説明

高酸化還元性水を連続生成する反応器

【課題】高酸化還元性水を連続生成する反応器の提供。
【解決手段】高酸化還元性水を連続生成する反応器は、正電極、負電極、陽イオン交換膜と絶縁ケース、電気制御ボックスで構成され、該正電極と該負電極は耐酸、耐アルカリ、耐高圧のケースの長さ方向の内側に置かれ、二つの電極は平行に等距離に設置され、管内に注水され、一端より入水され、他端より出水し、正電極と負電極の間に高圧直流電源が接続され、高酸化還元性水を連続生成する反応器が構成され、若干の、正電極と負電極と陽イオン交換膜を取り付けた反応器を、曲管を直列接続する方式で必要な長さまで一体に接続し、その後、全ての処理ユニットの正電極と負電極を並列接続し、直流電源に接続すれば、複合反応器を構成することができる。本発明の反応器は高酸化、還元電位の水を大量に生成し並びにリアルタイムに提供でき、高酸化還元性水を連続生成する要求に適用され、民用と工業水の処理に用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の、高酸化還元性水を連続生成する反応器に係り、電解技術領域に属する。
【背景技術】
【0002】
電解還元水は、一種の、これまでのいかなる伝統意義上の飲用水とは異なり、それは水を電解する時に、陰極の一側に生成する水が、すなわち、電解還元水であり、陽極の一側に生成する水が、電解酸化水であり、電解還元水の最も重要な特徴は、陰極と陽極の間にイオン交換膜が存在し、すなわち、イオンの交換膜透過を許容して電流を生成し、同時に陰陽両極の電解が形成する分子が相互に浸透、中和するのを防止することで生成されることにあり、このような水を生成する装置が、電解水生成機である。
【0003】
電解還元水は比較的多くの水酸基イオンを含有し、すなわち[OH-]は[H+]より多く、豊富な活性水素を含有し、酸化還元電位は負の値(−800mV)であり、還元作用を有する。
【0004】
電解酸化水は比較的多くの酸基イオンを含有し、[H+]が[OH-]より多く、及び大量の活性酸素フリーラジカルを含有し、酸化性を有し、医学と食品工業上で、消毒に広く用いられる。
【0005】
電解還元水は生成過程中に、さらに一系列の比較的複雑な電気化学反応が実行され、これにより、電解還元水は酸化還元電位、酸アルカリ度、水分子クラストサイズ、イオン成分と存在状態、電気伝導率等の指標上、いずれも明らかな変化を発生する。電解還元水は豊富な活性水素を含有するため、人体内の過剰なフリーラジカルを除去し、実験で研究表面されたところによると、電解還元水は膵臓願に対する明らかな抑制作用を有し、腫瘍の血管生成を抑制し、糖尿病、腎臓病等の治療効果を有する。
【0006】
ただし、既存の電解水生成機には問題があり、たとえば、電解槽の容量が小さく、電極面積が小さく、良質の電解水を生成できず、さらに電極が迅速に劣化し、電解水生成機の電解槽(管)壁に積垢すると洗浄しにくく、電解水生成機の寿命に影響が生じる。
【0007】
このほか、現在の市販の電解水生成機は、電解水還元電位の設定及び表示の機能がなく、ただパッシブに提起検査されるだけであり、また使用者が使用する検査機器は水中の不純物或いはカルシウムの蓄積により、センサーが詰まり、検査結果に誤差が発生し得る。このため、消費者は根本的に、その酸化還元電位が基準に符合するか否かを知ることができず、さらには多くの消費者が還元水の人体に対する効能について、多くの疑問を持つに至る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、金属の電解水生成機の問題に対して、一種の、高酸化還元性水を連続生成できる反応器を公開することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の技術手段は、放電正電極、放電負電極を絶縁耐アルカリの管路の内側に置き、二つの電極を平行とし、管路を数メートルから必要な長さまで接続し、すなわち、正電極、負電極を数メートルの長さとし、このような管路中の電極面積は伝統的な電解槽に用いられている電極面積よりも遥かに大きく、放電電極長さと放電面積を極めて大きく増加する。
【0010】
本発明の高酸化還元性水を連続生成する反応器は、正電極(7)、負電極(5)、陽イオン交換膜(6)と耐酸アルカリの絶縁ケース(8)で構成される。正電極(7)、負電極(5)は耐酸アルカリの絶縁ケース(8)の長さ方向の内側に置かれ、二つの電極は等間距で平行とされ、管内に注水されて、一端より入水され、他端より出水され、正電極(7)と負電極(5)は高圧直流電源に接続され、高酸化還元性水を連続生成する反応器を構成する。
【0011】
上述の反応器の製造方法は以下のとおりである。
所定長さの、断面積が矩形で、耐酸アルカリで且つ耐高圧の絶縁ケース(8)を選択し、正電極(7)、負電極(5)を絶縁ケース(8)の内側の長手方向に沿って、平行等距離の位置に置き、並びに正電極(7)と負電極(5)の間に、陽イオン交換膜(6)を設置し、両側をそれぞれ入水管、出水管に接続する。正電極(7)と負電極(5)の間は2mm−80mm離間するものとし、陽イオン交換膜(6)は正電極(7)、負電極(5)と平行で且つ二つの電極面から等距離の位置に位置させ、管路の辺縁より正電極(7)と負電極(5)の接続柱を引き出し、反応器を構成する。
