説明

魚節の製造方法

【課題】ベンツピレンの低減された魚節を簡便に製造できる魚節の製造方法を提供すること。
【解決手段】
[1]節用原料魚を煮熟する工程と、煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程とを含み、前記燻煙が、燻材から煙が発生する温度以上425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生した燻煙であることを特徴とする、魚節の製造方法。
[2]上記[1]に記載の魚節の製造方法により得られた、ベンツピレンの含有量が10ppb以下の魚節。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚節の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かつお、さば、まぐろ、いわし、あじ等の魚節を製造する場合、生魚を煮熟した後、焙乾およびあん蒸を繰り返して乾燥して荒節を形成し、この荒節を整形し表面に染み出る脂肪分を除去して裸節を形成し、さらにこの裸節の表面にかび付けを行い、脂肪分を減少させてまろやかな燻煙臭を帯びた良好な香味や光沢が向上した枯節を形成する。
【0003】
前記荒節や枯節等の魚節には製造の際に種々の化学物質が混入する可能性がある。前記魚節は日本国の代表的な伝統食品の一つであり、日本の歴史の中でも魚節はこれまで長い間使用されている実績がある。この実績から魚節を日常の食事の中で摂取しても健康上問題がないと考えられている。
【0004】
しかしながらその魚節の中に健康に影響を与える可能性がある化学物質がたとえごく微量含まれる場合であっても、その化学物質の含有量を低減することが可能であるならばそれを低減することに越したことはない。
特に近年の食品の安全性の意識の高まりにより、日常生活の摂取量では従来問題がないとされるレベルの含有量の化学物質が食品の中に含まれる場合であってもこれを可能な限り低減していくことが求められている。
【0005】
その様な化学物質の中の一つに、バーベキューやステーキ等に含まれるベンツピレンがある。このベンツピレンは非常に微量ではあるが魚節にも含まれるとされる。
【0006】
この一方、魚節の製造方法として、植物原料を燃焼、不完全燃焼又は熱分解して燻煙を発生させる工程と、前記燻煙を2次加熱装置により加熱する工程とを含む製造方法が提案されている(特許文献1)。
この製造方法によれば、燻煙が2次加熱装置により加熱されるため、魚節に含まれるベンツピレンが20ppb以下に低減できるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2007/142086
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら燻煙を2次加熱するためには燻煙を発生させる熱源とは別の熱源を準備する必要があり装置全体も複雑化するため最適操業条件を装置毎に維持することは容易ではない場合があった。
本発明の目的は、ベンツピレンの低減された魚節を簡便に製造できる魚節の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが上記問題を解決するため鋭意検討した結果、425℃未満の温度により燻材を不完全燃焼させて得られた燻煙を用いることにより、ベンツピレンの含有量が低減された魚節が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、
[1]節用原料魚を煮熟する工程と、煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程とを含み、
前記燻煙が、燻材から煙が発生する温度以上425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生した燻煙であることを特徴とする、魚節の製造方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、
[2]前記煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程が、
(1)前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程中に実施され、
および/または
(2)前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に実施される、
上記[1]に記載の魚節の製造方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、
[3]前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程が、前記煮熟済み節用原料魚を加熱する操作を含み、
前記煮熟済み節用原料魚を加熱する操作が、50℃〜120℃の温度範囲により、1日〜14日間の範囲で実施される、上記[1]または[2]に記載の魚節の製造方法を提供するものである。
【0013】
また本発明は、
[4]前記煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程が、煮熟済み節用原料魚を不織布により覆ってから実施される、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の魚節の製造方法を提供するものである。
【0014】
また本発明は、
[5]前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程が、温風乾燥による操作を含み、
