説明

麻酔用高濃度プロポフォールのマイクロエマルジョンの調製

本発明は、哺乳類の静脈経由で投与する麻酔剤に用いるプロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール)の溶解特性と生体適合特性を強化する方法及び組成を提供する。この方法は、水ベースのマイクロエマルジョン調製剤の製造に用いる自己マイクロエマルジョン化可能なベース組成物を作る。好ましい二成分のベース組成物において、ベース組成物は、ポリエチレングリコールを含有する界面活性剤と、液体プロポフォールでなる。マイクロエマルジョンは、ベース組成物をキャリア液と混合することで調製され、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大約4重量%のプロポフォールを含有するマイクロエマルジョンを形成する。四成分のベース組成物では、ベース組成物が、ポリエチレングリコールを含有する界面活性剤と、液体プロポフォールと、水と混合しない溶剤と、エタノールでできている。ベース組成物をキャリア液と混合することによってマイクロエマルジョンが調製され、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大約10重量%のプロポフォールを含有するマイクロエマルジョンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、一般的な麻酔の目的で哺乳類に非経口的に投与する医薬として使用される麻酔プロポフォールの、生理学的に等張性のオイルインウォータ型マイクロエマルジョンの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
薬物の水中分散システムは、水溶性でない薬物を静脈に投与するのに必要である。これらのシステムのいくつかは、エマルジョンとしても知られている、疎水性液体の水中分散を使用している。エマルジョンは、一般的に、均一サイズで、安定あるいはある程度安定である第2のキャリア液中の液滴の分散として規定される。微小サイズのエマルジョンは、しばしば、用語上、ナノエマルジョンとマイクロエマルジョンに分けられる。ナノエマルジョンは、50−200nmの範囲のサイズを意味し、動的に安定なシステムであり、長期の物理的安定性を有する(クリーム状にする、あるいは沈殿させる、凝集させる、および癒着させることに対して)。ナノエマルジョンシステムは、動力学的に安定であるが、熱力学的には安定でないので、通常は、音波処理、および高圧均質化などエネルギィ的方法で作る必要がある。
【0003】
特に、エマルジョンシステムは、純粋な状態で液体であり、実際は水に不溶性である麻酔プロポフォール(2、6、ジイソプロピルフェノール)の投与に必要である。プロポフォールはよく知られた薬物であり、比較的安価で純化学物質として製造され、現在は、一般的な麻酔剤としてヒトや獣医学に大規模に使用されている。プロポフォールは、深い麻酔が可能であり、薬物の投与を中止した後比較的短い時間で消散する。
【0004】
現在、薬剤プロポフォールは、大豆オイルに溶かし、次いで、このオイルを卵ホスホレシチンと共に調製してプロポフォール濃度を全液剤の1%に標準化した、食塩水中最終濃度が約10%の大豆油を作って調剤される。これらのエマルジョンは、ミルクのように見え、最大200nmの液滴サイズを有し、「ナノエマルジョン」と呼ばれる。このような商業用プロポフォールエマルジョンは、保存剤を加えるにもかかわらず、静脈経由で投与する脂質栄養剤と同じく、すばらしいウイルスの保存媒体であり、あるいはバクテリアの成長媒体でもある。このため、米国では全てのプロポフォール製剤は、一人の患者用のバイアルとアンプルに制限されており、最初の使用後数時間以内に挿入容器の廃棄を指示している。
【0005】
マイクロエマルジョンは、ナノエマルジョンと区別するべきものであり、通常は、直径約5−50nm以下の範囲の、特に液滴サイズが小さいタイプのエマルジョンである。マイクロエマルジョンは、非常に小さい液滴からの光の散乱が小さいため光学的に透明であるという特徴があり、純粋な溶液と同様の視覚的外観を与える。また、マイクロエマルジョンは、通常、不安定さに対して熱力学的に安定しており、従って、十分な時間が与えられると、ときに自然にできることがある。本発明の目的のために、最も望ましいマイクロエマルジョンは、ある種の疎水性化学物質と水が単にその混合物を攪拌するだけで混合して、音波処理などの強力な攪拌の必要がなく、自然にできる。
【0006】
この点に関して、光学的に透明であり、薬学的な静脈経由での使用のためのプロポフォールマイクロエマルジョンの開発をして、光を散乱させるバクテリアなどの外のエレメントからの潜在的な汚染の存在を検出するために、光の回折を用いることができるようにすることが特に必要である。また、現在のオイルやホスホレシチン製剤がそうであるように、バクテリアやカビを成長させないプロポフォール製剤を開発する必要がある。シェルフの寿命が長く、容易に滅菌できるプロポフォール製剤の開発が必要である。最後に、ウマなどのより大きな動物用に、現在商業的に入手可能な濃度1%よりはるかに濃度の高いプロポフォール製剤を開発する必要がある。通常の麻酔が必要なこのような動物は、現在は、フィールド麻酔法からガス麻酔法に好適にセッティングしたアーバン麻酔へと頻繁に輸送しなければならず、この手順は難しいし、高価である。この分野の、動物に用いることのできる安価な高濃度のプロポフォール製剤は、これらのほとんどの動物の通常の麻酔の要求を満たすであろう。
【0007】
一般的に、現在商業的に入手可能なプロポフォールを静脈経由で投与するためのエマルジョンシステムは、オイルインウォータタイプの一般的な白濁ナノエマルジョンを用いている。しかしながら近年は、活性化合物の薬学的投与用の一般的なマイクロエマルジョンシステムが米国特許第6,602,511号に開示されている。これは、一般的に、水と、極性調製用成分と、「界面活性剤膜修飾」(例えば、エタノール)、薬学的に許容可能なオイル(最も好ましくは、「8−10の炭素原子を有する少なくとも70%の脂肪酸を含むトリグリセリド」)と、全エマルジョンの重量の最大約15%の親水性及び疎水性の界面活性剤混合物を含む、マイクロエマルジョンの複雑な調製を開示している。’511号特許は、この調製が、「プロトンポンプ阻害剤、カルシウムチャンネルブロッカ、ベータブロッカ、麻酔薬、ステロイド、酸化防止剤、レニン阻害剤、アルカロイド、細胞成長抑止剤、抗凝固剤、脂質調製剤、抗抑制剤、神経弛緩剤、免疫抑制剤、免疫修飾物質、抗生物質、および抗炎症剤」など、広範囲の活性化合物をエマルジョン化するのに使用できることを主張している。残念ながら、この特許は、フェロジピンと「インデノインドール」の二つのみの活性化合物へのマイクロエマルジョン調製のアプリケーションを開示している。プロポフォールなどの麻酔剤を含むマイクロエマルジョンとしての本発明の有用性は開示されていない。この点について、特許が、この発明は「透明であり、若干粘性のある一相の液体」であるエマルジョンを作ると述べているが、フェロジピンまたはインデノインドールを加えた後のマイクロエマルジョンの透明性に関しては何も述べていない。しかしながら、本発明者はこの特許の複雑な調製剤を静脈を介しての使用に適用させるためには、多量のキャリア液を加える必要があり、そのようにすることでマイクロエマルジョンの透明性が有意に劣化すると言っている。この特許は、親水性界面活性剤と疎水性界面活性剤の二成分の界面活性剤システムが必要なことも開示している。この活性剤は、さらに、調剤の複雑さを増す。個々で、’511号特許は、マイクロエマルジョンシステムは、「両性界面活性剤」の使用によって最も容易に作られ、液滴界面張力を減らすという一般的な考えを取っている。しかしながら、疎水性界面活性剤の含有は、実際には、水中での所望のマイクロエマルジョンの形成を遅らせ、疎水性界面活性剤が正しく選択されるのであれば、この含有はまったく不要である。
【0008】
この結果、必要なものは、静脈を介して投与される麻酔剤として使用でき、必要があれば、様々な製剤中の異なるプロポフォール濃度を同定するために適宜色をつけることができる、完全に透明なマイクロエマルジョン中の高濃度プロポフォール製造用の簡単なプロポフォール調製である。更に、単一の親水性界面活性剤のみを用いたプロポフォール自己マイクロエマルジョン化可能なベースでの組成物は滅菌が容易であり、麻酔が必要となるときまで無限に保存でき、その後、食塩水あるいは同様の水ベースのキャリアを加えることによって容易に再構築できることが必要である。本発明は、とりわけこのような必要性を満足させるものである。
【0009】
発明の概要
本発明は、一般的に、哺乳類に静脈を介して投与する麻酔剤として使用するために、プロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール)の溶解性と生物の利用可能特性を強化する新規方法と組成物を提供する。本発明の方法は、自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物を製造する。このエマルジョンは、麻酔剤として使用する水ベースのマイクロエマルジョン調製剤の製造に使用される。好ましい二成分のベース組成物において、このベース組成物はポリエチレングリコールを含む界面活性剤と、液状プロポフォールからなる。このベース組成物をキャリア液体と混合することによってマイクロエマルジョンを調製し、プロポフォール濃度がマイクロエマルジョンの体積に対して最大約4重量%のプロポフォールを含むマイクロエマルジョンを形成する。四成分のベース組成物では、ベース組成物が、ポリエチレングリコールを含む界面活性剤、液状プロポフォール、水と混合しない溶剤、およびエタノールからなる。マイクロエマルジョンは、このベース組成物をキャリア液体と混合することによって調製され、マイクロエマルジョンの体積に対して最大約10重量%のプロポフォールのプロポフォール濃度を含むマイクロエマルジョンを形成する。本発明は、自己エマルジョン化可能で、無水、均質、および光学的に透明な液体であり、後の使用のためにほぼ無限に保存することができるベース組成物を製造する。この結果、ベース組成物をキャリア液体と混合することによるプロポフォールマイクロエマルジョンの調製を、研究所、クリニック、病院で麻酔剤が必要となるまで遅らせることができる。更に、本発明は、熱力学的に安定であり、光学的に透明であるマイクロエマルジョンを製造する。