説明

鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド含有注射液のプレフィルドシリンジ

【課題】BSEの原因物質を含まず安全で、製剤学的安定性に優れ、しかも高カロリー輸液等の輸液への配合においても安定な鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド注射液のプレフィルドシリンジを提供する。
【解決手段】鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含み、さらに、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素及びクロムのうち、少なくとも一種を含む液を、ポリプロピレン製のシリンジに収容してなるプレフィルドシリンジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト及びほ乳動物における鉄欠乏性貧血症状を治療もしくは防止する鉄製剤に関する。詳しくは、コンドロイチン硫酸鉄コロイドの補給のための安全性と製剤学的安定性に優れた注射液のプレフィルドシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄はヒト及びほ乳動物の必須金属栄養素の一つであり、経口的に摂取量が不足あるいは出血等によって鉄喪失が生じた場合には、その補給が必要不可欠となる。鉄を非経口的に補給する場合、イオン性鉄化合物はトランスフェリンとの飽和結合から、更に、血漿タンパクとの結合によるショックを引き起こすなど毒性の面で問題があり、副作用の少ないコロイド性の鉄で補給するなど工夫を必要とする。ヒトへ非経口的に補給される鉄イオンは、一般に塩化第二鉄が使用されるが、この塩化第二鉄は水溶液中では水酸化第二鉄コロイド粒子として存在する。このコロイド粒子は酸化第二鉄(Fe2O3)と水のほか、オキシ塩化物(FeOCl)を含み、これがFeO+とCl−との解離により正に帯電した疎水コロイドであり、凝集しやすく、そのpH値が約3以上になると凝集により沈殿を生じる(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
これまで、アメリカではデキストランを保護コロイドとする水酸化鉄コロイド溶液が用いられ、ヨーロッパでは鉄−ポリ(ソルビトールグルコン酸)錯塩として用いられている(例えば、非特許文献2参照)。一方日本では副作用が少なく鉄利用率が高いコンドロイチン硫酸塩を保護コロイドとする鉄コロイド溶液が用いられている。例えば、日本においてはコンドロイチン硫酸鉄コロイドが静注用鉄欠乏性貧血製剤 ブルタール(商品名、大日本製薬株式会社)として市販され、また高カロリー静脈栄養の必須微量元素補給としてコンドロイチン硫酸鉄コロイドを含む製剤が、エレメンミック注、エレメイト注(商品名、味の素ファルマ株式会社)、ミネラリン注、パルミリン注(商品名、日本製薬株式会社/武田薬品工業株式会社)、エレミール注(商品名、沢井製薬株式会社)及びボルビックス注(商品名、株式会社富士薬品/株式会社ヤクルト)として市販されている。
【0004】
従来から日本で市販されているこれらのコンドロイチン硫酸鉄コロイド含有製剤はいずれも牛由来のコンドロイチン硫酸ナトリウムを保護コロイドとして使用し製剤化されたものである。1996年に英国では、バリアント・クロイツフェルト・ヤコブ病(v CJD)の患者の発症と狂牛病すなわちウシ海綿状脳症(BSE)とに因果関係があると発表された。BSEの原因とされる異常プリオンタンパクは、熱に安定であり、高温高圧処理並びにアルカリ処理が完全な不活化にはならないと考えられている。日本では、欧州におけるウシBSEの発生動向を踏まえ、ウシ等に由来する原料を用いて製造される医薬品等については、製造業者等における品質及び安全性確保対策を講ずる必要性から、平成12年12月12日付厚生省医薬安全局長通知「ウシ等由来物を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について」医薬発第1226号が通知され、医薬品製造業者等による自主点検及び承認書の整備等が指導されてきた。ウシ由来のコンドロイチン硫酸塩は牛気管から単離精製されるが、より安心かつ安全性の高いコンドロイチン硫酸塩を使用することが求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】B.Jirgensonsら著、玉虫文一監訳 「コロイド化学」培風館出版 東京1967年
