説明

高衝撃ポリ(ウレタン尿素)ポリスルフィド

【課題】硫黄含有ポリ尿素ウレタン、およびこのようなポリ尿素ウレタンを調製する方法を提供すること。
【解決手段】1つの実施形態において、この硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合される。本発明によるポリマー材料は充分な屈折率および良好な衝撃耐性/強度を有し、ガラスの代替物として適切である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄含有ポリ尿素ウレタン、およびこれらの調製のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の有機ポリマー材料(例えば、プラスチック)は、光学レンズ、光ファイバー、窓、ならびに自動車、船舶および航空機の透明部品などの用途において、ガラスの代替物および代用品として、開発されている。これらのポリマー材料は、ガラスと比較して利点を提供し得、これらの利点としては、粉砕耐性、所定の用途についてのより軽い重量、成型の容易さおよびダイ加工の容易さが挙げられる。しかし、多くのポリマー材料の屈折率は、一般に、ガラスの屈折率より低い。眼用の用途において、より低い屈折率を有するポリマー材料の使用は、より高い屈折率を有する材料と比較して、より厚いレンズを必要とする。より厚いレンズは、望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、当該分野において、充分な屈折率および良好な衝撃耐性/強度を有する、ポリマー材料を開発することが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有する、硫黄含有ポリ尿素ウレタンに関する。例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンであって、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目2)
前記アッベ数が、少なくとも35である、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目3)
前記アッベ数が、32〜46である、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目4)
前記屈折率が、少なくとも1.60である、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目5)
前記密度が、1.25グラム/cm未満である、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目6)
前記密度が、1.15グラム/cm〜1.3グラム/cm未満である、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目7)
衝撃エネルギー試験を使用して、少なくとも2ジュールの衝撃強度をさらに有する、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目8)
(a)硫黄含有ポリウレタンプレポリマーと、
(b)アミン含有硬化剤と、
の反応によって調製される、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目9)
前記硫黄含有ポリウレタンプレポリマーが、
(a)硫黄含有ポリシアネートと、
(b)活性水素含有物質と、
の反応物を含有する、項目8に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目10)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目11)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目12)
前記活性水素含有物質が、ポリオールを含有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目13)
前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目14)
前記活性水素含有物質が、ポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目15)
前記活性水素含有物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目16)
前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、SH−官能性をさらに含む、項目15に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目17)
前記ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの混合物から選択される、項目14に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目18)
前記活性水素含有物質が、GPCによって決定される場合に、200グラム/モル〜32,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目19)
前記活性水素含有物質が、GPCによって決定される場合に、約2,000グラム/モル〜15,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目18に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目20)
前記プレポリマーが、2.0〜5.5未満のチオシアネート対ヒドロキシル当量比を有する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目21)
前記ポリオールが、ポリエーテルポリオールを含有する、項目12に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目22)
前記ポリエーテルポリオールが、構造式:
H−(O−CRRCRR−Y−(CRRCRR−Y−O)−(CRRCRR−Y−O)−H
によって表され、該構造式において、Rは、水素またはC−Cアルキルを表し得;Yは、CHを表し得;nは、0〜6の整数であり得;a、b、およびcは、各々が、0〜300の整数であり得、ここでa、b、およびcは、該ポリオールの数平均分子量が、GPCによって決定される場合に32,000グラム/モルを超えないように選択される、項目21に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目23)
前記硫黄含有ポリシアネートおよび前記活性水素含有物質が、(NCO+NCS)対(SH+OH)のモル当量比が5.5〜1.0未満であるような量で存在する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目24)
前記硫黄含有ポリシアネートおよび前記活性水素含有物質が、(NCO+NCS)対(SH+OH+NR)のモル当量比(ここでRは水素またはアルキルである)が、5.5〜1.0未満であるような量で存在する、項目9に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目25)
前記硫黄含有ポリウレタンプレポリマーが、
(a)ポリイソシアネートと、
(b)硫黄含有活性水素物質と、
の反応物を含有する、項目8に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目26)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびこれらの混合物から選択される、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目27)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、これらの環式二量体および環式三量体、ならびにこれらの混合物から選択される、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目28)
前記ポリイソシアネートが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびその異性体混合物から選択される、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン材料。
(項目29)
前記ポリイソシアネートが、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)のトランス,トランス異性体から選択される、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目30)
前記ポリイソシアネートが、3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼン)およびこれらの混合物から選択される、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目31)
前記硫黄含有活性水素物質が、SH含有物質である、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目32)
前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目31に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目33)
前記ポリチオールが、脂肪族ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、ポリマーポリチオール、エーテル結合を含むポリチオール、1個以上のスルフィド結合を含むポリチオールから選択される、項目32に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目34)
前記ポリチオールが、構造式:
【化1】

によって表される少なくとも1種の物質を含有する、項目32に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目35)
前記ポリチオールが、構造式:
【化2】

によって表される少なくとも1種の物質を含有し、該構造式において、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはアルキル−COを表し得;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHを表し得、ここでmは、1〜5の整数であり得、そしてpおよびqは、各々が、1〜10の整数であり得;nは、1〜30の整数であり得;そしてxは、0〜10の整数であり得る、項目32に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目36)
前記ポリチオールが、構造式:
【化3】

【化4】

によって表される少なくとも1種の物質を含有し、該構造式において、nは、1〜20の整数であり;Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基であって、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基から選択される1個以上のペンダント基を有するC〜Cの分枝鎖アルキレン基、またはC〜Cシクロアルキレンであり;Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基、C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C10アルキルシクロアルキレン基、または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり、そしてmは、0〜10の有理数であり、pは、独立して、2〜6の整数であり、qは、独立して、1〜5の整数であり、そしてrは、独立して、2〜10の整数である、項目32に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目37)
前記SH含有物質が、ポリチオールと、硫黄を含まないポリオールとの混合物を含有する、項目32に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目38)
前記硫黄含有活性水素物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目39)
前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、SH−官能性をさらに含む、項目38に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目40)
前記アミン含有硬化剤が、アミンおよび硫黄を含有する化合物を含有する、項目8に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目41)
前記硫黄含有活性水素物質が、ポリチオールおよびポリチオールオリゴマーから選択される少なくとも1種の物質を含有する、項目25に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目42)
前記硫黄含有活性水素物質が、ポリオールをさらに含有する、項目41に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目43)
(a)硫黄含有ポリシアネートと、
(b)活性水素含有物質と、
(c)アミン含有硬化剤と、
の反応によって調製される、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目44)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目43に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目45)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目43に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目46)
前記活性水素含有物質が、ポリオールを含有する、項目43に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目47)
前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目43に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目48)
前記活性水素含有物質が、ポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目43に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目49)
前記硫黄を含まないポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの混合物から選択される、項目46に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目50)
前記活性水素含有物質が、GPCによって決定される場合に、200グラム/モル〜32,000グラム/モルの数平均分子量を有する、項目46に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目51)
前記ポリエーテルポリオールが、構造式:
H−(O−CRRCRR−Y−(CRRCRR−Y−O)−(CRRCRR−Y−O)−H
によって表され、該構造式において、Rは、水素またはC−Cアルキルを表し得;Yは、CHを表し得;nは、0〜6の整数であり得;a、b、およびcは、各々が、0〜300の整数であり得、ここでa、b、およびcは、該ポリオールの数平均分子量が、GPCによって決定される場合に、32,000グラム/モルを超えないように選択される、項目49に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目52)
(a)ポリイソシアネートと、
(b)硫黄含有活性水素物質と、
(c)アミン含有硬化剤と、
の反応によって調製される、項目1に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目53)
前記アミン含有硬化剤が、硫黄含有アミン含有硬化剤である、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目54)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびこれらの混合物から選択される、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目55)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、その環式二量体および環式三量体、ならびにこれらの混合物から選択される、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目56)
前記硫黄含有活性水素物質が、SH含有物質である、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目57)
前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目56に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目58)
前記ポリチオールが、脂肪族ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、ポリマーポリチオール、エーテル結合を含むポリチオール、1個以上のスルフィド結合を含むポリチオールから選択される、項目46に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目59)
前記ポリチオールが、
【化5】

のうちの少なくとも1つを含有する、項目57に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目60)
前記ポリチオールが、構造式:
【化6】

によって表される少なくとも1種の物質を含有し、該構造式において、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはアルキル−COを表し得;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHを表し得、ここでmは、1〜5の整数であり得、そしてpおよびqは、各々が、1〜10の整数であり得;nは、1〜20の整数であり得;そしてxは、0〜10の整数であり得る、項目57に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目61)
前記ポリチオールが、以下の物質:
【化7】

【化8】

【化9】

のうちの少なくとも1つを含有し、該物質において、nは、1〜20の整数であり;Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基であって、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、またはC〜Cシクロアルキレンから選択される1個以上のペンダント基を有する、C〜Cの分枝鎖アルキレン基であり;Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基、C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C10アルキルシクロアルキレン基、または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり、そしてmは、0〜10の有理数であり、pは、独立して、2〜6の整数であり、qは、独立して、1〜5の整数であり、そしてrは、独立して、2〜10の整数である、項目57に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目62)
前記SH含有物質が、ポリチオールと、硫黄を含まないポリオールとの混合物を含有する、項目56に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目63)
前記硫黄含有活性水素物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目64)
前記ヒドロキシル官能性ポリスルフィドが、SH−官能性をさらに含む、項目63に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目65)
前記アミン含有硬化剤が、アミン含有化合物と、ポリチオール、ポリオールおよびポリチオールオリゴマーから選択される少なくとも1種の物質との混合物である、項目52に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目66)
前記アミン含有硬化剤が、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)、およびこれらの組み合わせから独立して選択される少なくとも2個の官能基を有する、ポリアミンである、項目8に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目67)
前記ポリアミンが、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、およびこれらの混合物から選択される、項目66に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目68)
前記ポリアミンが、構造式:
【化10】

およびこれらの混合物によって表され、該構造式において、RおよびRは、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基からなる群より選択され、そしてRは、水素および塩素から選択される、項目66に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目69)
前記アミン含有硬化剤が、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)である、項目6に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目70)
前記アミン含有硬化剤が、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン;2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエンおよびこれらの混合物から選択される、項目6に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目71)
前記アミン含有硬化剤が、1.0 NCO/0.60 NH〜1.0 NCO/1.20 NHのNCO/NH当量比を有する、項目6に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目72)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンであって、該硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されており、該硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、
(a)ポリウレタンプレポリマーと、
(b)アミン含有硬化剤と、
の反応によって調製され、(a)および(b)のうちの少なくとも一方は、硫黄含有物質である、硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目73)
前記ポリウレタンプレポリマーが、
(a)ポリシアネートと、
(b)活性水素含有物質と、
の反応物を含有する、項目72に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目74)
前記ポリシアネートが、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、およびこれらの混合物から選択される、項目73に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目75)
前記活性水素物質が、ポリオール、ポリチオール、およびこれらの混合物からなる群より選択される、項目73に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目76)
前記アミン含有硬化剤が、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)、およびこれらの組み合わせから独立して選択される少なくとも2個の官能基を有する、ポリアミンを含有する、項目72に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目77)
前記アミン含有硬化剤が、ポリオール、ポリチオール、およびポリチオールオリゴマーから選択される少なくとも1種の物質をさらに含有する、項目76に記載の硫黄含有ポリ尿素ウレタン。
(項目78)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンを調製する方法であって、該方法は、
(a)硫黄含有ポリシアネートと活性水素含有物質とを反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程;および
(b)該ポリウレタンプレポリマーをアミン含有硬化剤と反応させる工程、
を包含し、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合される、方法。
(項目79)
工程(a)において、前記ポリウレタンプレポリマーを、エピスルフィド含有物質と反応させる工程をさらに包含する、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートを含有する、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記硫黄含有ポリシアネートが、ポリイソチオシアネートとポリイソシアネートとの混合物を含有する、項目78に記載の方法。
(項目82)
前記活性水素含有物質が、硫黄を含まないポリオールを含有する、項目78に記載の方法。
(項目83)
前記活性水素含有物質が、ポリチオールを含有する、項目78に記載の方法。
(項目84)
前記活性水素含有物質が、硫黄を含まないポリオールとポリチオールとの混合物を含有する、項目78に記載の方法。
(項目85)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンを調製する方法であって、該方法は、
(a)ポリイソシアネートを、硫黄含有活性水素含有物質と反応させて、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程;および
(b)該ポリウレタンプレポリマーをアミン含有硬化剤と反応させる工程、
を包含し、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合される、方法。
(項目86)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、およびこれらの混合物からなる群より選択される、項目85に記載の方法。
(項目87)
前記硫黄含有活性水素含有物質が、SH含有物質である、項目85に記載の方法。
(項目88)
前記SH含有物質が、ポリチオールである、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記SH含有物質が、ポリチオールと、硫黄を含まないポリオールとの混合物を含有する、項目87に記載の方法。
(項目90)
前記硫黄含有活性水素含有物質が、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドである、項目87に記載の方法。
(項目91)
前記アミン含有硬化剤が、硫黄含有アミン含有硬化剤である、項目87に記載の方法。
(項目92)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンを含有する光学物品であって、該ポリ尿素ウレタンが、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、光学物品。
(項目93)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンを含有する眼用レンズであって、該ポリ尿素ウレタンが、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、眼用レンズ。
(項目94)
硫黄含有ポリ尿素ウレタンを含有するフォトクロミック物品であって、該ポリ尿素ウレタンが、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、フォトクロミック物品。
(項目95)
前記フォトクロミック物品が、少なくとも部分的に硬化した基材、および少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック物質を備える、項目94に記載のフォトクロミック物品。
(項目96)
前記フォトクロミック物質が、前記基材に少なくとも部分的に吸収されている、項目95に記載のフォトクロミック物品。
(項目97)
前記基材が、少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック物質を含有するコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、項目95に記載のフォトクロミック物品。
(項目98)
前記フォトクロミック物質が、少なくとも1種のナフトピランを含有する、項目95に記載のフォトクロミック物品。
(項目99)
前記フォトクロミック物質が、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジン、ベンゾピラン、ナフトピラン、有機金属ジチゾネート、フルギドおよびフルギミド、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される、項目95に記載のフォトクロミック物品。
(項目100)
硫黄含有ポリ尿素ウレタン、少なくとも部分的に硬化した基材、およびフォトクロミック量のフォトクロミック材料を含有するフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック材料は、該基材に少なくとも部分的に吸収されており、そして該物品は、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度によって特徴付けられる、フォトクロミック物品。
(項目101)
硫黄含有ポリ尿素ウレタン、および少なくとも部分的に硬化した基材を含有する、フォトクロミック物品であって、該基材は、少なくともフォトクロミック量のフォトクロミック材料を含有するコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされており、そして該ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化した場合に、少なくとも1.57の屈折率、少なくとも32のアッベ数および1.3グラム/cm未満の密度を有するように適合されている、フォトクロミック物品。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書の目的で、他に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての例において、単語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。従って、逆のことが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において記載される数値パラメータは、近似であり、そして本発明によって得られることが求められる望ましい特性に依存して変動し得る。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限することを試みないが、各数値パラメータは、報告される有効桁数を考慮して、そして通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。
【0006】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるにもかかわらず、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、任意の数値は、それぞれの試験手段において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を、固有に含む。
【0007】
本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「シアネート」とは、ブロックされておらず、そして反応性基(例えば、チオール官能基、ヒドロキシル官能基、またはアミン官能基)と共有結合を形成し得る、イソシアネート物質およびイソチオシアネート物質をいう。非限定的な実施形態において、本発明のポリシアネートは、イソシアネート(NCO)官能基、イソチオシアネート(NCS)官能基、およびイソシアネート官能基とイソチオシアネート官能基との組み合わせから選択される、少なくとも2個の官能基を含み得る。用語「イソシアネート」とは、硫黄を含まないシアネートをいう。用語「イソチオシアネート」とは、硫黄含有シアネートをいう。
【0008】
代替の非限定的な実施形態において、本発明のポリ尿素ウレタンは、重合すると、少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62の屈折率を有する重合体を生成し得る。さらなる代替の非限定的な実施形態において、本発明のポリ尿素ウレタンは、重合すると、少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有する重合体を生成し得る。屈折率およびアッベ数は、当該分野において公知の方法(例えば、American Standard Test Method(ASTM)Number D 542−00)によって決定され得る。さらに、屈折率およびアッベ数は、種々の公知の器具を使用して決定され得る。本発明の非限定的な実施形態において、屈折率およびアッベ数は、(i)第7.3節に詳述されているように3つの標本のうちの最小ではなく、1個〜2個のサンプル/標本を試験すること;および(ii)第8.1節に詳述されているように試験の前にサンプル/標本を調整するのではなく、調整されていないサンプルを試験することを除いて、ASTM D 542−00に従って測定され得る。さらに、非限定的な実施形態において、Atago,モデルDR−M2 Multi−Wavelength Digital Abbe Refractometerを使用して、サンプル/標本の屈折率およびアッベ数を測定し得る。
【0009】
代替の非限定的な実施形態において、ポリシアネートの量および活性水素含有物質の量は、(NCO+NCS):(SH+OH)の当量比が1.0:1.0より大きくなり得るように、または少なくとも2.0:1.0、または少なくとも2.5:1、または4.5:1.0未満、または5.5:1.0未満であり得るように、選択され得る。さらなる代替の非限定的な実施形態において、(NCO+NCS)(SH+OH+NR)の当量比(ここでRは水素またはアルキルであり得る)は、1.0:1.0より大きくあり得るか、または少なくとも2.0:1.0、または少なくとも2.5:1、または4.5:1.0未満、または5.5:1.0未満であり得る。
【0010】
本発明のポリ尿素ウレタンの調製において有用なポリシアネートは、多数であり、そして広く変動する。本発明において使用するために適切なポリシアネートとしては、ポリマーのポリシアネート、ならびにC〜C20の直鎖ポリシアネート、分枝鎖ポリシアネート、環状ポリシアネートおよび芳香族ポリシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な例としては、骨格結合を有するポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートが挙げられ得、この骨格結合は、ウレタン結合(−NH−C(O)−O−)、チオウレタン結合(−NH−C(O)−S−)、チオカルバメート結合(−NH−C(S)−O−)、ジチオウレタン結合(−NH−C(S)−S−)およびこれらの組み合わせから選択される。
【0011】
ポリシアネートの分子量は、広く変動し得る。代替の非限定的な実施形態において、数平均分子量(Mn)は、少なくとも100グラム/モル、または少なくとも150グラム/モル、または15,000グラム/モル未満、または5000グラム/モル未満であり得る。数平均分子量は、公知の方法を使用して決定され得る。本明細書中および特許請求の範囲に記載される数平均分子量の値は、ポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定された。
【0012】
適切なポリシアネートの非限定的な例としては、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート;少なくとも2個のイソチオシアネート基を有するイソチオシアネート;これらの混合物;およびこれらの組み合わせ(例えば、イソシアネート官能性とイソチオシアネート官能性とを有する物質)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0013】
ポリイソシアネートの非限定的な例としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート(イソシアナト基のうちの1つ以上が脂環式環に直接結合しているもの)、脂環式ポリイソシアネート(イソシアナト基のうちの1つ以上が脂環式環に直接結合していないもの)、芳香族ポリイソシアネート(イソシアナト基のうちの1つ以上が芳香族環に直接結合しているもの)、および芳香族ポリイソシアネート(イソシアナト基のうちの1つ以上が芳香族環に直接結合していないもの)が挙げられ得るが、これらに限定されない。芳香族ポリイソシアネートが使用される場合、一般に、ポリ尿素ウレタンに色(例えば、黄色)が付かないような材料を選択するように、注意が払われるべきである。
【0014】
本発明の非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートとしては、脂肪族または脂環式のジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、その環式二量体および環式三量体、およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。適切なポリイソシアネートの非限定的な例としては、Desmodur N 3300(ヘキサメチレンジイソシアネート三量体)(これは、Bayerから市販されている);Desmodur N 3400(60%ヘキサメチレンジイソシアネート二量体および40%ヘキサメチレンジイソシアネート三量体)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0015】
非限定的な実施形態において、ポリイソシアネートは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびその異性体混合物を含有し得る。本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「異性体混合物」とは、ポリイソシアネートの、シス−シス異性体と、トランス−トランス異性体と、シス−トランス異性体との混合物をいう。本発明において使用するための異性体混合物の非限定的な例としては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)トランス−トランス異性体(本明細書中以下で、「PICM」(パライソシアナトシクロヘキシルメタン)と称される)、PICMのシス−トランス異性体、PICMのシス−シス異性体、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0016】
1つの非限定的な実施形態において、本発明において使用するために適切な、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の3つの異性体が、以下に示される。
【0017】
【化11】

