鼻用シート状貼付材
【課題】 左右に偏りなく鼻部に適切に貼付できる鼻用シート状貼付材を提供する。
【解決手段】 ポリビニルピロリドンを主成分とする組成物のように、使用時に塗布された水や親水性媒体によって粘着性を有し、一定時間放置経過後に乾燥した後に被膜が形成される組成物からなる貼付層12を支持体11上に形成し、鼻部の貼付に適した形状に裁断成形して、シート状物を作製する。当該シート状物の上端縁及び/又は下端縁に、当該シート状物の中心線に対して左右対称に、一対のスリット21やクサビ状の凹部22、略半円状の凹部23、約半円状の凸部24などのマークを設け、本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aを得る。上端縁に設けたマークを、例えば鼻筋の両脇に位置させて、鼻用シート状貼付材Aを鼻部に貼付する。
【解決手段】 ポリビニルピロリドンを主成分とする組成物のように、使用時に塗布された水や親水性媒体によって粘着性を有し、一定時間放置経過後に乾燥した後に被膜が形成される組成物からなる貼付層12を支持体11上に形成し、鼻部の貼付に適した形状に裁断成形して、シート状物を作製する。当該シート状物の上端縁及び/又は下端縁に、当該シート状物の中心線に対して左右対称に、一対のスリット21やクサビ状の凹部22、略半円状の凹部23、約半円状の凸部24などのマークを設け、本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aを得る。上端縁に設けたマークを、例えば鼻筋の両脇に位置させて、鼻用シート状貼付材Aを鼻部に貼付する。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、鼻用シート状貼付材に関する。具体的には、鼻部への貼布に適した形状に予め成形された鼻用シート貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、額から鼻筋にかけての、いわゆるTゾーンのケアが着目されている。中でも鼻部のケアが着目されており、手軽に使用できる観点から化粧料等が予めシート状に形成された鼻用シート状貼付材が数多く開発されている。これらの鼻用シート状貼付材の多くは、鼻部の貼付に適したように、所定の形状に裁断成形されている。
【0003】
例えば、当該鼻用シート状貼付材Cは、図11に示すように略平行となった上端縁及び下端縁を有しており、下端縁は上端縁よりも長く設計されている。また、左右端縁は下端縁からほぼ垂直に上方に伸び、その上部において曲線を描いており、左右の下端部はちょうど小鼻の貼付に適した形状となっている。
【0004】
この鼻用シート状貼付材Cは、そのまま鼻部に貼付されたり、あるいは使用前に水等で貼付部位若しくは鼻用シート状貼付材Cを濡らした後に、鼻部に貼付される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように鼻部の貼付に適した形状に予め裁断されていても、鼻用シート状貼付材の中心を鼻筋に合わせて貼付することが困難で、左右どちらかに偏って貼布してしまう。このため、どちらか一方の小鼻に鼻用シート上貼付材が十分に貼付されないという問題点があった。
【0006】
本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、左右に偏ることなく鼻部に適切に貼付できる鼻用シート状貼付材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴としている。
【0008】
当該マークとしては、例えば、スリットや凹部あるいは凸部とすることができる。
【0009】
本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴としている。
【0010】
この場合には、当該マークとして、例えば、印刷や窪みあるいは突起とすることができ、当該マークは、支持体が用いられる場合には、当該支持体上に設けられる。
【0011】
本考案において用いられる貼付層としては、通常の化粧用パック材として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、用途に応じて必要なものを選択することができる。特に、皮膚の角栓除去用として湿潤粘着性組成物を用いるのが好ましい。
【0012】
用いる湿潤粘着性組成物も、特に限定されるものではないが、ピールオフタイプの化粧料、つまりシート状に形成された貼付層が貼付部位に貼付され、一定時間放置経過後に乾燥した後に被膜が形成される組成物であって、使用時に塗布された水や化粧水、メチルアルコールやエチルアルコール等の親水性媒体によって粘着性を有するものであれば特に限定されるものではない。特に、角栓除去に適したものが好ましく、例えば、ポリビニルアルコールとその他の高分子と多価アルコールからなる組成物や、アルギン酸ナトリウム及び多価アルコールとからなる組成物、ポリアクリル酸ナトリウムとグリセリンなどポリアクリル酸ナトリウムと相溶性を有し、溶解して可塑化効果を示す材料からなる混合物をはじめ、これら以外にもポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、カルボシキメチルセルロース、アラビアゴム、ポリメチルビニルエーテルなどを主成分とする各種湿潤粘着性組成物を用いることができる。
【0013】
特に、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する場合に有効である。
【0014】
この場合、A成分としては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体若しくは両者の混合物を用いることができ、貼付乾燥後の貼付層の機械的強度及び剥離残渣の観点から、重量平均分子量5千〜500万のもの、特に2万〜120万のものが好ましい。さらに、貼付時に用いた水や親水性媒体の乾燥時間を短縮するとともに、剥離時の痛みをさらに和らげられるとの観点から、低分子量ポリマーつまり重量平均分子量70万未満、好ましくは5000〜30万のものと、高分子量ポリマーつまり重量平均分子量以下70万以上、好ましくは100万〜500万のものとを混合して用いるのが望ましい。このとき、両者の配合割合は、用いるポリマーの分子量や使用する目的などによっても異なるが、おおよそ、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの比が、重量比で、5:95〜95:5、好ましくは20:80〜70:30の割合で使用でき、さらに好ましくは角栓の除去効率や剥がす際の痛さの観点から、低分子量ポリマーの配合比が多くなるように混合するのが好ましい。
