説明

鶏用飼料、機能性鶏卵及び強健鶏

【課題】本発明は、海苔及び海苔由来水不溶性画分に新たな価値を見いだすことを主な課題とする。
【解決手段】本発明は、主に、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含有する鶏用飼料、該鶏用飼料により飼育された鶏により産卵され且つ卵黄中のカロテノイド類及び/又はヨウ素の含有量が高められた機能性鶏卵、該鶏用飼料により飼育され且つ細胞性免疫及び/又は自然免疫が高められた強健鶏を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔又は海苔由来水不溶性画分を含有する鶏用飼料、該飼料により飼育された鶏、並びに、該鶏により産卵された鶏卵に主に関する。本願発明は、前記飼料の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、養鶏の分野では添加物や未利用資源を採卵鶏に給与することで、それらに含まれる成分を鶏卵へ移行させ、鶏卵に新たな性質又は機能を付加し高品質な鶏卵を生産するといった取り組みが行われている。また、国内外における高病原性鳥インフルエンザ等の発生に伴い、その影響が採卵鶏ばかりでなく人間にまで及ぶ可能性があるとして疾病に強い鶏の開発が望まれている。
【0003】
一方、佐賀県の特産である海苔は、ここ数年海域環境の変化に伴う病害や色落ち等によりその品質が低下している。商品価値のない海苔は、大量に廃棄されている。また、ノリに含まれる有用成分である細胞間多糖ポルフィラン(porphyran;POR)を抽出するときに必然的に生じる水不溶性画分も大量に廃棄されている。このような廃棄海苔及び海苔由来水不溶性画分に新たな価値を見いだし、有効利用することが急務となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、廃棄海苔及び海苔由来水不溶性画分に新たな価値を見いだすことを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者らは、海苔及び海苔由来水不溶性画分を鶏の飼料に添加することにより、鶏卵の卵黄中のカロテノイド類の含有量が高まることを見いだした。さらに、官能試験等により鶏卵の食感、見た目及び総合評価等が良くなり、食品の品質が向上することも見いだした。すなわち、本発明者らは、海苔及び海苔由来水不溶性画分を鶏の飼料に添加することにより、卵の栄養価及び品質の両方が改善され、食品としての価値が総合的に高まることを見いだした。また、鶏においては、細胞性免疫及び自然免疫が有意に高まることも見いだした。本願発明は、かかる知見に基づき完成されたものである。
【0006】
即ち、本願発明は以下の事項に関する。
〔項1〕海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含有する、鶏用飼料。
〔項2〕海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を0.5〜10.0重量%含有する、鶏用飼料。
〔項3〕海苔及び海苔由来水不溶性画分を含有し、海苔と海苔由来水不溶性画分の比率(重量)が、海苔:海苔由来水不溶性画分=1:0.05〜20である、項1又は2に記載の鶏用飼料。
〔項4〕穀物類、豆類、イモ類、野菜、果物、肉及び魚介からなる群より選択される少なくとも1種又はそれを含む飼料に、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を添加する工程を包含する、鶏用飼料の製造方法。
〔項5〕前記工程において、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分の添加量が0.5〜10.0重量%である、項4に記載の製造方法。
〔項6〕項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育された鶏により産卵され、且つ、卵黄中のカロテノイド類及び/又はヨウ素の含有量が高められた機能性鶏卵。
〔項7〕項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、細胞性免疫及び/又は自然免疫が高められた、強健鶏。
〔項8〕項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、白血球の自然免疫が高められた、強健鶏。
〔項9〕項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、サルモネラ死菌に対する自然免疫応答が高められた、強健鶏。
【0007】
