説明

黄色アニオン性ジスアゾ染料

【課題】新規な黄色アニオン性染料、その製造方法、その製造に必要な特定の新規中間体、および天然または合成材料、特に紙を染色するためのこの染料の提供。
【解決手段】ジアミノベンズアニリドをベースにした下式の特定のビスアゾ染料。


〔R1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、R2は、SO3HまたはCO2Hを表し、R3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、R3aは、水素、またはNH2を表し、そしてA1およびA2は、特定のピラゾロンおよび特定のフェノール系誘導体。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な黄色アニオン性染料、それらの製造方法、その製造に必要な特定の新規中間体、および天然または合成材料、特に紙を染色するためのこれらの染料の使用に関する。
【0002】
ビスアゾ染料の合成のためのビルディングブロックとしてのジアミノベンズアニリドの使用およびその利点が、Dye and Pigments, 17, 297-302 (1991)に記載されている。これに基づいて、ピラゾロンおよびフェノール系誘導体をカップリング成分として含有する、多数のビスアゾ橙色および黄色染料が、例えば、DE818,669、DE845,084、DE2,362,995、GB28,569、US2,228,321およびJP51-11817に記載され、更に、1−フェニル−5−アミノピラゾールを含有する対称ビスアゾ染料(symmetrical bisazo dyes)も、US5,545,725に公表され、US2,544,087には、特定のビスアセトアセトアニリド誘導体が開示されている。
【0003】
しかし、特に淡黄色または緑黄色の色調で、色強度が高く優れた吸尽率を示し、安定した水性配合物を得るのに十分な水溶性がある、多量の可溶化剤を必要としない、更なるアニオン性染料を提供することが求められている。その上、得られた染色物は、高度の耐ブリード堅牢性および耐光堅牢性を示し、平滑面染色すなわち表面染色で、かつ容易に漂白可能でなければならない。
【0004】
意外にも、ジアミノベンズアニリドをベースにした特定のビスアゾ染料が、所望の特性に関して優れた効果を示すことがここに見出された。
【0005】
したがって、本発明は、式(1):
【0006】
【化1】

【0007】
〔式中、
1は、水素、置換もしくは非置換のC1〜C8アルキル、置換もしくは非置換のC1〜C8アルコキシまたはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3およびR3aは、それぞれ、他とは独立に、水素、置換されていても非置換であってもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のC1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルとその各残基を表し、
1およびA2は、他とは独立に、
式(2):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、
1は、C1〜C4アルキル、あるいは非置換であるか、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、もしくはハロゲンにより一置換されたフェニルを表し、そして
2は、非置換であるか、あるいは1もしくは2個のSO3H、アルキル基が置換されていてもよいSO2NHC1〜C4アルキル基、SO21〜C4アルキル、置換もしくは非置換のC1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、CF3、NH2、NHCOC1〜C4アルキル、NHCOOC1〜C4アルキル、NHCONHC1〜C4アルキル、CO2H、CONHC1〜C4アルキル、またはNO2により一置換、二置換または三置換されたフェニル;非置換であるか、あるいは1もしくは2個の、SO3H、SO2NHC1〜C4アルキル基、カルボキシ、CONHC1〜C4アルキル、カルボキシC1〜C4アルキル、またはカルボキシアリール基により置換された1−または2−ナフチル残基;あるいは1〜3個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環を表し、該複素環はベンゾ環付加されていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはハロゲンで更に置換されていてもよく、そしてベンゾ環付加された複素環式化合物の場、該複素環は合へテロ核またはベンゼン核のいずれかを介して式(2)のNH原子に結合していてもよい)で示されるアセトアセチル化アミン;
式(3):
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、Yは、O、NCN、またはNCONH2を表す)で示されるバルビツル酸の誘導体;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
式(4):
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、
1は、水素、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、ヒドロキシエチル、2−(C1〜C2アルコキシ)アルキル、C1〜C2アルコキシ、COOH、CONH2、またはCOOC1〜C2アルキルを表し、
2は、水素、CN、CONH2、ハロゲン、SO3H、あるいは非置換であるかまたはヒドロキシ、フェニル、もしくはSO3Hで置換されたC1〜C2アルキルを表し、
3は、水素、フェニル、C1〜C2アルキルフェニル、シクロヘキシル、あるいは非置換であるかまたはヒドロキシ、CN、C1〜C2アルコキシ、もしくはSO3Hで置換されたC1〜C4アルキルを表し、そして
4は、水素またはヒドロキシを表す)で示されるピリドン誘導体;
式(5)、(6)、(7)、または(8):
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、
4は、水素、それぞれ置換または非置換の、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、NHCOC1〜C4アルキル、もしくはCO2Hを表し、
5およびR6は、他とは独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、あるいは
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【0018】
【化7】

【0019】
(式中、
9およびR10は、それぞれ、他とは独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、NH2、NHCOC1〜C4アルキル、NO2、SO3H、CO21〜C4アルキル、またはCONHC1〜C4アルキル基を表す)で示されるフェノール残基を表す〕で示される化合物に関するが、但し、式(13):
【0020】
【化8】

【0021】
で示される化合物において、
1、R2、R3およびR3aが、それぞれ、他とは独立に、水素、またはSO3Hである場合、A1およびA2は、両者とも1−フェニル−もしくは1−スルホフェニル−3−メチル−5−アミノピラゾール残基でないか、あるいは
1、R2、R3およびR3aが、水素を表し、そしてA1が、式(9)(式中、R7は、水素またはメチルを表す)で示される残基である場合、A2は、1−フェニル−もしくは1−スルホフェニル−3−メチルもしくは3−カルボキシピラゾール−5−オン残基を表さないか、あるいは
1、R3およびR3aが、水素であり、R2が、SO3Hであり、そしてA1およびA2の一方が、1−スルホフェニル−3−メチルピラゾール−5−オン残基を表す場合、他方は、式(11)(式中、R9およびR10は、両者とも水素である)で示される残基でないか、または
1が、1−ニトロフェニル−、1−フェニル−もしくは非置換の3−メチルピラゾール−5−オン残基を表す場合、A2は、式(9)(式中、R7は、水素を表す)で示される残基でないか、あるいは
1、R3およびR3aが、水素を表し、R2が、CO2Hであり、そしてA1が、式(9)(式中、R7は、水素である)で示される残基を表す場合、A2は、式(2)もしくは式(7)で示される残基ではなく;
式(14):
【0022】
【化9】

