高速度コンベヤベルト上の製品の分配のための構造
本発明は、独立に駆動される2つのベルト(50、52)であって、第1の待ち行列(F1)に平行または直交する製品(Pn)の少なくとも1つの第2の待ち行列を形成するように、上記製品(Pn)を初期位置からこの初期位置に関して横方向にずらされた決められた最終位置に横に偏向させるために、予め決められた分配列に従って第1の待ち行列(F1)の少なくとも1つの製品(Pn)に接触するための、ある偏向速度で駆動されて動作モードに選択的に制御される少なくとも1つのカム(60)をそれぞれに有する2つのベルト(50、52)を備えるフェーザ(23)からなる分配装置を備えることを特徴とする、製品(Pn)の分配のための構造に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速度コンベヤベルト上の製品の分配のための構造に関する。
【0002】
本発明はより具体的には、製品が決められたいわゆる走行速度で上流の入口領域から下流の出口領域に長手方向に走行するコンベヤベルト上で搬送されて、また製品が2つの連続する製品間の決められた上流間隔で第1の待ち行列と呼ばれる少なくとも1つの長手方向の待ち行列を入口領域に形成する、製品の分配のための構造であって、製品の経路上で入口領域と出口領域との間に配置されて、決められた分配列に従って製品の少なくとも一部を偏向させるように設計されたフェーザ(同期装置:phaser)で、ある偏向速度で駆動され、製品の少なくとも1つの第2の待ち行列を形成するために上記の製品を初期位置からこの初期位置に関して横方向にずらされて決められた最終位置に横に偏向させるように第1の待ち行列の少なくとも1つの製品に接触することができる少なくとも1つのカムを備えるフェーザ(phaser)からなる偏向器と呼ばれる少なくとも1つの分配装置を備える、製品の分配のための構造に関する。
【背景技術】
【0003】
このタイプの構造は特に、製品梱包設備で、例えば木箱または梱包ボックスに製品のバッチ(集合体)を積む箱詰め機械に製品を送るように設計されたコンベヤラインを備える設備で使用される。
【0004】
コンベヤラインは一般に、一連の移動する搬送セルを備える「グルーパ(grouper)」とも呼ばれる製品グループ化装置に2つの連続する製品間の決められた間隔で製品を搬送するコンベヤベルトを箱詰め機械の上流に備える。
【0005】
グルーパは、1バッチを形成するためにセル内に積まれた決められた数の製品を受け入れるように設計された空のセルをベルトに面して提示する。
【0006】
セル内に1バッチが形成されると、このセルはベルトに面して新しい空のセルをグルーパが提示することを可能にするために1ノッチ(1切欠き)だけ動かされる。
【0007】
こうしてセルは、1ノッチずつ前進的にずらされ、これが製品のバッチを箱詰め機械に送ることを可能にする。
【0008】
セルの充填を容易にして高速化するために、「フェーザ(phaser)」とも呼ばれるフェージング(同期:phasing)装置によってグルーパの上流に製品のバッチを形成することが公知である。
【0009】
この構造は通常、製品の第2の平行待ち行列を形成することによって特に分割待ち行列を生成するために製品を偏向させるように設計された「偏向器」(deflector)とも呼ばれる分配装置をフェーザの上流に備える。
【0010】
従来技術から、ニードル(針)タイプ(needle type)または引出しタイプ(drawer type)の偏向器といった多数の分配構造が公知である。
【0011】
ニードル偏向器は、ニードルの両端のうちの一方において垂直軸の周りに旋回するように取り付けられた偏向要素であって、ニードルが少なくとも1つの製品を第1の待ち行列に偏向させる第1の位置とードルが少なくとも1つの製品を第2の待ち行列に偏向させる第2の位置という少なくとも2つの両極端位置の間で旋回する「ニードル」と呼ばれる偏向要素を備える。
【0012】
製品がコンベヤベルト上に到着して2つの連続する製品間の決められた上流間隔で長手方向の待ち行列に分配されると、偏向器のニードルは、これの位置に依存して、最初の長手方向待ち行列に関して製品を横方向にずらすために1つ以上の製品を横方向に偏向させるであろう。
【0013】
分配列が2つの製品のうちの1つの製品を偏向させるための交互のサイクル、すなわち1つの製品を第1の待ち行列へ、次の製品を第2の待ち行列へという交互のサイクルに対応する応用の場合には、一定である間隔の値が最小設定値に対応する決められた上流間隔を製品が製品間で提示するように製品の自動処理を可能にすることが、引出し偏向器と同様にニードル偏向器にとって必要である。
【0014】
上流間隔の最小設定値は、偏向器に従って、例えば一方では製品の長手走行方位のニードルまたは引出しの長さを、他方では製品の走行速度に依存し、また偏向器の各々が1つの位置からもう1つの位置に移るために必要とされる切換え時間に対応する経路長を加えることによって決定される。
【0015】
このような偏向器は、分配される、または偏向させられるべき製品の待ち行列を選択的に処理することができない。すなわちこのような偏向器は、製品が最小設定値より大きいか、この値に等しい一定値の決められた上流間隔を製品間に提示しなければ製品を処理することができない。
【0016】
現在では、特にコンベヤベルトの、または不良品を検出して除去するための他の構造の使用のために、製品が上流間隔値に関する偏差を提示することは、製品梱包設備においては普通のことである。
【0017】
例えば製品の重量の不適合のために不良品を検出して除去するためのこのような装置は、除去された製品の不在のせいで待ち行列に「孔」を生じさせる。
【0018】
その結果、不良品を検出して除去するためのこのような装置を備える設備は一般に、製品間に均一な間隔を持った製品を偏向器に供給するためのタイミングベルトといった他の特定の手段の実現を必要とする。
【0019】
更に引出し偏向器と同様にニードル偏向器は、これらの設計と動作のせいで、非常に高い速度、例えば毎分900個以上の製品という速度で製品を処理することができない。
【0020】
また文書DE−A1−31.16991または文書EP−A1−0.395.178における製品分配のための構造において説明され描写された装置といった一般にパドル(へら)偏向器(paddle deflectors)と呼ばれる分配装置が、従来技術から公知である。
【0021】
これらの文書の各々はまた、このようなパドル偏向器の例示的応用を説明しており、より具体的には、文書DE−A1−31.16991は待ち行列分割の場合を説明しているが、文書EP−A1−0.395.178は90°製品偏向の場合を説明している。
【0022】
しかしながらこれらの文書で説明された分配装置はまた、分配されるべき、または偏向させられるべき製品の待ち行列を選択的に処理できない。すなわち製品が最小設定値より大きいか、この値に等しい一定値の決められた上流間隔を製品間に提示しなければ製品を処理することができない。
【0023】
その結果、このようなパドル偏向器の使用は、上流における、製品間に均一な間隔を有する製品を偏向器に供給するための他の特定の手段の実現を必要とする。
【発明の概要】
【0024】
本発明は特に、必ずしも均一に間隔で分配されていない製品を高速度で偏向させることを特に可能にする単純で費用効果の高い有効なソリューションを提案することによってこれらの欠点を改善することを目標とする。
【0025】
この目的のために本発明は、フェーザが平行に配置されて独立に駆動される第1、第2の類似のベルトを備えることと、前に偏向させられた下流の製品が第2の待ち行列におけるこの製品の最終位置に到着する前に製品の偏向が始まるように各ベルトが他のベルトの能動状態の終了前に能動動作状態に制御されることと、を特徴とする前述のタイプの構造を提案する。
【0026】
本発明の他の特徴によれば:
−フェーザは、少なくとも:
・カムが第1の待ち行列から製品を横方位に偏向させるために初期位置を占める上記製品に横から接触する第1の係合位置と、
・上記被偏向製品が第2の待ち行列における最終位置を占め、この被偏向製品が動きを続けることを可能にするためにカムが動かなくされる第2の係合位置と、をカムが占めるために上記の分配列に従って選択的に制御され;
−フェーザの各駆動ベルトは少なくとも1つのカムを支持し、またベルトの上面に並んで配置され、各ベルトは、ベルトの下側ストランド(strand)がベルトの上面に実質的に平行に延びるように少なくとも2つのプーリに巻き付けられ、カムは下側ストランド上に位置するときに第1、第2の係合位置を占め、フェーザはプーリを決められた偏向速度で回転駆動するための手段を備え;
−フェーザは、コンベヤベルト上の製品の長手走行方位との間で0°と90°との間の決められた角度を形成するように前方に傾斜したベルトに平行な主軸を備える;
−カムは、偏向させられるべき製品に接触するように設計されて、コンベヤベルト上の第1の待ち行列の製品の長手走行方向と平行に延びる横偏向面を垂直に提示するようにベルト上で位置決めされ;
−カムは、このカムの第2の係合位置から少なくとも1つの後退待機位置に制御され、第2の待ち行列におけるカムの最終位置に到達したときに被偏向製品はカムの横偏向面にもはや横から接触しておらず;
−ベルトは、このベルトが止められて、各カムが第2の係合位置または後退待機位置を占める受動動作状態と、カムが後退待機位置から第2の係合位置に、または第2の係合位置から後退待機位置に概ね横方位に動かされるようにベルトがプーリの周りに回転駆動される能動動作状態と、を備え;
−ベルトは、フェーザの上流に位置決めされた検出手段であって、製品を第2の待ち行列に偏向させるために決められた分配列に従って使用され得る製品に関する検出信号を供給できるセンサーといった検出手段の媒介によってこのベルトの能動状態に制御され;
−2つのベルトのカムの交差を防止するために2つのベルトが受動状態にあるとき第1のベルトのカムの後退位置は第2のベルトのカムの後退位置に関してずらされ、また各ベルトに関して一時に1つのカムだけが第1の係合位置を占めることができるようにベルトに沿って等間隔で配置された少なくとも2つの類似のカムを各ベルトが保持し;
−被偏向製品を備える第2の待ち行列は第1の待ち行列に平行であり;
−係合位置においてベルトは、カムの長手方向駆動速度が走行速度に等しいように決められた偏向速度で駆動され;
−被偏向製品を備える第2の待ち行列は、第1の待ち行列に直交する。
【0027】
本発明の他の特徴と利点は、本発明の理解のために下記の付属図面への参照が行われ得る下記の詳細説明を読むことによって明らかになるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態によるフェーザを備える構造を略図的に表し、被偏向製品の第2の待ち行列が第1の待ち行列に平行である第1の例示的応用を示す斜視図である。
【図1A】後退待機位置と第1の係合位置との間の第1のカムを詳細に表す側面図である。
【図2】製品の初期位置Aとフェーザの能動動作状態とに対応するカムの第1の係合位置を表す、図1に類似の斜視図である。
【図3】製品の最終位置Bに対応するカムの第2の係合位置を表す斜視図である。
【図4】被偏向製品が解放されることを可能にするためにフェーザの受動動作状態に対応する第2の係合位置に一時的に止められたカムを表す斜視図である。
【図5】フェーザの受動動作状態に対応する後退待機位置における第2のカムを示す、図1と同等の斜視図である。
【図5A】第2の係合位置と後退復帰位置との間の第1のカムを詳細に表す側面図である。
【図6】図1〜5による構造を表し、2つ製品のうちの1つの製品を分配するための例示的なずらした配列を示す上面図である。
【図7】第1、第2の平行なベルトを装備したフェーザの第2の実施形態を略図的に表す斜視図である。
【図8】製品梱包設備において本発明による分配装置を備える構造の好適な例示的実現形態を表す上面図である。
【図9】第1または第2の実施形態によるフェーザを備える構造を略図的に表し、被偏向製品の第2の待ち行列が第1の待ち行列に直交する第2の例示的応用を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の説明のために、図に示されるL、V、Tマーカーによる長手方向、垂直方向および横方向の方向は、非限定的に採用される。
【0030】
下記の説明では相等しい、同様の、または類似の要素は同じ参照数字によって指定されるであろう。
【0031】
図1は、製品Pnの分配のための構造10を略図的に表す。
【0032】
構造10は、斜視図1において左から右への方向に概ね対応する上流から下流に方向付けされた長手方向に走行するコンベヤベルト12を備える。
【0033】
構造10は、コンベヤベルト12に製品Pnを供給するように設計された、ベルトといった供給装置14と、偏向器と呼ばれる分配装置16と、を備える。
【0034】
ベルト12は、ベルト12が上流に位置する入口領域18から下流に位置する出口領域20に製品を送るように、実質的に一定の走行速度V1で駆動される。
【0035】
入口領域18において製品Pnは、2つの連続する製品Pnが決められた上流間隔E1だけ分離されている、製品Pnの第1の待ち行列F1と呼ばれる長手方向の待ち行列を形成する。
【0036】
好適には、2つの連続する製品間の上流間隔E1は、決められた最小設定値より大きいか、この値に等しい。
【0037】
今後、本説明では「間隔」は定義により、所定の待ち行列の第1の製品の下流端と、1つの同じ待ち行列上の、または特に第1の製品の待ち行列に平行なもう1つの待ち行列の上の直ぐ上流に位置する第2の製品の下流端との間の長手方向距離に対応する。
【0038】
その結果、図1に見られるように間隔E1は、製品Pnの下流垂直面とこの製品のすぐ後に続く上流製品Pn+1の下流垂直面との間の距離に対応する。
【0039】
分配装置16は、決められた分配列に従って製品Pnの全部または一部を偏向させるために製品Pnの経路上で入口領域18と出口領域20との間に分配される。
【0040】
図1〜6に表された第1の例示的応用では分配列はこの場合、図6の上面図に見られるように、2つ製品のうちの1つの製品Pnの交互分配によるずらして配列した分配である。
【0041】
分配が変形例として、n=3、n=4などの「n」個の製品のうちの1つの製品であり得るように、図示の分配列が純粋に非限定的例として与えられることは明らかである。
【0042】
更に本発明はまた、分配装置が1バッチといった1セット数個の製品を偏向させることができるように、単一要素としての1製品の偏向に限定されない。
【0043】
好適には分配装置16は、第1の待ち行列F1に平行な第2の長手方向待ち行列F2を形成するために第1の待ち行列F1から2つ製品のうち1つの製品Pnを横方位に偏向させるように選択的に制御される少なくとも1つのフェーザ22または23(図7を参照のこと)からなる。
【0044】
フェーザ22は、製品Pnが走行する水平な上面24の上方で入口領域18と出口領域20との間に配置される。
【0045】
フェーザ22は、偏向速度V2で駆動されるカム26であって、製品Pnの少なくとも1つの第2の待ち行列F2を形成するために、初期位置Aから初期位置Aに関して横方向にずらされた決められた最終位置Bに上記製品Pnを横に偏向させるように第1の待ち行列F1の少なくとも1つの製品Pnに選択的に接触するために上記分配列に従って制御される少なくとも1つのカム26を備える。
【0046】
本発明による分配装置16を形成するフェーザ22の第1の実施形態は、図1〜6に示された第1の例示的応用に表されている。
【0047】
この第1の実施形態によればフェーザ22は、ベルト12の上面24に平行して配置され、少なくとも1つのカム26を移動させるように駆動できるベルト30を備える。
【0048】
好適にはフェーザ22のベルト30はここで、第1のカム26と第2のカム28とを備える。変形例としてフェーザ22は、ベルト30上に3以上のカムを備える。
【0049】
ベルト30は、ベルト30の最も長い長さの方向に従って実質的に反対である位置に配置された第1のカム26と第2のカム28とをこのベルトの外面32上に保持する。
【0050】
第1のカム26と第2のカム28はこの場合、類似しており、例えば平行六面体プレートの形をした要素からなる。
【0051】
カム26、28を製造するために使用される形状と材料は、処理される製品Pnのタイプに従って著しく変わり得ることは明らかである。
【0052】
変形例としてこれらのカムは、概ね水平な平面による断面図で、製品が第2の待ち行列F2の方向に解放されることを可能にするように前方に決められた傾斜をもってベルト30上に配置された「V」、「U」または「L」字形を示す。
【0053】
