説明

黒色導電性ペースト組成物、これを含む妨害電磁波遮蔽フィルター、及び表示装置

【課題】本発明は、黒色導電性ペースト組成物、妨害電磁波遮蔽フィルター、およびこれを用いた表示装置に関する。前記組成物は、a)アクリレート高分子樹脂、b)溶剤、c)ガラス粉末、d)導電性金属、e)黒色顔料、及びf)変成アクリルブロック共重合体、アルキロールアンモニウム塩ポリマー、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体、アクリルリクブロック共重合体、フッ素化アルキルオリゴマー、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体、及び変成ポリウレタンからなる群より選択される1種以上の分散剤を含む。前記ペースト組成物は、妨害電磁波遮蔽フィルターの製造に使用することができ、特に、グラビアオフセット印刷法によるフィルターの製造に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置用妨害電磁波遮蔽フィルターに適用して、表示装置の外光反射の低減とコントラストの向上に寄与することができる黒色導電性ペースト組成物に関する。膳基礎生物は表示装置のフィルターに利用され、外光の反射を低減し、表示装置のコントラストを改善する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な種類の表示装置が開発されている。例えば、プラズマ表示装置(PDP)、液晶表示装置(LCD)、及び有機発光表示装置(OLED)等が開発されている。このような表示装置は、厚さが薄くて重量が軽いことから、画像の表示が必要な多くの製品に使用されている。
【0003】
一方、表示装置に含まれている複数の電子素子から妨害電磁波(electromagnetic interference、EMI)が放出される。妨害電磁波は、表示装置の誤作動を起こしたり、人体に害を及ぼす。したがって、妨害電磁波を遮蔽するように表示装置に妨害電磁波遮蔽フィルターが取り付けられる。
【0004】
従来技術において、EMI遮蔽フィルター用印刷用組成物は、一般にアクリレート高分子樹脂、溶剤、導電性金属、及び黒色顔料などを含む。しかし、これら従来の印刷用組成物は、ほとんどが樹脂基板に適用されるものであるため、前記印刷用組成物を樹脂基板に接着したり、前記樹脂基板の表面に別途のコーティング層を付加しなければならないなどの不都合があり(そのために前記印刷用組成物が適用されたフィルターの厚さの減少にも限界がある)、前記接着剤または別途のコーティング層などに由来する高分子樹脂などの有機物がそのまま残存する問題がある。
【0005】
そのため、ガラス基板に適用可能なペースト組成物が求められている。例えば、韓国公開特許公報第2002-82744号(特許文献1)には、アクリル樹脂などの結合剤樹脂、所定の軟化点を有するガラス成分、黒色色素、金、銀、銅、またはニッケルなどの金属粉末、及び溶剤などを含む導電性ペーストが開示されている。また、特許文献1には、このような導電性ペーストをガラス基板にパターン状に印刷し焼成して、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に適用可能な妨害電磁波遮蔽フィルターを製造することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2002-82744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来の妨害電磁波遮蔽フィルターは、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に適用された場合、外光反射を十分に低減させることができないため、前記妨害電磁波遮蔽フィルターが適用された表示装置のコントラストが不足する。また、前記従来の導電性ペーストは、結合剤樹脂に対する他の成分の分散性が十分でないため、これをガラス基板に印刷して製造された妨害電磁波遮蔽フィルターが均一な遮蔽性能や適切な光学的特性を示すのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、各成分の分散性がより向上されて、均一な妨害電磁波遮蔽性能及び適切な光学的特性を示す表示装置用妨害電磁波遮蔽フィルターの提供を可能にする黒色導電性ペースト組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、表示装置に適用されて、外光反射をより低減させ、表示装置のコントラストをより向上させることができる妨害電磁波遮蔽フィルターの提供を可能にする黒色導電性ペースト組成物を提供する。
【0010】
本発明は、また、前記黒色導電性ペースト組成物をガラス基板に印刷し焼成して形成される妨害電磁波遮蔽フィルターを提供する。
【0011】
また、本発明は、前記黒色導電性ペースト組成物を利用して形成された妨害電磁波遮蔽部材を含む表示装置を提供する。
【0012】
本発明の黒色導電性ペースト組成物は、a)アクリレート高分子樹脂、b)溶剤、c)ガラス粉末、d)導電性金属、e)黒色顔料、及びf)変成アクリルブロック共重合体、アルキロールアンモニウム塩ポリマー、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体、アクリルリクブロック共重合体、フッ素化アルキルオリゴマー、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体、及び変成ポリウレタンからなる群より選択される1種以上の分散剤を含む。このような黒色導電性ペースト組成物は、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に適用される妨害電磁波遮蔽フィルター用ペースト組成物であって、好ましくは、ガラス基板に前記黒色導電性ペースト組成物を印刷(例えば、オフセット印刷)し、焼成して前記表示装置用遮蔽フィルターを提供することができる。
【0013】
前記ペースト組成物は、a)アクリレート高分子樹脂5〜15重量部、b)溶剤5〜15重量部、c)ガラス粉末1〜10重量部、d)導電性金属50〜90重量部、e)黒色顔料1〜10重量部、及びf)分散剤0.05〜1.0重量部を含むことが好ましい。
【0014】
また、本発明の妨害電磁波遮蔽フィルターは、ガラス基板、及び前記ガラス基板上にメッシュ形態に形成された遮蔽部材を含み、前記遮蔽部材は、前記黒色導電性ペースト組成物を前記ガラス基板に印刷し焼成して形成されたものである。
【0015】
そして、本発明の表示装置は、ガラス基板、前記ガラス基板上にメッシュ形態に形成された遮蔽部材、及び画像を表示し、前記ガラス基板に対向する表示パネルを含み、前記遮蔽部材は、前記表示パネルから放出される妨害電磁波を遮蔽するように適用されて、前記黒色導電性ペースト組成物を前記ガラス基板に印刷し焼成して形成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による妨害電磁波遮蔽フィルターの概略的な斜視図である。
【図2】図1のII-II線に沿って切断した部分断面図である。
【図3】図1の妨害電磁波遮蔽フィルターの製造方法を示す概略的な図面である。
【図4】図1の妨害電磁波遮蔽フィルターを含む表示装置の概略的な斜視図である。
【図5】図4のV-V線に沿って切断した部分断面図である。
【図6】実施例6の遮蔽フィルターに形成されたメッシュ形態パターンの顕微鏡写真である。
【図7】実施例7の遮蔽フィルターに形成されたメッシュ形態パターンの顕微鏡写真である。
