説明

高電圧発生回路の絶縁方法及び荷電粒子加速器

【課題】 装置の大型化を回避しながら、高電圧発生部と密閉容器との間の耐電圧の確保を図ることができ、更には、加速部構造の簡素化をも図ることができる高電圧発生回路の絶縁方法及び荷電粒子加速器を提供する。
【解決手段】 高電圧発生部20,21と、荷電粒子を加速する加速部19A,19Bとが、それぞれ密閉容器18の内部空間に配置されており、加速部19A,19Bが高電圧発生部20,21と密閉容器18の内壁との間に配置された荷電粒子加速器30に用いられ、密閉容器18の内部空間を、荷電粒子が通る加速部19A,19Bの内部と同一の真空度に維持して、高電圧発生部20,21と密閉容器18との間を電気的に絶縁する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばイオン注入装置、電子顕微鏡等に用いられるイオン加速器、電子加速器等における高電圧発生回路の絶縁方法及び荷電粒子加速器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イオンや電子を所望のエネルギーに加速するための荷電粒子加速器は、イオン注入装置や電子顕微鏡等の分野において広く適用されている。図4は、下記特許文献1に記載されている従来の荷電粒子加速器の断面構造を示している。
【0003】
図4において、従来の荷電粒子加速器1は、電子線を加速する多段加速管2と、この多段加速管2の最上部に搭載された電子銃3とを備えている。コッククロフト・ウォルトン型回路を含む高電圧発生部4は多段加速管2と平行に配置されており、多段加速管2に対して電子線の加速電圧を供給する。多段加速管2、電子銃3及び高電圧発生部4は、それぞれ密閉容器5の内部に収容されている。密閉容器5の内部には絶縁性ガスとして六フッ化硫黄(SF6)ガス6が充填されており、高電圧発生部4と密閉容器5との間を電気的に絶縁している。
【0004】
上述のように、従来の荷電粒子加速器1においては、高電圧発生部4と密閉容器5との間の電気的絶縁を図るために、密閉容器5の内部に絶縁性ガスとしてSF6ガスを充填している。
【0005】
しかしながら、絶縁性ガスとしてSF6ガスを用いることは高コストであるだけでなく、環境負荷の点で問題がある。また、機器のメンテナンスの際、充填したSF6ガスを回収するためのリザーバタンクを別途必要とする等、メンテナンス性が悪いという問題もある。
【0006】
これに対して、環境中の空気(大気圧)が絶縁性を有することは従来より広く知られており、実際に空気を絶縁性ガスとして利用した荷電粒子加速器も存在する(下記特許文献2参照)。この場合、コスト的、環境的にも非常に優れ、メンテナンス作業性も非常に高いという利点がある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−262960号公報
【特許文献2】特開平6−76987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、大気圧空気で高電圧発生部と密閉容器との間の絶縁を図る従来の荷電粒子加速器においては、所望の耐電圧を得るためにこれら高電圧発生部と密閉容器との間に大きな離間距離をとらなければならないという問題がある。これにより密閉容器が大型化し、装置の小型化が図れなくなる。
【0009】
一方、従来の荷電粒子加速器においては、密閉容器の内部に図5に示すような構造の加速管が設置される。これは、荷電粒子が通過する内孔7aを備えた複数の環状の加速電極7が各々抵抗8を介して等ピッチで整列配置され、各加速電極7の間が絶縁性の管状部材9で気密接続された構造となっている。このように構成される加速管は、荷電粒子を通過させるために内部が所定の真空度に排気されており、当該真空度を維持するために、加速電極7と管状部材9との接続部を接着剤Mで真空封止して内外の連通を遮断する密閉構造がとられている。
【0010】
従って、従来の荷電粒子加速器においては、荷電粒子を加速させるための加速管に所定の真空度を維持できる程度の気密性と、加速管単独の真空排気系とが要求され、更に、加速管内外の圧力差による破損を阻止できる強度と耐久性が必要とされるために、装置構造の複雑化、高コスト化を招いているという問題がある。
