高電圧電源装置、画像形成装置、及びカラー画像形成装置
【課題】制御速度を速くして負荷変動に追従させることができる高電圧電源装置を提供する。
【解決手段】設定値12により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と、第1の正弦波形状の信号と最終出力信号から生成する出力帰還信号13との差分を積分する差分積分器8と、三角波15を生成する三角波生成部9と、差分積分器8の出力と三角波生成部9により生成された三角波15を比較する比較器10と、比較器10から出力されたPWM信号16を増幅するスイッチング駆動部11と、スイッチング駆動部11により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するLPF17と、LPF17により変換された第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランス18と、高圧トランス18により昇圧された高圧AC電源出力19を分圧して出力帰還信号13を生成する分圧器20と、を備えて構成されている。
【解決手段】設定値12により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と、第1の正弦波形状の信号と最終出力信号から生成する出力帰還信号13との差分を積分する差分積分器8と、三角波15を生成する三角波生成部9と、差分積分器8の出力と三角波生成部9により生成された三角波15を比較する比較器10と、比較器10から出力されたPWM信号16を増幅するスイッチング駆動部11と、スイッチング駆動部11により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するLPF17と、LPF17により変換された第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランス18と、高圧トランス18により昇圧された高圧AC電源出力19を分圧して出力帰還信号13を生成する分圧器20と、を備えて構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧電源装置、画像形成装置、及びカラー画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成装置内における高電圧電源装置の制御速度を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、帯電プロセスの一手法であるAC帯電を行う場合、高圧AC電源が必要となる。この高圧AC電源では、トランス駆動回路を制御するために、トランス出力波形を整流回路、ローパスフィルタ等を介してDC電圧を生成し、このDC電圧をフィードバックしている。しかし、今までの画像形成装置のAC帯電装置におけるトランス駆動回路では、制御に利用するフィードバックDC電圧を得るために、回路に半波整流回路、ローパスフィルタなどを用いており、トランスを駆動するAC周波数が低いため(1kHz前後)、DC電圧を得るための半波整流回路、ローパスフィルタ等の時定数を遅くせざるを得ず、その結果、制御のスピードが数十Hz程度と遅くなり、それより速いスピードの負荷の変動には追従できないと言う問題があった。
【0003】
図21は、従来のACトランス駆動制御の実施例の一つで高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。図13において高圧AC電源装置100は、PWMフィルタ50、差分積分器51、正弦波生成部52、三角波生成部53、比較器54、スイッチング駆動部55が1つのIC68を構成している。IC68のPWMフィルタ50には、出力振幅設定用信号AC_PWM56が入力され設定電圧57を生成する。設定電圧57と出力振幅帰還信号67の差分が差分積分器51によって蓄積される。
正弦波生成部52に積分値58と周波数設定クロックAC_CLK59が入力されて、積分値58に従って振幅を制御され、周波数設定クロック59に従って周波数を制御された第1の正弦波形状の信号であるAC信号(正弦波)60が生成される。正弦波生成部52で生成された第1の正弦波形状の信号と、三角波生成部53により生成された三角波69が比較器54に入力されて、比較器54によってPWM信号61が生成される。比較器54は一般的な差動コンパレータ等で構成する。スイッチング駆動部55ではPWM信号61の振幅を増幅し、IC68外部に出力する。増幅されたPWM信号62は、LPF63によって第1の正弦波形状の信号と比べて電圧が増幅された第2の正弦波形状の信号に変換され、高圧トランス64を駆動する。高圧トランス64では第2の正弦波形状の信号の振幅が更に増幅され周波数設定クロックAC_CLK59に従った周波数を持つAC電圧出力65が出力される。
【0004】
図20は従来のフィードバック系を表す図である。従来技術のフィードバック系は、出力を直接モニタしていない。入出力とは異なるモニタ用の巻線を利用して出力をモニタする。半波整流回路69により正弦波をDCレベルに落としているので制御速度としては数十Hzになる。
従来技術として特許文献1には、小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置を提供する目的で、トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、モニタ用信号に基づいて、トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路に入力されてフィードバック制御するAC高圧電源装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図13に示す従来の高圧AC電源装置では、高圧トランス64の出力または入力信号を整流回路66で整流して、出力振幅帰還信号67として差分積分器51にフィードバックしている。画像形成装置の帯電プロセスに用いるAC電圧出力の周波数は1kHz前後であり、そのAC電圧出力を整流して出力振幅帰還信号67としてDC電圧にするためには、整流回路66の遮断周波数は数十Hzと低くなり、制御系全体の速度も整流回路66の遮断周波数に依存して低くなり、負荷変動に追従できないと言う問題があった。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、本発明とは確かにトランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とする点では類似しているが、制御が負荷変動に追従できないという問題は解消できていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、正弦波形状の信号を基準波形として制御に用い、正弦波形状の信号をフィードバックすることで、DC電圧を得るための時定数が遅い半波整流回路やローパスフィルタを不要とすることにより、制御速度を速くして負荷変動に追従させることができる高電圧電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と、前記第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号との差分を積分する差分積分器と、三角波を生成する三角波生成部と、前記差分積分器の出力と前記三角波生成部により生成された三角波を比較する比較器と、該比較器から出力されたPWM信号を増幅するスイッチング駆動部と、該スイッチング駆動部により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するフィルタ回路と、該フィルタ回路により変換された前記第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランスと、該高圧トランスにより昇圧された高圧AC電源出力を分圧して前記出力帰還信号を生成する分圧器と、を備えたAC電圧生成部と、帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部と、を備え、前記AC電圧生成部で生成した前記高圧AC電源出力と前記DC電圧生成部で生成したDC電圧を重畳させて出力することを特徴とする。
