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高血圧、炎症および他の疾患の治療のための可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害剤としてのピペリジニル、インドリル、ピリニジル、モルホリニルおよびベンズイミダゾリル尿素誘導体
説明

高血圧、炎症および他の疾患の治療のための可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害剤としてのピペリジニル、インドリル、ピリニジル、モルホリニルおよびベンズイミダゾリル尿素誘導体

式(I)の化合物が特許請求される。式中、R1はC1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリル(heterocyclyl)からなる群より選択されるメンバーであり;Y1は結合、C(R5)2、NR5およびOからなる群より選択され;Y2は結合、NR5およびOからなる群より選択され;R2、R3およびR5はそれぞれH、アルキルおよびCOR6からなる群より独立に選択され;Aは1から2つのR7置換基で置換されていてもよいヘテロシクリルであり;Lは直接結合、C1-C12アルキレン、C1-C12ヘテロアルキレン、C3-C6シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、-CO-、-SOm-および-Se-からなる群より選択され;R4は、H、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択される。化合物は、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)の阻害剤であり、高血圧、炎症、成人呼吸窮迫症候群;糖尿病合併症;末期腎疾患;レイノー症候群および関節炎の治療のために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2006年3月13日提出の米国特許仮出願第60/782,172号の恩典を主張し、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦政府助成による研究または開発の下に行われた発明に対する権利についての言明
国立衛生研究所から受けた契約ES02710およびHL078096に従って、米国政府は本発明に対する特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
エポキシドヒドロラーゼ(EH、EC 3.3.2.3)は、水付加によるエポキシドまたはアレーンオキシドの対応するジオールへの加水分解を触媒する(Oesch, F., et al., Xenobiotica 1973, 3, 305-340参照)。いくつかのEHは、ホルモン、化学療法剤、発癌物質、環境汚染物質、マイコトキシン、および他の有害な外来化合物を含む様々な化合物の代謝において重要な役割を果たす。
【0004】
EHには2つの詳しく研究されているものがあり、すなわちミクロソームエポキシドヒドロラーゼ(mEH)および可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)である。これらの酵素は非常に遠い関係で、細胞内に局在する位置が異なり、基質選択性は異なるが、部分的に重複している。可溶性およびミクロソームEHはいくつかの植物天然物を分解する際に互いに補完することが知られている(Hammock, B.D., et al., COMPREHENSIVE TOXICOLOGY. Oxford: Pergamon Press 1977, 283-305 and Fretland, A.J., et al., Chem. Biol. Intereract 2000, 129, 41-59参照)。
【0005】
sEHの主な役割は、アラキドン酸(Zeldin, D.C., et al., J. Biol. Chem. 1993, 268, 6402- 6407参照)、リノール酸(Moghaddam, M.F., et al., Nat. Med. 1997, 3, 562-567参照)、そのいくつかは内因性化学伝達物質である酸(Carroll, M.A., et al., Thorax 2000, 55, S13-16参照)の代謝を含む脂質エポキシドの代謝にある。アラキドン酸のエポキシド(エポキシエイコサトリエン酸、EET)ならびに他の脂質エポキシドおよびジオールは、公知の血圧のエフェクター(Capdevila, J.H., et al., J. Lipid. Res. 2000, 41, 163-181参照)、および血管透過性の調節物質(Oltman, C.L., et al., Circ Res. 1998, 83, 932-939参照)である。EETの血管拡張性は、カルシウム活性化カリウムチャネルの開放状態の確率上昇に関連し、血管平滑筋の過分極を引き起こす(Fisslthaler, B., et al., Nature 1999, 401, 493-497参照)。アラキドン酸のエポキシドのsEHによる加水分解はこの活性を減弱させる(Capdevila, J.H., et al., J. Lipid. Res. 2000, 41, 163-181参照)。EETのsEH加水分解は冠動脈内皮リン脂質へのそれらの取り込みも制御し、sEHによる内皮機能の制御を示唆している(Weintraub, N.L., et al., Am. J. Physiol. 1992, 277, H2098-2108参照)。最近、自然発症高血圧ラット(SHR)の選択的sEH阻害剤での治療がそれらの血圧を有意に低下させることが明らかにされている(Yu, Z., et al., Circ. Res. 2000, 87, 992-998参照)。加えて、雄ノックアウトsEHマウスは野生型マウスよりも有意に低い血圧を有すると主張された(Sinal, C.J., et al., J. Biol. Chem. 2000, 275, 40504-405010参照)が、その後の試験でC57bマウスへの戻し育種により20-HETEレベルが高まって血漿EETの増加を代償することが示された(Luria, A. et al., J. Biol. Chem. 2007, 282:2891-2898参照。
【0006】
EETは内皮細胞において抗炎症性も示している(Node, K., et al., Science 1999, 285, 1276-1279およびCampbell, W.B. Trends Pharmacol. Sci. 2000, 21, 125-127参照)。これに対して、エポキシ-リノール酸(ロイコトキシン)由来のジオールは膜透過性およびカルシウムホメオスタシスを混乱させ(Moghaddam, M.F., et al., Nat. Med. 1997, 3, 562-567参照)、これは酸化窒素シンターゼおよびエンドセリン-1によって調節される炎症を引き起こす(Ishizaki, T., et al., Am. J. Physiol. 1995, 269, L65-70およびIshizaki, T., et al., J. Appl. Physiol. 1995, 79, 1106-1611参照)。炎症および低酸素症に関連して報告されたマイクロモル濃度のロイコトキシン(Dudda, A., et al., Chem. Phys. Lipids 1996, 82, 39-51参照)は、インビトロでミトコンドリアの呼吸を抑制し(Sakai, T., et al., Am. J. Physiol. 1995, 269, L326-331参照)、インビボで哺乳動物の心肺毒性を引き起こす(Ishizaki, T., et al., Am. J. Physiol. 1995, 269, L65-70;Fukushima, A., et al., Cardiovasc. Res. 1988, 22, 213-218;およびIshizaki, T., et al., Am. J. Physiol. 1995, 268, L123-128参照)。ロイコトキシン毒性は多臓器不全を示唆する症状および急性呼吸不全症候群(ARDS)を呈する(Ozawa, T. et al., Am. Rev. Respir. Dis. 1988, 137, 535-540参照)。細胞および臓器モデルの両方で、ロイコトキシン仲介性毒性は、エポキシド加水分解に依存し(Moghaddam, M.F., et al., Nat. Med. 1997, 3, 562-567;Morisseau, C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 8849-8854;およびZheng, J., et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 2001, 25, 434-438参照)、炎症および血管透過性の制御におけるsEHの役割を示唆している。これらのエポキシ-脂肪酸の生物活性により、ビシナル-ジヒドロキシ-脂質生合成の阻害が治療的価値を有することが示唆され、sEHは有望な薬理学的標的となる。
【0007】
最近、1,3-二置換尿素、カーバメート、およびアミドがsEHの新しく強力で安定な阻害剤として報告された。米国特許第6,150,415参照。化合物192および686はこの型の阻害剤の代表的構造である(その中の図1)。これらの化合物は、精製組換えsEHと化学量論的に相互作用する、Ki値がナノモル濃度の競合的密接結合阻害剤である(Morisseau, C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 8849-8854参照)。X線結晶構造に基づき、尿素阻害剤は水素結合を確立し、阻害剤の尿素官能基とsEH活性部位の残基との間の塩橋を形成して、この酵素によるエポキシド開環の反応座標において遭遇する特性を模していることが示された(Argiriadi, M.A., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 10637-10642およびArgiriadi, M.A., et al., J. Biol. Chem. 2000, 275, 15265-15270参照)。これらの阻害剤はいくつかのインビトロおよびインビボモデルにおいてエポキシド加水分解を効率的に低減する(Yu, Z., et al., Circ. Res. 2000, 87, 992-998;Morisseau, C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 8849-8854;およびNewman, J.W., et al., Environ. Health Perspect. 2001, 109, 61-66参照)。これらの阻害剤に関連する高い活性にもかかわらず、同様またはさらに高い活性を有し、好ましくは製剤および送達を容易にするために、溶解性および/または薬動力学的性質が改善された化合物が必要とされている。
【0008】
本発明はそのような化合物ならびにそれらの使用法およびそれらを含む組成物を提供する。
【発明の開示】
【0009】
発明の概要
一つの局面において、本発明は可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害法であって、可溶性エポキシドヒドロラーゼを式(I)を有する化合物の阻害量と接触させる段階を含む方法を提供する。