マイクロエマルジョンのこの透明性は、様々なプロポフォール濃度を区別するために麻酔剤に様々な色をつけることを可能とし、同じように見えるが、含有するプロポフォールの濃度が異なる麻酔剤によって生じる事故をより容易に防止することができる。マイクロエマルジョンの透明性は、また、麻酔剤が汚染されているかどうかを容易に検出できるようにする。本発明のマイクロエマルジョンは、また、単に液体プロポフォールと混合する前に界面活性剤を過熱して、滅菌したキャリア液体を使用することで、簡単に滅菌することができる。本発明の特徴は、冷たいろ過フィルタ滅菌にも非常に効果がある。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は一般的に、哺乳類に静脈を介して投与する麻酔剤として使用するために、プロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール)の溶解性と生物の利用可能特性を強化する新規方法と組成物を提供する。本発明の方法は、自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物を製造する。このエマルジョンは、麻酔剤として使用する水ベースのマイクロエマルジョン製剤の製造に使用される。好ましい二成分のベース組成物において、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大約4重量%のプロポフォールを含むマイクロエマルジョンを形成し、四成分のベース組成物では、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大約10重量%のプロポフォールを含むマイクロエマルジョンを形成する。
【0011】
好ましい二成分のベース組成物は、実質的に、ポリエチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤(以下、「PEG含有界面活性剤」という)と;酸化を防止するために1%のビタミンE(遊離アルファトコフェロール)と混合した液体プロポフォールと;を含むプロポフォール溶液からなり、このベース組成物に含まれるプロポフォールに対する界面活性剤の相対濃度は、プロポフォール約1部に対して界面活性剤が約8部またはそれ以上である。
【0012】
自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物の好ましい製造方法は、実質的に、好ましくは融点以上の調製温度に加熱した所定量のPEG含有界面活性剤を、所定量の液体プロポフォールと混合するステップからなる。この混合ステップは、数分間またはそれ以下、溶液が透明になるまで成分を単に攪拌するあるいは振動させて実施する。その結果としてできたベース組成物は自己マイクロエマルジョン化可能であり、無水、均質、および光学的に透明な液体であり、調製温度では低粘度である。次いで、このベース組成物を所定量のキャリア液と混合することによって水ベースのマイクロエマルジョンを製造する。キャリア液は水を含有しており、0.9%の食塩水、5%のブドウ糖、あるいは、抹消静脈投与を意図して晶質またはコロイドを含有するその他の等張性溶液などで、血液に対して等張性である。また、この混合は、成分を数分間又はそれ以下、溶液が透明になるまで単に攪拌または振動させることによって行う。その結果できたマイクロエマルジョン調製剤は、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大約4重量%のプロポフォールを含有しており(w/v)、マイクロエマルジョンの特徴の全てを有している。マイクロエマルジョンは、室温で熱力学的に安定であり、光学的に透明であるが、プロポフォールを含有しているため薄い黄色をしている。本セクションの末尾の例#1及び#2は、二成分のベース組成物の調製と、このベースを用いて濃度1%(w/v)と濃度4%(w/v)のプロポフォールをそれぞれ含有するマイクロエマルジョンを調製する特別な例について述べている。例#3は、濃度4%のプロポフォールを含み、例#2で調製したマイクロエマルジョンのイヌへの静脈投与の結果について述べている。ここでは、意識のある動物に静脈注射をしたときに痛みの証拠はなにもない。
【0013】
二成分のベース組成物の好ましい製造方法は、界面活性剤をその融点以上の調製温度に加熱するようにしているが、ベースはより低い調製温度で準備することもできる。より低い調製温度にした場合は、単に、界面活性剤の液状調製剤と液体プロポフォールをより長い時間混合または振動させることが必要なだけである。溶液の加熱以外に、音波処理によって、あるいは均質な液体を作るいずれかの混合法を用いて調製することもできる。
【0014】
マイクロエマルジョンの体積に対するプロポフォール濃度が最大4重量%のプロポフォールを含む水ベースのマイクロエマルジョン調製剤を作る本発明の能力は、調製剤の体積に対するプロポフォール濃度が最大約1重量%のプロポフォールを作ることができるだけである現在のオイルインウォータ調製剤を上回る大きな改良である。本発明は、また、より濃度の高いプロポフォールを含有する注入可能なマイクロエマルジョンを製造するための、その他の試みを超える大きな改良でもある。例えば、米国特許第602,511号(以下、’511特許という)は、水(主成分ではない)と、極性調製成分と、「界面活性剤膜修飾」(例えば、エタノール)と、薬学的に受容可能なオイル(最も好ましくは、8−10の炭素原子を有する脂肪酸を少なくとも70%含むトリグリセリド)と、最大で全エマルジョンの約15重量%の親水性および疎水性の界面活性剤の混合物とを含有するマイクロエマルジョンの複雑な調製を開示している。この’511特許は、この調製を用いて「プロトンポンプ阻害剤、カルシウムチャンネルブロッカ、ベータブロッカ、麻酔薬、ステロイド、酸化防止剤、レニン阻害剤、アルカロイド、細胞成長抑止剤、抗凝固剤、脂質調製剤、抗抑制剤、神経弛緩剤、免疫抑制剤、免疫修飾物質、抗生物質、および抗炎症剤」などの、広範囲の活性化合物をエマルジョン化することができると主張している。残念なことに、この特許は、プロポフォールなどの麻酔剤を含むマイクロエマルジョンとしての本発明の有用性は開示していない。この点について、この特許は、この発明は「透明であり、若干粘性のある一相の液体」であるエマルジョンを作ると述べているが、フェロジピンまたはインデノインドールを加えた後、又は、このウォータインオイル調製剤に更に水を加えた後のマイクロエマルジョンの透明性に関しては何も述べていない。しかしながら、本発明者らはこの’511特許の調剤を静脈を介する使用に適用させるためには、多量のキャリア液を加える必要があると言っている。この’511特許に開示されているマイクロエマルジョンは、二相連続型のマイクロエマルジョンまたは主成分(約44〜61%)が油であり少数成分(15%)が界面活性剤であるウォータインオイルマイクロエマルジョンであるので、静脈経由の使用に必要な水ベースの液体を加えることによって、エマルジョンの透明性に有意な劣化が生じることは明らかである。−すなわち、ウォータインオイルからオイルインウォータ調製に変わるときに、これらの調製剤はもはやマイクロエマルジョンでなくなってしまう。反対に、本発明は、マイクロエマルジョン中に最大4%のプロポフォール濃度を含む真のオイルインウォータマイクロエマルジョンを製造するのに十分な界面活性剤を含有しており、マイクロエマルジョンシステムを破壊することなく水でさらに希釈することが可能である。
【0015】
’511を超える本発明のその他の利点は、本発明がシングルタイプのPEG含有界面活性剤と、食塩水などのキャリア液のみの大変シンプルなシステムを用いて、高濃度のプロポフォールを含有する静脈経由で注入可能なマイクロエマルジョンを製造できることである。一方、’511特許は、薬学的に使用するウォータインオイルタイプのマイクロエマルジョンを表面上製造するためには、最大で6つまたはそれ以上の化学物質を使用しなければならない。511特許の成分をいくつか用いることのその他の欠点は、大豆ホスホレシチンなどの、いくつかの好ましい成分が、燐および窒素の双方の源であるため、バクテリア成長のためのより大きな可能性を含んでいることである。これに対して、本発明は、塩化ナトリウムの他に炭素、酸素、および水素を含有しているだけの混合物を開示している。本発明の二成分のベース調製剤に加えて、オイルを含まない四成分のベース組成物を含有する本発明の組成物は、水を含まないでパッケージ化することができる。
【0016】
本発明のプロポフォールマイクロエマルジョンは、現在のプロポフォール調製剤では不可能である静脈経由で注入可能な麻酔調製剤としてのいくつかの利点と特徴を有する。例えば、光学的に透明な麻酔液を製造する本発明の能力によって、様々なプロポフォール濃度を区別するために、麻酔液を様々な色で色付けすることが可能であり、同じように見えるがプロポフォール濃度が異なる溶液によって生じる事故をより容易に防止することができる。この点に関して、本発明者は、蛍光性染料(黄)とメチレンブルー染料(青)の静脈とコンパチブルな調製剤をうまく用いて、本発明の方法によって調製した様々な麻酔溶液に色付けを行っている。原色赤色を作るビタミン12を潜在的に使用するなど、その他の医学的にコンパチブルな染料を用いて、その他の色を作ることができるのは、当業者には自明である。
【0017】
本発明のもう一つの利点は、光学的に透明であるという麻酔液の特性によって、試験によってバクテリアやカビのあらゆる汚染の存在をより容易に検出できることである。なぜなら、生体細胞は、多くのグロス汚染物質と同様に、光を散乱するからである。この点に関して、オイルとホスホレシチンを含有する現在の麻酔調製剤は、特に、バクテリアやカビの成長による汚染の影響を受けやすい。しかしながら、本発明の麻酔溶液は、トリグリセリドオイル、あるいは、界面活性剤を含有する窒素や燐を使用する必要がないので、より汚染されにくい。
【0018】
