説明

高電圧絶縁材料

【課題】比較的単純な方法で、高電圧装置の1または2以上の要求に適合した高電圧絶縁材料を提供する。
【解決手段】高電圧発生器であって、硬質発泡状の高電圧絶縁組成物と、液体状の絶縁材料と、を有し、前記高電圧絶縁組成物は、高分子マトリクスおよび充填材を有し、前記充填材は、中空球により形成され、前記中空球は、別の材料で構成され、前記中空球には、気体が充填され、前記液体状の絶縁材料は、液体状基本物質および第1の物質を有し、前記第1の物質は、前記液体状基本物質に溶解することを特徴とする高電圧発生器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に高電圧発生器において使用される、固体および液体状の高電圧絶縁材料に関し、また、例えば放射線技術およびコンピュータ断層撮影技術用の絶縁材料を有する高電圧発生器に関する。さらに本発明は、そのような絶縁材料を有する高電圧発生器を有するX線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の高電圧装置、特に例えばX線システム等の高電圧発生器には、システムの種類に応じて、各種要求がなされている。
【0003】
一方では、高電圧発生器およびそれらの部品は、あらゆる作動条件下で、十分な長期高電圧安定性を有する必要がある。これは、個々の部品の表面電荷による電圧のフラッシュオーバーと、絶縁材料を通る絶縁破壊電圧とを容易に回避することの可能な配置を見出し、そのような絶縁材料を使用する必要があることを意味する。
【0004】
特にこれは、現在の高い電力密度を有する高電圧発生器に当てはまり、徐々に高い作動周波数が用いられ、電力部品(例えば高電圧変換器、カスケード等)は、徐々に小さくなっており、高電圧発生器は、徐々に小型化されているため、生じるフィールド強度は、徐々に大きくなっている。
【0005】
他方で、高電圧発生器は、できる限り軽量にする必要があり、特にコンピュータ断層撮影装置等の回転システムの場合は、その要望が強い。さらにこれらの装置は、極めて高い回転速度で作動し、これらとともに回転する部品は、大きな加速度を受けるため、部品は、極めて安定な機械的強度とした上、できるだけ小型にする必要がある。
【0006】
次第に小型化する空間内で、十分に高い電圧安定性を確保する上では、当然のことながら、高電圧発生器の絶縁材料が、極めて重要である。しかしながら、一つの問題は、前述の要求を満たすため使用される軽量の(すなわち低密度の)絶縁材料は、一般に比較的誘電強度が低いことである。
【0007】
別の要求として、高電圧発生器において絶縁ペーパーを使用しないことが挙げられる。前記絶縁ペーパーには、複雑な含浸処理が必要となるためである。代わりに、プラスチック技術のみを用いて、絶縁を確保することが望ましい。この場合、絶縁材料を同時に、該当部品の支持体としても使用することができるという利点があり、射出成形法によって、ほとんどの高電圧発生器の内部に好適に適合された形状を得ることができる。
【0008】
従って必要に応じて、高電圧発生器に、個々の部品の冷却用の液体絶縁物質が供給される領域または溝を形成することが可能となる。しかしながら、そのようなハイブリッド絶縁材の場合、欧州特許出願第EP1 176 856号に示されているように、ハイブリッド絶縁材のいかなる場所でも、固体および液体絶縁物質の異なる特性、特に電気伝導性および誘電率等の差異によって、電圧絶縁破壊が生じないようにしなければならない。
【0009】
また、高電圧発生器は、用途によっては、直流電圧、交流電圧および単極振動電圧の混合負荷を受けることを考慮する必要があり、特にハイブリッド絶縁材の場合、絶縁材料に対する要求は、固体および液体絶縁材料での電圧降下の差異のため、さらに増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願第1 176 856号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、比較的単純な方法で、前述の高電圧装置の1または2以上の要求に適合した高電圧絶縁材料を提供することである。
【0012】
特に、高電圧装置(特に高電圧発生器)の個々の部品での表面電荷による電圧フラッシュオーバー、および絶縁材料を介しての電圧絶縁破壊を確実に防止する、高電圧絶縁材料が提供される。
