説明

高血圧と代謝症候群の治療に用いられる薬物組成物及びその応用

本発明は、活性成分として、1)アンギオテンシンII受容体拮抗薬又はその薬学的に許容される塩と、2)ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、3)ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩とを含む、薬物組成物を提供する。また、本発明は、前記薬物組成物の高血圧又は代謝症候群の治療のための薬物の製造における応用を提供する。本発明の薬物組成物は、高血圧又は代謝症候群の治療と共に、これと関係がある心血管疾患の発生を有効に制御することができ、高血圧患者の生存予後を更に改善することができる。また、血圧を目的のレベルに下げると共に、同時に存在する心血管疾患などの危険因子を是正して、代謝紊乱及び患者の予後を改善することができ、高血圧患者の生存率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に関し、さらに具体的には、薬物組成物及び当該薬物組成物の、高血圧又は代謝症候群の治療のための薬物の調製における応用に関する。
【背景技術】
【0002】
高血圧疾患は主に人体の血管に損害を与え、動脈血管壁の硬化を促進し、血管内腔が狭くなって、いわゆる「動脈硬化」になる。高血圧症と糖尿病との合併症になると、血管に対する損害を加速・加重して、病状を迅速に悪化させ、積極的に治療しなければならない。高血圧疾患は、最もよく見られる心血管疾患の一つであり、また、冠状動脈性心疾患、脳血管疾患などの死を招く疾患と密接な関係がある。中国の高血圧疾患の発病率は、欧米諸国に比べ高くはないが、年々高くなる傾向を示している。人々の生活レベルの向上と環境悪化に従い、高血圧、高脂血、高コレステロール類の心血管患者もますます増えており、関係報告によれば、2003年の年末まで、中国の高血圧患者は既に1.5億人に達し、また、毎年500万人の速度で増えている。世界各国は、高血圧疾患の発病機序から臨床の予防と治療における研究を充分重視している。
【0003】
アンギオテンシンII受容体拮抗薬は、高血圧の治療に用いられる第一選択薬であり、新たな降圧機序を持っている。アンギオテンシンII受容体拮抗薬のメリットとしては、降圧作用が穏やかである、治療効果がよい、作用時間が長い、及び患者の耐受性がよいことなどが挙げられる。サルタン(Sartan)類薬物には、ロサルタン(Lo sartan)、イルべサルタン(irbesartan)、カンデサルタン(candesartan)、タソサルタン(Tasosartan)、エプロサルタン(Eprosartan)、テルミサルタン(Telmisartan)、バルサルタン(Val sartan)などが含まれる。その中、ロサルタンはメルク社(Merck & Co.)が開発した第1世代の経口投与可能な非ペプチド系アンギオテンシンII受容体阻害剤であり、世界のサルタン類薬物中で一番重要な位置を占めている。1994年6月に、ロサルタンカリウムが初めてスウェーデンで発売され、1996年に中国政府の保護を獲得している。アンギオテンシンII(AngII)受容体は、AT1、AT2、AT3及びAT4という四つの亜型(サブタイプ)を含む。人の心血管、副腎皮質及び腎臓で、AT1受容体は絶対的な優勢を占めている。現在、臨床治療に用いられる薬物は、選択性を持つAT1受容体阻害剤であり、例えば、ロサルタンは内因性及び外因性のアンギオテンシンIIにより産生される各種薬理作用(血管の収縮を促進し、アルドステロン放出などの作用を含む)を遮断することができ、また選択的にAT1受容体に作用することができ、他のホルモン受容体又は心血管中の重要なイオンチャネルの機能に影響を与えない。また、ブラジキニンを分解するアンジオテンシン変換酵素(キナーゼII)を抑制することもなく、アンギオテンシンII及びブラジキニンの代謝過程にも影響がない。ロサルタンは高血圧患者への第一選択薬として、その効果が高く、作用時間が長く、耐受性がよい。また空せきなどの不都合の発生が極めて小さいという長所を持っていると共に、腎臓に対する保護機序も持っている。
【0004】
ロスバスタチンカルシウム(Rosuvastatin Calcium)は、日本の塩野義社(大阪Shionogi(株))により研究開発された合成類のスタチン薬物に属し、1998年4月にイギリスのアストラゼネカ社に譲渡された。ロスバスタチンは、選択性3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)還元酵素阻害剤であり、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、家族性高コレステロール血症及びその類似の疾患の治療に用いられる。ロスバスタチンカルシウムの分子式は、下記の通りである:
【化1】