【0007】
請求項2は、設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と差分積分器をデジタル回路で構成し、分圧器の出力である出力帰還信号をA/D変換器によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器にフィードバックすることを特徴とする。
請求項3は、ΣΔD/A変換器でPWM信号を生成することを特徴とする。
請求項4は、前記スイッチング駆動部を外付け部品にすることを特徴とする。
請求項5は、前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブルと、該テーブルから順次読取られた前記パターン列をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする。
請求項6は、前記設定値により決定される振幅及び周波数は、シリアル通信により伝達されることを特徴とする。
【0008】
請求項7は、前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブルと、該テーブルから読取られた前記パターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器と、該演算器の演算結果をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする。
請求項8は、前記正弦波生成部と前記差分積分器との間にLPFを接続することを特徴とする。
請求項9は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする。
請求項10は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基準波形として正弦波形状の信号を用いるので、制御速度が上がり、
制御を負荷変動に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の高電圧電源装置を画像形成装置の帯電装置に用いた一例を示す図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図、(b)は各端子の波形のイメージ図である。
【図3】具体的なデジタル回路とDA変換器で正弦波生成する構成例について説明する図である。
【図4】具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルについて説明する図である。
【図5】具体的なDA変換器の出力について説明する図である。
【図6】具体的な振幅設定を演算器によって行なう手法について説明する図である。
【図7】テーブルとそのテーブルを元に演算を行なった結果のDA変換器のコードを示す図である。
【図8】具体的なテーブルを元に振幅を変える演算について説明する図である。
【図9】具体的なテーブルから振幅を変えた演算結果について説明する図である。
【図10】具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルを元にDAから出力した波形について説明する図である。
【図11】具体的な振幅設定値に基づき振幅を変える演算回路について説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図16】第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のD/A変換器から出力される正弦波を表す図である。
【図17】D/A変換器にLPFを接続した場合のLPFの出力波形を表す図である。
【図18】DC電圧生成部の具体例を示す回路図である。
【図19】本発明のフィードバック系を表す図である。
【図20】従来のフィードバック系を表す図である。
【図21】従来のACトランス駆動制御の実施例の一つで高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
図1は本発明の高電圧電源装置を画像形成装置の帯電装置に用いた一例を示す図である。画像形成装置用帯電装置1は、DC電圧を生成するDC電圧生成部2とAC電圧を生成するAC電圧生成部3から構成される。DC電圧生成部2では感光体ドラム4に帯電したいDC電圧を生成し、AC電圧生成部3では印刷条件(印刷速度など)に応じた周波数の正弦波を生成し、DC電圧生成部2で生成したDC電圧にAC電圧生成部3で生成したAC電圧を重畳した出力5を帯電ローラ6に与えることで感光体ドラム4を均一に帯電する。感光体ドラム4も帯電ローラ6も理想的な円形ではないので、帯電ローラ6と感光体ドラム4の距離は位置によってばらつきを持ち、それに伴ってACトランス3b、DCトランス2bの負荷の大きさが時間によって変化する。従来のACトランス駆動の制御では、制御速度が正弦波の周波数より遅いため負荷変動によって生じる正弦波の歪みに追従することができないが、本発明ではAC電圧生成部3の構成を、DC電圧を得るための時定数が遅い半波整流回路やローパスフィルタを不要とすることにより、制御速度を速くして負荷変動に追従させることができる。
【0013】
図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。図2(b)は各端子の波形のイメージ図である。本実施形態のAC電圧生成部3は、設定値12により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と、第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号13との差分を積分する差分積分器8と、三角波15を生成する三角波生成部9と、差分積分器8の出力と三角波生成部9により生成された三角波15を比較する比較器10と、比較器10から出力されたPWM信号16を増幅するスイッチング駆動部11と、スイッチング駆動部11により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するLPF(フィルタ回路)17と、LPF17により変換された第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランス18と、高圧トランス18により昇圧された高圧AC電源出力19を分圧して出力帰還信号13を生成する分圧器20と、を備えて構成されている。そして、図示しない帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部2と、を備え、AC電圧生成部3で生成した高圧AC電源出力19とDC電圧生成部2で生成したDC電圧を重畳させて出力する。
【0014】