【0013】
また、電圧安定性についての実質的な限界を考慮する必要のない、軽量の高電圧絶縁材料が提供される。
【0014】
また、例えば欧州特許出願第1 176 856号の記載に基づく高電圧発生器において、ハイブリッド絶縁材としての使用に特に適した高電圧絶縁材料が提供される。ただし本発明の高電圧絶縁材料は、文献と比較して、表面電荷による電圧フラッシュオーバーに関する改良された安定性、および/または絶縁材料を介しての電圧絶縁破壊に関する改良された安定性を有する。
【0015】
またすべての現実的な作動条件下、特に混合負荷環境において、信頼性のある十分な誘電強度を有する絶縁材料を有し、比較的軽量で、および/または比較的小型形状の高電圧発生器が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題は、請求項1に記載の、少なくとも一つの別の物質の添加によって、電気伝導度および/または誘電率が変化した高電圧絶縁材料であって、高電圧装置に使用された際に、作動中に生じる電圧降下が、当該絶縁材料のフラッシュオーバー電圧および/または絶縁破壊電圧以下に保たれることを特徴とする高電圧絶縁材料によって達成される。
【0017】
この解決策の利点の一つは、例えば、高電圧装置の部品に集積した表面電荷が、絶縁材料の電気伝導性の増大によって、消失することであり、これにより少なくとも電圧フラッシュオーバーは、生じなくなる。
【0018】
本解決策の別の利点は、ハイブリッド絶縁材料の場合、すなわち特に固体および液体絶縁材料等の異なる種類の絶縁材料の場合に得られる。通常これらの材料は、異なる電気伝導性および/または異なる誘電率を有するため、これらの材料では、これに応じて異なる直流または交流電圧の降下が生じる。いずれの場合も、絶縁材料の少なくとも一つは、その材料の誘電強度を越える可能性がある。電気伝導度および/または誘電率を誘電強度に対応するように適合させることによって、電圧降下の最適分布が得られ、これにより、ハイブリッド絶縁材料全体を高い誘電強度とすることが可能となる。
【0019】
米国特許出願第2002/0094443号には、合成ポリイミド泡状の固体絶縁材料が示されており、この材料は、内部に気体が充填された、ガラス、炭素、金属、セラミックス、または高分子の中空球状粒子を有する高分子マトリクスで構成されるが、文献に示されているように、この泡は絶縁電気部品には適さず、極めて誘電率が高い。この理由のため、前記文献は、本発明の課題と関連があるとみなすことはできない。
【0020】
従属項は、本発明の有意な改良を含む。
【0021】
請求項2乃至8は、固体絶縁材料に関する。実質的に球状の粒子を導入することによって、同等のまたは所望の寸法の孔を有する泡に似た絶縁材料を形成することができ、絶縁材料にこれらの孔を均一に分布させることができる。
【0022】
請求項3および4に記載の絶縁材料は、これらの材料を特に軽量化することができるという利点を有する。
【0023】
請求項6に記載の絶縁材料は、比較的高精度かつ再現性のある方法で、電気伝導度を所望の値に設定することがきるという利点を有する。
【0024】
請求項9乃至12は、液体絶縁材料に関し、請求項9および10に記載の例では、比較的簡単にその電気伝導度を設定することができ、請求項11および12に記載の例では、比較的簡単にその誘電率を設定することができる。
【0025】
さらに請求項13および14は、ハイブリッド絶縁材を有する高電圧発生器、すなわち特に、固体と液体の絶縁材料の組み合わせた高電圧発生器に関し、これらの高電圧発生器は、放射線技術分野での使用に特に適している。
【0026】
本発明の更なる細部、特徴および利点は、以下の本発明の好適実施例の記載から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
第1の実施例は、絶縁泡状の固体高電圧絶縁材料であり、この材料は軽量なため、前述の回転式X線システム用の高電圧発生器への使用に特に適している。
【0028】
この絶縁泡は、基本物質として、例えば実質的に誘電率εrが約3乃至4の高分子マトリクスを有する。
【0029】
この高分子マトリクス内には、別の材料として、球状粒子状の充填材、特に中空球状の充填材が導入される。泡に似た絶縁材料を形成する従来の方法と比べて、本発明では、球状粒子によって形成される孔は、粒子径に相当する孔寸法を有するため、孔を極めて正確かつ再現性のある状態で設置することができるという利点を有する。