【0005】
現在知られている臨床の検証結果と、同類の他のスタチン類産品との比較の二つの面から見ると、ロスバスタチンカルシウムは、「スーパースタチン」と呼ばれるのにふさわしい薬であり、その降脂効果は非常に優れており、今までその効果が最も高い降脂薬物である。
【0006】
中国発明特許出願CN200480002407.2は、テルミサルタンとアトルバスタチンの心血管、心肺又は腎臓疾患の予防又は治療のために用いられる薬物の調製における応用を開示している。
【0007】
青島大学医学院の学報(2005年第2期)に記載の「バルサルタンとアトルバスタチンの併用治療が、高血圧患者の頸動脈内膜メディアの厚さ(内膜中膜厚)に対する影響」には、バルサルタンとアトルバスタチンの併用がバルサルタンを単独に使用する場合に比べ、原発性高血圧患者の頸動脈内膜メディアの厚さ(内膜中膜厚比)を逆転する効果が著しいことが開示されている。
【0008】
前記特許出願及び文献に記載のサルタン類とスタチン類との結合応用は、高血圧を治療すると共に、降脂治療を行なうことができるが、心血管疾患は、高血圧患者において発病率の高い疾患であり、高血圧治療と共に降脂治療を行なうことのみで充分とは言えない。長期間の高血圧は、心血管システム及び腎臓などの重要な臓器に対する損害を招く可能性がある。そのため、降圧治療は、血圧を目的のレベルに下げることだけではなく、同時に存在する心血管疾患などの危険因子も修正し、また適切な薬物を選択して、代謝紊乱及び患者の予後を改善しなければならない。従って、高血圧の治療と共に、高血圧と関係がある心血管疾患の発生を有効に制御して、高血圧患者の生存予後を更に改善できる多剤併用療法を探すことは、臨床治療中で至急解決しなければならない問題となっている。
【発明の開示】
【0009】
本発明の目的は、高血圧又は代謝症候群の治療と共に、それと関係がある心血管疾患の発生を有効に制御して、高血圧患者の生存予後を更に改善できる新規薬物組成物を提供することにある。血圧を目的のレベルに下げると共に、同時に存在する心血管疾患などの危険因子を是正して、代謝紊乱及び患者の予後を改善し、高血圧患者の生存率を向上させる。
【0010】
本発明の薬物組成物は、以下の活性成分を含む:
1)アンギオテンシンII受容体拮抗薬又はその薬学的に許容される塩;
2)ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩;及び、
3)ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩。
【0011】
本発明において、アンギオテンシンII受容体拮抗薬は、ロサルタン、イルべサルタン、カンデサルタン、タソサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン及びバルサルタンから選択することができる。
【0012】
1つの実施形態において、本発明の薬物組成物中のアンギオテンシンII受容体拮抗薬又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩とのモル比が、1: 0.01〜4.3:0.004〜1.54である。
【0013】
好ましくは、本発明の薬物組成物中のアンギオテンシンII受容体拮抗薬又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩とのモル比が、1: 0.01〜1.5:0.005〜0.5である。
1つの実施形態において、本発明の薬物組成物は、以下の活性成分を含む:
1)ロサルタン又はその薬学的に許容される塩;
2)ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩;及び、
3)ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩。
【0014】
1つの実施形態において、本発明の薬物組成物中のロサルタン又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩との重量比が、1: 0.01〜4:0.01〜3.5であり、その中、ロサルタンの薬学的に許容される塩の重量はロサルタンで計算し、ピオグリタゾンの薬学的に許容される塩の重量はピオグリタゾンで計算し、ロスバスタチンの薬学的に許容される塩の重量はロスバスタチンで計算する。
【0015】
好ましくは、ロサルタン又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩との重量比が、1: 0.02〜1:0.02〜1であり、その中、ロサルタンの薬学的に許容される塩の重量はロサルタンで計算し、ピオグリタゾンの薬学的に許容される塩の重量はピオグリタゾンで計算し、ロスバスタチンの薬学的に許容される塩の重量はロスバスタチンで計算する。
