択され、例えば本明細書で、Rはメチル、エチル、ヒドロキシル、又はメトキシから選択され;RはH、メチル、エチル、メテンから選択され;RはH、メチル、エチル、メテンから選択され;Rはメチル、エチル、ヒドロキシル、又はメトキシから選択され;Rは直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル及び1−メチル−2−エチルプロピルから選択される置換基)から選択され;Rはメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R10はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R11はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R12はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R13は直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル及び1−メチル−2−エチルプロピルから選択される置換基)から選択される。前記組成物及び方法に用いる更に他の候補化合物は、下記の更なる開示にしたがって容易に生成及び選択することができる。
【0020】
本発明の製剤及び方法に用いられる有用なベルベリン及び関連化合物及び誘導体は、ベルベリンの塩及び関連又は誘導化合物、例えば、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、及びベルベリン・ベタインを含むが、これらに限定されない。本発明に用いられるベルベリン及び関連化合物及び誘導体の他の有用な形態は、前記化合物の薬剤として許容される他の活性塩、並びに活性異性体、エナンチオマー、結晶多形、溶媒和物、水和物、及び/又は前記化合物のプロドラッグを含む。
【0021】
例示的な実施態様では、前記組成物及び本発明の方法は、高脂血症又は他の疾病の症状又は心臓血管疾患のような高脂血症に随伴する状態を治療及び/又は予防するために、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を用いる。
【0022】
本発明の方法にしたがって式Iのベルベリン及びベルベリン関連及び誘導体化合物による治療を受けられる哺乳類被験体は、高脂血症を患う被験体及びコレステロール値亢進を患う被験体を含み、LDL値亢進(elevated LDL level)、コレステロール値亢進及び/又はトリグリセリド値亢進(elevated triglyceride level)を発症するか、又はその発現リスクを負う被験体を含むが、これらに限定されない。
【0023】
これら及び他の被験体は、前記被験体における高脂血症又は1つまたは2つ以上の病状又は高脂血症に随伴する状態を予防又は軽減する(又は代替的に、抗異脂肪血症、LDL修飾、又はLDLR修飾応答を誘発する)に十分な高脂血症有効量(又は代替的に、高抗異脂肪血症、LDL修飾、又はLDLR修飾有効量)の式Iのベルベリン又はベルベリン関連化合物又は誘導体を、予防的に及び/又は治療的に前記被験者に投与することによって、有効に治療される。治療上有用な本発明の方法及び製剤は、効果的には、上述した様々な形態をとる式Iのベルベリン及びベルベリン関連及び誘導体化合物であり、前記化合物のあらゆる活性な薬剤として許容される塩、並びに異性体、エナンチオマー、結晶多形、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、及び/又はそれらの組合せを含む。したがってベルベリンは、以下の実施例で述べる例示的な実施態様の如くに使用される。
【0024】
本発明の追加的な実施態様では、前記被験体は、前記被験体におけるコレステロール値亢進又は随伴する1つまたは2つ以上の病状又は状態を予防又は軽減するに十分なコレステロール制御有効量の式Iのベルベリン化合物又は関連又は誘導化合物を、予防的に及び/又は治療的に前記被験者に投与することによって、有効に治療される。これら治療上有効な方法及び製剤は、同様にあらゆる薬剤として許容される塩、異性体、エナンチオマー、結晶多形、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、及び/又はそれらの組合せを含む場合がある。
【0025】
本発明の追加的な局面では、被験体における抗高脂血症又はコレステロール低減有効応答(又は代替的に、抗異脂肪血症、LDL修飾、又はLDLR修飾応答)を起こさせるために、あるベルベリン化合物(又は式Iの別のベルベリン関連又は誘導化合物)の有効量を、該ベルベリン又はベルベリン関連又は誘導化合物と併用製剤として処方され、あるいは、協働的に投与される1種類または2種類以上の二次的又は補助的な活性のある薬剤と組合せて用いる、併用型の製剤及び治療方法が提供される。この意味における例示的な併用製剤(combinatorial formulation)及び協動的(coordinately)治療法では、式Iの前記ベルベリン又はベルベリン関連又は誘導化合物を、1つまたは2つ以上の追加的な脂質低減薬又は他の指示された二次的又は補助的治療薬と組み合わせて用いる。例えば、これらの実施態様においてベルベリンと組み合わせて用いられる前記二次的又は補助的治療薬は、単独又は例えばベルベリンとの組合せによりコレステロール低減活性を含む直接的又は間接的な脂質低減活性を有するか、又は例えばベルベリンとの組合せにより他の有用な治療効果を発揮する場合がある。これらの併用製剤及び協動的治療法における有用な補助的治療薬は、例えば、抗高脂血症薬;抗異脂肪血症薬;血漿HDL上昇薬;コレステロール取込み阻害剤を含むがこれに限定されない抗高コレステロール血症薬;コレステロール生合成阻害剤、例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン系薬剤とも呼ばれる。ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、及びアトルバスタチン等);HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤又はスクアレン・シンセターゼ阻害剤(スクアレン・シンターゼ阻害剤とも呼ばれる);メリナミドを含むがこれに限定されないアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;プロブコール;ニコチン酸及びその塩;ナイアシンアミド;β−シトステロール又はエゼチミブを含むがこれらに限定されないコレステロール吸収阻害剤;コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム又は架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体を含むがこれらに限定されない胆汁酸捕捉剤陰イオン交換樹脂;LDL受容体誘導物質;クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジルを含むがこれらに限定されないフィブラート;ビタミンB6(ピリドキシンとも呼ばれる)及び、塩酸塩のような薬剤として許容されるその塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとも呼ばれる);ビタミンB3(上述のとおり、ニコチン酸及びナイアシンアミドとも呼ばれる);ビタミンC及びE及びベータカロテンを含むがこれらに限定されない抗酸化ビタミン類;β遮断薬;アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬;アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤;フィブリノゲン受容体拮抗薬、即ち、糖タンパクIIb/IIIa フィブリノゲン受容体拮抗薬を含むがこれに限定されない血小板凝集阻害剤;エストロゲンを含むがこれに限定されないホルモン類;インシュリン;イオン交換樹脂;オメガ3オイル類;ベンフルオレックス;イコサペント酸エチル;及びアムロジピンを含む。補助的療法は、運動の増進、手術、及び食事の切替え(例えば、低コレステロールへの切替え)を含む場合がある。高脂血症治療のための併用製剤及び協動的治療においては、ある種のハーブ治療薬も有効に用いられる場合があり、例えばクルクミン、ググリピッド、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、魚油、緑茶、カルニチン、クロム、コエンザムQ10、抗酸化ビタミン類、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米、及びロイヤルゼリーが挙げられる。
【0026】
本発明の前記の目的及びその他の諸目的、特徴、局面及び利益は、下記の詳細な記載より明かとなろう。
【0027】
図面の簡単な説明
図1はLDL受容体遺伝子のプロモーター領域の図である。前記プロモーター領域については3つの直結した反復配列と2つのTATA様配列がプロモーター領域で同定されている。ステロールのシス作用性エレメントは反復配列2にあり、サイトカインの調節エレメントOM(SIRE)は前記TATA様配列と重複している。
【0028】
図2は、ベルベリンによる制御も含めてLDL受容体遺伝子発現の細胞内調節を示す模式図である。
【0029】
図3(A)及び図3(B)は、ベルベリン(A)又はベルベリン硫酸塩(B)により処理を行ってから24時間後のヒト肝BEL−7402細胞のLDLR mRNA値の定量的RT−PCR産物の電気泳動図である。
【0030】
図4は、ベルベリン15μg/ml投与24時間後のBEL−7402細胞表面に発現するLDLRのタンパク濃度のフローサイトメトリーによる測定結果のグラフである。
【0031】
図5は、ベルベリン治療後のハムスターにおける血清コレステロール(A)及びLDL(B)の減少、及び時間の関数(C)としてのLDLの減少を示すグラフである。
【0032】
図6は、定量リアルタイムRT−PCR(A)及びウェスタン・ブロット法(B)により測定した、ベルベリンの最終投与4時間後に絶命させたハムスターの全LDLR mRNA及びタンパク抽出物の濃度を示すグラフ及び電気泳動図である。
【0033】
図7は、HepG2細胞のSREBP2にモノクロナール抗体を作用させた場合のSREBP2の前駆体(P)及び成熟体(M)の濃度を示すウェスタン・ブロット解析結果の図である。
【0034】
図8は、ロバスタチン(Lov)単独又はベルベリン(BBR)との組合せのいずれかにより24時間処理したHepG2細胞におけるLDLR発現を示すノーザン・ブロット(A)の図と、同じ細胞のリアルタイムRT−PCR(B)産物の電気泳動図である。
【0035】
図9はGW707及びオンコスタチンMの存在下におけるLDLRプロモータ活性を示すグラフである。
【0036】
図10は、異なるアクチノマイシンD存在下においてベルベリン処理を行ったHepG2細胞中のLDLR mRNA濃度を示すノーザン・ブロット図(A)と、残余LDLR mRNAのパーセンテージとして表した規格化LDLR mRNA信号のプロット(B)である。
【0037】
図11は、LDLR mRNA3’UTR及びキメラLuc−LDLR3’UTRコンストラクトの模式図である。
【0038】
図12は、対照用細胞(A)、及びベルベリン又は対照用としてのジメチルスルホキシドで処理した細胞(B)のノーザン・ブロット解析図である。
【0039】
図13は、ARE及びUCAUモチーフが欠失したコンストラクトの模式図(A)と、リアルタイムRT−PCR解析により決定した、ベルベリン処理に対するwt pLuc/UTR−2及び欠失コンストラクトの応答を示すグラフ(B)である。
【0040】
図14は、ベルベリン処理を行わない、又は5μg/mlの投与量にて表記の様々なレベルでベルベリン処理を行ったBel−7402細胞(A)又はHepG2細胞(B)から回収した細胞タンパクのウェスタン・ブロットと、表記の濃度で1時間処理したHepG2細胞(C)のウェスタン・ブロットとの図である。
【0041】
本発明は、個体及び試験管内(in vitro)、生体外(ex vivo)、及び生体内(in vivo)の哺乳類細胞、組織及び臓器を含む哺乳類被験体における、高脂血症及びコレステロール値亢進を予防及び/又は治療するための新規な方法及び組成物を提供する。様々な実施態様において、前記方法及び組成物は、高脂血症及びコレステロール値亢進に起因する心臓血管疾患を含めた疾病を予防又は治療する上で有効である。本明細書で用いられる「心臓血管疾患」には、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、高血圧、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、脂質代謝異常食後高脂血症及び黄色腫を含むある範囲の症状、状態、及び/又は疾病、並びに前述の疾病及び状態に起因するか又はこれらに随伴する、従来標的とされていたあらゆる病状を含める意図がある。
【0042】
コレステロール低減製剤及び方法を含む、本明細書で提供される脂質低減製剤及び方法は、上記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を用い、本明細書に記載される薬剤として許容されるあらゆる活性化合物、並びに種々の予測可能かつ容易に提供される化合物、誘導体、塩、溶媒和物、異性体、エナンチオマー、結晶多形、及びこれらの化合物のプロドラッグ、及びこれらの組合せを、新規な脂質低減薬として含む。本発明で用いられる例示的な化合物は、例証的な実施態様として、ベルベリン硫酸塩、塩化ベルベリン、ベルベリン塩酸塩、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、及びベルベリン・ベタインを含む。
【0043】
前記製剤及び方法において、本明細書で開示されるベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、高血圧、間欠性跛行、脂質代謝異常食後高脂血症及び黄色腫のような、但しこれらに限定されない、心臓血管疾患を含む、高脂血症及び/又はコレステロール値亢進及び高脂血症及びコレステロール値亢進に随伴する状態を患う哺乳類被験体において、高脂血症及びコレステロール値亢進を治療するために効果的に用いられる。
【0044】
本発明の製剤及び方法を用いた治療には、ヒト個体を含めた広範な哺乳類被験体が供せられる。これらの被験体は、高脂血症又はコレステロール値亢進又は高脂血症によって悪化するか又は誘発される、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、高血圧、脂質代謝異常食後高脂血症及び黄色腫を含む心臓血管疾患のような疾病を呈するヒトその他の哺乳類被験体を含む。
【0045】
本発明の方法及び組成物において、本明細書に開示される1つまたは2つ以上のベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、高脂血症及び/又は関連障害の治療に有効な抗高脂血症又はコレステロール低減薬として効果的に処方されるか又は投与される。例示的な実施態様では、塩化ベルベリンは単独或いは1つまたは2つ以上の補助的治療薬との組合せにて、医薬製剤及び治療法における抗高脂血症有効薬として、例示される目的に照らして実証される。本開示はまた、天然又は合成化合物の形態をとり、複合体、誘導体、塩、溶媒和物、異性体、エナンチオマー、結晶多形、及び本明細書に開示される化合物のプロドラッグ、及びこれらの組合せを含み、本発明の方法及び組成物において脂質低減治療薬として有効な、薬剤として許容される更に別のベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物を提供する。
【0046】
高脂血症とは、血流中の血清脂質の異常な増加である。一般に、遺伝子欠陥によって起こる一次性高脂血症か、又は様々な病態、薬剤及び/又は食事的要因によって起こる二次的高脂血症に分類される。高脂血症はまた、高脂血症の一次的及び二次的要因の組合せに起因する場合もある。本発明の組成物及び方法は、原因のいかんに依らず、あらゆるタイプの高脂血症の治療に有効である。
【0047】
高脂血症及びコレステロール値亢進の原因の一つは、一つ又は複数のLDL調節機構又は経路の障害である。血漿中のLDL濃度は、血流中からLDL粒子を捕捉し細胞内へ取り込むLDL受容体によって一部調節されており、多すぎる時には前記血流からそれらを排除し、より多くのLDLが必要な時には放出する。前記LDL受容体遺伝子の転写調節は、ステロール調節エレメント結合タンパク経路(SREBP)を通じて制御される。胆汁酸捕捉剤、コレステロール生合成阻害剤、及びコレステロール吸収阻害剤はいずれも前記SREBP経路及びそれに続くアップレギュレートLDL受容体発現に影響を及ぼす。前記スタチン系薬剤は、 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA レダクターゼ(HMG−CoA レダクターゼ)を競争的に阻害し、また肝臓中におけるコレステロールの生合成を遮断する。ホルモン、サイトカイン、成長因子及び二次情報伝達物質もまた、下記表1に概要を示すように、LDL受容体遺伝子の転写を調節する。前記LDL受容体遺伝子の転写後の調節もまた、医薬品介入のターゲットである。本発明では、ベルベリンがLDL受容体発現を肝細胞中の転写後及びステロール非依存的機構によってアップレギュレートできることが実証されている(図2)。
【0048】
表1 様々な薬剤によるLDL受容体遺伝子発現のアップレギュレーション
【0049】
【表1】