尚、設定値12により決定される振幅及び周波数は以下のように決定される。即ち、振幅は感光体の劣化や感光体と帯電ローラのギャップ間隔などによって決する。帯電する時には帯電ローラと感光体間で放電を起こすが、その時に流れる電流値を一定に保つように制御をかける。感光体の劣化やギャップの変化によって電流値が変わると振幅を変えて電流値が一定になるようにする。周波数は印刷速度によって変わり、印刷速度が速い時には速く、遅い時には遅くなる。
図2(a)において正弦波生成部7から出力される正弦波形状の波形を第1の正弦波、分圧器から出力される出力帰還信号を第2の正弦波、LPF17から出力される制限は形状の波形を第3の正弦波、高圧トランス18から出力される正弦波形所の波形を第4の正弦波、とする。
即ち、AC電圧生成部3は、正弦波生成部7、差分積分器8、三角波生成部9、比較器10、スイッチング駆動部11から構成されて、設定値12によって決定される振幅、周波数を持った第1の正弦波形状の信号を生成する。正弦波生成部7で生成された第1の正弦波形状の信号と出力振幅帰還信号13である第4の正弦波形状の信号との差分が差分積分器8によって蓄積される。差分積分器8の出力信号14と三角波生成部9により生成された三角波15が比較器10に入力されて、比較器10によってPWM信号16が生成される。比較器10は一般的な差動コンパレータ等で構成する。
【0015】
スイッチング駆動部11ではPWM信号16の振幅を増幅し出力する。増幅されたPWM信号はLPF17によって第1の正弦波と比べて電圧が増幅された、第3の正弦波形状の信号に変換され高圧トランス18を駆動する。高圧トランス18では第3の正弦波形状の信号の振幅が更に増幅され、周波数設定クロックAC_CLKに従った周波数を持つ高圧AC電源出力19(第4の正弦波形状の信号)として高圧AC電源装置3から出力される。高圧AC電源出力19を分圧して出力振幅帰還信号13(第2の正弦波形状の信号)として差分積分器8にフィードバックしている。この実施形態では第4の正弦波形状の信号を分圧器20に入力しているが、第3の正弦波形状の信号を分圧器20に入力しフィードバックとして用いることも考えられる。
正弦波形状の信号を基準波形に用いることで制御全体の速度を、正弦波形状の信号の周波数よりも早くすることが可能になり、高圧電源装置の負荷変動が起きても制御がかかるために、安定した正弦波を負荷に与えることができる。安定した正弦波を負荷に与えることで感光体ドラムを均一に帯電させることができて濃度むらの小さい画像が得られるようになる。
【0016】
図3は、具体的なデジタル回路とDA変換器で正弦波生成する構成例について説明する図である。正弦波生成部7は、第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブル21と、テーブル21から順次読取られたパターン列をアナログ変換するDA変換器22と、を備えている。この構成では、5ビット×16のデータのテーブル21と、5ビットのDA変換器22から構成され、正弦波の1周期がクロック16周期分である正弦波生成部の構成例を示す。
図4は、具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルについて説明する図である。テーブルには正弦波1周期分のデータが書き込まれている。正弦波の周期を決めるクロック24に同期してDA変換器22にデータを送る。DA変換器22ではクロック24に同期して演算器25から与えられるデータを出力する。例えば、クロック3では、データ「11111」、クロック7では、「10011」が与えられる。これらの点を積分すると図のような正弦波が得られる。
図5は、具体的なDA変換器の出力について説明する図である。図4のDA変換器のコードをクロックの立ち上がりに同期させて変化させると、DA変換器の出力は図5のような正弦波形状の信号となる。クロックの周波数によって正弦波の周波数を調整することができる。
【0017】
図6は、具体的な振幅設定を演算器によって行なう手法について説明する図である。この正弦波生成部7は、第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブル21と、テーブル21から読取られたパターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器25と、演算器25の演算結果をアナログ変換するDA変換器22と、を備えている。即ち、テーブル21として4ビット×4のデータと演算器25と5ビットのDA変換器22から構成され、正弦波の1周期がクロック16周期分である正弦波生成部の例を説明する。正弦波23を位相1/2π毎に4つのブロックに分けて考える。
つまりクロック4周期ごとに4つのブロックに分けて考える。クロック4周期ごとに分けるためにカウンタが必要となる。カウンタは演算器25に内蔵されている。はじめのクロック4周期はテーブル21を昇順に読んでいき、その値に16(10000)を足したものがDA変換器22のコードとなる。次のクロック4周期はテーブル21を降順に読んでいき、その値に16(10000)を足したものがDA変換器22のコードとなる。次のクロック4周期は、テーブル21を昇順に読んでいき16(10000)からその値を引いたものがDA変換器22のコードとなる。最後のクロック4周期はテーブル21を降順に読んでいき16(10000)からその値を引いたものがDA変換器22のコードとなる。
【0018】
図7はテーブルとそのテーブルを元に演算を行なった結果のDA変換器のコードを示す図である。この例では5ビット×16のデータから正弦波形状の信号を生成しているが、DAのビット数やデータ数を増やした時には、テーブルとして用意するデータが膨大になってしまうので、4分の1周期分のデータから演算により1周期分のデータを生成した方が回路のサイズを小さくする事が可能になる。
図8は、具体的なテーブルを元に振幅を変える演算について説明する図である。
図9は、具体的なテーブルから振幅を変えた演算結果について説明する図である。振幅設定値で正弦波形状の信号の振幅を変化させる例について説明する。これは振幅をテーブルの2分の1に下げる演算結果の例であり、テーブルの2進の数値を1ビット右にシフトさせた結果が図8の1ビットレベルシフトの欄になり、これをもとに先程と同様の演算を行なうと図9の演算結果が得られる。
図10は、具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルを元にDAから出力した波形について説明する図である。図4のテーブルに格納されている数値をそのまま使った振幅1の波形とテーブルに格納されている数値を1/2にした図9の演算結果である振幅1/2の波形を示す。
【0019】
図11は、具体的な振幅設定値に基づき振幅を変える演算回路について説明する図である。図11に1ビットのシフトレジスタ27、28、29と加算器30、31、32、33を使ってテーブル26に格納されている4ビットの数値を1/8単位で調整するための回路の例を示す。1ビットのシフトレジスタを1段通すことで数値が1/2になる。シフトレジスタを2段通すことで数値が1/4になる。シフトレジスタを3段通すことで数値が1/8になる。これと加算器を組み合わせることで振幅を1/8単位で調整することが可能になる。
図12は本発明の第2の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付し説明を省略する。図12が図2と異なる点は、正弦波生成部7の後にLPF35を入れた点である。正弦波生成部7がデジタル回路とDA変換器から構成されている場合には、DA変換器が切り替わるタイミングでグリッチノイズが混入する可能性があるため、それを低減させるためにLPF35を入れる。
