説明

黄色ブドウ球菌(STAPHYLOCOCCUSAUREUS)抗原の免疫原性組成物

本発明は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)から得られるポリペプチドおよび多糖を含む免疫原性組成物に関する。本発明はまた、担体タンパク質にコンジュゲートした黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)被膜多糖を含む免疫原性組成物に関する。さらに、本発明は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のポリペプチドおよび被膜多糖の免疫原性組成物を用いて、対象において黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する免疫応答を誘発する方法に関する。
【図1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2009年6月22日に出願された米国仮特許出願第61/219,134号の優先権を主張するものであり、該出願の全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)から単離されたポリペプチドおよび莢膜多糖を含む免疫原性組成物に関する。さらに、本発明は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ポリペプチドおよび莢膜多糖の免疫原性組成物を用いる、対象において黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する免疫応答を誘発する方法に関する。得られた抗体はまた、受動免疫療法を介して黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染を治療または予防するために用いることができる。
【背景技術】
【0003】
ヒトは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(S.aureus)の自然宿主である。健康な個体は、持続的に(10〜35%)、断続的に(20〜75%)、皮膚上、鼻孔内および喉内に、黄色ブドウ球菌(S.aureus)によってコロニー形成されている可能性があるか、または関連疾患を有さない非保菌状態(5〜70%)である可能性がある。Vandenberghら、J.Clin.Micro.37:3133〜3140(1999)を参照されたい。手術の間、留置カテーテルもしくは他の装置の設置、外傷、または創傷など、個体が免疫バリアの破損に起因して免疫不全となると、疾患が続いて生じる。その結果生じた黄色ブドウ球菌(S.aureus)感染は、軽度の皮膚感染から心内膜炎、骨髄炎、菌血症、敗血症、および高死亡率を伴う他の形態の疾患にわたる、広範な異なる疾患を生じさせ得る。大型のヒト宿主は、適合型の病原性クローン型の進化および蔓延の機会を増強させる。
【0004】
グラム陽性球菌である黄色ブドウ球菌(S.aureus)および表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)からの侵襲性のブドウ球菌感染は、世界中で増大している公衆衛生問題であるため、特に懸念されている。具体的には、黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、ほとんどの院内(院内で起こる)感染の原因であり、公衆発生型感染におけるその有病率は増大している。例えば、侵襲性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)(MRSA)の発生は、2005年の米国における18650人の死亡を含めて、10万人当たり31.8人と推定された。Klevens R.M.ら、JAMA、298:1763〜71(2007)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブドウ球菌疾患は、ここ20年間で劇的に増大しており、この増大は、静脈内装置および侵襲的手段の使用と並行する形である。疾患の発生のこの上昇は、抗生物質耐性が並行して生じるため、より厄介となり、したがって、ワクチンにおいて用いるための、またはブドウ球菌感染および関連疾患を予防もしくは治療するための手段として受動免疫をもたらすためのポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体を誘導するための、免疫原性組成物が緊急に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ブドウ球菌細菌から単離された少なくとも3つの抗原を含む、多抗原免疫原性組成物または多成分免疫原性組成物を対象とする。抗原は、ポリペプチドおよび多糖であるが、とりわけ、当業者に知られている単離手順を用いて細菌から直接的に得られ得るか、またはこれらの抗原は、合成プロトコルを用いて生産され得るか、またはこれらの抗原は、同様に当業者に知られている遺伝子操作手順を用いて組換えによって生産され得るか、または、前述のいずれかの組み合わせを介して生産され得る。特定の実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)、および単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質から選択される、3つ以上の抗原を含む。さらに、本発明は、ブドウ球菌細菌に対する免疫応答を誘発するための方法、ブドウ球菌細菌により生じる疾患を予防するため、疾患の重症度を低減させるため、または疾患の発生を遅延させるための方法、およびブドウ球菌細菌での感染によって生じる疾患の少なくとも1つの症候を予防するため、症候の重症度を低減させるため、または症候の発生を遅延させるための方法を提供する。
【0007】
したがって、1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0008】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0009】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0010】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0011】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0013】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、および単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0014】
1つの実施形態において、本発明は、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型(CP8)を含む、免疫原性組成物を提供する。
【0015】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、単離されたClfAポリペプチド断片を包含し、ClfAポリペプチド断片は、ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfAポリペプチド断片は、ClfAのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfAポリペプチド断片は、ClfAのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfAフィブリノーゲン結合ドメインを含有する組成物は、フィブリノーゲンに対する低減した結合を示す。1つの実施形態において、ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインは、フィブリノーゲンとClfAの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルで、フィブリノーゲンに結合する。1つの実施形態において、ClfAフィブリノーゲン結合ドメインを含有する組成物は、フィブリノーゲンに対する低減した結合を示し、シグナル配列を含有する完全長タンパク質のTyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ClfAフィブリノーゲン結合ドメインを含有する組成物は、Tyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を示し、これらの位置のいずれか1つまたは複数にあるアミノ酸は、AlaまたはSerに変化している。1つの実施形態において、組成物は、338位のTyrがAlaに変化している、ClfAフィブリノーゲン結合ドメインを含む。
