説明

髪ケア装置

【課題】カバーを除電することが可能な新規な構成の髪ケア装置を得る。
【解決手段】カバー15に、当該カバー15を髪ケア装置としてのヘアドライヤ1のケーシング2aの内部に配置された内側部材16に接続する接続部として突出部15cを設けた。カバー15に帯電した電荷を、突出部15cを介して内側部材16に逃がして、カバー15を除電することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放電極およびグラウンド電極を有するイオン発生部と、当該イオン発生部を覆うカバーとを備え、当該カバーにイオンを放出する開口部が形成された髪ケア装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1の髪ケア装置では、カバーの帯電によるイオンの排出性能の低下を抑制するため、カバーをグラウンド電極(対向電極)に接触させて除電するようにしてある。
【特許文献1】特開2008−029813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、イオンの排出性能の更なる向上を図るには、カバーをより一層除電することが望ましく、発明者は、この点について鋭意検討を重ね、カバーをより効率良く除電することが可能な新規な構成を見出すに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、カバーを除電することが可能な新規な構成の髪ケア装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にあっては、放電極およびグラウンド電極を有するイオン発生部と、当該イオン発生部を覆うカバーとを備え、当該カバーにイオンを放出する開口部が形成された髪ケア装置において、上記カバーに、当該カバーを髪ケア装置の内部に配置された内側部材に接続する接続部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明にあっては、上記接続部と上記内側部材とを電気的に接続する接続部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明にあっては、上記接続部は上記カバーから上記内側部材側に張り出す突出部として構成され、上記突出部の先端を外方から取り囲むように上記接続部材を取り付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明にあっては、上記イオン発生部の動作時において、上記接続部材の表面抵抗値が上記内側部材の表面抵抗値以上となり、上記カバーの表面抵抗値が上記接続部材の表面抵抗値以上となるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明にあっては、上記カバーに、上記グラウンド電極に接触する第二の突出部を設け、上記接続部を、上記第二の突出部より上記開口部の中心から離れた位置に設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明にあっては、上記内側部材をグラウンド接続したことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明にあっては、上記カバー、ならびに上記開口部よりイオン放出側に位置する部材の表面抵抗値を、上記イオン発生部の動作時において、0.5×1012[Ω]以上かつ4.5×1012[Ω]以下となるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明にあっては、放電極およびグラウンド電極を有するイオン発生部と、当該イオン発生部を覆うカバーとを備え、当該カバーにイオンを放出する開口部が形成された髪ケア装置において、上記カバーと当該カバーの近傍に配置された当該カバーとは別の部材とを電気的に接続して当該カバーを除電する接続部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、カバーに帯電した電荷を、接続部を介して内側部材に逃がして、カバーを除電することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、接続部材を設けたことで、接続部と内側部材との接触抵抗を減らして、除電能力を高めることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、接続部材を突出部に比較的容易に取り付けることができるとともに、接続部材を突出部により確実に固定することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、イオン発生部の動作時において、表面抵抗値をカバー側ほど高く設定することで、電荷を逃がしやすくして、除電能力を高めることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、開口部に近い部分については第二の突出部を経由して除電し、開口部から離れた部分については接続部および内側部材を経由して除電することができるので、除電能力をより一層向上することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、内側部材からの除電能力を高め、ひいてはカバーからの除電能力を高めることができる。