【図8】比較例2の遮蔽フィルターに形成されたメッシュ形態パターンの顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明は、表示装置に適用されて、外光反射を最少化し、表示装置のコントラストをより向上させる妨害電磁波遮蔽フィルターの提供を可能にする黒色導電性ペースト組成物、及びこれを利用した表示装置の妨害電磁波遮蔽フィルターを提供する方法に関するものである。
【0019】
前記黒色導電性ペースト組成物が特定の分散剤を含むことによって、アクリレート高分子樹脂に対する他の成分(つまり、ガラス粉末、導電性金属、及び黒色顔料など)の分散性をより向上させることができる。したがって、このような黒色導電性ペースト組成物をガラス基板に印刷し焼成して形成された妨害電磁波遮蔽フィルターは、より優れて均一な妨害電磁波遮蔽性能及び適切な光学的特性を示すので、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に好ましく適用することができる。
【0020】
驚くべきことに、本発明者らの実験の結果、前記黒色導電性ペースト組成物が特定の分散剤を含むことによって、これから形成されたフィルターが外光反射をより低減させ、表示装置のコントラストを大きく向上させることが確認された。
【0021】
さらに、前記黒色導電性ペースト組成物が黒色顔料及びガラス粉末を含むことによって、これをガラス基板に直接印刷して所望のパターンをきれいに形成することができ、前記パターンを適正温度で焼成してパターン中に含まれた有機物を効果的に除去することができる。したがって、前記黒色導電性ペースト組成物は、表示装置のガラス基板に適用可能な印刷用組成物として好ましく使用することができ、これにより前記表示装置用遮蔽フィルターの厚さをより減少させる長所もある。
【0022】
このような本発明のペースト組成物において、アクリレート高分子樹脂としては、メチルアクリレート(MA)、ブチルメタクリレート(BM)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(methylmethacrylate、MMA)、アクリル酸エチル(EA)、エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、及びこれらのメタクリレートからなる群より選択されるいずれか1つの重合体または2つ以上の共重合体を使用することができる。好ましくは、前記アクリレート高分子樹脂として、メチルアクリレート(MA):ブチルメタクリレート(BM):ヒドロキシルメタクリレート(HEMA):メチルメタクリレート(MMA)が、10〜30:30〜60:10〜20:10〜20の重量比で共重合された共重合体を使用することができる。ただし、前記アクリレート高分子樹脂はこれに限定されるわけではなく、その他公知の遮蔽フィルター用導電性ペースト組成物に結合剤樹脂として使用可能な任意のアクリレート高分子樹脂を特別な制限なく使用することができる。
【0023】
このようなアクリレート高分子樹脂は、他の成分、つまり、ガラス粉末、導電性金属、及び黒色顔料などを均一に分散させて、前記黒色導電性ペースト組成物から形成された妨害電磁波遮蔽フィルターが均一な妨害電磁波に対する特性及び光学的特性を示すようにする役割を果たす。
【0024】
前記アクリレート高分子樹脂は、重量平均分子量が5,000〜100,000であるのが好ましく、5,000〜60,000であるのがより好ましい。前記アクリレート高分子樹脂の重量平均分子量が5,000未満である場合には、高分子のガラス転移温度が低くて高分子の流動性が増加するので、黒色導電性ペースト組成物の印刷工程(例えば、グラビアオフセット印刷工程)時にグラビア溝からブランケットへのパターンの伝達が難しく、100,000以上である場合には、高分子の弾性特性が過剰であり、グラビア溝への組成物の投入が難しくなる。
【0025】
また、前記アクリレート高分子樹脂は、ペースト組成物全体中に5〜15重量部の含有量で含まれるのが好ましい。前記アクリレート高分子樹脂の含有量が5重量部未満であれば、ペースト組成物の弾性の減少によって印刷工程において問題が発生する可能性があり、15重量部以上であれば、前記ペースト組成物から形成されたパターンの電気抵抗が増加する問題が発生する可能性がある。
【0026】
一方、前記黒色導電性ペースト組成物において、溶剤は、他の成分を溶解するための媒質であって、ペースト組成物全体中に5〜15重量部で含まれるのが好ましい。前記溶剤の含有量が5重量部未満であれば、ペースト組成物の乾燥速度が速くなって連続印刷を進めるのが難しくなる問題があり、15重量部以上であれば、ペースト組成物の粘度が低くなって印刷性が悪化する問題がある。
【0027】
このような溶剤としては、公知の遮蔽フィルター用導電性ペースト組成物に使用可能な任意の溶剤を特別な制限なく使用することができるが、好ましくは、沸点が200℃以上の高沸点溶剤の少なくとも1種以上と、沸点が200℃未満の低沸点溶剤の少なくとも1種以上とを含むことができる。
【0028】
前記高沸点溶剤と低沸点溶剤とを共に含むことによって、前記ペースト組成物の粘度及び流動性を好ましい水準に維持することができ、その結果、前記ペースト組成物をガラス基板に印刷する工程で前記ペースト組成物のパターンへの転移が容易になるだけでなく、パターンの拡散現象が抑制されて、パターンの直進性がより向上する。
【0029】
前記高沸点溶剤としては、例えば、γ―ブチロラクトン、ブチルカルビトールアセテート、カルビトール、メトキシメチルエーテルプロピオン酸塩、及びテルピノールからなる群より選択される1種以上の溶剤を使用することができ、その他にも、200℃以上の沸点を有して遮蔽フィルター用導電性ペースト組成物に使用可能であると知られている任意の有機溶剤を使用することができる。
【0030】
また、前記低沸点溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオン酸塩、エチルエーテルプロピオン酸塩、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、及び乳酸エチルからなる群より選択される1種以上の溶剤を使用することができ、その他にも、遮蔽フィルター用導電性ペースト組成物に使用可能な公知の任意の200℃未満の沸点を有する有機溶剤を使用することができる。
【0031】
また、前記溶剤は、前記高沸点溶剤12〜88重量%及び低沸点溶剤12〜88重量%を含むことが好ましい。仮に、前記溶剤中に高沸点溶剤が12重量%未満で含まれており、低沸点溶剤の含有量が過剰に増加すると、前記ペースト組成物の流動性の減少速度が過剰に速くなって、パターンへの転移が容易でなくなることがある。反対に、高沸点溶剤の含有量が88重量%を超えて過剰に増加すると、ペースト組成物の流動性の抑制が難しくなって、パターンの拡散現象が深刻化して、ペースト組成物の印刷によって形成されたパターンの直進性が低下することがある。
【0032】
一方、本発明の黒色導電性ペースト組成物において、前記ガラス粉末としては、鉛系と鉛フリー系粉末を使用することができるが、環境規制の側面から鉛系よりは鉛フリー系粉末を利用して、有機物の除去温度とガラス基板に対するパターン接着力の向上を考慮するのが好ましい。このような鉛フリー系粉末には、例えば、Bi系ガラス粉末などのビスマス系ガラス粉末がある。また、ガラス粉末を製造する時に、黒色または有色顔料を添加して製造された有色のガラス粉末や、Vのような有色成分を含むガラス粉末も好ましく使用することができる。
【0033】
前記ガラス粉末の含有量は、ペースト組成物全体中に1〜10重量部であり、2〜7重量部であるのがより好ましい。前記ガラス粉末の含有量が1重量部未満であれば、ペースト組成物のガラス基板に対する接着力が低下する問題があり、10重量部以上であれば、ペースト組成物から形成されたパターンの電気抵抗が高くなって、妨害電磁波の遮蔽効率が低下する問題がある。
