高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケット
【課題】共通のコンタクトユニットにおける信号伝送路間のクロストーク、および、隣接するコンタクトユニット相互間における信号伝送路間のクロストークを確実に防止できること。
【解決手段】コンタクトユニット18Biにおける一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiが、接地用コンタクト端子28Gbi相互間に配置され、また、コンタクトプレート28Gaiの一対のシールド片28gbが、隣接するコンタクトユニット18Biにおける一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部を仕切るように形成されるもの。
【解決手段】コンタクトユニット18Biにおける一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiが、接地用コンタクト端子28Gbi相互間に配置され、また、コンタクトプレート28Gaiの一対のシールド片28gbが、隣接するコンタクトユニット18Biにおける一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部を仕切るように形成されるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のブレード型コンタクトユニットを備え、高速信号伝送路の一部を形成する高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグおよび高速伝送コネクタ用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、データ伝送が比較的高速で行われる場合、例えば、1チャンネルあたり2.5Gbps以上の高速信号伝送を実現するために差動伝送方式が採用されている。このような差動伝送方式が採用される伝送路において、例えば、配線基板としてのマザーボードとドーターボートとの間を電気的に接続するための高速伝送用コネクタが実用に供されている。このような高速伝送用コネクタにおいては、例えば、特許文献1にも示されるように、ボードツーボードコネクタが提案されている。
【0003】
特許文献1において、そのようなボードツーボードコネクタは、各配線基板上に固着されるコネクタが互いに着脱可能に接続される構成を有している。各コネクタは、複数のウェハ状のモジュールを備えている。各モジュールは、所定の間隔をもって互いに平行にインサートモールドされた信号導電体を有する誘電性支持体と(図5参照)、誘電性支持体に重ねられて配される板状のシールド部材(図4および図11参照)とを主な要素として構成されている。その際、配線基板の各コンタクトパッドに半田付け固定される誘電性支持体の信号導電体の接続部は、対向するシールド部材における隣接する接続部相互間に位置するように配されている。
【0004】
上述のような高速信号伝送路においては、例えば、信号の反射の原因となるコネクタ内部におけるインピーダンス不整合も無視することができないので上述のコネクタの内部におけるインピーダンス整合も要望される。また、コネクタは、隣接する信号伝送路間のクロストークを防止することも必要とされる。
【0005】
【特許文献1】特表2002−530840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に示されるようなコネクタが、通信システム等に設けられる比較的高周波数帯域の信号の伝送路で使用される場合、隣接するモジュール相互間において、上述したように、誘電性支持体の信号導電体の接続部は、対向するシールド部材における隣接する接続部相互間に位置しているので隣接するモジュール相互間を遮蔽するものがない。従って、隣接するモジュール相互間における信号導電体の伝送路間のクロストーク対策が要望される。また、特許文献1に示されるようなコネクタのように、誘電性支持体が、所定の間隔をもって互いに平行にインサートモールドされた信号導電体を有する場合、共通のモジュールにおける共通の平面上に形成される一対の信号伝送路ごとのクロストーク対策も要望されることとなる。
【0007】
以上の問題点を考慮し、本発明は、複数のブレード型コンタクトユニットを備え、高速信号伝送路の一部を形成する高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットであって、共通のコンタクトユニットにおける信号伝送路間のクロストーク、および、隣接するコンタクトユニット相互間における信号伝送路間のクロストークを確実に防止できる高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に係る高速伝送用コネクタは、第1の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第1のコンタクトユニットと、第1のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するプラグ部と、第2の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第2の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第2のコンタクトユニットと、プラグ部に選択的に接続可能とされ、第2のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するソケット部と、を備え、第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る高速伝送コネクタ用プラグは、配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、コンタクトユニットを収容するケーシングと、コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る高速伝送コネクタ用ソケットは、配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、コンタクトユニットを収容するケーシングと、を備え、コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットによれば、複数の第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットが、それぞれ、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを有し、また、第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有するので共通のコンタクトユニットにおける信号伝送路間のクロストーク、および、隣接するコンタクトユニット相互間における信号伝送路間のクロストークを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図5は、本発明に係る高速伝送用コネクタの一例の外観を示す。
【0013】
図5において、高速伝送用コネクタは、所定のプリント配線板12に固定されるプラグ部10と、所定のプリント配線板16に固定されるソケット部14とを含んで構成されるボードツーボードコネクタとされる。なお、図5は、プラグ部10がソケット部14に対し接続されている状態を示す。また、その高速伝送用コネクタは、後述するように、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式に選択的に適用し得るものとされる。
【0014】
プラグ部10は、ソケット部14に対し着脱可能とされる構成を備えている。プラグ部10は、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Bi(i=1〜n,nは正の整数)を着脱可能に収容する複数のスリット10Si(i=1〜n,nは正の整数)を有するケーシング10C(図6参照)を備えて構成される。スリット10Siは、図6に示される直交座標系におけるX座標軸、即ち、その長辺に沿って所定の間隔で互いに略平行に配列されている。各スリット10Si相互間は、隔壁10Wiにより区切られている。
【0015】
樹脂材料、例えば、液晶ポリマー(LCP)で成形されるケーシング10Cは、プリント配線板12における導体パターンが形成される表面に対し略平行な底面部を有している。底面部には、図14、および、図15に拡大されて示されるように、上述の各スリット10Siに連通する開口端部が所定の間隔で開口している。
【0016】
各開口端部には、それぞれ、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Biの伝送用ブレード26の嵌合部26SHが着脱可能に嵌め合わされる。その底面部には、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Biの接地用半田端子および信号用半田端子が露出している。
【0017】
ケーシング10Cにおける各短辺には、図6に示されるように、それぞれ、後述するソケット部14における接続端部14K(図7参照)が係合される窪み10Kが形成されている。プラグ部10がプリント配線板12とともに後述するソケット部14に接続される場合、ケーシング10Cにおける長辺側の両側壁の上端部は、それぞれ、後述するソケット部14において対応する両側壁の凹部14R(図7参照)に係合するものとされる。
【0018】
図1に拡大されて示されるように、本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられる一枚のコンタクトユニット18Biは、複数枚、例えば、5枚の接地用コンタクトプレート28Gai(i=1〜5)および、4枚の接地用コンタクト端子28Gbi(i=1〜4)(図2、及び、図27(A),(B)参照)と、信号またはデータを伝送する複数枚、例えば、各5枚の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi(i=1〜5)と、これらの接地用コンタクトプレート28Gai、接地用コンタクト端子28Gbi、および、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiを各面にそれぞれ、支持する1枚の伝送用ブレード26とを含んで構成される。
【0019】
厚さ約1mm程度の薄板状の伝送用ブレード26は、樹脂材料で成形され、その下端部の両端に上述のスリット10Siの開口端部に嵌合される嵌合部26SHを有している。伝送用ブレード26における一方の表面部には、各接地用コンタクトプレート28Gaiが、それぞれ、挿入される比較的浅い溝が形成されている。その溝における上部の所定位置には、後述する接地用コンタクトプレート28Gaiの孔28aに係合される位置決めピンが形成されている。
【0020】