ベルト30は、それぞれ第1の回転軸A1と第2の回転軸A2の周りに回転駆動され得る上流プーリと呼ばれる第1のプーリ34と下流プーリと呼ばれる第2のプーリ36とに巻かれる。
【0054】
フェーザ22は、ベルト30の下側ストランド38に平行であって、プーリ34、36の軸A1、A2に直交する主軸Xを備える。
【0055】
本発明の第1の重要な特徴によれば主軸Xは、コンベヤベルト12上の製品Pnの長手走行方向に関して決められた角度θを形成するように前方に傾斜している。
【0056】
有利には角度θの値は、0°90°との間にあり、好適には30°、45°または60°に等しい。
【0057】
ベルト30の下側ストランド38は、カム26、28と製品Pnとに従って決められる高さでベルト12の上面24に実質的に平行に延びる。
【0058】
フェーザ22は、決められた偏向速度V2でプーリ34、36を回転駆動できるサーボモータ40といった駆動手段を備える。
【0059】
本発明の第2の重要な特徴によればベルト30は、カム26、28の長手方向駆動速度VLが製品Pnの走行速度V1に等しいように決定される偏向速度V2で駆動される。
【0060】
好適には長手方向速度VLは、角度θの値が90°に等しいときにはゼロである。
【0061】
したがってフェーザ22によって偏向させられる製品Pnは、分配動作中に止められたり減速されたりすることはなく、このことは、偏向させられる、または偏向させられない各製品Pnに関して走行速度V1を維持することを可能にし、それによって第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2との間の所望の分配列に従って高速分配を得ることを可能にする。
【0062】
好適にはカム26、28は、これらのカムが下側ストランド38上に位置するときに、コンベヤベルト12上の製品Pnの長手走行方向に平行に延びる横偏向面42を各々垂直に提示するようにベルト30上に位置決めされる。
【0063】
したがってカム26、28は、ベルト12に関するフェーザ22の主軸Xの傾斜の値、あるいは角度θの値に対応するベルト30に関する傾斜を示す。変形例としてカム26、28は長手方向とは異なる横偏向面42の方向を示す。
【0064】
カム26、28の横偏向面42は、好適には主として横方向の偏向力と呼ばれる推力を製品に作用させるために偏向させられるべき製品Pnに横から接触するように設計される。
【0065】
フェーザ22のカム26、28は少なくとも1つの第1の係合位置と第2の係合位置との間で選択的に制御される。
【0066】
フェーザ22は、ベルト30がカム26、28を移動するように駆動する能動動作状態とベルト30とカム26、28とがもはや駆動されない受動動作状態とをそれぞれ備える。
【0067】
有利にはベルト30は、フェーザ22の上流に位置決めされてベルト12上の製品Pnの到着を検出できるセンサーおよび/またはコーダといった検出手段44によって放射される信号に従ってベルトの能動状態または受動状態に選択的に制御される。
【0068】
センサー44は、例えばベルト12のエッジに配置された電気的セルであって、決められた分配列に従って製品の検出が適当な瞬間にサーボモータ40の起動をトリガー(誘発)するようにサーボモータ40に電気的に接続された電気的セルを備える。
【0069】
本発明による構造10がセンサー44によって放射された製品Pnに関する検出信号から、ベルト12が走行した距離を正確に測定するコーダ(図示せず)を装備し得ることは留意されるであろう。
【0070】
コーダによりセンサー44によって検出された製品Pnのフェーザ22に関する長手方向位置は正確に知られ、このことはサーボモータが適切な瞬間にトリガーされることを保証する。
【0071】
2つの長手方向に整列した連続する製品間の上流間隔E1の値は、特にカムの数、ベルト30の長さ、または中心間距離A1−A2などといったフェーザ22の特性に依存する最小設定値より大きいか、この値に等しくなるように決められる。
【0072】
有利には、フェーザ22は検出信号に従って選択的に制御されるので、フェーザ22は必ずしも一定あるいは均一でない上流間隔E1を有する製品を備える待ち行列を処理することができる。
【0073】
この特徴は特に、高速度における本発明による構造10の信頼性の高い動作を可能にするために有用である。
【0074】
さて次に、特に図1〜6に表された第1の例示的応用の場合の第1の実施形態によるフェーザ22の動作についての説明が行われる。
【0075】
図1でフェーザ22のベルト30は最初、第1のカム26は待機位置と呼ばれる第1の後退位置にあって、第2のカム28は復帰位置と呼ばれる第2の後退位置にあって、ベルトは止まっている受動動作状態にある。
【0076】
変形例として、第1のカム26が第1の後退待機位置にあるとき、第2のカム28は、第2の後退復帰位置が特に速度に従って使用される、あるいは使用されない任意選択的中間位置を構成するように、第2の係合位置にある。
【0077】
図1に見られるように製品Pnは、走行速度V1でベルト12の上面24上を走行し、また互いに前後に位置する2つの連続した製品Pn間の決められた上流間隔E1をもって製品Pnの第1の待ち行列F1内に長手方向に整列させられる。
【0078】
センサー44は、第1の製品P1の到着を検出し、その結果、対応する検出信号であってフェーザ22のベルト30が受動状態から能動状態に移るためにサーボモータ40の起動を誘発する検出信号を放射する。
【0079】
ベルト30の状態の変化は、図2に表されているように後退待機位置から第1の係合位置に移る第1のカム26の駆動を誘発する。
【0080】
有利には、ベルト30が受動状態から能動状態に移るとき、サーボモータ40の起動は、ベルトがゼロ速度から偏向速度V2に移ることを可能にする前加速段階ph1を備える。
【0081】
好適には後退待機位置は、第1のカム26がこのカムの第1の係合位置に到着する前に第1のカム26が加速段階ph1の終了時に中間係合位置に到着するように選択される。
【0082】
理解の助けとして図1Aは、異なる段階と、回転軸A1のプーリ34の周りの第1のカム26の対応する位置とを示すフェーザ22の側面図を表す。
【0083】
図1Aで第1のカム26の後退待機位置は太い線で表され、中間係合位置は細い破線で表され、第1の係合位置は太い破線で表されている。
【0084】
中間係合位置と第1の係合位置との間の第1のカム26の移動段階は、係合段階ph2と呼ばれる。
【0085】
サーボモータ40のトリガーの瞬間は、センサー44によって放射された信号に合わせられるので、これに同期して第1のカム26は第1の係合位置から少なくとも1つの製品、この場合は第1の製品P1に横から接触する。
【0086】
このようにして第1のカム26が第1の係合位置を占めると、同時に第1の製品P1は、第1の長手方向待ち行列F1から第1のカム26によって横方向に偏向させられるように製品P1の初期位置Aを占める。
【0087】
ベルト30は、第1のカム26が走行速度V1に等しい長手方向速度VLで被偏向製品P1と共に概ね横に移動させられるように決められた偏向速度V2でプーリ34、36の周りを回転するようにサーボモータ40によって駆動される。
【0088】
有利には、カム26によって偏向させられた第1の製品P1は、一定の移動速度と他の製品Pnに関して等しいベルト12上の相対位置とを保持する。
【0089】
図2と図3との比較によって分かるように、第1のカム26は、第1の係合位置から、第1の製品P1が第2の待ち行列F2内のこの製品の最終位置Bを同時に占めるときに到達される第2の係合位置に移動させられる。
【0090】
図6に示されるように被偏向製品P1は、この製品の初期位置Aから第2の待ち行列内の最終位置Bまで実質的に直線的な斜めの経路を走行する。
【0091】
上流に位置する第2の製品P2は、センサー44によって検出されるが、分配列に従って偏向させられることなく第1の待ち行列においてこの製品の長手方向移動を続行する。
【0092】
第1の被偏向製品P1が走行した距離は、第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2との間の横断距離または分離距離「e」を決定する。
【0093】
第1の製品P1は、第1のカム26が相互的にこのカムの第2の係合位置に到達したときに製品P1の最終位置Bに到達する。
【0094】
有利には第1のカム26が第2の係合位置に到達するとベルト30は、一時的に駆動されるのを止めて、被偏向製品P1が第1の待ち行列F1に平行な第2の待ち行列F2において長手方向の移動を続けることを可能にするように受動状態に移る。
【0095】
図示されない変形例として構造10は、特に被偏向製品Pnが最終位置Bを離れるときに被偏向製品Pnを位置決めして長手方向にガイドするように上面24の上方でベルト12のサイドに横向きに配置されたスライダまたはレールといった案内手段を備える。
【0096】
各被偏向製品Pnの最終位置Bと第1の待ち行列F1に関する第2の待ち行列F2の位置は、応用ごとに修正可能であって、フェーザ22の主要なパラメータに従って、特に中心間距離A1−A2とカム26、28の位置とに概ね対応するベルト30の長さに従って決定される。
【0097】
第1の例示的応用では第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2は、図6に表された決められる分離距離「e」だけ互いに横方向に分離される。
【0098】
有利にはベルト30は、被偏向製品P1がカム26の横偏向面42にもはや横から接触しないために必要とされる時間に対応する決められた持続時間の間、一時的に駆動されるのを止める(受動状態)。
【0099】
好適にはそれからベルト30は、再びこのベルトの能動状態に制御され、第2の係合位置から復帰位置と呼ばれる他の後退位置に第1のカム26を移動させるためにサーボモータ40によって駆動される。
【0100】
変形例としてベルト30は、再びこのベルトの能動状態に制御され、第2の係合位置から直接、後退待機位置または第1の係合位置に第1のカム26を移動させるためにサーボモータ40によって駆動される。
【0101】
デフォルトにより(省略設定により)第1のカム26の第2の係合位置から後退復帰位置への第1のカム26の切換えは、好適には後退待機位置と第1の係合位置との間での前述の係合切換えに類似の仕方で達成される。
【0102】
第1のカム26の切換えは引き続いて、カム26が好適にはこのカムの第2の係合位置から中間解放位置に移動させられるように加速度を受ける解放段階ph3を備える。
【0103】
それから、この中間解放位置から第2のカム28が図1において最初に位置していたのに類似しているカム26の後退復帰位置にカム26が移動させられるいわゆる減速段階ph4が行われる。
【0104】
ベルトの下側ストランド38上の第1のカム26のこれの後退待機位置(図1)からこれの後退復帰位置(図5)への移動中に、第2のカム28は同時に、上部ストランド上で反対方向にこのカムの後退復帰位置(図1)から後退待機位置(図5)に移動させられる。
【0105】
第2のカム28が後退待機位置に到達するとフェーザ22は、決められた分配列に従って第1の待ち行列F1内の製品Pnまたはこの場合は第3の製品P3を直ぐに偏向させることができる。
【0106】
第3の製品P3がセンサー44の前を通ると、サーボモータ40の回転駆動を制御するために検出信号が再び送信される。
【0107】
前述のように第1のカム26に関してベルト30は、センサー44によって制御されるサーボモータ40によって駆動され、したがって第2のカム28は第3の製品P3が初期位置Aに到達したときに同期して第1の係合位置に到達するように移動させられる。
【0108】
図6に示されるように、それから第2のカム28は、第1のカム26に関して今説明されたサイクルと同じサイクルに従って、また前のサイクルのときに第1のカム26によって偏向させられた第1の製品P1を既に備えている第2の待ち行列F2に第1の待ち行列F1の第3の製品P3を偏向させるために、係合位置と後退位置との間を引き続き移動させられる。
【0109】
フェーザ22からの出口において第2の待ち行列F2の第1の被偏向製品P1と第3の被偏向製品P3との間の下流間隔E’2の値と、第1の待ち行列F1の未偏向の第2の製品P2と未偏向の第4の製品P4との間の下流間隔E2の値は、この場合等しい。
【0110】
したがって理解されるように、第1、第2の待ち行列F1、F2の製品間の等距離は、この第1の例示的応用のために選択された特定の分配列と決められた偏向速度V2とによるものである。
【0111】
第1、第2の待ち行列F1、F2は、互いに位相シフトされており、待ち行列F1、F2の各々にそれぞれ属する2つの連続する製品間の下流間隔Eは、この場合、長手方向において上流間隔E1に等しい。
【0112】
図7は、フェーザの第2の実施形態を示し、改良されたフェーザ23は、第1の例示的応用に関して前に説明された構造のタイプの本発明による構造10において実現されることが明らかに可能である。
【0113】
今後、第1の実施形態との比較によってフェーザの第2の実施形態だけが説明されるであろう。
【0114】
改良フェーザ23は主として、これが平行に配置された2つの類似のベルト50、52備えていることと、各ベルト50、52が関連下側ストランド38の上方に、および関連上流プーリ34と下流プーリ36との上方に配置された第3のプーリの周りに巻かれていることとによって、後者(第1の実施形態のフェーザ)から区別される。
【0115】
第1のベルト50と第2のベルト52は、フェーザ23の主軸Xを含む垂直平面に関して実質的に対称に並んで配置される。
【0116】
フェーザ23の軸Xは、フェーザ23が製品Pnの第1の待ち行列F1に関して下流に斜めに位置決めされるように、ベルト12の長手方向に関して角度θだけ斜めになっている。
【0117】
有利には第1のベルト50と第2のベルト52は、第1のサーボモータ56と第2のサーボモータ58とによってそれぞれ独立に駆動される。
【0118】
ここで各ベルト50、52は、ベルト50、52に沿って等間隔に分配されていて、第1の実施形態のカム26、28に類似する第1のカム60、第2のカムおよび第3のカム(図7では見えない)を備える。
【0119】
カムの数は異なり得ること、重要な点は製品Pnがセンサー44によって検出されたとき常にカムは上流待機位置にあること、および係合位置に同時に2つのカムは存在しないことが留意されるであろう。
【0120】
ここでこれらのカムは、第1の実施形態を参照しながら説明された位置に関して更なる待機位置を備える。
【0121】
例えば第1のベルト50を考えると、第1のカム60がこれの後退待機位置を占めて第2のカムがこれの後退復帰位置を占めるとき、第3のカムは第3のプーリ54の近傍の後退待機位置と後退復帰位置との間の途中に位置する後退中間位置を占める。
【0122】
このように第2のベルト52の第1のカム60は、第1のベルト50の第1のカム60の後退待機位置に関して上流プーリ34の数度の回転角だけずれた後退待機位置を占める。
【0123】
同様に第2のベルト52の他の2つのカムは第1のベルト50の対応するカムに関してずらされている。
【0124】
好都合にもベルト50、52の各ベルトのカム間の如何なる交差の危険もこのようにして回避される。
【0125】
変形例としてベルト50、52のカムは数度の回転角のずれなしで分配され、各ベルト50、52は選択的に制御される。
【0126】
この変形例によればフェーザ23は、サーボモータ56、58の一方および/または他方を作動させるように製品の検出に従って互いに独立に動作する前述のフェーザ22に類似した2つのフェーザを備えるフェージング(同期)装置と同様の仕方で動作する。
【0127】
フェーザ22の動作に類似しているが、より高速度で製品Pnの流れを処理することを有利に可能にするフェーザ23の第2の実施形態の動作の原理が以下に説明される。
【0128】
実際に第2のベルト52の存在は、第1の製品P1が第1のベルト50のカムの1つによって最終位置Bにおいて解放される前にもう1つの製品Pnを偏向させ始めることを可能にする。
【0129】
図7においてフェーザ23は受動状態で表されており、カム60は前述の後退待機位置を占めている。
【0130】
フェーザ23が第1の製品P1を検出すると、センサー44によって放射された検出信号は受動状態から能動状態へのフェーザ23の第1のベルト50の移行を誘発する。
【0131】
第1のサーボモータ56は、第1のベルト50の第1のカム60がこれの後退待機位置から、検出されるべき製品P1にこのカムが接触する第1の係合位置に移るように起動され、それによってこのカムは第2の係合位置に到達するまで移動を続ける。
【0132】