c/EBP:CCAAT/エンハンサー結合タンパク;Egr1:初期成長応答遺伝子1;ERK:細胞外シグナル制御キナーゼ;IL:インターロイキン;LDL:低密度リポタンパク;OM:オンコスタチンM;PKC:プロテインキナーゼC;PMA:ホルボール−12−ミリステート−13−酢酸;SIRE:ステロール非依存性調節エレメント;SRE:ステロール調節エレメント;SREBP:ステロール調節エレメント結合タンパク;TNF:腫瘍壊死因子;UTR:非翻訳領域。
【0050】
当業者は、以下に述べる様々な併用製剤及び協動的投与方法において、表1に挙げたLDL受容体発現調節活性を有する前述の各薬剤を本明細書で述べるベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物と組み合わせると有用であることを察知するであろう。
【0051】
ヒトLDL受容体構造遺伝子は第19染色体の短腕に位置する。その長さは約45キロベース(kb)であり、約18エクソンからなり、各々異なる単一のタンパク・ドメインと17個のイントロンをコードしている。(Lindgren ら、PNAS,82:8567−8571(1985))。そのプロモータは5’−フランキング領域に位置し、その中の塩基対(bp)−58と−234との間にシス作用性DNAエレメントの大部分がみられ、そのイニシエーター・メチオニン・コドンのAは+1である。前記プロモータ領域の長さは177bpであり、各々16bpの不完全な反復配列3個と、2個のTATA様配列と、数個の転写開始部位とを含み、これらは全て遺伝子発現及び調節に不可欠である(図1)(Suedhoffら、Science,228:815−822(1987))。反復配列2は、LDLレギュレーターを制御する10pb長のDNAステロール 調節エレメント(SRE)を含む(図1、Smithら、J.Biol.Chem.,265:2306−2310(1990))。ヒトLDL受容体mRNAは長さ5.3kbであり、時として2.5 kb長の3’非翻訳領域(UTR)を含む(Yamamoto,Cell,39:27−38(1984))。前記3’UTRの5’基部にはAUリッチなエレメント(AREs)が3個存在し、3’末端領域にはAlu様の反復配列のコピーが3個存在する。これらの構造は、HepG2細胞中での半減期が約45分間と構成的に短いLDL受容体mRNAの安定性に重要な役割を果たし、又、前記受容体遺伝子発現の転写後調節様のシス作用性エレメントとして働く(Yamamotoら,Cell,39:27−38(1984)及びWilsonら,J.Lipid Res.,39:1025−1032(1998))。
【0052】
前記ステロール調節エレメント結合タンパク(SREBP)は、基本的ならせん−ループ−らせん−ロイシン・ジッパー(bHLH−Zip)ファミリーに属する転写因子である(Yokoyamaら,Cell,75:187−197(1993))。これらは、前記LDL受容体遺伝子の前記プロモータ内のみならず、HMG−CoAレダクターゼ遺伝子及びアセチルコエンザムAシンターゼ遺伝子のような、コレステロール又は脂肪酸生合成に関与する酵素をコードする他の遺伝子のプロモータ中にも存在するステロール調節エレメント(SRE)に結合する(Rawsonら,Mol.Cell.Biol.,4:631−640(2003))。前記LDL受容体遺伝子の主なアクチベーターはSREBP−2である(Hortonら,J.Clin.Invest.,109:1125−1131(2002)。
【0053】
コレステロール又はその誘導体が細胞内に豊富に存在する場合は、SREBP経路が抑制され、前記LDL受容体遺伝子又は脂質の生合成に必要な他の遺伝子の転写は行われない。豊富なコレステロールは、SREB開裂活性化タンパク(SCAP)のステロール感知ドメイン(SSD)に直接結合し、SCAPをインシュリン誘導遺伝子(Insig)1及び2と呼ばれる一対の小胞体膜タンパクに結合させるような立体配座を惹起させ、続いてSREBP/SCAP/Insig三元複合体を形成する(図2)(Yangら,Cell,110:489−500(2002))。これは小胞体膜中のSREBP/SCAPをトラップするので、前記SREBPはゴルジ体に到達して開裂を起こすことができず、したがってLDLRの発現値が低下する。この結果、コレステロールの取込みと合成が阻害され、細胞はコレステロール・ホメオスタシスに到達する(Yangら,Cell,110:4489−500(2002)).
【0054】
ステロールが存在しない場合は、SCAPはInsigタンパクと相互作用を起こさない。その代わり、前記SREBP/SCAP複合体が自由に小胞体を離脱してゴルジ体に入る(Espenshadeら,PNAS,99:11694−11699(2002)。ゴルジ体に到着すると、ゴルジ膜中に存在する2種類のプロテアーゼの触媒作用による2連続のタンパク分解開裂によりSREBP前駆体の転写活性ドメインが放出され、SCAPは小胞体に戻る(図2)(Brownら,PNAS,96:11041−11048(1999)及びNohturfftら,PNAS,96:11235−11240(1999)。前記SREBP前駆体の開裂により、bHLH−Zipドメインを含む核SREBP(nSREBP)と呼ばれるフラグメント、又はSREBPの成熟体が放出される。前記nSREBPは核に入り、転写LDLRを活性化する(Brownら,PNAS,96:11041−11048(1999)。この結果、前記細胞はコレステロール含有リポタンパクをより多く取り込み、コレステロール産生を増強し、コレステロール・ホメオスタシスは新たな値に到達する。前記nSREBPは不安定で、ポリユビキチン化され、プロテアソームにより推定半減期3時間の速さで分解される(Hiranoら,J.Biol.Chem.,276:36431−36437(2001))。
【0055】
LDL受容体の発現は、アテローム予防効果のあるエストロゲン及びトリヨードチロニンを含むホルモン類;インシュリン、及び腫瘍壊死因子(TNF)αを含む幾つかのサイトカイニン類、インターロイキン(IL)−1、IL−6及びオンコスタチンM(OM)のような因子により調節され、これらはいずれも肝細胞におけるLDL受容体遺伝子の転写を活性化する(Stopeckら,J.Biol.Chem.,268:17489−17494(1993))(表1)。TNF−α及びIL−1は、細胞がステロールを含まない培地で培養された時のみ前記LDL受容体遺伝子の転写を調節することができ、その誘導はステロール又はLDLが添加されると抑制される(Stopeckら,J.Biol.Chem.,268:17489−17494(1993))。OM又はIL−6は前記LDL受容体遺伝子の発現を、インシュリン及び幾つかの成長因子のそれと同様、ステロールに依存せずにアップレギュレートする(Gierensら,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.,20:1777−1783(2000))。OMはまた、転写因子である初期成長応答遺伝子1(Egr1)及びCCAAT/エンハンサー結合タンパクβ(c/EBPβ)を補充して、前記LDL受容体遺伝子のプロモーター領域のTATA様配列と重複するステロール非依存型調節エレメント(SIRE)と呼ばれるDNAモチーフに結合させることにより、前記LDL受容体遺伝子の転写を活発化させることが知られているが(図1)、一方IL−6はその転写活性効果因子を仲介するのにSRE及び反復配列3のSp1結合部位を必要とする(Gierensら,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.,20:1777−1783(2000))。
【0056】
血小板由来の成長因子(PDGF)、EGF及び繊維芽細胞成長因子を含む成長因子もまた、LDL受容体遺伝子の発現をアップレギュレートする(Basheeruddinら,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.,15:1248−1254(1995))。前記LDL受容体遺伝子プロモーターに対する成長因子の刺激効果は、SRE並びにシス作用性エレメントとしてのSp1結合部位を必要とし、ちょうどインシュリンのようにこのシグナル伝達経路を強力に活性化する成長因子として、前記ERKを介したホスホリル化及びSREBPの活性化に関連している(Kotzkaら,J.Lipid.Res.,41:99−108(2000))。第2のメッセンジャー類似体であるホルボール・エステル類も又、前記LDL受容体遺伝子の発現を調節する。
【0057】
上述の細胞外刺激は、ERKシグナル伝達カスケードの活性化を必要とすることが判っている。前記ERK経路を遮断すると、LDL受容体遺伝子の発現を制御するそれらの能力が停止される(Kumarら,J.Biol.Chem.,275:5214−4221(1998)。ERKはマイトジェン活性型プロテイン・キナーゼ(MAPK)のサブファミリーに属し、連続ホスホリル化によるその活性化は、細胞表面のそれらの受容体への細胞外刺激物質の結合に対して二次的なものである。これらの受容体は、(成長因子受容体及びインシュリン受容体のように)固有のチロシン・キナーゼ活性を有するか、又は(サイトカインの受容体のように)他のタンパク−チロシン・キナーゼと結合している(Robinson,Curr Opin.Cell.Biol.,9:180−186(1997)。ERKは、活性化されると様々な細胞質又は核のタンパク因子をホスホリル化及び活性化し、細胞の成長及び分化を制御する応答を含む多発的な生物学的応答を仲介する。しかし、前記ERK経路が前記LDL受容体遺伝子のプロモーターにどのようにリンクし、異なる機構でその転写を増進させているのかについては、未だ解明されていない。本発明では、実施例XIで後述するように、ベルベリンが速やかにERKを活性化し、及びERK活性化の速度論がLDLR発現のベルベリンによるアップレギュレーションに先立つことも確認された。
【0058】
下記の実施例で示すように、ベルベリン及びその類似体は、前記LDL受容体の転写後制御を図2に示したように行う。ベルベリンは植物の9つの科に広く分布する四級塩型アルカロイドの一つで、式IIに示す化合物構造を有する。
【0059】
【化2】

式II
【0060】
ベルベリンはHydrastis canadensis(ゴールデンシール)、Coptis chinensis(黄連又はゴールデンスレッド)、Berberis aquifolium(ヒイラギメギ)、Berberis vulgaris(セイヨウメギ)、Berberis aristata(ターメリックの木)、Chinese Isatis、Mahonia swaseyi、Yerba mansa(アネモプシス・カリフォルニカ)及びPhellodendron amurenseに見出される。これら及び他のベルベリン含有ハーブ原料から得られる製品は、あらゆるその調製品及びエキスも含め、ベルベリン(又はベルベリン類似体、関連化合物及び/又は誘導体)を含む本発明に用いて有用な組成物と考えられる。本発明に用いて有用なベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物は、典型的に式Iで表される構造を有し、機能的に透過な類似体、錯体、複合体、及びこれらの化合物の誘導体も、当業者にとっては本発明の少なくともある局面の範囲に含まれると考えられる。
【0061】
【化3】

