説明

魚群予測位置表示システム、水中探知装置、記憶装置、魚群予測装置、魚群予測位置表示プログラム、及び魚群予測位置表示方法

【課題】魚群の位置について精度の高い予測を行って表示する魚群予測位置表示システムを提供する。
【解決手段】魚群予測位置表示システムは、取得部81と、出力制御部82と、記憶部71と、魚群予測部74と、表示部と、を備える。取得部81は、魚群状況情報を取得する。出力制御部82は、取得部81が取得した魚群状況情報を記憶部71へ出力する。記憶部71は、出力制御部82が過去に出力した複数の魚群状況情報で構成されるデータベースを有する。魚群予測部74は、前記データベースに基づいて魚群予測位置を出力する。表示部は、魚群予測部が出力した魚群予測位置に基づく映像を表示する。出力制御部82が出力する魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、が含まれる。魚群予測部84は、これらの情報の対比に基づいて魚群予測位置を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、魚群の位置を予測して表示する魚群予測位置表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、海中の探知を行う魚群探知機(水中探知装置)が知られている。魚群探知機は、海中(通常は真下方向)に向けて超音波を発射するとともに、当該超音波の反射波(魚群や海底を示すエコー)を受信する。この反射波を分析することで、魚群の有無や魚体長等を検出することができる。
【0003】
特許文献1は、魚群探知機が取得したエコー映像を、当該エコーを受信したときの状況情報(位置、日時、水温等)と対応付けて登録する構成を開示する。また、特許文献1の魚群探知機は、エコー映像だけでなく海図を表示することができ、エコー映像及び状況情報が登録されている位置を海図上に所定のマークを用いて表示することができる。ユーザは、このマークを選択することにより、当該位置で取得されたエコー映像及び状況情報を参照することができる。これにより、ユーザは、過去に取得したデータを活用して釣りや漁を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−223934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、魚群の位置は、季節や時刻等、様々な要因によって変化することが知られている。そのため、魚群の位置を予測するためには、季節毎及び時刻毎のデータを取得できると大変好ましい。この点、特許文献1の構成は、自船で航海したときにしかデータを集めることができないため、魚群の位置を精度良く予測することが困難であった。特に、釣り等を行う位置や場所を頻繁に変える場合には、利用可能なデータ数が一層乏しくなってしまうので、改善が望まれていた。
【0006】
また、特許文献1の構成は、エコー映像及び状況情報を表示させる構成を開示するにとどまり、当該情報等に基づいて魚群の位置を予測する方法等については開示していない。そのため、この構成では、取得したデータに基づいてユーザが魚群を予測する必要があるため、ユーザの負担になってしまう。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、魚群の位置について精度の高い予測を行って表示する魚群予測位置表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の魚群予測位置表示システムが提供される。即ち、この魚群予測位置表示システムは、取得部と、出力制御部と、記憶部と、魚群予測部と、表示部と、を備える。前記取得部は、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する。前記出力制御部は、前記取得部が取得した前記魚群状況情報を出力する制御を行う。前記記憶部は、前記出力制御部が過去に出力した複数の前記魚群状況情報で構成されるデータベースを有する。前記魚群予測部は、前記記憶部が記憶した前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する。前記表示部は、前記魚群予測部が出力した前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する。前記出力制御部が出力する前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれる。前記魚群予測部は、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力する。
【0010】
これにより、少なくとも1つの船舶が過去に取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について精度の良い予測を船舶側又はサーバ側で行うことができる。また、魚群が検出された状況だけでなく、魚群が検出されなかった状況についてもデータベース化するため、魚群が検出される状況(条件)を一層詳しく把握することができるので、魚群の位置を一層精度良く予測することができる。
【0011】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記記憶部が有するデータベースは、複数の船舶から無線又は有線を介して送信される前記魚群状況情報で構成されることが好ましい。
