説明

麻酔薬注射器のための緩衝剤送出システム

【課題】本発明は、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有するカートリッジから麻酔薬を分配するための注射器を提供する。
【解決手段】注射器は、管状プランジャーと、プランジャーロッドとを含み、管状プランジャーは、管状カートリッジの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、プランジャーは、ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、遠位端部の反対側の開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有し、プランジャーロッドは、管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、ロッドは、ピストンを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、遠位端部と近位端部との間に延在する長さとを有し、長さは、ロッドがピストンを通って駆動されるときに、ロッドの送出部分が、ピストンを通って、カートリッジ内に延在するような大きさを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2011年4月5日に出願した米国特許出願61/471,913に対する優先権を主張する。上記出願は、全体として参照することによって本明細書において援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
本発明は、概して、事前に充填されたカートリッジから液体薬剤を注射するための注射器に関し、より具体的に、麻酔薬の酸素度を減少させるための緩衝剤送出システムを有する注射器に関する。
【0003】
局所麻酔薬は、歯科処置の間に患者が感じ得る痛みおよび不快を減らすために、患者の口の組織の感覚をなくさせるように、頻繁に使用される。従来、再使用可能な注射器アセンブリが、カートリッジまたはカープルから麻酔薬または薬剤を注射するために使用される。カートリッジは、局所麻酔薬および他の成分を含むガラス製円筒である。円筒の1つの端部でのダイヤフラムが、アルミバンドによって適所に保持される。円筒の反対側の端部は、取り外し可能なピストンまたはストッパーを有する。注射器アセンブリは、カートリッジを受け取るためのバレルと、カートリッジを作動させるための、バレルの近位端部に滑動可能に受け取られるプランジャーロッドと、ダイヤフラムに小穴を開けるための、バレルの遠位端部でのアクセス針と、麻酔薬を患者に送出するための、アクセス針に接続されている送出針とを含む。いくつかの場合において、プランジャーロッドは、ピストンを係合するための組織切取り器を含む。
【0004】
典型的には、カートリッジのダイヤフラムが、事前に滅菌された注射器内に装着される前に、アルコールを用いて拭かれる。カートリッジが、注射器内に装着されるときに、バレルの遠位端部から近位に延在するアクセス針は、カートリッジダイヤフラムを貫通し、それにより、カートリッジ内の麻酔薬が分配され得る。一旦カートリッジが適所にあると、注射器のプランジャーロッドは、ダイヤフラムに向かってカートリッジのピストンを押し、アクセス針を通して、送出針内に、最終的に患者体内に麻酔薬を押し込む。
【0005】
しばしば、局所麻酔薬は、組織内への針の進入および薬剤の送出によって引き起こされた痛みを減少させるために使用される。麻酔薬送出を痛くする特性の中には、その酸素度がある。血管収縮薬(例えば、エピネフリン)を含む局所麻酔薬溶液は、血管収縮薬の酸化を遅らせるために、より低いpH(3〜4pH)で意図的に製造され、その効果を長くさせ、それによって、薬の貯蔵寿命を延長させる。従って、薬の貯蔵寿命に影響せず、減少された酸度を有する効果的な麻酔薬を送出するデバイスに対するニーズがある。
【0006】
本発明は、カートリッジから麻酔薬を分配するための歯科用注射器に関し、カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有する。注射器は、管状バレルの中空の内部内に滑動可能に受け取られる管状プランジャーを含む。プランジャーは、ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、遠位端部の反対側の開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有する。加えて、注射器は、管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られるプランジャーロッドを含む。ロッドは、シールを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、遠位端部と近位端部との間に延在する長さとを有し、長さは、ロッドがピストンを通されるときに、ロッドの送出部分がピストンを通ってカートリッジ内に延在するような大きさを有する。送出部分は、一定量の麻酔薬の酸度を減少させるための緩衝剤を受け取るための凹部を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
