説明

麻酔中の患者の呼気からの二酸化炭素および一酸化炭素の除去

【課題】麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去する。
【解決手段】麻酔を受けている患者の呼気を分子ふるいベッドA,B,Cの入力端に送り、処理された気体を分子ふるいベッドA,B,Cの出力端から麻酔器に送る。分子ふるいベッドA,B,Cは二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2004年4月5日付け米国仮出願「麻酔中の患者の呼気からの二酸化炭素および一酸化炭素の除去」に基づく優先権主張出願である。
【背景技術】
【0002】
セボフルラン、イソフルラン、エンフルラン、デスフルランおよびハロタンなどのハロゲン化エーテルが世界的に吸入麻酔薬として使用されている。これらの薬が閉鎖または半閉鎖麻酔回路に使用され、薬を含む患者の呼気のすべてまたはいくらかが再呼吸されることが多い。これらの麻酔回路では、患者の吐き出した二酸化炭素(CO2)を除去し、その増加によって患者の低酸素症が生じないようにせねばならない。これらのシステムでCO2を除去する一般的プラクティスは呼気をアルカリ性基材のベッドに通し、CO2を炭酸に変換し、それをアルカリ炭酸塩として固定させることである。しかしながら、すべてのハロゲン化エーテルは強塩基によってある程度分解され、一酸化炭素、フォーマットなどの望ましくない副生成物を生じさせ、セボラルランの場合、化合物Aとして知られているふたつのオレフィン化合物、ペンタフルオロイソプロペニルフルオロメチルエーテル、(PIFE,C4H2F60)および化合物Bとして知られているペンタフルオロメソキシ イソプロピル フルオロメチルエーテル、(PMFE,C5H6F60)を生じさせる。化合物Aはネズミで腎毒性であることが示されている。さらに、現在使用されている塩基性物質は一酸化炭素の除去の効果はなく、いくつかのものは哺乳類の循環系の種々のヘモグロビン化合物の自然分解による内因性をもつ。
【発明の開示】
【0003】
この発明は分子ふるいを使用し、CO2およびCOを除去するもので、ミクロ細孔構造内でこれらの化合物を機械的に優先的に捕捉し、ハロゲン化エーテルが分解しないようにするものである。ふるいは圧力スイング脱着、真空スイング脱着、両者の組み合わせまたは温度スイング脱着などの周知の技術で現場で再生することができる。この発明の付加的特徴はふるいのベッドを低温殺菌し、マイクロフィルタを通る病原性微生物を除去することができる熱風パージ力を提供することである。
【0004】
世界的に、およそ80%の麻酔外科的処置において、ハロゲン化エーテル麻酔薬が単独でまたは他の薬との組み合わせで使用されている。
【0005】
この発明の利点は次のとおりである。
【0006】
患者の安全性
ハロゲン化エーテルの分解生成物を除去することによって患者の転帰が改善される。麻酔回路から内因性一酸化炭素を除去することによって患者の安全性が向上する。
【0007】
経済性
特にセボフルランがそうである。化合物Aの毒性のリスクが高く、米国では、それを気体の流速が分あたり5〜6リットルの高速麻酔で使用し、アルカリ基吸着剤内のエーテルの接触時間が減少するようにせねばならない。250mlあたり35ドルのイソフルランに対し、セボフルランのコストは250mlあたり200ドルである。低速麻酔、すなわち分あたりおよそ1リットルの流速が小児に望ましく、成人によってそれが望ましいこともあり、使用されるセボフルラン麻酔薬の量をおよそ70%減少させることができる。
【0008】
この発明の前述した利点および特徴は次の詳細な説明で明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明は分子ふるいを使用し、麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去する方法およびシステムに関するものである。このシステムおよび方法は特にハロゲン化エーテル吸入麻酔薬を使用する麻酔に有効である。呼気は水を除去する非反応性乾燥剤で乾燥され、0.3ミクロンよりも大きい粒状物質を除去することができるフィルタを通り、二酸化炭素および一酸化炭素を除去することができる天然または合成分子ふるいを含むベッドを通り、呼吸回路に戻り、患者に再循環する。
【0010】
図1のキー
この発明のシステムが図1に示されており、これは次の要素をもつ。
【0011】
A,B,C 混合気体から二酸化炭素および一酸化炭素を除去するための選択されたタイプの分子ふるい30,32,34を含む適宜の容器である。たとえば、ふるいタイプA3,A4,X13である。ふるいの粒状物質の例はゼオライトおよび炭素繊維である。好ましい形式のふるいはふるいベッドを通る気体の流動抵抗を最小限にとどめる直径の粒状物質である。しかしながら、ハニカム構造のふるいを使用してもよい。図1に3つのふるいベッドが示されているが、付加的ベッドを使用することもできる。現地再生が要望されるとき、ベッドの最小数は2つであり、一方のベッドが再生され、他方のベッドが患者の呼気に使用される。
【0012】
1,2,3 常閉ソレノイドバルブによって分子ふるいベッドから麻酔器への気体の流出が許容または停止される。
【0013】
4,5,6 常閉ソレノイドバルブによって分子ふるいから真空源への気体の流出が許容または停止される。
【0014】
7,8,9 常閉ソレノイドバルブによって患者から分子ふるいベッドへの呼気の流入が許容または停止される。
【0015】
10,11,12 常閉ソレノイドバルブによって分子ふるいベッドへの熱風の流れが許容または停止される。
【0016】
13 圧力熱風源である(図2参照)。
【0017】
14 システムの作用シーケンスをモニタおよび制御する制御システムである(図3参照)。制御システム14は特にバルブ1〜12の開閉を制御する。
【0018】
15 シリカゲルなどの呼気から水蒸気を除去する乾燥剤を含むインラインエレメントである。
【0019】
