説明

黒色系光輝顔料およびそれを配合した化粧料、塗料組成物、樹脂組成物およびインキ組成物

光輝感のある黒色を呈し、隠蔽率が高い薄片状黒色系光輝顔料であって、これを含有する化粧料などを使用するときの感触、滑らかさや伸びが優れる薄片状黒色系光輝顔料を提供する。 0.1〜8.0μmの平均厚さ、1〜800μmの平均粒径および3〜500のアスペクト比を有する薄片基材の表面に四三酸化鉄または低次酸化チタンの薄膜を被覆してなる黒色系光輝顔料である。薄膜の厚みは10nm〜1.0μmの厚みであることが好ましく、40以上の輝度(L15値)を有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料、塗料、樹脂、フィルムまたはインキなどに配合される薄片(フレーク粒子)状黒色系光輝顔料に関する。さらには、この薄片状黒色系光輝顔料を含有する化粧料、塗料、塗膜、成形樹脂組成物、樹脂成形体およびインキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄片状の光輝感のある黒色系顔料としては、カーボンブラックで被覆した雲母(特許文献1)、オキシ水酸化鉄または磁鉄鉱(四三酸化鉄)で被覆した雲母(特許文献2)、二酸化チタンもしくは二酸化チタンと金属酸化物の複合体で被覆された雲母を還元して一酸化チタンとする方法(特許文献3)、二酸化チタン被覆雲母を四三酸化鉄で被覆する方法(特許文献4)、(Fe(FeO)(ここでx:y=1.5〜5:1)で表される黒色酸化鉄で被覆した雲母(特許文献5)が知られている。また、特許文献6には、ガラス粉体を0.04μm以下の厚みのニッケル合金で被覆した黒色外観を呈するメタリック顔料が記述されている。
【0003】
【特許文献1】特公昭39−13216号公報
【特許文献2】特開昭49−128027号公報
【特許文献3】特開昭58−164653号公報
【特許文献4】特開昭61−19666号公報
【特許文献5】特開平4−145168号公報
【特許文献6】特開2002−30232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1〜5に記載の光輝性黒色顔料では光輝感が十分ではない。またこの顔料を含有する化粧料などを使用するときの感触や伸びが悪いなどの問題もある。
【0005】
前記特許文献6に記載された、ガラス薄片を0.04μm以下のニッケル合金で被膜した黒色外観を呈するメタリック顔料においては、隠蔽率が低い、発色が弱いという問題がある。なお、被覆厚みが厚い場合、金属光沢が強くなり、実際の外観色としては光沢性の白灰色からグレー調になり、光沢性の黒色調とは言えない。
【0006】
本発明は光輝感のある黒色を呈し、隠蔽率が高い薄片状黒色系光輝顔料であって、これを含有する化粧料などを使用するときの感触、滑らかさや伸びが優れる黒色系光輝顔料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の薄片状黒色系光輝顔料は、0.1〜8.0μmの平均厚さ、1〜800μmの平均粒径および3〜500のアスペクト比を有する薄片基材の表面が四三酸化鉄および/または低次酸化チタンの薄膜で被覆されてなるものである。
【0008】
本発明の黒色系光輝顔料の基材(母材)は、その形状が薄片状であって、0.1〜8.0μmの平均厚さ、1〜800μmの平均粒径および3〜500のアスペクト比を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは薄片ガラスまたは金属酸化層付き薄片ガラスである。薄片ガラスは、公知の技術、例えば特公昭41−17148号公報、特公昭45−3541号公報に記載の方法で製造することができる。すなわち、熔融したガラスを円型スリットから押し出し、そのガラスの内部に空気などを注入して中空状の円筒に膨らませ薄く均一なガラスフィルムとし、それを粉砕する方法で製造される。また、米国特許5,017,207号に記載されている、溶融したガラスを回転する円盤に吹き付けて急冷・成形し、薄片状とする方法、あるいは、米国特許989,671号に記載されている溶融ガラスを回転するスリットから繊維状に吹き出し、それを壁面にぶつけて急冷・成形し、薄片状とする方法などが挙げられる。この薄片ガラスは、安価な原料を熔融して製造するため、コストを低く抑えることができる。また、自由表面を持つ熔融ガラスを冷却固化するため、その表面は非常に平滑であり、さらに、非晶質で劈開性を有しないので、その表面に段差がない。従って、可視光の反射率が高く有効な光輝感を示すことができる。薄片ガラスとは異なり雲母は劈開性があり、表面が段差状になっており、それにより光が乱反射し、ある方向から見た場合光輝感が十分発揮されない。またその劈開性のために、雲母を含有する化粧料を塗布したときの感触や伸びが悪い。
【0009】
薄片ガラスの材料であるガラスとしては、熔融成形できるものならどのような組成でもよいが、一般に使われているソーダライムガラス、Cガラス、Eガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、耐アルカリガラスなどが例示される。薄片状黒色系光輝顔料の母材の薄片ガラスは、0.1〜8.0μmの平均厚さ、1〜800μmの平均粒径および3〜500のアスペクト比を有するものが好ましく、0.2〜7.0μmの平均厚さ、3〜600μmの平均粒径および4〜200の平均アスペクト比を有するものがより好ましく、0.4〜6.0μmの平均厚さ、5〜500μmの平均粒径および5〜100の平均アスペクト比を有するものがさらに好ましい。薄片状黒色系光輝顔料の平均粒径はレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックII(日機装(株)製)を用いることにより、平均厚さはシャー式光干渉顕微鏡(インターファコ、イエーナーカールツァイス製)による50個測定の単純平均を算出することにより、平均アスペクト比は上記平均粒径の値を上記平均厚さ値で除することによりそれぞれ求めることができる。
【0010】
金属酸化層付き薄片ガラスは、上記薄片ガラスの一部または全部に金属酸化層が設けられていれば特に限定されない。金属酸化層は、金属酸化物で構成される層であり、かかる金属酸化物としては、例えばシリカ、酸化ジルコン、酸化亜鉛および酸化スズ等から選ばれた1種または2種以上の金属酸化物が挙げられる。
薄片ガラスに金属酸化層を形成させる手段は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の被覆手段などから適宜採用される。例えば、金属酸化層がシリカで構成される層である場合、薄片ガラスを65〜75℃に加温した水の中に分散させ、ついで鉱酸ないしはカセイソーダでpH7〜9に調整した後、液温度及びpHを維持しながら珪酸ナトリウム及び鉱酸を滴下し、その後水洗、乾燥さらには焼成することにより、薄片ガラスに金属酸化層を設けることができる。
【0011】
本発明において薄片ガラス基材の表面に被覆する薄膜材料としては、四三酸化鉄(黒酸化鉄、マグネタイトFe)または低次酸化チタン(黒酸化チタン、TiO、ここでxは2未満で通常は1.5〜1.8)が用いられる。四三酸化鉄と低次酸化チタンの混合物を使用してもよく、また四三酸化鉄の薄膜と低次酸化チタンの薄膜との積層物を使用してもよい。安全性がよく、暗色系の干渉色の発色が得られるという効果も有するなどの観点から、四三酸化鉄が好ましく用いられる。被覆する薄膜の厚みを調整することにより、干渉色を発現させることができる。この厚みは、10nm〜1.0μm(1000nm)が好ましい。この厚みが10nm未満では、黒の発色が弱く、1.0μmを超えると、生産に時間がかかり、またコーティング層にひびが入ったりする問題を生じる。コーティング層の厚みが30〜300nmであれば干渉色がきれいに見える。300nmを超えると光の吸収が強くなり、干渉色が弱くなるが、黒の発色は強くなり、隠蔽率も高くなる。
【0012】
この薄片ガラス基材の表面を四三酸化鉄または低次酸化チタンの薄膜で被覆する方法としてはどのような方法でもよい。たとえば、湿式で鉄(II)またはチタン(III)の塩、アルコキシドなどを酸化剤の下で加水分解して薄片ガラス基材表面に四三酸化鉄または低次酸化チタンの薄膜を析出させる方法、スパッター法、CVD法、顔料をシリカコロイド、シリコンアルコキシド、シランカップリング剤などをバインダーとして薄片ガラス表面に付着させる方法などが例示される。また、四三酸化鉄または低次酸化チタンそのものを用いて被覆するのではなく、常法に従い、被覆した薄膜を元して四三酸化鉄または低次酸化チタンとする方法も提示できる。その例としては、三二酸化鉄(Fe)や二酸化チタン(TiO)で被覆した後、それを還元して四三酸化鉄(Fe)や低次酸化チタン(TiO(xは2未満))とするという方法が挙げられる。より具体的には、あらかじめ三二酸化鉄および/または二酸化チタンで薄片ガラス基材の表面を被覆した後、還元雰囲気中で焼成し、四三酸化鉄および/または低次酸化チタンとする方法が挙げられる。この還元反応によって薄膜が黒色化され、そのときの還元条件によって、黒色系色調を変化させることができる。薄片状ガラスの表面を1層だけ被覆してもよく、また2層以上被覆してもよい。2層以上被覆した場合、より深い黒色・隠蔽力のある黒色となったり、干渉色の発色がより鮮やかであるとか角度によって干渉色が変化して見えるなどの効果を奏することができる。
