説明

髪ケア装置

【課題】スチーム発生部が過剰に加熱されることを回避できる髪ケア装置の提供を図る。
【解決手段】髪ケア装置としてのヘアドライヤー1は、ヒータ7と、ファン5fと、内部に液体を貯留し且つ加熱時に蒸発するスチームを吹き出すスチーム発生部9と、を備える。スチーム発生部9は、ヒータ7とは離間して配置され、且つ、ファン5fによって送風されるとともにヒータ7によって加熱された熱風を受風可能に配置されている。そのため、スチーム発生部9がヒータ7からの熱風によって間接的に加熱されることで、過剰に加熱されることを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される従来の髪ケア装置としてのヘアドライヤーは、吸込口および吹出口を有する風洞ケースと、風洞ケース内に配置された送風用ファンと、風洞ケース内の吹出口近傍に配置され且つ吹出口に向けて複数の小孔が開口するスチーム生成管と、スチーム生成管の外周に巻かれたヒータと、風洞ケースの握り部内に配置されスチーム生成管に導水管を介して接続された水タンクと、を備えて構成されている。
【0003】
この特許文献1のヘアドライヤーによれば、スイッチをONして送風ファンとヒータとを作動させると、吸込口から吸い込まれた空気は、ヒータにより加熱されて吹出口から熱風として吹き出される。この熱風により、霧吹き現象と同様に水タンク内の水は導水管を上昇してスチーム生成管に送られる。スチーム生成管に送られた水は、当該スチーム生成管の外周に巻装されたヒータによって加熱されてスチームになり、スチーム生成管から吹き出されて、熱風とともに吹出口から吹き出される。そのため、スチームを含んだ熱風が得られるため、整髪を容易にすることができる。
【特許文献1】実開昭47−16306公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の髪ケア装置にあっては、スチーム生成管にヒータが直接外装されているため、スチーム生成管が必要以上に加熱されることとなってしまう。
【0005】
本発明は、このような従来技術をもとに為されたものであって、スチーム発生部が過度に加熱されることを回避できる髪ケア装置の提供も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、髪ケア装置であって、ヒータと、ファンと、内部に液体を貯留し且つ加熱時に蒸発するスチームを吹き出すスチーム発生部と、を備え、前記スチーム発生部は、前記ヒータとは離間して配置され、且つ、前記ファンによって送風されるとともに前記ヒータによって加熱された熱風を受風可能に配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の髪ケア装置であって、前記髪ケア装置は、吸込口および吹出口を有する風洞ケースと、前記風洞ケース内に配置されたファンと、前記風洞ケース内に配置される前記ヒータと、を備えるヘアドライヤーであり、前記スチーム発生部は、前記風洞ケース内に配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の髪ケア装置であって、前記髪ケア装置は、吸込口および吹出口を有する風洞ケースと、前記風洞ケース内に配置された前記ファンと、前記風洞ケース内に配置される前記ヒータと、を備えるヘアドライヤーであり、前記スチーム発生部は、前記風洞ケースの外側に取り付けられ、前記風洞ケースに形成された開口を通じて前記熱風を受風可能に配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1の髪ケア装置であって、前記髪ケア装置は、互いに回転自在に装着されて狭持自在に設けられた一対の胴部と、前記一対の胴部の狭持面において毛髪を挟み込んで加熱する一対のアイロン板と、を備えたヘアアイロンであり、前記一対の胴部の少なくとも一方に、前記ファンおよび前記ヒータおよび前記スチーム発生部を配置し、当該一方の胴部のアイロン板またはアイロン板の近傍に前記スチーム発生部からのスチームを吹き出すスチーム吹出孔を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、スチーム発生部がヒータからの熱風によって間接的に加熱されることで、スチーム発生部がヒータに接触した構造とは異なり、スチーム発生部が過度に加熱されることとがなくなる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、スチームを吹き出すことができる髪ケア装置をヘアドライヤーとして具現化できる。また請求項2に記載の発明によれば、空気を暖めて温風を発生させるためのヘアドライヤーの温風用ヒータを、スチーム発生部を加熱するためのスチーム用ヒータとして兼用できる。そのため、スチーム用のヒータを別途設ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、スチームを吹き出すことができる髪ケア装置をヘアドライヤーとして具現化できる。また請求項3に記載の発明によれば、空気を暖めて温風を発生させるためのヘアドライヤーの温風用ヒータを、スチーム発生部を加熱するためのスチーム用ヒータとして兼用できる。そのため、スチーム用のヒータを別途設ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。また、請求項3に記載の発明によれば、風洞内にスチーム発生部を配置しないため、風洞内の風の乱れが減り且つ風洞内の通路抵抗を低くできため、ヘアドライヤーの送風性能を高く維持できる。