海苔は、柔軟粘滑な紅藻類・藍藻類・緑藻類の総称であり、通常は、海又は川水中の岩石、貝殻、海苔網(網ヒビ)等の基体上に着生し、苔こけ状をなすことで知られている。本発明では、あらゆる種類の海苔を用いることができる。緑藻類としては、例えばアオサ目、アオサ科のUlva pertusa(アナアオサ)、Ulva arasakii(ナガアオサ)を用いることができる。本発明では、原料の確保の点から、紅藻類を用いるのが望ましい。紅藻類としては、例えば、Porphyridium(チノリモ)属、Bangia(ウシケノリ)属、Porphyra(アマノリ)属、Acanthopeltis(ユイキリ)属、Gelidiella(シマテングサ)属及びGelidium(テングサ)属からなる群より選択される少なくとも1種又はその亜種を用いることができるが、これらに限定されない。アマノリ属藻類としては、例えば、Porphyra yezoensis(スサビノリ)、Porphyra tenera(アサクサノリ)、Porphyra pseudolinearis(ウップルイノリ)、Porphyra haitanensiss(壇紫菜)を用いることがよりこのましいがこれらに限定されない。養殖海苔の代表例としては、ミノミアサクサノリ、テラズアサクサノリ、ユノウラアサクサノリ、オオバアサクサノリ、ノマ1号、フクオカ1号、ナラワ、ホソバなどが知られており、これらも本発明で好適に用いることができる。海苔は、廃棄物利用の観点から、海苔製品としての商品価値が低い色落ち海苔、下等海苔等であることが望ましい。
【0008】
海苔由来水不溶性画分とは、海苔から得られる水不溶性成分を含む画分を意味する。
【0009】
海苔由来水不溶性画分としては、例えば、上記海苔を水又は熱水に懸濁させたものを固液分離して得られた水不溶性画分を用いることができるが、これらに限定されない。固液分離の方法としては、フィルタープレス、遠心分離等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
海苔由来水不溶性画分の具体例としては、海苔からポルフィラン(porphyran;POR)を抽出するときに副次的に得られる水不溶性画分(以下、海苔ポルフィラン抽出残渣とも称する)が挙げられる。このような海苔ポルフィラン抽出残渣は、例えば、特開2005−120193に記載の方法(具体的には、海苔のポルフィラン抽出液を遠心脱水装置によって脱水し、固液分離した後、得られた固体を回収する方法)に従って調製することができるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明の鶏用飼料は、上記海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を例えば0.5〜10.0重量%程度、好ましくは0.8〜8.0重量%程度、より好ましくは1.0〜5.0重量%程度、さらにより好ましくは1.2〜3.0重量%程度の範囲で含有する。ここで、本書において、特別な記載がない限り、海苔又は海苔由来水不溶性画分の重量は、乾燥重量である。この範囲であれば、鶏卵の食感、見た目、総合評価等の品質に優れ、且つ、卵黄中のカロテノイド類及び/又はヨウ素の含有量が高められた鶏卵を得るのに効果的である。
【0012】
本発明の鶏用飼料は、1つの実施形態において、海苔のみ又は海苔由来水不溶性画分のみを含有する。
【0013】
本発明の鶏用飼料は、別の実施形態において、海苔と海苔由来水不溶性画分の両方を含有する。この場合の海苔と海苔由来水不溶性画分の比率(重量)は、海苔:海苔由来水不溶性画分=1:0.05〜20程度、好ましくは1:0.2〜5程度、より好ましくは1:0.5〜2程度、さらに好ましくは1:0.7〜1.5程度である。この範囲で海苔及び海苔由来水不溶性画分を含む鶏用飼料により飼育された鶏により産卵された卵は、食感、見た目、色の濃さ、美味しさ、総合評価のいずれにおいても優れている上に、卵黄中にカロテノイド類及び/又はヨウ素も豊富に含んでおり、卵として総合的に優れている。このように海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を飼料に混合することにより、卵の品質及び栄養価の両方が改善され、総合的な価値が高まることは、今まで知られていなかった。
【0014】