また、上記では薄片基材が薄片ガラス基材である場合を説明したが、薄片基材が金属酸化層付きガラス薄片である場合も同様にして黒色系光輝顔料を作製できる。
【0013】
このようにして作製された黒色系光輝顔料は、平滑な表面を有する薄片状であるため、光を正反射させ、光輝感のある暗色から黒色系の顔料となる。特に、該光輝感については、黒色系光輝顔料の輝度(L15値)が40以上であるのが好ましい。
この薄片状黒色系光輝顔料を化粧料に配合することにより、これまでにない光輝感のある黒色を発色でき、感触も良好な化粧料を調製することができる。化粧料における薄片状黒色系光輝顔料の含有率は、1〜100質量%が適当である。1質量%未満では、黒色の発色が弱い。ルースパウダーとして使用するアイシャドー、フェースカラーなどの粉末状化粧料の場合は、使用時に肌上に存在する人脂と混ざるため、100%でもよい。
【0014】
上記薄片状黒色系光輝顔料は、化粧料の目的に応じて適宜疎水化処理を施してもよい。疎水化処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオイルまたはシリコーン樹脂などのシリコーン化合物による処理、アニオン活性剤またはカチオン活性剤などの界面活性剤による処理、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、フッ素樹脂またはポリアミノ酸などの高分子化合物による処理、あるいはパーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステルまたは完全エステルなどによる処理、さらにはこれらの複合処理が挙げられる。ただし、これらの方法に限定されるものではなく、一般に粉末の疎水化処理に適用できる方法であればよい。
【0015】
この化粧料には、本発明の黒色系光輝顔料のほかに、通常化粧料に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。他の成分としては、無機粉末、有機粉末、顔料、色素、油性成分、有機溶剤、樹脂または可塑剤などが挙げられる。たとえば、無機粉末としては、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素またはセラミックスパウダーなどが挙げられる。
【0016】
また、有機粉末としては、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリ四フッ化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキシパウダーまたはアクリルパウダーなどが挙げられる。
【0017】
顔料としては、微結晶性セルロース、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料、γ酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色系光輝顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、群青、紺青などの無機青色系顔料、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母などのパール顔料、アルミニウムパウダー、あるいはカッパーパウダーなどの金属粉末顔料などが挙げられる。
【0018】
色素としては、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号および青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキなどの有機顔料、あるいはクロロフィルまたはβ−カロチンなどの天然色素などが挙げられる。
【0019】
さらには油性成分として、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オケゾライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油またはラノリンなどの各種炭化水素、シリコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類、高級アルコール、あるいはロウなどが挙げられる。
【0020】
また、化粧料に配合される他の成分として、さらに、アセトン、トルエン、酢酸ブチルまたは酢酸エステルなどの有機溶剤、アルキド樹脂または尿素樹脂などの樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブチルなどの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、あるいは増粘剤などが挙げられる。
【0021】
化粧料の形態としては、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状またはクリーム状など種々の形態が挙げられる。これらには、たとえば、ファンデーション、口紅、アイシャドー、頬紅、アイライナー、ネイルエナメルまたはマスカラなどのメークアップ化粧料、ヘアカラーなどの頭髪化粧料、化粧水、乳液またはクリームなどのフェーシャル化粧料が含まれる。
【0022】
また、この薄片状黒色系光輝顔料は、従来のフィラーと同様に塗料、樹脂練り込み、フィルムまたはインキなどのフィラーとしても使用できる。この薄片状黒色系光輝顔料を塗料に使用した場合、薄片状黒色系光輝顔料を含有する塗料組成物を常法に従い塗布基板上に塗布し、硬化することにより塗膜が形成されるが、この塗膜は、塗布基板上での伸びが良く、むらになることがなく、微妙な色合いの黒色を呈する。樹脂に使用した場合、薄片状黒色系光輝顔料を含有する樹脂組成物を常法に従い成形することにより樹脂成形体(例えば樹脂フィルム等)が得られるが、得られた樹脂成形体は色合いにむらがなく、微妙な色合いの黒色を呈するものにできる。さらにインクに使用した場合も、筆跡または印刷は、むらになることはなく、微妙な色合いの黒色を呈するものになる。塗料組成物、成形樹脂組成物、インキ組成物中の薄片状黒色系光輝顔料の含有率は、1〜70質量%が好ましい。1質量%未満では、黒色の発色が弱く、70質量%を超えると混合が困難になる。より好ましい薄片状黒色系光輝顔料含有率は、3〜50質量%である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の薄片状黒色系光輝顔料は、その母材である平滑で壁開のない薄片ガラスが黒色系光輝顔料で被覆されたものであり、非常に光輝感のある黒色を呈するとともに、感触や滑らかさが良いものである。
さらに、この薄片状黒色系光輝顔料を化粧料、塗料、樹脂成形体のフィラーとして利用すれば、光輝感のある黒色を呈するものとすることができ、インクのフィラーとして利用すれば光輝感のある黒色を呈する筆記ないし印刷ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
各実施例および比較例において作製した薄片状黒色系光輝顔料について、下記手段により光輝感の評価を行った。
〔色相、輝度の評価〕
アクリル樹脂塗料(アクリルオートクリアスーパー 日本ペイント株式会社製、固形分約50質量%)に薄片状黒色系光輝顔料が樹脂中で10質量%になるように添加し、よく混合撹拌した後、隠蔽率測定紙に9ミル(9/1000インチ)隙間のアプリケーターで塗布し、乾燥させた。その塗板を、マルチアングル分光測色計(X−rite MA68II、(株)カラーテクノシステム)を使用して、角度15度における輝度L15値、色相a値、b値を測定した。その輝度L15値が高いほど輝度があり、光輝感がある。
〔隠蔽率の評価〕
上記で作製した隠蔽率測定紙の塗板につき、ミノルタ製色彩色差計CR300を用いて、白色背景でのL値(Lw)と黒色背景でのL値(Lb)を測定し、Lw値をLb値で除した数値を隠蔽指数とした。白色背景のL値と黒色背景でのL値に差がないほど(すなわち隠蔽指数が1に近いほど)隠蔽率が高いという評価である。
【数1】