また、伝送用ブレード26における他方の表面部には、図2に拡大されて示されるように、インサート成形時、同時に鋳込まれた接地用コンタクト端子28Gbi、および、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの上部に形成される接点部が露出している。図2において、左端から順次、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第1番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第2番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第3番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第4番目の接地用コンタクト端子28Gbi、および、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiが配列されている。
【0021】
これにより、複数ある一対の伝送用コンタクト端子の間に接地用コンタクト端子が配置されているので隣接する一対の信号伝送路間におけるクロストークが、抑制される。
【0022】
また、接地用コンタクト端子28Gbiの接点部の幅は、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの接点部の幅よりも大に設定されている。これにより、後述するソケット部のコンタクト端子と相俟ってコネクタ内部におけるインピーダンス整合が容易に図られることとなる。
【0023】
一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiは、それぞれ、図11に拡大されて示されるように、上部に形成される接点部と、最下端部に形成される固定端子部28SBと、接点部と固定端子部28SBとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0024】
伝送用コンタクト端子28Saiの固定端子部28SBは、図11において接点部および連結部の中心軸線に対し左側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部28SBは、図12に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード26から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部28SBには、半田端子28Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔28LHが形成されている。孔28LHは、固定端子部28SBの中心軸線に沿って延びた後、左側に屈曲されるように打ち抜かれている。固定端子部28SBの最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0025】
伝送用コンタクト端子28Sbiの固定端子部28SBは、図11において接点部および連結部の中心軸線に対し右側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部28SBは、図12に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード26から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部28SBには、半田端子28Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔28RHが形成されている。孔28RHは、固定端子部28SBの中心軸線に沿って延びた後、左側に屈曲されるように打ち抜かれている。図13に示されるように、固定端子部28SBの最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0026】
接地用コンタクト端子28Gbiは、図27(A)および(B)に、それぞれ、拡大されて示されるように、上部に形成される接点部28GBCと、最下端部に形成される固定端子部28GBBと、接点部と固定端子部とを連結する連結部28GBLとを含んで構成されている。
【0027】
その固定端子部28GBBの端部近傍は、接点部28GBCの先端の曲がり部の曲げ方向と同一方向、即ち、伝送用ブレード26に近接する方向に連結部28GBLに対し略垂直に折り曲げられている。固定端子部の最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0028】
各接地用コンタクトプレート28Gaiは、伝送用ブレード26においてその幅方向に沿って所定の隙間をもって共通の平面上に配列されている。接地用コンタクトプレート28Gaiは、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている。接地用コンタクトプレート28Gaiは、一方の端部に、接点部と、他方の端部に、屈曲された部分に柱状の半田端子28Biを有する固定端子部28gaと、接点部と固定端子部28gaとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0029】
接点部の先端部は、伝送用ブレード26の先端部に倣って円弧状に折り曲げられている。図4に示されるように、固定端子部28gaは、上述の連結部に連なってプリント配線板12の表面に直交するように突出した後、伝送用ブレード26の他方の表面に向けて屈曲されている。屈曲された部分の先端部には、円柱状の半田端子28Biが、かしめにより固定されている。
【0030】
固定端子部28gaの両脇部分には、図1に示されるように、一対のシールド片28gbが連結部と一体に形成されている。一対のシールド片28gbは、図3および図4に拡大されて示されるように、その先端が上述の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部に近接し、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部と固定端子部28gaの平坦面部との間の位置するように折り曲げられている。このように一対のシールド片28gbが形成されることにより、隣接するコンタクトユニット18Bi相互間における信号路のクロストークが抑制される。また、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部と固定端子部28gaの平坦面部との距離を調整することよってインピーダンス整合が可能となる。
【0031】
半田端子28Biを除いた接地用コンタクトプレート28Gaiをプレス加工により製造する場合、図8乃至図10に示されるように、例えば、同時に5枚の接地用コンタクトプレート28GaiがキャリアCA’に並列に保持された状態で得られる。その際、図10に拡大されて示されるように、固定端子部28gaの屈曲された部分の先端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が一体に形成されている。
【0032】
従って、図15に示されるように、1個の伝送用ブレード26の一方のコンタクト形成面における伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。また、1個の伝送用ブレード26の他方のコンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Bi、および、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。
【0033】
その際、コンタクト形成面における伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biの列は、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの列と略平行に形成される。また、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biの相互間に対応する位置に、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biが配置される。さらに、隣接する一組の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiと一組の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiとの間に配置される接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biは、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの列に均等に配置されることとなる。即ち、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの相互間に
配置されることとなる。
【0034】
なお、図1において、代表的に、5枚の接地用コンタクトプレート28Gaiが配置されているが、斯かる例に限られることなく、接地用コンタクトプレート28Gaiの個数は、後述するプリント配線板12の導体パターンに応じて適宜、設定されてもよい。
【0035】
上述の伝送用ブレード26の半田端子28Biが半田付け固定されるプリント配線板12における導体パターンは、図16に部分的に拡大されて示されるように、形成されている。プリント配線板12における導体パターンは、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式のシステムに対し選択的に使用可能とされる。
【0036】
なお、図16においては、隣接する複数枚のコンタクトユニット18Biが配置される一部分を示す。図16において、領域AEが、一枚のコンタクトユニット18Biが配置される領域を示す。各コンタクトユニット18Biは、図16においてX座標軸に沿う方向、即ち、ケーシング10Cの長辺に沿った所定の間隔で互いに平行に配列される。
【0037】
その導体パターンにおける一つの領域AEにおいては、一枚のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの半田端子28Biが、それぞれ、半田付け固定されるコンタクトパッド12Eaからなるコンタクトパッド群12ESiの列とコンタクトユニット18Biにおける接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Bi、および、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、それぞれ、半田付け固定されるコンタクトパッド12Egからなるコンタクトパッド群12EGiの列とが隣接して形成されている。コンタクトパッド12Eaおよびコンタクトパッド12Egは、それぞれ、図16におけるX座標軸に直交するY座標軸に沿って所定の間隔で形成されている。
【0038】
コンタクトパッド12Egは、コンタクトパッド12Ea相互間に対応する位置に形成されている。これにより、ディファレンシャル方式の伝送方式の場合、例えば、コンタクトパッド群12ESiの列における最端から1番目、2番目のコンタクトパッド12Eaとが1チャンネルとされる。また、隣接する3番目、4番目のコンタクトパッド12Eaとが1チャンネルとされる。さらに、隣接する一対のコンタクトパッド12Ea相互間に対応する位置には、コンタクトパッド群12EGiの列における最端から2番目のコンタクトパッド12Egが対向することとなる。