第1のサーボモータ56が起動された直後に、またはそれと同時に第2のサーボモータ58も起動され、第2のベルトの第1のカム60がこれの後退待機位置を占めるまで起動される。
【0133】
第2のベルト52の第1のカム60が後退待機位置に到達すると直ちに、第2のサーボモータ58は第3の製品P3の到着まで停止するが、第1のベルト50は例えばまだ駆動されている。
【0134】
第1の製品P1の直ぐ上流に位置する第2の製品P2は、2つの製品のうちの1つの製品のずらして配列した分配列に従って、偏向させられずに第1の待ち行列F1において長手方向の移動を続ける。
【0135】
第1のカム60が第1のベルト50から後退する直前に、センサー44は第3の製品P3の到着を検出して第2のサーボモータ58の起動を誘発し、第2のベルト52は受動状態から能動状態に移る。
【0136】
それから第2のベルト52の第1のカム60は、第3の製品P3を横方向に偏向させるために第3の製品がこれの初期位置Aに来ると同時に第1の係合位置を占める。
【0137】
その結果、フェーザ23は、第1の待ち行列F1に平行であって、上記分配列に従ってこれらのベルトのうちの一方50または他方52のカムによって偏向させられる製品Pnからなる第2の待ち行列F2を形成する。
【0138】
第1の製品P1がこれの最終位置Bに到着すると、第1のベルト50の第1のカム60は後退してこれの後退復帰位置を占めるが、関連する第3のカムはこれの後退待機位置を占め、第1のサーボモータ56は停止する。
【0139】
第1のベルト50がこれの3つのカムの1つの後退待機位置への位置決めによって特徴付けられるこれの最初の受動状態に復帰すると、フェーザ23の第1のベルト50は再びセンサー44によって検出されたであろう後続の製品Pnの1つを直ちに偏向させる用意ができている。
【0140】
有利には、さきの第1の製品P1に関する第1のベルト50の第1のカム60と同様に、第2のベルト52の第1のカム60は第3の製品P3の初期位置Aからこれの最終位置Bへの第3の製品P3の横方向への偏向移動を同時に続行する。
【0141】
今説明されたサイクルはこのようにして、製品Pnの到着に従って、また決められた分配列に従って各ベルト50、52の各カムに関して繰り返される。
【0142】
今から下記に、フェーザ23の第2の実施形態のある幾つかの有利な特徴の説明がより詳細に行われる。
【0143】
好適にはベルト50、52の内面68は、プーリ34、36、54の軸駆動面70が有する相補的横方向歯と協同するように歯が付けられている。
【0144】
フェーザ23はこの場合、例えば地上(図示せず)に静止する、また好適にはベルト12に関して動くように取り付けられたガントリー(橋形架台)72の形をしたフレームによって支持される。
【0145】
ガントリー72へのフェーザ23の取付けが如何なるコンベヤベルト12の上にでもこれを容易に配置することを可能にし、また設定すべき長手方向位置と下流傾斜角θとを容易に選択することを可能にする。
【0146】
ガントリー72は、第1のベルト50に関連してプーリ34、36、54を、また第2のベルトに関連してプーリ34、36、54をそれぞれ支持する2つの垂直な長手方向プレート74、76をベルト12の両側に備える。
【0147】
有利にはフェーザ23は、各ベルト50、52の上流プーリ34と下流プーリ36との間の中心間距離A1−A2を調整するための手段78を備える。
【0148】
中心間距離A1−A2の調整は特に、各ベルト50、52の下側ストランド38の長さを製品Pn間の上流間隔E1と製品Pnの長手方向寸法とに適応させることを可能にする。
【0149】
ここに示された実施形態によれば、各上流プーリ34の軸A1は関連支持プレート74、76に固定されたレール82上で平行移動的に動く滑動ブロック80によって支持される。
【0150】
各滑動ブロック80の長手方向移動は、ここでは関連支持プレート74、76に固定された調整ねじ84によって制御される。
【0151】
有利にはフェーザ23は、各ベルト50、52の張力を引き締めるための手段86を備える。
【0152】
これらの手段86は、例えば関連支持プレート74、76に関して垂直平行移動で第3のプーリ54の軸A3を移動させることを可能にする垂直レール・滑動ブロックシステム(図示せず)を備える。
【0153】
張力を引き締める手段86は、例えば第3のプーリ54の軸A3に垂直上方に応力を加える弾性装置によって自動的に作用することができる。
【0154】
本発明による構造10のもう1つの有利な特徴によれば、ある不具合、特に短すぎる、すなわち最小設定値より短い上流間隔E1による不具合を防止するためにセンサー44とフェーザ22または23との間に製品Pnを排出するための装置88が配置される。
【0155】
より具体的には最小設定値は、偏向させられるべき製品Pnが検出されたときにフェーザ22または23によって形成される分配装置16が少なくとも1つのカムを後退待機位置に位置づけることを可能にするように決定される。
【0156】
排出装置88は、例えばベルト12から製品Pnを排出できる圧縮空気のジェット(噴流)を生成するための手段(図示せず)を備える。
【0157】
排出装置88は、下流の製品の直前に位置する製品Pnに近すぎる上流の製品Pnの到着をセンサー44が検出したときに、好適には排出装置88がベルト12からの上流製品Pnの排出を誘発するように、センサー44によって生成される検出信号に従って制御される。
【0158】
今説明された第1の例示的応用では本構造10は、第1の待ち行列F1に平行する第2の待ち行列F2を形成するように第1の待ち行列F1を分割するために、第1の待ち行列F1から製品の一部を偏向させるために適したフェーザ22、23を備える。
【0159】
例えば、第2のフェーザと同様な仕方で第2の待ち行列から偏向させられた製品から製品の第3の待ち行列を形成するために、第2の待ち行列を形成するように設計された第1のフェーザの下流に第2のフェーザを持つことによって第2の待ち行列に平行な第3の待ち行列を得ることが可能であることは理解されるであろう。
【0160】
有利には第1の上流フェーザと第2の下流フェーザは、ベルト12の入口領域18と出口領域20との間で長手方向に互いに並んで配置される。
【0161】
好適には第1の上流フェーザはそれから、第2の待ち行列F2に偏向させられた2つの製品のうちの1つが引き続いて今度は第2の下流フェーザによって第3の待ち行列F3に偏向させられるように、2つの製品から1つより多い製品を、例えば3つの製品から2つの製品を第1の待ち行列F1から偏向させる。
【0162】
本発明による構造は、少なくとも製品Pnの待ち行列の1つの分割によって進行することを可能にする。
【0163】
決められた分配列に従って製品Pnを分割することによって第1の待ち行列F1から製品の第2の待ち行列F2を形成することを可能にするこのような構造の多くの可能な実現形態が存在する。
【0164】
製品梱包設備90における本発明による構造の好適な例示的実現形態の説明は、以下に行われる。
【0165】
図1〜6で前に説明された構造のタイプの本発明による構造10は好適には、前述の実施形態の1つによるフェーザ22または改良型フェーザ23といった分配装置を備えるこのような設備90の第1のセクションT1からなる。
【0166】
このような梱包設備90では本発明によって得られる待ち行列分割は、バッチ、特に互いに並んだ少なくとも2つの製品を含むバッチを形成することを、またはこのようなバッチの形成のために製品を準備することを有利に可能にする。
【0167】
図8に示された製品梱包設備90はより具体的には、特に製品の上記バッチを箱詰め機械(図示せず)に送るために製品をバッチLiにグループ化するように設計される。
【0168】
このタイプの梱包設備90は、送られるべき製品Pが上流から下流に走行するコンベヤベルト112に沿って長手方向に延びるコンベヤライン92を備える。
【0169】
設備90は、今度は上流から下流へ、コンベヤライン92に製品を供給するための装置14と、本発明の教えに従って製造された、製品を分配するための装置16と、第1のフェージング(同期:phasing)手段122および第2のフェージング手段222を備える、製品をバッチLiにグループ化するための装置と、を備える。
【0170】
この例ではバッチLiは、それぞれ2つの製品の2行または2つの製品の2列から形成されるバッチLiである正方形に全体的に内接するようにグループ化された4個の製品を備える。
【0171】
供給装置14はここで、上流間隔E1だけ長手方向に分離された製品Pの待ち行列Fをコンベヤベルト112の入口領域118に送る供給ベルト94を備える。
【0172】
比較により上流間隔E1が図1〜6の第1の例示的応用の説明でE1と表された上流間隔に対応することは留意されるであろう。
【0173】
分配装置16は、入口領域118の下流で、決められた分配列に従ってベルト112の上面132上の待ち行列Fの製品Pを分配するためにコンベヤベルト112の第1の上流セクションT1上に配置される。
【0174】
好適には分配装置16は、少なくとも1つのカム、この場合は2つのカム98、100を備えるフェーザ96であって、ここでは上流待ち行列Fに対応する、今後Pn+1で表される製品Pの第1の待ち行列F1に平行する今後Pnで表される製品Pの第2の待ち行列F2をそれぞれ下流で形成すべく待ち行列Fを分割するために、待ち行列Fの製品Pを分配するようにベルト112に対して配置されたフェーザ96を備える。
【0175】
フェーザ96は、例えばフェーザ96が一方ではベルト112の長手走行方向に関して斜めのこれの位置によって特徴付けられ、また他方ではベルト112の走行速度に等しい長手方向成分VLを有する速度で横方向に、ここでは右から左に偏向させられるカム98、100の位置によって特徴付けられるように、第1の実施形態で説明され、図1〜6に表されたフェーザ22に類似している。
【0176】
変形例としてフェーザ96は、前に説明され、図7に示された改良型フェーザ23に類似のフェーザである。
【0177】
有利にはフェーザ96は、カム98、100を駆動するために、それぞれ回転軸A1、A2の第1の右手プーリ134と第2の左手プーリ136との間に巻かれたベルトを備える。
【0178】
フェーザ96の主軸Xは、プーリの軸A1、A2に直交し、フェーザのベルトに平行な水平面に含まれる中央軸であると定義される。
【0179】
フェーザ96の斜めの位置は、ベルト112の長手走行方向との交差が好適には0°と90°との間の、例えば45°に等しい鋭角θを形成する主軸Xによって定義される。
【0180】
ベルトの下側ストランドがベルト112の上面132に実質的に平行に延びるように、またカム98、100がベルト112の長手走行方向に平行に、すなわちフェーザ96の主軸Xに関して決められた角度θで延びるように、ベルト112の上方に2つのプーリが配置される。
【0181】
右手プーリは、ベルト112と同じ方向に、そして駆動速度の長手方向成分VLが好適にはベルト112の走行速度V1に等しいように決められたカム98、100の偏向速度と呼ばれる駆動速度V2でプーリの周りを回転するように、カム98、100を支持するベルトを選択的に駆動できるサーボモータによって回転駆動されることが可能である。
【0182】
有利にはフェーザ96の下流の製品分配列はこの場合、前に表された分配列、すなわち第1の待ち行列F1に平行な第2の待ち行列F2を形成するように2つの製品のうちの1つの製品の交互配列によるずらして配列した分配に類似している。
【0183】
したがって第2の待ち行列F2は2つの連続する製品P1、P3、P5などの間の間隔E’2をもって位置決めされた被偏向製品Pnからなり、また第1の待ち行列F1は2つの連続する製品P2、P4、P6などの間の間隔E2をもって位置決めされた製品Pn+1からなる。
【0184】
このずらして配列した分配列によれば、待ち行列F2、F1の間隔E’2、E2は、この場合互いに等しい。
【0185】
第1、第2の待ち行列F2、F1は互いに関して位相シフトされており、待ち行列F2、F1の各々にそれぞれ属する2つの連続する製品Pn、Pn+1間の間隔E、ここでは上流間隔E1に等しい間隔Eを示す。
【0186】
それからこのようにずらして配列して分配された待ち行列F2の製品Pnと待ち行列F1の製品Pn+1は、フェーザ122からなる第1のフェージング手段を備える、ベルト112の第2の中間セクションT2を走行する。
【0187】
有利にはフェーザ122は、第1、第2の実施形態でそれぞれ説明されたフェーザ22、23の一方または他方と構造的に同じであり、したがって以下で詳細には説明されない。
【0188】
フェーザ122は、起動が好適にはセンサー142からの検出信号に従って制御されるサーボモータによって、減速した速度V3で駆動されるカム126とカム128とを備える。
【0189】
フェーザ122の動作は、互いに横に並んでグループ化された製品Pnと製品Pn+1とをそれぞれ備える中間バッチと呼ばれるバッチL’iを形成するようにフェーザ122の下流で待ち行列F2、F1の製品Pn、Pn+1が行にグループ化されるといったことに、類似している。
【0190】
それから中間バッチL’iは、第2のフェージング手段222を備える、ベルト112の第3の下流セクションT3を走行する。
【0191】
第2のフェージング手段222はこの場合、第1のフェージング手段122によって予め構成された2つの中間バッチL’iをグループ化して1つのバッチLiを形成するように設計される。
【0192】
第2のフェージング手段222は、第1、第2の実施形態でそれぞれ説明された、あるいはより包括的な詳細に関して参照が行われ得る上記の特許出願FRNo.0550528に記載されているようなフェーザ22、23の一方または他方と好適には同じ少なくとも1つのフェーザを備える。
【0193】
フェーザ222はベルト112の上方に配置され、待ち行列F1、F2に関して中心に配置される。
【0194】
フェーザ222は、例えばフェーザ22のカム26、28に類似の少なくとも1つの第1のカム226と第2のカム228とをそれぞれ備える。
【0195】
第1の中間バッチL’iを形成する製品P1、P2が前に到着すると、これらの製品は有利には、フェーザ222のサーボモータの起動を同期的に制御するセンサー242といった検出手段によって検出される。
【0196】
それから第1のカム226は、上流待機位置(受動状態)から各々が減速した速度V4でサーボモータによって長手方向前方に駆動される係合位置(能動状態)に移る。
【0197】
減速速度V4は走行速度V1より遅いので、第1の中間バッチL’iを形成する第1の製品P1と第2の製品P2はフェーザ222のカム226に出会って、カムの上流横面に接触する。
【0198】
この結果、走行速度V1とカム226、228の減速速度V4との間の速度差は、上記のカム226がこれの後退位置に到達するまでベルト112上の製品P1、P2の滑動(スリップ)を引き起こす。
【0199】
それから第1の製品P1と第2の製品P2は、それぞれ第2、第1の待ち行列F2、F1に属していて、第1の待ち行列F1の製品Pn+1間の上流間隔E2に等しい間隔E’だけ、フェーザ122の下流、フェーザ222の上流で初め分離されていた次の中間バッチL’iの製品P3、P4と進行しながら一緒にされる。
【0200】
実際に、一方のバッチL’1の製品P1、P2と他方のバッチL’2の製品P3、P4 との間の間隔E’は、決められた非ゼロ値に達するようにフェーザ222の下で進行しながら減少し、製品P1、P2は有利には製品P3、P4が製品P1、P2と接触する前に解放されるであろう。
【0201】
このようにして、ここでは行と列に2つずつグループ化された4個の製品P1、P2、P3、P4を備える最終バッチL1が形成される。
【0202】
有利にはフェーザ222の下流に位置するベルト112の出口領域120において、2つのバッチLi間の下流間隔E”は中間バッチL’i間の間隔値E’の2倍に実質的に等しい。
【0203】
有利には梱包設備90は、ベルトの走行速度V1とバッチL’iまたはLiを形成するために必要とされるフェージング手段の減速した速度との間の差が大きいとき、例えば走行速度V1が必要な減速速度より2倍大きいとき、第1のフェージング手段122と第2のフェージング手段222とを連続して備える。
【0204】
変形例として、梱包設備90は第1のフェージング手段122だけを備え、ベルトの長さ、カムの位置または減速した速度V2のような第1のフェージング手段122の特徴は、第1、第2の製品P1、P2の行へのグループ化と、それから後続の製品P3、P4のグループ化とがフェーザ122の下側ストランドの下で行われるように決定される。
【0205】
