説明

黄斑変性に関与する遺伝子

本発明は、バリアントLOC387715、バリアントSYNPRおよびバリアントPDGFCなどの加齢性黄斑変性に関連するバリアント遺伝子の同定;加齢性黄斑変性を発症するリスクのある個体の同定または同定の補助方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
財政的支援
本発明は、国立衛生研究所からの認可第HG000060号および認可第EY015771号の下、米国政府の支援によってなされた。米国政府は本発明において特定の権利を有する。
【0002】
関連出願についての参照
本願は、2005年10月11日に出願された、米国仮出願番号第60/726,061号の恩恵を主張する。この参照仮出願の教示は、その全体において本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
加齢性黄斑変性(AMD)は、先進国において高齢者の失明の主な原因である。その発生率は寿命の伸長およびに高齢者人口の拡大の伴い増加している(D.S. Friedman et al., Arch Ophthalmol 122, 564 (2004))。それは、進行性の網膜の中心領域(斑(macula))の破壊を特徴とする慢性的な疾患であり、中心領域の視力の消失を引き起こす(J. Tuo, C. M. Bojanowski, C. C. Chan, Prog Retin Eye Res 23, 229 (2004))。AMDの重大な特徴の1つは、網膜色素上皮(PRE)と脈絡膜の間にある網膜の後ろの斑の中および周囲に濃縮される、ドルーゼンと呼ばれる細胞外沈着の形成である。AMDの発生の危険性は、その多くが未だ未同定の遺伝的バリアントの複雑な相互作用によって決定される。AMDの遺伝的決定因子に関するさらなる情報は、当該研究分野において極めて価値のあるものである。
【0004】
本発明の概要
本発明は、AMDに対する素因に関連するヒト遺伝子におけるバリエーションの同定に関する。かかるバリエーションおよびバリアント遺伝子は、AMDを発症する危険のある個体の同定または同定の補助、ならびにAMDの診断または診断の補助に有用である。本発明はまた、AMDを発症する危険のある個体の同定または同定の補助のための方法、AMDの診断または診断の補助のための方法、該方法に有用なポリヌクレオチド(例えば、プローブ、プライマー)、プローブまたはプライマーを含む診断キット、AMDの危険のあるまたはAMDに罹患した固体の処置方法、およびAMDの危険のあるまたはAMDに罹患した個体の処置に有用な組成物に関する。
【0005】
出願人は、AMDを有する個体およびAMDを有さない個体(対照)のゲノム全域にわたるSNP遺伝子型データを解析し、LOC387715と相互作用すると思われる他の遺伝子座における1つの関連を見出した。AMDの発生の危険性に重要な役割を果たすことが知られている1つのバリアントが遺伝子LOC387715において見出されている。本明細書で記載するように、出願人はLOC387115とAMDの関連を確認した。さらに、出願人は、全てAMD関連ピークに存在することが知られている遺伝子LOC387715、シナプトポリン(synaptoporin)(SYNPR)および血小板由来成長因子C(PDGFC)におけるバリアントの相互作用がAMDの感受性に寄与しているという証拠を提供する。出願人が以前に同定した補体因子H(CFH)の関連に加えて、これらの相互作用がAMDのかなりの遺伝的リスクの原因であると思われる。
【0006】
一態様において、本発明は、ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715遺伝子、ヒトにおけるAMDの発生に関連するSYNPR遺伝子、およびヒトにおけるAMDの発生に関連するPDGFCの検出または検出の補助に有用なポリヌクレオチドを提供する。「ヒトにおけるAMDの発生に関連する」および「AMDの発生に関連する」という表現は、本明細書中で交換可能に使用される。特定の態様において、本発明は、ヒトにおけるAMDの発生に関連するそれぞれの遺伝子におけるバリアントの検出または検出の補助に有用であるポリヌクレオチドに関する。別の態様において、本発明は、AMDを発生する危険のある個体の同定または同定の補助に有用な方法および組成物に関する。さらなる態様において、本発明の方法および組成物は、AMDに罹患しているかまたはAMDを発症する危険のある個体の処置のために使用される。また、本発明の主題は、個体由来の試料におけるバリアントLOC387715遺伝子、バリアントSYNPR遺伝子および/またはバリアントPGDFC遺伝子、単独もしくは組合せを検出するための診断キットである。かかるキットはさらに、AMDの発生に関連するCFH遺伝子のバリエーションを含むバリアントCFH遺伝子の検出にも有用であり得る。かかるキットは、AMDを発生する危険のある個体の同定または同定の補助、および個体におけるAMDの診断または診断の補助に有用である。
【0007】
特定の態様において、本発明は、バリアントLOC387715遺伝子の検出のための単離されたポリヌクレオチド;バリアントSYNPR遺伝子の検出のための単離されたポリヌクレオチド;およびバリアントPDGFC遺伝子の検出のための単離されたポリヌクレオチドを提供する。該単離されたポリヌクレオチドは、ヒトにおけるAMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション;ヒトにおけるAMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーション;またはヒトにおけるAMDに関連するPDGFC遺伝子のバリエーションを特異的に検出する核酸分子を含む。単離されたポリヌクレオチドは個体由来の試料中の、ヒトにおけるAMDに関連する、バリアントLOC387715遺伝子、バリアントSYNPR遺伝子またはバリアントPDGFC遺伝子の検出に有用である。
【0008】
本明細書に記載される研究は、AMDの感受性についての異なる染色体上の3つの遺伝子座における遺伝的相互作用の強力な証拠を提供する。(1つまたは複数の)LOC387715のバリアントと、(1つまたは複数の)シナプトポリン(SYNPR)のバリアントおよび(1つまたは複数の)血小板由来成長因子C(PDGFC)のバリアントは組み合わされて機能する。対照的に、CFHバリアントは、個体のAMD発生の遺伝的リスクに、独立して寄与する。評価されたPARは、AMD(16)に対して以前評価されたレベル(0.46〜0.71)と同程度の高さのレベル(0.55〜0.71)に達し、これは、(1つまたは複数の)遺伝的ネットワークが、例えば欧州人種の集団におけるAMDのリスクの実質的な部分を捕捉することを報告した仮説を支持した。他の集団におけるAMD感受性に対する(1つまたは複数の)これらの遺伝的ネットワークは、本明細書に記載の方法を用いて確認または決定され得る。
【0009】
発明の詳細な説明
概要
本明細書に記載されるように、出願人は、100,000より多くの単一ヌクレオチド多型(SNP)について加齢性眼疾患研究(AREDS)から個体の遺伝子型を決定することにより得られたゲノム全域にわたる関連データ(AREDS Research Group, Ophthamology 107, 2224 (2000))において、独立しておよび他の遺伝子と協調してLOC387715の位置を調査した。また、本明細書に記載されるように、この調査の結果により、3遺伝子(LOC387715、シナプトポリン(SYNPR)、および血小板由来成長因子C(PDGFC)のバリアントとAMDの発生の関連が示され、AMD感受性におけるこれらの相互作用の役割が支持される。これら3つの遺伝子のバリアントは、本明細書中でそれぞれ、vLOC387715、vSYNPRおよびvPDGFCと表される。出願人が以前に同定した補体因子H(CHF)の関連に加えて、これらの相互作用もAMDについてかなりの遺伝的リスクの原因となると思われる。AMDの発生に関連する3つの遺伝子のバリアントの評価およびAMDの発生に関連するバリアントCFH遺伝子の評価と組み合わせたこれら3つの遺伝子のバリアントの評価は、AMDを発生する危険のある個体の同定または同定の補助、ならびに個体(例えば、ヒト)におけるAMDの診断または診断の補助に有用である。
【0010】
ヒトにおけるAMDと関連(correlate)(関連(associate))があると示されたLOC387715遺伝子のバリエーション、SYNPR遺伝子のバリエーションおよびPDGFC遺伝子のバリエーションは、AMDの素因がある個体(ヒト)の初期の診断および初期の処置に有用である。LOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子およびPDGFC遺伝子の個体における遺伝子構成の決定は、初期、または個体がAMDの何らかの症状を示すさらに前段階でのAMDの処置において有用である。さらに、LOC387715、SYNPRおよびPDGFCの遺伝子型決定のための診断試験により、AMDを発生するリスクを示すような個体を、AMDの発生の原因となる環境的リスク(例えば、喫煙)を低減するように個体の行動を変え、その結果AMDの発生のリスクを低減させ、AMDの重度を低減するか、および/またはその開始を遅らせることが可能となり得る。
【0011】
一態様において、本発明は、ヒトにおけるAMD、AMD(発生の可能性を増加させる)に対する素因に関連する(1つまたは複数の)VLOC387715遺伝子、(1つまたは複数の)vSYNPR遺伝子および(1つまたは複数の)vPDGFC遺伝子の同定に関する。これらのバリアントは、AMDを発生するリスクを有する個体の同定または同定の補助、およびAMDの診断または診断の補助に有用である。本発明はまた、AMDを発生するリスクを有する個体の同定方法または同定の補助方法、ヒトをAMDにかかりやすくするこれらのバリエーションの検出のための方法および組成物、AMDの診断または診断の補助のための方法、該方法に有用なポリヌクレオチド(例えば、プローブ、プライマー)、プローブおよびプライマーを含み、本発明の該方法に有用な診断キット、AMDを有するリスクがあるかまたAMDに罹患した個体の処置方法、ならびにAMDを有するリスクがあるかまたはAMDに罹患した個体の処置に有用な組成物に関する。本明細書中で示される3つの遺伝子のバリアントは、本発明の方法単独で(AMDの発生に関連があるバリアントCFH遺伝子の評価などの(1つまたは複数の)他の因子の評価なく)、またはAMDに関連があるバリアントCFH遺伝子の評価など(1つまたは複数の)さらなる因子の評価、または臨床評価と組み合わせて評価される。
【0012】
LOC387715、SYNPRおよびPDGFC遺伝子は遺伝子のcDNAまたはゲノム形態であり得、上流および下流の調節配列を含み得る。配列の例としてホモサピエンス遺伝子LOC387715、エントリーhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov;シナプトポリン(ラットタンパク質P22831 EMBLおよびSYNPRシナプトポリン(synaptorin)遺伝子ID 66030 Entrez Gene、http://rat.embl.de:SYNPR_MOUSE Q8BGN8、http://us.expasy.org;ヒトタンパク質Q8TBG9-シナプトポリンEMBLおよびSYNPRシナプトポリン[ホモサピエンス]、http://harvester.embl.de);PDGFC(Genbank受託番号AF336376; Utela et al. Circulation 2001; 103:2242-2247)を参照、しかしいかなる場合においてもこれらに限定されることは意図しない。本発明のポリヌクレオチドのプローブおよびプライマーは、これら3つの遺伝子(LOC387715、SNYPRまたはPDGFC)の1つである任意の連続部分、または3つの遺伝子バリアント(vLOC387715、vSNYPRまたはvPDGFC)の1つである任意の連続部分にハイブリダイズし得る。LOC387715、SYNPRおよびPDGFC遺伝子はさらに、遺伝子が完全長mRNAの長さに相当するように、両末端の約1〜2kb離れた5'および3'末端のコーディング領域に隣接して位置する配列をさらに含み得る。コーディング領域の5'に位置し、mRNA上に存在するは、5'非翻訳配列と呼ばれる。コーディング領域の3'または下流に位置し、mRNA上に存在する配列を3'非翻訳配列と呼ぶ。
【0013】
また、本発明の主題は、単離されたvLOC387715ポリペプチド;単離されたvSYNPRポリペプチド;および単離されたvPDGFCポリペプチドならびに、AMDを発生するリスクのある個体の同定または同定の補助方法、ヒトをAMDにする可能性のあるかかるバリエーションの検出方法、およびAMDの診断または診断の補助方法などの本発明の方法の使用におけるそれらの使用である。vLOC387715ポリペプチド配列は、Fisherおよび共同研究者に記載されたLOC387715遺伝子の変化物にコードされるAla69Ser変化物などのヒトポリペプチド配列(8)ならびに非ヒト(例えば、ラット、マウス)ポリペプチド配列を含む。同様に、vSYNPRポリペプチドおよびvPDGFCポリペプチドは、ヒトおよび非ヒト配列を含む。コードされるポリペプチドが所望の活性もしくは機能特性(例えば、酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達)を有する長さで、LOC387715、SYNPRおよびPDGFCポリペプチドは全長コーディング配列またはコーディング配列の任意の部分にコードされ得、vLOC387715、vSYNPRおよびvPDGFCポリペプチドは全長コーディング配列またはコーディング配列の任意の部分にコードされ得る。
【0014】
LOC387715、SYNPRおよびPDGFCポリヌクレオチドプローブおよびプライマー
特定の態様において、本発明は、AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、もしくはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションまたはそれらの組合せを特異的に検出する、単離されたおよび/または組換えポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドプローブは、特定の様式で、かかるLOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子またはPDGFC遺伝子のバリエーション(目的のバリエーションと称される)およびフランキング配列にハイブリダイズし得、そのため典型的に、バリエーションおよびフランキング領域に完全もしくは部分的に相補的な配列を有する。本発明のポリヌクレオチドプローブは、バリエーションがプローブの中心部分またはプローブの末端部分などの別の部分と整列するように、遺伝子のセグメントまたは目的のバリエーションを含むDNAのセグメントにハイブリダイズし得る。一態様において、本発明の単離されたポリヌクレオチドプローブは、ストリンジェントな条件下で、ヒトにおいて、AMDに関連するバリアントLOC387715遺伝子、AMDの発生に関連するバリアントSYNPR遺伝子もしくはAMDの発生に関連するバリアントPDGFC遺伝子、またはそれらの部分もしくは対立遺伝子バリアントを含む核酸分子とハイブリダイズする。別の態様において、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で、少なくとも10個の連続したLOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子、PDGFC遺伝子、AMDに関連するバリアントLOC387715遺伝子、AMDに関連するバリアントSYNPR遺伝子、AMDに関連するバリアントPDGFC遺伝子またはそれらの対立遺伝子バリアントを含む核酸分子にハイブリダイズし、該核酸分子はヒトにおけるAMDの発生に関連するバリエーションを含む。
【0015】
特定の態様において、本発明のポリヌクレオチドプローブは対立遺伝子特異的プローブである。多型の解析のための対立遺伝子特異的プローブの設計および使用は、例えばSaiki et al., Nature 324:163-166 (1986);Dattagupta, EP 235726;およびSaiki WO 89/11548に記載される。対立遺伝子特異的プローブは、ある個体由来の標的DNAのセグメントにハイブリダイズするが、別の個体由来の対応するセグメントには、2個体由来のそれぞれのセグメントにおける多型もしくはバリエーションの存在のために、ハイブリダイズしないように設計され得る。ハイブリダイゼーション条件は、対立遺伝子間のハイブリダイゼーション強度に有意差が生じるように、充分にストリンジェントにすべきである。いくつかの態様において、プローブは対立遺伝のうちのただ1つにのみにハイブリダイズする。
【0016】
個体にAMD素因を与える、LOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子およびPDGFC遺伝子の種々のバリエーションまたはかかるバリエーションの任意の組合せは、本明細書に記載の方法およびポリヌクレオチドにより検出され得る。例えば、ヒトにおけるAMDに関連する、コーディング領域の、エクソン、エクソン-イントロン境界、シグナルペプチド、5'非翻訳領域3'非翻訳領域またはイントロン中の任意のヌクレオチド多型が検出され得る。これらの多型としては限定されることはないが、LOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子および/またはPDGFC遺伝子にコードされるタンパク質のアミノ酸配列を変更するもの、選択的スプライシング産物を産生するもの、切断型タンパク質を生じるもの、未成熟な終止コドンを導入するもの、潜在的エクソンを導入するもの、発現の(or)程度を過剰に大きくかもしくは小さく変更するもの、遺伝子の発現の組織特異性を変更するもの、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCにコードされるタンパク質の3次構造の変化を導入するもの、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCにコードされるタンパク質の結合親和性もしくは特異性における変化を導入するもの、またはLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCにコードされるタンパク質の機能を変更するものが挙げられる。特定の態様において、LOC387715遺伝子のバリエーションは、LOC387715タンパク質の69位にアラニン以外のアミノ酸(例えば、セリン)をコードする。バリエーションがコーディング領域中にあるもの(例えば、AMDに関連しないLOC387715遺伝子中の対応する位置、AMDに関連しないSYNPR遺伝子もしくはPDGFC遺伝子中の対応する位置に存在するアミノ酸以外のアミノ酸をコードするバリエーション)などの、他のバリアント遺伝子は、本明細書に記載の方法および組成物を使用して検出され得る。あるいは、バリエーションが非コーディング領域中にあるバリアント遺伝子は、本明細書に記載の方法および組成物を使用して検出され得る。バリアントポリヌクレオチドが、AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子もしくはPDGFC遺伝子のバリエーションを特異的に検出し得るのであれば、目的のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のポリヌクレオチドのバリアントであるポリヌクレオチドを含むことがさらに理解されよう。バリアントポリヌクレオチドとしては、例えば1つ以上のヌクレオチド置換、付加または欠損により異なる配列が挙げられる。
【0017】
特定の態様において、単離されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で、ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、ヒトにおけるAMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、またはヒトにおけるAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズするプローブである。用語「プローブ」とは、別の目的の核酸にハイブリダイズし得る核酸のことをいう。ポリヌクレオチドは、精製された制限酵素消化物のようにして天然に存在し得るか、または合成、組換えもしくは核酸増幅(例えば、PCR増幅)により生成されてもよい。
【0018】