更に、本発明のマイクロエマルジョン調製剤は、容易に滅菌することができる。例えば、界面活性剤Solutol(登録商標)は、約121℃に達するまで加熱して、次いで、約50℃に冷却して、液体プロポフォールをフィルタ滅菌し、溶融させたSolutol(登録商標)に加えることで、滅菌され、これによって、滅菌したベース組成物ができる。この組成物は、液体を0.2マイクロメータのフィルタに通すことで、必要があれば、容易にフィルタ滅菌することができる。このベースは、滅菌混合バイアルに商業的にパッケージすることができる。滅菌したベース組成物を滅菌した食塩水と混合することで、滅菌したマイクロエマルジョン液体調製剤ができる。所望であれば、このマイクロエマルジョンを0.2マイクロメータのフィルタに通すことによって、所望であれば、最終的なマイクロエマルジョンを更に滅菌することもできる。本発明のプロポフォールマイクロエマルジョンは、このようなフィルタを、大豆エマルジョンなど現在のオイルインウォータナノエマルジョンが通過するよりより容易に通過する。現在のエマルジョンは、液滴サイズがより大きいため、バクテリア用のフィルタの通過もいくらか困難である。
【0019】
本発明の別の特徴は、自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物を気密バイタル、アンプル、またはその他の同様の容器内に、ほぼ永久的に保存できることである。この結果、ベース組成物とキャリア液体を混合させることで、プロポフォールマイクロエマルジョンの調製を、実験室、クリニック、あるいは病院で麻酔が必要になるまで遅らせることができる。好ましいベース組成物は室温まで冷却した後に固化するが、このベースはベースを約45℃の温度に暖めることによって容易に液状に戻すことができる。従って、この液体ベースをキャリア液と混合することによって、マイクロエマルジョン液体調製剤が容易に形成される。この特徴は、本発明の方法によって調製したマイクロエマルジョンの有用性と利便性を有意に強化する。麻酔プロポフォールを含む現在のオイルインウォータタイプのマイクロエマルジョンは、熱力学的に安定でないので、同じようにして調製することができず、ミルクの均質化に似た技術的に複雑なエマルジョン化の調製を必要とする。これは、屋外あるいはベッドサイドで行うことができない。
【0020】
本発明の自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物は、完全に水と混和性であるPEG含有界面活性剤を含む。これは、PEG含有界面活性剤が、水に対して高親和力を有し、水に容易に溶けることを意味する。ここで、この界面活性剤は、光学的に透明な、いわゆる「ミセル溶液」(すなわち、真の化学的溶液ではないが、明らかに溶液であり、実際は、界面活性剤が化学的に区別できるコアがない実質的なマイクロエマルジョン粒子の集合体でできている)を形成する。エタノールなどの極性の少ない溶剤では、これらのクラスの界面活性剤は、真の化学的溶液を形成しない。この特徴は、水中に自然にミセル溶液を形成することであり、プロポフォールの可溶化した組成物とこのクラスの界面活性剤によって、水ベースのキャリア液中にミセルマイクロエマルジョンを形成する。
【0021】
一般的に、発明者らは、所定のPEG含有界面活性剤を使用する限り、両性界面活性剤はマイクロエマルジョンの形成に不要であることを発見した。水ベースのキャリア液中の受け入れ可能なプロポフォールマイクロエマルジョンを形成するPEG含有界面活性剤分子は、各界面活性剤分子のポリエチレングリコール部分の全長が、直線または非直線であるにかかわらず、その分子の親水性炭化水素部分の長さより2乃至6倍長い界面活性剤分子によって特徴付けられる。2以下までのこの比率の減少は、通常、水中にミセル溶液を形成する界面活性剤を製造しないばかりか、このような界面活性剤は通常のナノエマルジョンは形成するが、プロポフォールマイクロエマルジョンを形成しない。界面活性剤分子の親水性部分に対するポリエチレングリコール部分の長さの比が6以上の値であれば、ミセル溶液とマイクロエマルジョンの両方を形成することができるが、界面活性剤の粘度と融点も増加して、実質的には、ベース組成物を調製するのに必要な時間が増える。このより高い比率は、また界面活性剤のローディングファクタを低くする。このファクタは、光学的に透明なマイクロエマルジョンを形成するために、所定の重量の界面活性剤が水に溶けうるプロポフォールの量として規定される。
【0022】
プロポフォール可溶化剤としての使用に最も受け入れられるPEG含有界面活性剤は、いくつかの共通の特徴:1)非イオン性であり、高親水性と水中での可溶性のため、PEG(ポリエトキシ)成分に依存していること;2)界面活性剤の疎水性R基が、生体適合性でなくてはならず、融点が体温に近いか、体温以下でなくてはならない;3)このR基の一端に付いているPEG鎖の全長が、PEG/水の相互作用の増加によって生じる水中の界面活性剤ミセル集合体のサイズを制限するのに十分に長くなくてはならない;を有する。この最後の特徴は、水中に形成される最小タイプのミセル集合体(あるいは、一定の尺度でミセル集合体に似ている光学的に透明なマイクロエマルジョン)が熱力学的に安定であることを確実にする。典型的には、好ましい、水中で純粋な界面活性剤の曇点濃度が、非常に高いか存在しないかである。
【0023】
特に、本発明のベース組成物の調製に用いる最も好ましいPEG含有界面活性剤は、二つのクラスのうちの一方に属していると規定することができる。PEG含有界面活性剤の第1クラスは、[POE(n)]subm−R’−Rの一般構造を有する。ここで、POEは、−mer数nのPOE官能基ポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたはPEG部分としても知られている)であり、R’に付いたm個のPOE官能基を有する。ここで、mの値は1乃至3であり、R’はリンキング部分、特に、グリセリル、ソルビタン、エステル、アミノ、またはエーテル(酸素)官能基である。また、Rは、飽和または不飽和アルキルまたはアルキルフェニル基でなる疎水性部分である。この第1クラスに含まれる非イオン性界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンステロールである。これらの化学的部分の混合物はいずれも、本発明の目的に良好な界面活性剤として機能する。
【0024】
PEG含有界面活性剤の第1クラスに含まれる有益で好ましいサブクラスには、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数mで与えられる)であるAと、疎水性官能基R中の炭素数であるBの比によって更に規定される構造を有し、この比が約0.7乃至4である界面活性剤がある。好ましくは、A/Bが約1から2の範囲にある。このサブクラス内の非イオン性界面活性剤の例は、PEG−15モノラウリン酸塩、PEG−20モノラウリン酸塩、PEG−32モノラウリン酸塩、PEG−48モノラウリン酸塩、PEG−13モノオレイン酸塩、PEG−15モノオレイン酸塩、PEG−20モノオレイン酸塩、PEG−32モノオレイン酸塩、PEG−72モノオレイン酸塩、PEG−15モノステアリン酸塩、PEG−660 15−ヒドロキシステアリン酸塩(BASF Corporation 「Solutol」(登録商標))、PEG−23モノステアリン酸塩、PEG−40モノステアリン酸塩、PEG−72モノステアリン酸塩、PEG−20グリセリルラウリン酸塩、PEG−30グリセリルラウリン酸塩、PEG−20グリセリルステアリン酸塩、PEG−20グリセリルオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−40グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−20ソルビタンモノオレイン酸塩(ポリソルベート80、Tween80)、PEG−20ソルビタンモノラウリン酸塩(Tween20)、PEG−20ソルビタンモノパルミチン酸塩(Tween40)、PEG−20ソルビタンステアリン酸塩(Tween60)、PEG−40ソルビタンモノオレイン酸塩、PEG−80ソルビタンモノラウリン酸塩、POE−23ラウリルエーテル、POE−20オレイルエーテル、PEG30−60ノニルフェノールシリーズ(Triton Nシリーズ)、PEG30−55オクチルフェノールシリーズ(Triton Xシリーズ、特にX−305(POE30)およびX−405(POE40)である。これらの界面活性剤のいずれの混合物もよく機能する。
【0025】
第2のクラスのPEG含有界面活性剤は、トリグリセリドオイルから派生し、[R’−(POE)subn]sub3−グリセリドの一般構造を有する。ここで、POEは、−mer数nのポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたは、PEG部分としても知られている)である。脂肪酸アクリル残渣R’とグリセロール残渣(グリセリド)との間に挿入されており、ポリエトキシ化する前に、共通トリグリセリドとして、アクリル残渣に直接付着していた。この第2のクラスに属する非イオン性界面活性剤の例は、ポリエトキシ化コーンオイルまたは、ポリエトキシ化ひまし油などの、ポリオキシエチル化ベジタブルオイルである。これらのポリオキシエチル化ベジタブルオイルの混合物も、本発明の目的に良好な界面活性剤として機能する。
【0026】
PEG含有界面活性剤の第2クラスに含まれる有益で好ましいサブクラスには、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数mで与えられる)であるAと、3脂肪酸R’残渣中の炭素数であるBの比によって更に規定される構造を有し、この比が約0.5乃至3である界面活性剤がある。好ましくは、A/Bが約0.6から1.5の範囲にある。このサブクラス内の比イオン性界面活性剤の例は、PEG−40椰子の実オイル、PEG−50硬化ひまし油、PEG−40ひまし油、PEG−35ひまし油(例えば、Cremaphor(登録商標)−35)、PEG−60ひまし油、PEG−40硬化ひまし油、PEG−60硬化ひまし油、およびPEG−60コーンオイルである。これらの界面活性剤の混合物も、本発明の目的によく機能する。
【0027】
PEG含有界面活性剤の第3クラスは、上記の二つのクラス似ており、理論上、プロピレングリコールなどの生体適合性のあるジアルコールの脂肪酸エステルからなるジエステル組成物をポリエトキシ化することによって製造できる。発明者らは、PEGmer−数に対する残渣R脂肪酸の炭素数の比が、0.5と4の間にある限り、これらの組成物が、最初の二つのクラスのPEG含有界面活性剤で述べたものと実質的に同様の特性を有することを期待する。
【0028】