【0016】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、単離されたClfBポリペプチド断片を包含し、ClfBポリペプチド断片は、ClfBのフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfBポリペプチド断片は、ClfBのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfBポリペプチド断片は、ClfBのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインを含む。1つの実施形態において、ClfBフィブリノーゲン結合ドメインを含有する組成物は、フィブリノーゲンに対する低減した結合を示す。1つの実施形態において、ClfBのフィブリノーゲン結合ドメインは、フィブリノーゲンとClfBの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルで、フィブリノーゲンに結合する。
【0017】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、20から1000kDaの間の高分子量多糖である、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型(CP5)を含む。1つの実施形態において、5型の高分子量多糖は、50から300kDaの間の分子量を有する。1つの実施形態において、5型の高分子量多糖は、70から150kDaの間の分子量を有する。
【0018】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、10%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型を含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、50%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型を含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、75%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型を含む。
【0019】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、20から1000kDaの間の高分子量多糖である、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む。1つの実施形態において、8型の高分子量多糖は、50から300kDaの間の分子量を有する。1つの実施形態において、8型の高分子量多糖は、70から150kDaの間の分子量を有する。
【0020】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、10%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、50%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、75%から100%の間でO−アセチル化されている、黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む。
【0021】
1つの実施形態において、免疫原性組成物内に存在する莢膜多糖5および/または8は、担体タンパク質にコンジュゲートしている。1つの実施形態において、担体タンパク質は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)(C.diphtheriae)毒素CRM197である。
【0022】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、脂質化されたタンパク質である、黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCを含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、脂質化されたタンパク質ではない、黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCを含む。
【0023】
1つの実施形態において、本発明は、SdrC、SdrD、およびSdrEからなる群から選択されるセリン−アスパラギン酸反復(Sdr)タンパク質ファミリーの少なくとも1つのタンパク質をさらに含む、本明細書において記載される免疫原性組成物を提供する。
【0024】
1つの実施形態において、本発明は、鉄表面決定基B(IsdB)タンパク質をさらに含む、本明細書において記載される免疫原性組成物を提供する。
【0025】
免疫原性組成物が3つ以上の列挙された抗原を含む、本明細書において記載される実施形態のそれぞれにおいて、該組成物はさらに、他の免疫原性物質および/または非免疫原性物質を含み得る。特定の実施形態において、各免疫原性組成物は、本明細書においてさらに詳細に記載されるように、二者択一的に、3つ以上の列挙された抗原から「原則的に構成され」得るかまたは「構成され」得、1つまたは複数の非免疫原性物質をさらに含む。
【0026】
1つの実施形態において、本発明は、Opp3a、DltD、HtsA、LtaS、IsdA、IsdC、SdrF、SdrG、SdrH、SrtA、SpA、Sbi FmtB、α溶血素(hla)、β溶血素、フィブロネクチン結合タンパク質A(fnbA)、フィブロネクチン結合タンパク質B(fnbB)、コアグラーゼ、Fig、map、パントン・バレンタイン型ロイコシジン(pvl)、α毒素およびその変型、γ毒素(hlg)および変型、ica、免疫優性ABC輸送体、Mg2+輸送体、Ni ABC輸送体、RAP、自己溶解酵素、ラミニン受容体、IsaA/PisA、IsaB/PisB、SPOIIIE、SsaA、EbpS、Sas A、SasF、SasH、EFB(FIB)、SBI、Npase、EBP、骨シアロ結合タンパク質II、アウレオリシン前駆体(AUR)/Sepp1、Cna、ならびにそれらの断片、例えば、M55、TSST−1、mecA、ポリ−N−アセチルグルコサミン(PNAG/dPNAG)エキソ多糖、GehD、EbhA、EbhB、SSP−1、SSP−2、HBP、ビトロネクチン結合タンパク質、HarA、EsxA、EsxB、エンテロトキシンA、エンテロトキシンB、エンテロトキシンC1、および新規な自己溶解酵素という抗原のいずれか1つをさらに含む、本明細書において記載される免疫原性組成物を提供する。本発明の特定の実施形態において、免疫原性組成物が特定の形態のCP5および/またはCP8を含む場合、これはPNAGをさらに含まない可能性がある。
【0027】
1つの実施形態において、免疫原性組成物はさらにアジュバントを含む。1つの実施形態において、免疫原性組成物はさらに薬学的に許容できる担体を含む。
【0028】
1つの実施形態において、免疫原性組成物は、ワクチンを製剤するために用いられる。1つの実施形態において、ワクチンは、対象において黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対する免疫応答を誘発するために用いられる。1つの実施形態において、免疫原性組成物は、対象に受動免疫をもたらすための抗体製剤を生成するために用いられる。
【0029】
1つの実施形態において、本発明は、免疫原性量の本明細書において記載される免疫原性組成物のいずれかおよび薬学的に許容できる担体を対象に投与することを含む、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対する免疫応答を誘発する方法を提供する。
【0030】
1つの実施形態において、本発明は、黄色ブドウ球菌(S.aureus)での感染を予防するかもしくは低減させる方法、または黄色ブドウ球菌(S.aureus)により生じる感染に関連する少なくとも1つの症候の重症度を予防するかもしくは低減させる方法を提供し、この方法は、免疫原性量の本明細書において記載される免疫原性組成物のいずれかおよび薬学的に許容できる担体を対象に投与することを含む。
【0031】
1つの実施形態において、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対する免疫応答を誘発するための方法は、免疫原性組成物をアジュバントと共に送達することを含む。1つの実施形態において、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対する免疫応答を誘発するための方法は、免疫原性組成物を薬学的に許容できる担体と共に送達することを提供する。
【0032】
1つの実施形態において、本明細書において記載される免疫原性組成物によって誘発される免疫応答は、対象におけるブドウ球菌生物に関連する疾患もしくは症状を予防するかもしくは低減させるか、または、対象におけるブドウ球菌生物に関連する1つもしくは複数の症候を予防するかもしくは低減させる。1つの実施形態において、疾患は、侵襲性の黄色ブドウ球菌(S.aureus)疾患、敗血症、および保菌からなる群から選択される。