核酸分子によるハイブリダイゼーション実験法は当該技術分野において周知である。当業者はハイブリダイゼーション条件について精通している。かかるハイブリダイゼーション条件は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (2001);およびCurrent Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al.編, John Wiley & Sons (1992) などの基本的な教科書に言及される。ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、ヒトにおけるAMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーションもしくはヒトにおけるAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーション、またはバリアントLOC387715、SYNPRもしくはPDGFC遺伝子の領域に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の方法において特に有用である。ストリンジェントな条件下で、ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、ヒトにおけるAMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーションもしくはヒトにおけるAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、目的のバリエーションを含まない、対応するLOC387715、SYNPRもしくはPDGFC遺伝子にハイブリダイズしない。
【0019】
核酸ハイブリダイゼーションは、塩濃度、温度、有機溶媒、塩基組成、相補鎖の長さおよびハイブリダイズする核酸間のヌクレオチド塩基ミスマッチ数などにより影響され、当業者により容易に適切化され得る。ストリンジェントな温度条件は、通常30℃を超える温度を含み得るか、または37℃もしくは45℃を超え得る。ストリンジェンシーは温度により増加する。例えば、45℃より高いものは高ストリンジェント条件である。ストリンジェントな塩条件は、通常1000mM未満であり得るか、または500mMもしくは200mM未満であり得る。例えば、あるものは、ハイブリダイゼーションを、約45℃で6.Ox塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、次いで50℃で2.Ox SSCの洗浄で行い得る。例えば、洗浄工程における塩濃度は、低ストリンジェンシーの50℃で約2.Ox SSC〜高ストリンジェンシーの50℃で約0.2x SSCから選択され得る。また、洗浄工程における温度は、室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から約65℃の高ストリンジェンシー条件に上げ得る。温度および塩の両方を変更し得るか、または温度もしくは塩を一定に維持して他方を変化させる。本発明の方法において、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントSYNPR遺伝子、もしくはヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントPDGFC遺伝子、またはバリアントLOC387715、SYNPRもしくはPDGFC遺伝子の領域に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチドが特に有用である。しかしながら、適切なストリンジェント条件はDNAハイブリダイゼーションを容易にするために変更され得ることが理解されよう。特定の態様において、本発明のポリヌクレオチドは、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントSYNPR遺伝子もしくはヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントPDGFC遺伝子、またはかかるバリアントLOC387715遺伝子、バリアントSYNPR遺伝子もしくはバリアントPDGFC遺伝子の領域に、高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする。ストリンジェントな条件下で、LOC387715遺伝子のバリエーション、SYNPR遺伝子のバリエーションもしくはPDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、目的のバリエーションを含まない対応するLOC387715、SYNPRもしくはPDGFC遺伝子にハイブリダイズしない。一態様において、本発明は、低ストリンジェンシー条件の室温、6.Ox SSCでハイブリダイズし、次いで室温2.Ox SSCで洗浄される核酸を提供する。しかし、パラメーターの組合せは、任意の単一パラメーターの測定よりもかなり重要である。例えばWetmurおよびDavidson, 1968参照。プローブ配列もまた、特定の条件下で二本鎖DNAにハイブリダイズして、3次もしくはより高次なDNA複合体を形成し得る。かかるプローブの作製および適切なハイブリダイゼーション条件は当該技術分野に周知である。
【0020】
本発明のポリヌクレオチドのプローブまたはプライマーは、酵素(例えば、ELISA、および酵素ベース組織学的アッセイ)、蛍光、放射性、化学的、および発光系を含むがこれらには限定されない種々の検出系で検出可能なように標識され得る。本発明のポリヌクレオチドのプローブまたはプライマーは、さらに、標識(例えば、蛍光標識)の近位に置かれる場合にほとんどまたは全くシグナルの存在を生じないクエンチャー部分を含み得る。標識の検出は直接または間接的な手段により(例えば、ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジン結合により)行われる。本発明はいかなる特定の検出系または標識にも限定されることを意図しない。
【0021】
別の態様において、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で、隣接するか、上流または下流に位置する、ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子、PDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズするプライマーである。単離されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントLOC387715、バリアントSYNPRもしくはバリアントPDGFC遺伝子の全部または一部を含む核酸分子にハイブリダイズし得る。あるいは、単離されたポリヌクレオチドプライマーは、ストリンジェントな条件下で、ヒトにおけるAMDの発生に関連する、少なくとも50個の連続したヌクレオチドのバリアントLOC387715、バリアントSYNPRもしくはバリアントPDGFC遺伝子を含む核酸分子にハイブリダイズし得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドプライマーは、コードされるタンパク質の69アミノ酸をコードするLOC387715遺伝子に隣接するか、上流または下流にある領域にハイブリダイズし得る。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「プライマー」は、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が生じる条件下におかれた場合(例えば、ヌクレオチド、DNAポリメラーゼなどの誘導薬剤、適切な温度、pHおよび電解質濃度、の存在下で)、核酸合成の開始点として機能し得るポリヌクレオチドのことをいう。あるいは、プライマーは、2つの結合していない核酸のライゲーションが生じる条件化におかれる場合(例えば、近位核酸、DNAリガーゼなどの誘導薬剤ならびに適切な温度、pHおよび電解質濃度の存在下で)、隣接する核酸と連結し得る。本発明のポリヌクレオチドプライマーは、精製された制限酵素消化物のように、天然に存在し得るか、または合成により生成され得る。好ましくは、該プライマーは増幅における最大限の有効性のために一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。二本鎖である場合、プライマーは使用する前にまずその鎖を分離にするように処理される。好ましくは、プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源および方法の使用を含む多くの因子に依存し得る。特定の態様において、本発明のポリヌクレオチドプライマーは、少なくとも10ヌクレオチド長であり、ヒトにおけるAMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRもしくはPDGFC遺伝子のバリエーションの一方または他方にハイブリダイズする。目的のポリヌクレオチドは、1つ以上のヌクレオチド置換、付加または欠損などの改変体を含み得るが、ただしそれらは標的のバリアントLOC387715、SYNPRおよび/またはPDGFC遺伝子と実質的に同程度の特異性でハイブリダイズことを条件とする。
【0023】
一態様において、本発明は、AMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーションまたはAMDに関連するPDGFC遺伝子のバリエーションを特異的に検出するプライマーのペアを提供する。このような場合において、第1のプライマーは、バリエーションの上流にハイブリダイズし第2のプライマーはバリエーションの下流にハイブリダイズする。例えば、プライマーの一方は、AMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、SYNPR遺伝子のバリエーションまたはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションを含むDNAの領域の一本鎖にハイブリダイズし、第2のプライマーは、AMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーションまたはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションを含むDNAの領域の相補鎖にハイブリダイズする。本明細書で使用する場合、「DNAの領域」とは、DNAの染色体以下の長さのもののことをいう。
【0024】
別の態様において、本発明は、AMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーションまたはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションに重複する標的DNA上の部位にハイブリダイズする対立遺伝子特異的プライマーを提供する。本発明の対立遺伝子特異的プライマーは、プライマーが完全な相補性を示す、対立遺伝子形態の増幅のみを誘導する。このプライマーは、例えば遠位部位でハイブリダイズする第2のプライマーと組み合わせて使用され得る。従って増幅は2つのプライマーから進行し得、AMDの発生に関連するバリアントLOC387715遺伝子、AMDの発生に関連するバリアントSYNPR遺伝子またはAMDの発生に関連するバリアントPDGFC遺伝子の存在を示す検出可能な生成物を生じる。
【0025】
検出アッセイ
特定の態様において、本発明は、加齢性黄斑変性に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションの検出に有用なポリヌクレオチドに関する。好ましくは、これらのポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、加齢性黄斑変性の発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、SYNPR遺伝子のバリエーションまたはPDGFC遺伝子のバリエーションを含むDNAの領域にハイブリダイズし得る。
【0026】
本発明のポリヌクレオチドは、AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションの検出を可能にする任意のアッセイに使用され得る。かかる方法は、例えばDNA配列決定、ハイブリダイゼーション、ライゲーションまたはプライマー伸長法を包含し得る。さらに、本発明においてこれらの組合せも利用され得る。
【0027】
一態様において、AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPR、PDGFC遺伝子またはそれらの組合せの存在は、DNA配列決定により検出および/または決定される。DNA配列の決定は、ジデオキシ鎖終結技術およびゲル電気泳動などの標準的な方法、またはピロシークエンシング(pyrosequencing)(Biotage AB, Uppsala, Sweden)などの他の方法により実行され得る。例えば、ジデオキシ鎖終結によるDNA配列決定は非標識プライマーおよび標識プライマー(例えば、蛍光、または放射性)ターミネーターを使用して実行され得る。あるいは、配列決定は標識プライマーおよび非標識ターミネーターを用いて実行され得る。試料中のDNAの核酸配列を、AMDに関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、AMDに関連するPDGFC遺伝子のバリエーションまたはかかるバリエーションの組合せが存在するかどうかについて、野生型DNAまたはAMDの発生に関連するバリエーションを含まないDNAの核酸配列と比較し得る。
【0028】
別の態様において、AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、AMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションまたはそれらの組合せの存在は、ハイブリダイゼーションションにより検出および/または決定される。一態様において、ポリヌクレオチドプローブは、AMDに関連するLOC387715遺伝子、SYNPR遺伝子またはPDGFC遺伝子のバリエーションおよび隣接するヌクレオチドにハイブリダイズするが、AMDに関連するバリエーションを含まないLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子にはハイブリダイズしない。ポリヌクレオチドプローブは、蛍光、放射性または化学的に標識されたヌクレオチドを含み、ハイブリダイゼーションの検出を容易にする。ハイブリダイゼーションは、ノザンブロッティング、サザンブロッティング、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)など、またはDNAアレイもしくはマイクロアレイなどの固相支持体上に固定化されたポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションなどの当該技術分野に公知の標準的な方法により実行および検出され得る。本明細書で使用される場合、用語「DNAアレイ」および「マイクロアレイ」とは、ハイブリダイズ可能なアレイエレメントの注文通りの整列のことをいう。アレイエレメントは、好ましくは少なくとも1つ以上の異なるアレイエレメントが基材表面上に固定化されるように整列される。各アレイエレメントからのハイブリダイゼーションシグナルはそれぞれ区別可能である。
【0029】
別の態様において、AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーションの存在はハイブリダイゼーションにより検出および/または決定される。
【0030】
別の態様において、AMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーションの存在はハイブリダイゼーションにより検出および/または決定される。
【0031】
別の態様において、AMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションの存在はハイブリダイゼーションにより検出および/または決定される。
【0032】
特定の態様において、ポリヌクレオチドプローブは、FISHによりゲノムDNAをハイブリダイズするために使用される。FISHは例えば、脂肪の分裂中期においてゲノムDNAの欠損を検出するために使用され得る。ゲノムDNAは、変性してDNA二重へリックス構造中の相補鎖に分離する。次いで、本発明のポリヌクレオチドプローブを変性したゲノムDNAに添加する。AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDの発生に関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、またはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションが存在する場合、プローブはゲノムDNAにハイブリダイズする。その後、プローブシグナル(例えば、蛍光)が、シグナルの有無(presence of absence)について蛍光顕微鏡により検出され得る。従って、シグナルの非存在は、AMDの発生に関連するそれぞれの遺伝子のバリエーションの非存在を意味する。別の特定の態様において、標識ポリヌクレオチドプローブは、DNAアレイ上の固定化ポリヌクレオチドに適用される。例えば、洗浄後のDNAアレイ上に残った標識プローブの強度を測定することでハイブリダイゼーションは検出され得る。本発明のポリヌクレオチドはTaqmanアッセイ(Applied Biosystems, Foster City, CA)などの市販のアッセイにも使用し得る。
【0033】
別の態様において、AMDの発生に関連するLOC387715遺伝子のバリエーション、AMDの発生に関連するSYNPRのバリエーションまたはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションの存在は、DNAポリメラーゼを使用したプライマー伸長により検出および/または決定される。一態様において、本発明のポリヌクレオチドプライマーは、すぐ横に隣接するバリエーションにハイブリダイズする。標識ジデオキシヌクレオチドターミネーターを用いた1塩基配列決定反応は、バリエーションを検出するために使用される。バリエーションの存在は、標識ターミネーターの組み込みを生じるが、バリエーションの非存在はターミネーターの組み込みを生じない。別の態様において、本発明のポリヌクレオチドプライマーはLOC387715のバリエーション、AMDに関連するSYNPR遺伝子のバリエーション、またはAMDの発生に関連するPDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズする。プライマーまたはその一部は、AMDに関連するバリエーションを含まないLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子にはハイブリダイズしない。バリエーションの存在はプライマー伸長を生じるが、バリエーションの非存在はプライマー伸長を生じない。該プライマーおよび/またはヌクレオチドは、さらに、蛍光、放射性または化学的プローブを含み得る。プライマー伸長により標識されたプライマーは、蛍光、放射性もしくは化学的標識を検出するためのゲル電気泳動、質量分析または他の方法など、プライマー伸長産物の強度を検出することにより検出され得る。
【0034】
別の態様において、AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションの存在は、ライゲーションにより検出および/または決定される。一態様において、本発明のポリヌクレオチドプライマーは、AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションにハイブリダイズする。該プライマーまたはその一部は、バリエーションを含まないLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子にはハイブリダイズしない。第1のプライマーのすぐ横に隣接するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の領域にハイブリダイズする第2のポリヌクレオチドも提供される。ポリヌクレオチドプライマーの一方または両方は、蛍光、放射性または化学的に標識され得る。AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションが存在する場合、2つのポリヌクレオチドプライマーのライゲーションは、DNAリガーゼの存在下で生じる。ライゲーションは、ゲル電気泳動、質量分析により、または蛍光、放射性もしくは化学的標識の測定により検出され得る。
【0035】
別の態様において、AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションの存在は一塩基伸長(SBE)により検出および/または決定され得る。例えば、付加された塩基とプライマーの標識間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により結合する蛍光標識プライマーが使用され得る。典型的に、Chenら(PNAS 94:10756-61 (1997), 参照により本明細書中に援用される)により記載される方法は、5-カルボキシフルオレセイン(FAM)により5'末端で標識される位置特異的ポリヌクレオチドを使用する。この標識プライマーは、3'末端が目的の多型部位のすぐ横に隣接するように設計される。標識プライマーはその位置にハイブリダイズし、標識プライマーの1塩基伸長は、デオキシリボヌクレオチドが存在しない場合以外は、蛍光的に標識されたジデオキシリボヌクレオチド(ddNTP)により、色素ターミネーター配列決定様式で実行される。標識プライマーの波長での励起に対する応答において、付加されたddNTPの蛍光の増加は、付加されたヌクレオチドの存在(identity)を推測するために使用される。
【0036】
