説明

麦角アルカロイドの有無を判定する方法およびキット

本発明は、試料中の麦角アルカロイドの有無を判定するための方法およびキットに関し、この方法およびキットでは、クロマトグラフィー装置および4,000から15,000psiの圧力で動作するカラムおよび粒径1から3ミクロンを用いるカラムを使用して、質量分析法によって約4分後に結果を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月17日に出願されたU.S.Provisional Application No.61/106,169の恩恵を主張し、この継続である。本出願の内容は、参照によりこの全体が本明細書に明示的に組み入れられている。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本出願の発明は、連邦または州の基金または助成金によって成されたものではない。
【0003】
共同研究契約の当事者の氏名
本出願の発明は、共同研究契約の下で成されたものではない。
【0004】
配列表への参照
本出願はいずれの核酸、ペプチドまたはタンパク質配列も有さない。
【背景技術】
【0005】
(発明の背景)
麦角アルカロイドは、ウシおよび他の動物に対して致死性である毒素を産生することができる、牧草および穀物によって産生されるマイコトキシンである。さらにこれらの毒素は非毒性レベルにおいて、組織に吸収され、これらの物質に暴露された動物に由来する肉製品の消費によって潜在的に移行することができる。幾つかの重要な麦角アルカロイドを図1に示す。
【0006】
この文書では「検体」という用語を使用して、この有無を判定したい化合物を指す。
【0007】
この文書では「試料」という用語を使用して、麦角アルカロイドの有無について試験を行いたい物質を意味する。試料は、動物または植物から組織または流体として取得され得る。例えば限定しないが、試料は葉、種もしくは他の植物組織または動物源からの血液、尿、唾液もしくは組織を含み得る。
【0008】
「抽出物」は、試料中に維持された1つ以上の化合物が溶液に溶解されるように、試料を溶媒にさらすことによって取得される溶液である。
【0009】
「一定分量」は、試料のサブパートまたはごく少量を示すために使用される。
【0010】
クロマトグラフィーは、溶液中の化合物を分離する方法である。クロマトグラフィーは各種の装置で行うことができる。この文書は「カートリッジ」という用語を使用して、固相が中に配置されたカラムおよび/または漏斗を含む低圧装置を指す。試料が固相に添加されて、低圧または重力下で通過する。これらの装置を通例使用して、微粒子を除去して、所望の化合物を濃縮することにより試料を調製する。
【0011】
この文書の目的では、「カラム」という用語は、溶液が圧力下で固相マトリクスを強制的に通過させられる高圧装置の意味で使用される。固相は微粒子または多孔質モノリスであることができる。
【0012】
質量分析法を使用して、化合物によって形成されたイオンの質量対電荷比を決定する。質量分析計を使用して、より大型の分子の断片を形成し、このような断片および完全イオンを使用してこのような化合物を同定する。
【0013】
標準は既知量の化合物を含む溶液であり、この溶液を使用してデータを非標準試料から得たデータと比較する。標準は重同位体を含む標識を有する化合物を使用することができ、この化合物によって質量分析計のオペレータは標準と検体を識別することができる。
【0014】
潜在的に色付いている供給原料ならびに肉製品の誤同定を防止するために、これらの化合物の信頼できる高速な分析への関心が必要である。本発明以前には、牧草および穀類の麦角アルカロイドを検出するために使用される方法は、これらの化合物を分析するために特異的または感受性でなかった。本発明以前には、方法は時間がかかり、大きな労力を要した。
【発明の概要】
【0015】
(発明の要旨)
本発明の実施形態は、試料中の麦角アルカロイドの有無を判定するキットおよび方法に関するものである。本発明の方法およびキットは、これらの化合物の信頼できる高速な分析、または検出を特徴とする。これらの方法およびキットは、潜在的に色付いている供給原料ならびに肉製品の誤同定を防止するための特別の有用性を有する。
【0016】
