説明

鳥除け具

【課題】湾曲状態乃至筒状に屈曲させるのが容易でありながら鳥除け針状片の保持が安定しており、鳥類を効果的に忌避できる鳥除け具を提供する。
【解決手段】一方向に延長し且つ該延長方向と直交する方向に湾曲状態乃至筒状に屈曲させ得る薄肉の基板2と、該基板2に後付けされる針状部材3とを具える。基板2は、突条部10が該基板を屈曲して並設されており、突条部10は、基板2の上面側に向けて凹む嵌入溝11を有する。突条部10の頂面部12には、所要間隔を置いて取付け孔13が設けられている。針状部材3は、嵌入溝11に嵌入される台座片16の上面17の両端部分に、取付け孔13を挿通する鳥除け針状片21,21が突設されている。嵌入溝11に嵌入状態の台座片16は、鳥除け針状片21の根元部分に設けられた係合凹部39に取付け孔13の内周縁部分40が嵌め入れられて、頂面部12にのみ固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダの手摺りや軒先或いは電線等にカラスや鳩等の鳥類が止まって糞等を落下させる鳥害を防止するための鳥除け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベランダの手摺りや軒先等にカラスや鳩等の鳥類が止まって糞等を落下させ、家屋や各種の建造物、洗濯物、樹木、人等に害を及ぼす鳥害を防止するための従来の鳥除け具の一例としては、特許文献1や特許文献2が開示するものが提案されている。
【0003】
特許文献1記載の鳥除け具a1は、図26に示すように、合成樹脂製のシート状を呈し且つその厚さ方向に多数の挿通孔bが貫設されてなる基板cの夫々の挿通孔bに針状部材dを後付けしてなるものであり、該針状部材dは、鳥除け針状片eの基端部に係止頭部gが設けられていた。そして該針状部材dを該基板cに後付けするに際しては、該鳥除け針状片eを、該挿通孔bに該基板cの下面側hから上面側jに向けて挿通し、且つ該係止頭部gを該基板cの下面kに接着固定して行っていた。
【0004】
又、特許文献2記載の鳥除け具a2は、図27に示すように、合成樹脂を以て一体に射出成形された筒状ホルダm付きの基板nに、針状部材pを後付けしてなるものであり、該筒状ホルダmは、その内周面の上端側に係合突条qが周設されていた。そして該針状部材pは、該ホルダmの内部空所rに押し込まれる基部sに、前記基板nの上方に向かって立設状態となるように鳥除け針状片tが突設されており、該基部sの上縁部に係合周溝uが周設されていた。そして該針状部材pを前記基板nに後付けするに際しては、図27(B)に示すように、該基板nに設けられている多数の筒状ホルダmの内部空所rの夫々に前記基部sを押し込んで該係合周溝uに前記係合突条qを嵌合状態に係合させ、これによって、該針状部材pを前記ホルダmに固定していた。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2記載の鳥除け具a1,a2は何れも、前記基板c,nに前記針状部材d,pを後付けするに際して、1本の鳥除け針状片e,tを具える針状部材d,pを、前記挿通孔bの夫々に、又、前記筒状ホルダmの内部空所rの夫々に個別的に取り付けることを要し、前記針状部材d,pの取り付け作業が面倒であり作業能率が悪い問題があった。
【0006】
又、特許文献2記載の鳥除け具a2は、前記基板nと前記筒状ホルダmとが一体に射出成形されてなるものであって、基板nが比較的厚肉に形成されていたため、該基板nを湾曲させることは難しく、例えばベランダの手摺りの湾曲した上面等に該基板nをその下面vを内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させて取り付けるということは本来予定されていなかった。なお該特許文献2には、不要部分を切断するための薄肉条部wを基板nの下面vに設けることが記載されてはいるが、この薄肉条部wは、基板nを屈曲させるためのものではなかった。
【0007】
一方、特許文献1記載の鳥除け具a1は、基板cがシート状を呈し、該基板cに設けられている挿通孔bに前記針状部材dの鳥除け針状片eを挿通状態に取り付けると共に、前記係止頭部gを該基板cの下面kに接着固定する構成のものであったため、該シート状の基板cが薄肉の場合は、例えばベランダの手摺りの湾曲した上面等に該基板cをその下面kを内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させて取り付けることは可能であるかもしれない。しかしながら、該基板cが薄肉であると、該基板cによる鳥除け針状片eの基端部分wの保持が不十分となり易いために、飛来した鳥類が立設状態の鳥除け針状片eの上に足を載せたときに該鳥除け針状片eが踏み倒され易い問題があった。かかることから、良好な鳥除け効果を達成するためには基板cはある程度厚肉に形成する必要があるのであるが、これを厚肉に形成した場合は、これを湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることが困難になってしまう。このように特許文献1記載の鳥除け具a1は、基板cを湾曲状態に乃至筒状に屈曲させて取り付けるということが難しかったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−4855号公報
