説明

高設栽培装置及び構成栽培方法

【課題】地面の病原菌等からの汚染を防止し、多量の培土を用いた栽培を可能として土耕栽培と同様な生育環境と味を作り出すことが可能な高設栽培を行う。
【解決手段】複数のパイプ材21,22が組み付けられて地面上に立設される左右一対の支持体2と、左右両側が一対の支持体2に掛け渡されることにより中間部分が上面開放の収容部32となって一対の支持体2の間に垂れ下げられた透水性のシート部材3と、シート部材3の底部に充填された砕石層4と、植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分とした固形塊を含有しており、前記固形塊が砕石層4上に盛られることにより形成された透水性の中間層5と、中間層5上に盛られた培土層6とを備える。前記シート部材3は、収容部32の底面部分が地面7に直接又は間接的に当接するように垂れ下がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面よりも高い位置で培土を保持した状態として作物を栽培する高設栽培装置及び高設栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の高設栽培装置として、特許文献1には地面と連結可能な開口部を下端に形成した培土収容筒を断面Y字形に形成し、この培土収容筒を地面に起立状に設置し、培土収容筒内に培土を充填して作物を育成する構造が開示されている。
【0003】
図5は培土を地面から離す構造となっている従来の高設栽培装置を示す(特許文献2参照)。この高設栽培装置では、左右の支持ロッド110,120を地面100に差し込み、これらの支持ロッド110,120を横方向に伸びる複数段の連結ロッド130によって連結して支持体を形成している。支持体は、貯水シート140及び培地シート150を宙吊り状態で支持するものであり、それぞれのシート140,150は左右両側を最上段の連結ロッド130に掛け渡すことにより中間部分がU字形となって垂れ下がっている。これらのシート140,150は地面よりも高い位置となるように支持体に保持されており、地面との接触がない。
【0004】
貯水シート140には、肥料、農薬などを溶かした液体160が溜められている。培地シート150は網目や細孔が形成された樹脂シートによって形成されており、その内部には、培土170が盛られている。培土170には、培土を暖める培土加熱管180が埋設されており、貯水シート140の左右の外側には、その周囲を暖める周囲加熱管190が配管されている。図4に示す高設栽培装置では、培土加熱管180が培土170を暖めて作物200の根を暖め、周囲加熱管190が作物200の葉を暖めるため、作物の育成を促進するようになっている。
【特許文献1】特開平10−178905号公報
【特許文献2】特開2002−345343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の高設栽培装置においては、培土収容筒内の培土が地面と連結していることから、地面の表面部分に生息しているグラム陰性菌や好気性菌等の病原菌が培土に侵入し易く、作物の病気の原因や枯れの原因となっている。
【0006】
特許文献2記載の高設栽培装置においては、培土を収容した培土シート150が地面から離れているため、病原菌の地面からの侵入を防止することができる。しかし、培土シートが支持体に宙づり状態で取り付けられるため、培土シートの保持力が小さく、収容可能な培土の量が自ずと制限される。このため、多量の培土を用いることができず、培土環境での生育からかけ離れたものとなり、土耕栽培と同様な生育環境とすることができない問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題点を考慮してなされたものであり、地面の病原菌等からの汚染を防止できるばかりでなく、多量の培土を用いた栽培を行うことができ、土耕栽培と同様な生育を行うことが可能な高設栽培装置及び高設栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明の高設栽培装置は、複数のパイプ材が組み付けられて地面上に立設される左右一対の支持体と、左右両側が前記一対の支持体に掛け渡されることにより中間部分が上面開放の収容部となって一対の支持体の間に垂れ下げられた透水性のシート部材と、前記シート部材の底部に充填された砕石層と、植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分とした固形塊を含有しており、前記固形塊が前記砕石層上に盛られることにより形成された透水性の中間層と、前記中間層上に盛られた培土層と、を備え、前記シート部材は、前記収容部の底面部分が地面に直接又は間接的に当接するように垂れ下がっていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明では、シート部材の収容部が地面に当接することにより収容部が地面に支承されるため、大きな支承力となる。