最後に、これらの二つの化学的に規定されるクラスのPEG含有界面活性剤の混合物も、本発明においてよく機能する。好ましいPEG含有界面活性剤はすべて適合性があり、混合物として使用した場合よく機能するが、特定の混合物は不要であり、または好ましいというわけではなく、好ましい界面活性剤を選択してマイクロエマルジョンの製造において単一のエージェントとして作用することが本発明の特徴である。このことは、2つまたはそれ以上のタイプの界面活性剤を混合するために特定の「HLB」(疎水性と脂肪親和性のバランス)比を獲得する目的で、ある界面活性剤の混合物を特定している従来の発明と反対である。
【0029】
PEG−660 15ヒドロオキシステアリン酸塩(BASF社のSolutol(登録商標))などのPEG含有界面活性剤を水に加えると、直径約12nmの自己凝集した界面活性剤クラスタの「ミセル溶液」が形成される。この溶液は、マイクロエマルジョンに似ているが、均質な液体は、水以外に一の成分のみを含んでいるので、技術的にはマイクロエマルジョンではない光学的に透明な散乱を作る。プロポフォールのような疎水性のゲスト溶質を加えることによって、このミセル溶液は一般的に、「マイクロエマルジョン」とされる。しかしながら、このような集合体の分子構造が常に、界面活性剤で「被覆」された小さな液滴の疎水性界面活性剤を含有する、正当な二成分リピッドインウォータエマルジョンの分子構造であるかどうかは疑わしい。発明者らによってなされたドップラの光散乱の研究は、本発明で記載した全てのクラスの界面活性剤から形成されるマイクロエマルジョンが、12nm(120オングストローム)の小さい直径を有することを示している。これは、粒子の半径が、単一の、丸まっていない界面活性剤分子の長さよりわずかに短い(約7nm)ことを意味する。このような小さく単純な構造は、正当なエマルジョン疎水性脂肪液滴コアのための場所がないが、埋め込まれた溶剤と、界面活性剤のアンサンブルの疎水性ヘッドによって密接に相互に織り込まれた、比較的混乱したコア内の疎水性ゲスト分子(プロポフォールなどの)を含んでいなければならない。これらは、結合しており、おそらくミセルの反対側から相接している。
【0030】
マイクロエマルジョン液体調製剤の製造用に選択された特定のPEG含有界面活性剤に依存して、マイクロエマルジョン調製剤の体積に対するプロポフォール濃度が最大約4重量%のプロポフォールを得ることができる。しかしながら、この点に関しては、Solutol(登録商標)の粘度が比較的低いため、最も好ましいPEG含有界面活性剤は、Solutol(登録商標)を使用して約4%の最も高いプロポフォール濃度を有するマイクロエマルジョンを作るものである。更に、このマイクロエマルジョン調製剤は透明である。
【0031】
本発明の四成分のベース組成物では、ベース組成物中に水に混合しない溶剤とエタノールを含めることによって、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大10重量%のプロポフォールを含む水ベースのマイクロエマルジョン調製剤を得ることができる。この実施例では、ベース組成物は、実質的に、PEG含有界面活性剤と;液体プロポフォールと;水に混合しない溶剤と;エタノールでなる。ここで、ベース組成物に含まれるプロポフォールに対する界面活性剤の相対濃度は、プロポフォール約1部に対して、少なくとも界面活性剤約3部であり、好ましくは約3部から5部であり、プロポフォールに対する水に混合しない溶剤の相対濃度は、プロポフォール約10部に対して、溶剤約3部ないし5部であり、プロポフォールに対するエタノールの相対濃度は、プロポフォール約10部に対してエタノール約5部から6部である。
【0032】
本実施例で、自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物を製造する好ましい方法は、実質的に、好ましくはその融点以上である調製温度に加熱した所定量のPEG含有界面活性剤を所定量の液体プロポフォールと、水に混合しない溶剤と、共溶媒としてのエタノールをいずれかの順番で混合するステップでなる。この混合は、これらの成分を数分間またはそれ以下の間、溶液が透明になるまで、単に攪拌するか振動させることで実施される。結果としてのベース組成物は、自己マイクロエマルジョン化可能であり、無水、均質であり、調製温度で低粘度の光学的に透明な液体である。次いで、水ベースのマイクロエマルジョンが、ベース組成物を所定量のキャリア液と混合することによって室温で調製される。キャリア液は水を含有し、0.9%の食塩水、5%のブドウ糖、あるいは、静脈投与を意図して晶質またはコロイドを含むその他の溶液などのように、血液に対して等張性である。また、この混合は、溶液が透明になるまで、成分を数分間またはそれ以下の時間、単に攪拌するあるいは振動させることによって実施される。結果としてのマイクロエマルジョン調製剤は、マイクロエマルジョンの体積に対してプロポフォール濃度が最大10重量%のプロポフォールを含むことができ、それでもなおマイクロエマルジョンの特性を示している。マイクロエマルジョンは、室温で熱力学的に安定しており、光学的に透明であるが、プロポフォールを含有しているため、薄い黄色をしている。このセクションの末尾の例#4、#6、#7は、この実施例の自己マイクロエマルジョン化可能なエマルジョンのベース組成物の調製における特定の例を述べており、このベースを用いて、濃度約1%(w/v)から最大約10%(w/v)のプロポフォールを含有するマイクロエマルジョンを調製している。例#5は、例#4にあるように調製したプロポフォール濃度10%を含有するマイクロエマルジョンをイヌに投与した結果を述べている。例#8は、例#7にあるように調製したプロポフォール濃度1%を含有するマイクロエマルジョンをイヌに投与した結果を述べている。
【0033】
本発明のこの調製は、又、麻酔剤用のプロポフォールを可溶性にするためのその他の試みを越える実質的な利点を示す。明らかに、マイクロエマルジョンのマイクロエマルジョン中のプロポフォール濃度を最大10重量%までにするこの実施例の能力は、オイルインウォータタイプの調製剤を超える更に実質的な改良である。また、本発明のこの実施例を、’511特許に開示されている調製と比較すると、本発明が、再度、’511特許に記載されている調製を超えて有意な改良であることが明らかである。本発明のこの実施例が、どのような水の濃度でも透明であるマイクロエマルジョンを作るという事実、従って、’511のウォータインオイル調製剤に勝っているエマルジョンを作るという事実に加えて、この実施例は’511特許で記載されている成分より少ない成分を含む。この実施例は、疎水性界面活性剤を含有していない。
【0034】
本発明のこの実施例も、好ましい実施例の全ての利点と特徴を示しており、少なくとも二つの更なる利点を示す。一つの明らかな利点は、より高濃度のプロポフォールを得ることができ、麻酔を大きな哺乳類に対して有用にする(例えば、500kgのウマは、一般的な麻酔を導入するためには、約1.5gのプロポフォールが必要であり、これは5%のマイクロエマルジョンでは75mLであるが、1%のエマルジョンでは375mLである)。もう一つの利点は、ベース組成物とキャリア液との混合を遅らせることができる能力である。好ましい実施例では、ベースを調製した後、いつでもベース組成物をキャリア液に加えることができるが、それを行う前にベースを再度暖める必要があることが指摘されている。この実施例では、ベースは室温で固化せず、むしろ熱力学的に安定で、透明な液体のままなので、ベースを再度暖める必要がない。この結果、この調製に基づいて準備したベースは、永久的に保存することができ、時には、後に研究所、クリニック、または病院に搬送され、そこで、静脈注入可能なマイクロエマルジョンを形成するために、キャリア液に直接加えることができる。この実施例に拠って準備されたベース組成物を用いる能力の特定の例が例#9に記載されている。
【0035】
本発明に使用する受け入れ可能な水に混合しない生体適合性のある溶剤は、生体適合性があり、哺乳類に対して無毒でなくてはならず、一般的に、モノエステル、ジエステル、トリエステルの、3つのエステル群のひとつから選択することができる。このエステルは、脂肪族(飽和および不飽和、直鎖および側鎖)酸、あるいはアルコール残渣でできた液体群から形成される。モノエステルは、モノアルコールと一塩基酸からの残渣でできている。ジエステルは、一塩基酸とジアルコールから、あるいは二塩基酸とモノアルコールからの残渣でできている。トリエステルは、一塩基酸及びトリアルコールから、または三塩基酸およびモノアルコールからできている。
【0036】
モノエステルについて、好ましい飽和または不飽和脂肪族酸残渣は、酢酸、プロピオン酸、あるいはその他の飽和または不飽和生体適合性脂肪族酸から選択される。短鎖脂肪酸と、それを含むエステルの調製剤の嫌な味とにおいの為、長さCsub8またはより長い、炭素数が偶数の脂肪酸が好ましい。エステル用の飽和または不飽和脂肪族アルコール残渣は、好ましくは、エチル、n−プロピルアルコール、またはその他の飽和または不飽和生体適合性脂肪族アルコールを含む群から選択される。このようなアルコールの多くは、n−オクタノールなどの、炭素数が8またはそれ以上の直鎖モノアルコールである。炭素数が偶数のアルキルアルコールが好ましい。モノエステル溶剤の好ましい例は、オレイン酸エチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイルアセタート、プロピオン酸オレイル、オクタン酸オクチル、デカン酸オクチル、オレイン酸オレイルである。
【0037】
好ましいジエステルも、エステル残渣から派生するアルコールとカルボン酸の生体適合性によって、ほぼ体温で液状であるエステルを調製するための残渣の選択と同様に、選択される。各残渣は、好ましくは、カルボン酸または生体適合性のあるアルコールに対応する。ジエステルは、一のジヒドロキシアルコールで濃縮された二つのカルボン酸残渣、あるいは二つのモノアルコールを伴う一のジカルボン酸残渣でできていても良い。
【0038】
ジアルコールと一塩基酸から派生したジエステルについて、好ましいジアルコールは、プロピレングリコール、1,2−ブタンエジオール、および、1,3−ブタンエジオオールなど、生体適合性のある小さいジヒドロキシアルコール群から選択される。好ましい脂肪族一塩基酸は、酢酸またはプロピオン酸を含む群、あるいは、長さCsub8またはそれより長く、炭素数が偶数の脂肪酸である脂肪族酸から選択される。ジアルコールと一塩基酸をベースとするこのような液体ジエステルの好ましい例は、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、および1,2−ジオレイン酸ブタングリコールである。