1つの局面において、本発明は、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有するカートリッジから麻酔薬を分配するための注射器を含む。注射器は、管状カートリッジの中空の内部内に滑動可能に受け取られる管状プランジャーを含む。プランジャーは、ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、遠位端部の反対側の開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有する。注射器は、管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られるプランジャーロッドを有する。ロッドは、ピストンを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、遠位端部と近位端部との間に延在する長さとを有し、長さは、ロッドがピストンを通されるときに、ロッドの送出部分が、ピストンを通って、カートリッジ内に延在するような大きさを有する。送出部分は、一定量の麻酔薬の酸度を減少させるための緩衝剤を受け取るための凹部を含む。
【0008】
別の局面において、本発明は、注射器とカートリッジとのシステム含み、システムは、カートリッジを含み、カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、内壁を滑動可能に係合するピストンとを有する。ピストンは、カートリッジの中空の内部の一定量の麻酔薬に面する遠位面と、遠位面の反対側の近位面と、所定の量の緩衝剤を受け取るための近位面の凹部と、凹部内に緩衝剤を密閉するシートとを有する。注射器とカートリッジとのシステムはまた、プランジャーロッドを含み、プランジャーロッドは、シートとピストンとを貫通するように適合されており、かつピストンを通る穴を形成する尖った遠位端部を有し、緩衝剤は、カートリッジの中空の内部に進入して、中空の内部内の一定量の麻酔薬の酸度を減少させる。
【0009】
本発明の他の局面は、以下の説明および請求範囲を考慮して明白になる。
【0010】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
カートリッジから麻酔薬を分配するための注射器であって、該カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有し、該注射器は、
管状プランジャーと、
プランジャーロッドと
を含み、
該管状プランジャーは、管状カートリッジの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、該プランジャーは、該ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、該遠位端部の反対側の開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有し、
該プランジャーロッドは、該管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、該ロッドは、該ピストンを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、該遠位端部と該近位端部との間に延在する長さとを有し、該長さは、該ロッドが該ピストンを通されるときに、該ロッドの送出部分が、該ピストンを通って、該カートリッジ内に延在するような大きさを有し、該送出部分は、該一定量の麻酔薬の酸度を減少させるための緩衝剤を受け取るための凹部を含む、注射器。
(項目2)
上記凹部が、上記プランジャーロッドの側面に配置されている、上記項目のいずれかに記載の注射器。
(項目3)
上記凹部が、上記プランジャーロッドの上記尖った遠位端部から間隔を空けられている、上記項目のいずれかに記載の注射器。
(項目4)
上記凹部が、上記プランジャーロッドの上記尖った遠位端部から間隔を空けられている、上記項目のいずれかに記載の注射器。
(項目5)
上記ロッドと上記プランジャーとのうちの少なくとも1つは、移動止めを含み、該ロッドと該プランジャーとのうちの少なくとももう1つは、該プランジャー内において該ロッドの相対的位置を保つための該移動止めを受け取るための対応する開口部を含む、上記項目のいずれかに記載の注射器。
(項目6)
上記ロッドは、移動止めを含み、上記プランジャーは、該プランジャー内において該ロッドの上記相対的位置を保つための該移動止めを受け取るための対応する開口部を含む、上記項目のいずれかに記載の注射器。
(項目7)
注射器とカートリッジとのシステムであって、該システムは、
カートリッジと、
プランジャーロッドと
を含み、
該カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、該内壁を滑動可能に係合するピストンとを有し、該ピストンは、該カートリッジの該中空の内部の該一定量の麻酔薬に面する遠位面と、該遠位面の反対側の近位面と、所定の量の緩衝剤を受け取るための該近位面の凹部と、該凹部内に該緩衝剤を密閉するシートとを有し、
該プランジャーロッドは、該シートと該ピストンとを貫通するように適合されており、かつ該ピストンを通る穴を形成する尖った遠位端部を有し、該緩衝剤は、該カートリッジの該中空の内部に進入して、該中空の内部内の該一定量の麻酔薬の酸度を減少させる、注射器とカートリッジとのシステム。
