説明

鼻のアレルギー疾患において適用するためのクルクミノイドおよびその代謝物

活性化合物の生物学的利用能を増大させるのに有効な、天然または合成クルクミノイドから選択される1以上のナノ乳化クルクミン成分および/またはその代謝物を、薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせで含む、眼/鼻投与用医薬組成物を本明細書中で開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトおよび動物におけるアレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎およびそれらの関連する症状などのアレルギー疾患の予防または治療に有用な、天然のクルクミノイドおよびまたはその代謝物、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、および合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または場合によって透過促進剤としての好適な界面活性剤および/または共溶媒ならびに他の眼および鼻用賦形剤と組み合わせて含む、眼および鼻の治療用水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
眼は複雑で敏感な身体の器官であり、多くの疾患に罹る可能性がある。眼は、自身の組織への損傷から保護するために多くのバリアを有する。このことは、眼の前方部分がより疾患にかかりやすいことも意味する。第1の主要なバリアは結膜であり、これは眼球を包み込む粘膜である。結膜は、遭遇する環境要因を通して、多くの厳しい条件/アレルゲンに常にさらされている。この結果、ヒスタミンの放出を通して肥満細胞によって媒介される眼のアレルギー反応が起こり、アレルギー性結膜炎と呼ばれている状態または、眼の赤みおよび腫脹などの他の関連する炎症状態に至る。これらのアレルギー状態は、一年の特定の期間のみで起こる季節的なものであって季節性アレルギー性結膜炎(SAC)と呼ばれるものであるか、または一年を通して起こる通年性のものであって通年性アレルギー性結膜炎(PAC)呼ばれるものであるかのいずれかである。一部のアレルギー状態、例えばアトピー性角結膜炎、春季カタルおよび巨大乳頭結膜炎は、角膜にも及ぶ。
【0003】
これらの状態は、典型的には、眼の赤み、かゆみ、および水性分泌物を伴う腫れによって特徴づけられる。これは、アレルゲン感作によるIgEの架橋のための肥満細胞脱顆粒反応が主な原因であり、結膜でのヒスタミン噴出に至る。結膜は肥満細胞を多く含み、アレルゲン感作によって過量のヒスタミンを経験し、その結果、眼のかゆみや赤みが生じる。現行の治療法は、抗ヒスタミン点眼薬(エメダスチンジフマレートおよびレボカバスチン)、局所肥満細胞安定化薬(オロパタジン、ケトチフェン)、鬱血除去薬および局所抗炎症薬(NSAIDおよびコルチコステロイド)を含む。
【0004】
アレルギー性鼻炎は、鼻腔の炎症であり、通常、水様鼻漏ならびに鼻および眼のそう痒を伴う。症状は鼻や眼で起こり、通常、塵、垢、またはある季節的な花粉へさらされた後に起こる。患者は日常の活動で大幅に制限される可能性があり、その結果、長期間学校や仕事を休むことになる。この慢性病を治療するための医療業務や薬物治療に、毎年、何百万ドルも費やされる。多くの通年性および季節性アレルゲンは、アレルギー性鼻炎を引き起こし、前者は通年性アレルギー性鼻炎(PAR)を引き起こし、後者は季節性アレルギー性結膜炎(SAR)を引き起こす。
【0005】
イエダニ、ゴキブリ、カビおよび動物性ふけは、通年のアレルゲンの例である。
【0006】
特異的症状としては、反復性くしゃみ;鼻漏(鼻水);後鼻漏;鼻閉;眼、耳、鼻またはのどのそう痒性(かゆみ);および全般的な疲労が挙げられる。症状としては、喘鳴、流涙、咽頭痛および嗅覚障害を挙げることもできる。慢性咳が後鼻漏に続発する場合があるが、喘息と誤診すべきではない。副鼻洞頭痛や耳詰まり(ear plugging)も一般的である。
【0007】
アレルギー性結膜炎のための抗ヒスタミン剤および鬱血除去薬
抗ヒスタミン剤は、アレルギー性結膜炎を治療するのに利用可能であり、錠剤、カプセルおよび液体として市販され、鬱血除去薬と組み合わせても、組み合わせなくてもよい。一般的な抗ヒスタミン剤としては、ブロムフェニラミンまたはクロルフェニラミンおよびクレマスチンが挙げられる。非鎮静性(嗜眠状態を引き起こしにくい)長時間作用性抗ヒスタミン剤としては、ロラチジン(loratidine)およびフェキソフェナジンが挙げられる。プソイドエフェドリンを含む経口鬱血除去薬は単独で有効であり得る。
【0008】
鼻腔用スプレー
鼻漏に関して、クロモリンナトリウムの鼻腔用スプレー(ナサルクロム)またはステロイド鼻腔用スプレー、例えばフルニソリド(ナサリド)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(ベコナーゼ、バンセナーゼ)、トリアムシノロンアセトニド(ナサコート)、およびフルチカゾン(フロナーゼ)は、非常によく効くので、追加の抗ヒスタミン剤または鬱血除去薬は必要ない。ステロイド鼻腔用スプレーでの治療開始後1〜2週間に改善がみられない場合があることを覚えておくことが重要である。重篤な鼻症状によって局所薬剤の適切な送達が妨げられる場合は、短期の経口コルチコステロイドを通常用いることができる。健康百科−疾患および状態
【0009】
しかし、これらには不快な副作用があるため、非ステロイド系植物性抗炎症剤および抗アレルギー剤ならびにさまざまな治療用途におけるそれらの利用可能性に対する需要が急増している。クルクミノイドは、抗炎症特性および抗アレルギー特性が証明されたそのような化合物の一種である。
【0010】
クルクミノイドは、3つの異なる形態:a)クルクミン、b)ビスデメトキシクルクミンおよびc)デメトキシクルクミンでターメリック中に存在する、天然のポリフェノール化合物である。クルクミンは主要なクルクミノイドであり、非常に強力な抗酸化および抗炎症活性を有し、フリーラジカル(酸化的ストレス)および炎症によって引き起こされる細胞損傷を防止することができる。クルクミンおよびその類似体/誘導体に関する現在の関心の度合は、以下に記載する論文からわかる。
【0011】
ウコン(curucuma longa)の抽出物由来のビス−o−デメチルクルクミンおよびテトラヒドロテトラヒドロキシクルクミンの濃縮フラクションを生成する方法は、本発明者らの先のPCT出願番号WO/2007/043058で開示されている。この刊行物によると、他のクルクミノイドおよびクルクミンの天然の混合物と比較した場合、ビス−o−デメチルクルクミンは最も強力な抗癌、抗酸化性および抗炎症活性を示す。
【0012】
しかし、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンならびに合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または組み合わせのいずれかで眼用処方において使用することは、先行技術では知られていない。天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイド(単独または組み合わせのいずれか)は、親油性薬物であり、水溶性が低く、したがってその治療有効性が限定される。
【0013】