【特許文献2】実開平5−91368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、湾曲状態に乃至筒状に屈曲させるのが容易でありながら鳥除け針状片の保持が安定しており鳥類を効果的に忌避できる鳥除け具の提供を課題とするものである。又本発明は、光の乱反射によって鳥類の忌避効果をより向上させ得る鳥除け具の提供を課題とするものである。更に本発明は、基板相互の連結を容易且つ確実に行うことができて幅広状態で使用し得る鳥除け具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る鳥除け具は、一方向に延長し且つ、該延長方向と直交する幅方向の部分を、その下面を内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることのできる薄肉の基板と、該基板に後付けされる針状部材とを具えていて、被取付け部に取り付けられる鳥除け具であって、前記基板は、前記幅方向に所要間隔を置いて、前記延長方向に連続して延び且つ該基板の上面側に突出する突条部が該基板を屈曲して設けられており、該基板は、隣り合う突条部間で屈曲でき、該突条部は、前記基板の下面で開放され且つ該基板の上面に向けて凹む嵌入溝を有しており、該突条部の頂面部には、前記延長方向に所要間隔を置いて取付け孔が設けられている。又、前記針状部材は、前記嵌入溝に嵌入される台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となり得る鳥除け針状片の複数本が所要間隔を置いて突設される如くなされており、前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記頂面部に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
前記鳥除け具において、前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記頂面部にのみ取り付けられたものとし、前記突条部の側面部と前記台座片の側面とは、非固定状態とし、前記基板が湾曲状態に乃至筒状に屈曲されたときに、該側面部が前記頂面部寄り部位を中心として該側面から離れるように開き得るように構成するのがよい。
【0012】
本発明に係る鳥除け具のより具体的な態様は、一方向に延長し且つ、該延長方向と直交する幅方向の部分を、その下面を内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることのできる薄肉の基板と、該基板に後付けされる針状部材とを具えていて、被取付け部に取り付けられる鳥除け具であって、前記基板は、前記幅方向に所要間隔を置いて、前記延長方向に連続して延び且つ該基板の上面側に突出する突条部が該基板を屈曲して設けられており、該基板は、隣り合う突条部間で屈曲でき、該突条部は、前記基板の下面で開放され且つ該基板の上面に向けて凹む嵌入溝を有しており、該突条部の頂面部には、前記延長方向に所要間隔を置いて取付け孔が設けられている。又、前記針状部材は、前記嵌入溝に嵌入される台座片の上面で、前記取付け孔を該基板の下面側から上面側に向けて挿通して該頂面部の上方に突出状態となり得る鳥除け針状片の複数本が所要間隔を置いて突設されており、該鳥除け針状片の根元部分には、前記取付け孔の内周縁部分を嵌め入れる係合凹部が設けられており、前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記内周縁部分が前記係合凹部に嵌め入れられることによって前記頂面部にのみ取り付けられており、前記突条部の側面部と前記台座片の側面とは非固定状態にあって、前記基板が湾曲状態に乃至筒状に屈曲されたときに、該側面部が前記頂面部寄り部位を中心として該側面から離れるように開き得ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る鳥除け具のより具体的な他の態様としては、前記鳥除け針状片を前記台座片とは別体とし、該鳥除け針状片の下端面部と該台座片の上面との間で前記頂面部を挾持した状態で、該鳥除け針状片の該下端面部で下方向に突設された軸部が前記取付け孔に下方向に挿通せしめられる如くなし、該軸部が前記台座片の上面に設けられた凹部に圧入されることによって、或いは該軸部が該凹部に挿入され且つ接着されることによって、前記鳥除け針状片は、前記台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となる如く突設される如く構成したものを挙げることができる。
【0014】
本発明に係る鳥除け具のより具体的なその他の態様としては、前記鳥除け針状片を前記台座片とは別体とし、該鳥除け針状片の下端面部と該台座片の上面との間で前記頂面部を挾持した状態で、該台座片の上面で上方向に突設された軸部が、前記取付け孔に上方向に挿通せしめられる如くなし、該軸部が前記鳥除け針状片の下端面部に設けられた凹部に圧入されることによって、或いは該軸部が該凹部に挿入され且つ接着されることによって、前記鳥除け針状片は、前記台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となる如く突設される如く構成したものを挙げることができる。
【0015】
前記鳥除け具において、前記突条部は、前記基板の下面で開放されると共に前記基板の上面に向けて溝幅が小さくなるように凹む台形状を呈し、乃至U字状を呈する前記嵌入溝を有するものとして構成するのがよい。又、前記基板は、合成樹脂のシート材を真空成形して形成するのがよい。又、前記突条部の上面には、光を乱反射させる凹凸部を設けるのがよい。
【0016】
前記鳥除け具を構成する前記基板の2枚を、前記幅方向で見た左右の側縁部分相互を重ね合わせて連結可能となす場合、次のように構成するのがよい。即ち、該左右の側縁部分の夫々には、その長さ方向に所要間隔を置いて連結突片又は連結凹部が設けられており、該連結突片と該連結凹部は前記幅方向で見て対向しており、該連結突片は、前記側縁部分の側縁で開放するように欠切状態に形成した欠切凹部の、該側縁と平行する底辺の長さ方向の中央部分に突設されており、該底辺の長さ方向で見て、該連結突片の突出方向で見た先端縁の長さは該連結突片の基端部の長さよりも長く形成されると共に、該連結突片の突出方向で見た先端縁は、前記側縁の延長線上にあり、又前記連結凹部は、前記側縁部分の側縁を欠切状態にして形成され、該連結凹部の入口部は窄まっており、該入口部の幅は前記先端縁の長さよりも小さく形成されており、連結されるべき前記基板の側縁部分相互を重ね合わせると共に前記連結突片の前記基端部を前記連結凹部に嵌め入れることによって、該側縁部分相互が外れ止めされるように構成するのがよい。