【0015】
また、B成分としては、A成分に対して相溶性を有し、A成分を溶解して可塑化効果を示す材料が用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、などのブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油などのグリセライド類などが、例示される。また、B成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0016】
C成分としては、A成分とB成分との混合物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機又は有機の充填剤が用いられる。無機の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硝子などの無機酸化物ないし複合酸化物をはじめ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス、カーボンなどのその他の無機化合物類、金属や各種金属の合金等の金属類、などが例示される。無機の充填剤としては、例えば、セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィンなどの繊維形成性高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、その他の有機高分子類、などが例示される。これらの充填剤は、通常粉体状態で用いるのが好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性の観点から球形であることが好ましく、その平均粒径は、0.01〜50μm、特に0.1〜10μmのものが好ましい。また、C成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0017】
組成割合としては、A成分の使用量に対するB成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度が乏しくなり、逆に過小であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しく、貼付部位に良好にフィットし難い。このため、B成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは1〜75重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
【0018】
また、A成分の使用量に対するC成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しくて、貼付部位に良好にフィットし難く、逆に過小であると、上記湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が乏しく、貼付後の乾燥に要する時間が長くなる。このため、C成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0019】
これらの湿潤粘着性組成物は、エチルアルコールなどの親水性媒体や水等と共に塗布液とした後、以下に述べるようなセパレータとなるシート状物或いは支持体となるシート状物の上に塗布乾燥され、シート状の貼付層に作製される。また、塗布液中には、必要に応じて化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、紫外線吸収剤、あるいはその他の貼付材に通常使用される薬剤や添加剤を通常量添加できる。
【0020】
これらの組成物からなる貼付層は、通常支持体上に形成される。当該支持体としては、一般の貼付材として使用されるシート状物若しくはフィルム状物であれば、特に限定されるものではなく、貼付層に応じて適宜選択される。例えば、綿などの天然繊維あるいはレーヨン、アセテート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維を用いた織布、不織布、編布、あるいは、ポリエステル、ナイロン、サラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、アイオノマー、ポリアクリロニトリル系樹脂、金属箔などの単独フィルムやシート、またはこれらのラミネートフィルムなどを用いることができる。さらに、必要に応じて、これら合成樹脂製の透湿性フィルムや多孔性フィルムを用いることができる。もちろん、貼付層自体が製造時や剥離時に十分な機械的強度を有する場合などには、支持体を用いる必要はない。
【0021】
また、貼付層を衛生的に保存できる点や、貼付材を積み重ねたり、ロール状にして保管できる点から、貼付層上にさらにセパレータが積層されることが好ましい。このセパレータとして、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、表面をポリマー処理した紙、あるいはその他のフィルムやシートが例示される。
【0022】
以下、本考案について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aの一実施の形態を示す平面図、図2は当該鼻用シート状貼付材Aの別な実施の形態を示す平面図、図3〜図7は当該鼻用シート状貼付材Aのさらに別な実施の形態を示す平面図、図8は本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材Bの一実施の形態を示す平面図、図9(a)(b)は、当該鼻用シート状貼付材Bの別な実施の形態を示す図面であって、同図(a)はその平面図、(b)はその断面図、図10は当該鼻用シート状貼付材Bのさらに別な実施の形態を示す断面図である。
【0024】
図1〜図7に示す本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aは、上記した支持体11上に上記した湿潤粘着性組成物からなる貼付層12が形成されており、図1〜図7に示すように鼻部の貼付に適した形状に裁断成形されている。
【0025】
例えば、各図に示すように、鼻用シート状貼付材Aの上端縁と下端縁は略平行となるようにほぼ直線状に裁断されており、下端縁は上端縁よりも長く設定されている。鼻用シート状貼付材Aの左右側端縁は略ハ字形状となるように、左右対称に裁断されている。また、上端縁から左右の側端縁にかけての上部側端縁及び左右の側端縁から下端縁にかけての下部側端縁はそれぞれ丸く縁取りされ、側端縁から下端縁にかけて、左右両側に膨らみを有する形状となっている。当該鼻用シート状貼付材Aの大きさは、鼻部の貼付に適した大きさに裁断され、その上端縁は鼻筋の上部に位置するとともに、側端縁から下端縁にかけて膨らんだ部分が小鼻に位置するように設計される。
