説明

魚肉用包装体

【課題】ミオグロビンを含有するネギトロなどの冷凍赤身魚肉を解凍時早急に発色させつつ、褐変し難く、かつ流通に耐え得る十分な強度を備える魚肉用包装体を提供する。
【解決手段】魚肉用包装体は、ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムを含む積層構造よりなる魚肉用包装体であって、その酸素透過量が2000〜6000cc/m・24hr・atmである。魚肉用包装体は無孔プラスチック製フィルムよりなり、フィルム衝撃強度が−30℃で10kj/m以上、引張り破断伸びが150%以下である。積層構造は、ポリエチレン系樹脂よりなる第1の層と、第1の層よりもフィルム強度が高い第2の層からなり、第2の層は、通気性ポリプロピレンよりなる基体の両面を、ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムよりなる被覆層で積層し、基体の酸素透過量が被覆層よりも高くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚肉を包装する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年外食産業等ではBSE問題、鳥インフルエンザ問題等の影響で魚介類へ注目が集まり、ネギトロ、鉄火マグロ等赤身魚肉の使用量が増加している。従来マグロ等は、漁獲されると船内で約−80℃の温度で急速に冷凍し、陸揚げ後も約−50℃の温度で保存して鮮度を保っている。その後様々な形態にバンド鋸で裁割される。裁割、加工されたサクやネギトロ用ミンチ等は、ナイロン袋で包装し、再び約−40℃で冷凍保存される。この場合、ナイロンはガスバリア性の包材であり、魚肉中のミオグロビンの酸化を防ぐものである。
【0003】
ミオグロビンとは魚肉中の筋肉色素であり、その成分には鉄が含まれる。これは冷凍時、酸素不足から還元型になっており赤紫色を呈している。これが酸素と結合すると鮮赤色になり、外観上好ましく人間の食欲を増進させる色となる。ただ、さらに酸素に触れ続けるとメトミオグロビンに変化して褐色を呈し、食品の劣化を表す指標となる。ナイロン包装は、このメトミオグロビンになる(メト化する)のを防ぐものであった。従来、このようなミオグロビン色素を含有する冷凍赤身魚肉をナイロン袋で包装して冷凍保存し、使用時にはまず解凍し、その後ナイロン袋を開封して魚肉を取り出して、鮮赤色に変色するのを待ってから使用することが行われていた。
【0004】
ところで、外食産業では注文を受けてから客に提供するまでのスピードが大変重要となり、数分での対応が要求される。しかしながら、ナイロン包装では開封後長時間経過しないと魚肉が鮮赤色にならないため、短時間では客の食欲を増進させるような好ましい色彩にすることが困難であるという問題があった。
【0005】
これに対して、酸素透過量がナイロンよりも多いポリエチレンフィルムを使用することで、解凍後の鮮赤色化を早めることも考えられるが、ポリエチレンの酸素透過量が多いため、鮮赤色化のみならずメト化して劣化するのも早くなり、保存期間が短くなるという欠点があった。これに対して特許文献1で報告されているように、ポリエチレン等易酸素透過包材で魚肉を包装した後、ナイロン等バリア包材で2重袋として炭酸ガスを封入する方法が考案されているが、この方法ではコストがかかるため一般的に普及するまでには至っていない。
【0006】
また一方で、外食産業では1食分ずつ、個袋包装されているものが使用しやすく好まれる。しかしながらポリエチレンフィルムで個包装する場合は、フィルム破断伸びが大きいため、ピロー包装機などの機械適性が悪く作業性が低下するという問題もあった。またポリエチレンフィルムでは強度的に不十分な面があり、物流の段階で破損するおそれもある。例えば冷凍下で落袋強度が悪いため、誤って落下させたり取り扱いが雑な場合に破袋することも多いという問題があった。
【特許文献1】特開2002−153207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、ネギトロなどの冷凍赤身魚肉を包装して解凍後速やかに魚肉を鮮やかに発色させる一方で褐変し難く、かつ流通に耐え得る十分な強度を備える魚肉用包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の魚肉用包装体は、ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムを含む積層構造よりなる魚肉用包装体であって、その酸素透過量が2000〜6000cc/m・24hr・atmである。なおポリオレフィンはオレフィンの重合により構成される樹脂状物質であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が該当する。
【0009】
また本発明の他の魚肉用包装体は、魚肉用包装体は無孔プラスチック製フィルムよりなり、フィルム衝撃強度が−30℃で10kj/m以上である。
【0010】
さらに本発明の他の魚肉用包装体は、魚肉用包装体の引張り破断伸びが150%以下である。
【0011】
さらにまた本発明の他の魚肉用包装体は、積層構造が、ポリオレフィン系樹脂よりなる第1の層と、第1の層よりもフィルム強度が高い第2の層からなる。