【0026】
〔光輝感の目視判定〕
また、上記色相、輝度測定用の塗板を使用し、塗板を目視でも観察し、人間の目で見た場合の光輝感を判定した。目視観察は5人で行い、表1に示す基準で光輝感の印象から点数をつけてもらい、その5人の平均点を出し、表2に示したような基準で光輝感を評価した。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
[実施例1〜7]
実施例1〜3として、Eガラス(SiO:53質量%、Al:15質量%、CaO:21質量%、MgO:2質量%、B:8質量%、NaO+KO:0.3質量%)を1,300℃で熔融し、円筒形にブローし延伸薄膜化して冷却固化することにより、表3に示される所定の厚さにし、それを粉砕分級して、表3に示される所定の厚さ、粒度およびアスペクト比を有する薄片ガラスを製造した。また、実施例4〜7として、Cガラス(SiO:65質量%、Al:4質量%、CaO:14質量%、MgO:3質量%、B:5質量%、NaO:8質量%、KO:1質量%)を1,200℃で熔融し、円筒形にブローし延伸薄膜化して冷却固化することにより、表3に示される所定の厚さにし、それを粉砕分級して、表3に示される所定の厚さ、粒度およびアスペクト比を有する薄片ガラスを製造した。
これらの薄片ガラス100gを1Lの精製水に添加・分散させ、恒温水槽で75℃に昇温・保持した。その溶液を希塩酸でpH3.2程度に調整した。その後、10%塩化鉄(III)溶液を添加した。この際、希水酸化ナトリウム溶液で、pHを3.2程度に維持した。これにより、薄片ガラスの表面がFeで被覆された状態となる。10%塩化鉄(III)溶液の添加量は、被覆厚みがほぼ同じになるように調整した。すなわち、表3に示す母材薄片ガラスの厚みが0.7μmの場合は、10%塩化鉄(III)溶液の添加量をトータル2005g、厚みが1.3μmの場合は、10%塩化鉄(III)溶液の添加量をトータル1080g、厚みが5μmの場合は、10%塩化鉄(III)溶液の添加量をトータル281gに調整した。添加終了後、薄片ガラス懸濁溶液をろ過し、回収した残渣を乾燥したあと、600℃で2時間仮焼し、Fe被覆薄片ガラスを得た。
【0030】
このFe被覆薄片ガラスを、白金皿にいれ、管状炉中で水素10%−窒素90%のガスを流しながら、530℃で2時間熱処理することにより、薄片ガラス表面のFeを、黒色のFeに還元した。Fe薄膜の厚みは実施例1〜7のいずれもおよそ250nmであった。
【0031】
これらの薄片状黒色系光輝顔料について、上記手段に従って、塗布膜中の薄片状黒色系光輝顔料の輝度L15値を測定した。その結果を、薄片状黒色系光輝顔料の平均粒径(μm)、平均厚さ(μm)、平均アスペクト比、色目、目視光輝感、隠蔽指数と共に表3に示す。
【0032】
[実施例8]
実施例3で製造した薄片ガラス100gを、70℃に加温したイオン交換水中に分散させ、鉱酸でpH8.0に調整した後、液温度およびpHを維持しながら、珪酸ナトリウム30gを1時間かけて滴下させた。
その後、固形物をろ取し、水洗、乾燥し、600℃で焼成した。このようにして、表3に示される所定の厚さ、粒度およびアスペクト比を有するシリカ被覆薄片ガラスを製造した。このシリカ被覆薄片ガラスに実施例3と同様にしてFeを被覆し、Feで被覆されたシリカ被覆薄片ガラスを製造した。
【0033】
【表3】