1つの非限定的な実施形態において、本発明において使用されるPICMは、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(PACM)を、当該分野において周知の手順(例えば、米国特許第2,644,007号および同第2,680,127号(これらは、本明細書中に参考として援用される)に開示される手順)によってホスゲン化することによって、調製され得る。PACM異性体混合物は、ホスゲン化されると、室温で液相、部分的に液相、または固相のPICMを生成し得る。PACM異性体混合物は、メチレンジアニリンの水素化によって、そして/または水ならびにアルコール(例えば、メタノールおよびエタノール)の存在下でのPACM異性体混合物の分別晶出によって、得られ得る。
【0018】
非限定的な実施形態において、異性体混合物は、10%〜100%の、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(PICM)のトランス,トランス異性体を含有し得る。
【0019】
本発明の代替の非限定的な実施形態において使用され得るさらなる脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートとしては、3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート(「IPDI」)(これは、Arco Chemicalから市販されている)、およびメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼン)(これは、Cytec Industries Inc.から、商標TMXDI.RTM.(メタ)脂肪族イソシアネートのもとで市販されている)が挙げられる。
【0020】
本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネート」とは、2つのジイソシアネート反応性末端基を有する、直鎖に結合しているかまたは環状の、6個〜100個の炭素原子をいう。本発明の非限定的な実施形態において、本発明において使用するための脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートとしては、TMXDI、および式R−(NCO)(ここでRは、脂肪族基または脂環式基を表す)の化合物が挙げられ得る。
【0021】
適切なポリシアネートのさらなる非限定的な例としては、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリイソチオシアネート;エチレン性不飽和のポリイソシアネートおよびエチレン性不飽和のポリイソチオシアネート;脂環式ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソチオシアネート;イソシアネート基が芳香族環に直接結合していない芳香族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソチオシアネート(例えば、α,α’−キシレンジイソシアネート);イソシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソチオシアネート(例えば、ベンゼンジイソシアネート);スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリイソチオシアネート;スルフィド結合またはジスルフィド結合を含む芳香族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソチオシアネート;スルホン結合を含む芳香族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソチオシアネート;スルホン酸エステル型のポリイソシアネートおよびスルホン酸エステル型のポリイソチオシアネート(例えば、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナト−フェノールエステル);芳香族スルホンアミド型のポリイソシアネートおよび芳香族スルホンアミド型のポリイソチオシアネート;硫黄含有複素環式ポリイソシアネートおよび硫黄含有複素環式ポリイソチオシアネート(例えば、チオフェン−2,5−ジイソシアネート);ポリシアネートの、ハロゲン化誘導体、アルキル化誘導体、アルコキシ化誘導体、硝酸化誘導体、カルボジイミド修飾された誘導体、尿素修飾された誘導体およびビウレット修飾された誘導体;ならびにポリシアネートの二量体化生成物および三量体化生成物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0022】
さらなる非限定的な実施形態において、以下の一般式(I)の物質が、ポリウレタンプレポリマーの調製において使用され得る:
【0023】
【化12】

この一般式(I)において、R10およびR11は、各々独立して、C〜Cアルキルである。
【0024】
脂肪族ポリイソシアネートのさらなる非限定的な例としては、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−(イソシアナトメチル)オクタン、ビス(イソシアナトエチル)−カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、リジンジイソシアン酸メチルエステルおよびリジントリイソシアン酸メチルエステルが挙げられ得る。
【0025】
エチレン性不飽和のポリイソシアネートの例としては、ブテンジイソシアネートおよび1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンおよび2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0026】
イソシアネート基が芳香族環に直接結合していない芳香族ポリイソシアネートの例としては、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、フタル酸ビス(イソシアナトエチル)、メシチレントリイソシアネートおよび2,5−ジ(イソシアナトメチル)フランが挙げられ得るが、これらに限定されない。イソシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、オルト−トルイジンジイソシアネート、オルト−トリリジンジイソシアネート、オルト−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシ−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、4−メチルジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)−1,3−プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネートおよびジクロロカルバゾールジイソシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0027】
本発明において使用され得る脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートのさらなる非限定的な例としては、3−イソシアナト−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−イソシアネート(「IPDI」)(これは、Arco Chemicalから市販されている)、およびメタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼン)(これは、Cytec Industries Inc.から、商標TMXDI.RTM.(メタ)脂肪族イソシアネートのもとで市販されている)が挙げられる。
【0028】
本発明の非限定的な実施形態において、本発明において使用するための脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートとしては、TMXDI、および式R−(NCO)の化合物(ここでRは、脂肪族基または脂環式基を表す)が挙げられ得る。
【0029】
ポリイソシアネートの非限定的な例としては、スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソシアネート(例えば、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ジチオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルホンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネートおよびジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート)が挙げられ得る。スルフィド結合またはジスルフィド結合を含む芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)−スルフィド、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
ポリイソシアネートの非限定的な例としては、スルホン結合を含む芳香族ポリイソシアネート(例えば、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジジンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチル−ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネートおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート)が挙げられ得る。
【0031】
本発明において使用するための芳香族スルホンアミド型のポリイソシアネートの非限定的な例としては、4−メチル−3−イソシアナト−ベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアネート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネートおよび4−メチル−3−イソシアナト−ベンゼン−スルホニルアニリド−4−エチル−3’−イソシアネートが挙げられ得る。
【0032】
代替の非限定的な実施形態において、ポリイソチオシアネートとしては、脂肪族ポリイソチオシアネート;脂環式ポリイソチオシアネート(例えば、シクロヘキサンジイソチオシアネートであるが、限定されない);イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合していない芳香族ポリイソチオシアネート(例えば、α,α’−キシレンジイソチオシアネートであるが、限定されない);イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソチオシアネート(例えば、フェニレンジイソチオシアネートであるが、限定されない);複素環式ポリイソチオシアネート(例えば、2,4,6−トリイソチオシアナト−1,3,5−トリアジンおよびチオフェン−2,5−ジイソチオシアネートであるが、限定されない);カルボニルポリイソチオシアネート;スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソチオシアネート(例えば、チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)であるが、限定されない);イソチオシアネート基の硫黄原子に加えて硫黄原子を含む芳香族ポリイソチオシアネート;これらのポリイソチオシアネートの、ハロゲン化誘導体、アルキル化誘導体、アルコキシ化誘導体、硝酸化誘導体、カルボジイミド修飾された誘導体、尿素修飾された誘導体およびビウレット修飾された誘導体;ならびにこれらのポリイソチオシアネートの二量体化生成物および三量体化生成物が挙げられ得る。
【0033】
脂肪族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1,2−ジイソチオシアナトエタン、1,3−ジイソチオシアナトプロパン、1,4−ジイソチオシアナトブタンおよび1,6−ジイソチオシアナトヘキサンが挙げられる。イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1,2−ジイソチオシアナトベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4’−ジイソチオシアナト−1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナト−2−メチルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナト−3−メチルベンゼン)、1,1’−(1,2−エタン−ジイル)ビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4,4’−ジイソチオシアナトベンゾフェノン、4,4’−ジイソチオシアナト−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド−3,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソチオシアネートおよびジフェニルアミン−4,4’−ジイソチオシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0034】
適切なカルボニルポリイソチオシアネートとしては、ヘキサン−ジオイルジイソチオシアネート、ノナンジオイルジイソチオシアネート、カルボニックジイソチオシアネート、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネートおよび(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボニルジイソチオシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。イソチオシアネート基の硫黄原子に加えて硫黄原子を含有する芳香族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1−イソチオシアナト−4−[(2−イソチオシアナト)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルフィニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4−イソチオシアナト−1−[(4−イソチオシアナトフェニル)−スルホニル]−2−メトキシベンゼン、4−メチル−3−イオチオシアナトベンゼン−スルホニル−4’−イソチオシアネートフェニルエステルおよび4−メチル−3−イソチオシアナトベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソチオシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0035】
イソシアネート基とイソチオシアネート基とを有するポリシアネートの非限定的な例としては、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式のものが挙げられ得、またはイソチオシアネート基の硫黄原子に加えて硫黄原子を含み得る。このようなポリシアネートの非限定的な例としては、1−イソシアナト−3−イソチオシアナトプロパン、1−イソシアナト−5−イソチオシアナトペンタン、1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、イソシアナトカルボニルイソチオシアネート、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン、4−イソシアナト−4’−イソチオシアナト−ジフェニルスルフィドおよび2−イソシアナト−2’−イソチオシアナトジエチルジスルフィドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
非限定的な実施形態において、ポリシアネートは、活性水素含有物質と反応して、ポリウレタンプレポリマーを形成し得る。活性水素含有物質は、様々であり、そして当該分野において公知である。非限定的な例としては、ヒドロキシル含有物質(例えば、ポリオールであるが、限定されない);硫黄含有物質(例えば、ヒドロキシル官能性ポリスルフィドおよびSH含有物質(例えば、ポリチオールであるが、限定されない)であるが、限定されない);ならびにヒドロキシル官能基とチオール官能基との両方を有する物質が挙げられ得る。
【0037】
本発明において使用するために適切なヒドロキシル含有物質としては、当該分野において公知である広範な種々の物質が挙げられ得る。非限定的な例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0038】
ポリエーテルポリオールおよびそれらを調製するための方法は、当業者に公知である。種々の型および分子量の多くのポリエーテルポリオールは、種々の製造業者から市販されている。ポリエーテルポリオールの非限定的な例としては、ポリオキシアルキレンポリオール、およびポリアルコキシ化ポリオールが挙げられ得るが、これらに限定されない。ポリオキシアルキレンポリオールは、公知の方法に従って調製され得る。非限定的な実施形態において、ポリオキシアルキレンポリオールは、アルキレンオキシド、またはアルキレンオキシドの混合物を、多価(polyhydric)開始剤または多価開始剤の混合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびソルビトールであるが、限定されない)との、酸または塩基により触媒される付加を使用する縮合によって、調製され得る。アルキレンオキシドの非限定的な例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、アラルキレンオキシド(例えば、スチレンオキシドであるが、限定されない)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物が挙げられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、ポリオキシアルキレンポリオールは、アルキレンオキシドの混合物を用いて、ランダムなオキシアルキル化または段階的なオキシアルキル化を使用して、調製され得る。このようなポリオキシアルキレンポリオールの非限定的な例としては、ポリオキシエチレン(例えば、ポリエチレングリコールであるが、限定されない)、ポリオキシプロピレン(例えば、ポリプロピレングリコールであるが、限定されない)が挙げられる。
【0039】
非限定的な実施形態において、ポリアルコキシ化ポリオールは、以下の一般式:
【0040】
【化13】