【0012】
さらにまた本発明の他の魚肉用包装体は、第2の層が、通気性ポリプロピレンよりなる基体の両面を、ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムよりなる被覆層で積層してなり、基体の酸素透過量が被覆層よりも高い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の魚肉用包装体は、酸素透過性を特定の範囲に調整することで、この包材を用いて魚肉を包装することにより、解凍の過程で鮮赤色化を促進でき、しかも褐変を防止できるという優れた特徴を実現する。これにより、マグロのサクやネギトロミンチ・カツオ等のミオグロビンを含有した冷凍赤身魚肉を、包装したまま流水などで急速解凍させながら、赤身魚肉を客の食欲を促進する鮮やかな色に発色させることが可能となり、スピードが命の外食産業の調理時間短縮に大いに貢献し、かつ褐変を抑制して冷凍時の保存性を良好に維持できる。また引張り破断伸びを小さくし、低温下でのフィルム衝撃強度を向上させることで落袋強度に優れ、機械適性の良い魚肉用包装体として、大掛かりな装置を必要とせず、生産時のロスを削減して作業性の向上を実現することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための魚肉用包装体を例示するものであって、本発明は魚肉用包装体を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0015】
図1に、本発明の一実施の形態に係る魚肉用包装体の構成を示す断面図、図2に図1の第2の層の構成を示す拡大断面図、図3にこの魚肉用包装体を使用して魚肉を包装する一例を示す断面図を、それぞれ示す。これらの図に示す魚肉用包装体100は、真空包装が可能な無孔プラスチック製のフィルムで構成される。これにより、製袋した際に、流水解凍時でも水が内部へ浸入することを防止し、内容物が菌などで汚染されないように保護する。また魚肉用包装体100は、図1のように第1の層10と第2の層20を接着した2層積層構造としている。さらに第2の層20は、図2に示すように基体22を被覆層24で被覆した3層構造としている。この第2の層20は、フィルム強度の高い層とし、かつ十分な酸素透過量を備える第1の層10を積層することにより、酸素透過量を高めつつ十分な強度を維持することができる。
【0016】
さらに第2の層20は、基体22をポリオレフィン系樹脂、特に通気性ポリプロピレンとし、その表面を被覆する被覆層24をポリプロピレンを主体とする二軸延伸フィルムで構成している。二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)は、耐熱性および強度に優れ、包材として好適に使用できる。基体22を通気性ポリプロピレンとして酸素透過量を被覆層24よりも高くし、その両面を被覆層24で保護する構成により、層全体の酸素透過量を高めつつ強度的な補強をも図っている。本実施の形態は、このような多層構造によって酸素透過度(ガスバリヤ性)と強度維持との両立を図るものである。なお本発明は、魚肉用包装体の構成を2層構造に限定するものでなく、単層や3層以上の多層構造とすることもできることはいうまでもない。例えば3層以上の押出しフィルムやラミネートフィルムとすることができる。同様に第2の層の層構成も、2層以下や4層以上とすることもできる。例えば、第2の層の一方の被覆層を第1の層と兼用する構成としてもよい。またこれらの層の積層方法も既知の方法、あるいは将来開発される方法が適宜採用でき、ヒートシールによる接着方法の他、共押出法、押出ラミネート法等を適宜採用できる。
【0017】
一方、図1に示すように第2の層20の上面に接着される第1の層10は、ポリオレフィン系樹脂を使用でき、各種密度、各種メルトフローインデックス(MFI)を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンとアクリル酸エチルの共重合体(EEA)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレンプロピレン共重合体等が適宜使用できる。好適には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用される。また第1の層10と第2の層20の積層に当たっては、公知の方法を採用することができ、ドライラミネート法の他に、ポリサンドラミネート法、押出ラミネート法等の方法を挙げることができるが、得られる積層体の臭気と寸法変化が少ない点で、ドライラミネート法が好ましく、接着層30としてポリエーテル系化合物、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いることができる。またポリサンドラミネート法の場合は、接着層30としてエチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、あるいはこれらの共重合体、エチレンを主成分として炭素数3〜10のα−オレフィン類、炭素数4〜15のジエン類、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の内から選ばれた1種または2種以上のコモノマーとの共重合体等のオレフィン系重合体や、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。