すべてのクルクミノイドは、天然および合成のどちらも、ケト基との共役二重結合を有する親油性構造を有し、したがって負に荷電した膜と相互作用するような誘電率を有するようになり、このために生体膜を透過できなくなる。したがって、これらのクルクミノイドが膜を通過するためには、親油性分子でこれらの分子を封入することが必要である。さらに、これらの封入された分子が膜を越えて輸送され得るように、単一体として分子格子を作ることが必要である。
【0014】
抗アレルギーおよび抗炎症薬は、鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、抗菌薬、コルチコステロイドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に分類される。これらの種類の薬剤は、種々の眼性障害を治療するために使用される。コルチコステロイド、NSAID、および前記種類の薬剤の他の群の長期間にわたる使用は、緑内障、視神経障害、視力問題、白内障、または二次性眼感染症をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】PCT出願番号WO/2007/043058
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は眼および鼻の疾患/障害を治療するための新規植物製薬組成物を有する眼科分野における潜在的な後続品を提供することを目的とする。驚くべきことに、実施した予備実験は、200mg w/vまでクルクミノイドを可溶化する際に界面活性剤および共溶媒を使用すると、水性媒体中の有効な可溶化が促進されることを示している。本発明の方法は、クルクミノイド水溶解度と、ひいては細胞膜を越えたその透過を増強するために、界面活性剤および共溶媒を用いたクルクミノイドのコーティングを含む。
【0017】
従って、本発明は、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または組み合わせのいずれかで、界面活性剤および/または共溶媒と共に含む、これまで利用されていない新規な眼用組成物を、眼性疾患または障害用のゲル/懸濁液/軟膏の形態の水性眼用組成物として提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
重要な態様において、本発明は、天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または場合によって界面活性剤、共溶媒との組み合わせのいずれかで、好適な眼用賦形剤とともに含む、アレルギー性結膜炎などの眼の炎症性疾患のための水性眼用(局所)点眼処方を提供する。
【0019】
別の態様において、本発明は、天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または非イオン性界面活性剤、共溶媒との組み合わせのいずれかで好適な賦形剤とともに含む、アレルギー性鼻炎などの鼻の炎症性疾患用の鼻腔用スプレーを提供する。
【0020】
別の態様において、本発明は、天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを単独または、界面活性剤および/または共溶媒から選択される薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせのいずれかで、好適な眼用賦形剤とともに含む、水性点眼薬または眼用ゲル処方として本明細書中で記載する眼用途に好適な処方を提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチルクルクミノイドを単独または薬剤的に許容される賦形剤または好適な鼻用賦形剤との組み合わせで含むスプレーである、本明細書に記載の鼻への適用のための処方を提供する。
【0022】
別の態様において、本発明は、本発明で記載される組成物を調製するための、天然または合成または半合成によって得られる1以上のクルクマ由来の成分を含む組成物を提供する。
【0023】
別の態様において、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンなどの天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物および/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび他のデメチル化クルクミノイドを、単独または場合によって薬剤的に許容される賦形剤もしくは担体もしくは希釈剤と組み合わせて、眼/結膜および/または鼻道のアレルギー状態などのいくつかの炎症性疾患を予防するか、進行を遅らせるか、または症状を軽減するための治療有効量で投与する方法を提供する。
【0024】
別の態様において、本発明は、動物およびヒトにおける眼および鼻のアレルギー状態を予防および治療するための本発明の組成物の使用を記載する。
【0025】
さらに別の態様において、本発明は、動物およびヒトにおける眼および鼻のアレルギー状態を治療または予防する方法を記載し、前記方法は治療有効量の本発明の組成物の投与を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図Iは、ナノ乳化クルクミンとプレーンなクルクミンとの細胞内輸送の比較を示し、5分、10分および25分でのナノ乳化クルクミノイドおよび非ナノ乳化クルクミノイドの共焦画像を示す。
【図2】図IIは、プレーンなクルクミンとナノ乳化クルクミンとの腸吸収の比較を示し、2つの異なる動物群において1時間の時間間隔でのナノ乳化クルクミンおよび非ナノ乳化クルクミンの共焦画像を示す。
【図3】図IIIは、マルヴァーン粒子サイズアナライザを用いた粒子サイズ研究を表す。
【図4】図IVは、TEM顕微鏡写真:TEM下のナノエマルジョンの形態を表す。
【図5】図Vは、SEM顕微鏡写真:SEM下のナノエマルジョンの形態を表す。
【図6】図VIは、FRAP分析−クルクミンの全抗酸化活性を表す。
【図7】図VIIは、表示されるような種々の濃度のクルクミン(配合または非配合)で同時に処理されたPMA誘導性U937ヒト単球からのβ−ヘキソサミニダーゼ放出の阻害を示す折れ線グラフである。未処理対照細胞から放出されたβ−ヘキソサミニダーゼを100%と見なす。結果を、4連の培養ウェルからの平均として表す。
【図8】図VIIIは、種々の濃度の配合および非配合クルクミンで同時に処理された、PMA誘導性U937ヒト単球からのヒスタミン放出の抑制を示す折れ線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を、その種々の態様がより完全に理解され認識されるように、好適で任意の実施形態に関連して詳細に説明する。
【0028】
本明細書中で用いられるように、「クルクミノイド」という用語は、それらを必要とするヒトおよび動物におけるいくつかの炎症性およびアレルギー疾患用の、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを含む1以上のクルクマ由来成分(単独または任意に1以上の薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせ)を意味する。
【0029】
本明細書中で用いられる場合、「界面活性剤」という用語は、水の表面張力を低下させて、親油性化合物の溶解を可能にすることによって作用する表面活性剤を意味する。
【0030】