【0020】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と差分積分器8をデジタル回路で構成し、分圧器20の出力である出力帰還信号13をA/D変換器36によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器8にフィードバックする。
これにより、差分積分器8をアナログ回路で構成する場合にはIC内部のRCを使うと特性のばらつきが大きくなり、且つ面積が大きくなるRCを、ICの外に出すと入出力ピンの数が増えてしまう。差分積分器8をデジタル回路にすることでRCの面積やばらつき、入出力ピンの数を抑えることが可能になる。
【0021】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
ΣΔD/A変換器37でPWM信号を生成する。これにより、ΣΔD/A変換器37の入力は差分積分器8の出力のデジタルデータである。ΔΣD/A変換器37を使うことでPWM16の周波数を高い周波数に上げることができるので、LPF17の遮断周波数を下げることが可能になる。LPF17の遮断周波数を下げるとLPF17に使っているLやCのサイズが小さくできるのでコストを削減することが可能になる。
【0022】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
スイッチング駆動部11を外付け部品にする。スイッチング駆動部11はPchトランジスタとNchトランジスタで構成されており、それぞれのオン抵抗は数Ω程度であり、スイッチング動作毎に数百mAの電流を流す。外付けにする場合にはトランジスタのゲート(ベース)信号をICからの出力とする。スイッチング駆動部11はIC直近よりもトランス付近に配置することで熱的に分離することができる。
これにより、スイッチング駆動部11の発熱が大きく、出力する正弦波の周波数が速い場合には特に発熱によってICの破壊が生じる恐れがあるため、スイッチング駆動部11をICの外付けとすることで正弦波の周波数が速い場合のICの発熱を抑えることが可能になる。即ち、AC電源の負荷は容量性負荷であるために正弦波の周波数が速ければ速いほど消費電流が大きくなる。例えば1kHzの正弦波に比べて3kHzの正弦波は消費電流が3倍になる。
【0023】
図16は、第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のD/A変換器から出力される正弦波を表す図である。
図17は、D/A変換器にLPFを接続した場合のLPFの出力波形を表す図である。D/Aの出力にLPFを接続した場合のLPFの出力波形、D/Aの出力よりも滑らかな正弦波となる。
図18は、DC電圧生成部の具体例を示す回路図である。図にDC電圧生成部の具体例を示す。Vinに電圧を与えると発振回路38が発振してトランス39の2次側に高電圧を発生させる。その高電圧を半波整流することでDC電圧をDCOUT端子に出力する。
【0024】
図19は、本発明のフィードバック系を表す図である。本発明でのフィードバック系、出力端子の電圧を分圧器によって分圧してモニタしているので制御速度をあげることができる。また出力の変動を直接モニタできるので負荷変動への対応が可能になる。即ち、出力端子を抵抗分圧の分圧器で分圧した値を積分器によってモニタする。正弦波の周期よりも速い速度で制御を行うために、瞬間毎の電圧レベルを基準の正弦波波形と比較できるために、負荷変動への対応が早い。従来は正弦波を半波整流しているため正弦波複数周期分をモニタして振幅が目標に対して大きいか小さいかを判断して制御しているため制御速度は正弦波の速度より遅くなり、負荷変動への対応にも遅れが出る。
【符号の説明】
【0025】
1 画像形成装置用帯電装置、2 DC電圧生成部、3 AC電圧生成部、4 感光体ドラム、5 出力電圧、6 帯電ローラ、7 正弦波生成部、8 差分積分器、9 三角波生成部、10 比較器、11 スイッチング駆動部、12 設定値、13 出力帰還信号、14 差分積分器8の出力信号、15 三角波、16 PWM信号、17 LPF、18 高圧トランス、19 高圧AC電源出力、20 分圧器、21 テーブル、22 D/A変換器、23 正弦波、24 クロック、25 演算器、26 テーブル、27、28、29 1ビットシフトレジスタ、30、31、32、33 加算器、34 ゲート回路、35 LPF、36 A/D変換器、37 ΣΔD/A変換器、38 発振回路、39 トランス、100 従来の高圧AC電源装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2009−122564公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧電源装置、画像形成装置、及びカラー画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成装置内における高電圧電源装置の制御速度を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、帯電プロセスの一手法であるAC帯電を行う場合、高圧AC電源が必要となる。この高圧AC電源では、トランス駆動回路を制御するために、トランス出力波形を整流回路、ローパスフィルタ等を介してDC電圧を生成し、このDC電圧をフィードバックしている。しかし、今までの画像形成装置のAC帯電装置におけるトランス駆動回路では、制御に利用するフィードバックDC電圧を得るために、回路に半波整流回路、ローパスフィルタなどを用いており、トランスを駆動するAC周波数が低いため(1kHz前後)、DC電圧を得るための半波整流回路、ローパスフィルタ等の時定数を遅くせざるを得ず、その結果、制御のスピードが数十Hz程度と遅くなり、それより速いスピードの負荷の変動には追従できないと言う問題があった。
【0003】
図21は、従来のACトランス駆動制御の実施例の一つで高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。図13において高圧AC電源装置100は、PWMフィルタ50、差分積分器51、正弦波生成部52、三角波生成部53、比較器54、スイッチング駆動部55が1つのIC68を構成している。IC68のPWMフィルタ50には、出力振幅設定用信号AC_PWM56が入力され設定電圧57を生成する。設定電圧57と出力振幅帰還信号67の差分が差分積分器51によって蓄積される。
正弦波生成部52に積分値58と周波数設定クロックAC_CLK59が入力されて、積分値58に従って振幅を制御され、周波数設定クロック59に従って周波数を制御された第1の正弦波形状の信号であるAC信号(正弦波)60が生成される。正弦波生成部52で生成された第1の正弦波形状の信号と、三角波生成部53により生成された三角波69が比較器54に入力されて、比較器54によってPWM信号61が生成される。比較器54は一般的な差動コンパレータ等で構成する。スイッチング駆動部55ではPWM信号61の振幅を増幅し、IC68外部に出力する。増幅されたPWM信号62は、LPF63によって第1の正弦波形状の信号と比べて電圧が増幅された第2の正弦波形状の信号に変換され、高圧トランス64を駆動する。高圧トランス64では第2の正弦波形状の信号の振幅が更に増幅され周波数設定クロックAC_CLK59に従った周波数を持つAC電圧出力65が出力される。