このため、収容部に多量の培土を充填することができ、培土層を厚く且つ広くすることができ、土耕栽培と同様な栽培環境となり、土耕栽培と同様の良好な味を有した作物を作り出すことができる。又、シート部材の収容部が地面に当接していても、シート部材内に設けた中間層が地面からの病原菌や病害虫の侵入を阻止する。このため、病気の発生を抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の高設栽培装置であって、前記植物材料の焼却の際に生じる炭は、製紙汚泥の不完全燃焼によって得られる炭、木材を原料とした炭、竹炭、活性炭、もみ殻炭、石炭燃え殻炭のいずれか又はこれらの混合であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の高設栽培装置であって、前記植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分として含有した固形塊が前記培土層に混合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の高設栽培装置であって、前記シート部材の周囲を囲む保温シートが前記枠体の外側に着脱自在に垂れ下げられることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明の高設栽培方法は、透水性のシート部材を吊り下げて収容部を形成し、この収容部を地面に直接又は間接的に当接させ、地面との当接状態で前記収容部に砕石層、植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分とした固形塊を含有した透水性の中間層、培土層を下から順に形成し、前記培土層で作物を育成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地面の病原菌が培土層に侵入することを防止できるため、作物の病気発生を抑制することができる。又、シート部材の収容部に大量の培土を収容することができるため、土耕栽培と同様な生育を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0016】
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の第1実施形態を示し、図1は正面図、図2は斜視図である。この実施形態の高設栽培装置1は、左右一対の支持体2と、シート部材3と、砕石層4と、中間層5と、培土層6とを備えている。高設栽培装置1はイチゴ、トマト、胡瓜、茄子、メロン、その他の作物8を育成するものであり、好ましくはハウス(図示省略)内に設置されて作物の育成に用いられる。
【0017】
左右一対の支持体2は、下部が地面7に打ち込まれる複数の縦パイプ材21と、縦パイプ材21を連結する上下の複数段の横パイプ材22とをそれぞれ有している。複数の縦パイプ材21は地面7に対して所定間隔で立設され、横パイプ材22は縦パイプ材21との交差部分で連結具により縦パイプ材21に連結される。図3は最上段の横パイプ材22と縦パイプ材21とを連結する連結具11の一例を示す。連結具11は筒部11aの下方に脚部11bが連設した形状となっており、脚部11bを縦パイプ材21に差し込んで固定し、この状態で最上段の横パイプ材22を筒部11a内を貫通させることにより縦パイプ材21と横パイプ材22との連結を行うことができる。このように横パイプ材22によって縦パイプ材22が連結されて支持体2が組み付けられることにより、支持体2は地面7上に安定して立設された状態となる。
【0018】
左右一対の支持体2には、沈下防止パイプ材19が設けられる。沈下防止パイプ材19は複数の縦パイプ材21の下部を連結するように設けられている。沈下防止パイプ材19は地面7と接触或いは近接した位置となるように縦パイプ材21の下部に掛け渡されて固定されるものであり、これにより縦パイプ材21が地面7内に沈下することを防止する。
【0019】
シート部材3はその左右両側が一対の支持体2における最上段の横パイプ材22に係止される。横パイプ材22への係止は、図2に示すように円形の一部が切り欠かれた構造のパッカー(商品名)等の係止具9を外側から嵌め込むことにより簡単に行うことができる。シート部材3の左右両端は、横パイプ材22の外側で地面に向かって垂れ下がる自由端31となっており、この自由端31をパッカー(商品名)等のフック10によって下段の横パイプ材22に係止させる(図2参照)。この係止によって、自由端31のばたつきを防止することができる。