【0030】
また従来のほとんどの同等方法に比べて、絶縁材料内の孔の分布はより均一となり、球状粒子が未硬化の基本物質に導入された際に、沈降したり浮遊したりしないように、球状粒子の重量および球状粒子を構成する材料を選定した場合、極めて大きな、所望の充填率が得られる。
【0031】
また揺変性および/または粘性を制御するため、従来の界面活性分散添加剤を導入した場合、充填率は、さらに向上する。
【0032】
充填材または球状粒子は、従来の方法で製作することができるため、ここでは詳細を説明しない。
【0033】
得られる孔は、多くの従来の絶縁泡とは異なり、絶縁材料がケーシング、あるいは異なる壁厚さの同等物等の内部で発泡させても変化しない。さらに、従来の絶縁泡の場合、および処理のための壁厚が大きな場合に見られる炭化(発熱反応による燃焼)は、生じない。
【0034】
中空球を形成する材料の適切な選択によって、絶縁材料中の中空球の寸法および数量によって、および中空球に充填する気体の種類や圧力によって、絶縁材料の誘電率を所望の方法で適合させ、または変化させることができる。
【0035】
球状粒子は、中空球であって、例えば最大約100μmの径であることが好ましい。
【0036】
中空球は、例えば、ガラス(コンデンサ)セラミックもしくはフェノール樹脂、アクリロニトリル共重合体、または例えば熱プラスチックもしくはドゥーロプラスチック材料等の他の絶縁材料で構成されても良い。
【0037】
中空球は、例えば六フッ化硫黄(SF6)またはイソペンタンを含んでも良く、前述のように、加圧環境下で導入される他の気体であっても良い。
【0038】
従って例えば、絶縁材料内の気体の割合を高くして、絶縁材料の誘電率をさらに低下させても良い。この割合は、中空球の数量および径の増加とともに増大する。当然のことながら、これと同時に絶縁材料の重量も、これらの2つのパラメータの増大によって減少する。
【0039】
また、中空球の径、さらには添加する気体の種類および圧力を適切に選定することによって、絶縁材料の誘電強度を変化させることができる。この目的のため、中空球内の気体圧力および径は、従来の方法で相互に適合され、中空球での部分放電が回避される。
【0040】
接着促進剤を使用することにより、中空球の基本物質に対する密着性を向上することができ、これにより絶縁材料の高電圧安定性が、さらに向上する。中空球がガラスまたはセラミックで構成される場合、高分子マトリクスに対する密着性は、約0.1から0.3%のシラン化によって増大させることができる。中空球がプラスチックで構成される場合、高分子マトリクスに対する密着性は、プラスチック球を炭酸カルシウムでコーティングすることで、向上させることができる。
【0041】
これらの全ての方法によって、硬質泡に似た絶縁材料を形成することが可能となり、一定の再現性のある方法によって、その材料の重量、誘電率および高電圧安定性を、広い範囲で設定することができる。
【0042】
高い作動周波数の利用頻度の増大、関連する電力部品(例えば高電圧変換器、カスケード等)の寸法の狭小化、さらに進む高電圧発生器の小型化によって生じる別の問題は、固体絶縁材料表面に電荷が集積し、その電荷によってその位置で電圧フラッシュオーバーが生じ、これにより絶縁配置が崩壊し、高電圧発生器に不具合が生じることである(インターフェースの問題)。
【0043】
これらの電荷の消失、および特に直流電圧場強度に関する負荷容量の増大は、非電気伝導性材料で構成され、電気伝導性コーティングが付与された球状粒子または中空球を提供することによって可能になる。中空球で構成される絶縁材料の前述の特性、例えば形成される孔の均一分散性や孔の寸法均一性と、この方法を組み合わせることで、中空球の密度および/または寸法を選定することにより、絶縁泡の空間伝導性を比較的正確かつ再現性のある方法で設定することができる。
【0044】
この方法により、比較的簡単な方法で、絶縁材料の比抵抗を約1010Ωcmから約1012Ωcmの好適な範囲に低下させることができ、前述の表面電荷を有効に消失させ、または少なくとも電圧フラッシュオーバーが生じない程度まで低減させることができる。
【0045】
