説明

高速毛髪染色方法

【課題】本発明は、所望の濃度のリフト及び明るさを提供し、同時に、提供する色の改善及び損傷の低減、皮膚及び頭皮の刺激の低減及び臭いを減らす、毛髪染色剤(現在利用可能な製品の適用時間より短い時間に対して有効であり且つ消費者が美しさを保つための定期的な行為の一部として使用される)を消費者に提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明は、(i)特定の成分を含む組成物を供給すること(ここで該組成物は8.4〜9.5のpHを有する。)、(ii)該組成物を毛髪上に適用することと該組成物を毛髪上に20分未満の時間維持すること及び引き続いて、(iii)該組成物を毛髪からすすぎ洗いすること、の各工程を含む、20分未満で毛髪を酸化的に高速に染色又は漂白する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン性繊維を高速で漂白及び染色する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン性繊維、特にヒトの毛髪の色を毛髪染料の適用により永続的に変えることは周知である。消費者に所望の毛髪の色及び色の強度を提供するために、非常に複雑な化学的プロセスが使用される。永続的な毛髪染色製剤は、典型的には酸化毛髪染料前駆体を含み、これは毛小皮を通して毛髪中及び毛皮質中に拡散することができ、そこで次に互いに適した酸化剤と反応して最終的な染料分子を形成することができる。結果として得られるこれらの分子が大きいため、それらは水及び/又は洗剤によるその後の洗浄の間に毛髪から容易に拡散できず、そのため消費者の所望する色の永続性を達成する。該反応は典型的には、アルカリ化剤の存在下、pHが約10の過激な環境及び酸化剤の存在下において起こる。更に、所望の毛髪の色及び色相及び色の強度を維持するため、並びに新しい発毛を覆うことを包含する毛髪の連続的で均一な染色を確実にするために、消費者はこのプロセスを定期的に繰り返す。
【0003】
また一方、商業的毛髪染色製品は長年の間利用されてきたという事実にもかかわらず、その製品はなお消費者に関係する多くの欠陥を示している。特に、毛髪染料製品の適用は依然として相対的に時間のかかる方法であり、乾燥及び整髪前に、色を発色させ且つ製品を除去するためには、混合、適用、放置のために消費者が1時間以上費やす場合がある。ほとんどの消費者にとって、毛髪染色プロセスは美しさのためのいつもの定期的な行為の一部であるため、他の全ての要求(即ち、適用の容易さ、少ない臭い、及び特に当然ながら、希望の毛髪の色を、特に現在の色をはっきりと変更し及び/又は明確に雰囲気を変えることを希望する消費者に提供すること)を満足させつつ、毛髪を染める時間を短くすることが高度に望ましいと言える。
【0004】
毛髪を染めるために要求される適用時間を減らすための多数の試み、例えば、カーボネートを含む酸化性毛髪染色又は漂白組成物を使用することが、文献に掲載されている。例えば、PCT国際公開特許WO01/28508は、酸化剤、毛髪染色剤並びに緩衝剤、pH調整剤又は毛髪膨潤剤を必要とせずに漂白及び染色を向上させ、臭いと毛髪損傷を低減させる、炭酸アンモニウム及び/又はカルバミン酸アンモニウムを含む毛髪染色及び漂白組成物について記載している。該組成物は、1〜60分間、毛髪に適用される。
【0005】
フランス特許第1592939号は、酸化性染料、炭酸アンモニウム及び過酸化水素(pH7〜9にて、かなり短時間で効果的染色を提供する)を含む毛髪染色組成物について記載している。
【0006】
欧州特許第435012号は、必要とする染色時間が短く、毛髪への損傷がほどんど無く、且つ染色後のカーボネートによる刺激臭が無く、臭いを発生しないアルカリ過酸化水素及び緩衝液を含む毛髪染色組成物について記載している。同様に、欧州特許第1106166号は、アンモニア、カーボネート(アンモニア塩以外)、遷移金属塩及びキレート剤を含有し、刺激臭を発せず、皮膚への刺激が少なく且つ毛髪色を短時間でより明るい色調に変えることができる毛髪染料組成物について記載している。
【0007】
PCT国際公開特許WO04/014328は、過酸化物酸化剤、特定の酸化剤及びより効果的に染色させる、水溶性カーボネートを放出する塩類の少なくとも1つを含有し、2〜60分間、適用されるワンステップ毛髪染色組成物について記載している。
【0008】
他の試みられた解決策は、米国特許第6703004号に記載されており、そこには水性酸化剤、過硫酸塩、及び親水性油を含有し、その量は3〜5%活性酸素、及び0.7〜1.2meq/グラムのアルカリ性を含む混合物を提供するに十分なだけのものであり、10〜30分で毛髪を漂白することができる毛髪漂白組成物について記載している。同様に、米国特許第6669933号は、染料及び顕色剤の混合物、0.2〜0.75meq/グラムの遊離アルカリ性濃度及び過酸化水素より成り、12分未満で酸化的に毛髪を染色する水性毛髪染色組成物について記載している。
【0009】
米国特許第2004/0078906号は、ケラチンの高速染色及び脱色方法について記載しており、そこでは特定の直接染料が繊維に適用され、5分未満の間放置される。
【0010】
頭部への毛髪染料の適用時間を短縮するための代替的試みは、引き続いて実施される毛髪染色剤の処理が短くなる方法から成り、そこでは時間の経過と共に、次第に色変化が得られる。例えば、PCT国際公開特許WO01/76546は、毛髪色変更組成物を毛髪に適用すること及びそれを毛髪上に約0.5〜15分放置するという工程を含む毛髪染色方法(本方法は月に1回〜1日に約3回繰り返す)について記載している。
【0011】
米国特許第2003/01545561号は、酸化性シャンプーを5秒〜5分間適用し、処理を2〜30回繰り返し、そして処理の間隔を8時間〜30日とする方法について記載している。同様に、米国特許第2004/0098814号は、毛髪を多数の短い処理に引き続きさらし、該処理がシャンプー又はコンディショナーベース内の染料中間体、塩を放出する水溶性カーボネート及び水溶性アンモニウム塩から構成される、恒久的方法について記載している。米国特許第2004/0098816号は、毛髪を多数の処理(それらの間には規定の時間間隔がある)に付し、処理組成物がキレート剤と組み合わされた炭酸アンモニウムを含む、段階的永続的毛髪染色方法についても記載している。
【0012】
しかし、これらの文献はいずれも、高速に毛髪色を提供することに関連する問題に対して成功裏に対処することができなかった。特に、必要なリフト及び色を提供するための高濃度の過酸化水素及びアンモニアを使用することから生じる毛髪損傷問題、並びに同様に、典型的には、高濃度の過酸化水素及びアンモニアの存在並びに更に高pH値による頭皮刺激問題は、現在の技術及び市販製品では十分に解決できない。
【0013】
従来技術の高速染色組成物についての別の重大な問題は、必要な色を得ること及び更に白髪を効果的に覆うことである。これらの量と分布は、消費者間で大幅に変化する。先行技術は、要求される色の色相及び深さを提供できないだけでなく、特に、消費者が多数のリフトレベルによってその毛髪色を明るくしたいという要望も満足させることもできない。このように明るくするには、現在では、高濃度の過酸化水素を含む組成物及び所望の色を消費者に提供するために毛髪上で長期間使用することによってのみ提供されるかなりの漂白を必要とする。同様に、先行技術の組成物も均一且つむらの無い色を毛髪上に提供したり、染色後の洗浄及び乾燥サイクル中に得られる最初の色の被覆を維持したりすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、所望の濃度のリフト及び明るさを提供し、同時に、提供する色の改善及び損傷の低減、皮膚及び頭皮の刺激の低減及び臭いを減らす、毛髪染色剤(現在利用可能な製品の適用時間より短い時間に対して有効であり且つ消費者が美しさを保つための定期的な行為の一部として使用される)を消費者に提供することが更に望ましい。更に、組成物を毛髪上へ素早く完全に適用することの困難性を解決する高速カラーデリバリーシステムを提供することも望ましい。
【0015】
驚くことに、酸化剤、カーボネートイオン類供給源及びアルカリ化剤(pH9.5以下で使用する)を含む酸化性毛髪染色組成物は、毛髪の漂白又は染色を高速で行い、消費者の毛髪上での要望する色の発色時間が20分未満であることが分かった(現在使用されているアンモニア/過酸化物系は、要望する色を得るために45分の待ち時間を必要とする)。更に、本発明の方法は、毛髪への損傷を低減し、皮膚及び頭皮への刺激を低減し、臭いが少なく且つ現在流通している染料及び色素前駆体の系と組み合わせることができ、結果的にリフト及びブロンドの色相の明るさ、優れた染料付着、均一性及び色(特に、灰色の被覆)を改善し、それが消費者が次の染色処理を行うまで、消費者による洗浄及び整髪サイクルにおいて維持される。該方法は、該組成物を毛髪に素早く実際に適用でき、且つ特に毛髪の流れに沿って、所望の色を付ける際に、消費者の皮膚を汚すことを最少にすることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、(i)ペルオキシモノカーボネートイオン類の少なくとも1つの供給源及び(ii)少なくとも1つのアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類で、9.5以下のpHを含む組成物を提供すること、及び次に、該組成物を毛髪に適用すること、及び該組成物を毛髪上に20分未満の時間保持すること並びに引き続いて、該組成物を毛髪からすすぎ洗いすることの各工程を含む酸化性毛髪染色及び毛髪漂白方法に関する。
【0017】
本発明は更に、(i)ペルオキシモノカーボネートイオン類の少なくとも1つの供給源及び(ii)少なくとも1つのアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類で、毛髪を20分未満で酸化的に染色又は漂白する、9.5以下のpHを有する組成物を含む組成物の使用に関する。
【0018】
本発明の別の態様は、少なくとも2つの酸化性毛髪染色又は毛髪漂白処理を順次行い、各処理間の時間が1日〜60日であり、各処理が、(i)ペルオキシモノカーボネートイオン類の少なくとも1つの供給源及び(ii)少なくとも1つのアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類で、9.5未満のpHを含む組成物を提供すること、並びに次に、該組成物を毛髪上に適用すること及び該組成物を毛髪上に約20分未満の時間維持すること並びに引き続いて、該組成物を毛髪からすすぎ洗いすることの各工程を含む順次の酸化性毛髪染色又は毛髪漂白の方法に関する。
【0019】
本発明の別の態様は、毛髪前処理方法に関し、毛髪は最初に少なくとも1つのコンディショニング剤を含む前処理を施され、それは毛髪染色又は漂白組成物の適用前に、毛髪上に保持される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書は、本発明を詳しく指摘し明確に請求する特許請求の範囲でまとめられるが、本発明は、以下の説明からより良く理解されるものと考えられる。
【0021】
本明細書中で用いる場合、処理される「毛髪」という用語は、「生体の」、即ち生きている体上にあるか、あるいは「非生体の」、即ちウイッグ、ヘアピース又は非生体性ケラチン性繊維のその他集合体である。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、羊毛、毛皮及びその他のケラチン含有繊維は、本発明の組成物に適した基質である。
【0022】
特に記述されない限り、すべての百分率は、総組成物の重量によるものである。処理時に1つ以上の組成物が使用される場合、考慮されるべき総重量は、特に指示がない限り、毛髪に同時に適用される全組成物の総重量(即ち、「頭部に」ある重量)である。特に記載のない限り、すべての比率は重量比である。
【0023】
現在販売されている毛髪永続的染色製品は、典型的には、所望の毛髪色を消費者に提供するための、アルカリ化剤系、染料前駆体及び酸化剤の組み合わせを使用する。該アルカリ化剤は、典型的には、アンモニア又はモノエタノールアミンのようなアルカノールアミンであり、そして該酸化剤は、典型的には、過酸化水素又は固形の過酸化水素である。消費者に提供される最終毛髪色は、毛髪繊維内のメラニン色素の漂白のもと、及び染色色素発色団部分(直接染料として作用するか、毛髪繊維内の染料前駆体の酸化により形成される)の送達の結果の組み合わせである。
【0024】
このような系に最適なpHは、典型的には、約pH10.0である。この高いpHは、十分な濃度のペルヒドロキシアニオン(HOO−)を生成して、所望の漂白をメラニンに行うために必要である。pH9.5より下では、本種の濃度は、加えた過酸化水素濃度(pKa=11.6)の0.01%未満であり、メラニン漂白量が劇的に低下し、従って所望の最終色を与えるには不十分となることが見出されている。
【0025】
しかし、本明細書中にて上述した如く、高pHを有する組成物は、消費者によってこれらの染色剤系について指摘された多くの欠点を引き起こす。特に、揮発性アンモニアの濃度は、高pH(pH9.5より上)にて増加し、不快な臭気を増大させる。また、消費者の中には皮膚及び頭皮の刺激に悩まされる者もいる。更に、ペルヒドロキシアニオン類を含む反応種は、毛髪繊維と反応し、明らかな繊維損傷をもたらす。本反応性の1つの帰結は、毛髪繊維の親水性が大幅に増大し、これにより、染色されていない毛髪と比較して毛髪を櫛で梳くために必要な力が増加する。更に、櫛で梳いている間及び整髪の間に作用するより大きな力によって、更に毛髪繊維の繊維損傷が増大する。
【0026】
驚くことに、ペルオキシモノカーボネートイオン類(好ましくは、過酸化水素供給源からその場で形成される)の少なくとも1つの供給源と、カーボネートイオン供給源と、アルカリ化剤の少なくとも1つの供給源と、好ましくはラジカルスカベンジャーの少なくとも1つの供給源(以下に定義する通り)と、好ましくは染料及び/又は染料前駆体を含み、9.5以下、好ましくは7.5〜9.5のpHにて、20分未満の時間、消費者の毛髪に適用する組成物による毛髪染色及び漂白方法が、得られた所望の毛髪色を改善しつつ、臭気、皮膚及び頭皮への刺激並び毛髪繊維への損傷を大幅に減少させることが分かった。
【0027】
理論に束縛されるものではないが、本発明において、メラニンの漂白を担う重要な種、すなわちペルオキシモノカーボネートイオン(−OC(O)OOH)は、9.5より大きなpHにて分解し、酸素及び炭酸水素イオンを形成すると考えられている。7.5より小さなpHにて、該炭酸水素イオンは分解して、二酸化炭素及び水を形成する。pH9.0にて、メラニンの漂白及び最終色が、最適濃度にて観察される。このため、意外にも、本発明によりリフトが改善され、換言すれば、消費者が高度に所望する毛髪を明るくすることが可能となる。更に、9.5より小さいpHを有する組成物は、不快なアンモニア臭を大幅に減らすだけでなく、毛髪繊維への損傷を減らすという利益をも有する。その上、カーボネート系動力学によって、該組成物は消費者の頭部の毛髪上で必要とする発色時間(改善された均一な色を得て、洗浄及び整髪サイクルの間で保持される)がわずか約20分以下と短い。
【0028】
本発明の組成物はこのため、ペルオキシモノカーボネートイオン類供給源を含む。これらのイオンは典型的には、過酸化水素の供給源とカーボネートイオンとの間の反応からその場で形成される。従って、本発明の組成物は、少なくとも1つの酸化剤供給源を含む組成物を含むか又はそれとの組み合わせで使用される。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義される時、「水溶性」とは、標準状態で、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの該酸化剤が1リットルの脱イオン水に溶解され得ることを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(漂白)にとって有益であり、並びに毛幹中での酸化染料前駆体の酸化(酸化染色)を促進する。
【0029】
本発明において、当該技術分野において既知のいかなる酸化剤が用いられてもよい。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生成できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム及び有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、及び無機過水和物塩の漂白化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩類は、一水和物、四水和物等として組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物及び/又はペルオキシダーゼもまた用いられてよい。所望であれば、2つ以上のこうした酸化剤の混合物を用いることができる。該酸化剤は、水溶液又は使用前に溶解させる粉末として提供されてもよい。本発明の組成物内で使用するのに好ましいのは、過酸化水素、過カーボネート(酸化剤及びカーボネートイオン類の両方の供給源を提供するために使用される)、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0030】
本発明によると、組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の酸化剤を含む。
【0031】
カーボネートイオン供給源
本発明によれば、該組成物は、従って少なくとも、カーボネートイオン類又はカルバメートイオン類又は炭酸水素イオン類又はこれらの任意の混合物の供給源も含む。これらのイオン類の任意の供給源を利用してよい。本明細書に用いるのに適した供給源には、炭酸イオン、カルバミン酸イオン及び炭酸水素イオンのナトリウム、カリウム、グアニジン、アルギニン、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム塩類及びこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びこれらの混合物が挙げられる。過炭酸塩もまた、炭酸イオン類及び酸化剤の両方の供給源を提供するために使用されてもよい。カーボネートイオン、カルバメートイオン及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニウムカルバメート及びこれらの混合物である。
【0032】
本発明の組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%のカーボネートイオンを含んでよい。好ましくは、存在する場合は、アンモニウムイオン類及びカーボネートイオン類は、該組成物中に3:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:5の重量比で存在する。本発明の特に好ましい実施形態において、アンモニウムイオン類及びカーボネートイオンの供給源は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はこれらの混合物等の単一供給源によって提供される。
【0033】
アルカリ化剤供給源
本発明によると、組成物は更に、少なくとも1つのアルカリ化剤供給源、好ましくはアンモニウムイオン類供給源及び/又はアンモニア供給源を含む。当該技術分野において既知のいずれかの剤、例えばアルカノールアミド、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及びグアニジウム塩が用いられてもよい。特に、好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン類供給源を提供するものである。任意のアンモニウムイオン類供給源が、本明細書に用いるのに適している。好ましい供給源には、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア及びこれらの混合物である。
【0034】
本発明の組成物は、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約6重量%、最も好ましくは約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン類を含んでよい。
【0035】
pH
本発明の方法によれば、本発明の組成物は、pH9.5以下のpHを有する。好ましくは、本発明の組成物は、約9.5〜約7.5、より好ましくは約9.5〜約8.4、最も好ましくは約9.4〜約8.5、更に一層好ましくは約9.0のpHを有する。
【0036】
好ましくは、本発明の組成物は、毛髪繊維への適用に先だって、該組成物のpHが約9.5以下になるように調製される。しかし、本発明の別の実施形態では、該組成物が毛髪繊維から除去されるまでの適用中に、組成物のpHが9.5以下になるように処方されてもよい。好ましくは、該組成物の毛髪への適用時間の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%で、pHが約9.5以下である。
【0037】
該組成物のpHは、メトラートレド社(Mettler Toledo)製MP220又はMP225pH装置(実験室用標準pH電極を装着)を使用して決定できる。該装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0038】
良好に色を明るくすること及び良好に色を形成することのためには、最終配合物が良好な緩衝能又は予備アルカリ度(系が酸の添加によって、もしそれが無ければ引き起こされるpH変動に抵抗する力)を有するべきであることが知られている。該予備アルカリ度は、メトラー社(Mettler)製DL70自動滴定装置を使用し、0.1Nメタノール塩酸を、50mLのメタノール中に完全に混合させた0.7mLの染色剤生成物に添加して測定する。該電極は較正され、そして次に、pHの急激な変化によって引き起こされる最も鋭い終点に到達するために必要な酸の量を測定するために使用する。本方法を用いて、良好に色を明るくすること及び染色するために必要な予備アルカリ度は、0.1Nの、好ましくは0.4Nより大のエタノール塩酸が少なくとも0.2mLであることが判明した。適した緩衝系は、アンモニア/酢酸アンモニウム混合物、モノエタノールアミンピロリン酸四ナトリウム、イソプロパノールアミン、安息香酸を含む。
【0039】
追加成分
本発明の組成物としては、毛髪染色剤例えば、酸化染料前駆体、非酸化性染料、増粘剤、溶剤、酵素、界面活性剤、コンディショニング剤、担体類、酸化防止剤、安定剤、キレート剤、パーマ用活性物質、香料、還元剤(チオ乳酸)、毛髪膨潤剤、疎水性油、例えば、ココナッツ油、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル(isopropyl myristrate)、亜麻仁油等、並びにパルミチン酸オクチル及び/又はポリマー類を更に含む追加成分が挙げられるが、これらに限定するものではない。これら追加成分のいくつかについては、後で詳細に述べる。
【0040】
毛髪染料
本発明の毛髪染色組成物は、好ましくは、酸化染色組成物を含む毛髪染色組成物である。こうした組成物は、多様な毛髪の色を毛髪に送達する酸化毛髪染料前駆体(一次中間体としても知られる)を含む。これらの小さい分子は酸化剤により活性化され、更なる分子と反応してより大きい染色錯体を毛幹中に形成する。
【0041】
前駆体は、単独で又は他の前駆体と組み合わせて用いることができ、1つ以上の前駆体を1つ以上のカップラーと組み合わせて用いることもできる。カップラー(色調整剤又は二次中間体としても知られる)は、一般に、活性化された前駆体類の存在下で色を形成できる無色の分子類であり、特定の色の効果を生成するため又は色を安定化させるために、他の前駆体類又はカップラー類と共に使用される。
【0042】
前駆体及びカップラーの選択は、所望の染色の色、色相及び強度により決定される。前駆体及びカップラーを、本明細書において、単一で又は組み合わせにより用いて、灰色がかったブロンド色から黒までの範囲の多様な色相を有する染料を提供することができる。
【0043】
これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン類、アミノフェノール類、及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化性染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「化粧品の科学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」(サガリン(Sagarin)著、インターサイエンス(Interscience)、特別版、第2巻、308〜310頁)に見ることができる)。以下に述べる前駆体は、例示のためだけのものであり、本明細書の組成物及びプロセスを限定する目的でないことを理解すべきである。以下のものが挙げられる。
【0044】
p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、ベンゼン−1,4−ジアミン(一般に、p−フェニレンジアミンとして知られている)、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−クロロ−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−フェニル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(2−エトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、(一般に、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンとして知られている)、(2,5−ジアミノ−フェニル)−メタノール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール、N−(4−アミノフェニル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2,6−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、2−イソプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−[(4−アミノフェニル)アミノ]−プロパン−2−オール、2−プロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン、1,3−ビス[(4−アミノフェニル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロパン−2−オール、N4,N4,2−トリメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−メトキシ−ベンゼン−1,4−ジアミン、1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール、2,3−ジメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、2,6−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−2−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−チエン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、2−ピリジン−3−イルベンゼン−1,4−ジアミン、1,1’−ビフェニル−2,5−ジアミン、2−(メトキシメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(アミノメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン、2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エタノール、N−[2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エチル]−アセトアミド、N,N−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジエチルベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ジプロピルベンゼン−1,4−ジアミン、2−[(4−アミノフェニル)(エチル)アミノ]エタノール、2−[(4−アミノ−3−メチル−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、N−(2−メトキシエチル)−ベンゼン−1,4−ジアミン、3−[(4−アミノフェニル)アミノ]プロパン−1−オール、3−[(4−アミノフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、N−{4−[(4−アミノフェニル)アミノ]ブチル}ベンゼン−1,4−ジアミン、及び2−[2−(2−{2−[(2,5−ジアミノフェニル)−オキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]ベンゼン−1,4−ジアミン;1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン(phenylinediamine);p−アミノフェノール誘導体、例えば、4−アミノ−フェノール(一般に、p−アミノフェノールとして知られている)、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチル−フェノール、4−アミノ−2−メチル−フェノール、4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール、5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸、1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール、4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−3−フルオロ−フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)−フェノール、4−アミノ−2−フルオロ−フェノール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン;2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール;o−フェニレンジアミン誘導体、例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば、2−アミノ−フェノール(一般に、o−アミノフェノールとして知られている)、2,4−ジアミノフェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド、及び2−アミノ−4−メチル−フェノール;並びに複素環誘導体類、例えば、ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン(一般に、2,4,5,6−テトラアミノピリジンとして知られている)、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン、2−[(3−アミノ−6−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]エタノール、6−メトキシ−N2−メチル−ピリジン−2,3−ジアミン、2,5,6−トリアミノピリミジン−4(1H)−オン、ピリジン−2,5−ジアミン、1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−(4−クロロベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−3,7−ジアミン、5,6,7−トリメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、2,5,6,7−テトラメチル(teramethyl)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、5,7−ジ−第三ブチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、5,7−ジ−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミン塩酸塩、2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン塩酸塩;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;1−(2’ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン;並びに1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート。
【0045】