【0033】
1つの実施形態において、誘発される免疫応答は、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対するオプソニン性貪食活性(OPA)を有する抗体の生成を含む。1つの実施形態において、誘発される免疫応答は、免疫化されていない対象において観察されるものと比較して高力価の、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に特異的なオプソニン性貪食抗体の生成を含む。1つの実施形態において、オプソニン性貪食の力価は少なくとも1:20である。
【0034】
1つの実施形態において、免疫応答が誘発される対象である黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、MRSAである。1つの実施形態において、免疫応答が誘発される対象である黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、MSSAである。1つの実施形態において、免疫応答が誘発される対象である黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、VRSAである。1つの実施形態において、免疫応答が誘発される対象である黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、VISAである。
【0035】
1つの実施形態において、本発明は、外科手術を受けている対象におけるブドウ球菌感染を予防する方法を提供し、この方法は、免疫学的に効果的な量の本明細書において記載される免疫原性組成物のいずれかを外科手術の前に対象に投与することを含む。外科手術は、待機的手術または非待機的手術であり得る。1つの実施形態において、外科手術は、心胸郭の外科手術である。1つの実施形態において、対象はヒト、伴侶動物、または家畜動物である。
【0036】
1つの実施形態において、本発明は、(1)本発明の免疫原性組成物を用いて抗体調製物を生成するステップ、および(2)対象に抗体調製物を投与して受動免疫をもたらすステップを含む、対象に受動免疫をもたらす方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0037】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型からなる群から選択される少なくとも3つの成分を含む、免疫原性組成物。
【請求項2】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む、免疫原性組成物。
【請求項3】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチドをさらに含む、請求項2に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質をさらに含む、請求項2または請求項3に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
ClfAポリペプチドまたはClfBポリペプチドが、ClfAまたはClfBのフィブリノーゲン結合ドメインを含むポリペプチド断片である、請求項1から4のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
ClfAポリペプチド断片またはClfBポリペプチド断片が、ClfAまたはClfBのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項5に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
ClfAポリペプチド断片またはClfBポリペプチド断片が、ClfAまたはClfBのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項5に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインが、フィブリノーゲンとClfAの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルでフィブリノーゲンに結合する、請求項5、6、または7のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインが、Tyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を有することを介して、フィブリノーゲンとClfAの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルでフィブリノーゲンに結合する、請求項8に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
Tyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換が、AlaまたはSerへのものである、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
Tyr338がAlaに置換されている、請求項10に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
ClfA、ClfB、またはMntCが組換えによって生産される、請求項1から11のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
莢膜多糖5型が、20から1000kDaの間の高分子量莢膜多糖である、請求項1から12のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
高分子量莢膜多糖5型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項13に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
莢膜多糖5型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から14のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
莢膜多糖5型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から14のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
莢膜多糖5型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から14のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
莢膜多糖8型が、20から1000kDaの間の高分子量莢膜多糖である、請求項1から17のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
高分子量莢膜多糖8型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項18に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
莢膜多糖8型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
莢膜多糖8型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
莢膜多糖8型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項1から19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
担体タンパク質が、ジフテリア菌(C.diphtheriae)毒素CRM197である、請求項1から22のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質が、脂質化されたタンパク質である、請求項1または4から23のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項25】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質が、脂質化されたタンパク質ではない、請求項1または4から23のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項26】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む、免疫原性組成物。