【0013】
なお、請求項3において、スチーム吹出口と風洞内とを連通管などで接続してスチームを風洞ケース内に吹き出してもよいし、スチーム吹出口を風洞外にそのまま露出させてスチームを風洞外に吹出してもよい。スチーム吹出口を風洞外にそのまま露出させた場合には、複雑な構造を付加することなく、風洞ケースの吹出口からは乾いた温風を吹き出すとともに、風洞ケースの吹出口とは別の場所からスチームを吹き出すことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、スチームを吹き出すことができる髪ケア装置をヘアアイロンとして具現化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(第1実施形態)図1および図2は本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す。図1は第1実施形態の髪ケア装置としてのヘヤドライヤーの断面図であり、図2(a)は図1中のA−A断面図、図2(b)は図1中の矢示B方向から見た同ヘアドライヤーの正面図である。
【0017】
(構成)
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのドライヤー1は、温風発生ユニット2と、当該温風発生ユニット2に固定的または回転自在に取り付けられたグリップ部4と、を備えて構成されている。
【0018】
温風発生ユニット2は、略円筒状の風洞ケース3内に、ファンユニット5およびヒータ7およびスチーム発生部9が配置されて構成されている。風洞ケース3は、内部に送風路としての風洞を備え、その上流端には吸込口3bが開口し、下流端に吹出口3cが開口している。
【0019】
この風洞ケース3の吸込口3bの近傍には、ファンユニット5が設けられている。ファンユニット5は、風洞ケース3内の嵌合された略円筒状のファンケース5cと、ファンケース5cの内周側から突設されたリブなどの支持部を介してファンケース5cに固定されたファンモータ5mと、ファンモータ5mの出力軸に取り付けられてファンモータ5mによって回転駆動するファン5fと、を備えて構成されている。
【0020】
ファンユニット5の下流側には、風洞ケース3の略径方向中央部にヒータ7が配置されおり、ファンユニット5からの送風を加熱できるようになっている。ヒータ7は、例えば円柱状のヒータ固定部8の外周に螺旋状に巻回された例えばニクロム線などの電熱線によって構成されている。
【0021】
このヒータ7の外周側にはスチーム発生部9が配置されている。この例では、スチーム発生部9は、リブなどの支持部10を介してヒータ固定部8に支持されている。スチーム発生部9は、ヒータ7の外周側においてヒータ7と間隔をあけて対面配置されている。そのため、スチーム発生部9はヒータ7に直接接触してヒータ7に直接加熱されるわけではなく、ヒータ7で加熱された熱風によって間接的に加熱されるようになる。
【0022】
次にスチーム発生部9の構造をより詳しく説明する。
【0023】
スチーム発生部9の内部には、液体を貯留可能な液体貯留室11と、スチーム室12と、が設けられている。液体貯留室11は、ヒータ7からの熱を受熱可能な位置に配置されており、ヒータ7の熱により液体貯留室11内の液体が沸騰することとなる。この液体貯留室11とスチーム室12と区画する区画壁には、これら液体貯留室11とスチーム室12とを連通する連通部14が設けられており、液体貯留室11で蒸発したスチームはスチーム室12に流れ込むようになっている。この連通部14は、液体貯留室11に貯留される液体の液面よりも高い位置に設けられるとともに、液体の通過を抑制するとともにスチームを通過を許容するフィルタ部材で覆われている。そのため、液体貯留室11の液体がスチーム室12に流出しにくくなり、スチーム室12のスチーム吹出口13が液体で塞がれにくくなる。なお、フィルタ部材としては、布や網などの素材であれば、液体貯留室11からスチーム室12への液体の流入を抑制できるが、特に、液体を通さず加湿空気を通過させる素材(透湿防水シート)であると、より確実に流体の流通を防止できるため、好ましい。
【0024】
