説明

高親和性EphB受容体結合化合物とその使用法

本発明は、限定されるものでないが、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB5およびEphB6を含むEphB受容体ファミリーのメンバーと選択的に結合するペプチドに基づく化合物を提供する。特に、本発明はEphB受容体と選択的に結合する多量体ペプチドを提供する。本発明はまた、EphB受容体結合化合物および製薬上許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬組成物を含む組成物も提供する。EphB受容体ファミリーのメンバーと選択的にまたは特異的に結合する化合物を同定する方法も提供する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約100nM以下の解離定数(Kd)でEphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合する単離されたEphB受容体結合化合物であって、EphB受容体と選択的に結合する2以上のペプチドを含みかつ前記2以上のペプチドのそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項2】
EphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合してEphB受容体のエフリン-Bリガンドとの結合を約100nM以下のIC50で阻害する単離されたEphB受容体結合化合物であって、EphB受容体と選択的に結合する2以上のペプチドを含みかつ前記2以上のペプチドのそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項3】
約100nM以下の解離定数(Kd)でEphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合する単離されたEphB受容体結合化合物であって、(i)EphB受容体と選択的に結合しかつそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する2以上のペプチド、および(ii)異種化合物を含む単離されたコンジュゲートである、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項4】
EphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合してEphB受容体のエフリン-Bリガンドとの結合を約100nM以下のIC50で阻害する、単離されたEphB受容体結合化合物であって、(i)EphB受容体と選択的に結合しかつそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する2以上のペプチド、および(ii)異種化合物を含む単離されたコンジュゲートである、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項5】
約100nM以下の解離定数(Kd)でEphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合する単離されたEphB受容体結合化合物であって、(i)EphB受容体と選択的に結合しかつそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する1以上のペプチド、および(ii)ヒトIgGのFc領域またはその断片を含む単離されたコンジュゲートである、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項6】
EphB受容体ファミリーのEphB受容体と選択的に結合してEphB受容体のエフリン-Bリガンドとの結合を約100nM以下のIC50で阻害する、単離されたEphB受容体結合化合物であって、(i)EphB受容体と選択的に結合しかつそれぞれが5〜50アミノ酸残基の長さを有する1以上のペプチド、および(ii)ヒトIgGのFc領域またはその断片を含む単離されたコンジュゲートである、前記単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項7】
前記2以上のペプチドがそれぞれ配列番号1〜75のいずれかのアミノ酸配列を有する、請求項1、2、3または4に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項8】
前記1以上のペプチドがそれぞれ配列番号1〜75のいずれかのアミノ酸配列を有する、請求項5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項9】
前記2以上のペプチドの少なくとも1つが配列番号39、配列番号40、または配列番号41のアミノ酸配列を有する、請求項1、2、3または4に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項10】
前記1以上のペプチドの少なくとも1つが配列番号39、配列番号40、または配列番号41のアミノ酸配列を有する、請求項5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項11】
前記2以上のペプチドが配列番号39、配列番号40、または配列番号41のアミノ酸配列を有する、請求項1、2、3または4に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項12】
前記1以上のペプチドが配列番号39、配列番号40、または配列番号41のアミノ酸配列を有する、請求項5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項13】
前記2以上のペプチドが同じものである、請求項11に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項14】
前記1以上のペプチドが同じものである、請求項12に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項15】
解離定数(Kd)がほぼ0.5nM〜ほぼ20nMである、請求項1、3または5に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項16】
解離定数(Kd)がほぼ60nM〜ほぼ90nMである、請求項1、3または5に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項17】
EphB受容体がマウスEphB受容体である、請求項15に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項18】
EphB受容体がヒトEphB受容体である、請求項16に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項19】