界面活性剤は、両親媒性である。つまり疎水性尾部および親水性頭部を含む。従って、これらは疎水性媒体および水の両方に溶解する。界面活性剤は、a)イオン性(アニオン性およびカチオン性)、b)非イオン性の2種である。本発明は、製薬目的のアニオン性、カチオン性および非イオン界面活性剤の使用を含む。本発明で使用される界面活性剤は、これらに限定されるものではないが、ポリソルベート80および20、ポロキサマー、オクトキシノールならびに本発明の組成物の調製に適した任意の他の薬剤的に許容される界面活性剤から選択することができる。
【0031】
したがって、一実施形態において、本発明は、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドから好ましく選択される1以上のクルクマ由来成分およびそれらの代謝物を、単独または場合によって薬剤的に許容される界面活性剤、共溶媒もしくは好適な眼用賦形剤との組み合わせのいずれかで含む、水性眼用(局所)点眼薬または眼用ゲル製剤を提供する。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドから好ましく選択される1以上のクルクマ由来成分およびそれらの代謝物を、単独または好適な賦形剤との組み合わせのいずれかで含む、鼻腔用スプレーを提供する。
【0033】
さらにもう一つの実施形態において、本発明は、有効量の天然/合成クルクミノイド、および眼に局所的に投与された場合に親油性クルクミノイドの生物学的利用能を増加させるために有効なある量の薬剤的に許容される界面活性剤および共溶媒もしくは好適な眼用賦形剤を含む水性眼用(局所)点眼薬または眼用ゲル処方、あるいは眼および鼻道のいくつかの炎症およびアレルギー状態を効果的に治療するために眼に局所投与される有効量の天然/合成クルクミノイドを含む軟膏を提供する。
【0034】
本発明はまた、有効量の天然/合成クルクミノイドと、当該組成物を調製するために使用される天然活性成分または合成成分の溶解度を効果的に増加させるための治療有効量の薬剤的に許容される界面活性剤および共溶媒とを含む眼用(局所)組成物を含む、点眼薬ディスペンサも提供する。本発明の組成物は、眼に投与される場合、副作用がない上、活性剤の治療効果を延長するのに有効である。
【0035】
本発明はまた、有効量の1以上の天然/合成クルクミノイド、ならびに当該組成物を調製するために使用される天然活性成分または合成成分の溶解度を有効に増加させるある量の薬剤的に許容される薬剤を、例えば非イオン性界面活性剤および共溶媒または好適な鼻用賦形剤との組み合わせで含む鼻腔用スプレー組成物を含む、鼻腔用スプレー容器も提供する。
【0036】
本発明は、天然に、または合成もしくは半合成によるかのいずれかで得られる1以上のクルクマ成分由来の調合薬を提供する。クルクマ、即ちターメリックは、インドで一般的に用いられるスパイスおよび着色剤であり、幅広い供給源から入手可能であり、副作用がなく、強力な抗炎症、抗酸化および抗アレルギー作用を有する。
【0037】
クルクミンは、肥満細胞からのヒスタミン放出に対して阻害効果を有する抗アレルギー性特性を有することが報告された。アレルギーおよび喘息におけるクルクミンの有効性を、アレルギーのマウスモデルを使用して更に調査した。結果は、クルクミンで治療された動物におけるアレルギー応答の著しい阻害を示し、アレルギー応答を軽減する際のクルクミンの主な役割を示唆する。本発明の説明は、クルクミンによって誘発される免疫調節およびアレルギーの改善におけるその関連する役割を理解することを目的とする研究の結果に焦点を合わせる。これらの知見は、ヒトにおいてアレルギーおよび喘息を抑制するためにクルクミンを使用する前に、更なる評価、外挿法、および確認を必要とした。Kurup et al.,“Immunomodulatory effects of curcumin in allergy” Mol Nutr Food Res. 2008 Sep;52(9):1031−9
【0038】
クルクミンの所望の予防特性または想定される治療的特性はまた、その抗酸化および抗炎症特性と関係していると考えられていた。なぜなら、膜脂質のフリーラジカル媒介過酸化ならびにDNAおよびタンパク質の酸化的損傷は、種々の慢性病的合併症、例えば癌、アテローム性動脈硬化症、および神経変性疾患を伴うと考えられているからである。クルクミンは、これらの病態に対して重要な役割を果たすと考えられる。クルクミンの抗炎症効果はおそらく、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)、リポオキシゲナーゼ(LOX)、および誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)を阻害するその能力を通して媒介されるのであろう。COX−2、LOXおよびiNOSは、炎症プロセスを媒介する重要な酵素である。COX−2および/またはiNOSの不適切な上方制御は、ヒト癌ならびに炎症性疾患のある種の病態生理学と関係している。炎症は腫瘍促進と密接に関連づけられるので、強力な抗炎症特性を有するクルクミンは発癌性に対して化学的予防効果を発揮することが予想される。それ故、ここ数十年で、クルクミンの抗酸化および抗炎症特性に対して鋭意研究が行われてきた。この説明では、クルクミンの抗酸化および抗炎症特性、クルクミンの作用様式、ならびに異なる病態に対するその治療的使用を明確に記載する。Menon VP et al, Antioxidant and anti−inflammatory properties of curcumin Adv Exp Med Biol. 2007;595:105−25
【0039】
クルクミン(ジフェルロイルメタン)(ウコンの根茎から得られる天然の産物)の抗喘息特性を、気道過敏性のモルモットモデルにおいて試験した。喘息のある特徴的な所見:アレルゲンにより誘導される気道狭窄およびヒスタミンに対する気道過敏性を発現させるために、モルモットをオボアルブミン(OVA)で感作した。モルモットは、感作の間(その予防効果を調べるために)、または気道機能障害を発症した後に(その治療効果を調べるために)、クルクミンで治療した。気道狭窄および気道過敏性の状態は、非侵襲性技術、定容積体プレチスモグラフィーを使用する特異的気道コンダクタンス(SGaw)を測定することによって判定した。クルクミン(20mg/kg体重)治療は、OVAによって誘発された気道狭窄(p<0.0399)および気道過敏性(p<0.0043)を有意に阻害する。結果は、クルクミンがOVA感作モルモットにおいて気道機能障害を改善するのに有効であることを証明する。Arjun Ram et al, Curcumin Attenuates Allergen−Induced Airway Hyperresponsiveness in Sensitized Guinea Pigs, Biological & Pharmaceutical Bulletin Vol. 26 (2003), No.7 1021
【0040】
このように上記文献および多くの他の文献を参照して、本発明では、試験中の研究を目的とし、そしてヒスタミン放出による眼のそう痒、赤みおよび浮腫によって主に特徴づけられるアレルギー性結膜炎/アレルギー性鼻炎などの眼や鼻のいくつかの炎症性疾患の治療または予防におけるクルクミン処方の利点を試験することを目的とした。
【0041】
したがって、本発明は、眼用組成物/処方を任意の適切な形態で、より具体的には点眼薬または眼用ゲルとして提供し、この場合、処方は天然で入手可能であるか、または合成もしくは半合成によって得られるクルクミノイドなどの1以上のクルクマ由来成分を含み得る。