(項目8)
上記ピストンを通して、上記形成された穴を通して、上記カートリッジの上記中空の内部内に上記緩衝剤を押し込むための、上記プランジャーロッドの上記遠位端部に隣接するフランジをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
(項目9)
一旦バッファーが上記中空の内部内に押し込まれると、上記ピストンに対する上記ロッドのさらなる動きを防止するためのバーブをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
(項目10)
上記バーブは、円錐部分を含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
(項目11)
一旦バッファーが上記中空の内部内に押し込まれると、上記ピストンに対する上記ロッドのさらなる動きを防止するためのバーブをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
(項目12)
上記バーブは、円錐部分を含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
(項目13)
上記ロッドは、上記カートリッジに対して上記ロッドを動かすための、上記遠位端部の反対側の近位端部に親指リングを含む、上記項目のいずれかに記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【0011】
(摘要)
一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有するカートリッジから麻酔薬を分配するための注射器。注射器は、管状カートリッジの中空の内部内に滑動可能に受け取られる管状プランジャーを含む。プランジャーは、ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有する。注射器は、管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られるプランジャーロッドを含む。ロッドは、ピストンを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、遠位端部と近位端部との間に延在する長さとを有し、長さは、ロッドがピストンを通されるときに、ロッドの送出部分が、ピストンを通って、カートリッジ内に延在するような大きさを有する。送出部分は、一定量の麻酔薬の酸度を減少させるための緩衝剤を受け取るための凹部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の注射器の部分断面の側面図である。
【図2a】図2aは、カートリッジに緩衝剤を送出する前に、本発明の第1の実施形態のプランジャーロッドの断面図である。
【図2b】図2bは、カートリッジに緩衝剤を送出した後に、本発明の第1の実施形態のプランジャーロッドの断面図である。
【図3】図3は、第2の実施形態のプランジャーロッドとカートリッジとのシステムの断面図である。
【図4】図4は、第3の実施形態のプランジャーロッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
対応する参照文字は、図面を通して対応する部分を示す。
【0014】
(図面の詳細な説明)
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態の歯科用注射器が、概して、参照数字10によって全体として示される。歯科用注射器10は、概して、管状バレル12と、バレルのヘッドまたは近位端部16において滑動可能に受け取られるプランジャーロッド14とを含む。針18は、プランジャーロッド14が遠位へ押し込まれるときに、患者の組織に麻酔薬を分配するために、注射器の遠位端部において注射器の出口20に接続されている。
【0015】
注射器バレル12の中空の内部内に装着される、概して30によって示されるカートリッジまたはカープルは、分配される前に麻酔薬を保持する。カートリッジ30は、透明の円筒32を含み、円筒は、その遠位端部38においてバンド40によって適所に保持されているエラストマーのダイヤフラム34と、円筒32の近位端部44に位置決めされているエラストマーのストッパーまたはピストン42とを有する。麻酔薬を注射器10の分配針18と連結させるために、ダイヤフラム34が貫通される。注射器10のプランジャーロッド14は、ピストン42を係合し、円筒32から外へ、分配針18を通して麻酔薬を押し込む。
【0016】
図2aに例示されるように、プランジャーロッド14は、ロッド54を滑動可能に受け取るチャンネル52を有する管状ガイド50を含む。ロッド54の遠位端部56は、以下により詳細に説明されるように、カートリッジ30のピストン42を貫通するための尖った先端58を含む。ロッド54の近位端部60は、カートリッジピストン42にロッドをと通すための従来の親指リング62を含む。キャビティ64は、緩衝剤Bをカートリッジに送出する前に、緩衝剤Bを保持するために、ロッドの遠位端部56の付近において、ロッド54の中に提供される。移動止め66が、ロッド54とガイド50とが一致して動くようにロッド54をガイド50に接続するために、親指リング62の付近において、ロッド54上に提供される。
【0017】