によって表され得る。この一般式において、mおよびnは、各々が正の整数であり得、mとnとの合計は、5〜70であり;RおよびRは、各々が、水素、メチルまたはエチルであり;そしてAは、二価の連結基(例えば、1個〜8個の炭素原子を含み得る直鎖アルキレンもしくは分枝鎖アルキレン、フェニレン、およびC〜Cアルキル置換されたフェニレン)である。mおよびnの選択される値は、選択される二価の連結基と一緒になって、このポリオールの分子量を決定し得る。ポリアルコキシ化ポリオールは、当該分野において公知の方法によって調製され得る。非限定的な実施形態において、4,4’−イソプロピリデンジフェノールなどのポリオールは、オキシラン含有物質(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドであるが、限定されない)と反応して、ヒドロキシ官能性を有する、エトキシ化ポリオール、プロピル化ポリオールまたはブトキシ化ポリオールと一般に称されるものを形成し得る。ポリアルコキシレートポリオールを調製する際に使用するために適切なポリオールの非限定的な例としては、米国特許第6,187,444号の第10欄第1行〜第20行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されているポリオールが挙げられ得る。
【0041】
本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「ポリエーテルポリオール」は、ルイス酸触媒(例えば、三フッ化ホウ素、塩化スズ(IV)および塩化スルホニルであるが、限定されない)の存在下での、テトラヒドロフランの重合によって調製される、一般に公知であるポリ(オキシテトラメチレン)ジオールを包含し得る。環状エーテル(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、およびテトラヒドロフランであるが、限定されない)と、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコールであるが、限定されない)の共重合によって調製されるポリエーテルもまた、包含される。ポリエーテルポリオールの適合性混合物もまた、使用され得る。本明細書中で使用される場合、「適合性」とは、それらのポリオールが単一の相を形成するように、相互に可溶性であることを意味する。
【0042】
本発明において使用するための種々のポリエステルポリオールが、当該分野において公知である。適切なポリエステルポリオールとしては、ポリエステルグリコールが挙げられ得るが、これらに限定されない。本発明において使用するためのポリエステルグリコールとしては、4個〜10個の炭素原子を有する1種以上のジカルボン酸(例えば、アジピン酸、コハク酸またはセバシン酸であるが、限定されない)と、2個〜10個の炭素原子を有する1種以上の低分子量グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,10−デカンジオールであるが、限定されない)とのエステル化生成物が挙げられ得る。ポリエステルポリオールを生成するためのエステル化手順は、例えば、文献D.M.Young,F.Hostettlerら,「Polyesters from Lactone」,Union Carbide F−40,p.147に記載されている。
【0043】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリオールとしては、ポリカプロラクトンポリオールが挙げられ得る。適切なポリカプロラクトンポリオールは、様々であり、そして当該分野において公知である。非限定的な実施形態において、ポリカプロラクトンポリオールは、カプロラクトンを、二官能性活性水素化合物(例えば、水、または本明細書中に記載されるような低分子量のグリコールであるが、限定されない)の存在下で縮合させることによって、調製され得る。適切なポリカプロラクトンポリオールの非限定的な例としては、Solvay ChemicalからCAPAシリーズとして指定されている市販の物質(これには、CAPA 2047Aが挙げられるが、限定されない)、およびDow Chemical製のTONEシリーズ(例えば、TONE 0201であるが、限定されない)が挙げられ得る。
【0044】
本発明において使用するためのポリカーボネートポリオールは、様々であり、そして当業者に公知である。適切なポリカーボネートポリオールとしては、市販されているもの(例えば、Enichem S.p.A.製のRavecarbTM 107であるが、限定されない)が挙げられ得る。非限定的な実施形態において、ポリカーボネートポリオールは、本明細書中以下で、ポリ尿素ウレタンのグリコール成分に関して記載される有機グリコール(例えば、ジオール)と、ジアルキルカーボネート(例えば、米国特許第4,160,853号に記載されるもの)とを反応させることによって、生成され得る。非限定的な実施形態において、ポリオールとしては、ポリヘキサメチルカーボネート(例えば、HO−(CH−[O−C(O)−O−(CH−OHであり、この式において、nは、4〜24、または4〜10、または5〜7の整数である)が挙げられ得る。
【0045】
非限定的な実施形態において、グリコール物質としては、低分子量のポリオール(例えば、500グラム/モル未満の数平均分子量を有するポリオール)、およびこれらの適合性混合物が挙げられ得る。本明細書中で使用される場合、「適合性」とは、これらのグリコールが単一の相を形成するように、相互に可溶性であることを意味する。これらのポリオールの非限定的な例としては、低分子量のジオールおよびトリオールが挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる非限定的な実施形態において、選択されるトリオールの量は、ポリウレタンにおける高度な架橋を回避するような量である。有機グリコールは、代表的に、2個〜16個、または2個〜6個、または2個〜10個の炭素原子を含む。このようなグリコールの非限定的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、グリセリン、テトラメチロールメタン(例えば、ペンタエリトリトールであるが、限定されない)、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパン;ならびにこれらの異性体が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0046】
代替の非限定的な実施形態において、ヒドロキシ含有物質は、少なくとも200グラム/モル、または少なくとも1000グラム/モル、または少なくとも2000グラム/モルの分子量を有し得る。代替の非限定的な実施形態において、ヒドロキシ含有物質は、10,000グラム/モル未満、または15,000グラム/モル未満、または20,000グラム/モル未満、または32,000グラム/モル未満の数平均分子量を有し得る。
【0047】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリエーテル含有ポリオール物質としては、少なくとも1種の低分子量のジカルボン酸(例えば、アジピン酸)から生成されるテルエステル(terester)が挙げられ得る。
【0048】
本発明において使用するためのポリエーテルグリコールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられ得るが、これに限定されない。
【0049】
非限定的な実施形態において、活性水素含有物質としては、エチレンオキシド−プロピレンオキシドのブロックおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを含む、ブロックポリマーが挙げられ得る。非限定的な実施形態において、活性水素含有物質としては、以下の化学式:
【0050】
【化14】

のブロックポリマーが挙げられ得、この化学式において、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表し得;Yは、C〜C炭化水素を表し得;nは、0〜6の整数であり得;a、b、およびcは、各々が、0〜300の整数であり得、ここでa、b、およびcは、このポリオールの数平均分子量が32,000グラム/モルを超えないように選択される。
【0051】
さらなる非限定的な実施形態において、Pluronic R、Pluronic L62D、Tetronic RおよびTetronic(これらは、BASFから市販されている)が、活性水素含有物質として、本発明において使用され得る。
【0052】
本発明において使用するために適切なポリオールの非限定的な例としては、直鎖または分枝鎖のアルカンポリオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、エリトリトール、ペンタエリトリトールおよびジ−ペンタエリトリトールであるが、限定されない);ポリアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび高級ポリアルキレングリコール(例えば、200グラム/モル〜2,000グラム/モルの数平均分子量を有し得るポリエチレングリコールであるが、限定されない)であるが、限定されない);環状アルカンポリオール、(例えば、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノールおよびシクロヘキサンジエタノールであるが、限定されない);芳香族ポリオール、(例えば、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ヒドロキシベンジルアルコールおよびジヒドロキシトルエンであるが、限定されない);ビスフェノール(例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール;4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−チオビスフェノール、フェノールフタレイン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノールおよび4,4’−スルホニルビスフェノール);ハロゲン化ビスフェノール(例えば、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)および4,4’−イソプロピリデンビス(2,3,5,6−テトラクロロフェノール)であるが、限定されない);アルコキシ化ビスフェノール(例えば、1個〜70個のアルコキシ基(例えば、エトキシ基、プロポキシ基、α−ブトキシ基およびβ−ブトキシ基)を有し得るアルコキシ化4,4’−イソプロピリデンジフェノールであるが、限定されない);ならびに対応するビスフェノールの水素化によって調製され得るビシクロヘキサノール(例えば、4,4’−イソプロピリデン−ビシクロヘキサノール、4,4’−オキシビシクロヘキサノール、4,4’−チオビシクロヘキサノールおよびビス(4−ヒドロキシシクロヘキサノール)メタンであるが、限定されない);ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性アクリレートを含むポリマー、ヒドロキシ官能性メタクリレートを含むポリマー、ならびにアリルアルコールを含むポリマーが挙げられる。
【0053】
非限定的な実施形態において、ポリオールは、多官能性ポリオールから選択され得、これらとしては、トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
さらなる非限定的な実施形態において、ポリオールは、2個以上のヒドロキシ官能基を有するポリウレタンプレポリマーであり得る。このようなポリウレタンプレポリマーは、上に列挙されたポリオールおよび上記ポリイソシアネートのいずれかから調製され得る。非限定的な実施形態において、OH:NCO当量比は、ポリウレタンプレポリマーを調製する際に遊離NCO基が実質的に生成されないように、選択され得る。非限定的な実施形態において、ポリエーテル含有ポリウレタンプレポリマーに存在するNCO(すなわち、イソシアネート)対OHの当量比は、2.0〜5.5未満NCO/1.0 OHの量であり得る。
【0055】
代替の非限定的な実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、50,000グラム/モル未満、または20,000グラム/モル未満、または10,000グラム/モル未満の数平均分子量(Mn)を有し得る。Mnは、種々の公知の方法を使用して、決定され得る。非限定的な実施形態において、Mnは、ポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって、決定され得る。
【0056】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するための硫黄含有活性水素物質としては、SH含有物質(例えば、少なくとも2個のチオール基を有するポリチオールであるが、限定されない)が挙げられ得る。適切なポリチオールの非限定的な例としては、脂肪族ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、複素環式ポリチオール、ポリマーポリチオール、オリゴマーポリチオールおよびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。水素含有物質は、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−S−であり、ここでxは、少なくとも2、または2〜4である)およびこのような結合の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、連結を有し得る。本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「チオール」、「チオール基」、「メルカプト」または「メルカプト基」とは、イソシアネート基とチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(O)−S−)を形成し得る−SH基、またはイソチオシアネート基とジチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(S)−S−)を形成し得る−SH基をいう。
【0057】
適切なポリチオールの非限定的な例としては、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、ジメルカプトエチルスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオール、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、エタンジチオール、ベンゼンジチオール、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、ポリ(エチレングリコール)ジ(2−メルカプトアセテート)およびポリ(エチレングリコール)ジ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、ならびにこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0058】
非限定的な実施形態において、ポリチオールは、以下の一般式
【0059】
【化15】

によって表される物質から選択され得、この一般式において、RおよびRは、独立して、直鎖アルキレン、分枝鎖アルキレン、環状アルキレン、フェニレンおよびC〜Cアルキル置換されたフェニレンから選択され得る。直鎖アルキレンまたは分枝鎖アルキレンの非限定的な例としては、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,2−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、オクタデシレンおよびイコシレンが挙げられ得るが、これらに限定されない。環状アルキレンの非限定的な例としては、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、およびこれらのアルキル置換された誘導体が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、二価の連結基RおよびRは、フェニレンおよびアルキル置換されたフェニレン(例えば、メチル置換されたフェニレン、エチル置換されたフェニレン、プロピル置換されたフェニレン、イソプロピル置換されたフェニレンおよびノニル置換されたフェニレン)から選択され得る。さらなる非限定的な実施形態において、RおよびRは、各々が、メチレンまたはエチレンである。
【0060】
一般式IIによって表されるポリチオールは、任意の公知の方法によって調製され得る。非限定的な実施形態において、式(II)のポリチオールは、強酸触媒(例えば、メタンスルホン酸であるが、限定されない)の存在下、反応混合物から水またはアルコールを除去しながらの、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(Chemical Abstract Service(CAS)登録番号96−27−5)と、チオール官能性カルボン酸またはチオール官能性カルボン酸エステルとの間での、エステル化反応またはエステル交換反応から調製され得る。式IIのポリチオールの非限定的な例としては、RおよびRが各々メチレンである構造が挙げられる。
【0061】
非限定的な実施形態において、一般式IIによって表されるポリチオールは、チオグリセロールビス(2−メルカプトアセテート)であり得る。本明細書中および特許請求の範囲において使用される場合、用語「チオグリセロールビス(2−メルカプトアセテート)」とは、残留する出発物質を含む、任意の関連する、同時に生成するオリゴマー種とポリチオールモノマーとの組成物をいう。非限定的な実施形態において、チオール基の酸化的カップリングは、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとチオール官能性カルボン酸(例えば、2−メルカプト酢酸であるが、限定されない)とのエステル化から生じる反応混合物を、過剰の塩基(例えば、アンモニア水であるが、限定されない)で洗浄すると、起こり得る。このような酸化的カップリングは、ジスルフィド結合(例えば、−S−S−結合であるが、限定されない)を有するオリゴマーポリチオール種の形成を生じ得る。
【0062】
本発明において使用するために適切なポリチオールとしては、ジスルフィド結合を有するポリチオールオリゴマーが挙げられ得るが、これらに限定されず、これらのポリチオールオリゴマーは、少なくとも2個のチオール基を有するポリチオールと硫黄との、塩基性触媒の存在下での反応から調製され得る。非限定的な実施形態において、ポリチオールモノマーと硫黄との当量比は、m〜(m−1)であり得、ここで、mは、2〜21の整数を表し得る。ポリチオールは、上記の例(例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンであるが、限定されない)から選択され得る。代替の非限定的な実施形態において、硫黄は、結晶性硫黄、コロイド状硫黄、粉末硫黄および昇華した硫黄の形態であり得、そして少なくとも95%、または少なくとも98%の純度を有し得る。
【0063】
同時に生成するオリゴマー種の非限定的な例としては、以下の一般式:
【0064】
【化16】

によって表される物質が挙げられ得、この一般式において、RおよびRは、上に記載されたとおりであり得、nおよびmは、独立して、0〜21の整数であり得、そして(n+m)は、少なくとも1であり得る。
【0065】
別の非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーは、ジスルフィド結合を有し得、そして以下の一般式IV
【0066】
【化17】

によって表される物質が挙げられ得る。一般式IVにおいて、nは、1〜21の整数を表し得る。非限定的な実施形態において、一般式IVによって表されるポリチオールオリゴマーは、本明細書中で先に記載されたように、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンと硫黄との、塩基性触媒の存在下での反応によって、調製され得る。
【0067】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式
【0068】
【化18】

によって表される少なくとも1種のポリチオールが挙げられ得る。
【0069】
1,3−ジチオランを含むスルフィド含有ポリチオール(例えば、式IV’aおよびIV’b)または1,3−ジチアンを含むスルフィド含有ポリチオール(例えば、式IV’cおよびIV’d)は、asym−ジクロロアセトンをポリメルカプタンと反応させ、次いで、その反応生成物を、ポリメルカプトアルキルスルフィド、ポリメルカプタンまたはこれらの混合物と反応させることによって、調製され得る。
【0070】
asym−ジクロロアセトンとの反応において使用するために適切なポリメルカプタンの非限定的な例としては、以下の式
【0071】
【化19】

によって表される物質が挙げられ得るが、これらに限定されず、この式において、Yは、CHまたは(CH−S−CH)を表し得、そしてnは、0〜5の整数であり得る。非限定的な実施形態において、本発明における、asym−ジクロロアセトンとの反応のためのポリメルカプタンは、エタンジチオール、プロパンジチオール、およびこれらの混合物から選択され得る。
【0072】
上記反応を行うために適切な、asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンの量は、変動し得る。非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンおよびポリメルカプタンは、反応混合物中に、ジクロロアセトン対ポリメルカプタンのモル比が1:1〜1:10であり得るような量で存在し得る。
【0073】
asym−ジクロロアセトンをポリメルカプタンと反応させるために適切な温度は、変動し得る。非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、0℃〜100℃の範囲内の温度で実施され得る。
【0074】
asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物との反応において使用するために適切なポリメルカプタンの非限定的な例としては、上記一般式1によって表される物質、芳香族ポリメルカプタン、シクロアルキルポリメルカプタン、複素環式ポリメルカプタン、分枝鎖ポリメルカプタン、およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0075】
asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物との反応において使用するために適切なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例としては、以下の式
【0076】
【化20】

によって表される物質が挙げられ得るが、これらに限定されず、この式において、Xは、O、SまたはSeを表し得、nは、0〜10の整数であり得、mは、0〜10の整数であり得、pは、1〜10の整数であり得、qは、0〜3の整数であり得、ただし、(m+n)は、1〜20の整数である。
【0077】
本発明において使用するために適切なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例としては、分枝鎖ポリメルカプトアルキルスルフィドが挙げられ得る。非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリメルカプトアルキルスルフィドは、ジメルカプトエチルスルフィドであり得る。
【0078】
asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物と反応するために適切な、ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはこれらの混合物の量は、変動し得る。非限定的な実施形態において、ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはこれらの混合物は、反応混合物中に、反応生成物対ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはこれらの混合物の当量比が、1:1.01〜1:2であり得るような量で存在し得る。さらに、この反応を行うために適切な温度は、変動し得る。非限定的な実施形態において、ポリメルカプタン、ポリメルカプトアルキルスルフィド、またはこれらの混合物と、反応生成物との反応は、0℃〜100℃の範囲内の温度で行われ得る。
【0079】
非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、酸触媒の存在下で行われ得る。酸触媒は、広範な種々の当該分野において公知のもの(例えば、ルイス酸およびブレンステッド酸であるが、限定されない)から選択され得る。適切な酸触媒の非限定的な例としては、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1992,第A21巻,pp.673〜674に記載されているものが挙げられ得る。さらなる代替の非限定的な実施形態において、酸触媒は、三フッ化ホウ素エーテラート、塩化水素、トルエンスルホン酸、およびこれらの混合物から選択され得る。
【0080】
酸触媒の量は、変動し得る。非限定的な実施形態において、酸触媒の適切な量は、反応混合物の0.01重量%〜10重量%であり得る。
【0081】
別の非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物は、塩基の存在下で、ポリメルカプトアルキルスルフィド、ポリメルカプタンまたはこれらの混合物と反応し得る。この塩基は、広範な種々の当該分野において公知のもの(例えば、ルイス塩基およびブレンステッド塩基であるが、限定されない)から選択され得る。適切な塩基の非限定的な例としては、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1992,第A21巻,pp.673〜674に記載されているものが挙げられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。
【0082】
塩基の量は、変動し得る。非限定的な実施形態において、最初の反応の反応生成物に対する塩基の適切な当量比は、1:1〜10:1であり得る。
【0083】
別の非限定的な実施形態において、これらのスルフィド含有ポリチオールの調製は、溶媒の使用を包含し得る。この溶媒は、広範な種々の当該分野において公知のものから選択され得る。
【0084】
さらなる非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、溶媒の存在下で行われ得る。この溶媒は、広範な種々の公知の物質から選択され得る。非限定的な実施形態において、この溶媒は、有機溶媒(不活性有機溶媒を含む)から選択され得るが、これらに限定されない。適切な溶媒の非限定的な例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、酢酸およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。なおさらなる実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、溶媒としてのトルエンの存在下で行われ得る。
【0085】
別の実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応生成物は、溶媒の存在下で、ポリメルカプトアルキルスルフィド、ポリメルカプタンまたはこれらの混合物と反応し得、ここで、この溶媒は、有機溶媒(不活性有機溶媒を含む)から選択され得るが、これらに限定されない。適切な有機溶媒および不活性溶媒の非限定的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノールおよびプロパノールであるが、限定されない);芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンであるが、限定されない);ケトン(例えば、メチルエチルケトンであるが、限定されない);水およびこれらの混合物が挙げられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、この反応は、溶媒系としてのトルエンと水との混合物の存在下で行われ得る。別の非限定的な実施形態において、この反応は、溶媒としてのエタノールの存在下で行われ得る。
【0086】
溶媒の量は、広範に変動し得る。非限定的な実施形態において、溶媒の適切な量は、反応混合物の0重量%〜99重量%であり得る。さらなる非限定的な実施形態において、この反応は、ニートで、すなわち、溶媒なしで行われ得る。
【0087】
別の非限定的な実施形態において、asym−ジクロロアセトンとポリメルカプタンとの反応は、脱水試薬の存在下で行われ得る。この脱水試薬は、広範な種々の当該分野において公知のものから選択され得る。この反応において使用するために適切な脱水試薬としては、硫酸マグネシウムが挙げられ得るが、これに限定されない。脱水試薬の量は、脱水反応の化学量論に従って、広く変動し得る。
【0088】
非限定的な実施形態において、本発明のスルフィド含有ポリチオールは、以下に示されるように、1,1−ジクロロアセトンを1,2−エタンジチオールと反応させて、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランを生成することによって、調製され得る。
【0089】
【化21】