【0016】
1つの実施形態において、本発明の薬物組成物中のピオグリタゾンの薬学的に許容される塩は、塩酸ピオグリタゾンであることが好ましい。
【0017】
1つの実施形態において、本発明の薬物組成物中のロスバスタチンの薬学的に許容される塩は、ロスバスタチンカルシウムであることが好ましい。
【0018】
本発明は、臨床での高血圧治療に対する最新研究の進捗状況、及び高血圧患者の疾患の発展傾向に基づいて、独創的に既存の降圧方法に糖尿病を治療するためのピオグリタゾンを導入して、非常に優れた治療効果を得ている。実験結果から分かる通り、本発明のロサルタン、ピオグリタゾン及びロスバスタチンの薬物組成物は、降圧の面で非常に著しい優勢を持っているばかりでなく、長期間の高血圧による心血管システム、腎臓などの重要臓器への損害を有効に減少させることができ、心血管疾患などの危険因子を有効に修正して、代謝紊乱の状況及び患者の予後状況を改善し、高血圧による各種心脳血管合併症を治療しかつ制御する面で、良好な協同作用と予想し得ない効果を得ている。本発明は、ラットの心筋厚さ、頸動脈の内膜中膜厚を測定することにより、本発明の薬物組成物が、肥大型心筋を逆転することができ、心血管疾患の発生を有効に制御することを表しており、その心血管疾患の予防と治療の面での優勢を証明している。また、ラットの尿中微量アルブミンを測定することにより、本発明の薬物組成物が腎臓に対し一定の保護作用を持っていることが説明でき、高血圧患者の腎臓に対する損傷を有効に緩解することができる。
【0019】
大量の実験と研究から、イルべサルタン、カンデサルタン、タソサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン及びバルサルタンのいずれか1種又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩とを併用することにより、ラットの肥大型心筋を逆転することができ、また、降圧作用が著しく、且つ長期間の高血圧による心血管システム、腎臓などの重要臓器への損害を有効に減少させることができ、心血管疾患などの危険因子を有効に修正するばかりでなく、尿中微量アルブミンを減少させ、高血圧の損害から腎臓を保護できることが確認できた。同時に、代謝紊乱を改善して、代謝症候群患者に対する治療においても、一定の治療効果を持っていることが確認できた。
【0020】
従って、本発明は、本発明の薬物組成物の、高血圧又は代謝症候群の治療のための薬物の調製における応用を提供する。
【0021】
また、本発明は、本発明の組成物の有効量を、治療が望まれる患者に投与することを含む、本発明の薬物組成物の高血圧又は代謝症候群に対する治療方法を提供する。
【0022】
また、本発明は、高血圧又は代謝症候群の治療に用いられる前記薬物組成物を提供する。
【0023】
代謝症候群とは、多種の代謝異常が合併した病理現象を指す。本発明において、代謝症候群は、肥満(特に腹部型肥満)、インスリン抵抗性症候群、血糖調節異常、糖尿病、高血圧、脂質異常症、微量アルブミン尿又は高尿酸血症などを含む。本発明の薬物組成物は、代謝症候群患者の総コレステロールTC、高比重リポタンパク質コレステロールHDLC、ヘモグロビンA1c(HbAlC)、空腹時血糖(FBG)、空腹時インシュリン(FINS)及びフィブリノーゲン(Fg)の含有量を有効に減少させることができ、関係の心血管疾患を有効に制御して、障害率と死亡率を低下させる。
【0024】
「有効量」とは、患者の体内で望ましい治療効果を示すことができる本発明の薬物組成物の投与量を指す。
【0025】
本発明の薬物組成物は、薬物の性質と患者への投与便利性の必要に応じて、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、ドロップピル(dropping pills)等の固形薬物製剤とすることができる。その中、錠剤には、素錠、コーティング錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、発泡錠、咀嚼錠、多層錠、崩壊錠、分散錠、舌下錠、バッカル錠、植込錠、溶解錠、徐放錠等が含まれる。本発明は、固形薬物製剤を採用することで、携帯と使用の便利を図ることができ、投与経路が簡単で、容易に投与できるというメリットを有し、容易に患者に受け入れられる。
【0026】