【0042】
好ましい実施形態において、使用することができる活性剤としては、天然のクルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドを含む天然のクルクミン混合物の構成成分(単独または抗酸化もしくは抗炎症活性を有する組み合わせで)が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明の組成物中の全クルクミノイドの濃度は、0.01%w/v〜5.0%w/v、さらに好ましくは0.05%w/v〜2.5%w/vで変化し得、有効な濃度は0.06%w/vである。クルクミン成分は、ウコン(Curcuma longa)、キョウオウ(Curcuma aromatica)およびガジュツ(Curcuma Zedoaria)を含む1以上のクルクマ種由来であり得る。
【0043】
本発明によれば、薬剤および界面活性剤を許容できる担体と組み合わせて、増強された生物学的利用能および安定性を有する安定な眼用調製を処方することができる。これらの担体には、これらに限定されないが、水溶性高分子、キレート剤、安定化剤、等張化剤、緩衝物質、防腐剤、増粘剤、錯化剤、電解質および他の賦形剤から選択される、薬剤的に許容される賦形剤および添加剤が含まれる。
【0044】
水溶性ポリマーは、これらに限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカルボフィル、ゼラチン、アルギネート、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレンオキシドおよびキトサンまたはその誘導体から選択される。
【0045】
界面活性剤は、これらに限定されるものではないが、ポリソルベート80および20、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、グリセロールエーテルまたはそれらの化合物の混合物から選択されるアニオン性、カチオン性または非イオン性であり得る。
【0046】
共溶媒は、これらに限定されるものではないが、一価アルコールまたは多価アルコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどから選択される。
【0047】
組成物は、EDTAの二ナトリウム塩などのキレート剤を更に含む。組成物は、これらに限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカルボフィル、ゼラチン、アルギネート、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレンオキシドおよびキトサンまたはその誘導体などの本発明で使用することができる好適な水溶性ポリマーを含み得る。
【0048】
本発明の組成物中の安定化剤は、これらに限定されるものではないが、亜硫酸水素ナトリウム、グリセリン、クエン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ベンザルコニウムクロリド、エデト酸およびそれらの薬剤的に許容される塩、トコフェロールおよびそれらの誘導体を、場合によってエデト酸ナトリウムとの組み合わせで含む。
【0049】
組成物中で使用される等張化剤は、これらに限定されるものではないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、D−マンニトール、グルコース、グリセリン、キシリトールおよびプロピレンなどの任意の特定のものを含む。
【0050】
使用することができる増粘剤としては、これらに限定されるものではないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムおよびキトサンが挙げられる。
【0051】
使用することができる防腐剤としては、これらに限定されるものではないが、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ポリビニルアルコールおよびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
【0052】
使用することができる緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどの電解質も、処方中に含めることができる。
【0054】
本発明の眼用/鼻腔内水性製剤は、より良好な薬剤送達のために適当な容器中に装填することができる。
【0055】
本発明の眼用水性製剤の投与形態は、点眼薬に限られるものではなく、眼用ゲルとして調製することができる。例えば、本発明の眼用水性医薬懸濁液製剤は、すべての前方および後部に関連する疾患または眼性疾患の治療のために、広く使用することができる。
【0056】
本発明の鼻腔内水性製剤の投与形態は、鼻腔用スプレーに限られるものではなく、点鼻薬として調製することもできる。
【0057】
さらに、本発明の眼/鼻用水溶液製剤は、非ステロイド性薬剤を含む。従って、長期間投与される場合でも副作用が無く、角膜/鼻上皮細胞または結膜細胞に損傷を与える可能性が低い。
【0058】
強力なクルクミノイド、例えばクルクミン、ビス−o−デメチルクルクミンは、炎症反応のすべての重要な特徴である、浮腫、線維素沈着、毛管漏出および食細胞遊走を阻害することによって、炎症を抑制する。これらのクルクミノイドは、そのいくつかは嚢胞状黄斑浮腫のメディエータと確認されているプロスタグランジンの放出を妨げる。さらに、ビス−o−デメチルクルクミンを包含するクルクミノイドは、血管内皮成長因子(VEGF)(血管透過性の強力なプロモーターであるサイトカイン)の発現を阻害することが示された。
【0059】
クルクミノイドの抗アレルギー活性の仮説をさらに検証するために、あるエクスビボおよびインビボ研究を実施することができる。モルモット回腸検査は、理想的なエクスビボ実験であり、この検査では、アレルゲン感作モルモット回腸を当該処方で治療し、その有効性について評価する。同様に、動物をヒスタミンで感作し、処方で治療し、そしてその有効性について評価することによって、処方をインビボで試験することができる。
【0060】
従来の投与経路によるクルクミノイドの使用は今まで、主に毒性をもたらすことなく後区に十分な量の薬剤を送達し維持することができないため、黄斑浮腫を含む眼の障害の治療において限定的な効果しか得られなかった。例えば、点眼薬の通常の局所投与後に、約1%しか前区に到達せず、そのうちの一部だけが後区へ移動する。薬剤の硝子体内注射が使用されてきたが、眼内の薬剤の半減期は約3時間であるので、薬剤に対する暴露は非常に短期である。
【0061】
本発明者らの先のインド特許出願番号PCT/IN2009/000651において、天然または合成クルクミンおよび他のクルクミノイドの可溶化プロセスを、音波エネルギーを利用して界面活性剤および共溶媒を用いて記載している。
【0062】
通常のクルクミンと比較した場合、ナノ乳化クルクミンが細胞によって効果的に取り込まれることも判明した。ナノ乳化クルクミンは、薬物動態学および薬力学特性を増加させ、それによってより良好な治療効果を有する。このプロセスは、クルクミンの取り込みを増強し、それによって強力な治療効果を有する。ナノ乳化プロセスはクルクミンの抗アレルギー性活性を増強し、したがって他の任意の既知治療薬と比較した場合、処方の有効性を増大させる。
