説明

麺の製造に用いる原料粉の製造方法及び麺の製造方法

【課題】製麺工程に特殊な設備や操作を必要とせず、米粉100%若しくはソバ粉100%で麺線のつながりがよく、食味、食感が優れた米粉麺を製造可能なこと、調理後、麺の物性や食味が良好である等、利便性、汎用性が高く、各種形態の麺類の製造を行える原料粉を提供する。
【解決手段】麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、精白米、玄米若しくはソバ粒のいずれかを水洗いして含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して60メッシュ若しくは100メッシュに設定した篩をすべて通過するように粒度調整を行うことを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米及びソバの実から麺の製造に用いる原料粉(米粉及びソバ粉)を製造する方法、並びに、この米粉及びソバ粉を用いて麺を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米を所定粒度に粉砕しただけで製粉した米粉には小麦粉のように麺の骨格となるグルテンが含まれていないため、麺線を形成することは出来ない。
【0003】
このため、米粉を用いて麺を製造するには、従前から種々の製麺方法が提案されており(特許文献1〜10)、最も簡便な方法として、特許文献1に示されている米粉に小麦粉を混合してうどん麺を製造する方法や、小麦粉から抽出したグルテンをつなぎとして米粉に添加して製麺する方法などがよく知られている。
【0004】
また、特許文献2には、つなぎとして澱粉を用いて製麺する方法の開示があり、特許文献3には、α化した澱粉をつなぎとして使用し製麺する方法の開示があり、更に、特許文献4には、つなぎとして増粘多糖類(グアーガムとキサンタンガムの混合物)を使用して製麺する方法の開示があり、特許文献5には、酵素(トランスグルタミナーゼ)を使用して製麺する方法の開示がある。
【0005】
また、つなぎ材などを一切添加せず、米粉100%で製麺する方法も提案されており、例えば、特許文献6には、米粉を加水蒸練したものに生の米粉を混入して練出し圧延した後、冷却水で湿潤させた麺線切り込みローラーで生地を切断し製麺する方法の開示があり、特許文献7には、加熱装置を有するスクリュー押出し機で原料を糊化させながら麺状に押し出して製麺方法の開示がある。
【0006】
また、特許文献8には、高アミロース米の米粉を100%使用し、加水、混練、加熱行程を経て半生麺を製造する方法の開示がある。
【0007】
また、そばの製造方法については、特許文献9には、α化ソバ粉と生ソバ粉を混合して減圧下で麺帯を製造する方法、特許文献10には、ダッタンソバを用いるそばの製造において、ルチン分解酵素を失活させる目的で原料そばを直接加圧水蒸気で加熱する方法の開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭53−130448号公報
【特許文献2】特公昭60−41579号公報
【特許文献3】特開2006−122000号公報
【特許文献4】特開2006−166724号公報
【特許文献5】特開平9−154512号公報
【特許文献6】特公平5−8657号公報
【特許文献7】特開2002−315526号公報
【特許文献8】特開2008−301769号公報
【特許文献9】特開平10−23870号公報
【特許文献10】特開2005−13005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1〜5で開示されている各種のつなぎ材を用いて製麺したものでは、外見上は麺線状にできるが、茹でて調理すると麺線同士が付着し団子状となったり、スープ中に麺が溶け出し、麺表面全体がべたついたり、茹でのびしてコシがなくなったりし、小麦粉をつなぎ材として使用した麺類に比べ物性的に劣ったものとなり、麺食品として十分な嗜好性を有していなかった。また、上述の特許文献1〜5は、麺類には通常使用しないものをつなぎ材として添加するものであるため、風味や食味を若干損ない、更に、近年の消費者ニーズとしての安全・安心な食品への志向と合致しないという問題もある。
【0010】
また、特許文献6〜10の方法で製麺するには、冷却水を湿潤させながら麺線を形成する麺線切込ローラーや、加熱装置を有するスクリュー押出し機等の特殊な装置を必要とするが、一般的な製麺業者においては加熱するためのボイラーや蒸し器を有することは稀であり、中小業者では工場スペースが狭隘であり、コスト上からもこれらの装置を新たに設置することは難しい。
【0011】
本発明は、(ア)製麺工程に特殊な設備や操作を必要しないこと、(イ)米粉100%で麺線のつながりがよく、食味、食感が優れた米粉麺を製造可能なこと、(ウ)そばの製造においても、ソバ粉100%で麺線のつながりがよく、食味、食感が優れた麺を製造できること、(エ)調理後、麺の物性や食味が良好であること、等の観点から、利便性、汎用性が高く、各種形態の麺類の製造に適した原料粉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0013】
麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、精白米、玄米及びソバ粒のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを水洗いして含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して60メッシュ若しくは100メッシュに設定した篩を通過させて粒度調整を行うことを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0014】
また、麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、アミロース含有量25〜35%(重量)の精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを水洗いして含水率が20〜25%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して100メッシュの篩を通過させて粒度調整することを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項2に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記アミロース含有量が25〜35%(重量)の精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものは、アミロース含有量30%(重量)以上の精白米若しくは玄米と、アミロース含有量25%(重量)以下の精白米若しくは玄米とを混合して得たものであることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0016】
また、請求項2,3いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記加熱は、常圧蒸気加熱、過熱水蒸気加熱、マイクロ波加熱、通風を伴う熱風加熱、自然対流式加熱、静置式加熱若しくは回転式加熱が採用されることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0017】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法によって製造された米粉を用いて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0018】
また、請求項5記載の麺の製造方法において、前記米粉に、精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを粉砕して加熱せずに得た非加熱の米粉を混合することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0019】
また、請求項5,6いずれか1項に記載の麺の製造方法において、小麦粉,グルテン若しくは澱粉を加えて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0020】
また、請求項5〜7いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺は、冷凍処理を行って生麺とするか、若しくは、乾燥処理を行って乾麺とすることを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0021】
また、請求項5〜8いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺を、熱水、蒸気若しくは揚げ油で加熱して澱粉の糊化度を95%以上に上昇せしめることを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0022】
また、麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、ソバの実の外皮を除去したソバ粒を水洗して含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して60メッシュの篩を通過させて粒度調整することを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0023】
また、請求項10記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記加熱は、常圧蒸気加熱、過熱水蒸気加熱、マイクロ波加熱、通風を伴う熱風加熱、自然対流式加熱、静置式加熱若しくは回転式加熱が採用されることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法に係るものである。
【0024】
また、請求項10,11いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法によって製造されたソバ粉を用いて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0025】