本発明の一つの実施形態において、本発明の薬物組成物の剤形は、錠剤、カプセル剤又は顆粒剤であるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明の薬物組成物は、通常の製剤技術によって製造され、以下の添加剤を使用して、通常の技術により製造することができる:賦形剤(例えば、乳糖、蔗糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトール、澱粉、デキストリン、結晶セルロース、アラビアガム、グルカン等)、潤沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、マイクロシリカゲル、ホウ酸、ドデシル硫酸ナトリウム等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等)、崩壊剤(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン等)、乳化剤(例えば、ベントナイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ドデシル硫酸ナトリウム等)、安定剤(p-ヒドロキシ安息香酸メチル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノール、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等)、調味剤(蔗糖、香料、アスパルテーム、シクロデキストリン等)、希釈剤等。
【0028】
また、患者の要求に応じて、本発明の薬物組成物を徐放錠として製造することができ、これにより、効率よく、且つ安全に血圧を調節することができる。また、徐々に放出することで、比較的穏やかな血中薬物濃度及びより長い作用時間を保持することができる。更に、毒性・副作用を減らし、経口摂取が便利というメリットを有している。
【0029】
本発明の薬物組成物より製造された徐放錠剤は、セルロース誘導体又はビニルポリマーを徐放マトリックスとし、これらの徐放マトリックスは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、微結晶セルロース(microcrystalline cellulose)、澱粉、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂中の1種又は多種であることができる。
【0030】
本発明の薬物組成物の優勢は、以下のいくつかの面に現れている:
1.本発明は、既存の降圧方法を基礎とする上に、創造的に糖尿病の治療に用いられるピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩を導入することで、非常に良好な降圧の協同効果を得ている。アンギオテンシンII受容体拮抗薬であるサルタン類薬物又はその薬学的に許容される塩と、HMG-CoA還元酵素阻害剤であるロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩との併用は、実験研究と臨床観察において、良好な協同降圧作用を得ている。
2.本発明の薬物組成物の不良反応の発生率及び不良反応の程度が著しく減少した。本発明は、降圧薬物+降糖薬物+降脂薬物の三剤併用治療方案を採用しているため、高血圧を治療する面で著しい協同作用を得ている。また、全面的に協力して降圧しているため、薬物の用量が著しく減少し、同時に不良反応の発生率と不良反応の程度を大幅に減少させる。
3.本発明の薬物組成物の長期間使用は、高血圧患者の生存率に有益な作用を持っている。患者の予後に積極な影響を及ぼすことは、本発明が解決した最も意義がある臨床課題である。通常、降圧薬物は高血圧による脳卒中、腎臓損傷、冠状動脈性心疾患などの合併症に対し、良好な予防と治療作用を持っていない。これに対し、本発明の薬物組成物は、高血圧疾患を治療すると共に、高血圧疾患と関係がある心血管疾患の発生を有効に制御することができ、高血圧患者の生存予後を更に改善する。また、降圧治療により血圧を目的のレベルに下げると共に、同時に存在する心血管疾患などの危険因子を是正し、かつ代謝紊乱及び患者の予後を改善して、高血圧患者の生存率を向上させる。
4.本発明の薬物組成物の適用範囲が広い。本発明において、その協同作用機序は、多種の高血圧患者に適用され、特に卒中型高血圧患者及び高血圧疾患の腎臓損傷合併患者に適用される。また、高血圧と冠動脈疾患狭心症の合併症、末梢血管疾患、老年者高血圧、妊娠高血圧、抵抗性高血圧のいずれに対しても、良好な治療効果を持っている。
5.本発明の薬物組成物は、今の社会で発病率が非常に高い代謝症候群に対して、好ましい効果を持っている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の応用範囲は、これらの実施例に限定されるものではなく、当業者にとって、自明な変更及び修飾も、本発明の範囲に含まれるべきである。本発明の明細書が引用する引用文献は、そのすべてがすべての目的のために本明細書に取り込まれる。
以下の各実施例における薬物組成物の各成分の重量比において、塩酸ピオグリタゾンはピオグリタゾンで計算し、ロスバスタチンカルシウムはロスバスタチンで計算する。
【0032】
実施例1 素錠剤