【0039】
二塩基酸およびモノアルコールから派生するジエステルについて、二塩基酸は一般的に、ジカルボン酸の群から選択される。ここで、脂肪族酸残渣は、琥珀酸、フマル酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、2−オキソグルタル酸、またはセバシン酸のようなより長鎖のジカルボン酸など、生体適合性のある脂肪族の、飽和または不飽和ジカルボン酸である。モノアルコールから派生するジエステルについては、短いジカルボン酸(琥珀酸、フマル酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、2オキソグルタル酸など)と共に使用するモノアルコールは、生体適合性のある炭素数10またはそれより長いモノヒドロキシアルコールの群から、適当に融点が低いのみならず、適当に組織刺激性が低く、共用しうる香りのエステルを形成する際に、特に、カプリルアルコールとオレイルアルコールに注意を向けて選択される。これは、通常、全炭素数が16またはそれ以上のエステルを必要とする。このような二塩基酸とモノアルコールをベースにした液体ジエステルの好ましい例は、フマル酸ジオレイル、マロン酸ジオレイル、およびセバシン酸ジプロピルである。琥珀酸カプリルオレイルなどの混合エステルも好適である。
【0040】
生体適合性トリエステルは、グリセロールなどの生体適合性トリアルコールの残渣と一塩基酸でできている。代替的に、トリエステルは、クエン酸や、イソクエン酸などの生体適合性トリカルボン酸のエステルと、モノアルコールでできていても良い。好ましいトリアルコールトリエステルは、液状天然トリグリセリドと、その他の合成トリグリセリドを含む。これらのトリグリセリドは、限定するものではないが、トリオレイン酸グリセロール、中鎖トリグリセリドオイル、および混合グリセリドエステルを含む。ここでカプリル酸やオレイン酸から誘導されたアシル基が好ましい。このトリカルボン酸エステルとモノアルコールから誘導された対応液体トリエステルには、限定するものではないが、クエン酸トリカプリル、クエン酸トリオレイン、イソクエン酸トリカプリル、イソクエン酸トリオレイル、およびクエン酸とイソクエン酸の混合アルコールエステルがある。
【0041】
最後に、本発明に使用する水に混合しない生体適合性溶剤は、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、およびベンジルアルコールの安息香酸エステル群から選択することもできる。また、オレイン酸を溶剤として直接用いることができる。
【0042】
麻酔剤溶液の調製用に選択した特定の水に混合しない溶剤に依存して、マイクロエマルジョン調剤の体積に対してプロポフォール濃度が最大10重量%のプロポフォールを得ることができる。しかしながら、この点について、PEG含有界面活性剤Solutol(登録商標)と溶剤であるオレイン酸エチルの粘度が比較的低いため、これらの物質は、その利用によりマイクロエマルジョン液の体積に対してプロポフォール濃度が10重量%という高濃度プロポフォールを得ることができるため、最も好ましい。また、このような麻酔剤はわずかな乳白光を有する透明なプロポフォールマイクロエマルジョンである。全液体の6重量%のプロポフォール/体積に薄めることで、このマイクロエマルジョンはすばらしい光学的透明性を示す。
【0043】
上述した溶剤に加えて、本発明の範囲から外れることなく、前記溶剤のいずれかをその他のいずれかの溶剤と混合することができるのは当業者には自明である。
【0044】
例#1:PEG−23モノステアリン酸を単独で用いた食塩水中プロポフォール1%(重量/体積=w/v)のマイクロエマルジョン
PEG−23モノステアリン酸1gを20mLのガラス瓶を用いて界面活性剤が解けるまで十分に加熱し、その後100mgのプロポフォールと混合する。この混合物が固化する前に、9mLの暖かい生理食塩水(水中0.9%w/vの塩化ナトリウム、以下「食塩水」という)を混合して、1重量%のプロポフォールを含有する最終マイクロエマルジョンを作る。このエマルジョンは光学的に透明であり(わずかに乳白光がある)、プロポフォールが存在するため非常に薄い黄色である。この溶液は、商業的に入手した1%プロポフォール製品と比較できるが、微生物の成長を支持する大豆または卵製品を含んでいない。
【0045】
例#2:Solutol HS−15を用いた食塩水中プロポフォール4%(w/v)マイクロエマルジョン
4%プロポフォールを作るために、3.2gのSolutolSH−15を上述したように溶融して、400mgのプロポフォールを加えて混合し、エマルジョンベースを形成する。次いで、暖めた食塩水をこのエマルジョンベースにゆっくりと混合する。4mLの食塩水を加えた後、特性ゲルが形成され、ほぼ等しい重量の水とエマルジョン化剤から二相連続性液体の特性が得られる。トータルで6.4mLの食塩水が加えられ、トータルで10mLの、水中で自在に流れ、光学的に透明な薬剤のマイクロエマルジョンが得られる。これは、32重量%のSolutol HS−15である。このようなエマルジョンと、約30%のSolutolHSを含有する溶液は、Solutol HS−15の薬理学的報告によれば、十分に粘度が低く、静脈注射に用いても痛くない。結果物としてのマイクロエマルジョンは、プロポフォール濃度が4%w/vであり(現在の標準商業的濃度の4倍)、以下に述べるすべてのSolutol HS−15ベースのマイクロエマルジョンと同様に、静脈を介した直接的な注入に好適である。
【0046】
例#3:例#2で調製したマイクロエマルジョンを用いたイヌの麻酔
30.5kgの動物にアセプロマジン25mgと、アトロピン0.2mgを予め投与した。この動物は目を開けて意識があったが、例#2で調製した4%のプロポフォール溶液3mL(120mgプロポフォール=約4mg/kg)を前足の静脈に直接注射すると沈静した。30秒以内にイヌは完全に弛緩して、急速にレベル3、プレーン2の麻酔状態になり、瞬目反射がなく、顎を閉じた状態にしておけなくなり、気管内挿管で開口していなかった。無呼吸状態が15秒続き、自発呼吸が開始した。この動物は、眼を開けて、開口を開始する前に気管チューブを35分間つけており、チューブの取り外しが必要であった。動物は、1時間以内で完全に回復した。同じ動物を次の日同じように処置をしたが、アセプロマジンまたはアトロピンの前処置は行わなかった。動物は、麻酔投与の前12分間、意識があり、開口していた。前処理を行うことなく完全に意識のある動物に静脈経由で投与すると、意識がなくなる前に注入中に、舌でなめること(この動物が麻酔剤を味わっている徴であると考える)を除いてはこのマイクロエマルジョンがなんら効果を及ぼさないことが観察された。動物は、むかつき/嘔吐の兆候、あるいはIV注入の痛みの証拠は示さなかった。
【0047】
例#4:Solutol HS−15、エタノール、およびオレイン酸エチルを疎水性両性界面活性剤として用いた食塩水中のプロポフォール10%(w/v)のマイクロエマルジョンの調製
10%のプロポフォールマイクロエマルジョンを作るために、3.0gのSolutol HS−15を上述したように溶融させて、1.0gのプロポフォール、0.3gのオレイン酸エチル、および0.6gのエタノールを加えて、混合し、エマルジョンベースを形成する。次いで、暖めた食塩水をこのエマルジョンベースにゆっくりと混合する。5.1mLの食塩水を加えた後、トータルで10mLの、水中で自在に流れ、光学的に透明(わずかに乳白光がある)なマイクロエマルジョンが得られる。これは、30重量%のSolutol HS−15である。上述したエマルジョンは、プロポフォール濃度が10重量%であり(現在の標準商業的濃度の10倍)、0.2ミクロンのフィルタを通した後、静脈を介した直接的なゆっくりとした注入に好適であるとわかった。
【0048】
MCTオイルと、オレイン酸エチルと同じ重量の酢酸ベンジルをこの10%の調剤中のオレイン酸エチルと入れ替えることができるが、この場合、これらの両性界面活性剤用に、通常、同重量比のエタノールとプロポフォールを用いて、10%(w/v)といった最も高いプロポフォール濃度とする。従って、3.0gのSolutol、1.0gのプロポフォール、1.0gのエタノール、0.3gのMCTおよび、4.7gの食塩水を上記の混合物に用いて、MCTを用いたプロポフォール10%のマイクロエマルジョンを得る。
【0049】
例#5:オレイン酸エチルを使用して例#4で調製した10% w/vのマイクロエマルジョンを用いたイヌの麻酔
23.3kgの動物に前処置を施すことなく、例#4で調製した10%のプロポフォール溶液3mL(150mgプロポフォール=約6mg/kg)を前足の静脈に直接注射した。30秒以内にイヌは弛緩して、急速にレベル3、プレーン2の麻酔状態になり、瞬目反射がなく、顎を閉じた状態にしておけなくなり、気管内挿管で開口していなかった。無呼吸は認められなかった。この動物は、眼を開けて、開口を開始する前に気管チューブを11分間つけており、チューブの取り外しが必要であった。この動物は、麻酔を施された後15分で頭を持ち上げた。
【0050】
例#6:Solutol HS−15、エタノール、およびオレイン酸エチルを疎水性両性界面活性剤として用いた食塩水中のプロポフォール濃度が5% w/vのマイクロエマルジョンの調製
5%のプロポフォールマイクロエマルジョンを作るために、2.5gのSolutol HS−15を上述したように溶融させて、0.5gのプロポフォール、0.25gのオレイン酸エチル、および0.5gのエタノールを加えて、混合し、エマルジョンベースを形成する。次いで、暖めた(50℃)食塩水をこのエマルジョンベースにゆっくりと混合する。6.25mLの食塩水を加えた後、トータルで10mLの、水中で自在に流れ、光学的に透明(わずかに乳白光がある)な、水中の薬剤が5%のマイクロエマルジョンが得られる。これは、25重量%のSolutol HS−15である。滅菌フィルタを通して、注入に好適にする。この5%のマイクロエマルジョンは、室温で1年以上、優れた光学的透明性と安定性を示した。
【0051】
例#7:Solutol HS−15、エタノール、およびオレイン酸エチルを疎水性両性界面活性剤として用いた食塩水中のプロポフォール濃度が3%(w/v)のマイクロエマルジョンの調製