【請求項27】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質をさらに含む、請求項23に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
ClfBポリペプチドが、ClfBのフィブリノーゲン結合ドメインを含むポリペプチド断片である、請求項26または27に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
ClfBポリペプチド断片が、ClfBのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項28に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
ClfBポリペプチド断片が、ClfBのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項28に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
ClfBのフィブリノーゲン結合ドメインが、フィブリノーゲンとClfBの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルでフィブリノーゲンに結合する、請求項28、29および30のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
ClfBタンパク質またはMntCタンパク質が組換えによって生産される、請求項26から31のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
莢膜多糖5型が、20から1000kDaの間の高分子量莢膜多糖である、請求項26から32のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項34】
高分子量莢膜多糖5型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項26から32のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項35】
莢膜多糖5型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から34のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項36】
莢膜多糖5型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から34のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
莢膜多糖5型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から34のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
莢膜多糖8型が、20から1000kDaの間の分子量を有する、請求項26から37のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項39】
莢膜多糖8型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項26から37のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項40】
莢膜多糖8型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から39のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項41】
莢膜多糖8型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から39のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項42】
莢膜多糖8型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項26から39のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項43】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCが、脂質化されたタンパク質である、請求項27から42のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCが、脂質化されたタンパク質ではない、請求項27から42のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項45】
担体タンパク質が、ジフテリア菌(C.diphtheriae)毒素CRM197である、請求項26から44のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子A(ClfA)ポリペプチド、単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)クランピング因子B(ClfB)ポリペプチド、および単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質を含む、免疫原性組成物。
【請求項47】
ClfAポリペプチドが、ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインを含むポリペプチド断片である、請求項46に記載の免疫原性組成物。
【請求項48】
ClfAポリペプチド断片が、ClfAのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項47に記載の免疫原性組成物。
【請求項49】
ClfAポリペプチド断片が、ClfAのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項47に記載の免疫原性組成物。
【請求項50】
ClfAのフィブリノーゲン結合ドメインが、フィブリノーゲンとClfAの天然のフィブリノーゲン結合ドメインとで観察される結合と比較して低減したレベルでフィブリノーゲンに結合する、請求項47から49のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項51】
フィブリノーゲン結合ドメインが、Tyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換を有することを介して、フィブリノーゲンへの低減した結合を示す、請求項50に記載の免疫原性組成物。
【請求項52】
Tyr338、Tyr256、Pro336、Lys389、Ala254、およびIle387の1つまたは複数におけるアミノ酸置換が、AlaまたはSerへのものである、請求項51に記載の免疫原性組成物。
【請求項53】
Tyr338がAlaに置換されている、請求項52に記載の免疫原性組成物。
【請求項54】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)ClfBポリペプチドが、ClfBのフィブリノーゲン結合ドメインを含むポリペプチド断片である、請求項46から53のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項55】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)ClfBポリペプチド断片が、ClfBのN1ドメイン、N2ドメイン、およびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項56】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)ClfBポリペプチド断片が、ClfBのN2ドメインおよびN3ドメインを含むフィブリノーゲン結合ドメインである、請求項54に記載の免疫原性組成物。
【請求項57】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCが、脂質化されたタンパク質である、請求項46から56のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項58】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCが、脂質化されたタンパク質ではない、請求項46から56のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項59】
単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)MntCタンパク質、担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖5型、および担体タンパク質にコンジュゲートした単離された黄色ブドウ球菌(S.aureus)莢膜多糖8型を含む、免疫原性組成物。