【0034】
前記ペースト組成物において、前記導電性金属としては、電極用金属粉末を使用することができ、より具体的に、銀、銅、ニッケル、またはその合金などを単独または1種以上を使用することができる。
【0035】
前記導電性金属の含有量は、ペースト組成物全体中に50重量部〜90重量部で含まれるのが好ましい。前記導電性金属の含有量が90重量部以上である場合には、ペースト組成物の粘度が高くなり、分散が難しくなって、印刷特性が低下し、50重量部未満である場合には、ペースト組成物から形成されたパターンの電気抵抗の増加によって、表示装置に要求される電磁波遮蔽性能が低下することがある。
【0036】
また、前記導電性金属は、平均粒径が0.3〜30μmであるのが好ましく、0.5〜10μmであるのがより好ましく、0.5〜5μmであるのが最も好ましい。前記金属粉末の平均粒径が0.3μm未満と非常に小さい場合には、分散が難しくなって、ペースト組成物の粘度が高くなったりゲル化することがあるために印刷特性が低下し、前記ペースト組成物の印刷によって良好なパターンを形成するのが難しい。また、前記金属粉末の平均粒径が30μmを超えて非常に大きい場合には、前記ペースト組成物を印刷して形成されたパターン内に前記金属粉末が均一に充填されず、その結果、遮蔽フィルターが均一な遮蔽性能を示すのが難しく、パターン内にホールなどが発生して好ましいパターン及び遮蔽フィルターを形成するのが難しい。前記金属粉末の平均粒径が0.3〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm、最も好ましくは0.5〜5μmである場合には、前記ペースト組成物の印刷特性及び遮蔽性能をより向上させることができ、前記パターン内にホールが発生するのを防止することができる。
【0037】
一方、前記黒色顔料は、表示装置の外光反射の低減とコントラストの向上のために使用されるもので、コバルト、銅、ルテニウム、マンガン、ニッケル、クロム、または鉄系の化合物を含むことができ、好ましくはコバルト系の化合物を含むことができる。また、前記黒色顔料は、前記コバルト系の化合物に加えて、黒さ度合いの向上などの目的で、銅、ルテニウム、マンガン、ニッケル、クロム、または鉄のような補助顔料が添加された形態で使用するのがより好ましい。
【0038】
前記黒色顔料の含有量は、ペースト組成物全体中に1〜10重量部であり、2〜7重量部であるのがより好ましい。前記黒色顔料の含有量が1重量部未満である場合には、十分なコントラストの向上を期待するのが難しく、10重量部を超過する場合には、電気抵抗が高くなって、妨害電磁波の遮蔽性能が悪化することがある。
【0039】
また、前記黒色導電性ペースト組成物は、特定の分散剤、つまり、変成アクリルブロック共重合体、アルキロールアンモニウム塩ポリマー、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体、アクリルリクブロック共重合体、フッ素化アルキルオリゴマー、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体、及び変成ポリウレタンからなる群より選択される1種以上の分散剤を含む。
【0040】
分散剤として用いられるポリマーは、当業界で広く知られており、また、商業的に入手可能であるから、特別な制限なく使用することができる。
【0041】
商業的に入手可能な分散材としては、商業的に入手可能なDISPERBYK-2000またはDISPERBYK-2001などのアクリルブロック共重合体、DISPERBYK-140、DISPERBYK-180、DISPERBYK-181、DISPERBYK-187、BYK-151、BYK-9076、BYK-W968、またはBYK-W969などのアルキロールアンモニウム塩ポリマーを使用することができる。また、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体としては、例えば、トリブロックアルキルトリメチルアンモニウムを使用することができ、また、商業的に入手可能なDISPERBYK-112、DISPERBYK-116、DISPERBYK-2050、DISPERBYK-2150、またはBYK-9077などを使用することができる。そして、アクリルリクブロック共重合体としては、商業的に入手可能なEFKA-4310、EFKA-4320、EFKA-4330、EFKA-4340、またはEFKA-4585などを使用することができ、フッ素化アルキルオリゴマーとしては、商業的に入手可能なF-471、F-474、F-475、F-477、F-478、F-479、F-486、またはMCF350SFなどを使用することができる。また、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体としては、商業的に入手可能なBKY-300、BKY-301、BKY-302、BKY-306、BKY-307、BKY-330、BKY-331、BKY-333、BKY-335、BKY-341、またはBKY-344などを使用することができ、変成ポリウレタンとしては、商業的に入手可能なEFKA-4008、EFKA-4009、EFKA-4010、EFKA-4015、EFKA-4020、EFKA-4046、EFKA-4047、EFKA-4050、EFKA-4055、EFKA-4060、EFKA-4080、BYK-425、またはDispers-710などを使用することができる。
【0042】
以上で列挙された商業的に入手可能な重合体の他にも、前記変成アクリルブロック共重合体、アルキロールアンモニウム塩ポリマー、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体、アクリルリクブロック共重合体、フッ素化アルキルオリゴマー、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体、または変成ポリウレタンの範疇に属する任意の重合体を特別な制限なく使用することができる。
【0043】
このような分散剤は、他の成分(例えば、黒色顔料、導電性金属、及びガラス粉末など)の分散性を向上させて、前記ペースト組成物から形成されたパターン及び妨害電磁波遮蔽フィルターがより優れて均一な妨害電磁波に対する特性及び光学的特性を示すようにすることができる。また、本発明者らの実験の結果、前記特定の分散剤が含まれることによって、表示装置の外光反射の低減効果及びコントラストの向上効果が非常に高くなり得ることが明らかになった。これは、これら特定の分散剤が含まれることによって、ガラス基板にペースト組成物を印刷し焼成してパターンを形成した時に、ペースト組成物内の黒色顔料、導電性金属、及びガラス粉末などの分散度がより向上し、これらの成分が前記ガラス基板に印刷されたパターン内により均一に分散されるので、前記光学的特性がより向上するためであると推定される。
【0044】
前記分散剤の含有量は、ペースト組成物全体中に0.05重量部〜1.0重量部であるのが好ましい。前記分散剤の含有量が0.05重量部未満である場合には、十分な分散性及びコントラストの向上を期待するのは難しく、1.0重量部以上である場合には、電気抵抗が高くなって、妨害電磁波の遮蔽性能が悪化することがある。
【0045】
他の観点において、本発明は前記ペースト組成物を利用して形成される妨害電磁波遮蔽フィルターを提供する。
【0046】
妨害電磁波遮蔽フィルターは、i)ガラス基板及びii)ガラス基板上にメッシュ形態に形成された遮蔽部材を含む。前記遮蔽部材は、妨害電磁波を遮蔽するように適用される。
【0047】