スチーム室12にはスチーム発生部9外に開口するスチーム吹出口13が開口しており、このスチーム吹出口13もフィルタ部材で覆われている。このフィルタ部材も、布や網などの素材であれば、液体貯留室11からスチーム室12への液体の流入を抑制できるが、特に、液体を通さず加湿空気を通過させる素材(透湿防水シート)であると、より確実に流体の流通を防止できるため、好ましい。
【0025】
また、スチーム吹出口13の吹出方向の前方には、断面コ字形のフード部19が設けられており、フード部19の少なくなくとも底壁部には例えばフエルトなどの保水部材21が敷設されている。そのため、この保水部材21によって、スチームが結露してできた水を吸い取ることができるようになっている。
【0026】
なお、スチーム発生部9には、液体を注水可能な注水部としての注水管15が接続されており、この注水管15は風洞ケース3の外壁を貫通して風洞ケース3外に露出している。注水管15の露出端部は栓17で開閉自在となっており、当該注水管15を通じて液体の補充が可能となっている。
【0027】
(作用)
次に、本実施形態のヘアドライヤー1の作用を説明する。
【0028】
ドライヤー1のグリップ部4に設けられた図示せぬスイッチを操作して、ファンユニット5およびヒータ7が作動させると、ファンユニット5によって吸込口3bから風洞ケース3内に吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、ヒータ7で加熱されて熱風として吹出口3cから吹き出され、毛髪に吹き付けられる。このとき、スチーム発生部9は、ヒータ7からの熱風によって加熱される。スチーム発生部9が加熱されると、液体貯留室11内の液体が蒸発してスチームとなり、このスチームは連通部14を通じてスチーム室12に流れこんで、最終的にスチーム吹出口13から風洞ケース3の吹出口3cに向けて噴霧される。これにより、吹出口3cから吹き出される熱風に混じって、スチーム発生部9からのスチームが吹き出され、毛髪に吹き付けられることとなる。
【0029】
(効果)
このような本実施形態のヘアドライヤー1によれば、以下のような効果が得られる。
【0030】
(1)本実施形態のヘアドライヤー1によれば、風洞ケース3内にファン5fと、ヒータ7と、スチーム発生部9と、が配置され、スチーム発生部9が風洞ケース3内においてヒータ7からの熱風を受風可能な位置に配置されているため、風洞ケース3から吹き出される熱風にスチーム発生部9からスチームが混合されることとなり、風洞ケース3から加湿された熱風を吹き出すことができる。これにより、整髪を容易にすることができる。
【0031】
(2)本実施形態のヘアドライヤー1によれば、スチーム発生部9がヒータ7からの熱風(この例では100℃〜120℃程度)によって間接的に加熱されるため、スチーム発生部9が高温(この例では700℃〜1000℃程度)の電熱線ヒータに直接接触した構造とは異なり、過剰に加熱されることとが防止される。そのため、当該スチーム発生部9が過剰に加熱されてしまうことが防止され、スチーム発生部9の耐久年数を長くすることができる。
【0032】
(3)また本実施形態のヘアドライヤー1によれば、風洞内に配置したヒータ7を、空気を暖めて温風を発生させるための温風用ヒータと、スチーム発生部9を加熱するためのスチーム用ヒータと、して兼用できる。そのため、スチーム用ヒータを別途設ける必要がなくなり、製造コストを低減できる。
【0033】
(4)また本実施形態によれば、複雑な構造を付加することなく、風洞ケース3の吹出口3cから加湿された温風を吹き出すことができる。
【0034】
(5)また本実施形態のヘアドライヤー1によれば、スチーム発生部9が、液体を貯留する液体貯留室11とスチーム室12とに区画され、これら液体貯留室11とスチーム室12とが液体貯留室11の液面よりも高い位置に形成された連通部14で連通しているため、液体貯留室11からスチーム室12へ液体が流出しにくなり、当該スチーム室12のスチーム吹出口13が液体で塞がれにくくなる。結果、スチーム吹出口13が液体で塞がれて、スチーム吹出口13からスチームを噴霧できないようなことを防止できる。
【0035】
(6)また本実施形態のヘアドライヤー1によれば、液体貯留室11とスチーム室12とを連通する連通部14が、液体を通過を抑制しつつスチームを通過を許容するフィルタ部材で覆われているため、液体貯留室11からスチーム室12へ液体が流出してしまうことをさらに確実に抑制でき、スチーム室11のスチーム吹出口13が液体で塞がれてしまうことをさらに確実に防止できる。
【0036】
なお、フィルタ部材は、液体を通さず加湿空気を通過させる素材(透湿防水シート)であると、より好ましい。
【0037】
(7)また本実施形態のヘアドライヤー1によれば、液体貯留室11の外壁(この例では液体貯留室11の底壁)がヒータ7に対面配置されているだけでなく、スチーム室12の外壁(この例ではスチーム室12の底壁)もヒータ7に対面配置されている。そのため、スチーム室12の温度を高く維持しやすく、スチーム室12内の圧力を高く維持して、高い圧力のスチームの噴霧できることとなる。