【0039】
さらに、シングルエンド方式の伝送方式の場合、例えば、コンタクトパッド群12ESiの列における最端から偶数番目のコンタクトパッド12Eaと、コンタクトパッド群12EGiの列における対応する最端から奇数番目のコンタクトパッド12Egとが対とされ、1チャンネルとして使用される。
【0040】
隣接する領域AEにおいても、同様な構成により、コンタクトパッド群12ESiの列とコンタクトパッド群12EGiの列とが形成されている。
【0041】
一方、ソケット部14は、図7に拡大されて示されるように、樹脂材料、例えば、液晶ポリマーで成形されるケーシングの一方の端部に、上述のプラグ部10のコンタクトユニット18Biに対応して貫通するスリット14Si(i=1〜n,nは正の整数)をケーシング14Cの内側に有している。スリット14Siの内寸は、コンタクトユニット18Biの厚みよりも若干大に設定されている。隣接する上述のスリット相互間は、仕切壁14Wi(i=1〜n,nは正の整数)により、仕切られている。
【0042】
また、そのケーシング14Cのスリット14Si内には、コンタクトユニット38Biが収容されている。
【0043】
各スリット14Siの一方の開口端は、図25に示されるように、ソケット部14におけるプリント配線板16に固定される端面に開口している。各スリットの一方の開口端には、図26に拡大されて示されるように、複数の半田端子42Biがそれぞれ、露出している。
【0044】
上述のプラグ部10の各コンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Sai,28Sbi、接地用コンタクト端子28Gbi、接地用コンタクトプレート28Gaiに電気的に接続されるソケット用コンタクトユニット38Biは、図17に拡大されて示されるように、複数枚、例えば、5枚の接地用コンタクトプレート48Gai(i=1〜5)および、4枚の接地用コンタクト端子48Gbi(i=1〜4)(図2参照)と、信号またはデータを伝送する複数枚、例えば、各5枚の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi(i=1〜5)と、これらの接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbi、および、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiを各面にそれぞれ、支持する1枚の伝送用ブレード46とを含んで構成される。
【0045】
ソケット用コンタクトユニット38Biにおける伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiは、プラグ部10のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子、接地用コンタクトプレート、および、接地用コンタクト端子の配列に対応して配置されている。
【0046】
即ち、図18にニ点鎖線で示されるように、プラグ部10のコンタクトユニット18Biが、後述する伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの端子部と、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiの端子部とによって、その弾性力に基づく所定の圧力で挟持されることにより、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiは、プラグ部10のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Sai,28Sbiに接続され、また、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiは、コンタクトユニット18Biにおける接地用コンタクトプレート28Gai、および、接地用コンタクト端子28Gbiに接続される。
【0047】
厚さ約1mm程度の薄板状の伝送用ブレード46は、樹脂材料で成形され、その下端部の両端に上述のスリット14Siの開口端部に嵌合される嵌合部46SHを有している。伝送用ブレード46における一方の表面部には、各接地用コンタクトプレート48Gaiが、それぞれ、挿入される比較的浅い溝が形成されている。その溝における上部の所定位置および、下部には、それぞれ、後述する接地用コンタクトプレート48Gaiの上部、および、孔48aにそれぞれ、係合される位置決めピンが形成されている。
【0048】
また、伝送用ブレード46における他方の表面部の端部には、インサート成形時、同時に鋳込まれた接地用コンタクト端子48Gbi、および、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの上部に形成される接点部が突出している。図17において、左端から順次、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第1番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第2番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第3番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第4番目の接地用コンタクト端子48Gbi、および、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiが配列されている。
【0049】
接地用コンタクト端子48Gbiの接点部、および、後述する接地用コンタクト端子48Gaiの接点部の長さは、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの接点部の長さよりも大に設定されている。
【0050】
これにより、プラグ部10のソケット部14に対する着脱操作の場合、接地用コンタクト端子48Gbiの接点部、および、接地用コンタクトプレート48Gaiの接点部が、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiのプラグ部10の伝送用コンタクト端子に対する接続タイミングよりも尚早にプラグ部10の接地用コンタクト端子28Gbiの接点部、および、接地用コンタクトプレート28Gaiの接点部に当接し、操作初期に必要とされる挿抜力は低減されるのでプラグ部10のソケット部14に対する着脱操作が容易となる。
【0051】
一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiは、それぞれ、上部に形成され弾性を有する接点部と、最下端部に形成される固定端子部と、接点部と固定端子部とを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0052】
伝送用コンタクト端子48Saiの固定端子部は、図17において、接点部および連結部の中心軸線に対し左側に所定量、偏倚するように形成されている。また、図19に示されるように、固定端子部は、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード46から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部には、半田端子42Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔が形成されている。その孔の形状は、上述の伝送用コンタクト端子28Saiの孔28LHの形状と同様とされる。固定端子部の最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0053】
伝送用コンタクト端子48Sbiの固定端子部は、図17において、接点部および連結部の中心軸線に対し右側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部は、図19に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード46から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部には、半田端子42Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔が形成されている。その孔の形状は、上述の伝送用コンタクト端子28Sbiの孔28RHの形状と同様とされる。固定端子部の最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0054】
接地用コンタクト端子28Gbiは、図23および図24に示されるように、上部に形成され弾性を有する接点部と、最下端部に形成される固定端子部と、接点部と固定端子部とを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0055】
固定端子部48SBは、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向と反対方向、即ち、伝送用ブレード46に近接する方向に折り曲げられている。固定端子部48SBの最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0056】
各接地用コンタクトプレート48Gaiは、図17に示されるように、伝送用ブレード46においてその幅方向に沿って所定の隙間をもって共通の平面上に配列されている。接地用コンタクトプレート48Gaiは、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている。接地用コンタクトプレート48Gaiは、一方の端部に、接点部と、他方の端部に、屈曲された部分に柱状の半田端子42Biを有する固定端子部48gaと、接点部と固定端子部48gaとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0057】
弾性を有する接点部48gcの先端部(図20および図21参照)は、伝送用ブレード46の上端部から突出し、円弧状に折り曲げられている。図19に示されるように、固定端子部48gaは、上述の連結部に連なってプリント配線板16の表面に直交するように突出した後、伝送用ブレード46の他方の表面に向けて屈曲されている。屈曲された部分の先端部には、円柱状の半田端子42Biが、かしめにより固定されている。
【0058】
固定端子部48gaの両脇部分には、図17および図20に示されるように、一対のシールド片48gbが連結部と一体に形成されている。一対のシールド片48gbは、図19に拡大されて示されるように、その先端が上述の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部に近接し、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部と固定端子部48gaの平坦面部との間の位置するように折り曲げられている。このように一対のシールド片48gbが形成されることにより、隣接するコンタクトユニット38Bi相互間における信号路のクロストークが抑制される。