従って通常の、抵抗低減のため導電性粒子(銀、グラファイト等)を絶縁材料に混合する際に生じる問題は、回避することができる。この場合の問題は、粒子量(すなわち充填率)と抵抗降下の間に、極めて大きな相関があることに由来する。これは実質的に、絶縁材料内の個々の導電性粒子が接触すると(従って、複雑な浸透経路が形成されると)、抵抗が急速に減少するという事実に基づくものであり、実際に抵抗は、極めて迅速に前述の好適範囲まで低下する。これは、コーティングされ、極めて均一に分散された球状粒子では、懸念する必要がない。
【0046】
概して、誘電率を設定することによる交流電圧負荷に関する目標場の制御、および絶縁材料の比抵抗を設定することによる直流電圧負荷に関する目標場の制御は、本発明の絶縁材料によって可能になる。
【0047】
これは、特に、X線システムの使用の際に有益である。高電圧発生器は、通常、直流電圧、交流電圧および単極振動電圧の混合負荷を受けるからである。特に高電圧発生器が、材料の負荷能力の限界内で作動されている場合、これは特に有意である。
【0048】
絶縁材料の電気特性の要求仕様に応じて、球状粒子は、近似的な球形状を有しても良いことに留意する必要がある。
【0049】
本発明の第2の実施例は、液体高電圧絶縁材料である。この材料は、高電圧発生器(特に、高電力密度を有する発生器)に使用されることが好ましい。この発生器は、絶縁ペーパーを設置せずに構成され、代わりにプラスチック(例えば、熱可塑性プラスチック、エポキシまたは他の絶縁性樹脂)のみが、液体絶縁材料ともに用いられる。この場合、絶縁ペーパーに関する複雑な含浸処理が、不要になるという利点がある。
【0050】
また、熱可塑性プラスチックから構成される高出力射出成形部品形状の(固体)絶縁材料は、これらの部品の適切な針金細工形状との組み合わせにより、同時に支持体としての役割を有し、高電圧発生器は、さらに小型になり、その寸法が減少する。
【0051】
しかしながら、高いフィールド強度によって、ある表面、特に固体絶縁材料の表面が比較的大きく帯電し、これにより、前述のインターフェースの問題が顕在化するおそれがある。この帯電がある程度進行すると、フィールド強度が、絶縁材料に絶縁破壊が生じる本来のフィールド強度以下であっても、表面で電圧フラッシュオーバーが生じるおそれがある。
【0052】
このインターフェースの問題を解決するため、前述の第1の実施例に基づき、電気伝導性材料がコーティングされた中空球を導入することによって、固体絶縁材料の比抵抗を抑制し、これにより、電荷を少なくとも実質的に消滅させても良い。
【0053】
代わりにあるいはこれに加えて、目的の方法で抑制された比抵抗を有する本発明の第2の実施例の液体絶縁材料を使用し、この液体絶縁材料によって、固体絶縁材料の表面電荷を少なくとも実質的に消滅させても良い。
【0054】
本発明ではこの目的のため、液体絶縁材料に第1の物質を加えて、前記第1の物質を、できる限り実質的にまたは完全に溶解させ、溶液の比抵抗をある程度低下させる。物質が溶解すると、抵抗の急激な減少を伴う前述の浸透経路が形成されず、目標とする再現性のある方法で、液体絶縁材料の比抵抗を所望の値に設定することができるという利点が得られる。
【0055】
例えば、従来のトランスオイルまたはエステル液を液体絶縁材料の基本物質として選定しても良い。比抵抗を低下させるため、例えば、芳香族化合物および/またはアルコール(例えばエタノール)を加えても良く、添加量は、所望の必要な誘電強度を維持したまま、液体の損失が許容できる量とすることが好ましい。
【0056】
液体絶縁材料の比抵抗、また可能であれば前述の固体絶縁材料の比抵抗の設定により、固体絶縁材料と液体絶縁材料の間で、直流電圧負荷に関する目標とするフィールド制御またはフィールド分布を行うことが可能となる。またいずれの場合も、2つの絶縁材料(ハイブリッド絶縁材料)での電圧降下が、その材料の誘電強度を超えることはない。
【0057】
液体絶縁材料の比抵抗は、配置および構成次第で、例えば約1010から約1013Ωcmの範囲にまで低下する。
【0058】
代わりにあるいはこれに加えて、目標とする方法で、絶縁材料の交流電圧負荷についてのフィールド制御を行うため、所望の方法で、基本物質の誘電率に対する液体絶縁材料の誘電率を設定または変更しても良い。例えば、キャスターオイル等の、誘電率εrが約8の第2の物質を、基本物質であるトランスオイル(εr=2.1)に加えて、絶縁材料全体の誘電率を増大させても良い。