【0017】
前記鳥除け具において、前記基板と前記針状部材は、透明な合成樹脂を用いて形成するのがよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る鳥除け具は、湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることができる薄肉の基板と、該基板に後付けされる針状部材とを具える。このように鳥除け具は、基板と、鳥除け針状片を有する針状部材とが別体であるために、鳥除け針状片を基板に一体に突設してなる従来の鳥除け具とは異なり、梱包形態をコンパクト化でき、在庫として保管する際や出荷する際のスペース削減を図り得る。
又本発明は、基板と、鳥除け針状片を有する針状部材とが別体であるため、該鳥除け針状片が鳥除けのために有効に機能しない場所や該鳥除け針状片が障害物と干渉する場所においては、針状部材を基板に取り付けないでおくことによって該鳥除け針状片を容易に省略できる。
【0019】
(2) 本発明に係る鳥除け具を構成する基板は薄肉ではあるが、該基板の幅方向に所要間隔を置いて且つ該基板を屈曲して突条部を設けているため、該突条部の補強作用によって該基板の剛性が向上されている。然も、前記嵌入溝に嵌め入れられた台座片が、その上面で前記頂面部に固定されるため、該台座片が該基板の芯材として機能し、薄肉の基板の剛性が一層向上されている。
従って、前記鳥除け具を、前記基板を湾曲状態に乃至筒状に屈曲して使用する場合にあっても、前記鳥除け針状片が安定状態で突設されることとなり、該鳥除け針状片による鳥類忌避作用が効果的に発揮されることになる。
【0020】
(3) そして本発明は、鳥除け針状片を台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となり得るように突設すると共に、該台座片を、前記嵌入溝に嵌め入れて前記突条部に取り付ける構成を採用している。従って、基板は薄肉ではあっても該基板に対する鳥除け針状片の取り付け強度は高い。この点、薄肉の基板それ自体が鳥除け針状片の根元部分を保持する特許文献1記載の鳥除け具とは異なる。
かかることから、前記薄肉の基板を、例えばベランダの手摺りの湾曲した上面に湾曲状態にして取り付ける場合や、該基板を筒状に屈曲させて電線に巻回状態に取り付ける場合は、該基板の薄肉性によって該基板を湾曲状態に乃至筒状に屈曲させるのが容易でありながら、前記鳥除け針状片を安定的な突設状態となし得、該鳥除け針状片による鳥除け作用が効果的に発揮されることになる。
【0021】
(4) 本発明は、前記基板に前記針状部材を後付けするに際し、前記台座片を前記嵌入溝に嵌入させる構成を採用している。従って、鳥類が前記鳥除け針状片上に足を載せたときに、前記台座片が傾いて該鳥除け針状片が傾いたときには、該台座片の傾きが、剛性を有する突条部の側面部の内面に該台座片の側面が押圧状態で当接することによって規制されるため、鳥除け針状片の取付け状態が安定した鳥除け具を構成できることとなる。
【0022】
(5) 前記基板に前記針状部材を取り付ける際、前記鳥除け針状片を、前記突条部の頂面部に設けられている取付け孔に該基板の下面側から上面側に向けて挿通させ且つ、該針状部材の台座片を前記突条部が形成する嵌入溝に嵌め入れ、該鳥除け針状片の根元部分に設けられている係合凹部に前記取付け孔の内周縁部分を嵌め入れる構成を採用するときは、前記基板に対する前記針状部材の取り付けを簡易に行うことができる。
【0023】
(6) 前記台座片を前記突条部の前記頂面部にのみ固定し、前記突条部の側面部と前記台座片の側面とを非固定状態とするときは、前記基板を、湾曲状態に乃至筒状に屈曲したときに、該側面が、前記頂面部寄り部位を中心として該側面から離れるように開くことができる。このように変形のゆとりがあることから、前記基板を、その幅方向に稍引っ張られた状態で湾曲面等の被取付け面に取り付ける場合、該基板を屈曲させ易くなる。そして、このように側面部が側面から離れるように開いても、鳥除け針状片が突設されてなる前記台座片の上面部分が前記頂面部に安定的に固定されていることから、該鳥除け針状片の基板からの突出状態の安定性は損なわれない。
【0024】
(7) 前記突条部の上面に、光を乱反射させる凹凸部を設けるときは、光の乱反射によって鳥除け効果をより向上させ得る。
【0025】
(8) 2枚の基板相互を、その側縁部分相互を重ね合わせると共に、両側縁部分の何れか一方に設けられている連結突片とその他方に設けられている連結凹部とを係合させることによって該両側縁部分相互の外れ止めを図る場合は、複数の鳥除け具が連結されてなる安定構造の鳥除け具連結体を構成でき、より広い範囲に亘って鳥除けできることになる。
【0026】
(9) 特に、前記基板と前記針状部材を透明に形成する場合は、鳥除け具を目立たなくなし得て美観向上を期し得る。この場合、前記突条部の上面に、光を乱反射させる凹凸部を設ける場合は、乱反射をより効果的に生じさせることができて好ましい。
【0027】
(10)本発明に係る鳥除け具は、基板を薄肉に形成するため、材料使用量を削減できて経済性向上を期し得る。又、基板に針状部材を後付けする構成を採用するため、該基板を合成樹脂製のシート材を用いて真空成形により簡易に形成することが可能であり、針状部材が一体に設けられている鳥除け具を射出形成によって形成する場合に比し、金型構造を簡素化でき、製造コストの低減を期し得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る鳥除け具を示す斜視図である。
【図2】その鳥除け具を構成する基板と針状部材を示す斜視図である。
【図3】基板を示す断面図と、その取付け孔部分を示す平面図である。