【非特許文献2】Goodman and Gilman著 「The Pharmacological Basis ofTherapeutics」、MacMillan出版、 New York 1980年、1325-1326頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はBSEの原因物質を含まず安全で、製剤学的安定性に優れ、しかも高カロリー輸液等の輸液への配合においても安定な鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド注射液のプレフィルドシリンジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、BSEの原因物質を含まず、製剤学的安定性に優れ、しかも高カロリー輸液等の輸液への配合においても安定な注射液を得るために種々検討を重ねた。その結果、鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムを保護コロイドとする鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液が、加熱後の安定性が良好であることを見出し、これらの知見に基づき鋭意研究を続け、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含み、さらに、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素及びクロムのうち、少なくとも一種を含む液を、ポリプロピレン製のシリンジに収容してなるプレフィルドシリンジ、
(2)鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムが、イオウ含量6.4〜7.0W/W%である請求項1記載のプレフィルドシリンジ、
(3)鮫由来コンドロイチン硫酸塩水溶液に、第二鉄塩水溶液と水酸化アルカリ金属水溶液とを、混合液のpH値が5.5〜7.5の範囲の任意のpH値で制御され、添加して製造される鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含む請求項1記載のプレフィルドシリンジ、
(4)銅0.9〜55μmol、亜鉛3.85〜210μmol、マンガン0〜51μmol、セレン0.025〜5.0μmol、ヨウ素0〜11μmolを含む、請求項1記載のプレフィルドシリンジに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の注射液のプレフィルドシリンジは、BSE感染の心配のない安全な臨床使用が可能であり、製剤学的安定性に優れ、かつ高カロリー輸液等の輸液中においても安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含有する注射液は、鮫由来コンドロイチン硫酸塩水溶液に、第二鉄塩水溶液と水酸化アルカリ金属水溶液とを、混合液のpH値が約5.5〜7.5の範囲の任意のpH値になるように制御下、添加することにより製造することができる。鮫由来コンドロイチン硫酸塩は、たとえば、鮫由来コンドロイチン硫酸のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、好ましくは、鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムが挙げられる。鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムは例えば、鮫軟骨に由来する平均分子量約10,000〜25,000、極限粘度約0.27〜0.65dL/g(毛細管粘度計法による測定)、イオウ含量約6.4〜7.0W/W%の物性を有するものが挙げられる。また鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムは好ましくは、コンドロイチン4−硫酸(コンドロイチン硫酸A):コンドロイチン6−硫酸(コンドロイチン硫酸C)が約1:3の組成比を有するものである。
【0011】
コンドロイチン硫酸塩は、[→4 グルクロン酸β1→3 N-アセチル-D-ガラクトサミンβ1→]の二糖単位の繰り返し構造からなる直鎖状の高分子多糖で、この二糖単位に結合した硫酸基の数とその結合位置により異性体が存在する高い負電荷をもつポリアニオンである。表1に鮫軟骨由来と牛気管由来のコンドロイチン硫酸ナトリウム(平均分子量20,000〜25,000)の各異性体組成比を対比して示す。
【0012】
【表1】