追加の顕色剤としては、N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(2−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;4−ヒドロキシ安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−ピリジン−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(4−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[3−(3−アミノ−フェニルアミノ)−プロペニル]−ベンゼン−1,4−ジアミン;3−(2,5−ジアミノ−フェニル)−N−エチル−アクリルアミド;2−チアゾール−2−イル−ベンゼン−1,4−ジアミン;4−ヒドロキシ安息香酸(2,5−ジアミノ−ベンジリデン)−ヒドラジド;3’−フルオロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;2−プロペニル−ベンゼン−1,4−ジアミン;2’−クロロ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−チオフェン−3−イルメチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;N−(3−フリルメチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;4’−メトキシ−ビフェニル−2,5−ジアミン;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,4−ジアミン;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン塩酸塩;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール塩酸塩;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩塩酸塩;5−フェニルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−チオフェン−3−イル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール塩酸塩;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;2’,4’−ジアミノ−ビフェニル−4−オール塩酸塩;ビフェニル−2,4,4’−トリアミン;5−(4−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;2−[4−アミノ−2−(3,5−ジアミノ−ベンジルアミノ)−フェノキシ]−エタノール塩酸塩;5−アリルアミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;5−(3−アミノ−フェニル)アミノメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−(4−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−ベンジル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;3−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−(2−アミノ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、N−フラン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩、2−[(3−アミノ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;N−チオフェン−2−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−ベンゼン−1,3−ジアミン塩酸塩;N−[4−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−アクリルアミド塩酸塩;4−アミノ−2−プロピルアミノメチル−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェノール塩酸塩;4−アミノ−2−[(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニルアミノ)−メチル]−フェノール塩酸塩;2−メチル−5−[(1−H−ピロール−2−イルメチル)−アミノ]−フェノール;5−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−2−メチル−フェノール;5−イソプロピルアミノ−2−メチル−フェノール;5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノール;4−アミノ−2−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−フェノール;及び5−シクロブチルアミノ−2−メチル−フェノールが挙げられる。
【0046】
好ましい顕色剤としては、次のものが挙げられる。p−フェニレンジアミン誘導体、例えば、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン;ベンゼン−1,4−ジアミン;1−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;2−(2,5−ジアミノ−フェニル)−エタノール;N−(2−メトキシエチル)ベンゼン−1,4−ジアミン;2−[(4−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール;1−(2,5−ジアミノフェニル)エタン−1,2−ジオール;1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン;1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール;2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン(phenylinediamine);及びこれらの混合物;p−アミノフェノール誘導体、例えば、4−アミノ−フェノール、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、4−アミノ−2−メトキシメチル−フェノール;1−(5−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオール;1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン;1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン;4−アミノ−2−アミノメチルフェノール;2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール;4−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(2’−ヒドロキシエチルアミノメチル)ベンゼン;1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’ヒドロキシエチルアミノ)−ベンゼン;5−アミノサリチル酸及びこれらの塩;及びこれらの混合物;o−フェニレンジアミン誘導体、例えば、3,4−ジアミノ安息香酸及びこれらの塩;o−アミノフェノール誘導体、例えば、2−アミノ−フェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、N−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド;2−アミノ−4−メチル−フェノール;及びこれらの混合物;並びに複素環誘導体類、例えば、ピリミジン−2,4,5,6−テトラミン;1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;1−(4−メチルベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;1−(ベンジル)−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン;N2,N2−ジメチル−ピリジン−2,5−ジアミン;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン;1−(2’ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン;及び1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート;及びこれらの混合物。
【0047】
より好ましい顕色剤には、2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン、ベンゼン−1,4−ジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−フェノール、4−メチルアミノ−フェノール、4−アミノ−3−メチル−フェノール、1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン、2−アミノ−フェノール、2−アミノ−5−メチル−フェノール、2−アミノ−6−メチル−フェノール、1−メチル−1H−ピラゾール−4,5−ジアミン、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート、2−(4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
本明細書に記載の組成物で使用するのに適したカップラーとしては、これらに限定するものではないが、フェノール、レゾルシノール、及びナフトール誘導体、例えば、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、7−アミノ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−スルホン酸、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1,5−ジオール、2−クロロ−ベンゼン−1,3−ジオール、4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−スルホン酸、ベンゼン−1,2,3−トリオール、ナフタレン−2,3−ジオール、5−ジクロロ−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール、4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジオール、2,3−ジヒドロキシ−[1,4]ナフトキノン;及び1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;m−フェニレンジアミン、例えば、2,4−ジアミノフェノール、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、2−[(3−アミノ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、2−メチル(mehyl)−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[[2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エチル]−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェニル)−エタノール、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、4−(2−アミノ−エトキシ)−ベンゼン−1,3−ジアミン、(2,4−ジアミノ−フェノキシ)酢酸、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、4−エトキシ−6−メチル−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェノキシ)−エタノール、4,6−ジメトキシ−ベンゼン−1,3−ジアミン、2−[3−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェニルアミノ]−エタノール、3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール、N−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]尿素、4−メトキシ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、4−フルオロ−6−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、2−({3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ジメトキシフェニル}−アミノ)エタノール、3−(2,4−ジアミノフェノキシ)−プロパン−1,2−ジオール、2−[2−アミノ−4−(メチルアミノ)−フェノキシ]エタノール、2−[(5−アミノ−2−エトキシ−フェニル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール、2−[(3−アミノフェニル)アミノ]エタノール、2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;N−(2−アミノエチル)ベンゼン−1,3−ジアミン、4−{[(2,4−ジアミノ−フェニル)オキシ]メトキシ}−ベンゼン−1,3−ジアミン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;及び2,4−ジメトキシベンゼン−1,3−ジアミン;m−アミノフェノール、例えば、3−アミノ−フェノール、2−(3−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルアミノ)−アセトアミド、2−(3−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−アセトアミド、5−アミノ−2−メチル−フェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、5−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−アミノ−2−メチル−フェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチル−フェノール、5−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノール、2−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ)−フェノール、5−アミノ−4−クロロ−2−メチル−フェノール、3−シクロペンチルアミノ−フェノール、5−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール、3−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェノール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、5−アミノ−2−エチル−フェノール、5−アミノ−2−メトキシフェノール、5−[(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノ]−2−メチルフェノール、3−[(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−アミノ]プロパン−1,2−ジオール、3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メチルフェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ−ベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン;並びに複素環誘導体、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール、4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン、6−メトキシキノリン−8−アミン、4−メチルピリジン−2,6−ジオール、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルアミノ)エタノール、3,4−ジメチルピリジン−2,6−ジオール、5−クロロピリジン−2,3−ジオール、2,6−ジメトキシピリジン−3,5−ジアミン、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、2−{[3,5−ジアミノ−6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]オキシ}−エタノール、1H−インドール−4−オール、5−アミノ−2,6−ジメトキシピリジン−3−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、6−ブロモ−1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、2−アミノピリジン−3−オール、ピリジン−2,6−ジアミン、3−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]プロパン−1,2−ジオール、5−[(3,5−ジアミノピリジン−2−イル)オキシ]ペンタン−1,3−ジオール、1H−インドール−2,3−ジオン、インドリン−5,6−ジオール、3,5−ジメトキシピリジン−2,6−ジアミン、6−メトキシピリジン−2,3−ジアミン;3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−アミン;4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、5−メチルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール、5−メチル−6−クロロピラゾロ[5,1−e]−1,2,3,−トリアゾール、5−フェニルピラゾロ[5,1−e]−1,2,3−トリアゾール及びその付加塩、1H−2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールトシラート、7,8−ジシアノ−4−メチルイミダゾロ−[3,2−a]イミダゾール、2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン、2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン、及び2−メチル−5−メトキシメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;並びに3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オンが挙げられる。
【0049】
好ましいカップラーとしては、次のものが挙げられる。フェノール、レゾルシノール、及びナフトール誘導体、例えば、ナフタレン−1,7−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、ナフタレン−1−オール、2−メチル−ナフタレン−1−オール、ナフタレン−1,5−ジオール、ナフタレン−2,7−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、及び2−イソプロピル−5−メチルフェノール;1,2,4−トリヒドロキシベンゼン;1−アセトキシ−2−メチルナフタレン;及びこれらの混合物;m−フェニレンジアミン誘導体類、例えば、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−エタノール、4−{3−[(2,4−ジアミノフェニル)オキシ]−プロポキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン、2−(3−アミノ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−エタノール、2−[2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−フェノキシ]−エタノール、及び3−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン−1−オール;2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン;N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン;2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエンサルフェート水和物(fluorotoluenesulfatehydrate);1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン;及びこれらの混合物;m−アミノフェノール誘導体、例えば、3−アミノ−フェノール、5−アミノ−2−メチル−フェノール、5−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−フェノール、及び3−アミノ−2−メチル−フェノール;1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン;1−ヒドロキシ−3−アミノ−2,4−ジクロロベンゼン;1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン;1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン;5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール;及びこれらの混合物;並びに複素環誘導体類、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−オール、4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン、1,3−ベンゾジオキソール−5−オール、1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン、1H−インドール−4−オール、1H−インドール−5,6−ジオール、1H−インドール−7−オール、1H−インドール−5−オール、1H−インドール−6−オール、1H−インドール−2,3−ジオン、ピリジン−2,6−ジアミン、2−アミノピリジン−3−オール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、1H−5−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、6−メチルピラゾロ−[1,5−a]ベンゾイミダゾール;2,6−ジヒドロキシピリジン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;6−ヒドロキシベンゾモルホリン;2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン;3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン;3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン;1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン;及びこれらの混合物。
【0050】
より好ましいカップラーには、ベンゼン−1,3−ジオール、4−クロロベンゼン−1,3−ジオール、2−メチル−ベンゼン−1,3−ジオール、ベンゼン−1,3−ジアミン、3−アミノ−フェノール、5−アミノ−2−メチル−フェノール、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、4−メチル−2−フェニル−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン、2−アミノピリジン−3−オール、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン−2,4−ジヒドロ−5,2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本明細書に用いるのに特に好ましい染料としては、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、(−アミノフェノール、2,5−ジアミノトルエンサルフェート、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンサルフェート、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−20ヒドロキシトルエン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、ナフトール(napthol)、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソールサルフェート、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、m−フェニレンジアミンサルフェート、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾールサルフェート、1−アセトキシ−2−メチルナフタレン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
本発明の毛髪染色組成物としては、非酸化性毛髪染料即ち、単独で又は上述した酸化性染料と組み合わせて使用してもよい直接染料も挙げられる。適した直接染料には、アゾ又はアントラキノン染料、及びベンゼン系のニトロ誘導体及び/又はメラニン前駆体、及びこれらの混合物が挙げられる。このような直接染料は、色相改質又は強調表示を送達するのに特に有用である。実際は、毛髪に色を付与することができる任意の分子を使用できる。この関係において特に重要なことは、1つ以上の以下の成分を含む分子であることである。インジゴイド、ポリメチン、フタロシアニン、及びアリールカルボニウム。「クロム現象(Chromic Phenomena)」(バムフィールド.P(P.Bamfield)著)(ISBN0−85404−474−4、参考として組み込まれる)に記載の通り、色を付与することが可能なこれら及び他の物質は、全て本明細書に適用できる。これらの物質のうち、好ましい染料は、米国特許第2004/0078906号に開示されているようなものであり、特に好ましいのはカチオン性アゾ染料である。
【0053】
本発明の毛髪染料組成物は、一般的に、約0.001%〜約10%の染料を含む。例えば、低強度の染色、例えば自然な金髪から薄い茶色の毛髪の色相を提供する組成物は、一般に染色組成物の約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の前駆体及びカップラーを含む。より暗い色相、例えば茶色及び黒は、典型的には、0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約7重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の前駆体及びカップラーを含む。
【0054】
ラジカルスカベンジャー
本発明によると、該組成物はラジカルスカベンジャー供給源を更に含んでよい。本明細書で使用する時、用語「ラジカルスカベンジャー」は、炭酸塩ラジカルと反応してその炭酸塩ラジカルを一連の速い反応によって、より反応性の低い種、即ち炭酸塩ラジカルスカベンジャーへと変換させることのできる種である。
【0055】
理論に束縛されるものではないが、ラジカルスカベンジャーが炭酸塩ラジカルを変換する能力(上述の通り)は、以下に示す電荷移動反応のエネルギーに依存すると考えられている。(電荷移動反応のエネルギー計算については、詳細に後述する。)
【0056】
スカベンジャー+CO3*− スカベンジャー*−+CO2−
式中、反応エネルギーは、次の様に定義される。
【0057】
ΔHr=ΔHf(生成物)−ΔHf(反応体)
=ΔHf(スカベンジャー*+)+ΔHf(CO2−)−ΔHf(スカベンジャー)−ΔHf(CO*−
【0058】
本発明によると、本明細書に用いるのに適したラジカルスカベンジャーは、約0kcal/モル〜14kcal/モル、好ましくは、約1.5kcal/モル〜9kcal/モルの反応エネルギーを有する。
【0059】
本明細書に用いるのに適したラジカルスカベンジャーとしては、次の一般式に従う化合物が挙げられる。
【0060】
(I)R1−Y−C(H)(R3)−R4−(C(H))(R5)−Y−R6n
(式中、Yは、NR2、O、又はSであり、好ましくはNR2であり、nは0〜2であり、R4は一価又は二価であり、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、一価若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィンの系、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環の系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−、若しくはペル−フルオロアルキルの系から選択され;(a)、(b)及び(c)の系は、1〜12個の炭素原子並びにO、S、N、P及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子を含み;Rは、R若しくはRに結合して5、6、若しくは7員環を生成することができ;R、R、R、R及びRは一価であり、独立して本明細書の以上に記載された(a)、(b)及び(c)又はHから選択される)による化合物が挙げられる。)
好ましくは、Rは、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィンの系、(b)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環の系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−、若しくはペル−フルオロアルキルの系から選択され;より好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、若しくはヘテロ脂肪族の系、(b)置換若しくは非置換の、アリール、若しくは複素環の系、又は(c)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−、若しくはペル−フルオロアルキルの系から選択され;より好ましくは、置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル又はヘテロアルキルの系から選択される。
【0061】
好ましくは、本明細書の以上に記載された、(a)、(b)及び(c)のR4の系は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子及び0〜3個のへテロ原子;好ましくは0〜2個のへテロ原子;最も好ましくは0〜1個のへテロ原子を含む。該系がへテロ原子を含む時、好ましくはそれらは1個のへテロ原子を含む。好ましいへテロ原子には、O、S、及びNが挙げられ、より好ましいのはO、及びNであり、最も好ましいのはOである。
【0062】
好ましくは、R、R、R、R及びRは、独立して上記のRについて定義された系のいずれか、並びにHから選択される。
【0063】
代替実施形態において、R、R、R、R、R及びR基のいずれかは置換されている。好ましくは、置換基(類)は、(a)(i)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、一価若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィンの系、(ii)置換若しくは非置換の、単環式若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環の系、又は(iii)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−、若しくはペル−フルオロアルキルの系から成り、(i)、(ii)及び(iii)の前記系は、1〜10個の炭素原子並びにO、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子を含むC結合一価置換基の群;(b)SA1、SCN、SO21、SO31、SSA1、SOA1、SO2NA12、SNA12及びSONA12からなるS結合一価置換基の群;(c)OA1、OCN及びONA12からなるO結合一価置換基の群;(d)NA12、(NA113+、NC、NA1OA2、NA1SA2、NCO、NCS、NO2、N=NA1、N=NOA1、NA1CN、NA1NA23からなるN結合一価置換基の群;(e)COOA1、CON3、CONA12、CONA1COA2、C(=NA1)NA12、CHO、CHS、CN、NC及びXからなる一価置換基の群;並びに(f)1〜12個の炭素原子及び0〜4個のヘテロ原子を含む、モノ−、ポリ−、又はペル−フルオロアルキルの系からなるフルオロアルキル一価置換基を含む群から選択される。
【0064】
上述の(b)〜(e)の群に関して、A、A及びAは一価であり、独立して、(1)H、(2)置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分岐鎖の、アルキル、モノ−若しくは多価不飽和アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族、ヘテロ脂肪族、若しくはヘテロオレフィンの系、(3)置換又は非置換の、単環若しくは多環式の脂肪族、アリール、若しくは複素環式の系、又は(4)置換若しくは非置換の、モノ−、ポリ−、若しくはペル−フルオロアルキルの系から選択され;前記(2)、(3)及び(4)の系は1〜10個の炭素原子とO、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子とを含み;並びに式中、XはF、Cl、Br、及びIを含む群から選択されるハロゲンである。
【0065】
本明細書に用いるのに好ましい置換基には、−0.65〜+0.75、好ましくは−0.4〜+0.5のハメットシグマパラ(Hammett Sigma Para)(σp)値を有するものが挙げられる。ハメットシグマ値(Hammett Sigma Values)は、有機化学−反応、機構及び構造(Advanced Organic Chemistry−Reactions,Mechanisms and Structure)(ジェリーマーチ(Jerry March)、第5版(2001年)368〜375ページ)に記載されている。理論に束縛されるものではないが、選択範囲のシグマパラ値を有する置換基がR1及び/又はR2を置換すると、分子の毛幹への浸透能力を阻害させる分子量の好ましくない過度の増大をすることなく、化合物の毒性プロフィールが改善されると考えられている。いくつかの好ましい置換基及びそれらのハメットシグマパラ値を次の表Aに示す。追加の置換基及びそれらの値は、マーチ(March)による書籍、370頁に示されている。
【0066】
【表1】