AMDの発生に関連するLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションの検出方法としては、該バリエーションを含むDNAの領域の増幅が挙げられ得る。任意の増幅方法が使用され得る。ある特定の態様において、バリエーションを含むDNAの領域はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅される。PCRは、Mullis(例えば、参照によって本明細書中に援用される、米国特許第4,683,195号、4,683,202号および4,965,188号を参照)によって最初に記載され、それにはクローニングや精製をすることなくゲノムDNAの混合物中のDNAの領域の濃度を増加する方法が記載される。他のPCR法も、核酸増幅について使用され得、RT-PCR、定量的PCR、リアルタイムPCR、高速増幅多型DNA分析(Rapid Amplified Polymorphic DNA Analysis)、cDNA末端の高速増幅(Rapid Amplification of cDNA Ends)(RACE)またはローリングサークル増幅(rolling circle amplification)が挙げられるがこれらには限定されない。例えば、本発明のポリヌクレオチドプライマーをDNA混合物(または本発明のポリヌクレオチドプライマーで増幅し得る任意のポリヌクレオチド配列)と合わせるが、ここで該DNAはLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子を含む。該混合物はまた、必要な増幅試薬(例えば、デオキシリボヌクレオチド3リン酸、バッファ等)、熱サイクル反応に必要な試薬を含む。標準的なPCR法に従って、混合物を、LOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のバリエーションを含むDNAの領域増幅するための一連の変性、プライマーアニーリング、およびポリメラーゼ伸長工程にかける。増幅されるDNA領域の長さはそれぞれに関してプライマーの相対的な位置により決定されるため、この長さは制御可能なパラメーターである。例えば、プライマーのハイブリダイゼーションは、該バリエーションに近位のプライマーの末端が1〜10,000塩基対(例えば、10塩基対(bp)50bp、200bp、500bp、1,000bp、2,500bp、5,000bpまたは10,000bp)までばらばらになるように生じ得る。
【0037】
当業者に公知の標準的な手段が増幅DNAの増幅および検出に使用される。例えば、核酸増幅、特にPCRを実行するために多様な手段が開発されている、例えばJohnsonら、米国特許第5,038,852号(コンピューター制御サーマルサイクラー);Wittwerら, Nucleic Acids Research, 17: 4353-4357 (1989)(キャピラリーチューブPCR);Hallsby, 米国特許第5,187,084号(エアベース温度制御);Garnerら、Biotechniques, 14: 112-115 (1993)(864ウェルプレートのハイスループットPCR);Wildingら、国際出願番号PCT/US93/04039(マイクロマシン構造のPCR);Schnipelskyら、欧州特許出願第90301061.9号(公開番号0381501 A2)(使い捨て、一回使用PCR装置)を参照のこと。特定の態様において、本明細書に記載される発明はリアルタイムPCRまたはTaqmanアッセイなどの当該分野に公知の他の方法を利用する。
【0038】
特定の態様において、Orita et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 86, 2766-2770 (1989) に記載されるように、ヒトにおけるAMDの発生に関連するバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子は、一本鎖コンホメーション多型解析を用いて検出され得、それにより一本鎖PCR産物の電気的移動度の変化により塩基の違いが同定される。増幅されたPCR産物は、上述のように生成され得、加熱もしくは変性され一本鎖増幅産物を形成する。一本鎖核酸は折りたたまれるか、またはある程度塩基配列に依存した二次構造を形成する。一本鎖増幅産物の電気的移動度の差は、標的配列の対立遺伝子間の塩基配列の違いに関係する。
【0039】
一態様において、増幅されたDNAは、本明細書に記載の、DNA配列決定などの検出方法の1つと組み合わせて解析される。あるいは、増幅されたDNAは標識プローブを用いたハイブリダイゼーション、アレイもしくはマイクロアレイへのハイブリダイゼーションにより、ビオチン付加プライマーを組み込んだ後アビジン酵素コンジュゲート検出を続けることにより、または32P-標識されたdCTPやdATPなどのデオキシヌクレオチド3リン酸の増幅セグメントへの組み込みにより解析され得る。特定の態様において、増幅されたDNAは、電気泳動またはクロマトグラフィーにより増幅されたDNAの長さを決定することで解析される。例えば、増幅されたDNAはゲル電気泳動により解析される。ゲル電気泳動の方法は当該技術分野に公知である。例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al.編, John Wiley & Sons: 1992を参照のこと。増幅されたDNAは、例えば蛍光もしくは放射性手段、またはDNA間にインターカレートする他の色素もしくはマーカーにより可視化され得る。DNAはまた、ニトロセルロース膜などの固相支持体に転写され得、ゲル電気泳動後のサザンブロッティングにかけられる。一態様において、DNAはエチジウムブロマイドに曝露され紫外光下で可視化される。
【0040】
LOC387715、SYNPRおよびPDGFCポリペプチドをコードする治療用核酸
特定の態様において、本発明は、本明細書に開示される機能バリアントを含むLOC387715ポリペプチド、SYNPRポリペプチドまたはPDGFCポリペプチドをコードする単離された核酸および/または組換え核酸を提供する。本発明の核酸は一本鎖または二本鎖であり得る。かかる核酸はDNAまたはRNA分子であり得る。これらの核酸は、例えばLOC387715、SYNPR、PDGFCポリペプチドを作製する方法に使用され得るか、または治療剤として直接使用される(例えば、遺伝子治療アプローチにおいて)。
【0041】
LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドをコードする主題の核酸は、さらに、公共的に利用可能な核酸のバリアント(例えばデータベースを通じて)および本明細書中に参照される配列を含むことが理解されよう。バリアントヌクレオチド配列は、1つ以上のヌクレオチドの置換、付加もしくは欠損で異なる対立遺伝子バリアントなどの配列を含むため、公共的に利用可能なコーディング配列または本明細書中に参照されるコーディング配列のヌクレオチド配列とは異なるコーディング配列を含む。
【0042】
特定の態様において、本発明は、公共的に利用可能な核酸配列もしくは本明細書中に参照される核酸配列と相補的であるか、または少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは100%同一である、単離された核酸または組換え核酸を提供する。さらなる態様において、本発明の核酸配列は、単離されたもの、組換え体および/または異種のヌクレオチド配列と融合されたもの、またはDNAライブラリー中のものであり得る。
【0043】
他の態様において、本発明の核酸はまた、ストリンジェントな条件下で、公共的に利用可能なヌクレオチド配列もしくは本明細書中に参照される核酸配列またはそのフラグメントにハイブリダイズする核酸を含む。上述のように、当業者は、DNAハイブリダイゼーションを容易にする適切なストリンジェンシー条件が変更され得ることを理解しよう。例えば、あるものは6.0 x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で、約45℃でハイブリダイゼーションを行い得、その後50℃で2.0 x SSCで洗浄し得る。例えば、洗浄工程における塩濃度は、低ストリンジェンシーの50℃で約2.0 x SSCから高ストリンジェンシーの50℃で約0.2 x SSCまでで選択し得る。さらに、洗浄工程の温度は、低ストリンジェンシー条件の室温、約22℃から高ストリンジェンシー条件の約65℃まで上げることができる。温度および塩の両方、または温度もしくは塩は一定にしつつ他方を変化させても良い。一態様において、本発明は、低ストリンジェンシー条件の室温で6 x SSCの条件下でハイブリダイズし、その後室温で2 x SSCで洗浄される核酸を提供する。
【0044】
遺伝子コードにおける変性のために本明細書に記載された核酸とは異なる単離された核酸も、本発明の範囲内にある。例えば、いくつかのアミノ酸は、1つより多くのコドンにより示される。同一のアミノ酸を明記するコドンまたはシノニム(例えば、CAUおよびCACはヒスチジンについてシノニムである)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響しない「サイレント」バリエーションを生じ得る。しかし、主題のタンパク質のアミノ酸配列に変化を生じるDNA配列多型が哺乳動物細胞中に存在すると予想される。当業者は、特定のタンパク質をコードする核酸中の1つ以上のヌクレオチドにおけるこれらのバリエーション(ヌクレオチド中約3〜5%)は、天然の対立遺伝子バリエーションのために所定の種の個体中に存在し得ることを理解しよう。任意のおよび全てのかかるヌクレオチドバリエーションおよび得られるアミノ酸多型体は本発明の範囲内にある。
【0045】
本発明の核酸およびポリペプチドは、標準的な組換え方法を使用して産生され得る。例えば、本発明の組換え核酸は、発現構築物中で1つ以上の調節ヌクレオチド配列に、操作可能に連結され得る。調節ヌクレオチド配列は、通常、発現に使用される宿主細胞に適切である。種々の宿主細胞についての当該技術分野において、多くの種類の適切な発現ベクターおよび適切な調節配列が知られている。典型的には、1つ以上の調節ヌクレオチド配列としては、限定されることなく、プロモーター配列、リーダーもしくはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列、ならびにエンハンサーもしくはアクチベーター配列が挙げられ得る。当該分野で公知であるように、構成性または誘導性のプロモーターが本発明には企図される。該プロモーターは天然に存在するプロモーターであり得るか、または1つより多くのプロモーターのエレメントと組み合わせた融合プロモーターであり得る。発現構築物は、プラスミドなどのエピソームで細胞中に存在し得るか、または発現構築物は染色体中に挿入され得る。発現ベクターはまた、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするような選択可能マーカーを含み得る。選択可能マーカー遺伝子は当該分野に周知であり、使用される宿主細胞により変化する。
【0046】
本発明の特定の態様において、目的の核酸は、LOC387715ポリペプチド、SYNPRポリペプチドまたはPDGFCポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクター中に提供され、少なくとも1つの調節配列に操作可能に連結される。調節配列は技術的に認識され、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの発現を誘導するように選択される。用語、調節配列には、プロモーター、エンハンサー、終結配列、好適なリボソーム結合部位配列、好適なmRNAリーダー配列、好適なタンパク質プロセッシング配列、タンパク質分泌のための好適なシグナル配列およびその他の発現制御エレメントが含まれる。調節配列の例は、Goeddel; Gene Expression Technology: Methods in Enzymology, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記載される。例えば、作動可能に連結される場合、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドをコードするDNA配列を発現するこれらのベクター中で、DNA配列の発現を制御する任意の種々の発現制御配列が使用され得る。かかる有用な発現制御配列としては、例えば、SV40の初期および後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルス急性初期(immediate early)プロモーター、RSVプロモーター、lacシステム、trpシステム、TACまたはTRCシステム、T7 RNAポリメラーゼにより発現が誘導されるT7プロモーター、λファージの主要なオペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3-ホスホグリセレートキナーゼまたはその他の糖鎖付加酵素のプロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター、例えばPho5、酵母α交配因子のプロモーター、バキュロウイルス系のポリへドロン(polyhedron)プロモーター、および真核もしくは原核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子発現を制御することが知られているその他の配列、ならびにそれらの種々の組合せが挙げられる。発現ベクターの設計は、トランスフォームされる宿細胞の選択および/または発現が望まれるタンパク質の種類などのかかる因子に依存し得ることが理解されるはずである。さらに、ベクターのコピー数、コピー数および、抗生物質マーカーなどのベクターにコードされる任意のその他のタンパク質の発現を制御する能力が考慮されるべきである。
【0047】
本発明の組換え核酸は、クローニングされた遺伝子またはその一部を、原核細胞、真核細胞(酵母、鳥類、昆虫または哺乳動物)、またはその両方のいずれかにおける発現に適したベクターにライゲーションすることにより産生され得る。組換えLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの産生用の発現媒体としては、プラスミドおよびその他のベクターが挙げられる。例えば、適切なベクターとしては、大腸菌などの原核細胞における発現のためのpBR322-由来プラスミド、pEMBL-由来プラスミド、pEX-由来プラスミド、pBTac-由来プラスミドおよびpUC-由来プラスミドなどの種類のプラスミドが挙げられる。
【0048】
いくつかの哺乳動物発現ベクターは、バクテリアにおけるベクターの増殖を容易にするための原核生物配列および真核細胞中で発現される1つ以上の真核生物転写単位の両方を含む。真核細胞のトランスフェクションに適当な哺乳動物発現ベクターの例は、pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2-dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko-neoおよびpHyg由来ベクターである。これらのベクターのいくつかは、原核細胞および真核細胞の両方における複製ならびに薬物耐性選択を容易にするために、pBR322などのバクテリアプラスミド由来の配列で修飾される。あるいは、ウシパピローマウイルス(BPV-1)またはエプスタインバールウイルス(pHEBo、pREP-由来およびp205)などのウイルスの誘導体は真核細胞におけるタンパク質の一過的な発現のために使用され得る。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、以下の遺伝子療法送達系の記載中に見出すことができる。プラスミドの調製および宿主生物形質転換に使用される種々の方法は当該技術分野に周知である。原核細胞および真核細胞の両方に適した他の発現系、ならびに組換え手順については、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (2001)を参照のこと。いくつかの例において、バキュロウイルス発現系の使用による組換えポリペプチドの発現が望ましい。かかるバキュロウイルス発現系の例としては、pVL-由来ベクター(pVL1392、pVL1393およびpVL941等)、pAcUW-由来ベクター(pAcUW1等)およびpBlueBac-由来ベクター(β-gal含有pBlueBac III等)が挙げられる。
【0049】
一態様において、Pcmv-Scriptベクター(Stratagene, La Jolla, Calif.)、pcDNA4ベクター(Invitrogen, Carlsbad, Calif.)およびpCI-neoベクター(Promega, Madison, Wise)などベクターが、CHO細胞中でのポリペプチド(例えばLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチド)の産生のために設計される。他の態様において、ベクターは、原核宿主細胞(例えば、大腸菌およびB. subtilis)、真核細胞、例えば酵母細胞、昆虫細胞骨髄腫細胞、線維芽細胞3T3細胞、サル腎臓またはCOS細胞、ミンク肺上皮細胞、ヒト包皮線維芽細胞、ヒトグリア細胞腫細胞および奇形腫癌細胞などでのポリペプチド(例えばLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチド)の産生のために設計される。あるいは、遺伝子は、ウサギ網状赤血球溶解物系などの無細胞系で発現され得る。主題の遺伝子構築物は、培養中で増殖された細胞中でLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドを発現するため、例えば精製用の融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含むタンパク質の産生のために使用され得る。
【0050】
本発明はまた、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドのコード配列を含む組換え遺伝子でトランスフェクトされた宿主細胞に関する。宿主細胞は、任意の原核生物または真核生物細胞であり得る。例えば、本発明のLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドは、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を用いて)、酵母または哺乳動物細胞において発現され得る。他の適当な宿主細胞は当業者に公知である。
【0051】
本発明は、さらに、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの作製方法に関する。例えば、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドをコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞は、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの発現が起こるのを可能にするのに適切な条件下で培養され得、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドは、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドを含む細胞および培地の混合物から分泌され、単離され得る。あるいは、ポリペプチドは、細胞質に、または膜画分内に保持され得、細胞が回収され、溶解され、タンパク質が単離され得る。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。細胞培養に適当な培地は当該技術分野で周知である。ポリペプチドは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およびポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体を用いたイムノアフィニティ精製を含む、タンパク質を精製するための当該技術分野で公知の技術を用いて細胞培養培地、宿主細胞または両方から単離され得る。特定の態様において、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドは、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの精製を容易にするドメインを含む融合タンパク質である。
【0052】
別の態様において、組換えLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドのN末端の所望の部分にポリ-(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列などの精製リーダー配列をコードする融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を用いたアフィニティクロマトグラフィーによる発現された融合タンパク質の精製を可能にし得る。次いで、精製リーダー配列は、続いて、エンテロキナーゼでの処理によって除去され得、精製されたポリペプチドが提供される(例えば、Hochuli et al., (1987)J. Chromatography 411:177;およびJanknecht et al., PNAS USA88:8972参照)。
【0053】