本発明の鶏用飼料は、通常、海苔及び海苔ポルフィラン抽出残渣の他に、鶏の生命、健康維持等に要求される栄養源となる食物又は成分を含む。かかる食物又は成分としては、トウモロコシ、モロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、ハトムギ、マイロ、ソバ、イネ等の穀類;ダイズ、アズキ、エンドウマメ、ソラマメ、インゲンマメ、アルファルファ、ラッカセイ、クルミ、アーモンド、ケシ等の豆類;サツマイモ、ジャガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ナガイモ、キャッサバ、タロイモ等のイモ類;ニンジン、ダイコン、カブ、レンコン、ゴボウ、タマネギ、ネギ、セロリ、ニラ、シュンギク、チンゲンサイ、ハクサイ、コマツナ、ホウレンソウ、ミズナ、レタス、キャベツ、ブロッコリー、アスパラガス、カリフラワー、ピーマン、キュウリ、ウリ、スイカ、カボチャ、トマト、ナス等の野菜;オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ブドウ、モモ、スモモ、リンゴ、ナシ、カキ、パイナップル、キウイ等の果実;牛肉、豚肉、鶏肉、羊/山羊肉、鴨肉等の肉又はその肉骨粉;エビ、イカ、タコ、アサリ、シジミ、アジ、イワシ、カツオ、カレイ、サケ、サバ、サワラ、サンマ、シシャモ、タラ、ブリ、マグロ、クラゲ、シャコ、ナマコ、ホヤ等の魚介又はその肉骨粉(魚粉)、並びに、そのエキス、抽出物、精製成分等からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0015】
本願の鶏用飼料には、添加物として、カルシウム源、ナトリウム源、マグネシウム源、リン源、鉄源、銅源、マンガン源、亜鉛源、無水ケイ酸等のミネラル源;ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ニコチン酸、ビオチン、コリン等のビタミン類、リジン、メチオニン、トレオニン、ベタイン等のアミノ酸;牛油、豚油等の油脂;麦糠、米糠、大豆油粕、菜種油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕、コーングルテンフィード等の糠又は粕;オリゴ糖、糖蜜、ブドウ等、デキストラン発酵副産濃縮液等の糖類;パプリカ抽出処理物等の色素等が添加されてもよい。
【0016】
飼料の形状は、粉末、顆粒、タブレット等の給餌が容易であり且つ鶏が摂取しやすい形状が望ましいが、これら以外の形状であってもよい。
【0017】
本発明の鶏用飼料は、市販の鶏用飼料に海苔及び海苔由来水不溶性画分を配合したものであってもよい。市販の鶏用飼料は、鶏の生命、健康維持等に要求される栄養源となる前述の食物又は成分を含む。市販の鶏用飼料としては、大雛期(71〜140日齢)については、九州昭和産業株式会社の「マルニ印配合飼料大すう用EXY」、日清丸紅飼料株式会社の「ノーサン印大すう育成用配合飼料 大雛用」等、成鶏期(141日齢以降)については、九州昭和産業株式会社の「マルニ印配合飼料成鶏用EX18」、日清丸紅飼料株式会社の「ノーサン印成鶏飼育用配合飼料」等を好適に用いることができるが、これらに限定されない。
【0018】
本発明の鶏用飼料は、産卵鶏と肉用鶏の両方の飼育に適している。本発明の鶏用飼料は、鶏の細胞性免疫及び/又は自然免疫を高める点において、産卵鶏と肉用鶏の両方の強健化に好適である。本発明の鶏用飼料は、鶏卵中のカロテノイドの含有量及び品質を高めることができる点において、産卵鶏の飼育に用いることが有益である。
【0019】
代表的な産卵鶏としては、白色レグホーン、アロウカナ、ロードアイランドレッド、白色プリマスロック、鳥骨鶏、横斑プリマスロック、又はその改良品種が知られている。代表的な肉用鶏としては、シャモ、比内鳥、名古屋コーチン、ロードアイランドレッド、白色プリマスロック、鳥骨鶏、白色コーニッシュ、ニューハンプシャー又はその改良品種等が知られている。本発明の鶏用飼料を給餌する鶏の種類、性別、日齢等は限定されない。
【0020】
本発明は、上記鶏用飼料の製造方法も提供する。具体的に、本発明は、鶏の生命及び健康維持に要求される栄養源となる前述の食物又は成分(例えば、前述の穀物類、豆類、イモ類、野菜、果物、肉、魚介及び油脂類からなる群より選択される少なくとも1種)又はそれを原料として含む飼料に、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を添加する工程を包含する鶏用飼料の製造方法も提供する。ここで、前記工程において、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分の添加量は、例えば0.5〜10.0重量%、好ましくは0.8〜8.0重量%、より好ましくは1.0〜5.0重量%、さらにより好ましくは1.2〜3.0重量%の範囲である。前記工程の後、通常十分な混合を行い、常法に従って所望の形状に成形する。形状については、前述の通りである。
【0021】
海苔と海苔由来水不溶性画分の両方を添加する場合の海苔と海苔由来水不溶性画分の比率(重量)は、海苔:海苔由来水不溶性画分=1:0.05〜20程度、好ましくは1:0.2〜5程度、より好ましくは1:0.5〜2程度、さらに好ましくは1:0.7〜1.5程度である。