【図4】基板を示す部分拡大斜視図である。
【図5】鳥除け針状片を示す断面図である。
【図6】基板に設けた取付け孔に鳥除け針状片を挿通させている状態を示す断面図である。
【図7】針状部材を基板に取り付けた状態を示す断面図である。
【図8】針状部材を基板に取り付ける過程を示す断面図と、針状部材を基板に取り付けた状態を示す断面図である。
【図9】鳥除け具をベランダの手摺りに取り付けた状態を示す側面図である。
【図10】鳥除け具をベランダの手摺りに取り付けた状態の他の態様を示す側面図である。
【図11】鳥除け具を電線に取り付けた状態を示す側面図である。
【図12】鳥除け具を電線に取り付けた状態の他の態様を示す側面図である。
【図13】基板相互を連結した状態を示す斜視図と断面図である。
【図14】基板相互を連結するための連結突片と連結凹部を示す平面図である。
【図15】基板の一部分に鳥除け針状片が取り付けられていない鳥除け具を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る鳥除け具の他の態様を示す分解斜視図と部分断面図である。
【図17】本発明に係る鳥除け具のその他の態様を示す分解斜視図と部分断面図である。
【図18】本発明に係る鳥除け具のその他の態様を示す分解斜視図と、針状部材を示す部分斜視図である。
【図19】その鳥除け具の部分断面図である。
【図20】本発明に係る鳥除け具のその他の態様を示す分解斜視図と、針状部材を示す部分斜視図である。
【図21】その鳥除け具の部分断面図である。
【図22】本発明に係る鳥除け具のその他の態様を示す分解斜視図と部分断面図である。
【図23】本発明に係る鳥除け具のその他の態様を示す分解斜視図と部分断面図である。
【図24】3本の鳥除け針状片を具える針状部材を示す斜視図である。
【図25】U字状を呈する嵌入溝に針状部材の台座片を嵌め入れた状態を示す断面図である。
【図26】従来の鳥除け具の一態様を示す断面図である。
【図27】従来の鳥除け具の他の態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1〜2において本発明に係る鳥除け具1は、ベランダの手摺りや軒先、或いは電線等にカラスや鳩等の鳥類が止まって糞等を落下させる鳥害を防止するために使用されるものであり、一方向に延長する薄肉の例えば長方形板状を呈する基板2と、該基板2に後付けされる針状部材3とを具えており、該基板2への針状部材3の取付けは、ユーザーが自ら行うことができる。
【0030】
該基板2及び該針状部材3は、本実施例においては透明な合成樹脂を用いて形成されており、例えば、透明なポリプロピレン樹脂を用いて形成されている。
【0031】
該基板2は、薄肉のものであり、延長方向F1と直交する幅方向F2の部分5を、その下面6を内側にして、例えば図9〜10に示すように、湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることができるものである。該基板2の肉厚は、このように湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることができるように設定される。本実施例においては弾性的に屈曲させ得るものであり、0.3〜0.7mm、好ましくは0.4mm〜0.5mmの厚さを有する薄肉のもので、例えば、合成樹脂製のシート材を真空成形して形成されている。そして該基板2は、図2〜3に示すように、該幅方向F2に所要間隔を置いて(例えば約17mmの幅部分7を間に置いて)、該延長方向F1に連続して延び且つ基板の上面側9に突出する突条部10の複数条(本実施例においては3条)が設けられており、隣り合う突条部10,10間(前記幅部分7)で前記のように屈曲できる。
【0032】
前記突条部10は図2〜3に示すように、前記基板2の下面6で開放され且つ該基板2の上面41に向けて溝幅が稍小さくなる台形状を呈するように凹んで嵌入溝11が形成されている。そして該突条部10の頂面部12には、前記延長方向F1に所要間隔(例えば、中心間で約50mmの間隔)L1を置いて、例えば円形状を呈する取付け孔13が設けられている。本実施例においては図3(B)に示すように、該取付け孔13の内周縁に例えば90度の角度を置いて円弧状欠切部15が設けられている。
【0033】
前記針状部材3は図2、図5〜7に示すように、前記嵌入溝11に嵌め入れられる台座片16の上面17で、前記取付け孔13を該基板2の下面側19から上面側9に向けて挿通して前記突条部10の頂面部12で突出し得る鳥除け針状片21の複数本(本実施例においては2本)が所要間隔を置いて突設されている。本実施例においては、2本の鳥除け針状片21,21が該上面17の両端部位で突設されている。該針状部材3は例えば射出成形によって形成される。
【0034】
該台座片16は、図7に示すように、前記嵌入溝11に略密接状態に嵌め入れられる。このように嵌め入れられた状態で、前記突条部10の側面部22は前記台座片16の側面23に当接乃至近接状態にあり、本実施例においては、該側面部22の下端縁25が前記側面23の下端縁26に近接した状態とされている。そして該台座片16の下面27は、前記基板2の下端面(前記幅部分7の下面)29から突出しない。本実施例においては、該下面27と該下端面29とは略面一状態にある。
【0035】
該台座片16は、所要の強度を確保しつつ樹脂量を削減するために、図2、図6〜7に示すように、その対向する側面23,23は、その周縁部分30,30で囲まれた内側の部分31,31が、内方に向けて中央部近傍まで凹むことによって、上下片部32,33の幅方向の中央部位相互が立壁部35で連結されており、横断面I字状を呈している。該台座片16の長さは例えば約60mmに設定されている。
【0036】