前記遮蔽部材は、前記ペースト組成物をガラス基板に印刷し焼成して形成することができる。より好ましくは、前記遮蔽部材は、前記ペースト組成物をグラビアオフセット印刷して焼成する等のオフセット印刷法により形成される。また、前記遮蔽部材は、i)一方向に延在する1つ以上の第1遮蔽部、及びii)第1遮蔽部と交差する1つ以上の第2遮蔽部を含むことが好ましい。第1遮蔽部の幅は0より大きくて50μm以下であり、好ましくは15μm〜25μmである。そして、前記1つ以上の第1遮蔽部として複数の第1遮蔽部を含むことが好ましく、これら複数の第1遮蔽部の平均ピッチは0より大きく500μm以下である。好ましくは、前記複数の第1遮蔽部の平均ピッチは200μm〜400μmである。
【0048】
また、第1遮蔽部及び第2遮蔽部が交差してなす角は60°〜120°であることが好ましく、好ましくは80°〜100°である。最も好ましくは、前記第1遮蔽部及び第2遮蔽部が交差してなす角は実質的に90°である。
【0049】
そして、第1遮蔽部とガラス基板の一辺とがなす角は20°〜70°であることが好ましく、好ましくは35°〜55°である。
【0050】
開口部は多角形形状を有することが好ましく、開口部は面取りされてもよい。多角形を形成する全ての辺の長さは実質的に同一であることが好ましく、前記多角形は実質的に正方形であることが好ましい。
【0051】
そして、前記遮蔽部材は、導電性金属を含んでいてもよい。導電性金属は、銀、銅、及びニッケルからなる群より選択される1つ以上の金属であることが好ましい。
【0052】
また、前記妨害電磁波遮蔽フィルターは、ガラス基板の周縁に沿って形成されたエッジ層をさらに含んでいてもよい。このようなエッジ層上に遮蔽部材が形成される。この時、前記妨害電磁波遮蔽フィルターは、遮蔽部材の端部に連結されて前期遮蔽部材を接地させるための接地部材をさらに含んでいてもよい。
【0053】
本発明の実施形態による表示装置は、i)ガラス基板、ii)ガラス基板上にメッシュ形態に形成された遮蔽部材、及びiii)画像を表示しガラス基板に対向する表示パネル、を含む。前記遮蔽部材は、表示パネルから放出される電磁波を遮蔽するように適用されて、前記ペースト組成物をガラス基板に印刷し焼成して形成される。
【0054】
前記表示装置で表示パネルは、i)互いに対向する第1基板と第2基板、及びii)第1基板及び第2基板の間に位置した黒色層を含むことが好ましい。この時、前記遮蔽部材の延在方向と黒色層の延在方向が交差することが好ましい。また、前記遮蔽部材は第2基板に接していることが好ましい。そして、前記遮蔽部材が形成されたガラス基板の厚さは、第1基板の厚さ以上であり得る。また、前記遮蔽部材は、多角形形状の開口部を有することが好ましく、開口部は面取りされてもよい。多角形を形成する全ての辺の長さは実質的に同一であることが好ましく、前記多角形は実質的に正方形であることが好ましい。
【0055】
前記遮蔽部材は、グラビアオフセット印刷して焼成する等のオフセット印刷法により前記ペーストを印刷して形成することが好ましい。
【0056】
前記遮蔽部材は、i)一方向に延在する1つ以上の第1遮蔽部、及びii)第1遮蔽部と交差する1つ以上の第2遮蔽部を含むことが好ましい。第1遮蔽部の幅は0より広くて50μm以下であり、好ましくは15μm〜25μmである。
【0057】
前記1つ以上の第1遮蔽部は複数の第1遮蔽部を含むことが好ましく、これら複数の第1遮蔽部の平均ピッチは0より大きく500μm以下であることが好ましい。好ましくは、前記複数の第1遮蔽部の平均ピッチは200μm〜400μmである。
【0058】
そして、第1遮蔽部及び第2遮蔽部が交差してなす角は60°〜120°であることが好ましく、好ましくは80°〜100°である。最も好ましくは、前記第1遮蔽部と第2遮蔽部とが交差してなす角は実質的に90°である。
【0059】
また、第1遮蔽部とガラス基板の一辺とがなす角は20°〜70°であることが好ましく、好ましくは35°〜55°である。
【0060】
前記表示パネルはプラズマディスプレイパネルであることが好ましい。
【0061】
以下、添付した図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように前記フィルター及び表示装置を説明する。しかしながら、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく多様な形態で実施することができる。また、可能な限り、同一あるいは類似した部分は図面でも同一の図面符号を使用して示す。
【0062】
以下で使用される技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が一般に理解する意味と同一な意味を有する。事前に定義された用語は、関連技術文献、およびここに開示された内容に符合する意味を有するものとして追加解釈され、定義されない限り、理想的であったり過度に形式的な意味として解釈されるものではない。
【0063】
第1、第2及び第3等の用語は、多様な部分、成分、領域、層、及び/またはセクションを説明するために使用されるが、これらに限定されないことが理解されよう。これらの用語は、ある部分、成分、領域、またはセクションを他の部分、成分、領域、またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1部分、成分、領域、層、またはセクションは、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で、第2部分、成分、領域、層、またはセクションとして言及されることもある。
【0064】
図1は本発明の一実施例による妨害電磁波遮蔽フィルター100を概略的に示す図面である。図1の拡大円には妨害電磁波遮蔽フィルター100の内部を拡大して示す。
【0065】
図1に示すように、妨害電磁波遮蔽フィルター100は、ガラス基板20、遮蔽部材10、エッジ層30、及び接地部材40を含む。遮蔽部材10をグラビアオフセット印刷のようなオフセット印刷方法で形成するためにガラス基板20を使用する。ガラス基板20の長辺はx軸に平行であり、短辺はy軸に平行である。
【0066】
遮蔽部材10は接地部材40と連結されて接地される。したがって、前記遮蔽部材10は妨害電磁波を吸収して除去することができる。その結果、遮蔽部材10は妨害電磁波を遮蔽するフィルターとして機能する。エッジ層30はガラス基板20の周縁に沿って形成され、接地部材40は遮蔽部材10を接地させるためにガラス基板20のx軸方向両端に位置する。
【0067】
図1の拡大円に示すように、遮蔽部材10はメッシュ形態に形成される。妨害電磁波遮蔽フィルター100は主に表示装置に使用される。したがって、表示装置から出射される画像を外部に表示するように遮蔽部材10はメッシュ形態に形成される。遮蔽部材10は開口部109を有するので、開口部109を通じて画像を通過させつつ電磁波を遮断することができる。
【0068】
遮蔽部材10は、第1遮蔽部101及び第2遮蔽部103を含む。第1遮蔽部101は、x軸方向に延在して、第2遮蔽部103と交差する。つまり、図1の拡大円に示すように、第1遮蔽部101及び第2遮蔽部103は互いに接して角α1を形成する。角α1は60°〜120°であることが好ましい。角α1が非常に大きかったり非常に小さい場合、第1遮蔽部101及び第2遮蔽部103の間の距離が近すぎて、開口率は非常に小さくなる。より好ましくは、角α1は80°〜100°である。この場合、第1遮蔽部101及び第2遮蔽部103の間の距離を適切に維持することができる。また、角α1は実質的に90°であるのが最も好ましい。
【0069】
妨害電磁波遮蔽フィルターの製造方法は、i)メッシュ形態の溝が形成されたグラビアロールを準備する工程、ii)前記ペースト組成物を溝に充填する工程、iii)グラビアロールと対向し、グラビアロールの回転方向と反対方向に回転するブランケットロールを準備する工程、iv)グラビアロールを回転させながら、ブランケットロールにペースト組成物を転移させる工程、v)ガラス基板を準備する工程、vi)ブランケットロールをガラス基板上で移動しながら、ペースト組成物をガラス基板上に印刷する工程、及びvii)ガラス基板上でペースト組成物を成形して妨害電磁波を遮蔽する短層の遮蔽部材を形成する工程、を含むことが好ましい。