解離定数(Kd)がELISAまたは蛍光偏光アッセイにより測定される、請求項15に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項20】
解離定数(Kd)が等温滴定カロリメトリーにより測定される、請求項16に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項21】
IC50がほぼ1nM〜ほぼ25nMである、請求項2、4または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項22】
IC50がほぼ10nM〜ほぼ50nMである、請求項2、4または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項23】
IC50がほぼ50nM〜ほぼ100nMである、請求項2、4または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項24】
EphB受容体がマウスEphB受容体でありかつエフリン-Bリガンドがマウスエフリン-Bリガンドである、請求項21、22または23に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項25】
IC50がELISAにより測定される、請求項21、22または23に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項26】
EphB受容体と選択的に結合する2つのペプチドを含む二量体である、請求項1または2に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項27】
前記2以上のペプチドの少なくとも1つが前記2以上のペプチドの他のものと異なる、請求項1または2に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項28】
前記2以上のペプチドの少なくとも1つがEphB受容体とエフリン-Bリガンドとの結合をほぼ1nM〜ほぼ100nMのIC50で阻害する、請求項2または4に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項29】
前記1以上のEphB受容体結合ペプチドの少なくとも1つがEphB受容体のエフリン-Bリガンドとの結合をほぼ1nM〜ほぼ100nMのIC50で阻害する、請求項6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項30】
EphB受容体がマウスEphB受容体でありかつエフリン-Bリガンドがマウスエフリン-Bリガンドである、請求項28または29に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項31】
IC50がELISAにより測定される、請求項28または29に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項32】
前記2以上のペプチドの少なくとも1つがEphB受容体とほぼ1nM〜ほぼ80nMの解離定数で選択的に結合する、請求項1または3に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項33】
前記1以上のペプチドの少なくとも1つがEphB受容体とほぼ1nM〜ほぼ80nMの解離定数で選択的に結合する、請求項5に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項34】
EphB受容体がマウスEphB受容体である、請求項32または33に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項35】
EphB受容体がヒトEphB受容体である、請求項32または33に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項36】
解離定数(Kd)がELISAまたは蛍光偏光アッセイにより測定される、請求項32または33に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項37】
解離定数(Kd)が等温滴定カロリメトリーにより測定される、請求項32または33に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項38】
EphB受容体がEphB1、EphB2、EphB3、Eph4、EphB5、またはEphB6である、請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項39】
EphB受容体と選択的に結合する2つのペプチドを、ポリエチレングリコール(PEG)を用いて連結することにより作製した二量体である、請求項1または2に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項40】
前記2つのペプチドをPEGと連結する効率が少なくとも40%、50%、60%または70%である、請求項39に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項41】
PEGが3.4kDa、10kDaまたは40kDaの分子量を有する、請求項40に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項42】
さらに前記1以上のEphB受容体結合ペプチドと前記Fc領域またはその断片の間にリンカーを含む、請求項5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項43】
リンカーがアミノ酸配列Gly Ser Gly Ser Lys(配列番号76)をもつペプチドリンカーである、請求項42に記載の単離されたEphB受容体結合化合物。
【請求項44】
請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物を含む組成物。
【請求項45】
さらに製薬上許容される担体を含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項46】
さらに化学療法、ホルモン療法、放射線療法、生物学的療法または免疫療法を含む、請求項46に記載の組成物。
【請求項47】
それを必要とする被験体に請求項1、2、3、4、5または6の単離されたEphB受容体結合化合物の予防上または治療上有効な量を投与することを含む、EphB受容体関連疾患を予防、治療または管理する方法。
【請求項48】
EphB受容体関連疾患が新生物疾患、血管疾患、または神経障害である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
EphB受容体関連疾患が癌である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