【0020】
シート部材3の左右両側が左右の支持体2の横パイプ材22に係止されることにより、シート部材3の中間部分には、上面が開放された略U字形の収容部32が形成される。収容部32は左右の支持部材2の間で垂れ下がっている。収容部32は支持部材2から垂れ下がることにより、その底面部分は地面7と接触して当接する。これにより、シート部材3の収容部32は地面7によって強固に支承される。収容部32が地面7に強固に支承されることにより、収容部32への培土の充填量を多くすることができる。
【0021】
この実施形態において、シート部材3の収容部32は上部が幅広、下部が幅狭の略U字形となって垂れ下がっている。かかる収容部32内には、砕石層4,中間層5、培土層6が設けられる。
【0022】
シート部材3は透水性の材料が用いられる。このシート部材3としては、公知の防草シート、防根シートを選択することができる。この実施形態において、シート部材3としては、不織布、編み込み布、土壌用オレフィン布、土壌用麻布等を適宜用いることができる。なお、シート部材3が透水性を有していることからシート部材3自体で通気性を有している。
【0023】
砕石層4はシート部材3の収容部32の底部に充填される。砕石層4は砂利等の細かな石や砂利に砂を混合した混合物等を収容部32に充填することにより形成される。砕石層4を設けることにより、散水した水が砕石層4内を下方に流れてシート部材3に達し、シート部材3から外部に排出されるため、水はけを確実且つ円滑に行うことができる。これにより、上層側の培土層6の過湿を抑制し、育成に必要な水分を作物8の根に与えることができ、しかも根腐れを防止することができる。
【0024】
中間層5は砕石層4の上層に設けられる。中間層5は植物材料の焼却の際に生じる炭や転炉スラグを有効成分として含有した固形塊を砕石層4の上に盛ることにより形成される。
【0025】
植物材料の焼却の際に生じる炭としては、木材を原料として作成された木炭、竹を原料として作成された竹炭、もみ殻炭、石炭燃え殻炭或いはこれらを再処理して作成された活性炭を用いることができる。又、製紙汚泥を不完全燃焼させて得られる炭を用いることができる。この製紙汚泥の炭は、製紙汚泥を燃焼させる際に焼却寸前で水等に浸漬して急速消火させることにより得ることができる。これらの炭は、炭素に加えて、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の非金属元素の酸化物を高い配合比で含んでいる。転炉スラグは、鉱石を炉内で製錬して鋼材とする際に生じる副産物であり、ケイ酸カルシウムやケイ素、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物を多量に含んでいる。以上の植物材料の焼却の際に生じる炭及び転炉スラグは混合して用いることも可能であり、その混合比は作物8の種類やその生育条件などに応じて適宜変更することができる。
【0026】
以上の植物材料の焼却の際に生じる炭や転炉スラグは、小片状や細片状、粒状の固形塊となった形態で中間層5に用いられる。中間層5はこのような固形塊を備えることにより透水性を有したものとなる。従って、散水した水が円滑に中間層5を通過して下方に移動するため、水はけが良好となる。ここで上記した炭を完全燃焼させて灰にした場合には、中間層5に用いることができない。灰の形態では、中間層5が経時的に硬盤化して透水性がなくなるためである。なお、この灰を上記固形塊に混ぜて用いることは、透水性を確保できる範囲内での混合比とすることにより可能である。
【0027】
中間層5に用いる植物材料の焼却の際に生じる炭及び転炉スラグは、病原菌を抑制する作用を有している。従って、シート部材3の収容部32が地面7に当接することによって地面7の病原菌が収容部32内に侵入したとしても中間層5でそれ以上の侵入が阻止される。病原菌としては、グラム陰性菌等の好気性菌に代表される有害菌であり、その侵入を阻止することにより発病等の作物への悪影響をなくすことができる。
【0028】