【0063】
本発明のクルクミンのナノ粒子サイズは、10〜20nmのサイズであることが判明した。しかし、ナノ液滴サイズは、5〜500ナノメートル、好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは5〜30nmで変化し得る。透過型電子顕微鏡(TEM)、そして、走査型電子顕微鏡(SEM)研究をナノエマルジョンに関して実施して、ナノ粒子の形状およびサイズを確認する。
【0064】
本発明の典型的な点眼薬/鼻スプレー処方は、固体の天然クルクミノイド、例えばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミンおよび合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミンおよび/または抗酸化もしくは抗炎症活性を有する他のデメチル化クルクミノイドの水性薬剤懸濁液から選択される1以上のクルクミン由来成分を、場合によって、これらに限定されるものではないが、非イオン性界面活性剤、好ましくはシクロデクストリン複合体、水溶性ポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、キレート剤、金属イオン(例えばマグネシウムイオン)および/または有機塩、例えば酢酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムから選択される薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせで含み、そのような添加剤を使用して、増強された粘膜付着特性を有する系を安定させる。
【0065】
さらにもう一つの好ましい実施形態において、本発明は、動物およびヒトにおける眼および鼻のアレルギー状態の予防および治療のための本発明の組成物の使用を記載する。
【0066】
本発明の組成物の使用は、眼の関連する状態、例えばアレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎およびその状態の予防および治療に適用可能である。
【0067】
本発明の組成物の使用は、アレルギー性鼻炎などの鼻と関連した状態の治療および予防に適用できる。本発明は、本発明の組成物の使用が喘息の治療および予防に適用可能であることを更に開示する。
【0068】
別の実施形態において、天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物、たとえばクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、および/または合成的に誘導されたビス−o−デメチルクルクミン、および他のデメチル化クルクミノイドを、単独または場合によって賦形剤または担体または希釈剤と組み合わせて、眼/結膜および/または鼻道のアレルギー性状態などのいくつか炎症性疾患の予防、進行の遅延または症状の軽減するために治療上有効量で投与する方法を記載する。
【0069】
別の実施形態において、本発明は、眼に関連する状態、例えばアレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎の軽減または予防または進行を遅延させる本発明の方法が、前記状態で苦しんでいる対象に有効量の本発明の組成物を投与することを含むことを記載する。
【0070】
別の実施形態において、本発明は、喘息を治療または予防する方法が、喘息で苦しんでいる対象に有効量の本発明の組成物を投与することを含むことを記載する。
【0071】
さらにもう一つの実施形態において、本発明は、アレルギー性鼻炎などの鼻と関連した状態を治療および予防する方法が、前記状態で苦しんでいる対象物に有効量の本発明の組成物を投与することを含むことを記載する。
【0072】
上記方法で記載する対象は、動物またはヒトである。
【0073】
ある好ましい実施形態に関して発明を記載したが、他の実施形態は、明細書を考慮することから当業者にとって明らかになるであろう。本発明を、本発明の調製法および使用法を詳細に記載する以下の非限定的な実施例を参照することによって更に明らかにする。物質および方法の両方に対する任意の変更例は、発明の範囲から逸脱することなく実施することができることは、当業者には明らかであろう。
【実施例】
【0074】
[実施例1]
処方1の調製:
【表1】

【0075】
[実施例2]
処方2の調製:
【表2】

【0076】
[実施例3]
処方3の調製:
【表3】

【0077】
[実施例4]
処方4の調製:
【表4】

【0078】
[実施例5]
0.06%の典型的な眼用処方
【表5】

【0079】
[実施例6]
ナノ乳化クルクミンとプレーンなクルクミンとの細胞内輸送の比較
対象:60μg/mlの濃度のナノ乳化クルクミンおよびプレーンなクルクミンとともにインキュベートしたCaco−2細胞を本研究で使用した。
【0080】
実験法:本研究は、ナノ乳化クルクミンの細胞内取り込みを評価するために実施した。細胞を、トランスウェルインサート上で100%コンフルエンスまで成長させた。次いで、細胞を、5分、10分および20分間、60μg/mlの濃度のナノ乳化クルクミンおよびプレーンなクルクミンとともにインキュベートした。後の段階で、インサートをHBSS緩衝液で洗浄し、3%のパラホルムアルデヒドで固定した。インサートを次いで切断し、スライド上に載せ、カバーガラスで覆った。これらのスライドを次いで、63xにて共焦点顕微鏡下で調べた。試験方法を表6で詳述し、結果を図Iにまとめる。
【表6】

【0081】
[実施例7]
単離された腸係蹄モデルを使用するマウスの腸細胞中へのナノ乳化クルクミン対プレーンなクルクミンの取り込みの比較
単離された腸係蹄モデルを使用して腸上皮細胞クルクミンの細胞内取り込みを決定するために、低温切開したマウス腸組織試料に対して共焦点顕微鏡研究を実施した。手短に言うと、マウスをキシラジン/ケタミンで麻酔し、切開した。この後、腸を露出させ、回腸を特定し、そして腸の内容物を洗浄した後、間充織系から分離することなく縫合糸を使用して回腸の最上部と最下部で係蹄を結合した。各群について300ug/mlの濃度の薬液を、針に取り付けられたポリエチレン管を有する注射器を使用してルーメン中に導入し、60分間インキュベートした。60分後、組織を直ちに切除し、液体窒素中で凍結させた。組織を次いで低温切開し、スライド上に載せ、カバーガラスを用いて覆った後、63xにて共焦点顕微鏡下で調査した。結果を図IIにまとめる。
群の数:2(非乳化クルクミン(NE);プレーンなクルクミン(NNE))
動物/群の数:2
【0082】
[実施例8]
マルヴァーン粒子サイズアナライザを使用した粒子サイズ研究
粒子サイズは、マルヴァーン粒子サイズアナライザを用いて分析する。粒子サイズ(粉末、懸濁液およびエマルジョン)を、レーザー光線の回折および拡散によって測定する。レーザー回折測定の目的で、粒子をレーザー光線に暴露する。粒子は、自身大きさに反比例する角度で光を散乱させる。感光性検出器は、角度強度を計量するために用いられる。角度強度対散乱強度のマップは、粒子サイズ値を与える。ナノエマルジョンの液滴サイズを、マルヴァーン粒子サイズアナライザ粒子アナライザによって測定し、10.55nmであることが判明した。マルヴァーン粒子サイズアナライザによる粒子サイズ分析の結果を、図IIIにまとめる。
【表7】

【0083】
[実施例9]
TEMによるナノエマルジョンの特性化