ロスバスタチンカルシウム 5g
ロサルタン 50g
塩酸ピオグリタゾン 5g
澱粉 140g
デキストリン 120g
50%エタノール 適量
ステアリン酸マグネシウム1.0g

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン、塩酸ピオグリタゾン、澱粉、デキストリンを秤取り、均一に混合した。また、50%エタノールを混合粉末に適量加入し、均一に混合して軟質材とし、18メッシュのナイロン篩により、ウェット顆粒を製造し、60℃程度で乾燥して、ドライ顆粒の水分を1.5%以下に制御した。また、20メッシュの篩で造粒し、更にステアリン酸マグネシウムと均一に混合し、打錠して、素錠を得た。
【0033】
実施例2 カプセル剤

ロスバスタチンカルシウム 1g
ロサルタン 50g
塩酸ピオグリタゾン 1g
微結晶セルロース 300g
マイクロシリカゲル 12g

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン、塩酸ピオグリタゾン、微結晶セルロース、マイクロシリカゲルを粉砕し、100メッシュの篩にかけて均一に混合した後、直接カプセルに充填して、カプセル剤を得た。
【0034】
実施例3 二層錠剤

ロスバスタチンカルシウム 25g
マンニトール 10g
乳糖 40g
微結晶セルロース 20g
6%PVPの95%エタノール溶液 120g
ステアリン酸マグネシウム 2g

製造工程a:ロスバスタチンカルシウムを100メッシュの篩にかけ、マンニトール、乳糖、微結晶セルロースを80メッシュの篩にかけてから、処方量のロスバスタチンカルシウム、マンニトール、乳糖、微結晶セルロースを秤取り、均一に混合した後、6%ポリビニルピロリドン(PVP)の95%エタノール溶液を適量加入して造粒し、60℃で乾燥してから、16メッシュの篩でドライ顆粒にし、該ドライ顆粒に処方量のステアリン酸マグネシウムを加入した。

ロサルタン 25g
塩酸ピオグリタゾン 25g
予糊化澱粉 50g
マンニトール 50g
6%PVPの95%エタノール溶液 100g
マイクロシリカゲル 5g

製造工程b:ロサルタンと塩酸ピオグリタゾンを100メッシュの篩にかけ、また予糊化澱粉、マンニトールを80メッシュの篩にかけてから、処方量のロサルタン、ピオグリタゾンと予糊化澱粉、マンニトールを秤取って、均一に混合した後、6%PVPの95%エタノール溶液を適量加入して造粒し、60℃で乾燥してから、16メッシュの篩でドライ顆粒にし、該ドライ顆粒中に処方量のステアリン酸マグネシウムを添加した。
前記製造工程a及びbの顆粒組成物を、二層錠剤機により打錠して、二層錠剤を得た。
【0035】
実施例4 分散錠剤

ロスバスタチンカルシウム 25g
ロサルタン 50g
塩酸ピオグリタゾン 25g
カルボキシメチルセルロース
カルシウム 15g
架橋ポリビニルピロリドン 15g
微結晶セルロース 140g
10%澱粉スラリー 適量
ステアリン酸マグネシウム 6g

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン及び塩酸ピオグリタゾンを100メッシュの篩にかけ、カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋ポリビニルピロリドン、微結晶セルロースを80メッシュの篩にかけてから、均一に混合し、10%澱粉スラリーを加入して造粒し、ステアリン酸マグネシウムを添加した後、打錠して、分散錠剤を得た。
【0036】
実施例5 顆粒剤

ロスバスタチンカルシウム 35g
ロサルタン 10g
塩酸ピオグリタゾン 40g
澱粉 200g
デキストリン 50g
蔗糖粉 50g
80%エタノール 適量

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン、塩酸ピオグリタゾン、澱粉、デキストリン、蔗糖粉を秤取り、均一に混合した。また、80%エタノールを混合粉末中に適量加入し、均一に混合して軟質材とし、18メッシュのナイロン篩を通過させてウェット顆粒にし、60℃程度で乾燥した後、20メッシュの篩で造粒し、サブパッケージして、顆粒剤を得た。
【0037】
実施例6 崩壊錠剤

ロスバスタチンカルシウム 1g
ロサルタン 100g
塩酸ピオグリタゾン 1g
架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム10g
微結晶セルロース 100g
ポリビニルピロリドン 20g
5%PVPの60%エタノール溶液 適量
マイクロシリカゲル 5g

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン、塩酸ピオグリタゾンを秤取り、また、微結晶セルロースを充填材とし、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドンを崩壊剤とし、5%PVPの60%エタノール溶液を結合剤とし、マイクロシリカゲルを流動促進剤として、流動床によりワンステップ(one-step)造粒を行い,打錠して、崩壊錠を得た。
【0038】
実施例7 徐放錠剤

ロスバスタチンカルシウム 10g
ロサルタン 50g
塩酸ピオグリタゾン 15g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 80g
ポリビニルピロリドン 100g
乳糖 85g
マイクロシリカゲル 100g

製造工程:処方量のロスバスタチンカルシウム、ロサルタン、塩酸ピオグリタゾンと、処方量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖とを均一に混合し、結合剤のポリビニルピロリドンを加入して造粒した後、40℃−80℃下で乾燥して、ドライ顆粒にし、該ドライ顆粒に処方量の潤沢剤であるマイクロシリカゲルを添加して均一に混合し、異型打錠することにより、徐放錠を得た。