【0020】
請求項7の発明によれば、イオン発生部の動作時において、開口部よりイオンの放出側に配置される部材の表面抵抗値を適切に設定することで、除電能力を高めることができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、カバーに帯電した電荷を、接続部材を介してカバーとは別の部材に逃がすことで、カバーを除電することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0023】
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの内部構成を示す側面図(一部断面図)、図2は、図1の一部を拡大した図、また図3は、カバーならびに開口部のイオン放出側に位置する部材の表面抵抗値とイオン排出効率との相関関係の一例を示すグラフである。
【0024】
図1に示すように、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤ1は、本体部2とハンドル部3とが略T字状に結合された形状を有している。なお、ハンドル部3は、回動部Rを屈曲の基点として折り畳み可能となっている。図1は、ハンドル部3を伸展させた状態を示している。
【0025】
本体部2のケーシング2aは、断面略アーチ状の左右勝手違いの分割体同士を突き合わせて略筒状に形成されている。このケーシング2aの筒内には、吸込口4aから吹出口4bに至る空気通路4が形成される。空気通路4には、電動モータや軸流ファンを含む送風部5が設けられており、電動モータによって軸流ファンを回転させることで、空気通路4内に吸込口4aから吹出口4bに至る空気流が生成される。また、空気通路4の下流側にはヒータ6を設け、加熱された温風を吹出口4bから吹き出せるようにしてある。この吹出口4bの先には、ノズル14を着脱可能に取り付けてある。そして、本体部2内には、イオン発生部7を設け、排出口7aからイオン(ミスト)を排出できるようにしてある。
【0026】
ハンドル部3のハンドルケーシング3aは、断面略アーチ状の左右勝手違いの分割体同士を突き合わせて形成されている。このハンドルケーシング3a内には、リード線9bが配索されている。また、ハンドル部3の長手方向中間部には、操作スイッチ8が設けられている。電源コード9は、本実施形態では二本のリード線9aを隣接して並べた扁平な形状となっている。電源コード9は、ハンドル部3の先端部のハンドルケーシング3aに形成した貫通孔3bから外部に引き出され、その引き出される部分をブッシング10で被覆してある。
【0027】
イオン発生部7は、針状に形成される放電極7bと、その周囲を間隔をあけて取り囲むように配置される環状のグラウンド電極7cと、を備えており、放電極7bとグラウンド電極7cとの間に高電圧を印加させる。また、イオン発生部7は、ペルチェ素子等からなる冷却部を備えており、この冷却部によって空気中の水分を放電極7bに結露させ、この結露した水分を高電圧の印加に伴う放電によってレイリー分裂させて、マイナスに帯電した水の帯電微粒子(イオン)を生成する。こうして生成されたイオンを、空気通路4内の空気流を一部分岐した空気分流等を利用して放出する。
【0028】
そして、このイオン発生部7は高電圧となるため、本体部2には、手指等がイオン発生部7に入り込むのを防止すべく、イオン発生部7の放出側を覆うカバー15を設けてある。このカバー15は、板状の被覆部15aを備え、当該被覆部15aに形成された開口部15bからイオンが放出されることになる。図1および図2では、イオンの放出方向は右方向となる。
【0029】
カバー15は、イオンによって帯電するため、カバー15を除電するための構成を設けてある。その一つとして、開口部15bの周囲には、被覆部15aからイオン発生部7側に突出させてその先端をグラウンド電極7cに接触させた突出部15dを複数設けてある。この突出部15dは本発明の第二の突出部に相当するものである。
【0030】
これに加えて、本実施形態では、突出部15dより開口部15bの中心から離れた位置からイオン発生部7側に向けて突出する突出部15cを設け、この突出部15cを外筐をなすケーシング2a内に配置される内側部材16に接続してある。この突出部15cは本発明の接続部に相当するものである。
【0031】
本実施形態では、この突出部15cを、被覆部15aの周縁部から内側部材16に向けて張り出す板状部分として形成してある。そして、その張り出した板状部分の先端部を、その外側から略C字状に表裏に亘って取り囲むように接続部材18を取り付け、この接続部材18を突出部15cと内側部材16との間に介在させてある。具体的には、内側部材16のカバー15側の角部に、接続部材18を取り付けた突出部15cを受け入れるステップ状の受容部16aを設け、この受容部16aの略平坦面として形成された底面上に、接続部材18を取り付けた突出部15cの表面(開口部15bの反対側の表面)を載置する。そして、受容部16aと突出部15cとの間に適宜な接触圧力が生じるようにする。