【0011】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、装置の大型化を回避しながら、高電圧発生部と密閉容器との間の耐電圧の向上を図ることができ、更には、加速部構造の簡素化をも図ることができる高電圧発生回路の絶縁方法及び荷電粒子加速器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するに当たり、本発明は、高電圧発生部と、荷電粒子を加速する加速部とが、それぞれ密閉容器の内部空間に配置されており、前記加速部が前記高電圧発生部と前記密閉容器の内壁との間に配置された荷電粒子加速器に用いられ、前記密閉容器の内部空間を、前記荷電粒子が通る加速部の内部と同一の真空度に維持して、前記高電圧発生部と前記密閉容器との間を電気的に絶縁することを特徴とする。
【0013】
すなわち本発明では、密閉容器の内部空間を真空排気手段により真空排気し所定の真空度に維持して高電圧発生部と密閉容器との間を電気的に絶縁するようにしている。この構成により、大気圧の空気を絶縁性ガスとして用いる従来の荷電粒子加速器に比べて、高電圧発生部と密閉容器との間の離間距離を小さく設定して密閉容器の小型化及び装置占有面積の省スペース化を図ることが可能となる。
【0014】
上記所定の真空度としては、放電開始電圧に関するパッシェンの法則(Paschen's Law)(図2参照)に基づいて決定できる。例えば、荷電粒子加速器として1000kV級の高電圧発生部を用いる場合、密閉容器の内部空間の圧力を10-3Pa以下(かつ高電圧発生部と密閉容器との間の離間距離を200mm以上)とすることにより、これら高電圧発生部と密閉容器との間の電気的絶縁を図ることができる。
【0015】
また、密閉容器の内部空間圧力を10-3Pa以下、より好ましくは10-4Pa以下に維持した場合、当該密閉容器内は荷電粒子の加速雰囲気と同等の真空度になるので、荷電粒子の加速部として従来より用いられている気密性の「加速管」構造を廃止できる。
【0016】
すなわち、上記密閉容器の内壁と高電圧発生部との間に、荷電粒子が通過する内孔を備えた複数の環状の加速電極を各々抵抗を介して直線的に整列配置させるだけで、荷電粒子の加速部を形成することができる。これにより、加速部単独の真空排気系の設置は不要となり、また、加速部のための密閉管構造も不要となるので、荷電粒子加速器の構成の簡素化と低コスト化を図ることができるようになる。
【0017】
なお、密閉容器の内部空間の真空度を検出する検出手段を設けておき、この検出手段の出力に基づいて当該内部空間の真空度が所定以下となったときに、高電圧発生部の電圧を低下させる手段を講じるのが好適である。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本発明によれば、密閉容器の内部空間を真空排気手段により真空排気し所定の真空度に維持して高電圧発生部と密閉容器との間を電気的に絶縁するようにしているので、大気圧の空気を絶縁性ガスとして用いる従来の荷電粒子加速器に比べて、高電圧発生部と密閉容器との間の耐電圧を向上させながら、これらの間の離間距離を小さく設定して密閉容器の小型化及び装置占有面積の省スペース化を図ることが可能となる。
【0019】
また、上記密閉容器の内部空間を荷電粒子の加速雰囲気と同等の真空度に維持することにより、加速部単独の真空排気系の設置は不要となり、また、加速部のための密閉管構造も不要となるので、荷電粒子加速器の構成の簡素化と低コスト化を図ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、イオン注入装置に本発明の高電圧発生回路の絶縁方法及び荷電粒子加速器を適用した例について説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態によるイオン注入装置10の概略構成図である。先ず、このイオン注入装置10の構成及び動作について説明する。
【0022】