【0067】
好ましくは、上記で定義したラジカルスカベンジャーは、窒素のプロトン化を防止するために、7を超えるpKaを有する。
【0068】
本明細書に用いるのに適した別のラジカルスカベンジャーは、一般式(II)に従う化合物である。
【0069】
【化1】

(式中、R、R、R、R及びRは各々、H、COO、Cl、Br、SO3、NO2、OCH3、OH、又はC1〜C10の一級若しくは二級アルキルから独立して選択され、MはH若しくはアルカリ金属のいずれかである。)好ましくは、上記のラジカルスカベンジャーは、ヒドロキシ基のプロトン化を確実にするために、8.5を超えるpKaを有する。
【0070】
本明細書に用いるのに適したその他のラジカルスカベンジャーには、(III)ベンジルアミン、イミダゾール、ジ−第三ブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、グアニン、ピラジン、ピペリジン、モルホリン、メチルモルホリン、2−メチルオキシエチルアミン(2methyoxyethylamine)、及びこれらの混合物の群から選択されるものが挙げられる。
【0071】
本発明による好ましいラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル及びこれらの混合物の部類から選択される。特に好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びにそれらのカリウム、ナトリウム及びアンモニウム塩のような塩、並びにこれらの混合物である。
【0072】
特に好ましい化合物は、グリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0073】
本発明によるラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャーの毛髪繊維中への侵入を促進するために、好ましくは約500未満、好ましくは約300未満、より好ましくは約250未満の分子量を有する。本発明の組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。好ましくは、ラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャー対カーボネートイオンの重量比が2:1〜1:4となるような量で存在する。ラジカルスカベンジャーは更に好ましくは、アルカリ化剤と同一の種ではないように選択される。本発明の本発明の一実施態様によると、該ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染色組成物中でその場で形成されてもよい。
【0074】
増粘剤
本発明の組成物は、所望により、少なくとも約0.01%の増粘剤を更に含んでよい。液だれすることなく、毛髪に速やかに適用することができる組成物を提供するために、26℃にて約1Pas(1,000〜40,000cP)の粘度を有する組成物を提供するのに十分な量で、増粘剤が含まれるのが好ましい。本明細書に用いるのに適した増粘剤は、例えば、次のものから選択されてよい。
(i)会合性増粘剤;
(ii)架橋アクリル酸ホモポリマー類;
(iii)(メタ)アクリル酸及び(C1〜C6)アルキルアクリレートの架橋コポリマー類;
(iv)非イオン性ホモポリマー類とエチレン部が不飽和の、エステル及びアミド型のモノマーとを含むコポリマー類;
(v)アンモニウムアクリレートホモポリマー類及びアンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマー類;
(vi)ポリサッカライド類;並びに
(vii)C12〜C30脂肪族アルコール類。
【0075】
(i)本明細書で使用する時、表現「会合性増粘剤」とは、親水性単位及び疎水性単位の両方、例えば少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む両親媒性増粘剤を意味する。使用してよい代表的会合性増粘剤は、次のものから選ばれる会合性ポリマーである。
(i)少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマー;
(ii)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマー;
(iii)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性両親媒性ポリマー;
(iv)少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマー;
少なくとも1つの脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマーは、例えば、次のものから選ばれてよい。
(1)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたセルロース類、例えば、アルキル、アリールアルキル及びアルキルアリール基から選択される少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロース類で、ここでアルキル基が、例えば、C8〜C22であり、アクアロン社(Aqualon)により販売されている製品、ナトロゾルプラスグレード(Natrosol Plus Grade)330CS(C16アルキル類)、及びべロールノーベル社(Berol Nobel)より販売されている製品、ベルモコル(Bermocoll)EHM100等、及びポリアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル基で変性されたセルロース類、例えば、アマコール(Amerchol)社により販売されている製品、アマセルポリマー(Amercell Polymer)HM−1500(ポリエチレングリコール(15)ノニルフェニルエーテル)。
(2)少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグアー類、例えば、ラムベルティ社(Lamberti)により販売されている製品、エサフロール(Esaflor)HM22(C22アルキル鎖)、及びローディアシミ社(Rhodia Chimie)により販売されている製品、ミラケア(Miracare)XC95−3(C14アルキル鎖)及びRE205−1(C20アルキル鎖)。
(3)C10〜C30アルキル又はアルケニル基等の脂肪鎖を少なくとも1つ含むポリエーテルウレタン類、例えば、アクゾ社(Akzo)により販売されている製品、エルファコス(Elfacos)T210及びエルファコス(Elfacos)T212、又はローム&ハース社(Rohm&Haas)により販売されている製品、アキュリン(Aculyn)44及びアキュリン(Aculyn)46。
(4)ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーとのコポリマー。例として次のものを挙げてもよい。I.S.P.社により販売されている製品、アンタロン(Antaron)V216及びガネックス(Ganex)V216(ビニルピロリドン/ヘキサデセンコポリマー)、I.S.P.社により販売されている製品、アンタロン(Antaron)V220及びガネックス(Ganex)V220(ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー)。
(5)C1〜C6アルキルアクリレート又はメタクリレートと少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマー類とのコポリマー類、例えば、アンティル(Antil)208の名称で、ゴールドシュミット社(Goldschmidt)により販売されているオキシエチレン化メチルメタクリレート/ステアリルアクリレートコポリマー。
(6)親水性アクリレート類又はメタクリレート類と少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマー類とのコポリマー類、例えば、ポリエチレングリコールメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー。
【0076】
少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位及びエチレン系不飽和アニオン性モノマー単位、例えば、ポリビニルカルボン酸単位を含む少なくとも1つの親水性単位を含むようなもの、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの組み合わせから誘導される単位で、ここで脂肪鎖アリルエーテル単位が次式のモノマーに対応するものから選択されてもよい。
【0077】
CH2=C(R1)CH2OBnR (I)
式中、R1はH及びCH3から選択され、Bはエチレンオキシラジカルであり、nはゼロ及び1〜100の範囲の整数から選択され、Rはアルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリール及びシクロアルキルラジカルから選択される炭化水素系ラジカル(10〜30個の炭素原子、更に、例えば、10〜24個の炭素原子、更に、例えば、12〜18個の炭素原子を含む)から選択される。
【0078】
一実施形態では、式(I)の単位は、例えば、R1がHであり、nが10に等しく、Rがステアリル(C18)ラジカルである単位である。
【0079】
この種のアニオン性両親媒性ポリマーは、欧州特許第0216479B2号のエマルション重合プロセスに記載され、それに従って調製される。
【0080】
一実施形態では、アニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、20重量%〜60重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸から、5重量%〜60重量%の低級アルキル(メタ)アクリレート類から、2重量%〜50重量%の式(I)の脂肪鎖アリルエーテルから、及び0重量%〜1重量%の架橋剤(これは、周知の共重合性不飽和ポリエチレン系モノマー、例えば、フタル酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート及びメチレンビスアクリルアミドである)から形成されたポリマーである。
【0081】
このようなポリマーの例は、メタクリル酸、エチルアクリレート及びポリエチレングリコール(10EO)ステアリルエーテル(ステアレス−10)の架橋型ターポリマー(例えば、チバ(Ciba)社によりサルケア(Salcare)SC80及びサルケア(Salcare)SC90の名称で販売されている、メタクリル酸、エチルアクリレート及びステアレス−10アリルエーテル(40/50/10)の架橋型ターポリマーの水性30%エマルション)である。
【0082】
該アニオン性両親媒性ポリマーは更に例えば、少なくとも1つの不飽和オレフィン系カルボン酸型親水性単位、及び少なくとも1つの不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルのような型の疎水性単位を含むものから選択されてよい。該不飽和オレフィン系カルボン酸型親水性単位は、例えば、次の式(I)のモノマーに対応している。
【0083】
【化2】