【0012】
これにより、複数の船舶が取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について一層精度の良い予測を船舶側又はサーバ側で行うことができる。
【0013】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記記憶部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有されるサーバであることが好ましい。
【0014】
これにより、船舶毎に記憶部を備えて船舶同士で魚群状況情報を送受信する構成と比較して、多数の船舶からの魚群状況情報を容易に管理することができる。
【0015】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記記憶部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有される複数のサーバで構成されることが好ましい。
【0016】
これにより、特定のサーバに負荷が集中しないように制御することで、システムの大規模化に容易に対応できる。また、多数の船舶が同時に記憶部にアクセスした場合にも容易に対応することができる。
【0017】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記魚群予測部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有されることが好ましい。
【0018】
これにより、船舶側で予測を行う構成と比較して、船舶側で行う処理を簡単にすることができる。また、船舶が記憶部から受信するデータ量を低減することができる。
【0019】
また、前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記魚群予測部は、各船舶に設けることもできる。
【0020】
これにより、サーバ側で予測を行う構成と比較して、サーバ側に負荷が集中することを防止できる。また、サーバの不具合や接続障害が発生した場合でも、受信した魚群状況情報の範囲内で魚群の位置を予測することができる。
【0021】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記魚群情報は、魚群に含まれる魚の種類(魚種)及び魚体長のうち、少なくとも一つを含んだ情報であることが好ましい。
【0022】
これにより、例えば魚種を指定して、当該魚種に関する情報をデータベースから抽出することができる。従って、所望の魚種についての魚群予測位置を表示させることができる。
【0023】
前記の魚群予測位置表示システムにおいては、前記表示部に表示される魚群の予測位置は、前記魚群状況情報と、海、湖、又は川に関するデータの地理的分布を示す情報と、に基づいて、予測されることが好ましい。
【0024】
これにより、例えば魚群状況情報に基づいて、所定の水温及び水深に魚群が存在する傾向があることが分かった場合、水温及び水深の地理的分布を示す情報に基づいて、魚群の位置を予測することができる。
【0025】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の魚群予測位置表示システムが提供される。即ち、この魚群予測位置表示システムは、取得部と、出力制御部と、記憶部と、魚群予測部と、表示部と、を備える。前記取得部は、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する。前記出力制御部は、前記取得部が取得した前記魚群状況情報を出力する制御を行う。前記記憶部は、前記出力制御部が過去に出力した複数の前記魚群状況情報で構成されるデータベースを有する。前記魚群予測部は、前記記憶部が記憶した前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する。前記表示部は、前記魚群予測部が出力した前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する。
【0026】
これにより、少なくとも1つの船舶が過去に取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について精度の良い予測を船舶側又はサーバ側で行うことができる。
【0027】
本発明の第3の観点によれば、以下の構成の水中探知装置が提供される。即ち、この水中探知装置は、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置である。また、水中探知装置は、前記魚群状況情報を取得する取得部を備える。
【0028】
これにより、魚群予測位置表示システムが利用する魚群状況情報を取得する水中探知装置が実現できる。
【0029】
本発明の第4の観点によれば、以下の構成の記憶装置が提供される。即ち、記憶装置は、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置である。また、記憶装置は、受信部と、記憶部と、を備える。前記受信部は、前記魚群状況情報を受信する。前記記憶部は、前記受信部が受信した情報で構成されるデータベースを有する。前記記憶部が記憶する前記魚群状況情報は、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれる。