完全に透明で乳白光がなく、2%または1%といった低濃度にする更なる希釈に好適な3%のプロポフォールマイクロエマルジョンを作るために、以下の方法を用いた。2.4gのSolutol HS−15を上述したように溶融させて、0.3gのプロポフォール、0.15gのオレイン酸エチル、および0.3gのエタノールを加えて、混合し、エマルジョンベースを形成する。次いで、暖めた(50℃)食塩水をこのエマルジョンベースにゆっくりと混合する。6.85mLの食塩水を加えた後、トータルで10mLの、水中で自在に流れ、光学的に透明な、食塩水中の薬剤が3%のマイクロエマルジョンが得られる。これは、24重量%のSolutol HS−15である。滅菌フィルタを通して、注入に好適なものにする。以下のように用いるときに、生理食塩水をこのマイクロエマルジョンに単に加えるだけで、2%または1%(w/v)の薬剤に更に希釈できる。
【0052】
例#8:オレイン酸エチルの代わりにMCTを使用して例#7で調製し、更に食塩水で希釈した1%(w/v)のマイクロエマルジョンを用いたイヌの麻酔
プロポフォール濃度をより低くするために、例#4のマイクロエマルジョンの一部、または、オレイン酸エチルの代わりのMCTで作った均等物を、濃度1%の最終プロポフォールに対して、3部の食塩水で適宜希釈する。プロポフォールが4%以上のマイクロエマルジョンは、通常、食塩水を加える際にやや曇りがみえるが、混合時にはこの曇りが消えて再び透明な乳白光となる。例#7のようなプロポフォール3%以下の正しく構成したマイクロエマルジョンは、Solutolとプロポフォールとの比率が高く、通常、希釈と混合を行った後、完全な光学的透明性を維持する。
【0053】
このようなマイクロエマルジョンは、冷蔵してもしなくても、少なくとも8週間は見た目に安定している。このようなプロポフォール1%のマイクロエマルジョンを例#4で作ったが、オレイン酸エチルをMCTに代えて、食塩水で、プロポフォール含有量が1%になるまで希釈した。15mgのアセプロマジンと0.2mgのアトロピンで前処置を施した15.4kgのイヌは、I.V.によって70mg(7mL=約3mg/mL)のこの1%のプロポフォール調剤を与えられた後、麻酔と開口反射リターンとの間に15分の間があった。これは、商業的に入手可能な1%のプロポフォール調製剤をイヌに使った場合、必要なプロポフォール麻酔の投与およびそれに対する典型的な反応と見分けがつかない。
【0054】
例#9:Solutol HS−15、エタノール、およびオレイン酸エチルを疎水性両性界面活性剤として用いた、プロポフォールを13.3%(w/v)を含む液体無水マイクロエマルジョンベースの調製
食塩水を用いて、室温で5%のプロポフォールマイクロエマルジョンを再構築するのに好適な13.3%のプロポフォール液体マイクロエマルジョンベースを作るために、80.0gのSolutol HS−15を上述したように溶融させて、16.0gのプロポフォール、8.0gのオレイン酸エチル、および16gのエタノールを加えて、混合し、エマルジョンベースを形成する。次いで、このベースをフィルタを通して、室温で、茶色のガラスバイアルで、空気中または真空中で保存する。
【0055】
再構築するために、適量のマイクロエマルジョンベースをシリンジと針を用いてバイアルから吸い取り、室温の、注入用滅菌生理食塩水で再構築した。液体ベース3部に対して食塩水8部の比率が用いられ、混合物をシリンジまたは第2のバイアル中で、室温で、1乃至2分間そっと振動させる。結果としてできた5%wt/vのプロポフォールマイクロエマルジョン調製剤は、約5分間自然なバブル抜きを行った後、静脈注射に好適になる。
【0056】
好ましい実施例とその他の実施例において本発明を説明したが、その他の実施例と特徴は、本発明の範囲から外れることなく提供することができ、これは特許請求の範囲によって規定されるものであると、当業者は認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己マイクロエマルジョン化可能なベース組成物において:
a)プロポフォールと;
b)非イオン性界面活性剤と;
を具えることを特徴とするベース組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、プロポフォール1部に対して、非イオン性界面活性剤約8部またはそれ以上の濃度で前記ベース組成物に含まれていることを特徴とするベース組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のベース組成物において、前記プロポフォールが、遊離アルファトコフェロールを含有することを特徴とするベース組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリエチレングリコールを含有することを特徴とするベース組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤がPEG−660 15ヒドロキシステアリン酸であることを特徴とするベース組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が無水物であることを特徴とするベース組成物。
【請求項7】
請求項1に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が均質であることを特徴とするベース組成物。
【請求項8】
請求項1に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が光学的に透明であることを特徴とするベース組成物。
【請求項9】
マイクロエマルジョンにおいて:
a)請求項1、2、3、4、5、6、7、または8に記載のベース組成物と;
b)キャリア液と;
を具えることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項10】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水を含有することを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項11】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が血液に対して等張性であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項12】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水中の0.9%食塩水であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項13】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水中の5%ブドウ糖液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項14】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が晶質を含有する等張性溶液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項15】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液がコロイドを含有する等張性溶液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項16】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが熱力学的に安定であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項17】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが光学的に透明であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項18】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記プロポフォールの濃度が、前記マイクロエマルジョンの体積に対して最大約1重量%のプロポフォールの量で前記マイクロエマルジョンに含有されていることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項19】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、プロポフォールの濃度が、前記マイクロエマルジョンの体積に対して最大約4重量%のプロポフォールの量で前記マイクロエマルジョンに含有されていることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項20】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが哺乳類に静脈経由で注入可能であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項21】
自己マイクロエマルジョン化可能なベース組成物において:
a)プロポフォールと;
b)非イオン性界面活性剤と;
c)水に混合しない溶剤と;
d)エタノールと;
を具えることを特徴とするベース組成物。
【請求項22】
請求項21に記載のベース組成物において、前記ベース組成物に含有されるプロポフォールに対する非イオン性界面活性剤の相対濃度が、プロポフォール約1部に対して、界面活性剤約3乃至5部であり、プロポフォールに対する水に混合しない溶剤の相対濃度が、プロポフォール約10部に対して、溶剤約3乃至5部であり、プロポフォールに対するエタノールの相対濃度が、プロポフォール約10部に対して、エタノール約5乃至6部であることを特徴とするベース組成物。
【請求項23】
請求項21記載のベース組成物において、前記ベース組成物に含有されるプロポフォールに対する前記非イオン性界面活性剤の相対濃度が、プロポフォール約1部に対して、少なくとも界面活性剤約3部であり、プロポフォールに対する水に混合しない溶剤の相対濃度が、プロポフォール約10部に対して、溶剤約3乃至5部であり、プロポフォールに対するエタノールの相対濃度が、プロポフォール約10部に対して、エタノール約5乃至6部であることを特徴とするベース組成物。
【請求項24】
請求項21に記載のベース組成物において、前記プロポフォールが、遊離アルファトコフェロールを含有することを特徴とするベース組成物。