試料中の麦角アルカロイドの有無を判定する方法に関する本発明の一実施形態は、複数の工程を有する。これらの工程は、麦角アルカロイドを潜在的に含む化合物を1つ以上の有機溶媒によって抽出して試料抽出物を形成することにより試料を調製する。次に方法は、4,000から15,000psiの圧力下の1から3ミクロンの平均粒径を有する粒子を充填したクロマトグラフィーカラムの上部に試料抽出物を配置して、試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有する場合に、保持された麦角アルカロイドを形成する工程を含む。次に前記試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有する場合には、麦角アルカロイドを有機溶媒の勾配下で溶出させて、溶出された麦角アルカロイドを形成する。この溶出された麦角アルカロイドは、存在する場合、質量分析計に配置されマススペクトルを形成し、マススペクトルから麦角アルカロイドの有無を判定する。
【0017】
好ましくは質量分析計は、麦角アルカロイドの1つ以上の断片を形成する。質量分析法における断片の形成は、時にはMS/MSと呼ばれる。断片のスペクトルを使用して、麦角アルカロイドの有無を同定および判定する。
【0018】
好ましくは麦角アルカロイドの同定は、存在する場合、既知の標識麦角アルカロイドを含む1つ以上の標準を、試料麦角アルカロイドの方式で保持および溶出されるカラムの上部に配置することによって助長される。溶出した標準麦角アルカロイドを質量分析計に配置して標準麦角アルカロイドの既知のスペクトルを形成して、このスペクトルと試料スペクトルを比較する。
【0019】
好ましいカラムは粒子床を有し、この粒子床においてこのような粒子は、好ましくは結合されたC18基を有する、架橋エチルハイブリッドの界面化学的性質を呈する。好ましい粒子は、直径1から3ミクロン、好ましくは2ミクロン未満である。小型粒子を特徴とするこのようなカラムを、4,000から15,000psiの圧力にて動作するクロマトグラフィーシステムで使用する。
【0020】
クロマトグラフィーシステムの小型粒子カラムおよび高圧性能によって、方法の、試料抽出物をクロマトグラフィーカラムの上部に配置する工程と、3から15分の期間で、通常は4分の期間で動作する質量分析計にて前記麦角アルカロイドを溶出および配置する工程が可能となる。
【0021】
好ましくは試料抽出物は、粉砕されたまたは特定の未処理の試料を抽出カートリッジに配置することによって形成される。好ましい抽出カートリッジは、粒子がポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)の界面化学的性質を有する、固体微粒子床を有する。界面化学的性質によって、抽出カラムの粒子は水濡れ性表面上に麦角アルカロイドを保持することができる。
【0022】
本発明の一実施形態は、方法を行うためのキットを特徴とする。本明細書で使用する場合、キットという用語は、好適な包材およびキットの使用説明書と共にひとまとめにされた部品および試薬の集合を指す。本発明による、麦角アルカロイドの有無について試料の分析を行うための1つのキットは、質量分析法による1つ以上の麦角アルカロイドの同定を較正および助長するための標準;試料抽出物を形成するための試料調製装置、試料抽出物の化合物を分離して、勾配の添加時に前記麦角アルカロイドが同定用の質量分析計に放出されるように、存在する場合に前記麦角アルカロイドを放出するためのカラムを含む。
【0023】
好ましいカラムは1から3ミクロンの粒径を有する。好ましいカラムは、好ましくは結合されたC18基を有する、架橋エチルハイブリッドを含むクロマトグラフィー表面を有する。および好ましくは、カラムは4,000から15,000psiの動作圧を有する。
【0024】
これらおよび他の特徴および利点は、下に示す図面を参照して、続く詳細な説明を読めば、当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】麦角型アルカロイドを示す。
【図2】本発明の方法を行うための機器を概略形態で示す。
【図3】本発明の特徴を具体化するキットを示す。
【図4】結果データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(発明の詳細な記述)
本発明の実施形態は、試料中の麦角アルカロイドの有無を判定するキットおよび方法として詳細に説明される。説明された方法およびキットは、本発明を実施する最良の様式を反映している本発明の好ましい実施形態である。もちろん本明細書に記載する本発明の方法およびキットは、本明細書の教示から逸脱することなく、修正および改変することができる。それゆえ以下の議論は、制限するものとして解釈されるべきではない。
【0027】
麦角型アルカロイドを図1に示す。このような麦角アルカロイドのいずれか1つ以上は、ウシノケグサまたは牧草、動物の試料もしくはヒトの食糧として役割を果たすことができる他の植物物質に存在し得る。これらの物質は毒素であると見なされる。麦角アルカロイドに汚染された飼料を常食とする家畜は、このような麦角アルカロイドを肉製品および乳製品としてヒトの食糧中に持ち越す可能性がある。それゆえ植物物質および動物組織および体液中の麦角アルカロイドを検出する高速で感受性の高い手段を有することが所望である。