【0030】
これにより、魚群予測位置表示システムが利用する魚群状況情報を記憶する記憶装置が実現される。
【0031】
本発明の第5の観点によれば、以下の構成の魚群予測装置が提供される。即ち、魚群予測装置は、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置である。また、魚群予測装置は、前記魚群状況情報を受信して、前記魚群予測位置を求める。
【0032】
これにより、魚群予測位置表示システムにおいて、魚群予測位置を予測する魚群予測装置が実現できる。
【0033】
本発明の第6の観点によれば、以下の構成の魚群予測位置表示プログラムが提供される。即ち、この魚群予測位置表示プログラムは、コンピュータに、取得手順と、出力手順と、登録手順と、魚群予測手順と、表示手順と、を実行させるプログラムである。前記取得手順では、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する。前記出力手順では、前記取得手順で取得した前記魚群状況情報を出力する。前記登録手順では、前記魚群状況情報で構成されるデータベースに、前記出力手順で出力した前記魚群状況情報を登録する。前記魚群予測手順では、前記データベースの前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する。前記表示手順では、前記魚群予測手順で出力された前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する。前記出力手順で出力される前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれる。前記魚群予測手順では、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力する。
【0034】
これにより、少なくとも1つの船舶が過去に取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について精度の良い予測を行うことができる。また、魚群が検出された状況だけでなく、魚群が検出されなかった状況についてもデータベース化するため、魚群が検出される状況(条件)を一層詳しく把握することができるので、魚群の位置を一層精度良く予測することができる。
【0035】
本発明の第7の観点によれば、以下の魚群予測位置表示方法が提供される。即ち、この魚群予測位置表示方法は、取得工程と、出力工程と、登録工程と、魚群予測工程と、表示工程と、を含む方法である。前記取得工程では、水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する。前記出力工程では、前記取得工程で取得した前記魚群状況情報を出力する。前記登録工程では、前記魚群状況情報で構成されるデータベースに、前記出力工程で出力した前記魚群状況情報を登録する。前記魚群予測工程では、前記データベースの前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する。前記表示工程では、前記魚群予測工程で出力された前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する。前記出力工程で出力される前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれる。前記魚群予測工程では、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力する。
【0036】
これにより、少なくとも1つの船舶が過去に取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について精度の良い予測を行うことができる。また、魚群が検出された状況だけでなく、魚群が検出されなかった状況についてもデータベース化するため、魚群が検出される状況(条件)を一層詳しく把握することができるので、魚群の位置を一層精度良く予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】舶用機器ネットワークシステムの全体的な構成を示すブロック図。
【図2】表示装置の正面図。
【図3】魚群予測位置表示システムを概略的に示した図。
【図4】表示装置の制御部及びサーバの構成を示すブロック図。
【図5】データベースの内容を示す図。
【図6】表示部に表示される魚群の予測位置の例を示す図。
【図7】魚群予測位置表示システムによって行われる処理の流れを示すシーケンス図。
【図8】変形例に係る魚群予測位置表示システムを概略的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、舶用機器ネットワークシステム1の全体的な構成を示すブロック図である。図2は、表示装置11の正面図である。
【0039】
本実施形態の舶用機器ネットワークシステム1は、舶用ネットワーク10に接続された複数の舶用機器等から構成される。舶用機器同士は、検出した情報等を、舶用ネットワーク10を介してやり取りすることができる。舶用ネットワーク10の規格としては、例えばLAN(Local Area Network)やCAN(Controller Area Network)を採用することができる。