この中で好適には、無延伸ポリプロピレン系樹脂(CPP)層、エチレン−ブテン−ポリプロピレン共重合体系樹脂層又は直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)層が用いられ、更にはメタロセン触媒中で重合されたLLDPEも好適に用いられる。また、接着層30の厚みは特に限定されないが、積層体および包装袋の変形を防止するためには5μm以上(更には10〜80μm)が好ましい。さらに接着層30に使用される樹脂の融点は150℃以下(更には70〜150℃)が好ましい。融点が150℃を越えると、基材のPPとの融点差が小さくなるため、ヒートシール時に基材のPPが収縮し易くなり、包装袋としたときの外観が悪化することがある。また、接着界面に印刷層を設けることも好ましい。印刷面は接着界面のいずれの面にも可能であり、印刷についてはグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等公知の印刷方法と装置、インキを用いることが可能である。
【0018】
さらに第1の層10と第2の層20を接合した状態で、魚肉用包装体の酸素透過量を2000〜6000cc/m・24hr・atmとするように、接着層30を含めた各層の材質や厚さを調整する。本発明者が実験を行ったところ、魚肉用包装体を構成する無孔プラスチック製フィルムの酸素ガス透過量を上記範囲外としても実施は可能であるものの、2000cc/m・24hr・atm未満では流水解凍時に十分な発色が得られず、6000cc/m・24hr・atm以上だと、発色後もメト化が進み褐色になってしまうとの知見を得た。よって上記の範囲に調整することが望ましい。また−30℃におけるフィルムの衝撃強度が10kJ/m以上であり、フィルムの引張り破断伸びが150%以下であると、袋の機械適性、落袋強度が良好となる。
【0019】
なお、魚肉用包装体を構成する無孔プラスチック製フィルムは、上述した材質に限られず、多層積層された魚肉用包装体が全体として上記の酸素透過量を達成する条件を満たせば、特に材質、構成を問わずに適宜選択できる。また各層の厚さは、使用する材料にもよるが、一般的に40〜250μm程度の厚さであることが好ましい。
【0020】
以上のようにして構成された魚肉用包装体は、魚肉の包装材料として様々な形状で使用できる。例えば真空包装用に製袋して、図3に示すように冷凍赤身魚肉等の生鮮魚肉Aを包装する。包装する魚肉の形態は、フィレー、ブロック、サク、切り身、刺し身、或いはミンチやペースト状等、様々な形態として包装できる。フィレーは、魚体から頭と内臓を取り除いた後、3枚に卸した状態を指し、皮付きと皮無しがある。魚肉のロインは、フィレー状の魚肉を二分割した状態を指し、ロインを更に分割した物がブロックである。サクは、刺し身どりがし易いようにブロックから板状に切り出した状態である。サクを厚さが10mmを越える厚さの肉断片にしたものが切り身であり、10mm以下の厚さの肉断片にしたものが刺し身である。また、ミンチはチョッパーを用いて直径約3〜10mmの円柱状に押し出された肉の形態を指し、ペーストは、フードカッター等を用いてさらに細かく練られた肉の形態を指す。ミンチ或いはペーストの例として、魚肉のつみれが挙げられる。さらに、ミオグロビンを含有する食品には、上記の生の魚肉を軽く火で炙った加工品、食用油脂で調味した加工品等が含まれてもよい。加工品については、魚肉の表面を軽く焼いた「カツオのたたき」に代表される食品や、酸化防止剤を含有する液に浸漬処理された赤身魚肉、食用油脂等を添加したネギトロ等が挙げられる。
【0021】
このような魚肉を魚肉用包装体で包装する手順としては、例えばフィルムや袋状に形成した魚肉用包装体に魚肉を入れ、真空ポンプ等で脱気しながらヘッドスペース容積比を制御するとともに魚肉を封入する。また、深絞り脱気包装機を使った深絞り脱気(真空)包装により、食品に酸素易透過性包材を密着させて包装してもよい。また容器の形状としてはパウチ容器やトレイ状成型容器等も利用できる。
【実施例1】
【0022】
以下、上記に従い実施例および比較例を作成した結果について説明する。まず実施例1として、23℃におけるフィルム酸素透過量4000cc/m・24hr・atm(日本分光工業株式会社製ガス透過率測定機Gasperm−100型にて測定)のOPP/PEフィルムを、150mm×160mmの三方袋にし、−40℃で冷凍保存されたネギトロ120gをCOガス環境下で充填し、真空度−0.06Mpaで真空包装した。これを再度−40℃で冷凍保存し、2日後、包装したまま15℃〜35℃の水で10分間、流水解凍したところ、ネギトロは鮮赤色に発色した。これを5℃の冷蔵庫に入れて保存した所、効果は10時間続いた。
【実施例2】
【0023】
また実施例2として、23℃におけるフィルム酸素透過量が4000cc/m・24hr・atmで−30℃におけるフィルム衝撃強度(株式会社東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターで衝撃頭直径12.7mm、容量2.9Jとして使用し、外層側より衝撃を加えた。)が16KJ/mのOPP/PEフィルムで、150mm×160mmの三方袋を作成し、−40℃で冷凍保存されたネギトロ120gをCOガス環境下で充填、真空包装した。これを再度−40℃で冷凍保存し2日後、約50cmの高さから平らなタイル状の床に1回落下させたところ、100検体中1検体もピンホール、エッジ切れ等が発生しなかった。