【0012】
反応器のケースの入水口(4)は、水道水に接続し、出水口(1)、(2)、(3)は閉じ、水道水を反応器内に注がれ、反応器の正電極(7)と負電極(5)の間には5V−5000Vの直流電圧を印加し、反応器中の正電極(7)と負電極(5)の間で水に対して放電反応を発生させ、放電を所定時間実行した後、ケースの出水口(1)、(2)、(3)を開放し、高酸化還元性水を出水口(1)、(2)、(3)より流出させる。反応器内の水流は不断に流入及び流出し、動態で連続して水を生成できる。正電極(7)付近は高酸化電位の水を生成でき、酸化還元電位は800mVから1500mVに達し、ソノPH値は酸性を呈し、負電極(5)は通電後に高還元電位の水を生成でき、酸化還元電位は−800mVから−1200mVに達し、そのPH値はアルカリ性を呈する。
【0013】
反応器の水処理能力を増加するため、正電極と負電極と陽イオン交換膜を取り付けた複数の反応器を、曲管直列接続方式を採用して、密封接続し、必要な長さとした後、全ての処理ユニットの正電極と負電極を並列接続して、直流電源に接続し、一つの複合反応器を構成できる。
【0014】
本発明の反応器の管路は必要に応じて、直列に接続し、数メートル或いはそれ以上とすることができ、これにより電極総面積は伝統的な電解水生成機用の電極面積より遥かに大きく、すなわち大幅に放電電極長さと放電面積を増加でき、放電面積が大きくなり、電解効率が十分となるため、反応器内の水の酸化、還元電位と導電度を迅速に変更でき、連続して、高酸化、還元電位用水を連続生成できる。
【0015】
本発明の反応器の正電極と負電極の中間は、陽イオン交換膜で隔てられ、この膜は陽イオンを透過させて、膜の両側の高酸化還元電位用水を維持し、この膜は必要に応じて設置するか否かを決定でき、もし高酸化還元電位の酸性水とアルカリ性水を得るならば、膜の設置が必要である。
【0016】
本発明の正電極(7)の材料は、石墨板、白金めっき板、ルテニウムイリジウムコーティングチタン板、チタン板等の材料より選択できる。
【0017】
本発明はさらに、水中に塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩酸などの成分を加入し、通電後に電気化学反応を発生させて殺菌効果を有する第二塩酸基を得て、水の殺菌能力を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明を既存の技術と比較すると、その有益な効果は以下のとおりである。本発明の反応器構造の電極面積は、必要により非常に大きくすることができ、水の電解処理を行う時、連続して大量に超高酸化或いは還元電位水を生成できる。
【0019】
本発明の単位電極面積の電流密度は、伝統的な水電解機器より遥かに低く、これにより、正電極材料の腐食が比較的小さい。
【0020】
本発明は同時に処理される水に対して殺菌、除臭、TVOCsの分解が行え、水をさらに浄化できる。
【0021】
反応器内の水流は不断に流動するため、ケース内壁に水垢が発生せず、反応器は洗浄する必要がなく、反応器の寿命を延長できる。
【0022】
本発明の反応器は大量に、リアルタイムに、高酸化、還元電位の水を提供でき、飲用、洗浄、殺菌、灌漑及び工業用水等の場所に提供され得て、現在市販されている電解水生成機が高額で、出水量が少ない問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の高酸化還元性水を連続生成する反応器の構造図である。
【図2】本発明の高酸化還元性水を連続生成する反応器の構造断面図である。
【図3】本発明の電気制御ボックスを具えた高酸化還元性水を連続生成する反応器の外形図である。
【図4】本発明の高酸化還元性水を連続生成する複合型反応器の外形図である。
【図5】本発明の高酸化還元性水を連続生成する分層型反応器の外形図である。
【図6】本発明の高酸化還元性水を連続生成する分層型反応器の流体流動方向表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施例1:
本発明の具体的実施方式は、図1、2及び図3に示されるとおりである。
本実施例の高酸化還元性水を連続生成する反応器は、正電極(7)、負電極(5)、陽イオン交換膜(6)、絶縁ケース(8)、電気制御ボックス(9)で構成される。
【0025】
絶縁ケース(8)は横断面が長方形の箱体構造とされ、耐酸アルカリで、耐高圧のエンジニアリングプラスチックで製造され、絶縁ケース(8)の両側に、入水口(4)、及び出水口(1)、(2)、(3)が保留され、管路上部のカバー板は着脱可能であるが、使用時には厳格に密封される。
【0026】
正電極(7)、負電極(5)はケースの内側の長さ方向に、相互に平行に等距離の位置に置かれ、正電極(7)と負電極(5)はそれぞれ管路壁より5mm離れ、正電極(7)と負電極(5)の間距は50mmとされる。正電極(7)と負電極(5)の中間には陽イオン交換膜(6)が設置され、陽イオン交換膜(6)は、それぞれ正電極(7)、負電極(5)と平行等距離に設置される。