【0023】
で示される化合物において、
2が、CO2Hを表し、R3が、ヒドロキシまたはメトキシを表し、そしてR3aが、水素を表す場合、A1およびA2は、式(2)または(7)で示される残基を表さず、そして
式(16):
【0024】
【化10】

【0025】
で示される化合物において、
2が、SO3Hを表し、そしてR3およびR3aが、両者とも水素を表す場合、A1およびA2は、両者とも2,4−ジヒドロキシフェニルでないことを条件とする。
【0026】
本発明の1つの好ましい態様において、式(1)で示される化合物は、総数で2、3または4個のSO3Hおよび/またはCO2H基を含有する。これらのスルホン酸および/またはカルボン酸基を、上記したような遊離酸の形態か、あるいは塩の形態であるSO3Mおよび/またはCO2Mのいずれかで表すことができる。Mは、好ましくは1当量の無色カチオン、典型的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムであるか、またはプロトン化された形態の、C4〜C12トリアルキルアミン、C4〜C12ジアミン、C2〜C12アルカノールアミン、もしくはポリグリコールアミン、好都合にはトリエタノールアミントリスグリコールエーテル、あるいはそのようなカチオン種の混合物である。プロトン化C4〜C12トリアルキルアミンとしてのMは、例えば、プロトン化N−エチルジメチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、および好ましくは、トリエチルアミンまたはトリイソプロピルアミンであることができる。プロトン化C4〜C12ジアミンとしてのMは、例えば、エチレンジアミンまたは1,3−ジアミノプロパンで、一方または両方の窒素原子が、更に1または2個のC1〜C4アルキル基、好ましくは、メチルまたはエチル基で置換されているものであることができる。Mは、好ましくは、N,N−ジアルキルエチレンジアミンまたはN,N−ジアルキル−1,3−ジアミノプロパンである。実例は、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミン、または3−ジエチルアミノ−1−プロピルアミンである。プロトン化C2〜C12アルカノールアミンとしてのMは、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、モノアルカノールモノアルキルアミン、モノアルカノールジアルキルアミン、ジアルカノールアルキルアミン、もしくはトリアルカノールアミンの、プロトン化形態、または異なるプロトン化アルカノールアミンの混合物であることができる。実例は、プロトン化2−アミノエタノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチルアミン、またはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンである。
【0027】
式(1)で示される化合物の1つの更に好ましい種類は、式(13):
【0028】
【化11】

【0029】
(式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、先に定義したとおりである)で示されるものである。
【0030】
しかし、より好ましくは、先の式(13)で示される化合物において、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【0031】
【化12】

【0032】
(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(4):
【0033】
【化13】

【0034】
(式中、
1は、C1〜C2アルキル表し、
2は、CN、CONH2、またはCH2SO3Hを表し、
3は、C1〜C2アルキルを表し、そして
4は、ヒドロキシを表す)で示されるピリドン誘導体;
式(5)または(7):
【0035】
【化14】

【0036】
(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【0037】
【化15】

【0038】
(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、あるいは
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、
式(11)または(12):
【0039】
【化16】

【0040】
(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す。
【0041】
式(13)で示される最も好ましい化合物は、
1が、水素、C1〜C4アルコキシ、特にメトキシ、またはSO3Hを表し、
2が、SO3HまたはCO2Hを表し、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、カップリング成分A1が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミン、バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸、式(4)(式中、Q1は、メチルを表し、Q2は、CN、CONH2、またはCH2SO3Hを表し、Q3は、エチルまたはメチルを表し、そしてQ4は、ヒドロキシを表す)で示されるピリドン誘導体、式(5)もしくは(7)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示される化合物、またはサリチル酸から誘導され、そしてカップリング成分A2が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミンから誘導され、この場合、式(2)において、X1が、好ましくはメチルを表し、X2が、好ましくはSO3Hで一置換されているか、もしくはSO3H、メチルおよびメトキシで三置換されたフェニルを表すか、あるいはA2が、式(4)(式中、Q1は、メチルを表し、Q2は、CN、CONH2、またはCH2SO3Hであり、Q3は、エチルであり、そしてQ4は、ヒドロキシである)で示されるピリドン誘導体からか、または式(5)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールから誘導されるものである。
【0042】
式(1)で示される化合物の第2の好ましい種類は、式(14):
【0043】
【化17】

【0044】
(式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、先の式(1)に関して定義したとおりである)で示されるものである。
【0045】
しかし、より好ましくは、先の式(14)で示される化合物において、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【0046】
【化18】

【0047】
(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【0048】
【化19】

【0049】
(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【0050】
【化20】

【0051】
(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、あるいは
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【0052】
【化21】

【0053】
(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す。
【0054】
式(14)で示される最も好ましい化合物は、
1が、水素、C1〜C4アルコキシ、特にメトキシ、またはSO3Hを表し、
2が、SO3HまたはCO2Hを表し、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、カップリング成分A1が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミン、バルビツル酸、シアノイミノバルビツル酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、シトラジン酸、式(5)もしくは(7)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示される化合物、サリチル酸、メチルサリチル酸、フェノール、またはメチルフェノールから誘導され、そしてカップリング成分A2が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミンから誘導され、この場合、式(2)において、X1が、好ましくはメチルを表し、X2が、好ましくは、SO3Hで一置換されているか、もしくは特に、SO3H、メチル、およびメトキシで三置換されたフェニルを表すか、またはA2が、式(5)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールから誘導されるものである。
【0055】
式(1)で示される化合物の第3の好ましい種類は、式(15):
【0056】
【化22】