【0028】
次に図2に見ると、本方法の実施形態を行うための機器の概略図が示されている。数字11によって一般に示される機器は、以下の主要な要素:クロマトグラフィーシステム15、カラム17および質量分析計19を有する。
【0029】
試料中の麦角アルカロイドの有無を判定する好ましい方法は、複数の工程を有する。ならびにこのような好ましい方法は、麦角アルカロイドを潜在的に含む化合物を1つ以上の有機溶媒によって抽出して試料抽出物を形成することにより試料を調製する工程から始まる。数字21で示される試料抽出カートリッジを図2に示す。好ましい溶媒は、単独の、または水を含むもしくは含まない混合物としての、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム、アセトニトリルである。
【0030】
好ましくは試料抽出物は、粉砕されたまたは特定の未処理の試料を抽出カートリッジ21に配置することによって形成される。葉および種子などの試料の粉砕方法は当分野で周知である。
【0031】
抽出カートリッジ21は図2に断面図で示され、固体微粒子床23を有する。粒子は、ポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)の界面化学的性質を有する。即ち粒子は完全にポリマーを含み得るか、またはこのようなポリマーは異なる物質から選択される基材上の表面層として担持される。基材として使用され得る一般的な物質は、一例として、制限なく、シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化チタンおよび他のポリマー化合物を含む。ポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)の界面化学的性質によって、抽出カラムの粒子は水濡れ性表面上に麦角アルカロイドを保持することができる。
【0032】
ポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)の界面化学的性質を有する抽出カートリッジは、Waters Corporation(Milford、マサチューセッツ州、米国)によって商標OASIS(登録商標)HLBで販売されている。ポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)の界面化学的性質を有さない抽出カートリッジが使用され得る。このような抽出カートリッジは、Waters Corporation(Milford、マサチューセッツ州、米国)により商標SEP−PAKで販売されている。
【0033】
試料抽出物を取扱いの都合上、バイアル25内に配置する。バイアル25’、25’’、および25’’’を維持する円形トレー27として概略形態で示されたクロマトグラフィーシステム15のオートサンプラ内に、バイアルを配置する。クロマトグラフィーシステムは当分野で周知である。好ましいクロマトグラフィーシステム15は4,000から15,000psiの動作圧を有する。このようなクロマトグラフィーシステム15は、Waters Corporation(Milford、マサチューセッツ州、米国)により商標ACQUITY(登録商標)で販売されている。
【0034】
次に図2に示すように、方法はクロマトグラフィーカラム17の上部に試料抽出物を配置する工程を含む。クロマトグラフィーカラム17は1から3ミクロンの平均粒径を有する粒子が充填されている。クロマトグラフィーカラム17は4,000から15,000psiの動作圧を有する。好ましいカラムは、組成物は、好ましくは結合されたC18基を有する架橋エチルハイブリッドのクロマトグラフィー表面を備えた粒子を有する。1.7ミクロンの粒径を有するこのようなカラム17は、Waters Corporationにより(Milford、マサチューセッツ州、米国)により、BEHという名称を有する商標ACQUITY(登録商標)で販売されている。このようなカラムは2.1×100mmおよび50mm形状で販売されており、バイアル25’、25’’または25’’’中に維持された試料抽出物が1つ以上の麦角アルカロイドを有する場合に、保持された麦角アルカロイドは粒子上に勾配条件下で溶出されるまで維持される。
【0035】