【請求項60】
MntCタンパク質が組換えによって生産される、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
莢膜多糖5型が、20から1000kDaの間の高分子量莢膜多糖である、請求項59または60に記載の免疫原性組成物。
【請求項62】
高分子量莢膜多糖5型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項59から61のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項63】
莢膜多糖5型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から62のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項64】
莢膜多糖5型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から62のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項65】
莢膜多糖5型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から62のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項66】
莢膜多糖8型が、20から1000kDaの間の分子量を有する、請求項59から65のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項67】
莢膜多糖8型が、70から300kDaの間の分子量を有する、請求項59から65のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項68】
莢膜多糖8型が、10%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から67のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項69】
莢膜多糖8型が、50%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から67のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項70】
莢膜多糖8型が、75%から100%の間でO−アセチル化されている、請求項59から67のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項71】
SdrC、SdrD、およびSdrEからなる群から選択されるセリン−アスパラギン酸反復(Sdr)タンパク質ファミリーの少なくとも1つのタンパク質をさらに含む、請求項1から70のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項72】
鉄表面決定基B(IsdB)タンパク質をさらに含む、請求項1から71のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項73】
アジュバントをさらに含む、請求項1から72のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項74】
薬学的に許容できる担体をさらに含む、請求項1から73のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項75】
以下の抗原、Opp3a、DltD、HtsA、LtaS、IsdA、IsdC、SdrF、SdrG、SdrH、SrtA、SpA、Sbi FmtB、α溶血素(hla)、β溶血素、フィブロネクチン結合タンパク質A(fnbA)、フィブロネクチン結合タンパク質B(fnbB)、コアグラーゼ、Fig、map、パントン・バレンタイン型ロイコシジン(pvl)、α毒素およびその変型、γ毒素(hlg)および変型、ica、免疫優性ABC輸送体、Mg2+輸送体、Ni ABC輸送体、RAP、自己溶解酵素、ラミニン受容体、IsaA/PisA、IsaB/PisB、SPOIIIE、SsaA、EbpS、Sas A、SasF、SasH、EFB(FIB)、SBI、Npase、EBP、骨シアロ結合タンパク質II、アウレオリシン前駆体(AUR)/Sepp1、Cna、ならびにそれらの断片、例えば、M55、TSST−1、mecA、ポリ−N−アセチルグルコサミン(PNAG/dPNAG)エキソ多糖、GehD、EbhA、EbhB、SSP−1、SSP−2、HBP、ビトロネクチン結合タンパク質、HarA、EsxA、EsxB、エンテロトキシンA、エンテロトキシンB、エンテロトキシンC1、および新規な自己溶解酵素のいずれか1つをさらに含む、請求項1から74のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項76】
免疫学的に効果的な量の請求項1から75のいずれかに記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する免疫応答を誘発する方法。
【請求項77】
免疫応答が、対象におけるブドウ球菌生物に関連する疾患もしくは症状を予防するかもしくは低減させるか、または、対象におけるブドウ球菌生物に関連する1つもしくは複数の症候を予防するかもしくは低減させる、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
疾患が、侵襲性の黄色ブドウ球菌(S.aureus)疾患、敗血症、および保菌からなる群から選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
対象が外科手術を受けている、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
外科手術が、待機的手術または非待機的手術である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
外科手術が、心胸郭の外科手術である、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
誘発される免疫応答が、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対するオプソニン性貪食活性(OPA)を有する抗体の生成を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項83】
誘発される免疫応答が、免疫化されていない対象において観察されるものと比較して有意に高い力価の、黄色ブドウ球菌(S.aureus)に特異的なオプソニン性貪食抗体の生成を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項84】
オプソニン性貪食の力価が少なくとも1:20である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)がMSSAである、請求項76から84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)がVRSAである、請求項76から84のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)がVISAである、請求項76から84のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
黄色ブドウ球菌(S.aureus)がMRSAである、請求項76から84のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
対象が、ヒト、ペット、または家畜動物である、請求項76から88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
(1)請求項1から75のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を用いて抗体調製物を生成するステップ、および(2)対象に抗体調製物を投与して受動免疫をもたらすステップを含む、対象に受動免疫をもたらす方法。

【公表番号】特表2012−530786(P2012−530786A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517657(P2012−517657)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/039510
【国際公開番号】WO2010/151544
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】