また、請求項12に記載の麺の製造方法において、前記ソバ粉に、ソバの実の外皮を除去して粉砕して加熱せずに得た非加熱のソバ粉を混合することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0026】
また、請求項10〜13いずれか1項に記載の麺の製造方法において、小麦粉,グルテン若しくは澱粉を加えて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0027】
また、請求項10〜14いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺は、冷凍処理を行って生麺とするか、若しくは、乾燥処理を行って乾麺とすることを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【0028】
また、請求項10〜15いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺を、熱水、蒸気若しくは揚げ油で加熱して澱粉の糊化度を95%以上に上昇せしめることを特徴とする麺の製造方法に係るものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上述のようにしたから、精白米、玄米、ソバ粒から適度に糊化した原料粉を得ることができ、この原料粉を用いると、特別な設備や操作を必要とせずに、加水混合して捏ねるだけの従来と同じ工程で麺を製造することができ、しかも、加熱することで衛生的且つ安定した品質となると共に、つなぎ材として添加物を用いる必要がないから安全で安心できる麺を製造できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0031】
請求項1の発明について説明する。
【0032】
精白米、玄米及びソバ粒のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを水洗いして、例えば、水切り状態にすると、表面に付着した水分が徐々に内部に移行する。含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱してこれらに含まれる澱粉を膨潤させ、この澱粉の糊化度が40〜75%の所謂、半糊化状態にすると、この半糊化した澱粉が麺を形成した際に麺生地のつなぎの役割を果たすようになり、続いて、乾燥させた後粉砕して60メッシュ若しくは100メッシュに設定した篩を通過させて粒度調整を行うと適度に糊化し麺の製造に最適な原料粉となる。この原料粉を用いると、特別な設備や操作を必要とせずに、加水混合して捏ねるだけの従来と同じ工程で麺を製造することができると共に、上述の特許文献1〜5のように麺を茹でて調理した際に団子状になったり、べたついたり、コシがなかったりする、という問題は生ずることもなく、更に、加熱によって、酸化酵素などの内在酵素が失活されるため、微量に含まれる油分の酸化も抑えられて原料の風味を長期間保持できると共に、加熱による殺菌効果によって衛生的な原料粉になり、また、原料粉そのものがつなぎ材の機能を備えるから、つなぎ材として添加物を用いる必要がなく安全で安心できる麺の製造に用いる原料粉となる。
【0033】
また、請求項2の発明について説明する。
【0034】
アミロース含有量25〜35%(重量)の所謂、高アミロースの精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを用いるから、麺を形成した際の麺同士の付着性を低下させて捌けがよく、また、コシの強い麺の製造が可能になる。その余は請求項1の発明と同様である。
【0035】
また、請求項7の発明について説明する。
【0036】
そばの実の殻に相当する硬い外皮を取り除いたソバ粒は甘皮がソバ粒全体を覆っているため、これを水洗いすると、甘皮と胚乳部の隙間に水が入りやすく、表面に付着した水と共にソバ粒の内部に移行するため、米粒の場合に比べ含水率は高くなり、ソバ粒に含まれる含水率を20〜35%(重量)に水分調整し、続いて、加熱してソバ粒に含まれる澱粉が膨潤して澱粉の糊化度が40〜75%となるように半糊化させ、続いて、乾燥させた後、粉砕して粒度が60メッシュの篩を通過させて粒度調整を行うと適度に糊化し適度に糊化した原料粉となる。この原料粉を用いると、特別な設備や操作を必要とせずに、加水混合して捏ねるだけの従来と同じ工程で麺を製造することができ、更に、例えば、この原料粉を用いて製造した麺を茹で上げた際には、コシの強くなめらかな食感をもたらす麺となる。
【実施例】
【0037】
本発明の具体的な実施例について説明する。
【0038】
本実施例は、麺の製造に用いる原料粉、具体的には、米粉及びソバ粉の製造方法及びこの原料粉を用いた麺の製造方法である。
【0039】
尚、本実施例では、ソバの実やソバ粉を表す場合には、「ソバ」とカタカナ表記をし、このソバ粉から製造した麺を表す場合には、「そば」とひらがな表記をしている。
【0040】
この原料粉は、原料として精白米、玄米若しくは殻を取り除いたソバ粒のいずれかを用いる。尚、これらの原料は適宜混合してもよい。
【0041】