【請求項25】
請求項21に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリエチレングリコールを含有することを特徴とするベース組成物。
【請求項26】
請求項21に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤がPEG−660 15ヒドロキシステアリン酸であることを特徴とするベース組成物。
【請求項27】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤がオレイン酸エチルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項28】
請求項21に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が無水物であることを特徴とするベース組成物。
【請求項29】
請求項21に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が均質であることを特徴とするベース組成物。
【請求項30】
請求項21に記載のベース組成物において、前記ベース組成物が光学的に透明であることを特徴とするベース組成物。
【請求項31】
マイクロエマルジョンにおいて:
a)請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30に記載のベース組成物と;
b)キャリア液と;
を具えることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項32】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水を含むことを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項33】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が血液に対して等張性であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項34】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水中0.9%食塩水であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項35】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が水中5%ブドウ糖液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項36】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液が晶質を含有する等張性溶液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項37】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記キャリア液がコロイドを含有する等張性溶液であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項38】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが熱力学的に安定であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項39】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが光学的に透明であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項40】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記プロポフォールの濃度が、前記マイクロエマルジョンの体積に対して最大約5重量%のプロポフォールの量で前記マイクロエマルジョンに含有されていることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項41】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、プロポフォールの濃度が、前記マイクロエマルジョンの体積に対して最大約10重量%のプロポフォールの量で前記マイクロエマルジョンに含有されていることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項42】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンにおいて、前記マイクロエマルジョンが哺乳類に静脈経由で注入可能であることを特徴とするマイクロエマルジョン。
【請求項43】
請求項9に記載のマイクロエマルジョンを調製する方法において:
a)所定量の非イオン性界面活性剤をその融点以上の調製温度に加熱するステップと;
b)前記非イオン性界面活性剤と所定量の前記プロポフォールとを合わせて、これによって前記マイクロエマルジョンを形成するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項31に記載のマイクロエマルジョンを調製する方法において:
a)所定量の非イオン性界面活性剤をその融点以上の調製温度に加熱するステップと;
b)前記非イオン性界面活性剤と所定量の水に混合しない溶剤と、エタノールと、プロポフォールとを合わせて、これによって前記マイクロエマルジョンを形成するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項1に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、[POE(n)]subm−R’−Rの一般構造を有し、ここで、POEは、−mer数nのPOE官能基ポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたはPEG部分としても知られている)であり、R’に付着したm個のPOE官能基を有し;ここで、mの値は1乃至3であり;R’はリンキング部分、特に、ソルビタン、エステル、アミノ、またはエーテル(酸素)官能基であり;ここで、Rは、飽和または不飽和アルキルまたはアルキルフェニル基でなる疎水性部分である;ことを特徴とするベース組成物。
【請求項46】
請求項45に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンステロールからなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項47】
請求項45に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、更に、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数mで与えられる)であるAと、疎水性官能基R中の炭素数であるBの比によって規定され、この比が約0.7乃至4であり、好ましくは、A/Bが約1から2の範囲にあることを特徴とするベース組成物。
【請求項48】
請求項47に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、PEG−15モノラウリン酸塩、PEG−20モノラウリン酸塩、PEG−32モノラウリン酸塩、PEG−48モノラウリン酸塩、PEG−13モノオレイン酸塩、PEG−15モノオレイン酸塩、PEG−20モノオレイン酸塩、PEG−32モノオレイン酸塩、PEG−72モノオレイン酸塩、PEG−15モノステアリン酸塩、PEG−660 15−ヒドロキシステアリン酸塩(BASF Corporation 「Solutol」(登録商標))、PEG−23モノステアリン酸塩、PEG−40モノステアリン酸塩、PEG−72モノステアリン酸塩、PEG−20グリセリルラウリン酸塩、PEG−30グリセリルラウリン酸塩、PEG−20グリセリルステアリン酸塩、PEG−20グリセリルオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−40グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−20ソルビタンモノオレイン酸塩(ポリソルベート80、Tween80)、PEG−20ソルビタンモノラウリン酸塩(Tween20)、PEG−20ソルビタンモノパルミチン酸塩(Tween40)、PEG−20ソルビタンステアリン酸塩(Tween60)、PEG−40ソルビタンモノオレイン酸塩、PEG−80ソルビタンモノラウリン酸塩、POE−23ラウリルエーテル、POE−20オレイルエーテル、PEG30−60ノニルフェノールシリーズ(Triton Nシリーズ)、PEG30−55オクチルフェノールシリーズ(Triton Xシリーズ、特にX−305(POE30)およびX−405(POE40)からなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項49】
請求項46又は47に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、 [R(POE)subn]sub3−グリセリドの一般構造を有し;ここで、POEは、−mer数nのポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたは、PEG部分としても知られている)であり、脂肪酸アシル残渣Rとグリセロール残渣(グリセリド)との間に挿入されており、ポリエトキシ化する前に、共通トリグリセリドとして、アシル残渣に直接付着している;ことを特徴とするベース組成物。
【請求項50】
請求項49に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチル化ベジタブルオイルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項51】
請求項49に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数3で与えられる)であるAと、3脂肪酸R残渣中の炭素数であるBの比によって更に規定される構造を有し、この比が約0.5と3の間であり、好ましくは、A/Bが約0.6から1.5の範囲にあることを特徴とするベース組成物。