式I
【0062】
本発明で用いられる有用な式Iのベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物はまた、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13が(それぞれ独立に、及び前述のように活性化合物を産し得るあらゆる組合せにおいて)ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アリール、アロイル、アラルキル、ニトリル、ジアルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルカノイルアミノ、カルバモイル、カルバミル、カルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、又は複素環の各基から選択されるような構造を典型的に有する。
【0063】
より詳しい実施態様において、上記式Iの例示的な構造変形例は、哺乳類被験体における高脂血症を治療及び/又は予防する有用な候補化合物を提供する如くに選択され、ここでRはメチル、エチル、ヒドロキシル、又はメトキシから選択され;RはH、メチル、エチル、メテンから選択され;RはH、メチル、エチル、メテンから選択され;Rはメチル、エチル、ヒドロキシル、又はメトキシから選択され;Rは直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル及び1−メチル−2−エチルプロピルから選択される置換基)から選択され;Rはメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R10はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R11はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;R12はメチル、エチル、ヒドロキシル、Cl、Brから選択され;及びR13は直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル及び1−メチル−2−エチルプロピルから選択される置換基)から選択される。本発明の組成物及び方法に用いられる更に他の候補化合物が提供され、ここで式I中に示される各基R、R、R、R、R、R、R10、R11及び/又はR12は任意的に(独立に、集合的に、又は前述のように活性化合物を産し得るあらゆる組合せにおいて)、以下に述べかつ定義するように置換される場合がある。
【0064】
本明細書で用いられる用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素、又はヨウ素を指す。ある実施態様において、前記ハロゲンはフッ素である。別の実施態様において、R、R10、R11、R12及び/又はR13は独立に塩素又は臭素の場合がある。
【0065】
本明細書で用いられる用語「ヒドロキシ」は、−OH又は−Oを指す。
【0066】
本明細書で用いられる用語「アルケン」は、炭素−炭素二重結合を含む不飽和炭化水素を指す。かかるアルケン基の例は、エチレン、プロペン等を含む。他の実施態様において、R 及び/又はR 独立にメテンの場合がある。
【0067】
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、1−20個、好ましくは1−7個、最も好ましくは1−6個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の脂肪族基を指す。この定義は、アルコキシ、アルカノイル及びアラルキルの各基のアルキル部分にも当てはまる。一実施態様において、R、R、R、R、R及び/又はR13は独立にメチル又はエチル基の場合がある。他の実施態様において、R及び/又はR13は独立にn−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、m−ヘキシル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3−メチルペンチル、1−2−ジメチルブチル、1,3−ジメチル又は1−メチル−2−エチルプロピルの場合がある。
【0068】
用語「アルコキシ」は、置換及び無置換アルキル、アルケニル、及び酸素原子に共有結合したアルキニル基を含む。一実施態様において、前記アルコキシ基は1ないし6個の炭素原子を含む。アルコキシ基の実施態様は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びペントキシの各基を含むが、これらに限定されない。更なる実施態様において、R、R10、R11、及び/又はR12は独立にメトキシ又はエトキシ基の場合がある。他の実施態様において、Rはメトキシ基である。置換アルコキシ基の実施態様は、ハロゲン化アルコキシ基を含む。更なる実施態様において、前記アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホナミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、又は芳香族又はヘテロ芳香族部分のような基で置換される場合がある。例示的なハロゲン置換アルコキシ基は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、及びトリクロロメトキシを含むが、これらに限定されない。一実施態様において、R、R、R、R10、R11及び/又はR12は独立にヒドロキシル基の場合がある。
【0069】
本明細書で単独又は複合的に用いられる用語「ニトロ」は、−NO基を指す。
【0070】
本明細書で用いられる用語「アミノ」は、基−NRR’を指し、ここでR及びR’は独立に水素、アルキル、アリール、アルコキシ、又はヘテロアリールの場合がある。本明細書で用いられる「アミノアルキル」は、「アミノ」と比べてより詳細な選択を表し、基−NRR’を指し、ここでR及びR’は独立に水素又は(C−C)アルキルの場合がある。
【0071】
本明細書で用いられる用語「トリフルオロメチル」は、−CFを指す。
【0072】
本明細書で用いられる用語「トリフルオロメトキシ」は、−OCFを指す。
【0073】
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、炭素原子数3から7までの飽和環状炭化水素の環系を指し、任意的に置換される場合がある。例示的な実施態様は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。ある実施態様では、前記シクロアルキル基はシクロプロピルである。別の実施態様では、前記(シクロアルキル)アルキル基は環状部分が炭素原子数3から7までであり、アルキル部分が炭素原子数1ないし4である。ある実施態様では、前記(シクロアルキル)アルキル基はシクロプロピルメチル基である。前記アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ及びアミノからなる群より選択される1個から3個までの置換基で任意的に置換される。
【0074】
本明細書で用いられる用語「アルカノイル」及び「アルカノイルオキシ」は、それぞれ−C(O)−アルキル基及び−O−C(O)−アルキル基を指し、それぞれ任意的に2−5個の炭素原子を含む。アルカノイル及びアルカノイルオキシ基の具体的な実施態様は、それぞれアセチル及びアセトキシである。
【0075】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、環状部分が炭素原子数6から12までの単環系又は二環系の芳香族炭化水素基を指し、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル及びジフェニル基であり、これらの各々は例えば、アルキル;上述のごとく定義した置換アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、カルバモイル及びアリールオキシのような置換基の1ないし4個で置換される場合がある。本発明にかかるアリール基の具体的な実施態様は、フェニル、置換フェニル、ナフチル、ビフェニル、及びジフェニルを含む。
【0076】
本明細書で単独又は複合的に用いられる用語「アロイル」は、任意的に置換された安息香酸又はナフトイン酸のような、芳香族カルボン酸に由来するアリール・ラジカルである。
【0077】
本明細書で用いられる用語「ニトリル」又は「シアノ」は、−CN基を指す。
【0078】
用語「ジアルキルアミノ」は、2個の同じ又は異なるアルキル基が結合してなるアミノ基を指す。
【0079】
用語「アルケニル」は、炭素原子数2ないし10で、1ないし3個の二重結合を有する直鎖状又は分枝状のアルケニル基を指す。好ましい実施態様は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1−へプテニル、2−へプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1,3−オクタジエニル、2−ノネニル、1,3−ノナジエニル、2−デセニル等を含む。
【0080】
本明細書で用いられる用語「アルキニル」は、炭素原子数2ないし10で、1ないし3個の二重結合を有する直鎖状又は分枝状のアルキニル基を指す。例示的なアルキニルは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、1−オクチニル、6−メチル1−ヘプチニル、及び2−デシニルを含むが、これらに限定されない。
【0081】
単独又は複合的に用いられる用語「ヒドロキシアルキル」は、先に定義されたアルキル基を指し、ここでは1個又は数個の水素原子、好ましくは1個の水素原子がヒドロキシル基に置換されている。ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチルが例示される。
【0082】
本明細書で用いられる用語「アミノアルキル」は−NRR’を指し、ここでR及びR‘は独立に水素又は(C1−C6)アルキルの可能性がある。
【0083】
用語「アルキルアミノアルキル」は、アルキル基を介して連結されたアルキルアミノ基(即ち、一般構造として−アルキル−NH−アルキル又は−アルキル−N(アルキル)(アルキル)を有する基)を指す。かかる基は、モノ−及びジ−(C−Cアルキル)アミノC−Cアルキルを含み、ここで各アルキルは同じ又は異なる場合がある。
【0084】
用語「ジアルキルアミノアルキル」は、アルキル基に結合したアルキルアミノ基を指す。N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル等が例示されるが、これらに限定されない。用語「ジアルキルアミノアルキル」は、架橋アルキル部分が任意的に置換されている基も含む。
【0085】
用語「ハロアルキル」は、1個又は複数のハロ基で置換されたアルキル基を指し、例えばクロロメチル、2−ブロモエチル、3−ヨードプロピル、トリフルオロメチル、パーフルオロプロピル、8−クロロノニル等である。
【0086】
本明細書で用いられる用語「カルボキシアルキル」は−R’−COOHを指し、ここでR’はアルキレン;カルボアルコキシアルキルは−R’−COORを指し、ここでR’及びRはそれぞれアルキレン及びアルキルである。ある実施態様では、アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチル、n−ヘキシル等のような、炭素原子数1−6の飽和直鎖状又は分枝状ヒドロカルビル・ラジカルを指す。アルキレンは、基が二価であること以外はアルキルと同じである。
【0087】
用語「アルコキシアルキル」は、アルコキシ基で置換されたアルキレン基を指す。例えば、メトキシエチル[CHOCHCH−]及びエトキシメチル[CHCHOCH−]は、共にCアルコキシアルキル基である。
【0088】
本明細書で用いられる用語「カルボキシ」は、式−COOHで表される基を示す。
【0089】
前記 「アルカノイルアミノ」は、−C(O)−を含むアルキル、アルケニル又はアルキニル基の後に−N(H)−が続く基であり、例えば アセチルアミノ、プロパノイルアミノ及びブタノイルアミノ等である。
【0090】
用語「カルボニルアミノ」は、基−NR−CO−CH−R’を指し、ここでR及びR’は独立に水素又は(C−C)アルキルから選択される場合がある。
【0091】
本明細書で用いられる用語「カルバモイル」は、−O−C(O)NHを指す。
【0092】
本明細書で用いられる用語「カルバミル」は、窒素原子がカルボニルに直接結合した官能基、即ち、−NRC(=O)R’又は−C(=O)NRR’の中のような基を指し、ここでR及びR’は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、複素環、又はヘテロアリールの場合がある。
【0093】
用語「アルキルスルホニルアミノ」は、基−NHS(O)を指し、ここでRは先に定義したとおりのアルキルである。
【0094】
用語「複素環」は、任意的に置換された、不飽和の、部分飽和の、又は完全飽和の芳香族又は非芳香族環状基であり、少なくとも1個の炭素原子を含む環に少なくとも1個のヘテロ原子を含む4ないし7員単環系、又は7ないし11員二環系である。前記複素環上の置換基は、前記アリール基に関して先に提示された置換基から選択される場合がある。ヘテロ原子を含む前記複素環基の各環は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を持つ場合がある。1つの複素環に複数のヘテロ原子がある場合、それらは同じでも異なっていてもよい。
【0095】
本明細書で述べる数値範囲は、いずれも表示された範囲全体を含む。したがって、あるRの範囲が0及び4の間である場合、その値は1、2、3、及び4と理解される。
【0096】
塩化ベルベリンは、本発明の方法及び組成物に用いられるベルベリンの一形態であり、下記式IIIの構造を有する。
【0097】
【化4】

式III
【0098】
ベルベリン及び関連及び誘導体化合物は当業者に公知のいかなる方法によっても生成できる場合があるが、本発明に用いられる例示的な化合物は、例えば以下に述べる経路1、2、3、及び4によっても生成できる場合がある。これらの反応及び合成手順は例示的なものに過ぎず、省略、代替、及び変更された手順、例えば、これらの手順の必須要素、又はその同等物を包含した手順も、本発明の範囲内であると考えられる。
【0099】
【化5】