【0010】
記号R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリル(heterocyclyl)からなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該環式部分は単環式または多環式である。一つの態様において、1から2つの置換基はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。一つの態様において、1から2つの置換基はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。
【0011】
記号Y1は結合、C(R5)2、NR5およびOからなる群より選択される。
【0012】
記号Y2は結合、NR5およびOからなる群より選択される。
【0013】
記号R2、R3およびR5はそれぞれH、C1-C8アルキルおよびCOR6からなる群より独立に選択される。
【0014】
記号Aは1から2つのR7置換基で置換されていてもよいヘテロシクリルである。
【0015】
記号Lは直接結合、C1-C12アルキレン、C1-C12ヘテロアルキレン、C3-C6シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、-CO-、-SOm-および-Se-からなる群より選択される。
【0016】
記号R4はH、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリル基はそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。一つの態様において、R4はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群より選択される。一つの態様において、R4はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0017】
記号R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、OH、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択される。
【0018】
記号R7はそれぞれハロ、ニトロ、C1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノ、ヒドロキシC1-C8アルキル、ハロC1-C8アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ、ハロC1-C8アルコキシ、チオC1-C8アルキル、アリール、アリールオキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルキル C1-C8アルキル、ヘテロアリール、アリールC1-C8アルキル、ヘテロアリールC1-C8アルキル、1から2つの二重結合を含むC2-C8アルケニル、1から2つの三重結合を含むC2-C8アルキニル、C4-C8アルカ(エン)(イン)イル(alk(en)(yn)yl)基、シアノ、ホルミル、C1-C8アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C8アルキルアミノカルボニル、C1-C8ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールC1-C8アルキルアミノカルボニル、ハロC1-C8アルコキシ、C2-C8アルケニルオキシ、C2-C8アルキニルオキシ、アリールC1-C8アルコキシ、アミノC1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノC1-C8アルキル、C1-C8ジアルキルアミノC1-C8アルキル、アリールアミノC1-C8アルキル、アミノ、C1-C8ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールC1-C8アルキルアミノ、C1-C8アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アジド、メルカプト、C1-C8アルキルチオ、アリールチオ、ハロC1-C8アルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、C1-C8アルキルスルフィニル、C1-C8アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、C1-C8アルキルアミノスルホニル、C1-C8ジアルキルアミノスルホニルおよびアリールアミノスルホニルからなる群より選択される。
【0019】
下付き文字nは0から1の整数である。
【0020】
下付き文字mは0から2の整数である。
【0021】
化合物は、塩、プロドラッグ、ソフトドラッグ、溶媒和物および水和物などの、そのすべての薬学的に許容される誘導体を含む。
【0022】
関連する局面において、本発明は、可溶性エポキシドヒドロラーゼによって調節される疾患の治療法であって、そのような治療を必要とする被験体に上記の式(I)から選択される式を有する化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。一つの局面において、有効量は治療上有効な量である。
【0023】
他の局面において、本発明は、被験体の腎劣化を軽減する方法であって、被験体に上記の式(I)の化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0024】
関連する局面において、本発明は、被験体の腎症の進行を阻害する方法であって、被験体に上記の式(I)の化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0025】
もう一つの局面において、本発明は、被験体の血圧を低下させる方法であって、被験体に上記の式(I)の化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0026】
関連する局面において、本発明は、被験体の血管平滑筋細胞の増殖を阻害する方法であって、被験体に上記の式(I)の化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0027】
もう一つの局面において、本発明は、被験体の閉塞性肺疾患(obstructive pulmonary disease)、間質性肺疾患、または喘息の進行を阻害する方法であって、被験体に上記の式(I)の化合物の有効量を投与する段階を含む方法を提供する。閉塞性肺疾患は、例えば、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、気腫、または慢性気管支炎でありうる。間質性肺疾患は、例えば、特発性肺線維症、または粉塵への職業的曝露に関連するものでありうる。
【0028】
さらにもう一つの局面において、本発明は、上記の式(I)を有する化合物、ならびに一つまたは複数の本発明の化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0029】
発明の詳細な説明
略語および定義
「シス-エポキシエイコサトリエン酸」(「EET」)は、チトクロムP450エポキシゲナーゼによって合成されるバイオメディエータである。
【0030】
「エポキシドヒドロラーゼ」(「EH」;EC 3.3.2.3)は、エポキシドと呼ばれる3員環式エーテルに水を付加するアルファ/ベータヒドロラーゼフォールドファミリーの酵素である。
【0031】
「可溶性エポキシドヒドロラーゼ」(「sEH」)は、内皮、平滑筋および他の細胞型において、EETをジヒドロキシエイコサトリエン酸(「DHET」)と呼ばれるジヒドロキシ誘導体に変換する酵素である。マウスsEHのクローニングおよび配列がGrant et al., J. Biol. Chem. 268(23):17628-17633 (1993)に示されている。ヒトsEH配列のクローニング、配列、およびアクセッション番号がBeetham et al., Arch. Biochem. Biophys. 305(1):197-201 (1993)に示されている。ヒトsEHのアミノ酸配列も米国特許第5,445,956号の配列番号:2として示されており;ヒトsEHをコードする核酸配列がその特許の配列番号:1のヌクレオチド42〜1703として示されている。遺伝子の進化および命名法がBeetham et al., DNA Cell Biol. 14(1):61-71 (1995)において論じられている。可溶性エポキシドヒドロラーゼは、齧歯類とヒトとの間の相同性が90%を越える、単一の高度に保存された遺伝子産物である(Arand et al., FEBS Lett., 338:251-256 (1994))。
【0032】
「治療する」、「治療すること」および「治療」なる用語は、疾患またはその付随する症状を軽減または抑止する任意の方法を意味する。
【0033】
「治療上有効な量」なる用語は、治療中の疾患、状態または障害の一つまたは複数の症状の発生を防止または低減するのに十分な、投与中の化合物の量を意味する。
【0034】
「調節する」なる用語は、関連する活性(例えば、可溶性エポキシドヒドロラーゼ)の機能または活性を増大または低下させる、化合物の能力を意味する。その様々な形で本明細書において用いられる「調節」とは、sEHに関連する活性の拮抗および部分的拮抗を含むことになる。sEHの阻害剤は、例えば、結合して酵素の活性を部分的または完全に遮断する化合物である。
【0035】
本明細書において用いられる「化合物」なる用語は、明記された分子実体だけでなく、塩、エステルおよびアミドなどのプロドラッグ結合体、代謝産物、水和物、溶媒和物などを含むが、それらに限定されるわけではない、その薬学的に許容される、薬理学的に活性な誘導体も含むことが意図される。
【0036】
本明細書において用いられる「組成物」なる用語は、明記された量の明記された成分を含む生成物、ならびに明記された量の明記された成分の組み合わせから、直接または間接的に生じる任意の生成物を含むことが意図される。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と適合性でなければならず、その受容者に対して有害でないことを意味する。
【0037】
「被験体」は、本明細書において、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むが、それらに限定されるわけではない、哺乳動物などの動物を含むと定義される。いくつかの態様において、被験体はヒトである。
【0038】
本明細書において用いられる「sEH仲介性疾患または状態」などの用語は、正常よりも低い、または高いsEH活性によって特徴づけられる疾患または状態を意味する。sEH仲介性疾患または状態は、sEHの調節が根元状態または疾患に何らかの効果をもたらすものである(例えば、sEH阻害剤または拮抗物質は少なくとも一部の患者で患者の健康におけるいくらかの改善をもたらす)。
【0039】
「実質」とは、付随する結合または支持組織から区別される、器官に特徴的な組織を意味する。
【0040】
「慢性閉塞性肺疾患」または「COPD」は時として「慢性閉塞性気道疾患」、「慢性閉塞性肺臓疾患(obstructive lung disease)」、および「慢性気道疾患」としても知られている。COPDは一般に最大呼気流量の低下および遅い努力性肺呼出によって特徴づけられる障害と定義される。COPDは2つの関連する状態、すなわち気腫および慢性気管支炎を含むと考えられる。COPDは一般医が、患者の努力性肺活量(「FVC」)、すなわち最大吸息後に強制的に呼出しうる最大呼気量などの当技術分野において認められている技術を用いて診断することができる。一般医の診療所では、FVCは典型的に肺活量計による6秒間の最大呼息により概算する。COPD、気腫、および慢性気管支炎の定義、診断および治療は当技術分野において周知で、例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, (Fauci et al., Eds.), 14th Ed., 1998, McGraw-Hill, New York, pp. 1451-1460(以後、「Harrison's Principles of Internal Medicine」)で、HonigおよびIngramによって詳細に論じられている。
【0041】
「気腫」は、明白な線維症を伴わない、末梢細気管支遠位の気腔の永久的な破壊性拡大によって特徴づけられる肺の疾患である。
【0042】
「慢性気管支炎」は、1ヶ月のうちのほぼ毎日、1年間に3ヶ月、2年間持続する、慢性の気管支分泌によって特徴づけられる肺の疾患である。
【0043】
名前が意味するとおり、「閉塞性肺疾患」および「閉塞性肺臓疾患」とは、拘束性疾患に対して閉塞性疾患を意味する。これらの疾患には特にCOPD、気管支喘息および末梢気道病変が含まれる。
【0044】
「末梢気道病変」。気流閉塞が、もっぱら、または主に末梢気道の関与に起因する、異なる少数の患者がいる。これらは直径2mm未満の気道と定義され、小さい軟骨性気管支、末梢細気管支、および呼吸細気管支に対応する。末梢気道病変(SAD)は、気道の抵抗性を高める炎症および線維性変化による管腔閉塞である。閉塞は一過性または永続性でありうる。
【0045】
「間質性肺疾患(ILD)」は、肺胞壁、肺胞周囲組織、および近接の支持構造に波及する一連の状態である。American Lung Associationのウェブサイトで論じられているとおり、肺の肺胞嚢の間の組織が間質で、これがこの疾患において線維化が起こる組織である。この疾患を有する人は、肺組織の硬直のために吸気に困難を有するが、閉塞性肺臓疾患の人とは対照的に、呼気に困難はない。間質性肺疾患の定義、診断および治療は当技術分野において周知で、例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine、上記、pp. 1460-1466で、Reynolds, H.Y.によって詳細に論じられている。Reynoldsは、ILDには様々な発症時の事象があるが、肺組織の免疫病理学的応答は限られており、したがってILDは共通の特徴を有すると記している。
【0046】
「特発性肺線維症」または「IPF」は原型のILDと考えられている。これは原因が不明であるために特発性であるが、Reynolds、上記、はこの用語は詳細に定義された臨床上の実体であるとしている。
【0047】
「気管支肺胞洗浄」または「BAL」は、下気道からの細胞の除去および検査を可能にする試験で、IPFなどの肺疾患の診断法としてヒトで用いられる。ヒト患者では、通常は気管支鏡検査中に行う。
【0048】
本明細書において用いられる「アルキル」なる用語は、直鎖または分枝鎖でありうる飽和炭化水素基(例えば、エチル、イソプロピル、t-アミル、または2,5-ジメチルヘキシル)を意味する。この定義は、用語を単独で用いる場合と、「アリールアルキル」、「アルキルアミノ」および同様の用語などの化合物用語の一部として用いる場合の両方に適用される。いくつかの態様において、アルキル基は1から24個の炭素原子を含むものである。本明細書および特許請求の範囲におけるすべての数値範囲は、それらの上限および下限を含むことが意図される。加えて、アルキルおよびヘテロアルキル基は、そうでなければ水素原子が占めている、アルキルまたはヘテロアルキル基上の任意の位置で他の部分に結合していてもよい(例えば、2-ペンチル、2-メチルペンタ-1-イルおよび2-プロピルオキシなど)。本発明においてリンカーとして用いる基などの、二価アルキル基は「アルキレン」と呼ぶこともあり、二価ヘテロアルキル基は「ヘテロアルキレン」と呼ぶこともある。アルキル、アルキレン、およびヘテロアルキレン部分はハロゲン原子、またはオキソ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルキルアミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシなどの他の基で置換されていてもよい。
【0049】
「シクロアルキル」および「シクロアルキレン」なる用語は、飽和炭化水素環を意味し、二環式および多環式環を含む。同様に、炭素環原子の代わりにヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を有するシクロアルキルおよびシクロアルキレン基はそれぞれ「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキレン」と呼ぶこともある。シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基の例は、例えば、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニルなどである。シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分はハロゲン原子、またはニトロ、アルキル、アルキルアミノ、カルボキシル、アルコキシ、アリールオキシなどの他の基で置換されていてもよい。いくつかの態様において、シクロアルキルおよびシクロアルキレン部分は環内に3から12個の炭素原子を有するものである(例えば、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチルなど)。いくつかの態様において、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキレン部分は環内に1から3個のヘテロ原子を有するものである(例えば、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニルなど)。加えて、「(シクロアルキル)アルキル」なる用語は、アルキル部分に結合しているシクロアルキル部分を有する基を意味する。例はシクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルおよびシクロペンチルプロピルである。
【0050】
本明細書において用いられる「アルケニル」なる用語は、二重結合である一つまたは複数の不飽和部位を含む、前述のアルキル基を意味する。同様に、本明細書において用いられる「アルキニル」なる用語は、三重結合である一つまたは複数の不飽和部位を含む、前述のアルキル基を意味する。
【0051】
「アルコキシ」なる用語は、もう一つの炭化水素基に共有結合可能な酸素置換基も有する、前述のアルキル基を意味する(例えば、メトキシ、エトキシおよびt-ブトキシなど)。
【0052】
「アリール」なる用語は、単環であってもよく、あるいは共に縮合、共有結合、またはエチレンもしくはメチレン部分などの共通の基に結合している多環であってもよい、芳香族炭素環置換基を意味する。同様に、炭素環原子の代わりにヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を有するアリール基は「ヘテロアリール」と呼ぶ。アリールおよびヘテロアリール基の例は、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル、チエニル、ピリジルおよびキノキサリルである。アリールおよびヘテロアリール部分はハロゲン原子、またはニトロ、アルキル、アルキルアミノ、カルボキシル、アルコキシ、フェノキシなどの他の基で置換されていてもよい。加えて、アリールおよびヘテロアリール基は、そうでなければ水素原子が占めている、アリールまたはヘテロアリール基上の任意の位置で他の部分に結合していてもよい(例えば、2-ピリジル、3-ピリジルおよび4-ピリジルなど)。本発明においてリンカーとして用いる基などの、二価アリール基は「アリーレン」、二価ヘテロアリール基は「ヘテロアリーレン」と呼ぶこともある。
【0053】
「アリールアルキル」および「アルキルアリール」なる用語は、アルキル基に直接結合しているアリール基を意味する。同様に、「アリールアルケニル」および「アリールオキシアルキル」なる用語は、それぞれアルケニル基、またはアルキル基に結合している酸素を意味する。簡略のために、前述の組み合わせ用語の一部としてのアリールはヘテロアリールも含むことになる。「アリールオキシ」なる用語は、もう一つの基に共有結合可能な酸素置換基も有する、前述のアリール基を意味する(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ、およびピリジルオキシなど)。
【0054】
「ハロ」または「ハロゲン」なる用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に記載がないかぎり、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」などの用語は、モノハロアルキル(オキシ)およびポリハロアルキル(オキシ)を含むことになる。例えば、「C1-C6ハロアルキル」なる用語はトリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことになる。
【0055】
「ヘテロ原子含有アルキル基」(「ヘテロアルキル基」)または「ヘテロ原子含有アリール基」(「ヘテロアリール基」)において用いられる「ヘテロ」なる用語は、一つまたは複数の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リンもしくはケイ素、典型的には窒素、酸素もしくは硫黄、または複数の非炭素原子(例えば、スルホンアミド)で置き換えられている分子、連結基または置換基を意味する。同様に、「ヘテロアルキル」なる用語は、ヘテロ原子含有のアルキル置換基を意味し、「複素環式」、「複素環」または「ヘテロシクリル」なる用語は、ヘテロ原子含有で、芳香族または非芳香族いずれかの環式置換基または基を意味する。「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」なる用語はそれぞれ、ヘテロ原子含有の「アリール」および「芳香族」を意味し、他も同様である。「複素環式」および「ヘテロシクリル」なる用語は「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」なる用語を含む。いくつかの態様において、複素環式部分は環内に1から3個のヘテロ原子を有するものである。ヘテロアルキル基の例には、アルコキシ、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N-アルキル化アミノアルキルなどが含まれる。ヘテロアリール置換基の例には、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリルなどが含まれ、ヘテロ原子含有環式非芳香族基の例はモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニルなどである。
【0056】
「カルボン酸類縁体」なる用語は、カルボン酸残基を模倣可能な酸性部分を有する様々な基を意味する。そのような基の例はスルホン酸、スルフィン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホンアミドと、例えばイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールなどの複素環式部分である。
【0057】
「置換」なる用語は、化合物の原子または原子団を別の原子または原子団によって置き換えることを意味する。例えば、原子または原子団は一つまたは複数の下記の置換基または基で置換されてもよい:ハロ、ニトロ、C1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノ、ヒドロキシC1-C8アルキル、ハロC1-C8アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ、チオC1-C8アルキル、アリール、アリールオキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルキル C1-C8アルキル、ヘテロアリール、アリールC1-C8アルキル、ヘテロアリールC1-C8アルキル、1から2つの二重結合を含むC2-C8アルケニル、1から2つの三重結合を含むC2-C8アルキニル、C4-C8アルカ(エン)(イン)イル基、シアノ、ホルミル、C1-C8アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C8アルキルアミノカルボニル、C1-C8ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールC1-C8アルキルアミノカルボニル、ハロC1-C8アルコキシ、C2-C8アルケニルオキシ、C2-C8アルキニルオキシ、アリールC1-C8アルコキシ、アミノC1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノC1-C8アルキル、C1-C8ジアルキルアミノC1-C8アルキル、アリールアミノC1-C8アルキル、アミノ、C1-C8ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールC1-C8アルキルアミノ、C1-C8アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アジド、メルカプト、C1-C8アルキルチオ、アリールチオ、ハロC1-C8アルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、C1-C8アルキルスルフィニル、C1-C8アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、C1-C8アルキルアミノスルホニル、C1-C8ジアルキルアミノスルホニルおよびアリールアミノスルホニル。「置換」なる用語が置換されることが可能な基のリストの前にある場合、この用語はその群のすべてのメンバーに適用されることが意図される。
【0058】
「無置換」なる用語は、原子または原子団の置き換えがない、本来の化合物を意味する。
【0059】
一般
本発明は、1,3-二置換尿素(または対応するアミドもしくはカーバメート、一級ファーマコフォアとも言う)がさらに官能基化されて、物理的性質が改善されたより強力なsEH阻害剤を提供しうるとの発見に由来している。本明細書において記載するとおり、複素環式部分の導入はsEH阻害剤の水溶性および経口有効率を高めることができる(下記参照)。これらの部分の組み合わせは水溶性が高い様々な化合物を提供する。
【0060】
複素環式ファーマコフォアの発見は、sEH阻害活性を有する広域の化合物を確立するためのコンビナトリアルケミストリーアプローチの採用にもつながった。極性ファーマコフォアは分子をそれぞれがコンビナトリアル様式における一般的な化学アプローチで容易に操作しうるドメインに分割し、高血圧および血管炎症などの疾患治療用の経口で利用可能な新規治療薬のデザインおよび確認を可能にする。本発明の薬剤はそのような疾患を治療し、同時にナトリウム排出を高め、血管炎症および腎炎症を軽減し、かつ男性の勃起不全を軽減する。以下に示すとおり(実施例および図面参照)、溶解性、バイオアベイラビリティおよび薬理的性質の変化は、実験動物の制御脂質を変化させうる化合物を導き、エポキシアラキドン酸誘導体の、そのジオール生成物または炎症誘発性および高血圧性ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)いずれかに比べての相対量を高める。エポキシアラキドン酸は抗高血圧性および抗炎症性であるため、脂質比を変えることで血圧の低下ならびに血管炎症および腎炎症軽減を導くことができる。このアプローチは米国特許出願第10/817,334号および第11/256,685号に報告されているとおり有効性確認されており、これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0061】
複素環式基はsEH阻害剤の水溶性ならびにsEHに対する特異性を改善し、エステル、アミド、カーバメート、または水素結合を同様に供与もしくは受容可能な類似の官能基などの多様な官能基はこの極性基に寄与しうる。例えば、薬品化学において、複素環式基は一般に水素結合供与体および受容体としてカルボニルを模倣するために用いる。当然のことながら、一級、二級および三級ファーマコフォア基は単一分子内で適当なスペーサーと組み合わせて活性を改善することもでき、または阻害剤をプロドラッグとして提供することもできる。
【0062】
可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害法
前述を考慮して、本発明は、一つの局面において、可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害法であって、可溶性エポキシドヒドロラーゼを式(I)を有する化合物の阻害量と接触させる段階を含む方法を提供する。