【0057】
(式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、先の式(1)に関して定義したとおりである)で示されるものである。
【0058】
しかし、より好ましくは、先の式(15)で示される化合物において、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【0059】
【化23】

【0060】
(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【0061】
【化24】

【0062】
(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【0063】
【化25】

【0064】
(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、あるいは
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【0065】
【化26】

【0066】
(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す。
【0067】
式(15)で示される最も好ましい化合物は、
1が、水素またはC1〜C4アルコキシ、特に水素を表し、
2が、SO3HまたはCO2H、特にSO3Hを表し、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、カップリング成分A1が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミン、バルビツル酸、シアノイミノバルビツル酸、トリアミノピリミジン、シトラジン酸、式(5)もしくは(7)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示される化合物、サリチル酸、メチルサリチル酸、フェノール、またはメチルフェノールから誘導され、そしてカップリング成分A2が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミンから誘導され、この場合、式(2)において、X1が、好ましくはメチルを表し、X2が、好ましくはSO3Hで一置換されているか、もしくは特に、SO3H、メチル、およびメトキシで三置換されたフェニルを表すか、またはA2が、式(5)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールから誘導されるものである。
【0068】
式(1)で示される化合物の第4の好ましい種類は、式(16):
【0069】
【化27】

【0070】
(式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、先の式(1)に関して定義したとおりである)で示されるものである。
【0071】
しかし、より好ましくは、先の式(16)で示される化合物において、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【0072】
【化28】

【0073】
(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【0074】
【化29】

【0075】
(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【0076】
【化30】

【0077】
(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、または
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【0078】
【化31】

【0079】
(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す。
【0080】
式(16)で示される最も好ましい化合物は、
1が、水素またはC1〜C4アルコキシ、特に水素を表し、
2が、SO3HまたはCO2H、特にSO3Hを表し、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、カップリング成分A1が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミン、バルビツル酸、シアノイミノバルビツル酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、シトラジン酸、式(5)もしくは(7)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示される化合物、サリチル酸、メチルサリチル酸、フェノール、またはメチルフェノールから誘導され、そしてカップリング成分A2が、式(2)で示されるアセトアセチル化アミンから誘導され、この場合、式(2)において、X1が、好ましくはメチルを表し、X2が、好ましくは、SO3Hで一置換されているか、もしくは特にSO3H、メチル、およびメトキシで三置換されたフェニルを表すか、またはA2が、式(5)(式中、R4は、C1〜C4アルキル、特にメチルを表し、R5は、水素またはSO3Hを表し、そしてR6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールから誘導されるものである。
【0081】
先の式および基(1)〜(16)の定義の範囲内で、C1〜C4アルキル基は、分枝状または非分枝状の、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、または2−エチルヘキシルであってよい。同様に、C1〜C8アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、2−エチルブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、1−メチルペントキシ、1,3−ジメチルブトキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチルヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ、1−メチルヘプチルオキシ、3−メチルヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、または2−エチルヘキシルオキシであってよい。そのようなアルキルまたはアルコキシ基が、置換されている場合、適切な置換基が、代表的には、1または2個の、ヒドロキシ、SO3H、カルボキシ、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ置換C1〜C4アルコキシ、フェニル、またはフェノキシ基を含んでいてよい。この種の適切な基には、ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシイソプロピル、エトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシペンチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−メチル−2−フェニルエチル、1−イソブチル−3−フェニルプロピル、または1−メチル−2−フェノキシエチルを含んでいてよい。
【0082】
先の式および基の中のハロゲンは、ヨウ素、臭素、フッ素、または特に塩素である。
【0083】
式(4)および(5)で示される誘導体において、R4が、C2〜C4アルケニルを表す場合、これは、例えば、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、またはイソブテニルであってよい。
【0084】
式(2)で示されるアセトアセチル化アミンにおいて、X2が、1〜3個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環を表し、該複素環がベンゾ環付加されていてもよい場合、これらは、例えば、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−、5−もしくは6−イル、ベンゾチアゾール−2−、5−もしくは6−イル、ベンゾイミダゾロン−5−イル、ピリダ−2−、3−もしくは4−イル、キノリン−2−、4−、5−もしくは6−イル、または1,3,5−トリアジン−2−イル基であってよい。
【0085】
本発明の式(1)で示される染料を、公知の方法、例えば、式(17):
【0086】
【化32】

【0087】
(式中、R1、R2、R3およびR3aは、式(1)に関して定義したとおりである)で示されるジアミノベンズアニリド誘導体をテトラゾ化し、そして式A1HまたはA2Hで示されるカップリング成分とカップリングさせ、続けて式A2HまたはA1Hで示されるカップリング成分とカップリングさせる逐次カップリングにより製造してもよく、A1およびA2は、式(1)に関して定義したとおりである。
【0088】
このような逐次カップリング反応は、過去に説明されている(例えばUS5,545,725を参照)。しかし、最初のカップリング反応を、pH値2〜5、特に2.5〜4で実施するのが有利であるが、次のカップリング反応は、pH値5〜9、好ましくは6〜8で実施する。
【0089】
カップリング成分A1HおよびA2Hは、公知の化合物であるか、または公知の方法により製造してもよいが、式(14)で示されるジアミノベンズアニリドの幾つかは新規のものである。したがって、本発明の更なる態様は、式(18):
【0090】
【化33】