【0100】
【化6】




















【0101】
【化7】
























【0102】
【化8】

【0103】
本発明の薬物学的な製剤を含めた式Iの化合物を含む脂質低減組成物は、哺乳類被験体における高脂血症及びコレステロール値亢進の予防及び/又は治療に有効な脂質低減有効量の式Iで表されるベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む。典型的には、コレステロール低減有効量を含めた脂質低減有効量の式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、単回投与又は多数回投与の形で、ある特定の治療的介入期間にわたり、前記被験体の1つまたは2つ以上の心臓血管疾患の症状又は状態を測定可能な程度に軽減する上で治療上有効な量の活性化合物を含む。例示的な実施態様では、これらの組成物は高脂血症を軽減するin vivo治療法において有効である。
【0104】
本発明の脂質低減組成物は、典型的には脂質低減有効量又は単位投与量の式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含み、これは1つまたは2つ以上の薬剤として許容される担体、賦形剤、ビヒクル、乳化剤、安定化剤、保存料、緩衝液、及び/又は安定性、送達性、吸収性、半減期、有効性、薬物動態的性質、及び/又は薬力学的性質を増強し、有害な副作用を低減し、又は薬剤としての利用に対する利点を提供し得るようなその他の添加剤と共に処方される場合がある。コレステロール低減有効量を含めた脂質低減有効量のベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物(例えば、有効濃度/量のベルベリン、又は選択された薬剤として許容される塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、結晶多形及び/又はベルベリンのプロドラッグを含む単位投与量)は、当業者であれば臨床上及び患者特有の要因にしたがって容易に決定することができるであろう。ヒトを含めた哺乳類被験体への投与のための、前記活性化合物の好適かつ有効な単位投与量は、10ないし1500mg、20ないし1000mg、25ないし750mg、50ないし500mg、又は150ないし500mgの範囲とされる場合がある。ある実施態様では、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の前記抗高脂血症又は高脂血症有効投与量はより狭い範囲内、例えば10ないし25mg、30−50mg、75ないし100mg、100ないし250mg、又は250ないし500mgで選択される場合がある。これら及び他の有効な単位投与量は単回投与、又は毎日、毎週又は毎月といった多数回投与の形で、例えば1日に、1週間に、又は1ヶ月間に1ないし5回、又は2−3回の投与を行うことを含む投与計画に従って投与される場合がある。例示的な一実施態様では、10ないし25mg、30−50mg、75ないし100mg、100ないし250mg、又は250ないし500mgの投与量が1日1回、2回、3回、4回又は5回投与される。より詳細な実施態様では、50−75mg、100−200mg、250−400mg、又は400−600mgの投与量が1日1回又は2回投与される。別の実施態様では、投与量を体重に基づいて計算し、例えば1日当たり約0.5mg/kgから約100mg/kgまでか、1日当たり1mg/kgから約75mg/kgまでか、1日当たり1mg/kgから約50mg/kgまでか、1日当たり2mg/kgから約50mg/kgまでか、1日当たり2mg/kgから約30mg/kgまでか、1日当たり3mg/kgから約30mg/kgまでかの分量で投与される場合がある。
【0105】
抗高脂血症有効量の式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む本発明の組成物の分量、タイミング及び送達モードは、体重、年齢、性別、及び個人の体調、高脂血症及び/又は関連症状の急性の度合い、投与が予防目的と治療目的のいずれであるかに応じて、また医薬品の送達性、吸収性、半減期を含む薬物動態、及び有効性に影響を与えることが知られている要因に応じて個人ベースで日常的に調節される。
【0106】
即効性の脂質低減製剤の有効な単回投与又は多数回投与法は通常、被験体の高脂血症及び心臓血管疾患を実質的に予防するか又は軽減するに必要十分な、及び/又は被験体の高脂血症に随伴する1つまたは2つ以上の病状を実質的に予防するか又は軽減するに必要十分な最低用量を近似すべく選択される。ある投与及び投与プロトコルは、数日、又は1週又は複数週又は複数年にすらわたる反復投与を含む場合がある。ある効果的な治療法はまた、1日1回又は1日複数回ベースで複数日、複数週、又は複数年にすらにわたる予防的投与を包含する場合がある。
【0107】
本発明による抗高脂血症治療の有効性の判定には、様々な分析やモデル系を容易に用いることができる。例えば、総コレステロール値並びにトリグリセリド、LDL及びHDL値を測定するための血液検査は、ルーチン的に行うことができる。総コレステロール値が200mg/dLを超える個体は、心臓血管疾患の高リスク群との境界線上に居ると考えられる。総コレステロール値が239mg/dLより高い個体は、高リスク群と考えられる。LDL値は、100mg/dL未満が最適である。LDL値130ないし159mg/dLは、高リスク群との境界線上と考えられる。LDL値160ないし189mg/dLは心臓血管疾患の高リスク群と考えられ、LDLが190mg/dLを超える個体は心臓血管疾患のリスクが極めて高いと考えられる。トリグリセリド値は、150mg/dL未満が正常である。この値が150−199mg/dLは高リスクとの境界線上と考えられ、この値が200を超えるとその個体は心臓血管疾患の高リスク群であると考えられる。脂質値は、標準的な血中脂質プロファイル試験で決定することができる。本発明の前記組成物の有効量は、高脂質値を少なくとも10%、20%、30%、50%以上、75−90%まで、又は95%以上、下げることができる。有効量はまた、ある個体の脂質プロファイルを各脂質について最適範囲に移行させることができ、即ち、LDL値を190mg/dlから130ないし159mg/dLの範囲内、更には100mg/dL未満まで下げることができる。有効量はまた、LDL又はトリグリセリド値を約10ないし約70mg/dL、約20ないし約50mg/dL、約20ないし約30mg/dL、又は約10ないし約20mg/dLだけ下げることができる。
【0108】
個体はまた、hs−CRP(高感度C反応性タンパク)血液検査で評価される場合がある。hs−CRP検査値が1.0mg/L未満の個体は、心臓血管疾患のリスクが低い。hs−CRPの検査値が約1.0ないし3.0mg/Lの個体は、心臓血管疾患のリスクが平均レベルである。hs−CRP検査値が3.0mg/Lを超える個体は心臓血管疾患のリスクが高い。本発明の前記組成物の有効量は、hs−CRP検査値を3.0mg/L未満に下げることができる。本発明の前記組成物の油香料は、hs−CRP検査値を約0.5ないし約3.0mg/L、更には約0.5ないし約2.0mg/Lだけ下げることができる。
【0109】
本発明の前記組成物の有効量はまた、息切れ、胸痛、下肢痛、疲労、錯乱視力変化、血尿、鼻血、不整脈、平衡感覚喪失又は協調、脱力感、又はめまいを含む心臓血管疾患の諸症状の低減によって実証される場合がある。
【0110】
本明細書に述べた状態の各々について、被験体は、該被験体における高脂血症、コレステロール値亢進及び/又は標的の心臓血管疾患又は状態に随伴する1つまたは2つ以上の病状を、偽薬投与群又は他の適当な対照群と比較して、10%、20%、30%、50%以上、75−90%まで、又は95%以上、下げることができる。
【0111】
本発明の更なる局面において、コンビナトリアル脂質低減製剤及び協動的投与が提供され、ここでは、有効量の式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物、及び1つまたは2つ以上の二次的又は補助的薬剤がコンビナトリアルに処方されるか、又は前記ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物と協動的に投与され、複合多活性薬剤である抗高脂血症組成物又は協動的治療方法が用いられる。この意味における例示的な併用製剤及び協動的治療法では、前記ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を、選択された該併用製剤又は協動的治療法において標的の(又は随伴する)疾病、状態、及び/又は病状の治療又は予防に有用な1つまたは2つ以上の二次的抗高脂血症薬剤)、或いは1つまたは2つ以上の補助的治療薬を組み合わせて用いる。本発明の併用製剤及び協動的治療法の大部分は、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を1つまたは2つ以上の二次的又は補助的治療薬と組み合わせて処方するか又は協動的に投与し、前記被験体の高脂血症及び/又は1つまたは2つ以上の心臓血管疾患の症状又は又は状態の治療にコンビナトリアルに有効であるか又は協動的に有用な複合製剤又は協動的治療法を与えるものである。この意味における例示的な併用製剤及び協動的治療法では、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を、例えば、抗高脂血症薬;抗異脂肪血症薬;血漿HDL上昇薬;コレステロール取込み阻害剤を含むがこれに限定されない抗高コレステロール血症薬;コレステロール生合成阻害剤、例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(別名スタチン系薬剤、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、及びアトルバスタチン等);HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤又はスクアレン・シンセターゼ阻害剤(別名スクアレン・シンターゼ阻害剤);メリナミドを含むがこれに限定されないアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;プロブコール;ニコチン酸及びその塩;ナイアシンアミド;β−シトステロール又はエゼチミブを含むがこれに限定されないコレステロール吸収阻害剤;コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム又は架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体を含むがこれに限定されない胆汁酸捕捉剤陰イオン交換樹脂;LDL受容体誘導物質;クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジルを含むがこれに限定されないフィブラート系薬剤;ビタミンB6(別名ピリドキシン)、及びHCl塩のような、薬剤として許容されるその塩;ビタミンB12(別名シアノコバラミン);ビタミンB3(上記のとおり、別名ニコチン酸及びナイアシンアミド);ビタミンC及びE及びベータカロテンを含むがこれらに限定されない抗酸化ビタミン類;β遮断薬;アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬;アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤;フィブリノゲン受容体拮抗薬、即ち、糖タンパクIIb/IIIaフィブリノゲン受容体拮抗薬を含むがこれに限定されない血小板凝集阻害剤;エストロゲンを含むがこれに限定されないホルモン類;インシュリン;イオン交換樹脂;オメガ3オイル類;ベンフルオレックス;イコサペント酸エチル;及びアムロジピンから選択される1つまたは2つ以上の二次的又は補助的治療薬と組み合わせて用いる。補助的療法はまた、運動量の増加又は変更、手術、及び食事の切替え(例えば、低コレステロール食及び/又は高繊維食への切り替え)を含む場合がある。上述したように、ハーブ調製品(例えば、固形品、液状エキス等)もまた、脂質値を下げるための併用製剤及び協動的治療プロトコルに効果的に用いられる。この意味における効果的なコンビナトリアル・ハーブ系薬剤は、例えば、クルクミン、抗酸化ビタミン類、ググリピッド(ググルの木Commiphora Mukulの樹脂から採れる)、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、魚油、緑茶、カルニチン、クロム、コエンザムQ10、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米、及びロイヤルゼリーを含む。
【0112】
ある実施態様において、本発明はベルベリンと、抗炎症又は脂質低減活性を有する1つまたは2つ以上の補助薬剤とを含むコンビナトリアル脂質低減製剤を提供する。かかる併用製剤において、ベルベリンと脂質低減活性を有する前記補助薬剤とは、単独又は組合せによる脂質低減効果量にて、複合製剤中に存在する。例示的な実施態様では、ベルベリン及び非ベルベリン脂質低減薬剤はそれぞれ脂質低減量(即ち、単独で被験体に検出可能な抗高脂血症応答を生じさせる単回投与量)にて含まれる。或いは、前記併用製剤はベルベリン及び非ベルベリン薬剤の一方又は双方をサブセラピー的な単回投与量にて含む場合があり、本明細書で双方の薬剤を含む前記併用製剤は、脂質低減応答を総力的に引き出すのに有効な双方の薬剤の合計投与量で特徴付けられる。したがって、ベルベリン及び非ベルベリン薬剤の一方又は双方が前記製剤中に存在する場合があり、又はサブセラピー的な投与量にて、但し、被験体に検出可能な脂質低減応答を引き出せる製剤又は方法にて、協動的投与プロトコルにしたがって投与される場合がある。
【0113】
本発明の協動的投与方法を実施するにあたり、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、本明細書で想定される1つまたは2つ以上の二次的又は補助的治療薬と共に、協動的治療プロトコルにしたがって同時又は逐次的に投与される場合がある。したがってある実施態様では、ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、非ベルベリン系脂質低減薬又は本明細書で想定される何らかの他の二次的又は補助的治療薬と共に、別々の製剤又は上述の併用製剤(即ち、ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物、及び非ベルベリン治療薬の双方を含む)を用いて、協動的に投与される。この協動的投与は、同時又はいずれかの順番で行われる場合があり、又、一方のみ又は双方(又は全て)の活性治療薬が独立及び/又は総合的にその生物学的活性を発揮する期間がある場合がある。かかる全ての治療法の特徴的な局面は、前記ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物が少なくとも何らかの脂質低減活性を示し、、相補的な脂質低減と関連した好ましい臨床応答、又は二次的又は補助的治療薬によってもたらされる顕著な臨床応答が生ずる。しばしば、前記ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物と二次的又は補助的治療薬との協動的投与は、前記ベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物、又は前記二次的又は補助的治療薬の単独使用によって引き出される治療効果を上回って、より優れた治療又は予防成績を被験体にもたらす。この性質は、間接効果はもちろん、直接効果をも予測させるものである。
【0114】
例示的な実施態様では、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、例えばコレステロール取込み阻害剤;コレステロール生合成阻害剤、例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン系薬剤ともいう。ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、及びアトルバスタチン等);HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤又はスクアレン・シンセターゼ阻害剤(スクアレン・シンターゼ阻害剤としても知られる。);メリナミドを含むがこれに限定されないアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;プロブコール;ニコチン酸及びその塩;ナイアシンアミド;β−シトステロール又はエゼチミブを含むがこれに限定されないコレステロール吸収阻害剤;コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラムを含むがこれらに限定されない胆汁酸捕捉剤陰イオン交換樹脂、又は架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;LDL受容体誘導物質;クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジルを含むがこれらに限定されないフィブラート系薬剤;ビタミンB6(ピリドキシンとも呼ばれる)及び薬剤として許容される塩酸塩のようなその塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとも呼ばれる);ビタミンB3(ニコチン酸及びナイアシンアミドとも呼ばれる。前述のとおり。);ビタミンC及びE及びベータカロテンを含むがこれらに限定されない抗酸化ビタミン類;β遮断薬;アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬;アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤;フィブリノゲン受容体拮抗薬、即ち、糖タンパクIIb/IIIaフィブリノゲン受容体拮抗薬を含むがこれに限定されない血小板凝集阻害剤;エストロゲン;インシュリンを含むがこれらに限定されないホルモン類;イオン交換樹脂;オメガ3オイル類;ベンフルオレックス;イコサペント酸エチル;及びアムロジピンから選択される1つまたは2つ以上の第2の脂質低減剤、又は他の指定された治療薬と協動的に(同時又は順次に、複合又はセパレート製剤の形で)投与される。補助的療法は又、運動の増加、手術、及び食事の切替え(例えば、低コレステロール食)を含む場合がある。又、例えばクルクミン、ググリピッド、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、魚油、緑茶、カルニチン、クロム、コエンザムQ10、抗酸化ビタミン類、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米、及びロイヤルゼリー等、何らかのハーブ療法が併用製剤及び高脂血症の協動的治療に効果的に用いられる場合もある。
【0115】
上述のように、本明細書に企図される本発明の様々な実施態様の全てにおいて、抗高脂血症及び関連する方法及び製剤は、様々な形態をとる式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を用いる場合があり、当該化合物の薬剤として許容される塩、異性体、エナンチオマー、結晶多形、溶媒和物、水和物、及び/又はプロドラッグのいずれか1つまたは2つ以上の組合せを含む。本発明の例示的な実施態様では、ベルベリンは例証的な目的による治療製剤及び方法に用いられる。
【0116】
本発明の医薬品組成物は、それらの意図する治療又は予防目的を達成し得るあらゆる手段で投与される場合がある。本発明の前記組成物の好適な投与経路は、経口、頬側、経鼻、エアロゾル、局所、経皮、粘膜、注射、徐放、制御放出、イオン泳動、超音波導入、及び他のあらゆる従来の送達経路、デバイス及び方法を含むが、これらに限定されない。注射による方法は、静脈内、筋肉内、腹腔内、脊椎内、くも膜下内、脳室内、動脈内、皮下及び鼻腔内経路を含むが、これらに限定されない。
【0117】
本発明の組成物は更に、採用される特定の投与方式に適合した、薬剤として許容されるキャリヤを含む場合がある。本発明の前記組成物の投与形態は、当該分野において上述のような投与単位の調製に適すると認められている賦形剤を含む。かかる賦形剤は、バインダー、フィラー、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、香料、保存料、緩衝液、湿潤剤、崩壊薬、発泡剤及び他の従来の賦形剤及び添加剤を含むが、これらに限定されない。
【0118】
所望の場合には、親水性徐放性ポリマーのような徐放性キャリアを用いた制御放出形態で、本発明の組成物を投与することができる。この意味において、例示的な制御放出剤は、約100cpsないし約100,000cpsの粘度範囲を持つヒドロキシプロピル・メチル・セルロース、又は、コレステロールのような他の生体適合性マトリクスを含む。
【0119】
本発明の組成物はしばしば経口投与の形態で調剤・投与されるが、任意的にキャリヤ又は他の添加剤と組み合わせられる。調剤技術で普通に用いられる好適なキャリアは、微結晶セルロース、乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、デキストロース、又は他の糖類、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、セルロース誘導体、カオリン、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、又は他の糖アルコール類、乾燥デンプン、デキストリン、マルトデキストリン又は他の多糖類、イノシトール、又はこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本発明に用いられる例示的な単位経口投与剤形はタブレットを含み、これは医薬品の単位経口投与剤形を調製するための何らかの従来法で調製される場合がある。タブレットのような経口単位投与剤形形態は、放出調節剤、流動促進剤、圧縮剤(compressionaides)、崩壊薬、潤滑剤、バインダー、香料、香味増進剤、甘味料及び/又は保存料を含む従来の製剤用添加剤の1つ又は複数を含有する場合があるが、これらに限定されない。好適な潤滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、水素添加植物油、安息香酸ナトリウム、ロイシン、カーボワックス、ラウリル硫酸マグネシウム、コロイド状二酸化珪素及びモノステアリン酸グリセリルを含む。好適な流動促進剤は、コロイダルシリカ、乾式二酸化珪素、シリカ、タルク、乾式シリカ、ギプス及びモノステアリン酸グリセリルを含む。コーティングに用いられる場合がある物質は、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、タルク、甘味料及び着色料を含む。
【0120】
本発明の更なる組成物を、当該技術分野で公知のいかなる様々な吸入又は経鼻的剤形によっても調製し、投与することができる。エアロゾル化した精製ベルベリン製剤を患者の副鼻腔(sinuscavity)又は肺胞内に配置させ得る装置は、定量噴霧式吸入器、噴霧器、乾燥粉末生成器、散布器等を含む。全身効果を期待した薬剤の肺送達に適した方法及び組成物は、当該分野において公知である。他に考えられる送達方法は、吸入による肺深部への送達を含む。キャリヤが液体である、例えば点鼻薬又は点鼻液として好適な剤形は、ベルベリン組成物及び何らかの活性又は不活性添加剤の水溶液又は油性溶液の場合がある。
【0121】
本発明の更なる組成物及び方法は又、高脂血症の治療を目的としたベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の局所投与用に提供される。局所用組成物は、エアロゾル・スプレー、粉末、皮膚パッチ、スティック、顆粒、クリーム、ペースト、ジェル、ローション、シロップ、軟膏、含浸スポンジ、綿棒、又は溶液、又は水溶液、非水溶液中の懸濁液、水中油滴型エマルジョン、又は油中水滴型エマルジョンの形態を含む、皮膚又は粘膜に許容され得るキャリヤに含有される形で、式Iベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を1つまたは2つ以上の活性又は不活性添加剤と共に含む場合がある。これらの局所組成物は、少量の水又は他の溶媒又は局所用組成物に取り込まれる液体又は送達デバイスに溶解又は分散させた、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む場合がある。経皮的な投与経路が当業者に公知の皮膚浸透増進剤で増進されることは、容易に察知できる。かかる投与形態に適する製剤は、通常利用される賦形剤、特に、例えば24時間といった長時間にわたる薬物の吸収を維持するための例えば構造又はマトリクスといった手段を含む。経皮送達は又、超音波導入のような技術により増進される場合がある。
【0122】
更に、別のベルベリン組成物は、本発明で企図される他の多くの組成物と同様、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤及び/又は製剤を哺乳類被験体の血液と等張にするための溶質を任意的に含む場合がある水系及び非水系の滅菌注射液と;懸濁化剤及び/又は濃化剤を含む場合がある水系及び非水系の滅菌懸濁液とを含む非経口投与用、例えば静脈注射、筋肉注射用、皮下注射用、又は腹腔内注射用の組成物として設計される。前記製剤は、単位投与又は多数回投与の容器に収められる場合がある。本発明の別の組成物及び製剤は、非経口投与後の放出時間を延長するためのポリマーを含む場合がある。前記非経口製剤は、かかる投与に適した溶液、分散物又はエマルジョンの場合がある。前記製剤は又、非経口投与後の放出時間を延長するためにポリマー製剤とされる場合がある。薬剤として許容される製剤及び成分は典型的に、滅菌されているか又は容易に滅菌可能であり、生物学的に不活性であり、容易に投与可能である。かかるポリマー材料は、調剤分野の当業者にはよく知られている。非経口製剤は典型的に緩衝化剤、防腐剤、及び水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロール等のような、薬学的・生理学的に許容される注射液を含む。即席の注射液、エマルジョン及び懸濁液が、前述したような滅菌粉末、顆粒及びタブレットから調製される場合がある。好ましい単位投与製剤は、活性成分の1日単回投与量又は上述のような単位1日サブ投与量、又はその適当な分画物を含む。
【0123】
より詳細な実施態様では、本発明の組成物は、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物をデリバリー用に、例えばコアセルベーション法又は界面重合法により、例えばヒドロキシメチル・セルロース又はゼラチン・マイクロカプセル及びポリ(メチルメタシレート)(methacylate)マイクロカプセル等のマイクロカプセル、ミクロ粒子又はミクロスフィアに封入したもの;コロイド状の薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミン・ミクロスフィア、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)の形をとるもの;又はマクロエマルジョンの形をとるものを含む場合がある。
【0124】
上述したように、ある実施態様において、本発明の方法及び組成物は、薬剤として許容される塩類、例えば、上述のベルベリン化合物及び/又はベルベリン関連又は誘導化合物の酸付加物又は塩基性塩を用いる場合がある。薬剤として許容される付加塩の具体例は、無機及び有機酸付加塩を含む。好適な酸付加塩は、無毒な塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、及びリン酸水素塩を形成する酸から形成される。他の薬剤として許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のような金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のようなアルカリ土類金属塩;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等のような有機アミン塩;酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、及び蟻酸塩のような有機酸塩類;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩類;及びアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、及びグルコン酸塩のようなアミノ酸塩類を含むが、これらに限定されない。好適な塩基性塩は、無毒な塩、例えばアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛及びジエタノールアミンの各塩を形成する塩基から形成される。
【0125】
本発明の方法及び組成物において用いられるベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物の有用な塩形態の範囲を説明するために、ベルベリンの塩形態の例示的な集合を作成し、それらの溶解度を調べた(表2)。このようにして提供された新規なベルベリン塩類は、本発明の更に他の局面を具現化し、有用なベルベリン及び関連化合物の広範な集合をここに例示する。