【0034】
[比較例1〜3]
比較例1〜2として、薄片ガラスに代えて以下の表5に示すマイカを用いたこと以外、実施例1と同じ方法で黒酸化鉄を被覆し、黒色マイカを作製し、同様に評価を行った。結果を表5に示す。また、比較例3として、市販のマイカブラック(マイカに黒酸化鉄及び酸化チタンを被覆したもの:メルク社製)も同様に評価し、表5に合わせて示した。
【0035】
[比較例4]
薄片ガラス(日本板硝子(株)製 マイクログラス ファインフレークRCFFX−1040(9507)Cガラス組成 平均厚さ1.3μm 平均粒径38μm)1.2kgをイオン交換水4リットルに加え、攪拌機で攪拌して、スラリー液とした。このスラリー液に塩化スズ(II)0.5質量%水溶液を常温にて0.3リットル加えた後、5分間攪拌した。薄片ガラスを減圧ろ過で回収し、イオン交換水で水洗した。この薄片ガラスを純水4リットルに懸濁し、スラリー液とし、このスラリー液に塩化パラジウム(II)2質量%水溶液を常温にて、0.01リットル加えて、5分間攪拌した。薄片ガラスを減圧ろ過で回収し、純水で水洗した。
【0036】
下記表4に示す組成の無電解めっき液20リットルを攪拌しながら、70℃に加温する。このめっき液に前処理した上記薄片ガラス1.2kgを懸濁し、30分攪拌する。生成物を減圧ろ過で、採取し、純水で水洗し、150℃で真空乾燥する。目開き100μmのステンレス製金網でふるいを行った。得られた顔料は黒色でありながら、金属光沢を有するものであった。薄片ガラスの表面のニッケルリン合金層の厚みは0.02μmであった。上記実施例と同様に評価した結果を表5に示した。
【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