【0091】
で示される化合物、好ましくは、4,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸または3,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸;2−メトキシ−4−ニトロアニリン−5−スルホン酸と適切なハロゲン化ニトロベンゾイル、好ましくは、塩化m−またはp−ニトロベンゾイルとの反応、そして得られたジニトロベンズアニリドの公知の方法での、続けての還元によるそれの製造方法;ならびに式(1)で示される適切な化合物の製造のための式(18)で示される化合物の使用である。
【0092】
本発明の染料は、天然もしくは合成材料(例えば、セルロース系材料、ポリアミドなどのカルボンアミド基含有材料)、皮革、またはガラス繊維を染色するのに用いることができるが、紙の染色に特に有用である。それらは、好ましくは固形または液状の製品形態として用いられる。
【0093】
粉末形態または顆粒状形態の染料は、特にバッチ式パルプ染色において用いられ、その場合、染料混合物は、通常、原液の形態で、パルパー、ビーター、または混合チェストの中で添加される。染料の他に、増量剤、例えば、可溶化剤としての尿素、デキストリン、グラウバー塩、塩化ナトリウム、ならびに分散剤、防塵剤、およびリン酸四ナトリウムのような金属イオン封鎖剤を更に含んでいてもよい染料調合物を用いることが好ましい。
【0094】
したがって、本発明は、式(1)で示される化合物、および場合により更なる助剤を含む、紙を染色するための固形染色調合物を更に提供する。
【0095】
近年、染料の水性濃厚溶液の使用が、粉末形態の染料と比較した場合のそのような溶液が有する長所のために、重要性を増してきている。溶液の使用により、粉塵の生成に伴なう困難な問題が回避され、使用者は、時間がかかり、そしてしばしば困難な、染料粉末を水に溶解することから解放される。紙の連続染色法の開発により、濃厚溶液の使用は促進されたが、そのような方法では、濃厚溶液を計量しながらパルプの流れに直接供給するか、あるいは製紙工程の他の適切な箇所でそれを添加することが好都合であるためである。
【0096】
したがって、本発明は、紙を染色するための、式(1)で示される化合物を、好ましくは5〜30重量%の濃度で含む水性溶液、好ましくは濃厚溶液を更に提供する。その優れた水への溶解性のおかげで、式(1)で示される染料は、そのような溶液の調製に特に適している。
【0097】
濃厚溶液は、好ましくは、低レベルの無機塩を含有し、それは、必要ならば、公知の方法、例えば逆浸透により達成することができる。
【0098】
溶液は、更なる助剤、例えばε−カプロラクタムまたは尿素のような可溶化剤、有機溶剤、例えば、グリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトアミド、アルカノールアミン、またはポリグリコールアミンを含んでいてもよく、それは、本発明の更なる態様である。
【0099】
加えて、本発明の水性染色溶液を、いわゆる噴霧技術を使用して、紙に適用してもよい。
【0100】
本発明の新規な染料は、黄色を主色とする色調に紙を染色し、優れた吸尽率を示し、色強度が高く、安定した水性調合物を得るのに十分な水溶性があり、多量の可溶化剤を必要としない。更に、得られた染色物は、高度の耐ブリード性および耐光堅牢性を示し、平滑面染色すなわち表面染色で、かつ容易に漂白可能である。
【0101】
更に、本発明の新規な染料は、色強度および水溶性が高いため、インクジェットプリント法における使用に適している。
【0102】
したがって、本発明のもう1つの態様は、上記のような固形染料調合物または水性溶液のいずれかの形態の式(1)で示される化合物で染色されている紙である。
【0103】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、限定するものではない。部およびパーセント値は、特に断りない限り重量によるものである。
【0104】
中間体ジアミノベンズアニリドの合成
【0105】
実施例1
【0106】
【化34】

【0107】
p−フェニレンジアミン2−スルホン酸73.5gを、水300gに添加し、そして炭酸ナトリウム約40gを添加した後、溶液が得られるまで紫色の懸濁液を撹拌した。濃塩酸を添加してpHを7.5に調整し、その後、アセトン100ml中の塩化p−ニトロベンゾイル78gの溶液を25〜32℃でゆっくりと添加し、2N水性水酸化ナトリウムを添加してpHを6.7〜7.0に保持した。更に1.5時間撹拌した後、水210mlを添加し、濃塩酸22mlを添加してpHを4.0に調整した。易撹拌性の懸濁液を室温で濾過して、水200mlで洗浄した。その後、フィルターケーキを50℃の水中で撹拌し、すぐに濾過して乾燥させ、4'−アミノ−4−ニトロベンズアニリド3−スルホン酸75gを得た。水1300gと鉄充填物(iron fillings)46.2gと塩化アンモニウム5.8gとの混合物を激しく撹拌しながら加熱して沸騰させ、その後、上記のようにして得られた4'−アミノ−4−ニトロベンズアニリド3−スルホン酸55gで処理した。得られた懸濁液を、95〜100℃で更に1時間撹拌し、次いで室温に冷却した。懸濁液をすぐに濾過し、濾液をHyflo Carcel(商標)5gと一緒に室温で30分間撹拌した。濾過した後、濃塩酸18gを添加して、濾過したばかりの濾液のpHを2.0に調整し、白色沈殿を濾過して、乾燥させた。式(100a)で示される4,4'−ジアミノベンズアニリド5'−スルホン酸39gを得た。
【0108】
実施例2
【0109】
【化35】