【0026】
鼻用シート状貼付材Aは、このように裁断された鼻用シート状貼付材Aの上端縁及び/又は下端縁に、貼付位置を決めるための目安となるマークが設けられている。また、当該マークは、鼻用シート状貼付材Aの中心線(図面では一点破線で示される。)に対し左右対称に設けられている。
【0027】
マークの位置は、使用対象となる人の顔の大きさによってわずかに異なるが、鼻用シート状貼付材Aの大きさに拘らず、鼻用シート状貼付材Aの中心線からほぼ一定の距離に設けられる。具体的に言うと、ちょうど鼻筋の上、眉間近くに上端縁を位置させた場合に、左右のマークが鼻筋の両脇に位置するように設けるのが好適である。
【0028】
また、マークの形状や大きさなどは特に限定されるものではないが、貼付面積を減じさせないマークや、指先で感じとることができるマークが好都合である。
特に指先で感じとることができるマークであれば、鏡などで貼布位置を確認することなく、指先でマークを感じとることにより、当該マークを鼻筋の両側に容易に位置させることができる。
【0029】
例えば、図1に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、上端縁に左右一対のスリット21がマークとして設けられている。スリット21の長さは特に限定されるものではないが、2本の指、例えば人差し指と中指の指先で感じとることができる程度に設けるのが好ましい。
【0030】
この鼻用シート状貼付材Aは、次のようにして使用される。まず、水や親水性媒体で鼻部あるいは貼付層12の表面を濡らしておく。次に、上端縁をちょうど鼻筋の上、眉間近くに位置させて貼付する。このとき、スリット21に2本の指を当てて、スリット21を鼻筋の両脇に位置させるとよい。その後、鼻用シート状貼付材Aの中央部を鼻筋に沿うようにして押さえ付けながら、下端縁の中央を鼻頭に位置合わせし、左右に膨らんだ部分を小鼻にしっかりと押さえ付け、鼻用シート状貼付材A全体を鼻部に貼付する。
【0031】
このように、左右対称に一対のマーク(スリット21)が設けられているので、簡単に鼻用シート状貼付材Aの中央を鼻筋に合わせることができ、左右に偏ることなく、鼻用シート状貼付材Aを適切に鼻部に貼付できる。また、マークをスリット21にすれば、容易にマークを設けることができ、貼付面積が少なくならずに済むという利点もある。
【0032】
次に、図2に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、上端縁にクサビ状の凹部22が設けられている。このようにクサビ状の凹部22とすることにより、より一層指先で感じとりやすくなり、好適に鼻用シート状貼付材Aを貼付することができる。また、図3に示す鼻用シート状貼付材Aのように、略半円状の凹部23や図4に示す鼻用シート状貼付材Aのように、略半円状の凸部24とすることもできる。このように凹部22、23や凸部24からなるマークとすることにより、スリット21に比べ指先で感じやすくなり、特に凸部24とすることにより貼付面積が減少しない点でより有利である。
【0033】
さらに図5に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、一対の略半円状の凹部23が中心線に接するようにして左右対称に設けられている。このように、マークを設ける位置も特に限定されるものではなく、マークを中心線に対して左右対称に設けることにより、鼻筋の両側から鼻用シート状貼付材Aを好適に位置合わせすることができる。
【0034】
また、マークは左右一対に限定されるものではなく、複数対のマークを設けることもできる。図6に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、左右一対となったクサビ状の凹部22a、22bが二対、上端縁に設けられている。鼻筋の広がりは三者三様であって、使用対象となる人の顔の大きさに応じてマークを設ける必要がある。この点、当該鼻用シート状貼付材Aのように複数対のマーク(クサビ状の凹部22a、22b)を予め設けておけば、鼻筋の広がりに応じたマーク位置を指先で感じとることができるので、より一層好適に鼻用シート状貼付材Aを貼付できる。
【0035】
さらに、図7に示す鼻用シート状貼付材Aには、上端縁及び下端縁にそれぞれ一対の略半円状の凹部23a、23bが設けられている。下端縁側の凹部23bの間隔は、上端縁側の凹部23aとほぼ同じ間隔若しくはそれよりも広くなっており、下端縁側の凹部23bは、貼付した際に鼻頭の両側に位置するように設けられている。このように、下端縁にも中央線に対して左右対称に一対のマーク(凹部23b)を設けておけば、下端縁も好適に位置合わせすることができ、より一層鼻用シート状貼付材Aの位置決めを容易に行なえる。もちろん、図示はしないが下端縁にも複数対のマークを設けることにすれば、より好適なのは言うまでもなく、下端縁にのみマークを設けることにしても、本考案の目的を十分に達成できる。
【0036】
次に、図8〜図10に示す本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材Bも、第1の鼻用シート状貼付材Aと同様に、支持体11及び貼付層12とから構成されており、鼻部の貼付に適した形状に裁断成形されている。当該第2の鼻用シート状貼付材Bにあっては、一対の位置決め用のマークが、鼻用シート状貼付材Bの上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材Bの中央線(図面では一点破線で示される。)に対して左右対称に設けられる点で異なるのみである。
【0037】
図8に示す鼻用シート状貼付材Bにあっては、支持体11上の上端部及び下端部に印刷31a、31bがマークとして設けられている。これら印刷31a、31bの大きさや形も特に制限されるものではないが、上端部の印刷31aの位置は上述したように、鼻筋の上、眉間近くに位置するように設けるのが好ましく、下端部の印刷32bの位置は鼻頭の両側に位置するように設けるのが好ましい。
さらに、印刷31a、31bの位置は、図示するようにそれぞれ上端縁、下端縁に接するように設けることもできるし、また、図9に示す突起32のように上端縁、下端縁から離して設けることもできるが、貼付のし易さからは、上端縁に接するように設けるのが好ましい。このように、支持体11上に印刷31a、31bを施すことにより、貼布面積が減少することなく、マークを設けることができる。