【0022】
本発明は、本発明の鶏用飼料により飼育された鶏により産卵され、且つ、卵黄中のカロテノイド類及び/又はヨウ素の含有量が高められた機能性鶏卵も提供する。本発明の機能性鶏卵は、対照卵の例えば約1.2倍以上、好ましくは約1.5倍以上、より好ましくは約2倍以上、さらに好ましくは約3倍以上のカロテノイド類を含有し得る(ここで、対照卵とは、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含まないこと以外は本発明の鶏用飼料と同じ成分の飼料により飼育された鶏により産卵された卵を意味する)。
【0023】
カロテノイド類(carotenoids)は、動植物界に広く分布する黄、橙、赤、紫系の色素であり、長い鎖状の共役2重結合系からなるポリエン構造をもつ。カロテノイドの多くは、C40の炭素組成をもち、窒素を含まない。酸素を含まない炭化水素などと、酸素を含むアルコール類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類などがある。カロテノイド類の作用としては、ビタミンAの生成、細胞の可視光線からの保護、制癌作用等といった種々の作用が知られている。
【0024】
本発明において、かかるカロテノイド類としては、海苔に含まれるカロテノイドである限りにおいて限定されないが、例えば、β−カロテン、α−カロテン、γ−カロテン等の炭化水素;ゼアキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン等のアルコール類(キサントフィルと総称される)を挙げることができる。
【0025】
ヨウ素の作用としては、甲状腺機能の改善効果、活性酸素消去能等の種々の作用が知られている。
【0026】
本発明の機能性鶏卵は、対照卵よりも栄養価及び品質において有意に優れており、機能性食品としての総合的な価値が高い。
【0027】
本発明は、本発明の鶏用飼料により飼育され、且つ、細胞性免疫及び/又は自然免疫が高められた強健鶏も提供する。本発明の強健鶏は、本発明の飼料を常法に従って給餌することにより得ることができる。
【0028】
鶏の免疫には、一般的に、自然免疫と獲得免疫と呼ばれる二重の防御機構がある。
【0029】
鶏の自然免疫では、病原菌などの抗原が体内に侵入すると、まず、皮膚や粘膜あるいは粘膜中のリゾチームなどが第一の防衛線となる。もし、この防衛線が破られた場合、体液中に含まれる補体が働く。補体は、抗体が認識した抗原を壊して排除する働きがある。次に、顆粒球やマクロファージなどの食細胞などが抗原を取り込んで分解したり、NK細胞が作用したりする一連の反応が起こる。
【0030】
一方、鶏の獲得免疫は、自然免疫での防御を免れた抗原に対して細胞性免疫と体液性免疫の両方が作用する。一般的に、ウイルスの侵入に対しては細胞性免疫が、細菌の侵入には体液性免疫が関わることが多いといわれている。
【0031】
鶏の細胞性免疫は、リンパ球の1つであるT細胞を主体とした反応で、ウイルスに感染した細胞やガン細胞あるいはサルモネラや原虫などの細胞内に寄生する微生物などを、T細胞が直接的または間接的に排除する免疫である。T細胞は、この他にB細胞に抗体を作らせる指令を出すなど重要な働きを担っている。
【0032】
鶏の血球は、赤血球、白血球及び栓球に大別され、白血球はさらにリンパ球、顆粒球及び単球に分けられる。リンパ球は白血球の大半を占め、T細胞とB細胞(B細胞から作られる抗体はIgM、IgG、IgAであり、哺乳類と違いIgE、IgDは作ることができない)があり、それぞれ細胞性免疫と体液性免疫において重要な役割を果たしている。単球は、血管の壁を通過して組織へ移動することができ、組織内ではマクロファージと呼ばれる。単球やマクロファージは強い食作用をもっている。
【0033】
鶏の免疫に関わる臓器としては、骨髄、胸腺、ファブリキウス嚢、脾臓、リンパ節(小節)等があり、ファブリキウス嚢は哺乳類では見つかっていない。骨髄はリンパ球をはじめとする白血球や赤血球などを作る細胞の元である造血幹細胞が作られている。胸腺は骨髄で作られた未熟な細胞のT細胞への成熟に関与し、ファブリキウス嚢は骨髄で作られた未熟な細胞のB細胞への分化と増殖に関わっている。脾臓はT細胞とB細胞の貯蔵するのと同時に感染防御器官として重要な役割を担っている。
【0034】
本発明の強健鶏は、細胞性免疫及び/又は自然免疫が高められており、例えば、以下の特徴を有する:
(1)抗原で刺激された場合、単球又はマクロファージが、高められた一酸化窒素(NO)生産能を示す。例えば、サルモネラ死菌で刺激した場合、対照鶏の約1.2倍以上、好ましくは約1.5倍以上、より好ましくは約2倍以上のNO生産量を示す(ここで、対照鶏とは、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含まないこと以外は本発明の鶏用飼料と同じ成分の飼料により飼育された鶏を意味する);