【0070】
本発明の実施例では、メッシュ形態の遮蔽部材10を形成するために、メッシュ形態の溝551(図3に図示)が斜線方向に形成されたグラビアロール55(図3に図示)を使用する。仮に、溝551が斜線方向に形成されずにグラビアロール55の回転方向と直交する場合には、溝551に収容された遮蔽部材10の原料であるペースト組成物10a(図3に図示)が溝551からうまく分離されない。つまり、ペースト組成物10aがグラビアロール55の回転力の影響をあまり受けないために、ペースト組成物10aをグラビアロール55から分離するのが容易でない。
【0071】
一方、溝551の延在方向とグラビアロール55の回転方向とが一致する場合には、グラビアロール55の回転力によってペースト組成物10aが溝551から容易に分離される。したがって、溝551をグラビアロール55の回転方向と一致する方向に形成すれば、均一な大きさの開口部109を有する遮蔽部材10を形成することができる。
【0072】
より具体的には、溝をグラビアロールの回転方向と一致する方向にのみ形成する場合には、メッシュ形態の遮蔽部材を形成することができない。つまり、メッシュ形態は長方形形状を有することができるが、グラビアロールの回転方向と直交する方向にも溝を形成しなければならないので、ペースト組成物をブランケットロールに転移するのが難しい。
【0073】
図1の拡大円に示すように、前記方法を利用して遮蔽部材10をガラス基板20上に形成する場合、第1遮蔽部101はx軸方向と一定の角度α2を形成する。ここで、角度α2は20°〜70°であることが好ましい。角α2が非常に小さかったり非常に大きい場合、第1遮蔽部101と第2遮蔽部103が密集して、電磁波遮蔽効果が低下することがある。また、妨害電磁波遮蔽フィルター100が表示装置200(図4に図示)に使用される場合、表示装置200の黒色層651と重なって、モアレ現象を起こすことがある。より詳しくは、角α2は35°〜55°であるのが好ましい。
【0074】
図1の拡大円に示すように、遮蔽部材10の幅Wを小さく形成して、開口部109の面積を最大化することによって、画像の解像度を高めることができる。このために、遮蔽部材10の幅Wは0より大きく50μm以下にすることができる。この場合、肉眼では遮蔽部材10を観察することができない。遮蔽部材10の幅Wが非常に広い場合、開口部109の大きさが小さくなって、画像の解像度が低くなる。より詳しくは、遮蔽部材10の幅Wは15μm〜25μmであるのが好ましい。
【0075】
一方、遮蔽部材10の平均ピッチPは0より大きく500μm以下になるようにすることが好ましい。遮蔽部材10の平均ピッチPが非常に大きい場合、遮蔽部材10が緻密に形成されないので、電磁波が吸収されずに外部へ放出されることがある。その結果、電磁波遮蔽効果が低下する。より詳しくは、遮蔽部材10の平均ピッチPは200μm〜400μmであるのが好ましい。
【0076】
遮蔽部材10は、電磁波遮蔽効果を最大化するために、導電性金属を含むことが好ましい。導電性金属は、妨害電磁波遮蔽フィルター100を通過する電磁波を捕集することができるので、電磁波遮蔽効果が優れている。導電性金属としては、銀、銅、ニッケル、またはこれらの合金を使用することが好ましい。このような導電性金属は、電気伝導度が優れているので、電磁波を効率的に遮蔽することができる。
【0077】
図2は図1のII-II線に沿って切断した電妨害磁波遮蔽フィルター100の断面構造を部分的に示す図面である。
【0078】
図2に示すように、ガラス基板20上に形成されたエッジ層30上に遮蔽部材10を形成する。エッジ層30は黒色セラミックを含むので、妨害電磁波遮蔽フィルター100の外形を向上させることができる。また、エッジ層30は、接地部材40を遮蔽部材10に効率的に連結することができる。エッジ層30の厚さは約15μm〜20μmである。ガラス基板20上に形成されたエッジ層30上にペースト組成物をオフセット法で印刷して遮蔽部材10を形成した後、その上に接地部材40を形成する。接地部材40としては、導電膜テープを使用することができる。
【0079】
図3は図1の妨害電磁波遮蔽フィルター100を製造する工程を概略的に示す図面である。オフセット印刷装置500を利用して妨害電磁波遮蔽フィルター100を製造することができる。以下では、オフセット印刷方法について詳細に説明する。
【0080】
図3に示すように、オフセット印刷装置500は、ディスペンサー(dispenser)51、ドクター(doctor)53、グラビアロール55、及びブランケットロール57を含む。オフセット印刷方法は、オフセット印刷装置500を利用したもので、オフ(off)工程及びセット(set)工程を含む。オフ工程では、グラビアロール55からペースト組成物10aを分離する。セット工程では、分離したペースト組成物10aをガラス基板20上に塗布する。ディスペンサー51は、あらかじめ設定された時間間隔でペースト組成物10aを吐出する。ディスペンサー51から吐出されたペースト組成物10aは、グラビアロール55に形成された溝551に収容される。ペースト組成物10aは、既に説明したように、弾性を有する有機物、導電性金属、溶剤、結合剤、及び所定の分散剤などを含むことができる。溶剤としては、沸点が200℃以上である有機溶剤及び200℃未満である有機溶剤を共に使用することができ、結合剤としては、ガラス粉末、つまりガラスフリットを使用することができる。有機物としては、アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、オリゴマーなどを含むことができる。溶剤及び有機物は、ガラス基板20を焼成する工程で除去される。ペースト組成物10aは、黒色顔料及び所定の分散剤をさらに含むことが好ましい。
【0081】
溝551に収容されたペースト組成物10aの量が多いので、ペースト組成物50aは溝551の外部へオーバーフロー(overflow)させてもよい。この場合、グラビアロール55を矢印方向(反時計方向)に回転させながら、ドクター53によってオーバーフローされたペースト組成物10aを除去する。ドクター53は、グラビアロール55の外表面に接しているので、溝551の外部にオーバーフローされたペースト組成物10aを効率的に除去することができる。そのため、グラビアロール55の溝551にペースト組成物10aがオーバーフローされないよう適切に充填することができる。
【0082】
ブランケットロール57は、グラビアロール55に対向して位置する。ブランケットロール57は、グラビアロール55の回転方向と反対方向(時計回り方向)に回転する。その結果、溝551に収容されたペースト組成物10aは、グラビアロール55がブランケットロール57と接しながらブランケットロール57上に転移される。したがって、ブランケットロール57の外表面にペースト組成物10aが付着する。
【0083】
ブランケットロール57は、矢印方向にガラス基板20上で移動しながら、ペースト組成物10aをガラス基板20上に塗布する。ガラス基板20は洗浄されて準備される。遮蔽部材10(図1に図示)を形成するためのメッシュ形態のペースト組成物10aをガラス基板20上に形成する。
【0084】
次に、ガラス基板20を加熱炉(図示せず)に入れて加熱することによって、ペースト組成物10aに含まれた溶剤および/または有機物を除去する。このような焼成工程前に、ペースト組成物10aを乾燥してもよい。ガラス基板20を加熱して溶剤や有機物を除去することによって、遮蔽部材を直接形成することができる。つまり、ペースト組成物10aをエッチングするなどの別途の工程を行なわずに、妨害電磁波遮蔽フィルターを直接製造する。そのため、工程が簡単であり、妨害電磁波遮蔽フィルターの製造原価を節減することができる。