【0032】
接続部材18は、例えばアルミニウム金属等の導電性材料によって、板状部材や、テープとして構成することができる。特に、貼着剤や接着剤を塗布した導電性材料のテープ(例えばアルミテープ等)とした場合には、接続部材18を固定するための構成や部品等を省略できるため、構成をより簡素化できる。また、突出部15cの先端部にテープの中央部を突き当てて表裏に沿わせるなど、極めて簡単な工程によって取り付けを行うことが可能となる。
【0033】
内側部材16は、空気通路4を形成する筒状部分の一部、または当該筒状部分に取り付けられた部材として構成されている。この内側部材16は、カバー15の近傍に配置されたカバー15とは別の部材に相当するものである。また、本実施形態では、この内側部材16を、イオン発生部7を実装する基板17を支持する部材としても利用している。
【0034】
そして、上記構成では、イオン発生部7の動作時において、接続部材18の表面抵抗値Rnが内側部材16の表面抵抗値Ri以上となり、カバー15の表面抵抗値Rvが接続部材18の表面抵抗値Rc以上となるように設定する(Rv≧Rn≧Ri)のが好適である。こうすることで、イオン発生部7の動作時において、電荷を逃がす経路の表面抵抗値をカバー側ほど高く設定することで、電荷を逃がしやすくして、除電能力を高めることができる。具体的な調整は、材質の設定やスペック(形状等)の調整によって行うことができる。例えば、接続部材18を、比較的導電性の高い樹脂素材(例えばABS樹脂等)によって構成し、カバー15は、比較的導電性の低い樹脂素材(例えばポリカーボネート樹脂等)によって構成する。
【0035】
また、上記構成では、発明者の鋭意研究により、図3に示すように、カバー15、ならびに開口部15bよりイオン放出側(すなわち図1および図2の右側)に位置する部材としてのノズル14の表面抵抗値Roを、イオン発生部7の動作時において、0.5×1012[Ω]以上かつ4.5×1012[Ω]以下となるように設定するのが好適であることが判明した。これは、表面抵抗値Roが低すぎると、放出されたイオンがカバー15やノズル14に引っ張られて、所望領域に到達しにくくなる一方、表面抵抗値Roが高すぎると、カバー15やノズル14の帯電による反発力が高くなって、イオンの開口部15bからの放出が低減することによるものであると推定できる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、カバー15に、当該カバー15を髪ケア装置としてのヘアドライヤ1の内部に配置された内側部材16に接続する接続部として、突出部15cを設けた。カバー15はマイナスの電荷に帯電して電位が最も低い状態となっており、カバー15以外の部材に接続することで、除電経路を形成することができる。したがって、本実施形態によれば、カバー15に帯電した電荷を、突出部15cを介して内側部材16に逃がして、カバー15を除電することができる。また、突出部15cから内側部材16に接続することにより、帯電量が比較的多い被覆部15aからの除電経路をよりコンパクトな構成として得やすくなるという利点がある。
【0037】
また、本実施形態では、接続部としての突出部15cと内側部材16とを電気的に接続する接続部材18を設けた。このように接続部材18を設けた分、突出部15cと内側部材16との接触抵抗を減らして、除電能力を高めることができる。
【0038】
また、本実施形態では、接続部をカバー15から内側部材16側に張り出す突出部15cとして構成し、当該突出部15cの先端を外方から取り囲むように接続部材18を取り付けた。よって、接続部材18を接続部としての突出部15cに比較的容易に取り付けることができるとともに、接続部材18を突出部15cにより確実に固定することができる。
【0039】
また、本実施形態では、イオン発生部7の動作時において、接続部材18の表面抵抗値Rnが内側部材16の表面抵抗値Ri以上となり、カバー15の表面抵抗値Rvが接続部材18の表面抵抗値Rc以上となるようにした(Rv≧Rn≧Ri)。このように、イオン発生部7の動作時において、表面抵抗値をカバー15側ほど高く設定することで、電荷を逃がしやすくして、除電能力を高めることができる。
【0040】
また、本実施形態では、カバー15に、グラウンド電極7cに接触する第二の突出部15dを設け、接続部としての突出部15cを、第二の突出部15dより開口部15bの中心から離れた位置に設けた。よって、開口部15bに近い部分については第二の突出部15dを経由して除電し、開口部15bから離れた部分については突出部15cおよび内側部材16を経由して除電することができるので、除電能力をより一層向上することができる。
【0041】
また、本実施形態では、カバー15、ならびに開口部15bよりイオン放出側に位置する部材としてのノズル14の表面抵抗値Roを、イオン発生部7の動作時において、0.5×1012[Ω]以上かつ4.5×1012[Ω]以下となるように設定した。このように、イオン発生部7の動作時において、開口部15bよりイオンの放出側に配置される部材の表面抵抗値を適切に設定することで、除電能力を高めることができる。すなわち、当該表面抵抗値が低すぎる場合におけるイオンの吸引と、表面値が高すぎる場合における帯電電荷による反発と、を抑制して、イオンの所期の領域への排出性能を確保することができる。