【0059】
本発明による固体および液体の絶縁材料には、相互に組み合わせて用いることができるという大きな利点がある。
【0060】
例えば、ハイブリッド絶縁材を有する高電圧発生器において、固体絶縁材料内にチャンネルがあり、その内部に液体絶縁材料が供給される場合が考えられる。この場合、固体絶縁材料を用いるよりも、例えば高熱負荷領域からの良好な熱の分散を行うことができる。そのようなハイブリッド絶縁材を有する高電圧発生器は、欧州特許出願第1 176 856号に示されており、この文献は、本願の一部として組み込まれている。
【0061】
そのようなハイブリッド絶縁材の場合、固体および液体絶縁材料の比抵抗と誘電率の両方が相互に適合され、表面電荷が確実に消失される一方で、2つの絶縁材料全体に最適な方法で、直流および交流電圧場による負荷を分布させた状態を形成し、それぞれの電圧降下が、各誘電強度を超えないようにすることができる。
【0062】
2つの絶縁材料の直流電圧と交流電圧の負荷についての目標とするフィールド制御によって、ハイブリッド絶縁材料の誘電強度をさらに向上させることにより、該当装置のケーシング構造をより小さく構成することができる。特に、確実に表面電荷を消失させることにより、絶縁材料の誘電強度を十分に利用することが可能となり、これに対応してシステム全体のフィールド強度を向上させることが可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧発生器であって、
硬質発泡状の高電圧絶縁組成物と、
液体状の絶縁材料と、
を有し、
前記高電圧絶縁組成物は、高分子マトリクスおよび充填材を有し、
前記充填材は、中空球により形成され、前記中空球は、別の材料で構成され、前記中空球には、気体が充填され、
前記液体状の絶縁材料は、液体状基本物質および第1の物質を有し、前記第1の物質は、前記液体状基本物質に溶解することを特徴とする高電圧発生器。
【請求項2】
前記中空球は、最大100μmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項3】
前記中空球は、ガラスおよび/またはセラミックおよび/またはフェノール樹脂および/またはアクリロニトリル共重合体、あるいは熱可塑性材料もしくはドゥーロプラスチック材料のような、他の絶縁物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項4】
前記中空球は、電気伝導性材料からなるコーティングを有することを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項5】
前記中空球は、前記粒子と前記基本物質の間の密着性を向上する材料(密着性促進剤)からなるコーティングを有することを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項6】
前記中空球は、前記マトリクス材料内に埋設され、該マトリクス材料には、前記中空球と前記マトリクス材料との間の密着性を向上する密着性促進剤が添加されることを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項7】
前記液体基本物質は、トランスオイルおよび/またはエステル液であり、
前記第1の物質は、芳香族化合物および/またはアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項8】
前記液体状の絶縁材料は、さらに、誘電率を変化させる第2の物質を有することを特徴とする請求項1に記載の高電圧発生器。
【請求項9】
前記第2の物質は、キャスターオイルであることを特徴とする請求項8に記載の高電圧発生器。
【請求項10】
請求項1に記載の高電圧発生器を有するX線システム。

【公開番号】特開2012−142290(P2012−142290A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2650(P2012−2650)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【分割の表示】特願2006−516646(P2006−516646)の分割
【原出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】