【0126】
表2 代表的なベルベリン塩
【0127】
【表2】

【0128】
他の詳細な実施態様において、本発明の前記方法及び組成物は、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物のプロドラッグを用いる。プロドラッグはin vivoに活性な親薬物を放出する、共有結合した何らかのキャリアと考えられている。本発明において有用なプロドラッグの例は、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキルを置換基として有するエステル又はアミドを含み、これらは上述のかかる化合物を無水コハク酸のような無水物と反応させることにより調製される場合がある。
【0129】
また本明細書に開示される本発明は、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む方法及び組成物であって、前記化合物のin vivo代謝生成物(当該前駆体化合物の投与後にin vivoに生成するか、又は代謝生成物そのものの形で直接投与するか、のいずれか)を用いる方法及び化合物をも包含するものと理解される。かかる生成物は、投与された前記化合物の、主に酵素的プロセスによる酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル等により生ずる場合がある。したがって本発明は、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を、その代謝生成物を生じさせるに十分な長さの期間、哺乳類被験体と接触させることを含むプロセスにより生成する化合物を用いる方法及び組成物を含む。かかる生成物は、典型的には本発明の化合物の放射能ラベル体を調製し、これをラット、マウス、モルモット、サル又はヒトのような動物に検出可能投与量にて非経口投与し、十分な時間にわたって代謝を進行させ、その転換生成物を尿、血液又は他の生物学的サンプルから及び単離することによって同定される。
【0130】
本明細書に開示される本発明は又、哺乳類被験体における高脂血症及び/又は心臓血管疾患又は状態のリスク値、有無、重篤度又は治療成績を診断するか、或いは管理する診断組成物をも包含するものと理解され、ラベル(例えば、同位体ラベル、蛍光ラベル、或いは従来法でラベル化合物を検出できるようにラベル)された式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を、高脂血症及び/又は心臓血管疾患のリスクを持つか、或いはその1つまたは2つ以上の症状を呈する哺乳類被験体(例えば、細胞、組織、臓器、又は個体)に接触させ、その後、多岐にわたる公知の分析及びラベル化/検出方法のいずれかを用い、前記ラベル化合物の有無、場所、代謝、及び/又は結合部位を検出する(例えば、LDL受容体の生理作用/代謝に関与する未ラベルの結合相手への結合を検出する)。例示的な実施態様では、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、1個又は複数個の原子が異なる原子量又は質量番号を有する1種類の原子に置き換わることにより、同位体ラベルされている。開示された前記化合物中に導入し得る同位体の例は、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体を含む。続いて、前記同位体ラベルされた化合物は個体又は他の被験体に投与され、その後、上述のようにして検出され、従来法により有用な診断及び/又は治療管理データを与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0131】
以下に述べる実験では、スタチン系薬剤のような現行の高脂血症治療薬によって利用される機構とは別の機構により血清コレステロール、トリグリセリド及びLDLを効果的に低減できるコレステロール低減薬としての、ベルベリン化合物及びベルベリン関連及び誘導体化合物の新規で強力な利用を実証する。例示的な実験では、ヒト肝ガン細胞由来の細胞株HepG2の細胞に対し、漢方薬から単離された700種類の化合物で24時間の処理を行った。次に、前記細胞からRNAを単離し、半定量RT−PCR分析によりLDLR mRNAの分析値を求めた。テストした化合物中、ベルベリンがLDLR発現の増加に最も顕著な効果を示した。0.5%リポタンパク−欠乏胎児ウシ血清又はステロールとベルベリンとを添加した血清を含む培地で培養されたHepG2細胞の処理により、LDLR mRNAの発現が時間に依存して増大した。以下の各実施例で、これら及び追加的な知見を更に拡張し解明する。
【実施例1】
【0132】
高脂血症チャイニーズ・ハムスターのコレステロール、トリグリセリド及びLDLタンパクの各値に及ぼすベルベリンの効果
治療の2週間前に、国立ワクチン血清研究所(National Institute of Vaccine and Serum Research)(中国、北京)から購入したメスのチャイニーズ・ハムスターの食餌を高脂肪・高コレステロール食(10%ラード、10%卵黄粉末及び1%コレステロール)に切り替えた。2週間後、14匹のハムスターの各群に、腹腔内注射による10mg/kg/日ベルベリン、腹腔内注射による20mg/kg/日ベルベリン、経口投与による50mg/kg/日及び100mg/kg/日ベルベリン、又は生理食塩水のいずれかを10日間投与した。治療開始前、治療期間中、及び治療後の4時間絶食後に、血清コレステロール、トリグリセリド及びLDLの各値を測定した。前記処置の4時間後、前記動物を絶命させ、分析用に肝臓を摘出した。
【0133】
表3に示すように、ベルベリンは全ての処置群個体においてコレステロール、トリグリセリド及びLDLタンパクの各値を低減させた。10日間の処置を経て、50/mg/kg/日のベルベリン投与ではLDLが26%低下し、100mg/kg/日の投与ではLDLが42%低下した。血清LDLの減少は5日目までに観察され、双方の投与量共に7日目までには顕著化した(図5)。
【0134】
表3:高脂血症チャイニーズ・ハムスターにおけるベルベリンの脂質低減効果
【0135】
【表3】