【0040】
図1に示すように、本実施形態の舶用機器ネットワークシステム1は、表示装置(表示部)11と、GPSアンテナ(GNSSセンサ)12と、レーダアンテナ13と、魚群探知機(音響センサ)14と、船首方位センサ15と、自動操舵装置16と、を備えている。
【0041】
表示装置11は、他の舶用機器(センサ)が検出した情報に基づいて映像(センサ映像)を作成して表示するとともに、ユーザの操作に応じた処理を行う構成である。具体的には、表示装置11は、表示部21と、操作部22と、記憶部23と、制御部25と、を備えている。なお、本実施形態の表示装置11は、当該表示装置11自身が操作部を備える構成であるが、マウスやキーボード等の操作部を外付けできる構成であっても良いし、ユーザのタッチ操作を検出できる構成であっても良い。
【0042】
表示部21は、液晶ディスプレイ等で構成されており、前述のように、センサ映像や、各種設定画面等を表示画面に表示することができる。
【0043】
操作部22は、例えば、時計回り又は反時計回りに回転させる操作が可能な回転キー、メニュー画面を呼び出すためのメニューキー、及びカーソルキー等で構成されている。
【0044】
記憶部23は、制御部25が実行するプログラムの内容、海図情報、及びユーザに設定された航海ルート等を記憶している。
【0045】
制御部25は、記憶部23の記憶内容及び他の舶用機器から受信した情報に基づいて前記センサ映像(レーダ映像や自船周囲の海図等)を作成し、表示部21に表示する。制御部25は、複数の舶用機器から情報を受信しており、複数のセンサ映像を作成する。制御部25は、この複数のセンサ映像のうち1つのみを表示画面に表示するモード(全画面モード)と、表示画面を分割して複数のセンサ映像を表示するモード(分割画面モード、図2を参照)と、を切替可能である。
【0046】
GPSアンテナ12は、GPS衛星(GNSS衛星)からの測位信号を受信して、舶用ネットワーク10を介して、表示装置11等へ出力している。表示装置11の制御部25は、この測位信号に基づいて自船の位置(詳細には、GPSアンテナの位置、地球基準の絶対位置)を求めている。なお、測位信号から位置を求める演算をGPSアンテナ12側で行い、自船の位置を表示装置11へ出力する構成であっても良い。
【0047】
表示装置11は、求めた自船の位置と、記憶部23に記憶された海図情報と、に基づいて、航法装置としての機能を発揮することができる。具体的には、制御部25は、取得した自船の位置と、記憶部23に記憶した海図情報と、に基づいて、海図上に自船の位置を重畳して表示部21に表示することができる(図2に示す第1センサ映像31を参照)。また、制御部25は、時刻に応じて変化する自船の位置を利用して、対地船速を求めたり、自船の航跡を求めたりして表示部21に表示することができる。
【0048】
レーダアンテナ13は、マイクロ波の送信を行うとともに、物標からの反射波を受信する。この反射波は、適宜の信号処理が行われた後に、表示装置11へ出力される。表示装置11は、この反射波に基づいてレーダ映像を作成する。具体的には、表示装置11の制御部25は、マイクロ波を送信してから反射波を受信するまでの時間から、物標の距離を求める。また、制御部25は、マイクロ波を送信した方向に基づいて、物標が存在する方向を求める。制御部25は、このようにしてレーダ映像を作成して、表示部21に表示する(図2に示す第2センサ映像32を参照)。
【0049】
魚群探知機14は、振動子と、分析部と、から構成される。振動子は、船底等に設置され、海中の真下方向に向けて超音波を発射するとともに、海底又は魚群からの反射波を受信する。分析部は、反射波に基づいて、魚探データ(魚群探知機によって取得されるデータ、魚群や海底のデータ)を作成する。また、本実施形態の魚群探知機14は、取得した魚探データに基づいて、海底の状態(底質)を判定する機能を有している。具体的には、分析部は、受信した反射波を分析することで、海底が岩、礫(石)、砂、及び泥の何れの可能性が高いかを判定することができる。この魚探データ及び判別した底質は、表示装置11へ出力される。そして、表示装置11の制御部25は、受信したデータに基づいて第3センサ映像33を作成し(図2を参照)、表示部21に表示する。第3センサ映像33は、縦軸が魚探データを示し、横軸が魚探データを取得した時間(画面の左端に行くほど古くなる)を示している。
【0050】
船首方位センサ15は、自船の船首方向(船首が向いている方向)を、地球基準の絶対的な方位で検出するように構成されている。一般的に船舶は、船首方向へ向かって前進する。従って、船首方位センサ15は、船体の前進方向の方位を検出していると言うこともできる。船首方位センサ15は、例えば磁気方位センサや、GPSコンパス等を利用することができる。
【0051】
自動操舵装置16は、設定された航海ルートに沿って自船が移動するように舵の操作を自動的に行う装置である。具体的には、自動操舵装置16は、船首方位センサ15から取得した船首方位と、表示装置11から取得した航海ルートと、に基づいて、自船の船首をどれだけ変化させれば良いかを求める。そして、自動操舵装置16は、求めた値に応じて舵角を変化させることにより、自船の針路を航海ルートに一致させる。
【0052】