被験体がヒトである、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
さらに第2の療法を含む、請求項47または49に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の療法が化学療法、ホルモン療法、放射線療法、生物学的療法または免疫療法である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
それを必要とする被験体に請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物の治療上有効な量を投与し、続いて前記癌の腫瘍を被験体から除去することを含む、癌を治療する方法。
【請求項54】
EphB受容体発現細胞の数を減ずる方法であって、前記細胞を請求項1、2、3、4、5または6の単離されたEphB受容体結合化合物と接触させることを含む前記方法。
【請求項55】
癌の再発を予防または治療する方法であって、それを必要とする被験体に請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物の有効量を投与することを含む前記方法。
【請求項56】
腫瘍のサイズを低下させる方法であって、前記腫瘍を請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物の有効量と接触させることを含む前記方法。
【請求項57】
EphB受容体発現細胞の増殖を抑制する方法であって、EphB受容体発現細胞を請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物の有効量と接触させることを含む前記方法。
【請求項58】
腫瘍の増殖を防止する方法であって、前記腫瘍を請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物の有効量と接触させることを含む前記方法。
【請求項59】
請求項1、2、3、4、5または6に記載の、アゴニストである単離されたEphB受容体結合化合物のin vitroでの効力を確認する方法であって、
a.患者から得た癌細胞を前記単離されたEphB受容体結合化合物と接触させるステップ; および
b.前記癌細胞の増殖、EphB受容体トランスリン酸化、EphB受容体クラスター形成、EphB受容体インターナリゼーション、またはEphB受容体分解に与える、前記単離されたEphB受容体結合化合物の効果をアッセイするステップ;
を含み、ここで、もし
i.対照と比較して、前記癌細胞の増殖の低下または阻害があれば;
ii.対照と比較して、EphB受容体トランスリン酸化の増加があれば;
iii.対照と比較して、EphB受容体クラスター形成の増加があれば;
iv.対照と比較して、EphB受容体インターナリゼーションの増加があれば;または
v.対照と比較して、EphB受容体分解の増加があれば
前記単離されたEphB受容体結合化合物は有効であると決定する前記方法。
【請求項60】
請求項1、2、3、4、5または6に記載の、アンタゴニストである単離されたEphB受容体結合化合物のin vitroでの効力を確認する方法であって、
a.患者から得た癌細胞を前記単離されたEphB受容体結合化合物と接触させるステップ; および
b.前記癌細胞の増殖、EphB受容体トランスリン酸化、EphB受容体クラスター形成、EphB受容体インターナリゼーション、またはEphB受容体分解に与える、前記単離されたEphB受容体結合化合物の影響をアッセイするステップ;
を含み、ここで、もし
i.対照と比較して、前記癌細胞の増殖の低下があるかまたは変化がなければ;
ii.対照と比較して、EphB受容体トランスリン酸化の減少または阻害があれば;
iii.対照と比較して、EphB受容体クラスター形成の減少または阻害があれば;
iv.対照と比較して、EphB受容体インターナリゼーションの減少または阻害があれば;または
v.対照と比較して、EphB受容体分解の減少または阻害があれば
前記単離されたEphB受容体結合化合物は有効であると決定する前記方法。
【請求項61】
被験体におけるEphB受容体の異常発現を検出する方法であって、
a.被験体の細胞を、請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物と接触させるステップ;および
b.単離されたEphB受容体結合化合物の前記被験体の細胞との結合を検出するステップ;
を含み、ここで、もし、単離されたEphB受容体結合化合物の前記被験体の細胞との結合が、単離されたEphB受容体結合化合物の、EphB受容体の発現が正常な対照細胞との結合より高いかまたは低ければ、EphB受容体の異常な発現が検出される前記方法。
【請求項62】
前記接触が被験体中での接触である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
対照細胞が健康な被験体または検出可能なEphB受容体関連疾患を有しない被験体由来である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
被験体におけるサンプルの異常発現を検出する方法であって、
a.被験体のサンプルを、請求項1、2、3、4、5または6に記載の単離されたEphB受容体結合化合物と接触させるステップ;および
b.単離されたEphB受容体結合化合物の前記被験体のサンプルとの結合を検出するステップ;
を含み、ここで、もし、単離されたEphB受容体結合化合物の前記被験体のサンプルとの結合が、単離されたEphB受容体結合化合物の、EphB受容体の発現が正常な対照サンプルとの結合より高いかまたは低ければ、EphB受容体の異常な発現が検出される前記方法。
【請求項65】
対照サンプルが健康な被験体または検出可能なEphB受容体関連疾患を有しない被験体由来である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記方法が前記被験体のEphB受容体関連障害を診断することを目的とする、請求項61または64に記載の方法。
【請求項67】
被験体がヒトである、請求項61、63、64または65に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−503687(P2010−503687A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528336(P2009−528336)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/020200
【国際公開番号】WO2008/100288
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(500114586)ザ バーナム インスティチュート (8)
【Fターム(参考)】