【実施例3】
【0024】
さらに実施例3として、23℃におけるフィルム酸素透過量が4000cc/m・24hr・atmで、23℃におけるフィルムの引張り破壊伸びが約100%のOPP/PEフィルムをピロー包装充填機(オリヒロ株式会社製)を用いてネギトロを包装したところ、50袋/分のスピードで包装できた。
【比較例1】
【0025】
実施例1に対応する比較例1として、23℃におけるフィルム酸素透過量40cc/m・24hr・atmのONY/PEフィルムを、150mm×160mmの三方袋にし、実施例1と同様にネギトロを充填、真空包装した2日後、包装したまま10分間流水解凍したところ、ネギトロは還元型ミオグロビンの色調である赤紫色であり、あまり発色しなかった。
【比較例2】
【0026】
同じく実施例1に対応する比較例2として、23℃におけるフィルム酸素透過量10000cc/m・24hr・atmの特殊PO/PEフィルムを用いて、150mm×160mmの三方袋を作成し、実施例1と同様にネギトロを充填、真空包装した2日後、包装したまま10分間流水解凍したところ、ネギトロは鮮赤色に発色したものの、5℃の冷蔵庫に保存したところ効果は長く続かず5時間で褐色となった。
【比較例3】
【0027】
さらに実施例2と対応する比較例3として、23℃におけるフィルム酸素透過量が4000cc/m・24hr・atmで、−30℃におけるフィルム衝撃強度が7KJ/mのLLDPEフィルムを用いて150mm×160mmの三方袋を作成し、−40℃で冷凍保存されたネギトロ120gをCOガス環境下で充填、真空包装した。これを実施例2と同様に落下させたところ、100検体中10%にピンホール、エッジ切れ等が発生した。
【比較例4】
【0028】
さらに実施例3に対応する比較例4として、酸素透過量が4000cc/m・24hr・atmで23℃におけるフィルムの引張り破壊伸びが約530%のPP/PEフィルムを、ネギトロのピロー包装充填機に掛けたところ、フィルムが伸びる等の不具合が発生してしまい、うまく掛からなかった。
【0029】
以上のように、実施例に係る魚肉用包装体では、短時間に鮮赤色に発色し、落袋強度も十分であることが確認され、さらにピロー包装充填機による包装もスムーズに行えることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の魚肉用包装体は、生鮮魚肉やそれらの加工品を包装する包装袋として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚肉用包装体の構成を示す断面図である。
【図2】図1の第2の層の構成を示す拡大断面図である。
【図3】図1の魚肉用包装体を使用して魚肉を包装する一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
100…魚肉用包装体
10…第1の層
20…第2の層
22…基体
24…被覆層
30…接着層
A…生鮮魚肉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムを含む積層構造よりなる魚肉用包装体であって、
その酸素透過量が2000〜6000cc/m・24hr・atmであることを特徴とする魚肉用包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の魚肉用包装体であって、
前記魚肉用包装体は無孔プラスチック製フィルムよりなり、フィルム衝撃強度が−30℃で10kj/m以上であることを特徴とする魚肉用包装体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の魚肉用包装体であって、
前記魚肉用包装体の引張り破断伸びが150%以下であることを特徴とする魚肉用包装体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の魚肉用包装体であって、
前記積層構造が、ポリオレフィン系樹脂よりなる第1の層と、
前記第1の層よりもフィルム強度が高い第2の層からなることを特徴とする魚肉用包装体。
【請求項5】
請求項4に記載の魚肉用包装体であって、
前記第2の層が、通気性ポリプロピレンよりなる基体の両面を、ポリオレフィンを主体とする二軸延伸フィルムよりなる被覆層で積層してなり、前記基体の酸素透過量が被覆層よりも高いことを特徴とする魚肉用包装体

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−27722(P2006−27722A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213758(P2004−213758)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(591016334)大塚テクノ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】