まず、原料を水洗いした後、この原料の表面に付着した水分が原料の内部に吸収される間静置して含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して、原料に含まれる澱粉が膨潤し、原料に含まれる澱粉が糊化してこの澱粉の糊化度が40〜75%の所謂、半糊化状態となるように調整し、続いて、この糊化した原料を乾燥させた後、例えば、気流粉砕機を用いて粉砕し、60メッシュ若しくは100メッシュに設定した篩を通過させて粒度調整する。
【0042】
従って、水洗いして原料に付着した水分が徐々に内部に移行し、よって、加熱するとこの穀粒の中の澱粉が膨潤して澱粉が半糊化状態となり、この糊化した澱粉が麺生地を形成した際につなぎの役目を果すようになる。
【0043】
続いて、乾燥させた後、60メッシュ若しくは100メッシに設定した篩で粒度調整を行うと、特別な設備や操作を必要とせずに、この原料粉に加水混合して捏ねるだけの従来と同じ工程で麺を製造することができると共に、麺を茹でた際に団子状になったり、べたついたり、コシがなかったりする、という問題は生ずることもなく、極めて良好に麺を製造できる原料粉になる。
【0044】
更に、加熱によって、原料の穀粒に含まれる酸化酵素などの内在酵素が失活されるため、原料に微量に含まれる油分の酸化も抑えられて原料の風味を長期間保持できると共に、加熱による殺菌効果によって衛生的な原料粉になり、原料粉そのものがつなぎ材の機能を備えるから、つなぎ材として添加物を用いる必要がなく安全で安心できる麺の製造に用いる原料粉を得ることができる。
【0045】
本実施例の含水率は、「新・食品分析法」(p.6,日本食品科学工学会 新・食品分析法編集委員会編,株式会社 光琳,平成8年11月発行)記載の常圧加熱乾燥法であり、乾燥前の試料重量に対して絶乾状態にまで乾燥した後の減少した重量を水分としてその割合を測定することで得られる数値である。
【0046】
また、原料に含まれる澱粉の糊化度は、β−アミラーゼ・プルラナーゼ法によって求めた。
【0047】
この方法は、β−アミラーゼとプルラナーゼ(いずれも、グルコシド結合を加水分解する酵素)を試料に作用させて、試料を水と共に加熱して糊化することによって結晶構造が崩壊した澱粉にのみこの酵素が作用し還元糖(澱粉からマルトースが生成)が生じる原理に基づいている。
【0048】
具体的には、アルカリで完全糊化した原料粉試料、及び、このアルカリによる処理を行わない無処理の原料粉試料のそれぞれを、β−アミラーゼとプルラナーゼで処理したとき、次の式1及び式2によって、完全糊化した原料粉試料、無処理の原料粉試料の夫々の分解により生じた生成還元糖量から、アルカリで完全糊化した原料粉試料の分解度に対する無処理の原料粉試料の分解度を式1から算出し、式2によって糊化度を求めた。
【0049】
式1 分解度=(生成還元糖量/全糖量)×100(%)
式2 糊化度=(無処理の原料粉試料の分解度/完全糊化した原料粉試料の分解度)
×100)(%)
【0050】
この糊化度は、試料の粒中の水分が高く、蒸気加熱時間が長くなるほど、高くなる傾向がある。即ち、米粉及びソバ粉の水分、加熱時間をコントロールすることで、製麺性、食味、食感の優れた米粉麺及びそばの製造が可能となる。
【0051】
また、本実施例では、加熱として、常圧で蒸気加熱を行う常圧蒸気加熱法で行ったが、過熱水蒸気、マイクロ波オーブン、通風を伴う熱風及び自然対流式オーブン、並びに静置式、上下及び平面回転装置を具備するものを含む汎用される加熱方法を用いることができることになる。
【0052】
しかもこの加熱は、製粉工程で行えばよく、特許文献8のように製麺工程で行うものではないため、本実施例の米粉若しくはソバ粉を用いると、既存の製麺工程を使うことができることになるため、安価に製麺できることになる。
【0053】
また、同時に、加熱して半糊化された澱粉は、原料の含水率15〜16%(重量)又はそれ以下に乾燥されるため、原料粉を一度に大量に製造されて貯蔵される場合であっても、微生物の増殖がなく、澱粉の糊化度を一定に保持できることから常に品質が一定した原料粉を製造できることになり、麺製造時には外気温や水温の変化に対する影響を受け難いものとなる。
【0054】
また、この加熱によって、添加剤を加えなくとも、この半糊化した澱粉が麺を形成した際に麺生地のつなぎの役割を果たすため、麺線を良好に形成できて、生麺時の麺線の切れが防止されると共に茹で上げた際になめらかな食感をもたらすことができることになる。
【0055】
更に、この加熱によって、原料に含まれる酸化酵素などの内在酵素が失活されるため、原料の米粒に微量に含まれる油分の酸化も抑えられて原料の風味を長期間保持できると共に、加熱による殺菌効果によって衛生的な米粉やソバ粉になる。
【0056】
また、製麺の際に、本実施例で製造された米粉若しくはソバ粉に、更に、精白米若しくは玄米若しくはソバ粒を粉砕したのみで加熱を行わずに得た非加熱の米粉若しくはソバ粉を適宜量だけ混合したり、若しくは、小麦粉,グルテン,澱粉を加えて麺線の物性を変えて食感を変えることもできる。
【0057】
このように本実施例で製造した麺線を、熱水、蒸気、揚げ油で加熱して調理すると、半糊化した澱粉を糊化度95%以上に回復させ上昇させることができて、茹で麺、蒸し麺、揚げ麺にすることができて種々の形態に調理できることになる。