16 乾燥された呼気から粒状物質(微生物を含む)を除去する高性能マイクロフィルタであるHEPAフィルタである。
【0020】
17 これは停電またはシステム流れ障害のときシステムをバイパスする常開ソレノイドバルブである。
【0021】
図2のキー
図1のシステムの圧力熱風源13は次の要素をもつ。
【0022】
21 これは作用室に利用することができる典型的圧縮空気ライン圧力(90psig)を吸着システムの圧力定格に一致する低圧に減少させる標準2段レギュレータである。
【0023】
22 シリカゲルなどの呼気から水蒸気を除去する乾燥剤を含むインラインエレメントである。
【0024】
23 これは制御システム(図1の14参照)に接続され、制御される抵抗電気素子を含むインライン加熱ユニットである。
【0025】
24 これは制御システム(図1の14参照)に接続され、制御システムにプロセス入力を与え、加熱ユニットを制御することができるようにする温度センサである。
【0026】
この適用に有効なふるいはA3,A4,A5,A7およびX13に分類される。数字はオングストロームの孔径を示す。図1のフィルタはHEPAフィルタとして知られる。HEPAは高性能粒状物質捕捉(High Efficiency Particulate Arrestance)の略語であり、標準用語である。実際のHEPAフィルタは0.3ミクロンよりも大きいすべての粒状物質の99.97%を除去し、それはバクテリア、胞子、かび、イーストなどよりも小さい。
【0027】
図1および2のシステムの作用が図3のフローダイヤグラムに示されている。作用42,44,46,48,50は図1の要素10,11,12,13および図1の要素によって与えられる熱風パージの特徴に関連する。作用44で示されているように、ふるいベッド30,32,34が麻酔回路で作用するとき、熱風パージ作用は生じない。
【0028】
図3の作用60,62,64は図1のシステムを麻酔回路で作用させる。麻酔回路は患者、図1のシステムおよび麻酔器を含む。作用70,72,74,76,78はベッドA(30)に関連し、患者の呼気からCO2およびCOを除去し、処理された気体を麻酔器に戻す。作用70は入口および出口バルブ7,1を開き、麻酔回路のベッドAを接続する。バルブ4は閉じられる。作用74はベッドAが患者の呼気の流量の増加が検出されたときだけ時間調節作用するようセットされることを保証する。ベッドAの作用のとき、作用80,82は入口および出口バルブ9,3を閉じ、バルブ6を開き、ベッドCを真空源に連通し、知られている方法で真空スイング脱着をなすことによってベッドC(34)の現地再生を生じさせる。
【0029】
作用76によって決定される時間だけベッドAが作用し、作用78によって検出され、指示される作用サイクルの終端にベッドB(32)が作用する。特に、作用90,92,94,96がベッドBに関連し、患者の呼気からCO2およびCOが除去され、処理された気体が麻酔器に戻される。作用90が入口および出口バルブ8,2を開き、麻酔回路のベッドBを接続する。バルブ5は閉じられる。ベッドBの作用のとき、作用100,102は入口および出口バルブ7,1を閉じ、バルブ4を開き、ベッドAを真空源に連通させ、知られている方法で真空スイング脱着をなすことによってベッドAの現地再生を生じさせる。
【0030】
作用94によって決定される時間だけベッドBが作用し、作用96によって検出され、指示される作用サイクルの終端にベッドC(34)が作用する。特に、作用110,112,114,116がベッドCに関連し、患者の呼気からCO2およびCOが除去され、処理された気体が麻酔器に戻される。作用110が入口および出口バルブ9,3を開き、麻酔回路のベッドCを接続する。バルブ6は閉じられる。ベッドCの作用のとき、作用120,122は入口および出口バルブ8,2を閉じ、バルブ5を開き、ベッドBを真空源に連通させ、知られている方法で真空脱着をなすことによってベッドBの現地再生を生じさせる。
【0031】
作用114によって決定される時間だけベッドCが作用し、作用116によって検出され、指示される作用サイクルの終端にベッドAが作用する。前述した作用のシーケンスが継続され、シーケンスは麻酔器の作用の間繰り返される。作用76,94,114によってセットされるベッドA,B,Cの作用の時間分は当業者に周知の方法で再生が要求される前各ベッドを作用させることができる時間の長さに従って決定される。
【0032】
麻酔剤の分解に関連する文献は次のとおりである。
1.モノ エム フジ、ケイ ムカイ エス、コダマ ジイ「ソーダライムによるハロタンの分解および呼気のハロタンの代謝産物」エクサプタ/インターナショナル コングレス シリーズ(Exerpta/International Congress Series)1976;387:214−5
【0033】
2.モノ エム、フジイ ケイ、サトウ エヌ、イマイ エム、カワカミ ユー、ミズノ ティ、カワイ ワイ、オガサワラ ワイ、タムラ ティ、ネギシ エー、クマギ ワイ、カワイ ティ「ソーダライムに対するセボフルランの反応およびその分解産物 副産物の毒性」麻酔学(Anesthesiology) 1992;77:1155−67
【0034】
3.モリタ エス、ラッタ ダブリュ、ハンブロ ケイ、スナイダ エム ティ「閉鎖回路麻酔の呼気のメタン、アセトンおよびニトロゲンの蓄積」麻酔および無痛覚症(Anesthesia and Analgesia)1985;64:545−7
【0035】
4.ローリ ジイ、ヴァシチェレン エル エフ、モーティエア イー「閉鎖回路麻酔のメタンの蓄積」麻酔および無痛覚症(Anesthesia and Analgesia)9194;9:13−14
【0036】
5.レンツ アール「麻酔ポーズパズルズの一酸化中毒」麻酔安全基盤公報(Anesthesia Safety Foundation Newsletter)1994;9:13−14
【0037】