注)Chs:コンドロイチン硫酸ナトリウム
ΔDi−0S:硫酸基の結合なし
ΔDi−4S:N−アセチル−D−ガラクトサミンのC−4位に硫酸基が結合
ΔDi−6S:N−アセチル−D−ガラクトサミンのC−6位に硫酸基が結合
ΔDi−diSD :N−アセチル−D−ガラクトサミンのC−6位及びD−グルクロン酸のC−2位に硫酸基が結合
ΔDi−diSE :N−アセチル−D−ガラクトサミンのC−4位及びC−6位に硫酸基が結合
【0013】
第二鉄塩は、体内で利用可能な第二鉄を含有する化合物、例えば、塩化第二鉄六水和物(FeCl3・6H2O)の他、クエン酸鉄(FeC6H5O7)、酸化水酸化鉄(FeO(OH))、硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)、酸化鉄(Fe2O3)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3・nH2O)及びリン酸鉄(FePO4・nH2O)などが例示される。第二鉄塩は、水溶液中で水酸化第二鉄となり、鮫由来のコンドロイチン硫酸塩を、この水酸化第二鉄の疎水コロイド液の保護コロイドとして用いる。このうち好ましくは、塩化第二鉄六水和物(FeCl3・6H2O)などの塩化第二鉄が挙げられる。鉄に対する鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比は7倍以上(即ち、鉄:鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比は1:7以上)が用いられる。水酸化アルカリ金属は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、好ましくは水酸化ナトリウムが挙げられる。本製造方法において、第二鉄塩(例えば、塩化第二鉄六水和物)を注射用水に溶解した溶液と水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム)の水溶液の適量とを、鉄に対する上記重量比に相当する鮫由来のコンドロイチン硫酸塩(例えば、コンドロイチン硫酸ナトリウム)を注射用水に溶解した溶液に、攪拌しながら加え、反応混合液のpH値が約5.5〜7.5の範囲の任意の一定のpH値になるように制御するのが好ましい。
【0014】
添加する第二鉄塩(例えば、塩化第二鉄六水和物)注射用水溶液の濃度は、通常、約3〜62W/V%、好ましくは約13〜32 W/V%が用いられる。添加する水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム)水溶液は、通常、約1〜28W/V%、好ましくは約2〜7 W/V%が用いられる。コンドロイチン硫酸塩水溶液は、通常、約3〜30 W/V%、好ましくは約4 〜20W/V%が用いられる。第二鉄塩、水酸化アルカリ金属及びコンドロイチン硫酸塩の反応混合液は混合液のpH値が一定の値に維持されるよう十分に撹拌する。反応時間は、当業者により適宜設定できるが、通常、1時間から6時間程度である。反応温度は、当業者において適宜選ぶことができ、好ましくは5℃から25℃程度である。このようにして得られる鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド含有液は、必要に応じて滅菌後、注射剤として用いてもよく、また、少量ずつ(例えば1、2または4mLずつ等)容器に充填し、密閉し、滅菌(例えば、高圧蒸気滅菌等)を施して用いてもよい。本発明の注射液では、pH値が約5.0〜7.5であることが望ましい。本発明の注射液を封入する容器としては、例えば、ガラス容器(アンプル等)やプレフィルドシリンジタイプを含むポリプロピレンなどのプラスチック製容器などを用いることができる。
【0015】
本発明の注射剤は、副作用もほとんどなく、安全であり、自体公知の方法に従って、人やほ乳動物に投与することができる。投与される本発明の注射液に含まれる鉄は、成人一人あたりの一日量として約0.9〜720μmol、好ましくは約9〜720μmolであることが望ましく、約2〜20mLの水溶液に含有することが望ましい。本発明の注射液は、必要により、その他、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素及びクロムを含むことも可能である。この場合、投与される本発明の注射液は、成人一人あたりの一日量として、銅約0.9〜55μmol 、亜鉛約3.85〜210μmol 、マンガン約0〜51μmol 、セレン約0.025〜5.0μmol 及びヨウ素約0〜11μmolであり、好ましくは銅約9.1〜27.3μmol 、亜鉛約38.5〜61.5μmol 、マンガン約0〜14.5μmol 、セレン約0.25〜2.5μmol 及びヨウ素約0.6〜1.1μmolを含んでいることが望ましい。
【実施例】
【0016】
本明細書中、W/W%は重量%、W/V%は重量/容量%を示す。以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0017】
実施例1
鉄(Fe)に対する重量比5、10、12倍量の鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウムの各溶液(6.4 W/V%)に、pH値約6.5に保ちながら塩化第二鉄水溶液(20.8 W/V%)及び水酸化ナトリウム水溶液(4.3 W/V%)を送液・攪拌(5〜25℃で約60分間)した。得られる各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液は、注射用水で希釈し、目的の鉄濃度4 mg/mLの各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液を製造した。製造された各該溶液を2 mLのガラスアンプルに充填熔閉し、105℃/20分、110℃/20分、115℃/20分及び121℃/20分の条件で高圧蒸気滅菌を行い、各試料50本を製造した。それぞれの試料につき、性状を観察し、また、2 mLのガラスアンプル5本をまとめた試料10mLにつき、メンブランフィルター(孔径 0.2μm)による濾過試験を行った。この結果を表2に示す。鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウム(Chs)は分子量約20,000〜25,000及び約10,000の2種について検討した。
【0018】
【表2】