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に、
前記煮熟済み節用原料魚に対して5kV〜15kVの直流または交流電圧を印加しつつ、
425℃未満の温度範囲により、燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を接触させる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の魚節の製造方法を提供するものである。
【0015】
また本発明は、
[6]前記燻煙が、燻材を電熱線加熱させる方法および/または燻材に着火する方法により発生された、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の魚節の製造方法を提供するものである。
【0016】
また本発明は、
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の魚節の製造方法により得られた、ベンツピレンの含有量が10ppb以下の魚節を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の製造方法によれば、簡便な方法により魚節に含まれるベンツピレンを従来の魚節と比較して低減することが可能になる。このため、より安全な魚節を市場に提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の製造方法について説明する。
本発明に使用する節用原料魚としては、例えば、かつお、そうだかつお、さば、まぐろ、いわし、あじ等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。前記節用原料魚はかつおであれば好ましい。
【0019】
最初に節用原料魚に対して身卸し工程を行う。
身卸し工程は、節用原料魚から腹肉、内臓、鱗等を除去する操作等により実施される。
【0020】
次に節用原料魚を煮熟する工程について説明する。
身卸しされた前記節用原料魚を煮熟する際には、温度60〜100℃の範囲により、前記節用原料魚を加熱する。通常は煮熟用の容器に温水を入れ、煮熟用容器内部の温水を加熱することにより行う。
【0021】
前記煮熟用容器内部を加熱するためには前記煮熟用容器に熱媒を循環させる方法、前記煮熟容器を直接加熱する方法、前記煮熟用容器内部に水蒸気を吹き込む方法等が挙げられる。
【0022】
前記煮熟用容器内部を加熱する方法は一種もしくは二種以上を採用することができる。
【0023】
前記節用原料魚の煮熟時間は、通常30分〜6時間の範囲であり、1時間〜4時間の範囲であれば好ましく、1時間〜3時間の範囲であればさらに好ましい。
【0024】
前記煮熟された節用原料魚を、例えば放冷または常温の水道水と接触させる等して冷却し、骨を抜く操作を実施した後、煮熟された節用原料魚を適宜分割する。
【0025】
次に煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程について説明する。
煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程としては、例えば、焙乾、あん蒸、温風乾燥等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
【0026】
本発明において実施される焙乾は、燻材から煙が発生する温度以上425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を前記煮熟済み節用原料魚に接触させることが好ましい。
燻材の温度は熱電対等の測定手段を燻材と接触することにより測定することができる。燻材の温度は二以上の複数の箇所を測定し、平均値により求めることができる。前記熱電対の設置場所は、通常は燻材を不完全燃焼させる炉床の面積を均等分割し、均等分割された部分の重心の位置に配置することが好ましい。また使用する熱電対の数は前記炉床の1mにつき1個以上配置することが好ましい。
【0027】
また前記焙乾は前記煮熟済み節用原料魚の温度が50〜120℃となる温度範囲により実施されることが好ましい。前記焙乾は70〜100℃の温度範囲で実施されるのがより好ましく、80〜100℃の範囲であればさらに好ましい。
前記煮熟済み節用原料魚の温度は、熱電対を前記煮熟済み節用原料魚に接触させるか、前記煮熟済み節用原料魚内部に挿入する等して測定することができる。
【0028】
また前記焙乾の時間は通常1日〜14日間の範囲で実施される。前記焙乾は2日〜12日間の範囲で実施されることが好ましい。
【0029】
前記あん蒸は、焙乾された煮熟済み節用原料魚をせいろ等に室温で静置すること等により実施される。焙乾された煮熟済み節用原料魚を静置することにより、前記焙乾された煮熟済み節用原料魚の内部から水分が滲み出す。あん蒸を終えた後、再度焙乾を行うことにより、煮熟済み節用原料魚を乾燥させることができる。
【0030】
前記温風乾燥としては、例えば、前記煮熟済み節用原料魚の温度が50〜120℃となる温度範囲により温風を当てることにより実施される。
前記温度範囲は60〜100℃の範囲であれば好ましく、70〜90℃の範囲であればさらに好ましい。
また温風乾燥の時間は、1日〜14日間の範囲による実施される。前記温風乾燥の時間は、2〜12日間の範囲で実施されることが好ましい。
【0031】
次に本発明の製造方法においては、煮熟済み節用原料魚に対して、燻材から煙が発生する温度以上425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を接触させることが必要である。
【0032】