融合遺伝子を作製するための技術は周知である。本質的に、異なるポリペプチド配列をコードする種々のDNA断片の連結は、ライゲーションのための平滑端または突出端、適切な末端を提供する制限酵素消化、適宜付着末端の導入、望ましくない連結を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素ためのライゲーションを用いて従来の技術に従って行なわれる。別の態様において、融合遺伝子は、自動DNA合成装置を含む、従来の技術によって合成され得る。あるいは、続いて、キメラ遺伝子配列を生成するためにアニーリングされ得る2つの構成的遺伝子断片間に相補的な突出端を生じるアンカープライマーを用いて遺伝子断片のPCR増幅が行なわれ得る(例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubel et al.編、John Wiley & Sons:1992参照)。
【0054】
アンチセンスポリヌクレオチド
特定の態様において、本発明は、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の発現を阻害するためのアンチセンス機構を介して作用するアンチセンス配列を含むポリヌクレオチドを提供する。アンチセンス技術は、遺伝子発現を調節するために広く利用されている(Buskirk et al., Chem Biol 11、1157-63 (2004);およびWeiss et al., Cell Mol Life Sci 55、334-58 (1999))。本明細書で使用されるように、「アンチセンス」技術は、例えば、立体障害、選択的スプライシングなどによって転写および/または翻訳を阻害することにより、あるいは転写物の切断または他の酵素的不活性化を誘導することにより、タンパク質の発現が阻害されるように1つ以上の標的タンパク質をコードする目的の標的核酸(mRNAおよび/またはゲノムDNA)と、細胞条件下で特異的にハイブリダイズ(例えば、結合)する分子またはその誘導体の投与またはインサイチュ生成をいう。結合は、従来の塩基対相補性によってであり得るか、または、例えばDNA二本鎖への結合の場合において、二重らせんの主溝における特異的相互作用を介してであり得る。
【0055】
本発明のアンチセンス配列を含むポリヌクレオチドは、例えば、細胞中で転写された場合、標的核酸の少なくとも特有の部分に相補的な核酸配列を生成する発現プラスミドの成分として送達され得る。あるいは、アンチセンス配列を含むポリヌクレオチドは標的細胞の外側で生成され得、これは、標的細胞に導入された場合、標的核酸とハイブリダイズすることにより発現の阻害を引き起こす。本発明のポリヌクレオチドは、内因性ヌクレアーゼ、例えば、エキソヌクレアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼに耐性であり、したがってインビボで安定であるように修飾され得る。本発明のポリヌクレオチドにおける使用のための核酸分子の例は、DNAのホスホルアミダイト、ホスホチオエートおよびメチルホスホネートアナログである(また米国特許第5,176,996号;5,264,564号;および5,256,775号も参照)。アンチセンス技術に有用なポリヌクレオチドを構築する一般的なアプローチは、例えば、van der krol et al. (1988)Biotechniques 6:958-976;およびStein et al. (1988)Cancer Res 48:2659-2668に概説されている。
【0056】
アンチセンスアプローチは、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子をコードする標的核酸に相補的なポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)の設計を含む。アンチセンスポリヌクレオチドは、mRNA転写物に結合し得、目的のタンパク質の翻訳を妨げ得る。絶対的相補性は、好ましいが必要でない。二本鎖アンチセンスポリヌクレオチドの場合、二重鎖DNAのうちの単鎖が次に試験され得るか、または三重鎖形成がアッセイされ得る。ハイブリダイズする能力は、相補性の程度およびアンチセンス配列の長さの両方に依存する。一般的に、ハイブリダイズする核酸が長いほど、標的核酸塩基とのミスマッチを多く含み得、なお安定な二本鎖(または場合によっては三重鎖)を形成し得る。当業者は、ハイブリダイズされた複合体の融解点を測定するための標準的な手順の使用によってミスマッチの許容程度を確認し得る。
【0057】
mRNA標的、例えば、AUG開始コドンまでを含む5'非翻訳配列の5’末端に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、mRNAの翻訳の阻害において最も効率的に作用するはずである。しかしながら、mRNAの3'非翻訳配列に相補的な配列もまた、最近、mRNAの翻訳の阻害に有効であることが示された(Wagner、R. 1994. Nature 372:333)。したがって、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の5'または3'のいずれかの非翻訳非コード領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC mRNAの翻訳を阻害するためのアンチセンスアプローチに使用され得る。mRNAの5'非翻訳領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、AUG開始コドンの相補鎖を含むはずである。mRNA コード領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは、あまり効率的な翻訳のインヒビターではないが、また本発明に従って使用され得る。mRNAの5'、3'またはコード領域のいずれにハイブリダイズするように設計されようと、アンチセンスポリヌクレオチドは、少なくとも6ヌクレオチド長であるべきであり、好ましくは約100未満、より好ましくは約50、25、17または10ヌクレオチド長未満である。
【0058】
標的配列の選択とは無関係に、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の発現を阻害するアンチセンスポリヌクレオチドの能力を定量するためにインビトロ研究がまず行なわれることが好ましい。これらの研究では、アンチセンス遺伝子阻害とアンチセンスポリヌクレオチドの非特異的生物学的効果を区別するコントロールを用いることが好ましい。また、これらの研究で、標的RNAまたはタンパク質のレベルを、内部コントロールRNAまたはタンパク質のものと比較することが好ましい。さらに、アンチセンスポリヌクレオチドを用いて得られた結果が、コントロールアンチセンスポリヌクレオチドを用いて得られたものと比較されることが構想される。コントロールアンチセンスポリヌクレオチドは、試験アンチセンスポリヌクレオチドとほぼ同じ長さであること、およびコントロールアンチセンスポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、標的配列への特異的ハイブリダイゼーションを防ぐために必要であるにすぎない目的のアンチセンス配列と異なることが好ましい。
【0059】
アンチセンスポリヌクレオチドを含む本発明のポリヌクレオチドは、DNAもしくはRNAまたはそのキメラ混合物もしくは誘導体もしくは修飾型、単鎖または二本鎖であり得る。本発明のポリヌクレオチドは、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーションなどを改善するために塩基部分、糖部分またはリン酸主鎖が修飾され得る。本発明のポリヌクレオチドは、ペプチド(例えば、宿主細胞受容体を標的化するため)などの他の付随基、または細胞膜(例えば、Letsinger et al., 1989、Proc Natl Acad Sci. USA 86:6553-6556;Lemaitre et al., 1987、Proc Natl Acad Sci. USA 84:648-652;PCT公開公報W088/09810、1988年12月15日公開を参照)もしくは血液脳関門(例えば、PCT公開公報W089/10134、1988年4月25日公開を参照)を横切る輸送を容易にする薬剤、ハイブリダイゼーション誘発性切断剤(例えば、Krol et al., 1988、BioTechniques 6:958-976を参照)またはインターカレート剤(例えば、Zon、Pharm. Res. 5:539-549 (1988)を参照)を含み得る。この目的のため、本発明のポリヌクレオチドは、別の分子、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発性架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発性切断剤などにコンジュゲートされ得る。
【0060】
アンチセンスポリヌクレオチドを含む本発明のポリヌクレオチドは、限定されないが、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシトリエチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルケオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル;β-D-マンノシルケオシン、5-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、ケオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3- アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリンを含む群から選択される少なくとも1つの修飾された塩基部分を含み得る。
【0061】
本発明のポリヌクレオチドはまた、限定されないが、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロースおよびヘキソースを含む群から選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含み得る。
【0062】
本発明のポリヌクレオチドはまた、中性ペプチド様主鎖を含み得る。かかる分子はペプチド核酸(PNA)-オリゴマーと称され、例えば、Perry-O'Keefe et al. (1996)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:14670およびEglom et al. (1993)Nature 365:566に記載される。PNAオリゴマーの1つの利点は、DNAの中性主鎖により培地のイオン強度と本質的に独立して相補的なDNAに結合するその能力である。また別の態様において、本発明のポリヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミダイト、ホスホルジアミデート、メチルホスホネート、アルキルリン酸トリエステル、およびホルムアセタールまたはそのアナログからなる群より選択される少なくとも1つの修飾されたリン酸主鎖を含む。
【0063】
さらなる態様において、アンチセンスポリヌクレオチドを含む本発明のポリヌクレオチドは、アノマーオリゴヌクレオチドである。アノマーオリゴヌクレオチドは、通常の-単位とは反対に、鎖が互いに平行である相補的なRNAと特異的二本鎖ハイブリッドを形成する(Gautier et al., 1987、Nucl. Acids Res. 15:6625-6641)。オリゴヌクレオチドは2'-O-メチルリボヌクレオチド(Inoue et al., 1987、Nucl. Acids Res. 15:6131-6148)、またはキメラRNA-DNAアナログ(Inoue et al., 1987、FEBS Lett. 215:327-330)である。
【0064】
アンチセンスポリヌクレオチドを含む本発明のポリヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置(Biosearch、Applied Biosystemsから市販のものなど)の使用によって当該技術分野で公知の標準的な方法によって合成され得る。例として、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、Stein et al. Nucl. Acids Res. 16:3209 (1988))の方法によって合成され得、メチルホスホネートオリゴヌクレオチドは、制御細孔ガラスポリマー支持体の使用によって調製され得(Sarin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7448-7451 (1988))、などがある。
【0065】
mRNA配列のコード領域に相補的なアンチセンス配列が使用され得る。あるいは、転写された非翻訳領域および開始メチオニンを含む領域に相補的なものが使用され得る。
【0066】
アンチセンスポリヌクレオチドは、インビボで標的遺伝子を発現する細胞に送達され得る。核酸を細胞内に送達するための多くの方法が開発されている。例えば、それらは、組織部位に直接注射され得るか、または所望の細胞(例えば、標的細胞表面上に発現された受容体または抗原に特異的に結合するペプチドまたは抗体に連結されたアンチセンスポリヌクレオチド)を標的化するように設計された修飾核酸が全身に投与され得る。
【0067】
しかしながら、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子またはある場合ではmRNAの活性を減衰するのに充分なアンチセンスポリヌクレオチドの細胞内濃度を達成することは困難であり得る。したがって、別のアプローチでは、アンチセンスポリヌクレオチドが強力なpol IIIまたはpol IIプロモーターの制御下に配置された組換えDNA構築物を利用する。患者の標的細胞をトランスフェクトするためのかかる構築物の使用は、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子またはmRNAと相補的な塩基対を形成し、それにより、LOC387715、SYNPRまたはPDGFC タンパク質の活性を減衰させるアンチセンスポリヌクレオチドの充分な量の転写をもたらす。例えば、ベクターは、細胞によって取り込まれ、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子またはmRNAを標的化するアンチセンスポリヌクレオチド転写を指向するようにインビボで導入され得る。
【0068】
かかるベクターは、転写されて所望のアンチセンスポリヌクレオチドが生成され得る限り、エピソームに留まり得るか、または染色体に組み込まれ得る。
かかるベクターは、当該技術分野において標準的な組換えDNA技術法によって構築され得る。ベクターは、哺乳動物細胞での複製および発現のために使用されるプラスミド、ウイルスまたは当該技術分野で公知の他のものであり得る。プロモーターは、アンチセンスポリヌクレオチドをコードする配列に作動可能に連結され得る。アンチセンスポリヌクレオチドをコードする配列の発現は、哺乳動物、好ましくはヒト細胞において作用する当該技術分野で公知の任意のプロモーターによってであり得る。かかるプロモーターは、誘導性または構成的であり得る。かかるプロモーターとしては、限定されないが、SV40初期プロモーター領域 (BernoistおよびChambon、Nature 290:304-310 (1981))、ラウス肉腫ウイルスの3'長い末端反復配列に含まれるプロモーター(Yamamoto et al、Cell 22:787-797 (1980))、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1441-1445 (1981))、メタロチオニン遺伝子の調節配列(Brinster et al、Nature 296:3942 (1982))などが挙げられる。組織部位に直接導入され得る組換えDNA構築物を調製するために任意の型のプラスミド、コスミド、YACまたはウイルスベクターが使用され得る。あるいは、所望の組織に選択的に感染するウイルスベクターが使用され得、その場合、投与は、別の経路(例えば、全身)によって行なわれ得る。
【0069】
RNAi構築物-siRNAおよびmiRNA
RNA干渉(RNAi)は、二本鎖(ds)RNA依存性遺伝子特異的転写後サイレンシングを示す現象である。本発明は、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の発現を減衰するためにRNAiまたはmiRNA機構を介して作用するRNAi配列を含むポリヌクレオチドを提供する。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子の発現を減衰または阻害するmiRNAまたはsiRNA配列を含み得る。一態様において、miRNAまたはsiRNA配列は、約19ヌクレオチド〜約75ヌクレオチド長、または好ましくは、約25塩基対〜約35 塩基対の長さである。特定の態様において、ポリヌクレオチドは、RNAse酵素(例えば、DroshaおよびDicer)によってプロセッシングされ得るヘアピンループまたはステムループ(stem-loop)である。
【0070】
RNAi構築物は、細胞の生理学的条件下で、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子のmRNA転写物の少なくとも部分のヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。二本鎖RNAは、RNAiを媒介する能力を有する天然のRNAと充分に類似していることだけが必要である。標的配列およびRNAi構築物配列間に許容されるヌクレオチドミスマッチの数は、5塩基対中1つ、または10塩基対中1つ、または20塩基対中1つ、または50塩基対中1つを超えない。RNAi構築物は、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子を特異的に標的化し得ることが主に重要である。siRNA二本鎖の中心におけるミスマッチは最も重要であり、本質的に標的RNAの切断を排除し得る。対照的に、標的RNAの相補的なsiRNA鎖の3’末端におけるヌクレオチドは、標的認識の特異性に有意に寄与しない。
【0071】
配列同一性は、当該技術分野で公知の配列比較およびアライメントアルゴリズム(GribskovおよびDevereux、Sequence Analysis Primer、Stockton Press、1991そこに挙げられた参考文献を参照)および例えば、デフォルトパラメータを使用するBESTFITソフトウェアプログラムにおいて実行されるSmith-Watermanアルゴリズム(例えば、University of Wisconsin Genetic Computing Group)によってヌクレオチド配列間の差の割合を計算することによって最適化され得る。阻害性RNAおよび標的遺伝子の部分間において90%より大きい配列同一性、またはさらに100%配列同一性が好ましい。あるいは、RNAの二本鎖領域は、標的遺伝子転写物の一部分とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列として機能的に規定され得る(例えば、400mM NaCl、40mM PIPES pH6.4、1mM EDTA、50℃または70℃ハイブリダイゼーションを12〜16時間の後洗浄)。
【0072】
RNAi配列を含むポリヌクレオチドの作製は、種々の方法によって行なわれ得る。例えば、RNAi配列を含むポリヌクレオチドは、化学合成法または組換え核酸技術によって作製され得る。処理された細胞の内因性RNAポリメラーゼは、インビボ転写を媒介し得るか、またはインビトロ転写のために、クローニングされたRNAポリメラーゼが使用され得る。野生型またはアンチセンスポリヌクレオチドを含む本発明のポリヌクレオチド、またはRNAi機構による標的遺伝子活性をモジュレートするものは、例えば、細胞ヌクレアーゼへの感受性を低下させるため、バイオアベイラビリティを改善するため、製剤特性を改善するため、および/または他の薬物動態特性を変化させるためのリン酸糖主鎖またはヌクレオシドのいずれかへの修飾を含み得る。例えば、窒素または硫黄へテロ原子の少なくとも1つを含むために天然のRNAのリン酸ジエステル結合が修飾され得る。RNA構造における修飾は、dsRNAへの一般応答を回避したまま特異的遺伝子阻害を可能にするように調整され得る。同様に、アデノシンデアミナーゼの活性を遮断するために塩基が修飾され得る。本発明のポリヌクレオチドは、酵素的または部分/全有機合成によって作製され得、任意の修飾されたリボヌクレオチドがインビトロでの酵素的または有機合成によって導入され得る。
【0073】
RNA分子を化学的に修飾する方法は、RNAi構築物の修飾に適合され得る(例えば、Heidenreich et al. (1997)Nucleic Acids Res、25:776-780;Wilson et al. (1994)J Mol Recog 7:89-98;Chen et al. (1995)Nucleic Acids Res 23:2661-2668;Hirschbein et al. (1997)Antisense Nucleic Acid Drug Dev 7:55-61参照)。単なる例示として、RNAi構築物の主鎖は、ホスホロチオエート、ホスホルアミダイト、ホスホジチオエート、キメラメチルホスホネート-リン酸ジエステル、ペプチド核酸、5-プロピニル-ピリミジン含有オリゴマーまたは糖修飾(例えば、2'-置換リボヌクレオシド、a-配置)で修飾され得る。