【0058】
更に、加熱装置、方法、及び時間、粉砕方法等の米粉及びソバ粉の製造方法、米粉及びソバ粉への加水量及び混合方法、使用する製麺機などの製麺方式は、上記した所定の含水量、糊化度が得られれば、適宜変更でき、限定されるものではない。
【0059】
また、製造される麺の種類(中華麺、パスタ、うどんなど)や形状なども限定されるものではない。
【0060】
本実施例の米粉の主要な仕様を以下の実験1〜3の結果から決定した。
【0061】
(実験1)米粉の粒度と米粉麺の性状
米粉の粒度について実験を行って適切な麺が製造できる米粉の粒度を決定した。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
原料の処理工程は、乾燥工程までは上述の実施例1と同じであり、高アミロースの精白米(品種:こしのめんじまん、アミロース含有量32.3%(重量))の精白米を使用し、水洗、水切り、5分間蒸気加熱、乾燥の順に処理し、糊化度60%の米粒とした。
【0064】
次に、試験区として、この半糊化した米粒をピンミル及び気流粉砕、夫々の粉砕機を用いて粉砕すると共に、更に、夫々の米粉に対して、100メッシュの標準篩により篩分けを行って不通過区分、及び通過区分に区分した米粉を4種類(試験区A,B,C,D)作成した。
【0065】
次に、これらの夫々の米粉を用い、それぞれ、米粉100部に対して水47部を加え、水分が均一になるように混合して30分間放置し、押し出し製麺機にて製麺し米粉麺とした。
【0066】
表1に示したように、粉砕方法による違いはないが、粉砕された米粉の粒度は生地の水回り(水の生地への分散性)に影響を与えている。
【0067】
具体的には、100メッシュの篩を通過しない粗い米粉を用いた場合(試験区A及びC)、水回りが不均一になり、製造した麺は製麺後、並びに茹で途中で切れやすく、食味の面ではざらつきが大きく、品質が低いものであった。一方、100メッシュの篩を通過する細かい米粉を用いた場合は(試験区B,D)、水回り(水の生地への分散性)も均一になり、製造した麺は製麺後並びに茹で途中での麺線の切れはなく、コシが強く舌触りがなめらかな品質の優れた米粉麺になった。
【0068】
(実験2)澱粉の糊化度と米粉麺の性状
次に、使用する米粉の糊化度について実験を行い適切な麺が得られる糊化度を決定した。その結果を表2に示す。
【0069】
【表2】

【0070】
原料として、高アミロース米(品種:こしのめんじまん、アミロース含有量32.3%(重量))の精白米を使用し、吸水時間と蒸気加熱時間を変えて、米粒中の水分及び糊化度の異なる8種類の試験区に区分された米粒を製造した。
【0071】
これらの米粒を乾燥後、気流粉砕機により100メッシュの篩をすべて通過するように粉砕し、米粉とした。
【0072】
なお、比較対照として、水洗による吸水及び蒸気加熱を施していない生の米粉を製造した。この場合、米粉だけでは麺線化できないため、米粉100重量部に対しグアガム1重量部、キサンタンガム0.2重量部をつなぎとした(試験区No.1)。
【0073】
また、更に、比較のため、試験区No1で作成した無処理の米粉に沸騰水を加えて調製した生地(湯捏ね)を用いた米粉麺も製造した(試験区No.2)。
【0074】
水洗、水切り後の米粒水分は、18〜28%(無処理では15%)、糊化度は25〜89.9%(無処理では12%)であった。
【0075】
これらの試験区夫々の米粉に対して、米粉100部に対して水47部を加え、水分が均一になるように混合して30分間放置し、押出し製麺機を使用して製麺し米粉麺を製造した。
【0076】
表2に示したように、糊化度が増すほど麺線の形成が良好となり、茹でた後の硬度が上昇している。試験区No.4〜No.7のデータから、麺線の形成が良好で麺のコシが強くなると共に、なめらかさに優れた食感のよい米粉麺となる糊化度の範囲は、40〜75%であり、特に、試験区No.6及びNo.7のデータから、米粉麺製造に最も適する糊化度の範囲は、65〜75%と判断できる。
【0077】
一方、無処理の米粉(試験区No.1)、湯捏ね(試験区No.2)、水洗後直ちに2分間蒸気加熱した米粉(試験区No.3)、即ち、糊化度25%若しくは25%以下の米粉を用いた場合は、調理後に切れやすくなり安定した麺を製造することは困難であった。
【0078】
また、糊化度が89.9%となった試験区No8の場合には、麺線は極めて良好に形成されたが、麺同士がくっつきやすかった。
【0079】
以上、この実験で得られたデータを内挿、外挿した結果、米粉麺製造に適する糊化度の範囲は、40〜75%と判定した。
【0080】
(実験3)澱粉のアミロース含有量と米粉麺の性状
次に、米粒澱粉中に含まれるアミロース含有量と米粉麺の性状の関係について実験評価を行って適切なアミロース含有量を決定した。その結果を表3に示す。
【0081】
【表3】

【0082】
原料米としては、品種「コシヒカリ」(アミロース含有量17.1%(重量))、品種「越路早生」(同含有量20.4%(重量))、品種「こしのめんじまん」(同含有量32.3%(重量))、及び、この品種「越路早生」と品種「こしのめんじまん」とを等量混合してアミロース含有量を26.4%(重量)に調整した精白米、の夫々を試料として用いた。