*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001(対照群との比較)
【0136】
治療終了時、各群の3個体を絶命させ、肝臓LDLR mRNA及びタンパク発現量を定量的リアルタイムRT−PCR及びウェスタン・ブロット解析法で調べた。リアルタイムRT−PCRでは、ランダム・プライマーとSuperscript IIを用いた逆転写を1μgの全RNAの存在下、ABI Prism 7900−HT配列検出システム及びユニバーサルMasterMix(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems),カリフォルニア州フォスター・シティ)を用い、42°Cで30分間行った。LDLR及びGAPD mRNAの各発現値は、開発済みのヒトLDLR及びGAPDのTaqMan分析試薬(アプライド・バイオシステムズ社)を用いて決定した。図6から判るように、ベルベリン治療を行ったハムスターの全個体において、LDLR mRNA及びタンパク値が投与量に依存して上昇した。ベルベリン100mg/kg/日を用いて治療したハムスターの肝臓では、mRNAが3.5倍、タンパクが2.6倍上昇した。
【実施例2】
【0137】
高脂血症のヒトに対するベルベリンの効果
ヒト高脂血症患者(男性52名、女性39名)をランダムに2つのグループに分け、0.5gのベルベリン塩酸塩(n=63)又はプラシーボ(n=28)のいずれかを1日2回、3ヶ月間投与した。3ヶ月後、コレステロール、トリグリセリド、HDL及びLDLの空腹時血清中濃度を、標準的な血中脂質試験法により測定した。肝機能及び腎機能も測定した。ベルベリン治療を受けた個体は、プラシーボ治療を受けた個体に比べてコレステロール、トリグリセリド及びLDLタンパク値が統計上有意に低く、ベルベリン塩酸塩により血清中のコレステロール値が18%(P<0.001)、トリグリセリド値が28%(P<0.001)、LDL値が20%(P<0.001)低下した。一部の治験参加者は結果に影響を与える可能性のある他の医薬品を服用していたため、ベルベリン治療前又は治療中に医薬品も特別食も処置されていない被験者のデータのみを用いて、前記結果を解析し直した。表4から解るように、ベルベリン塩酸塩のみを摂取した個体では、更に顕著に血清コレステロール値が29%(P< 0.0001)、トリグリセリドが35%(P<0.0001)、LDLが25%(P<0.0001)も減少した。ベルベリンは全ての被験者に良く許容され副作用は観察されなかったが、治療中、1名の被験者に軽度の便秘が現れたので、投与量を1日2回、0.25gに減じたところ軽快した。BBRは、腎機能(治療群及びプラシーボ群の被験者らのクレアチン、血中尿素窒素、及び総ビリルビンの測定から決定)を変化させることはなかったが、肝機能を実質的に改善し、アラニン・アミノトランスアミナーゼ、アスパルテート・アミノトランスアミナーゼ、及びガンマ−グルタミル・トランスペプチダーゼをそれぞれ約48%、36%、及び41%低減させた。プラシーボ群は、これらのパラメータに有意な変化を示さなかった。
【0138】
表4:高脂血症患者におけるベルベリンの脂質低減効果
【0139】
【表4】

aコレステロール、トリグリセリド、HDL−c、及びLDL−cのベースラインの統計的解析により、治療前のベルベリン群とプラシーボ群との間に有意な差は認められなかった(p>0.05)。***治療前群のベースラインとの比較では、P<0.0001(対応のあるt検定)。
【実施例3】
【0140】
LDLR発現に対するベルベリンの効果
Bel−7402細胞を0、0.5、1、2.5、5μg/mlのベルベリン又は2.5、7.5及び15μg/mlのベルベリン硫酸塩で処理した。続いて、前記細胞を遠心、洗浄し、LDLR mRNAを抽出した。走査型定量RT−PCRにより、LDLR mRNA値を測定した(図3(A)及び図3(B))。図3(A)及び図3(B)から解るように、ベルベリン処理及びベルベリン硫酸塩処理は投与量に依存してLDLR mRNA発現を増大させ、5μg/mlのベルベリンでLDLR mRNA発現は2.3倍に増大した。また、ベルベリンはBEL−7402細胞表面のLDLRタンパク発現を増大させた。
【0141】
EDTAを含む細胞剥離用緩衝液で5μg/mlのベルベリンで処理したBel−7402細胞を剥離し、洗浄し、FACS溶液(0.5%BSA及び0.02%ナトリウムアジドを含むPBS)中に細胞濃度1×10個/mlにて再懸濁させた。続いて、細胞をLDLRのモノクロナール抗体(サンタ・クルーズ・バイオテクノロジー社(Santa Cruz Biotechnology, Inc.)、カリフォルニア州サンタ・クルーズ)と共に最終希釈濃度1:50にてインキュベートし、室温に1時間放置した。続いて、前記細胞をアイソタイプが適合した(isotope matched)対照用の非特異的マウスIgGと反応させ、非特異的染色を行った。続いて、前記細胞を洗浄し、マウスIgGに対するFITC複合化ヤギ抗体(サンタ・クルーズ・バイオテクノロジー社、カリフォルニア州サンタ・クルーズ、1:100希釈)で染色し、蛍光強度をFACS(FACSort、ベクトン・ディッキンソン社、ニュージャージー州フランクリン・レイクス)により解析した。図4からわかるように、ベルベリンは細胞表面のLDLRタンパク発現を4倍に増加させた。
【0142】
以上の研究結果は、ベルベリンの血清脂質低減効果がLDLR発現の増加を介して現れていることを実証している。
【実施例4】
【0143】
ラットの血清脂質値を低下させるためのベルベリンとシンバスタチンとの併用
ラットを高コレステロール(HFHC)食で10日間飼育した後、7グループに分けた。続いて、ラットにベルベリン、又はシンバスタチン、又はベルベリンとシンバスタチンとの組合せを25日間経口投与した。25日間経過後、血清コレステロール、トリグリセリド及びLDL−c値を測定した。表5からわかるように、ベルベリンによる治療はラットのコレステロール、トリグリセリド及びLDL−cの各値を低下させ、又、トリグリセリド及びLDL−cの各値の低減に関してはシンバスタチンよりも効果的であった。シンバスタチンとベルベリンとの組合せは、いずれかを単独で用いるよりもコレステロール、トリグリセリド及びLDL−cの各値をより一層低下させた。
【0144】
表5:ラットにおけるベルベリンとシンバスタチンの併用治療
【0145】
【表5】

【0146】
25日後、血中総コレステロール、トリグリセリド及びLDL−cの各値を調べた。表中の結果は、平均±標準偏差である。
【実施例5】
【0147】
ベルベリンを用いたLDLR mRNAmの安定性向上
HepG2細胞をベルベリン塩酸塩又は陽性対照としてのGW707のいずれかと共に8時間培養した。未処理の細胞から可溶化した全細胞可溶化物、又はベルベリン又はGW707のいずれかで処理した細胞を回収し、ウェスタン・ブロット法で解析した。図7に示すように、GW70はSREB−2の成熟型の量を実質的に増加させたのに対し、ベルベリンは効果を示さなかった。これらのデータは、スタチン系薬剤が用いた機構とは異なる機構で、ベルベリンが効果的にLDLR発現を増大させ、これにより更に、この新規な薬物とその関連及び誘導化合物が、他の公知の抗高脂血症薬にみられる副作用を最小限に抑えた、有用な抗高脂血症製剤及び方法を提供できることを示している。
【実施例6】
【0148】
スタチン系薬剤存在下のベルベリンの機能
HepG2細胞をLPDS培地中で培養し、続いて未処理とするか、ベルベリンの存在下又は非存在下で24時間、0.5及び1μMの各濃度のロバスタチンで処理を行うか、又はベルベリン単独で処理を行うか、のいずれかとした。図8からわかるように、ベルベリン及びロバスタチンはLDLR mRNA発現に対して相加的な刺激効果を示し、このデータは本明細書に述べた前記新規な併用製剤及び協動的治療法の汎用性を示している。
【実施例7】
【0149】
LDLRプロモーター活性の分析
SRE−1モチーフとLDLR遺伝子のサイトカイン・オンコスタチンM誘発性の転写を仲介するステロール非依存型の調節エレメントとを含むレポーター・コンストラクト、pLDLR234LucをHepG2細胞にトランスフェクションした。トランスフェクション後、細胞を0.5%リポタンパク欠乏胎児ウシ血清(LPDS)中、又はLPDSとコレステロールの培地で培養し、その後ベルベリン、GW707又はオンコスタチンMを用いて8時間の処理を行った。図9からわかるように、双方の培養条件下で、LDLRプロモーター活性はGW707及びオンコスタチンMによって大幅に増強された。ベルベリンは効果を示さず、この化合物が抗高脂血症薬活性を有する他の公知の医薬品とは異なるLDLR調節機構を介して作用することが示された。
【実施例8】
【0150】
ベルベリンによるによるLDLR mRNAの安定化
HepG2細胞を培養し、そのまま放置するか、又は15時間のベルベリン処理を行った。15時間後に、0、20、40、60、90、120、又は150分の時点で細胞にアクチノマイシンD(5μg/ml)を添加した。全mRNAを単離し、ノーザン・ブロット法でLDLR mRNA量を分析した。図10からわかるように、ベルベリンはLDLR転写のターンオーバー速度を約3倍に延長した。これに対し、HMG−CoAレダクターゼのmRNA安定性は、ベルベリンで変化しなかった。
【実施例9】
【0151】
HepG2細胞のトランスフェクション
サイトメガロウィルス・プロモーター由来のLucプラスミド(pLuc)のLucコード化配列の3’末端側であってSV40ポリアデニル化シグナルの前に、LDLR 3’UTRの3連続フラグメントを挿入した。Luc cDNAをpcDNA3.1/Zeo(+)のHindIII及びXbaサイトに挿入することにより、野生型Lucレポータープラスミドを構築した。LDLR 3/UTRの追加は、XbaIテイルを持つプライマー及びテンプレートであるpLDLR3を用い、LDLR mRNAの2.5kb 3’UTRの異なる部位をPCR増幅することにより行った。前記野生型のpLuc及びキメラ・プラスミドpLuc−UTR−2、UTR−3及びUTR−4をHepG2細胞にトランスフェクションした(図11)。培養皿に接種した細胞に、前記キメラ・プラスミドをトランジェントにトランスフェクションした。トランスフェクションから24時間後に、細胞にトリプシン処理を行い、各プラスミド・トランスフェクションにつき2枚の皿に均等に接種した。一晩インキュベートした後、一方の皿には溶媒コントロールとしてジメチルスルホキシド処理を行い、他方の皿には8時間のベルベリン処理を行った。Luc−LDLR融合転写産物の存在を検出するために、5’プライマーLuc−2up(5’−GCTGGAGAGCAACTGCARAAGGC−3’)(配列番号1)及び3’プライマーLuc−2lo(5’−GCAGACCAGTAGATCCAGAGG−3’)(配列番号2)を用い、pGL3−ベーシックをテンプレートとして用いてPCR反応を行い、Lucコード化領域の550塩基対フラグメントを増幅した。前記PCRフラグメントを32Pでラベルしてノーザン・ブロット解析に供し、Luc mRNAとLuc−LDLR 3’UTRのキメラ融合の発現を測定した。図12からわかるように、UTR−2及びUTR−3配列の導入によりLuc mRNAの発現値が約3〜4倍減少し、これらのグループ内に不安定化要因が存在することが示されたが、Luc mRNA値はUTR−4との融合によって僅かに減少しただけであった。ベルベリンは、LucUTR−3及びLuc−UTR−4又は野生型の発現に影響を与えることなく、Luc−UTR−2 mRNAのレベルを2.5倍増加させた。このことは、ベルベリンが非相同的なLuc−LDLR転写産物のmRNA安定性に影響を及ぼしていること、及び、この安定化はLDLR 3’UTR(nt 2677−3582)の5’基部に存在する調節配列を介して行われていることを示す。
【実施例10】
【0152】
ベルベリンを介したLDLR mRNAの安定化におけるARE及びUCAUモチーフの役割の決定
ARE欠失コンストラクトを作成するため、pLuc/UTR−2をテンプレートとして用いる部位特異的変異誘発により、ARE3欠失用にnt3,384のApa作用部位を生成し、ARE2欠失用にnt3,334のApa1作用部位を生成した。変異プラスミドをApa1で切断してARE含有領域を除去し、残ったベクターをUTR−2の5’基部と再ライゲートした。UCAUモチーフ欠失を生じさせるために、UTR−2をテンプレートとして用い、nt3,062〜3,324を内部欠失させるための2ヶ所のSacII切断部位を生成した。全てのコンストラクトの配列を決定し、正しいクローンを更に増殖させ、プラスミドDNAを単離した。これらのコンストラクトと前記ベルベリン応答性野生型コンストラクトとをHepG2細胞にトランスフェクションした。前記キメラLuc転写産物に対するベルベリンの効果を、定量リアルタイムRT−PCR解析でLuc mRNAを測定することにより決定した。前記ARE3領域が欠失するとベルベリン刺激が部分的に失われ、ARE3及びARE2の双方が欠失すると前記コンストラクトはベルベリンに応答しなくなった。Luc転写産物に対するベルベリンの安定化効果は、UCAUモチーフの欠失によっても消失した(図13)。
【実施例11】
【0153】
ベルベリンによるMEK1−ERK経路の活性化
HepG2又はBel−7402細胞にそれぞれにそれぞれ0.25、0.5、0.75、1、2、8、及び24時間のベルベリン処理を施し、活性型(ホスホリル化)ERKのみを認識する抗体を用いたウェスタン・ブロッティング解析により活性型ERKのレベルを検査した。両方の肝ガン細胞株において、ベルベリンはERKを速やかに活性化し、ERK活性化の前記カイネティクスはベルベリンによるLDLR発現のアップレギュレーションに先立って生じた(図14A及びB)。ベルベリンによるこの活性化は投与量に依存する(図14C)。これらのデータは、ベルベリンを介したLDLR転写産物の安定化においてERK経路の活性化が必須イベントであることを示している。
【実施例12】
【0154】
ベルベリンの薬物動態
健康なヒト志願者に300mgのベルベリンを経口投与した。投与から0.5、1、2、3、4、5、7、12及び24時間後に血液サンプルを採取し、HPLCによりベルベリン濃度を評価した。血中濃度曲線を3P87薬物動態ソフトウェア・プログラム(中国薬理学会(Chinese Pharmacological Association, China))を用いて解析した。1分画モデルを用いたメジアン薬物動態パラメータの算出値は以下のとおり。ピーク時間Tpeaking=2.37時間、ピーク濃度Cmax=394.7ηg/ml、消失半減期T1/2=2.91時間、曲線下面積AUC=2799.0μg/L h、クリアランス速度CL=130.5L/h。平均薬物滞留時間は32.63時間であった。
【0155】
これと平行した動物モデル実験において、4頭のイヌ(ビーグル種)被験体に45mg/kgのベルベリンを経口投与した。投与2及び3時間後に、前記薬物の血清濃度をHPLCにより決定した。前記濃度が検出限界である10ηg/mlを下回ったことを示唆する明白なスペクトル・ピークは検出されなかった。280mg/kgのベルベリンを投与したある1頭においては、投与2時間後の濃度が31.4ηg/ml、3時間後の濃度が22.6ηg/mlであった。前記ベルベリンを系外へクリアした後、同じイヌに700mg/kgのベルベリンを投与し、投与2、3、5、7、9及び24時間後に血液サンプルを採取したところ、濃度はそれぞれ21.51、44.89、49.54、36.35、27.83、及び16.01ηg/mlであった。
【0156】
ビーグル犬4頭に100mg/kgのベルベリンを静脈注射した。2分画モデルを用いた薬物動態パラメータの算出値は以下のとおり。消失半減期T1/2B=12.59±8.83時間、曲線下面積AUC=1979.31±1140.31μg/h.L、血液クリアランス速度CL=60.70±24.38L/h。
【0157】
更に、これと平行した動物モデル実験において、3H−ベルベリンを5匹のウサギに静脈注射し(25MBq/kg)、また4匹のウサギに静脈内点滴投与した(46.25Mbq/kg)。さまざまな時点で血液0.1mlを採取し、放射能を測定した。両群の薬物動態パラメータの算出値は以下のとおり。T1/2αは各々1.41±0.16時間、1.03±0.11時間、T1/2βは各々35.3±1.3時間、35.8±2.0時間、Vdは各々20±3L/kg及び22.1±1.7L/kg。
【0158】
6匹のウサギに50mg/kgのベルベリンを胃注入により投与した。投与後の様々な時点で血清サンプルを採取し、RP−HPLCを用いて薬物濃度を測定した。前記薬剤の血中濃度−時間データを、3P87薬物動態ソフトウェア・プログラム(中国薬理学会(Chinese Pharmacological Association、China))を用いて解析した。自動フィッティングにより、ウサギ・ベルベリン薬物動態モデルが1分画オープン・モデルに一致していることがわかった。主な薬物動態パラメータは以下のとおり。ピーク時間Tpeak=0.63±0.25時間、ピーク濃度Cmax=92.72±50.89ηg/ml、消失半減期T1/2β=3.11±0.58時間、曲線下面積AUC=491.7±295.5μgh/L。これらの結果は、ベルベリンが速やかに吸収され、有効濃度に達することを示している。
【0159】
in vitro透析により、ウサギ血中タンパク結合速度を38±3%(XD±S、n=6)と測定した。
【0160】
更に別のモデル検討において、マウスの尾静脈に3H−ベルベリン(135LBq/10g)を注射した。組織の放射能を投与5分後から2時間後までにわたり測定したところ、ベルベリン濃度分布は高い方から低い方へ、肺>肝臓>腎臓>脾臓>心臓>腸>胃>脳の順となった。
【0161】
動物モデル実験の最終シリーズでは、ラットに3H−ベルベリンを経口投与した。投与48時間後に、排泄物についてベルベリンの有無を調べた。経口投与量の2.7%が尿中に観測され、経口投与量の86%が便中に観測された。
【0162】
ラットにベルベリン(9.25MBq/kg)を静脈内投与した。6日分のラットの尿と便分泌物を集め、ベルベリンの有無を調べた。前記ベルベリンの静脈内投与量の73%が、代謝型及び未代謝型の両方の形で蓄積尿中に観測された。静脈内投与量の10.9%は便中に観測された。
【0163】
ラット3匹にベルベリン(9.25MBq/kg)を静脈内投与した。24時間後に胆嚢分泌物を集め、ベルベリンの有無を評価した。前記胆嚢分泌物中には、10.1±0.9%(x±SD、n=3)のベルベリンが認められた。
【実施例13】
【0164】
ベルベリンの毒性分析
ラット及びマウスに、経口、皮下注射、腹腔内注射及び静脈注射を含む様々な手法でベルベリンを投与した。
【0165】
ラットでは、LD50>15000mg/kgの経口投与で毒性が現れた。皮下注射による毒性はLD507970〜10690mg/kgであった。腹腔内注射による毒性はLD50=138.1〜146.2mg/kgであり、ベルベリンを静脈注射した場合はLD5046.2〜63.3mg/kgであった。
【0166】
マウスでは、経口投与で現れる毒性のLD50は29586〜4500mg/kgより上であった。皮下注射による毒性のD50はL13.9〜20mg/kgであった。腹腔内注射による毒性のLD50は30〜32.2mg/kgであり、静脈注射でのLD50は7.6〜10.2mg/kgであった。
【0167】
長期毒性を調べるため、ラットに300mg/kgのベルベリンを182日間にわたり経口投与した。血液検査、血液生化学的検査、尿分析又は組織病理学検査で異常は認められなかった。
【0168】
催奇性を評価するため、妊娠中のマウスに妊娠7日目から7日間、1日投与量30〜480mg/kgの範囲でベルベリンを経口投与した。ラットには、妊娠9日目から7日間、ベルベリンを投与した。明白な先天異常は認められなかった。
【実施例14】
【0169】
ベルベリンとロバスタチンを用いたコンビナトリアル治療の例
上述の知見にもとづき、式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物をある例示的な二次的抗高脂血症薬と組み合わせて用いるコンビナトリアル薬物治療を、ラットをモデル被験体とし、ベルベリンと、例示的なスタチン系薬剤としてロバスタチンとを用いて実証した。本実験の手順は前述の実施例における手順と同様であり、結果を以下の表6に示す。
【0170】
表6 協動的治療法におけるベルベリンとロバスタチンのコンビナトリアル抗高脂血症薬の有効性
コレステロールとLDL濃度の単位はmモル/L