ナノエマルジョンの形態および構造を、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して調査した。倍率を増大させた明視野画像診断と、回折モードとの組合せを使用して、ナノエマルジョンの形態およびサイズを明らかにした。TEM観察を行うために、ナノエマルジョン処方を水で希釈した(1/100)。1滴の希釈ナノエマルジョンを、多孔性フィルムグリッド上に直接置き、乾燥後に観察した。ナノエマルジョンの画像結果はナノ粒子が形状で球形であり、サイズが10から20nmまで変化することを明らかに示した。ナノエマルジョンのTEM画像を、図IVに示す。
【0084】
[実施例10]
SEMによるナノエマルジョンの特性化
ナノエマルジョンに関するSEM研究によって、粒子が形状であり、サイズがナノメートルの範囲であることがわかった(図V)。粒子サイズは、10〜20nmの範囲であった。
【0085】
[実施例11]
クルクミンのFRAP検査法(全抗酸化活性):
BenzieおよびStrain[R]によって開発されたFRAP分析(TPTZ分析)を用いてビタミンCおよび没食子酸と比較してクルクミンの全抗酸化活性を測定した。分析混合物は、2.5mLの300mM酢酸塩緩衝液pH3.6、40mMのHCl中0.25mLの10mM TPTZ溶液、0.25mLの20mM FeC13および0.1mLの水またはメタノール中クルクミンを含んでいた。インキュベーションの30分後に、Cary−50、UV−Vis分光光度計を使用して、593nmで吸光度を測定した。FeCl3を置換するために既知濃度の水/メタノール中鉄塩を使用して標準的グラフを作製した。すべての試験は三連で実施し、平均値を用いてEC1値を計算した。EC1は、1mMの鉄塩と等しい鉄還元能力を有する抗酸化剤の濃度と定義される。
結果:IC50値(mcg/ml)は、天然のクルクミンについて6.92であることが判明した(図VI)。
【0086】
[実施例12]
抗アレルギー研究
眼のアレルギー検査のために使用される前臨床モデルは、アレルゲン卵アルブミンに対して動物を感作し、続いて卵アルブミンによって結膜を攻撃して、眼性アレルギーを生じさせることに基づく。10〜14週齢群の24匹の動物(SD系ラット)を本研究のために使用した(各群中動物6匹の4群を含む)。1群は、ナイーブな対照(誘導も治療もしない)としての役割を果たし、2群は、卵アルブミンによって誘発された群としての役割を果たし、3群は、クルクミン点眼薬で治療した群としての役割を果たし、4群の動物は、眼用溶液製剤のかわりに使用したビヒクルのみで処置する。2群、3群および4群のすべての動物を、14日間、100μgの卵アルブミンおよび20mgのミョウバンを含む懸濁液の1ml腹腔内注射で感作する。15日目に、リン酸緩衝食塩水(pH7.4)中10μlのIM DL−ジチオスレイトール(DTT)を結膜に適用し、10分後に、リン酸緩衝食塩水中で調製した10μlの卵アルブミン(100mg/ml)で結膜を局所的に攻撃して、眼のアレルギーを生じさせた。DTTおよびアレルゲン攻撃の10分前にラットの眼瞼を優しく開けることによって3群のラットの眼にクルクミン系点眼薬を添加することによって薬効を試験した。4群の動物は、ビヒクルを用いて同様にして処置した。結膜の充血および浮腫を次いで0分、20分、45分、90分、および4時間目の終わりに0〜4ポイントの結膜採点法で測定し、本剤の有効性は、ベースラインと比較した場合の結膜の赤みおよび結膜浮腫の軽減によって示した。
【0087】
[実施例13]
ナノ乳化クルクミンによるβ−ヘキソサミニダーゼの阻害
本研究では、U937ヒト単球のホルボールエステル(PMA)誘導モデルにおいてクルクミン(ナノ乳化)の非配合および配合組成物によるβ−ヘキソサミニダーゼ放出の阻害に対する有効性の比較を評価した。手短に言うと、等しい数(50,000の細胞)のU937ヒト単球を、96ウェル細胞培養プレートの各ウェル中に蒔いた。細胞を、異なる濃度のクルクミンの配合および非配合組成物で、20nMのPMAの存在下または非存在下のいずれかで処理した。非処理の対照または処理された培養物のいずれかから集めた細胞培養上清を、4℃にて5分間10,000gで清澄化し;放出されたβ−ヘキソサミニダーゼ(6)について評価した。
【0088】
ヘキソサミニダーゼの測定。細胞培養上清の20マイクロリットルアリコートを、1時間37℃で0.1Mのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中、20μlの1mM p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドとともにインキュベートした。インキュベーションの最後で、250μlの0.1M Na2CO3、0.1M NaHCO緩衝液(pH10.0)を添加した。吸光度を、405nmで測定した。各処理を、4連のウェルで実施した。対照培養物から得られた平均ODを、ヘキソサミニダーゼの100%の放出とみなした。
【0089】
PMA誘導性ヒト単球においてクルクミンおよびそのそれぞれのナノ乳化処方によるβ−ヘキソサミニダーゼ放出の阻害における有効性の比較を、図VIIに示す。
【0090】
[実施例15]
ナノ乳化クルクミンによるヒスタミン放出の阻害
等しい数(50,000の細胞)のU937ヒト単球を、96ウェル細胞培養プレートの各ウェル中に蒔いた。細胞を、20nM PMAの存在下または非存在下で1時間、異なる濃度の非配合および配合クルクミン(ナノ乳化)組成物で処理した。未処理対照または処理された培養物から集められた細胞培養上清を、4℃で5分間、10,000gで清澄化し;市販のEIAキット(SPI−Bio,France)によって放出されたヒスタミンについて評価した。クルクミンおよびそのナノ乳化処方で処理されたPMA誘導性ヒト単球から得られる培養上清中の放出されたヒスタミン濃度を、図VIIIに示す。
【0091】
処方の調製法:ホウ酸塩緩衝液の調製:
1)3.81gの四ホウ酸ナトリウムをビーカー中に秤取し、100mlの水中に溶解させた。
2)6.8gのホウ酸をビーカーに秤取し、100mlの水中に溶解させた。
3)四ホウ酸ナトリウム溶液のpHをチェックし、9の範囲にあることがわかった。これを、ホウ酸の添加によってpH7.2に調節した。
4)このようにして調製した緩衝液を用いて、処方のpHを調節した。
【0092】
クルクミンの可溶化:
1)60mgのクルクミンを10mlのビーカー中に秤取した。
2)これに1g(765ul)のTween80および1gのPEGを添加し、ガラス棒を使用して十分に攪拌した。
3)これに続いて、管を30分間またはクルクミンが完全に可溶化されるまで超音波処理した。
深紅色溶液が形成された。
【0093】
眼用処方の調製:
1)100mlの水を、マグネチックスターラ上のビーカー中に入れた。
2)HPMCを添加し、すべてのHPMCが溶解するまで撹拌した。
3)クルクミン+tween80溶液を、この攪拌溶液中に15分間滴加した。
4)このBACに、EDTAおよびNaClを添加し、内容物が完全に溶解し、黄色透明溶液が得られるまで攪拌した。
5)溶液のpHをチェックし、5.3〜5.4の範囲にあることがわかった。このように、ホウ酸塩緩衝液でpH6.5に調節した。
【0094】