【0063】
記号R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該環式部分は単環式または多環式である。一つの態様において、1から2つの置換基はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。一つの態様において、1から2つの置換基はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。
【0064】
記号Y1は結合、C(R5)2、NR5およびOからなる群より選択される。
【0065】
記号Y2は結合、NR5およびOからなる群より選択される。
【0066】
記号R2、R3およびR5はそれぞれH、C1-C8アルキルおよびCOR6からなる群より独立に選択される。
【0067】
記号Aは1から2つのR7置換基で置換されていてもよいヘテロシクリルである。
【0068】
記号Lは直接結合、C1-C12アルキレン、C1-C12ヘテロアルキレン、C3-C6シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、-CO-、-SOm-および-Se-からなる群より選択される。
【0069】
記号R4はH、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。一つの態様において、R4はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群より選択される。一つの態様において、R4はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0070】
記号R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、OH、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択される。
【0071】
記号R7はそれぞれハロ、ニトロ、C1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノ、ヒドロキシC1-C8アルキル、ハロC1-C8アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ、ハロC1-C8アルコキシ、チオC1-C8アルキル、アリール、アリールオキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルキル C1-C8アルキル、ヘテロアリール、アリールC1-C8アルキル、ヘテロアリールC1-C8アルキル、1から2つの二重結合を含むC2-C8アルケニル、1から2つの三重結合を含むC2-C8アルキニル、C4-C8アルカ(エン)(イン)イル基、シアノ、ホルミル、C1-C8アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C8アルキルアミノカルボニル、C1-C8ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールC1-C8アルキルアミノカルボニル、ハロC1-C8アルコキシ、C2-C8アルケニルオキシ、C2-C8アルキニルオキシ、アリールC1-C8アルコキシ、アミノC1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノC1-C8アルキル、C1-C8ジアルキルアミノC1-C8アルキル、アリールアミノC1-C8アルキル、アミノ、C1-C8ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールC1-C8アルキルアミノ、C1-C8アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アジド、メルカプト、C1-C8アルキルチオ、アリールチオ、ハロC1-C8アルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、C1-C8アルキルスルフィニル、C1-C8アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、C1-C8アルキルアミノスルホニル、C1-C8ジアルキルアミノスルホニルおよびアリールアミノスルホニルからなる群より選択される。
【0072】
下付き文字nは0から1の整数である。
【0073】
下付き文字mは0から2の整数である。
【0074】
化合物は、塩、プロドラッグ、溶媒和物および水和物などの、そのすべての薬学的に許容される誘導体を含む。
【0075】
他の態様において、Y1はNR5である。さらなる態様において、Y2は結合である。さらなる態様において、Y2はNR5である。さらに他の態様において、Y2はOである。
【0076】
他の態様において、Y2はNR5である。さらなる態様において、Y1は結合である。さらに他の態様において、Y1はC(R5)2である。さらなる態様において、Y1はOである。さらなる態様において、Y1はNR5である。
【0077】
他の態様において、R2、R3およびR5はHである。
【0078】
さらなる態様において、Aはピペリジニル、1,3,5-トリアザ-トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル、インドリル、ピリジル、モルホリニルおよびベンズイミダゾリルからなる群より選択される。さらに他の態様において、Aはピペリジニルである。他の態様において、Aは1,3,5-トリアザ-トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルである。さらなる態様において、Aはインドリルである。他の態様において、Aはピリジルである。他の態様において、Aはモルホリニルである。他の態様において、Aはベンズイミダゾリルである。
【0079】
さらに他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。さらなる態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0080】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0081】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0082】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0083】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0084】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0085】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0086】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0087】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0088】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0089】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。一つの態様において、R4はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群より選択される。一つの態様において、R4はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0090】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0091】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0092】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0093】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0094】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0095】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0096】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0097】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0098】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0099】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0100】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0101】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0102】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0103】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0104】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0105】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0106】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0107】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0108】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0109】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0110】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0111】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0112】
他の態様において、化合物は下記の式を有する。