煮熟済み節用原料魚に対して燻煙を接触させる際には、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程中に実施してもよいし、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に実施してもよいし、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程に引き続き継続して実施してもよい。
【0033】
前記燻材としては、例えば、ブナ、ナラ、サクラ、クルミ、リンゴ、ヒッコリー等の木材をチップ状に加工したもの等を挙げることができる。前記燻材は市販品を適宜選択して使用することができる。
【0034】
前記燻材を例えば密閉容器の中で電熱線を用いて加熱するか前記燻材を密閉容器の中で着火する等の操作により、前記燻材を不完全燃焼させることができる。
前記燻材が完全燃焼した際には炎が観察される。従って前記燻材を不完全燃焼させるためには前記燻材から炎が漏出しない様に前記燻材を加熱等すればよい。
また前記燻材が低温で不完全燃焼していない場合には燻煙の発生が観察できないことから分かる。このため燻材を不完全燃焼させるためには燻材から炎の漏出が観察されず、燻煙の発生が観察できる範囲で操作を実施すればよい。
前記燻材の温度は燻材の分散の程度により調節することができる。前記燻材の温度を上昇させるためには燻材を密集させて不完全燃焼させればよい。逆に前記燻材の温度を下降させるためには燻材を分散させて不完全燃焼させればよい。
【0035】
また密閉容器に外部から空気を送り込まないと密閉容器内部の酸素量が減少し前記燻材の不完全燃焼が停止するため、前記密閉容器内部に前記燻材の不完全燃焼が維持できる程度の量の空気を供給する。
前記密閉容器内部に供給する空気の量は、燻材から炎の漏出が観察されず、燻材からの煙の発生が継続して起きる範囲で調整しながら実施することができる。
【0036】
前記密閉容器内部に空気を供給する際には、前記密閉容器内部の空気を前記密閉容器に設けられた排気孔から外部に排出しつつ前記密閉容器に設けられた導入孔から空気を送り込む等の方法により実施することができる。
【0037】
前記燻材を不完全燃焼させることにより煙が多く発生する他、魚節に対しピンク色〜赤褐色に鮮やかに発色させることができる。
【0038】
また、前記煮熟済み節用原料魚に対して燻煙を接触させる際には、前記煮熟済み節用原料魚を不織布で覆ってから燻煙を接触させることができる。
【0039】
本発明に使用する不織布としては、熱や接着剤により繊維をシート状に成形したもの、高圧の気流や水流等により繊維を絡ませたもの等を挙げることができる。
具体的な不織布としては、例えば、パルプを機械的に解繊してウェブを連続的に形成して得られる短繊維に対して熱可塑性の繊維を混合し、接着繊維法、ニードルパンチ法、メルトブロー法等の乾式法や抄紙法等の湿式法により得ることができるものを挙げることができる。乾式パルプ不織布や湿式パルプ不織布等に代表される不織布は市販品を入手することができ、目的や用途に応じて適宜選択して使用することができる。
前記不織布を使用することにより、燻煙に含まれるタール分が直接魚節に付着することを防止することができる。
これにより、最終的に得られる魚節に含まれるベンツピレン量を低減することができる。
【0040】
また、前記煮熟済み節用原料魚に対して燻煙を接触させる際には、前記煮熟済み節用原料魚に対して5kV〜15kVの直流または交流電圧を印加しながら燻煙を接触させることができる。
前記煮熟済み節用原料魚に対して5kV〜15kVの直流または交流電圧を印加する際には、電極間に前記煮熟済み節用原料魚を設置して実施することができる。また直流または交流電圧を印加する際には放電が生じない範囲の電圧を加えることが好ましい。
【0041】
前記電圧を印加する際の温度は、0〜45℃の範囲であり、室温〜40℃の範囲であれば好ましい。
また前記電圧を印加する際の時間は、5分〜14日間の範囲が好ましく、10分〜24時間の範囲であればさらに好ましい。
【0042】
また、前記電圧を印加する際には煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程中に実施してもよいし、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に実施してもよいが、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に実施することが好ましい。
【0043】
以下に本発明の製造方法について実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0044】
実施例1に示す製造方法は節用原料魚を煮熟する工程と、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程とを含むものである。
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程中に、425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を前記煮熟済み節用原料魚に、50〜120℃の温度範囲により接触させる焙乾が含まれる。
また実施例1では節用原料魚としてかつおを使用した。
【0045】
[かつおの煮熟工程]
かつおから腹肉、内臓、鱗等を除去する操作を実施してから、身卸し後のかつおを90℃〜100℃の温沸騰水にて2時間煮熟した。
この煮熟工程の後、煮熟されたかつおを放冷し、骨を抜いてから魚肉片に適宜分割した。
【0046】
[かつおの乾燥工程]