【0074】
二本鎖構造は、単一の自己相補的RNA鎖または2つの相補的RNA鎖によって形成され得る。RNA二本鎖形成は、細胞の内部または外部のいずれかで開始され得る。RNAは、細胞あたり少なくとも1コピーの送達を可能にする量で導入され得る。高用量(例えば、細胞あたり少なくとも5、10、100、500または1000コピー)の二本鎖材料がより有効な阻害をもたらし得るが、より低い用量もまた特異的適用に有用であり得る。阻害は、RNAの二本鎖領域に相当するヌクレオチド配列が遺伝子阻害のために標的化される点で配列特異的である。
【0075】
特定の態様において、主題のRNAi構築物は「siRNA」である。これらの核酸は、約19〜35ヌクレオチド長、さらにより好ましくは 21〜23ヌクレオチド長であり、例えば、長さにおいて、より長い二本鎖RNAのヌクレアーゼ「ダイシング(dicing)」によって生成される断片に相当する。siRNAは、ヌクレアーゼ複合体を形成し、特異的配列とのペアリングにより標的mRNAとの複合体を誘導すると理解される。その結果、標的mRNAは、タンパク質複合体中のヌクレアーゼによって分解されるか、または翻訳が阻害される。特定の態様において、21〜23ヌクレオチドsiRNA分子は3'ヒドロキシル基を含む。
【0076】
他の態様において、主題のRNAi構築物は「miRNA」である。マイクロRNA(miRNA)は、相同mRNAとの相互作用による遺伝子発現の転写後調節を指向する小さな非コードRNAである。miRNAは、タンパク質コード遺伝子由来の標的mRNA中の相補部位に結合することにより遺伝子の発現を制御する。miRNAは、siRNAと類似している。miRNAは、より大きな二本鎖前駆体分子からの核酸分解的切断によってプロセッシングされる。これらの前駆体分子は、しばしば、約70ヌクレオチド長のヘアピン構造であり、ヘアピン内で塩基対を形成した25以上のヌクレオチドを有する。RNAse III様酵素DroshaおよびDicer(これらもまた、siRNAプロセッシングに使用され得る)は、miRNA 前駆体を切断してmiRNAを生成する。プロセッシングされたmiRNAは単鎖であり、RISCまたはmiRNPと称するタンパク質複合体に組み込まれる。このRNA-タンパク質複合体は、相補的mRNAを標的化する。miRNAは翻訳を阻害するか、または標的mRNAの切断を指向する(Brennecke et al., Genome Biology 4:228 (2003);Kim et al., Mol. Cells 19:1-15 (2005)。
【0077】
特定の態様において、miRNAおよびsiRNA構築物は、例えば、酵素DicerまたはDroshaの存在下での、より長い二本鎖RNAの処理によって生成され得る。DicerおよびDroshaは、特異的にdsRNAを切断するRNAse III様ヌクレアーゼである。Dicerは、ヘリカーゼドメインおよび二重RNAse IIIモチーフを含む明確な構造を有する。Dicerもまた、下等真核生物のRNAi遺伝子的に連結されたRDE1/QDE2/ARGONAUTEファミリーに相同な領域を含む。実際、Dicerの活性化または過剰発現は、多くの場合で、培養真核生物細胞もしくは培養中の哺乳動物(非卵母)細胞などの他の場合の非受容細胞または完全な生物におけるRNA干渉を可能にするのに充分であり得る。Dicerを使用する方法および組成物、ならびに他のRNAi酵素は、米国特許公開公報第2004/0086884号に記載される。
【0078】
一態様において、ショウジョウバエのインビトロ系が使用される。この態様において、RNAi配列またはRNAi前駆体を含むポリヌクレオチドが、ショウジョウバエ胚由来の可溶性抽出物と合わされ、それにより、混合物(combination)が生成される。混合物は、dsRNAが約21〜約23ヌクレオチドのRNA分子にプロセッシングされる条件下で維持される。
【0079】
miRNAおよびsiRNA分子は、当業者に公知の多くの技術を用いて精製され得る。例えば、かかる分子を精製するためにゲル電気泳動が使用され得る。あるいは、siRNAおよびmiRNA分子を精製するために、非変性カラムクロマトグラフィーなどの非変性方法が使用され得る。また、siRNAおよびmiRNAを精製するためにクロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー)、グリセロール勾配遠心分離、抗体での親和性精製が使用され得る。
【0080】
特定の態様において、エフェクタードメインのsiRNA配列の少なくとも1つの鎖は、約1〜約6ヌクレオチド長または2〜4ヌクレオチド長の3'突出端を有する。他の態様において、3'突出端は、1〜3ヌクレオチド長である。特定の態様において、一方の鎖は3'突出端を有し、他方の鎖は、平滑端であるか、または突出端も有するかのいずれかである。突出端の長さは、各鎖で同じまたは異なり得る。siRNA配列の安定性をさらに増強するため、3'突出端は、分解に対して安定化され得る。一態様において、RNAは、アデノシンまたはグアノシンヌクレオチドなどのプリンヌクレオチドを含むことにより安定化される。あるいは、修飾アナログによるピリミジンヌクレオチドの置換、例えば、2'-デオキシチニジン(thyinidine)によるウリジンヌクレオチド3'突出端の置換が許容され、RNAiの効率に影響しない。2'ヒドロキシルの非存在は、組織培養培地における突出端のヌクレアーゼ耐性を有意に増強し、インビボで有効であり得る。
【0081】
特定の態様において、RNAi配列またはRNAi前駆体を含む本発明のポリヌクレオチドは、ヘアピン構造の形態である(ヘアピンRNAと命名される)。ヘアピンRNAは、外因的に合成され得るか、またはインビボでのRNAポリメラーゼIIIプロモーターからの転写により形成され得る。哺乳動物細胞における遺伝子サイレンシングのためのかかるヘアピンRNAの作製および使用の例は、例えば、Paddison et al、Genes Dev、2002、16:948-58;McCaffrey et al., Nature、2002、418:38-9;McManus et al., RNA 2002、8:842-50;Yu et al., Proc Natl Acad Sci USA、2002、99:6047-52)に記載される。好ましくは、かかるヘアピンRNAは、所望の遺伝子の連続的で安定な抑制を確保するために細胞または動物において設計される。miRNAおよびsiRNAは、細胞内でのヘアピンRNAのプロセッシングによって作製され得ることは、当該技術分野で公知である。
【0082】
また他の態様において、例えば、転写産物としての二本鎖RNAを送達するためにプラスミドが使用される。コード配列が転写された後、相補的RNA転写物が塩基対を形成し、二本鎖RNAを形成する。
【0083】
抗体
本発明の別の局面は抗体に関する。一態様において、バリアントLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドの存在を検出するため、またはバリアントLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドの活性を阻害するために、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドと特異的に反応する抗体が使用され得る。例えば、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCペプチド由来の免疫原を使用することにより、標準的なプロトコルによって抗タンパク質/抗ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体が作製され得る(例えば、Antibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane編(Cold Spring Harbor Press:1988)を参照)。マウス、ハムスターまたはウサギなどの哺乳動物が、免疫原性形態のバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCペプチド、抗体応答を誘発し得る抗原性断片、または融合タンパク質で免疫化され得る。特定の態様において、接種されたマウスは、内因性LOC387715、SYNPRまたはPGDFCを発現せず、したがって、その他の場合は抗自己抗体として排除され得る抗体の単離を容易にする。タンパク質またはペプチドに対して免疫原性を付与するための技術としては、担体へのコンジュゲーションまたは当該技術分野で周知の他の技術が挙げられる。バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCペプチドの免疫原性部分は、補助剤の存在下で投与され得る。免疫の進行は、血漿または血清中の抗体力価の検出によってモニターされ得る。抗体レベルを評価するため、抗原として免疫原を用いる標準的なELISAまたは他のイムノアッセイが使用され得る。
【0084】
バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの抗原性調製物で動物を免疫した後、抗血清が得られ得、所望により、ポリクローナル抗体が血清から単離され得る。モノクローナル抗体を作製するため、抗体産生細胞(リンパ球)が免疫動物から回収され得、標準的な体細胞融合手順によって、骨髄腫細胞などの不死化細胞と融合され、ハイブリドーマ細胞がもたらされ得る。かかる技術は当該技術分野で周知であり、例えば、ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein、(1975)Nature、256:495-497によって最初に開発された)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術 (Kozbar et al., (1983)Immunology Today、4:72)、およびヒトモノクローナル抗体を作製するためのEBV-ハイブリドーマ技術(Cole et al., (1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R. Liss、Inc. pp. 77-96)が挙げられる。ハイブリドーマ細胞は、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドと特異的反応性の抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングされ、かかるハイブリドーマ細胞を含む培養物からモノクローナル抗体が単離され得る。
【0085】
本明細書において使用される用語「抗体」は、同様にバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドと特異的に反応するその断片を含むことが意図される。抗体は、従来の技術を用いて断片化され得、断片は、完全抗体について上記と同様にして有用性についてスクリーニングされ得る。例えば、F(ab)2断片は、抗体をペプシンで処理することにより生成され得る。得られたF(ab)2断片はジスルフィド結合を還元するために処理され、Fab断片が生成され得る。さらに、本発明の抗体は、抗体の少なくとも1つのCDR領域によって付与されるバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドに対する親和性を有する二重特異性分子、単鎖分子、キメラ分子およびヒト化分子を含むことが意図される。好ましい態様において、該抗体は、結合され、検出され得る標識をさらに含む(例えば、標識は、放射性同位体、蛍光化合物、酵素または酵素補因子であり得る)。
【0086】
特定の態様において、本発明の抗体はモノクローナル抗体であり、特定の態様において、本発明はバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドに特異的に結合する新規な抗体の生成方法を利用可能にする。例えばバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を生成するための方法は、マウスに検出可能な免疫応答を刺激するのに有効な量の、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドを含む免疫原性組成物を投与すること、マウスから抗体産生細胞(例えば脾臓から細胞)を得ること、および抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合して抗体産生ハイブリドーマを得ること、および抗体産生ハイブリドーマを試験してバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル(monocolonal)抗体を産生するハイブリドーマを同定することを含み得る。いったん得られたら、ハイブリドーマは、ハイブリドーマ由来細胞がLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する任意の培養条件における細胞培養で増殖され得る。モノクローナル抗体は細胞培養物から精製され得る。
【0087】
抗体に関して参照使用される用語「と特異に反応する」は、当該技術分野で一般的に理解されているように、抗体が、目的の抗原(例えば、バリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチド)および目的でない他の抗原間で充分に選択的であり、該抗体が、最小量で、特定の型の生物学的試料中の目的の抗原の存在を検出するのに有用であることを意味することが意図される。治療適用などの抗体を用いる特定の方法において結合における高度の特異性が望ましくあり得る。モノクローナル抗体は、一般的に、(ポリクローナル抗体と比べて)所望の抗原および交差反応性ポリペプチドを有効に識別する傾向がより大きい。抗体:抗原相互作用の特異性に影響を及ぼす1つの特徴は、抗原への抗体の親和性である。所望の特異性は、ある範囲の異なる親和性に達し得るが、一般的に、好ましい抗体は、約10-6、10-7、10-8、10-9以下の親和性(解離定数)を有する。
【0088】
スクリーニングアッセイ
本発明は、アゴニストまたはアンタゴニストであるLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドである化合物(薬剤)を同定するためのLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの使用に関する。このスクリーニングにより同定された化合物は、LOC387715、SYNPRまたはPDGFC活性をインビボまたはインビトロで調節するその能力を評価するために、目の細胞(例えば、上皮および内皮細胞)ならびに他の組織(例えば、筋肉および/またはニューロン)において試験され得る。特定の局面において、このスクリーニングにより同定された化合物は、ドルーゼン沈着物の形成を調節する。任意に、これらの化合物は、LOC387715、SYNPRまたはPDGFC活性をインビボで調節するその能力を評価するために、動物モデルにおいてさらに試験され得る。
【0089】
LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドを標的化する治療剤のスクリーニングには数多くのアプローチがある。特定の態様において、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドの活性に影響を与える薬剤を同定するために、化合物のハイスループットスクリーニングが行なわれ得る。種々のアッセイ形式が充分であり、本明細書に明白に記載していないものであっても本発明の開示に鑑みると、当業者に理解される。本明細書に記載のように、本発明の試験化合物(薬剤)は任意のコンビナトリアル化学法によって作製され得る。あるいは、主題の化合物は、インビボまたはインビトロで合成される天然生体分子であり得る。LOC387715、SYNPRまたはPDGFC活性の調節物質として作用するその能力について試験される化合物(薬剤)は、例えば、細菌、酵母、植物または他の生物によって産生され得る(例えば、天然産物)、化学的に作製され得る(例えば、ペプチド模倣物を含む小分子)、または組換え的に作製され得る。本発明によって企図される試験化合物としては、非ペプチジル有機分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣物、糖類、ホルモンおよび核酸分子が挙げられる。
【0090】
本発明の試験化合物は、単一の独立した実体として提供され得るか、またはコンビナトリアル化学などによって作製される複雑さがより大きいライブラリーにおいて提供され得る。これらのライブラリーは、例えば、アルコール、アルキルハライド、アミン、アミド、エステル、アルデヒド、エーテルおよび他のクラスの有機化合物を含み得る。特に初期のスクリーニング工程において、試験系への試験化合物の提示は、単離された形態または化合物の混合物としてのいずれかであり得る。任意に、化合物は、他の化合物で任意に誘導体化され得、化合物の単離を容易にする誘導体化基を有し得る。誘導体化基の非限定的な例としては、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、緑色蛍光タンパク質、同位体、ポリヒスチジン、磁気ビーズ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、光活性可能な架橋剤またはその任意の組合せが挙げられる。
【0091】
医薬組成物
AMDを患う被験体を処置するための本明細書に記載の方法および組成物は、AMDと診断された、または発症するリスクがあると予想された個体の予防的処置のために使用され得る。この場合、組成物は、AMDまたは関連症状の発生を遅滞、遅延または予防するのに充分な量および用量で投与される。あるいは、本明細書に記載の方法および組成物は、AMDを患う個体の治療処置のために使用され得る。この場合、組成物は、状態の進行を完全または部分的に遅滞もしくは遅延させるのに充分な量および用量で、または状態を障害の排除点に戻すのに充分な量および用量で投与される。AMDと診断された、または発症するリスクがあると予想された被験体を処置するための組成物の有効な量は、被験体を処置または障害自体処置するのに充分な量の用量または量であることが理解される。
【0092】
特定の態様において、本発明の化合物(例えば、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドをコードする単離された、もしくは組換え的に作製された核酸分子または単離された、もしくは組換え的に作製されたLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチド)は、薬学的に許容され得る担体とともに製剤化される。例えば、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドまたはLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドをコードする核酸分子は、単独または医薬製剤(治療組成物)の成分として投与され得る。主題の化合物は、ヒト医薬での使用ための任意の便利な方法で投与のために製剤化され得る。
【0093】
特定の態様において、本発明の治療方法は、組成物を、局所(topically)、全身または局在(locally)投与することを含む。例えば、本発明の治療組成物は、例えば、注射(例えば、静脈内、皮下または筋肉内)、吸入もしくは注入(口もしくは鼻のいずれかによる)または経口、頬、舌下、経皮、経鼻または非経口投与による投与のために製剤化され得る。本明細書に記載の組成物は、インプラントまたはデバイスの一部として製剤化され得る。投与される場合、本発明での使用のための治療組成物は、発熱物質のない、生理学的に許容され得る形態である。さらに、組成物は、目の細胞などの標的細胞が存在する部位への送達のために粘性形態でカプセル化または注射され得る。技術および製剤は、一般的に、Remington's Pharmaceutical Sciences、Meade Publishing Co.、Easton、PAに見い出され得る。LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドまたはLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドコードする核酸分子に加え、上記の任意の組成物に治療的に有用な薬剤が任意に含まれ得る。さらに、治療的に有用な薬剤は、あるいはまたはさらに、本発明の方法によるLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドまたはLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドをコードする核酸分子を用いて同時または逐次投与され得る。
【0094】
特定の態様において、本発明の組成物は、各々、所定量の薬剤を活性成分として含有する、例えば、カプセル、カシェ、ピル、錠剤、ロゼンジ(フレーバーベース、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液中の溶液または懸濁液として、または水中油もしくは油中水液のエマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、または香錠(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性ベースを使用)および/またはマウス洗浄物などとして経口投与され得る。薬剤はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与され得る。