【0027】
反応器が動作する時、まず出水口(1)、(2)、(3)が閉じられ、入水口(4)を介して反応器に注水されて満水とされ、その後、正電極(7)と負電極(5)の間に3000ボルトの直流電圧が印加される。所定時間の後、出水口(1)、(2)、(3)より放水され、入水量と出水量が平衡となるよう保持され、入水流量が制御され、こうして高酸化還元性水が連続して不断に獲得され得る。
【0028】
図4は、高酸化還元性水を連続生成する複合型の反応器の構造図である。それは三つの反応器を直列接続してなる。正電極(7)と負電極(5)は電気制御ボックス(9)に接続され、水は入水口(4)より反応器に進入し、出水口(1)、(2)、(3)よりそれぞれ高酸化還元性水が流出する。
【0029】
実施例2:
本実施例は、高酸化還元性水を連続生成する分層型の反応器とされ、図5はその外形図、図6はその反応器の流体流動方向図である。
【0030】
本実施例では、反応器の絶縁ケース(8)の内部の絶縁材料が多層に分かれ、各層空間内に正電極と負電極が設置され、反応器中の流体流動方向(10)は図6のとおりであり、該反応器の正電極と負電極の間には、陽イオン交換膜は設置されない。
【符号の説明】
【0031】
(1)(2)(3)出水口
(4)入水口
(5)負電極
(6)陽イオン交換膜
(7)正電極
(8)絶縁ケース
(9)電気制御ボックス
(10)流体流動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高酸化還元性水を連続生成する反応器において、正電極、負電極、陽イオン交換膜と絶縁ケースで構成され、該正電極と該負電極は耐酸アルカリ、耐高圧の該絶縁ケースの長さ方向の内側に置かれ、該正電極と該負電極は互いに平行に等距離に設置され、該絶縁ケース内に形成される管内に、一端より入水され、他端より出水され、該正電極と該負電極の間に高圧直流電源が接続されて、高酸化還元性水を連続生成することを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項2】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該正電極と該負電極の間は互いに2mm−80mm離れ、該陽イオン交換膜は該正電極、該負電極と平行で、且つこれら二つの電極面から等距離の位置にあることを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項3】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該反応器の正電極と負電極の間に、5V−5000Vの直流電圧を印加することを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項4】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該正電極と該負電極に通電した後、該正電極付近に高酸化電位の水が生成され、酸化還元電位は800mVから1500mVに達し、そのPH値は酸性を呈し、該負電極付近に通電後に、高還元電位の水を生成し、酸化還元電位は−800mVから−1200mVに達し、そのPH値はアルカリ性を呈することを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項5】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該正電極と該負電極及び該陽イオン交換膜が取り付けられた複数の該反応器が、曲管を採用して直列に密封して接続されて必要な長さとされ、全ての該反応器の該正電極と該負電極が並列に接続されて直流電源に接続されて、一つの複合反応器が構成されることを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項6】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該反応器の正電極と負電極の中間は、該陽イオン交換膜により隔てられ、該陽イオン交換膜は陽イオンを通過させて、該陽イオン交換膜の両側の高酸化還元電位用水を維持し、この膜は必要により設置するか否かが決定されることを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。
【請求項7】
請求項1記載の高酸化還元性水を連続生成する反応器において、該正電極の材料は、
石墨板、白金めっき板、ルテニウムイリジウムコーティングチタン板、チタン板より選択されることを特徴とする、高酸化還元性水を連続生成する反応器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43177(P2013−43177A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182813(P2012−182813)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(512218245)
【Fターム(参考)】