本実施形態の舶用機器ネットワークシステム1は、以上のように構成される。なお、舶用機器ネットワークシステム1を構成する舶用機器は任意であり、上記で説明した以外の舶用機器が接続される構成であっても良いし、同種の舶用機器が複数接続される構成であっても良い。また、舶用機器が取得したデータの処理は、当該舶用機器で行う構成であっても良いし、表示装置11の制御部25で行う構成であっても良い。
【0053】
次に、上記で説明した船舶を含んで構成されるシステムであって、魚群の位置を予測するためのシステムである魚群予測位置表示システム100について説明する。初めに、魚群予測位置表示システム100の概要について、図3を参照して説明する。図3は、魚群予測位置表示システム100を概略的に示した図である。
【0054】
図3に示すように、魚群予測位置表示システム100は、サーバ70と、複数の船舶80と、で構成される。また、サーバ70と船舶80とは、インターネット等のWAN(wide Area Network)を介して互いに接続されており、データをやり取りすることができる。魚群予測位置表示システム100は、複数の船舶80が取得した魚群に関するデータ(詳細は後述)をサーバ70に集め、集められた情報(データベース)をそれぞれの船舶80で利用する構成である。この構成により、複数の船舶80が取得したデータを利用できるので、魚群の位置について精度の高い予測を行うことができる。
【0055】
次に、魚群予測位置表示システム100を構成するサーバ70及び船舶80について図4から図6までを参照して説明する。図4は、表示装置11の制御部25及びサーバ70の構成を示すブロック図である。図5は、データベースの内容を示す図である。図6は、表示部21に表示される魚群の予測位置の例を示す図である。なお、魚群予測位置表示システム100では、魚群の位置の予測をサーバ70側で行うモード(第1モード)と、船舶80側で行うモード(第2モード)と、を例えば船舶毎に切替可能となっている。
【0056】
船舶80は、例えば上記で説明した舶用機器ネットワークシステム1を備えている。また、本実施形態では、表示装置11の制御部25が、魚群予測位置表示システム100に関する制御についても行う構成である。なお、他の船舶80は、少なくとも、魚群探知機、魚探データ及び魚群の予測位置を表示する表示部、及び、魚群予測位置表示システム100に関する制御を行う制御部を備えている必要がある。
【0057】
制御部25は、図4(a)に示すように、魚群予測位置表示システム100に関する制御を行う構成として、取得部81と、出力制御部82と、入力制御部83と、魚群予測部84と、映像作成部85と、を備えている。
【0058】
取得部81は、魚群情報と状況情報とを魚群探知機14から取得する。魚群情報とは、魚群探知機14が水中を探知して得られる魚群に関する情報(例えば魚群の有無、魚体長、及び魚群の規模等)である。状況情報とは、この魚群情報を取得したときの状況を示す情報(例えば、位置、日時、水温、水深等)である。
【0059】
出力制御部82は、この魚群情報及び状況情報(以下では、まとめて魚群状況情報と称することがある)を、無線又は有線を介してサーバ70へ出力(送信)する制御を行う。サーバ70では、複数の船舶から入力された(受信した)魚群状況情報に基づいてデータベースが作成される(図5を参照)。
【0060】
図5に示すように、データベースは、魚群を検出した(又は検出できなかった)ときの、位置、日時、水温、水深、及び魚群を検出したときの魚種及び魚体長から構成される。サーバ70は、所定の条件を指定することで、当該条件に合うデータのみを抽出することができる。
【0061】
入力制御部83は、第1モード中においては、魚群の予測位置がサーバ70から入力されるように制御を行う。また、入力制御部83は、第2モード中においては、サーバ70からデータベースのデータ(所定の条件で抽出されたものも含む)が入力されるように制御を行う。
【0062】
魚群予測部84は、第2モード中においては、入力制御部83の制御によって入力されたデータを用いて、魚群の位置を予測する。魚群予測部84が予測した魚群予測位置は、映像作成部85へ出力される。
【0063】
映像作成部85は、第1モード中においてはサーバ70が作成した魚群の予測位置、第2モード中においては魚群予測部84が出力した魚群予測位置に基づいて、魚群の予測位置を示す映像(図6を参照)を作成し、表示部21に表示する。
【0064】
図6には、自船の位置を示す自船マーク40と、魚群を予測した位置を示す予測領域61a,61bと、が表示されている。なお、映像作成部85は、魚群の存在の確度(魚群が存在する可能性の高さ)に応じて、表示形態を変化させる。本実施形態では、魚群の存在の確度が向上するにつれて、領域に表示されるドットの密度を増加させている。つまり、図6に示す例では、予測領域61bの方が予測領域61aよりも魚群が存在する確率が高いことが表示されている。なお、表示形態を変化させる方法は任意であり、例えば表示色を変える構成でも良い。また、予測領域61aの付近に確度を示す記号(又は数値)等を表示する構成でも良い。
【0065】
次に、サーバ70の構成について説明する。サーバ70は、図4(b)に示すように、記憶部71と、送信部72と、受信部73と、魚群予測部74と、データ抽出部75と、を備える。
【0066】