式中、R1は、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよく;ここで該シクロアルキル部分は単環式または多環式である。
【0113】
これらの態様の範囲内で、Lは直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;かつ
R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され、そのそれぞれは置換されていてもよい。一つの態様において、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルはそれぞれ、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい。
【0114】
これらの態様の範囲内で、R6はそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nは0から1の整数であり;かつ
下付き文字mは0から2の整数である。
【0115】
前述の態様のいずれかにおいて、R1はC1-C8アルキルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はドデシルおよびt-ブチルからなる群より選択される。前述の態様のいずれかにおいて、R1はアリールC0-C8アルキルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はフェニルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はC3-C12シクロアルキルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はアダマンチルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はシクロヘプチルまたはシクロヘキシルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はC3-C12シクロアルキルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はアダマンチルである。前述の態様のいずれかにおいて、R1はシクロヘプチルである。R1の前述の態様のいずれかにおいて、基は置換されていてもよい。前述の態様のいずれかにおいて、R1基は1から2つの置換基で置換されていてもよい。前述の態様のいずれかにおいて、1から2つの置換基はC1-C8アルキルおよびC1-C8アルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。前述の態様のいずれかにおいて、1から2つの置換基はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群よりそれぞれ独立に選択される。
【0116】
前述の態様のいずれかにおいて、Lは直接結合である。前述の態様のいずれかにおいて、LはC1-C12ヘテロアルキレンである。前述の態様のいずれかにおいて、Lは-CO-である。前述の態様のいずれかにおいて、Lは-SO2-である。
【0117】
前述の態様のいずれかにおいて、R4はH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびヘテロシクリルからなる群より選択される。前述の態様のいずれかにおいて、R4はC1-C8ハロアルキルおよびC1-C8ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0118】
前述の態様のいずれかにおいて、R6はHである。前述の態様のいずれかにおいて、R6はC1-C8アルキルである。
【0119】
前述の態様のいずれかにおいて、nは0である。前述の態様のいずれかにおいて、nは1である。
【0120】
もう一つの態様において、化合物は実施例1〜70ならびに表1〜4と5aおよび5bの化合物からなる群より選択される。
【0121】
前述の態様のいずれかにおいて、化合物は、塩、プロドラッグ、溶媒和物および水和物などの、そのすべての薬学的に許容される誘導体を含む。
【0122】
可溶性エポキシドヒドロラーゼ活性をモニターするためのアッセイ法
加えて、本発明は可溶性エポキシドヒドロラーゼ活性、特に一つまたは複数の前述の化合物の投与により調節された活性をモニターするための様々なアッセイ法および関連する方法を提供する。
【0123】
態様の一つの群において、本発明は、可溶性エポキシドヒドロラーゼの作用によって産生される生物活性ジオールの生成を低減するための方法であって、可溶性エポキシドヒドロラーゼの活性を阻害し、生物活性ジオールの生成を低減するのに十分な量の上記の式(I)の化合物と、可溶性エポキシドヒドロラーゼを接触させる段階を含む方法を提供する。
【0124】
態様のもう一つの群において、本発明は、可溶性エポキシドヒドロラーゼ存在下で生物活性エポキシドを安定化させる方法であって、可溶性エポキシドヒドロラーゼの活性を阻害し、生物活性エポキシドを安定化させるのに十分な量の式(I)の化合物と、可溶性エポキシドヒドロラーゼを接触させる段階を含む方法を提供する。
【0125】
態様のこれらの群のそれぞれにおいて、この方法は、インビトロアッセイ法の一部として行うこともでき、またはこの方法はそれぞれの生物活性エポキシドまたはジオールの血中力価をモニターすることによりインビボで行うこともできる。
【0126】
いくつかの脂肪酸のエポキシドおよびジオールは生物学的に重要な化学伝達物質であり、いくつかの生物学的プロセスに関与している。最も強い生物学的データは血管内皮と血管平滑筋との間の化学伝達物質としてのオキシリピンの作用を裏付けるものである。エポキシ脂質は抗炎症性および抗高血圧性である。加えて、脂質はベータ酸化、ならびにエポキシドの水和によって代謝されると考えられる。可溶性エポキシドヒドロラーゼはこれらのオキシリピンの加水分解代謝に関与する主要な酵素であると考えられる。式(I)の化合物は、インビトロおよびインビボの両方でエポキシドヒドロラーゼを阻害し、エポキシ脂質を安定化させることができる。この活性は4つの別々の齧歯類モデルにおいて高血圧の軽減をきたす。さらに、阻害剤は高血圧モデルに関連する腎炎症および高血圧モデルとは無関係の腎炎症において軽減を示す。
【0127】
特に、本発明は、系の生物学に取り組むために、アラキドン酸およびリノール酸カスケード両方において同時に様々な脂質をモニターするための方法を提供する。GLC-MSシステムまたはLC-MS法を用いて1回の注入で740を越える分析物を高度に定量的な様式でモニターすることができる。分析物はアラキドン酸エポキシド(EET)、ジオール(DHET)、ならびにHETEを含む他のP450生成物の位置異性体を含む。アラキドン酸およびリノール酸系列両方のシクロオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ、およびペルオキシダーゼ経路の特徴的生成物もモニターすることができる。そのような方法は、特定の疾患状態を予測できるため、特に有用である。哺乳動物において、エポキシドヒドロラーゼ阻害剤の投与後にオキシリピンをモニターすることができる。一般に、EH阻害剤は体液および組織中のジオール濃度を下げる代わりにエポキシ脂質濃度を高める。
【0128】
本発明のこの局面において用いるための他の化合物は、一級ファーマコフォアが二級および/または三級ファーマコフォアから、天然基質における末端カルボン酸とエポキシド官能基との間に近い距離だけ離れている、式(I)の阻害剤である。
【0129】
可溶性エポキシドヒドロラーゼによって調節される疾患の治療法
もう一つの局面において、本発明は疾患、特に可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)によって調節される疾患の治療法を提供する。この方法は一般に、そのような治療を必要としている被験体に、上記の式(I)を有する化合物の有効量を投与する段階を含む。そのような投与の用量、頻度およびタイミングは選択した治療薬、治療中の状態の性質、年齢、体重および他の状態または障害の有無を含む被験体の状態、投与する製剤ならびに主治医の裁量に大きく依存することになる。好ましくは、本発明の組成物および化合物ならびにその薬学的に許容される塩を経口、非経口、皮下、筋肉内、静脈内または局所経路から投与する。一般に、化合物を1日に約2mgから約2,000mgまでの範囲の用量で投与するが、前述のとおり、疾患標的、患者、および投与経路に応じて変動が必然的に起こることになる。用量を1日に体重1kgあたり約0.05mgから約20mgの範囲、より好ましくは約0.05mgから約2mgの範囲、最も好ましくは約0.05mgから約0.2mgの範囲で経口投与する。局所投与用に用いる用量は、当然のことながら、治療する領域のサイズに依存することになる。
【0130】
可溶性エポキシドヒドロラーゼ(「sEH」)の阻害剤は高血圧を軽減しうることが以前に明らかにされている。例えば、米国特許第6,351,506号を参照されたい。そのような阻害剤は、糖尿病の患者を含む、有害な高血圧を有する人の血圧を制御する際に有用でありうる。
【0131】
いくつかの態様において、式(I)の化合物を高血圧、具体的には腎、肝、または肺高血圧;炎症、具体的には腎炎症、血管炎症、および肺炎症;成人呼吸窮迫症候群;糖尿病合併症;末期腎疾患;レイノー症候群ならびに関節炎の治療を必要としている被験体に投与する。
【0132】
腎劣化(腎症)の進行を阻害する方法および血圧を低下させる方法
本発明のもう一つの局面において、本発明の化合物はアルブミン尿により評価して腎臓への損傷、特に糖尿病からの腎臓への損傷を軽減することができる。本発明の化合物は、高血圧を有していない個体であっても、糖尿病からの腎劣化(腎症)を軽減することができる。治療的投与の条件は前述のとおりである。
【0133】
シス-エポキシエイコサトリエン酸(「EET」)を本発明の化合物と共に用いて、腎損傷をさらに軽減することができる。EETはアラキドン酸のエポキシドで、血圧のエフェクター、炎症の制御物質、および血管透過性の調節物質であることが公知である。エポキシドのsEHによる加水分解はこの活性を低下させる。sEHを阻害すると、EETがDHETへと加水分解される速度が低下するため、EETのレベルが上昇する。理論に縛られたくはないが、EETレベルを高めることで微小血管の変化および糖尿病性高血糖の他の病理作用による腎細胞への損傷が妨害されると考えられる。したがって、腎臓におけるEETレベルを高めることでミクロアルブミン尿症から末期腎疾患への進行から腎臓が保護されると考えられる。
【0134】
EETは当技術分野において周知である。本発明の方法において有用なEETには、14,15-EET、8,9-EETおよび11,12-EET、ならびに5,6EETが、この優先順位で含まれる。好ましくは、EETをより安定なメチルエステルで投与する。当業者であれば、EETは8S,9R-および14R,15S-EETなどの位置異性体であることを理解するであろう。8,9-EET、11,12-EET、および14R,15S-EETは、例えば、Sigma-Aldrich(それぞれカタログ番号E5516、E5641、およびE5766、Sigma-Aldrich Corp., St. Louis, MO)から市販されている。
【0135】
内皮によって産生されるEETは抗高血圧特性を有し、EETs 11,12-EETおよび14,15-EETは内皮由来過分極因子(EDHF)でありうる。加えて、11,12-EETなどのEETはプロフィブリン溶解効果、抗炎症作用を有し、平滑筋細胞の増殖および遊走を阻害する。本発明の文脈において、これらの好ましい特性は腎臓および心血管疾患状態における脈管構造および臓器を保護すると考えられる。
【0136】
ここでsEH活性を阻害して十分にEETレベルを高めることができ、したがってsEH阻害剤だけでの投与効果を増強すると考えられる。これにより、本発明の方法においてEETを一つまたは複数のsEH阻害剤と共に用いて、腎症を軽減することが可能となる。さらに、EETを一つまたは複数のsEH阻害剤と共に用いて、高血圧、もしくは炎症、または両方を軽減することも可能となる。したがって、一つもしくは複数のsEH阻害剤と共に投与しうるEETの薬剤を製造することができ、または一つもしくは複数のsEH阻害剤を含む薬剤は任意に一つもしくは複数のEETを含むこともできる。
【0137】
EETはsEH阻害剤と同時に、またはsEH阻害剤の投与後に投与することができる。すべての薬物と同じく、阻害剤はそれらが体によって代謝されるか、または体から排出される速度によって規定される半減期を有すること、および阻害剤は有効であるために十分な量で存在する投与後の期間を有することが理解される。したがって、EETを阻害剤の投与後に投与する場合、阻害剤がEETの加水分解を遅延させるのに有効な量で存在する期間中にEETを投与することが望ましい。典型的に、EETはsEH阻害剤投与の48時間以内に投与する。好ましくは、EETは阻害剤の24時間以内、より好ましくは12時間以内に投与する。望ましさの昇順に、EETは阻害剤投与後10、8、6、4、2、1時間、または半時間以内に投与する。最も好ましくは、EETは阻害剤と同時に投与する。
【0138】
いくつかの態様において、EET、本発明の化合物、または両方を、より長い作用期間を提供するために、徐放を可能にする材料中で提供する。徐放性コーティングは薬学分野において周知であり、特定の徐放性コーティングの選択は本発明の実施のために重大ではない。
【0139】
EETは酸性条件下で分解を受ける。したがって、EETを経口投与する場合、胃での分解から保護されていることが望ましい。都合よく、経口投与用のEETは胃の酸性環境を通過して腸の塩基性環境に入らせるためにコーティングしてもよい。そのようなコーティングは当技術分野において周知である。例えば、いわゆる「腸溶コーティング」でコーティングしたアスピリンは広く市販されている。そのような腸溶コーティングを用いて、胃を通過する間EETを保護してもよい。例示的コーティングを実施例において示す。
【0140】
EETの抗高血圧効果が認められているが、内因性sEHがEETを素早く加水分解していかなる有用な効果も得られないと考えられたため、EETは高血圧治療のために投与されなかった。驚くことに、本発明の基礎となる研究を行っている間に、外部から投与したsEHの阻害剤はsEHを十分に阻害することに成功し、外来EETの投与によりEETレベルをさらに高めうることが判明した。これらの知見は、腎症の発生および進行の阻害に関する前述のsEH阻害剤およびEETの同時投与の基礎となっている。これは治療を増強する上で重要な改善である。内因性EETのレベルはsEH阻害剤の作用によるsEH活性の阻害によって高まり、したがって症状または病状の少なくともいくらかの改善をもたらすと予想されるが、すべての症例において腎臓損傷の進行を完全に、または意図される程度に阻害するには不充分でありうる。これは、疾患または他の因子が内因性のEET濃度を健常な個体で通常存在する濃度よりも低下させた場合に特にあてはまる。したがって、sEH阻害剤と併用しての外来EETの投与は有益であり、糖尿病性腎症の進行軽減におけるsEH阻害剤の効果を増強すると予想される。
【0141】
本発明は、腎臓または腎機能に対する進行性損傷に関連する程度までの糖尿病の任意およびすべての型に関して用いることができる。糖尿病の慢性高血糖は様々な器官、特に眼、腎臓、神経、心臓、および血管の長期損傷、機能障害、および不全に関連する。糖尿病の長期合併症には、視力損失の可能性を伴う網膜症;腎不全につながる腎症;足潰瘍、切断、およびシャルコー関節のリスクを伴う末梢神経障害が含まれる。
【0142】
加えて、メタボリック症候群の人は2型糖尿病への進行のリスクが高く、したがって糖尿病性腎症のリスクが平均よりも高い。したがって、そのような個体をミクロアルブミン尿症についてモニターし、sEH阻害剤と、任意に一つまたは複数のEETとを腎症発生を低減するための介入として投与することが望ましい。医師は介入開始前にミクロアルブミン尿症が見られるまで待ってもよい。前述のとおり、メタボリック症候群は130/85またはそれ以上の血圧を示さない場合にも診断することができる。血圧が130/85またはそれ以上の人および血圧が130/85未満の人のいずれも、腎臓への損傷の進行を遅らせるためにsEH阻害剤と、任意に一つまたは複数のEETとを投与することで利益を受けうる。いくつかの態様において、人はメタボリック症候群および130/85未満の血圧を有する。
【0143】
異脂肪血症または脂質代謝の障害は心疾患のもう一つの危険因子である。そのような障害はLDLコレステロールのレベル上昇、HDLコレステロールのレベル低下、およびトリグリセリドのレベル上昇を含む。血清コレステロール、特にLDLコレステロールのレベル上昇は心疾患のリスク上昇に関連する。そのような高レベルにより腎臓も損傷を受ける。高レベルのトリグリセリドは腎損傷に関連する。特に、200mg/dLを越えるレベル、特に225mg/dLを越えるレベルのコレステロールは、sEH阻害剤と、任意にEETを投与すべきであることを示唆するものである。同様に、215mg/dLを越える、特に250mg/dLまたはそれ以上のトリグリセリドレベルは、sEH阻害剤と、任意にEETの投与が望ましいことを示すものである。本発明の化合物を、EETと併用して、または併用せずに投与することで、患者にスタチン薬物(HMG-CoAレダクターゼ阻害剤)を投与する必要性を引き下げる、または必要なスタチンの量を減らすことができる。いくつかの態様において、本発明の方法、使用および組成物の候補は215mg/dLを越えるトリグリセリドレベルおよび130/85未満の血圧を有する。いくつかの態様において、候補は250mg/dLを越えるトリグリセリドレベルおよび130/85未満の血圧を有する。いくつかの態様において、本発明の方法、使用および組成物の候補は200mg/dLを越えるコレステロールレベルおよび130/85未満の血圧を有する。いくつかの態様において、候補は225mg/dLを越えるコレステロールレベルおよび130/85未満の血圧を有する。
【0144】
血管平滑筋細胞の増殖を阻害する方法
他の態様において、式(I)の化合物は、著しい細胞毒性(例えば、VSM細胞に特異的な)なしに血管平滑筋(VSM)細胞の増殖を阻害する。VSM細胞増殖はアテローム性動脈硬化症の病態生理における絶対不可欠なプロセスであるため、これらの化合物はアテローム性動脈硬化症を遅延させる、または阻害するために適している。これらの化合物は、心臓発作を起こしたことがある、または試験結果が心臓への血液循環低下を示している個体などの、アテローム性動脈硬化症のリスクが高い被験体にとって有用である。治療的投与の条件は前述のとおりである。
【0145】
本発明の方法は、狭窄動脈を再開通するため、再開通した通路の再狭窄によるせばまりを軽減するため、または遅延させるための血管形成術などの、経皮介入を受けた患者にとって特に有用である。いくつかの態様において、動脈は冠動脈である。本発明の化合物は、ポリマーコーティング中でステント上に設置して、再狭窄を軽減するための制御局所放出を提供することができる。ステントなどの植え込み可能な医療装置用のポリマー組成物、および制御放出用のポリマーに薬剤を埋め込む方法は当技術分野において公知で、例えば、米国特許第6,335,029号;第6,322,847号;第6,299,604号;第6,290,722号;第6,287,285号;および第5,637,113号に教示されている。いくつかの態様において、コーティングは阻害剤を一定期間、好ましくは数日間、数週間、または数ヶ月間にわたって放出する。選択した特定のポリマーまたは他のコーティングは本発明の重大な部分ではない。
【0146】
本発明の方法は、天然および合成血管移植片の狭窄および再狭窄を遅延させる、または阻害するために有用である。ステントに関連して前述したとおり、望ましくは、合成血管移植片は、本発明の化合物を徐々に放出して、VSM増殖と、その結果としての移植片の狭窄を遅延させる、または阻害する材料を含む。血液透析移植片は特定の態様である。
【0147】
これらの使用に加えて、本発明の方法は、心臓発作を起こしたことがある、または試験結果が心臓発作のリスクが高いことを示している人の血管の狭窄または再狭窄を遅延させる、または阻害するために用いることができる。
【0148】
態様の一つの群において、本発明の化合物を、高血圧を有していない人のVSM細胞増殖を低減するために投与する。態様のもう一つの群において、本発明の化合物を、高血圧の治療中であるが、sEH阻害剤ではない薬剤を用いている人のVSM細胞増殖を低減するために用いる。
【0149】
本発明の化合物は、不適当な細胞周期制御を示す細胞の増殖を妨害するために用いることができる。態様の重要な一組において、細胞は癌の細胞である。そのような細胞の増殖を、細胞を本発明の化合物と接触させることにより遅延させる、または阻害することができる。本発明の特定の化合物が任意の特定の型の癌細胞の増殖を遅延させる、または阻害するかどうかを、当技術分野において日常的なアッセイ法を用いて決定することができる。
【0150】
本発明の化合物の使用に加えて、EETのレベルはEETを加えることによって高めることができる。EETおよび本発明の化合物の両方と接触したVSM細胞は、EET単独または本発明の化合物単独のいずれかに曝露された細胞よりも遅い増殖を示した。したがって、望まれる場合には、本発明の化合物のVSM細胞の遅延または阻害を、本発明の化合物と共にEETを加えることにより増強することができる。ステントまたは血管移植片の場合、例えば、ステントまたは移植片が正しい位置に設置された後、両方が放出されるように、本発明の化合物と共にEETをコーティングに埋め込むことにより都合よく達成することができる。
【0151】
閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、または喘息の進行を阻害する方法
慢性閉塞性肺疾患、またはCOPDは2つの状態、すなわち気腫および慢性気管支炎を含み、これらは空気汚染、化学物質への慢性的曝露、および喫煙によって肺に生ずる損傷に関連する。気腫は、肺胞間の仕切りが失われ、その結果ガス交換のために利用可能な全表面積が減少する、肺胞への損傷に関連する疾患である。慢性気管支炎は細気管支の刺激に関連し、ムチンの過剰産生を引き起こし、その結果肺胞へとつながる気道のムチンによる遮断が起こる。気腫を有する人が必ずしも慢性気管支炎を有することはなく、逆も同じであるが、これらの状態の一方を有する人が他方を、他の肺障害と同様に有することは一般的である。
【0152】
COPD、気腫、慢性気管支炎、および他の閉塞性肺障害による肺への損傷のいくつかは、可溶性エポキシドヒドロラーゼ、または「sEH」として知られる酵素の阻害剤を投与することにより阻害または逆転することができる。sEH阻害剤の効果は、EETも投与することで高めることができる。その効果は2つの薬剤を別々に投与するよりも少なくとも相加的で、実際は相乗的でありうる。
【0153】
本明細書において報告する試験は、EETをsEH阻害剤と共に用いて、喫煙、または伸展、職業的もしくは環境的刺激物による肺への損傷を軽減しうることを示している。これらの知見は、sEH阻害剤およびEETの同時投与を用いて、COPD、気腫、慢性気管支炎、または肺への刺激を引き起こす他の慢性閉塞性肺臓疾患の発生または進行を阻害しうる、または遅延させうることを示している。
【0154】
COPDの動物モデルおよびCOPDを有するヒトは高いレベルの免疫調節性リンパ球および好中球を有する。好中球は組織損傷を引き起こす物質を放出し、制御されなければ、徐々に破壊性効果を有することになる。理論に縛られたくはないが、好中球のレベルを下げることで、COPD、気腫、および慢性気管支炎などの閉塞性肺臓疾患に寄与する組織損傷が軽減されると考えられる。COPDの動物モデルにおけるsEH阻害剤のラットへの投与は、肺で見られる好中球数の低下をもたらした。sEH阻害剤に加えてEETの投与も好中球レベルを低下させた。sEH阻害剤およびEET存在下での好中球レベルの低下は、sEH阻害剤単独存在下よりも大きかった。
【0155】
内因性EETのレベルは、sEH阻害剤の作用により引き起こされるsEH活性の阻害と共に高まり、したがって症状または病状の少なくとも幾分かの改善が得られると予想されるが、すべての症例でCOPDまたは他の肺疾患の進行を阻害するのには不充分でありうる。これは、疾患または他の因子がEETの内因性濃度を健常個体で通常存在するよりも低い濃度まで低下させた場合に特にあてはまる。したがって、sEH阻害剤と共に外来性EETを投与すると、COPDまたは他の肺疾患の進行を阻害または軽減する際のsEH阻害剤の効果が増強されると予想される。
【0156】
慢性閉塞性気道状態の進行を阻害または軽減するのに加えて、本発明は慢性拘束性気道疾患の重症度または進行を軽減する新しい様式も提供する。閉塞性気道疾患は肺実質、特に肺胞の破壊によって生じる傾向があるが、拘束性疾患は実質における過剰のコラーゲンの沈着によって生じる傾向がある。これらの拘束性疾患は一般に「間質性肺疾患」、または「ILD」と呼ばれ、特発性肺線維症などの状態が含まれる。本発明の方法、組成物および使用は、特発性肺線維症などのILDの重症度または進行を軽減するために有用である。マクロファージは間質細胞、特に線維芽細胞がコラーゲンを蓄えるのを刺激する上で重要な役割を果たす。理論に縛られたくはないが、好中球はマクロファージ活性化に関与し、本明細書において報告する試験で見られた好中球レベルの低下は、本発明の方法および使用はILDの重症度および進行の軽減にも適用可能であることを示していると考えられる。
【0157】
いくつかの態様において、ILDは特発性肺線維症である。他の態様において、ILDは職業的または環境的曝露に関連するものである。そのようなILDの典型は、石綿症、珪肺症、炭坑労働者の塵肺症、およびベリリウム症である。さらに、セメントダスト、コークス炉放出物、雲母、岩粉、綿埃、および穀類の埃を含むいくつかの無機塵埃および有機塵埃のいずれかへの職業的曝露は、粘液過剰分泌および呼吸器疾患に関連すると考えられる(これらの状態に関連する職業的塵埃のより完全なリストについては、Speizer, 「Environmental Lung Diseases」, Harrison's Principles of Internal Medicine、下記、pp.1429-1436の表254-1を参照されたい)。他の態様において、ILDは肺の類肉腫症である。ILDは、特に乳癌の内科的治療の放射線照射から、ならびに関節リウマチおよび全身性硬化症などの結合組織またはコラーゲン疾患から生じることもある。本発明の方法、使用および組成物はこれらの間質性肺疾患のそれぞれにおいて有用でありうると考えられる。
【0158】
態様のもう一つの群において、本発明を用いて喘息の重症度または進行を軽減する。喘息は典型的にムチン過剰分泌をきたし、部分的気道閉塞を引き起こす。加えて、気道の刺激は伝達物質の放出を起こし、これは気道閉塞を引き起こす。喘息において肺に動員されたリンパ球および他の免疫調節細胞は、COPDまたはILDの結果として動員されたものとは異なりうるが、本発明は好中球および好酸球などの免疫調節細胞の流入を低減し、閉塞の程度を改善すると予想される。したがって、sEH阻害剤の投与、およびEETと組み合わせてのsEH阻害剤の投与は、喘息による気道閉塞を軽減する上で有用であると予想される。
【0159】
これらの疾患および状態それぞれにおいて、肺への損傷の少なくとも一部は、肺に浸潤する好中球により放出された物質によると考えられる。したがって、気道における好中球の存在は疾患または状態からの持続的損傷を示すものであり、一方、好中球数の減少は損傷または疾患進行軽減を示すものである。したがって、薬剤存在下での気道における好中球数の減少は、その薬剤が疾患または状態による損傷を軽減しており、疾患または状態のさらなる発生を遅延させていることのマーカーである。肺における好中球数は、例えば、気管支肺胞洗浄によって定量することができる。
【0160】
卒中損傷を軽減するための予防および治療法
可溶性エポキシドヒドロラーゼ(「sEH」)の阻害剤およびsEHの阻害剤と共に投与したEETは、卒中からの脳損傷を軽減することが明らかにされている。これらの結果に基づき、発明者らは虚血性卒中の前に投与されたsEH阻害剤が脳損傷の領域を減少し、その結果としての障害の程度を軽減するであろうと予想している。損傷領域の減少は卒中の影響からのより速い回復にも関連すると考えられる。
【0161】
異なるサブタイプの卒中の病態生理は異なるが、これらはすべて脳損傷を引き起こす。出血性卒中では、血管破裂後に頭蓋内の限られた空隙に血液が蓄積するため、損傷は主に組織の圧迫による一方、虚血性卒中では、損傷は主に血餅による血管遮断の下流組織への酸素供給欠乏によるという点で、これらの卒中は異なる。虚血性卒中は、血餅が脳内の血管を遮断する血栓性卒中と、体内の他所で形成された血餅が血流中で運ばれ、そこの血管を遮断する塞栓性卒中とに分類される。しかし、出血性卒中および虚血性卒中のいずれにおいても、損傷は脳細胞の死滅が原因である。しかし、発明者らの試験で観察された結果に基づき、我々はすべての型の卒中およびすべてのサブタイプにおいて脳損傷の少なくともいくらかの軽減を期待している。
【0162】
いくつかの因子は卒中のリスク上昇に関連している。本発明の基礎となる試験の結果を考慮して、以下の状態または危険因子の任意の一つまたは複数を有する人に投与したsEH阻害剤は卒中の脳損傷の領域を減少する:高血圧、喫煙、糖尿病、頸動脈疾患、末梢動脈疾患、心房細動、一過性脳虚血発作(TIA)、高赤血球数および鎌状赤血球症などの血液障害、高血中コレステロール、肥満、女性の場合は1日1杯を超える飲酒もしくは男性の場合は1日2杯を超える飲酒、コカイン使用、卒中の家族歴、卒中もしくは心臓発作の既往歴、または高齢。高齢に関して、卒中のリスクは10歳ごとに高まる。したがって、60歳、70歳、または80歳に達するにつれて、sEH阻害剤の投与は徐々に大きい利益を有する可能性がある。次の項で述べるとおり、一つまたは複数のsEHと組み合わせてのEETの投与は、脳損傷をさらに軽減する上で有益でありうる。心臓発作などの虚血再灌流障害につながる様々な疾患において、EETを伴う、またはEETを伴わないsEHIからの有益な効果を期待することができる。
【0163】
いくつかの使用および方法において、sEH阻害剤および任意にEETを、喫煙する、頸動脈疾患を有する、末梢動脈疾患を有する、心房細動を有する、一つもしくは複数の一過性虚血性発作(TIA)を起こしたことがある、高赤血球数もしくは鎌状赤血球症などの血液障害を有する、高血中コレステロールを有する、肥満である、女性の場合は1日1杯もしくは男性の場合は1日2杯を越えて飲酒する、コカインを使用する、卒中の家族歴を有する、卒中もしくは心臓発作の既往歴があり、高血圧もしくは糖尿病を有していない、または60歳、70歳、もしくは80歳またはそれ以上で、高血圧もしくは糖尿病を有していない人に投与する。
【0164】
組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)などの血餅融解剤は、卒中直後の数時間以内に投与した場合、虚血性卒中からの損傷の程度を軽減することが明らかにされている。例えば、tPAは卒中後3時間以内の使用についてFDAから承認されている。したがって、卒中からの脳損傷の少なくとも一部は即時のものではなく、一定期間かけて起こるか、または卒中後一定期間が経過している。したがって、sEH阻害剤の任意にEETを伴っての投与は、卒中発生後6時間以内、より好ましくは5、4、3、または2時間以内、それぞれ連続するより短い期間がより好ましいが、その期間に投与した場合、脳損傷を軽減することができると考えられる。さらにより好ましくは、脳損傷の軽減を最大とするために、阻害剤を卒中後2時間以内、またはさらには1時間以内に投与する。当業者であれば、患者が卒中を起こしたかどうかの診断をいかに行うか、十分に承知している。そのような決定は典型的には、標準の鑑別診断プロトコルおよび画像法の後、病院の救急室で行われる。
【0165】
いくつかの使用および方法において、sEH阻害剤および任意にEETを、喫煙する、頸動脈疾患を有する、末梢動脈疾患を有する、心房細動を有する、一つもしくは複数の一過性虚血性発作(TIA)を起こしたことがある、高赤血球数もしくは鎌状赤血球症などの血液障害を有する、高血中コレステロールを有する、肥満である、女性の場合は1日1杯もしくは男性の場合は1日2杯を越えて飲酒する、コカインを使用する、卒中の家族歴を有する、卒中もしくは心臓発作の既往歴があり、高血圧もしくは糖尿病を有していない、または60歳、70歳、もしくは80歳またはそれ以上で、高血圧もしくは糖尿病を有していない、直前6時間以内に卒中を起こした人に投与する。
【0166】
これらの適応症すべてのための治療的投与の条件は前述のとおりである。
【0167】
併用療法
前述のとおり、本発明の化合物は、いくつかの場合には、所望の効果をもたらすために他の治療薬との組み合わせで用いる。追加の薬剤の選択は、主に、所望の標的療法に依存する(例えば、Turner, N. et al. Prog. Drug Res. (1998) 51: 33-94;Haffner, S. Diabetes Care (1998) 21: 160-178;およびDeFronzo, R. et al. (eds.), Diabetes Reviews (1997) Vol. 5 No. 4参照)。いくつかの試験で経口薬剤との併用療法の利益が調査された(例えば、Mahler, R., J. Clin. Endocrinol. Metab. (1999) 84: 1165-71;United Kingdom Prospective Diabetes Study Group: UKPDS 28, Diabetes Care (1998) 21: 87-92;Bardin, C. W.,(ed.), Current Therapy In Endocrinology And Metabolism, 6th Edition (Mosby - Year Book, Inc., St. Louis, MO 1997);Chiasson, J. et al., Ann. Intern. Med. (1994) 121: 928-935;Coniff, R. et al., Clin. Ther. (1997) 19: 16-26;Coniff, R. et al., Am. J. Med. (1995) 98: 443-451;およびIwamoto, Y. et al., Diabet. Med. (1996) 13 365-370;Kwiterovich, P. Am. J. Cardiol (1998) 82(12A): 3U-17U参照)。併用療法は、式1の一般構造を有する化合物および一つまたは複数の追加の活性薬剤を含む単一の薬学的投与製剤の投与、ならびに式1の化合物および各活性薬剤のそれ自体の別々の薬学的投与製剤での投与を含む。例えば、式1の化合物および一つもしくは複数のアンギオテンシン受容体遮断薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、アルファ遮断薬、ベータ遮断薬、中枢作用薬、バソペプチダーゼ阻害剤、レニン阻害剤、エンドセリン受容体アゴニスト、AGE架橋切断剤、ナトリウム/カリウムATPアーゼ阻害剤、エンドセリン受容体アゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンワクチンなどをヒト被験体に、錠剤もしくはカプセル剤などの単一の経口投与組成物中で一緒に投与することもでき、または各薬剤を別々の経口投与製剤中で投与することもできる。別々の投与製剤を用いる場合、式1の化合物および一つまたは複数の追加の活性薬剤は基本的に同じ時点(すなわち同時)、または別々の交互の時点(すなわち逐次)で投与することができる。併用療法はこれらの投与法すべてを含むことが理解される。
【0168】
可溶性エポキシドヒドロラーゼを阻害するための化合物
上で示した方法に加えて、本発明はもう一つの局面において可溶性エポキシドヒドロラーゼの活性を阻害しうる化合物を提供する。特に、本発明は上記の式(I)から選択される式を有する化合物を提供する。
【0169】
一つの態様において、化合物は列挙した使用に関して前述した化合物である。
【0170】
一つの態様において、高血圧または高血圧を治療するためのsEH阻害剤は規定のアッセイ法において50μM未満のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は1μMまたはそれ以下のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は500nMまたはそれ以下のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は150nMまたはそれ以下のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は100nMまたはそれ以下のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は50nMまたはそれ以下のIC50を有する。もう一つの態様において、化合物は1nMまたはそれ以下のIC50を有する。
【0171】
調製法
本発明の化合物は、以下のスキームにおいて一般に概要を示す様々な方法によって調製することができる。下記のスキームに例示する合成条件は4-アミノメチルピペリジンに基づく阻害剤(CH2スペーサーを有するもの)にも適用可能である。
【0172】
スキーム1−複素環ファーマコフォアの導入
スキーム1は、複素環二級ファーマコフォア、例えばピペリジンを有する本発明の化合物調製のために用いうる一般法を例示する。スキームはN-(1-ベンゾイルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素の合成のために提供するが、当業者であればいくつかの市販または合成複素環アミンを4-アミノピペリジンの代わりに用いうること、およびベンゾイル以外の他の置換基も用いうることを理解するであろう。
スキーム1:N-(1-ベンゾイルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素の合成。