梱包設備90は、コンベヤベルト112の出口領域120の下流に、横方向に動くセル146のトレイン(列)144であって、このトレインのセル146がベルト112に向かって開いている列を備えるグルーパ25を備える。
【0206】
第1のバッチL1が空のセル146の1つを満たすと、トレイン144は製品のバッチLiが例えばグルーパ25によって箱詰め機械に送られるように次のバッチL2を受けるために1セル分だけシフトされる。
【0207】
今説明された梱包設備によって示されたように実施形態の1つによるフェーザ22または23のタイプのフェーザは、応用に従って異なる機能を提供するように実現されることが可能である。
【0208】
したがって設備90の第1のセクションT1の本発明による構造におけるフェーザ22または23の機能は、1つの待ち行列の製品の少なくとも一部を偏向させてもう1つの平行な待ち行列を形成することであるので、この機能は上記2つの待ち行列を形成することであるが、これはこの設備のセクションT2またはT3においてもう1つの機能を与える。
【0209】
実際に、フェーザ22または23の機能は、例示としての梱包設備90において箱詰めされるためにグルーパによって集められるように設計された製品のバッチを形成するように、製品を横方向行に、および/または長手方向列に整列させるために少なくとも1つの決められた製品を選択的に減速することである。
【0210】
しかしながら製品のバッチを作り上げるためのフェーザの使用が単に1つの可能な例示的応用であることは理解されるべきである。
【0211】
実際に、このようなフェーザは、2つの製品が決められた間隔だけ分離されている製品の少なくとも1つの待ち行列の平衡を保たせるために設備90のタイプの設備内で実現されることも可能である。
【0212】
定義により、製品の待ち行列の「平衡を保たせる(balancing)」という用語は、この待ち行列の2つの連続する製品間の間隔が特に最小設定値より大きいか等しくなるように少なくとも1つの所定の製品を減速するためのフェーザの使用を意味すると理解されるべきである。
【0213】
梱包設備90では、互いに前後に、または互いに横に並んで分配された2つの製品間のこのような最小設定間隔値は好適には、例えばグルーパのセルの少なくとも1つが1つのノッチ(切欠き)によって偏向させられるために、また新しい空のセルがベルトに面して提示されるために必要とされる時間に対応する。
【0214】
複数のセルを有するグルーパ25が梱包設備90といった設備において実現され得る製品グループ化装置の単に1つの可能な非限定的例であることは明らかである。
【0215】
変形例としてグループ化装置は、決められた列に従って、例えば幾つかのバッチにグループ化または分配された製品を取るためにクランプ(締め具)または吸着器といったグリップ(保持)手段を自由端に備えたロボットまたはロボット化されたアームからなる。
【0216】
有利には製品は、このようなロボットによって動的に、すなわちコンベヤベルトを停止したり減速したりせずに取られ、またこの取ることはベルトの出口領域で実行される。
【0217】
有利にはこのようなロボット化されたグループ化装置は、製品または製品のバッチを箱詰めするための動作を直接取り扱うことができる。
【0218】
図8の変形実施形態(図示せず)によれば、ベルト112の第2のセクションT2は、それぞれ待ち行列F1、F2の各々と長手方向に整列させられた第1、第2のベルトである互いに平行な2つのベルトからなる。
【0219】
フェーザ96によって偏向させられなかった待ち行列Fの製品Pは上流から下流に移動を続行し、また第1の待ち行列F1を形成するこれらの製品Pn+1はセクションT1およびT3のベルト112の走行速度に等しい走行速度V1で駆動される第1のベルトによって搬送される。
【0220】
製品Pnの第2の待ち行列F2を形成するためにフェーザ96によって偏向させられた待ち行列Fの製品Pは、他方では第1のセクションT1と第3のセクションT3との間を第2のベルトによって搬送される。
【0221】
この変形例によれば、速度に関するこの第2のベルトの走行速度V’1のための適当な値の選択は、間隔Eの値、すなわち第2の待ち行列F2の製品Pnと第1の待ち行列F1の製品Pn+1との間の間隔の値を変えることを可能にする。
【0222】
したがって、間隔E1が決定されていて一定である製品Pの最初の流れから、第2の待ち行列F2の製品Pnが第1の待ち行列F1の製品Pn+1と横方向に並んで整列させられるゼロ値にまで間隔値Eを減らすことは、第1のベルトの駆動速度V1より遅い第2のベルトの駆動速度V’1によって可能である。
【0223】
有利には、図8の設備のタイプの梱包設備90におけるこのような変形実施形態の実現は、第1のフェーザ122を除去して、中間バッチL’iを形成するために互いに横に並んだ1つの同じ行上の待ち行列F1、F2の製品Pn、Pn+1のためのグループ化機能を同じ仕方で扱うことを可能にする。
【0224】
図9は、第1の実施形態によるフェーザ22または第2の実施形態によるフェーザ23からなり得る分配装置16を備える本発明の第2の例示的応用による構造10’を略図的に示す。
【0225】
この第2の例示的応用は、図1〜6に表された第1の例示的応用との比較によって以下に説明されるであろう。
【0226】
本発明によれば構造10’は、分配装置16が、入口領域18と出口領域20との間に分配されて、ベルト12に関して斜めに、あるいは長手方向に関して角度θの前向き傾斜をもって位置決めされたフェーザ22、23からなることを特徴とする。
【0227】
フェーザ22、23は、偏向速度V2で駆動され、また第1の待ち行列F1の少なくとも1つの製品Pnと選択的に接触するために、決められた分配列に従って制御される少なくとも1つのカム26’を備える。
【0228】
第2の例示的応用によればカム26’は、初期位置Aからこの初期位置Aに関して横方向にずらされた決められた最終位置Bに製品Pnを横に偏向させることができる。
【0229】
構造10’ではフェーザ22、23は、この場合第1の待ち行列F1に直交する製品Pnの第2の待ち行列F2を形成するために第1の待ち行列F1から製品を偏向させるように設計される。
【0230】
有利には被偏向製品Pnの第2の待ち行列F2は、ベルト12の出口領域20に直交するように分配された、走行速度V’1で図9の下から上へ横方向に駆動されるもう1つのベルト46上に形成される。
【0231】
変形例としてベルト46は、製品が再方向付けされるべき方向によって決定される90°とは異なる角度で分配される。
【0232】
決められた分配列はこの第2の例では、他のコンベヤベルト46の上面で移動させられるように第1の待ち行列F1のすべての製品Pnが横方向に偏向させられる復帰応用(return application)と呼ばれる応用に対応する。
【0233】
変形例として検査装置によって不適合であると前に識別された製品といった製品Pnの少なくとも一部は、例えばベルト12の出口領域20の端部に分配された回収手段(図示せず)に選択的に除去されるように、フェーザ22、23によって他のベルト26に偏向させられない。
【0234】
図9は、すべての製品Pnが第1の待ち行列F1から第1の待ち行列F1に直交する第2の待ち行列F2に90°で偏向させられる分配列をより詳細に表す。
【0235】
有利には、被偏向製品Pnの方位の変更はここでは、ベルト12の第1の待ち行列F1からベルト46の第2の待ち行列F2への製品Pnの偏向と同時に実行される。
【0236】
図9に示された例では、ベルト12の走行速度V1と他方のベルト46の走行速度V’1は好適には等しく、またこの速度を保持するために角度θは45°の値を有する。
【0237】
したがって好適にはベルト30、50,52はカム26’の長手方向駆動速度VLが走行速度V1に等しいように決められた偏向速度V2で駆動される。
【0238】
その結果、被偏向製品Pnは如何なる減速も受けず、このような構造10’で高速度を達成することを可能にする一定速度を常に維持する。
【0239】
角度θの値は好適には、0と90°との間にあり、例えば30°、45°または60°に等しい。
【0240】
有利には走行速度V’1の値は、第2の待ち行列F2の被偏向製品Pn間の間隔を変えることを可能にし、したがってもし走行速度V’1がより大きければ製品間の間隔E2は増加するであろうが、もし走行速度V’1がより小さければ間隔E2は減少するであろう。
【0241】
このようにしてベルト46の走行速度V’1の値は、第2の待ち行列F2の被偏向製品Pn間の間隔を調整することを可能にする。
【0242】
図9は、好適にはセンサー44の媒介によって制御されるサーボモータによって駆動されるベルト30上で互いに反対に分配された第1のカム26’と第2のカム28’とを備えるフェーザ22を示す。
【0243】
フェーザ22の動作は、第1の例示的応用に関して前に説明された動作に類似しており、以下では詳細に説明されない。
【0244】
変形例実施形態(図示せず)によれば、図9の構造10’はコンベヤベルト12に平行に分配されたもう1つのベルト46を備える。
【0245】
好適には第2のベルト46は、これの入口領域がベルト12の出口領域に面して横方向に延びるように、すなわちベルト12の出口領域と並んで平行に延びるように配置される。
【0246】
変形例として第2のベルト46の入口領域は、ベルト12の出口領域の端部に、すなわち長手方向から後者の延長部に向かい合うように配置される。
【0247】
このようにしてベルト46の駆動速度V’1の適当な値の選択は、製品Pn間の間隔の値に、すなわち製品Pnと直ぐ上流に位置する製品Pn−1との間の間隔のフェーザ22による偏向の後の最終値に影響を及ぼすことを可能にする。
【0248】
この変形例によれば、ベルト46の第2の待ち行列F2へのベルト12の第1の待ち行列F1の製品Pnの偏向は、この仕方で偏向させられた製品Pnの方位の変更なしに実行される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速度コンベヤベルト上の製品の分配のための構造に関する。
【0002】
本発明はより具体的には、製品が決められたいわゆる走行速度で上流の入口領域から下流の出口領域に長手方向に走行するコンベヤベルト上で搬送されて、また製品が2つの連続する製品間の決められた上流間隔で第1の待ち行列と呼ばれる少なくとも1つの長手方向の待ち行列を入口領域に形成する、製品の分配のための構造であって、製品の経路上で入口領域と出口領域との間に配置されて、決められた分配列に従って製品の少なくとも一部を偏向させるように設計されたフェーザ(同期装置:phaser)で、ある偏向速度で駆動され、製品の少なくとも1つの第2の待ち行列を形成するために上記の製品を初期位置からこの初期位置に関して横方向にずらされて決められた最終位置に横に偏向させるように第1の待ち行列の少なくとも1つの製品に接触することができる少なくとも1つのカムを備えるフェーザ(phaser)からなる偏向器と呼ばれる少なくとも1つの分配装置を備える、製品の分配のための構造に関する。
【背景技術】
【0003】
このタイプの構造は特に、製品梱包設備で、例えば木箱または梱包ボックスに製品のバッチ(集合体)を積む箱詰め機械に製品を送るように設計されたコンベヤラインを備える設備で使用される。
【0004】
コンベヤラインは一般に、一連の移動する搬送セルを備える「グルーパ(grouper)」とも呼ばれる製品グループ化装置に2つの連続する製品間の決められた間隔で製品を搬送するコンベヤベルトを箱詰め機械の上流に備える。
【0005】
グルーパは、1バッチを形成するためにセル内に積まれた決められた数の製品を受け入れるように設計された空のセルをベルトに面して提示する。
【0006】
セル内に1バッチが形成されると、このセルはベルトに面して新しい空のセルをグルーパが提示することを可能にするために1ノッチ(1切欠き)だけ動かされる。
【0007】
こうしてセルは、1ノッチずつ前進的にずらされ、これが製品のバッチを箱詰め機械に送ることを可能にする。
【0008】
セルの充填を容易にして高速化するために、「フェーザ(phaser)」とも呼ばれるフェージング(同期:phasing)装置によってグルーパの上流に製品のバッチを形成することが公知である。
【0009】
この構造は通常、製品の第2の平行待ち行列を形成することによって特に分割待ち行列を生成するために製品を偏向させるように設計された「偏向器」(deflector)とも呼ばれる分配装置をフェーザの上流に備える。
【0010】
従来技術から、ニードル(針)タイプ(needle type)または引出しタイプ(drawer type)の偏向器といった多数の分配構造が公知である。
【0011】
ニードル偏向器は、ニードルの両端のうちの一方において垂直軸の周りに旋回するように取り付けられた偏向要素であって、ニードルが少なくとも1つの製品を第1の待ち行列に偏向させる第1の位置とードルが少なくとも1つの製品を第2の待ち行列に偏向させる第2の位置という少なくとも2つの両極端位置の間で旋回する「ニードル」と呼ばれる偏向要素を備える。
【0012】
製品がコンベヤベルト上に到着して2つの連続する製品間の決められた上流間隔で長手方向の待ち行列に分配されると、偏向器のニードルは、これの位置に依存して、最初の長手方向待ち行列に関して製品を横方向にずらすために1つ以上の製品を横方向に偏向させるであろう。
【0013】
分配列が2つの製品のうちの1つの製品を偏向させるための交互のサイクル、すなわち1つの製品を第1の待ち行列へ、次の製品を第2の待ち行列へという交互のサイクルに対応する応用の場合には、一定である間隔の値が最小設定値に対応する決められた上流間隔を製品が製品間で提示するように製品の自動処理を可能にすることが、引出し偏向器と同様にニードル偏向器にとって必要である。
【0014】
上流間隔の最小設定値は、偏向器に従って、例えば一方では製品の長手走行方位のニードルまたは引出しの長さを、他方では製品の走行速度に依存し、また偏向器の各々が1つの位置からもう1つの位置に移るために必要とされる切換え時間に対応する経路長を加えることによって決定される。
【0015】
このような偏向器は、分配される、または偏向させられるべき製品の待ち行列を選択的に処理することができない。すなわちこのような偏向器は、製品が最小設定値より大きいか、この値に等しい一定値の決められた上流間隔を製品間に提示しなければ製品を処理することができない。
【0016】
現在では、特にコンベヤベルトの、または不良品を検出して除去するための他の構造の使用のために、製品が上流間隔値に関する偏差を提示することは、製品梱包設備においては普通のことである。
【0017】
例えば製品の重量の不適合のために不良品を検出して除去するためのこのような装置は、除去された製品の不在のせいで待ち行列に「孔」を生じさせる。
【0018】
その結果、不良品を検出して除去するためのこのような装置を備える設備は一般に、製品間に均一な間隔を持った製品を偏向器に供給するためのタイミングベルトといった他の特定の手段の実現を必要とする。
【0019】
更に引出し偏向器と同様にニードル偏向器は、これらの設計と動作のせいで、非常に高い速度、例えば毎分900個以上の製品という速度で製品を処理することができない。
【0020】
また文書DE−A1−31.16991または文書EP−A1−0.395.178における製品分配のための構造において説明され描写された装置といった一般にパドル(へら)偏向器(paddle deflectors)と呼ばれる分配装置が、従来技術から公知である。
【0021】
これらの文書の各々はまた、このようなパドル偏向器の例示的応用を説明しており、より具体的には、文書DE−A1−31.16991は待ち行列分割の場合を説明しているが、文書EP−A1−0.395.178は90°製品偏向の場合を説明している。
【0022】
しかしながらこれらの文書で説明された分配装置はまた、分配されるべき、または偏向させられるべき製品の待ち行列を選択的に処理できない。すなわち製品が最小設定値より大きいか、この値に等しい一定値の決められた上流間隔を製品間に提示しなければ製品を処理することができない。
【0023】
その結果、このようなパドル偏向器の使用は、上流における、製品間に均一な間隔を有する製品を偏向器に供給するための他の特定の手段の実現を必要とする。
【発明の概要】
【0024】
本発明は特に、必ずしも均一に間隔で分配されていない製品を高速度で偏向させることを特に可能にする単純で費用効果の高い有効なソリューションを提案することによってこれらの欠点を改善することを目標とする。
【0025】
この目的のために本発明は、フェーザが平行に配置されて独立に駆動される第1、第2の類似のベルトを備えることと、前に偏向させられた下流の製品が第2の待ち行列におけるこの製品の最終位置に到着する前に製品の偏向が始まるように各ベルトが他のベルトの能動状態の終了前に能動動作状態に制御されることと、を特徴とする前述のタイプの構造を提案する。