【0110】
2−メトキシ−4−ニトロアニリン5−スルホン酸74.5gを、水300gに添加し、炭酸ナトリウム約30gを添加した後、溶液が得られるまで黄橙色の懸濁液を撹拌した。濃塩酸を添加してpHを7.0に調整し、その後、アセトン75ml中の塩化p−ニトロベンゾイル60gの溶液を28℃未満でゆっくりと添加し、2N水性水酸化ナトリウムを添加してpHを6.7〜7.0に保持した。更に2時間撹拌した後、水650gを添加し、2N水性塩酸を添加してpHを4.0に調整した。易撹拌性の懸濁液を濾過し、フィルターケーキを水200mlで洗浄して、吸引して水気を除去した。湿フィルターケーキ391gを得て、それを次の工程で直接使用した。水1000gと鉄充填物60gと塩化アンモニウム7.6gとの混合物を、激しく撹拌しながら加熱して沸騰させ、その後、上記のようにして得られた湿フィルターケーキ145gで処理した。得られた懸濁液を、90〜95℃で更に2時間撹拌し、次いで水700gを添加した。懸濁液をすぐに濾過し、濾液をHyflo Supercel(商標)10gと一緒に85℃で30分間撹拌した。濾過した後、濃塩酸24gを添加して、濾過したばかりの濾液のpHを3.8に調整し、白色沈殿を濾過して、乾燥させた。式(100b)で示される4,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸34.3gを得た。
【0111】
実施例3〜10
実施例1または2に記載した手順に従い、適切な出発材料を用いて、次の表1にまとめたとおりの、以下のベンズアニリドを得ることができた。
【0112】
【表1】

【0113】
染料の合成
【0114】
実施例11
【0115】
【化36】

【0116】
式(100a)で示される化合物3.1gを水50gと濃塩酸5.7gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液4.75mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、その後、2Nスルファミン酸0.3mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られたベージュ色の懸濁液を水60gで希釈し、その後、5−アミノ−3−メチル−1−(3−スルホフェニル)ピラゾールの総量2.4gを分割して5℃で処理し、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で13.7ml添加してpHを3.6〜4.0に保持した。その後、得られたモノアゾ懸濁液を、水50gとジメチルホルムアミド50gとに溶解した5−アミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール1.7gの溶液に、70分間かけてゆっくり添加し、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で11.9ml添加してpHを6.5に保持した。室温で更に1.5時間撹拌した後、イソプロパノール50mlおよび塩化ナトリウム30gを添加して、混合物を1時間撹拌し、得られた黄褐色懸濁液を濾過した。乾燥させた後、式(101)で示される化合物6.7gを得た。
【0117】
実施例12
【0118】
【化37】

【0119】
式(100a)で示される化合物3.1gを水50gと濃塩酸5.7gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液4.75mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、その後、2Nスルファミン酸0.3mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られたベージュ色の懸濁液を水60gで希釈し、その後、5−アミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール1.75gで処理し、反応を5℃で2.5時間継続させ、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で15.9ml添加してpHを3.8〜4.0に保持した。その後、得られたモノアゾ懸濁液を、水50gとジメチルホルムアミド50gとに溶解した3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸3.0gの溶液に、2.5時間かけてゆっくり添加し、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で7ml添加してpHを6.8に保持した。30〜35℃で更に1.5時間撹拌した後、イソプロパノール75mlおよび塩化ナトリウム45gを添加して、得られた黄色懸濁液を濾過した。乾燥させた後、式(102)で示される化合物6.8gを得た。
【0120】
実施例13
【0121】
【化38】

【0122】
式(100a)で示される化合物3.1gを、水50gと濃塩酸5.7gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液4.75mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、その後、2Nスルファミン酸0.3mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られたベージュ色の懸濁液を水60gで希釈し、その後、バルビツル酸1.2gで処理した。4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で5.1ml添加してpHを2.5に上げ、その後、pH2.3〜2.5で3時間保持した。その後、得られたモノアゾ懸濁液を、水100gに溶解した3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸3.5gの溶液に、1.5時間かけてゆっくり添加し、4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で5.4ml添加してpHを6.5に保持した。室温で更に2.5時間撹拌した後、イソプロパノール75mlおよび塩化ナトリウム15gを添加して、室温で短時間撹拌した後、得られた黄赤色懸濁液を濾過した。乾燥させた後、式(103)で示される化合物7.1gを得た。
【0123】
実施例14
【0124】
【化39】

【0125】
式(100a)で示される化合物3.1gを、水50gと濃塩酸5.7gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液4.75mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、その後、2Nスルファミン酸0.3mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られたベージュ色の懸濁液を濾過し、湿プレスケーキを水110mlに懸濁させた。3−メチル−1−フェニルピラゾ−2−オン1.75gを添加して、pHを3.7に上げた。温度を10℃から30℃に段階的に上昇させながら、4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で2.5ml添加してpHを3.5〜4.0に保持した。全体として3.5時間撹拌した後、カップリング反応を完了させた。その後、得られたモノアゾ懸濁液に、ジメチルホルムアミド50g、次いで、3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸3.5gを添加した。4N水性水酸化ナトリウム溶液を更に2.7ml添加してpHを7.0〜7.5に調整し、この値を保持した。室温で更に2時間撹拌した後、塩化ナトリウム20gを添加して、混合物を室温で1時間撹拌し、得られた黄色懸濁液を濾過した。乾燥させた後、式(104)で示される化合物5.5gを得た。
【0126】
実施例15
【0127】
【化40】

【0128】
式(100a)で示される化合物3.1gを、水50gと濃塩酸5.7gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム水溶液4.75mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、その後、2Nスルファミン酸0.3mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られたベージュ色の懸濁液を濾過し、湿プレスケーキを水110mlに懸濁させた。サリチル酸1.4gを添加して、pHを3.0〜3.3に上昇させた。2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で4.9ml添加してpHを3.0〜3.5に保持した。室温で、全体として2.5時間撹拌した後、カップリング反応を完了させた。その後、得られたモノアゾ懸濁液に、3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸3.5gを添加した。2N水性水酸化ナトリウム溶液を更に4.9ml添加してpHを6.5に調整し、この値を保持した。室温で更に3.5時間撹拌した後、塩化ナトリウム10gおよびイソプロパノール15mlを添加し、pHを8.5に上げ、得られた黄褐色懸濁液を濾過した。乾燥させた後、式(105)で示される化合物5.2gを得た。
【0129】
実施例16〜116
適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表2にまとめたとおりの、式(19)で示される化合物を得た。
【0130】
【化41】

