説明

麺・具材等の放熱場所造成用具

【課題】 熱湯仕立てのインスタントカップ麺等の、熱すぎる麺・具材等を火傷をしない程度に冷まさせる為、箸・フォーク等で摘んだり絡めたりした状態のままで暫時空中に留め置くか、別に用意した小皿等に小分けして暫く待つ等の行為の煩雑さを解消させる。
【解決手段】 反りを持たせた板(6)に舌状の切れ込み(3)を入れ、舌状板(2)を造成、舌状の切れ込み(3)の始端と終端に汁切り穴(5)を開け、板の四方に立ち上げ壁(4)を設け、放熱場所造成用具(1)を作成する。
食事をする時は剥ぎ捨ててしまう部位であるカップ麺等の容器の上蓋を二つに折り返し放熱場所造成用具(1)を装着し、出来上がった小皿もどきに熱すぎる麺・具材等を口にする分だけ取り出して載せ、火傷をしない程度に冷めるのを待てば、放熱効果を享受しつつ上記行為の煩雑さを解消する事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明の属する記述分野】
【0001】
この発明は、熱い食べ物の入った円筒形、若しくは丼状の容器に装着して使用する物で、僅かに反りを持たせた板状の物体に切れ込みを入れた形状を成す、カップ麺等の上蓋を機能的に活用する為の器物についてである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱湯で調理されたカップ麺等の食材を、火傷をしない様に口にする為には、箸・フォーク等で摘んだり絡めたりした状態で、暫時空中に留め置くか、別に小皿等を用意してその上に小分けして、冷めるのを待つという行為を余儀なく執らされていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、熱すぎる麺・具材等を箸・フォーク等で摘んだり絡めたりした状態のまま暫時空中に留め置くとか、別に用意した小皿等に小分けして暫く空気に触れさせ冷めるのを待つ等の行為を簡便化させるべく、食事をする時は剥ぎ捨ててしまう部位であるカップ麺等の容器の上蓋を利用し、小皿もどきとして機能的に活用する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
カップ麺等の上蓋を、三分二位迄剥がし、残り三分の一位を糊付けされたままの状態で残し、この位置で二つに折り返し、出来上がった半円形の直線部分の辺に、僅かに反りを持たせた板状の物体に切れ込みを入れた器物を嵌め込んで装着し、小皿もどきを造成して活用する。
カップ麺等の上蓋を利用して放熱効果を引き出す方法には、折り返した上蓋の、容器の外縁より食み出す部分を谷折りにして一重の壁を造りだし、ふらつく折り返し部分と糊付けされたまま残された部分を、両面テープ状の物若しくはクリップ状の物で固定する等種々考察されるが、反りを持たせた板状の物体に切れ込みを入れた形状の器物を嵌め込んで装着する形態が最適であるとの結論に達した。
これを図で示せば、反りを持たせた板(6)に舌状の切れ込み(3)を設け差し込み用の舌状板(2)を造成し、外周に立ち上げ壁(4)を設置し、舌状の切れ込み(3)の始端と終端に汁切り穴(5)をそれぞれ開口させたものが、放熱場所造成用具(1)である。
放熱場所造成用具(1)は、立ち上げ壁(4)を上に向けた時、凹型若しくは平らなままでも放熱効果は得られるが、凸型にすることにより載せられた麺・具材等が凸型の面に沿って広がる為、大気に触れる部分が多くなり効率が上がる。又、舌状の切れ込み(3)の始端と終端に開けた汁切り穴(5)は、小皿もどきの上に溜まった汁を切る効果は当然のことながら、切れ込みの狭い筋が開口部で広がり、上蓋に器物を装着する時に差し込み用の舌状板(2)を下方へ押しやる度合いを軽減してくれる。更に、反りを持たせた板(6)を半円形の直線部分の辺に嵌め込むと、辺は容器に糊付けされている為、引きバネ効果が発生し、放熱場所造成用具(1)は上蓋にしっかりと固定される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
カップ麺等の熱い食べ物の入った円筒形、若しくは丼状の容器の上蓋を、三分二位迄剥がし、残り三分の一位を糊付けされたままの状態で残し、この位置で二つに折り返し、出来上がった半円形の直線部分の辺に放熱場所造成用具(1)を嵌め込んで装着し、小皿もどきを造成する。このまま使用しても差し支えはないが、更に、器物の外縁より食み出している上蓋の部分を立ち上げ壁(4)に沿って谷折りにし、これを立ちげ、壁を二重にすれば、汁漏れ防止対策は万全である。