【0042】
(第2実施形態)図4は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの内部構成を示す側面図(一部断面図)である。
【0043】
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤ1Aでは、グラウンド電位となっているリード線9hによって内側部材16をグラウンド接続した点が上記第1実施形態と相違している。かかる構成により、内側部材16からの除電能力をより一層高めて、ひいてはカバー15からの除電能力をより一層高めることができる。
【0044】
なお、上記相違点以外の構成は上記第1実施形態と同じである。このため、上記効果に加えて、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、内側部材16をグラウンド接続するにあたっては、内側部材16を図示しないリード線等からなる導電経路を介して基板17のグラウンド電極に接続するようにしてもよい。基板17は、グラウンド電位となっているリード線9gによってグラウンド電極がグラウンド接続されているため、基板17と内側部材16とでリード線を共用することが可能となる。
【0046】
(第3実施形態)図5は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロンの内部構成を示す側面図(一部断面図)、図6は、図5の一部を拡大した図である。
【0047】
図5に示すように、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロン1Bは、回動部Rを屈曲基点として相対回動する本体部2B1,2B2を備えており、それらの先端部に設けた加熱挟持部19,19の間に髪を挟んで加熱等することで整髪するものである。
【0048】
本体部2B1内には、上記第1実施形態のものと基本的には同様の構成となるイオン発生部7Bが設けられている。イオン発生部7Bは、放電極7bとグラウンド電極7cとの間に高電圧発生回路7eを用いて高電圧を印加し、イオン発生部7Bを覆うカバー15Bの開口部15bから本体部2B1の外へイオンを放出する。なお、高電圧発生回路7eは、リード線7dを介して放電極7bと電気的に接続してある。
【0049】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、カバー15Bの被覆部15aと本体部2B1のケーシング2aとを電気的に接続して被覆部15a(カバー15B)を除電する接続部材18Bを設けてある。本実施形態では、接続部材18Bはアルミニウム合金等の導電性材料からなる板状部材として構成され、被覆部15aの内面に固着され、ケーシング2a側の先端部を当該ケーシング2aと当接させてある。
【0050】
よって、上記構成の本実施形態によれば、カバー15Bに帯電した電荷を、接続部材18Bを介して、カバー15Bの近傍に配置された当該カバー15Bとは別の部材としてのケーシング2aに逃がすことで、カバー15Bを除電することができる。
【0051】
また、本実施形態では、接続部材18Bによるカバー15Bからの除電経路とは別に、イオン発生部7Bのグラウンド電極7cに接触するリブ15eによってカバー15Bからの除電経路が確保してある。かかる構成とすることで、被覆部15aを挟んで両側に除電経路が形成されることになって、除電効率をより一層向上させることができる。
【0052】
そして、本実施形態でも、カバー15B、接続部材18B、およびケーシング2a(接続部材18Bが接触する部分)について、イオン発生部7Bの動作中における表面抵抗値を、カバー15B側ほど高く設定する(当接するもの同士が同値となる状態を含む)のが好適である。
【0053】
(第4実施形態)図7は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの内部構成を示す側面図(一部断面図)、図8は、図7の一部を拡大した図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシ1Cは、回動部Rを屈曲基点として相対回動する本体部2C1,2C2を備えている。本体部2C1の先端部にはブリッスル20aを有するブラシ部20を設けてある。
【0055】
本体部2C1内には、上記第1実施形態のものと基本的には同様の構成となるイオン発生部7Cが設けられている。イオン発生部7Cは、放電極7bとグラウンド電極7cとの間に高電圧発生回路7eを用いて高電圧を印加し、イオン発生部7Cを覆うカバー15Cの開口部15bから本体部2C1の外へイオンを放出する。
【0056】
ここで、本実施形態では、図8に示すように、カバー15Cの被覆部15aと本体部2C1のケーシング2aとを電気的に接続して被覆部15a(カバー15C)を除電する接続部材18Cを設けてある。本実施形態では、接続部材18Cはアルミニウム合金等の導電性材料からなる板状部材として構成され、被覆部15aおよびケーシング2aの双方の内面にこれらを架橋するように固着されている。
【0057】