次に麦角アルカロイドは有機溶媒の勾配下で溶出させて、前記試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有していた場合には、溶出された麦角アルカロイドを形成する。好ましい勾配は、0.1% NHOH(HO)を含む第1の溶媒および0.1% NHOH(アセトニトリル)を含む第2の溶媒を含む。勾配は第1の溶媒90%から第2の溶媒90%まで移行して、0.1から1.0ml/分の、さらに好ましくは約0.5ml/分の流速で約6分の期間にわたって添加される。
【0036】
この溶出された麦角アルカロイドは、存在する場合、質量分析計19に配置されてマススペクトルを形成する。麦角アルカロイドの有無がマススペクトルから決定される。
【0037】
好ましくは質量分析計は、麦角アルカロイドの1つ以上の断片を形成する。質量分析法における断片の形成は、時にはMS/MSと呼ばれ、当業者に公知である。断片のスペクトルを使用して、麦角アルカロイドの有無を同定および判定する。好ましい質量分析計は、Waters Corporation(Milford、マサチューセッツ州、米国)により商標MICROMASS(登録商標)TQDで販売されている。
【0038】
好ましくは麦角アルカロイドの同定は、存在する場合、既知の麦角アルカロイドまたは同位体標識麦角アルカロイドを含む1つ以上の標準を、試料麦角アルカロイドの方式で保持および溶出されるカラムの上部に配置することによって助長される。溶出した標準麦角アルカロイドを質量分析計に配置して標準麦角アルカロイドの既知のスペクトルを形成して、このスペクトルと試料スペクトルを比較する。このような標識麦角アルカロイドは通常、当業者に公知である重水素化形態である。
【0039】
クロマトグラフィーシステムの小型粒子カラムおよび高圧性能によって、方法の、試料抽出物をクロマトグラフィーカラムの上部に配置する工程と、3から15分の期間で、通常は4分の期間で動作する質量分析計にて前記麦角アルカロイドを溶出および配置する工程が可能となる。
【0040】
ここで図3を参照すると、一般に数字51で表される、本発明の特徴を具体化するキットが示されている。キットは、上述の方法における、好適な包材およびキットの使用説明書と共にひとまとめにされた部品および試薬の集合である。キット51は1個以上の標準バイアルを含み、55’、55’’および55’’’で表されて示された3個のバイアルは、1つ以上の麦角アルカロイドの質量分析法による同定を較正および助長するための標準溶液を含有する。キット51は、抽出カートリッジの形態で1個以上の試料調製装置をさらに含み、試料抽出物を形成するためのこの抽出カートリッジの3個を21’、21’’、および21’’’で表す。キットは試料抽出物の化合物を分離するための、および前記麦角アルカロイドが同定用の質量分析計に放出されるように、勾配の添加時に前記麦角アルカロイドを存在する場合に放出するための、カラム17をさらに含む。キット51は、上述のような方法におけるこれらの部品および試薬の使用説明書57をさらに含む。キットは、当分野で公知の好適な包材と共に示されており、プラスチックラップおよび発泡シェル、箱、ラッピングなどを含み得る。
【0041】
本発明のさらなる特徴を、以下の実施例を参照して説明する。
【0042】
実施例
【実施例1】
【0043】
種子からの麦角アルカロイドの抽出
種子約0.5gを秤量して、大型シンチレーションバイアルに配置する。80% MeOH/20%実験室で精製した水10mLをバイアルに添加する。バイアルに緩めにキャップをかぶせ、約10から15分間超音波処理をして、次に約1時間静置する。次に試料をボルテックス処理して、牧草物質のいずれの塊も底部から解離させ、次にいずれの大型の固形物質も捕捉するための内部にグラスウールの小片を備えたガラスピペットを使用して、事前に調整した3mLをWaters Sep−Pak C18カートリッジに移す。
【0044】
抽出物の最初の数mLを強制的に通過させて、最後の約1mLを収集して、UPLC/MS/MS分析に使用する。
【0045】
試料抽出物の1mlの一定分量を、35℃、流速0.5ml/分にて2.1×50mmまたは2.1×100mm ACQUITY(登録商標)BEH C18(1.7ミクロン)クロマトグラフィーカラムの上部に配置する。麦角アルカロイドを有機溶媒の勾配下で溶出させて、前記試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有した場合には、溶出麦角アルカロイドを形成する。好ましい勾配は、0.1% NHOH(HO)を含む第1の溶媒および0.1% NHOH(アセトニトリル)を含む第2の溶媒である。勾配は第1の溶媒90%から第2の溶媒90%まで移行して、約0.5ml/分の流速で約6分の期間にわたって添加される。
【0046】