【0083】
次に、これらの原料米の夫々を水洗いし夫々に含まれる水分の含水量が22%(重量)になるように調整した後、5分間蒸気加熱して糊化させ、次いで、乾燥させ、その後に気流粉砕機で粉砕して、100メッシュの篩を全て通過するように粒度調整して、夫々の米粉を得た。得られた米粉の糊化度は54〜56%であった。
【0084】
次いで、これらの米粉100部に対して水47部を加え、水分が均一になるように混合して30分間放置し、押し出し製麺機で製麺し米粉麺とした。
【0085】
表3に示したように、アミロース含有量が17.1%(重量)の米粉を使用した場合は、調理後に麺線同士が結着し団子状になったり、調理後スープ中に麺が煮溶けてしまい、茹で麺の付着性が高く、麺として十分な物性を有していなかった。アミロース含有量20.4%(重量)の米粉も前者とほぼ同様の結果となった。
【0086】
これに対し、アミロース含有量26.4%(重量)、32.3%(重量)の米粉を使用した場合は麺線が互いに付着することなく、またスープ中に麺が煮溶けず、食感もツルツルとしてコシのある米粉麺を製造することができた。
【0087】
したがって、米粉麺の製造にはアミロース含有量は25%(重量)以上が必要であることが判る。
【0088】
尚、現在のところアミロース含有量が35%(重量)を越える米は見出されていないため、アミロース含有量の実質的な上限は35%(重量)とできる。
【0089】
以上の検討結果から、米粉麺用として最適な米粉は下記のとおりとなる。
【0090】
(1)アミロース含有量を、25〜35%(重量)とする。
【0091】
(2)米粒の含水量を、20〜25%(重量)に調整する。
【0092】
(3)米粒の糊化度を、40〜75%に調整する。
【0093】
(4)米粉の粒度は、100メッシュの篩を通過するものとする。
【0094】
尚、アミロース含有量が25〜35%(重量)の精白米は、アミロース有量30%(重量)以上の精白米と、アミロース含有量25%(重量)以下の精白米とを混合すればよく、このようにすることによって、硬度や弾力性などの物性に変化を持たせた米粉麺の製造が可能になる。
【0095】
アミロース含有量が25〜35%(重量)の玄米についても同様である。
【0096】
次に、精白米を原料として用いた場合を実施例1とし、ソバ粒を原料として用いた場合を実施例2とし、以下詳述する。
【0097】
(実施例1)原料として精白米を用いた米粉の製造と麺の製造
この実施例1は、原料として、高アミロース米(品種:こしのめんじまん)を使用し、この高アミロース米を精白して精白米にした後、水洗い、加熱して糊化した後、粉砕して粒度調整することで製粉した米粉を得、この米粉から米粉麺を製造し、この米粉麺を用いて調理することで、精白米を用いた米粉の製造方法である。
【0098】
即ち、実施例1の米粉は、原料として精白米を用い、アミロース含有量25〜35%(重量)の精白米を水洗いして含水率が20〜25%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して原料に含まれる澱粉が膨潤して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後、粒度が100メッシュの篩をすべて通過するように粒度調整することで、麺の製造に適するものとなる。
【0099】
(1)製粉工程
この米粉は以下の(ア)〜(キ)の手順で製粉した。
【0100】
(ア)原料:品種「こしのめんじまん」、アミロース含有量32.3%(重量)
(イ)この原料米を精白する。
【0101】
(ウ)精白米を水洗いする。
【0102】
(エ)水洗後、ザルに移して30分間放置し、水を切る(米粒表面に付着した水分
を米粒内部に吸収。)。この時の米粒水分の含水量は22%(重量)であった

【0103】
尚、この米粒の飽和含水率は32%(重量)であった。
【0104】
(オ)常圧蒸気加熱装置で、100℃で5分間加熱する。
【0105】
高アミロース米を使用することにより、蒸気加熱して糊化中でも米粒同士の
付着が少なくパラパラ状態になった。このため、米粒の間隙を蒸気が通過でき
ることになって、米粒が均一に加熱され、加熱後においても、米粒同士の付着
が少なくパラパラ状態である。
【0106】
(カ)加熱後、乾燥器を用いて原料米の含水量(15%)と同等以下に乾燥する。
【0107】
(キ)乾燥後、米粒を気流粉砕機で100メッシュの篩を全て通過するよう粒度調
整する。
【0108】
上記(ア)〜(キ)の条件で製粉した米粉の糊化度は59.9%であった。
【0109】
(2)製麺工程
この米粉を用いて製麺を行い、米粉麺の評価を行った。
【0110】
(ア)半糊化米粉100部に対して水47部を加え、水分が均一になるように混合
する。
【0111】
(イ)混合後30分間放置する。
【0112】
(ウ)押し出し製麺機にて直径1.5mmの太さで押し出し、長さ25cmの麺線に形
成する。
【0113】
(3)評価
この米粉麺を沸騰水中で3分間茹で調理して評価し、次の評価結果を得た。
【0114】
(ア)麺の硬度:茹で直後の麺の硬度は、560gw
(イ)外観評価:調理した麺は、麺線の付着なし。また、スープ中に煮溶けなし。
【0115】