【0131】
【表2】















【0132】
実施例124
【0133】
【化42】

【0134】
実施例2に記載されたとおりに製造した、式(100b)で示される4,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸4.5gを水50gと濃塩酸7.6gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム水溶液5.7mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、2N水性スルファミン酸溶液0.8mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られた黄色の懸濁液を水60gで希釈し、5−アミノ−3−メチル−1−(3−スルホフェニル)ピラゾール2.9gで、5℃で処理し、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で27.4ml添加して、pHを最初3.5に上げ、3.0〜3.5に保持した。2.5時間撹拌した後、最初のカップリング反応を完了させた。得られたモノアゾ懸濁液を、ジメチルホルムアミド50g中の3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸4.0gに、30℃で2.5時間かけてゆっくり添加し、4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で7.3ml添加してpHを6.8〜7.0に保持した。30℃で1.5時間撹拌した後、塩化ナトリウム35gおよびイソプロパノール50gを添加し、混合物を一晩撹拌して、沈殿した固体を濾過した。乾燥させた後、式(214)で示される化合物10.2gを得た。
【0135】
実施例125
【0136】
【化43】

【0137】
実施例2に記載されたとおりに製造した、式(100b)で示される4,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸4.5gを、水50gと濃塩酸7.6gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液5.7mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、2N水性スルファミン酸溶液0.8mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られた黄色の懸濁液を、水100g中の3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸7.7gの溶液に、5℃で30分かけて添加し、2N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で22.6ml添加することにより、pHを最初3.8に調整して3.8〜4.0に保持した。次に、2N水性水酸化ナトリウム溶液を更に10.1ml添加してpHを6.8〜7.4に上げ、温度を25〜40℃に上昇させた。全部で3時間撹拌した後、塩化カリウム45gおよびイソプロパノール50gを添加して、沈殿した固体を濾過した。乾燥させた後、式(215)で示される化合物12.9gを得た。
【0138】
実施例126
【0139】
【化44】

【0140】
実施例2に記載されたとおりに製造した、式(100b)で示される4,4'−ジアミノ−2'−メトキシベンズアニリド5'−スルホン酸2.1gを、水50gと濃塩酸7.6gとに懸濁させ、次いで、4N水性亜硝酸ナトリウム溶液5.7mlで、0〜5℃で1時間かけて処理した。混合物を更に1時間撹拌し、2N水性スルファミン酸0.8mlを添加して過剰の亜硝酸塩を分解した。得られた黄色の溶液を、5−アミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾールで、5℃で処理し、4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で3.1ml添加することにより、pHを最初3.0に上げて2.5〜3.0に保持した。2.5時間撹拌した後、ゆっくり20℃に加温し、最初のカップリング反応を完了させた。得られたモノアゾ懸濁液に、3−アセトアセチルアミノ−4−メトキシトルエン6−スルホン酸1.7gを添加し、4N水性水酸化ナトリウム溶液を総量で2.2ml添加することによりpHを6.5に上げ6.0〜7.5に保持した。20〜40℃で3時間撹拌した後、反応を完了させて、沈殿した固体を濾過した。乾燥させた後、式(216)で示される化合物5.4gを得た。
【0141】
実施例127〜198
適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例124〜126に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表3にまとめたとおりの、式(20)で示される化合物を得た。
【0142】
【化45】

【0143】
【表3】











【0144】
実施例199〜217
式(100a)で示される化合物を、式(100c)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表4にまとめたとおりの、式(21)で示される化合物を得た。
【0145】
【化46】

【0146】
【表4】



【0147】
実施例218〜236
式(100b)で示される化合物を、式(100d)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例124〜126に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表5にまとめたとおりの、式(22)で示される化合物を得た。
【0148】
【化47】

【0149】
【表5】



【0150】
実施例237〜255
式(100a)で示される化合物を、式(100e)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表6にまとめたとおりの、式(23)で示される化合物を得た。
【0151】
【化48】

【0152】
【表6】



【0153】
実施例256〜274
式(100a)で示される化合物を、式(100f)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表7にまとめたとおりの、式(24)で示される化合物を得た。
【0154】
【化49】

【0155】
【表7】



【0156】
実施例275〜286
式(100a)で示される化合物を、式(100g)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表8にまとめたとおりの、式(25)で示される化合物を得た。
【0157】
【化50】

【0158】
【表8】

【0159】
実施例287〜298
式(100a)で示される化合物を、式(100h)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表9にまとめたとおりの、式(26)で示される化合物を得た。
【0160】
【化51】

【0161】
【表9】

【0162】
実施例299〜365
式(100a)で示される化合物を、式(100i)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表10にまとめたとおりの、式(27)で示される化合物を得た。
【0163】
【化52】

【0164】
【表10】









【0165】
実施例366〜436
式(100a)で示される化合物を、式(100j)で示される化合物に置き換えたこと、および適切なカップリング成分を用いたこと以外は、実施例11〜15に記載したのと同様の方法で進行させることにより、次の表11にまとめたとおりの、式(28)で示される化合物を得た。
【0166】
【化53】

【0167】
【表11】











【0168】
適用例
【0169】
実施例437−填料を含まず未サイジング
長い繊維のトウヒ晒亜硫酸パルプ繊維50%と短い繊維のブナ晒亜硫酸パルプ繊維50%とからなる混合物を、2%懸濁液として脱イオン水に懸濁させて、離解し、22°SR(Schopper Riegler)まで叩解した。遠心分離により脱水して乾重量を確認した後、乾燥繊維10gに相当する量をビーカーに入れて、水道水を加えて容量500mlにした。1時間撹拌した後、5g/l水性溶液としての式(101)で示される化合物を、乾燥繊維の重量を基準に0.42%、完成紙料懸濁液に添加して、更に15分間撹拌を続けた。懸濁液を水で700mlにして、Lhomargyシートフォーマーを用いて、得られた懸濁液300mlから手すき紙を作製した。90℃のシリンダー上で12分間乾燥させた後、水、ソーダ、および酢酸に対する優れた耐ブリード堅牢性、そして良好な耐光堅牢性を示す緑黄色の染色物を得た。染色物からのバックウォーターはほとんど無色で、吸尽率は、92〜94%に及んだ。
【0170】
実施例438
式(101)で示される化合物の代わりに、色濃度標準0.2の染色を得るのに十分な量の適切な染料を用いて、実施例437に記載した手順を繰り返した。各染料の吸尽率を算出し、その結果を次の表12にまとめた。
【0171】
【表12】