【0038】
また、図9に示す鼻用シート状貼付材Bのように、支持体11表面に突起32からマークを形成するようにしてもよい。例えば、インクを点状に塗布して形成したり、発泡性インクを用いて形成することができる。あるいは、有機質又は無機質の粒子ないし粉末を付着ないし接着することによっても形成できる。有機質のものとしては、天然あるいは合成の材料で形成された粒子ないし粉末が挙げられるが、これらのうち合成の材料が品質の安定した粒子ないし粉末が得られるので望ましい。この合成の材料としては、例えば熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で製造された粒子ないし粉末が挙げられる。これらの粒子ないし粉末着ないし接着するには、例えば熱融着あるいはホットメルト樹脂を用いて接着するなどの方法が用いられる。
【0039】
あるいは、図10に示す鼻用シート状貼付材Bのように、支持体11に窪み33を形成することにしてもよい。例えば、所定の形状に裁断成形された鼻用シート状貼付材Bの支持体11表面から、ロールやプレス板を押圧して窪み33を形成することができる。
【0040】
もちろん、支持体11が不要な場合には貼付層12の表面に直接マークを設けることにしてもよく、窪み33や突起32からなるマークを設けた場合には、指先でマークを感じとることができるので、印刷31a、31bによるマークに比べて容易に鼻用シート状貼付材Bを貼付できる。また、簡単な方法でマークを付せるのでコスト増が少なくて済むメリットもある。
【0041】
なお、本考案にあっては、種々の形状の鼻用貼布用シート(鼻用シート状貼付材)に適用可能なものであって、上記実施例に限定されることのないのはいうまでもない。
【0042】
【考案の効果】
本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられているので、当該マークを、例えば鼻筋の両脇に位置させることにより、左右にずれがなく適切に鼻部に貼付できる。
【0043】
また、考案に係る第2の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられているので、当該マークを、例えば鼻筋の両脇に位置させることにより、左右にずれがなく適切に鼻部に貼付できる。
【0044】
特に、マークとして、スリットや凸部、凹部あるいは窪みや突起とすることにより、指先で感じとることが可能で、鏡等を使うことなく簡単に位置合わせができる。
【0045】
また、鼻用シート状貼付材の上端縁と下端縁を略平行にして、少なくとも左右の側端縁から下端縁にかけて膨らみを設けることにより、小鼻の部分に適切に当該鼻用シート状貼付材を貼付できる。
【0046】
貼付層として、例えば、湿潤粘着性組成物を含有させることにより、鼻部の角栓除去に適した鼻用シート状貼付材を提供することができる。
【0047】
中でも、A成分としてポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いることにより、効果的に角栓を除去できる。
【0048】
また、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物からなるポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、剥離時の痛みが少ない、角栓除去に適した鼻用シート状貼付材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】同上の鼻用シート状貼付材の別な実施の形態を示す平面図である。
【図3】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図4】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図5】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図6】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図7】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図8】本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材の一実施の形態を示す平面図である。
【図9】同上の鼻用シート状貼付材の別な実施の形態を示す図面であって、同図(a)はその平面図、(b)はその断面図である。
【図10】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
A 本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材
B 本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材
11 支持体
12 貼付層
21 スリット(マーク)
22、22a、22b クサビ状の凹部(マーク)
23、23a、23b 略半円状の凹部(マーク)
24 略半円状の凸部(マーク)
31a、31b 印刷(マーク)
32 窪み(マーク)
33 突起(マーク)
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、鼻用シート状貼付材に関する。具体的には、鼻部への貼布に適した形状に予め成形された鼻用シート貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、額から鼻筋にかけての、いわゆるTゾーンのケアが着目されている。中でも鼻部のケアが着目されており、手軽に使用できる観点から化粧料等が予めシート状に形成された鼻用シート状貼付材が数多く開発されている。これらの鼻用シート状貼付材の多くは、鼻部の貼付に適したように、所定の形状に裁断成形されている。
【0003】
例えば、当該鼻用シート状貼付材Cは、図11に示すように略平行となった上端縁及び下端縁を有しており、下端縁は上端縁よりも長く設計されている。また、左右端縁は下端縁からほぼ垂直に上方に伸び、その上部において曲線を描いており、左右の下端部はちょうど小鼻の貼付に適した形状となっている。
【0004】