【0059】
半田端子42Biを除いた接地用コンタクトプレート48Gaiをプレス加工により製造する場合、図20乃至図22に示されるように、例えば、同時に5枚の接地用コンタクトプレート48GaiがキャリアCAに並列に保持された状態で得られる。その際、図22に拡大されて示されるように、固定端子部48gaの屈曲された部分の先端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が一体に形成されている。
【0060】
従って、図26に示されるように、1個の伝送用ブレード46の一方のコンタクト形成面における伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部48SBの半田端子42Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。また、1個の伝送用ブレード46の他方のコンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Bi、および、接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。
【0061】
その際、コンタクト形成面における伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部の半田端子42Biの列は、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの列と略平行に形成される。また、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部の半田端子42Biの相互間に対応する位置に、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biが配置される。さらに、隣接する一組の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiと一組の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiとの間に配置される接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biは、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの列に均等に配置されることとなる。即ち、接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biが、接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの相互間に配置されることとなる。
【0062】
なお、図17において、代表的に、5枚の接地用コンタクトプレート48Gaiが配置されているが、斯かる例に限られることなく、接地用コンタクトプレート48Gaiの個数は、後述するプリント配線板16の導体パターンに応じて適宜、設定されてもよい。
【0063】
上述の伝送用ブレード46の半田端子42Biが半田付け固定されるプリント配線板16における導体パターンは、プリント配線板12における導体パターンと同様に、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式に選択的に使用可能とされる。プリント配線板16の導体パターンは、上述のプリント配線板12の導体パターンと類似した構成とされる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるプラグ部におけるコンタクトユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるコンタクトユニットの正面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿って示される部分断面図である。
【図4】図3における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるプラグ部を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるソケット部を示す斜視図である。
【図8】図1に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の接地用コンタクトプレートの製造時の状態を示す正面図である。
【図9】図8に示される一組の接地用コンタクトプレートの側面図である。
【図10】図8に示される一組の接地用コンタクトプレートの底面図である。
【図11】図1に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の伝送用コンタクト端子を示す正面図である。
【図12】図11に示される一組の伝送用コンタクト端子の側面図である。
【図13】図11に示される一組の伝送用コンタクト端子の底面図である。
【図14】図6に示されるプラグ部の底面図である。
【図15】図14に示されるプラグ部の一部を拡大して示す底面図である。
【図16】図5に示されるプラグ部が固定されるプリント配線板の導体パターンの一部を示す平面図である。
【図17】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるソケット部におけるコンタクトユニットの外観を示す斜視図である。
【図18】図17に示されるコンタクトユニットの部分断面図である。
【図19】図18における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図20】図17に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の接地用コンタクトプレートの製造時の状態を示す正面図である。
【図21】図20に示される一組の接地用コンタクトプレートの側面図である。
【図22】図20に示される一組の接地用コンタクトプレートの底面図である。
【図23】図17に示されるコンタクトユニットに使用される接地用コンタクト端子を示す正面図である。
【図24】図23に示される接地用コンタクト端子の側面図である。
【図25】図7に示されるソケット部の底面図である。
【図26】図25に示されるソケット部の一部を拡大して示す底面図である。
【図27】(A)、(B)は、それぞれ、接地用コンタクト端子の正面図、および、側面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 プラグ部
12、16 プリント配線板
14 ソケット部
18Bi、38Bi コンタクトユニット
28Gai、48Gai 接地用コンタクトプレート
28Gbi、48Gbi 接地用コンタクト端子
28Sai,28Sbi,48Sai,48Sbi 伝送用コンタクト端子
28gb、48gb シールド片
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のブレード型コンタクトユニットを備え、高速信号伝送路の一部を形成する高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグおよび高速伝送コネクタ用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、データ伝送が比較的高速で行われる場合、例えば、1チャンネルあたり2.5Gbps以上の高速信号伝送を実現するために差動伝送方式が採用されている。このような差動伝送方式が採用される伝送路において、例えば、配線基板としてのマザーボードとドーターボートとの間を電気的に接続するための高速伝送用コネクタが実用に供されている。このような高速伝送用コネクタにおいては、例えば、特許文献1にも示されるように、ボードツーボードコネクタが提案されている。
【0003】
特許文献1において、そのようなボードツーボードコネクタは、各配線基板上に固着されるコネクタが互いに着脱可能に接続される構成を有している。各コネクタは、複数のウェハ状のモジュールを備えている。各モジュールは、所定の間隔をもって互いに平行にインサートモールドされた信号導電体を有する誘電性支持体と(図5参照)、誘電性支持体に重ねられて配される板状のシールド部材(図4および図11参照)とを主な要素として構成されている。その際、配線基板の各コンタクトパッドに半田付け固定される誘電性支持体の信号導電体の接続部は、対向するシールド部材における隣接する接続部相互間に位置するように配されている。
【0004】
上述のような高速信号伝送路においては、例えば、信号の反射の原因となるコネクタ内部におけるインピーダンス不整合も無視することができないので上述のコネクタの内部におけるインピーダンス整合も要望される。また、コネクタは、隣接する信号伝送路間のクロストークを防止することも必要とされる。
【0005】
【特許文献1】特表2002−530840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に示されるようなコネクタが、通信システム等に設けられる比較的高周波数帯域の信号の伝送路で使用される場合、隣接するモジュール相互間において、上述したように、誘電性支持体の信号導電体の接続部は、対向するシールド部材における隣接する接続部相互間に位置しているので隣接するモジュール相互間を遮蔽するものがない。従って、隣接するモジュール相互間における信号導電体の伝送路間のクロストーク対策が要望される。また、特許文献1に示されるようなコネクタのように、誘電性支持体が、所定の間隔をもって互いに平行にインサートモールドされた信号導電体を有する場合、共通のモジュールにおける共通の平面上に形成される一対の信号伝送路ごとのクロストーク対策も要望されることとなる。
【0007】