さらなる非限定的な実施形態において、1,1−ジクロロアセトンは、以下に示されるように、1,3−プロパンジチオールと反応させられて、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンを生成し得る。
【0090】
【化22】

別の非限定的な実施形態において、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下に示されるように、ジメルカプトエチルスルフィドと反応させられて、本発明のジメルカプト1,3−ジチオラン誘導体を生成し得る。
【0091】
【化23】

別の非限定的な実施形態において、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランは、以下に示されるように、1,2−エタンジチオールと反応させられて、本発明のジメルカプト1,3−ジチオラン誘導体を生成し得る。
【0092】
【化24】

別の非限定的な実施形態において、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンは、以下に示されるように、ジメルカプトエチルスルフィドと反応させられて、本発明のジメルカプト1,3−ジチアン誘導体を生成し得る。
【0093】
【化25】

別の非限定的な実施形態において、2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチアンは、以下に示されるように、1,2−エタンジチオールと反応させられて、本発明のジメルカプト1,3−ジチアン誘導体を生成し得る。
【0094】
【化26】

別の非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下のように、asym−ジクロロ誘導体をポリメルカプトアルキルスルフィドと反応させることによって調製される、少なくとも1種のオリゴマーポリチオールが挙げられ得る。
【0095】
【化27】

この反応において、Rは、CH、CHCO、C〜C10アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはアルキル−COを表し得;Yは、C〜C10アルキル、シクロアルキル、C〜C14アリール、(CH(S)(CH、(CH(Se)(CH、(CH(Te)(CHを表し得、ここでmは、1〜5の整数であり得、そしてpおよびqは、各々が、1〜10の整数であり得;nは、1〜20の整数であり得;そしてxは、0〜10の整数であり得る。
【0096】
さらなる非限定的な実施形態において、ポリチオエーテルオリゴマージチオールは、asym−ジクロロアセトンを、ポリメルカプトアルキルスルフィドと、塩基の存在下で反応させることによって、調製され得る。この反応において使用するために適切なポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例としては、本明細書中で先に記載された、一般式2によって表される物質が挙げられ得るが、これらに限定されない。この反応において使用するために適切な塩基としては、本明細書中で先に記載されたものが挙げられる。
【0097】
本発明において使用するために適切なさらなるポリメルカプトアルキルスルフィドの非限定的な例としては、分枝鎖ポリメルカプトアルキルスルフィドが挙げられ得る。非限定的な実施形態において、ポリメルカプトアルキルスルフィドは、ジメルカプトエチルスルフィドであり得る。
【0098】
非限定的な実施形態において、asym−ジクロロ誘導体とポリメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、塩基の存在下で行われ得る。適切な塩基の非限定的な例としては、本明細書中で先に記載されたものが挙げられ得る。
【0099】
別の非限定的な実施形態において、asym−ジクロロ誘導体とポリメルカプトアルキルスルフィドとの反応は、相間移動触媒の存在下で行われ得る。本発明において使用するために適切な相間移動触媒は、公知であり、そして様々である。非限定的な例としては、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩が挙げられ得るが、これらに限定されない。さらなる非限定的な実施形態において、この反応は、相間移動触媒としてのテトラブチルホスホニウムブロミドの存在下で行われ得る。相間移動触媒の量は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、相間移動触媒の量は、ポリメルカプトスルフィド反応物質に対して、0当量%〜50当量%、または0当量%〜10当量%、または0当量%〜5当量%であり得る。
【0100】
別の非限定的な実施形態において、ポリチオエーテルオリゴマージチオールの調製は、溶媒の使用を包含し得る。適切な溶媒の非限定的な例としては、本明細書中で先に記載されたものが挙げられ得る。
【0101】
非限定的な実施形態において、以下のように、「n」モルの1,1−ジクロロアセトンが、「n+1」モルのポリメルカプトエチルスルフィドと反応して、ポリチオエーテルオリゴマージチオールを生成し得る。ここで、nは、1〜20の整数を表し得る。
【0102】
【化28】

さらなる非限定的な実施形態において、本発明のポリチオエーテルオリゴマージチオールは、以下のように、「n」モルの1,1−ジクロロエタンを「n+1」モルのポリメルカプトエチルスルフィドと一緒に導入することによって、調製され得る。
【0103】
【化29】

ここで、nは、1〜20の整数を表し得る。
【0104】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式によって表され、そして以下の方法によって調製される、少なくとも1種のオリゴマーポリチオールが挙げられ得る。
【0105】
【化30】

ここで、nは、1〜20の整数であり得;Rは、1個以上のペンダント基(ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基またはエチル基)が挙げられ得るが、これらに限定されない)を有するC〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基;アルコキシ基、またはC〜Cシクロアルキレンであり得;Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基、C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C10アルキルシクロアルキレン基または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり得、そしてmは、0〜10の有理数であり得、pは、独立して、2〜6の整数であり得、qは、独立して、1〜5の整数であり得、そしてrは、独立して、2〜10の整数であり得る。
【0106】
式(IV’f)のポリチオールを調製する種々の方法は、米国特許第6,509,418号,第4欄第52行〜第8欄第25行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載されている。一般に、式(IV’f)のポリチオールは、1種以上のポリビニルエーテルモノマーと、1種以上のポリチオール物質とを含有する反応物質を反応させることによって、調製され得る。有用なポリビニルエーテルモノマーとしては、構造式(V’):
CH=CH−−O−−(−−R−−O−−)−−CH=CH (V’)
によって表されるジビニルエーテルが挙げられ得るが、これらに限定されず、構造式(V’)において、Rは、C〜Cのn−アルキレン基、C〜Cの分枝鎖アルキレン基、C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C10アルキルシクロアルキレン基、または−−[(CH−−)−−O−−]−−(−−CH−−)−−であり得、そしてmは、0〜10の有理数であり得、pは、独立して、2〜6の整数であり得、qは、独立して、1〜5の整数であり得、そしてrは、独立して、2〜10の整数であり得る。
【0107】
非限定的な実施形態において、mは、0であり得る。
【0108】
使用するために適切なポリビニルエーテルモノマーの非限定的な例としては、ジビニルエーテルモノマー(例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、およびブタンジオールジビニルエーテルであるが、限定されない)が挙げられ得る。
【0109】
代替の非限定的な実施形態において、ポリビニルエーテルモノマーは、20モル%〜50モル%未満、または30モル%〜50モル%未満の、ポリチオールを調製するために使用される反応物質を含み得る。
【0110】
式(V’)のジビニルエーテルは、ポリチオール(例えば、式(VI’):
HS−−R1−−SH (VI’)
を有するジチオールであるが、限定されない)と反応し得る。式(VI’)において、R1は、C〜Cのn−アルキレン基;1個以上のペンダント基(ヒドロキシル基、アルキル基(例えば、メチル基またはメチル基)が挙げられ得るが、これらに限定されない)を有するC〜Cの分枝鎖アルキレン基;アルコキシ基、またはC〜Cシクロアルキレンであり得る。
【0111】
適切なポリチオールの非限定的な例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンタンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、ペンタエリトリトールテトラキス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス−(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス−(2−メルカプトアセテート)、およびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、式(VI’)のポリチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0112】
代替の非限定的な実施形態において、ポリチオール物質は、少なくとも90g/モル、または1000グラム/モル以下、または90グラム/モル〜500グラム/モルの数平均分子量を有し得る。
【0113】
さらなる非限定的な実施形態において、ポリチオール対ジビニルエーテル物質の化学量論比は、1当量未満のポリビニルエーテル対1当量のポリチオールであり得る。
【0114】
非限定的な実施形態において、反応物質は、1種以上のフリーラジカル触媒をさらに含有し得る。適切なフリーラジカル触媒の非限定的な例としては、アゾ化合物(例えば、アゾビスニトリル化合物(例えば、アゾ(ビス)イソブチロニトリル(AIBN)であるが、限定されない));有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイルおよび過酸化t−ブチルであるが、限定されない);無機過酸化物および類似のフリーラジカル発生物質が挙げられ得る。
【0115】
代替の非限定的な実施形態において、上記反応は、紫外線の照射によって、カチオン性光開始部分ありまたはなしでのいずれかで、実施され得る。
【0116】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式を有する、以下の反応によって調製される物質が挙げられ得る:
【0117】
【化31】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0118】
式(IV’g)のポリチオールを調製する種々の方法は、WO 03/042270第2頁第16行〜第10頁第7行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載されている。非限定的な実施形態において、ポリチオールとしては、100グラム/モル〜3000グラム/モルの範囲の数平均分子量を有するプレポリマーが挙げられ得、このプレポリマーは、ジスルフィド結合(−S−S−)を含まず、そして適切な光開始剤の存在下での紫外線(UV)により触媒されるフリーラジカル重合によって、調製され得る。使用のために適切な光開始剤は、広範に変動し得、そして当該分野において公知であるものが挙げられる。使用される光開始剤の量は、広範に変動し得、そして当業者に公知であるような通常の量を含み得る。非限定的な実施形態において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184)が、混合物中に存在する重合性モノマーの総重量に基づいて、0.05重量%〜0.10重量%の量で使用され得る。
【0119】
非限定的な実施形態において、式(IV’g)のポリチオールは、上に示されたように、「n」モルのアリルスルフィドと「n+1」モルのジメルカプトジエチルスルフィドとを反応させることによって、調製され得る。
【0120】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式によって表され、そして以下のように調製される物質が挙げられ得る:
【0121】
【化32】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0122】
式(IV’h)のポリチオールを調製するための種々の方法は、WO/01/66623A1,第3頁第19行〜第6頁第11行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に詳細に記載されている。一般に、このポリチオールは、ジチオールなどのチオールと、脂肪族の環含有非共役ジエンとの、触媒の存在下での反応によって調製され得る。この反応において使用するために適切なチオールの非限定的な例としては、低級アルキレンチオール(例えば、エタンジチオール、ビニルシクロヘキシルジチオール、ジシクロペンタジエンジチオール、ジペンテンジメルカプタン、およびヘキサンジチオール);アリールチオール(例えば、ベンゼンジチオール);チオグリコール酸およびチオプロピオン酸のポリオールエステルが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0123】
適切なシクロジエンの非限定的な例としては、ビニルシクロヘキセン、ジペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカジエン、シクロオクタジエン、2−シクロペンテン−1−イル−エーテル、5−ビニル−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0124】
上記反応のために適切な触媒の非限定的な例としては、アゾフリーラジカル開始剤または過酸化物フリーラジカル開始剤(例えば、DuPontからVAZOTMの商品名のもとで市販されているアゾビスアルキレンニトリル)が挙げられ得る。
【0125】
さらなる非限定的な実施形態において、ジメルカプトエチルスルフィドは、上に示されるように、VAZO−52触媒を用いて、4−ビニル−1−シクロヘキセンと反応し得る。
【0126】
別の非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式および反応によって表される物質が挙げられ得る:
【0127】
【化33】

ここで、nは、1〜20の整数であり得る。
【0128】
式(IV’i)のポリチオールを調製する種々の方法は、米国特許第5,225,472号,第2欄第8行〜第5欄第8行に詳細に記載されている。
【0129】
非限定的な実施形態において、上記のような1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン(DMDO)を、無水塩化亜鉛の存在下で、ギ酸エチルで置き換え得る。
【0130】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式および反応スキームによって表される物質が挙げられ得る:
【0131】
【化34】

ここで、Rは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝鎖アルキレン、C〜Cシクロアルキレン、C〜C10アルキルシクロアルキレン、C〜Cアリール、C〜C10アルキル−アリール、エーテル結合もしくはチオエーテル結合もしくはエステル結合もしくはチオエステル結合またはこれらの組み合わせを含むアルキル基、−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−(この式において、Xは、OまたはSであり得、pは、2〜6の整数であり得、qは、1〜5の整数であり得、rは、0〜10の整数であり得る)であり得;Rは、水素またはメチルであり得;そしてRは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝鎖アルキレン、C〜Cシクロアルキレン、C〜C10アルキルシクロアルキレン、C〜Cアリール、C〜C10アルキル−アリール、エーテル結合もしくはチオエーテル結合もしくはエステル結合もしくはチオエステル結合またはこれらの組み合わせを含むアルキル基、あるいは−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−(この式において、Xは、OまたはSであり得、pは、2〜6の整数であり得、qは、1〜5の整数であり得、rは、0〜10の整数であり得る)であり得る。
【0132】
一般に、構造(IV’j)のポリチオールは、ジ(メタ)アクリレートモノマーと1種以上のポリチオールとを反応させることによって、調製され得る。適切なジ(メタ)アクリレートモノマーの非限定的な例は、広く変動し得、そして当該分野において公知のもの(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルプロパン1,3−ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、チオジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビス−フェノールAジ(メタ)アクリレートであるが、限定されない)が挙げられ得る。
【0133】
構造(IV’j)のポリチオールを調製するために適切なポリチオールの非限定的な例は、広く変動し得、そして当該分野において公知のもの(例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンタンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、メチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、ペンタエリトリトールテトラキス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス−(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス−(2−メルカプトアセテート)であるが、限定されない)、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0134】
非限定的な実施形態において、式(IV’j)のポリチオールを調製するために使用されるジ(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートであり得る。
【0135】
別の非限定的な実施形態において、式(IV’j)のポリチオールを調製するために使用されるポリチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0136】
非限定的な実施形態において、式(IV’j)のポリチオールを生成するための反応は、塩基触媒の存在下で行われ得る。この反応において使用するために適切な塩基触媒は、広く変動し得、そして当該分野において公知のものから選択され得る。非限定的な例としては、第三級アミン塩基(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。使用される塩基触媒の量は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、この塩基触媒は、反応混合物の0.001重量%〜5.0重量%の量で存在し得る。
【0137】
いずれの特定の理論によっても束縛されることを意図しないが、ポリチオールと、ジ(メタ)アクリレートモノマーと、塩基触媒との混合物が反応すると、二重結合が、ポリチオールのSH基と反応することによって少なくとも部分的に消費され得ると考えられる。非限定的な実施形態において、この混合物は、これらの二重結合が実質的に消費されて、SH含有量についての望ましい理論値が達成されるような時間にわたって、反応させられ得る。非限定的な実施形態において、この混合物は、1時間〜5日間の時間にわたって反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、この混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、この混合物は、0.5%〜20%のSH含有量の理論値が達成されるまで、反応させられ得る。
【0138】
得られるポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、その反応の化学量論によって決定され得る。代替の非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーのMは、少なくとも400g/モル、または5000g/モル以下、または1000g/モル〜3000g/モルであり得る。
【0139】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式および反応スキームによって表される物質が挙げられ得る:
【0140】
【化35】