【0039】
実施例8 本発明の薬物組成物の、自然発症型高血圧ラットの血圧及び心筋肥大に対する治療効果
1.実験動物及び実験グループ分け
自然発症型高血圧ラット88匹(雄;山東新時代薬業有限公司の新薬薬理センター提供;体重(300±20)g)に対し、一週間の適応性飼養を行なった後、ランダムに8群に分けた(各群11匹)。
モデル(対照)群:同体積の生理食塩水を胃内投与した;
ピオグリタゾン群:0.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン;
ロサルタン群:5mg/(kg.d)ロサルタン;
ロスバスタチンカルシウム群:0.5mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム;
ロサルタン+ロスバスタチンカルシウム群:5mg/(kg.d)ロサルタン+0.5mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム;
ピオグリタゾン+ロスバスタチンカルシウム群:0.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン+0.5mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム;
ロサルタン+ピオグリタゾン群:5mg/(kg.d)ロサルタン+0.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン;
本発明の薬物組成物群:5mg/(kg.d)ロサルタン+0.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン+0.5mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム。
各群に対し、胃内投与により、一日1回、合計10週間薬物を投与した。実験過程において、毎日動物の飲食状況、生存状況及び行為・活動を観察し、また、毎日体重を測定し、測定された体重により薬物の用量を調節した。10週後、動物を殺し,心臓を摘出して、左心室の重量を測定し、左心室指数を計算した。

【0040】
2.実験方法及び実験結果
2.1本発明の薬物組成物の、自然発症型高血圧ラットの血圧に対する影響
温度18℃-22℃、湿度45%-65%に制御し、室内は自然の光線を採用した。BP-2006A非侵入式自動血圧計(北京軟隆有限公司提供)により、ラットの覚醒状態における尾動脈血圧を測定した。薬物を投与した後の第1週、第3週、第5週、第8週に、それぞれ血圧を測定し(いずれも薬物の胃内投与後の2〜5時間内に5回測定する)、その平均値を取って、該サンプルの血圧とした。
【表1】

【0041】
結果から分かる通り、ロスバスタチン、ロサルタン及びピオグリタゾンを複合した組合せは、自然発症型高血圧ラットの降圧において、良好な協同作用を得た。三つの薬物の併用は、ロサルタンとロスバスタチンの併用を基礎とした上にピオグリタゾンを加えた場合であっても,ピオグリタゾンとロスバスタチンの併用を基礎とした上にロサルタンを加えた場合であっても,また、ロサルタンとピオグリタゾンの併用を基礎とした上にロスバスタチンを加えた場合であっても、いずれも第5週と第7週の血圧の測定データにおいて、良好な協同作用を示している。
【0042】
2.2心臓重量、左心室重量、体重及び左心室肥厚指数(左心室重量/体重)の測定:
10%塩化カリウム(2mmol/L,1mL/匹)でラットを殺した後、体重を測定した。また、心臓を摘出し、大血管及び心臓以外の結合組織を取り除き、洗浄した後、濾紙で水分を吸い取ってから心臓重量を測った。更に、心房を取り除き、左心室の重量を測り、左心室重量と体重の比を計算した。
【表2】

【0043】
結果から分かる通り、ロスバスタチン、ロサルタン及びピオグリタゾンを複合した組合せは、高血圧ラットの左心室心筋肥大を有効に逆転することができ、三つの薬物の併用は、自然発症型高血圧ラットの心筋肥大の治療で、非常に良好な協同作用が得られた。また、ロサルタン+ロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にピオグリタゾンを加えた場合であっても、ピオグリタゾンとロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にロサルタンを加えた場合であっても、また、ロサルタン+ピオグリタゾンの併用を基礎とした上にロスバスタチンカルシウムを加えた場合であっても、いずれも非常に良好な協同作用が得られた。