記憶部71は、前述のデータベースを記憶する。送信部72及び受信部73は、船舶80に対してデータの送受信を行う。魚群予測部74は、魚群予測部84と同等の構成であり、データベースのデータに基づいて、魚群の位置を予測する。データ抽出部75は、所定の条件を指定することで、当該条件に合うデータのみを抽出することができる。
【0067】
次に、魚群予測位置表示システム100を用いて実際に魚群の予測を行うときの流れについて、2つの例を挙げて説明する。図7は、魚群予測位置表示システム100によって行われる処理の流れを示すシーケンス図である。以下では、第2モード(魚群の位置の予測を船舶80側で行うモード)が設定されているとする。
【0068】
図7(a)に示すように、船舶80の出力制御部82は、所定のタイミングで魚群状況情報を出力する(シーケンス番号1)。なお、魚群状況情報を出力するタイミングは任意であり、例えば、所定時間毎、魚群を検出したタイミング、及びその両方のタイミング等で出力を行わせることができる。
【0069】
この魚群状況情報を受信したサーバ70は、受信した内容をデータベースに追加する(シーケンス番号2)。以上の手順を繰り返すことによってデータベースが構築(更新)される。
【0070】
そして、船舶80は、例えば所定の魚種の予測位置を表示させる指示をユーザから受けたときに、自船の位置及び指定された魚種をサーバ70へ出力する(シーケンス番号3)。
【0071】
サーバ70のデータ抽出部75は、受信した位置、魚種、及び日時に近似するデータをデータベースから抽出する(シーケンス番号4)。そして、サーバ70の送信部72は、抽出したデータを船舶80へ返信する(シーケンス番号5)。なお、第1モードが設定されている場合は、受信した位置、魚種、及び日時に基づいて、サーバ70の魚群予測部74が魚群の位置を予測する。
【0072】
船舶80は、データ抽出部75が抽出したデータを受信する。そして、船舶80の魚群予測部84は、このデータに基づいて魚群の位置を予測する。
【0073】
魚群の位置の予測は、受信したデータを総合的に考慮して行われる。例えば、日時及び日付が近いときにおいて過去に魚群が何度か検出されている位置は、魚群がいる可能性が高いと判断される。また、過去に魚群が何度か検出されていても、「魚群が検出できない」というデータが多い場合は、魚群がいる可能性がそれほど高くないと判断される。
【0074】
また、以下のようにして魚群の位置を予測しても良い。即ち、初めにデータベースに基づいて、魚群が検出されるときの条件(例えば水温が所定範囲内であって水深が所定範囲内であるときに魚群が検出され易い等)を求める。また、記憶部23が記憶する海図情報には、水温や水深等の地理的分布が記述されている。そして、求めた条件に合致する位置を海図情報に基づいて求めることにより、魚群の位置を予測することができる。
【0075】
そして、映像作成部85は、魚群予測部84によって得られた魚群の予測位置(予測領域61a,61b)を表示部21に表示する(シーケンス番号6)。
【0076】
次に、図7(b)を参照して、他の例を説明する。この例では、船舶80が魚群状況情報を出力して(シーケンス番号11)、サーバ70が当該魚群状況情報をデータベースに追加(シーケンス番号12)するまでは上記と同じである。しかし、この例では、サーバ70は、受信した魚群状況情報(位置や日時等)に類似するデータをデータベースから抽出する(シーケンス番号13)。そして、サーバ70は、抽出したデータを船舶80へ送信する(シーケンス番号14)。これにより、例えば、船舶80の近傍であって日時が近いデータを自動的に抽出して船舶80へ送信することができる。
【0077】
その後、船舶80の映像作成部85は、上記と同様に、魚群予測部84によって得られた魚群の予測位置(予測領域61a,61b)を表示部21に表示する(シーケンス番号15)。
【0078】
以上に説明したように、魚群予測位置表示システム100は、取得部81と、出力制御部82と、記憶部71と、魚群予測部74,84と、表示部21と、を備える。取得部81は、魚群状況情報を取得する。出力制御部は、取得部81が取得した魚群状況情報を記憶部71へ出力する。記憶部71は、複数の船舶から無線又は有線を介して送信される魚群状況情報で構成されるデータベースを有する。魚群予測部74,84は、前記データベースに基づいて魚群予測位置を出力する。表示部21は、魚群予測部74,84が出力した魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する。出力制御部82が出力する魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれる。魚群予測部74,84は、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて魚群予測位置を出力する。
【0079】
これにより、複数の船舶80が取得した魚群状況情報で構成されるデータベースを利用できるので、魚群の位置について精度の良い予測を自船側又はサーバ側で行うことができる。また、魚群が検出された状況だけでなく、魚群が検出されなかった状況についてもデータベース化するため、魚群が検出される状況(条件)を一層詳しく把握することができるので、魚群の位置を一層精度良く予測することができる。