溶出された麦角アルカロイドをMICROMASS(登録商標)TQD質量分析計内に誘導して、以下に述べるように保持時間によって同定されたピークを得る。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
化合物の省略形
EVI=エルゴノビン(Ergomovime)
MeEV=メチルエルゴノビン
EV=エルゴバリン
EA=エルゴタミン
Eco=エルゴコルニン
ERVV=エルゴバリニン
EC=エルゴクリプチン
BrEC=2−ブロモ−エルゴクリプチン
このデータを図4にまとめる。
【0056】
さらにN−アセチルロリン(NAL)は1.20分にてピークを示す。
【0057】
イオン化モード:ES+
データ型:SIRまたはMRMデータ、および
機能型:3チャネルのMRM
【0058】
このように本発明者らは本発明を好ましい実施形態に関して説明し、本発明がこの教示から逸脱せずに修正および改変が可能であることを理解している。従って本発明は、本発明で述べた正確な詳細事項に限定されるべきではないが、続いての特許請求の範囲の主題およびこの均等物を含むべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の麦角アルカロイドの有無を判定する方法であって:
麦角アルカロイドを潜在的に含む化合物を1つ以上の有機溶媒によって抽出して試料抽出物を形成することにより試料を調製する工程、
4,000から15,000psiの圧力下の1から3ミクロンの平均粒径を有する粒子を充填したクロマトグラフィーカラムの上部に前記試料抽出物を配置して、前記試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有していた場合に保持された麦角アルカロイドを形成する工程、
前記試料抽出物がこのような麦角アルカロイドを含有する場合には、前記麦角アルカロイドを有機溶媒の勾配下で溶出させて、溶出された麦角アルカロイドを形成する工程、および
前記溶出された麦角アルカロイドを質量分析計に配置してマススペクトルを形成し、マススペクトルから前記麦角アルカロイドの有無を判定する工程、
を含む方法。
【請求項2】
前記質量分析計が麦角アルカロイドの1つ以上の断片を形成し、前記断片の前記スペクトルを使用して前記麦角アルカロイドの有無を同定および判定する、請求項1の方法。
【請求項3】
前記試料抽出物をクロマトグラフィーカラムの上部に配置する前記工程と、質量分析計にて前記麦角アルカロイドを溶出および配置する前記工程とが15分未満の期間中に行われる、請求項3の方法。
【請求項4】
前記粒子が、架橋エチルハイブリッドであり、結合されたC18基または架橋エチルハイブリッドに結合された他の基を有する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記粒子が2ミクロン未満の平均粒径を有する、請求項1の方法。
【請求項6】
前記試料抽出物が粉砕されたまたは特定の未処理の試料を抽出カートリッジに配置することによって形成される、請求項1の方法。
【請求項7】
前記抽出カートリッジがポリマーのポリ(ジビニルベンゼン−co−N−ビニルピロリドン)を含む粒子を有する、請求項6の方法。
【請求項8】
麦角アルカロイドの有無について試料の分析を行うためのキットであって:
1つ以上の麦角アルカロイドの質量分析法による同定を較正および助長するための標準と、
試料抽出物を形成するための試料調製装置と、
試料抽出物の化合物を分離するための、および前記麦角アルカロイドが同定用の質量分析計に放出されるように、勾配の添加時に前記麦角アルカロイドを存在する場合に放出するための、カラムと、
を含むキット。
【請求項9】
前記カラムが1から3ミクロンの粒径を有する、請求項8のキット。
【請求項10】
前記粒子が結合されたC18基を有する、架橋エチルハイブリッドを含むクロマトグラフィー表面を有する、請求項9のキット。
【請求項11】
前記カラムが4,000から15,000psiの動作圧を有する、請求項10のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−506054(P2012−506054A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532272(P2011−532272)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/060950
【国際公開番号】WO2010/045527
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)
【Fターム(参考)】