【0039】
これら比較例と上記実施例とを対比することにより、マイカの表面を黒酸化鉄或いは黒酸化鉄と酸化チタンで被覆したものは、光輝感が殆どないか少ないのに対し、薄片ガラスの表面を黒酸化鉄で被覆したものは、光輝感を生じていることが分かる。薄片ガラス表面をニッケルでめっきした比較例4は、光輝感はあるが、隠蔽指数が1.1を超えており、隠蔽性が低いことが分かる。
【0040】
[実施例9〜14]
粒径90μm、厚み5.0μmのCガラスの薄片ガラス100gを1Lの精製水に添加・分散させ、恒温水槽で75℃に昇温・保持した。その溶液を希塩酸でpH3.2程度に調整した。その後、10%塩化鉄(III)溶液を表6に示される所定量添加した。この際、希水酸化ナトリウム溶液で、pHを3.2程度に維持した。これにより、薄片ガラスの表面がFeで被覆された状態となる。添加終了後、薄片ガラス懸濁溶液をろ過し、回収した薄片ガラスを乾燥したあと、600℃で2時間仮焼し、Fe被覆薄片ガラスを得た。
このFe被覆薄片ガラスを、白金皿にいれ、管状炉中で水素10%−窒素90%のガスを流しながら、表6に示される所定の還元温度で2時間熱処理することにより、被覆したFeを黒色のFeに還元した。Fe薄膜の厚みは実施例9〜11がおよそ450nm、実施例12〜14がおよそ700nmであった。
【0041】
これらの薄片状黒色系光輝顔料について、上記手段に従って、塗布膜中の薄片状黒色系光輝顔料の輝度L15値を測定した。その結果を10%塩化鉄のトータル添加量、還元温度および光輝感と共に表6に示す。
【0042】
【表6】