本実施の形態のイオン注入装置10は、負イオン源11、アインツエルレンズ12、質量分離電磁石13、スリット14、ビーム経路上に移動自在なファラデーカップ15、静電ステアラ16及び四重極静電型レンズ17を備えている。これら一連のユニットは、図示しない真空配管で接続されており、特に負イオン源11、質量分離電磁石13及び四重極静電型レンズ17には真空排気ポンプが取り付けられている。
【0023】
荷電粒子加速器30は、イオンを加速するグランド側加速部19A及び高電圧側加速部19Bと、高電圧発生装置21と、これら加速部19A,19B及び高電圧発生装置21をそれぞれ収納する密閉容器18とを備えている。グランド側加速部19Aの最前端、高電圧側加速部19Bの最後端、及び密閉容器18は、それぞれグランド電位に接続されている。
【0024】
2つの加速部19A,19Bの間には高電圧ターミナル20が取り付けられている。これにより、荷電粒子加速器30は、導入されたイオンをこれら2段の加速部19A,19Bで加速するタンデム型イオン加速器として機能する。
【0025】
高電圧ターミナル20の内部には、イオンビームが通過するストリッパカナル201が設けられている。ストリッパカナル201の内部には、導入されたイオンとの衝突により負イオンを正イオンへチャージ変換する窒素ガスあるいはアルゴンガスが供給される。
【0026】
高電圧ターミナル20には、高電圧発生装置21が接続されている。高電圧発生装置21としては、シェンケル型回路(並列昇圧)やコッククロフト・ウォルトン型回路(直列昇圧)等の回路構成が適用可能である。これら高電圧ターミナル20と高電圧発生装置21とにより、本発明の「高電圧発生部」あるいは「高電圧発生回路」が構成される。
【0027】
なお、22は、高電圧発生装置21へ電力を供給する電力供給源である。この電力供給源22は、昇圧トランスと発振器等を含んでなり、コントローラ28によって、高電圧発生装置21に対する電力供給制御が行われるようになっている。これら電力供給源22及びコントローラ28により、本発明の「制御手段」が構成される。
【0028】
荷電粒子加速器30の後段側には、四重極静電型レンズ24と、偏向電磁石25と、ビーム経路上に移動可能なファラデーカップ26とが設けられている。これら四重極静電型レンズ24、偏向電磁石25及びファラデーカップ26でなる一連のユニットは真空配管で接続され、四重極静電型レンズ24に取り付けられた真空排気ポンプで配管内が所定圧に排気されている。
【0029】
さて、荷電粒子加速器30を構成する密閉容器18と、高電圧ターミナル20及び高電圧発生装置21との間は、一定以上の耐電圧をもって絶縁される必要がある。そこで、本実施の形態では、密閉容器18に排気管を介して真空ポンプ23を接続し、密閉容器18の内部空間を所定の真空度に真空排気して、これら密閉容器18と高電圧発生部20,21との間の電気的絶縁を図るようにしている。
【0030】
密閉容器18と高電圧発生部20,21との間の耐電圧(放電電圧)は、図2のパッシェンの法則に示すように、密閉容器18の内部空間の真空度、密閉容器18の内壁面と高電圧発生部20,21との間の最小離間距離によって決まる。すなわち、密閉容器18の内部空間の真空度が大きい(圧力が小さい)場合には、電極間距離(密閉容器18の内壁面と高電圧発生部20,21との間の離間距離)が小さくても、高い放電開始電圧が得られることになる。
【0031】
本実施の形態では、密閉容器18と高電圧発生部20,21との間の電気的絶縁を図るために、高電圧発生部20,21における発生電圧が例えば1000kVである場合、密閉容器18の内部空間の圧力を10-4Pa以下、密閉容器18の内壁面と高電圧発生部20,21との間の最小離間距離を200mmとしている。この場合、密閉容器18内の耐圧電場は5kV/mmであり、上記最小離間距離を500mmとした場合の耐圧電場は2kV/mmである。
【0032】