【0044】
実施例9 本発明の薬物組成物の、自然発症型高血圧ラットの尿中微量アルブミン及び頸動脈の内膜中膜厚に対する治療効果
1.実験動物及び実験グループ分け
自然発症型高血圧ラット64匹(雄;山東新時代薬業有限公司の新薬薬理センター提供;体重(300±20)g)に対し、一週間の適応性飼養を行なった後、ランダムに8群に分けた(各群8匹)。
モデル(対照)群:同体積の生理食塩水を胃内投与する;
ピオグリタゾン群:1.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン;
ロサルタン群:5mg/(kg.d)ロサルタン;
ロスバスタチンカルシウム群:1mg/(kg.d)ロスバスタチン;
ロサルタン+ロスバスタチンカルシウム群:5mg/(kg.d)ロサルタン+1mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム;
ピオグリタゾン+ロスバスタチンカルシウム群:1.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン+1mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム;
ロサルタン+ピオグリタゾン群:5mg/(kg.d)ロサルタン+1.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン;
本発明の薬物組成物群:5mg/(kg.d)ロサルタン+1.5mg/(kg.d)ピオグリタゾン+1mg/(kg.d)ロスバスタチンカルシウム。
各群に対し、一日1回、胃内投与により薬物を投与すると共に、本実験での全てのラットに対し、高糖高脂の飼料を用いて6ヶ月間飼育した。実験過程において、毎日動物の飲食状況、生存状況及び行為・活動を観察し、また、毎日体重を測定し、測定された体重により薬物の用量を調節した。
【0045】
2.実験方法及び実験結果
2.1尿中微量アルブミンの測定:
試薬:
1.10%(v/v)氷醋酸溶液(PH2.8)。
2.0.303mol/Lグリシン-氷醋酸バッファー(PH3.0):グリシン22.72gを秤取り、10%氷醋酸溶液で1000mLに希釈し、NaN100mgを添加し、室温で密封した(1年間安定に保存できる)。
3.ブロモフェノールブルー(1.924mmol/L)貯蔵液:BPB257、36mgを精確に秤取り、無水エタノールで200mLに溶解した(4℃の冷蔵庫で1年間安定に保存できる)。
4.ブロモフェノールブルー(0.231mmol/L)着色剤: BPB貯蔵液を60mL取り、トリトンX-100(Triton X-100)を2.5mL加入し、グリシン-氷醋酸バッファーで500mLに希釈し、室温で密封した(1年間保存できる)。
【0046】
サンプルの採集及び測定:第4週、第8週、第12週及び第16週に、ラットをそれぞれ代謝ケージに入れて飼育し、宵越し12時間の尿を採取し、その尿量を精確に記録した。尿4mLを取り、アジ化ナトリウムで処理した後、遠心分離(2000r/min)を10分間行い、上澄液を取って−20℃の冷蔵庫に保存し、尿中アルブミン測定用とした。保存したラット尿液を2mL取り、それぞれ着色剤1mLを入れて均一に混合し(気泡の発生を防止する)、紫外線分光光度計で600nmにおける吸光度Aを測定した。
【表3】

【0047】
結果から分かる通り、ロスバスタチン、ロサルタン及びピオグリタゾンを複合した組合せは、尿中微量アルブミンを減らし、高血圧の損傷から腎臓を保護することができた。三つの薬物の併用は、自然発症型高血圧ラットの尿中微量アルブミンに影響を及ぼす面で、非常に良好な協同作用が得られた。また、ロサルタン+ロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にピオグリタゾンを加えた場合であっても、ピオグリタゾンとロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にロサルタンを加えた場合であっても、また、ロサルタン+ピオグリタゾンの併用を基礎とした上にロスバスタチンカルシウムを加えた場合であっても、いずれも非常に良好な協同作用が得られた。
【0048】
2.2頸動脈の内膜中膜厚の測定
動物を麻醉し固定した後、股動脈を経てエバンス(Even’s)ブルー染料(60mg/kg)を注入し、30min後に0.9%生理食塩水を注入液とし、心臓注入法により、注入圧力13.3kPaで清澄液が流出するまで注入した後、4%パラホルムアルデヒドの生理食塩水に換えて10min注入し、原位置固定(in sito fixation)を行なった(圧力は同上)。エバンス(Even’s)ブルーで着色された頸動脈を一段取り、ホルマリン液に入れて更に固定した後、前部、中部、后部の三部分を取ってパラフィンワックスで包埋し、非連続に8〜10層の切片を作成して、HE染色を行い、ランダムに3つの血管断面を取ってコンピュータの画像処理システムに入力し、コンピュータの画像測定を行って、内膜中膜厚を計算した。
【表4】