この鼻用シート状貼付材Cは、そのまま鼻部に貼付されたり、あるいは使用前に水等で貼付部位若しくは鼻用シート状貼付材Cを濡らした後に、鼻部に貼付される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように鼻部の貼付に適した形状に予め裁断されていても、鼻用シート状貼付材の中心を鼻筋に合わせて貼付することが困難で、左右どちらかに偏って貼布してしまう。このため、どちらか一方の小鼻に鼻用シート上貼付材が十分に貼付されないという問題点があった。
【0006】
本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、左右に偏ることなく鼻部に適切に貼付できる鼻用シート状貼付材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴としている。
【0008】
当該マークとしては、例えば、スリットや凹部あるいは凸部とすることができる。
【0009】
本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴としている。
【0010】
この場合には、当該マークとして、例えば、印刷や窪みあるいは突起とすることができ、当該マークは、支持体が用いられる場合には、当該支持体上に設けられる。
【0011】
本考案において用いられる貼付層としては、通常の化粧用パック材として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、用途に応じて必要なものを選択することができる。特に、皮膚の角栓除去用として湿潤粘着性組成物を用いるのが好ましい。
【0012】
用いる湿潤粘着性組成物も、特に限定されるものではないが、ピールオフタイプの化粧料、つまりシート状に形成された貼付層が貼付部位に貼付され、一定時間放置経過後に乾燥した後に被膜が形成される組成物であって、使用時に塗布された水や化粧水、メチルアルコールやエチルアルコール等の親水性媒体によって粘着性を有するものであれば特に限定されるものではない。特に、角栓除去に適したものが好ましく、例えば、ポリビニルアルコールとその他の高分子と多価アルコールからなる組成物や、アルギン酸ナトリウム及び多価アルコールとからなる組成物、ポリアクリル酸ナトリウムとグリセリンなどポリアクリル酸ナトリウムと相溶性を有し、溶解して可塑化効果を示す材料からなる混合物をはじめ、これら以外にもポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、カルボシキメチルセルロース、アラビアゴム、ポリメチルビニルエーテルなどを主成分とする各種湿潤粘着性組成物を用いることができる。
【0013】
特に、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する場合に有効である。
【0014】
この場合、A成分としては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体若しくは両者の混合物を用いることができ、貼付乾燥後の貼付層の機械的強度及び剥離残渣の観点から、重量平均分子量5千〜500万のもの、特に2万〜120万のものが好ましい。さらに、貼付時に用いた水や親水性媒体の乾燥時間を短縮するとともに、剥離時の痛みをさらに和らげられるとの観点から、低分子量ポリマーつまり重量平均分子量70万未満、好ましくは5000〜30万のものと、高分子量ポリマーつまり重量平均分子量以下70万以上、好ましくは100万〜500万のものとを混合して用いるのが望ましい。このとき、両者の配合割合は、用いるポリマーの分子量や使用する目的などによっても異なるが、おおよそ、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの比が、重量比で、5:95〜95:5、好ましくは20:80〜70:30の割合で使用でき、さらに好ましくは角栓の除去効率や剥がす際の痛さの観点から、低分子量ポリマーの配合比が多くなるように混合するのが好ましい。
【0015】
また、B成分としては、A成分に対して相溶性を有し、A成分を溶解して可塑化効果を示す材料が用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、などのブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油などのグリセライド類などが、例示される。また、B成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0016】
C成分としては、A成分とB成分との混合物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機又は有機の充填剤が用いられる。無機の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硝子などの無機酸化物ないし複合酸化物をはじめ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス、カーボンなどのその他の無機化合物類、金属や各種金属の合金等の金属類、などが例示される。無機の充填剤としては、例えば、セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィンなどの繊維形成性高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、その他の有機高分子類、などが例示される。これらの充填剤は、通常粉体状態で用いるのが好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性の観点から球形であることが好ましく、その平均粒径は、0.01〜50μm、特に0.1〜10μmのものが好ましい。また、C成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0017】
組成割合としては、A成分の使用量に対するB成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度が乏しくなり、逆に過小であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しく、貼付部位に良好にフィットし難い。このため、B成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは1〜75重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
【0018】