【0171】
【表6】

第0日目は未処置のラットを表す。
第15日目は15日間の処置を行ったラットを表す。
【0172】
上記のデータは、協動的治療プロトコルにおいて二次的抗高脂血症薬と併用した例示的なベルベリン化合物のコンビナトリアルな有効性を示し、前述の知見と一致している。
【0173】
以上、明快な理解を目的として本発明を実施例にもとづき詳細に説明したが、ある種の変更や改良が、限定ではなく例示によって示される添付の請求の範囲に含まれることは、当業者にとって自明である。この意味において、上述の開示では様々な出版物その他の参照文献を引用して、説明を省いている。これらの参照文献の各々は、あらゆる目的のために引用により本明細書にその全文が取り込まれる。但し、本明細書で論ずる様々な文献は、本願の出願日以前の開示内容に限って取り込まれ、本発明者らは先発明であるとしてかかる開示より以前であると主張する権利を保留する。
【0174】
文献リスト
(下記の文献に含まれる開示内容及び記述の全ては、あらゆる目的において引用により本明細書に包括的に取り込まれる。)
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【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】LDL受容体遺伝子のプロモーター領域の図である。
【図2】ベルベリンによる制御も含めてLDL受容体遺伝子発現の細胞内調節を示す模式図である。
【図3】ベルベリン(A)又はベルベリン硫酸塩(B)により処理を行ってから24時間後のヒト肝BEL−7402細胞のLDLR mRNA値の定量的RT−PCR産物の電気泳動図である。
【図4】ベルベリン15μg/ml投与24時間後のBEL−7402細胞表面に発現するLDLRのタンパク濃度のフローサイトメトリーによる測定結果のグラフである。
【図5】ベルベリン治療後のハムスターにおける血清コレステロール(A)及びLDL(B)の減少、及び時間の関数(C)としてのLDLの減少を示すグラフである。
【図6】定量リアルタイムRT−PCR(A)及びウェスタン・ブロット法(B)により測定した、ベルベリンの最終投与4時間後に絶命させたハムスターの全LDLR mRNA及びタンパク抽出物の濃度を示すグラフ及び電気泳動図である。
【図7】HepG2細胞のSREBP2にモノクロナール抗体を作用させた場合のSREBP2の前駆体(P)及び成熟体(M)の濃度を示すウェスタン・ブロット解析結果の図である。
【図8】ロバスタチン(Lov)単独又はベルベリン(BBR)との組合せのいずれかにより24時間処理したHepG2細胞におけるLDLR発現を示すノーザン・ブロット(A)の図と、同じ細胞のリアルタイムRT−PCR(B)産物の電気泳動図である。
【図9】GW707及びオンコスタチンMの存在下におけるLDLRプロモータ活性を示すグラフである。
【図10】異なるアクチノマイシンD存在下においてベルベリン処理を行ったHepG2細胞中のLDLR mRNA濃度を示すノーザン・ブロット図(A)と、残余LDLR mRNAのパーセンテージとして表した規格化LDLR mRNA信号のプロット(B)である。
【図11】LDLR mRNA3’UTR及びキメラLuc−LDLR3’UTRコンストラクトの模式図である。
【図12】対照用細胞(A)、及びベルベリン又は対照用としてのジメチルスルホキシドで処理した細胞(B)のノーザン・ブロット解析図である。
【図13】ARE及びUCAUモチーフが欠失したコンストラクトの模式図(A)と、リアルタイムRT−PCR解析により決定した、ベルベリン処理に対するwt pLuc/UTR−2及び欠失コンストラクトの応答を示すグラフ(B)である。
【図14】ベルベリン処理を行わない、又は5μg/mlの投与量にて表記の様々なレベルでベルベリン処理を行ったBel−7402細胞(A)又はHepG2細胞(B)から回収した細胞タンパクのウェスタン・ブロットと、表記の濃度で1時間処理したHepG2細胞(C)のウェスタン・ブロットとの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類被験体の高脂血症を予防又は治療する方法であって、
式I
【化1】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかの抗高脂血症有効量を哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体の高脂血症を予防又は治療する方法。
【請求項2】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され;RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む、直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され;R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され;R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む、直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキルから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被験体における高脂血症又は他の心臓血管疾患又は関連症状又はその状態を治療又は予防するために、前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を用いる併用製剤又は協動的治療法に有効な二次的抗高脂血症薬又は他の補助的治療薬を投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記被験体への前記ベルベリンの投与と同時か、投与前か、あるいは、投与後かに、協動的投与プロトコルにおいて前記被験体に二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬が投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬は、コレステロール取込み阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又はスタチン系薬剤を含むコレステロール生合成阻害剤と、HMG−CoAシンターゼ阻害剤と、スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤及びスクアレン・シンセターゼ阻害剤と、メリナミドを含むアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤と、プロブコールと、ニコチン酸及びその塩と、ナイアシンアミドと、β−シトステロール及びエゼチミブを含むコレステロール吸収阻害剤と、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体を含む胆汁酸捕捉剤陰イオン交換樹脂と、LDL受容体誘導物質と、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジルを含むフィブラート類と、ビタミンB6及び薬剤として許容されるその塩と、シアノコバラミン及びヒドロキソコバラミンを含むビタミンB12;ビタミンB3と、ビタミンC、ビタミンE、及びベータカロテンを含む抗酸化ビタミン類と、β遮断薬;アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬と、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤と、フィブリノゲン受容体拮抗薬を含む血小板凝集阻害剤と、エストロゲンを含むホルモン類と、インシュリンと、イオン交換樹脂と、オメガ3オイル類と、ベンフルオレックスと、イコサペント酸エチルと、アムロジピンとからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はスタチン系薬剤又はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記スタチン系薬剤又はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、又はアトルバスタチンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はコレステロール取込み阻害剤又はコレステロール生合成阻害剤である、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記アシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤は、メリナミド又はプロブコールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はコレステロール吸収阻害剤である、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記コレステロール吸収阻害剤はβ−シトステロール又はエゼチミブである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬は陰イオン交換樹脂である、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記陰イオン交換樹脂は、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム又はジアルキルアミノアルキル誘導体である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はフィブラート系薬剤である、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記フィブラート系薬剤は、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート又はゲムフィブロジルである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被験体に運動、食事制限、又は手術からなる群より選択される追加的な治療処置を受けるよう助言するか又は受けさせることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はハーブ由来製品又はエキスである、請求項3に記載の方法。
【請求項19】
前記ハーブ由来製品又はエキスは、クルクミン、ググリピッド、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、魚油、緑茶、カルニチン、クロム コエンザムQ10、ビタミンC、ベータカロテン、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米、及びロイヤルゼリーからなる群より得られるか又は選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
哺乳類被験体において高脂血症に起因する心臓血管疾患の1つまたは2つ以上の症状又は状態を予防又は治療する方法であって、
式I