【0043】
表6から、実施例9と12、または、実施例10と13を比較することにより、被覆量(塩化鉄の添加量)により、色目が異なることがわかる。これは、酸化鉄被覆膜による干渉色がでているものと考えられる。
また、実施例9、10および11または実施例12、13および14を比較することにより、還元温度が順に400、500および530℃と高くなるにしたがって、色が黒くなっていることがわかる。これは、酸化鉄の還元度合いが進み、黒の吸収が強くなって、干渉色が見えなくなってきたためだと思われる。
L15値と光輝感は高く、光輝感のある暗色系顔料になっている。
【0044】
[実施例15]
実施例4で用いた、粒径40μm、厚み1.3μmの薄片ガラスを硫酸チタニル溶液中に懸濁させ、この懸濁液を加熱し1時間沸騰させることにより、薄片ガラス表面をチタニアで被覆し、濾過水洗後乾燥し、その後600℃で30分間熱処理して、チタニア被膜を備えた薄片ガラスを得た。このチタニア被覆薄片ガラスを、白金皿にいれ、管状炉中でアンモニアガスを流しながら、600℃の温度で10時間熱処理することにより、被覆したTiOを、黒色の低次酸化チタン(TiO、ここでxは1.7)に還元し、低次酸化チタン被覆薄片ガラスを得た。
この低次酸化チタン被覆薄片ガラスのL15値は67であり、パネリストによる光輝感評価は◎であった。なお低次酸化チタン被膜の厚みは150nmであった。
【0045】
次に、上記実施例および比較例で作製した薄片状黒色系光輝顔料を用いて、化粧料を試作し、その使用感について官能試験を行った。官能試験の項目は、肌やまつ毛などへの塗布時の感触および黒色のきれいさ(光輝感)の2項目であり、個々の項目について1〜5の5段階の評価を行った。各項目の評価基準を表7、8に示す。
【0046】
【表7】

【0047】
【表8】

【0048】
以下の化粧料の官能試験では、10人のパネリストを起用した。光輝感および感触について、この10人の評価の平均値をもって評価した。なお、評価結果を見易くするため、以下の評価結果に下記表9に示される記号を示す。
【表9】