【0085】
前記妨害電磁波遮蔽フィルターを製造する場合に使用するオフセット印刷方法は、焼成工程を含むので、オフセット印刷方法では熱に弱い樹脂基板を使用するよりはガラス基板20を使用することが好ましい。オフセット印刷方法の他の内容は本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に理解することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0086】
オフセット印刷方法の代わりにフォトリソグラフィ法を利用して妨害電磁波遮蔽フィルターを製造する場合には、まず、銅箔を樹脂フィルムに接着する。次に、ドライフィルムレジストを銅箔上に積層し、パターンを形成するために露光、現像、エッチング、及び剥離工程などを実施する。そのため、製造工程が複雑であり、生産性が良好でない。
【0087】
また、メッキ法を利用して妨害電磁波遮蔽フィルターを製造する場合には、パターンを樹脂フィルムに形成し銅をメッキして、所望の電気伝導度を得なければならない。しかし、メッキ中に発生する廃液が環境汚染を引き起こす。
【0088】
前記フォトリソグラフィ法やメッキ法は、ガラス基板上にパターンを直接形成することができない。例えば、メッキ法は、母材をロール形態に巻いてメッキ槽に浸漬して実施するが、ガラス基板はロール形態に巻くことができないため、ガラス基板をメッキして遮蔽部材を形成するのは不可能である。また、ガラス基板を使用する場合、パターンをガラス基板に接着しなければならないので、工程が複雑である。オフセット印刷方法は、前記問題を解決することができる。つまり、オフセット印刷方法ではガラス基板20上に遮蔽部材10を直接形成するので、工程が単純化されて、製造費用を節減することができる。また、オフセット印刷方法では有害物質が排出されないので、環境汚染を引き起こさない。
【0089】
図4は図1の妨害電磁波遮蔽フィルター100を含む表示装置200を概略的に示す図面である。図4の拡大円にはz軸方向から見た表示装置200を拡大して示す。
【0090】
図4に示すように、固定部材110を利用して妨害電磁波遮蔽フィルター100を表示パネル600(図5に図示)上に固定する。そのため、妨害電磁波遮蔽フィルター100を表示装置200の内部に安定的に収容することができる。
【0091】
図4の拡大円に示すように、遮蔽部材10は、表示パネル600(図5に図示)に含まれた黒色層651上に位置する。また、前記黒色層651は、表示パネルの第1基板610及び第2基板620の間に位置する。そして、図4の拡大円には示さなかったが、遮蔽部材10及び黒色層651の間には第2基板620(図5に図示)が位置し、前記遮蔽部材10上にガラス基板20(図5に図示)が位置する。
【0092】
前記遮蔽部材10は、表示パネル600から放出される電磁波を遮蔽する。
【0093】
図4の拡大円に示すように、前期遮蔽部材10はひし形形状の開口部109を有する。図4には示していないが、遮蔽部材10は実質的に正方形であるのが好ましい。この場合、遮蔽部材10の形状が最適化され、電磁波遮蔽効果を最大化することができる。
【0094】
開口部109を形成する4つの辺の長さは実質的に同一であることが好ましい。4つの辺の長さが実質的に同一であると、遮蔽部材10の形状が規則的である。その結果、開口部109を通じて出射される光の強さが均一であるので、均一な画像を表示することができる。一方、図4の拡大円には開口部109をひし形形状に示すが、これは単に本発明を例示するためのものであり、本発明がこれに限定されるわけではない。すなわち、開口部109は多角形形状であればよい。
【0095】
遮蔽部材10は、互いに交差する遮蔽部によってオフセット印刷方法で形成される。したがって、遮蔽部が互いに接する交差部では遮蔽部材10の幅が多少大きくなる。その結果、開口部109が面取りされた形状を有する。つまり、遮蔽部材10の交差部で遮蔽部材10の幅が多少大きくなるので、開口部109はその角部がなくなった形状を有する。このような開口部109の形状によって、遮蔽部材10が切れずに連続して形成されるので、遮蔽部材10の全面にわたって電磁波を遮蔽することができる。
【0096】
図4の拡大円に示すように、遮蔽部材10は黒色層651と立体交差しながら形成される。したがって、画像が薄くなる現象を防止することができる。さらに、遮蔽部材10は肉眼では認識しにくいほど微細な幅を有するので、画像の品質にほとんど影響を与えない。したがって、図4の拡大円に示すように、遮蔽部材10が黒色層651上に位置しても、高い解像度の画像を表示することができる。
【0097】
図5は図4のV-V線に沿って切断した断面を部分的に示す図面である。
【0098】
図5には表示パネル600としてプラズマ表示パネルを示す。図5に示すプラズマ表示パネルは、単に本発明を例示するためのものであり、本発明がこれに限定されるわけではない。したがって、妨害電磁波遮蔽フィルターが必要な他の表示パネルを使用することもできる。
【0099】
表示パネル600は、第1基板610、第2基板620、表示電極680、アドレス電極640、隔壁660、蛍光体層670、誘電体層630、保護膜635、及び黒色層651を含む。表示パネル600の内部は放電ガスで充填されている。第1基板610及び第2基板620は互いに対向する。隔壁660は複数の放電セルを形成し、放電セルの内部には蛍光体層が形成されている。誘電体層630は電子からアドレス電極640及び表示電極680を保護する。保護膜635は上部に位置する誘電体層630を保護する。
【0100】
アドレス電極640及び表示電極680に電圧が印加されると、アドレス電極640及び表示電極680の間に放電が起こる。放電によって生成された紫外線が蛍光体層670に衝突して、蛍光体層670から可視光線が出射される。一方、明暗比を向上させるために、隔壁660上には黒色層651を形成する。黒色層651は、第1基板610及び第2基板620の間に位置する。黒色層651は光が出射されない隔壁660上に形成されるので、蛍光体層670から出射される光の損失を低減させることができる。より具体的に、黒色層651は、図5に示されているように、隔壁660上に接するように形成されていてもよく、他の例として隔壁660上の誘電体層630上に形成されていてもよい。
【0101】
図5に示すように、妨害電磁波遮蔽フィルター100は表示パネル600上に位置する。そのため、フィルター100は、表示パネル600から放出される電磁波を遮蔽することができる。遮蔽部材10は第2基板620に接するので、外部に露出されない。その結果、遮蔽部材10が損傷するのを防止することができ、遮蔽部材10による外形の低下を防止することができる。
【0102】
一方、第1基板610及び第2基板620の厚さが薄い場合、表示パネル600は外部衝撃に弱い。したがって、ガラス基板20を含む妨害電磁波遮蔽フィルター100を使用して、表示装置200の強度を補強する。つまり、妨害電磁波遮蔽フィルター100の厚さが表示装置200の厚さに含まれるので、表示装置200が厚くなって、外部衝撃に非常に強い。例えば、ガラス基板20の厚さ20tを第2基板620の厚さ620より厚く形成することによって、妨害電磁波遮蔽フィルター100によって表示装置200の耐久性を向上させることができる。
【0103】
以上のように、本発明の黒色導電性ペースト組成物は、特定の分散剤を含むことによって、分散性がより向上して、均一な電磁波遮蔽性能及び光学的特性を示す遮蔽フィルターの提供を可能にする。また、このような遮蔽フィルターは、表示装置に適用されて、外光反射をより低減させることができ、表示装置のコントラストをより向上させることができる。