又前記鳥除け針状片21は、図2、図5に示すように、先端36に向かうにつれて先細に形成された横断面十字状を呈する針状に形成されている。その突出長さは、カラス等の鳥類が該鳥除け針状片21上に足を載せた際、足の一部分も、基板2の上面に到達できないように設定されるものであり、例えば50〜80mmと長く設定されている。本実施例においては、人が怪我をしないように、鳥除け針状片21の先端36を小球状に形成している。なお該鳥除け針状片21は、鳥類忌避作用を効果的に発揮する限り、先細の円錐針状等の各種の針状形態に構成してもよい。
【0037】
そして本実施例においては、図7(A)(B)に示すように、前記鳥除け針状片21の根元部分37に設けられている係合凹部(本実施例においては該根元部分37の周方向に連続する環状連結溝39a)39に、前記取付け孔13の内周縁部分(隣り合う前記円弧状欠切部15,15間の部分40a)40を嵌め入れることにより、前記台座片16は、図7(A)に示すように、前記頂面部12にのみ固定された状態となり前記突条部10の側面部22と前記台座片16の側面23とは非固定状態にある。
【0038】
図6は、前記針状部材3を前記基板2に後付けするに際して、前記鳥除け針状片21の先側部分21aを前記取付け孔13に、前記基板2の下面側19から挿通している状態を示している。図8(A)は、該鳥除け針状片21の前記根元部分37が前記取付け孔13に位置した状態を示しており、前記内周縁部分40の先端部分40aが前記根元部分37の外面38に押されて上向きに弾性的に屈曲している。その後図8(B)に示すように、前記内周縁部分40が前記係合凹部39に嵌め入れられる。
【0039】
このように台座片16が前記頂面部12に固定されることにより、前記針状部材3が前記基板2に固定状態に後付けされる。これによって、該頂面部12の上面41で鳥除け針状片21が突設された鳥除け具1(図1)が構成される。該鳥除け針状片21は、特許文献1におけるように、薄肉の基板2だけで保持されるのではなく、該基板2に固定された台座片16に立設されている。それ故、該基板2が薄肉で剛性が低いものではあっても、該鳥除け針状片21は該基板2に安定的に突設された状態となる。
【0040】
又、前記嵌入溝11に嵌入された状態にある前記台座片16は、本実施例においては前記頂面部12にのみ固定されていて、前記突条部10の側面部22と前記台座片16の側面23とが前記のように非固定状態にあることから、前記基板2が例えば図10に示すように湾曲状態に屈曲されたときや、図12に示すように筒状に屈曲されたときに、該側面部22が前記頂面部寄り部位42を中心として該側面23から離れるように開くことができる。このように変形のゆとりがあることから、前記基板2を、幅方向F2に稍引っ張られた状態で湾曲面等の被取付け面43に取り付ける場合、該基板2を屈曲させ易くなる。そして、このように側面部22が側面23から離れるように開いても、前記台座片16の上面17が前記頂面部12に安定的に固定されていることから、前記鳥除け針状片21の基板2からの突出状態の安定性は損なわれない。
【0041】
なお本実施例においては図1〜2、図4に示すように、前記突条部10の頂面部12の上面41に、光を乱反射させる凹凸部44が適宜設けられている。又、前記基板2の左右の側縁部分47,48には、その延長方向F1に所要間隔を置いて且つ左右対向状態で該延長方向F1に長い止着孔45,45が設けられている。又、前記基板2の前記幅部分7,7に、前記延長方向F1に所要間隔を置いて水抜き孔46が設けられている。
【0042】
又、本実施例においては図13に示すように、前記鳥除け具1を構成する前記基板2の2枚が、前記幅方向F2で見た左右の側縁部分47,48相互を重ね合わせて連結可能となされている。
【0043】
そして、前記基板2の長手方向の左右の側縁49,50は平行しており、左右の側縁部分47,48の夫々に、所要間隔を置いて(例えば225mmの間隔を置いて)連結突片51又は連結凹部52が設けられている。該連結突片51と該連結凹部52は前記幅方向F2で見て左右対向している。該連結突片51は、図14に示すように、前記側縁49,50を欠切状態にして形成した欠切凹部53の、該側縁49,50と平行する底辺55の長さ方向の中央部分に突設されている。該底辺55の長さ方向で見て、該連結突片51の突出方向で見た先端縁56の長さL3は、該連結突片51の基端部57の長さL4よりも稍長く形成されると共に、該連結突片51の突出方向で見た先端縁56は、前記側縁49,50の延長線上にある。
【0044】
又、前記連結凹部52の入口部59は稍窄まっており、該入口部59の幅L5は、前記先端縁56の長さL3よりも小さく形成されている。本実施例においては、該先端縁56の長さは約24mmに設定されると共に、該入口部59の幅L5は約16mmに設定されている。
【0045】
そして、かかる構成を有する基板2,2の縁部分47,48相互を図13に示すように重ね合わせると共に前記連結突片51の前記基端部57を前記連結凹部52に嵌め入れることによって、該縁部分47,48相互が外れ止めされる。
【0046】
前記鳥除け針状片21の突出長さは、前記のように例えば50〜80mmと長く形成されているため、例えば図9〜10に示すように鳥除け具1を被取付け面43に設置した状態で、カラス等の鳥類が該鳥除け針状片21上に足を載せた際、足の一部分も、基板2の上面に到達できない。そのため、飛来した鳥類が該鳥除け針状片21上に足を載せたときに足裏面や足の側面等に痛みを感じさせることができ、これによって鳥類を忌避できる。又、前記突条部10の頂面部12の上面41に設けられている前記凹凸部44(図1)が光を乱反射させることから、鳥類の忌避効果をより一層高めることができる。本実施例においては、前記基板2及び前記針状部材3が透明な合成樹脂を用いて形成されているため、鳥除け具1を目立たなくなし得て美観向上を期し得ると共に、該乱反射をより効果的に生じさせることができる。
【0047】