(2)遅延型過敏反応において、高い活性を示す。例えば、ヒューマンγグロブリンを前感作し鶏体内に抗体ができてから、左右の肉垂を用いて本感作による刺激をした場合、抗原接種後8時間経過時には対照鶏の約2倍以上、好ましくは約2.5倍以上、より好ましくは約3倍以上の左右肉垂の腫長差があり、リンパ球、顆粒球、単球が局所へ誘引される。
【0035】
なお、本書に記載されるNO産生能は、自然免疫の強さを表す指標であり、例えば、単球・マクロファージが異物に対して放出するNOの生成量により数値で表すことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含有する鶏用飼料、該飼料により飼育された鶏、並びに、該鶏により産卵された鶏卵を提供する。本発明は、鶏用飼料の製造方法も提供する。
【0037】
本発明の鶏用飼料により飼育された鶏により産卵された卵は、食感、見た目、色の濃さ、美味しさ、総合評価においても優れている上に、卵黄中にカロテノイド類及び/又はヨウ素も豊富に含んでおり、機能性食品として総合的に優れている。即ち、本発明の鶏用飼料は、かかる機能性鶏卵を産卵する鶏の飼育に非常に有用である。
【0038】
本発明の鶏用飼料により飼育された鶏は、高められた細胞性免疫及び/又は自然免疫を有し、疾病に対する強い抵抗力をもつ。それゆえ、本発明の鶏用飼料により飼育された鶏は、鳥インフルエンザ等のウイルスによって起こる急性伝染病、細菌、寄生虫等を感染及び/又は発病しにくいと考えられる。即ち、本発明の鶏用飼料は、かかる強健鶏の飼育や、鶏の疾病の感染及び/又は発病の防止に効果的である。
【0039】
本発明の鶏用飼料は、海苔が下等海苔、色落ち海苔等の廃棄海苔である場合、廃棄物利用の観点からも非常に有益である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施例を示すが、該実施例は、本発明をより容易に理解するための例示であって、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0041】
71日齢の白色レグホーン種(ジュリア)30羽を1区とし2反復設け、対照区の鶏には大雛飼料「粗タンパク:15.0%以上、代謝エネルギー2,800kcal/kg以上」(海苔及び海苔由来水不溶性分画のいずれも含まない市販飼料)、試験1区の鶏には前記大雛飼料に乾燥重量で海苔を1.5%添加した飼料、試験2区の鶏には前記大雛飼料に乾燥重量で海苔を0.75%と海苔由来水不溶性画分0.75%を添加した飼料を給与し、112日齢よりは開放鶏舎にて1ケージにつき1羽飼いでニップル給水、不断給餌とし、141日齢以降は大雛飼料を成鶏用飼料「粗タンパク17.0%以上、代謝エネルギー2,850kcal/kg以上」に代えて上記に示す同様な配合で給与した。なお、海苔由来水不溶性画分としては、株式会社戸上電機製作所より供与された海苔ポルフィラン抽出残渣が使用された。海苔ポルフィラン抽出残渣は、海苔のポルフィラン抽出液を遠心脱水装置によって脱水し、固液分離した後、ドラムドライヤーにて乾燥し、得られた固体を回収することにより製造された。詳細については、本書においてその全体が援用される特開2005−120193公報を参照することができる。
【0042】
また、海苔及び海苔由来水不溶性画分を飼料に混合する際は5.0mm以下の粉砕片とした。成鶏用飼料及び海苔、海苔由来水不溶性画分の機能性成分(β−カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、ヨウ素)の分析値を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1に示されるように、海苔には、成鶏用飼料の約34倍のβ−カロテン、約38倍のルテイン、約13倍のゼアキサンチンが含まれていた。また、海苔由来水不溶性画分には、海苔ほどではないが、成鶏用飼料の約12倍のβ−カロテンが含まれていた。
【0045】
表2に産卵中期(309〜448日齢)までの140日間の産卵成績を示す。ヘンデー産卵率は(期間中の鶏群の総産卵個数/期間中の延べ羽数)×100、平均卵重は期間内生産重量/期間内生産個数、産卵日量はヘンデー産卵率/100×平均卵重で算出した。飼料消費量は28日毎に消費量を測定し140日間の1日1羽当たりの平均飼料消費量を算出した。また、飼料要求率は期間中総飼料消費量/期間中総産卵重量より算出した。
【0046】
海苔や海苔由来水不溶性画分を添加した本発明の飼料を給与することで、ヘンデー産卵率が向上した。試験1〜2区の鶏の飼料に対する嗜好性は、対照区と比べて問題なかった。また、1日1羽あたりの飼料消費量が対照区に比べ少なく、飼料要求率に改善が観られ消費飼料当たりの産卵効率が向上した。