(ウ)主観評価:食感もなめらかでコシがあり、米の風味が感じられ良好。
【0116】
また、玄米の場合にも精白米と同様にして米粉を製造することができ、この玄米から得た米粉によっても、上述の精白米の米粉と同じ効果を得ることができた。また、精白米と玄米を適当に混合した場合も同様であった。
【0117】
(実施例2)原料としてソバ粒を用いたソバ粉の製造と麺の製造
この実施例2は、原料としてソバのむき実を用い、水洗い後、加熱して糊化した後、粉砕して粒度調整することで製粉してソバ粉を得、このソバ粉からそば麺を製造し、このそば麺を用いて調理することで、ソバ粒を用いたソバ粉の製造方法を実験的に決定している。
【0118】
即ち、実施例2のソバ粉は、原料としてソバ粒を用い、このソバ粒を水洗して含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後、粒度が60メッシュの篩をすべて通過するように粒度調整することで、麺の製造に適するものとなることを以下によって確認した。
【0119】
(1)製粉工程:
このソバ粉は、水切り時間及び加熱条件の確定のために、以下の(ア)〜(キ)の
条件で製粉した。
【0120】
(ア)原料:ソバの実の外皮を除去したソバのむき実(甘皮付き)としてのソバ粒
(イ)水洗後ザルに移して水切り
(静置時間を0,15,45分のいずれかに設定して含水量を制御した)
(ウ)加熱、乾燥、粒度調整
加熱は条件の異なる次の(a),(b),(c)を設定した。
【0121】
(a)ソバ粒を直接粉砕したもの。
【0122】
(b)ソバ粒を直接粉砕し、湯捏ねしたもの。
【0123】
(c)ソバ粒を常圧蒸気加熱で5分間若しくは15分間加熱後、原料ソバ粒の
元の含水量になるまで乾燥させたもの。
【0124】
表4に示すように、試験区として、水切り時間が15分間、常圧蒸気で5分間加熱し乾燥・粉砕を行ったもの、及び、水切り時間を45分間として常圧蒸気で5分間若しくは15分間加熱し乾燥・粉砕したもの、を設定し、ソバ粒を直接粉砕したもの、及び、ソバ粒を常圧蒸気で5分間加熱した後に原料のソバ粒の含水量まで乾燥したもの、及び、ソバ粒を湯捏ねしたもの、3種類を対照区として、計6つの場合について比較を行った。
【0125】
また、この実施例2では、ソバ粒を粉砕した後の粒度は米粒と比べ低いため、加水して生地を捏ねる作業中や、製麺工程における機械的打撃、摩擦、圧密等の外部的な力の作用によって、ソバ粒の粗い粒子の組織が崩れ細かくなることが想定されるため、ソバ粉を60メッシュの篩を全て通過する粒度調整した。
【0126】
(2)製麺工程:
このソバ粉を用いた製麺は、このソバ粉100部に対し50部の水を加えて全体が均一になるように混ぜ合わせ、30分間ねかせを行ってから押出し式製麺機により製麺した。
【0127】
(3)評価:
このソバ粉で製造したそば(麺)を茹で調理して評価し、表4の評価結果を得た。
【0128】
【表4】

【0129】
表4に示すように、試験区である、水洗水切り15分及び45分の場合の水切り後のソバ粒の水分の含水量は、31〜33%(重量)であるのに対して、3つの対照区の含水量は、16.0%であることから、ソバ粒を水洗すると甘皮と胚乳の間隙に入り込んだ水が水切りしても、粒外に流出せずにそのまま粒内に吸収されるため、米粒の場合の含水率よりかなり大きい、30%(重量)を超える含水率となるものと考えられる。
【0130】
尚、ソバのむき実(ソバ粒)の飽和含水率は、約45%(重量)であった。
【0131】
この表4の含水量データから良好な麺を製造可能な含水量は20〜35%(重量)と判断できる。
【0132】
また、押出し後の麺線は、対照区とした、ソバ粒を無水洗で直接粉砕したもの、及び、ソバ粒を無水洗で5分間蒸気加熱したもの、及び、ソバ粒を無水洗で直接粉砕し、湯捏ねしたものではいずれも、麺線がもろく茹で調理する前に切れが多発し、そばとしての体裁を成すものは得られなかった。また、できた麺線も表面が乾燥しやすく、これも麺線を切れやすくしていると考えられる。
【0133】
これに対し、水洗後、水切りを15分乃至45分行って付着した水分を吸水させたものは、5分間加熱することにより半糊化状態となった澱粉がつなぎの役割を発揮し、しなやかでつながりの良い麺線となり、茹で後の麺はコシが強く弾力性があり、なめらかな食感の特徴的なそばが得られた。また、そばとしての風味が十分に感じられ、これは、蒸気加熱による半糊化によって、風味成分が揮散することなく粒内に保持されるためであると考えられる。
【0134】
しかし、水洗を行って付着した水分を吸水させたものであっても、15分間加熱したものは、糊化度が92.5%となり、つながりは良好であるが、麺同士がくっつきやすく、茹でた後も麺同士がくっついてしまい、コシも弱かった。
【0135】
従って、この表4の結果を内挿すると、良好なそばを製造可能な糊化度の下限は40%、上限は75%であり、また、最適な糊化度は、50〜65%と判定できる。
【0136】
以上の検討結果から、そば麺用のソバ粉の製造条件として、
(1)ソバ粒の含水量を、20〜35%(重量)とする、
(2)ソバ粒の糊化度を、40〜75%とする、
(3)ソバ粉の粒度を、60メッシュの篩を全て通過するように粒度調整する、
ことが良好なそば麺の製造に必要であることが判明した。