植物材料の焼却の際に生じる炭及び転炉スラグの病原抑制作用に関するメカニズムは明らかではないが、植物材料の炭の場合は、炭素元素の殺菌作用や含有している有機酸の酸化作用、殺菌や制菌作用、さらには上述したケイ素、カルシウム、アルミニウム等の非金属元素酸化物による酸化作用に基づくものと思われる。転炉スラグの場合は、ケイ素、アルミニウム等の非金属元素酸化物の酸化作用に基づくものと思われる。これらの非金属元素酸化物の酸化作用は、非金属元素酸化物が水と接触することにより有効に作用する。これは上記非金属元素が備えるイオン化傾向に起因するものと思われる。このように中間層5が病原菌を抑制する作用を備えることにより、中間層5の上層に設けられる培土層6が病原菌に汚染されることがなくなる。
【0029】
中間層5に用いる固形塊は、保温性を有している。従って、中間層5は上層の培土層6の冬期における温度低下を防止することができ、培土層6の作物8の育成を確保することができる。
【0030】
以上に加えて、植物材料から生じる炭及び転炉スラグは、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、チタン、亜鉛、リン、胴等の非金属元素の酸化物を有している。このことにより、これらのミネラル分が作物に吸収される。すなわち、これらの非金属元素酸化物は水によって上層の培土層6に円滑に移行し、ミネラル分として作物8の根から吸収される。このミネラル分を吸収するため、作物8の味が向上する。さらには、これらの非金属元素酸化物は培土層6の酸性度をpH7.2〜7.5程度に維持する土壌改善作用を有している。これにより作物8が早く熟し、しかも大きな実りとすることができる。
【0031】
培土層6は作物8を育成する層であり、中間層5の上層に盛られることにより形成される。培土層6に用いる培土としては、山地の土、焼き消毒した土等の含有細菌の少ない培土が良好である。これに限らず、もみ殻、ヤシガラ、ビートモス、鹿沼土、パーミキュライト、軽石等の疑似培土を単独で又は混合して用いることができる。これらの疑似培土は軽量であるため、取り扱いが容易となるメリットがある。さらに、培土としては、これらの疑似培土と上記した土を混合して用いることができる。
【0032】
培土層6の培土に対しては、肥料や堆肥を混合することができる。又、中間層5に用いる植物材料の焼却の際に生じる炭や転炉スラグを単独で混合しても良く、肥料や堆肥と共に混合しても良い。炭や転炉スラグを培土層6の培土に混合することにより、これらが備えている非金属元素のミネラル分が作物8に吸収され易くなり、作物8の生育や味が向上する。培土への炭や転炉スラグの混合比は、培土に対して5重量%以上99重量%の範囲で適宜調整することができる。
【0033】
この実施形態の高設栽培装置1においては、培土層6に温調管12を複数埋設することができる。温調管12は培土層6の長手方向に沿って埋設されており、内部に温水や冷水が供給されるか、内部に電熱線が配置される。このことにより培土層6を主に加温するように作用する。これにより、作物の育成を促進することができる。砕石層4には排水管13を埋設することができる。排水管13は小孔が複数形成されたパイプや網目状パイプを用いることができる。排水管13は砕石層4の長手方向に埋設されており、散水された余剰の水を高設栽培装置1の外部に排出する。このため、水はけがさらに良好となる。
【0034】
図1において、17は給水管であり、培土層6の長手方向に沿うと共に培土層6の上部に位置するように配置される。給水管17を備えることにより散水作業を省力化することができる。図1において、18は給液チューブである。給液チューブ18は培土層6の長手方向に沿った状態で培土層6の上部に位置しており、その周囲に肥料液や養分液を散布する。従って、これらの散布作業を省力化することができる。
【0035】
図示を省略するが、この実施形態においては、上記したシート部材3を地面7上に敷いたり、その他の透水性のシートを地面7上に敷くことができる。これらのシートは平面状となって地面7上に敷かれる。これらの地面7上のシートに対し、支持部材2に掛け渡されて垂れ下がっているシート部材3の収容部32を当接させる。このことにより収容部32を支強固に支承することができるため、培土の充填量を多くすることができる。
【0036】
以上の実施形態の高設栽培装置1においては、シート部材3の収容部32が地面7に当接することにより地面7によって強固に支承される。このため、収容部32に多量の培土を充填することができ、土耕栽培と同様な栽培環境となるため、土耕栽培と同様の良好な味を有した作物を作り出すことができる。又、シート部材3の収容部32が地面に当接していても、中間層5が地面7からの病原菌や病害虫の侵入を阻止するため、病気の発生を抑制することができる。
【0037】
さらに、シート部材3が通気性を有しているため、培土層6内を空気が流通することができる。このように空気が流通することにより作物8の根域が制限されることがなく、作物8の根張りの拡張を促進することができる。このため、根量の多い作物を育成することが可能となる。