【0026】
本発明の他の特徴によれば:
−フェーザは、少なくとも:
・カムが第1の待ち行列から製品を横方位に偏向させるために初期位置を占める上記製品に横から接触する第1の係合位置と、
・上記被偏向製品が第2の待ち行列における最終位置を占め、この被偏向製品が動きを続けることを可能にするためにカムが動かなくされる第2の係合位置と、をカムが占めるために上記の分配列に従って選択的に制御され;
−フェーザの各駆動ベルトは少なくとも1つのカムを支持し、またベルトの上面に並んで配置され、各ベルトは、ベルトの下側ストランド(strand)がベルトの上面に実質的に平行に延びるように少なくとも2つのプーリに巻き付けられ、カムは下側ストランド上に位置するときに第1、第2の係合位置を占め、フェーザはプーリを決められた偏向速度で回転駆動するための手段を備え;
−フェーザは、コンベヤベルト上の製品の長手走行方位との間で0°と90°との間の決められた角度を形成するように前方に傾斜したベルトに平行な主軸を備える;
−カムは、偏向させられるべき製品に接触するように設計されて、コンベヤベルト上の第1の待ち行列の製品の長手走行方向と平行に延びる横偏向面を垂直に提示するようにベルト上で位置決めされ;
−カムは、このカムの第2の係合位置から少なくとも1つの後退待機位置に制御され、第2の待ち行列におけるカムの最終位置に到達したときに被偏向製品はカムの横偏向面にもはや横から接触しておらず;
−ベルトは、このベルトが止められて、各カムが第2の係合位置または後退待機位置を占める受動動作状態と、カムが後退待機位置から第2の係合位置に、または第2の係合位置から後退待機位置に概ね横方位に動かされるようにベルトがプーリの周りに回転駆動される能動動作状態と、を備え;
−ベルトは、フェーザの上流に位置決めされた検出手段であって、製品を第2の待ち行列に偏向させるために決められた分配列に従って使用され得る製品に関する検出信号を供給できるセンサーといった検出手段の媒介によってこのベルトの能動状態に制御され;
−2つのベルトのカムの交差を防止するために2つのベルトが受動状態にあるとき第1のベルトのカムの後退位置は第2のベルトのカムの後退位置に関してずらされ、また各ベルトに関して一時に1つのカムだけが第1の係合位置を占めることができるようにベルトに沿って等間隔で配置された少なくとも2つの類似のカムを各ベルトが保持し;
−被偏向製品を備える第2の待ち行列は第1の待ち行列に平行であり;
−係合位置においてベルトは、カムの長手方向駆動速度が走行速度に等しいように決められた偏向速度で駆動され;
−被偏向製品を備える第2の待ち行列は、第1の待ち行列に直交する。
【0027】
本発明の他の特徴と利点は、本発明の理解のために下記の付属図面への参照が行われ得る下記の詳細説明を読むことによって明らかになるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態によるフェーザを備える構造を略図的に表し、被偏向製品の第2の待ち行列が第1の待ち行列に平行である第1の例示的応用を示す斜視図である。
【図1A】後退待機位置と第1の係合位置との間の第1のカムを詳細に表す側面図である。
【図2】製品の初期位置Aとフェーザの能動動作状態とに対応するカムの第1の係合位置を表す、図1に類似の斜視図である。
【図3】製品の最終位置Bに対応するカムの第2の係合位置を表す斜視図である。
【図4】被偏向製品が解放されることを可能にするためにフェーザの受動動作状態に対応する第2の係合位置に一時的に止められたカムを表す斜視図である。
【図5】フェーザの受動動作状態に対応する後退待機位置における第2のカムを示す、図1と同等の斜視図である。
【図5A】第2の係合位置と後退復帰位置との間の第1のカムを詳細に表す側面図である。
【図6】図1〜5による構造を表し、2つ製品のうちの1つの製品を分配するための例示的なずらした配列を示す上面図である。
【図7】第1、第2の平行なベルトを装備したフェーザの第2の実施形態を略図的に表す斜視図である。
【図8】製品梱包設備において本発明による分配装置を備える構造の好適な例示的実現形態を表す上面図である。
【図9】第1または第2の実施形態によるフェーザを備える構造を略図的に表し、被偏向製品の第2の待ち行列が第1の待ち行列に直交する第2の例示的応用を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の説明のために、図に示されるL、V、Tマーカーによる長手方向、垂直方向および横方向の方向は、非限定的に採用される。
【0030】
下記の説明では相等しい、同様の、または類似の要素は同じ参照数字によって指定されるであろう。
【0031】
図1は、製品Pnの分配のための構造10を略図的に表す。
【0032】
構造10は、斜視図1において左から右への方向に概ね対応する上流から下流に方向付けされた長手方向に走行するコンベヤベルト12を備える。
【0033】
構造10は、コンベヤベルト12に製品Pnを供給するように設計された、ベルトといった供給装置14と、偏向器と呼ばれる分配装置16と、を備える。
【0034】
ベルト12は、ベルト12が上流に位置する入口領域18から下流に位置する出口領域20に製品を送るように、実質的に一定の走行速度V1で駆動される。
【0035】
入口領域18において製品Pnは、2つの連続する製品Pnが決められた上流間隔E1だけ分離されている、製品Pnの第1の待ち行列F1と呼ばれる長手方向の待ち行列を形成する。
【0036】
好適には、2つの連続する製品間の上流間隔E1は、決められた最小設定値より大きいか、この値に等しい。
【0037】
今後、本説明では「間隔」は定義により、所定の待ち行列の第1の製品の下流端と、1つの同じ待ち行列上の、または特に第1の製品の待ち行列に平行なもう1つの待ち行列の上の直ぐ上流に位置する第2の製品の下流端との間の長手方向距離に対応する。
【0038】
その結果、図1に見られるように間隔E1は、製品Pnの下流垂直面とこの製品のすぐ後に続く上流製品Pn+1の下流垂直面との間の距離に対応する。
【0039】
分配装置16は、決められた分配列に従って製品Pnの全部または一部を偏向させるために製品Pnの経路上で入口領域18と出口領域20との間に分配される。
【0040】
図1〜6に表された第1の例示的応用では分配列はこの場合、図6の上面図に見られるように、2つ製品のうちの1つの製品Pnの交互分配によるずらして配列した分配である。
【0041】
分配が変形例として、n=3、n=4などの「n」個の製品のうちの1つの製品であり得るように、図示の分配列が純粋に非限定的例として与えられることは明らかである。
【0042】
更に本発明はまた、分配装置が1バッチといった1セット数個の製品を偏向させることができるように、単一要素としての1製品の偏向に限定されない。
【0043】
好適には分配装置16は、第1の待ち行列F1に平行な第2の長手方向待ち行列F2を形成するために第1の待ち行列F1から2つ製品のうち1つの製品Pnを横方位に偏向させるように選択的に制御される少なくとも1つのフェーザ22または23(図7を参照のこと)からなる。
【0044】
フェーザ22は、製品Pnが走行する水平な上面24の上方で入口領域18と出口領域20との間に配置される。
【0045】
フェーザ22は、偏向速度V2で駆動されるカム26であって、製品Pnの少なくとも1つの第2の待ち行列F2を形成するために、初期位置Aから初期位置Aに関して横方向にずらされた決められた最終位置Bに上記製品Pnを横に偏向させるように第1の待ち行列F1の少なくとも1つの製品Pnに選択的に接触するために上記分配列に従って制御される少なくとも1つのカム26を備える。
【0046】
本発明による分配装置16を形成するフェーザ22の第1の実施形態は、図1〜6に示された第1の例示的応用に表されている。
【0047】
この第1の実施形態によればフェーザ22は、ベルト12の上面24に平行して配置され、少なくとも1つのカム26を移動させるように駆動できるベルト30を備える。
【0048】
好適にはフェーザ22のベルト30はここで、第1のカム26と第2のカム28とを備える。変形例としてフェーザ22は、ベルト30上に3以上のカムを備える。
【0049】
ベルト30は、ベルト30の最も長い長さの方向に従って実質的に反対である位置に配置された第1のカム26と第2のカム28とをこのベルトの外面32上に保持する。
【0050】
第1のカム26と第2のカム28はこの場合、類似しており、例えば平行六面体プレートの形をした要素からなる。
【0051】
カム26、28を製造するために使用される形状と材料は、処理される製品Pnのタイプに従って著しく変わり得ることは明らかである。
【0052】
変形例としてこれらのカムは、概ね水平な平面による断面図で、製品が第2の待ち行列F2の方向に解放されることを可能にするように前方に決められた傾斜をもってベルト30上に配置された「V」、「U」または「L」字形を示す。
【0053】
ベルト30は、それぞれ第1の回転軸A1と第2の回転軸A2の周りに回転駆動され得る上流プーリと呼ばれる第1のプーリ34と下流プーリと呼ばれる第2のプーリ36とに巻かれる。
【0054】
フェーザ22は、ベルト30の下側ストランド38に平行であって、プーリ34、36の軸A1、A2に直交する主軸Xを備える。
【0055】
本発明の第1の重要な特徴によれば主軸Xは、コンベヤベルト12上の製品Pnの長手走行方向に関して決められた角度θを形成するように前方に傾斜している。
【0056】
有利には角度θの値は、0°90°との間にあり、好適には30°、45°または60°に等しい。
【0057】
ベルト30の下側ストランド38は、カム26、28と製品Pnとに従って決められる高さでベルト12の上面24に実質的に平行に延びる。
【0058】
フェーザ22は、決められた偏向速度V2でプーリ34、36を回転駆動できるサーボモータ40といった駆動手段を備える。
【0059】
本発明の第2の重要な特徴によればベルト30は、カム26、28の長手方向駆動速度VLが製品Pnの走行速度V1に等しいように決定される偏向速度V2で駆動される。
【0060】
好適には長手方向速度VLは、角度θの値が90°に等しいときにはゼロである。
【0061】
したがってフェーザ22によって偏向させられる製品Pnは、分配動作中に止められたり減速されたりすることはなく、このことは、偏向させられる、または偏向させられない各製品Pnに関して走行速度V1を維持することを可能にし、それによって第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2との間の所望の分配列に従って高速分配を得ることを可能にする。
【0062】
好適にはカム26、28は、これらのカムが下側ストランド38上に位置するときに、コンベヤベルト12上の製品Pnの長手走行方向に平行に延びる横偏向面42を各々垂直に提示するようにベルト30上に位置決めされる。
【0063】
したがってカム26、28は、ベルト12に関するフェーザ22の主軸Xの傾斜の値、あるいは角度θの値に対応するベルト30に関する傾斜を示す。変形例としてカム26、28は長手方向とは異なる横偏向面42の方向を示す。
【0064】
カム26、28の横偏向面42は、好適には主として横方向の偏向力と呼ばれる推力を製品に作用させるために偏向させられるべき製品Pnに横から接触するように設計される。
【0065】
フェーザ22のカム26、28は少なくとも1つの第1の係合位置と第2の係合位置との間で選択的に制御される。
【0066】
フェーザ22は、ベルト30がカム26、28を移動するように駆動する能動動作状態とベルト30とカム26、28とがもはや駆動されない受動動作状態とをそれぞれ備える。
【0067】
有利にはベルト30は、フェーザ22の上流に位置決めされてベルト12上の製品Pnの到着を検出できるセンサーおよび/またはコーダといった検出手段44によって放射される信号に従ってベルトの能動状態または受動状態に選択的に制御される。
【0068】
センサー44は、例えばベルト12のエッジに配置された電気的セルであって、決められた分配列に従って製品の検出が適当な瞬間にサーボモータ40の起動をトリガー(誘発)するようにサーボモータ40に電気的に接続された電気的セルを備える。
【0069】
本発明による構造10がセンサー44によって放射された製品Pnに関する検出信号から、ベルト12が走行した距離を正確に測定するコーダ(図示せず)を装備し得ることは留意されるであろう。
【0070】
コーダによりセンサー44によって検出された製品Pnのフェーザ22に関する長手方向位置は正確に知られ、このことはサーボモータが適切な瞬間にトリガーされることを保証する。
【0071】
2つの長手方向に整列した連続する製品間の上流間隔E1の値は、特にカムの数、ベルト30の長さ、または中心間距離A1−A2などといったフェーザ22の特性に依存する最小設定値より大きいか、この値に等しくなるように決められる。
【0072】
有利には、フェーザ22は検出信号に従って選択的に制御されるので、フェーザ22は必ずしも一定あるいは均一でない上流間隔E1を有する製品を備える待ち行列を処理することができる。
【0073】
この特徴は特に、高速度における本発明による構造10の信頼性の高い動作を可能にするために有用である。
【0074】
さて次に、特に図1〜6に表された第1の例示的応用の場合の第1の実施形態によるフェーザ22の動作についての説明が行われる。
【0075】
図1でフェーザ22のベルト30は最初、第1のカム26は待機位置と呼ばれる第1の後退位置にあって、第2のカム28は復帰位置と呼ばれる第2の後退位置にあって、ベルトは止まっている受動動作状態にある。
【0076】
変形例として、第1のカム26が第1の後退待機位置にあるとき、第2のカム28は、第2の後退復帰位置が特に速度に従って使用される、あるいは使用されない任意選択的中間位置を構成するように、第2の係合位置にある。
【0077】
図1に見られるように製品Pnは、走行速度V1でベルト12の上面24上を走行し、また互いに前後に位置する2つの連続した製品Pn間の決められた上流間隔E1をもって製品Pnの第1の待ち行列F1内に長手方向に整列させられる。
【0078】
センサー44は、第1の製品P1の到着を検出し、その結果、対応する検出信号であってフェーザ22のベルト30が受動状態から能動状態に移るためにサーボモータ40の起動を誘発する検出信号を放射する。
【0079】
ベルト30の状態の変化は、図2に表されているように後退待機位置から第1の係合位置に移る第1のカム26の駆動を誘発する。
【0080】
有利には、ベルト30が受動状態から能動状態に移るとき、サーボモータ40の起動は、ベルトがゼロ速度から偏向速度V2に移ることを可能にする前加速段階ph1を備える。
【0081】
好適には後退待機位置は、第1のカム26がこのカムの第1の係合位置に到着する前に第1のカム26が加速段階ph1の終了時に中間係合位置に到着するように選択される。
【0082】
理解の助けとして図1Aは、異なる段階と、回転軸A1のプーリ34の周りの第1のカム26の対応する位置とを示すフェーザ22の側面図を表す。
【0083】
図1Aで第1のカム26の後退待機位置は太い線で表され、中間係合位置は細い破線で表され、第1の係合位置は太い破線で表されている。
【0084】
中間係合位置と第1の係合位置との間の第1のカム26の移動段階は、係合段階ph2と呼ばれる。
【0085】
サーボモータ40のトリガーの瞬間は、センサー44によって放射された信号に合わせられるので、これに同期して第1のカム26は第1の係合位置から少なくとも1つの製品、この場合は第1の製品P1に横から接触する。
【0086】
このようにして第1のカム26が第1の係合位置を占めると、同時に第1の製品P1は、第1の長手方向待ち行列F1から第1のカム26によって横方向に偏向させられるように製品P1の初期位置Aを占める。
【0087】
ベルト30は、第1のカム26が走行速度V1に等しい長手方向速度VLで被偏向製品P1と共に概ね横に移動させられるように決められた偏向速度V2でプーリ34、36の周りを回転するようにサーボモータ40によって駆動される。
【0088】
有利には、カム26によって偏向させられた第1の製品P1は、一定の移動速度と他の製品Pnに関して等しいベルト12上の相対位置とを保持する。
【0089】
図2と図3との比較によって分かるように、第1のカム26は、第1の係合位置から、第1の製品P1が第2の待ち行列F2内のこの製品の最終位置Bを同時に占めるときに到達される第2の係合位置に移動させられる。
【0090】