前記基板2は薄肉であって屈曲し易い利点はあるが剛性が低い。そこで、該基板2の剛性向上を図るために、該基板2を屈曲することによって該基板2の幅方向に所要間隔を置いて突条部10が並設されている。加えて、前記嵌入溝11に嵌め入れられた台座片16が該基板2の芯材としても機能するため、該基板2の剛性がより向上されている。
【0048】
かかることから、前記鳥除け具1を、前記薄肉の基板2を湾曲状態に乃至筒状に屈曲して使用する場合にあっても、前記鳥除け針状片21が安定状態で突設されることとなり、該鳥除け針状片21による鳥類忌避作用が効果的に発揮されることになる。
【0049】
前記構成を有する鳥除け具1は、例えば図9〜10に示すように、ベランダの手摺り61に、前記鳥除け針状片21を上側に向けて取り付けることができる。この際、前記基板2を、その下面6を内側にすると共に前記鳥除け針状片21を上方に向けて湾曲させ、これを該手摺り61の上面部62としての被取付け面43に被せ、湾曲した部分63の縁部分65,65相互を、前記止着孔45を挿通するインシュロックや紐等の結着材66で結着する。又前記鳥除け具1を、例えば図11〜12に示すように電線67に取り付けるに際しては、前記基板2を、前記鳥除け針状片21を外側に向けて該電線67に巻き、その筒状部分69の端縁部分70,70相互を、前記止着孔45を挿通するインシュロックや紐等の結着材66で連結する。図10、図12は、前記側面部22が、前記頂面部寄り部位42を中心として前記側面23から離れるように開いた状態を示している。
【0050】
前記鳥除け具1を電線67に巻回状態に取り付ける場合、筒状の鳥除け具1を電線67に密着状態に取り付けるのではなく、電線67よりも直径を大きくして筒状に屈曲させて取り付ければ、該筒状の鳥除け具1は図11(A)、図12(A)に矢印で示すように、正逆何れの方向にも回転可能となる。そして、鳥除け針状片21の一部のものは常に上方向に向くことになる。かかることから、鳥類が該鳥除け針状片21上に乗ろうとしたときに鳥除け具1は回転して不安定化するので、鳥類が該鳥除け具1上に乗ることができず、効果的に鳥類を忌避できることとなる。
【0051】
又、前記基板2は薄肉であるために、被取付け面43の形状や面積に合わせて基板2の形状や大きさを整えんとする際、基板2をナイフや鋏で所要形態に容易に切断できる。
【0052】
そして前記針状部材3は、図7に示すように、前記鳥除け針状片21を該基板2の下面側19から上面側9に向けて挿通させるものとし、前記台座片16を前記嵌入溝11に嵌入させる構成を採用している。従って、鳥類が前記鳥除け針状片21上に足を載せたときに、前記台座片16が傾いて該鳥除け針状片21が傾いたときには、該台座片16の傾きが、剛性を有する突条部10の側面部22の内面に該台座片16の側面23が押圧状態で当接することによって規制されるため、鳥除け針状片3の取り付け状態が安定した鳥除け具1を構成できることとなる。
【0053】
本発明は、前記針状部材3を基板2に後付けする構造であるので、基板2を手摺り61に取り付ける場合において、水平よりも下側に突出する鳥除け針状片21を省略する場合や、障害物と干渉する場所において鳥除け針状片21を省略する場合には、例えば図15に示すように前記針状部材3を基板2に取り付けないでおくことによって、容易に応じ得る。
【0054】
又、前記構成を有する鳥除け具1は、ベランダの手摺り壁の平坦な上面や、軒先の縁部分の平坦面等の被取付け面43に、前記基板2を平板状態にして設置し、該基板2を該被取付け面43に両面粘着テープ等を用いて接着することもできる。
【0055】
このように基板2を湾曲状態に乃至筒状に屈曲させて使用したり、基板2を平板状態にして設置する際に、基板2,2相互を、図13に示すように、その側縁部分47,48相互を重ね合わせ且つ、前記連結突片51と前記連結凹部52とを係合させて連結すれば、鳥除け具1を、用途に応じ幅広状態で使用できる。このように連結されたものを、前記下面6を内側にして前記幅方向F2の部分5を湾曲状態にし乃至筒状に屈曲させることもできる。
【実施例2】
【0056】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0057】
(1) 図16、図17、図18〜19、図20〜21、図22、図23は鳥除け具1の他の態様を示すものであり、これらの各図においては、嵌入溝11に嵌入された状態にある台座片16は、頂面部12にのみ取り付けられており、突条部10の側面部22と台座片16の側面23とは非固定状態にあって、基板2が湾曲状態に乃至筒状に屈曲されたときに、側面部22が頂面部寄り部位42を中心として該側面23から離れるように開き得る。
【0058】
図16に示す鳥除け具1においては、前記と同様構成の鳥除け針状片21と前記台座片16とが別体に形成されている。該鳥除け針状片21の下端面部71と該台座片16の上面17との間で前記頂面部12を挾持した状態で、該鳥除け針状片21の該下端面部71で下方向に突設された軸部72が前記取付け孔13に下方向に挿通せしめられると共に、該軸部72が前記台座片16の上面17に設けられた凹部(有底凹部又は貫通孔として構成される)73に圧入されることによって、或いは該軸部72が該凹部73に挿入され且つ接着されること等によって、前記鳥除け針状片21は、前記台座片16の上面17で、前記取付け孔13を挿通した状態で、前記頂面部12の上方に突出状態となる如く突設される。
【0059】
(2) 図17に示す鳥除け具1においては、前記と同様構成の鳥除け針状片21と前記台座片16とが別体に形成されている。該鳥除け針状片21の下端面部71と該台座片16の上面17との間で前記頂面部12を挾持した状態で、該台座片16の上面17で上方向に突設された軸部75が、前記取付け孔13に上方向に挿通せしめられると共に、該軸部75が前記鳥除け針状片21の下端面部71に設けられた凹部(有底凹部又は貫通孔として構成される)76に圧入されることによって、或いは該軸部75が該凹部76に挿入され且つ接着されること等によって、前記鳥除け針状片21は、前記台座片16の上面17で、前記取付け孔13を挿通した状態で、前記頂面部12の上方に突出状態となる如く突設される。