【0004】
図20は従来のフィードバック系を表す図である。従来技術のフィードバック系は、出力を直接モニタしていない。入出力とは異なるモニタ用の巻線を利用して出力をモニタする。半波整流回路69により正弦波をDCレベルに落としているので制御速度としては数十Hzになる。
従来技術として特許文献1には、小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置を提供する目的で、トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、モニタ用信号に基づいて、トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路に入力されてフィードバック制御するAC高圧電源装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図13に示す従来の高圧AC電源装置では、高圧トランス64の出力または入力信号を整流回路66で整流して、出力振幅帰還信号67として差分積分器51にフィードバックしている。画像形成装置の帯電プロセスに用いるAC電圧出力の周波数は1kHz前後であり、そのAC電圧出力を整流して出力振幅帰還信号67としてDC電圧にするためには、整流回路66の遮断周波数は数十Hzと低くなり、制御系全体の速度も整流回路66の遮断周波数に依存して低くなり、負荷変動に追従できないと言う問題があった。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、本発明とは確かにトランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とする点では類似しているが、制御が負荷変動に追従できないという問題は解消できていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、正弦波形状の信号を基準波形として制御に用い、正弦波形状の信号をフィードバックすることで、DC電圧を得るための時定数が遅い半波整流回路やローパスフィルタを不要とすることにより、制御速度を速くして負荷変動に追従させることができる高電圧電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と、前記第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号との差分を積分する差分積分器と、三角波を生成する三角波生成部と、前記差分積分器の出力と前記三角波生成部により生成された三角波を比較する比較器と、該比較器から出力されたPWM信号を増幅するスイッチング駆動部と、該スイッチング駆動部により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するフィルタ回路と、該フィルタ回路により変換された前記第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランスと、該高圧トランスにより昇圧された高圧AC電源出力を分圧して前記出力帰還信号を生成する分圧器と、を備えたAC電圧生成部と、帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部と、を備え、前記AC電圧生成部で生成した前記高圧AC電源出力と前記DC電圧生成部で生成したDC電圧を重畳させて出力することを特徴とする。
【0007】
請求項2は、設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と差分積分器をデジタル回路で構成し、分圧器の出力である出力帰還信号をA/D変換器によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器にフィードバックすることを特徴とする。
請求項3は、ΣΔD/A変換器でPWM信号を生成することを特徴とする。
請求項4は、前記スイッチング駆動部を外付け部品にすることを特徴とする。
請求項5は、前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブルと、該テーブルから順次読取られた前記パターン列をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする。
請求項6は、前記設定値により決定される振幅及び周波数は、シリアル通信により伝達されることを特徴とする。
【0008】
請求項7は、前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブルと、該テーブルから読取られた前記パターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器と、該演算器の演算結果をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする。
請求項8は、前記正弦波生成部と前記差分積分器との間にLPFを接続することを特徴とする。
請求項9は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする。
請求項10は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基準波形として正弦波形状の信号を用いるので、制御速度が上がり、
制御を負荷変動に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の高電圧電源装置を画像形成装置の帯電装置に用いた一例を示す図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図、(b)は各端子の波形のイメージ図である。
【図3】具体的なデジタル回路とDA変換器で正弦波生成する構成例について説明する図である。
【図4】具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルについて説明する図である。
【図5】具体的なDA変換器の出力について説明する図である。
【図6】具体的な振幅設定を演算器によって行なう手法について説明する図である。
【図7】テーブルとそのテーブルを元に演算を行なった結果のDA変換器のコードを示す図である。
【図8】具体的なテーブルを元に振幅を変える演算について説明する図である。
【図9】具体的なテーブルから振幅を変えた演算結果について説明する図である。
【図10】具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルを元にDAから出力した波形について説明する図である。
【図11】具体的な振幅設定値に基づき振幅を変える演算回路について説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【図16】第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のD/A変換器から出力される正弦波を表す図である。
【図17】D/A変換器にLPFを接続した場合のLPFの出力波形を表す図である。
【図18】DC電圧生成部の具体例を示す回路図である。
【図19】本発明のフィードバック系を表す図である。
【図20】従来のフィードバック系を表す図である。
【図21】従来のACトランス駆動制御の実施例の一つで高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