【0049】
結果から分かる通り、ロスバスタチン、ロサルタン及びピオグリタゾンを複合した組合せは、自然発症型高血圧ラットの内膜中膜厚を有効に改善することができ、,三つの薬物の併用は、自然発症型高血圧ラットの頸動脈の内膜中膜厚に影響を及ぼす面で、非常に良好な協同作用が得られた。また、ロサルタン+ロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にピオグリタゾンを加えた場合であっても、ピオグリタゾンとロスバスタチンカルシウムの併用を基礎とした上にロサルタンを加えた場合であっても、また、ロサルタン+ピオグリタゾンの併用を基礎とした上にロスバスタチンカルシウムを加えた場合であっても、いずれも非常に良好な協同作用が得られた。
【0050】
実施例10 本発明の薬物組成物の代謝症候群患者に対する治療効果
1.一般資料:
2007年3月〜2008年6月に山東省臨沂人民医院で治療を受けた代謝症候群患者64例を、ランダムに対照群と実験群に分けた。
対照群:男性21例、女性11例、年齢61-72歳、体重指数(BMI)26-30;
実験群:男性19例、女性13例、年齢62-70歳、体重指数(BMI)25.5-31。
治療を開始する前に、全ての患者に対し、血脂分析(総コレステロールTC、高比重リポタンパク質コレステロールHDLC)、ヘモグロビンA1c(HbAlC)、空腹時血糖(FBG)、空腹時インシュリン(FINS)及びフィブリノーゲン(Fg)の測定を行なった。
入選基準は、WHO1999年のII型糖尿病、高血圧の診断基準に基づき、且つ2000年の米国コレステロール教育プログラム成人治療委員会(NCEP-ATPIII)基準中の代謝症候群についての診断基準を参考として、代謝症候群症の基準に合う患者を選択し、且つ、原発性高血圧症、心不全II級以上、肝臓・腎臓及び血液系疾患等は排除した。
【0051】
2.治療方法:
入選患者に対し、対照群に毎回15mgずつ、毎日1回、ピオグリタゾンを服用させた。実験群には、実施例1中の比率で、ロサルタン50mg、ピオグリタゾン5mg及びロスバスタチン5mgを毎日1回服用させ、連続8週間治療した後、前記指標項目を再度測定した。その中、ヘキソキナーゼ法により血糖値を測定し、エステラーゼ法により血脂値を測定し、凝固法と発色基質法によりフィブリノーゲンを測定し、カラムクロマトグラフィーによりHbAlCを測定し、化学発光免疫法で空腹時インシュリンを測定した。
統計学的処理:SPSSソフトウェアを利用し、顕著性検定は、対応サンプルのT検定を採用した。
【0052】
3.治療結果
【表5】

表5から分かる通り、本発明の薬物組成物は、代謝症候群に対する治療において、FBG、FINS、HbAlC、TC/HDLC、Fgの値が、治療前に比べて何れも著しい差異があった。また、単独にピオグリタゾンを使用する群に比べ、治療後のFBG、FINS、HbAlC、TC/HDLC、Fgの値には、いずれも著しい差異があった。これから、本発明の薬物組成物の、代謝症候群に対する治療効果が確実であり、作用が顕著であることが確認できた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、
1)アンギオテンシンII受容体拮抗薬又はその薬学的に許容される塩と、
2)ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、
3)ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩と、
を含むことを特徴とする薬物組成物。
【請求項2】
前記アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、ロサルタン、イルべサルタン、カンデサルタン、タソサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、又はバルサルタンより選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、ロサルタンであることを特徴とする、請求項2に記載の薬物組成物。
【請求項4】
ロサルタン又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩との重量比が1: 0.01〜4:0.01〜3.5であり、
ロサルタンの薬学的に許容される塩の重量はロサルタンで計算し、ピオグリタゾンの薬学的に許容される塩の重量はピオグリタゾンで計算し、ロスバスタチンの薬学的に許容される塩の重量はロスバスタチンで計算すること、
を特徴とする、請求項3に記載に薬物組成物。
【請求項5】
ロサルタン又はその薬学的に許容される塩と、ピオグリタゾン又はその薬学的に許容される塩と、ロスバスタチン又はその薬学的に許容される塩との重量比が1: 0.02〜1:0.02〜1であり、
ロサルタンの薬学的に許容される塩の重量はロサルタンで計算し、ピオグリタゾンの薬学的に許容される塩の重量はピオグリタゾンで計算し、ロスバスタチンの薬学的に許容される塩の重量はロスバスタチンで計算すること、
を特徴とする、請求項4に記載に薬物組成物。
【請求項6】
前記薬物組成物の剤形が、錠剤、カプセル又は顆粒剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物組成物の、高血圧症の治療のための薬物の製造における応用。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物組成物の、代謝症候群の治療のための薬物の製造における応用。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物組成物の有効量を、治療が望まれる患者に投与することを含む、高血圧症の治療方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物組成物の有効量を、治療が望まれる患者に投与することを含む、代謝症候群の治療方法。

【公表番号】特表2011−528669(P2011−528669A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519007(P2011−519007)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/CN2009/000823
【国際公開番号】WO2010/009618
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(509230458)ルナン ファーマシューティカル グループ コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】