よって、上記構成の本実施形態によれば、カバー15Cに帯電した電荷を、接続部材18Cを介して、カバー15Cの近傍に配置された当該カバー15Cとは別の部材としてのケーシング2aに逃がすことで、カバー15Cを除電することができる。
【0058】
そして、本実施形態でも、カバー15C、接続部材18C、およびケーシング2a(接続部材18Cが接触する部分)について、イオン発生部7Cの動作中における表面抵抗値を、カバー15C側ほど高く設定する(当接するもの同士が同値となる状態を含む)のが好適である。
【0059】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で開示した以外でもイオン発生部を装備してそれを被覆するカバーを設けた髪ケア装置としても本発明を実施することができる。
【0060】
また、接続部材を内側部材およびケーシングとは別の部材に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの内部構成を示す側面図(一部断面図)である。
【図2】図1の一部を拡大した図である。
【図3】本実施形態にかかる髪ケア装置のカバーならびに開口部のイオン放出側に位置する部材の表面抵抗値とイオン排出効率との相関関係の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの内部構成を示す側面図(一部断面図)である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロンの内部構成を示す側面図(一部断面図)である。
【図6】図5の一部を拡大した図である。
【図7】本発明の第4実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの内部構成を示す側面図(一部断面図)である。
【図8】図7の一部を拡大した図である。
【符号の説明】
【0062】
1,1A ヘアドライヤ(髪ケア装置)
1B ヘアアイロン(髪ケア装置)
1C ヘアブラシ(髪ケア装置)
7,7B,7C イオン発生部
7b 放電極
7c グラウンド電極
14 ノズル(開口部よりイオン放出側に位置する部材)
15,15B,15C カバー
15b 開口部
15c 突出部(接続部)
15d 突出部(第二の突出部)
16 内側部材
18,18B,18C 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電極およびグラウンド電極を有するイオン発生部と、当該イオン発生部を覆うカバーとを備え、当該カバーにイオンを放出する開口部が形成された髪ケア装置において、
前記カバーに、当該カバーを髪ケア装置の内部に配置された内側部材に接続する接続部を設けたことを特徴とする髪ケア装置。
【請求項2】
前記接続部と前記内側部材とを電気的に接続する接続部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の髪ケア装置。
【請求項3】
前記接続部は前記カバーから前記内側部材側に張り出す突出部として構成され、
前記突出部の先端を外方から取り囲むように前記接続部材を取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の髪ケア装置。
【請求項4】
前記イオン発生部の動作時において、前記接続部材の表面抵抗値が前記内側部材の表面抵抗値以上となり、前記カバーの表面抵抗値が前記接続部材の表面抵抗値以上となるようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の髪ケア装置。
【請求項5】
前記カバーに、前記グラウンド電極に接触する第二の突出部を設け、
前記接続部を、前記第二の突出部より前記開口部の中心から離れた位置に設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項6】
前記内側部材をグラウンド接続したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項7】
前記カバー、ならびに前記開口部よりイオン放出側に位置する部材の表面抵抗値を、前記イオン発生部の動作時において、0.5×1012[Ω]以上かつ4.5×1012[Ω]以下となるようにしたことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項8】
放電極およびグラウンド電極を有するイオン発生部と、当該イオン発生部を覆うカバーとを備え、当該カバーにイオンを放出する開口部が形成された髪ケア装置において、
前記カバーと当該カバーの近傍に配置された当該カバーとは別の部材とを電気的に接続して当該カバーを除電する接続部材を設けたことを特徴とする髪ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−268502(P2009−268502A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118860(P2008−118860)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】