の抗高脂血症有効量のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体において高脂血症に起因する心臓血管疾患の1つまたは2つ以上の症状又は状態を予防又は治療する方法。
【請求項21】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシ基ル、又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキルから選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキルから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記心臓血管疾患の1つまたは2つ以上の症状又は状態は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、卒中、脳動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、高血圧、間欠性跛行、脂質代謝異常、食後高脂血症又は黄色腫を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記抗高脂血症有効量は1日当たり約10ないし約1500mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記抗高脂血症有効量は1日当たり約20ないし約1000mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記抗高脂血症有効量は、1日当たり約25ないし約750mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記抗高脂血症有効量は、1日当たり約50〜約500mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記抗高脂血症有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を1日に1回、2回、3回又は4回投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体の総コレステロールを約200mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体の総コレステロールを約175mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記ベルベリンの投与は前記被験体のLDL濃度を約130mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のLDL濃度を約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のトリグリセリドを約150mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のトリグリセリドを約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は、前記被験体のhs−CRPを約2.0mg/Lに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は、前記被験体のhs−CRPを約0.5mg/Lないし約2.0mg/Lだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
心臓血管疾患を低減又は予防するために哺乳類被験体の高脂血症を管理する方法であって、
式I
【化2】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグの抗高脂血症有効量を哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13はそれぞれ独立に、集合的に、又は任意の組合せの形で、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、心臓血管疾患を低減又は予防するために哺乳類被験体の高脂血症を管理する方法。
【請求項37】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記方法は、前記被験体におけるアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、頸動脈疾患、脳卒中、脳動脈硬化症、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、バルーン血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、脂質代謝異常、食後高脂血症、及び黄色腫から選択される1つまたは2つ以上の症状、疾患又は状態を低減又は予防する効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記高脂血症は前記被験体における一次又は二次的高脂血症に随伴する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記高脂血症は、前記被験体における家族性高カイロミクロン血症、家族性コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性III型高脂血症、家族性高トリグリセリド血症、家族性アポリポタンパクB−100欠損症、糖尿病、甲状腺機能低下症、尿毒症、ネフローゼ症候群、先端巨大症、閉塞性肝疾患又はタンパク異常血症に随伴する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記高脂血症は、前記被験体による過去又は現在の経口避妊薬、グルココルチコイド又は降圧薬の使用に随伴する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記高脂血症は前記被験体の好ましくない食習慣に随伴する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体の総コレステロールを約200mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体の総コレステロールを約175mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のLDL濃度を約130mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のLDL濃度を約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のトリグリセリドを約150mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項48】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のトリグリセリドを約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のhs−CRPを約2.0mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のhs−CRPを約0.5mg/Lないし約2.0mg/Lだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
哺乳類被験体において心臓血管疾患の1つまたは2つ以上の症状を治療する方法であって、
有効量の式I
【化3】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体において心臓血管疾患の1つまたは2つ以上の症状を治療する方法。
【請求項52】
前記Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、又はメトキシから選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1〜C6)アルキルから選択され、Rはメチル基、エチル、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記1つまたは2つ以上の症状は、息切れ、胸痛、下肢痛、疲労、錯乱、視力変化、血尿、鼻血、不整脈、平衡感覚喪失又は協調、脱力感及び/又はめまいを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
哺乳類被験体において高脂血症を予防又は緩和する組成物であって、
抗高脂血症有効量の式I
【化4】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを含み、
式Iは、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、組成物。
【請求項55】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキルから選択される、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、又はベルベリン・ベタインである、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
哺乳類被験体において高脂血症を治療又は予防する組成物であって、
抗高脂血症有効量の式I
【化5】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグと、心臓血管疾患の治療に有効な二次的抗高脂血症薬又は他の補助的治療薬とを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体において高脂血症を治療又は予防する組成物。
【請求項58】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬は、コレステロール取込み阻害剤と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又はスタチン系薬剤を含むコレステロール生合成阻害剤と、HMG−CoA シンターゼ阻害剤と、スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤及びスクアレン・シンセターゼ阻害剤と、メリナミドを含むアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤と、プロブコール;ニコチン酸及びその塩と、ナイアシンアミドと、β−シトステロール及びエゼチミブを含むコレステロール吸収阻害剤と、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体を含む胆汁酸捕捉剤陰イオン交換樹脂と、LDL受容体誘導物質と、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジルを含むフィブラート類と、ビタミンB6及び薬剤として許容されるその塩と、シアノコバラミン及びヒドロキソコバラミンを含むビタミンB12と、ビタミンB3と、ビタミンC、ビタミンE、及びベータカロテンを含む抗酸化ビタミン類と、β遮断薬と、アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬と、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤;フィブリノゲン受容体拮抗薬を含む血小板凝集阻害剤と、エストロゲンを含むホルモン類と、インシュリンと、イオン交換樹脂と、オメガ3オイル類と、ベンフルオレックスと、イコサペント酸エチルと、アムロジピンとからなる群より選択される、請求項57に記載の組成物。
【請求項60】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はスタチン系薬剤又はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤である、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記スタチン系薬剤又はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン又はアトルバスタチンである、請求項60に記載の組成物。
【請求項62】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はコレステロール取込み阻害剤又はコレステロール生合成阻害剤である、請求項57に記載の組成物。
【請求項63】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はアシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤である、請求項57に記載の組成物。
【請求項64】
前記アシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤はメリナミド又はプロブコールである、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はコレステロール吸収阻害剤である、請求項57に記載の組成物。
【請求項66】
前記コレステロール吸収阻害剤はβ−シトステロール又はエゼチミブである、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬は陰イオン交換樹脂である、請求項57に記載の組成物。
【請求項68】
前記陰イオン交換樹脂は、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム又はジアルキルアミノアルキル誘導体である、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はフィブラート系薬剤である、請求項57に記載の組成物。
【請求項70】
前記フィブラート系薬剤は、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート又はゲムフィブロジルである、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記二次的抗高脂血症薬又は補助的治療薬はハーブ由来製品又はエキスである、請求項57に記載の組成物。
【請求項72】
前記ハーブ由来製品又はエキスはクルクミン、ググリピッド、ニンニク、ビタミンE、大豆、可溶性繊維、魚油、緑茶、カルニチン、クロム、コエンザムQ10、ビタミンC、ベータカロテン、ブドウ種子エキス、パンテチン、紅麹米及びロイヤルゼリーからなる群より得られるか又は選択される、請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
前記ベルベリンは前記被験体の総コレステロールを約200mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の組成物。
【請求項74】
前記ベルベリンは前記被験体の総コレステロールを約175mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の組成物。
【請求項75】
前記ベルベリンの投与は前記被験体のLDL濃度を約130mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の方法。
【請求項76】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は、前記被験体のLDL濃度を約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の方法。
【請求項77】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のトリグリセリドを約150mg/dLに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項53に記載の組成物。
【請求項78】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は、前記被験体のトリグリセリドを約20mg/dLないし約50mg/dLだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の組成物。
【請求項79】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物の投与は前記被験体のhs−CRPを約2.0mg/Lに低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の組成物。
【請求項80】
前記有効量の式Iのベルベリンの投与は前記被験体のhs−CRPを約0.5mg/Lないし約2.0mg/Lだけ低下させる抗高脂血症効果を奏する、請求項57に記載の組成物。
【請求項81】
哺乳類被験体におけるLDLR発現を調節する方法であって、
有効量の式I
【化6】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグと、心臓血管疾患の治療に有効な二次的抗高脂血症薬又は他の補助的治療薬とを含む組成物を哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体におけるLDLR発現を調節する方法。
【請求項82】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記哺乳類被験体は、哺乳類細胞又は培養細胞か、哺乳類組織又は組織移植片か、哺乳類臓器又は臓器移植片か、哺乳類個体かから選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
LDLR増加有効量のベルベリンか、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを含む、哺乳類被験体におけるLDLR発現を増加させる組成物。
【請求項85】
哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR発現を増加させる組成物であって、
LDLR有効量の式I
【化7】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR発現を増加させる組成物。
【請求項86】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシから選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド及びベルベリン・ベタインからなる群より選択される、請求項85に記載の組成物。
【請求項88】
哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR安定性を増大させる方法であって、
有効量の式I
【化8】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環の各基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR安定性を増大させる方法。
【請求項89】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、及びベルベリン・ベタインからなる群より選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR安定性を増大させる組成物であって、
LDLR安定化量の式I
【化9】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類細胞、組織、臓器又は個体におけるLDLR安定性を増大させる組成物。
【請求項92】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され;、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物は、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリン N−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、及びベルベリン・ベタインからなる群より選択される、請求項91に記載の組成物。
【請求項94】
哺乳類細胞、組織、臓器又は個体から選択される哺乳類被験体におけるERK活性化を調節する方法であって、
ERK活性化調節有効量の式I
【化10】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを前記被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類被験体におけるERK活性化を調節する方法。
【請求項95】
前記Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され;Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記式Iのベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物かは、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン及び12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド、及びベルベリン・ベタインからなる群より選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
哺乳類細胞、組織、臓器又は個体から選択される哺乳類被験体におけるコレステロールを低減する方法であって、
コレステロール低減有効量の式I
【化11】

のベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物か、薬剤として許容されるその塩、異性体、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、結晶多形又はプロドラッグかを哺乳類被験体に投与することを含み、
式Iにおいて、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及び/又はR13は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、トリフルオロメチル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アリール基、アロイル基、アラルキル基、ニトリル基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシアルキル基、カルボキシ基、アルカノイルアミノ基、カルバモイル基、カルバミル基、カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及び複素環基からそれぞれ独立にか、集合的にかあるいはいずれかの組合せかで選択される、哺乳類細胞、組織、臓器又は個体から選択される哺乳類被験体におけるコレステロールを低減する方法。
【請求項98】
はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、RはH、メチル基、エチル基、メテン基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基又はメトキシ基から選択され、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択され、Rはメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R10はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R11はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R12はメチル基、エチル基、ヒドロキシル基、Cl、Brから選択され、R13はメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル基及び1−メチル−2−エチルプロピル基から選択される置換基を含む直鎖状又は分枝状の(C1−C6)アルキル基から選択される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記式Iのベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物かは、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩酸塩、塩化ベルベリン、塩化パルマチン、オキシベルベリン、ジヒドロベルベリン、8−シアノジヒドロベルベリン、テトラヒドロベルベリンN−オキシド、テトラヒドロベルベリン、ヨウ化N−メチルテトラヒドロベルベリン、6−プロトベルベリン、9−エトキシカルボニルベルベリン、9−N,N−ジメチルカルバモイルベルベリン、12−ブロモベルベリン、ベルベリンアジド及びベルベリン・ベタインからなる群より選択される、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
第2のコレステロール低減薬を前記被験体に投与することを更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記第2のコレステロール低減薬は前記ベルベリンとの複合製剤として前記被験体に投与される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記第2のコレステロール低減薬は、前記被験体への前記ベルベリンの投与と同時か、投与前か、投与後かに、協動的投与プロトコルにおいて前記被験体に投与される、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記第2のコレステロール低減薬は、血漿HDL上昇薬、コレステロール生合成阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HMG−CoA シンターゼ阻害剤、スクアレン・エポキシダーゼ阻害剤、スクアレン・シンセターゼ阻害剤、アシル−コエンザムAコレステロール・アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ナイアシンアミド、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸捕捉剤、陰イオン交換樹脂、ホルモン類、インシュリン、フィブラート系薬剤、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB3、抗酸化ビタミン類、β遮断薬、アンジオテンシンII受容体(AT)拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、レニン阻害剤、血小板凝集阻害剤、イオン交換樹脂、オメガ3オイル類、ベンフルオレックス又はコレステロール取込み阻害剤から選択される、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記コレステロール低減有効量は1日当たり約20mgないし約1500mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物かベルベリン関連又は誘導化合物かを含む、請求項100に記載の方法。
【請求項105】
前記コレステロール低減有効量は1日当たり約25mgないし約750mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項106】
前記コレステロール有効量は1日当たり約50mgないし約500mgの範囲の前記式Iのベルベリン化合物又はベルベリン関連又は誘導化合物を含む、請求項100に記載の方法。
【請求項107】
前記コレステロール低減有効量の前記式Iのベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物かを1日に1回、2回、3回、又は4回投与する、請求項100に記載の方法。
【請求項108】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物かの投与は前記被験体の総コレステロールを約200mg/dLに低下させる効果を奏する、請求項100に記載の方法。
【請求項109】
前記有効量の前記式Iのベルベリン化合物か、ベルベリン関連又は誘導化合物かの投与は前記被験体の総コレステロールを約175mg/dLに低下させる効果を奏する、請求項100に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−513382(P2008−513382A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531572(P2007−531572)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/CN2005/001489
【国際公開番号】WO2006/029577
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507087395)インスティチュート オブ メディシナル バイオテクノロジー、 チャイニーズ アカデミー オブ メディカル サイエンシズ (1)
【Fターム(参考)】