また、本実施の形態では、密閉容器18の内部空間の真空度を検出する検出手段として例えば電離真空計27等の真空度計測手段を設置し、この電離真空計の出力をコントローラ28に供給するようにしている。コントローラ28は、密閉容器18の内部空間の真空度を常に監視し、稼働中に何らかの理由で真空度が低下し、それが所定以下となったとき(内部空間の圧力が所定以上となっととき)、電力供給源22を介して高電圧発生部20,21の電圧を低下させる。これにより、密閉容器内部の信頼性の高い電気的絶縁を確保することができる。
【0033】
一方、密閉容器18内の圧力が10-4Pa(10-6Torr)以下である場合、密閉容器18の内部空間は、加速部19A,19Bにおけるイオンの加速雰囲気と同等の真空度になる。このため本実施の形態によれば、加速部19A,19Bにおけるイオンの加速雰囲気と密閉容器の内部雰囲気とを共通にでき、図3A,Bに示すように、加速部19A,19Bの構成を簡素化できるようになる。
【0034】
加速部19A,19Bは、図3A,Bに示すように、イオンが通過する内孔31aを備えた複数の環状の加速電極31を各々抵抗32を介して等ピッチで整列配置されている。そして、これら加速電極31の間は、複数本の支持柱35で各々支持されている。このような構成の各加速部19A,19Bはそれぞれ、図1に示したように、高電圧ターミナル20と密閉容器18の内壁との間に直線的に設けられている。
【0035】
なお、支持柱35は、アルミナ等の絶縁性材料でなり、加速電極31の所定部位に接着等により固定されている。また、抵抗32は、高電圧ターミナル20の高電圧を各加速電極31間で分圧するために設けられ、これにより、内孔31aを通過するイオンは段階的に加速電圧が印加される。
【0036】
このように、イオン加速領域の内外の連通を許容できる簡素な構造で加速部19A,19Bを構成することができるので、従来必要とされていたイオン加速領域の気密構造、耐圧構造が不要となり、また加速部専用の真空排気系の設置も不要となる。
【0037】
従って本実施の形態によれば、密閉容器18に真空ポンプ23を接続し、当該密閉容器18を所定の真空度を維持する真空タンクとして機能させることにより、高電圧発生部20,21と密閉容器18との間の電気的絶縁を確保できると同時に、イオンの加速部19A,19Bの構成を簡素化でき、装置の小型化、低コスト化が実現可能となる。
【0038】
以上のような構成のイオン注入装置10は、負イオン源11において金属あるいはガス種の負イオンを発生させて、これを例えば約20〜30kVで引き出し、アインツエルレンズ12で収束した後、質量分離電磁石13に入射させる。質量分離電磁石13に入射した負イオンは、約90°偏向されて所定の質量のイオンに分離される。分離された負イオンは、スリット14、静電ステアラ16及び四重極静電型レンズ17を通過し、荷電粒子加速器30に入射する。
【0039】
荷電粒子加速器30においては、電力供給源22から高電圧発生装置21へ電力が供給され、高電圧発生装置21は、高電圧ターミナル20で例えば1000kVの高電圧を発生させる。四重極静電型レンズ17を通過し、前段側の加速部19Aに入射した負イオンは、高電圧発生装置21により1000kVの電圧に昇圧されている高電圧ターミナル20によって、最大1000keVにまで加速される。このエネルギーを持った負イオンは、ストリッパカナル201内に導入され、このストリッパカナル201内に予め供給された窒素ガス(あるいはアルゴンガス)分子と衝突する。窒素分子と衝突した負イオンは、電子が剥ぎ取られて正イオンにチャージ変換される。例えば、1価の正イオンに変換されると、ストリッパカナル201を通過した当該1価の正イオンは、後段側の加速部19Bにおいて、1000kVの加速電圧を受けて1000keVの加速エネルギーを得る。従って、一対の加速部19A,19Bを通過したイオンは最大、1000keV+1000keV=2000keVのエネルギーを得てグランド電位に達する。
【0040】
その後、イオンは、四重極静電型レンズ24を通過し、偏向電磁石25で偏向されて、ファラデーカップ26に達する。ファラデーカップ26の後方には、図示せずともプラテンあるいはイオン照射ステージが設けられており、そこに取り付けられた被照射基材に対して2000keVのエネルギーに達したイオンの照射処理がなされる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0042】