(式中、R1はH、CH3及びC2H5、即ちアクリル酸単位、メタクリル酸単位及びエタクリル酸単位から選択される。)さらに不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステル等の型の疎水性単位は、例えば、次の式(III)のモノマーに対応してい
る。
【0084】
【化3】

(式中、R1はH、CH3及びC2H5(即ち、アクリレート単位、メタクリレート単位及びエタクリレート単位)から選択され、そして例えば、H(アクリレート単位)及びCH3(メタクリレート単位)から選択され、R2はC10〜C30アルキルラジカル、例えば、C12〜C22アルキルラジカルから選択される。)
不飽和カルボン酸類の(C10〜C30)アルキルエステルの例としては、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、及びドデシルアクリレート、並びに対応するメタクリレート類である、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート及びドデシルメタクリレートが挙げられる。
【0085】
この種のアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば、米国特許第3,915,921号及び米国特許第4,509,949号に開示され、これらに従って調製される。
【0086】
使用可能な代表的なアニオン性両親媒性ポリマーは、次のものを含むモノマーの混合物から形成されるポリマー類から更に選択されてよい。
【0087】
(i)アクリル酸、次の式(IV)のエステル。
【0088】
【化4】

式中、R1はH及びCH3から選択され、R2は、C10〜C30アルキルラジカル類例えば、12〜22個の炭素原子を含むアルキルラジカル及び架橋剤、例えば、95重量%〜60重量%のアクリル酸(親水性単位)から誘導されるポリマー類、4重量%〜40重量%のC10〜C30アルキルアクリレート(疎水性単位)、及び0重量%〜6重量%の架橋重合性単量体、又は98重量%〜96重量%のアクリル酸(親水性単位)から誘導されるポリマー類、1重量%〜4重量%のC10〜C30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0.1重量%〜0.6重量%の架橋重合性単量体から選択される。又は、
(ii)アクリル酸及びラウリルメタクリレート、例えば、66重量%のアクリル酸及び34重量%のラウリルメタクリレートから形成されるポリマー類。
該架橋剤は、基(v)を含むモノマーであり得る。
【0089】
【化5】