【0049】
[実施例16:乳化型マスカラ]
以下の表10に示す各成分により、乳化型マスカラを調製した。
【表10】

【0050】
成分(1)〜(5)を混合し、75℃に加熱して溶解し、均一化する。この混合物に対して成分(6)の黒色系光輝顔料を添加し、コロイドミルを通して均一に分散させる。さらに成分(7)を混合、溶解して75℃に加熱し、加熱溶解均一化した成分(8)〜(11)を添加して乳化し、冷却して、乳化型マスカラを得た。
【0051】
[比較例5]
実施例16の処方中、成分(6)の(黒酸化鉄内包薄片状)黒色系光輝顔料を比較例1の酸化鉄顔料に代え、それ以外は実施例14と同様にして乳化型マスカラを作製した。
実施例16と比較例5との官能試験の結果を表11に示す。
【0052】
【表11】

【0053】
表11より、本発明に係る乳化型マスカラであれば、光輝感、感触に優れていることが判る。
【0054】
[実施例17:アイシャドー]
以下の表12に示す各成分により、アイシャドーを調製した。
【表12】

【0055】
上記成分(1)〜(4)をヘンシェルミキサーで混合し、これに成分(5)〜(9)を加熱混合したものを吹き付け混合した後粉砕した。これを所定の中皿に吐出して、アイシャドーを得た。
【0056】
[比較例6]
実施例17の処方中、成分(3)の実施例5の薄片状黒色系光輝顔料を比較例2の黒酸化鉄被覆マイカに代え、それ以外は実施例17と同様にしてアイシャドーを作製した。
実施例17と比較例6との官能試験の結果を表13にまとめて示す。
【0057】
【表13】

【0058】
表13より、本発明に係るアイシャドーであれば、光輝感、感触に優れていることが判る。
【0059】
[実施例18:アイライナー]
以下の表14に示す各成分により、アイライナーを調製した。
【表14】

【0060】
成分(1)〜(8)を85℃に加熱し、攪拌混合した後、室温まで冷却し、気密性の筆つき容器に充填してアイライナーを調製した。
【0061】
[比較例7]
実施例18の処方中、成分(4)の薄片状黒色系光輝顔料を比較例2の黒酸化鉄被覆マイカに代え、それ以外は実施例18と同様にしてアイライナーを作製した。
実施例18と比較例7との官能試験の結果を表15にまとめて示す。
【0062】
【表15】

【0063】
表15より、本発明に係るアイライナーであれば、光輝感、感触に優れていることが判る。
【0064】
[実施例19:ネイルカラー]
以下の表16に示す成分によりネイルカラーを調製した。
【表16】

【0065】
成分(1)〜(4)および成分(9)〜(10)をローラーミルで混練した後、成分(5)〜(8)を添加し溶融拡散、均一分散させ、所定の容器に充填してネイルカラーを得た。
【0066】
[比較例8]
実施例19の処方中、成分(10)の薄片状黒色系光輝顔料を比較例1の黒酸化鉄被覆マイカに代え、それ以外は実施例19と同様にしてネイルカラーを作製した。
実施例19と比較例8との官能試験の結果を表17にまとめて示す。
【0067】
【表17】

【0068】
表17より、本発明に係るネイルカラーであれば、光輝感、感触に優れていることが判る。
【0069】
[実施例20:油性スティックファンデーション]
以下の表18に示す各成分により、油性スティックファンデーションを調製した。
【表18】

【0070】
成分(9)〜(15)を85℃で溶解し、この溶液に成分(1)〜(8)を添加し、ディスパーで混合した後、コロイドミルで分散させた。その後成分(16)を添加し、脱気後70℃で容器に流し込み冷却し、油性スティックファンデーションを得た。
この油性スティックファンデーションは、光輝感、感触に優れていた。
【0071】
[実施例21:頬紅]
以下の表19に示す各成分により、頬紅を調製した。
【表19】

【0072】
成分(1)〜(4)を成分(7)の一部に加え、ローラーで処理して、顔料部を調整した。成分(7)の残りと、成分(5)、(6)、(8)および(9)とを90℃に加熱溶解し前記顔料部を加え、ホモミキサーで均一に分散させ、分散後に所定の容器に充填して目的の頬紅を得た。
この頬紅は光輝感、感触が優れていた。
【0073】
[実施例22:口紅]
以下の表20に示す各成分により、口紅を調製した。
【表20】