【0038】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態を示す。この実施形態の高設栽培装置1Aにおいては、保温シート15を設けるものである。
【0039】
保温シート15としては、樹脂シートや厚手の幌布、布に樹脂フィルムを積層したシート等の非通気性或いは難通気性のシートが用いられる。保温シート15は左右一対の支持体2の外側に設けられるものであり、両面粘着テープやフック(いずれも図示せず)によって、その上端部が最上段の横パイプ材22に固定される。保温シート15はこの最上段の横パイプ材22から下方に垂れ下がっており、その下端部は沈下防止パイプ材19の外側を通過して地面7内に差し込まれるか、そのまま地面7上に垂れ下げられる。
【0040】
このような保温シート15は、シート部材3の収容部32の周囲を囲んでおり、収容部32内の砕石層4、中間層5、培土層6の温度を保持し、培土層6の作物8を冷えから保護する。この実施形態において、シート部材3の収容部32は下部が上部よりも幅狭状態となっていることから、収容部32と保温シート15との間に空気層を存在させることができる。この空気層の存在により、収容部32の温度低下を抑制することができ、作物8を冷えから保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態の高設栽培装置を示す正面図である。
【図2】一実施形態の高設栽培装置の斜視図である。
【図3】支持体の組み立て例を示す分解斜視図である。
【図4】第2実施形態の高設栽培装置を示す正面図である。
【図5】従来の高設栽培装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1、1A 高設栽培装置
2 支持体
3 シート部材
4 砕石層
5 中間層
6 培土層
7 地面
8 作物
15 保温シート
31 自由端
32 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパイプ材が組み付けられて地面上に立設される左右一対の支持体と、左右両側が前記一対の支持体に掛け渡されることにより中間部分が上面開放の収容部となって一対の支持体の間に垂れ下げられた透水性のシート部材と、前記シート部材の底部に充填された砕石層と、植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分とした固形塊を含有しており、前記固形塊が前記砕石層上に盛られることにより形成された透水性の中間層と、前記中間層上に盛られた培土層と、を備え、
前記シート部材は、前記収容部の底面部分が地面に直接又は間接的に当接するように垂れ下がっていることを特徴とする高設栽培装置。
【請求項2】
請求項1記載の高設栽培装置であって、
前記植物材料の焼却の際に生じる炭は、製紙汚泥の不完全燃焼によって得られる炭、木材を原料とした炭、竹炭、活性炭、もみ殻炭、石炭燃え殻炭のいずれか又はこれらの混合であることを特徴とする高設栽培装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の高設栽培装置であって、
前記植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分として含有した固形塊が前記培土層に混合されていることを特徴とする高設栽培装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の高設栽培装置であって、
前記シート部材の周囲を囲む保温シートが前記枠体の外側に着脱自在に垂れ下げられることを特徴とする高設栽培装置。
【請求項5】
透水性のシート部材を吊り下げて収容部を形成し、この収容部を地面に直接又は間接的に当接させ、地面との当接状態で前記収容部に砕石層、植物材料の焼却の際に生じる炭又は/及び転炉スラグを有効成分とした固形塊を含有した透水性の中間層、培土層を下から順に形成し、前記培土層で作物を育成することを特徴とする高設栽培方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−291161(P2009−291161A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150198(P2008−150198)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(591240342)株式会社染谷 (7)
【出願人】(508171893)
【Fターム(参考)】