ここで、RおよびRは、各々独立して、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝鎖アルキレン、C〜Cシクロアルキレン、C〜C10アルキルシクロアルキレン、C〜Cアリール、C〜C10アルキル−アリール、エーテル結合もしくはチオエーテル結合もしくはエステル結合もしくはチオエステル結合またはこれらの組み合わせを含むアルキル基、−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−(この式において、Xは、OまたはSであり得、pは、2〜6の整数であり得、qは、1〜5の整数であり得、rは、0〜10の整数であり得る)であり得;Rは、水素またはメチルであり得る。
【0141】
一般に、構造(IV’k)のポリチオールは、ポリチオ(メタ)アクリレートモノマーと、1種以上のポリチオールとを反応させることによって、調製され得る。適切なポリチオ(メタ)アクリレートモノマーの非限定的な例は、広く変動し得、そして当該分野において公知のもの(例えば、1,2−エタンジチオールのジ(メタ)アクリレート(これらのオリゴマーを含む)、ジメルカプトジエチルスルフィドのジ(メタ)アクリレート(すなわち、2,2’−チオエタンジチオールジ(メタ)アクリレート)(これらのオリゴマーを含む)、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオールジ(メタ)アクリレート(これらのオリゴマーを含む)、2−メルカプトエチルエーテルのジ(メタ)アクリレート(これらのオリゴマーを含む)、4,4’−チオジベンゼンチオールのジ(メタ)アクリレートであるが、限定されない)、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0142】
ポリチオ(メタ)アクリレートモノマーは、ポリチオールから、当業者に公知の方法(米国特許第4,810,812号、米国特許第6,342,571号;およびWO 03/011925に開示される方法が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して調製され得る。構造(IV’k)のポリチオールを調製する際に使用するために適切なポリチオール物質の非限定的な例としては、当該分野において公知である広範な種々のポリチオール(例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンタンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD)、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、ペンタエリトリトールテトラキス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス−(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス−(2−メルカプトアセテート)であるが、限定されない)、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0143】
非限定的な実施形態において、式(IV’k)のポリチオールを調製するために使用されるポリチオ(メタ)アクリレートは、ジメルカプトジエチルスルフィドのジ(メタ)アクリレート(すなわち、2,2’−チオジエタンチオールジメタクリレート)であり得る。別の非限定的な実施形態において、式(IV’k)のポリチオールを調製するために使用されるポリチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0144】
非限定的な実施形態において、この反応は、塩基触媒の存在下で行われ得る。使用するために適切な塩基触媒の非限定的な例は、広く変動し得、そして当該分野において公知のものから選択され得る。非限定的な例としては、第三級アミン塩基(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0145】
使用される塩基触媒の量は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、この塩基触媒は、反応混合物の0.001重量%〜5.0重量%の量で存在し得る。非限定的な実施形態において、この混合物は、1時間〜5日間の期間にわたって反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、この混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、この混合物は、0.5%〜20%のSH含有量についての理論値が達成されるまで、加熱され得る。
【0146】
得られるポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、その反応の化学量論によって決定され得る。代替の非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーのMは、少なくとも400g/モル、または5000g/モル以下、または1000400g/モル〜3000g/モルであり得る。
【0147】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのポリチオールとしては、以下の構造式および反応によって表される物質が挙げられ得る:
【0148】
【化36】

ここで、Rは、水素またはメチルであり得、そしてRは、C〜Cのn−アルキレン、C〜Cの分枝鎖アルキレン、C〜Cシクロアルキレン、C〜C10アルキルシクロアルキレン、C〜Cアリール、C〜C10アルキル−アリール、エーテル結合もしくはチオエーテル結合もしくはエステル結合もしくはチオエステル結合またはこれらの組み合わせを含むアルキル基、あるいは−−[(CH−−)−−X−−]−−(−−CH−−)−−(この式において、Xは、OまたはSであり得、pは、2〜6の整数であり得、qは、1〜5の整数であり得、rは、0〜10の整数であり得る)であり得る。
【0149】
一般に、構造(IV’l)のポリチオールは、アリル(メタ)アクリレートと、1種以上のポリチオールとを反応させることによって、調製され得る。構造(IV’l)のポリチオールを調製するために適切なポリチオールの非限定的な例としては、広範な種々の公知のポリチオール(例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンタンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換されたジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールジ(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、4−tert−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、ベンゼンジチオール、4,4’−チオジベンゼンチオール、ペンタエリトリトールテトラキス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス−(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス−(2−メルカプトアセテート)であるが、限定されない)、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0150】
非限定的な実施形態において、式(IV’l)のポリチオールを調製するために使用されるポリチオールは、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)であり得る。
【0151】
非限定的な実施形態において、アリル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸二重結合は、最初に、塩基触媒の存在下でポリチオールと反応し得る。適切な塩基触媒の非限定的な例は、広く変動し得、そして当該分野において公知のものから選択され得る。非限定的な例としては、第三級アミン塩基(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)およびN,N−ジメチルベンジルアミン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。使用される塩基触媒の量は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、この塩基触媒は、反応混合物の0.001重量%〜5.0重量%の量で存在し得る。非限定的な実施形態において、この混合物は、1時間〜5日間の期間にわたって反応させられ得る。別の非限定的な実施形態において、この混合物は、20℃〜100℃の温度で反応させられ得る。さらなる非限定的な実施形態において、ポリチオールのSH基の、アリル(メタ)アクリレートの実質的に全ての利用可能な(メタ)アクリレート二重結合との反応に続いて、これらのアリル二重結合は、ラジカル開始剤の存在下で、残りのSH基と反応し得る。いずれの特定の理論によっても束縛されることを意図しないが、この混合物が加熱されるにつれて、これらのアリル二重結合は、残りのSH基と反応することによって、少なくとも部分的に消費され得ると考えられる。適切なラジカル開始剤の非限定的な例としては、アゾ型または過酸化物型のフリーラジカル開始剤(例えば、アゾビスアルキレンニトリル)が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、このフリーラジカル開始剤は、VAZOTMの商品名のもとで市販されているアゾビスアルキレンニトリルであり得る。代替の非限定的な実施形態において、VAZO−52触媒、VAZO−64触媒、VAZO−67触媒、またはVAZO−88触媒が、ラジカル開始剤として使用され得る。
【0152】
非限定的な実施形態において、上記混合物は、二重結合が実質的に消費されて、SH含有量についての望ましい理論値が達成されるような期間にわたって、加熱され得る。非限定的な実施形態において、この混合物は、1時間〜5日間の期間にわたって加熱され得る。別の非限定的な実施形態において、この混合物は、40℃〜100℃の温度で加熱され得る。さらなる非限定的な実施形態において、この混合物は、0.5%〜20%のSH含有量についての理論値が達成されるまで、加熱され得る。
【0153】
得られるポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、広く変動し得る。非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーの数平均分子量(M)は、その反応の化学量論によって決定され得る。代替の非限定的な実施形態において、ポリチオールオリゴマーのMは、少なくとも400g/モル、または5000g/モル以下、または1000g/モル〜3000g/モルであり得る。
【0154】
代替の非限定的な実施形態において、本発明において使用するための活性水素含有物質は、少なくとも200グラム/モル、または少なくとも300グラム/モル、または少なくとも750グラム/モル;または1,500グラム/モル以下、または2,500グラム/モル以下、または4,000グラム/モル以下の数平均分子量を有する、ポリエーテルグリコールおよびポリエステルグリコールから選択され得る。
【0155】
ヒドロキシル基とチオール基との両方を有する適切な物質の非限定的な例としては、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンビス(2−メルカプトアセテート)、グリセリンビス(3−メルカプトプロピオネート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトヒドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールモノ(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールビス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネートおよびヒドロキシエチルチオメチル−トリス(メルカプトエチルチオ)メタンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0156】
本発明の非限定的な実施形態において、ポリシアネートと活性水素含有物質とが反応して、ポリウレタンプレポリマーを形成し得、そしてこのポリウレタンプレポリマーが、アミン含有硬化剤と反応し得る。さらなる非限定的な実施形態において、この活性水素含有物質としては、ポリオール、ポリチオールおよびポリチオールオリゴマーから選択される、少なくとも1種の物質が挙げられ得る。なおさらなる非限定的な実施形態において、このポリウレタンプレポリマーは、アミン硬化剤および活性水素含有物質と反応し得、ここでこの活性水素含有物質としては、ポリオール、ポリチオールおよびポリチオールオリゴマーから選択される、少なくとも1種の物質が挙げられ得る。別の非限定的な実施形態において、ポリシアネート、活性水素含有物質およびアミン含有硬化剤は、「ワンポット」プロセスで、一緒に反応し得る。さらなる非限定的な実施形態において、この活性水素含有物質としては、ポリオール、ポリチオールおよびポリチオールオリゴマーから選択される、少なくとも1種の物質が挙げられ得る。
【0157】
本発明において使用するためのアミン含有硬化剤は、多数であり、そして広く変動する。適切なアミン含有硬化剤の非限定的な例としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミンおよびこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。代替の非限定的な実施形態において、このアミン含有硬化剤は、第一級アミン(−NH)、第二級アミン(−NH−)およびこれらの組み合わせから独立して選択される、少なくとも2個の官能基を有するポリアミンであり得る。さらなる非限定的な実施形態において、このアミン含有硬化剤は、少なくとも2個の第一級アミン基を有し得る。別の非限定的な実施形態において、このアミン含有硬化剤は、ポリアミンと、ポリチオールおよびポリオールから選択される少なくとも1種の物質との、混合物を含有し得る。適切なポリチオールおよびポリオールの非限定的な例としては、本明細書中で先に記載されたものが挙げられる。なお別の非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤は、硫黄含有アミン含有硬化剤であり得る。硫黄含有アミン含有硬化剤の非限定的な例としては、Ethacure 300(Albemarle Corporationから市販されている)が挙げられ得る。
【0158】
弱い色を有するポリ尿素ウレタンを生成するために望ましい1つの実施形態において、アミン硬化剤は、このアミン硬化剤が比較的弱い色を有するように、そして/またはこのアミン硬化剤が、アミンに色(例えば、黄色)が付くことを防止するように製造および/もしくは保存され得るように、選択され得る。
【0159】
本発明において使用するために適切なアミン含有硬化剤としては、以下の化学式:
【0160】
【化37】

を有する物質が挙げられ得るが、これらに限定されず、この化学式において、RおよびRは、各々独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基から選択され得、そしてRは、水素および塩素から選択され得る。本発明において使用するためのアミン含有硬化剤の非限定的な例としては、Lonza Ltd.(Basel,Switzerland)によって製造される、以下の化合物が挙げられる:
LONZACURE.RTM.M−DIPA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−DMA:R=CH;R=CH;R=H
LONZACURE.RTM.M−MEA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−DEA:R=C;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−MIPA:R=CH;R=C;R=H
LONZACURE.RTM.M−CDEA:R=C;R=C;R=Cl
ここで、R、RおよびRは、上記化学式に対応する。
【0161】
非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤としては、ジアミン硬化剤(例えば、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(Lonzacure.RTM.M−CDEA)(これは、米国において、Air Products and Chemical,Inc.(Allentown,Pa.)から入手可能である))が挙げられ得るが、これに限定されない。代替の非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのアミン含有硬化剤としては、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエンおよびこれらの混合物(まとめて、「ジエチルトルエンジアミン」または「DETDA」)(これは、Albemarle Corporationから、Ethacure 100の商品名のもとで市販されている);ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)(これは、Albemarle Corporationから、Ethacure 300商品名のもとで市販されている);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(これは、Kingyorker Chemicalsから、MOCAの商品名のもとで市販されている)が挙げられ得る。DETDAは、室温で液体であり得、25℃で156cPsの粘度を有する。DETDAは、異性体であり得、2,4−異性体の範囲は、75%〜81%の範囲であり、一方で、2,6−異性体の範囲は、18%〜24%であり得る。
【0162】
非限定的な実施形態において、Ethacure 100の色を安定化されたバージョン(すなわち、黄色を減少させるための添加剤を含有する処方物であり、Ethacure 100Sの商品名のもとで入手可能である)が、本発明において使用され得る。
【0163】
非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤は、重合反応において触媒として作用し得、そして得られる重合体に組み込まれ得る。
【0164】
アミン含有硬化剤の非限定的な例としては、エチレンアミンが挙げられ得る。適切なエチレンアミンとしては、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ピペラジン、モルホリン、置換モルホリン、ピペリジン、置換ピペリジン、ジエチレンジアミン(DEDA)、および2−アミノ−1−エチルピペラジンが挙げられ得るが、これらに限定されない。代替の非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤は、C〜Cジアルキルトルエンジアミンの1種以上の異性体(例えば、3,5−ジメチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,6−トルエンジアミン、およびこれらの混合物であるが、限定されない)から選択され得る。代替の非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤は、メチレンジアニリンまたはトリメチレングリコールジ(パラ−アミノ安息香酸)であり得る。
【0165】
本発明の代替の非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤は、以下の一般式:
【0166】
【化38】

のうちの1つを含み得る。
【0167】
さらなる代替の非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤としては、1種以上のメチレンビスアニリン(これは、一般式XVI〜XXによって表され得る)、1種以上のアニリンスルフィド(これは、一般式XXI〜XXVによって表され得る)および/または1種以上のビアニリン(これは、一般式XXVI〜XXVIXによって表され得る)が挙げられ得る。
【0168】
【化39】

【0169】
【化40】

【0170】
【化41】

ここで、RおよびRは、各々独立して、C〜Cアルキルを表し得、そしてRは、水素およびハロゲン(例えば、塩素および臭素であるが、限定されない)から選択され得る。一般式XVによって表されるジアミンは、一般に、4,4’−メチレン−ビス(ジアルキルアニリン)と記載され得る。一般式XVによって表され得るジアミンの適切な非限定的な例としては、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)および4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0171】
さらなる非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤としては、以下の一般式(XXX)によって表され得る物質が挙げられ得る:
【0172】
【化42】

一般式(XXX)において、R20、R21、R22、およびR23は、独立して、H、C〜Cアルキル、CH−S−およびハロゲン(例えば、塩素または臭素であるが、限定されない)から選択され得る。本発明の非限定的な実施形態において、一般式XXXによって表され得るアミン含有硬化剤としては、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)が挙げられ得、この場合、R23は、メチルであり、R20およびR21は、各々エチルであり、そしてR22は、水素である。さらなる非限定的な実施形態において、アミン含有硬化剤としては、4,4’−メチレンジアニリンが挙げられ得る。
【0173】
本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、当該分野において公知である種々の技術を使用して、重合され得る。ポリシアネートと活性水素含有物質とを一緒に導入してポリウレタンプレポリマーを形成し、次いで、アミン含有硬化剤を導入することによって、ポリ尿素ウレタンが調製され得る、非限定的な実施形態において、この硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、このプレポリマーを減圧下で脱気し、そしてこのアミン含有硬化剤を脱気することによって、重合され得る。さらなる非限定的な実施形態において、これらの材料は、減圧下で脱気され得る。このアミン含有硬化剤は、種々の方法および設備(例えば、インペラおよび押出し機であるが、限定されない)を使用して、プレポリマーと混合され得る。
【0174】
硫黄含有ポリ尿素ウレタンがワンポットプロセスによって調製され得る、別の非限定的な実施形態において、この硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、ポリシアネートと、活性水素含有物質と、アミン含有硬化剤とを一緒に導入し、そしてこの混合物を脱気することによって、重合され得る。さらなる非限定的な実施形態において、この混合物は、減圧下で脱気され得る。
【0175】
レンズが形成され得る、別の非限定的な実施形態において、脱気された混合物は、鋳型に導入され得、そしてこの鋳型が、当該分野において公知である種々の従来の技術を使用して、加熱され得る。その熱硬化サイクルは、例えば、反応物質および存在する触媒の、反応性およびモル比に、大いに依存し得る。非限定的な実施形態において、この熱硬化サイクルは、プレポリマーと硬化剤との混合物、またはポリシアネートと活性水素含有物質と硬化剤との混合物を、室温〜200℃に、0.5時間〜72時間にわたって加熱する工程を包含し得る。
【0176】
非限定的な実施形態において、ウレタン形成触媒が、本発明において使用されて、ポリウレタン形成物質の反応を増強し得る。適切なウレタン形成触媒は、変更され得、例えば、適切なウレタン形成触媒としては、NCO含有物質とOH含有物質との反応によるウレタンの形成のために有用であり、そしてアロホネート(allophonate)およびイソシアネートの形成をもたらす副反応を加速する傾向をほとんど有さない、触媒が挙げられ得る。適切な触媒の非限定的な例は、ルイス塩基、ルイス酸およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1992,第A21巻,pp.673〜674に記載されるような相間触媒の群から選択され得る。非限定的な実施形態において、この触媒は、有機酸のスズ塩(例えば、オクタン酸スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジ酢酸ジブチルスズ、ジブチルスズメルカプチド、ジマレイン酸ジブチルスズ、ジ酢酸ジメチルスズ、ジラウリン酸ジメチルスズ、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、およびこれらの混合物であるが、限定されない)であり得る。代替の非限定的な実施形態において、この触媒は、オクタン酸亜鉛、ビスマス、または鉄アセチルアセトネートであり得る。
【0177】
適切な触媒のさらなる非限定的な例としては、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンであるが、限定されない)が挙げられ得る。このような適切な第三級アミンは、米国特許第5,693,738号の第10欄第6行〜第38行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示されている。
【0178】
非限定的な実施形態において、触媒は、ホスフィン、第三級アンモニウム塩および第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンであるが、限定されない)から選択され得る。適切な第三級アミンのさらなる非限定的な例は、米国特許第5,693,738号の第10欄第6行〜第38行(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示されている。
【0179】
ポリウレタンプレポリマーとアミン含有硬化剤とを一緒に導入することによって硫黄含有ポリ尿素ウレタンが調製され得る、非限定的な実施形態において、このポリウレタンプレポリマーは、アミン含有硬化剤と一緒に導入される間に、少なくとも1種のエピスルフィド含有物質と反応させられ得る。適切なエピスルフィド含有物質は、変化し得、そして少なくとも1個、または2個、またはそれより多くのエピスルフィド官能基を有する物質が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態において、このエピスルフィド含有物質は、以下の一般式:
【0180】
【化43】