【0080】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。図8は、変形例に係る魚群予測位置表示システム100を概略的に示した図である。本変形例では、魚群予測位置表示システム100は、複数のサーバ70から構成されるサーバシステム90を備えている。サーバシステム90を構成する各サーバ70は、上記実施形態と同様の構成であり、データベースを記憶する記憶部71を備えている。また、各サーバ70は、それぞれが常に最新のデータベースを利用できるように、あるサーバ70の記憶部71が記憶するデータベースが更新された場合、当該更新内容を他のサーバ70に出力する。
【0081】
また、複数のサーバ70のうち1つは、サーバ70に掛かる負荷が分散するように制御を行う。例えば、船舶80から所定のデータの要求や魚群位置の予測の要求を受けた場合、制御を行うサーバ70は、処理能力に余裕のある(他の処理を行っていない)サーバ70に当該要求を実行させる。これにより、船舶80の数が多い魚群予測位置表示システム100に容易に対応することができる。なお、サーバシステム90に1つの記憶部を設け、各サーバ70が当該記憶部にアクセスできるようにして、各サーバ70が常に最新のデータベースを利用できるようにしても良い。
【0082】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0083】
魚群予測位置表示システム100を構成する各部(取得部、出力制御部、記憶部、魚群予測部、表示部等)は、サーバ側が備える構成であっても良いし、各船舶側が備える構成であっても良い。
【0084】
魚群予測位置表示システム100を構成するシステムは、複数の船舶に限られず、例えば1つの船舶で構成されていても良い。この場合、魚群予測部は、1つの船舶が過去に出力した魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を求める。
【0085】
船舶80が備える記憶部23にデータベースを記憶させ、船舶80同士で(サーバ70を介さずに)魚群状況情報をやり取りする構成であっても良い。
【0086】
魚群予測位置表示システム100は、第1モード及び第2モードを切替可能な構成に限られず、常にサーバ70側(又は船舶80側)で魚群の位置を予測する構成であっても良い。
【0087】
データベースを船舶80側で利用する方法は、上記で説明した例に限られない。例えば、各船舶80にもデータベースを記憶させ、サーバ70のデータベースに基づいて、所定時間毎に船舶80側のデータベースが更新される構成であっても良い。
【0088】
データベースの内容は上記で挙げた例に限られない。例えば潮流の情報等を状況情報として用いても良い。
【0089】
本実施形態の表示装置11は、多数のセンサから情報を受信して表示する汎用型の表示装置であるが、魚群探知機14と、魚探データ及び魚群の予測位置を表示可能な表示部と、サーバ70と通信を行う通信部等を備える水中探知装置にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 舶用ネットワーク
11 表示装置
21 表示部
23 記憶部
25 制御部
70 サーバ(記憶装置、魚群予測装置)
71 記憶部
74 魚群予測部
80 船舶
81 取得部
82 出力制御部
84 魚群予測部
100 魚群予測位置表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記魚群状況情報を出力する制御を行う出力制御部と、
前記出力制御部が過去に出力した複数の前記魚群状況情報で構成されるデータベースを有する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する魚群予測部と、
前記魚群予測部が出力した前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する表示部と、
を備え、
前記出力制御部が出力する前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれ、
前記魚群予測部は、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力することを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記記憶部が有するデータベースは、複数の船舶から無線又は有線を介して送信される前記魚群状況情報で構成されることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記記憶部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有されるサーバであることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記記憶部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有される複数のサーバで構成されることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項5】
請求項2から4までの何れか一項に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記魚群予測部は、ネットワークを介して複数の船舶で共有されることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項6】