【0104】
さらに、前記黒色導電性ペースト組成物は、黒色顔料及びガラス粉末を含んで、ガラス上に直接印刷が可能なグラビアオフセット印刷法を利用することができるだけでなく、有機物を焼成工程によって除去することができる。
【0105】
上記のように、他の工程に比べて製造工程が簡単なオフセット印刷方法を利用して妨害電磁波遮蔽フィルターを安価に製造することができる。
【0106】
また、前記妨害電磁波遮蔽フィルターを含む表示装置を製造する場合、表示装置の妨害電磁波遮蔽効果を最大化することができる。
【実施例】
【0107】
以下、実験例を通じて本発明をより詳細に説明する。このような実験例は単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0108】
[実施例1-5及び比較例1]
下記の表1のような組成及び含有量で、アクリレート高分子樹脂に溶剤、ガラス粉末、導電性金属、黒色顔料、及び分散剤を常温で攪拌し、最終的に3-ロールミルを利用して所望のグラビアオフセット印刷用黒色導電性ペースト組成物を作製した。
【0109】
【表1】

【0110】
表1において、変成アクリルブロック共重合体はBYK社製DISPERBYK-2001であり、アルキロールアンモニウム塩ポリマーはBYK社製DISPERBYK-180であり、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体はBYK社製DISPERBYK-2050であり、アクリルリクブロック共重合体はEFKA社製EFKA-4340であり、フッ素化アルキルオリゴマーは大日本インキ化学工業社製F-477である。また、高分子樹脂は重量平均分子量25,000で、メチルアクリレート(MA)、ブチルメタクリレート(BM)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びメチルメタクリレート(MMA)がそれぞれ30:40:10:20の重量部で共重合されたものである。前記BCAはブチルカルビトールアセテートであり、MEDGはジエチレングリコールメチルエチルエーテルである。ガラス粉末はビスマス系ガラス粉末である。
【0111】
導電性金属は銀粉末であり、平均粒径は1.5μmであった。黒色顔料はCoであった。
【0112】
[実施例6-8及び比較例2]
銀粉末の粒径を下記の表2のように変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で黒色導電性ペースト組成物を製造した。
【0113】
【表2】

【0114】
[実験例]
(妨害電磁波遮蔽フィルターの形成)
前記実施例1〜8、比較例1及び2で製造されたペースト組成物を、グラビアオフセット印刷により印刷して、適切な形状およびサイズのパターンを得た。
【0115】
つまり、図3に示すオフセット印刷装置と同一なオフセット印刷装置を使用してペースト組成物をガラス基板上にメッシュ形態に印刷した。この時、前記メッシュ形態パターンの線幅は25μmであり、パターン規格ピッチは250μmであった。次に、焼成工程でガラス基板に形成されたペースト組成物を500〜540℃で20分間維持して、遮蔽フィルター用メッシュパターンを形成した。
【0116】
(妨害電磁波遮蔽フィルターの特性の評価)
外光反射の低減効果とコントラスト特性の評価のために、前記実施例1〜5及び比較例1のペースト組成物を利用して形成された妨害電磁波遮蔽フィルターの光学的特性を下記のように評価した。
【0117】
光源としてはD65光源を使用し、前記ペースト組成物が印刷された面の反対側の面からフィルターに光源を照射した。実施例1〜5及び比較例1のフィルターの光学的特性(黒度、全体反射値、及び拡散反射値)を測定して比較評価した。測定数は6点であり、これを平均した。このような光学的特性の測定結果を下記の表3に示す。
【0118】
【表3】

【0119】
表3に示すように、ペースト組成物に特定の分散剤が含まれた実施例1〜5の遮蔽フィルターは、比較例1の遮蔽フィルターに比べて全体反射値及び拡散反射値を示した。
【0120】
実施例1〜5の遮蔽フィルターを、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に適用すると、より効果的に外光反射を低減させることができ、その結果、表示装置のコントラストをより向上させることができた。
【0121】
(遮蔽フィルターの印刷特性の評価)
実施例6〜8及び比較例2のペースト組成物を利用して形成された妨害電磁波遮蔽フィルターの分散性及び印刷特性(印刷性及びパターン直進性)を下記の基準で比較評価した結果を表4に示す。実施例6、7、及び比較例2のペースト組成物を利用した場合に各フィルターに形成されたメッシュ形態パターンの顕微鏡写真を図6〜8に示す。
【0122】
1)分散性の判断基準:
○:i)無機物と有機物との層分離の発生がなく、ii)ゲル化の発生がなく、iii)メッシュ形態パターンでペースト組成物に添加された各構成成分の粒子の大きさより大きくかたまった粒子がない。
ゲル化:ゲル化の発生。
×:前記i)〜iii)のうちの1つ以上の現象が現れる。
【0123】
2)印刷性の判断基準:
○:i)パターン転写が不均一であり、ii)パターン上にホールが発生せず、iii)パターンの短絡が発生しない。
×:前記i)〜iii)のうちの1つ以上の現象が現れる。
【0124】
3)パターン直進性の判断基準:
○:写真上になめらかな直線パターンが形成される。
×:直線パターンがなめらかでない。
【0125】
【表4】

【0126】
典型的な実施形態を参照して本願発明を詳細に説明してきたが、本願発明は、添付する特許請求の範囲において規定された発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で多様な形態および特徴に変形できることが当業者に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アクリレート樹脂、b)溶剤、c)ガラス粉末、d)導電性金属、e)黒色顔料、及びf)変成アクリルブロック共重合体、アルキロールアンモニウム塩ポリマー、塩基顔料親和基を含むブロック共重合体、アクリルリクブロック共重合体、フッ素化アルキルオリゴマー、ポリエーテル変成ジメチルポリシロキサン共重合体、及び変成ポリウレタンからなる群より選択される1種以上の分散剤、を含む、黒色導電性ペースト組成物。
【請求項2】
妨害電磁波遮蔽フィルター製造のための印刷用組成物である、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項3】
ガラス基板にオフセット印刷し焼成して妨害電磁波遮蔽フィルターを製造するための印刷用組成物である、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項4】
a)アクリレート高分子樹脂5〜15重量部、b)溶剤5〜15重量部、c)ガラス粉末1〜10重量部、d)導電性金属50〜90重量部、e)黒色顔料1〜10重量部、及びf)分散剤0.05〜1.0重量部、を含む、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項5】
前記黒色顔料は、コバルト系の化合物、銅系の化合物、ルテニウム系の化合物、マンガン系の化合物、ニッケル系の化合物、クロム系の化合物、または鉄系の化合物を含む、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項6】
前記黒色顔料は、コバルト系の化合物を含む、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項7】