【0173】
スキーム1に示すとおり、4-アミノピペリジン(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, Wisconsin, USAから市販)をベンズアルデヒドと室温で混合して中間体(i)とする。ピペリジン窒素のBOC保護により、中間体カーバメート(ii)を得る。(ii)の適当なイソシアネートとの反応により中間体(iii)を得る。ピペリジン(iv)の脱保護および適当なアルキル化剤またはアシル化剤との反応により標的化合物を生成する。アダマンチルイソシアネートを、例えば、置換または無置換フェニルイソシアネートまたはシクロアルキルイソシアネート(例えば、シクロヘキシルイソシアネート、これもAldrich Chemical Co.から市販)で置き換えることで、本発明の他の化合物を生成する。
【0174】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供するものであって、上記または添付の特許請求の範囲において示す本発明のいかなる局面をも限定することを意図するものではない。
【0175】
実施例
すべての融点はThomas-Hoover装置(A.H. Thomas Co.)で測定し、未補正である。融点の値を示していない化合物は泡状物またはガラス状固体のいずれかとして固体状態で存在する。質量スペクトルはLC-MS(Waters 2790)で測定した。1H-NMRスペクトルはQE-300分光計で、内部標準としてテトラメチルシランを用いて記録した。シグナル多重度は一重線(s)、二重線(d)、二重の二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q)、五重線(quint)、多重線(m)、広幅(br)、広幅一重線(brs)、広幅二重線(br d)、広幅三重線(br t)、広幅多重線(br m)、二重線の二重線の二重線(ddd)および二重線の四重線(qd)として示す。合成法は代表的化合物について記載する。
【0176】
以下の実施例において用いる略語は下記の意味を有する:融点(Mp)、質量分析(MS)、薄層クロマトグラフィ(TLC)、MSプラスH+の親ピーク([M+H]+)、分(min)、キログラム(kg)、ミリグラム(mg)、ナノモル濃度(nM)、テトラヒドロフラン(THF)、三級ブトキシカルボニル(BOC)、硫酸カリウム(KHSO4)、水酸化カリウム(KOH)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化水素(HCl)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、メタノール(MeOH)、ジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)、濃度下面積(AUC)。
【0177】
以下の実施例における太字の小文字ローマ数字は上のスキーム1における対応する中間体を意味する。スキームおよび以下の表に示す化合物番号も用いる。
【0178】
実施例1
4-アミノピペリジン(2.125g、21.2mmol)をトルエン(50mL)に溶解した。これにベンズアルデヒド(2.16mL、21.2mmol)を加えた。反応混合物にディーン-スタークトラップおよび還流冷却器を取り付け、窒素雰囲気下で4時間還流した。それ以上の水の生成が見られなくなったこの時点で、反応混合物を0℃に冷却し、BOC無水物(4.63g、21.2mmol)をシリンジから10分かけて加えた。反応混合物を1時間かけて室温まで戻し、さらに12時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた油状物をKHSO4水溶液(1M、21.2mL)で処理した。これを1.5時間撹拌した。水(25mL)を反応混合物に加え、水性懸濁液をジエチルエーテル(3×100mL)で洗浄した。次いで、水層を固体KOHでpH=10まで塩基性化し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、蒸発させて、黄色油状物を得た(4.76g)。この油状物(1.0g)にTHF(25mL)を加えた。これを油状物が完全に溶解するまで5分間撹拌した。1-アダマンチルイソシアネート(0.886mg、5.0mmol、1当量)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカ上、酢酸エチル:ヘキサン=1:1でクロマトグラフィにかけた。主要分画を集め(TLC rf=0.8 ヘキサン:酢酸エチル=1:1)、溶媒を除去した。得られた残渣をメタノール中のHCl溶液(35mL、4M)で処理した。これを12時間撹拌した。溶媒を除去し、80℃で減圧乾燥した後、生成物を白色粉末で得た(1.123g、全収率73%)。
【0179】