【0090】
(その不飽和結合が互いに共役していない他の重合性基を少なくとも1つ有する)例えば、ポリアリルスクロース及びポリアリルペンタエリスリトールのようなポリアリルエーテル類を挙げてもよい。
【0091】
上記該ポリマー類としては、例えば、ノベオン社(Noveon)によりペムレン(Pemulen)TR1、ペムレン(Pemulen)TR2、カーボポール1382、更に、例えば、ペムレン(Pemulen)TR1の商標名で販売されている製品群、及びS.E.P.C.社によりコアテックス(Coatex)SXの名称で販売されている製品を挙げてもよい。
【0092】
適したアニオン性両親媒性脂肪鎖ポリマーとして、例えばビスコフォーブ(Viscophobe)DB1000の名称で、アマコール(Amerchol)社により販売されている、メタクリル酸/メチルアクリレート/エトキシル化アルキルジメチル−メタ−イソプロペニルベンジルイソシアネートコポリマーが挙げられる。
【0093】
使用されるカチオン性両親媒性ポリマーは、例えば、四級化セルロース誘導体及びアミノ側基を含むポリアクリレート類から選択される。
【0094】
該四級化セルロース誘導体は、例えば、次のものから選択される。少なくとも1つの脂肪鎖(例えば、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル及びアルキルアリール基及びこれらの組み合わせ)を含む基で変性された四級化セルロース類、少なくとも1つの脂肪鎖(例えば、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル及びアルキルアリール基及びこれらの組み合わせ)を含む基で変性された四級化ヒドロキシエチルセルロース類。
【0095】
例えば、ステアレス20(ポリオキシーエチレン化(20)ステアリルアルコール)及び(C10〜C30)アルキルPEG−20イタコネート等の疎水性基を有するアミノ側基を含む四級化及び非四級化ポリアクリレート類。
【0096】
上述の四級化セルロース類及びヒドロキシエチルセルロース類によるアルキルラジカルは、例えば、8〜30個の炭素原子を含む。例えば、アリールラジカルは、フェニル、ベンジル、ナフチル及びアンスリル基から選択される。
【0097】
C8〜C30脂肪鎖を含む四級化アルキルヒドロキシエチルセルロース類の例は、アマコール(Amerchol)社により販売されている製品、クアトリソフト(Quatrisoft)LM 200、クアトリソフト(Quatrisoft)LM−X 529−18−A、クアトリソフト(Quatrisoft)LM−X 529−18B(C12アルキル)及びクアトリソフト(Quatrisoft)LM−X529−8(C18アルキル)、及びクローダ社(Croda)により販売されている製品、クローダセル(Crodacel)QM、クローダセル(Crodacel)QL(C12アルキル)及びクローダセル(Crodacel)QS(C18アルキル)である。
【0098】
アミノ側鎖を含むポリアクリレート類の例は、ナショナルスターチ社からのストラクチャープラス(Structure Plus)である。
【0099】
少なくとも1つの親水性単位及び少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマーとしては、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリレートコポリマー類(ここで、アルキルラジカルは、例えば、ステアリルラジカルである)を挙げてもよい。
(ii)架橋アクリル酸ホモポリマーとして、カーボポール980、981、954、2984及び5984の名称でノベオン社(Noveon)より販売されている製品又はシンサレン(Synthalen) M、シンサレン(Synthalen) L及びシンサレン(Synthalen) Kの名称で3Vシグマ(Sigma)社より販売されている製品等の糖製品のアリル型アルコールエーテルと架橋したようなものが挙げられる。
(iii)メタクリル酸とエチルアクリレートとの架橋コポリマーで、水性分散液として、38%の活性物質(例えば、コーテックス(Coatex)社によりビスコーテックス(Viscoatex)538Cの名称で販売されている)を含むもの、並びにアクリル酸とエチルアクリレートとの架橋コポリマーで、水性分散液として、28%の活性物質(ローム&ハース社(Rohm&Haas)社によりアキュリン(Aculyn)33の名称で販売されている)を含むもの、から選択されることができる(メタ)アクリル酸とC1〜C6アルキルアクリレートとの架橋コポリマー類。メタクリル酸とエチルアクリレートとの架橋コポリマーとしては、30%の活性物質(ノベオン社(Noveon)により製造され、カーボポールアクア(Carbopol Aqua)SF−1の名称で販売されている)を含む水性分散液が挙げられる。
(iv)エステル及び/又はアミド型の、エチレン部が不飽和のモノマーを含む非イオン性ホモポリマー又はコポリマーとしては、次の名称で販売されている製品が挙げられる。サイテック社(Cytec)によるシアナマー(Cyanamer)P250(ポリアクリルアミド)、USコスメティックス社(US Cosmetics)によるPMMA MBX−8C(メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートコポリマー)、ローム&ハース社(Rohm&Haas)によるアクリロイド(Acryloid)B66(ブチルメタクリレート/メチルメタクリレートコポリマー);コボ社(Kobo)によるBPA500(ポリメチルメタクリレート)。
(v)ヘキスト社(Hoechst)によってマイクロサップ(Microsap)PAS5193の名称で販売されている製品を含むアンモニウムアクリレートホモポリマーが挙げられる。
アンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマーとして、ヘキスト(Hoechst)社によって販売されている、ボゼポール C ヌーボー(Bozepol C Nouveau)の名称で販売されている製品又は製品PAS5193(フランス特許第2416723号、米国特許第2,798,053号及び米国特許2,923,692号の文献に記載され、それらに調製方法が記載されている)が挙げられる。
(vi)該ポリサッカライドは、例えば、グルカン、変性又は非変性デンプン(例えば、シリアル(例えば、小麦、トウモロコシ又は米)、野菜(例えば、黄色のエンドウ豆)及び塊茎(例えば、ジャガイモ又はキャッサバ)由来のもの)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース類及びその誘導体(メチルセルロース類、ヒドロキシアルキルセルロース類、エチルヒドロキシエチルセルロース類、及びカルボキシメチルセルロース類)、マンナン類、キシラン類、リグニン類、アラバン類、ガラクタン類、ガラクツロナン類、キチン、キトサン類、グルクロノキシラン類、アラビノキシラン類、キシログルカン類、グルコマンナン類、ペクチン酸類及びペクチン類、アルギン酸及びアルギン酸塩類、アラビノガラクタン類、カラギーナン類、寒天類、グリコサミノグルカン類、サクシノグルカン類、アラビアゴム類、トラガカントゴム類、ガティゴム類、カラヤゴム類、イナゴマメゴム類、ガラクトマンナン類、例えば、グアーゴム類、及びこれらの非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)並びにキサンタンゴム類、及びこれらの混合物から選択される。
【0100】
例えば、適したポリサッカライドについては、「工業化学百科事典」(カーク・オスマー(Kirk-Othmer)、第3版、1982年、第3巻、896〜900頁、及び第15巻、439〜458頁)、「自然界のポリマー(Polymers in Nature)」(マグレガーE.A.(E. A. MacGregor)及びグリーンウッドC.T.(C. T. Greenwood)著、ジョンワイリー&サンズ(John Wiley&Sons Ltd)刊、第6巻、240〜328頁、1980年)、 並びに「工業用ゴム類−ポリサッカライド類及びその誘導体」(ロイ・L・ウィスラー(Roy L. Whistler)編、第2版、アカデミックプレス社(Academic Press Inc.)刊)(これら3つの出版物の内容は、参考として完全に組み込まれる。)に記載されている。
【0101】
例えば、デンプン類、グアーゴム類及びセルロース類及びこれらの誘導体類を使用することが可能である。適したデンプン類としては、例えば、無水グルコース単位である要素部分を含むポリマーの形態の巨大分子が挙げられる。これらの部分及びそれらアセンブリの数によって、アミロース(線状ポリマー)及びアミロペクチン(分岐ポリマー)を区別することができる。アミロース及びアミロペクチンの相対的比率,、並びにそれらの重合度もまた、デンプンの植物起源に応じて変化することができる。使用されるデンプン分子の植物起源は、シリアル又は塊茎であってもよい。このため、デンプンは、例えば、コーンスターチ、米デンプン、キャッサバデンプン、タピオカデンプン、大麦デンプン、ポテトデンプン、小麦デンプン、サトウモロコシデンプン及びエンドウ豆デンプンから選択できる。デンプン類は、一般に、白い粉末の形態であり、冷水には不溶性であり且つ3〜100ミクロンの範囲の基本粒径を有する。該デンプン類は、所望によりC1〜C6ヒドロキシアルキル化され又はC1〜C6アシル化されている(例えば、アセチル化されている)。該デンプン類は、熱処理を施されてもよい。リン酸架橋デンプン又はリン酸架橋デンプンが豊富に含まれる化合物、例えば、アヴェベ社(Avebe)より、プレジェル(Prejel)VA−70−T AGGL(ゼラチン化ヒドロキシプロピル化キャッサバリン酸架橋デンプン)又はプレジェル(Prejel)TK1(ゼラチン化キャッサバリン酸架橋デンプン)又はプレジェル(Prejel)200(ゼラチン化アセチル化キャッサバリン酸架橋デンプン)の引用用語にて販売されている製品、又はナショナルスターチ社(National Starch)からのストラクチャー(Structure)ZEA(ヒドロキシプロピル化トウモロコシリン酸架橋デンプン)、ストラクチャー(Structure)XL(ヒドロキシプロピル化デンプンホスフェート)も使用できる。
【0102】
グアーゴム類は、変性されていても非変性であってもよい。非変性グアーゴム類は、例えば、ユニペクチン社(Unipectine)によりビドガム(Vidogum)GH175の名称で、並びにメイホール社(Meyhall)よりメイロ−グアー(Meyro-Guar)50及びジャガー(Jaguar)Cの名称で販売されている製品である。該変性非イオン性グアーガムは、例えば、C1〜C6ヒドロキシアルキル基で変性されている。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル基を挙げてもよい。これらのグアーゴム類は、現況技術において周知であり、例えば、対応するアルケン酸化物(例えば、プロピレンオキシド)をグアーガムと反応させて調製し、ヒドロキシプロピル基で変性されたグアーガムを得ることができる。ヒドロキシアルキル化度(グアーガム上に存在する遊離ヒドロキシル作用の数字によって消費されるアルキレンオキシド分子の数に対応する)は、例えば、0.4〜1.2の範囲である。
【0103】
所望によりヒドロキシアルキル基で変性されたこのような非イオン性グアーガムは、例えば、ローディアシミ社(Rhodia Chimie)(メイホール社(Meyhall))より、ジャガー(Jaguar)HP8、ジャガー(Jaguar)HP60及びジャガー(Jaguar)HP120、ジャガー(Jaguar)DC293及びジャガー(Jaguar)HP105の商標名で、又はアクアロン社(Aqualon)よりガラクタソール(Galactasol)4H4FD2の名称で販売されている。
【0104】
適したセルロース類としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース(例えば、アクアロン社(Aqualon)よりクルーセル(Klucel)EF、クルーセル(Klucel)H、クルーセル(Klucel)LHF、クルーセル(Klucel)MF及びクルーセル(Klucel)Gの名称で販売されている製品)が挙げられる。
【0105】
(vii)C12〜C30脂肪族アルコール類は、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール又はこれらの混合物から選択される。脂肪族アルコール類が、増粘剤として用いられる場合、約6超のHLB値を有する少なくとも1つの追加の界面活性剤が一般的に含まれており、脂肪族アルコール類と共に二重膜を形成する。最も有用な二重膜構造としては、脂肪族アルコール類の並列二重膜が水で膨潤し、半固体クリームを形成しているゲル網状相、及び脂肪族アルコール類二重膜が、ほぼ球形の単一ラメラ又は複合ラメラ凝集体内へ曲げられている小胞分散系が挙げられる。
【0106】
本明細書に用いるのに好ましいのは、耐塩性増粘剤である。本明細書に用いるのに適した耐塩性増粘剤の非排他的一覧としては、キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(アクアコート(AQUACOTE)(登録商標)として市販品で入手可能)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(NATROSOL)(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(Klucel))(登録商標)、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(NATROSOL)(登録商標)プラス330)、N−ビニルピロリドン(ポビドン(Povidone)(登録商標))、アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー(ストラクチャー(Structure)(登録商標)3001)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ストラクチャー(Structure)(登録商標)ZEA)、ポリエトキシレート化ウレタン又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えばPEG−150/デシル/SMDIコポリマー=アキュリン(Aculyn)(登録商標)44、PEG−150/ステアリル/SMDIコポリマー=アキュリン(Aculyn)46(登録商標))、トリヒドロキシステアリン(シクスシン(Thixcin)(登録商標))アクリレート類コポリマー(例えば、アキュリン(Aculyn)(登録商標)33)又は疎水変性アクリレートコポリマー類(例えば、アクリレート類/ステアレス−20メタクリレートコポリマー=アキュリン(Aculyn)(登録商標)22)、及びクロダフォス(Crodafos)CES(登録商標)が挙げられる。
【0107】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含んでもよく、又はそれとの組み合わせにおいて用いられてもよい。本明細書に用いるのに適したコンディショニング剤は、シリコーン物質、アミノシリコーン、脂肪族アルコール、ポリマー樹脂、ポリオールカルボン酸エステル、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、不溶性の油及び油に由来する物質、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質には、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。
【0108】
コンディショニング剤は、一般に組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量の濃度で用いられる。
【0109】
特に有用なコンディショニング物質は、カチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマー型のコンディショナーは、化粧品組成物により処理されたケラチン繊維の少なくとも1つの化粧品特性を改善するような当業者に既知のものから選択されてもよい。カチオン性ポリマーは、ポリマーの主鎖の一部を形成してもよいか又はポリマー主鎖に直接結合する側鎖置換基に有されてもよい、一級、二級、三級及び四級アミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むものから選択することができる。こうしたカチオン性ポリマーは一般に、500〜5×106、又はより好ましくは1000〜3×106の範囲の数平均分子量を有する。用いられてもよいポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ四級アンモニウム型のポリマーには次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
(1)アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されるホモポリマー類及びコポリマー類。これらのポリマーのコポリマーはまた、一群のアクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアシルアミド、その窒素原子上で低級(C1〜C4)アルキルから選択される少なくとも1つの基により置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸及びこれらのエステル、ビニルピロリドン及びビニルカプロラクタムのようなビニルラクタム、並びにビニルエステルから選択されてもよいコモノマーから得られる少なくとも1つの単位を含むことができる。こうしたポリマーの例には次のものが挙げられる。
【0111】
アクリルアミド及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム(Polquaternium)−5として知られるポリマー、例えばハーキュレス社(Hercules)により名称レテン(Reten)210、レテン(Reten)220、レテン(Reten)230、レテン(Reten)240、レテン(Reten)1104、レテン(Reten)1105、レテン(Reten)1006、及びナルコ社(Nalco)によりメルクァット(Merquat)5、メルクァット(Merquat)5SFとして販売される製品が挙げられる。
【0112】
ビニルピロリドン及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−28として知られるポリマー、例えばインターナショナル・スペシャリティー・プロダクツ社(International Speciality Products)(ISP)により、名称ガフクァット(Gafquat)HS−100として販売される製品が挙げられる。
【0113】
ビニルピロリドン及びジアルキルアミノアルキルアクリレート類又はメタクリレート類(methactylates)のコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム(Polquaternium)−11として知られるポリマー、例えばインターナショナル・スペシャリティー・プロダクツ社(International Speciality Products)(ISP)により、名称ガフクァット(Gafquat)440、ガフクァット(Gafquat)734、ガフクァット(Gafquat)755、ガフクァット(Gafquat)755N、及びBASF社によりルビクァット(Luviquat)PQ11PM、及びシノ・リオン社(Sino Lion)によりポリクァット(Polyquat)−11として販売される製品が挙げられる。
【0114】
ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロライドとのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−55として知られるポリマー、例えばインターナショナル・スペシャルティー・プロダクツ社(International Speciality Products)(ISP)により、名称スタイレーゼ(Styleze)W−20として販売される製品が挙げられる。
【0115】
アクリル酸、アクリルアミド及びメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−53として知られるポリマー、例えばナルコ社(Nalco)により名称メルクァット(Merquat)2003として販売される製品が挙げられる。
【0116】
ジメチルアミノプロピルアクリレート(dimethyaminopropylacrylate)(DMAPA)、アクリル酸とアクリロニトロゲン及びジエチルサルフェートのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−31として知られるポリマー、例えばリポ社(Lipo)により、名称ハイパン(Hypan)QT100として販売される製品が挙げられる。
【0117】
アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド、2−アミドプロピルアクリルアミドスルホネート、及びジメチルアミノプロピルアクリレート(dimethyaminopropylacrylate)(DMAPA)のコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−43として知られるポリマー、例えばクラリアント社(Clairant)により、名称ボーズクァット(Bozequat)4000として販売される製品が挙げられる。
【0118】
アクリル酸、メチルアクリレート及びメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−47として知られるポリマー、例えばナルコ社(Nalco)により市販される名称メルクァット(Merquat)2001及びメルクァット(Merquat)2001Nとして販売される製品が挙げられる。
【0119】
メタクリロイルエチルベタイン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロライドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−48として知られるポリマー、例えばグー・ケミカル社(Goo Chemcial)により、名称プラサイズ(Plascize)L−450として販売される製品が挙げられる。
【0120】
アクリル酸ジアリルジメチルアンモニウムクロライド及びアクリルアミドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム39として知られるポリマー、例えばナルコ社(Nalco)により名称メルクァット(Merquat)3330及びメルクァット(Merquat)3331として販売される製品が挙げられる。
【0121】
更なる例には、メタクリルアミド(methacrylamide)メタクリルアミド(methacrylamido)−プロピルトリモニウム及びメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロライドのコポリマー、及びその他のモノマーとホモポリマー化又は共重合されたそれらの誘導体が挙げられ、その例にはINCI命名法により、ポリクオタニウム−8、ポリクオタニウム−9、ポリクオタニウム−12、ポリクオタニウム−13、ポリクオタニウム−14、ポリクオタニウム−15として知られるポリマー、例えばローム社(Rohm)により名称ロハギット(Rohagit)KF720Fとして販売される製品、ポリクオタニウム−30、例えばキメックス社(Chimex)により名称メクソメア(Mexomere)PXとして販売される製品、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−35、ポリクオタニウム−36、例えばロン社(Rhon)により名称プレックス(Plex)3074Lとして販売される製品、ポリクオタニウム45、例えばロン社(Rhon)により名称プレックス(Plex)3073Lとして販売される製品、ポリクオタニウム49、例えばグー・ケミカルズ社(Goo Chemcials)により、名称プラサイズ(Plascize)L−440として販売される製品、ポリクオタニウム50、例えばグー・ケミカルズ社(Goo Chemcials)により、名称プラサイズ(Plascize)L−441として販売される製品、ポリクオタニウム−52が挙げられる。
【0122】
(2)カチオン性多糖類、例えばカチオン性セルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガム。カチオン性多糖類の中で挙げてもよいのは、例えば、四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、及びカチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性四級アンモニウムモノマーによりグラフトされたセルロース誘導体、並びにカチオン性ガラクトマンナンガムである。例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
ヒドロキシエチルセルロース及びジアリルジメチルアンモニウムクロライドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−4として知られるポリマー、例えばナショナルスターチ社(National Starch)により名称セルクァット(Celquat)L200及びセルクァット(Celquat)H100として販売される製品が挙げられる。
【0124】
ヒドロキシエチルセルロース及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−10として知られるポリマー、例えばA&Eコノック社(A&E Connock)により名称AECポリクオタニウム−10(AEC Polyquaternium-10)、トーホー社(Toho)によりカチナル(Catinal)C−100、カチナル(Catinal)HC−35、カチナル(Catinal)HC−100、カチナル(Catinal)HC−200、カチナル(Catinal)LC−100、カチナル(Catinal)LC−200、ナショナルスターチ社(National Starch)によりセルクァット(Celquat)SC−240C、セルクァット(Celquat)SC−230M、デッカー社(Dekker)によりデカクァット(Dekaquat)400、デカクァット(Dekaquat)3000、アクゾ・ノベル社(Akzo Nobel)によりレオガード(Leogard)GP、リタ社(RITA)により、リタ・ポリクタ(RITA Polyquta)400リタ(RITA)、ポリクタ(Polyquta)3000、アマコール社(Amerchol)によりユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)JR−125、ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)JR−400、ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)JR−30M、ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LK、ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LR400、ユーケア・ポリマー(UCARE Polymer)LR30Mとして販売される製品が挙げられる。
【0125】
ヒドロキシエチルセルロース及びラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−24として知られるポリマー、例えばアマコール社(Amerchol)により名称クァトリソフト・ポリマー(Quatrisoft polymer)LM−200として販売される製品が挙げられる。
【0126】
ヒドロキシプロピルグアーの誘導体であって、その例には、INCI命名法によりグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドとして知られるポリマー、例えばトーホー社(Toho)により名称カチナル(Catinal)CG−100、カチナル(Catinal)CG−200、コグニス社(Cognis)によりコスメディア・グアー(Cosmedia Guar)C−261N、コスメディア・グアー(Cosmedia Guar)C−261N、コスメディア・グアー(Cosmedia Guar)C−261N、フリーダム・ケミカル・ダイアモルト社(Freedom Chemical Diamalt)によりダイアガム(DiaGum)P5070、ハーキュレス(Hercules)/アクアロン社(Aqualon)によりN−ハンスカチオン性グアー(N-Hance Cationic Guar)、ローディア社(Rhodia)によりハイ−ケア(Hi-Care)1000、ジャガー(Jaguar)C−17、ジャガー(Jaguar)C−2000、ジャガー(Jaguar)C−13S、ジャガー(Jaguar)C−14S、ジャガー・エクセル(Jaguar Excel)、ニッポン・スターチ社(Nippon Starch)によりキプロガム(Kiprogum)CW、キプロガム(Kiprogum)NGKとして販売される製品が挙げられる。
【0127】
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドのヒドロキシプロピル誘導体であって、その例には、INCI命名法によりヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドとして知られるポリマー、例えばローディア社(Rhodia)により名称ジャガー(Jagaur)C−162として販売される製品が挙げられる。
【0128】
(3)ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸との縮合に続く二官能性剤によるアルキル化の結果として得られるポリアミノアミド誘導体。誘導体の中で、例えばアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンを挙げてもよい。
【0129】
(4)2つの一級アミン基と少なくとも1つの二級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンと、ジグリコール酸及び3〜8個の炭素原子を含む飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸(decarboxylic acid)との反応により得られるポリマー。こうした誘導体の非限定例には、アジピン酸/エポキシプロピル(epxoypropyl)/ジエチレントリアミンが挙げられる。
【0130】
(5)ジアルキルジアリルアミン(dialkdiallylamine)又はジアルキルジアリルアンモニウム(dialkyldiallyammonium)のシクロポリマー(Cyclopolymers)であって、このポリマーの中で次のものを挙げてもよい。
【0131】
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー(Dimethyldiallyammonium chloride polymers)であって、その例には、INCI命名法によりポリクオタニウム−6として知られるポリマー、例えばナルコ社(Nalco)により名称メルクァット(Merquat)100、ローディア社(Rhodia)によりミラポール(Mirapol)100、コスメティック・レオロジーズ社(Cosmetic Rheologies)によりレオケア(Rheocare)CC6、A&Eコノック社(A&E Connock)によりAECポリクオタニウム−6(AEC Polyquaternium-6)、CPS社によりアゲクァット(Agequat)400、3V社(3V Inc.)によりコンディショナー(Conditioner)P6、SNF社によりフロケア(Flocare)C106、クラリアント社(Clariant)によりゲナミン(Genamin)PDAC、マッキンタイア社(McIntyre)によりマッカーニウム(Mackernium)006として販売される製品が挙げられる。
【0132】
アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロライドモノマーのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−7として知られるポリマー、例えばA&Eコノック社(A&E Connock)により名称AECポリクオタニウム−7(AEC Polyquaternium-7)、CPS社によりアゲクァット(Agequat)−5008、アゲクァット(Agequat)C−505、3V社(3V Inc.)によりコンディショナー(Conditioner)P7、SNF社によりフロケア(Flocare)C107、マッキンタイア社(McIntyre)によりマッカーニウム(Mackernium)007、マッカーニウム(Mackernium)007S、トーホー社(Toho)によりMEポリマー(ME Polymer)09W、ナルコ(Nalco)社によりメルクァット(Merquat)550、メルクァット(Merquat)2200、メルクァット(Merquat)S、ローディア社(Rhodia)によりミラポール(Mirapol)550、コスメティック・レオロジーズ社(Cosmetic Rheologies)によりレオケア(Rheocare)CC7、レオケア(Rheocare)CCP7、チバ社(Ciba)によりサルケア(Salcare)HSP−7、サルケア(Salcare)SC10、サルケア・スーパー(Salcare Super)7として販売される製品が挙げられる。
【0133】
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びアクリル酸のコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−22として知られるポリマー、例えばナルコ社(Nalco)により名称メルクァット(Merquat)280及びメルクァット(Merquat)295として販売される製品が挙げられる。
【0134】
(6)[−N+(R1)(R2)−A1−N+(R3)(R4)−B1−][2X−]に相当する繰返し単位を含む四級ジアンモニウムポリマーであって、式中、同一であっても、又は異なっていてもよいR1、R2、R3及びR4は、1〜20個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式及びアリール脂肪族(arylaliphatic)ラジカル、並びに低級ヒドロキシアルキル脂肪族ラジカルから選択されるか、又はR1、R2、R3及びR4は共に若しくは別個に、それらが結合する窒素原子と、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意に含む複素環を構成するか、又はR1、R2、R3及びR4は、ニトリル、エステル、アシル及びアミド基、及び−CO−O−R5−D及び−CO−NH−R5−D(式中R5はアルキレン基から選択され、Dは四級アンモニウム基から選択される)の基から選択される少なくとも1つの基により置換される直鎖若しくは分岐鎖C1〜C6アルキルラジカルから選択される。同一であっても、又は異なっていてもよいA1及びB1は、2〜20個の炭素原子を含む直鎖及び分岐鎖の、飽和又は不飽和ポリメチレン基から選択される。主環に結合した又は挿入されたポリメチレン基は、芳香環、酸素及びイオウ原子、並びにスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、四級アンモニウム、ウレイド、アミド及びエステル基から選択される少なくとも1つの存在を含んでもよく、X−は、無機及び有機酸から得られるアニオンである。Dは、グリコール残基、ビス−二級ジアミン残基、ビス−一級ジアミン残基又はウレイレン基から選択される。その例にはINCI命名法によりヘキサジメトリンクロライド(Hexadimethrine chloride)として知られるポリマーが挙げられ、この場合、R1、R2、R3及びR4は、それぞれメチルラジカルであり、A1は(CH2)3であり、B1は(CH2)6であり、X=Clである。その更なる例には、INCI命名法によりポリクオタニウム−34として知られるポリマーが挙げられ、この場合、R1及びR2はエチルラジカルであり、R3及びR4はメチルラジカルであり、A1は(CH2)3であり、B1は(CH2)3であり、X=Brであり、例えばキメックス社(Chimax)により名称メクソメア(Mexomer)PAXの名称にて販売されている製品がある。
【0135】
(7)式[−N+(R6)(R7)−(CH2)r−NH−CO−(CH2)q−(CO)t−NH−(CH2)s−N+(R8)(R9)−A−][2X−]の繰返し単位を含むポリ四級アンモニウムポリマーであって、式中、同一であっても、又は異なっていてもよいR6、R7、R8及びR9は、水素原子、及びメチル、エチル、プロピル、α−ヒドロキシエチル、α−ヒドロキシプロピル、及び−CH2CH2(OCH2CH2)pOHラジカル(式中、pは0又は1〜6の範囲の整数である)から選択され、式中、R6、R7、R8及びR9はすべてが同時に水素原子を表さない。同一であっても、又は異なっていてもよいR及びsは、それぞれ1〜6の範囲の整数であり、qは0又は1〜34の範囲の整数であり、X−はハロゲン化物のようなアニオンである。Tは、0又は1に等しくなるように選択される整数である。Aは、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−のような二価のラジカルから選択される。例としては、次のものが挙げられる。
【0136】
INCI命名法によりポリクオタニウム−2として知られるポリマーであって、その場合r=s=3、q=0、t=0であり、R6、R7、R8及びR9はメチル基であり、Aは、−CH2−CH2−O−CH2−CH2であり、例えばエソックス(Ethox)から名称エスポール(Ethpol)PQ−2、及びローディア社(Rhodia)によりミラポール(Mirapol)A−15として販売される製品が挙げられる。
【0137】
INCI命名法によりポリクオタニウム−17として知られるポリマーであって、その場合r=s=3、q=4、t=1であり、R6、R7、R8及びR9はメチル基であり、Aは、−CH2−CH2−O−CH2−CH2である。
【0138】
INCI命名法によりポリクオタニウム18として知られるポリマーであって、その場合r=s=3、q=7、t=1であり、R6、R7、R8及びR9はメチル基であり、Aは、−CH2−CH2−O−CH2−CH2である。
【0139】
ポリクオタニウム−2とポリクオタニウム−17との反応により形成されるブロックコポリマーとして、INCI命名法によりポリクオタニウム27として知られるポリマー、例えばローディア社(Rhodia)により名称ミラポール(Mirapol)175として販売される製品。
【0140】
(8)ビニルピロリドンとビニルイミダゾール及び任意にビニルカプロラクタムとのコポリマーであって、その例にはメチルビニルイミダゾリウムクロライド及びビニルピロリドンから形成されるポリクオタナリー(Polyquaternary)−16としてINCI命名法により知られるポリマー、例えばBASF社により名称ルビクァット(Luviquat)FC370、ルビクァット(Luviquat)FC550、ルビクァット(Luviquat)FC905、ルビクァット(Luviquat)HM−552として販売される製品が挙げられる。又はビニルカプロラクタム及びビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートとのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−46として知られるポリマー、例えばBASF社により名称ルビクァット・ホールド(Luviquat Hold)として販売される製品が挙げられる。又はビニルピロリドン及び四級化されたイミダゾリンのコポリマーであって、その例にはINCI命名法によりポリクオタナリー(poylquaterary)44として知られるポリマー、例えばBASF社により名称ルビクァット・ケア(Luviquat Care)として販売される製品が挙げられる。
【0141】
(9)ポリアミン、例えばCTFA事典において、参照名ポリエチレングリコール(15)タローポリアミンとして、コグニス(Cognis)により販売される製品ポリクアート(Polyquart)H。
【0142】
(10)架橋メタクリロイルオキシ(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩ポリマーであって、例えばメチルクロライドにより四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートのホモポリマー化により、又はアクリルアミドと、メチルクロライドにより四級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合により得られるポリマーであって、ホモポリマー化若しくは共重合は、その後メチレンビスアクリルアミドのようなオレフィンの不飽和を含む化合物により架橋され、その例にはINCI命名法によりポリクオタニウム−37として知られるポリマー、例えば3Vシグマ社(3V sigma)により名称シンザレン(Synthalen)CN、シンザレン(Synthalen)CR、シンザレン(Synthalen)CUとして販売される製品、又は別の媒体中での分散液として、例えばチバ社(Ciba)により名称サルケア(Salcare)SC95及びサルケア(Salcare)SC96、又はコスメティック・レオロジーズ社(Cosmetic Rheologies)によりレオケア(Rheocare)CTH(E)として販売される製品が挙げられる。又はその別の例では、INCI命名法によりポリクオタニウム−32として知られるポリマーが挙げられ、又は鉱油中での分散体として販売される時には、例えばチバ社(Ciba)により、名称サルケア(Salcare)SC92として販売される製品が挙げられる。
【0143】
(11)カチオン性ポリマーの更なる例には、INCI命名法によりポリクオタニウム51として知られるポリマー、例えばNOF社により名称リピデュア(Lipidure)−PMBとして販売される製品、INCI命名法によりポリクオタニウム54として、例えばミツイ(Mitsui)により名称クォルティ(Qualty)−Hyとして販売される製品、及びINCI命名法によりポリクオタニウム56として、例えば三洋化成(Sanyo chemicals)により名称ヘアロール(Hairrol)UC−4として販売される製品が挙げられる。
【0144】
(12)カチオン性基及び/又はカチオン性基にイオン化し得る基を含むシリコーンポリマー。例えば、一般式(R10−N+(CH3)2)−R11−(Si(CH3)2−O)x−R11−(N+(CH3)2)−R10)のカチオン性シリコーンであって、式中、R10はココナッツ油から得られるアルキルであり、R11は(CH2CHOCH2O(CH2)3であり、xは20〜2000の数であり、その例にはINCI命名法によりクオタニウム80として知られるポリマー、例えばゴールドシュミット社(Goldschmidt)により市販される名称アビルクアット(Abil Quat)3272、及びアビルクアット(Abil Quat)3474として販売される製品が挙げられる。
【0145】
カチオン性基にイオン化する場合がある基を含むシリコーンであって、例えば少なくとも10個の繰返しシロキサン−(Si(CH3)2−O)単位をポリマー鎖の中に含有し、末端アミノ官能基、グラフトアミノ官能基、又は末端及びグラフトアミノ官能基の混合物のいずれかを有するアミノシリコーン。官能基の例は、アミノエチルアミノプロピル、アミノエチルアミノイソブチル、アミノプロピルに限定されない。グラフトポリマーの場合は、末端のシロキサン単位は(CH3)3Si−O又はR12(CH3)2Si−Oのいずれかであることができ、その場合R12は、OH又はOR13であることができ、その場合R13は、C1〜C8アルキル基、又は両方の官能末端基の混合物である。これらのシリコーンはまた、予備形成されたエマルションとして入手可能である。(CH3)3Si−Oの末端シロキサン単位を有するポリマーであって、その例にはINCI命名法によりトリメチルシリルアモジメチコンとして知られるポリマー、例えばダウ・コーニング社(Dow Corning)により名称DC−2−8566、DC7224及びDC−2−8220として販売される製品、GEシリコーンズ社(GE Silicones)により市販されるSF1708及びSM2125、ワッカー・シリコーンズ社(Wacker silicones)により市販されるワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM653が挙げられる。更なる例には、(R12O)(CH3)2Si−Oの末端シロキサン単位を有するポリマーが挙げられ、その場合R12は、OH若しくはOR13であることができ、その場合R13は、C1〜C8アルキル基、又は両方の官能末端基の混合物であり、INCI命名法によりアモジメチコンとして知られ、例えばワッカー・シリコーンズ社(Wacker silicones)により市販される名称ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM1100、ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM1600、ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM652、ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM6057E、ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)ADM8020として販売される製品、ダウ・コーニング社(Dow Corning)により市販されるDC929、DC939、DC949及びDC AP6087、並びにGEシリコーンズ社(GE silicones)により市販されるSM2059が挙げられる。
【0146】
カチオン性基にイオン化し得る基を含有するシリコーンであって、例えば少なくとも10個の繰返しシロキサン−(Si(CH3)2−O)単位をポリマー鎖の中に含有し、末端アミノ官能基、グラフトアミノ官能基、又は末端及びグラフトアミノ官能基の混合物のいずれかを、追加の官能基と共に有するシリコーン。追加の官能基には、ポリオキシアルキレン、アミンとカルビノールとの反応生成物、アルキル鎖を挙げることができる。例えば、INCI命名法によりメトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコンとして知られる製品であって、例えばデグサ社(Degussa)により市販されるアビル・ソフト(Abil Soft)AF100の名称で販売される製品。例えば、INCI命名法によりビス(C13〜15アルコキシ)PGアモジメチコンとして知られる製品、例えばダウ・コーニング社(Dow Corning)により市販されるDC8500の名称で販売される製品。
【0147】
界面活性剤
本発明の組成物は、1つ以上の界面活性剤を更に含んでよい。本明細書に用いるのに適した界面活性剤は、一般に、約8〜約30個の炭素原子の親油性の鎖長を有し、且つアニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物から選択されることができる。界面活性剤の総濃度は、約1重量%〜約60重量%、好ましくは、約2重量%〜約30重量%、より好ましくは、約8重量%〜約25重量%、特に、約10重量%〜約20重量%である。
【0148】
本発明の組成物は、好ましくは、1つ以上の非イオン性界面活性剤を有するアニオン性及び両性界面活性剤の混合物を含む。アニオン性成分は、組成物に対して、約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約5重量%〜約15重量%の範囲内で存在してよい。両性又は非イオン性成分は、独立して、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%の範囲内で存在してよい。
【0149】
単独又は混合物として使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、例えば、次の化合物の塩類(例えば、ナトリウム塩類、アンモニウム塩類、アミン塩類、アミノアルコール塩類及びマグネシウム塩類などのアルカリ性塩類)が挙げられる.。アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、アルキルアミドエーテルサルフェート類、アルキルアリールポリエーテルサルフェート類、モノグリセリドサルフェート類;アルキルスルホネート類、アルキルホスフェート類、アルキルアミドスルホネート類、アルキルアリールスルホネート類、a−オレフィンスルホネート類、パラフィンスルホネート類;アルキルスルホコハク酸類、アルキルエーテルスルホコハク酸類、アルキルアミドスルホコハク酸類、アルキルスルホコハク酸類;アルキルスルホアセテート類、アルキルエーテルホスフェート類;アシルサルコシネート類;アシルイセチオネート類及びN−アシルタウレート類。これら各種化合物全てのアルキル又はアシルラジカルは、例えば、8〜24個の炭素原子を含み、且つ該アリールラジカルは、例えば、フェニル及びベンジル基から選択される。該アニオン性界面活性剤として更に使用可能なものとして、オレイン、リシノール、パルミチン及びステアリン酸、ココナッツ油酸又は水素添加ココナッツ油酸の塩類などの脂肪酸塩類;及びアシルラクチレート類(アシルラジカルが、8〜20個の炭素原子を含む)から調製されてもよい。弱アニオン性界面活性剤、例えば、アルキル−D−ガラクトシドウロニック酸(galactosiduronic acids)及びそれらの塩類もまたポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸類、ポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸類、ポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩、例えば、2〜50個のエチレンオキシド基を含むようなもの、並びにこれらの組み合わせと同様に使用できる。ポリサッカライドのアニオン性誘導体、例えば、アルキルポリグルコシド類のカルボキシアルキルエーテルも使用できる。
【0150】
非イオン性界面活性剤は、周知の化合物である(例えば、この関係においては、「界面活性剤ハンドブック(Handbook of Surfactants)」(ポーターM.R.(M. R. Porter)著、ブラッキー&サン社(Blackie & Son)(グラスゴー及びロンドン)刊、1991年、116〜178頁を参照のこと)。それらは、例えば、ポリエトキシレート化、ポリプロポキシレート化及びポリグリセロレート化脂肪酸類、アルキルフェノール、 α−ジオール類、例えば、8〜18個の炭素原子を含む脂肪鎖を含む及びアルコール類から選択できる。(エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数は、例えば、2〜200、グリセロール基の数は、例えば、2〜30の範囲内で変化し得る)。更に、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪族アルコール類とのエチレンオキシド及びプロピレンオキシド縮合物;ポリエトキシレート化脂肪族アミド類は、好ましくは、2〜30モルのエチレンオキシド及びそれらのモノエタノールアミン(momoethanolamine)並びにジエタノールアミン誘導体、ポリグリセロレート化脂肪族アミド類、例えば、平均して1〜5個、例えば、1.5〜4個のグリセロール基を有するもの;ポリエトキシレート化脂肪族アミン類、例えば、2〜30モルのエチレンオキシドを含むようなもの;2〜30モルのエチレンオキシドを有するソルビタンのオキシエチレン化脂肪酸エステル類;スクロースの脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル類、アルキルポリグリコシド類、N−アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド類、例えば、(C10〜C14)アルキルアミンオキシド類又はN−アシルアミノプロピルモルホリンオキシド類から調製してもよい。
【0151】
両性界面活性剤は、例えば、脂肪族二級及び三級アミン誘導体で、該脂肪族ラジカルが、8〜22個の炭素原子及び少なくとも1つの水溶性アニオン性基を含む直鎖及び分岐鎖(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネート)から選択されるものから選択できる。(C8〜C20)アルキルベタイン類、スルホベタイン類、(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタイン類又は(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルスルホベタイン類を更に挙げてもよい。
【0152】
アミン誘導体のうち、例えば、米国特許第2,528,378号及び同2,781,354号に記載され、次の構造を有する、ミラノール(Miranol)の名称で販売されている製品を挙げてもよい。
2−CON HCH2CH2−N+(R3)(R4)(CH2COO-) (VI)
式中、R2は、加水分解したココナッツ油並びにヘプチル、ノニル及びウンデシルラジカルで存在する酸R2−COOHから誘導されるアルキルラジカルから選択され、R3はβ−ヒドロキシエチル基であり、そしてR4はカルボキシメチル基である;及び
5−CONHCH2CH2−N(B)(C) (VII)
式中、Bは、−CH2CH2OX’を表し、Cは、−(CH2Z−Y’を表し、zは、1又は2であり、Xは−CH2CH2−COOH基及び水素原子から選択され、Yは−COOH及び−CH2−CHOH−SO3Hラジカルから選択され、R5は、ココナッツ油又は加水分解した亜麻仁油内に存在する酸R5−COOHのアルキルラジカル、C7、C9、C11及びC13アルキルラジカルのようなアルキルラジカル、C17アルキルラジカル及びそのイソ型並びに不飽和C17ラジカルから選択される。これらの化合物は、CTFA事典(第5版、1993年刊)内にて、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート、ラウロアンホジプロピオン酸、及びココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。ジエチルアミノプロピルココアルパルトアミド(cocoaspartamid)の塩類も使用できる。
【0153】
カチオン性界面活性剤は、次のもの選択されてよい。(A)次の一般式(VIII)の
第四級アンモニウム塩類:
【0154】
【化6】