以上の問題点を考慮し、本発明は、複数のブレード型コンタクトユニットを備え、高速信号伝送路の一部を形成する高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットであって、共通のコンタクトユニットにおける信号伝送路間のクロストーク、および、隣接するコンタクトユニット相互間における信号伝送路間のクロストークを確実に防止できる高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に係る高速伝送用コネクタは、第1の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第1のコンタクトユニットと、第1のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するプラグ部と、第2の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第2の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第2のコンタクトユニットと、プラグ部に選択的に接続可能とされ、第2のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するソケット部と、を備え、第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る高速伝送コネクタ用プラグは、配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、コンタクトユニットを収容するケーシングと、コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る高速伝送コネクタ用ソケットは、配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、配線基板に固定される固定端子部を有し、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、コンタクトユニットを収容するケーシングと、を備え、コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る高速伝送用コネクタ、高速伝送コネクタ用プラグ、および、高速伝送コネクタ用ソケットによれば、複数の第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットが、それぞれ、一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを有し、また、第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有するので共通のコンタクトユニットにおける信号伝送路間のクロストーク、および、隣接するコンタクトユニット相互間における信号伝送路間のクロストークを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図5は、本発明に係る高速伝送用コネクタの一例の外観を示す。
【0013】
図5において、高速伝送用コネクタは、所定のプリント配線板12に固定されるプラグ部10と、所定のプリント配線板16に固定されるソケット部14とを含んで構成されるボードツーボードコネクタとされる。なお、図5は、プラグ部10がソケット部14に対し接続されている状態を示す。また、その高速伝送用コネクタは、後述するように、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式に選択的に適用し得るものとされる。
【0014】
プラグ部10は、ソケット部14に対し着脱可能とされる構成を備えている。プラグ部10は、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Bi(i=1〜n,nは正の整数)を着脱可能に収容する複数のスリット10Si(i=1〜n,nは正の整数)を有するケーシング10C(図6参照)を備えて構成される。スリット10Siは、図6に示される直交座標系におけるX座標軸、即ち、その長辺に沿って所定の間隔で互いに略平行に配列されている。各スリット10Si相互間は、隔壁10Wiにより区切られている。
【0015】
樹脂材料、例えば、液晶ポリマー(LCP)で成形されるケーシング10Cは、プリント配線板12における導体パターンが形成される表面に対し略平行な底面部を有している。底面部には、図14、および、図15に拡大されて示されるように、上述の各スリット10Siに連通する開口端部が所定の間隔で開口している。
【0016】
各開口端部には、それぞれ、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Biの伝送用ブレード26の嵌合部26SHが着脱可能に嵌め合わされる。その底面部には、後述する各ブレード型コンタクトユニット18Biの接地用半田端子および信号用半田端子が露出している。
【0017】
ケーシング10Cにおける各短辺には、図6に示されるように、それぞれ、後述するソケット部14における接続端部14K(図7参照)が係合される窪み10Kが形成されている。プラグ部10がプリント配線板12とともに後述するソケット部14に接続される場合、ケーシング10Cにおける長辺側の両側壁の上端部は、それぞれ、後述するソケット部14において対応する両側壁の凹部14R(図7参照)に係合するものとされる。
【0018】
図1に拡大されて示されるように、本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられる一枚のコンタクトユニット18Biは、複数枚、例えば、5枚の接地用コンタクトプレート28Gai(i=1〜5)および、4枚の接地用コンタクト端子28Gbi(i=1〜4)(図2、及び、図27(A),(B)参照)と、信号またはデータを伝送する複数枚、例えば、各5枚の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi(i=1〜5)と、これらの接地用コンタクトプレート28Gai、接地用コンタクト端子28Gbi、および、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiを各面にそれぞれ、支持する1枚の伝送用ブレード26とを含んで構成される。
【0019】
厚さ約1mm程度の薄板状の伝送用ブレード26は、樹脂材料で成形され、その下端部の両端に上述のスリット10Siの開口端部に嵌合される嵌合部26SHを有している。伝送用ブレード26における一方の表面部には、各接地用コンタクトプレート28Gaiが、それぞれ、挿入される比較的浅い溝が形成されている。その溝における上部の所定位置には、後述する接地用コンタクトプレート28Gaiの孔28aに係合される位置決めピンが形成されている。
【0020】
また、伝送用ブレード26における他方の表面部には、図2に拡大されて示されるように、インサート成形時、同時に鋳込まれた接地用コンタクト端子28Gbi、および、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの上部に形成される接点部が露出している。図2において、左端から順次、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第1番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第2番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第3番目の接地用コンタクト端子28Gbi、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbi、第4番目の接地用コンタクト端子28Gbi、および、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiが配列されている。
【0021】
これにより、複数ある一対の伝送用コンタクト端子の間に接地用コンタクト端子が配置されているので隣接する一対の信号伝送路間におけるクロストークが、抑制される。
【0022】
また、接地用コンタクト端子28Gbiの接点部の幅は、一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの接点部の幅よりも大に設定されている。これにより、後述するソケット部のコンタクト端子と相俟ってコネクタ内部におけるインピーダンス整合が容易に図られることとなる。
【0023】
一対の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiは、それぞれ、図11に拡大されて示されるように、上部に形成される接点部と、最下端部に形成される固定端子部28SBと、接点部と固定端子部28SBとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0024】
伝送用コンタクト端子28Saiの固定端子部28SBは、図11において接点部および連結部の中心軸線に対し左側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部28SBは、図12に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード26から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部28SBには、半田端子28Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔28LHが形成されている。孔28LHは、固定端子部28SBの中心軸線に沿って延びた後、左側に屈曲されるように打ち抜かれている。固定端子部28SBの最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0025】
伝送用コンタクト端子28Sbiの固定端子部28SBは、図11において接点部および連結部の中心軸線に対し右側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部28SBは、図12に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード26から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部28SBには、半田端子28Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔28RHが形成されている。孔28RHは、固定端子部28SBの中心軸線に沿って延びた後、左側に屈曲されるように打ち抜かれている。図13に示されるように、固定端子部28SBの最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0026】
接地用コンタクト端子28Gbiは、図27(A)および(B)に、それぞれ、拡大されて示されるように、上部に形成される接点部28GBCと、最下端部に形成される固定端子部28GBBと、接点部と固定端子部とを連結する連結部28GBLとを含んで構成されている。
【0027】
その固定端子部28GBBの端部近傍は、接点部28GBCの先端の曲がり部の曲げ方向と同一方向、即ち、伝送用ブレード26に近接する方向に連結部28GBLに対し略垂直に折り曲げられている。固定端子部の最端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0028】
各接地用コンタクトプレート28Gaiは、伝送用ブレード26においてその幅方向に沿って所定の隙間をもって共通の平面上に配列されている。接地用コンタクトプレート28Gaiは、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている。接地用コンタクトプレート28Gaiは、一方の端部に、接点部と、他方の端部に、屈曲された部分に柱状の半田端子28Biを有する固定端子部28gaと、接点部と固定端子部28gaとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0029】
接点部の先端部は、伝送用ブレード26の先端部に倣って円弧状に折り曲げられている。図4に示されるように、固定端子部28gaは、上述の連結部に連なってプリント配線板12の表面に直交するように突出した後、伝送用ブレード26の他方の表面に向けて屈曲されている。屈曲された部分の先端部には、円柱状の半田端子28Biが、かしめにより固定されている。