【0047】
【表2】

【0048】
産卵前期(239日齢)、産卵中期(351日齢)における卵殻強度を示す。尚、サンプルに用いた鶏卵は、調査日の前日に各区10個を無作為に選出したものを用いた。卵殻強度は富士平工業株式会社製の卵殻強度計を用いた。
【0049】
試験区1及び試験区2の両方において、対照区より有意に高い又は対照区に相当する卵殻強度を有することが確認された。
【実施例2】
【0050】
鶏卵の成分分析
鶏卵の成分分析については、産卵前期(169〜308日齢)、産卵中期(309〜448日齢)に産卵されたものについて分析し、サンプルは各試験区から無作為に選出した鶏卵4個を脱殻し、卵黄のみを取り出して混合した検体について、卵黄中のカロテノイド類(β−カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン)およびヨウ素の含有量を分析した。
【0051】
卵黄中のβ−カロテン含有量を表3に示す。β−カロテン含有量は、対照区よりも試験区1の方が3.3倍(産卵前期)、3.9倍(産卵中期)も多いことが明らかになった。つまり、産卵時期にかかわらず、海苔を1.5%添加することにより高濃度β−カロテン含有卵の生産が可能となった。また、試験区2でも、対照区に対して約2倍多くなり、海苔0.75%及び海苔由来水不溶性画分0.75%の添加も卵黄中のβ−カロテン量を高めるのに有効であることが分かった。
【0052】
【表3】

【0053】
卵黄中のルテイン含有量を表4に示す。ルテイン含有量は、対照区よりも試験区1の方が、産卵時期にかかわらず、有意に多く含まれていることが明らかになった。また、試験区2でも、対照区に対してルテイン含有量が高まった。つまり、海苔及び海苔由来水不溶性画分の添加により、卵黄中のルテイン含有量が高まることが明らかになった。
【0054】
【表4】

【0055】
卵黄中のゼアキサンチン含有量を表5に示す。色落ち海苔を1.5%添加することで、試験区1〜2のゼアキサンチン含有量が、対照区よりも増加することが明らかになった。
【0056】
【表5】

【0057】
卵黄中のヨウ素含有量を表6に示す。産卵前期には、対照区ではヨウ素は全く検出されなかったが、試験区1〜2では0.07〜0.11mg/100gのヨウ素を含んでいることが明らかになった。また、対照区と試験区1〜2との間に有意差も認められた。産卵中期でも、対照区に比べ試験区1〜2にヨウ素が多く含まれることが明らかになった。特に、試験区2でヨウ素含量が最も多くなった。この結果から、海苔に海苔由来水不溶性画分をバランス良く配合させたことにより、ヨウ素が増大したと考えられる。産業廃棄物の有効利用の面からみて、大変興味深い結果である。
【0058】
【表6】

【実施例3】
【0059】
鶏卵に対する官能試験
各試験区分の鶏卵(産卵前期)に対して、20代学生(男女)16人のパネラーが、ゆで卵(沸騰浴中で10分茹でた後3分蒸らしたもの)の食感及び総合評価、並びに、生卵(割卵したもの)の見た目について評価した。食感及び見た目の評価方法には、配点法(スコアリングテスト)、総合評価の評価方法には、順位法を採用した。
【0060】
表7に結果を示す。食感、見た目及び総合評価のいずれにおいても、試験区1〜2が対照区よりも優れていることを示す結果が得られた。特に、見た目については、試験区2が対照区に比べて有意に好ましいという結果が得られた。さらに、総合評価については、試験区2が最も優れていたことから、海苔に海苔由来水不溶性画分を配合させることにより、風味等の見た目や食感以外の点でもさらに向上することが示された。
【0061】
【表7】

表7中の食感及び見た目の数値は、各パネラーが以下の基準で採点したときの合計点の平均である(数値が高いほど、評価が高い):
大変よい:5点
かなり良い:4点
普通:3点
かなり悪い:2点
大変悪い:1点。
表7中の総合評価の数値は、1位を1点、2位を2点、3位を3点として各パネラーが順位を判定したときの合計点である(数値が低いほど、評価が高い)。
【0062】
次に、各試験区の鶏卵(産卵中期)に対し、20代学生(男女)16人のパネラーが、薄焼き卵(全卵1個を良くかき混ぜ、テフロン(登録商標)加工の卵焼き用フライパンで4分間加熱したもの)の色の濃さ、味(美味しさ)及び総合評価について判定した。評価方法には、順位法を採用した。
【0063】
表8に結果を示す。色の濃さについては、試験区1〜2の方が対照区よりも有意に濃いという結果が得られた。この結果が、先に示したカロテノイド類含有量の結果と一致することから、海苔や海苔由来水不溶性画分の添加により、カロテノイド類が卵黄に移行し、卵の色が濃くなったと考えられる。味(美味しさ)や総合評価については、試験区1〜2の方が対照区よりも優れているという結果が得られた。