【0060】
(3) 図18〜19に示す鳥除け具1においては、前記針状部材3は、前記台座片16の上面17で、前記と同様構成の鳥除け針状片21が突設されており、該鳥除け針状片21が前記取付け孔13を前記基板2の下面側19から上面側9に向けて挿通せしめられている。そして、該鳥除け針状片21の根元部分37であって前記頂面部12の上面41に近接して設けられた係合溝部77に、U字状係合片79が装着されている。該U字状係合片79の対向する係合片部80,80が該係合溝部77を対向側から弾性的に挾持することによって、前記針状部材3が前記頂面部12に取り付けられた状態となる。
【0061】
(4) 図20〜21に示す鳥除け具1においては、前記針状部材3は、前記台座片16の上面17で、前記と同様構成の鳥除け針状片21が突設されており、該鳥除け針状片21が前記取付け孔13を前記基板2の下面側19から上面側9に向けて挿通せしめられている。そして、該鳥除け針状片21の根元部分37であって前記頂面部12の上面41に近接して設けられた係合孔部81に係合軸部82が挿通されて固定されている。そして、該係合軸部82と前記台座片16との間で前記頂面部12が挾まれることによって前記針状部材3が前記頂面部12に取り付けられた状態となる。
【0062】
(5) 図22、図23に示す鳥除け具1においては、前記鳥除け針状片21が上面17で突設される前記台座片16を、前記突条部10の頂面部12に設けた前記取付け孔13に取り付ける他の態様を示すものである。該台座片16の上面17には、前記突条部10の前記頂面部12に設けられた取付け孔13の内周縁部分40を嵌め入れる係合凹部39が設けられている。そして、前記嵌入溝11に嵌入された状態にある前記台座片16は、前記内周縁部分40が前記係合凹部39に嵌め入れられることによって前記頂面部12にのみ取り付けられている。
このように取り付けられた台座片16の上面17で前記鳥除け針状片21を突設するには、例えば図22(B)に示すように、該鳥除け針状片21の下端面部71に突設した軸部72を前記台座片16の上面17に設けた凹部(有底凹部又は貫通孔として構成される)73に圧入することによって、或いは、該軸部72を該凹部73に挿入し且つ接着する等によって行うことができる。又例えば図23(B)に示すように、前記台座片16の上面17で突設した軸部75を、前記鳥除け針状片21の下端面部71に設けた凹部(有底凹部又は貫通孔として構成される)76に圧入することによって、或いは該軸部75を該凹部76に挿入し且つ接着する等によって行うことができる。
【0063】
(6) 前記突条部10は複数条設けられるものであり、前記基板2の幅方向に2列設けられたり、4列や5列設けられることもある。
【0064】
(7) 図24は、前記台座片16の上面17で3本の鳥除け針状片21,21,21を等間隔で突設した状態を示しており、夫々の鳥除け針状片21は、前記頂面部12に設けられている3個の取付け孔13,13,13の対応のものに挿通される。前記台座片16の上面17には、必要に応じ、4本以上の鳥除け針状片21が突設されることもある。
【0065】
(8) 前記被取付け面43に対する鳥除け具1の取り付けに支障がない限り、前記台座片16の下面27が前記基板2の下面6から若干突出したり或いは該下面6から稍浮き上がった状態となることもある。
【0066】
(9) 該嵌入溝11への前記台座片16の嵌め入れを容易化するために、該嵌入溝11は、図7に示すような台形状を呈する溝や図25に示すようなU字状を呈する溝として構成するのがよいが、これらには限られない。
【0067】
(10)前記鳥除け針状片21の根元部分37に設けられる前記係合凹部39は、前記のように周方向に連続して設けられることの他、途切れ部を介して周方向に複数に分割された状態で設けられることもある。
【0068】
(11)前記突条部10の側面部22と前記台座片16の側面23とが固定状態とされることもある。
【0069】
(12)前記縁部分47,48の夫々に、前記連結突片51のみが、或いは前記連結凹部52のみが、所要間隔を置いて設けられると共に、該連結突片51と該連結凹部52が左右対向状態とされることもある。
【0070】
(13)前記基板や前記針状部材の材料は限定されず、鉄板やアルミ板等の金属製等であってもよい。該基板が特に合成樹脂製である場合、該基板は、前記真空成形による他、プレス成形等で形成されることもある。
【符号の説明】
【0071】
1 鳥除け具
2 基板
3 針状部材
5 幅方向の部分
6 下面
7 幅部分
9 上面側
10 突条部
11 嵌入溝
12 頂面部
13 取付け孔
15 円弧状欠切部
16 台座片
17 上面
19 下面側
21 鳥除け針状片
22 側面部
23 側面
27 下面
39 係合凹部
40 内周縁部分
41 上面
42 頂面部寄り部位
43 被取付け面
44 凹凸部
47 側縁部分
48 側縁部分
51 連結突片
52 連結凹部
53 欠切凹部
59 入口部
61 手摺り
67 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延長し且つ、該延長方向と直交する幅方向の部分を、その下面を内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることのできる薄肉の基板と、該基板に後付けされる針状部材とを具えていて、被取付け部に取り付けられる鳥除け具であって、
前記基板は、前記幅方向に所要間隔を置いて、前記延長方向に連続して延び且つ該基板の上面側に突出する突条部が該基板を屈曲して設けられており、該基板は、隣り合う突条部間で屈曲でき、
該突条部は、前記基板の下面で開放され且つ該基板の上面に向けて凹む嵌入溝を有しており、該突条部の頂面部には、前記延長方向に所要間隔を置いて取付け孔が設けられており、