また、A成分の使用量に対するC成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しくて、貼付部位に良好にフィットし難く、逆に過小であると、上記湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が乏しく、貼付後の乾燥に要する時間が長くなる。このため、C成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0019】
これらの湿潤粘着性組成物は、エチルアルコールなどの親水性媒体や水等と共に塗布液とした後、以下に述べるようなセパレータとなるシート状物或いは支持体となるシート状物の上に塗布乾燥され、シート状の貼付層に作製される。また、塗布液中には、必要に応じて化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、紫外線吸収剤、あるいはその他の貼付材に通常使用される薬剤や添加剤を通常量添加できる。
【0020】
これらの組成物からなる貼付層は、通常支持体上に形成される。当該支持体としては、一般の貼付材として使用されるシート状物若しくはフィルム状物であれば、特に限定されるものではなく、貼付層に応じて適宜選択される。例えば、綿などの天然繊維あるいはレーヨン、アセテート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維を用いた織布、不織布、編布、あるいは、ポリエステル、ナイロン、サラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、アイオノマー、ポリアクリロニトリル系樹脂、金属箔などの単独フィルムやシート、またはこれらのラミネートフィルムなどを用いることができる。さらに、必要に応じて、これら合成樹脂製の透湿性フィルムや多孔性フィルムを用いることができる。もちろん、貼付層自体が製造時や剥離時に十分な機械的強度を有する場合などには、支持体を用いる必要はない。
【0021】
また、貼付層を衛生的に保存できる点や、貼付材を積み重ねたり、ロール状にして保管できる点から、貼付層上にさらにセパレータが積層されることが好ましい。このセパレータとして、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、表面をポリマー処理した紙、あるいはその他のフィルムやシートが例示される。
【0022】
以下、本考案について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aの一実施の形態を示す平面図、図2は当該鼻用シート状貼付材Aの別な実施の形態を示す平面図、図3〜図7は当該鼻用シート状貼付材Aのさらに別な実施の形態を示す平面図、図8は本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材Bの一実施の形態を示す平面図、図9(a)(b)は、当該鼻用シート状貼付材Bの別な実施の形態を示す図面であって、同図(a)はその平面図、(b)はその断面図、図10は当該鼻用シート状貼付材Bのさらに別な実施の形態を示す断面図である。
【0024】
図1〜図7に示す本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材Aは、上記した支持体11上に上記した湿潤粘着性組成物からなる貼付層12が形成されており、図1〜図7に示すように鼻部の貼付に適した形状に裁断成形されている。
【0025】
例えば、各図に示すように、鼻用シート状貼付材Aの上端縁と下端縁は略平行となるようにほぼ直線状に裁断されており、下端縁は上端縁よりも長く設定されている。鼻用シート状貼付材Aの左右側端縁は略ハ字形状となるように、左右対称に裁断されている。また、上端縁から左右の側端縁にかけての上部側端縁及び左右の側端縁から下端縁にかけての下部側端縁はそれぞれ丸く縁取りされ、側端縁から下端縁にかけて、左右両側に膨らみを有する形状となっている。当該鼻用シート状貼付材Aの大きさは、鼻部の貼付に適した大きさに裁断され、その上端縁は鼻筋の上部に位置するとともに、側端縁から下端縁にかけて膨らんだ部分が小鼻に位置するように設計される。
【0026】
鼻用シート状貼付材Aは、このように裁断された鼻用シート状貼付材Aの上端縁及び/又は下端縁に、貼付位置を決めるための目安となるマークが設けられている。また、当該マークは、鼻用シート状貼付材Aの中心線(図面では一点破線で示される。)に対し左右対称に設けられている。
【0027】
マークの位置は、使用対象となる人の顔の大きさによってわずかに異なるが、鼻用シート状貼付材Aの大きさに拘らず、鼻用シート状貼付材Aの中心線からほぼ一定の距離に設けられる。具体的に言うと、ちょうど鼻筋の上、眉間近くに上端縁を位置させた場合に、左右のマークが鼻筋の両脇に位置するように設けるのが好適である。
【0028】
また、マークの形状や大きさなどは特に限定されるものではないが、貼付面積を減じさせないマークや、指先で感じとることができるマークが好都合である。
特に指先で感じとることができるマークであれば、鏡などで貼布位置を確認することなく、指先でマークを感じとることにより、当該マークを鼻筋の両側に容易に位置させることができる。
【0029】
例えば、図1に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、上端縁に左右一対のスリット21がマークとして設けられている。スリット21の長さは特に限定されるものではないが、2本の指、例えば人差し指と中指の指先で感じとることができる程度に設けるのが好ましい。
【0030】
この鼻用シート状貼付材Aは、次のようにして使用される。まず、水や親水性媒体で鼻部あるいは貼付層12の表面を濡らしておく。次に、上端縁をちょうど鼻筋の上、眉間近くに位置させて貼付する。このとき、スリット21に2本の指を当てて、スリット21を鼻筋の両脇に位置させるとよい。その後、鼻用シート状貼付材Aの中央部を鼻筋に沿うようにして押さえ付けながら、下端縁の中央を鼻頭に位置合わせし、左右に膨らんだ部分を小鼻にしっかりと押さえ付け、鼻用シート状貼付材A全体を鼻部に貼付する。
【0031】
このように、左右対称に一対のマーク(スリット21)が設けられているので、簡単に鼻用シート状貼付材Aの中央を鼻筋に合わせることができ、左右に偏ることなく、鼻用シート状貼付材Aを適切に鼻部に貼付できる。また、マークをスリット21にすれば、容易にマークを設けることができ、貼付面積が少なくならずに済むという利点もある。
【0032】