N-(ピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素塩酸塩(iv、1175)

【0180】

N-((ピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素塩酸塩(1118)
これは上記のとおりに行い、収率95%であった。Mp(遊離塩基):199〜201℃分解。

【0181】
実施例2
ピペリジニル尿素のアルキル化のための一般法:N-(1-エチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(R=Et、1152)

適当なピペリジニル尿素(0.319mmol)をDMF(3.0mL)中で適当な臭化アルキルまたはベンジル(X=Br)(0.382mmol)およびK2CO3(132mg、0.96mmol)と混合した。反応混合物を50℃で12時間加熱した。この時点で、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCMとNaHCO3の飽和水溶液との間で分配し、有機層を取り出し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上、溶離剤としてアンモニア飽和メタノール/DCM(5:100)を用いてクロマトグラフィにかけた。収率=42%。Mp.:203〜213℃分解。

【0182】
実施例3

N-(1-n-プロピルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1155)
収率=60%。Mp.:195〜200℃分解。

【0183】
実施例4

N-(1-n-ブチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1160)
収率=53%。Mp.:195〜200℃分解。

【0184】
実施例5

N-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1158)
収率=46%。Mp.:170〜173℃。

【0185】
実施例6

N-((1-エチルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1154)
収率=50%。Mp.:143〜151℃分解。

【0186】
実施例7

N-((1-n-プロピルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1122)
収率=40%。

【0187】
実施例8

N-((1-n-ブチルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1161)
収率=43%。

【0188】
実施例9

N-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1119)
収率=48%。Mp.:162〜167℃。

【0189】
実施例10A
ピペリジンのアシル化のための一般法:
N-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1153)

所望のピペリジニル尿素(6.6mmol)と適当なカルボン酸(またはエステル-酸)(7.92mmol)、DMAP(0.805g、6.6mmol)およびTEA(5.0mL、36mmol)をすべてジクロロメタン中、0℃で混合した。反応混合物を10分間撹拌した。この時点で、EDCI(1.38g、7.26mmol)を加え、反応混合物を2時間かけて室温に戻した。室温に達した後、反応混合物を18時間撹拌した。次いで、反応混合物をK2CO3水溶液(1M、3×50mL)と、続いてHCl水溶液(1M、3×50mL)で洗浄した。有機層を乾燥し、蒸発させて、黄色油状物で得た。アセトンからの再結晶または5%MeOH/DCMでのクロマトグラフィ(SiO2)により生成物を得た。収率=75%。Mp.:205〜206℃。

【0190】
実施例10B
N-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1153)の代替合成
N-アセチルピペリド-4-イルアミドの調製
反応器に1.00モル当量の4-ピペリジンカルボキサミド、15.9モル当量のTHF、および1.23モル当量のN,N-(ジイソプロピル)エチルアミンを窒素雰囲気下で充填した。得られた混合物を内部温度20℃に冷却し、1.10モル当量の無水酢酸を、内部温度30℃未満を維持するような速度で加えた。添加完了後、反応混合物を内部温度20℃を維持しながら撹拌した。反応内容物を、未反応の4-ピペリジンカルボキサミドの量がN-アセチルピペリド-4-イルアミド生成物に対して1%未満になるまでモニターした(典型的には約4〜10時間)。沈澱した生成物をろ取し、THFで洗浄して過剰の(ジイソプロピル)エチルアミン塩酸塩を除去した。固体生成物を減圧乾燥機内、窒素排気下で、内部温度≦50℃を維持しながら一定重量になるまで乾燥し、白色固体の生成物を収率94%で得た。Mp.:172〜174℃。

【0191】
N-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素の調製
反応器に1.00モル当量のN-アセチルピペリド-4-イルアミド、0.87モル当量の1-アダマンチルアミン、および49.7モル当量のアセトニトリルを充填し、得られた混合物を窒素雰囲気下で内部温度75℃まで加熱した。(ジアセトキシヨード)ベンゼン(1.00モル当量)を、反応混合物が内部温度75〜80℃の間に維持されるように分割して充填した。(ジアセトキシヨード)ベンゼンを加えた後、反応混合物を内部温度80℃に加熱した。反応内容物を、未反応の1-アダマンチルアミンの量が生成物N-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素に対して5%未満になるまでモニターした(典型的には約1〜6時間)。完了後、反応混合物を内部温度25℃まで冷却し、およそ24モル当量の溶媒を内部温度を40℃未満に維持しながら減圧下で蒸留した。反応混合物を撹拌しながら内部温度0〜5℃まで冷却し、さらに2時間撹拌した。原体をろ取し、アセトニトリルで洗浄した。粗生成物を減圧乾燥機内、窒素排気下で、内部温度≦50℃を維持しながら一定重量になるまで乾燥した。乾燥粗生成物を水でスラリー化して内部温度20±5℃を4時間維持し、次いでろ取した。ろ過ケークを窒素雰囲気下、ヘプタンで洗浄し、次いで減圧乾燥機内、窒素排気下で、内部温度≦70℃を維持しながら一定重量になるまで乾燥し、白色固体の生成物を1-アダマンチルアミンから収率72%で得た。

【0192】
実施例11

N-(1-プロピオニルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1163)
ピリジン中で1当量のピペリジンを1当量の塩化プロパノイル([出発原料]=0.10M)と0℃で12時間処理することにより調製。溶媒除去後、生成物をシリカゲル上、DCM:MeOH/NH3=90:1でクロマトグラフィにかけて、標的を収率20%で得た。Mp.:211〜224℃分解。

【0193】
実施例12

N-(1-ブチリルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1157)
1163のとおりに合成。収率:71%。Mp.:148〜188℃分解。

【0194】
実施例13

N-(1-ベンゾイルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1159)
収率=63%(塩化アシルを介して)。

【0195】
実施例14

N-(1-(ピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1201)
EDCIカップリングを介しての収率=70%(1153参照)。

【0196】

N-(1-(ピリジン-3-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1434)
EDCIカップリングを介しての収率=86%。

【0197】
実施例15

N-(1-(ピリジン-4-カルボニル)ピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1433)
EDCIカップリングを介しての収率=81%。Mp 197〜199℃。

【0198】
実施例16

N-((1-アセチルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1156)
収率=55%。

【0199】
実施例17

N-((1-プロパノイルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1162)
収率=20%(酸塩化物を介して)。

(注、試料は水を含んでいるため尿素N-Hは見られない)。
【0200】
実施例18

N-((1-ブチリルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1120)
収率=35%。Mp.:117〜149℃分解。

【0201】
実施例19

N-((1-ベンゾイルピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1121)
収率=45%。

【0202】
実施例20

N-((1-(ピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1207)
収率=73%。

【0203】
実施例21

N-((1-(ピリジン-3-カルボニル)ピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1436)
収率=定量的。

【0204】
実施例22

N-((1-(ピリジン-4-カルボニル)ピペリジン-4-イル)メチル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素(1435)
収率=77%。

【0205】
実施例23

4-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-イル]-4-オキソ-ブタン酸メチルエステル(1205)
収率=78%。Mp 169〜175℃分解。

【0206】
実施例24

5-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-イル]-5-オキソ-ペンタン酸メチルエステル(1206)
収率=61%。Mp 152〜154℃。

【0207】
実施例25

2-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸メチルエステル(1202)
収率=63%。

【0208】
実施例26

3-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸メチルエステル(1203)
収率=61%。

【0209】
実施例27

4-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸メチルエステル(1204)
収率=70%。Mp 239〜243℃。