【0030】
固定端子部28gaの両脇部分には、図1に示されるように、一対のシールド片28gbが連結部と一体に形成されている。一対のシールド片28gbは、図3および図4に拡大されて示されるように、その先端が上述の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部に近接し、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部と固定端子部28gaの平坦面部との間の位置するように折り曲げられている。このように一対のシールド片28gbが形成されることにより、隣接するコンタクトユニット18Bi相互間における信号路のクロストークが抑制される。また、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部と固定端子部28gaの平坦面部との距離を調整することよってインピーダンス整合が可能となる。
【0031】
半田端子28Biを除いた接地用コンタクトプレート28Gaiをプレス加工により製造する場合、図8乃至図10に示されるように、例えば、同時に5枚の接地用コンタクトプレート28GaiがキャリアCA’に並列に保持された状態で得られる。その際、図10に拡大されて示されるように、固定端子部28gaの屈曲された部分の先端部には、半田端子28Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が一体に形成されている。
【0032】
従って、図15に示されるように、1個の伝送用ブレード26の一方のコンタクト形成面における伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。また、1個の伝送用ブレード26の他方のコンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Bi、および、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。
【0033】
その際、コンタクト形成面における伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biの列は、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの列と略平行に形成される。また、伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの固定端子部28SBの半田端子28Biの相互間に対応する位置に、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biが配置される。さらに、隣接する一組の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiと一組の伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiとの間に配置される接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biは、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの列に均等に配置されることとなる。即ち、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Biの相互間に
配置されることとなる。
【0034】
なお、図1において、代表的に、5枚の接地用コンタクトプレート28Gaiが配置されているが、斯かる例に限られることなく、接地用コンタクトプレート28Gaiの個数は、後述するプリント配線板12の導体パターンに応じて適宜、設定されてもよい。
【0035】
上述の伝送用ブレード26の半田端子28Biが半田付け固定されるプリント配線板12における導体パターンは、図16に部分的に拡大されて示されるように、形成されている。プリント配線板12における導体パターンは、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式のシステムに対し選択的に使用可能とされる。
【0036】
なお、図16においては、隣接する複数枚のコンタクトユニット18Biが配置される一部分を示す。図16において、領域AEが、一枚のコンタクトユニット18Biが配置される領域を示す。各コンタクトユニット18Biは、図16においてX座標軸に沿う方向、即ち、ケーシング10Cの長辺に沿った所定の間隔で互いに平行に配列される。
【0037】
その導体パターンにおける一つの領域AEにおいては、一枚のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Saiおよび28Sbiの半田端子28Biが、それぞれ、半田付け固定されるコンタクトパッド12Eaからなるコンタクトパッド群12ESiの列とコンタクトユニット18Biにおける接地用コンタクトプレート28Gaiの半田端子28Bi、および、接地用コンタクト端子28Gbiの半田端子28Biが、それぞれ、半田付け固定されるコンタクトパッド12Egからなるコンタクトパッド群12EGiの列とが隣接して形成されている。コンタクトパッド12Eaおよびコンタクトパッド12Egは、それぞれ、図16におけるX座標軸に直交するY座標軸に沿って所定の間隔で形成されている。
【0038】
コンタクトパッド12Egは、コンタクトパッド12Ea相互間に対応する位置に形成されている。これにより、ディファレンシャル方式の伝送方式の場合、例えば、コンタクトパッド群12ESiの列における最端から1番目、2番目のコンタクトパッド12Eaとが1チャンネルとされる。また、隣接する3番目、4番目のコンタクトパッド12Eaとが1チャンネルとされる。さらに、隣接する一対のコンタクトパッド12Ea相互間に対応する位置には、コンタクトパッド群12EGiの列における最端から2番目のコンタクトパッド12Egが対向することとなる。
【0039】
さらに、シングルエンド方式の伝送方式の場合、例えば、コンタクトパッド群12ESiの列における最端から偶数番目のコンタクトパッド12Eaと、コンタクトパッド群12EGiの列における対応する最端から奇数番目のコンタクトパッド12Egとが対とされ、1チャンネルとして使用される。
【0040】
隣接する領域AEにおいても、同様な構成により、コンタクトパッド群12ESiの列とコンタクトパッド群12EGiの列とが形成されている。
【0041】
一方、ソケット部14は、図7に拡大されて示されるように、樹脂材料、例えば、液晶ポリマーで成形されるケーシングの一方の端部に、上述のプラグ部10のコンタクトユニット18Biに対応して貫通するスリット14Si(i=1〜n,nは正の整数)をケーシング14Cの内側に有している。スリット14Siの内寸は、コンタクトユニット18Biの厚みよりも若干大に設定されている。隣接する上述のスリット相互間は、仕切壁14Wi(i=1〜n,nは正の整数)により、仕切られている。
【0042】
また、そのケーシング14Cのスリット14Si内には、コンタクトユニット38Biが収容されている。
【0043】
各スリット14Siの一方の開口端は、図25に示されるように、ソケット部14におけるプリント配線板16に固定される端面に開口している。各スリットの一方の開口端には、図26に拡大されて示されるように、複数の半田端子42Biがそれぞれ、露出している。
【0044】
上述のプラグ部10の各コンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Sai,28Sbi、接地用コンタクト端子28Gbi、接地用コンタクトプレート28Gaiに電気的に接続されるソケット用コンタクトユニット38Biは、図17に拡大されて示されるように、複数枚、例えば、5枚の接地用コンタクトプレート48Gai(i=1〜5)および、4枚の接地用コンタクト端子48Gbi(i=1〜4)(図2参照)と、信号またはデータを伝送する複数枚、例えば、各5枚の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi(i=1〜5)と、これらの接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbi、および、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiを各面にそれぞれ、支持する1枚の伝送用ブレード46とを含んで構成される。
【0045】
ソケット用コンタクトユニット38Biにおける伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiは、プラグ部10のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子、接地用コンタクトプレート、および、接地用コンタクト端子の配列に対応して配置されている。
【0046】
即ち、図18にニ点鎖線で示されるように、プラグ部10のコンタクトユニット18Biが、後述する伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの端子部と、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiの端子部とによって、その弾性力に基づく所定の圧力で挟持されることにより、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiは、プラグ部10のコンタクトユニット18Biにおける伝送用コンタクト端子28Sai,28Sbiに接続され、また、接地用コンタクトプレート48Gai、接地用コンタクト端子48Gbiは、コンタクトユニット18Biにおける接地用コンタクトプレート28Gai、および、接地用コンタクト端子28Gbiに接続される。
【0047】
厚さ約1mm程度の薄板状の伝送用ブレード46は、樹脂材料で成形され、その下端部の両端に上述のスリット14Siの開口端部に嵌合される嵌合部46SHを有している。伝送用ブレード46における一方の表面部には、各接地用コンタクトプレート48Gaiが、それぞれ、挿入される比較的浅い溝が形成されている。その溝における上部の所定位置および、下部には、それぞれ、後述する接地用コンタクトプレート48Gaiの上部、および、孔48aにそれぞれ、係合される位置決めピンが形成されている。
【0048】
また、伝送用ブレード46における他方の表面部の端部には、インサート成形時、同時に鋳込まれた接地用コンタクト端子48Gbi、および、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの上部に形成される接点部が突出している。図17において、左端から順次、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第1番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第2番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第3番目の接地用コンタクト端子48Gbi、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbi、第4番目の接地用コンタクト端子48Gbi、および、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiが配列されている。