【0095】
経口投与用の固体投薬形態(カプセル、錠剤、ピル、糖衣丸、粉末、顆粒など)において、本発明の1つ以上の治療化合物が、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの1つ以上の薬学的に許容され得る担体、および/または任意の以下のもの:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤(humectant);(4)寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊薬剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延薬剤;(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの展着(wetting)剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物などの潤滑剤;ならびに(10)着色剤と混合され得る。カプセル、錠剤およびピルの場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似の型の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内に充填剤として使用され得る。
【0096】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性成分に加えて、液体投薬形態は、水またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびにソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物などの他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有し得る。不活性希釈剤の他、経口組成物はまた、展着剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、香料および保存剤などの補助剤を含み得る。
【0097】
活性化合物に加え、懸濁液は、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天-寒天およびトラガカントならびにその混合物などの懸濁剤を含有し得る。
【0098】
局所または経皮投与用の投薬形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下で、薬学的に許容され得る担体、ならびに必要とされ得る任意の保存剤、バッファまたはプロペラントと混合され得る。軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の主題の化合物(例えば、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドをコードする単離された、もしくは組換え的に作製された核酸分子または単離された、もしくは組換え的に作製されたLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチド)に加え、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはその混合物などの賦形剤を含有し得る。
【0099】
粉末およびスプレーは、主題の化合物に加え、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有し得る。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素などの通常のプロペラントならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素をさらに含有し得る。
【0100】
投薬計画は、個体について、例えば、本発明の主題の化合物の作用を変更する種々の要素、AMDの重症度または段階、投与経路、ならびに年齢、体重および体格などの個体に特有の特徴を考慮して決定される。当業者は、被験体を処置するために必要とされる投薬量を決定し得る。一態様において、投薬量は、約1.0ng/kg〜約100mg/kg被験体体重の範囲であり得る。組成物に基づいて、用量は、連続的または一定間隔で送達され得る。例えば、1回以上の独立した場合で送達される。特定の組成物の反復投与の所望の時間間隔は、当業者により、過度の実験をせずに決定され得る。例えば、化合物は、1時間毎、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎、1年毎(例えば、徐放形態の場合)または1回の送達として送達され得る。
【0101】
特定の態様において、非経口投与に適当な医薬組成物は、薬学的に許容され得る滅菌等張性水性または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に滅菌注射可能溶液もしくは分散液に再構成され得る1つ以上の滅菌粉末との組合せで、LOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドまたはLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCポリペプチドをコードする核酸分子を含有し得、
抗酸化剤、バッファ、静菌剤、意図されるレシピエントの血液で製剤を等張性にする溶質または懸濁剤もしくは増粘剤を含有し得る。本発明の医薬組成物に使用され得る適当な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびその適当な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能有機エステルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合は必要とされる粒子径の維持によって、および
界面活性剤の使用によって適正な流動性が維持され得る。
【0102】
本発明の組成物はまた、保存剤、展着剤、乳化剤および分散剤などの補助剤を含有し得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含むことによって確保され得る。また、組成物に糖、塩化ナトリウムなどの等張性薬剤等を含むことが望ましい場合があり得る。また、注射可能医薬形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含むことによってもたらされ得る。
【0103】
特定の態様において、本発明はまた、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリペプチドのインビボ産生のための遺伝子療法を提供する。かかる療法は、正常なLOC387715、SYNPRまたはPDGFC機能を欠く細胞または組織へのLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリヌクレオチド配列の導入によってその治療効果が達成され得る。LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリヌクレオチド配列の送達は、キメラウイルスなどの組換え発現ベクターまたはコロイド分散系を用いて達成され得る。標的化リポソームもまたLOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリヌクレオチド配列の治療送達に使用され得る。
【0104】
本明細書に教示される遺伝子療法に利用され得る種々のウイルスベクターとしては、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、またはレトロウイルスなどのRNA ウイルスが挙げられる。レトロウイルスベクターは、マウスまたはトリレトロウイルスの誘導体であり得る。単一の異種遺伝子が挿入され得るレトロウイルスベクターの例としては、限定されないが、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)が挙げられる。多くのさらなるレトロウイルスベクターが、多数の遺伝子を組み込み得る。これらのベクターはすべて、形質導入細胞が同定され、生成され得るように選択可能なマーカーの遺伝子を導入または組み込み得る。レトロウイルスベクターは、例えば、糖、糖脂質またはタンパク質と結合することにより、標的特異的となり得る。好ましい標的化は、抗体を使用することにより達成される。当業者は、LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリヌクレオチドを含有するレトロウイルスベクターの標的特異的送達を可能にするために、特異的ポリヌクレオチド配列がレトロウイルスゲノム内に挿入され得るか、またはウイルスエンベロープに結合され得ることを認識する。1つの好ましい態様において、ベクターは、目の細胞または組織に標的化される。
【0105】
あるいは、従来のリン酸カルシウムトランスフェクションによって、組織培養細胞がレトロウイルス構造遺伝子gag、polおよびenvをコードするプラスミドで直接トランスフェクトされ得る。次いで、これらの細胞は、目的の遺伝子を含有するベクタープラスミドでトランスフェクトされる。得られた細胞は、培養培地中にレトロウイルスベクターを放出する。
【0106】
LOC387715、SYNPRまたはPDGFCポリヌクレオチドのための別の標的化送達系は、コロイド分散系である。コロイド分散系としては、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフィア、ビーズおよび水中油エマルジョン、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含む脂質系が挙げられる。本発明の好ましいコロイド系はリポソームである。リポソームは、インビトロおよびインビボの送達媒体として有用な人工膜小胞である。RNA、DNAおよび無傷のビリオンは水性内部にカプセル化され得、生物学的に活性な形態で細胞に送達され得る(例えば、Fraley、et al., Trends Biochem. Sci.、6:77、1981)。リポソーム小胞を用いる効率的な遺伝子導入のための方法は当該技術分野で公知であり、例えば、Mannino、et al., Biotechniques、6:682、1988を参照のこと。リポソームの組成物は、通常、リン脂質の混合物、通常、ステロイド、特にコレステロールとの混合物である。他のリン脂質または他の脂質もまた使用され得る。リポソームの物理的特性は、pH、イオン強度、および2価のカチオンの存在に依存する。
【0107】
リポソーム作製に有用な脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシドおよびガングリオシドなどのホスファチジル化合物が挙げられる。例示的なリン脂質としては、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。リポソームの標的化はまた、例えば、器官特異性、細胞特異性および細胞小器官特異性に基づいて可能であり、当該技術分野で公知である。
【0108】
当業者は、被験体を処置するために必要とされる投薬量を決定し得る。投薬計画は、個体について、例えば、本発明の主題の化合物の作用を変更する種々の要素、AMDの重症度または段階、投与経路、ならびに年齢、体重および体格などの個体に特有の特徴を考慮して決定されることが理解される。当業者は、被験体を処置するために必要とされる投薬量を決定し得る。一態様において、投薬量は、約1.0ng/kg〜約100mg/kg被験体体重の範囲であり得る。用量は、連続的または一定間隔で送達され得る。例えば、1回以上の独立した場合で送達される。特定の組成物の反復投与の所望の時間間隔は、当業者により、過度に実験せずに決定され得る。例えば、化合物は、1時間毎、1日毎、1週間毎、1ヶ月毎、1年毎(例えば、徐放形態の場合)または1回の送達として送達され得る。本明細書で使用されるように、用語被験体または個体は、AMDに罹患され得る任意の動物を意味する。被験体としては、限定されないが、ヒト、霊長類、ウマ、トリ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、フェレットおよびウサギが挙げられる。
【0109】
本明細書に記載の方法に使用される試料は、目、耳、鼻、歯、舌、表皮、上皮、血液、涙、唾液、粘液、尿路、尿、筋肉、軟骨、皮膚、または任意の他の組織由来の細胞、または充分なDNAもしくはRNAが得られ得る体液を含み得る。
【0110】
試料は、存在するDNAまたはRNAが本明細書に記載の方法におけるアッセイに利用可能となるように充分に処理されるべきである。例えば、試料は、試料由来のDNAが増幅または別のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに利用可能となるように処理され得る。処理された試料は、利用可能なDNAまたはRNAが他の細胞材料から精製されていない場合、粗製溶解物であり得る。あるいは、試料は、その天然の供給源中に存在する1種類以上の汚染物質から利用可能なDNAまたはRNAを単離するために処理され得る。試料は、DNAまたはRNAを本明細書に記載の方法におけるアッセイに利用可能にする当該技術分野で公知の任意の手段によって処理され得る。試料を処理するための方法としては、限定されないが、細胞および細胞溶解物を溶解および/または精製する機械的、化学的または分子的手段が挙げられ得る。処理方法としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およびポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体を用いるイムノアフィニティ精製が挙げられ得る。
【0111】
キット
また、本明細書においてキット、例えば、治療目的のためのキットまたは個体由来の試料中のバリアントLOC387715、SYNPRまたはPDGFC遺伝子を検出するためのキットが提供される。一態様において、キットは、ストリンジェント条件下で、ヒトにおけるAMDの発症と相関するLOC387715遺伝子内のバリエーション、SYNPR遺伝子内のバリエーション、またはPDGFC遺伝子内のバリエーションにハイブリダイズする所定用量のポリヌクレオチドプローブが内部に配置された少なくとも1つの容器手段を備える。別の態様において、キットは、ストリンジェント条件で、ヒトにおけるAMDの発症と相関するLOC387715遺伝子内のバリエーション、SYNPR遺伝子内のバリエーション、またはPDGFC遺伝子内のバリエーションの一方側に隣接してハイブリダイズする所定用量のポリヌクレオチドプライマーが内部に配置された少なくとも1つの容器手段を備える。さらなる態様において、ストリンジェント条件下で、ヒトにおけるAMDの発症と相関するLOC387715遺伝子内のバリエーション、SYNPR遺伝子内のバリエーション、またはPDGFC遺伝子内のバリエーションの他方側にハイブリダイズする第2のポリヌクレオチドプライマーが、所定用量で提供される。キットはまた、LOC387715内のバリエーションにハイブリダイズする1つ以上のプローブまたはプライマー;SYNPRにハイブリダイズする1つ以上のプローブまたはプライマー;およびPDGFCにハイブリダイズする1つ以上のプローブまたはプライマーを含み得る。これらは、AMDと相関するCFH内のバリエーションにハイブリダイズする、および/または目的のバリエーションを含まない1つ以上の対応する遺伝子(例えば、対照もしくは参照遺伝子)にハイブリダイズする1つ以上のプローブまたはプライマーなどの1つ以上のプローブまたはプライマーをさらに含み得る。キットは、標識および/または試料中のLOC387715、SYNPRもしくはPDGFCの検出における治療もしくは診断用キットの使用のための使用説明書をさらに含み得る。キットはまた、限定されないが、氷、ドライアイス、発泡スチレン、フォーム、プラスチック、セロファン、収縮フィルム、発泡ビニルシート、紙、厚紙、デンプンピーナッツ、ビニールタイ、金属クリップ、金属缶、ドライアライト(drierite)、ガラスおよびゴムなどのパッケージング材料を含み得る(パッケージング材料の例として、www.papermart.com.から入手可能な製品を参照のこと)。
【0112】
本発明の方法の実施には、特に記載のない限り、当該技術分野の技術の範囲である細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来の技術が使用される。かかる技術は、文献において充分説明される。例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory (2001);DNA Cloning、第IおよびII巻(D. N. Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait編、1984);Mullis et al. 米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames & S. J. Higgins編 1984);Transcription And Translation (B. D. Hames & S. J. Higgins編 1984);Culture Of Animal Cells (R. I. Freshney、Alan R. Liss、Inc.、1987);Immobilized Cells And Enzymes (IRL Press、1986);B. Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning (1984);学術論文Methods In Enzymology (Academic Press、Inc.、N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (J. H. MillerおよびM. P. Calos編、1987、Cold Spring Harbor Laboratory);Methods In Enzymology、第154巻および第155巻(Wu et al.編)、Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (MayerおよびWalker編、Academic Press、London、1987);Handbook Of Experimental Immunology、第I巻〜第IV巻(D. M. WeirおよびC. C. Blackwell編、1986);Manipulating the Mouse Embryo、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N. Y.、1986) を参照のこと。
【0113】
(実施例)
AMDを有する96症例およびAMDを有さない50対照からのゲノムワイドSNPジェノタイピングデータの分析を、LOC387715の単一相関および相互作用していると思われる他の座の両方を同定するために実施した。
【0114】
以下の方法および材料が本明細書に記載される作業に使用された。
【0115】
ハプロタイプ分析。10q26でのハプロタイプを負うために、出願人はデフォルトパラメータを有するSNPHAPバージョン1.3を使用した。ハプロタイプの推定値は、誤差があるので、出願人はまた、PHASEバージョン2.1.1を用いて同じ領域に渡ってハプロタイプを負った。2つのプログラムは、ハプロタイプを推定するために異なるアプローチを用いており、従って異なる誤差がおそらくある。両方のプログラムはAREDSデータについて同一の結果を生じ、正確なハプロタイプ推定値を示唆した。
【0116】
相互作用のための試験。100,000より多くのSNPを含む高次元データからの相互作用の適切な分析が、2つの段階:統計的に有意な結合効果を有するマーカーを選択すること、次に効果の程度を定量するために選択されたマーカーをモデル化すること、で実施され得る(10)。第一段階手順が何であろうと、従来の(ロジスティック)回帰分析が第二段階で使用され得る。
【0117】
相関の単純な2つの座の試験は、症例と対照との間の9個の2つの座の遺伝子型の頻度を比較することを含む。有意な差は、エピスタシスまたは主要な座の効果を示す。相互作用に特に焦点を当てるために、出願人は最初に2つの座の遺伝子型を2つまたは3つのクラスに分類し(それぞれ1、2または1、2、3とナンバリングされる)、症例と対照との間のクラス頻度における差を試験した(表1)。出願人はエピスタシス変動のCockerhamの分割によってもたらされる4つの異なる分類スキーム(I〜IV型)を使用した(11)。各スキームについて、Aおよびaは座1の対立遺伝子(以下に記載されるように、出願人データにおけるLOC387715ハプロタイプに常に基づく)を示し、Bおよびbは座2の対立遺伝子(常に出願人データにおけるSNP)を示す。クラスを表1に定義する。
【0118】
試験される各対の座について、4つの独立した試験をI型、II型、III型およびIV型相互作用について実施した。各試験について、各個体の2つの座の遺伝子型を、表1における1つの表を用いて2または3のカテゴリーに別のコードで割り当てた。遺伝子型クラス値を、次に症例と対照との間で比較した。統計的有意さを、2つ(I〜III型)または1つ(IV型)の自由度でピアソンχ2試験を用いて評価した。多数の試験を、116204SNP*4=464816全試験についてボンフェローニ補正を用いて補正した。