式中、Xはハロゲン化合物類(塩化物、臭化物及びヨウ化物)、(C2〜C6)アルキルサルフェート類例えば、メチルサルフェート、ホスフェート類、アルキル及びアルキルアリールスルホネート類から選択されるアニオン並びに有機酸例えば、アセテート及びラクテートから誘導されるアニオン類あり、
(i)R1〜R3のラジカルは、同一でも異なっていてもよく、1〜4個の炭素原子を含む直鎖及び分岐脂肪族ラジカル並びに芳香族ラジカル例えば、アリール及びアルキルアリールから選択される。脂肪族ラジカルは、少なくとも1つのヘテロ原子例えば、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン元素を含むことができる。脂肪族ラジカルは、例えば、アルキル、アルコキシ及びアルキルアミドラジカルから選択され、
4は、16〜30個の炭素原子を含む直鎖及び分岐アルキルラジカル類から選択される。
【0155】
カチオン性界面活性剤は、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩(例えば、クロライド)である。
【0156】
(ii)R1及びR2のラジカルは、同一でも異なっていてもよく、1〜4個の炭素原子を含む直鎖及び分岐脂肪族ラジカル、並びに芳香族ラジカル例えば、アリール及びアルキルアリールから選択される。脂肪族ラジカルは、少なくとも1つのヘテロ原子例えば、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン元素を含むことができる。脂肪族ラジカルは、例えば、約1〜4個の炭素原子を含む、アルキル、アルコキシ、アルキルアミド及びヒドロキシアルキルラジカルから選択され、
3及びR4は、同一でも異なっていてもよく、12〜30個の炭素原子を含む直鎖及び分岐アルキルラジカル類から選択され、該アルキルラジカル類は、エステル及びアミド機能から選択される少なくとも1つの機能を含む。
【0157】
3及びR4は、例えば、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル及び(C12〜C22)アルキルアセテートラジカルから選択される。
【0158】
カチオン性界面活性剤は、例えば、ジセチルジメチルアンモニウム塩(例えば、クロライド)である。
【0159】
(B)−イミダゾリニウムの第四級アンモニウム塩類、例えば、次の式(IX)を有するもの:
【0160】
【化7】

式中、R5は、8〜30個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカル、例えば、タローの脂肪酸誘導体から選択され、
6は、水素原子、C1〜C4アルキルラジカル類及び8〜30個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカル類から選択され、R7は、C1〜C4アルキルラジカル類から選択され、R8は、水素原子及びC1〜C4アルキルラジカル類から選択され、そして、Xは、ハロゲン化合物類、ホスフェート類、アセテート類、ラクテート類、アルキルサルフェート類、アルキルスルホネート類及びアルキルアリールスルホネート類から選択されるアニオンである。
【0161】
一実施形態では、R5及びR6は、例えば、12〜21個の炭素原子を含むアルケニル及びアルキルラジカル類(例えば、タローの脂肪酸誘導体)から選択されるラジカル類の混合物であり、R7は、メチルであり、R8は水素である。このような製品は、例えば、クオタニウム−27(CTFA1997)又はクオタニウム−83(CFTA1997)であり、ウィトコ(Witco)社より、「リウォクワット(Rewoquat)(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGの名称で販売されている。
【0162】
(C)式(X)を有する第四アンモニウム塩類:
【0163】
【化8】

式中、R9は、約16〜30個の炭素原子を含む脂肪族ラジカル類から選択され、
10、R11、R12、R13及びR14は、同一でも異なっていてもよく、水素及び1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカル類から選択され、さらに、
Xは、ハロゲン化合物類、アセテート類、ホスフェート類、ニトレート類及びメチルサルフェート類から選択されるアニオンである。このような第四アンモニウム塩類として、例えば、プロパンタロージアンモニウムジクロリドが挙げられる、及び、
(D)次の式(XI)を持つ、少なくとも1つのエステル機能を含む第四級アンモニウム塩類:
【0164】
【化9】