注)Chs:コンドロイチン硫酸ナトリウム
評価内容
性状:
A 暗赤褐色澄明である。
B 暗赤褐色で、わずかな濁りが認められる。
C 暗赤褐色で、明らかに濁りが認められる。
濾過試験:
○ フィルターを通過する。
× フィルターを通過しない。
【0019】
表2に示したとおり、鉄:コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比が1:10及び1:12で調製されたコンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液の各加熱条件での安定性は、性状及び濾過試験において、安定であることが確認された。
【0020】
実施例2
鉄(Fe)に対する重量比7、9、11、13、20倍量の鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウムの各溶液*(溶液の濃度は下記に示す)に、pH値約6.5に保ちながら塩化第二鉄水溶液(20.8 W/V%)及び水酸化ナトリウム水溶液(4.3 W/V%)を送液・攪拌(5〜25℃で約60分間)した。
*コンドロイチン硫酸ナトリウムの濃度

得られる各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液は、注射用水で希釈し、目的の鉄濃度4 mg/mLの各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液を製造した。製造された各該溶液を2 mLのガラスアンプルに充填熔閉し、110℃/20分及び121℃/20分の条件で高圧蒸気滅菌を行い、各試料を50本製造した。それぞれの試料につき、実施例1と同様の評価条件で、性状及び濾過試験を行った。本結果を表3に示す。なお、鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウム(Chs)は分子量約10,000について検討した。
【0021】
【表3】

【0022】
表3に示したとおり、鉄:コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比が1:7〜20で調製されたコンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液の各加熱条件での安定性は、性状及び濾過試験において、安定であることが確認された。
【0023】
実施例3
鉄(Fe)に対する重量比5、7、9、11、13、20倍量の鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウムの各溶液**(溶液の濃度は下記に示す)に、pH値約6.5に保ちながら塩化第二鉄水溶液(20.8 W/V%)及び水酸化ナトリウム水溶液(4.3W/V%)を送液・攪拌(5〜25℃で約60分間)した。得られる各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液は、注射用水で希釈し、目的の鉄濃度4 mg/mLの各コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液を製造した。

この鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液2 mLをガラスアンプル(2mL)に充填熔閉し、110℃/20分の条件で高圧蒸気滅菌を行い、各試料を40本製造した。それぞれの試料につき、70℃保存における安定性を実施した。本結果を表4に示す。
【0024】
【表4】

注) 鉄含量の表記は、n=3の平均値並びに( )内に最小〜最大値を示す。
【0025】
表4に示したとおり、鉄:コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比が1:5〜20で調製されたコンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液のいずれもが、不溶性異物検査及び鉄含量において、安定であることが確認された。
【0026】
実施例1〜3の試験結果より、鉄:コンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比が1:7以上で調製されたコンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液は、安定性に優れていることが確認された。
【0027】
実施例4
実施例1で製造された鉄(Fe)に対するコンドロイチン硫酸ナトリウムの重量比が12倍量の鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸鉄コロイド溶液を2 mLのガラスアンプルに充填熔閉し、110℃/20分の条件で高圧蒸気滅菌を行った試料につき、下記の市販輸液に該溶液1 mLを混注し、配合変化試験を実施した。鮫軟骨由来コンドロイチン硫酸ナトリウムは分子量約10,000及び約20,000〜25,000の2種についても検討した。すなわち、混注前、混注直後及び24時間後の性状、pH値並びに不溶性異物を観察した。本結果を表5に示す。使用した市販輸液は「アミノトリパ2号」(商品名、大塚製薬株式会社)及び「ピーエヌツイン−3号」(商品名、味の素ファルマ株式会社)である。
【0028】
【表5】

【0029】
表5に示したとおり、本発明の注射液(実施例4)のいずれも、市販輸液に混注後24時間まで、性状の変化は認められず、また不溶性異物等の沈殿物も認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含み、さらに、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素及びクロムのうち、少なくとも一種を含む液を、ポリプロピレン製のシリンジに収容してなるプレフィルドシリンジ。
【請求項2】
鮫由来コンドロイチン硫酸ナトリウムが、イオウ含量6.4〜7.0W/W%である請求項1記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項3】
鮫由来コンドロイチン硫酸塩水溶液に、第二鉄塩水溶液と水酸化アルカリ金属水溶液とを、混合液のpH値が5.5〜7.5の範囲の任意のpH値で制御され、添加して製造される鮫由来コンドロイチン硫酸鉄コロイドを含む請求項1記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項4】
銅0.9〜55μmol、亜鉛3.85〜210μmol、マンガン0〜51μmol、セレン0.025〜5.0μmol、ヨウ素0〜11μmolを含む、請求項1記載のプレフィルドシリンジ。

【公開番号】特開2009−263393(P2009−263393A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160363(P2009−160363)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2002−295694(P2002−295694)の分割
【原出願日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】