【0074】
上記成分(1)〜(4)を85℃で加熱溶解させ、これに成分(5)〜(7)を加え攪拌混合した後、さらに成分(8)を混合攪拌し、その後所定の容器に充填して口紅を得た。この口紅は、光輝感、感触に優れていた。
【0075】
次に前記実施例及び比較例の薄片状物質を用いて、塗料を作製した。
[実施例23:黒塗料組成物]
以下に示す下記成分により、塗料組成物を調製した。
まず、以下の表21に示す組成を、ペイントシェーカーを用いて60分間分散させ、分散ビヒクルを作製した。
【表21】

この分散ビヒクルにさらに、以下の表22に示す組成を添加して攪拌し、黒色の塗料組成物を作製した。
【表22】

【0076】
[比較例9]
実施例23に示す塗料組成物のうち、成分(4)の薄片状黒色系光輝顔料を、比較例1の黒酸化鉄被覆マイカに代える以外は実施例23と同様にして、黒色塗料組成物を作製した。
【0077】
実施例23と比較例9の黒色塗料組成物として、光輝感を判定した。その結果を表23に示す。
【0078】
【表23】

【0079】
表23により、本発明に関わる黒色塗料組成物は、光輝感のある非常にきれいな黒色であることがわかる。
【0080】
[実施例24:成形樹脂組成物および樹脂成形体]
メタクリル酸メチル共重合ビーズ98質量%、実施例7の薄片状黒色系光輝顔料2質量%をヘンシェルミキサーで攪拌混合して成形樹脂組成物を得た。これを用いて押し出し機で厚み0.5mmのアクリル樹脂成形体を作製した。この樹脂成形体は光輝感のある澄んだ黒色を呈した。
【0081】
[比較例10]
実施例24で用いた薄片状黒色系光輝顔料に代えて比較例1の黒酸化鉄被覆マイカを使用した以外は実施例24と同様にして、厚み0.5mmのアクリル樹脂成形体を作製した。この樹脂成形体は光輝感のない、マット調の黒色を呈した。
実施例24及び比較例10から分かるように、本発明に係る樹脂成形体は、光輝感、透明性のあるきれいな澄んだ黒色を呈することが分かる。
【0082】
[実施例25:インキ組成物]
以下に示す各成分を十分に混合し、黒色インキを調製した。
【表24】

このインキ組成物を用いて白紙上に筆記したところ、非常にきれいな光輝感のある黒色を呈する筆跡となった。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の黒色系光輝顔料は、化粧料、塗料、樹脂成形体、インキなどのフィラーとして利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜8.0μmの平均厚さ、1〜800μmの平均粒径および3〜500のアスペクト比を有する薄片基材の表面が四三酸化鉄および/または低次酸化チタンの薄膜で被覆されてなる黒色系光輝顔料。
【請求項2】
前記薄膜は10nm〜1.0μmの厚みを有する請求の範囲第1項記載の黒色系光輝顔料。
【請求項3】
輝度L15値が40以上である請求の範囲第1項または第2項に記載の黒色系光輝顔料。
【請求項4】
四三酸化鉄および/または低次酸化チタンの薄膜が、あらかじめ三二酸化鉄および/または二酸化チタンで薄片基材の表面を被覆した後、還元雰囲気中で焼成し、四三酸化鉄および/または低次酸化チタンとすることにより形成されたものである請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料。
【請求項5】
前記薄片基材が、薄片ガラス基材または金属酸化層付き薄片ガラス基材である請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料。
【請求項6】
前記金属酸化層は、シリカ、酸化ジルコン、酸化亜鉛および酸化スズから選ばれた1種または2種以上の金属酸化物からなる金属酸化層である請求の範囲第5項記載の黒色系光輝顔料。
【請求項7】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料を含有する化粧料。
【請求項8】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料を含有する塗料組成物。
【請求項9】
請求の範囲第8項に記載の塗料組成物を塗布し、硬化してなる塗膜。
【請求項10】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料を含有する成形樹脂組成物。
【請求項11】
請求の範囲第10項に記載の成形樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
【請求項12】
請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の黒色系光輝顔料を含有するインキ組成物。

【国際公開番号】WO2005/028566
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514093(P2005−514093)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013771
【国際出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】