図6に示されるように被偏向製品P1は、この製品の初期位置Aから第2の待ち行列内の最終位置Bまで実質的に直線的な斜めの経路を走行する。
【0091】
上流に位置する第2の製品P2は、センサー44によって検出されるが、分配列に従って偏向させられることなく第1の待ち行列においてこの製品の長手方向移動を続行する。
【0092】
第1の被偏向製品P1が走行した距離は、第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2との間の横断距離または分離距離「e」を決定する。
【0093】
第1の製品P1は、第1のカム26が相互的にこのカムの第2の係合位置に到達したときに製品P1の最終位置Bに到達する。
【0094】
有利には第1のカム26が第2の係合位置に到達するとベルト30は、一時的に駆動されるのを止めて、被偏向製品P1が第1の待ち行列F1に平行な第2の待ち行列F2において長手方向の移動を続けることを可能にするように受動状態に移る。
【0095】
図示されない変形例として構造10は、特に被偏向製品Pnが最終位置Bを離れるときに被偏向製品Pnを位置決めして長手方向にガイドするように上面24の上方でベルト12のサイドに横向きに配置されたスライダまたはレールといった案内手段を備える。
【0096】
各被偏向製品Pnの最終位置Bと第1の待ち行列F1に関する第2の待ち行列F2の位置は、応用ごとに修正可能であって、フェーザ22の主要なパラメータに従って、特に中心間距離A1−A2とカム26、28の位置とに概ね対応するベルト30の長さに従って決定される。
【0097】
第1の例示的応用では第1の待ち行列F1と第2の待ち行列F2は、図6に表された決められる分離距離「e」だけ互いに横方向に分離される。
【0098】
有利にはベルト30は、被偏向製品P1がカム26の横偏向面42にもはや横から接触しないために必要とされる時間に対応する決められた持続時間の間、一時的に駆動されるのを止める(受動状態)。
【0099】
好適にはそれからベルト30は、再びこのベルトの能動状態に制御され、第2の係合位置から復帰位置と呼ばれる他の後退位置に第1のカム26を移動させるためにサーボモータ40によって駆動される。
【0100】
変形例としてベルト30は、再びこのベルトの能動状態に制御され、第2の係合位置から直接、後退待機位置または第1の係合位置に第1のカム26を移動させるためにサーボモータ40によって駆動される。
【0101】
デフォルトにより(省略設定により)第1のカム26の第2の係合位置から後退復帰位置への第1のカム26の切換えは、好適には後退待機位置と第1の係合位置との間での前述の係合切換えに類似の仕方で達成される。
【0102】
第1のカム26の切換えは引き続いて、カム26が好適にはこのカムの第2の係合位置から中間解放位置に移動させられるように加速度を受ける解放段階ph3を備える。
【0103】
それから、この中間解放位置から第2のカム28が図1において最初に位置していたのに類似しているカム26の後退復帰位置にカム26が移動させられるいわゆる減速段階ph4が行われる。
【0104】
ベルトの下側ストランド38上の第1のカム26のこれの後退待機位置(図1)からこれの後退復帰位置(図5)への移動中に、第2のカム28は同時に、上部ストランド上で反対方向にこのカムの後退復帰位置(図1)から後退待機位置(図5)に移動させられる。
【0105】
第2のカム28が後退待機位置に到達するとフェーザ22は、決められた分配列に従って第1の待ち行列F1内の製品Pnまたはこの場合は第3の製品P3を直ぐに偏向させることができる。
【0106】
第3の製品P3がセンサー44の前を通ると、サーボモータ40の回転駆動を制御するために検出信号が再び送信される。
【0107】
前述のように第1のカム26に関してベルト30は、センサー44によって制御されるサーボモータ40によって駆動され、したがって第2のカム28は第3の製品P3が初期位置Aに到達したときに同期して第1の係合位置に到達するように移動させられる。
【0108】
図6に示されるように、それから第2のカム28は、第1のカム26に関して今説明されたサイクルと同じサイクルに従って、また前のサイクルのときに第1のカム26によって偏向させられた第1の製品P1を既に備えている第2の待ち行列F2に第1の待ち行列F1の第3の製品P3を偏向させるために、係合位置と後退位置との間を引き続き移動させられる。
【0109】
フェーザ22からの出口において第2の待ち行列F2の第1の被偏向製品P1と第3の被偏向製品P3との間の下流間隔E’2の値と、第1の待ち行列F1の未偏向の第2の製品P2と未偏向の第4の製品P4との間の下流間隔E2の値は、この場合等しい。
【0110】
したがって理解されるように、第1、第2の待ち行列F1、F2の製品間の等距離は、この第1の例示的応用のために選択された特定の分配列と決められた偏向速度V2とによるものである。
【0111】
第1、第2の待ち行列F1、F2は、互いに位相シフトされており、待ち行列F1、F2の各々にそれぞれ属する2つの連続する製品間の下流間隔Eは、この場合、長手方向において上流間隔E1に等しい。
【0112】
図7は、フェーザの第2の実施形態を示し、改良されたフェーザ23は、第1の例示的応用に関して前に説明された構造のタイプの本発明による構造10において実現されることが明らかに可能である。
【0113】
今後、第1の実施形態との比較によってフェーザの第2の実施形態だけが説明されるであろう。
【0114】
改良フェーザ23は主として、これが平行に配置された2つの類似のベルト50、52備えていることと、各ベルト50、52が関連下側ストランド38の上方に、および関連上流プーリ34と下流プーリ36との上方に配置された第3のプーリの周りに巻かれていることとによって、後者(第1の実施形態のフェーザ)から区別される。
【0115】
第1のベルト50と第2のベルト52は、フェーザ23の主軸Xを含む垂直平面に関して実質的に対称に並んで配置される。
【0116】
フェーザ23の軸Xは、フェーザ23が製品Pnの第1の待ち行列F1に関して下流に斜めに位置決めされるように、ベルト12の長手方向に関して角度θだけ斜めになっている。
【0117】
有利には第1のベルト50と第2のベルト52は、第1のサーボモータ56と第2のサーボモータ58とによってそれぞれ独立に駆動される。
【0118】
ここで各ベルト50、52は、ベルト50、52に沿って等間隔に分配されていて、第1の実施形態のカム26、28に類似する第1のカム60、第2のカムおよび第3のカム(図7では見えない)を備える。
【0119】
カムの数は異なり得ること、重要な点は製品Pnがセンサー44によって検出されたとき常にカムは上流待機位置にあること、および係合位置に同時に2つのカムは存在しないことが留意されるであろう。
【0120】
ここでこれらのカムは、第1の実施形態を参照しながら説明された位置に関して更なる待機位置を備える。
【0121】
例えば第1のベルト50を考えると、第1のカム60がこれの後退待機位置を占めて第2のカムがこれの後退復帰位置を占めるとき、第3のカムは第3のプーリ54の近傍の後退待機位置と後退復帰位置との間の途中に位置する後退中間位置を占める。
【0122】
このように第2のベルト52の第1のカム60は、第1のベルト50の第1のカム60の後退待機位置に関して上流プーリ34の数度の回転角だけずれた後退待機位置を占める。
【0123】
同様に第2のベルト52の他の2つのカムは第1のベルト50の対応するカムに関してずらされている。
【0124】
好都合にもベルト50、52の各ベルトのカム間の如何なる交差の危険もこのようにして回避される。
【0125】
変形例としてベルト50、52のカムは数度の回転角のずれなしで分配され、各ベルト50、52は選択的に制御される。
【0126】
この変形例によればフェーザ23は、サーボモータ56、58の一方および/または他方を作動させるように製品の検出に従って互いに独立に動作する前述のフェーザ22に類似した2つのフェーザを備えるフェージング(同期)装置と同様の仕方で動作する。
【0127】
フェーザ22の動作に類似しているが、より高速度で製品Pnの流れを処理することを有利に可能にするフェーザ23の第2の実施形態の動作の原理が以下に説明される。
【0128】
実際に第2のベルト52の存在は、第1の製品P1が第1のベルト50のカムの1つによって最終位置Bにおいて解放される前にもう1つの製品Pnを偏向させ始めることを可能にする。
【0129】
図7においてフェーザ23は受動状態で表されており、カム60は前述の後退待機位置を占めている。
【0130】
フェーザ23が第1の製品P1を検出すると、センサー44によって放射された検出信号は受動状態から能動状態へのフェーザ23の第1のベルト50の移行を誘発する。
【0131】
第1のサーボモータ56は、第1のベルト50の第1のカム60がこれの後退待機位置から、検出されるべき製品P1にこのカムが接触する第1の係合位置に移るように起動され、それによってこのカムは第2の係合位置に到達するまで移動を続ける。
【0132】
第1のサーボモータ56が起動された直後に、またはそれと同時に第2のサーボモータ58も起動され、第2のベルトの第1のカム60がこれの後退待機位置を占めるまで起動される。
【0133】
第2のベルト52の第1のカム60が後退待機位置に到達すると直ちに、第2のサーボモータ58は第3の製品P3の到着まで停止するが、第1のベルト50は例えばまだ駆動されている。
【0134】
第1の製品P1の直ぐ上流に位置する第2の製品P2は、2つの製品のうちの1つの製品のずらして配列した分配列に従って、偏向させられずに第1の待ち行列F1において長手方向の移動を続ける。
【0135】
第1のカム60が第1のベルト50から後退する直前に、センサー44は第3の製品P3の到着を検出して第2のサーボモータ58の起動を誘発し、第2のベルト52は受動状態から能動状態に移る。
【0136】
それから第2のベルト52の第1のカム60は、第3の製品P3を横方向に偏向させるために第3の製品がこれの初期位置Aに来ると同時に第1の係合位置を占める。
【0137】
その結果、フェーザ23は、第1の待ち行列F1に平行であって、上記分配列に従ってこれらのベルトのうちの一方50または他方52のカムによって偏向させられる製品Pnからなる第2の待ち行列F2を形成する。
【0138】
第1の製品P1がこれの最終位置Bに到着すると、第1のベルト50の第1のカム60は後退してこれの後退復帰位置を占めるが、関連する第3のカムはこれの後退待機位置を占め、第1のサーボモータ56は停止する。
【0139】
第1のベルト50がこれの3つのカムの1つの後退待機位置への位置決めによって特徴付けられるこれの最初の受動状態に復帰すると、フェーザ23の第1のベルト50は再びセンサー44によって検出されたであろう後続の製品Pnの1つを直ちに偏向させる用意ができている。
【0140】
有利には、さきの第1の製品P1に関する第1のベルト50の第1のカム60と同様に、第2のベルト52の第1のカム60は第3の製品P3の初期位置Aからこれの最終位置Bへの第3の製品P3の横方向への偏向移動を同時に続行する。
【0141】
今説明されたサイクルはこのようにして、製品Pnの到着に従って、また決められた分配列に従って各ベルト50、52の各カムに関して繰り返される。
【0142】
今から下記に、フェーザ23の第2の実施形態のある幾つかの有利な特徴の説明がより詳細に行われる。
【0143】
好適にはベルト50、52の内面68は、プーリ34、36、54の軸駆動面70が有する相補的横方向歯と協同するように歯が付けられている。
【0144】
フェーザ23はこの場合、例えば地上(図示せず)に静止する、また好適にはベルト12に関して動くように取り付けられたガントリー(橋形架台)72の形をしたフレームによって支持される。
【0145】
ガントリー72へのフェーザ23の取付けが如何なるコンベヤベルト12の上にでもこれを容易に配置することを可能にし、また設定すべき長手方向位置と下流傾斜角θとを容易に選択することを可能にする。
【0146】
ガントリー72は、第1のベルト50に関連してプーリ34、36、54を、また第2のベルトに関連してプーリ34、36、54をそれぞれ支持する2つの垂直な長手方向プレート74、76をベルト12の両側に備える。
【0147】
有利にはフェーザ23は、各ベルト50、52の上流プーリ34と下流プーリ36との間の中心間距離A1−A2を調整するための手段78を備える。
【0148】
中心間距離A1−A2の調整は特に、各ベルト50、52の下側ストランド38の長さを製品Pn間の上流間隔E1と製品Pnの長手方向寸法とに適応させることを可能にする。
【0149】
ここに示された実施形態によれば、各上流プーリ34の軸A1は関連支持プレート74、76に固定されたレール82上で平行移動的に動く滑動ブロック80によって支持される。
【0150】
各滑動ブロック80の長手方向移動は、ここでは関連支持プレート74、76に固定された調整ねじ84によって制御される。
【0151】
有利にはフェーザ23は、各ベルト50、52の張力を引き締めるための手段86を備える。
【0152】
これらの手段86は、例えば関連支持プレート74、76に関して垂直平行移動で第3のプーリ54の軸A3を移動させることを可能にする垂直レール・滑動ブロックシステム(図示せず)を備える。
【0153】
張力を引き締める手段86は、例えば第3のプーリ54の軸A3に垂直上方に応力を加える弾性装置によって自動的に作用することができる。
【0154】
本発明による構造10のもう1つの有利な特徴によれば、ある不具合、特に短すぎる、すなわち最小設定値より短い上流間隔E1による不具合を防止するためにセンサー44とフェーザ22または23との間に製品Pnを排出するための装置88が配置される。
【0155】
より具体的には最小設定値は、偏向させられるべき製品Pnが検出されたときにフェーザ22または23によって形成される分配装置16が少なくとも1つのカムを後退待機位置に位置づけることを可能にするように決定される。
【0156】
排出装置88は、例えばベルト12から製品Pnを排出できる圧縮空気のジェット(噴流)を生成するための手段(図示せず)を備える。
【0157】
排出装置88は、下流の製品の直前に位置する製品Pnに近すぎる上流の製品Pnの到着をセンサー44が検出したときに、好適には排出装置88がベルト12からの上流製品Pnの排出を誘発するように、センサー44によって生成される検出信号に従って制御される。
【0158】
今説明された第1の例示的応用では本構造10は、第1の待ち行列F1に平行する第2の待ち行列F2を形成するように第1の待ち行列F1を分割するために、第1の待ち行列F1から製品の一部を偏向させるために適したフェーザ22、23を備える。
【0159】
例えば、第2のフェーザと同様な仕方で第2の待ち行列から偏向させられた製品から製品の第3の待ち行列を形成するために、第2の待ち行列を形成するように設計された第1のフェーザの下流に第2のフェーザを持つことによって第2の待ち行列に平行な第3の待ち行列を得ることが可能であることは理解されるであろう。
【0160】
有利には第1の上流フェーザと第2の下流フェーザは、ベルト12の入口領域18と出口領域20との間で長手方向に互いに並んで配置される。
【0161】
好適には第1の上流フェーザはそれから、第2の待ち行列F2に偏向させられた2つの製品のうちの1つが引き続いて今度は第2の下流フェーザによって第3の待ち行列F3に偏向させられるように、2つの製品から1つより多い製品を、例えば3つの製品から2つの製品を第1の待ち行列F1から偏向させる。
【0162】
本発明による構造は、少なくとも製品Pnの待ち行列の1つの分割によって進行することを可能にする。
【0163】
決められた分配列に従って製品Pnを分割することによって第1の待ち行列F1から製品の第2の待ち行列F2を形成することを可能にするこのような構造の多くの可能な実現形態が存在する。
【0164】
製品梱包設備90における本発明による構造の好適な例示的実現形態の説明は、以下に行われる。
【0165】
図1〜6で前に説明された構造のタイプの本発明による構造10は好適には、前述の実施形態の1つによるフェーザ22または改良型フェーザ23といった分配装置を備えるこのような設備90の第1のセクションT1からなる。
【0166】
このような梱包設備90では本発明によって得られる待ち行列分割は、バッチ、特に互いに並んだ少なくとも2つの製品を含むバッチを形成することを、またはこのようなバッチの形成のために製品を準備することを有利に可能にする。
【0167】
図8に示された製品梱包設備90はより具体的には、特に製品の上記バッチを箱詰め機械(図示せず)に送るために製品をバッチLiにグループ化するように設計される。