図1は本発明の高電圧電源装置を画像形成装置の帯電装置に用いた一例を示す図である。画像形成装置用帯電装置1は、DC電圧を生成するDC電圧生成部2とAC電圧を生成するAC電圧生成部3から構成される。DC電圧生成部2では感光体ドラム4に帯電したいDC電圧を生成し、AC電圧生成部3では印刷条件(印刷速度など)に応じた周波数の正弦波を生成し、DC電圧生成部2で生成したDC電圧にAC電圧生成部3で生成したAC電圧を重畳した出力5を帯電ローラ6に与えることで感光体ドラム4を均一に帯電する。感光体ドラム4も帯電ローラ6も理想的な円形ではないので、帯電ローラ6と感光体ドラム4の距離は位置によってばらつきを持ち、それに伴ってACトランス3b、DCトランス2bの負荷の大きさが時間によって変化する。従来のACトランス駆動の制御では、制御速度が正弦波の周波数より遅いため負荷変動によって生じる正弦波の歪みに追従することができないが、本発明ではAC電圧生成部3の構成を、DC電圧を得るための時定数が遅い半波整流回路やローパスフィルタを不要とすることにより、制御速度を速くして負荷変動に追従させることができる。
【0013】
図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。図2(b)は各端子の波形のイメージ図である。本実施形態のAC電圧生成部3は、設定値12により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と、第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号13との差分を積分する差分積分器8と、三角波15を生成する三角波生成部9と、差分積分器8の出力と三角波生成部9により生成された三角波15を比較する比較器10と、比較器10から出力されたPWM信号16を増幅するスイッチング駆動部11と、スイッチング駆動部11により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するLPF(フィルタ回路)17と、LPF17により変換された第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランス18と、高圧トランス18により昇圧された高圧AC電源出力19を分圧して出力帰還信号13を生成する分圧器20と、を備えて構成されている。そして、図示しない帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部2と、を備え、AC電圧生成部3で生成した高圧AC電源出力19とDC電圧生成部2で生成したDC電圧を重畳させて出力する。
【0014】
尚、設定値12により決定される振幅及び周波数は以下のように決定される。即ち、振幅は感光体の劣化や感光体と帯電ローラのギャップ間隔などによって決する。帯電する時には帯電ローラと感光体間で放電を起こすが、その時に流れる電流値を一定に保つように制御をかける。感光体の劣化やギャップの変化によって電流値が変わると振幅を変えて電流値が一定になるようにする。周波数は印刷速度によって変わり、印刷速度が速い時には速く、遅い時には遅くなる。
図2(a)において正弦波生成部7から出力される正弦波形状の波形を第1の正弦波、分圧器から出力される出力帰還信号を第2の正弦波、LPF17から出力される制限は形状の波形を第3の正弦波、高圧トランス18から出力される正弦波形所の波形を第4の正弦波、とする。
即ち、AC電圧生成部3は、正弦波生成部7、差分積分器8、三角波生成部9、比較器10、スイッチング駆動部11から構成されて、設定値12によって決定される振幅、周波数を持った第1の正弦波形状の信号を生成する。正弦波生成部7で生成された第1の正弦波形状の信号と出力振幅帰還信号13である第4の正弦波形状の信号との差分が差分積分器8によって蓄積される。差分積分器8の出力信号14と三角波生成部9により生成された三角波15が比較器10に入力されて、比較器10によってPWM信号16が生成される。比較器10は一般的な差動コンパレータ等で構成する。
【0015】
スイッチング駆動部11ではPWM信号16の振幅を増幅し出力する。増幅されたPWM信号はLPF17によって第1の正弦波と比べて電圧が増幅された、第3の正弦波形状の信号に変換され高圧トランス18を駆動する。高圧トランス18では第3の正弦波形状の信号の振幅が更に増幅され、周波数設定クロックAC_CLKに従った周波数を持つ高圧AC電源出力19(第4の正弦波形状の信号)として高圧AC電源装置3から出力される。高圧AC電源出力19を分圧して出力振幅帰還信号13(第2の正弦波形状の信号)として差分積分器8にフィードバックしている。この実施形態では第4の正弦波形状の信号を分圧器20に入力しているが、第3の正弦波形状の信号を分圧器20に入力しフィードバックとして用いることも考えられる。
正弦波形状の信号を基準波形に用いることで制御全体の速度を、正弦波形状の信号の周波数よりも早くすることが可能になり、高圧電源装置の負荷変動が起きても制御がかかるために、安定した正弦波を負荷に与えることができる。安定した正弦波を負荷に与えることで感光体ドラムを均一に帯電させることができて濃度むらの小さい画像が得られるようになる。
【0016】
図3は、具体的なデジタル回路とDA変換器で正弦波生成する構成例について説明する図である。正弦波生成部7は、第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブル21と、テーブル21から順次読取られたパターン列をアナログ変換するDA変換器22と、を備えている。この構成では、5ビット×16のデータのテーブル21と、5ビットのDA変換器22から構成され、正弦波の1周期がクロック16周期分である正弦波生成部の構成例を示す。
図4は、具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルについて説明する図である。テーブルには正弦波1周期分のデータが書き込まれている。正弦波の周期を決めるクロック24に同期してDA変換器22にデータを送る。DA変換器22ではクロック24に同期して演算器25から与えられるデータを出力する。例えば、クロック3では、データ「11111」、クロック7では、「10011」が与えられる。これらの点を積分すると図のような正弦波が得られる。
図5は、具体的なDA変換器の出力について説明する図である。図4のDA変換器のコードをクロックの立ち上がりに同期させて変化させると、DA変換器の出力は図5のような正弦波形状の信号となる。クロックの周波数によって正弦波の周波数を調整することができる。
【0017】
図6は、具体的な振幅設定を演算器によって行なう手法について説明する図である。この正弦波生成部7は、第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブル21と、テーブル21から読取られたパターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器25と、演算器25の演算結果をアナログ変換するDA変換器22と、を備えている。即ち、テーブル21として4ビット×4のデータと演算器25と5ビットのDA変換器22から構成され、正弦波の1周期がクロック16周期分である正弦波生成部の例を説明する。正弦波23を位相1/2π毎に4つのブロックに分けて考える。