【0064】
【表8】

表8中の数値は、1位を1点、2位を2点、3位を3点として各パネラーが順位を判定したときの合計点である(数値が低いほど、評価が良い)。
【実施例4】
【0065】
鶏の細胞性免疫に及ぼす影響についての試験
細胞性免疫の指標としては遅延型過敏反応を用いた。具体的には前感作として遠心管にヒューマンγグロブリン(シグマ社)を400μg/ml(生理食塩水)に溶かし、等量のアジュバンド・コンプリート・フロイント(ディフコ社)を遠心管の壁に滴下しながらボルテックスで十分に攪拌して白濁懸濁化させた。この溶液を1羽当たり1ml筋肉内に接種した。接種部位は、胸筋(2ヶ所 0.25mlずつ)、左右の大腿筋肉(0.25mlずつ)と4ヶ所に18ゲージの針を用いて接種し、1ヶ所に接種するよりも4ヶ所に分けて感作を高めた。前感作から2週間後に本感作としてヒューマンγグロブリンの攻撃接種を行った。接種前に、左右肉垂の接種部位の厚さをノギスで測定しヒューマンγグロブリン(400μg/ml)を左肉垂、生理食塩水を右肉垂に0.1mlずつ26ゲージの針を用いて皮内接種し、判定は8、16、24、48及び72時間後にノギスで左右の腫長差を測定した。
【0066】
図1に産卵前期(308日齢)の遅延型過敏反応の結果を示す。抗原接種後16時間後に腫長差のピークが観られ対照区に比べて海苔や海苔由来水不溶性画分を給与した試験区では左右の腫長差が大きく、抗原接種8時間後には対照区と試験区1で有意差が認められた。遅延型過敏反応は細胞性免疫に関与するT細胞の異物に対する反応の指標であるが、この結果より鶏に海苔・海苔由来水不溶性画分を給与することにより細胞性免疫が異物に対して高い活性を示すことが明らかとなった。
【実施例5】
【0067】
鶏の自然免疫に及ぼす影響についての試験
自然免疫の指標としては単球・マクロファージが放出する一酸化窒素の産生量から判定した。具体的には、測定日にバイエルアスピレーター(ヘパリン入りシリンジ バイエルメディカル社)に22ゲージの針を取り付けて翼静脈より採血した。このヘパリン加血液2〜3mlを、あらかじめRPMI1640培地(シグマ社 無血清)を入れた15mlコニカルチューブに移し転倒混和した。この細胞懸濁液を、別の15mlコニカルチューブ中の2mlのFicoll−Paque(Amersham Biosciences社)に混ざらないように重層し、2000rpm、10分間20℃で遠心分離した。遠心後、単画球画分をピペットで回収し、別の予め冷やしておいたRPMI1640培地5mlの入った15mlコニカルチューブに移した。細胞を懸濁し、1000rpm、10分間4℃で遠心分離し、上清をデカンテーションで捨てて沈殿を得た。沈殿した細胞に4℃のRPMI1640培地5mlを加え、遠心分離により沈殿を得る洗浄操作を更に2回繰り返して、得られた沈殿に4℃の1%ChickenSerum(Invitrogen社)、10%FCS(Hyclone社)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン・グルタミン液(Invitrogen社)を含むRPMI1640培地2.2mlを加え良く懸濁した。その一部を用いて0.3%トリパンブルーPBSで細胞染色を行い細胞数の測定値に基づいて終濃度2.0×10cells/mlになるようRPMI1640培地で調整し、200μL/wellの割合で48well plateに細胞を播種した。48well plateには予め1%ChickenSerum(Invitrogen社)、10%FCS(Hyclone社)、1%ペニシリン・ストレプトマイシン・グルタミン液(Invitrogen社)を含むRPMI1640培地を200μL/well加えておいた。 細胞の播種後、直ちに非刺激の群には培地5μl/wellを加え、刺激群にはサルモネラ死菌体菌液5μl(>1×10個/ml)を加えた。死菌体菌液添加後20時間、37℃にて5%COインキュベーター中で培養した。培養20時間後、上清35μlを回収し、Griess試薬(Griess1:7.5%phosphoric acid 0.3%ナフチルエチレンジアミン Griess2:1%sulfanil amide Griess1:Griess2=2:1)を加え、10分間放置後に、マイクロプレートリーダー(molecular devicesSpectra Max M5−ZX)にて550nmの吸光度を測定した。サンプルと同時に、検量線用に段階希釈した亜硝酸ナトリウム(5〜100μM)の溶液についても測定し、検量線より、各サンプルの培養中に放出したNO量を測定しNO活性とした。
【0068】