前記黒色顔料は、銅の化合物、ルテニウムの化合物、マンガンの化合物、ニッケルの化合物、クロムの化合物、または鉄の化合物の補助顔料をさらに含む、請求項6に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項8】
前記アクリレート樹脂は、重量平均分子量が5,000〜100,000である、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項9】
前記溶剤は、沸点が200℃以上である高沸点溶剤の少なくとも1種以上と、沸点が200℃未満である低沸点溶剤の少なくとも1種以上とを含む、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項10】
前記高沸点溶剤は、γ―ブチロラクトン、ブチルカルビトールアセテート、カルビトール、メトキシメチルエーテルプロピオン酸塩、及びテルピノールからなる群より選択される1種以上の溶剤を含む、請求項9に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項11】
前記低沸点溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオン酸塩、エチルエーテルプロピオン酸塩、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、及び乳酸エチルからなる群より選択される1種以上を含む、請求項9に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項12】
前記溶剤は、前記高沸点溶剤12〜88重量%、及び前記低沸点溶剤12〜88重量%を含む、請求項9に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項13】
前記ガラス粉末は、鉛系粉末、鉛フリー粉末、黒色または有色顔料を添加して製造された有色のガラス粉末、及びVの有色成分を含むガラス粉末からなる群より選択される1種以である、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項14】
前記導電性金属は、銀、銅、ニッケル、及びこれらの合金からなる群より選択される1種以上の金属粉末である、請求項1に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項15】
前記金属粉末は、平均粒径が0.3〜30μmである、請求項14に記載の黒色導電性ペースト組成物。
【請求項16】
ガラス基板、及び
前記ガラス基板上に妨害電磁波を遮蔽するためにメッシュ形態に形成された遮蔽部材を含み、
前記遮蔽部材は、請求項1〜15のいずれか1項に記載の黒色導電性ペースト組成物を前記ガラス基板に印刷し焼成して形成されたものである、妨害電磁波遮蔽フィルター。
【請求項17】
前記遮蔽部材は、前記黒色導電性ペースト組成物をオフセット印刷し焼成して形成されたものである、請求項16に記載のフィルター。
【請求項18】
前記遮蔽部材は、
一方向に延在する少なくとも1つの第1遮蔽部と、
前記第1遮蔽部と交差する1つ以上の第2遮蔽部とを含む、請求項16に記載のフィルター。
【請求項19】
前記第1遮蔽部の幅は0より大きく50μm以下である、請求項18に記載のフィルター。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第1遮蔽部は複数の第1遮蔽部を含み、複数の第1遮蔽部の平均ピッチは0より大きく500μm以下である、請求項18に記載のフィルター。
【請求項21】
前記第1遮蔽部及び前記第2遮蔽部が交差してなす角は60°〜120°である、請求項18に記載のフィルター。
【請求項22】
前記角は実質的に90°である、請求項21に記載のフィルター。
【請求項23】
前記第1遮蔽部と前記ガラス基板の一辺とがなす角は20°〜70°である、請求項18に記載のフィルター。
【請求項24】
前記遮蔽部材は多角形形状の開口部を有し、前記開口部は面取りされた、請求項1に記載のフィルター。
【請求項25】
前記多角形を形成する全ての辺の長さは実質的に同一である、請求項24に記載のフィルター。
【請求項26】
前記多角形は実質的に正方形である、請求項25に記載のフィルター。
【請求項27】
前記ガラス基板の周縁に沿って形成されたエッジ層をさらに含み、前記蔽部材は前記エッジ層上に形成された、請求項16に記載のフィルター。
【請求項28】
前記遮蔽部材の端部に連結されて前記遮蔽部材を接地させるための接地部材をさらに含む、請求項27に記載のフィルター。
【請求項29】
ガラス基板、
前記ガラス基板上に妨害電磁波を遮蔽するためにメッシュ形態に形成された遮蔽部材、及び
画像を表示し、前記ガラス基板に対向する表示パネルを含み、
前記遮蔽部材は、前記表示パネルから放出される妨害電磁波を遮蔽するように適用されて、請求項1〜15のいずれか1項に記載の黒色導電性ペースト組成物を前記ガラス基板に印刷し焼成して形成されたものである、表示装置。
【請求項30】
前記表示パネルは、
互いに対向する第1基板と第2基板、及び
前記第1基板及び前記第2基板の間に位置した黒色層を含み、
前記遮蔽部材の延在方向は前記黒色層の延在方向と交差する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記遮蔽部材は前記第2基板に接する、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記遮蔽部材は、前記黒色導電性ペースト組成物をオフセット印刷し焼成して形成されたものである、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記遮蔽部材は、
一方向に延在する少なくとも1つの第1遮蔽部、及び
前記第1遮蔽部と交差する1つ以上の第2遮蔽部を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記第1遮蔽部の幅は0より大きく50μm以下である、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
少なくとも1つの第1遮蔽部は複数の第1遮蔽部を含み、複数の第1遮蔽部の平均ピッチは0より大きく500μm以下である、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記第1遮蔽部及び前記第2遮蔽部が交差してなす角は60°〜120°である、請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記角は実質的に90°である、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記第1遮蔽部と前記ガラス基板の一辺とがなす角は20°〜70°である、請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記表示パネルはプラズマ表示パネルである、請求項33に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−520934(P2010−520934A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552590(P2009−552590)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/KR2008/001255
【国際公開番号】WO2008/111757
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(303016937)ドウジン セミケム カンパニー リミテッド (13)
【Fターム(参考)】