熱すぎる麺・具材等を口にする分だけ取り出して、放熱場所造成用具(1)を上蓋に嵌め込んで出来上がった小皿もどきの上に載せ、火傷をしない程度に温度が下がるのを待つ。
仮に、放熱場所造成用具(1)が、反りを持たせた板(6)に舌状の切れ込み(3)を設けただけの、立ち上げ壁(4)を持たない形状だとしても、器物の外縁より食み出している上蓋の部分を放熱場所造成用具(1)の外縁に沿って谷折りにし、これを立ち上げ、一重の壁を造り出せば、出来上がった小皿もどきの放熱効果は、立ち上げ壁(4)を持たせた形状の器物と比較しても何ら遜色は無い。
又、立ち上げ壁(4)は、反りを持たせた板(6)の縁から直線状に立ち上がる形態以外にも、反りを持たせた板(6)の縁から曲線を描いて上方に立ち上がる形態を摂らせても、放熱効果は何ら阻害されない。
【実施例】
【0006】
(イ) 台形状の板の上底と下底に円弧の一部を描かせる様に僅かに曲げを入れた、反りを持たせた板(6)を用意する。
(ロ) 反りを持たせた板(6)に舌状の切れ込み(3)を入れて、舌状板(2)を造成する。
(ハ) 舌状の切れ込み(3)の始端と終端に汁切り穴(5)を開ける。
(ニ) 各種の処理を施し終えた反りを持たせた板(6)の外周に、立ち上げ壁(4)を設置し、放熱場所造成用具(1)を作成。
(ホ) 舌状板(2)は、カップ麺等の上蓋を三分の二位迄剥がした残り三分の一位以内の長さで、舌先はカップ麺等の容器最上方の内縁を描く円に沿う形状とし、上蓋と舌状板(2)との接触面を最大にする。又、舌状板(2)は小刻みに波打ちながら凸型に反りを持つ形態を摂ることも出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、凸型に反りを持たせた板に舌状の切れ込みを入れ、汁切り穴を開け、更に立ち上げ壁を持たせた構造であるから、食事をする時は剥ぎ捨ててしまう部位であるカップ麺等の容器の上蓋を二つ折りにしてこの放熱場所造成用具を嵌め込むと、糊付けにより支えられている上蓋は、凸型の反りで引き延ばされるのに逆らう形で引きバネ効果が発生して、しっかり器物を固定する。又、凸型の反りは載せられた麺・具材等が重力により器物の面に沿って広がる為、放熱の効率を上げる。
更に、汁切り穴は、狭い舌状の切れ込みに、二つ折りにした上蓋の辺部分が割り込んで来る時に生じる舌状板の下方への垂れ込みを、開口部の広がりで軽減するという利点を生じる。この舌状板の下方への垂れ込みは、初めから舌状の切れ込みに、広めの幅を持たせた形状を摂らせて置けば軽減できるが、放熱場所造成用具を固定する力は弱まってしまう。
インスタントのカップ麺等での食事は、簡易の腹ごしらえ若しくは、戸外での行事中が想定される。椅子・テーブルの少ない立食方式での食事の時も、麺・具材等を冷ます為、箸・フォーク等で摘んだり絡めたりした状態で暫時空中に留め置くとか、別に用意した小皿等に小分けして暫く待つという煩雑な行為は、放熱場所造成用具を嵌め込んで装着するという手法を摂れば、容器・小皿をテーブル上に置く事無く、カップ麺等の容器を片手で保持した儘、これを小皿もどきとして機能的に活用する事で、放熱効果を享受しつつ解消できる。
カップ麺等の容器の中へ、麺・具材類等の袋詰めと共に、本発明品を予め装填して置き必要に応じてこれを利用すれば、放熱場所を他に求める事無く、煩雑な放熱行為は簡便化出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の斜視図
【図2】 本発明の平面図
【図3】 本発明の正面図
【図4】 本発明の側面図
【符号の説明】
1 放熱場所造成用具 2 舌状板 3 舌状の切れ込み
4 立ち上げ壁 5 汁切り穴 6 反りを持たせた板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接口に触れさせるには熱すぎる麺・具材等の放熱助成用の場所を造成させる為の用具で、カップ麺等の上蓋を機能的に活用すべく、僅かに反りを持たせた板状の物体に切れ込みを入れた形状の器物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−55646(P2012−55646A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211343(P2010−211343)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(501030614)
【Fターム(参考)】