本発明が前述の実例の詳細に限定されないこと、そして本発明がその基本的属性から逸脱することなく他の特定の形態で具体化できることは当業者には明らかであり、従って、本実施形態および実施例は、あらゆる点で、例示的であって、限定的でないのが望ましく、前述の記載事項ではなく添付の特許請求の範囲が参照され、従って、請求項の意味および同等性の範囲内に含まれるあらゆる変更は請求項に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然または合成クルクミノイドから選択される1以上のナノ乳化クルクミン成分および/またはその代謝物を、薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせで含む、活性化合物の生物学的利用能を増大させるのに有効な、眼投与用医薬組成物。
【請求項2】
前記クルクミン成分および/またはその代謝物が、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、ビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドから選択される1以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記クルクミン成分および/またはその代謝物が、天然/合成/半合成起源から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
クルクミン成分のナノエマルジョンの液滴サイズが、5〜500nmの範囲で変化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
クルクミン成分のナノエマルジョンの液滴サイズが、好ましくは10〜20nmの範囲で変化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
クルクミノイドの量が、0.01%w/vから5%w/vまで変化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
クルクミノイドの量が、好ましくは0.05%w/vから0.15%w/vまで変化する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
水性形態として処方される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
クルクミン成分および/またはその代謝物が、ウコン(Curcuma longa)、キョウオウ(Curcuma aromatica)およびガジュツ(Curcuma zedoaria)から選択される1以上の種由来である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
界面活性剤および共溶媒から選択される1以上の薬剤的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤(アニオン性、カチオン性および/または非イオン性)が、これらに限定されるものではないが、ポリソルベート80および20、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、グリセロールエーテルまたはこれらの化合物の混合物から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記共溶媒が、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの一価アルコールまたは多価アルコールから選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
水溶性ポリマー、キレート剤、安定化剤、等張化剤、緩衝物質、防腐剤、増粘剤および電解質から選択される1以上の薬剤的に許容される眼用賦形剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記水溶性ポリマーが、これらに限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカルボフィル、ゼラチン、アルギネート、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレンオキシドおよびキトサンまたはその誘導体から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記キレート剤がEDTAの二ナトリウム塩である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記安定剤が、亜硫酸水素ナトリウム、グリセリン、クエン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ベンザルコニウムクロリド、エデト酸およびそれらの薬剤的に許容される塩、トコフェロール、およびその誘導体とエデト酸ナトリウムから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記等張化剤が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、D−マンニトール、グルコース、グリセリン、キシリトールおよびプロピレンから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記増粘剤が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムおよびキトサンから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
前記防腐剤が、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ポリビニルアルコールおよびフェニルエチルアルコールから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
前記緩衝剤が、これらに限定されるものではないが、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項21】
前記電解質が塩化ナトリウムおよび塩化カリウムから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項22】
クルクミンおよび/またはその代謝物から構成される組成物が、抗アレルギー、抗酸化および抗炎症活性を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項23】
前記水性製剤が、1以上の天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物を含む点眼薬または眼用ゲル製剤である、前記請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
前記製剤が、アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎およびその状態などの眼に関連する疾患の予防および治療に適用可能である、請求項1に記載の使用。
【請求項25】
アレルギー性結膜炎が、季節性アレルギー性結膜炎および通年性アレルギー性結膜炎を含む、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
天然または合成クルクミノイドから選択される1以上のナノ乳化クルクミン成分および/またはその代謝物を、これらの活性化合物の生物学的利用能を増加させることに効果的な、薬剤的に許容される賦形剤との組み合わせで含む、鼻投与用医薬組成物。