ガイド50の遠位端部は、ピストン42の中心にロッド54を置くために、カートリッジ30の近位端部44内に受け取られるような大きさを有するフランジ70を含む。ガイド50の近位端部72はまた、注射器バレル12内の中心にガイドを置くためのフランジ74を含む。溝76が、ロッドとガイド50との間の動きを防止するために、ロッド54上の移動止め66を受け取るように、近位端部72に隣接してチャンネル52の周りに提供される。
【0018】
当業者にとって明白であるように、ロッド54が最初に前進させられると、ロッドは、ガイド50内において遠位へ移動し、それにより、尖った先端58は、カートリッジ30のピストン42を貫通する。ロッド54がより遠くに前進すると、キャビティ64は、図2bに示されるようにカートリッジ30の中空の内部に進入し、それにより、緩衝剤Bが、カートリッジ内の麻酔薬と混合し、麻酔薬の酸度を減少させる。最終的に、ロッド54上の移動止め66は、ガイド50のチャンネル52の溝76を係合し、それにより、ガイドが、ロッドと共に前進する。ガイド50が前進するときに、それは、円筒32内において、カートリッジ30のピストン42を遠位に押し込み、カートリッジのダイヤフラム34を通って延在する針を通してカートリッジの内容物を分配する。加えて、移動止め66は、当業者にとって明白であるように、ピストン42が、親指リング62を引き戻すことによって後退させられて、組織から麻酔薬を吸引することを可能にする。別の実施形態において、カートリッジ30内の麻酔薬が、負の圧力(すなわち、部分的真空)であることにより、ロッドのバッファーが、ロッドから容易に出て、カートリッジ内の麻酔薬と混合することを可能にする。
【0019】
図3は、概して、100によって示されるカートリッジの別の実施形態を例示する。カートリッジ100は、透明の円筒102を含み、円筒は、その遠位端部においてバンド(示されていない)によって適所に保持されているエラストマーのダイヤフラム(示されていない)と、円筒102の近位端部112に位置決めされているエラストマーのピストン110とを有する。ピストン110は、その近位面116においてキャビティ114を含む。キャビティ114は、緩衝剤Bで充填されており、キャビティ内にこの薬剤を保有するために、フィルム118を用いて覆われている。さらに、図3に例示されるように、第2の実施形態のプランジャーロッド120は、フィルム118およびピストン110を貫通するための尖った先端124を有する。ロッド120はまた、尖った先端124のすぐ近位のフランジ126と、第1のフランジの近位に位置決めされている第2のより大きなフランジまたはバーブ128とを含む。
【0020】
当業者にとって明白であるように、プランジャーロッド120が最初に前進されるときに、ロッドが遠位へ動き、それにより、その尖った先端124は、フィルム118を貫通する。より遠くに動くと、ロッド120の尖った先端124は、ピストン110を貫通する。ロッド120が、なおより遠くに前進させられると、第1のフランジ126は、尖った先端124によって生成されたピストン110の開口部に緩衝剤Bを押し通す。第1の実施形態のように、緩衝剤Bは、麻酔薬の酸度を減少させる。なお、ロッド120をより遠くに前進させると、バーブ128をピストン110と係合させ、円筒102内にそれを遠位へ押し込み、カートリッジ100のダイヤフラム(示されていない)を通って延在する針を通してカートリッジの内容物を分配する。バーブ128は、ピストン110が引き抜かれることを可能にし、組織を吸引させる。
【0021】
図4に例示された第3の実施形態において、バッファー送出システム200は、その遠位端部にある尖った先端204と、その近位端部にある親指リング206との間に延在するチャンネル202を有する管状プランジャー201を含む。キャビティ212を有するロッド210は、チャンネル202を通って延在する。管状プランジャー201が最初に前進させられるときに、その尖った先端は、ピストン42を貫通する。一旦ピストン42が貫通されると、ロッド210は、キャビティ212が円筒32の内部に進入するまで前進させられ、緩衝剤を麻酔薬内に分配する。フランジ220は、管状プランジャー201の近位端部から延在し、前進させられると、ロッド210を係合する。代替的には、フランジ(示されていない)が、管状プランジャー201の遠位端部またはその付近に位置決めされて、麻酔薬を分配するために、ピストン42と接触し得る。管状プランジャー201の遠位端部またはその付近にあるバーブ222は、吸引の間にピストンから分離することを防止するために、ピストン42を係合するように構成され得る。代替的には、バーブ(示されていない)は、ロッド210から延在して、ピストン42を係合し得る。
【0022】
本発明を詳細に説明したが、変更およびバリエーションは、添付した請求範囲に規定される本発明の範囲から逸脱せずに可能であることが明白である。本発明の実施形態は、2つの成分の薬を送出するために使用され得、2つの成分または2つの薬の組み合わせまたは混合が、患者への投薬の直前に行われることが理解され得る。
【0023】
本発明、または本発明の好ましい実施形態の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素のうちの1つ以上があることを意味するように意図される。用語「comprsing」、「including」、および「having」は、リストにあげた要素以外の追加要素があり得ることが包括的であり、かつそれを意味するように意図される。