前記針状部材は、前記嵌入溝に嵌入される台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となり得る鳥除け針状片の複数本が所要間隔を置いて突設される如くなされており、
前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記頂面部に取り付けられていることを特徴とする鳥除け具。
【請求項2】
前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記頂面部にのみ取り付けられており、前記突条部の側面部と前記台座片の側面とは非固定状態にあって、前記基板が湾曲状態に乃至筒状に屈曲されたときに、該側面部が前記頂面部寄り部位を中心として該側面から離れるように開き得ることを特徴とする請求項1記載の鳥除け具。
【請求項3】
一方向に延長し且つ、該延長方向と直交する幅方向の部分を、その下面を内側にして湾曲状態に乃至筒状に屈曲させることのできる薄肉の基板と、該基板に後付けされる針状部材とを具えていて、被取付け部に取り付けられる鳥除け具であって、
前記基板は、前記幅方向に所要間隔を置いて、前記延長方向に連続して延び且つ該基板の上面側に突出する突条部が該基板を屈曲して設けられており、該基板は、隣り合う突条部間で屈曲でき、
該突条部は、前記基板の下面で開放され且つ該基板の上面に向けて凹む嵌入溝を有しており、該突条部の頂面部には、前記延長方向に所要間隔を置いて取付け孔が設けられており、
前記針状部材は、前記嵌入溝に嵌入される台座片の上面で、前記取付け孔を該基板の下面側から上面側に向けて挿通して該頂面部の上方に突出状態となり得る鳥除け針状片の複数本が所要間隔を置いて突設されており、該鳥除け針状片の根元部分には、前記取付け孔の内周縁部分を嵌め入れる係合凹部が設けられており、
前記嵌入溝に嵌入された状態にある前記台座片は、前記内周縁部分が前記係合凹部に嵌め入れられることによって前記頂面部にのみ取り付けられており、前記突条部の側面部と前記台座片の側面とは非固定状態にあって、前記基板が湾曲状態に乃至筒状に屈曲されたときに、該側面部が前記頂面部寄り部位を中心として該側面から離れるように開き得ることを特徴とする鳥除け具。
【請求項4】
前記鳥除け針状片は前記台座片とは別体であり、該鳥除け針状片の下端面部と該台座片の上面との間で前記頂面部を挾持した状態で、該鳥除け針状片の該下端面部で下方向に突設された軸部が前記取付け孔に下方向に挿通せしめられると共に、該軸部が前記台座片の上面に設けられた凹部に圧入されることによって、或いは該軸部が該凹部に挿入され且つ接着されることによって、前記鳥除け針状片は、前記台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となる如く突設されることを特徴とする請求項1記載の鳥除け具。
【請求項5】
前記鳥除け針状片は前記台座片とは別体であり、該鳥除け針状片の下端面部と該台座片の上面との間で前記頂面部を挾持した状態で、該台座片の上面で上方向に突設された軸部が、前記取付け孔に上方向に挿通せしめられると共に、該軸部が前記鳥除け針状片の下端面部に設けられた凹部に圧入されることによって、或いは該軸部が該凹部に挿入され且つ接着されることによって、前記鳥除け針状片は、前記台座片の上面で、前記頂面部の上方に突出状態となる如く突設されることを特徴とする請求項1記載の鳥除け具。
【請求項6】
前記突条部は、前記基板の下面で開放されると共に前記基板の上面に向けて溝幅が小さくなるように凹む台形状を呈し、乃至U字状を呈する前記嵌入溝を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の鳥除け具。
【請求項7】
前記基板は、合成樹脂製のシート材を真空成形して形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の鳥除け具。
【請求項8】
前記突条部の上面には、光を乱反射させる凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の鳥除け具。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の鳥除け具を構成する前記基板の2枚が、前記幅方向で見た左右の側縁部分相互を重ね合わせて連結可能となされており、該左右の側縁部分の夫々には、その長さ方向に所要間隔を置いて連結突片又は連結凹部が設けられており、該連結突片と該連結凹部は前記幅方向で見て対向しており、該連結突片は、前記側縁部分の側縁で開放するように欠切状態に形成した欠切凹部の、該側縁と平行する底辺の長さ方向の中央部分に突設されており、該底辺の長さ方向で見て、該連結突片の突出方向で見た先端縁の長さは該連結突片の基端部の長さよりも長く形成されると共に、該連結突片の突出方向で見た先端縁は、前記側縁の延長線上にあり、又前記連結凹部は、前記側縁部分の側縁を欠切状態にして形成され、該連結凹部の入口部は窄まっており、該入口部の幅は前記先端縁の長さよりも小さく形成されており、連結されるべき前記基板の側縁部分相互を重ね合わせると共に前記連結突片の前記基端部を前記連結凹部に嵌め入れることによって、該側縁部分相互が外れ止めされることを特徴とする鳥除け具。
【請求項10】
前記基板と前記針状部材は、透明な合成樹脂を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の鳥除け具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−99310(P2013−99310A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8247(P2012−8247)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】