6.ムーン アール、メイヤ エー、スコット ディ、フォックス イー、ミリントン ディ、ノーウッド ディ「術中一酸化炭素の毒性」麻酔学(Anesthesiology)73:A1049
【0038】
7.ムーン アール、イングラム シー、ブルナー イー、メイヤー エー「麻酔回路の一酸化炭素の自然発生」麻酔学(Anesthesiology)1991:75:A873
【0039】
8.フリンク イー ジェイ、マラン ティピー、モーガン エス イー、ブロウン イー エー、マルコンソン エム、ブロウン ビイ アール「外科患者の低流量麻酔時のふたつの吸収剤のセボフルランの分解生成物の定量化」麻酔学(Anesthesiology)1992:77:1064−9
【0040】
9.ビトー エイチ、イケダ ケイ「人間のセボフルランの閉鎖回路麻酔 腎臓および肝臓機能に対する作用および回路のソーダライムに対する分解産物の濃度」麻酔学(Anesthesiology)1994:80:71−6
【0041】
10.ゴンソウスキ シー ティ、ラスター エム ジェイ、フェレル エル ディ、カーシュマン アール エル「ネズミの化合物Aの毒性 3時間投与の効果」麻酔学(Anesthesiology)1994:80:556−65
【0042】
11.ゴンソウスキー シー ティ、ラスター エム ジェイ、フェレル エル ディ、カーシュマン アール エル「ネズミの化合物Aの毒性 増加投与時間の効果」麻酔学(Anesthesiology)1994;80:566−73
【0043】
12.「乾燥ソーダライムに対するデスフルラン、エンフルラン、ハロタン、イソフルランおよびセボフルランからの一酸化炭素生成」ウィッシング エイチ他 麻酔学(Anesthesiology)2001 11月;95(5):1205−12
【0044】
この発明の実施例を詳細に説明したが、それは限定の目的のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明のシステムおよび方法を示す略図である。
【図2】図1のシステムの熱風パージの熱風源の略図である。
【図3】この発明のシステムおよび方法の操作を示す略図である。
【符号の説明】
【0046】
1〜12 常閉ソレノイドバルブ
13 熱風源
14 制御システム
15 ドライヤ
16 フィルタ
17 常開ソレノイドバルブ
30,32,34 分子ふるい
A,B,C 分子ふるいベッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去するシステムであって、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む分子ふるいベッドと、
b)麻酔を受けている患者の呼気を前記分子ふるいベッドの入力端に送る手段と、
c)処理された気体を前記分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に送る手段とからなるシステム。
【請求項2】
前記分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る手段は前記呼気から水蒸気を除去するドライヤを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る手段は前記呼気から粒状物質を除去するフィルタを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
さらに、前記分子ふるいベッドの入力端に接続され、前記ベッドに熱風パージを与える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
さらに、前記分子ふるいベッドの出力端に真空源を接続し、前記ベッドを再生する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記分子ふるいベッドに含まれる物質はハロゲン化エーテル麻酔薬を分解しないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
さらに、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む1つまたはそれ以上の付加的分子ふるいベッドと、
b)麻酔を受けている患者の呼気を前記付加的分子ふるいベッドの入力端に送る手段と、
c)処理された気体を前記分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に送る手段と、
d)呼気を前記ベッドの入力端に送る手段に接続され、処理された気体を前記各ベッドの出力端から送る手段に接続され、前記各ベッドの循環作用を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記各分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る手段は前記呼気から水蒸気を除去するドライヤを有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記各分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る手段は前記呼気から粒状物質を除去するフィルタを有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
さらに、前記制御手段に接続され、前記各分子ふるいベッドの入力端に接続され、前記各ベッドに熱風パージを与える手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御手段に接続され、前記各分子ふるいベッドの出力端に真空源を接続し、前記ベッドを再生する手段を備えたことを特徴等する請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記各分子ふるいベッドに含まれる物質はハロゲン化エーテル麻酔薬を分解しないことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去する方法であって、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む分子ふるいベッドを提供し、