【0119】
発現分析。ヒトの網膜試料、胎盤試料、腎臓試料、および肝臓試料をNational Disease Research Interchange(NDRI)から得た。ネイティブヒトRPEおよび培養ヒトRPEはそれぞれ、Dr. Bret HughesおよびDr. Piyoush Kotharyによって友好的に提供された。
【0120】
全RNAを、TRIZOL(Invitrogen)を用いて単離した。第一鎖cDNAを、oligo-dTを用いてプライミングし、続く逆転写によって2.5mgの全RNAから作製した(www.invitrogen.com)。全RNA調製物に存在するゲノムDNAからの増幅を回避するために、イントロンを挟むプライマーを、Primer3 ソフトウェアを用いて設計した(http://frodo.wi.mit.edu/cgi-bin/primer3/primer3_www.cgi)。PCR反応を標準の条件を用いて設定した。期待された産物サイズはPDFGCについて300bp、SYNPRについて250bp、LOC387715について375bpである。使用されたプライマーは以下:




の通りであった。
【0121】
組織調製。正常ドナー眼をリン酸緩衝食塩水(PBS)中の4%パラホルムアルデヒド(EM Grade, Polysciences, Warrington, PA)中で6時間固定し、凍結保護し、最適切断温度コンパウンド(OCT; Miles Laboratory, Elkhart, IN)中に包埋した。凍結された網膜切片をクライオスタット(Leica, microsystem, Bannockburn, IL)を用いて8〜10μmに切断し、スライド(Superfrost/Plus; Fisher Scientific, Fair Lawn, NJ)上に置いた。全てのヒト眼をドナーのインフォームドコンセントと共に得、ヒト眼を用いた研究をヘルシンキ宣言の信条および施設内倫理委員会(IRB)に従って実施した。
【0122】
免疫蛍光顕微鏡。網膜切片を、ICバッファ(0.2%Tween-20,0.1%アジ化ナトリウムを含むPBS)に希釈した5%正常ヤギ血清(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)で30分間ブロックし、染色バッファ(1%正常ヤギ血清を含むICバッファ)中の1:50に希釈されたウサギ抗ラットシナプトポリン抗血清(SYSY, Gottingen, Germany)で室温で1時間インキュベートした。切片をICバッファ中で3回洗浄し、核色素4’,6’-ジアミノ-2-フェニルインドール(DAPI;1μg/mL)および染色バッファ中の1:250に希釈されたAlexa-488ヤギ抗ウサギ抗体(Molecular Probes, Eugene, OR)で1時間インキュベートした。ICバッファでの洗浄を繰り返した後、切片をマウンティングメディウム(Gel Mount; Biomeda, Foster City, CA)で覆い、カバーガラスを載せた。対照について、同じ濃度の抗シナプトポリン抗体を、シナプトポリン対照ペプチド(SYSY、Gottingen, Germany)と共に1時間プレインキュベートした。前処理した抗体を次に、記載されるように組織切片を染色するために使用した。標本をレーザー走査型共焦点顕微鏡(モデルSP2;Leica Microsystems, Exton, PA)で分析した。免疫標識切片およびネガティブ対照切片を同一の走査条件下で画像化した。画像をPhotoshop(Adobe Systems, San Jose, CA)で処理した。
【0123】
結果
SNP rs10490924自体は、2つの公表された報告と比較して、AREDSデータセット(対立遺伝子最小p値および遺伝子型最小p値は共に0.04である;表2)において、症例グループにおけるリスク対立遺伝子のより低い頻度のために部分的に、かろうじて統計的に有意であった。この頻度の差は、これらの研究におけるAMDの異なる定義によるものであり得る。本明細書に記載される研究において、個体は、症例である125μmより大きいサイズのドルーゼンを有することが必要とされた(1)が、一方で他の研究において、色素変化、新血管新生、または地理的退行(geographic atrophy)がAMDの診断に十分であった(8,9)。これらの観察および出願人のデータの更なる分析が、疾患リスクに共に影響を及ぼすようなSNP rs10490924と協力して作用する他のバリアントの存在を示した。これを更に調べるために、rs10490924を取り囲む4セットのSNPを定義し、4つの配偶子試験(FGT)を用いるフランキングマーカーを用いた祖先形組み換えの証拠を示した。これら4つのSNPはおよそ500ヌクレオチドをカバーする。16の可能なハプロタイプの4つが試料中の全ての染色体を説明した。2つのハプロタイプは「リスク」ハプロタイプであった(N2 およびN3)が、一方で他の2つは「非リスク」ハプロタイプであった(N1およびN4;表3)。2つのリスクハプロタイプをSNP rs2736911およびrs10490924によってタグ化した。「リスク」ハプロタイプ頻度と「非リスク」ハプロタイプ頻度との間の差は、症例対対照において統計的に有意である(表2)。
【0124】
各個体について負ったハプロタイプを、新しい「SNP」を定義するために使用した。このSNPについて、対立遺伝子「A」はハプロタイプのN1またはN4を意味し、対立遺伝子「B」は、ハプロタイプのN2またはN3を意味する。この「SNP」の個体の遺伝子型は、個体の2つの染色体のハプロタイプに基づいて指定した。2方向相互作用試験を、ゲノムワイド研究においてこの派生した「SNP」(ここで10q26Hapと呼ぶ)と全ての他のSNPとの間での症例および対照のディファレンシャル相互作用を調べるために実施した。厳密なボンフェローニ閾値p<0.05/(4×105)を用いて、出願人は、2つの有意な結果(ピアソンχ試験;表4における分割表)を得、別の集団コホートにおいて後に複製した(以下参照)。出願人が以前にAMDと相関すると見出したCHの2つのSNPに有意な相互作用は見出せなかった。Y402Hについて、最も良い相互作用は0.093の補正されていないp値を有した。rs380390について、最も良い相互作用は0.11の補正されていないp値を有した。これは、ボンフェローニ閾値に有意な相互作用が真実であり得、更なる調査が正当化されることを意味する。
【0125】
これらの相互作用の1つは、染色体3p14.2上のSNP rs10510899と10q26Hapとの間にあり、2番目は染色体4q32.1上のSNP rs997955と10q26Hapとの間にある。SNP rs10510899およびrs997955は、それぞれシナプトポリン(SYNPR)および血小板由来成長因子C(PDGFC)のイントロンにある。別として、これらのSNPは本研究においてAMDと相関する1つの座を示さなかった。顕著に、これら2つのSNPはAMD連鎖研究の最近のメタ分析において同定された上から6つにランク付けされる領域の2つに局在している(2)。全ゲノムが仮説のない様式での相互作用について本研究でスキャンされたとしても、ボンフェローニ閾値に有意な2つのSNPだけが出願人が以前の連鎖研究に基づいてAMDに関与すると仮説した領域に局在している。1つの研究において、これら4つの遺伝子(CFH、LOC387715、SYNPRおよびPDGFC)は4つの主要な連鎖ピークにあり、これらの間での相互作用を包含する(12)。
【0126】
ここに示したデータと共に、AMDのための全遺伝的リスクを推定した。特定の個体において、位置402のCFHにおけるヒスチジン対立遺伝子の数および10q26のリスクハプロタイプの数を合計した。リスクがある個体は少なくとも2つの合計を有するものとして定義された場合、82%の症例はリスクがあると分類されるが、48%の対照もまた、リスクがあると分類される。代わりに、リスクを4つの異なる座の5つのSNPの遺伝子型に基づいて定義した。全遺伝的リスクは、3つの独立リスク因子:CFH、SYNPRにおけるrs10510899と10q26Hapの相互作用、およびPDGFCにおけるrs997955と10q26Hapの相互作用、の合計であった。各リスク因子について3つの可能な遺伝子型または遺伝子型クラスに、0(最小リスク)から2(最大リスク)を範囲とするスコアを与える。これらのスコアの合計は、全リスクの指標として判断される。3以上の全体スコアを有する個体は「リスクがある」と考慮されたが、2以下のリスクを有するものは皆「リスクがない」ものであった(表2)。この分類に関して、81%の症例は、36%の対照と比較してリスクがある。この遺伝的ネットワークの影響についての集団寄与リスク(PAR)(表2)を71%であると推定した。
【0127】
これらの相互作用は主に派生したデータであるために、遺伝的相互作用のための統計モデルに対して出願人データの過剰適合による偽陽性の可能性がある。これがたまたままたは真の相関であるかどうかを評価する最良の方法は、症例および対照個体の第二の独立したコホートにおいてジェノタイプされたSNPを複製することである。DNAを、ミシガン大学で回収した患者および対照から得た(6)。最初のAREDSコホートの場合、全個体は集団統計による偽陽性の可能性を減少するためにヨーロッパ人系統であった。症例および対照のこの独立した集団において、SNP rs10490924はAMDリスクと強力および有意に相関している(表2)。症例における1つのSNPについて観察されたリスク対立遺伝子頻度は2つの以前の研究のものと類似するが、AREDS試料において観察されたものと異なる。この違いは、ミシガン症例コホートがまた、大きなドルーゼン(drusen)(>125μm直径)を有さなかった、地理的退行および/または新血管新生を有する個体を含んだため、2つの研究における患者の遺伝的背景のわずかな違いのため、またはミシガン試料が類似症例について豊富であったために生じ得る。
【0128】
更なる分析は、10q26での2つのクラスのハプロタイプが、AREDSコホートで同定された2つの相互作用であるように(表2;表4における分割表)、AMDと有意に相関することを示す。いくつかの症例において、同じリスク因子のためのオッズ率は2つのコホートにおいて全く異なる。これは、おそらくAREDSコホートの小さな試料サイズのためであり、このコホートについての大きな信頼区間において反映される。大きなコホートを用いる更なる研究はこれらのリスク因子のためのオッズ率を正確に計算することが必要とされる。しかし、全ての報告された相互作用が比較的小さなAREDSコホートにおいて統計的に有意であり、かつミシガンコホートにおいて独立して複製されるので、出願人はこれらが生物学的に重要な相互作用であると結論付けた。リスク(少なくとも3つのリスク因子)の同じ定義を用いて、出願人は63%の症例が32%の対照と比較してリスクがあると観察した(表2)。ミシガン試料について、推定されたPARは55%であった。AREDS研究における極端な表現形は、2つの試料間のPARの不一致を説明し得る。
【0129】
ゲノム中の百万の共通SNPの100,000のみがジェノタイプされる場合、SYNPRおよびPDGFC中の2つのSNPはおそらく推定される「タグ」SNPであり、機能的変異はゲノム中の近くに局在する他のバリアントである。機能的変異を発見するために、International HapMap Projectからのユタ中部および北部ヨーロッパ人系統の個体のセットについて遺伝子型データ(13)を調べた。SNP rs10510899はおよそ50kbに渡ってSNPを有する連鎖非平衡である(認められ得るペアワイズr補正によって測定されたLD)。この領域は、公知でないバリアントを有する1つのコーディングエキソンと共に、SYNPRのイントロン配列から主に構成される。ジェノタイプした100,000セットの中で2つのSNPだけがこの領域に入る。これらは独立してAMDと相関もしないが、10q26ハプロタイプとの相互作用において相関を示す。rs10510899との相互作用のための証拠のみが厳密なボンフェローニ閾値を越える。ミシガン試料において、rs10510899近傍の3つのさらなるSNPを、10q26ハプロタイプと相互作用するかどうかを判断するためにジェノタイプした。rs6796563のみがrs10510899よりも少し強い相互作用を示した。このSNPはrs10510899と同じイントロンにあり、rs10510899と弱い連鎖非平衡にある(D’=0.37、r2=0.05)。
【0130】
対照的に、SNP rs997955は、およそ225kbに渡る多数のSNPを有するLDにある。この領域は、PDGFCのイントロン配列、PDGFCのいくつかのエキソン配列、およびPDGFC遺伝子の下流領域を含むが、任意の他の公知である転写配列と重複しない。ジェノタイプされた100,000以外で、25個がこの領域にマップされた。独立してAMDと相関するものはないが、2つが10q26ハプロタイプとの相互作用を示す。これらのなかで、厳密な閾値を越えた相互作用の唯一の証拠は、rs997955であった。ミシガン試料において、rs997955近傍の4つのさらなるSNPをジェノタイプした。これらのうちrs997955よりも強い相互作用を示すものはない。従って、AMDと相関する機能的SNPはSYNPR遺伝子およびPDGFC遺伝子中に存在するようである。
【0131】
3つの相互作用遺伝子(LOC387715、SYNPRおよびPDGFC)が影響を受ける標的組織で発現するかどうかを評価するために、RT-PCR分析のためのヒト網膜色素上皮(RPE)、網膜、および他の組織からの全RNAを使用した。SYNPR転写物はネイティブヒトRPEにおいて低いレベルで検出するが、網膜および胎盤で強く発現する。PDGFCはネイティブヒトRPEおよび培養RPEの両方、並びに網膜、胎盤および肝臓で高いレベルで発現する。LOC387715の低い発現のみが網膜および培養RPEで観察される。市販で入手可能なシナプトポリンに対する抗体を用いて眼組織におけるタンパク質発現の調査も実施した。内網状層はシナプトポリン抗体について最も強い標識を示した;それにも関わらず、外網状層はまた、シグナルがより弱いが標識された。これは以前に報告されたウサギ網膜のシナプトポリンの局在と一致する(14)。水平細胞の前シナプス末端のシナプトポリンの分布はおそらく、シナプス小胞放出に関与している。これらの細胞は双極性ニューロンのアンタゴニスト性中央周辺応答に寄与する阻害性入力を提供するので、この入力の効率の変更が異常なレベルの光レセプターシナプス活性およびそれに由来する細胞損傷をもたらす。PDGFCは、マトリックスメタロプロテイナーゼおよびこれらの組織インヒビター、眼および他の組織における血管の停止および成長を制御することに最終的に関与する分子の活性を制御する調節カスケードの部分である(15)。おそらく非関連である2つの遺伝子のSYNPRおよびPDGFCとのLOC387715の相互作用は網膜またはRPEにおける共通調節機能を示唆する。予備的結果は内部核層および正常な網膜の神経節細胞におけるPDGFC分布を示す(データ示さず);SYNPRもPDGFCもCFH陽性ドルーゼンについて検出可能でない。
【0132】
本発明の全体の理解を提供するために、AMDを発症するリスクがある個体を同定するまたは同定を補助するための並びにAMDを診断するまたは診断を補助するための組成物および方法を含む、特定の例示的態様を記載する。しかし、本明細書に記載される組成物および方法は記載される適用に適切なように適合および改変され得ること、本明細書に記載される組成物および方法は他の適切な適用に使用され得ること、並びにかかる他の付加および改変が本発明の範囲から逸脱しないことが当業者によって理解される。
【0133】



【0134】

【0135】

【0136】

【0137】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヒトの加齢性黄斑変性と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションを特異的に検出する核酸分子;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションを特異的に検出する核酸分子;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションを特異的に検出する核酸分子
からなる群より選択される核酸分子を含む、個体由来の試料におけるヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアント遺伝子の検出のための、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
ポリヌクレオチドが、
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーション;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーション;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーション
からなる群より選択されるバリエーションにストリンジェント条件下でハイブリダイズするプローブである、請求項1記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でアラニン以外のアミノ酸をコードする、請求項2記載のプローブ。
【請求項4】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でセリンをコードする、請求項3記載のプローブ。
【請求項5】
DNAプローブである、請求項2記載のプローブ。
【請求項6】
約8〜約500個のヌクレオチドである、請求項5記載のプローブ。
【請求項7】
約10〜約250個のヌクレオチドである、請求項5記載のプローブ。
【請求項8】
1つ以上の非天然ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドを含む、請求項5記載のプローブ。
【請求項9】
1つ以上の非天然ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドが放射活性標識ヌクレオチド、蛍光標識ヌクレオチド、又は化学標識ヌクレオチドである、請求項8記載のプローブ。
【請求項10】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連する遺伝子におけるバリエーションにストリンジェント条件下で隣接してハイブリダイズするポリヌクレオチドプライマーであって、該バリエーションが、
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーション;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーション;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーション
からなる群より選択される、ポリヌクレオチドプライマー。
【請求項11】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連する遺伝子におけるバリエーションに直に隣接してハイブリダイズするポリヌクレオチドプライマーであって、該バリエーションが、
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーション;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーション;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーション
からなる群より選択される、請求項10記載のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項12】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連する遺伝子におけるバリエーションを特異的に検出する1対のポリヌクレオチドプライマーであって、該バリエーションが、
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーション;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーション;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーション
からなる群より選択され、第一のポリヌクレオチドプライマーがバリエーションの一方にハイブリダイズし、第二のポリヌクレオチドプライマーがバリエーションの他方にハイブリダイズする、1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項13】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連する遺伝子におけるバリエーションを含むDNA領域にハイブリダイズする1対のポリヌクレオチドプライマーであって、該バリエーションが、
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーション;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーション;及び