によって表される2個以上の部分を有し得、この一般式において、Xは、SまたはOであり得;Yは、C〜C10アルキル、O、またはSであり得;mは、0〜2の整数であり得、そしてnは、0〜10の整数であり得る。非限定的な実施形態において、Sの数値の比は、平均して、三員環を構成するSおよびOの合計の50%以上である。
【0181】
式(V)によって表される部分を2個以上有するエピスルフィド含有物質は、非環状骨格および/または環状骨格に結合し得る。この非環状骨格は、分枝していても分枝していなくてもよく、そしてスルフィド結合および/またはエーテル結合を含み得る。非限定的な実施形態において、このエピスルフィド含有物質は、エポキシ環を含む非環状物質の酸素を、硫黄、チオ尿素、チオシアネート、トリフェニルホスフィンスルフィド、または当該分野において公知であるような他の試薬を使用して置き換えることによって、得られ得る。さらなる非限定的な実施形態において、アルキルスルフィド型のエピスルフィド含有物質は、種々の公知の非環状ポリチオールを、エピクロロヒドリンと、アルカリの存在下で反応させて、アルキルスルフィド型のエポキシ物質を得;次いで、そのエポキシ環における酸素を上記のように置き換えることによって、得られ得る。
【0182】
代替の非限定的な実施形態において、環状骨格としては、以下の物質が挙げられ得る:
(a)環状骨格が脂環式骨格であり得る、エピスルフィド含有物質、
(b)環状骨格が芳香族骨格であり得る、エピスルフィド含有物質、および
(c)環状骨格がヘテロ原子として硫黄を含む複素環式骨格であり得る、エピスルフィド含有物質。
【0183】
さらなる非限定的な実施形態において、上記物質の各々は、スルフィド結合、エーテル結合、スルホン結合、ケトン結合、および/またはエステル結合を含み得る。
【0184】
脂環式骨格を有する適切なエピスルフィド含有物質の非限定的な例としては、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]メタン、2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]プロパン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]スルフィド、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエピスルフィド、4−エピチオエチル−1−シクロヘキセンスルフィド、4−エポキシ−1,2−シクロヘキセンスルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン、および2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0185】
芳香族骨格を有する適切なエピスルフィド含有物質の非限定的な例としては、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルホン、および4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニルが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0186】
ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環式骨格を有する適切なエピスルフィド含有物質の非限定的な例としては、以下の一般式:
【0187】
【化44】

によって表される物質が挙げられ得るが、これらに限定されず、この一般式において、mは、1〜5の整数であり得;nは、0〜4の整数であり得;aは、0〜5の整数であり得;Uは、水素原子、または1個〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり得;Yは、−(CHCHS)−であり得;Zは、水素原子、1個〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または−(CHSYWから選択され得;Wは、以下の式:
【0188】
【化45】

によって表されるエピチオプロピル基であり得、この式において、Xは、OまたはSであり得る。
【0189】
適切なエピスルフィド含有物質のさらなる非限定的な例としては、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン;2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン;2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン;2,3,5−トリ(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,4−ジチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルメチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオエチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,3,5−トリチアン;2,4,6−トリス(β−エピチオプロピルチオエチルチオエチル)−1,3,5−トリチアン;
【0190】
【化46】

(ここで、Xは、上で定義されたとおりであり得る)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0191】
代替の非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも0.4:1、または少なくとも0.8:1、または1.0:1、または2:0:1.0以下の、(−NH + −NH− + −OH + SH)対(NCO+NCS)の当量比を有し得る。
【0192】
代替の非限定的な実施形態において、エピスルフィド含有物質は、エピスルフィド対(NCO+OH+SH)の比が、少なくとも0.01:1、または1:1、または少なくとも1.3:1.0、または4.0:1.0以下、または6.0:1.0以下であり得るような量で、存在し得る。
【0193】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、Desmodur Wと、一般式XXXI:
(XXXI) HO−[−(CH−C(O)−O−]−(CH−OH
(この一般式においてtは、1〜10の整数である)を有するポリ(カプロラクトン)ジオールとの反応生成物であり得る。
【0194】
非限定的な実施形態において、ポリエーテル含有ポリオールは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを含む、ブロックコポリマーを含み得る。非限定的な実施形態において、このポリエーテル含有ポリオールは、以下の化学式:
【0195】
【化47】

のブロックポリマーを含み得る。この化学式において、Rは、水素またはC〜Cアルキルを表し得;Yは、CHを表し得;nは、0〜6の整数であり得;a、b、およびcは、各々が、0〜300の整数であり得、ここで、a、b、およびcは、このポリオールの数平均分子量が32,000グラム/モルを超えないように選択される。
【0196】
非限定的な実施形態において、ポリウレタンプレポリマーは、構造式XXXII:
【0197】
【化48】