【0172】
上記結果から、試験した染料の優れた吸尽率と、そして全ての例で、バックウォーターがほとんど無色であることが実証された。
【0173】
実施例456−填料を含む中性サイジング
長い繊維のトウヒ晒亜硫酸パルプ繊維50%と短い繊維のブナ晒亜硫酸パルプ繊維50%とからなる混合物を、2%懸濁液として脱イオン水に懸濁させて、離解し、35°SR(Schopper Riegler)まで叩解した。遠心分離により脱水して乾重量を確認した後、乾燥繊維10gに相当する量および乾燥チョーク填料2gをビーカーに入れて、水道水を加えて容量500mlにした。1時間撹拌した後、5g/l水性溶液としての式(101)で示される化合物を、乾燥繊維の重量を基準に0.78%、完成紙料懸濁液に添加して、更に15分間撹拌を続けた。その後、アルキルケテンダイーマーサイズ剤2%を添加し、懸濁液を30分間撹拌して、定着剤0.05%を添加し、懸濁液を更に5分間、激しく撹拌した。懸濁液を水で700mlにして、Lhomargyシートフォーマーを用いて、得られた懸濁液300mlから手すき紙を作製した。90℃のシリンダー上で12分間乾燥させた後、優れた堅牢値を示す緑黄色の染色物を得た。染色物からのバックウォーターは薄く着色しているだけであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化54】


〔式中、
1は、水素、置換もしくは非置換のC1〜C8アルキル、置換もしくは非置換のC1〜C8アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3およびR3aは、それぞれ、他とは独立に、水素、置換されていても非置換であってもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のC1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルとその各残基を表し、
1およびA2は、他とは独立に、
式(2):
【化55】


(式中、
1は、C1〜C4アルキル、あるいは非置換であるか、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、もしくはハロゲンにより一置換されたフェニルを表し、そして
2は、非置換であるか、あるいは1もしくは2個のSO3H、アルキル基が置換されていてもよいSO2NHC1〜C4アルキル基、SO21〜C4アルキル、置換もしくは非置換のC1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、CF3、NH2、NHCOC1〜C4アルキル、NHCOOC1〜C4アルキル、NHCONHC1〜C4アルキル、CO2H、CONHC1〜C4アルキル、またはNO2により一置換、二置換または三置換されたフェニル;非置換であるか、あるいは1もしくは2個の、SO3H、SO2NHC1〜C4アルキル、カルボキシ、CONHC1〜C4アルキル、カルボキシC1〜C4アルキル、またはカルボキシアリール基により置換された1−または2−ナフチル残基;あるいは1〜3個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環を表し、該複素環はベンゾ環付加されていてもよく、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはハロゲンで更に置換されていてもよく、そしてベンゾ環付加された複素環式化合物の場合、該複素環はへテロ核またはベンゼン核のいずれかを介して式(2)のNH原子に結合していてもよい)で示されるアセトアセチル化アミン;
式(3):
【化56】


(式中、Yは、O、NCN、またはNCONH2を表す)で示されるバルビツル酸の誘導体;
2,4,6−トリアミノピリミジン誘導体;
式(4):
【化57】


(式中、
1は、水素、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、ヒドロキシエチル、2−(C1〜C2アルコキシ)アルキル、C1〜C2アルコキシ、COOH、CONH2、またはCOOC1〜C2アルキルを表し、
2は、水素、CN、CONH2、ハロゲン、SO3H、あるいは非置換であるかまたはヒドロキシ、フェニル、もしくはSO3Hで置換されたC1〜C2アルキルを表し、
3は、水素、フェニル、C1〜C2アルキルフェニル、シクロヘキシル、あるいは非置換であるかまたはヒドロキシ、CN、C1〜C2アルコキシ、もしくはSO3Hで置換されたC1〜C4アルキルを表し、そして
4は、水素またはヒドロキシを表す)で示されるピリドン誘導体;
式(5)、(6)、(7)、または(8):
【化58】


(式中、
4は、水素、それぞれ置換または非置換の、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、NHCOC1〜C4アルキル、もしくはCO2Hを表し、
5およびR6は、他とは独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【化59】


(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、あるいは
1およびA2は、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【化60】


(式中、
9およびR10は、それぞれ、他とは独立に、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、NH2、NHCOC1〜C4アルキル、NO2、SO3H、CO21〜C4アルキル、またはCONHC1〜C4アルキル基を表す)で示されるフェノール残基を表す〕で示される化合物(但し、式(13):
【化61】


で示される化合物において、
1、R2、R3およびR3aが、それぞれ、他とは独立に、水素、またはSO3Hである場合、A1およびA2は、両者とも1−フェニル−もしくは1−スルホフェニル−3−メチル−5−アミノピラゾール残基でないか、あるいは
1、R2、R3およびR3aが、水素を表し、そしてA1が、式(9)(式中、R7は、水素またはメチルを表す)で示される残基である場合、A2は、1−フェニル−もしくは1−スルホフェニル−3−メチルもしくは3−カルボキシピラゾール−5−オン残基を表さないか、あるいは
1、R3およびR3aが、水素であり、R2が、SO3Hであり、そしてA1およびA2の一方が、1−スルホフェニル−3−メチルピラゾール−5−オン残基を表す場合、他方は、式(11)(式中、R9およびR10は、両者とも水素である)で示される残基でないか、または
1が、1−ニトロフェニル−、1−フェニル−もしくは非置換の3−メチルピラゾール−5−オン残基を表す場合、A2は、式(9)(式中、R7は、水素を表す)で示される残基でないか、あるいは
1、R3およびR3aが、水素を表し、R2が、CO2Hであり、そしてA1が、式(9)(式中、R7は、水素である)で示される残基を表す場合、A2は、式(2)もしくは式(7)で示される残基ではなく;
式(14):
【化62】