つまりクロック4周期ごとに4つのブロックに分けて考える。クロック4周期ごとに分けるためにカウンタが必要となる。カウンタは演算器25に内蔵されている。はじめのクロック4周期はテーブル21を昇順に読んでいき、その値に16(10000)を足したものがDA変換器22のコードとなる。次のクロック4周期はテーブル21を降順に読んでいき、その値に16(10000)を足したものがDA変換器22のコードとなる。次のクロック4周期は、テーブル21を昇順に読んでいき16(10000)からその値を引いたものがDA変換器22のコードとなる。最後のクロック4周期はテーブル21を降順に読んでいき16(10000)からその値を引いたものがDA変換器22のコードとなる。
【0018】
図7はテーブルとそのテーブルを元に演算を行なった結果のDA変換器のコードを示す図である。この例では5ビット×16のデータから正弦波形状の信号を生成しているが、DAのビット数やデータ数を増やした時には、テーブルとして用意するデータが膨大になってしまうので、4分の1周期分のデータから演算により1周期分のデータを生成した方が回路のサイズを小さくする事が可能になる。
図8は、具体的なテーブルを元に振幅を変える演算について説明する図である。
図9は、具体的なテーブルから振幅を変えた演算結果について説明する図である。振幅設定値で正弦波形状の信号の振幅を変化させる例について説明する。これは振幅をテーブルの2分の1に下げる演算結果の例であり、テーブルの2進の数値を1ビット右にシフトさせた結果が図8の1ビットレベルシフトの欄になり、これをもとに先程と同様の演算を行なうと図9の演算結果が得られる。
図10は、具体的な正弦波形状の信号に対応するテーブルを元にDAから出力した波形について説明する図である。図4のテーブルに格納されている数値をそのまま使った振幅1の波形とテーブルに格納されている数値を1/2にした図9の演算結果である振幅1/2の波形を示す。
【0019】
図11は、具体的な振幅設定値に基づき振幅を変える演算回路について説明する図である。図11に1ビットのシフトレジスタ27、28、29と加算器30、31、32、33を使ってテーブル26に格納されている4ビットの数値を1/8単位で調整するための回路の例を示す。1ビットのシフトレジスタを1段通すことで数値が1/2になる。シフトレジスタを2段通すことで数値が1/4になる。シフトレジスタを3段通すことで数値が1/8になる。これと加算器を組み合わせることで振幅を1/8単位で調整することが可能になる。
図12は本発明の第2の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付し説明を省略する。図12が図2と異なる点は、正弦波生成部7の後にLPF35を入れた点である。正弦波生成部7がデジタル回路とDA変換器から構成されている場合には、DA変換器が切り替わるタイミングでグリッチノイズが混入する可能性があるため、それを低減させるためにLPF35を入れる。
【0020】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部7と差分積分器8をデジタル回路で構成し、分圧器20の出力である出力帰還信号13をA/D変換器36によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器8にフィードバックする。
これにより、差分積分器8をアナログ回路で構成する場合にはIC内部のRCを使うと特性のばらつきが大きくなり、且つ面積が大きくなるRCを、ICの外に出すと入出力ピンの数が増えてしまう。差分積分器8をデジタル回路にすることでRCの面積やばらつき、入出力ピンの数を抑えることが可能になる。
【0021】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
ΣΔD/A変換器37でPWM信号を生成する。これにより、ΣΔD/A変換器37の入力は差分積分器8の出力のデジタルデータである。ΔΣD/A変換器37を使うことでPWM16の周波数を高い周波数に上げることができるので、LPF17の遮断周波数を下げることが可能になる。LPF17の遮断周波数を下げるとLPF17に使っているLやCのサイズが小さくできるのでコストを削減することが可能になる。
【0022】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のAC電圧生成部を説明するブロック構成図である。同じ構成要素には図2と同じ参照番号を付して説明する。
スイッチング駆動部11を外付け部品にする。スイッチング駆動部11はPchトランジスタとNchトランジスタで構成されており、それぞれのオン抵抗は数Ω程度であり、スイッチング動作毎に数百mAの電流を流す。外付けにする場合にはトランジスタのゲート(ベース)信号をICからの出力とする。スイッチング駆動部11はIC直近よりもトランス付近に配置することで熱的に分離することができる。
これにより、スイッチング駆動部11の発熱が大きく、出力する正弦波の周波数が速い場合には特に発熱によってICの破壊が生じる恐れがあるため、スイッチング駆動部11をICの外付けとすることで正弦波の周波数が速い場合のICの発熱を抑えることが可能になる。即ち、AC電源の負荷は容量性負荷であるために正弦波の周波数が速ければ速いほど消費電流が大きくなる。例えば1kHzの正弦波に比べて3kHzの正弦波は消費電流が3倍になる。
【0023】
図16は、第5の実施形態に係る高圧AC電源装置のD/A変換器から出力される正弦波を表す図である。
図17は、D/A変換器にLPFを接続した場合のLPFの出力波形を表す図である。D/Aの出力にLPFを接続した場合のLPFの出力波形、D/Aの出力よりも滑らかな正弦波となる。
図18は、DC電圧生成部の具体例を示す回路図である。図にDC電圧生成部の具体例を示す。Vinに電圧を与えると発振回路38が発振してトランス39の2次側に高電圧を発生させる。その高電圧を半波整流することでDC電圧をDCOUT端子に出力する。
【0024】
図19は、本発明のフィードバック系を表す図である。本発明でのフィードバック系、出力端子の電圧を分圧器によって分圧してモニタしているので制御速度をあげることができる。また出力の変動を直接モニタできるので負荷変動への対応が可能になる。即ち、出力端子を抵抗分圧の分圧器で分圧した値を積分器によってモニタする。正弦波の周期よりも速い速度で制御を行うために、瞬間毎の電圧レベルを基準の正弦波波形と比較できるために、負荷変動への対応が早い。従来は正弦波を半波整流しているため正弦波複数周期分をモニタして振幅が目標に対して大きいか小さいかを判断して制御しているため制御速度は正弦波の速度より遅くなり、負荷変動への対応にも遅れが出る。
【符号の説明】
【0025】
1 画像形成装置用帯電装置、2 DC電圧生成部、3 AC電圧生成部、4 感光体ドラム、5 出力電圧、6 帯電ローラ、7 正弦波生成部、8 差分積分器、9 三角波生成部、10 比較器、11 スイッチング駆動部、12 設定値、13 出力帰還信号、14 差分積分器8の出力信号、15 三角波、16 PWM信号、17 LPF、18 高圧トランス、19 高圧AC電源出力、20 分圧器、21 テーブル、22 D/A変換器、23 正弦波、24 クロック、25 演算器、26 テーブル、27、28、29 1ビットシフトレジスタ、30、31、32、33 加算器、34 ゲート回路、35 LPF、36 A/D変換器、37 ΣΔD/A変換器、38 発振回路、39 トランス、100 従来の高圧AC電源装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2009−122564公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と、前記第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号との差分を積分する差分積分器と、三角波を生成する三角波生成部と、前記差分積分器の出力と前記三角波生成部により生成された三角波を比較する比較器と、該比較器から出力されたPWM信号を増幅するスイッチング駆動部と、該スイッチング駆動部により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するフィルタ回路と、該フィルタ回路により変換された前記第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランスと、該高圧トランスにより昇圧された高圧AC電源出力を分圧して前記出力帰還信号を生成する分圧器と、を備えたAC電圧生成部と、
帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部と、を備え、
前記AC電圧生成部で生成した前記高圧AC電源出力と前記DC電圧生成部で生成したDC電圧を重畳させて出力することを特徴とする高電圧電源装置。
【請求項2】
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と差分積分器をデジタル回路で構成し、分圧器の出力である出力帰還信号をA/D変換器によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器にフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項3】
ΣΔD/A変換器でPWM信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の高電圧電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング駆動部を外付け部品にすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の高電圧電源装置。
【請求項5】
前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブルと、該テーブルから順次読取られた前記パターン列をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項6】
前記設定値により決定される振幅及び周波数は、シリアル通信により伝達されることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項7】
前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブルと、該テーブルから読取られた前記パターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器と、該演算器の演算結果をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項8】
前記正弦波生成部と前記差分積分器との間にLPFを接続することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の高電圧電源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項1】
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と、前記第1の正弦波形状の信号と最終出力信号を帰還して生成する出力帰還信号との差分を積分する差分積分器と、三角波を生成する三角波生成部と、前記差分積分器の出力と前記三角波生成部により生成された三角波を比較する比較器と、該比較器から出力されたPWM信号を増幅するスイッチング駆動部と、該スイッチング駆動部により増幅されたPWM信号を第2の正弦波形状の信号に変換するフィルタ回路と、該フィルタ回路により変換された前記第2の正弦波形状の信号を昇圧する高圧トランスと、該高圧トランスにより昇圧された高圧AC電源出力を分圧して前記出力帰還信号を生成する分圧器と、を備えたAC電圧生成部と、
帯電装置の帯電電位となるDC電圧を生成するDC電圧生成部と、を備え、
前記AC電圧生成部で生成した前記高圧AC電源出力と前記DC電圧生成部で生成したDC電圧を重畳させて出力することを特徴とする高電圧電源装置。
【請求項2】
設定値により決定される振幅及び周波数を有する第1の正弦波形状の信号を生成する正弦波生成部と差分積分器をデジタル回路で構成し、分圧器の出力である出力帰還信号をA/D変換器によってデジタルデータに変換してデジタル回路の差分積分器にフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項3】
ΣΔD/A変換器でPWM信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の高電圧電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング駆動部を外付け部品にすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の高電圧電源装置。
【請求項5】
前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号に対応する複数ビットのパターン列を複数格納するテーブルと、該テーブルから順次読取られた前記パターン列をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項6】
前記設定値により決定される振幅及び周波数は、シリアル通信により伝達されることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項7】
前記正弦波生成部は、前記第1の正弦波形状の信号の1/4周期のパターン列を格納するテーブルと、該テーブルから読取られた前記パターン列に基づいて次の周期に係るビット列を演算する演算器と、該演算器の演算結果をアナログ変換するDA変換器と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高電圧電源装置。
【請求項8】
前記正弦波生成部と前記差分積分器との間にLPFを接続することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の高電圧電源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の高電圧電源装置を帯電装置に用いたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図5】
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【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−78782(P2012−78782A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135134(P2011−135134)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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