【0210】
実施例28

4-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-イル}-4-オキソ-ブタン酸メチルエステル(1208)
収率=72%。

【0211】
実施例29

5-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-イル}-5-オキソ-ペンタン酸メチルエステル(1212)
収率=42%。

【0212】
実施例30

2-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸メチルエステル(1210)
収率=76%。

【0213】
実施例31

3-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸メチルエステル(1209)
収率=67%。

【0214】
実施例32

4-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸メチルエステル(1211)
収率=71%。

【0215】
メチルエステルの対応する酸への加水分解の一般法
親エステルをメチルアルコールに1Mの濃度まで溶解した。これに1.2当量のKOH(4M溶液)を加えた。反応混合物を60℃で6時間加熱した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲル上でDCM:MeOH:HOAc=94:5:1の溶離剤を用いてクロマトグラフィにかけた。収率は90%を越えていた。
【0216】
実施例33

4-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-イル]-4-オキソ-ブタン酸(1503)
Mp 196℃分解。

【0217】
実施例34

5-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-イル]-5-オキソ-ペンタン酸(1501)

【0218】
実施例35

2-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸(1507)
Mp 219℃分解。

【0219】
実施例36

3-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸(1505)


4-[4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボニル]-安息香酸(1523)
Mp 245〜251℃。

【0220】
実施例37

4-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-イル}-4-オキソ-ブタン酸(1502)

【0221】
実施例38

5-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-イル}-5-オキソ-ペンタン酸(1500)

【0222】
実施例39

2-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸(1506)
Mp 192℃分解。

【0223】
実施例40

3-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸(1504)

【0224】
実施例41

4-{4-[(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-メチル]-ピペリジン-1-カルボニル}-安息香酸(1522)
Mp 147℃分解。

【0225】
実施例42

N-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素
N-メタンスルホニルピペリド-4-イルアミド
反応器に1.0モル当量の4-ピペリジンカルボキサミド、16.4モル当量のTHF、および1.2モル当量のN,N-(ジイソプロピル)エチルアミンを窒素雰囲気下で充填した。得られた混合物を内部温度0〜5℃に冷却し、1.2モル当量の塩化メタンスルホニルを、内部温度10℃未満を維持するような速度で加えた。添加完了後、反応混合物を内部温度20℃まで戻して撹拌した。反応内容物を、未反応の4-ピペリジンカルボキサミドの量がN-メタンスルホニルピペリド-4-イルアミド生成物に対して1%未満になるまでモニターした(典型的には約2〜12時間)。沈澱した生成物をろ取し、次いでジクロロメタンで洗浄して過剰の(ジイソプロピル)エチルアミン塩酸塩を除去した。固体生成物を減圧乾燥機内、窒素排気下で、内部温度≦50℃を維持しながら一定重量になるまで乾燥し、淡黄色固体の生成物を収率87%で得た。Mp.:126〜128℃。

【0226】
N-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素
反応器に1.00モル当量のN-メタンスルホニルピペリド-4-イルアミド、1.06モル当量の1-アダマンチルアミン、および39.3モル当量のアセトニトリルを充填し、得られた混合物を窒素雰囲気下で内部温度40℃まで加熱した。(ジアセトキシヨード)ベンゼン(1.20モル当量)を、反応混合物が内部温度75℃未満に維持されるように分割して充填した。(ジアセトキシヨード)ベンゼンを加えた後、反応混合物を内部温度65〜70℃に加熱し、反応内容物を、未反応の1-アダマンチルアミンの量が生成物N-(1-メタンスルホニルピペリジン-4-イル)-N'-(アダマント-1-イル)尿素に対して5%未満になるまでモニターした(典型的には約6時間未満)。得られた混合物を内部温度20℃まで冷却し、ろ過して少量の不溶材料を除去した。ろ液を48時間放置し、その時点で沈澱した生成物をろ取した。固体生成物を減圧乾燥機内、窒素排気下で、内部温度≦50℃を維持しながら一定重量になるまで乾燥し、生成物をN-メタンスルホニルピペリド-4-イルアミドから収率58%で得た。

【0227】
実施例43〜63
以前にJones, P. D., et al. Bioorganic & medicinal chemistry letters 2006, 16, 5212に記載されたとおりに合成。
【0228】
実施例43

1-ピペリジン-4-イル-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1570)

【0229】
実施例44

1-(1-アセチル-ピペリジン-4-イル)-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1555)

【0230】
実施例45

1-[1-(2,2,2-トリフルオロ-アセチル)-ピペリジン-4-イル]-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1591)

【0231】
実施例46

1,3-ジ-ピペリジン-4-イル-尿素(1604)

【0232】
実施例47

1,3-ビス-(1-ベンゾイル-ピペリジン-4-イル)-尿素(1605)

【0233】
実施例48

アダマンタン-1-カルボン酸ピペリジン-4-イルアミド

【0234】

アダマンタン-1-カルボン酸(1-アセチル-ピペリジン-4-イル)-アミド(1641)

【0235】
実施例49

2-アダマンタン-1-イル-N-ピペリジン-4-イル-アセトアミド

【0236】

N-(1-アセチル-ピペリジン-4-イル)-2-アダマンタン-1-イル-アセトアミド(1642)

【0237】
実施例50

2-アダマンタン-1-イル-N-[1-(2,2,2-トリフルオロ-アセチル)-ピペリジン-4-イル]-アセトアミド(1642)

【0238】
実施例51

アダマンタン-1-カルボン酸[1-(2,2,2-トリフルオロ-アセチル)-ピペリジン-4-イル]-アミド(1643)

【0239】
実施例52

1-(1-アセチル-ピペリジン-4-イル)-3-シクロヘプチル-尿素(1645)

【0240】
実施例53

1-アダマンタン-1-イル-3-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イル)-尿素(1701)

【0241】
実施例54

4-(3-アダマンタン-1-イル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボン酸メチルエステル(1702)

【0242】
実施例55

1-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イル)-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1709)

【0243】
実施例56

1-[1-(トルエン-4-スルホニル)-ピペリジン-4-イル]-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1711)

【0244】
実施例57

1-[1-(5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-スルホニル)-ピペリジン-4-イル]-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-尿素(1710)

【0245】
実施例58〜64
これらの化学物質をMorisseau, C., et al. Biochemical Pharmacology 2002, 63, 1599. Jones, P. D., et al. Bioorganic & medicinal chemistry letters 2006, 16, 5212に以前に記載された方法に従い、アミンとイソシアネートとの直接反応によって合成した。
【0246】
実施例58

1-シクロヘキシル-3-(1,3,5-トリアザ-トリシクロ[3.3.1.13.7]デカ-7-イル)-尿素(1549)

【0247】
実施例59

1-ドデシル-3-ピペリジン-4-イル-尿素(1550)

【0248】
実施例60

4-(3-シクロヘキシル-ウレイド)-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(1551)

【0249】
実施例61

1-ドデシル-3-(1H-インドル-5-イル)-尿素(1553)

【0250】
実施例62

1-シクロヘキシル-3-(1H-インドル-5-イル)-尿素(1554)

【0251】
実施例63

1-(1H-ベンゾイミダゾル-5-イル)-3-ドデシル-尿素(1568)

【0252】
実施例64

1-(1H-ベンゾイミダゾル-5-イル)-3-シクロヘキシル-尿素(1569)

【0253】
実施例65

ピリジン-4-イルメチル-カルバミン酸ビフェニル-3-イルエステル(1557)
白色微結晶。

【0254】
実施例66

ピリジン-4-イルメチル-カルバミン酸2-メチル-ビフェニル-3-イルメチルエステル(1558)
白色スポンジ様結晶

【0255】
実施例67

ピリジン-3-イルメチル-カルバミン酸ビフェニル-3-イルエステル(1559)
白色結晶

【0256】
実施例68

ピリジン-3-イルメチル-カルバミン酸2-メチル-ビフェニル-3-イルメチルエステル(1560)
白色結晶

【0257】
実施例69

モルホリン-4-カルボン酸ビフェニル-3-イルエステル(1561)
白色結晶

【0258】
実施例70

モルホリン-4-カルボン酸2-メチル-ビフェニル-3-イルメチルエステル(1562)
無色粘稠油状物。

【0259】
実施例71
本実施例はアッセイ法を提供し、本発明の化合物によるヒト可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害を例示する。
【0260】
酵素調製
組換えヒトsEHをバキュロウイルス発現系において産生し、アフィニティクロマトグラフィで精製した。調製物はSDS-PAGEおよび走査濃度測定で判断して少なくとも97%の純度であった。本sEHアッセイ法を妨害しうる、検出可能なエステラーゼまたはグルタチオントランスフェラーゼ活性は認められなかった。タンパク質濃度を、Pierce BCAアッセイ法で較正標準としてウシ血清アルブミン第V画分を用いて定量した。
【0261】
IC50アッセイ条件
IC50値を3つの方法の1つでもとめた。1つの方法はラセミ体の4-ニトロフェニル-トランス-2,3-エポキシ-3-フェニルプロピルカーボネートを基質として用いる。酵素(0.24μM、ヒトsEH)を阻害剤と共に0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中、30℃で5分間インキュベートした後、基質([S]=40μM)を導入した。活性を、405nm、30℃で1分間の4-ニトロフェノレートアニオンの出現を測定することにより評価した(Spectramax 200;Molecular Devices)。アッセイ法を三回通り行った。IC50は酵素活性を50%低下させる阻害剤の濃度であり、曲線の直線領域でIC50のそれぞれの側に最低2点ある、少なくとも5つのデータ点の回帰によりもとめた。曲線は少なくとも3回の別々のアッセイ法をそれぞれ三回通り行って作成した。
【0262】
他のIC50値をAnalytical Biochemistry 343 66-75 (2005)に記載の方法により、シアノ(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)メチルトランス-[(3-フェニルオキシラン-2-イル)メチル]カーボネートを基質として用いてもとめた。酵素(0.96nM、ヒトsEH)を阻害剤([I]=0.5〜10,000nM)と共にBisTris-HCl緩衝液(25mM、pH7.0、0.1mg/mlのBSA含有)中、30℃で5分間インキュベートした後、基質([S]=5IM)を導入した。酵素活性を6-メトキシ-2-ナフトアルデヒドの出現をモニターすることにより測定した。アッセイ法を三回通り行った。定義によれば、IC50値は酵素活性を50%低下させる阻害剤の濃度である。IC50を曲線の直線領域でIC50値のそれぞれの側に最低2つのデータ点がある、少なくとも5つのデータ点の回帰によりもとめた。曲線は少なくとも3回の別々のアッセイ法をそれぞれ三回通り行って作成した。
【0263】
他の阻害効力を蛍光による高処理量アッセイ法を用いて評価した。DMSO中10mMの阻害剤溶液を0.1mg/mLのBSAを含むBis/Tris HCl緩衝液(25mM、pH7.0)(緩衝液A)中で10倍ずつ連続希釈した。黒色96穴プレート中、阻害剤希釈液または緩衝液20μLをすべてのウェルに加え、次いで緩衝液A中約0.4μg/mLのヒトsEH溶液130μLを各ウェルに加えた。次いで、プレートを混合し、室温で5分間インキュベートした。次いで、緩衝液A:DMSO=96:4中200μMの基質((3-フェニル-オキシラニル)-酢酸シアノ-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-メチルエステル;PHOME)溶液50μLを各ウェルに加えて[S]最終=50μMおよび[E]最終=約4nMとした。プレートを混合し、暗所、室温(約25℃)で90分間インキュベートした。活性を、生成した6-メトキシ-2-ナフトアルデヒドの相対量を励起波長316nm、発光波長460nmでSpectraMax M-2蛍光光度計(molecular Devices, Sunnyvale CA)により測定して評価した。
【0264】
アッセイ法を表1〜5に示す化合物で、前述のとおりに行った。
【0265】
実施例72
本実施例はアルキル置換ピペリジン部分を有する本発明の化合物によるヒト可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害を例示する。
【0266】
アッセイ法を表1に示す化合物で、確立されたプロトコル(上記参照)に従って行った。
【0267】
(表1)アルキル置換ピペリジンによるヒトsEHの阻害

【0268】
実施例73
本実施例はアミド置換ピペリジン部分を有する本発明の化合物によるヒト可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害を例示する。
【0269】
アッセイ法を表2に示す化合物で、確立されたプロトコル(上記参照)に従って行った。
【0270】
(表2)単純なアミド置換ピペリジンによるヒトsEHの阻害

【0271】
実施例74
本実施例はアミド-エステル置換ピペリジン部分を有する本発明の化合物によるヒト可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害を例示する。
【0272】
アッセイ法を表3に示す化合物で、確立されたプロトコル(上記参照)に従って行った。
【0273】
(表3)アミド-エステルピペリジンによるヒトsEHの阻害

【0274】
実施例75
本実施例はアミド-酸置換ピペリジン部分を有する本発明の化合物によるヒト可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害を例示する。
【0275】
アッセイ法を表4に示す化合物で、確立されたプロトコル(上記参照)に従って行った。
【0276】
(表4)アミド-酸ピペリジンによるヒトsEHの阻害