で示される化合物において、
2が、CO2Hを表し、R3が、ヒドロキシまたはメトキシを表し、そしてR3aが、水素を表す場合、A1およびA2は、式(2)または(7)で示される残基を表さず、そして
式(16):
【化63】


で示される化合物において、
2が、SO3Hを表し、そしてR3およびR3aが、両者とも水素を表す場合、A1およびA2は、両者とも2,4−ジヒドロキシフェニルでないことを条件とする)。
【請求項2】
総数で2、3または4個のSO3Hおよび/またはCO2H基を含有する、請求項1記載の式(1)で示される化合物。
【請求項3】
請求項1または2記載の式(13):
【化64】


〔式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C8アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2が、請求項1で定義したとおりである〕で示される化合物。
【請求項4】
請求項3記載の式(13)で示される化合物であって、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【化65】


(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(4):
【化66】


(式中、
1は、C1〜C2アルキルを表し、
2は、CN、CONH2、またはCH2SO3Hを表し、
3は、C1〜C2アルキルを表し、そして
4は、ヒドロキシを表す)で示されるピリドン誘導体;
式(5)または(7):
【化67】


(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【化68】


(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、または
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【化69】


(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す化合物。
【請求項5】
請求項1または2記載の式(14):
【化70】


〔式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、請求項1で定義したとおりである〕で示される化合物。
【請求項6】
請求項5記載の式(14)で示される化合物であって、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【化71】


(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【化72】


(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【化73】


(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、または
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【化74】


(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す化合物。
【請求項7】
請求項1または2記載の式(15):
【化75】


〔式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、請求項1で定義したとおりである〕で示される化合物。
【請求項8】
請求項7記載の式(15)で示される化合物であって、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、
式(2):
【化76】


(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【化77】


(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【化78】


(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、または
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【化79】


(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す、請求項7記載の式(15)で示される化合物。
【請求項9】
請求項1または2記載の式(16)
【化80】


〔式中、
1は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、またはSO3Hを表し、
2は、SO3HまたはCO2Hを表し、
3は、水素、C1〜C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、カルボキシ、NH2、またはNHC1〜C4アルキルを表し、
3aは、水素またはNH2を表し、そして
1およびA2は、請求項1で定義したとおりである〕で示される化合物。
【請求項10】
請求項9記載の式(16)で示される化合物であって、
3およびR3aが、両者とも水素を表し、そして
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、式(2):
【化81】


(式中、
1は、C1〜C4アルキルを表し、そして
2は、非置換であるか、またはSO3H、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、もしくはCO2Hにより一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルを表す)で示されるアセトアセチル化アミン;
バルビツル酸もしくはシアノイミノバルビツル酸;
2,4,6−トリアミノピリミジン;
シトラジン酸;
式(5)または(7):
【化82】


(式中、
4は、C1〜C4アルキルまたはCO2Hを表し、
5は、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、SO3H、またはCO2Hを表し、そして
6は、水素を表す)で示されるアミノピラゾールもしくはピラゾロン誘導体;および
式(9)または(10):
【化83】


(式中、
7は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、そして
8は、水素またはヒドロキシを表す)で示される安息香酸誘導体、
からなる群から選択されるカップリング成分から誘導されるか、または
1およびA2が、それぞれ、他とは独立に、式(11)または(12):
【化84】


(式中、
9は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、またはSO3Hを表し、そして
10は、水素を表す)で示されるフェノール残基を表す化合物。
【請求項11】
式(17):
【化85】


(式中、R1、R2、R3およびR3aは、請求項1で定義したとおりである)で示されるジアミノベンズアニリド誘導体をテトラゾ化し、式A1HまたはA2Hで示されるカップリング成分とカップリングさせ、続けて式A2HまたはA1Hで示されるカップリング成分とカップリングさせる逐次カップリング(A1およびA2は、請求項1で定義したとおりである)による、請求項1記載の式(1)で示される化合物の製造方法。
【請求項12】
式(18):
【化86】


で示される化合物。
【請求項13】
2−メトキシ−4−ニトロアニリン−5−スルホン酸を、適切なハロゲン化ニトロベンゾイルと反応させ、続けて、得られたジニトロベンズアニリドを還元することによる、請求項12記載の式(18)で示される化合物の製造方法。
【請求項14】
請求項1記載の式(1)で示される適切な化合物の製造のための、請求項12記載の式(18)で示される化合物の使用。
【請求項15】
天然または合成材料を染色するための、請求項1記載の式(1)で示される化合物の使用。
【請求項16】
請求項1記載の式(1)で示される化合物、および場合により更なる助剤を含む、紙を染色するための固形染料調合物。
【請求項17】
請求項1記載の式(1)で示される化合物、および場合により更なる助剤を含む、紙を染色するための水性溶液。
【請求項18】
更なる助剤として、可溶化剤および/または有機溶剤を含有する、請求項17記載の水性溶液。
【請求項19】
請求項16記載の固形染料調合物形態または請求項17記載の水性溶液形態の、請求項1記載の式(1)で示される化合物で染色されている紙。

【公開番号】特開2011−140654(P2011−140654A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−40459(P2011−40459)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【分割の表示】特願2004−511397(P2004−511397)の分割
【原出願日】平成15年5月27日(2003.5.27)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】