【請求項52】
請求項51に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、PEG−40椰子の実オイル、PEG−50硬化ひまし油、PEG−40ひまし油、PEG−35ひまし油(例えば、Cremaphor(登録商標)−35)、PEG−60ひまし油、PEG−40硬化ひまし油、PEG−60硬化ひまし油、およびPEG−60コーンオイルからなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項53】
請求項21に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、[POE(n)]subm−R’−Rの一般構造を有し、ここで、POEは、−mer数nのPOE官能基ポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたはPEG部分としても知られている)であり、R’に付着したm個のPOE官能基を有し;ここで、mの値は1乃至3であり;R’はリンキング部分、特に、ソルビタン、エステル、アミノ、またはエーテル(酸素)官能基であり;ここで、Rは、飽和または不飽和アルキルまたはアルキルフェニル基でなる疎水性部分である;ことを特徴とするベース組成物。
【請求項54】
請求項53に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンステロールからなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項55】
請求項53に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、更に、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数mで与えられる)であるAと、疎水性官能基R中の炭素数であるBの比によって規定され、この比が約0.7乃至4であり、好ましくは、A/Bが約1から2の範囲にあることを特徴とするベース組成物。
【請求項56】
請求項55に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、PEG−15モノラウリン酸塩、PEG−20モノラウリン酸塩、PEG−32モノラウリン酸塩、PEG−48モノラウリン酸塩、PEG−13モノオレイン酸塩、PEG−15モノオレイン酸塩、PEG−20モノオレイン酸塩、PEG−32モノオレイン酸塩、PEG−72モノオレイン酸塩、PEG−15モノステアリン酸塩、PEG−660 15−ヒドロキシステアリン酸塩(BASF Corporation 「Solutol」(登録商標))、PEG−23モノステアリン酸塩、PEG−40モノステアリン酸塩、PEG−72モノステアリン酸塩、PEG−20グリセリルラウリン酸塩、PEG−30グリセリルラウリン酸塩、PEG−20グリセリルステアリン酸塩、PEG−20グリセリルオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノオレイン酸塩、PEG−30グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−40グリセリルモノラウリン酸塩、PEG−20ソルビタンモノオレイン酸塩(ポリソルベート80、Tween80)、PEG−20ソルビタンモノラウリン酸塩(Tween20)、PEG−20ソルビタンモノパルミチン酸塩(Tween40)、PEG−20ソルビタンステアリン酸塩(Tween60)、PEG−40ソルビタンモノオレイン酸塩、PEG−80ソルビタンモノラウリン酸塩、POE−23ラウリルエーテル、POE−20オレイルエーテル、PEG30−60ノニルフェノールシリーズ(Triton Nシリーズ)、PEG30−55オクチルフェノールシリーズ(Triton Xシリーズ、特にX−305(POE30)およびX−405(POE40)からなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項57】
請求項54又は55に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、 [R(POE)subn]sub3−グリセリドの一般構造を有し;ここで、POEは、−mer数nのポリオキシエチレン部分(ポリエチレングリコールまたは、PEG部分としても知られている)であり、脂肪酸アシル残渣Rとグリセロール残渣(グリセリド)との間に挿入されており、ポリエトキシ化する前に、共通トリグリセリドとして、アシル残渣に直接付着している;ことを特徴とするベース組成物。
【請求項58】
請求項57に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチル化ベジタブルオイルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項59】
請求項57に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、界面活性剤中のPOE−merユニットの総数(製品の−mer数と分子当たりの全PEG鎖の数3で与えられる)であるAと、3脂肪酸R残渣中の炭素数であるBの比によって更に規定される構造を有し、この比が約0.5と3の間であり、好ましくは、A/Bが約0.6から1.5の範囲にあることを特徴とするベース組成物。
【請求項60】
請求項59に記載のベース組成物において、前記非イオン性界面活性剤が、PEG−40椰子の実オイル、PEG−50硬化ひまし油、PEG−40ひまし油、PEG−35ひまし油(例えば、Cremaphor(登録商標)−35)、PEG−60ひまし油、PEG−40硬化ひまし油、PEG−60硬化ひまし油、およびPEG−60コーンオイルからなる群から選択されることを特徴とするベース組成物。
【請求項61】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤が、脂肪族酸およびモノアルコールから派生したモノエステルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項62】
請求項61に記載のベース組成物において、前記モノエステルが、オレイン酸エチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイルアセタート、プロピオン酸オレイル、オクタン酸オクチル、デカン酸オクチル、又はオレイン酸オレイルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項63】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤が、ジアルコール及び一塩基酸から派生したジエステルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項64】
請求項63に記載のベース組成物において、前記ジエステルが、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、および1,2−ジオレイン酸ブタングリコールであることを特徴とするベース組成物。
【請求項65】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤が、二塩基酸及びモノアルコールから派生したジエステルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項66】
請求項65に記載のベース組成物において、前記ジエステルが、琥珀酸ジエチル、フマル酸ジエチル、マロン酸ジエチル、または、アジピン酸ジエチルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項67】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤が、脂肪族酸とトリアルコールから派生したトリエステルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項68】
請求項67に記載のベース組成物において、前記トリエステルが、トリグリセリドであることを特徴とするベース組成物。
【請求項69】
請求項68に記載のベース組成物において、前記トリグリセリドが、トリオレイン酸グリセロール又は中鎖トリグリセリドオイルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項70】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しな溶剤が、脂肪族トリカルボン酸とモノアルコールから派生したトリエステルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項71】
請求項70に記載のベース組成物において、前記トリエステルが、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、イソクエン酸トリエチルであることを特徴とするベース組成物。
【請求項72】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤が、エタノールの安息香酸エステル、n−プロパノール、イソプロパノール、およびベンジルアルコールからなる群から選択されたことを特徴とするベース組成物。
【請求項73】
請求項21に記載のベース組成物において、前記水に混合しない溶剤がオレイン酸であることを特徴とするベース組成物。

【公表番号】特表2007−522238(P2007−522238A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553301(P2006−553301)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/004533
【国際公開番号】WO2005/079758
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506275553)バイオアバイラビリティ,インク. (5)
【Fターム(参考)】