【0049】
接地用コンタクト端子48Gbiの接点部、および、後述する接地用コンタクト端子48Gaiの接点部の長さは、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの接点部の長さよりも大に設定されている。
【0050】
これにより、プラグ部10のソケット部14に対する着脱操作の場合、接地用コンタクト端子48Gbiの接点部、および、接地用コンタクトプレート48Gaiの接点部が、一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiのプラグ部10の伝送用コンタクト端子に対する接続タイミングよりも尚早にプラグ部10の接地用コンタクト端子28Gbiの接点部、および、接地用コンタクトプレート28Gaiの接点部に当接し、操作初期に必要とされる挿抜力は低減されるのでプラグ部10のソケット部14に対する着脱操作が容易となる。
【0051】
一対の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiは、それぞれ、上部に形成され弾性を有する接点部と、最下端部に形成される固定端子部と、接点部と固定端子部とを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0052】
伝送用コンタクト端子48Saiの固定端子部は、図17において、接点部および連結部の中心軸線に対し左側に所定量、偏倚するように形成されている。また、図19に示されるように、固定端子部は、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード46から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部には、半田端子42Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔が形成されている。その孔の形状は、上述の伝送用コンタクト端子28Saiの孔28LHの形状と同様とされる。固定端子部の最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0053】
伝送用コンタクト端子48Sbiの固定端子部は、図17において、接点部および連結部の中心軸線に対し右側に所定量、偏倚するように形成されている。また、固定端子部は、図19に示されるように、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向とは反対方向、即ち、伝送用ブレード46から離隔する方向に折り曲げられている。さらに、固定端子部には、半田端子42Biのクラック防止および端子部ばね強度を増大させるための孔が形成されている。その孔の形状は、上述の伝送用コンタクト端子28Sbiの孔28RHの形状と同様とされる。固定端子部の最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0054】
接地用コンタクト端子28Gbiは、図23および図24に示されるように、上部に形成され弾性を有する接点部と、最下端部に形成される固定端子部と、接点部と固定端子部とを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0055】
固定端子部48SBは、接点部の先端の曲がり部の曲げ方向と反対方向、即ち、伝送用ブレード46に近接する方向に折り曲げられている。固定端子部48SBの最端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が形成されている。
【0056】
各接地用コンタクトプレート48Gaiは、図17に示されるように、伝送用ブレード46においてその幅方向に沿って所定の隙間をもって共通の平面上に配列されている。接地用コンタクトプレート48Gaiは、銅合金材料、例えば、リン青銅合金材料で薄板状に作られている。接地用コンタクトプレート48Gaiは、一方の端部に、接点部と、他方の端部に、屈曲された部分に柱状の半田端子42Biを有する固定端子部48gaと、接点部と固定端子部48gaとを連結する連結部とを含んで構成されている。
【0057】
弾性を有する接点部48gcの先端部(図20および図21参照)は、伝送用ブレード46の上端部から突出し、円弧状に折り曲げられている。図19に示されるように、固定端子部48gaは、上述の連結部に連なってプリント配線板16の表面に直交するように突出した後、伝送用ブレード46の他方の表面に向けて屈曲されている。屈曲された部分の先端部には、円柱状の半田端子42Biが、かしめにより固定されている。
【0058】
固定端子部48gaの両脇部分には、図17および図20に示されるように、一対のシールド片48gbが連結部と一体に形成されている。一対のシールド片48gbは、図19に拡大されて示されるように、その先端が上述の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部に近接し、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部と固定端子部48gaの平坦面部との間の位置するように折り曲げられている。このように一対のシールド片48gbが形成されることにより、隣接するコンタクトユニット38Bi相互間における信号路のクロストークが抑制される。
【0059】
半田端子42Biを除いた接地用コンタクトプレート48Gaiをプレス加工により製造する場合、図20乃至図22に示されるように、例えば、同時に5枚の接地用コンタクトプレート48GaiがキャリアCAに並列に保持された状態で得られる。その際、図22に拡大されて示されるように、固定端子部48gaの屈曲された部分の先端部には、半田端子42Biをかしめにより保持する馬蹄形の保持部が一体に形成されている。
【0060】
従って、図26に示されるように、1個の伝送用ブレード46の一方のコンタクト形成面における伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部48SBの半田端子42Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。また、1個の伝送用ブレード46の他方のコンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Bi、および、接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biが、Y座標軸に沿って延びる同一の列に所定の間隔で配列されることとなる。
【0061】
その際、コンタクト形成面における伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部の半田端子42Biの列は、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの列と略平行に形成される。また、伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiの固定端子部の半田端子42Biの相互間に対応する位置に、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biが配置される。さらに、隣接する一組の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiと一組の伝送用コンタクト端子48Saiおよび48Sbiとの間に配置される接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biは、コンタクトプレート形成面における接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの列に均等に配置されることとなる。即ち、接地用コンタクト端子48Gbiの半田端子42Biが、接地用コンタクトプレート48Gaiの半田端子42Biの相互間に配置されることとなる。
【0062】
なお、図17において、代表的に、5枚の接地用コンタクトプレート48Gaiが配置されているが、斯かる例に限られることなく、接地用コンタクトプレート48Gaiの個数は、後述するプリント配線板16の導体パターンに応じて適宜、設定されてもよい。
【0063】
上述の伝送用ブレード46の半田端子42Biが半田付け固定されるプリント配線板16における導体パターンは、プリント配線板12における導体パターンと同様に、シングルエンド方式、あるいは、ディファレンシャル方式の伝送方式に選択的に使用可能とされる。プリント配線板16の導体パターンは、上述のプリント配線板12の導体パターンと類似した構成とされる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるプラグ部におけるコンタクトユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるコンタクトユニットの正面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿って示される部分断面図である。
【図4】図3における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるプラグ部を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるソケット部を示す斜視図である。
【図8】図1に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の接地用コンタクトプレートの製造時の状態を示す正面図である。
【図9】図8に示される一組の接地用コンタクトプレートの側面図である。
【図10】図8に示される一組の接地用コンタクトプレートの底面図である。
【図11】図1に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の伝送用コンタクト端子を示す正面図である。
【図12】図11に示される一組の伝送用コンタクト端子の側面図である。
【図13】図11に示される一組の伝送用コンタクト端子の底面図である。
【図14】図6に示されるプラグ部の底面図である。
【図15】図14に示されるプラグ部の一部を拡大して示す底面図である。
【図16】図5に示されるプラグ部が固定されるプリント配線板の導体パターンの一部を示す平面図である。
【図17】本発明に係る高速伝送用コネクタの一例に用いられるソケット部におけるコンタクトユニットの外観を示す斜視図である。
【図18】図17に示されるコンタクトユニットの部分断面図である。
【図19】図18における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図20】図17に示される1個のコンタクトユニットに使用される一組の接地用コンタクトプレートの製造時の状態を示す正面図である。