のエピスルフィド含有物質と反応し得る。
【0198】
代替の非限定的な実施形態において、種々の公知の添加剤が、本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンに組み込まれ得る。このような添加剤としては、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、静的(非フォトクロミック)色素、顔料および柔軟添加剤(例えば、アルコキシ化フェノールベンゾエートおよびポリ(アルキレングリコール)ジベンゾエートであるが、限定されない)が挙げられ得るが、これらに限定されない。黄色化防止添加剤の非限定的な例としては、3−メチル−2−ブテノール、有機ピロカーボネートおよびトリフェニルホスファイト(CAS登録番号101−02−0)が挙げられ得る。このような添加剤は、その添加剤が、総重量に基づいて、プレポリマーの10重量%未満、または5重量%未満、または3重量%未満を構成するような量で存在し得る。代替の非限定的な実施形態において、上記任意の添加剤は、ポリシアネートと混合され得る。さらなる実施形態において、任意の添加剤は、水素含有物質と混合され得る。
【0199】
非限定的な実施形態において、得られる本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化した場合に、固体であり得、そして本質的に透明であり、その結果、光学用途または眼用の用途のために適切である。代替の非限定的な実施形態において、この硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62の屈折率を有し得る。さらなる代替の非限定的な実施形態において、この硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44のアッベ数を有し得る。
【0200】
非限定的な実施形態において、硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、重合されて少なくとも部分的に硬化すると、良好な衝撃耐性/強度を示し得る。衝撃耐性は、当業者に公知である種々の従来の方法を使用して、測定され得る。非限定的な実施形態において、衝撃耐性は、Impact Energy Testを使用して測定され、この試験は、次第に重量が増加する種々のボールを、50インチ(1.25メートル)の距離からシートの中心に落下させることによって、3mmの厚さを有する重合体の平坦なシートを試験することからなる。このシートが割れた場合、このシートは、この試験に落ちたと決定される。本明細書中で使用される場合、用語「割れる」とは、2以上の別々の片への、シートの厚さ全体を通る亀裂、またはシートの裏面(すなわち、衝撃の面とは逆のシートの面)から1以上の片が外れることをいう。この実施形態において、本明細書中に記載されるようにImpact Energy Testを使用して、衝撃強度は、少なくとも2.0ジュール、または少なくとも4.95ジュールであり得る。
【0201】
さらに、本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンは、少なくとも部分的に硬化した場合に、低い密度を有し得る。非限定的な実施形態において、この密度は、1.0グラム/cmより大きく1.25グラム/cm未満、または1.0グラム/cmより大きく1.3グラム/cm未満であり得る。非限定的な実施形態において、この密度は、DensiTECH器具(Tech Pro,Incorporatedにより製造される)を使用して測定される。さらなる非限定的な実施形態において、この密度は、ASTM D297に従って測定される。
【0202】
本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタンを使用して調製され得る固体物品としては、光学レンズ(例えば、平面レンズおよび眼用レンズ)、サンレンズ(sun lens)、窓、自動車の透明部品(例えば、フロントガラス、側灯および尾灯(backlight))、ならびに航空機の透明部品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
非限定的な実施形態において、本発明の硫黄含有ポリ尿素ウレタン重合体は、フォトクロミック物品(例えば、レンズ)を調製するために使用され得る。さらなる実施形態において、この重合体は、フォトクロミック物質を活性化させる電磁スペクトルの部分(すなわち、フォトクロミック物質の有色形態または開形態(open form)を生じる紫外(UV)光の波長、ならびにUVで活性化された形態(すなわち、開形態)にあるフォトクロミック物質の吸収極大波長を含む可視スペクトルの部分)に対して、透明であり得る。
【0204】
広範な種々のフォトクロミック物質が、本発明において使用され得る。非限定的な実施形態において、有機フォトクロミック化合物または有機フォトクロミック物質が、使用され得る。代替の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、重合体に組み込まれ得る(例えば、溶解されるか、分散されるか、もしくは拡散される)か、または重合体にコーティングとして塗布され得る。
【0205】
非限定的な実施形態において、有機フォトクロミック物質は、590ナノメートルより大きい可視範囲において、活性化された吸収極大を有し得る。さらなる非限定的な実施形態において、可視範囲内の活性化された吸収極大は、590ナノメートル〜700ナノメートルの間であり得る。これらの物質は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外光に曝露されると、青色、青緑色、または青紫色を示し得る。本発明において有用なこのような物質の非限定的な例としては、スピロ(インドリン)ナフトオキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンゾオキサジンが挙げられるが、これらに限定されない。これらおよび他の適切なフォトクロミック物質は、米国特許第3,562,172号;同第3,578,602号;同第4,215,010号;同第4,342,668号;同第5,405,958号;同第4,637,698号;同第4,931,219号;同第4,816,584号;同第4,880,667号;同第4,818,096号に記載されている。
【0206】
別の非限定的な実施形態において、有機フォトクロミック物質は、400ナノメートル〜500ナノメートル未満の間の可視範囲内に、少なくとも1つの吸収極大を有し得る。さらなる非限定的な実施形態において、この物質は、この可視範囲内に2つの吸収極大を有し得る。これらの物質は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外光に曝露されると、黄橙色を示し得る。このような物質の非限定的な例としては、特定のクロメン(例えば、ベンゾピランおよびナフトピランであるが、限定されない)が挙げられ得る。このようなクロメンの多くは、米国特許第3,567,605号;同第4,826,977号;同第5,066,818号;同第4,826,977号;同第5,066,818号;同第5,466,398号;同第5,384,077号;同第5,238,931号;および同第5,274,132号に記載されている。
【0207】
別の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、400ナノメートル〜500ナノメートルの間の可視範囲内の吸収極大、および500ナノメートル〜700ナノメートルの間の可視範囲内の吸収極大を有し得る。これらの物質は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外光に曝露されると、黄/茶〜紫/灰色の範囲の色を示し得る。これらの物質の非限定的な例としては、ピラン環の2位に置換基を有する特定のベンゾピラン化合物、および置換または非置換の複素環式環(例えば、ベンゾピランのベンゼン部分に縮合したベンゾチエノ環もしくはベンゾフラノ環)が挙げられ得る。このような物質のさらなる非限定的な例は、米国特許第5,429,774号に開示されている。
【0208】
非限定的な実施形態において、本発明において使用するためのフォトクロミック物質としては、フォトクロミック有機金属ジチゾネート(例えば、(アリールアゾ)−チオホルミックアリールヒドラジデート(例えば、米国特許第3,361,706号に記載される水銀ジチゾネートであるが、限定されない)であるが、限定されない)が挙げられ得る。フルギドおよびフルギミド(例えば、米国特許第4,931,220号、第20欄第5行〜第21欄第38行に記載される、3−フリルフルギド、3−フリルフルギミド、3−チエニルフルギドおよび3−チエニルフルギミドであるが、限定されない)が、本発明において使用され得る。
【0209】
上記特許の関連する部分が、本明細書中に参考として援用される。
【0210】
代替の非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミック物品は、1種のフォトクロミック物質を含んでも、1種より多くのフォトクロミック物質の混合物を含んでもよい。さらなる代替的な非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質の種々の混合物が、活性化された色(例えば、ほぼ中間色の灰色または茶色)を得るために、使用され得る。
【0211】
使用されるフォトクロミック物質の量は、変動し得る。代替の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質の量および物質の比(例えば、混合物が使用される場合)は、この物質が塗布されるかまたは組み込まれる重合体が、濾波されていない太陽光(すなわち、活性化されたフォトクロミック物質の色を考慮して可能な限り中間色の近く)で活性化される場合、望ましい結果の色(例えば、実質的に中間の色(例えば、灰色または茶色の色合い))を示すような量および比であり得る。非限定的な実施形態において、使用されるフォトクロミック物質の量は、活性化された種の色の強度および最終的な望ましい色に依存し得る。
【0212】
代替の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、当該分野において公知の種々の方法によって、重合体に塗布され得るかまたは組み込まれ得る。非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、重合体に溶解または分散され得る。さらなる非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、当該分野において公知の方法によって、重合体に吸収され得る。用語「吸収」または「吸収する」は、フォトクロミック物質が単独での重合体への侵入、多孔性ポリマーへの、フォトクロミック物質の、溶媒により補助される移動での吸収、蒸気相での移動、および他のこのような移動機構を包含する。非限定的な実施形態において、吸収方法は、フォトクロミック物品をフォトクロミック物質でコーティングする工程;このフォトクロミック物品の表面を加熱する工程;およびこのフォトクロミック物品の表面から、残留するコーティングを除去する工程を包含し得る。代替の非限定的な実施形態において、吸収プロセスとしては、重合体をフォトクロミック物質の熱溶液に浸漬すること、または熱移動によるものが挙げられ得る。
【0213】
代替の非限定的な実施形態において、フォトクロミック物質は、重合体の隣接する層の間の別の層(例えば、ポリマーフィルムの部品として)であり得るか;あるいはフォトクロミック物質は、重合体の表面に配置されるコーティングまたはコーティングの一部として、塗布され得る。
【0214】
重合体に塗布または浸漬される、フォトクロミック物質、またはフォトクロミック物質を含有する組成物の量は、変動し得る。非限定的な実施形態において、この量は、活性化の際に裸眼で認識され得るフォトクロミック効果が生じるような量であり得る。このような量は、一般に、フォトクロミック量と記載され得る。代替の非限定的な実施形態において、使用される量は、照射の際に望まれる色の強度、およびフォトクロミック物質を組み込むかまたは塗布するために使用される方法に、依存し得る。一般に、多くのフォトクロミック物質が塗布されるかまたは組み込まれるほど、色の強度は大きくなる。非限定的な実施形態において、フォトクロミック光学重合体に組み込まれるかまたは塗布されるフォトクロミック物質の量は、このフォトクロミック物質が組み込まれるかまたは塗布される表面1平方センチメートルあたり、0.15ミリグラム〜0.35ミリグラムであり得る。
【0215】
別の実施形態において、フォトクロミック物質は、硫黄含有ポリ尿素ウレタンを重合および/または鋳造硬化させる前に、硫黄含有ポリ尿素ウレタンに添加され得る。この実施形態において、使用されるフォトクロミック物質は、例えば、存在するイソシアネート基、イソチオシアネート基およびアミン基との潜在的に不利な相互作用に耐性があるように、選択され得る。このような不利な相互作用は、例えば、フォトクロミック物質を開形態または閉形態のいずれかに捕捉することによって、フォトクロミック物質の不活性化を生じ得る。
【0216】
本発明において使用するために適切なフォトクロミック物質のさらなる非限定的な例としては、金属酸化物に封入されたフォトクロミック顔料および有機フォトクロミック物質(例えば、米国特許第4,166,043号および同第4,367,170号に開示されるもの);有機重合体に封入された有機フォトクロミック物質(例えば、米国特許第4,931,220号に開示されるもの)が挙げられ得る。
【実施例】
【0217】
以下の実施例において、他に言及されない限り、1H NMRおよび13C NMRを、Varian Unity Plus(200 MHz)機械で測定した;質量スペクトルを、Mariner Bio Systems装置で測定した;屈折率およびアッベ数を、複数波長のAbbe Refractometer Model DR−M2(ATAGO Co.,Ltd.製)で測定した;液体の屈折率およびアッベ数を、ASTM−D1218に従って測定した;固体の屈折率およびアッベ数を、ASTM−D542に従って測定した;固体の密度を、ASTM−D792に従って測定した;そして粘度を、Brookfield CAP 2000+ Viscometerを使用して測定した。
【0218】
(実施例1−反応性ポリシアネートプレポリマー1(RP1)の調製)
パドルブレード型の攪拌器、温度計、気体の入口、および添加漏斗を備えた、反応容器内に、11721グラム(89.30当量のNCO)のDesmodur W(Bayer Corporationから入手した)、5000グラム(24.82当量のOH)の400MWポリカプロラクトンジオール(Solvayから入手したCAPA 2047A)、1195グラム(3.22当量のOH)の750MWポリカプロラクトンジオール(Solvayから入手したCAPA 2077A)、および217.4グラム(4.78当量のOH)のトリメチロールプロパン(TMP)(Aldrichから入手した)を入れた。Desmodur Wを、Bayer Corporationから入手し、これは、20%のトランス,トランス異性体ならびに80%のシス,シス異性体およびシス,トランス異性体を含む4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を代表する。この反応器の内容物を、150rpmの速度で攪拌し、そしてこの反応器の内容物を120℃の温度まで加熱する際に、窒素ブランケットを適用した。120℃の時点で、この反応混合物は、発熱し始めた。この熱源を除去すると、その温度は最高で140℃まで30分間上昇し、次いで、冷却し始めた。この温度が120℃に達したら、この反応器に加熱を適用し、そしてこの温度で4時間維持した。この反応混合物をサンプリングし、そして実施形態において以下に記載される方法に従って、%NCOについて分析した。その分析結果は、約13.1%の遊離NCO基を示した。この反応器の内容物を注ぎ出す前に、45.3gのIrganox 1010(Ciba Specialty Chemicalsから入手した)、熱安定剤および362.7gのCyasorb 5411(Cytekから入手した)、UV安定剤を、このプレポリマーに混合した。
【0219】
このプレポリマーのNCO濃度を、ASTM−D−2572−91に従って、以下の滴定手順を使用して決定した。この滴定方法は、成分Aのサンプル2グラムを、Erlenmeyerフラスコに添加することからなる。このサンプルを窒素でパージし、次いで数個のガラスビーズ(5mm)を添加した。この混合物に、1Nジブチルアミン(トルエン中)20mLを、ピペットで添加した。この混合物を混ぜ、そしてキャップをした。次いで、このフラスコを加熱源上に置き、そしてこのフラスコを、わずかに還流するように加熱し、この温度で15分間維持し、次いで、室温まで冷却した。注記:Teflon(登録商標)片を、栓と接合部との間に入れ、加熱の間の圧力の蓄積を防止した。加熱サイクルの間、その内容物を頻繁に混ぜて、完全な溶液および反応を試みた。ピペットで添加される20mLの1Nジブチルアミン(DBA)および50mLのメタノールを、1N塩酸(HCl)で、Titrino 751ダイナミック自動滴定機を使用して直接滴定することによって、ブランク値を得、そして決定した。一旦、HClの規定度およびDBAのブランクについての平均値を計算したら、これらの値を自動滴定機にプログラムした。サンプルを冷却した後、その内容物を、約50mL〜60mLのメタノールを含むビーカーに移した。磁気攪拌棒を入れ、そしてこのサンプルを、プログラムしたTitrino 751自動滴定機を使用して、1N HClで滴定した。NCOの百分率およびIEW(イソシアネート当量)を、以下の式に従って、自動的に計算した:
%NCO=(ブランクのmL−サンプルのmL)(HClの規定度)(4.2018)/サンプルの重量(グラム)
IEW=(サンプルの重量(グラム))1000/(ブランクのmL−サンプルのmL)(HClの規定度)。
【0220】
「HClの規定度」の値を、以下のように決定した。予め秤量したビーカーに、0.4グラムのNaCO(一次標準物質)を添加し、そしてその重量を記録した。これに、50mLの脱イオン水を添加し、そして磁気で攪拌しながら、NaCOを溶解させた。組み合わせpH電極(すなわち、Metrohm組み合わせガラス電極No.6.0222.100)を備え付けた自動滴定機(すなわち、50mLのビュレットを備えるMetrohm GPD Titrino 751ダイナミック滴定機)を使用して、一次標準物質を1N HClで滴定し、そしてその体積を記録した。この手順をさらに2回繰り返して、合計で3回の滴定を行い、そしてその平均を、以下の式に従って、規定度として使用した:
HClの規定度=標準物質の重量(グラム)/(HClのmL)(0.053)。
【0221】
(実施例2−反応性ポリシアネートプレポリマー2(RP2)の調製)
窒素ブランケットを備える反応容器内で、450グラムの400MWポリカプロラクトン、109グラムの750MWポリカプロラクトン、114.4グラムのトリメチロールプロパン、3000グラムのPluronic L62D、および2698グラムのDesmodur Wを室温で一緒に混合して、2.86のNCO/OH当量比を得た。Desmodur Wを、Bayer Corporationから入手し、これは、20%のトランス,トランス異性体ならびに80%のシス,シス異性体およびシス,トランス異性体を含む、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を代表する。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックポリエーテルジオールであり、これを、BASFから入手した。この反応混合物を、65℃の温度まで加熱し、この時点で、30ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(Aldrich製)を添加し、そしてその熱源を除去した。その結果の発熱は、この混合物の温度を112℃まで上昇させた。次いで、この反応物を約100℃の温度まで冷却し、そして131グラムのUV吸収剤Cyasorb 5411(American Cyanamid/Cytecから入手した)および32.66グラムのIrganox 1010(Ciba Geigyから入手した)を、Exalite Blue 78−13(Excitonから入手した)の1重量%溶液0.98グラムと一緒に添加した。この混合物を、100℃でさらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。上記手順(実施例1を参照のこと)を使用して決定した、このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度は、8.7%であった。
【0222】
(実施例3−反応性ポリシアネートプレポリマー3(RP3)の調製)
窒素ブランケットを備える反応容器中で、450グラムの400MWポリカプロラクトン、109グラムの750MWポリカプロラクトン、114.4グラムのトリメチロールプロパン、3000グラムのPluronic L62D、および3500グラムのDesmodur Wを室温で一緒に混合して、3.50のNCO/OH当量比を得た。Desmodur Wを、Bayer Corporationから入手し、これは、20%のトランス,トランス異性体ならびに80%のシス,シス異性体およびシス,トランス異性体を含む、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を代表する。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックエーテルジオールであり、これを、BASFから入手した。この反応混合物を、65℃の温度まで加熱し、この時点で、30ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(Aldrich製)を添加し、そして熱源を除去した。その結果の発熱は、この混合物の温度を112℃まで上昇させた。次いで、この反応物を約100℃の温度まで冷却し、そして131グラムのUV吸収剤Cyasorb 5411(American Cyanamid/Cytecから入手した)および32.66グラムのIrganox 1010(Ciba Geigyから入手した)を、Exalite Blue 78−13(Excitonから入手した)の1重量%溶液0.98グラムと一緒に添加した。この混合物を、100℃でさらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。上記手順(実施例1を参照のこと)を使用して決定した、このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度は、10.8%であった。
【0223】
(実施例4−反応性ポリシアネートプレポリマー4(RP4)の調製)
窒素ブランケットを備える反応容器中で、508グラムの400MWポリカプロラクトン、114.4グラムのトリメチロールプロパン、3000グラムのPluronic L62D、および4140グラムのDesmodur Wを室温で一緒に混合して、4.10のNCO/OH当量比を得た。Desmodur Wを、Bayer Corporationから入手し、これは、20%のトランス,トランス異性体ならびに80%のシス,シス異性体およびシス,トランス異性体を含む、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を代表する。Pluronic L62Dは、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックエーテルジオールであり、これを、BASFから入手した。この反応混合物を、65℃の温度まで加熱し、この時点で、30ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(Aldrich製)を添加し、そして熱源を除去した。その結果の発熱は、この混合物の温度を112℃まで上昇させた。次いで、この反応物を約100℃の温度まで冷却し、そして150グラムのUV吸収剤Cyasorb 5411(American Cyanamid/Cytecから入手した)および37.5グラムのIrganox 1010(Ciba Geigyから入手した)を、Exalite
Blue 78−13(Excitonから入手した)の1重量%溶液1.13グラムと一緒に添加した。この混合物を、100℃でさらに2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。上記手順(実施例1を参照のこと)を使用して決定した、このプレポリマーのイソシアネート(NCO)濃度は、12.2%であった。
【0224】
(実施例5)
30.0gのRP1および10.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。4.00gのPTMA、2.67gのDETDAおよび5.94gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0225】
(実施例6)
24.0gのRP1および20.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。2.00gのDMDS、2.14gのDETDA、4.75gのMDAおよび0.12gのIrganox 1010(Ciba Specialty Chemicalsから入手した)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃耐性を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0226】
(実施例7)
30.0gのRP1および20.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。2.40gのPTMA、5.34gのDETDAおよび3.96gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0227】
(実施例8)
24.0gのRP1および20.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。2.85gのDETDAおよび3.96gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0228】
(実施例9)
30.0gのRP3および25.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。3.75gのDMDS、2.45gのDETDAおよび4.66gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0229】
(実施例10)
30.0gのRP4および25.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。3.75gのDMDS、2.71gのDETDAおよび5.17gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0230】
(実施例11)
30.0gのRP2および21.4.0gのビス−エピチオプロピルスルフィド(式XXXII)を、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。3.21gのDMDS、1.92gのDETDAおよび3.67gのMDAを、均質な混合物が得られるまで50℃で攪拌することによって、混合した。次いで、両方の混合物を、50℃で減圧下で脱気した。次いで、これらをこの温度で混合し、そして1分間〜2分間穏やかに攪拌することによって、均質化した。得られた透明な混合物を、2つの平坦なガラス鋳型の間に即座に充填した。これらの鋳型を130℃で5時間加熱し、表1に与えられる屈折率(e−線)、アッベ数、密度および衝撃を有する透明なプラスチックシートを得た。
【0231】
【表1】