【0277】
実施例76
本実施例は本発明に含まれる様々な他の官能基を有する化合物の構造の表を提供する。例えば、表5aに示すとおり、尿素ファーマコフォアはアミドまたはカーバメート官能基を変化させてsEH阻害剤の物理的性質を改善することができる。
【0278】
アッセイ法を表5aおよび5bに示す化合物で、確立されたプロトコル(上記参照)に従って行った。
【0279】
(表5A)1-置換-3-n-(置換)複素環式尿素、カーバメートおよびアミドによるヒトsEHの阻害





【0280】
(表5B)

【0281】
実施例77
薬動力学的スクリーニング法:
本実施例は薬動力学的試験、具体的には本発明のsEH阻害化合物を用いてイヌで行った血清特性を提供する。前述のとおり、1-置換尿素阻害剤の使用によって鋭敏な感受性が得られ、個々のイヌから採取した連続血液試料から規定の薬動力学的パラメーターを評価することが可能となった(表6〜8)。
【0282】
動物
5〜6歳の健常なイヌを、体重による層化無作為化法に基づいて試験群に割り付けた。すべての実験で用いた動物の体重は約20kgであった。イヌを標準の飼育条件下、飼料および水を自由に摂らせて、自然の明暗周囲で維持した。
【0283】
薬物調製、投与、血液試料採取
様々な量の化合物をCrisco 1mLに溶解し、加熱し、15分間超音波処理して化合物を溶解した。混合物を溶液でキャップ付きのシリンジに移した。混合物は室温で固体となり、使用するまで冷蔵庫で保管してもよい。sEH阻害剤をイヌにシリンジから経口投与した。化合物は好ましくは溶液であるよう、室温またはそれ以上で投与する。その直後にイヌに給餌した。
【0284】
連続血液試料(100μL)をイヌの右前肢に挿入したカテーテルから採取した。連続血液試料をEDTAチューブに投与後の様々な時点(0、15、30、60、120、180、240、300、360、480、および1440分)で採取した。血液試料を4000rpmで10分間遠心分離し、血漿を微量遠沈管に回収し、-80℃で凍結した。
【0285】
LC/MS測定および分析用の血漿試料調製
血漿100μLを別のエッペンドルフに集めた。水200μLおよび酢酸エチル500μLを加え、混合物をボルテックスにかけた。代用薬10μLを加え、混合物を再度ボルテックスにかけた。混合物を6000rpmで5分間遠心分離し、有機相を別のエッペンドルフに抽出した。さらに酢酸エチル500uLを水相に加え、混合物を再度抽出する。有機相を窒素雰囲気下で乾燥し、試料をMeOH 50μLで再構成し、少なくとも一つの内部標準を血漿混合物に加える(例えば、抽出標準)。一定量(5μL)をLC-MS/MS装置に注入した。LC-MS/MSを用いて親化合物およびそれらの代謝産物を測定するために、30×2.1mm 3μm C18Xterra(商標)カラム(Waters)およびMicromass Quattro Ultima三連四重極タンデム質量分析計(Micromass, Manchester, UK)を備えたWaters 2790液体クロマトグラフを用いた。
【0286】
分析
薬動力学的分析を、SigmaPlotソフトウェア(SPSS science, Chicago, IL)を用いて実施した。経口胃管投与の血中濃度-時間特性のために1区画モデルを用い、下記の式にあてはめた(Gibson, G.G. and Skett, P.: INTRODUCTION TO DRUG METABOLISM, SECOND ED., Chapman and Hall, New York 1994, 199-210参照):
C = ae-bt
排出相の半減期を下記の式で算出した:
t1/2 = 0.693/b
濃度下面積(AUC)を下記の式で算出した:
AUC = a/b
式中:
- C = 時間tの総血中濃度
- a = 外挿したゼロ切片
- b = 見かけの一次排出速度定数
【0287】
結果を表6、7および8に示し、化合物の時間経過の例を図1〜3に示す。
【0288】
(表6)LC/MS分析

【0289】
酸部分がこれらの化合物において大きな差をもたらすことに留意されたい。酸は最高濃度により速く達し、血中レベルを持続させる。より高い血中レベル(バイオアベイラビリティ)は一般により高いタンパク質結合およびより高い有効性に対応する。したがって、酸性部分が存在することによりこれらの阻害剤の経口有効率が改善される。
【0290】
(表7)化合物の薬動力学的パラメーター



【0291】
(表8)

【図面の簡単な説明】
【0292】
【図1】0.3mg/kgの1回経口用量で投与した、ピペリジン置換を有する化合物の薬動力学的特性。
【図2】化合物1153、1155および1645の薬動力学的特性。化合物を0.3mg/kgでイヌに経口投与した。
【図3】0.1から0.3mg/kgで1回経口投与した後の、化合物1153の薬動力学的特性。
【図4】イヌモデルに0.3mg/kgで1回経口投与した後の、化合物1153および他の化合物の薬動力学的特性。
【図5】効力の逆数の関数としての選択した化合物の曝露。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式を有する化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリル(heterocyclyl)からなる群より選択されるメンバーであり;ここで該環式部分が単環式または多環式であり;
Y1が結合、C(R5)2、NR5およびOからなる群より選択され;
Y2が結合、NR5およびOからなる群より選択され;
R2、R3およびR5がそれぞれH、アルキルおよびCOR6からなる群より独立に選択され;
Aが1から2つのR7置換基で置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Lが直接結合、C1-C12アルキレン、C1-C12ヘテロアルキレン、C3-C6シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、-CO-、-SOm-および-Se-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、OH、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
R7がそれぞれハロ、ニトロ、C1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノ、ヒドロキシC1-C8アルキル、ハロC1-C8アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルコキシC1-C8アルコキシ、ハロC1-C8アルコキシ、チオC1-C8アルキル、アリール、アリールオキシ、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルキル C1-C8アルキル、ヘテロアリール、アリールC1-C8アルキル、ヘテロアリールC1-C8アルキル、1から2つの二重結合を含むC2-C8アルケニル、1から2つの三重結合を含むC2-C8アルキニル、C4-C8アルカ(エン)(イン)イル(alk(en)(yn)yl)基、シアノ、ホルミル、C1-C8アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1-C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C8アルキルアミノカルボニル、C1-C8ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールC1-C8アルキルアミノカルボニル、ハロC1-C8アルコキシ、C2-C8アルケニルオキシ、C2-C8アルキニルオキシ、アリールC1-C8アルコキシ、アミノC1-C8アルキル、C1-C8アルキルアミノC1-C8アルキル、C1-C8ジアルキルアミノC1-C8アルキル、アリールアミノC1-C8アルキル、アミノ、C1-C8ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールC1-C8アルキルアミノ、C1-C8アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アジド、メルカプト、C1-C8アルキルチオ、アリールチオ、ハロC1-C8アルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、C1-C8アルキルスルフィニル、C1-C8アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、C1-C8アルキルアミノスルホニル、C1-C8ジアルキルアミノスルホニルおよびアリールアミノスルホニルからなる群より選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項2】
Y1がNR5である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Y2が結合である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Y2がNR5である、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
Y2がOである、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
Y2がNR5である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Y1が結合である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
Y1がC(R5)2である、請求項6記載の化合物。
【請求項9】
Y1がOである、請求項6記載の化合物。
【請求項10】
Y1がNR5である、請求項6記載の化合物。
【請求項11】
R2、R3およびR5がHである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
Aがピペリジニル、1,3,5-トリアザ-トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル、インドリル、ピリジル、モルホリニルおよびベンズイミダゾリルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
Aがピペリジニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
Aが1,3,5-トリアザ-トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルである、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
Aがインドリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
Aがピリジルである、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
Aがモルホリニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
Aがベンズイミダゾリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項20】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項21】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項22】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項23】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグ:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項24】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグ:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項25】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項26】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグ:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項27】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項28】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびプロドラッグ:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項29】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項30】
下記の式を有する、請求項1記載の化合物およびその薬学的に許容される誘導体:

式中、R1が、C1-C8アルキル、C1-C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基で置換されていてもよい、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択されるメンバーであり;ここで該シクロアルキル部分が単環式または多環式であり;
Lが直接結合、C1-C12ヘテロアルキレン、-CO-および-SOm-からなる群より選択され;
R4が、C1-C8アルキル、ハロ、C1-C8ヘテロアルキル、アリールC0-C8アルキル、COR6、S(O)mR6およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択される1から2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、H、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキル、C3-C12シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択され;
R6がそれぞれH、C1-C8アルキル、C1-C8アルコキシおよびアミノからなる群より独立に選択され;
下付き文字nが0から1の整数であり;
下付き文字mが0から2の整数である。
【請求項31】
R1がC1-C8アルキルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項32】
R1がドデシルおよびt-ブチルからなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項33】
R1がアリールC0-C8アルキルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項34】
R1がフェニルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項35】
R1がC3-C12シクロアルキルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項36】
R1がアダマンチルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項37】
R1がシクロヘプチルまたはシクロヘキシルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項38】
R1がC3-C12シクロアルキルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項39】
R1がアダマンチルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項40】
R1がシクロヘプチルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項41】
Lが直接結合である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項42】
LがC1-C12ヘテロアルキレンである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項43】
Lが-CO-である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項44】
Lが-SO2-である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項45】
R4がH、C1-C8アルキル、アリールC0-C8アルキルおよびヘテロシクリルからなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項46】
R6がHである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項47】
R6がC1-C8アルキルである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項48】
nが0である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項49】
nが1である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項50】
sEHに対する150nMまたはそれ以下のIC50を有する、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項51】
実施例1〜70ならびに表1〜4と5aおよび5bの化合物からなる群より選択される化合物。
【請求項52】
薬学的に許容される賦形剤と請求項1から51のいずれか一項記載の化合物とを含む薬学的組成物。
【請求項53】
可溶性エポキシドヒドロラーゼの阻害法であって、
該可溶性エポキシドヒドロラーゼを請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の阻害量と接触させる段階を含む方法。
【請求項54】
可溶性エポキシドヒドロラーゼによって調節される疾患の治療法であって、
そのような治療を必要とする被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項55】
前記疾患が高血圧、炎症、成人呼吸窮迫症候群;糖尿病合併症;末期腎疾患;レイノー症候群および関節炎からなる群より選択される、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記治療がナトリウム排出を高め、血管炎症および腎炎症を軽減し、かつ男性の勃起不全を軽減する、請求項54記載の方法。
【請求項57】
前記高血圧が腎高血圧、肺高血圧および肝高血圧からなる群より選択される、請求項54記載の方法。
【請求項58】
前記炎症が腎炎症、血管炎症、および肺炎症からなる群より選択される、請求項54記載の方法。
【請求項59】
被験体の腎劣化を軽減する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項60】
前記腎劣化が糖尿病、高血圧または炎症障害にかかっている前記被験体に存在する、請求項59記載の方法。
【請求項61】
被験体の腎症の進行を阻害する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項62】
被験体が(a)血圧が130/85またはそれ以下である真性糖尿病の人、(b)血圧が130/85またはそれ以下であるメタボリック症候群の人、(c)トリグリセリドレベルが215mg/dLを越える人、または(d)コレステロールレベルが200mg/dLを越える人である、請求項61記載の方法。
【請求項63】
被験体の血圧を低下させる方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項64】
前記被験体にシス-エポキシエイコサトリエン酸の有効量を投与する段階をさらに含む、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記シス-エポキシエイコサトリエン酸を式(1)を有する前記化合物と共に投与する、請求項64記載の方法。
【請求項66】
被験体の閉塞性肺疾患(pulmonary disease)、間質性肺疾患、または喘息の進行を阻害する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項67】
前記閉塞性肺疾患が慢性閉塞性肺疾患、気腫、および慢性気管支炎からなる群より選択される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記間質性肺疾患が特発性肺線維症であるか、または粉塵への曝露に関連するものである、請求項66記載の方法。
【請求項69】
前記被験体にシス-エポキシエイコサトリエン酸の有効量を投与する段階をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項70】
前記シス-エポキシエイコサトリエン酸を式(1)を有する前記化合物と共に投与する、請求項66記載の方法。
【請求項71】
被験体の血管炎症を軽減する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項72】
被験体の腎炎症を軽減する方法であって、
被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項73】
被験体の内皮細胞機能を制御する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項74】
被験体の内皮細胞炎症を低減する方法であって、
該被験体に請求項1から51のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項75】
可溶性エポキシドヒドロラーゼの作用によって産生される生物活性ジオールの生成を減少させる方法であって、
該可溶性エポキシドヒドロラーゼの活性を阻害し、該生物活性ジオールの形成を減少させるのに十分な量の請求項1から51のいずれか一項記載の化合物と、該可溶性エポキシドヒドロラーゼを接触させる段階を含む方法。
【請求項76】
前記接触をインビトロアッセイで行う、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記接触をインビボで行う、請求項75記載の方法。
【請求項78】
可溶性エポキシドヒドロラーゼの活性をモニターする方法であって、
該sEHの触媒部位にある一つまたは複数のトリプトファン残基と相互作用することにより該可溶性エポキシドヒドロラーゼの蛍光に検出可能な変化を生じさせるのに十分な量の請求項1から51のいずれか一項記載の化合物と、該可溶性エポキシドヒドロラーゼを接触させる段階を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−530287(P2009−530287A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500457(P2009−500457)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/006412
【国際公開番号】WO2007/106525
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【出願人】(508276785)
【Fターム(参考)】