【0168】
このタイプの梱包設備90は、送られるべき製品Pが上流から下流に走行するコンベヤベルト112に沿って長手方向に延びるコンベヤライン92を備える。
【0169】
設備90は、今度は上流から下流へ、コンベヤライン92に製品を供給するための装置14と、本発明の教えに従って製造された、製品を分配するための装置16と、第1のフェージング(同期:phasing)手段122および第2のフェージング手段222を備える、製品をバッチLiにグループ化するための装置と、を備える。
【0170】
この例ではバッチLiは、それぞれ2つの製品の2行または2つの製品の2列から形成されるバッチLiである正方形に全体的に内接するようにグループ化された4個の製品を備える。
【0171】
供給装置14はここで、上流間隔E1だけ長手方向に分離された製品Pの待ち行列Fをコンベヤベルト112の入口領域118に送る供給ベルト94を備える。
【0172】
比較により上流間隔E1が図1〜6の第1の例示的応用の説明でE1と表された上流間隔に対応することは留意されるであろう。
【0173】
分配装置16は、入口領域118の下流で、決められた分配列に従ってベルト112の上面132上の待ち行列Fの製品Pを分配するためにコンベヤベルト112の第1の上流セクションT1上に配置される。
【0174】
好適には分配装置16は、少なくとも1つのカム、この場合は2つのカム98、100を備えるフェーザ96であって、ここでは上流待ち行列Fに対応する、今後Pn+1で表される製品Pの第1の待ち行列F1に平行する今後Pnで表される製品Pの第2の待ち行列F2をそれぞれ下流で形成すべく待ち行列Fを分割するために、待ち行列Fの製品Pを分配するようにベルト112に対して配置されたフェーザ96を備える。
【0175】
フェーザ96は、例えばフェーザ96が一方ではベルト112の長手走行方向に関して斜めのこれの位置によって特徴付けられ、また他方ではベルト112の走行速度に等しい長手方向成分VLを有する速度で横方向に、ここでは右から左に偏向させられるカム98、100の位置によって特徴付けられるように、第1の実施形態で説明され、図1〜6に表されたフェーザ22に類似している。
【0176】
変形例としてフェーザ96は、前に説明され、図7に示された改良型フェーザ23に類似のフェーザである。
【0177】
有利にはフェーザ96は、カム98、100を駆動するために、それぞれ回転軸A1、A2の第1の右手プーリ134と第2の左手プーリ136との間に巻かれたベルトを備える。
【0178】
フェーザ96の主軸Xは、プーリの軸A1、A2に直交し、フェーザのベルトに平行な水平面に含まれる中央軸であると定義される。
【0179】
フェーザ96の斜めの位置は、ベルト112の長手走行方向との交差が好適には0°と90°との間の、例えば45°に等しい鋭角θを形成する主軸Xによって定義される。
【0180】
ベルトの下側ストランドがベルト112の上面132に実質的に平行に延びるように、またカム98、100がベルト112の長手走行方向に平行に、すなわちフェーザ96の主軸Xに関して決められた角度θで延びるように、ベルト112の上方に2つのプーリが配置される。
【0181】
右手プーリは、ベルト112と同じ方向に、そして駆動速度の長手方向成分VLが好適にはベルト112の走行速度V1に等しいように決められたカム98、100の偏向速度と呼ばれる駆動速度V2でプーリの周りを回転するように、カム98、100を支持するベルトを選択的に駆動できるサーボモータによって回転駆動されることが可能である。
【0182】
有利にはフェーザ96の下流の製品分配列はこの場合、前に表された分配列、すなわち第1の待ち行列F1に平行な第2の待ち行列F2を形成するように2つの製品のうちの1つの製品の交互配列によるずらして配列した分配に類似している。
【0183】
したがって第2の待ち行列F2は2つの連続する製品P1、P3、P5などの間の間隔E’2をもって位置決めされた被偏向製品Pnからなり、また第1の待ち行列F1は2つの連続する製品P2、P4、P6などの間の間隔E2をもって位置決めされた製品Pn+1からなる。
【0184】
このずらして配列した分配列によれば、待ち行列F2、F1の間隔E’2、E2は、この場合互いに等しい。
【0185】
第1、第2の待ち行列F2、F1は互いに関して位相シフトされており、待ち行列F2、F1の各々にそれぞれ属する2つの連続する製品Pn、Pn+1間の間隔E、ここでは上流間隔E1に等しい間隔Eを示す。
【0186】
それからこのようにずらして配列して分配された待ち行列F2の製品Pnと待ち行列F1の製品Pn+1は、フェーザ122からなる第1のフェージング手段を備える、ベルト112の第2の中間セクションT2を走行する。
【0187】
有利にはフェーザ122は、第1、第2の実施形態でそれぞれ説明されたフェーザ22、23の一方または他方と構造的に同じであり、したがって以下で詳細には説明されない。
【0188】
フェーザ122は、起動が好適にはセンサー142からの検出信号に従って制御されるサーボモータによって、減速した速度V3で駆動されるカム126とカム128とを備える。
【0189】
フェーザ122の動作は、互いに横に並んでグループ化された製品Pnと製品Pn+1とをそれぞれ備える中間バッチと呼ばれるバッチL’iを形成するようにフェーザ122の下流で待ち行列F2、F1の製品Pn、Pn+1が行にグループ化されるといったことに、類似している。
【0190】
それから中間バッチL’iは、第2のフェージング手段222を備える、ベルト112の第3の下流セクションT3を走行する。
【0191】
第2のフェージング手段222はこの場合、第1のフェージング手段122によって予め構成された2つの中間バッチL’iをグループ化して1つのバッチLiを形成するように設計される。
【0192】
第2のフェージング手段222は、第1、第2の実施形態でそれぞれ説明された、あるいはより包括的な詳細に関して参照が行われ得る上記の特許出願FRNo.0550528に記載されているようなフェーザ22、23の一方または他方と好適には同じ少なくとも1つのフェーザを備える。
【0193】
フェーザ222はベルト112の上方に配置され、待ち行列F1、F2に関して中心に配置される。
【0194】
フェーザ222は、例えばフェーザ22のカム26、28に類似の少なくとも1つの第1のカム226と第2のカム228とをそれぞれ備える。
【0195】
第1の中間バッチL’iを形成する製品P1、P2が前に到着すると、これらの製品は有利には、フェーザ222のサーボモータの起動を同期的に制御するセンサー242といった検出手段によって検出される。
【0196】
それから第1のカム226は、上流待機位置(受動状態)から各々が減速した速度V4でサーボモータによって長手方向前方に駆動される係合位置(能動状態)に移る。
【0197】
減速速度V4は走行速度V1より遅いので、第1の中間バッチL’iを形成する第1の製品P1と第2の製品P2はフェーザ222のカム226に出会って、カムの上流横面に接触する。
【0198】
この結果、走行速度V1とカム226、228の減速速度V4との間の速度差は、上記のカム226がこれの後退位置に到達するまでベルト112上の製品P1、P2の滑動(スリップ)を引き起こす。
【0199】
それから第1の製品P1と第2の製品P2は、それぞれ第2、第1の待ち行列F2、F1に属していて、第1の待ち行列F1の製品Pn+1間の上流間隔E2に等しい間隔E’だけ、フェーザ122の下流、フェーザ222の上流で初め分離されていた次の中間バッチL’iの製品P3、P4と進行しながら一緒にされる。
【0200】
実際に、一方のバッチL’1の製品P1、P2と他方のバッチL’2の製品P3、P4 との間の間隔E’は、決められた非ゼロ値に達するようにフェーザ222の下で進行しながら減少し、製品P1、P2は有利には製品P3、P4が製品P1、P2と接触する前に解放されるであろう。
【0201】
このようにして、ここでは行と列に2つずつグループ化された4個の製品P1、P2、P3、P4を備える最終バッチL1が形成される。
【0202】
有利にはフェーザ222の下流に位置するベルト112の出口領域120において、2つのバッチLi間の下流間隔E”は中間バッチL’i間の間隔値E’の2倍に実質的に等しい。
【0203】
有利には梱包設備90は、ベルトの走行速度V1とバッチL’iまたはLiを形成するために必要とされるフェージング手段の減速した速度との間の差が大きいとき、例えば走行速度V1が必要な減速速度より2倍大きいとき、第1のフェージング手段122と第2のフェージング手段222とを連続して備える。
【0204】
変形例として、梱包設備90は第1のフェージング手段122だけを備え、ベルトの長さ、カムの位置または減速した速度V2のような第1のフェージング手段122の特徴は、第1、第2の製品P1、P2の行へのグループ化と、それから後続の製品P3、P4のグループ化とがフェーザ122の下側ストランドの下で行われるように決定される。
【0205】
梱包設備90は、コンベヤベルト112の出口領域120の下流に、横方向に動くセル146のトレイン(列)144であって、このトレインのセル146がベルト112に向かって開いている列を備えるグルーパ25を備える。
【0206】
第1のバッチL1が空のセル146の1つを満たすと、トレイン144は製品のバッチLiが例えばグルーパ25によって箱詰め機械に送られるように次のバッチL2を受けるために1セル分だけシフトされる。
【0207】
今説明された梱包設備によって示されたように実施形態の1つによるフェーザ22または23のタイプのフェーザは、応用に従って異なる機能を提供するように実現されることが可能である。
【0208】
したがって設備90の第1のセクションT1の本発明による構造におけるフェーザ22または23の機能は、1つの待ち行列の製品の少なくとも一部を偏向させてもう1つの平行な待ち行列を形成することであるので、この機能は上記2つの待ち行列を形成することであるが、これはこの設備のセクションT2またはT3においてもう1つの機能を与える。
【0209】
実際に、フェーザ22または23の機能は、例示としての梱包設備90において箱詰めされるためにグルーパによって集められるように設計された製品のバッチを形成するように、製品を横方向行に、および/または長手方向列に整列させるために少なくとも1つの決められた製品を選択的に減速することである。
【0210】
しかしながら製品のバッチを作り上げるためのフェーザの使用が単に1つの可能な例示的応用であることは理解されるべきである。
【0211】
実際に、このようなフェーザは、2つの製品が決められた間隔だけ分離されている製品の少なくとも1つの待ち行列の平衡を保たせるために設備90のタイプの設備内で実現されることも可能である。
【0212】
定義により、製品の待ち行列の「平衡を保たせる(balancing)」という用語は、この待ち行列の2つの連続する製品間の間隔が特に最小設定値より大きいか等しくなるように少なくとも1つの所定の製品を減速するためのフェーザの使用を意味すると理解されるべきである。
【0213】
梱包設備90では、互いに前後に、または互いに横に並んで分配された2つの製品間のこのような最小設定間隔値は好適には、例えばグルーパのセルの少なくとも1つが1つのノッチ(切欠き)によって偏向させられるために、また新しい空のセルがベルトに面して提示されるために必要とされる時間に対応する。
【0214】
複数のセルを有するグルーパ25が梱包設備90といった設備において実現され得る製品グループ化装置の単に1つの可能な非限定的例であることは明らかである。
【0215】
変形例としてグループ化装置は、決められた列に従って、例えば幾つかのバッチにグループ化または分配された製品を取るためにクランプ(締め具)または吸着器といったグリップ(保持)手段を自由端に備えたロボットまたはロボット化されたアームからなる。
【0216】
有利には製品は、このようなロボットによって動的に、すなわちコンベヤベルトを停止したり減速したりせずに取られ、またこの取ることはベルトの出口領域で実行される。
【0217】
有利にはこのようなロボット化されたグループ化装置は、製品または製品のバッチを箱詰めするための動作を直接取り扱うことができる。
【0218】
図8の変形実施形態(図示せず)によれば、ベルト112の第2のセクションT2は、それぞれ待ち行列F1、F2の各々と長手方向に整列させられた第1、第2のベルトである互いに平行な2つのベルトからなる。
【0219】
フェーザ96によって偏向させられなかった待ち行列Fの製品Pは上流から下流に移動を続行し、また第1の待ち行列F1を形成するこれらの製品Pn+1はセクションT1およびT3のベルト112の走行速度に等しい走行速度V1で駆動される第1のベルトによって搬送される。
【0220】
製品Pnの第2の待ち行列F2を形成するためにフェーザ96によって偏向させられた待ち行列Fの製品Pは、他方では第1のセクションT1と第3のセクションT3との間を第2のベルトによって搬送される。
【0221】
この変形例によれば、速度に関するこの第2のベルトの走行速度V’1のための適当な値の選択は、間隔Eの値、すなわち第2の待ち行列F2の製品Pnと第1の待ち行列F1の製品Pn+1との間の間隔の値を変えることを可能にする。
【0222】
したがって、間隔E1が決定されていて一定である製品Pの最初の流れから、第2の待ち行列F2の製品Pnが第1の待ち行列F1の製品Pn+1と横方向に並んで整列させられるゼロ値にまで間隔値Eを減らすことは、第1のベルトの駆動速度V1より遅い第2のベルトの駆動速度V’1によって可能である。
【0223】
有利には、図8の設備のタイプの梱包設備90におけるこのような変形実施形態の実現は、第1のフェーザ122を除去して、中間バッチL’iを形成するために互いに横に並んだ1つの同じ行上の待ち行列F1、F2の製品Pn、Pn+1のためのグループ化機能を同じ仕方で扱うことを可能にする。
【0224】
図9は、第1の実施形態によるフェーザ22または第2の実施形態によるフェーザ23からなり得る分配装置16を備える本発明の第2の例示的応用による構造10’を略図的に示す。
【0225】
この第2の例示的応用は、図1〜6に表された第1の例示的応用との比較によって以下に説明されるであろう。
【0226】
本発明によれば構造10’は、分配装置16が、入口領域18と出口領域20との間に分配されて、ベルト12に関して斜めに、あるいは長手方向に関して角度θの前向き傾斜をもって位置決めされたフェーザ22、23からなることを特徴とする。
【0227】
フェーザ22、23は、偏向速度V2で駆動され、また第1の待ち行列F1の少なくとも1つの製品Pnと選択的に接触するために、決められた分配列に従って制御される少なくとも1つのカム26’を備える。
【0228】
第2の例示的応用によればカム26’は、初期位置Aからこの初期位置Aに関して横方向にずらされた決められた最終位置Bに製品Pnを横に偏向させることができる。
【0229】
構造10’ではフェーザ22、23は、この場合第1の待ち行列F1に直交する製品Pnの第2の待ち行列F2を形成するために第1の待ち行列F1から製品を偏向させるように設計される。
【0230】
有利には被偏向製品Pnの第2の待ち行列F2は、ベルト12の出口領域20に直交するように分配された、走行速度V’1で図9の下から上へ横方向に駆動されるもう1つのベルト46上に形成される。
【0231】
変形例としてベルト46は、製品が再方向付けされるべき方向によって決定される90°とは異なる角度で分配される。
【0232】
決められた分配列はこの第2の例では、他のコンベヤベルト46の上面で移動させられるように第1の待ち行列F1のすべての製品Pnが横方向に偏向させられる復帰応用(return application)と呼ばれる応用に対応する。
【0233】
変形例として検査装置によって不適合であると前に識別された製品といった製品Pnの少なくとも一部は、例えばベルト12の出口領域20の端部に分配された回収手段(図示せず)に選択的に除去されるように、フェーザ22、23によって他のベルト26に偏向させられない。
【0234】
図9は、すべての製品Pnが第1の待ち行列F1から第1の待ち行列F1に直交する第2の待ち行列F2に90°で偏向させられる分配列をより詳細に表す。
【0235】
有利には、被偏向製品Pnの方位の変更はここでは、ベルト12の第1の待ち行列F1からベルト46の第2の待ち行列F2への製品Pnの偏向と同時に実行される。
【0236】
図9に示された例では、ベルト12の走行速度V1と他方のベルト46の走行速度V’1は好適には等しく、またこの速度を保持するために角度θは45°の値を有する。
【0237】
したがって好適にはベルト30、50,52はカム26’の長手方向駆動速度VLが走行速度V1に等しいように決められた偏向速度V2で駆動される。