【0038】
(変形例)
なお、スチーム吹出口13は、フィルタ部材で覆う構造ではなく、圧力弁によって開閉自在としても良い。このように圧力弁でスチーム吹出口13を開閉自在とすると、所定値以上の高い圧力のスチームを常に噴霧できる利点がある。
【0039】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において既に説明した構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0040】
(第2実施形態)
図3、4は第2実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す。第2実施形態のヘアドライヤー1は、スチーム発生部9が風洞ケース3の外側に取り付けられ、当該スチーム発生部9の外周がカバー部材45で覆われている点で、第1実施形態のヘアドライヤー1と異なっている。また、第2実施形態のスチーム発生部9は、スチーム発生部9内にスチーム室12を備えず液体貯留室11に直接スチーム吹出口13が設けられており、当該スチーム吹出口13に噴射ノズル43が接続されている点においても、第1実施形態と異なっている。
【0041】
スチーム発生部9は風洞ケース3外においてヒータ7とほぼ対面配置されており、風洞ケース3に形成された開口41を通じて、ヒータ7からの熱風を受熱可能に配置されている。
【0042】
ファン5fおよびヒータ7が作動すると、ヒータ7で加熱された熱風によって、スチーム発生部9が間接的に温められ、スチーム発生部9内で発生するスチームがスチーム吹出口13から吹出されることとなる。
【0043】
このような第2実施形態のヘアドライヤー1によれば、第1実施形態と同様に、ヒータ7からの熱風によってスチーム発生部9が間接的に加熱されることで、スチーム発生部9が高温の電熱線ヒータ7に直接接触した構造とは異なり、過剰に加熱されることとがなくなる。そのため、当該スチーム発生部9が過剰に加熱されてしまうことが防止され、スチーム発生部9の耐久年数を長くすることができることとなる。
【0044】
また第2実施形態のヘアドライヤー1によれば、風洞ケース3内にスチーム発生部9を配置しないため、風洞内の風の乱れが減り且つ風洞内の通路抵抗を低くでき、ヘアドライヤー1の送風性能を高く維持できる。
【0045】
また第2実施形態のヘアドライヤー1によれば、風洞ケース3外にスチーム発生部9が配置されているため、複雑な構造を付加することなく、風洞ケース3の吹出口3cから乾いた温風を吹き出とともに、風洞ケース3の吹出口3cとは別の位置からスチームを噴霧することができる。
【0046】
なお、変形例として、スチーム発生部9の噴射ノズル43の出口を風洞ケース3内に設けることで、風洞ケース3の吹出口3cから加湿された温風を吹出すことも可能である。
【0047】
(第3実施形態)
図5は第3実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す図である。
【0048】
本実施形態の髪ケア装置はヘアアイロン100である点で、第1、2実施形態のヘアドライヤー1と異なる。本実施形態のヘアアイロン100は、図5に示すように、ピボット部109を介して互いに回転自在に装着されて狭持自在に設けられた一対の胴部101、103と、前記一対の胴部101、103の狭持面において髪を挟み込んで加熱する一対のアイロン板101b、103bと、備えて構成され、一方の胴部101の内部に、ヒータ105、ファン107と、スチーム発生部9と、が配置されている。
【0049】
ヒータ105は、アイロン板101bの裏面に取り付けられており、アイロン板101bを加熱するものであり、このヒータ105と離間して同じくアイロン板101bの裏面にスチーム発生部9が取り付けられている。スチーム発生部9は、ファン107との関係で、ヒータ105の風下側に配置されており、これにより、ヒータ105で加熱された熱風を受風して、当該熱風で加熱されることとなる。スチーム発生部9が加熱されるとスチーム発生部9内の液体が蒸発してスチームとなり、このスチームはスチーム吹出口13から吹き出される。スチーム吹出口13は、スチーム通路115を通じて、アイロン板101bに貫通形成された複数のスチーム吹出孔113と連通しており、そのため、スチーム吹出口13から吹き出されたスチームは、アイロン板101bの表面に噴出される。
【0050】
なお、符号101cは胴部101に開口する給気孔であり、符号101dは胴部101に開口する排気孔であり、符号117はスチームが結露してできる水を吸い取るフエルトなどの吸水部材である。
【0051】
次に第3実施形態のヘアアイロンの作用を説明する。
【0052】