【0137】
以上、実施例1及び実施例2によって、高アミロース含有量の精白米若しくは玄米若しくはソバ粒にから米粉100%、ソバ粉100%でも麺線のつながりがよく、食味、食感が優れたそばを簡単に、更に、各種形態の麺の製造を可能とする米粉およびソバ粉になり、並びにこれらを用いて製麺できることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、精白米、玄米及びソバ粒のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを水洗いして含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して60メッシュ若しくは100メッシュに設定した篩を通過させて粒度調整を行うことを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項2】
麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、アミロース含有量25〜35%(重量)の精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを水洗いして含水率が20〜25%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して100メッシュの篩を通過させて粒度調整することを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記アミロース含有量が25〜35%(重量)の精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものは、アミロース含有量30%(重量)以上の精白米若しくは玄米と、アミロース含有量25%(重量)以下の精白米若しくは玄米とを混合して得たものであることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記加熱は、常圧蒸気加熱、過熱水蒸気加熱、マイクロ波加熱、通風を伴う熱風加熱、自然対流式加熱、静置式加熱若しくは回転式加熱が採用されることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法によって製造された米粉を用いて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の麺の製造方法において、前記米粉に、精白米及び玄米のいずれか1つ若しくはこれらを混合したものを粉砕して加熱せずに得た非加熱の米粉を混合することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項7】
請求項5,6いずれか1項に記載の麺の製造方法において、小麦粉,グルテン若しくは澱粉を加えて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺は、冷凍処理を行って生麺とするか、若しくは、乾燥処理を行って乾麺とすることを特徴とする麺の製造方法。
【請求項9】
請求項5〜8いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺を、熱水、蒸気若しくは揚げ油で加熱して澱粉の糊化度を95%以上に上昇せしめることを特徴とする麺の製造方法。
【請求項10】
麺の製造に用いる原料粉の製造方法であって、ソバの実の外皮を除去したソバ粒を水洗して含水率が20〜35%(重量)となるように水分調整し、続いて、加熱して澱粉の糊化度が40〜75%となるように調整し、続いて、乾燥後粉砕して60メッシュの篩を通過させて粒度調整することを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法において、前記加熱は、常圧蒸気加熱、過熱水蒸気加熱、マイクロ波加熱、通風を伴う熱風加熱、自然対流式加熱、静置式加熱若しくは回転式加熱が採用されることを特徴とする麺の製造に用いる原料粉の製造方法。
【請求項12】
請求項10,11いずれか1項に記載の麺の製造に用いる原料粉の製造方法によって製造されたソバ粉を用いて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の麺の製造方法において、前記ソバ粉に、ソバの実の外皮を除去して粉砕して加熱せずに得た非加熱のソバ粉を混合することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項14】
請求項10〜13いずれか1項に記載の麺の製造方法において、小麦粉,グルテン若しくは澱粉を加えて麺を製造することを特徴とする麺の製造方法。
【請求項15】
請求項10〜14いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺は、冷凍処理を行って生麺とするか、若しくは、乾燥処理を行って乾麺とすることを特徴とする麺の製造方法。
【請求項16】
請求項10〜15いずれか1項に記載の麺の製造方法において、前記麺を、熱水、蒸気若しくは揚げ油で加熱して澱粉の糊化度を95%以上に上昇せしめることを特徴とする麺の製造方法。