【0024】
本発明の範囲から逸脱することなしに、さまざまな変化が、上記の構造、製品、および方法に加えられ得るように、前述に含まれ、添付の図面に示される全部の事項は、限定する意味ではなく、例示的な意味として解釈されるべきであることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジから麻酔薬を分配するための注射器であって、該カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、ピストンとを有し、該注射器は、
管状プランジャーと、
プランジャーロッドと
を含み、
該管状プランジャーは、管状カートリッジの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、該プランジャーは、該ピストンを係合するための形状を有する遠位端部と、該遠位端部の反対側の開放の近位端部との間に延在する中空の内部を有し、
該プランジャーロッドは、該管状プランジャーの中空の内部内に滑動可能に受け取られ、該ロッドは、該ピストンを貫通するように適合されている尖った遠位端部と、近位端部と、該遠位端部と該近位端部との間に延在する長さとを有し、該長さは、該ロッドが該ピストンを通されるときに、該ロッドの送出部分が、該ピストンを通って、該カートリッジ内に延在するような大きさを有し、該送出部分は、該一定量の麻酔薬の酸度を減少させるための緩衝剤を受け取るための凹部を含む、注射器。
【請求項2】
前記凹部が、前記プランジャーロッドの側面に配置されている、請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
前記凹部が、前記プランジャーロッドの前記尖った遠位端部から間隔を空けられている、請求項2に記載の注射器。
【請求項4】
前記凹部が、前記プランジャーロッドの前記尖った遠位端部から間隔を空けられている、請求項1に記載の注射器。
【請求項5】
前記ロッドと前記プランジャーとのうちの少なくとも1つは、移動止めを含み、該ロッドと該プランジャーとのうちの少なくとももう1つは、該プランジャー内において該ロッドの相対的位置を保つための該移動止めを受け取るための対応する開口部を含む、請求項1に記載の注射器。
【請求項6】
前記ロッドは、移動止めを含み、前記プランジャーは、該プランジャー内において該ロッドの前記相対的位置を保つための該移動止めを受け取るための対応する開口部を含む、請求項5に記載の注射器。
【請求項7】
注射器とカートリッジとのシステムであって、該システムは、
カートリッジと、
プランジャーロッドと
を含み、
該カートリッジは、一定量の麻酔薬を受け取るための大きさおよび形状を有する中空の内部を規定する内壁と、該内壁を滑動可能に係合するピストンとを有し、該ピストンは、該カートリッジの該中空の内部の該一定量の麻酔薬に面する遠位面と、該遠位面の反対側の近位面と、所定の量の緩衝剤を受け取るための該近位面の凹部と、該凹部内に該緩衝剤を密閉するシートとを有し、
該プランジャーロッドは、該シートと該ピストンとを貫通するように適合されており、かつ該ピストンを通る穴を形成する尖った遠位端部を有し、該緩衝剤は、該カートリッジの該中空の内部に進入して、該中空の内部内の該一定量の麻酔薬の酸度を減少させる、注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項8】
前記ピストンを通して、前記形成された穴を通して、前記カートリッジの前記中空の内部内に前記緩衝剤を押し込むための、前記プランジャーロッドの前記遠位端部に隣接するフランジをさらに含む、請求項7に記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項9】
一旦バッファーが前記中空の内部内に押し込まれると、前記ピストンに対する前記ロッドのさらなる動きを防止するためのバーブをさらに含む、請求項8に記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項10】
前記バーブは、円錐部分を含む、請求項9に記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項11】
一旦バッファーが前記中空の内部内に押し込まれると、前記ピストンに対する前記ロッドのさらなる動きを防止するためのバーブをさらに含む、請求項7に記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項12】
前記バーブは、円錐部分を含む、請求項11に記載の注射器とカートリッジとのシステム。
【請求項13】
前記ロッドは、前記カートリッジに対して前記ロッドを動かすための、前記遠位端部の反対側の近位端部に親指リングを含む、請求項7に記載の注射器とカートリッジとのシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−217848(P2012−217848A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−85534(P2012−85534)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】