【図21】図20に示される一組の接地用コンタクトプレートの側面図である。
【図22】図20に示される一組の接地用コンタクトプレートの底面図である。
【図23】図17に示されるコンタクトユニットに使用される接地用コンタクト端子を示す正面図である。
【図24】図23に示される接地用コンタクト端子の側面図である。
【図25】図7に示されるソケット部の底面図である。
【図26】図25に示されるソケット部の一部を拡大して示す底面図である。
【図27】(A)、(B)は、それぞれ、接地用コンタクト端子の正面図、および、側面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 プラグ部
12、16 プリント配線板
14 ソケット部
18Bi、38Bi コンタクトユニット
28Gai、48Gai 接地用コンタクトプレート
28Gbi、48Gbi 接地用コンタクト端子
28Sai,28Sbi,48Sai,48Sbi 伝送用コンタクト端子
28gb、48gb シールド片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、複数の該一対の伝送用コンタクト端子の間にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第1のコンタクトユニットと、
前記第1のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するプラグ部と、
第2の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第2の配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第2のコンタクトユニットと、
前記プラグ部に選択的に接続可能とされ、前記第2のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するソケット部と、を備え、
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける一対の伝送用コンタクト端子は、1個の前記接地用コンタクトプレートに対向するように配されることを特徴とする高速伝送用コネクタ。
【請求項2】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項3】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクト端子の固定端子部は、前記接地用コンタクトプレートの固定端子部相互間に向けて折り曲げられることにより、該接地用コンタクト端子の固定端子部と該接地用コンタクトプレートの固定端子部とが一列に配されることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項4】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、前記一対の伝送用コンタクト端子ごとに対応して分割されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項5】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける板状の接地用コンタクト端子の接点部の幅は、板状の前記一対の伝送用コンタクト端子の接点部の幅に比して大に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項6】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部は、それぞれ、半田端子を保持する保持部を有するとともに、貫通孔を該保持部近傍に有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項7】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける前記一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部は、それぞれ、互いに離隔する方向に折り曲げられ、半田端子を保持する保持部を有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項8】
前記第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクト端子および接地用コンタクトプレートの接点部の長さが、それぞれ、前記一対の伝送用コンタクト端子の接点部の長さに比して大に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項9】
配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、
前記コンタクトユニットを収容するケーシングと、
前記コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする高速伝送コネクタ用プラグ。
【請求項10】
配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、
前記コンタクトユニットを収容するケーシングと、を備え、
前記コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする高速伝送コネクタ用ソケット。
【請求項1】
第1の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、複数の該一対の伝送用コンタクト端子の間にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第1のコンタクトユニットと、
前記第1のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するプラグ部と、
第2の配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第2の配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数の第2のコンタクトユニットと、
前記プラグ部に選択的に接続可能とされ、前記第2のコンタクトユニットを収容するケーシングを有するソケット部と、を備え、
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける一対の伝送用コンタクト端子は、1個の前記接地用コンタクトプレートに対向するように配されることを特徴とする高速伝送用コネクタ。
【請求項2】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接する第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記第1の配線基板および第2の配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項3】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクト端子の固定端子部は、前記接地用コンタクトプレートの固定端子部相互間に向けて折り曲げられることにより、該接地用コンタクト端子の固定端子部と該接地用コンタクトプレートの固定端子部とが一列に配されることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項4】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、前記一対の伝送用コンタクト端子ごとに対応して分割されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項5】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける板状の接地用コンタクト端子の接点部の幅は、板状の前記一対の伝送用コンタクト端子の接点部の幅に比して大に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項6】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部は、それぞれ、半田端子を保持する保持部を有するとともに、貫通孔を該保持部近傍に有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項7】
前記第1のコンタクトユニットおよび第2のコンタクトユニットにおける前記一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部は、それぞれ、互いに離隔する方向に折り曲げられ、半田端子を保持する保持部を有することを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項8】
前記第2のコンタクトユニットにおける接地用コンタクト端子および接地用コンタクトプレートの接点部の長さが、それぞれ、前記一対の伝送用コンタクト端子の接点部の長さに比して大に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高速伝送用コネクタ。
【請求項9】
配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記第1の配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、
前記コンタクトユニットを収容するケーシングと、
前記コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする高速伝送コネクタ用プラグ。
【請求項10】
配線基板に固定される固定端子部を、それぞれ、有し、伝送用ブレードの一方の共通の平面上において隣接する二つの高速信号用伝送路を形成する一対の伝送用コンタクト端子と、前記配線基板に固定される固定端子部を有し、該一対の伝送用コンタクト端子の両脇にそれぞれ、配される接地用コンタクト端子と、該伝送用ブレードの他方の共通の平面上に配される複数の接地用コンタクトプレートとを、それぞれ、有する複数のコンタクトユニットと、
前記コンタクトユニットを収容するケーシングと、を備え、
前記コンタクトユニットにおける接地用コンタクトプレートは、それぞれ、隣接するコンタクトユニットの一対の伝送用コンタクト端子の固定端子部相互間を仕切るように前記配線基板に向けて突出するシールド片を有することを特徴とする高速伝送コネクタ用ソケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2010−73436(P2010−73436A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238319(P2008−238319)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】
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