次に、図2に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、上端縁にクサビ状の凹部22が設けられている。このようにクサビ状の凹部22とすることにより、より一層指先で感じとりやすくなり、好適に鼻用シート状貼付材Aを貼付することができる。また、図3に示す鼻用シート状貼付材Aのように、略半円状の凹部23や図4に示す鼻用シート状貼付材Aのように、略半円状の凸部24とすることもできる。このように凹部22、23や凸部24からなるマークとすることにより、スリット21に比べ指先で感じやすくなり、特に凸部24とすることにより貼付面積が減少しない点でより有利である。
【0033】
さらに図5に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、一対の略半円状の凹部23が中心線に接するようにして左右対称に設けられている。このように、マークを設ける位置も特に限定されるものではなく、マークを中心線に対して左右対称に設けることにより、鼻筋の両側から鼻用シート状貼付材Aを好適に位置合わせすることができる。
【0034】
また、マークは左右一対に限定されるものではなく、複数対のマークを設けることもできる。図6に示す鼻用シート状貼付材Aにあっては、左右一対となったクサビ状の凹部22a、22bが二対、上端縁に設けられている。鼻筋の広がりは三者三様であって、使用対象となる人の顔の大きさに応じてマークを設ける必要がある。この点、当該鼻用シート状貼付材Aのように複数対のマーク(クサビ状の凹部22a、22b)を予め設けておけば、鼻筋の広がりに応じたマーク位置を指先で感じとることができるので、より一層好適に鼻用シート状貼付材Aを貼付できる。
【0035】
さらに、図7に示す鼻用シート状貼付材Aには、上端縁及び下端縁にそれぞれ一対の略半円状の凹部23a、23bが設けられている。下端縁側の凹部23bの間隔は、上端縁側の凹部23aとほぼ同じ間隔若しくはそれよりも広くなっており、下端縁側の凹部23bは、貼付した際に鼻頭の両側に位置するように設けられている。このように、下端縁にも中央線に対して左右対称に一対のマーク(凹部23b)を設けておけば、下端縁も好適に位置合わせすることができ、より一層鼻用シート状貼付材Aの位置決めを容易に行なえる。もちろん、図示はしないが下端縁にも複数対のマークを設けることにすれば、より好適なのは言うまでもなく、下端縁にのみマークを設けることにしても、本考案の目的を十分に達成できる。
【0036】
次に、図8〜図10に示す本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材Bも、第1の鼻用シート状貼付材Aと同様に、支持体11及び貼付層12とから構成されており、鼻部の貼付に適した形状に裁断成形されている。当該第2の鼻用シート状貼付材Bにあっては、一対の位置決め用のマークが、鼻用シート状貼付材Bの上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材Bの中央線(図面では一点破線で示される。)に対して左右対称に設けられる点で異なるのみである。
【0037】
図8に示す鼻用シート状貼付材Bにあっては、支持体11上の上端部及び下端部に印刷31a、31bがマークとして設けられている。これら印刷31a、31bの大きさや形も特に制限されるものではないが、上端部の印刷31aの位置は上述したように、鼻筋の上、眉間近くに位置するように設けるのが好ましく、下端部の印刷32bの位置は鼻頭の両側に位置するように設けるのが好ましい。
さらに、印刷31a、31bの位置は、図示するようにそれぞれ上端縁、下端縁に接するように設けることもできるし、また、図9に示す突起32のように上端縁、下端縁から離して設けることもできるが、貼付のし易さからは、上端縁に接するように設けるのが好ましい。このように、支持体11上に印刷31a、31bを施すことにより、貼布面積が減少することなく、マークを設けることができる。
【0038】
また、図9に示す鼻用シート状貼付材Bのように、支持体11表面に突起32からマークを形成するようにしてもよい。例えば、インクを点状に塗布して形成したり、発泡性インクを用いて形成することができる。あるいは、有機質又は無機質の粒子ないし粉末を付着ないし接着することによっても形成できる。有機質のものとしては、天然あるいは合成の材料で形成された粒子ないし粉末が挙げられるが、これらのうち合成の材料が品質の安定した粒子ないし粉末が得られるので望ましい。この合成の材料としては、例えば熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で製造された粒子ないし粉末が挙げられる。これらの粒子ないし粉末着ないし接着するには、例えば熱融着あるいはホットメルト樹脂を用いて接着するなどの方法が用いられる。
【0039】
あるいは、図10に示す鼻用シート状貼付材Bのように、支持体11に窪み33を形成することにしてもよい。例えば、所定の形状に裁断成形された鼻用シート状貼付材Bの支持体11表面から、ロールやプレス板を押圧して窪み33を形成することができる。
【0040】
もちろん、支持体11が不要な場合には貼付層12の表面に直接マークを設けることにしてもよく、窪み33や突起32からなるマークを設けた場合には、指先でマークを感じとることができるので、印刷31a、31bによるマークに比べて容易に鼻用シート状貼付材Bを貼付できる。また、簡単な方法でマークを付せるのでコスト増が少なくて済むメリットもある。
【0041】
なお、本考案にあっては、種々の形状の鼻用貼布用シート(鼻用シート状貼付材)に適用可能なものであって、上記実施例に限定されることのないのはいうまでもない。
【0042】
【考案の効果】
本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられているので、当該マークを、例えば鼻筋の両脇に位置させることにより、左右にずれがなく適切に鼻部に貼付できる。
【0043】
また、考案に係る第2の鼻用シート状貼付材は、少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられているので、当該マークを、例えば鼻筋の両脇に位置させることにより、左右にずれがなく適切に鼻部に貼付できる。
【0044】
特に、マークとして、スリットや凸部、凹部あるいは窪みや突起とすることにより、指先で感じとることが可能で、鏡等を使うことなく簡単に位置合わせができる。
【0045】
また、鼻用シート状貼付材の上端縁と下端縁を略平行にして、少なくとも左右の側端縁から下端縁にかけて膨らみを設けることにより、小鼻の部分に適切に当該鼻用シート状貼付材を貼付できる。
【0046】
貼付層として、例えば、湿潤粘着性組成物を含有させることにより、鼻部の角栓除去に適した鼻用シート状貼付材を提供することができる。