(実施例12−ポリチオエーテル(PTE)ジチオール(1)の合成)
NaOH(44.15g,1.01mol)を、350mlのHOに溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そして500mlのトルエンを添加し、続いてジメルカプトエチルスルフィド(135ml,159.70g,1.04mol)を添加した。この反応混合物を、40℃の温度まで加熱し、攪拌し、次いで、室温まで冷却した。1,1−ジクロロアセトン(DCA)(50ml,66.35g,0.52mol)を、250mlのトルエンに溶解し、次いで、その温度を20℃〜25℃に維持しながら、反応混合物に滴下した。この滴下の後に、この反応混合物を、室温でさらに20時間攪拌した。次いで、有機相を分離し、2×100mlのHO、1×100mlのブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥させた。この乾燥剤を濾別し、そしてトルエンを、Buchi Rotaevaporatorを使用してエバポレートした。曇った残渣をセライトに通して濾過して、182g(収率96%)のPTEジチオール(1)を、無色透明の油状液体として得た。
【0232】
質量分析を、この生成物サンプルに対して、Mariner Bio Systems装置を使用して実施した。その結果は、以下のとおりであった:ESI−MS:385(M+Na)。従って、その分子量は、362であった。
【0233】
NMRを、生成物サンプルに対して、Varian Unity Plus機械を使用して実施した。その結果は、以下のとおりであった:H NMR(CDCl,200MHz):4.56(s,1H),2.75(m,16H),2.38(s,3H),1.75(m,1.5H))。
【0234】
生成物中のSH基を、以下の手順を使用して決定した。生成物のサンプルサイズ(0.1mg)を、50mLのテトラヒドロフラン(THF)/プロピレングリコール(80/20)と合わせ、そしてこのサンプルが実質的に溶解するまで、室温で攪拌した。攪拌の間、25.0mLの0.1Nヨウ素溶液(これを、Aldrichから購入した(31,8898−1))をこの混合物に添加し、次いで、5分間〜10分間の時間にわたって反応させた。この混合物に、2.0mLの濃HClを添加した。次いで、この混合物を、0.1Nチオ硫酸ナトリウムで、ミリボルト(mV)モードで電位差滴定した。生成物サンプルを用いて実施されたのと同じ様式で、25.0mLのヨウ素(1mLの濃塩酸を含む)をチオ硫酸ナトリウムで滴定することによって、ブランク値を最初に得た。
【0235】
%SH=((ブランクのmL−サンプルのmL)(Na2S2O3の規定度)(3.307))/サンプルの重量(g)。
【0236】
以下の結果が得られた:13.4%SH 屈折率(e−線)およびアッベ数を、複数波長のAbbe Refractometer Model No.DR−M2(ATAGO Co.,Limited製)を使用して、ASTM 542−00に従って測定した。屈折率は、1.618(20℃)であり、そしてアッベ数は、35であった。
【0237】
生成物サンプルを、以下の手順によってアセチル化した:PTEジチオール(1)(100mg,0.28mmol)を、2mlのジクロロメタンに室温で溶解した。無水酢酸(0.058ml,0.6mmol)を、この反応混合物に添加し、次いでトリエチルアミン(0.09ml,0.67mmol)およびジメチルアミノピリジン(1滴)を添加した。この混合物を、室温で2時間維持した。次いで、この混合物を20mlのエチルエーテルで希釈し、水性NaHCOで洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。この乾燥剤を濾別し、揮発性物質を減圧下で留去させ、そして油状の残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル8:2v/v)により精製して、103mg(収率83%)のジアセチル化生成物を得た。
【0238】
H NMR(CDCl3,200MHz):4.65(s,1H),3.12−3.02(m,4H),2.75−2.65(m,4H),2.95−2.78(m,8H),2.38(s,3H),2.35(s,6H)。
ESI−MS:385(M+Na)。
H NMR(CDCl,200MHz),4.56(s,1H),2.75(m,16H),2.38(s,3H),1.75(m,1.5H))。
【0239】
(実施例13−PTEジチオール(2)の合成)
NaOH(23.4g,0.58mol)を、54mlのHOに溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そしてDMDS(30.8g,0.20mol)を添加した。この混合物を攪拌して、その温度を20℃〜25℃に維持しながら、ジクロロアセトン(19.0g,0.15mol)を滴下した。ジクロロアセトンの添加が完了した後に、この混合物を、室温でさらに2時間攪拌した。この混合物を、10%HClを用いてpH<9まで酸性化し、次いで100mlのジクロロメタンを添加し、そしてこの混合物を攪拌した。相分離の後に、その有機相を100mlのHOで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥させた。この乾燥剤を濾別し、そしてその溶媒をBuchi Rotaevaporatorを使用してエバポレートし、これにより、35g(90%)の粘性の透明な液体を得た。この液体は、38cPの粘度(73℃);1.622(20℃)の屈折率(e−線)、36のアッベ数、8.10%SH基分析を有した。
【0240】
(実施例14−PTEジチオール3の合成)
NaOH(32.0g,0.80mol)を、250mlのHOに溶解した。この溶液を室温まで冷却し、そして240mlのトルエンを添加し、続いてDMDS(77.00g,0.50mol)を添加した。この混合物を40℃の温度まで加熱し、攪拌し、次いで、室温に達するまで窒素気流下で冷却した。DCA(50.8g,0.40mol)を、70mlのトルエンに溶解し、そして温度を20℃〜25℃に維持しながら、攪拌しながらこの混合物に滴下した。この添加が完了した後に、この混合物を、室温でさらに16時間攪拌した。有機相を分離し、2×100mlのHO、1×100mlのブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥させた。この乾燥剤を濾別し、そしてロータリーエバポレーターを使用してトルエンをエバポレートして、89g(90%)の粘性の透明な液体を得た:粘度(73℃):58cP;屈折率(e−線):1.622(20℃)、アッベ数36;SH基分析:3.54%。
【0241】
(実施例15−PTEジチオール4の合成)
NaOH(96.0g,2.40mol)を、160mlのHOに溶解し、そしてこの溶液を室温まで冷却した。DMDS(215.6g,1.40mol)、1,1−ジクロロエタン(DCE)(240.0g,2.40mol)およびテトラブチルホスホニウムブロミド(8.14g,1mol%)を混合し、そして温度を20℃〜25℃に維持しながら、窒素気流下で上記混合物に添加し、そして激しく攪拌した。この添加が完了した後に、この混合物を室温でさらに15時間攪拌した。その水層を酸性化し、そして抽出して、103.0gの未反応のDMDSを得た。その有機相を、2×100mlのHO、1×100mlのブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、そして過剰のDCEをロータリーエバポレーターでエバポレートして、78g(32%)の透明な液体を得た:粘度(73℃):15cP;屈折率(e−線):1.625(20℃)、アッベ数36;SH基分析15.74%。
【0242】
(実施例16−PTEジチオール5の合成)
NaOH(96.0g,2.40mol)を、140mlのHOに溶解し、そしてこの溶液を10℃まで冷却し、そして機械攪拌器ならびに窒素の入口および出口を備える三口フラスコに入れた。次いで、DMDS(215.6g,1.40mol)を入れ、そしてその温度を10℃に維持した。この混合物に、テトラブチルホスホニウムブロミド(8.14g,1mol%)のDCE(120g,1.2mol)中の溶液を、窒素気流下で激しく攪拌しながら滴下した。この添加が完了した後に、この混合物を、室温でさらに60時間攪拌した。次いで、300mlのHOおよび50mlのDCEを添加し、この混合物をよく振盪し、そして相の分離後、200mLのトルエンをその有機層に添加した;次いで、この有機層を、150mLのHO、50mLの5%HClおよび2×100mLのHOで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、そしてその溶媒をロータリーエバポレーターでエバポレートして、80g(32%)の粘性の透明な液体を得た:粘度(73℃):56cP;屈折率(e−線):1.635(20℃)、アッベ数36;SH基分析:7.95%。
【0243】
(実施例17−ポリチオウレタンプレポリマー(PTUPP)1の合成)
Desmodur W(62.9g,0.24mol)およびPTEジチオール[1](39.4g,0.08mol)を混合し、そして減圧下、室温で2.5時間脱気した。次いで、ジラウリン酸ジブチルスズ(0.01重量%)を添加し、そしてこの混合物を窒素でフラッシュし、そして86℃で32時間加熱した。SH基分析は、SH基の完全な消費を示した。加熱を停止させた。得られた粘性の混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerで測定すると、600cPの粘度(73℃)を有した。屈折率(e−線):1.562(20℃)、アッベ数43;NCO基13.2%(計算値13.1%)。NCOを、本明細書中の実施例1に記載された手順に従って決定した。
【0244】
(実施例18−PTUPP2の合成)
Desmodur W(19.7g,0.075mol)およびPTEジチオール[2](20.0g,0.025mol)を混合し、そして減圧下、室温で2.5時間脱気した。次いで、ジブチルスズジクロリド(0.01重量%)を、この混合物に添加し、そしてこの混合物を窒素でフラッシュし、そして86℃の温度で18時間加熱した。SH基分析は、SH基の完全な消費を示した。加熱を停止させた。得られた粘性の混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerによって測定すると、(73℃の温度で)510cPの粘度を有した。屈折率(e−線):1.574(20℃)、アッベ数42;NCO基10.5%(計算値10.6%)。
【0245】
(実施例19−PTUPP3の合成)
Desmodur W(31.0g,0.118mol)およびPTEジチオール[3](73.7g,0.039mol)を混合し、そして減圧下、室温で2.5時間脱気した。次いで、ジブチルスズジクロリド(0.01重量%)を混合物に添加し、そしてこの混合物を窒素でフラッシュし、そして64℃の温度で37時間加熱した。SH基分析は、SH基の完全な消費を示した。加熱を停止させた。得られた粘性の混合物は、Brookfield CAP 2000+ Viscometerで測定すると、(73℃の温度で)415cPの粘度を有した。屈折率(e−線):1.596(20℃)、アッベ数39;NCO基6.6%(計算値6.3%)。
【0246】
(実施例20−芳香族アミンを用いるポリチオウレタンプレポリマーの鎖伸長)
PTUPP[1](30g)70℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。DETDA(7.11g)およびPTEジチオール[1](1.0g)を混合し、そして70℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で一緒に混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃の温度に予熱したオーブン中で、5時間硬化させた。硬化した材料は透明であり、そして屈折率(e−線):1.585(20℃)、アッベ数39および密度1.174g/cmを有した。この密度を、ASTM D792に従って決定した。
【0247】
(実施例21)
PTUPP 2(25g)を、65℃で3時間、減圧下で脱気した。DETDA(3.88g)およびPTEジチオール1(3.83g)を混合し、そして65℃で2時間、減圧下で脱気した。次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃に予熱したオーブン中で10時間硬化させた。この硬化した材料は、透明であり、そして屈折率(e−線):1.599(20℃)、アッベ数39および密度1.202g/cmを有した。
【0248】
(実施例22)
PTUPP 3(40g)を、65℃で2時間、減圧下で脱気した。DETDA(3.89g)およびPTEジチオール1(3.84g)を混合し、そして65℃で2時間、減圧下で脱気した。次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃に予熱したオーブン中で10時間硬化させた。この硬化した材料は、透明であり、そして屈折率(e−線):1.609(20℃)、アッベ数39および密度1.195g/cmを有した。
【0249】
(実施例23−2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランの合成)
磁気攪拌器を備え、そして窒素ブランケットを入口および出口に有する三口フラスコに、200mLのトルエン中の、13.27グラム(0.104mol)の1,1−ジクロロアセトン、11.23グラム(0.119mol)の1,2−エタンジチオール、20グラムの無水MgSO、および5グラムのMontmorilonite K−10(Aldrich,USAから購入した)を入れた。この混合物を、室温で24時間攪拌した。不溶性の生成物を濾別し、そしてトルエンを減圧下で留去して、17.2グラム(収率80%)の粗製2−メチル−2−ジクロロメチル−1,3−ジチオランを得た。
【0250】
この粗生成物を、102℃〜112℃の範囲内の温度で、12mmHgで蒸留した。蒸留後の生成物のH NMRおよび13C NMRを、Varian Unity Plus(200MHz)機を使用して測定した。その結果は、以下のとおりであった:
NMR(CDCl3,200MHz):5.93(s,1H);3.34(s,4H);2.02(s,3H);13C NMR(CDCl3,50MHz):80.57;40.98;25.67。
【0251】
(実施例24−PTEジチオール6の合成(DMDS/VCH,1:2モル比))
機械攪拌器、温度計および2つの気体通過アダプタ(入口用に1つおよび出口用に1つ)を備える1リットルの4口フラスコに、2−ジメルカプトエチルスルフィド(DMDS)(888.53g,5.758モル)を入れた。このフラスコを乾燥窒素でフラッシュし、そして2時間15分の時間にわたって、攪拌しながら4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)(311.47g,2.879モル)を添加した。この反応温度は、添加の1時間後に、室温から62℃の温度まで上昇した。ビニルシクロヘキセンの添加後、その反応温度は、37℃であった。次いで、この反応混合物を60℃の温度まで加熱し、そしてフリーラジカル開始剤Vazo−52(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(DuPontから入手した)を、0.25gずつの5つの部分に分けて添加した。各部分を、1時間の間隔の後に添加した。この反応混合物を、60℃/4〜5mmHgで1時間排気し、そして1.2kg(収率:100%)の無色の液体を得、この液体は、以下の特性を有した:
粘度 25℃で300cps(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#3、500rpm);屈折率(e−線)=1.597(20℃);アッベ数=39;SH基含有量16.7%。
【0252】
(実施例25−PTEジチオール7の合成(DMDS/VCH,5:4モル比))
磁気攪拌器を備えるガラス瓶中で、21.6.8グラム(0.20モル)の4−ビニル−1−シクロヘキセン(VCH)(Aldrich製)および38.6グラム(0.25モル)の2−メルカプトエチルスルフィド(DMDS)(Nisso Maruzen製)を混合した。この混合物は、この反応の発熱性に起因して、60℃の温度を有した。この混合物を、47℃の温度の油浴に入れ、そして窒素気流下で40時間攪拌した。次いで、この混合物を室温まで冷却した。無色の粘性のオリゴマー生成物が得られ、この生成物は、以下の特性を有した:
粘度 25℃で10860cps(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#3、50rpm);屈折率(e−線)=1.604(20℃);アッベ数=41;SH基含有量5.1%。
【0253】
(実施例26−スターポリマー(SP)の合成)
7500ポンドの容量を有する、ガラスで裏張りした反応器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン(DMDO)(3907.54ポンド,21.43モル)、ギ酸エチル(705.53ポンド,9.53モル)、および無水塩化亜鉛(90.45ポンド,0.66モル)を入れた。この混合物を、85℃の温度で20時間攪拌し、次いで、52℃の温度まで冷却した。この混合物に、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(0.28モル)の33%溶液96.48ポンドを、1時間で添加した。次いで、この混合物を49℃の温度まで冷却し、そして200ミクロンのフィルタバッグに通して濾過して、以下の特性を有する液体のポリチオエーテルを得た:
粘度25℃において320cps(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#1、1000rpm);n20=1.553;アッベ数=42;およびSH基含有量11.8%(チオール当量:280)。
【0254】
(実施例27−DMDSとエチレングリコールジメタクリレートとの2:1付加体の合成)
ジメルカプトジエチルスルフィド(42.64g,0.276モル)を、機械攪拌器、温度計、および2つの気体通過アダプタ(入口用に一方および出口用に他方)を備える100mlの4口フラスコに入れた。このフラスコを、乾燥窒素でフラッシュし、そして攪拌しながら、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.035g)(Aldrichから入手した)を入れた。エチレングリコールジメタクリレート(27.36g,0.138モル)(Sartomerから商品名SR−206で入手した)を、ジチオールと塩基との攪拌溶液に、12分間にわたって添加した。発熱に起因して、その反応温度は、この添加工程の間に、室温から54℃まで上昇した。ジメタクリレートの添加の完了後、この反応温度は、42℃であった。この反応混合物を、63℃で5時間加熱し、そして63℃/4〜5mmHgで30分間排気して、70g(収率:100%)の無色の液体を得た(チオール当量:255、およびSH基含有量12.94%)。
【0255】
(実施例28−DMDSとエチレングリコールジメタクリレートとの3:2付加体の合成)
ジメルカプトジエチルスルフィド(16.20グラム,0.105モル)およびエチレングリコールジメタクリレート(13.83グラム,0.0698モル)を、小さいガラス瓶に入れ、そして磁気攪拌器を使用して、一緒に混合した。N,N−ジメチルベンジルアミン(0.3007グラム)(Aldrichから入手した)を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、そして油浴を使用して、75℃で52時間加熱した。無色〜わずかに黄色の液体が得られ、この液体は、314のチオール当量、25℃で1434cpsの粘度(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#1、100rpm)、および10.53重量%のSH基含有量を有した。
【0256】
(実施例29−2,2’−チオジエタンチオールジメタクリレートとの3:2付加体の合成)
ジメルカプトジエチルスルフィド(13.30グラム,0.0864モル)および2,2’−チオジエタンチオールジメタクリレート(16.70グラム,0.0576モル)(Nippon ShokubaiからS2EGの商品名で入手した)を、小さいガラス瓶に入れ、そして磁気攪拌器を使用して、一緒に混合した。N,N−ジメチルベンジルアミン(0.0154グラム)(Aldrichから入手した)を添加し、そして得られた混合物を周囲温度(21℃〜25℃)で75時間攪拌した。無色〜わずかに黄色の液体が得られ、この液体は、488のチオール当量、25℃で1470cpsの粘度(Brookfield CAP 2000+、スピンドル#1、100rpm);屈折率n20=1.6100、アッベ数36、および6.76重量%のSH基の含有量を有した。
【0257】
(実施例30−DMDSとメタクリル酸アリルとの4:3付加体の合成)
アリルメタクリレート(37.8g,0.3mol)およびジメルカプトジエチルスルフィド(61.6g,0.4mol)を、室温で混合した。3滴の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを、攪拌しながら添加した。この反応の発熱性により、この混合物の温度は、83℃まで上昇した。この混合物を、65℃の油浴に入れ、そしてこの温度で21時間攪拌した。Irgacure 812(0.08g)(Cibaから入手した)を添加し、そしてこの混合物を、UV光で1分間照射した。使用したUV光源は、D−電球を有する300ワットのFUSION SYSTEMS UVランプであり、この光源を、サンプルの上方19cmの距離に配置した。このサンプルを、このUV光源の下方で、モデル番号C636Rのコンベアベルトシステム(LESCO,Inc.から市販されている)を使用して、30.5cm/分の線形速度で通過させた。記載されるようにUV光源の下方を1回通過させると、このサンプルに、16ジュール/cmのUVエネルギー(UVA)が付与された。UV照射の10分後に実施したSH滴定分析は、6.4重量%のSH基含有量、および515のSH当量を示した。この生成物の粘度は、73℃で215cps(Brookfield CAP 2000+)であり、屈折率n=1.5825、およびアッベ数40であった。
【0258】
(実施例31−PTUPP4の合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(20.96g,0.08モル)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(Bayer製)(35.52g,0.16モル)およびPTEジチオール6(32.0g,0.08モル)を混合し、そして減圧下、室温で2.5時間脱気した。次いで、ジラウリン酸ジブチルスズ(0.01%)(Aldrichから入手した)をこの混合物に添加し、そしてこの混合物を窒素でフラッシュし、そして90℃の温度で16時間加熱した。SH基分析は、SH基の完全な消費を示した。その加熱を終了させた。得られた透明な粘性の混合物は、粘度(73℃)1800cP、屈折率(e−線):1.555(20℃)、アッベ数44;およびNCO基14.02%を有した。
【0259】
(実施例32−PTUPP 4の鎖伸長)
PTUPP 4(30g)を、60℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。DETDA(7.57g)およびPTEジチオール6(2.02g)を混合し、そして60℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃の温度に予熱したオーブン中で5時間硬化させた。この硬化した材料は、透明であり、そして屈折率(e−線):1.574(20℃)、およびアッベ数40を有した。
【0260】
(実施例33−PTUPP5の合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(99.00g,0.378モル)、PTEジチオール6(47.00g,0.118モル)およびスターポリマー(実施例6)(4.06g,0.0085モル)を混合し、そして減圧下、室温で2.5時間脱気した。次いで、ジラウリン酸ジブチルスズ(Aldrich)(0.01%)を添加し、そしてこの混合物を窒素でフラッシュし、そして90℃で16時間加熱した。SH基分析は、SH基の完全な消費を示した。加熱を停止させた。得られた透明な粘性の混合物は、粘度(73℃)1820cP、屈折率(e−線):1.553(20℃)、アッベ数46;およびNCO基13.65%を有した。
【0261】
(実施例34−PTUPP 5の鎖伸長)
PTUPP 5(30g)を、60℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。DETDA(6.94g)およびDMDS(1.13g)を混合し、そして60℃の温度で2時間、減圧下で脱気した。次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃の温度に予熱したオーブン中で5時間硬化させた。この硬化した材料は、透明であり、そして屈折率(e−線):1.575(20℃)、およびアッベ数41を有した。
【0262】
(実施例35−ポリチオウレア/ウレタン材料のワンポット合成)
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Desmodur W)(Bayer製)(42.00g,0.16モル)を、室温で2時間、減圧下で脱気した。PTEジチオール6(32.00g,0.08モル)、DETDA(11.40g,0.064モル)およびDMDS(2.46g,0.016モル)を混合し、そして室温で2時間、次いで、これらの2つの混合物を、同じ温度で混合し、そして予熱したガラス板鋳型の間に入れた。この材料を、130℃の温度に予熱したオーブン中で24時間硬化させた。この硬化した材料は、透明であった。その結果は、以下のとおりであった:屈折率(e−線)1.582(20℃)、およびアッベ数40。
【0263】
本発明は、非限定的な実施形態を参照して記載された。明らかな改変および変更が、詳細な説明を読み理解すると、他者に想到する。本発明は、このような改変および変更が添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内に入る限り、このような全ての改変および変更を包含すると解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2011−132546(P2011−132546A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−82310(P2011−82310)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【分割の表示】特願2008−513533(P2008−513533)の分割
【原出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】