b)麻酔を受けている患者の呼気を分子ふるいベッドの入力端に送り、
c)処理された気体を分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に送ることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記分子ふるいベッドに呼気を送る工程は前記呼気から水蒸気を除去する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る工程は前記呼気を濾過し、前記呼気から粒状物質を除去する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記ベッドに熱風パージを与えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記分子ふるいベッドの出力端に真空源を接続し、前記ベッドを再生することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記分子ふるいベッドに含まれる物質はハロゲン化エーテル麻酔薬を分解しないことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
さらに、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む1つまたはそれ以上の付加的分子ふるいベッドを提供し、
b)麻酔を受けている患者の呼気を前記付加的分子ふるいベッドの入力端に送り、
c)処理された気体を前記各分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に送り、
d)前記各ベッドの循環作用を制御することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記各分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る工程は前記気体を乾燥させ、前記呼気から水蒸気を除去する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記各分子ふるいベッドの入力端に呼気を送る工程は前記呼気を濾過し、前記呼気から粒状物質を除去する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
さらに、前記ベッドに熱風パージを与えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
さらに、前記各分子ふるいベッドの出力端に真空源を選択的に接続し、前記各ベッドを再生することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記各分子ふるいベッドに含まれる物質はハロゲン化エーテル麻酔薬を分解しないことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去するシステムであって、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む複数の分子ふるいベッドと、
b)麻酔を受けている患者の呼気を前記各分子ふるいベッドの入力端に個別に送る手段と、
c)処理された気体を前記各分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に個別に送る手段と、
d)呼気を前記各ベッドの入力端に個別に送る手段に接続され、処理された気体を前記各ベッドの出力端から個別に送る手段に接続され、前記各ベッドの循環作用を制御する制御手段とからなるシステム。
【請求項26】
さらに、前記制御手段に接続され、前記各分子ふるいベッドの入力端に接続され、前記各ベッドに熱風パージを与える手段を備えたことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
さらに、前記制御手段に接続され、前記各分子ふるいベッドの出力端に真空源を接続し、前記各ベッドを再生する手段を備えたことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
麻酔中、患者の呼気から二酸化炭素および一酸化炭素を除去する方法であって、
a)入力端および出力端をもち、二酸化炭素および一酸化炭素を機械的に優先的に捕捉し、麻酔ガスを分解しない物質を含む複数の分子ふるいベッドを提供し、
b)麻酔を受けている患者の呼気を前記各分子ふるいベッドの入力端に個別に送り、
c)処理された気体を前記各分子ふるいベッドの出力端から麻酔器に個別に送り、
d)呼気を前記各ベッドの入力端に送ること、および気体を前記各ベッドの出力端から送ることを制御し、前記各ベッドの循環作用を提供することを特徴とする方法。
【請求項29】
前記各分子ふるいベッドの出力端に真空源を選択的に接続し、前記各ベッドを再生することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前記各ベッドに熱風パージを与えることを特徴とする請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−531608(P2007−531608A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507389(P2007−507389)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/011169
【国際公開番号】WO2005/099797
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(504152052)ミンラッド インコーポレイテッド (7)