次に燻製機中で焙乾を行った。煮熟済みかつおを前記燻製機中に設けられた多段の金属網上に置き、前記燻製機内部に対して425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を循環させた。チップ状の燻材は電熱線加熱により、炎が発生しない様注意深く不完全燃焼させた。
前記燻製機内部の温度を90℃に保ち、7日間焙乾を実施した。
得られたかつおの荒節に含まれるペンツピレンは1.17ppbであった。
【実施例2】
【0047】
実施例2は実施例1の変形例である。
燻製機中で焙乾を行う前に煮熟済みかつおを不織布により包装した他は実施例1の場合と全く同様に製造を行った。
得られたかつおの荒節に含まれるペンツピレンは0.27ppbであった。
【実施例3】
【0048】
実施例3に示す製造方法は節用原料魚を煮熟する工程と、煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程と、乾燥された煮熟済み節用原料魚に燻煙を接触させる工程とを含むものである。
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後、425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を前記煮熟済み節用原料魚に、0〜45℃の温度範囲により接触させた。
また実施例1の場合と同様に実施例3でも節用原料魚としてかつおを使用した。
【0049】
[かつおの煮熟工程]
かつおから腹肉、内臓、鱗等を除去する操作を実施してから、身卸し後のかつおを90℃〜100℃の温沸騰水にて2時間煮熟した。
この煮熟工程の後、煮熟されたかつおを放冷し、骨を抜いてから魚肉片に適宜分割した。
【0050】
[かつおの乾燥工程]
煮熟されたかつおを温風乾燥機の中に入れて、75℃で7日間温風を温風乾燥機内部に循環させて煮熟されたかつおを乾燥させた。
【0051】
[燻煙との接触工程]
次に乾燥されたかつおを電圧を印加できる装置の中に密封した。なお前記装置として北陽社製の電子スモーク装置USM−3を使用した。前記装置内部に対して425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を循環させた。チップ状の燻材に対してバーナーにより着火した後、通風器を使用して炎が発生しない様注意深く不完全燃焼させた。
前記装置内部の温度を室温〜45℃の範囲に保ち、放電が開始しない範囲で5kV〜15kVの範囲の交流電圧を印加した。
得られたかつおの荒節に含まれるペンツピレンは2.89ppbであった。
【0052】
[比較例1]
425℃以上の温度範囲により燻材を燃焼させて製造を行った他は実施例1と全く同様に製造を行った。
得られたかつおの荒節に含まれるペンツピレンは20.86ppbであった。
【0053】
以上、上記実施例に示した様に本発明の製造方法によれば魚節に含まれるベンツピレンの含有量を10ppb以下に抑えることができる。
本発明の製造方法により、市場にベンツピレンの含有量が10ppb以下、好ましくは5ppb以下、さらに好ましくは2ppb以下の魚節を提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
節用原料魚を煮熟する工程と、煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程とを含み、
前記燻煙が、燻材から煙が発生する温度以上425℃未満の温度範囲により燻材を不完全燃焼させて発生した燻煙であることを特徴とする、魚節の製造方法。
【請求項2】
前記煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程が、
(1)前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程中に実施され、
および/または
(2)前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に実施される、請求項1に記載の魚節の製造方法。
【請求項3】
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程が、前記煮熟済み節用原料魚を加熱する操作を含み、
前記煮熟済み節用原料魚を加熱する操作が、50℃〜120℃の温度範囲により、1日〜14日間の範囲で実施される、請求項1または2に記載の魚節の製造方法。
【請求項4】
前記煮熟済み節用原料魚に対し燻煙を接触させる工程が、煮熟済み節用原料魚を不織布により覆ってから実施される、請求項1〜3のいずれかに記載の魚節の製造方法。
【請求項5】
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程が、温風乾燥による操作を含み、
前記煮熟済み節用原料魚を乾燥する工程の後に、
前記煮熟済み節用原料魚に対して5kV〜15kVの直流または交流電圧を印加しつつ、
425℃未満の温度範囲により、燻材を不完全燃焼させて発生させた燻煙を接触させる、請求項1〜4のいずれかに記載の魚節の製造方法。
【請求項6】
前記燻煙が、燻材を電熱線加熱させる方法および/または燻材に着火する方法により発生された、請求項1〜5のいずれかに記載の魚節の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の魚節の製造方法により得られた、ベンツピレンの含有量が10ppb以下の魚節。

【公開番号】特開2011−250735(P2011−250735A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126366(P2010−126366)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(590006398)マルトモ株式会社 (23)