式中、
R15は、C1〜C6アルキルラジカル類及びC1〜C6ヒドロキシアルキル及びジヒドロキシアルキルラジカル類から選択され、R16は、ラジカルR19C(O)−、直鎖及び分岐、飽和及び不飽和C1〜C22炭化水素系ラジカルR20、及び水素原子から選択され、R18は、ラジカルR21C(O)−、直鎖及び分岐、飽和及び不飽和C1〜C6炭化水素系ラジカルR22、及び水素原子から選択され、R17、R19及びR21は、同一でも異なっていてもよく、直鎖及び分岐、飽和及び不飽和C7〜C21炭化水素系ラジカルから選択され、n、p及びrは、同一でも異なっていてもよく、2〜6の範囲の整数から選択され、yは、1〜10の範囲の整数から選択され、x及びzは、同一でも異なっていてもよく、0〜10の範囲の整数から選択され、Xは、単純及び複雑な、有機及び無機アニオン類から選択されるアニオンであり、但し、x+y+zの総計が、1〜15で、xが0の場合に、R16がR20であり、そしてzが0の場合に、R18がR22という条件付きである。
【0165】
一実施形態では、式(XV)のアンモニウム塩をを使用することが可能であり、式中、
R15は、メチル及びエチルラジカルから選択され、x及びyは、1であり、zは、0又は1であり、n、p及びrは、2であり、R16は、ラジカルR19C(O)−、メチル、エチル及びC14〜C22炭化水素系ラジカル、及び水素原子から選択され、R17、R19及びR21は、同一でも異なっていてもよく、直鎖及び分岐、飽和及び不飽和C7〜C21炭化水素系ラジカルから選択され、R18は、ラジカルR21C(O−及び水素原子から選択される。このような化合物は、例えば、コグニス社(Cognis)によりデヒコート(Dehyquart)、ステファン社(Stepan)によりステパンコート(Stepanquat)、セカ社(Ceca)によりノキサミウム(Noxamium)、及びレボ−ウィトコ社(Rewo-Witco)によりレボコート(Rewoquat)WE18の各名称で販売されている。
【0166】
キレート剤
本発明によると、組成物はキレート剤を含んでよい。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、各々が金属イオンとキレートを形成できる分子又は異なった分子の混合物を指す。キレート剤は、当該技術分野において周知であり、その非包括的なリストは、AE・マーテル(AE Martell)及びRM・スミス(RM Smith)著、「臨界安定度定数(Critical Stability Constants)」(第1巻、プレナム出版(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン(1974年))、並びにAEマーテル(AE Martell)及びRD・ハンコック(RD Hancock)著、「水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)」(プレナム出版(Plenum Press)(ニューヨーク&ロンドン)、1996年刊)に見出すことができ、両方共本明細書に参考として組み込まれる。
【0167】
本明細書に用いるのに適したキレート剤の例には、EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)、カルボン酸(特に、アミノカルボン酸)、ホスホン酸(特に、アミノホスホン酸)及びポリリン酸(特に、直鎖ポリリン酸)、それらの塩及び誘導体が挙げられる。
【0168】
キレート剤は、本発明の組成物中に安定剤及び/又は防腐剤として組み込まれてもよい。加えて、キレート剤は、毛髪繊維の損傷について効果を提供し、従ってそれらは本発明の毛髪損傷の様相を更に改善するために使用されてもよいことが判明している。本発明のキレート剤の濃度は、ジアミン−N,N’−ジポリ酸及びモノアミンモノアミド−N,N’−ジポリ酸キレート剤(例えばEDDS)のような最も有効なキレート剤について、約0.1%、好ましくは少なくとも約0.25%超、より好ましくは約0.5%の低さであってもよい。より有効でないキレート剤は、キレート剤の有効性によって、より好ましくは、組成物の少なくとも約1重量%、更により好ましくは約2重量%を超える濃度で用いられる。約10重量%の高さの濃度を用いることもできるが、この濃度を超えると、著しい処方の問題が生じる場合がある。
【0169】
溶媒
本発明の組成物にて使用するのに適した適した溶剤としては、水、ブトキシジグリコール、プロピレングリコール、アルコール(変性)、エトキシジグリコール、イソプロピルアルコール、ヘキシレングリコール、ベンジルアルコール及びジプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0170】
最終的に、本発明の組成物は、水性組成物、粉末、ジェル又は水中油型エマルションなどの任意の通常形態にて提供される。本発明の組成物の好ましい形態は、耐塩性増粘剤又は水中油型エマルションを含む濃縮溶液である。
【0171】
前処理用組成物
本発明の方法の一態様によれば、毛髪染色剤又は漂白組成物の適用に先だって、毛髪を前処理用組成物で処理する。本発明の前処理用組成物は、少なくとも1つのコンディショニング剤を含む。本明細書で使用する時、「コンディショニング剤」という用語は、その機能が毛髪等のケラチン物質の少なくとも1つの化粧品特性、例えば柔軟性、滑らかさ、もつれないこと、感触及び静電気を改善するようなあらゆる剤を指す。少なくとも1つのコンディショニング剤は、水溶性又は非水溶性でよい。
【0172】
本明細書中にてコンディショニング剤及び界面活性剤として上述した任意のコンディショニング剤は、前処理用組成物に用いるのに適していてもよい。特に好ましいものは、カチオン性ポリマー、シリコーン物質、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、油及びワックス、ラメラ液晶から調製されるエマルション並びにこれらの組み合わせである。
【0173】
いくつかの活性物質の組み合わせにより形成されるラメラ液晶から調製されるエマルションは、組成物の化粧品特性例えば、コンディショニング特性を向上させる。これは、エマルションを形成するための脂肪質と乳化剤の組み合わせの存在によって生じる。エマルションの水性連続相において使用する乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子界面活性剤、水溶性シリコーン含有界面活性剤、約10より大きいHLBを有する非イオン性界面活性剤、又は安定化液晶を形成することができる界面活性剤系を挙げてよい。非イオン性界面活性剤は、好ましくは少なくとも12のHLBを有し、より好ましくは少なくとも約15のHLB値を有する。これらの分類に属する界面活性剤は、マカッチャンの乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Emulsifiers and Detergents)(北米及び国際版、MCパブリッシング(MC Publishing Co.)、ニュージャージー州グレンロック(Glen Rock)、235〜246ページ(1993年))に例示されている。
【0174】
水相のための乳化剤は、水相をゲル化させない。しかし、乳化剤は、ラメラ液晶の安定化層を形成することができる。簡潔には、用語「液晶構造」は、本明細書で使用される時、凝固した液晶であるゲル網状組織をも包含するとみなされるべきである。界面活性剤系は、単一界面活性剤、又は界面活性剤の混和物にすることができる。場合によっては、特定の界面活性剤は、単独では液晶構造を形成できないが、第2界面活性剤が存在すると液晶の形成に関与することができる場合がある。
【0175】
液晶の形成に関与することのできる界面活性剤の代表的な分類には、特定のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、四級アンモニウム界面活性剤、及び脂質界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
水性連続相中で液晶を形成するのに好ましい非イオン性界面活性剤は、非イオン性の種類のものであり、C16〜20の脂肪族アルコール、及び1〜30個のエチレンオキシド基を有するC16〜20の脂肪族アルコールエトキシレートが挙げられる。具体的な例としては、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテアレスエトキシレート類、10〜30個のエチレンオキシド基を有するセテスエトキシレート類、10〜30個のエトキシレートを有するステアレスエトキシレート類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくはC16〜22の脂肪族アルコール類を、C16〜22の脂肪族アルコールエトキシレート類と、10:1〜0.5:1、より好ましくは6:1〜1:1、最も好ましくは5:1〜1.5:1の比で組み合わせて使用する。
【0177】
好ましいカチオン性界面活性剤は次式の第四級アンモニウム化合物を含有する。[R18R19R20R21N]+X−、(式中、R18は約8〜22個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルケニル基であり、R19及びR20は両方とも独立して約8〜22個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルケニル基、又は約1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基のいずれかであり、R21は約1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であり、X−は塩生成アニオン(例えば、クロライド、ブロマイド、アセテート、アルキルサルフェート)である。)
有利には、液晶の形成を促進するため、界面活性剤系はまた次の一般式のアミドアミンを含んでいてもよい。R22CONH(CH2)mN(R23)2、(式中、R22はC8〜C24の脂肪酸の残基であり、R23はC1〜C4のアルキルであり、mは1〜4の整数である。)本発明で有用な好ましいアミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチル−ジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルタミドアミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミド−エチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミド−プロピルジメチルアミン、アラキドアミド−プロピルジエチルアミン(arachidamido-propyidiethylamine)、アラキドアミドエチル−ジエチルアミン、アラキドアミドエチル−ジメチルアミン、及びこれらの混合物;より好ましくはステアラミド−プロピルジメチルアミン(stearamido-propyidimethylamine)、ステアラミドエチルジエチルアミン(stearamidoethyidiethylamine)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0178】
より有利には、アミドアミンは、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、L−グルタミン酸塩酸塩(L-glutamicio acid hydrochloride)、酒石酸、及びこれらの混合物、好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、塩酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸で、部分的に四級化されている。好ましくは、アミドアミン対酸のモル比は、約1:0.3〜約1:1、より好ましくは約1:0.5〜約1:0である。
【0179】
コンディショニング剤として適したポリマーとしては、水溶性又は非水溶性のアニオン性及び非イオン性ポリマーが挙げられる。適したアニオン性ポリマーとしては、カルボン酸、スルホン酸又はリン酸で且つ例えば、ゲル透過クロマトグラフィーによる同定で500〜5,000,000の重量平均分子量を有するようなものから誘導される基を少なくとも1つ含むポリマーが挙げられる。
【0180】
適した非イオン性ポリマーとしては、例えば、次のポリマーが挙げられる。ビニルピロリドンホモポリマー;ビニルピロリドン及びビニルアセテートのコポリマー;ダウケミカル社(Dow Chemical)から、「ペオックス(Peox)50000」、「ペオックス(Peox)200000」及び「ペオックス(Peox)500000」の各名称で販売されているポリエチルオキサゾリン等のポリアルキルオキサゾリン;ヘキスト(Hoechst)社から「アプレタン(Appretan)EM」の名称で販売されている製品、及びローディアシミ社(Rhodia Chimie)から「ロードパス(Rhodopas)A012」の名称で販売されている製品のような、ビニルアセテートホモポリマー;ローディアシミ社(Rhodia Chimie)から「ロードパス(Rhodopas)AD310」の名称で販売されている製品のような、ビニルアセテート及びアクリル酸エステルのコポリマー;ヘキスト(Hoechst)社から「アプレタン(Appretan)TV」の名称で販売されている製品のような、ビニルアセテート及びエチレンのコポリマー;ヘキスト(Hoechst)社から「アプレタン(Appretan)MBエキストラ」の名称で販売されている製品のような、ビニルアセテート及びマレイン酸エステル(例えば、ジブチルマレエート)のコポリマー;ポリエチレン及び無水マレイン酸のコポリマー;松本油脂製薬株式会社から「マイクロパール(Micropearl)RQ750」の名称で販売されている製品又はBASF社から「ルーヒドラン(Luhydran)A848S」の名称で販売されている製品のようなアルキルアクリレートホモポリマー及びアルキルメタクリレートホモポリマー;アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートのコポリマーのようなアクリル酸エステルコポリマー(例えば、ローム&ハース社(Rohm & Haas)から「プライマル(Primal)AC−261K」及び「ユードラジット(Eudragit)NE30D」の名称で販売されている製品、BASF社から「アクロナル(Acronal)601」、「ルーヒドラン(Luhydran)LR8833」及び同8845の名称で販売されている製品、及びヘキスト社から「アプレタン(Appretan)N9213」又は同N9212の名称で販売されている製品);アクリロニトリル及び非イオン性モノマー(例えば、ブタジエン及びアルキル(メタ)アクリレートから選択される)のコポリマー;日本ゼオン株式会社から「ニポール(Nipol)LX531B」の名称で販売されている製品及びローム&ハース社(Rohm & Haas)より「CJ0601B」の名称で販売されているようなものから調製されるもの;ローム&ハース社(Rohm & Haas)から「アクリソル(Acrysol)RM1020」及び「アクリソル(Acrysol)RM2020」の名称で販売されている製品、及びDSMレジン社からの製品「ウラフレックス(Uraflex)XP401UZ」及び「ウラフレックス(Uraflex)XP402UZ」のような、ポリウレタン;アルキルアクリレート及びウレタンのコポリマー、例えば、ナショナルスターチ社の製品「8538−33」;ポリアミド、例えば、ローディアシミ社(Rhodia Chimie)が販売する製品「エスタポール(Estapor)LO11」;及び非変性及び化学変性非イオン性グアーガム。
【0181】
本発明の前処理方法で、コンディショニング剤として用いるのに適している油の例としては、動物油及び植物油の両方が挙げられ、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、アボカド油、ホホバ油、マロー油、ブドウの種油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、魚油、グリセリルトリカプロカプリレート、及び式R9COOR10の植物油及び動物油で、式中、R9が7〜29個の炭素原子を含む高級脂肪酸残基から選択され、且つ、R10が3〜30個の炭素原子を含む直鎖及び分岐の、炭化水素ベースの鎖、例えば、アルキル及びアルケニル等のもの、例えば、ピュアセリンオイル(purcellin oil)及び液体ホホバワックスから選択される。
【0182】
該ワックスは、室温(20℃〜25℃)で固体である、天然(動物性又は植物性)物質又は合成物質である。これらは、水に対して不溶性、油に対して可溶性であり、撥水膜を形成することができる。ワックスは、例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、アルファルファワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス例えば、オリーブツリーワックス、ライスワックス、水素添加されたホホバワックス及び花の純粋ワックス例えば、バーティン社(Bertin)(フランス)より販売されているクロフサスグリの花のエッセンシャルワックス、動物性ワックス例えば、蜜ロウ、及び変性蜜ロウ(セラベリーナ(cerabellina))から選択される。使用可能な、他のワックス又はワックス出発物質としては、例えば、ソフィム社(Sophim)からM82の名称で販売されている製品のようなマリーンワックス、及びポリエチレンワックス及びポリオレフィン全般が挙げられる。
【0183】
前処理用組成物は、好ましくは、ラメラ液晶から調製されるエマルションを含むコンディショニング剤を含み、より好ましくは、脂肪アルコール及び界面活性剤エマルションを含む。該前処理用組成物は、100Pa〜300Pa、好ましくは115Pa〜285Pa、より好ましくは130Pa〜250Pa、最も好ましくは160Pa〜240Paの粘度を有する。該前処理用組成物は、典型的には、0.2〜20%、好ましくは1.0〜15%、最も好ましくは5〜15%の該コンディショニング剤を含み、且つ好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6のpHを有する。
【0184】
前処理用組成物は、追加の補助剤(該組成物の貯蔵安定性を喪失させたり、実質的に低下させないように選択される)を更に含んでよい。追加成分には、例えば、染料及び染色剤、芳香剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双極性界面活性剤;緩衝液、マスキング芳香剤、分散剤、安定剤、カチオン性ポリマー、香料、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、複合コアセルベート、複合コアセルベートカプセル、金属塩、ルイス酸、緩衝剤、粒子状増粘剤、高分子増粘剤、ワックス増粘剤、油、皮膚軟化剤、湿潤剤、保湿剤、真珠光沢物質、不透明化剤、酵素、懸濁剤、抗菌剤、防腐剤、タンパク質、ハーブ及び植物抽出物、漂白剤、過酸化物、ポリオール、シリコーン、溶媒、抗体、pH緩衝剤を包含するpH調整剤、粘度変性剤、防腐剤、粘度向上剤、ゲル化剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、UVフィルタ、乳化剤、酸化防止剤、潤いを与えコンディショニングする剤、並びに当業者に周知の他の一般的な補助剤が挙げられる。
【0185】
本発明によると、驚くことに、毛髪染色又は漂白組成物の適用に先立って(好ましくは、予めすすぐことなく)、該前処理用組成物を毛髪に適用することで、予想していなかった多くの利点が得られるということが分かった。第一に、該前処理用組成物が毛髪上に存在することで、該組成物を毛髪に適用する際、特に毛髪の長さ方向に沿って適用する際に、毛髪が余りに早く分離したり、逆にもつれたりすることがないために、染色又は漂白組成物を容易に適用できる。従って、該組成物をより素早く且つそしてより効率的に適用することができる。第二に、該前処理用組成物は、更に、毛髪染色剤組成物によって皮膚に染みがつけられるのを防止する。第三に、該前処理用組成物は、染色剤又は漂白組成物を除去するタイミングを消費者に明らかにするというコンディショニング上の利点を有する。従って、該前処理方法は、最終コンディショニング工程の必要性を低減させ、これにより消費者が処理を完成させるために必要な時間を短縮させる。
【0186】
酸化毛髪染料組成物は、別個の容器として個別包装された構成成分において、酸化染料、前駆体、及び典型的には適したキャリア中のアンモニアであるアルカリ化剤を含む染料構成成分(エマルションは「染料クリーム」又は溶液は「染料液」とも呼ばれる)、並びに酸化剤(通常は、過酸化水素)を含む過酸化水素構成成分(同様にエマルションは「過酸化水素クリーム」又は溶液は「過酸化水素液」とも呼ばれる)を含むキットにおいて通常販売される。消費者は、染料成分及び過酸化水素成分を、使用直前且つ毛髪上への適用直前に一緒に混合する。本明細書において後述する表に示す処方例を使って、これらの得られた混合物を説明する。
【0187】
同様に、漂白組成物もまた、典型的には2個又は3個の別個の容器の中に個別包装された2つ又は3つの構成成分を含むキットとして通常販売される。第1の構成成分はアンモニウムイオン供給源(例えば、アンモニア)を含み、第2の構成成分は酸化剤を含み、及び第3(任意)の構成成分は第2の酸化剤を含む。漂白組成物は、上記の組成物を使用直前に混合することにより得られる。
【0188】
本発明は、各種のパッケージ用及び小出し用器具にて実施してもよい。これらの小出し用器具は、独立して又は互いに組み合わせて使用できる個別の器具の形態で実現できる。典型的には、該毛髪染色又は漂白組成物は、使用前に組成物をお互い分離して保存できるように、分離した単独又は複数の区画容器に収納される。該組成物は、次に、混合手段によって一緒に混合され、次に適用手段によって消費者の毛髪に適用される。
【0189】
本発明で使用することが可能である最も一般的なパッケージング用器具は、顕色剤を、ボトル、チューブ、エアゾール、又は袋のような容器内に保存すること、及び染料ローションを顕色剤容器内の追加の区画内に、又は同一であることができる別個の容器(例えば、二重袋又はエアゾールシステム)又はボトル及びチューブシステムのような異なる別個の容器内に個別に保存することを含む。
【0190】
消費者は、顕色剤ローション及び染料ローションを任意の手段にて混合してよい。これには、単純に混合用ボウルを使用して、その中へローションを分配し、好ましくは器具などの混合手段を用いて混合することが含まれる。あるいは、他のローションの容器内へローションの1つを追加して(典型的には、染料ローションは顕色剤ローションへ追加される)、次に手で振ってかき混ぜるか、又は器具を使って混合してもよい。別のシステムは、単独の容器又は袋内の染料及び顕色剤ローションの分離隔室間にあるシールの穿孔又は変位と、続いて容器内又は別個及び/又は追加の容器内にて手動で混合することも含む。
【0191】
このような器具の一例は、いわゆる「ツイスト&ゴー」器具である。これらの器具によって、消費者は、染料を含む容器の底をひねって、連結部分を開き、染料を含むボトルの底と顕色剤を含むボトルの最上部を接触させることができる。2つの成分は混合され、消費者は分配用のボトルの可撓性最上部を絞って、製品を分配する。
【0192】
あるいは、より複雑な器具を利用してもよく、それによりローションは分配の動きによって混合される。このような複雑なシステムの例は、デュアルエアゾールシステム例えば、バッグ−イン−カン(bag-in-can)又はピストンである。染料及び顕色剤は、1個の器具の中にある2個のエアゾール缶に別々に保管され、噴射剤を使って缶又は缶の中のバッグ又はピストン内の内容物に圧力を加え、そしてバルブが分配をコントロールする。消費者がバルブを動かすと、染料及び顕色剤が同時に缶から分配され、製品を毛髪上に分配する直前に静的ミキサーによって一緒に混合される。染料対顕色剤の比は、製品の粘度、缶圧力、又はバルブを通る流路寸法の変更によって操作できる。更に、製品は泡にしたり、ムース状で送り出すことができる。
【0193】
このような複雑なシステムの別の実施例は、デュアルピストンスクリューシステムを利用する。染料及び顕色剤は、システム内の別個のピストンシリンダーシステムに保持され、消費者がボタンを作動させると、2個のスクリューが回転し、内部のデュアルピストンがシリンダー内の液体に圧力を加え、従って製品が混合ステーションに移動させられて、分配用ノズルから出る。染料対顕色剤の比は、包装容器の円筒直径によって操作できる。更に、混合を手助けするため、直列型静的ミキサーを使用することが可能であり、このようなシステムは完全に使い捨て又は完全に詰め替え可能であることができる。
【0194】
更に別のシステムは、1つ以上の手動ポンプを利用する。製品は、折り畳める袋の中で予め混合してもよい。消費者がポンプを作動させると、ポンプ内の液体が分配される。手動で作動させたポンプが直立位置に戻ると、それは製品を折り畳める袋から押し出す。あるいは、染料及び顕色剤ローションを毛髪に送達するために2個の袋及び2個のポンプを使用するデュアルシステムを取り付けることができる。あるいは、2個の袋に接続された単一ポンプが、ポンプ内に混合箇所を組み込むことによって、製品を送達することができる。他の実施例は、製品をポンプシステムと接続するために、剛性ボトル及びディップチューブを使用する。最終的に、ボトル内層がボトル外層から分離してボトル内容物を空にすることができる、層状に剥離するボトルを手動ポンプと組み合わせてを使用することが可能である。
【0195】
典型的には、これらの複雑なシステムは、製品の向きとは独立して、製品を適用できるという利点がある。
【0196】
本明細書中にて上述した器具は、毛髪上への製品適用を手助けするための、製品送出及び/又は適用用具と組み合わせて使用することもできる。又、これらの器具は、容器の1つ又は櫛やブラシのような別個のアプリケーター器具にノズルが取り付けられているという非常に単純な性質のものであってもよい。このような櫛及びブラシは、素早い且つむらのないカバレッジ又は根元/ヘアラインのタッチアップ又はハイライト又はストリークにするかどうかという特定の効果を得るために、用いることができる。あるいは、容器又は容器の1つには、櫛を取り付けてもよく、又は分配用ノズルに代えて櫛を取り付けてもよく、製品は中空の櫛の歯及び櫛の歯に設けられた分配用開口部を通って分配される。櫛の歯は、製品適用及び特に根元から先端への均一性を向上させるため、櫛の歯に沿った単一又は複数の開口部と共に提供されてもよい。製品の分配は、例えば、ボトルの層状剥離又は上述した任意のメカニズムによって容器に加えられた機械的圧力によって行うことができる。該櫛は、例えば、適用を更に容易にするために容器上に取り付けられてもよく、そして垂直に(いわゆるバーティコーム(verticomb))又は消費者があらゆる領域にアクセスできるような角度で取り付けられてもよい。全ての器具は、消費者に毛髪への適用のための一連の異なった用具を提供できるように、互いに交換可能になるように設計されてもよい。
【0197】
適用するための器具は、特定の効果例えば、ハイライト化、例えば、ハイライト化用の櫛、ブラシ、及び用具並びにハイライト化用キャップの手助けを実現するための器具も含んでよい。
【0198】
追加の器具の技術を、製品が毛髪内に浸透するのを手助けするために使用することができる。このような技術の例としては、加熱器具、紫外線器具及び超音波器具が挙げられる。
【0199】
使用方法
本発明によると、毛髪の染色又は漂白方法は、組成物を毛髪に適用し、好ましくは数分間混合物を処理した後(毛髪全てへの均一な適用を確実にするため)、色を発現させるために、約20分未満、好ましくは約15分未満、より好ましくは約5分から約10分、最も好ましくは約10分の間、該組成物を毛髪上に残留させることから構成される。次に、消費者は、彼/彼女の毛髪を水道水で完全にすすいで、乾燥させ、そして毛髪を通常通り整髪する。これによって、毛髪が元の色から所望する色に変化したことを確認できる。
【0200】
本発明の代替的実施形態によれば、毛髪の染色及び/又は漂白方法は、順次の酸化性毛髪染色又は毛髪漂白の方法であり、少なくとも2つの酸化性毛髪染色又は毛髪漂白処理を順次行い、各処理間の時間が1〜60日、好ましくは1〜40日、より好ましくは1〜28日、更により好ましくは1〜14日、最も好ましくは1〜7日である工程から構成される。このような実施形態においては、頭部に組成物を保持する時間は約20分未満でもよく、好ましくは約10分未満、最も好ましくは約2分〜約5分である。
【0201】
本発明の別の実施形態によれば、染色又は漂白の方法は、少なくとも1つのコンディショニング剤を含む前処理用組成物を毛髪に適用し、引き続いてすすぐことなく、次に毛髪染色剤又は漂白組成物を適用する前処理工程から構成される。このような前処理用組成物は、典型的には、別個の容器に包装されることもある。
【0202】
酸化染料組成物及び漂白組成物中に存在する時、任意のコンディショニング剤が第3の容器において提供され得る。後者の場合、すべての3つの組成物は使用直前に混合され共に適用されることができるか、又は第3の容器中の内容物は、他の容器の混合の結果として得られる酸化染料組成物又は漂白組成物の直後の後処置として、(任意のすすぎ工程の後に)適用され得る。
【0203】
ラジカルスカベンジャーを含む組成物の場合、ラジカルスカベンジャーは染料成分、過酸化水素成分、前処理用組成物(存在する場合)内に含まれてもよく、又は別個のラジカルスカベンジャー成分(別個に包装される)として含まれてもよい。同様に、漂白組成物については、ラジカルスカベンジャーは、アンモニウムイオン供給源成分、酸化剤成分、又は第2の酸化剤成分、前処理用組成物(存在する場合)又は別個のラジカルスカベンジャー成分、又は2種類以上の成分内に含まれてよい。しかし、好ましくは、該ラジカルスカベンジャーは、染料成分内に含まれる。典型的には、前処理用組成物を適用中又は適用後で、毛髪染色剤又は漂白組成物の適用前に、該ラジカルスカベンジャーが、毛髪に適用される。あるいは、該ラジカルスカベンジャーは、染料又は酸化剤成分と共に混合される。
【0204】
本発明の別の実施形態では、該キットは、ある種の染料(例えば、主たる染料成分内で安定していないカチオン性アゾ染料)のような他の感応材料を含む別個の構成要素を含んでもよい。
【0205】
以上に記載されたキットは、当該技術分野において周知であり、各容器内の組成物は、標準的手法のいずれか1つを使用して製造でき、これらには、a)「水中油型」プロセス、b)「転相」プロセス、及びc)「1ポット」プロセスが挙げられる。
【0206】
例えば、「1ポット」プロセスにおいては、ポリマー及びキレート剤が水に事前に溶かされ、脂肪質が追加され、次に組成物全体が約70〜80度まで加熱される。次にエマルションにする場合には、冷却をコントロールし、所望によりせん断工程を施すことで、最終構造化生成物を形成する。ペルオキシモノカーボネートイオン類、ラジカルスカベンジャー類の供給源を提供する物質及びアンモニア、そして所望により溶媒、染料を追加し、且つpH調製することで、染料クリームの調製プロセスが完成する。
【0207】
アクリレートポリマー類を含む溶液の場合、これらは過酸化水素成分内へ配合される。グリコール溶媒及び脂肪成分は、染料成分内に配合される。組成物の使用前に染料及び過酸化水素成分が一緒に混合され、ポリマーのアクリル酸基がpH上昇と共に脱プロトン化され、高分子マイクロゲルが生成されると、構造化生成物が生成される。2元混合でゲルを形成する、これら毛髪染色用2元水性組成物の製造についての更なる詳細は、米国特許第5,376,146号(キャスパーソン(Casperson)ら)及び同第5,393,305号(コーエン(Cohen)ら)に見ることができる。
【0208】
本発明の組成物は、米国特許第6,156,076号及び同6,106,578号に記載されているように、ポリエーテルポリウレタンを増粘剤(例えば、アキュリン(Aculyn)(登録商標)46)として含む2元水性組成物として調合することもできる。
【実施例】
【0209】
次の例は、本発明の酸化性染料組成物及びその製造方法を示す。
【0210】
【表2】