胴部101の側面に設けられた図示せぬスイッチにより、ファン107およびヒータ105が作動すると、ヒータ105がアイロン板101bを加熱されるとともに、ファン107が送風を開始する。すると、ファン107によって送風される風が、風下のヒータ105で加熱されて熱風(例えば100℃〜120℃程度)となり、この熱風がヒータ105の風下に配置されたスチーム発生部9を加熱する。ヒータ105からの熱風によってスチーム発生部9が加熱されると、スチーム発生部9の内部の液体がスチームとなってスチーム吹出口13から吹出され、最終的にスチーム吹出孔113を通じてアイロン板101bの表面から噴出される。
【0053】
そのため、このようなヘアアイロン100によれば、一対の胴部101、103に巻き取った髪に対してスチームを吹き出すことができ、髪を加湿しながら髪にウエーブをかけたり癖毛を直したりできるため、整髪が容易となる。
【0054】
このとき、本実施形態においても、第1、2実施形態と同様に、ヒータ7からの熱風によってスチーム発生部9が間接的に加熱されることで、スチーム発生部9が高温の電熱線ヒータに直接接触した構造とは異なり、必要以上に加熱されることとがなくなる。そのため、当該スチーム発生部9が過剰に加熱されてしまうことが防止され、スチーム発生部9の耐久年数を長くすることができる。
【0055】
なお本発明の髪ケア装置は上述の実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限定解釈されるべきではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を採用することができる。例えば、本発明は、ヘアドライヤー、ヘアアイロンに限らず、ヘアブラシやその他の髪ケア装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図2】図2(a)は図1中のA−A断面図、図2(b)は図2(a)中の矢示B方向からみた同ヘアドアイヤーの正面図。
【図3】図3は第2実施形態の髪ケア装置としてのヘアドライヤーを示す断面図。
【図4】図4は同ヘアドライヤーのスチーム発生部の近傍の拡大断面図。
【図5】図5は第3実施形態の髪ケア装置としてのヘアアイロンを示す断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…ヘアドライヤー(髪ケア装置)
3…風洞ケース
3b…吸込口
3c…吹出口
5f…ファン
7…ヒータ
9…スチーム発生部
13…スチーム吹出口
41…開口
100…ヘアアイロン(髪ケア装置)
101…胴部
101b…アイロン板
103…胴部
103b…アイロン板
105…ヒータ
107…ファン
113…スチーム吹出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータと、ファンと、内部に液体を貯留し且つ加熱時に蒸発するスチームを吹き出すスチーム発生部と、を備え、
前記スチーム発生部は、前記ヒータとは離間して配置され、且つ、前記ファンによって送風されるとともに前記ヒータによって加熱された熱風を受風可能に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の髪ケア装置であって、
前記髪ケア装置は、吸込口および吹出口を有する風洞ケースと、前記風洞ケース内に配置されたファンと、前記風洞ケース内に配置される前記ヒータと、を備えるヘアドライヤーであり、
前記スチーム発生部は、前記風洞ケース内に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項3】
請求項1に記載の髪ケア装置であって、
前記髪ケア装置は、吸込口および吹出口を有する風洞ケースと、前記風洞ケース内に配置された前記ファンと、前記風洞ケース内に配置される前記ヒータと、を備えるヘアドライヤーであり、
前記スチーム発生部は、前記風洞ケースの外側に取り付けられ、前記風洞ケースに形成された開口を通じて前記熱風を受風可能に配置されていることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項4】
請求項1の髪ケア装置であって、
前記髪ケア装置は、互いに回転自在に装着されて狭持自在に設けられた一対の胴部と、前記一対の胴部の狭持面において毛髪を挟み込んで加熱する一対のアイロン板と、を備えたヘアアイロンであり、
前記一対の胴部の少なくとも一方に、前記ファンおよび前記ヒータおよび前記スチーム発生部を配置し、当該一方の胴部のアイロン板またはアイロン板の近傍に前記スチーム発生部からのスチームを吹き出すスチーム吹出孔を設けたことを特徴とする髪ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−106371(P2009−106371A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279408(P2007−279408)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】