請求項2から4までの何れか一項に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記魚群予測部は、各船舶に設けられることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記魚群情報は、魚群に含まれる魚の種類及び魚体長のうち、少なくとも一つを含んだ情報であることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の魚群予測位置表示システムであって、
前記表示部に表示される魚群の予測位置は、
前記魚群状況情報と、海、湖、又は川に関するデータの地理的分布を示す情報と、に基づいて、予測されることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項9】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記魚群状況情報を出力する制御を行う出力制御部と、
前記出力制御部が過去に出力した複数の前記魚群状況情報で構成されるデータベースを有する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する魚群予測部と、
前記魚群予測部が出力した前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する表示部と、
を備えることを特徴とする魚群予測位置表示システム。
【請求項10】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置であって、
前記魚群状況情報を取得する取得部を備えることを特徴とする水中探知装置。
【請求項11】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置であって、
前記魚群状況情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した情報で構成されるデータベースを有する記憶部と、
を備え、
前記記憶部が記憶する前記魚群状況情報は、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれることを特徴とする記憶装置。
【請求項12】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を複数受信してデータベースを作成し、当該データベースの内容に基づいて魚群予測位置を求めて表示する魚群予測位置表示システムを構成する装置であって、
前記魚群状況情報を受信して、前記魚群予測位置を求めることを特徴とする魚群予測装置。
【請求項13】
コンピュータに、
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する取得手順と、
前記取得手順で取得した前記魚群状況情報を出力する出力手順と、
前記魚群状況情報で構成されるデータベースに、前記出力手順で出力した前記魚群状況情報を登録する登録手順と、
前記データベースの前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する魚群予測手順と、
前記魚群予測手順で出力された前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する表示手順と、
を実行させるプログラムであって、
前記出力手順で出力される前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれ、
前記魚群予測手順は、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力することを特徴とする魚群予測位置表示プログラム。
【請求項14】
水中を探知して得られる魚群に関する情報である魚群情報と、当該魚群情報を取得したときの位置、日時、水温、水深、又は潮流のうち、少なくとも一つを含んだ状況を示す状況情報と、を含んで構成される魚群状況情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記魚群状況情報を出力する出力工程と、
前記魚群状況情報で構成されるデータベースに、前記出力工程で出力した前記魚群状況情報を登録する登録工程と、
前記データベースの前記魚群状況情報に基づいて魚群予測位置を出力する魚群予測工程と、
前記魚群予測工程で出力された前記魚群予測位置に基づいて作成された映像を画面に表示する表示工程と、
を含む方法であって、
前記出力工程で出力される前記魚群状況情報には、魚群を検出したときの情報と、魚群が検出できなかったときの情報と、の両方が含まれ、
前記魚群予測工程は、前記魚群を検出したときの情報と、前記魚群が検出できなかったときの情報と、の対比に基づいて前記魚群予測位置を出力することを特徴とする魚群予測位置表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−79814(P2013−79814A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218618(P2011−218618)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】