図2に産卵前期(294日齢)の一酸化窒素産生能の結果を示す。(参考に図3には海苔の添加率の違いによるサルモネラ死菌体菌液を刺激した場合の一酸化窒素産生能の結果を示す(日齢240日齢)。図2より海苔や海苔由来水不溶性画分を給与することで単球・マクロファージが異物(サルモネラ死菌体菌液)に対して放出する一酸化窒素(誘導型NO)の量が多く、特に試験区1では対照区に比べ約3倍の一酸化窒素を放出し、異物を排除する能力に優れていた。また、一酸化窒素については異物排除のために必要であるが、正常細胞も破壊することから異物を添加していない場合についての一酸化窒素量についても調査したが、対照区と試験区の一酸化窒素放出量に変化はないことから、海苔や海苔由来水不溶性画分を給与することで、体内に異物が侵入してきた場合にのみ自然免疫が活性化されることが明らかとなった。
【0069】
また、図3には海苔1.5%と3.0%の添加率の異なる鶏による異物に対しての一酸化窒素産生能を示す。対照区に比べ海苔を給与した鶏は異物に対し一酸化窒素を多く放出しており、海苔の添加率が多ければより異物を排除する能力が優れる結果が得られた。
これらの結果は海苔を給与することで、単球・マクロファージが異物の侵入に対して高い活性があることを示しており、鶏が海苔を摂取することで、異物が侵入した際には自然免疫機能が高まり、異物排除能力が優れることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、産卵前期の細胞性免疫として遅延型過敏反応の結果を示す。
【図2】図2は、対照区及び試験区1〜2の鶏の単球・マクロファージがサルモネラ死菌体菌液刺激による一酸化窒素産生能の結果を示す。
【図3】図3は、海苔の添加率0%(コントロール)、1.5%及び3.0%の鶏の単球・マクロファージがサルモネラ死菌体菌液刺激による一酸化窒素産生能の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を含有する、鶏用飼料。
【請求項2】
海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を0.5〜10.0重量%含有する、鶏用飼料。
【請求項3】
海苔及び海苔由来水不溶性画分を含有し、海苔と海苔由来水不溶性画分の比率(重量)が、海苔:海苔由来水不溶性画分=1:0.05〜20である、請求項1又は2に記載の鶏用飼料。
【請求項4】
穀物類、豆類、イモ類、野菜、果物、肉及び魚介からなる群より選択される少なくとも1種又はそれを含む飼料に、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分を添加する工程を包含する、鶏用飼料の製造方法。
【請求項5】
前記工程において、海苔及び/又は海苔由来水不溶性画分の添加量が0.5〜10.0重量%である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育された鶏により産卵され、且つ、卵黄中のカロテノイド類及び/又はヨウ素の含有量が高められた機能性鶏卵。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、細胞性免疫及び/又は自然免疫が高められた、強健鶏。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、白血球の自然免疫が高められた、強健鶏。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載の鶏用飼料により飼育され、且つ、サルモネラ死菌に対する自然免疫応答が高められた、強健鶏。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−220197(P2008−220197A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59221(P2007−59221)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.発行者名 社団法人日本農芸化学会 刊行物名 日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会プログラム集 発行日 2007年2月25日 2.発行者名 社団法人日本農芸化学会 刊行物名 日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会講演要旨集 発行日 2007年3月5日
【出願人】(590003722)佐賀県 (38)
【出願人】(507075923)学校法人永原学園 (3)
【出願人】(300032123)財団法人佐賀県地域産業支援センター (11)
【Fターム(参考)】