【請求項27】
前記クルクミン成分および/またはその代謝物が、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、ビス−o−デメチルクルクミンおよび/または他のデメチル化クルクミノイドから選択される1以上を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記クルクミン成分および/またはその代謝物が、天然/合成/半合成起源から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
クルクミン成分のナノエマルジョンの液滴サイズが5〜500nmの範囲で変化する、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
クルクミン成分のナノエマルジョンの液滴サイズが好ましくは10〜20nmの範囲で変化する、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
クルクミノイドの量が0.01%から5%w/vまで変わる、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
クルクミノイドの量が、好ましくは0.05%から0.15%w/vまで変わる、請求項26に記載の組成物。
【請求項33】
水性形態として処方される、請求項26に記載の組成物。
【請求項34】
クルクミン成分および/またはその代謝物が、ウコン、キョウオウおよびガジュツから選択される1以上の種由来である、請求項26に記載の組成物。
【請求項35】
界面活性剤および共溶媒から選択される1以上の薬剤的に許容される賦形剤を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項36】
前記界面活性剤(アニオン性、カチオン性および/または非イオン性)が、これらに限定されるものではないが、ポリソルベート80および20、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、グリセロールエーテルまたはこれらの化合物の混合物から選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記共溶媒が、一価アルコールまたは多価アルコール、たとえばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールから選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
水溶性ポリマー、キレート剤、安定化剤、等張化剤、緩衝物質、防腐剤、増粘剤および電解質から選択される1以上の薬剤的に許容される鼻用賦形剤を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項39】
前記水溶性ポリマーが、これらに限定されるものではないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカルボフィル、ゼラチン、アルギネート、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレンオキシドおよびキトサンまたはその誘導体から選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記キレート剤が、EDTAの二ナトリウム塩である、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記安定化剤が、亜硫酸水素ナトリウム、グリセリン、クエン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ベンザルコニウムクロリド、エデト酸およびそれらの薬剤的に許容される塩、トコフェロールおよびその誘導体とエデト酸ナトリウムから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
前記等張化剤が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、D−マンニトール、グルコース、グリセリン、キシリトールおよびプロピレンから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
前記増粘剤が、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムおよびキトサンから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
前記防腐剤が、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ポリビニルアルコールおよびフェニルエチルアルコールから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項45】
前記緩衝剤が、これらに限定されるものではないが、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項46】
前記電解質が塩化ナトリウムおよび塩化カリウムから選択される、請求項38に記載の組成物。
【請求項47】
前記眼および鼻用製剤が、動物およびヒトにおける眼および鼻のアレルギー疾患の予防および治療に適用可能である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項48】
水性製剤が、1以上の天然のクルクミノイドおよび/またはその代謝物を含む鼻腔用スプレー/点鼻薬である、請求項26に記載の使用。
【請求項49】
前記製剤が、アレルギー性鼻炎などの鼻に関連する疾患の治療および予防に適用可能である、請求項26に記載の使用。
【請求項50】
前記製剤が、喘息の治療および予防に適用可能である、請求項26に記載の使用。
【請求項51】
アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎などの眼に関連する疾患を軽減または予防または進行を遅延させる方法であって、有効量の請求項1に記載の組成物を前記疾患に苦しんでいる対象に投与することを含む、方法。
【請求項52】
喘息を治療および予防する方法であって、有効量の請求項26に記載の組成物を喘息に罹っている対象に投与することを含む、方法。
【請求項53】
アレルギー性鼻炎などの鼻に関連する疾患を治療および予防する方法であって、有効量の請求項26に記載の組成物を前記疾患に苦しんでいる対象に投与することを含む、方法。
【請求項54】
前記対象が動物およびヒトである、請求項51または52または53に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−521412(P2012−521412A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501505(P2012−501505)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000166
【国際公開番号】WO2010/109482
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(510282192)ライラ ファーマシューティカルズ ピーブイティ.エルティディ. (4)
【Fターム(参考)】