【0211】
【表3】

【0212】
【表4】

【0213】
前処理用組成物例
次の前処理用組成物1〜6は、水を80℃まで加熱後、グルタミン酸及びステアルアミドプロピルジメチルアミン及び脂肪族アルコール類、EDTA及びベンジルアルコールを加えて、混合することにより調製した。次に、該混合物を相転移未満まで冷却し、追加成分を加え、そして次に30℃まで冷却した。次に該混合物をシルバーソン(Silverson)SL2にて3分間挽いた。
【0214】
【表5】

【0215】
AR500回転レオメーター(TAインスツルメンツ社(TA Instruments Ltd.))(イギリス、サレイ(Surrey)レザーヘッド(Leatherhead)KT22 7UQ)を用いて、前処理用組成物の粘度を測定する。本測定は、26.7℃にて、50μm(ミクロン)のギャップを設けた4cm2°スチールコーン測定システムを用い、0.5〜10001/sの剪断速度にて1分間以上、プログラムによって実施し、各測定ごとに10個のデータを記録する。これらのデータを使用して、物質の剪断速度対剪断応力曲線を創出する。プロットしたグラフ上の850s-1において得られた値を記録する。
【0216】
上記に例示された前処理用組成物は、濡れた又は乾いた(好ましくは乾いた)毛髪に適用されてよい。使用直前に、染料成分及び酸化剤成分は一緒に混合される。得られる混合物は、次に毛髪に適用される。消費者が以前にその毛髪を染色したことがなかったり、彼らがその毛髪色を以前の色から変えようとする場合、製品を根元から始まって先端で終わるまで毛髪中に揉み込み(いわゆる「頭部全体への適用(full head application)」、混合物は毛髪全体に適用される。一旦該適用が完了したら、更に6〜15分(好ましくは、10分)の時間放置して、色を顕色させる。次に、染料がそれ以上落ちないようになるまで、製品を暖かい水で毛髪からすすぎ洗いする。次に、所望によりコンディショナー製品を適用することができる。
【0217】
消費者が同一色で染色する場合(いわゆる「根元タッチアップ適用(root touch up application)」、染料成分及び酸化剤成分を混合した後、混合物の一部を最初に毛髪の根元に適用する。一旦、根元への適用が完了したら、5〜9分間放置して、色を顕色させる。残った混合物は、次に、毛髪の残りの部分に適用し、更に(適用完了後)1〜10分間放置して、色を顕色させる。好ましくは、顕色のための許容総時間は10分以下である。顕色のための時間が経過したら、「頭部全体への適用(full head application)」で上述したように、製品を毛髪からすすぎ洗いする。
【0218】
前処理組成物が使用されている場合、この組成物を最初に乾燥した毛髪に適用する。上述の「頭部全体への適用(full head application)」又は「根元タッチアップ適用(root touch up application)」が使用される場合でも、前処理組成物は、すすぎ洗いされることなく、毛髪上に残される。前処理が効果的なコンディショナーの場合、消費者は指示内容から最終の別個のコンディショニング処理を無視することができる。これにより、手順を簡素化でき、処理全体をより手短に行える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)(A)炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びカルバミン酸アンモニウムから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む組成物、又は
(B)炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸バリウムから選択される1種または2種以上、アルカノールアミド、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウムおよびアンモニアから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む組成物
を供給すること、ここで該組成物は8.4〜9.5のpHを有する、
(ii)該組成物を毛髪上に適用することと該組成物を毛髪上に20分未満の時間維持すること及び引き続いて、
(iii)該組成物を毛髪からすすぎ洗いすること、の各工程を含む、20分未満で毛髪を酸化的に高速に染色又は漂白する方法。
【請求項2】
少なくとも2つの順次の酸化性毛髪染色又は毛髪漂白処理の工程を含む順次の酸化性毛髪染色又は毛髪漂白の方法であって、各処理間の時間が1〜60日であり、且つ、各処理は、(A)炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びカルバミン酸アンモニウムから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む組成物、又は(B)炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸バリウムから選択される1種または2種以上、アルカノールアミド、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウムおよびアンモニアから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む組成物(この際、該組成物は8.4〜9.5のpHを有する)を提供すること、及び次に、該組成物を毛髪に適用することと毛髪上に20分未満の時間だけ保持すること、及び引き続いて、該組成物を毛髪からすすぎ洗いすることの工程を含む、該方法。
【請求項3】
前記方法は少なくとも1つのコンディショニング剤を含む前処理用組成物が毛髪に適用される第1前処理工程を更に含む、請求項1又は2に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項4】
前記前処理用組成物は、次の工程終了時まで毛髪からすすぎ落とされない、請求項3に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項5】
前記組成物は15分未満の時間毛髪上に維持される、請求項1又は2に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項6】
前記組成物は5〜10分の時間毛髪上に維持される、請求項1又は2に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項7】
前記組成物は
a.0.1重量%〜10重量%の過酸化水素、
b.0.1〜10重量%の、アルカノールアミド、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウムおよびアンモニアから選択される1種または2種以上、
c.0.1〜15重量%の、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸バリウムから選択される1種または2種以上
を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項8】
前記組成物は少なくとも1つの酸化性染料及び/又は少なくとも1つの直接染料を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項9】
前記組成物はキレート剤を更に含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の毛髪染色又は漂白方法。
【請求項10】
(A)炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びカルバミン酸アンモニウムから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む毛髪染色もしくは漂白組成物、又は
(B)炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸バリウムから選択される1種または2種以上、アルカノールアミド、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウムおよびアンモニアから選択される1種または2種以上、サルコシン、リジン、セリン、2−メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物からなる群から選択されるラジカルスカベンジャー並びに酸化剤を含む毛髪染色もしくは漂白組成物の使用であって、該組成物は8.4〜9.5のpHを有し、20分未満で毛髪を染色又は漂白する、該使用。

【公開番号】特開2013−56950(P2013−56950A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−288871(P2012−288871)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2007−533632(P2007−533632)の分割
【原出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】