(c)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーション
からなる群より選択され、該ポリヌクレオチドプライマーがバリエーションに対して近位にハイブリダイズしたプライマーの末端が約20〜約10000ヌクレオチド離れているような様式で該領域にハイブリダイズする、1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項14】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でアラニン以外のアミノ酸をコードする、請求項12記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項15】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でセリンをコードする、請求項14記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項16】
DNAプライマーである、請求項12記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項17】
それぞれ約8〜約500個のヌクレオチドである、請求項16記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項18】
それぞれ約10〜約250個のヌクレオチドである、請求項16記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項19】
1つ以上の非天然ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドを含む、請求項16記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項20】
1つ以上の非天然ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドが放射活性標識ヌクレオチド又は蛍光標識ヌクレオチドである、請求項19記載の1対のポリヌクレオチドプライマー。
【請求項21】
ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子及びヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFC遺伝子を個体から得られた試料において検出する方法であって、
(a)試料を、(1)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないLOC387715遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;(2)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないSYNPR遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;及び(3)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないPDGFC遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブと合わせる工程、並びに
(b)ハイブリダイゼーションが生じるかどうかを決定する工程であって、(1)、(2)及び(3)のポリヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションの発生はヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子、及びヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントPDGFC遺伝子が試料中に存在することを示す、工程
を含む、方法。
【請求項22】
バリアント遺伝子を個体から得られた試料において検出する方法であって、該バリアント遺伝子がヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子及びヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFC遺伝子であり、
(a)試料を、(1)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないLOC387715遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;(2)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないSYNPR遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;及び(3)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないPDGFC遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブと合わせる工程、並びに
(b)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、工程(a)で作製された合わされたものを維持する工程、並びに
(c)対照におけるハイブリダイゼーションと、合わされたもので生じるハイブリダイゼーションを比較する工程であって、該対照は、工程(a)と同じ型の試料であり、かつ工程(a)の試料と同じように処理され、ポリペプチドプローブが、ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブ、ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブ、及びストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブであり、対照ではなく合わされたものにおける3つのポリペプチドプローブのハイブリダイゼーションの発生は加齢性黄斑変性と関連するバリアント遺伝子が試料中に存在することを示す、工程
を含む、方法。
【請求項23】
ハイブリダイゼーションの程度が工程(c)で決定される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
バリアント遺伝子を個体から得られた試料において検出する方法であって、該バリアント遺伝子がヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子及びヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFC遺伝子であり、
(a)試料の第一部分を、(1)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないLOC387715遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;(2)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないSYNPR遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;及び(3)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないPDGFC遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブと合わせる工程;
(b)試料の第二部分を、対照におけるハイブリダイゼーションと合わせる工程であって、該対照は、工程(a)と同じ型の試料であり、かつ工程(a)の試料と同じように処理され、ポリペプチドプローブは、ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブ、ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブ、及びストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションに結合しないポリペプチドプローブであり、対照ではなく合わされたものにおける3つのポリペプチドプローブのハイブリダイゼーションの発生は加齢性黄斑変性と関連するバリアント遺伝子が試料中に存在することを示す、工程、並びに
(c)ハイブリダイゼーションが生じるかどうかを決定する工程であって、第二部分ではなく第一部分における3つのポリペプチドのハイブリダイゼーションの発生は加齢性黄斑変性の発生と関連するバリアント遺伝子が試料中に存在することを示す、工程
を含む、方法。
【請求項25】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でアラニン以外のアミノ酸をコードする、請求項21記載の方法。
【請求項26】
バリエーションがLOC387715タンパク質の69位でセリンをコードする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
試料が、眼、耳、鼻、歯、舌、表皮、上皮、血液、涙、唾液、粘液、尿路、尿、筋肉、軟骨、皮膚、若しくは任意の他の組織又は体液から得られる細胞を含む、請求項21記載の方法。
【請求項28】
ポリヌクレオチドプローブがDNAプローブである、請求項21記載の方法。
【請求項29】
ポリヌクレオチドプローブが約8〜約500個のヌクレオチドである、請求項21記載の方法。
【請求項30】
バリアント遺伝子を個体から得られた試料において検出する方法であって、該バリアント遺伝子がヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、ヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子及びヒトの加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFC遺伝子であり、
(a)試料を、3対のポリヌクレオチドプライマーと合わせる工程であって、(1)第一の対において、第一のポリヌクレオチドプライマーがLOC387715遺伝子産物におけるバリエーションをコードするDNAの一方にハイブリダイズし、第二のポリヌクレオチドプライマーがバリエーションをコードするDNAの他方にハイブリダイズする;(2)第二の対において、第一のポリヌクレオチドプライマーがSYNPR遺伝子産物におけるバリエーションをコードするDNAの一方にハイブリダイズし、第二のポリヌクレオチドプライマーがバリエーションをコードするDNAの他方にハイブリダイズする;及び(3)第二の対において、第一のポリヌクレオチドプライマーがPDGFC遺伝子産物におけるバリエーションをコードするDNAの一方にハイブリダイズし、第二のポリヌクレオチドプライマーがバリエーションをコードするDNAの他方にハイブリダイズする、工程;
(b)試料中でDNAを増幅する工程であって、増幅DNAを生成する、工程;
(c)増幅DNAを配列決定する工程;並びに
(d)該DNAにおいて、(1)LOC387715遺伝子産物におけるバリエーションをコードするバリエーション;(2)SYNPR遺伝子産物におけるバリエーションをコードするバリエーション;及び(3)PDGFC遺伝子産物におけるバリエーションをコードするバリエーションの存在を検出する工程であって、3つのバリエーションの存在はバリアントLOC387715遺伝子、バリアントSYNPR遺伝子、及びバリアントPDGFC遺伝子が試料中に検出されることを示す、工程
を含む、方法。
【請求項31】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアント遺伝子の存在について個体から得られた試料をアッセイする工程を含む、加齢性黄斑変性を発症するリスクがある個体を同定する又は同定することを補助する方法であって、該バリアント遺伝子が、加齢性黄斑変性と関連するバリアントLOC387715遺伝子、加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPR遺伝子及び加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFC遺伝子であり、バリアント遺伝子の存在は個体が加齢性黄斑変性を発症するリスクがあることを示す、方法。
【請求項32】
加齢性黄斑変性を発症するリスクがある個体を同定する又は同定することを補助する方法であって、
(a)個体から得られた試料を、(1)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないLOC387715遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;(2)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないSYNPR遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブ;及び(3)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするが、バリエーションを含まないPDGFC遺伝子にハイブリダイズしないポリヌクレオチドプローブを合わせる工程;並びに
(b)ハイブリダイゼーションが生じるかどうかを決定する工程であって、
(a)(1)〜(a)(3)のプローブのハイブリダイゼーションの発生は個体が加齢性黄斑変性を発症するリスクがあることを示す、工程
を含む、方法。
【請求項33】
(a)(1)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するLOC387715遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブ;(2)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するSYNPR遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブ;及び(3)ストリンジェントな条件下でヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するPDGFC遺伝子におけるバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブを配置した少なくとも1つの容器手段;並びに
(b)試料中のバリアント遺伝子の検出における診断キットの使用のための標識及び/又は説明書
を含む、個体由来の試料中で加齢性黄斑変性と関連するバリアント遺伝子を検出するための診断キット。
【請求項34】
(a)(1)単離又は組み換え生成された野生型LOC387715ポリペプチド又はその断片;(2)単離又は組み換え生成された野生型SYNPRポリペプチド又はその断片;及び(3)単離又は組み換え生成された野生型PDGFCポリペプチド又はその断片の有効量;並びに
(b)薬理学的に許容され得る担体
を含む、加齢性黄斑変性を患う被験体を処置するための組成物。
【請求項35】
請求項34記載の組成物の有効量を被験体に投与する工程を含む、加齢性黄斑変性を患う被験体を処置する方法。
【請求項36】
(a)(1)LOC387715ポリペプチド又はその断片をコードする単離又は組み換え生成された核酸分子;(2)SYNPRポリペプチド又はその断片をコードする単離又は組み換え生成された核酸分子;及び(3)PDGFCポリペプチド又はその断片をコードする単離又は組み換え生成された核酸分子の有効量;並びに
(b)薬理学的に許容され得る担体
を含む、加齢性黄斑変性を患う被験体を処置するための組成物。
【請求項37】
請求項36記載の組成物の有効量を被験体に投与する工程を含む、加齢性黄斑変性を患う被験体を処置する方法。
【請求項38】
ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントポリペプチドを個体から得られた試料において検出する方法であって、バリアントポリペプチドはバリアントLOC387715ポリペプチド、バリアントSYNPRポリペプチド、及びバリアントPDGFCポリペプチドであり、
(a)試料を、加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントLOC87715ポリペプチドに結合する抗体;加齢性黄斑変性と関連するバリアントSYNPRポリペプチドに結合する抗体;及び加齢性黄斑変性と関連するバリアントPDGFCポリペプチドに結合する抗体と合わせる工程、及び
(b)3つの抗体の結合が生じるかどうかを決定する工程であって、3つの抗体の結合の発生は加齢性黄斑変性の発生と関連するバリアントポリペプチドが試料中に存在することを示す、工程
を含む、方法。
【請求項39】
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントLOC387715遺伝子又はmRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含む核酸分子;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントSYNPR遺伝子又はmRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含む核酸分子;
(c)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントPDGFC遺伝子又はmRNAにハイブリダイズするアンチセンス配列を含む核酸分子;及び
(d)薬学的に許容され得る担体
を含む、加齢性黄斑変性を患う又はリスクがある被検体を処置するための組成物。
【請求項40】
バリアント遺伝子に対するアンチセンス配列のハイブリダイゼーションがバリアント遺伝子から転写されるRNAの量を減少させる、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
バリアントmRNAに対するアンチセンス配列のハイブリダイゼーションが、バリアントmRNAから翻訳されるタンパク質の量を減少させる及び/又はバリアントmRNAのスプライシングを変更する、請求項39記載の組成物。
【請求項42】
請求項39記載の組成物の有効量を被験体に投与する工程を含む、加齢性黄斑変性を患う又はリスクがある被験体を処置する方法。
【請求項43】
(a)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントLOC387715遺伝子又はmRNAにハイブリダイズする、siRNA配列若しくはmiRNA配列、又はその前駆体を含む核酸分子;
(b)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントSYNPR遺伝子又はmRNAにハイブリダイズする、siRNA配列若しくはmiRNA配列、又はその前駆体を含む核酸分子;
(c)ヒトの加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントPDGFC遺伝子又はmRNAにハイブリダイズする、siRNA配列若しくはmiRNA配列、又はその前駆体を含む核酸分子;及び
(d)薬学的に許容され得る担体、
を含む、加齢性黄斑変性を患う又はリスクがある被験体を処置するための組成物。
【請求項44】
バリアント遺伝子に対するsiRNA配列又はmiRNA配列のハイブリダイゼーションが、バリアント遺伝子から転写されたRNAの量を減少させる、請求項43記載の組成物。
【請求項45】
バリアントmRNAに対するsiRNA配列又はmiRNA配列のハイブリダイゼーションがバリアントmRNAから翻訳されたタンパク質の量を減少させる及び/又はバリアントmRNAのスプライシングを変更する、請求項43記載の組成物。
【請求項46】
請求項43記載の組成物の有効量を被験体に投与する工程を含む、加齢性黄斑変性を患う又はリスクがある被験体を処置する方法。
【請求項47】
加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントCFH遺伝子の存在について試料をアッセイする工程をさらに含む、請求項31記載の方法。
【請求項48】
加齢性黄斑変性の発症と関連するバリアントCFH遺伝子の存在について試料をアッセイする工程をさらに含む、請求項32記載の方法。
【請求項49】
ストリンジェントな条件下で、加齢性黄斑変性の発症と関連するCFH遺伝子のバリエーションにハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブをさらに含む、請求項33記載の診断キット。
【請求項50】
単離又は組換え生成された野生型CFHポリペプチド又はその断片の有効量をさらに含む、請求項34記載の組成物。

【公表番号】特表2009−511057(P2009−511057A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535707(P2008−535707)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/040071
【国際公開番号】WO2007/044897
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(392019352)イェール ユニバーシティー (38)
【氏名又は名称原語表記】YALE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】