【0238】
その結果、被偏向製品Pnは如何なる減速も受けず、このような構造10’で高速度を達成することを可能にする一定速度を常に維持する。
【0239】
角度θの値は好適には、0と90°との間にあり、例えば30°、45°または60°に等しい。
【0240】
有利には走行速度V’1の値は、第2の待ち行列F2の被偏向製品Pn間の間隔を変えることを可能にし、したがってもし走行速度V’1がより大きければ製品間の間隔E2は増加するであろうが、もし走行速度V’1がより小さければ間隔E2は減少するであろう。
【0241】
このようにしてベルト46の走行速度V’1の値は、第2の待ち行列F2の被偏向製品Pn間の間隔を調整することを可能にする。
【0242】
図9は、好適にはセンサー44の媒介によって制御されるサーボモータによって駆動されるベルト30上で互いに反対に分配された第1のカム26’と第2のカム28’とを備えるフェーザ22を示す。
【0243】
フェーザ22の動作は、第1の例示的応用に関して前に説明された動作に類似しており、以下では詳細に説明されない。
【0244】
変形例実施形態(図示せず)によれば、図9の構造10’はコンベヤベルト12に平行に分配されたもう1つのベルト46を備える。
【0245】
好適には第2のベルト46は、これの入口領域がベルト12の出口領域に面して横方向に延びるように、すなわちベルト12の出口領域と並んで平行に延びるように配置される。
【0246】
変形例として第2のベルト46の入口領域は、ベルト12の出口領域の端部に、すなわち長手方向から後者の延長部に向かい合うように配置される。
【0247】
このようにしてベルト46の駆動速度V’1の適当な値の選択は、製品Pn間の間隔の値に、すなわち製品Pnと直ぐ上流に位置する製品Pn−1との間の間隔のフェーザ22による偏向の後の最終値に影響を及ぼすことを可能にする。
【0248】
この変形例によれば、ベルト46の第2の待ち行列F2へのベルト12の第1の待ち行列F1の製品Pnの偏向は、この仕方で偏向させられた製品Pnの方位の変更なしに実行される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(Pn)の分配のための構造(10)において、製品(Pn)が決められたいわゆる走行速度(V1)で上流入口領域(18)から下流出口領域(20)に長手方向に走行するコンベヤベルト(16)上で搬送され、製品(Pn)が2つの連続する製品(Pn)間の決められた上流間隔(E1)をもって、第1の待ち行列(F1)と呼ばれる少なくとも1つの長手方向待ち行列を前記入口領域(18)に形成し、また前記構造(10)は、前記製品(Pn)の経路上で前記入口領域(18)と前記出口領域(20)との間に配置されて決められた分配列に従って前記製品(Pn)の少なくとも一部を偏向させるように設計されたフェーザ(22、23)であって、偏向速度(V2)で駆動されて、製品(Pn)の少なくとも1つの第2の待ち行列(F2)を形成するように初期位置(A)から前記初期位置(A)に関して横方向にずらされた決められた最終位置(B)に前記製品(Pn)を横に偏向させるために前記第1の待ち行列(F1)の少なくとも1つの製品(Pn)に接触できる少なくとも1つのカム(26)を備えるフェーザ(22、23)からなる偏向器と呼ばれる少なくとも1つの分配装置(16)を備える、製品(Pn)の分配のための構造(10)であって、
前記フェーザ(22、23)は、平行に配置されて独立に駆動される第1(50)および第2(52)の類似のベルトを備えることと、各ベルト(50、52)は前に偏向させられた下流の製品(Pn)が前記第2の待ち行列(F2)におけるこれの最終位置(B)に到着する前に製品(Pn)の偏向が始まるように、前記他のベルト(50、52)の能動状態の終了前に能動動作状態に制御されることとを特徴とする、製品(Pn)の分配のための構造(10)。
【請求項2】
前記フェーザ(22、23)は、前記カム(26)が少なくとも:
・前記カム(26)が前記第1の待ち行列(F1)から前記製品(Pn)を横方向に偏向させるために前記初期位置(A)を占める前記製品(Pn)に横から接触する第1の係合位置と、
・前記被偏向製品(Pn)が前記第2の待ち行列(F2)における前記最終位置(B)を占め、前記被偏向製品(Pn)がこれの動きを続けることを可能にするために前記カム(26)が動かなくされる第2の係合位置と、を占めるために前記分配列に従って選択的に制御されることを特徴とする、請求項1に記載の構造(10)。
【請求項3】
前記フェーザ(22、23)の各駆動ベルト(30、50、52)は少なくとも1つのカム(26、28、60)を支持し、前記ベルト(12)の上面(24)に並んで配置されることと、各ベルト(30、50、52)は前記ベルト(30、50、52)の下側ストランド(38)が前記ベルト(12)の上面(24)に実質的に平行に延びるように少なくとも2つの駆動プーリ(34、36、54)に巻き付けられ、前記カム(26、28、60)は前記下側ストランド(38)上に位置するときに前記第1、第2の係合位置を占めることと、前記フェーザ(22、23)は前記プーリ(34、36、54)を前記決められた偏向速度(V2)で回転するように駆動するための手段(40、56、58)を備えることと、を特徴とする、請求項2に記載の構造(10)。
【請求項4】
前記フェーザ(22、23)は、前記コンベヤベルト(12)上の製品(Pn)の長手走行方向との間で角度の値が0°と90°との間にある決められた角度(θ)を形成するように前方に傾いている前記ベルト(30、50、52)に平行な主軸(X)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の構造(10)。
【請求項5】
前記カム(26、28、60)は、偏向させられるべき前記製品(Pn)に接触するように設計され、前記コンベヤベルト(12)上の前記第1の待ち行列(F1)の前記製品(Pn)の前記長手走行方向に平行に延びる横偏向面(42)を垂直に提示するように前記ベルト(30、50、52)上に位置決めされることを特徴とする、請求項4に記載の構造(10)。
【請求項6】
前記カム(26、28、60)は、これの第2の係合位置から少なくとも1つの後退待機位置に制御され、前記第2の待ち行列(F2)におけるこのカムの最終位置(B)に到達したときに前記被偏向製品(Pn)は前記カム(26、28、60)の横偏向面(42)にもはや横から接触していないことを特徴とする、請求項5に記載の構造(10)。
【請求項7】
前記ベルト(30、50、52)は、このベルトが止められて、各カム(26、28、
60)が前記第2の係合位置または前記後退待機位置を占める受動動作状態と、カム(26、28、60)が前記後退待機位置から前記第2の係合位置に、または前記第2の係合位置から前記後退待機位置に概ね横方向に動かされるように、前記ベルト(30、50,52)が前記プーリ(34、36、54)の周りを回転するように駆動される前記能動動作状態と、を備えることを特徴とする、請求項6に記載の構造(10)。
【請求項8】
前記ベルト(30、50、52)は、前記フェーザ(22、23)の上流に位置決めされていて、前記製品(Pn)を前記第2の待ち行列(F2)に偏向させるために決められた分配列に従って使用され得る製品(Pn)に関する検出信号を供給できるセンサーといった検出手段(44)の媒介によりベルトの能動状態に制御されることを特徴とする、請求項7に記載の構造(10)。
【請求項9】
前記2つのベルト(50、52)の前記カム(60)の交差を防止するために、前記2つのベルト(50、52)が前記受動状態にあるときに前記第1のベルト(50)の前記カム(60)の前記後退位置は前記第2のベルト(52)の前記カム(60)の前記後退位置に関してずらされることと、各ベルト(30、50、52)に関して一時に1つのカム(26、28、60)だけが前記第1の係合位置を占めることができるように前記ベルト(30、50、52)に沿って等間隔で配置された少なくとも2個の類似のカム(26、28、60)を各ベルト(30、50、52)が保持することと、を特徴とする、請求項7または8のいずれかに記載の構造(10)。
【請求項10】
前記被偏向製品(Pn)を備える前記第2の待ち行列(F2)は前記第1の待ち行列(F1)に平行であることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載の構造(10)。
【請求項11】
前記係合位置において、前記ベルト(30、50、52)は前記カム(26、28、60)の前記長手方向駆動速度(VL)が走行速度(V1)に等しくなるように決められた偏向速度(V2)で駆動されることを特徴とする、請求項11に記載の構造(10)。
【請求項12】
前記被偏向製品(Pn)を備える前記第2の待ち行列(F2)は前記第1の待ち行列(F1)に直交することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の構造(10)。
【請求項1】
製品(Pn)の分配のための構造(10)において、製品(Pn)が決められたいわゆる走行速度(V1)で上流入口領域(18)から下流出口領域(20)に長手方向に走行するコンベヤベルト(16)上で搬送され、製品(Pn)が2つの連続する製品(Pn)間の決められた上流間隔(E1)をもって、第1の待ち行列(F1)と呼ばれる少なくとも1つの長手方向待ち行列を前記入口領域(18)に形成し、また前記構造(10)は、前記製品(Pn)の経路上で前記入口領域(18)と前記出口領域(20)との間に配置されて決められた分配列に従って前記製品(Pn)の少なくとも一部を偏向させるように設計されたフェーザ(22、23)であって、偏向速度(V2)で駆動されて、製品(Pn)の少なくとも1つの第2の待ち行列(F2)を形成するように初期位置(A)から前記初期位置(A)に関して横方向にずらされた決められた最終位置(B)に前記製品(Pn)を横に偏向させるために前記第1の待ち行列(F1)の少なくとも1つの製品(Pn)に接触できる少なくとも1つのカム(26)を備えるフェーザ(22、23)からなる偏向器と呼ばれる少なくとも1つの分配装置(16)を備える、製品(Pn)の分配のための構造(10)であって、
前記フェーザ(22、23)は、平行に配置されて独立に駆動される第1(50)および第2(52)の類似のベルトを備えることと、各ベルト(50、52)は前に偏向させられた下流の製品(Pn)が前記第2の待ち行列(F2)におけるこれの最終位置(B)に到着する前に製品(Pn)の偏向が始まるように、前記他のベルト(50、52)の能動状態の終了前に能動動作状態に制御されることとを特徴とする、製品(Pn)の分配のための構造(10)。
【請求項2】
前記フェーザ(22、23)は、前記カム(26)が少なくとも:
・前記カム(26)が前記第1の待ち行列(F1)から前記製品(Pn)を横方向に偏向させるために前記初期位置(A)を占める前記製品(Pn)に横から接触する第1の係合位置と、
・前記被偏向製品(Pn)が前記第2の待ち行列(F2)における前記最終位置(B)を占め、前記被偏向製品(Pn)がこれの動きを続けることを可能にするために前記カム(26)が動かなくされる第2の係合位置と、を占めるために前記分配列に従って選択的に制御されることを特徴とする、請求項1に記載の構造(10)。
【請求項3】
前記フェーザ(22、23)の各駆動ベルト(30、50、52)は少なくとも1つのカム(26、28、60)を支持し、前記ベルト(12)の上面(24)に並んで配置されることと、各ベルト(30、50、52)は前記ベルト(30、50、52)の下側ストランド(38)が前記ベルト(12)の上面(24)に実質的に平行に延びるように少なくとも2つの駆動プーリ(34、36、54)に巻き付けられ、前記カム(26、28、60)は前記下側ストランド(38)上に位置するときに前記第1、第2の係合位置を占めることと、前記フェーザ(22、23)は前記プーリ(34、36、54)を前記決められた偏向速度(V2)で回転するように駆動するための手段(40、56、58)を備えることと、を特徴とする、請求項2に記載の構造(10)。
【請求項4】
前記フェーザ(22、23)は、前記コンベヤベルト(12)上の製品(Pn)の長手走行方向との間で角度の値が0°と90°との間にある決められた角度(θ)を形成するように前方に傾いている前記ベルト(30、50、52)に平行な主軸(X)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の構造(10)。
【請求項5】
前記カム(26、28、60)は、偏向させられるべき前記製品(Pn)に接触するように設計され、前記コンベヤベルト(12)上の前記第1の待ち行列(F1)の前記製品(Pn)の前記長手走行方向に平行に延びる横偏向面(42)を垂直に提示するように前記ベルト(30、50、52)上に位置決めされることを特徴とする、請求項4に記載の構造(10)。
【請求項6】
前記カム(26、28、60)は、これの第2の係合位置から少なくとも1つの後退待機位置に制御され、前記第2の待ち行列(F2)におけるこのカムの最終位置(B)に到達したときに前記被偏向製品(Pn)は前記カム(26、28、60)の横偏向面(42)にもはや横から接触していないことを特徴とする、請求項5に記載の構造(10)。
【請求項7】
前記ベルト(30、50、52)は、このベルトが止められて、各カム(26、28、
60)が前記第2の係合位置または前記後退待機位置を占める受動動作状態と、カム(26、28、60)が前記後退待機位置から前記第2の係合位置に、または前記第2の係合位置から前記後退待機位置に概ね横方向に動かされるように、前記ベルト(30、50,52)が前記プーリ(34、36、54)の周りを回転するように駆動される前記能動動作状態と、を備えることを特徴とする、請求項6に記載の構造(10)。
【請求項8】
前記ベルト(30、50、52)は、前記フェーザ(22、23)の上流に位置決めされていて、前記製品(Pn)を前記第2の待ち行列(F2)に偏向させるために決められた分配列に従って使用され得る製品(Pn)に関する検出信号を供給できるセンサーといった検出手段(44)の媒介によりベルトの能動状態に制御されることを特徴とする、請求項7に記載の構造(10)。
【請求項9】
前記2つのベルト(50、52)の前記カム(60)の交差を防止するために、前記2つのベルト(50、52)が前記受動状態にあるときに前記第1のベルト(50)の前記カム(60)の前記後退位置は前記第2のベルト(52)の前記カム(60)の前記後退位置に関してずらされることと、各ベルト(30、50、52)に関して一時に1つのカム(26、28、60)だけが前記第1の係合位置を占めることができるように前記ベルト(30、50、52)に沿って等間隔で配置された少なくとも2個の類似のカム(26、28、60)を各ベルト(30、50、52)が保持することと、を特徴とする、請求項7または8のいずれかに記載の構造(10)。
【請求項10】
前記被偏向製品(Pn)を備える前記第2の待ち行列(F2)は前記第1の待ち行列(F1)に平行であることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載の構造(10)。
【請求項11】
前記係合位置において、前記ベルト(30、50、52)は前記カム(26、28、60)の前記長手方向駆動速度(VL)が走行速度(V1)に等しくなるように決められた偏向速度(V2)で駆動されることを特徴とする、請求項11に記載の構造(10)。
【請求項12】
前記被偏向製品(Pn)を備える前記第2の待ち行列(F2)は前記第1の待ち行列(F1)に直交することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の構造(10)。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−501438(P2010−501438A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525018(P2009−525018)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058398
【国際公開番号】WO2008/022940
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058398
【国際公開番号】WO2008/022940
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】
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