例えば以上の実施の形態では、荷電粒子加速器30の構成として、密閉容器18に収容される加速部をグランド側加速部19Aと高電圧側加速部19Bとでなるタンデム型とした例について説明したが、これに限らず、高電圧側からグランド側へ加速する単一構造の加速部で荷電粒子加速器を構成する例についても、本発明は適用可能である。
【0043】
また、以上の実施の形態では、荷電粒子加速器としてイオン注入装置におけるイオン加速装置を例に挙げて説明したが、これ以外にも、例えば、電子顕微鏡等の電子加速装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態による荷電粒子加速器が適用されたイオン注入装置の概略構成図である。
【図2】放電開始電圧に関するパッシェンの法則を示す図である。
【図3】本発明のイオン加速部の構造を説明する図であり、Aはイオン加速方向から見た断面図、Bはその側断面図である。
【図4】従来の荷電粒子加速器の構成を示す概略図である。
【図5】従来のイオン加速部の構造を説明する図であり、Aはイオン加速方向から見た断面図、Bはその側断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 イオン注入装置
18 密閉容器
19A,19B 加速部
20 高電圧ターミナル
21 高電圧発生装置
22 電力供給源
23 真空ポンプ(真空排気手段)
27 真空計(検出手段)
28 コントローラ(制御手段)
30 荷電粒子加速器
31 加速電極
32 抵抗
35 支持柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧発生部と、荷電粒子を加速する加速部とが、それぞれ密閉容器の内部空間に配置されており、前記加速部が前記高電圧発生部と前記密閉容器の内壁との間に配置された荷電粒子加速器に用いられ、
前記密閉容器の内部空間を、前記荷電粒子が通る加速部の内部と同一の真空度に維持して、前記高電圧発生部と前記密閉容器との間を電気的に絶縁することを特徴とする高電圧発生回路の絶縁方法。
【請求項2】
前記加速部を、その内部が前記密閉容器の内部空間と連通するように、前記荷電粒子が通過する内孔を備えた複数の環状の加速電極を各々抵抗を介して直線的に整列配置させて形成する請求項1に記載の高電圧発生回路の絶縁方法。
【請求項3】
前記密閉容器の内部空間の真空度を検出する検出手段の出力に基づいて、前記内部空間の真空度が所定以下となったときに前記高電圧発生部の電圧を低下させる請求項1に記載の高電圧発生回路の絶縁方法。
【請求項4】
高電圧発生部と、荷電粒子を加速する加速部とが、それぞれ密閉容器の内部空間に配置された荷電粒子加速器において、
前記密閉容器の内部空間を真空排気する真空排気手段を備えたことを特徴とする荷電粒子加速器。
【請求項5】
前記密閉容器の内部空間は、前記荷電粒子が通る加速部の内部と同一の真空度に維持されている請求項4に記載の荷電粒子加速器。
【請求項6】
前記加速部は、前記高電圧発生部と前記密閉容器の内壁との間に各々抵抗を介して直線的に整列配置され前記荷電粒子が通過する内孔を備えた複数の環状の加速電極を含んでなり、これら複数の加速電極間の領域は、前記密閉容器の内部空間と連通している請求項5に記載の荷電粒子加速器。
【請求項7】
互いに隣接する前記加速電極の間は、複数本の支柱を介して支持されている請求項6に記載の荷電粒子加速器。
【請求項8】
前記密閉容器の内部空間の真空度を検出する検出手段と、この検出手段の出力に基づいて前記内部空間の真空度が所定以下となったときに前記高電圧発生部の電圧を低下させる制御手段とを備えた請求項4に記載の荷電粒子加速器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−127832(P2006−127832A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312325(P2004−312325)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】