【0047】
中でも、A成分としてポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いることにより、効果的に角栓を除去できる。
【0048】
また、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物からなるポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体を用いることにより、剥離時の痛みが少ない、角栓除去に適した鼻用シート状貼付材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】同上の鼻用シート状貼付材の別な実施の形態を示す平面図である。
【図3】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図4】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図5】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図6】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図7】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す平面図である。
【図8】本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材の一実施の形態を示す平面図である。
【図9】同上の鼻用シート状貼付材の別な実施の形態を示す図面であって、同図(a)はその平面図、(b)はその断面図である。
【図10】同上の鼻用シート状貼付材のさらに別な実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
A 本考案に係る第1の鼻用シート状貼付材
B 本考案に係る第2の鼻用シート状貼付材
11 支持体
12 貼付層
21 スリット(マーク)
22、22a、22b クサビ状の凹部(マーク)
23、23a、23b 略半円状の凹部(マーク)
24 略半円状の凸部(マーク)
31a、31b 印刷(マーク)
32 窪み(マーク)
33 突起(マーク)
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴とする鼻用シート状貼付材。
【請求項2】 前記マークは、スリットである請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項3】 前記マークは、凹部である請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項4】 前記マークは、凸部である請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項5】 前記貼付層が支持体上に形成された請求項1〜4記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項6】 少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴とする鼻用シート状貼付材。
【請求項7】 前記マークは、印刷である請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項8】 前記マークは、窪みである請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項9】 前記マークは、突起である請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項10】 前記貼付層は支持体上に形成され、前記マークは当該支持体上に設けられたことを特徴とする請求項6〜9記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項11】 複数対のマークが設けられた請求項1〜10記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項12】 前記鼻用シート状貼付材の上端縁と下端縁は略平行であり、少なくとも左右の側端縁から前記下端縁にかけて膨らみを有する請求項1〜11記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項13】 前記貼付層は、湿潤粘着性組成物を含む請求項1〜12記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項14】 前記湿潤粘着性組成物は、A成分としてポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する請求項13記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項15】 前記ポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体は、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物であることを特徴とする請求項14記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項1】 少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端縁及び/又は下端縁に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴とする鼻用シート状貼付材。
【請求項2】 前記マークは、スリットである請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項3】 前記マークは、凹部である請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項4】 前記マークは、凸部である請求項1記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項5】 前記貼付層が支持体上に形成された請求項1〜4記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項6】 少なくとも貼付層を有する鼻用シート状貼付材であって、当該鼻用シート状貼付材の上端部及び/又は下端部に、当該鼻用シート状貼付材の中央線に対して左右対称に、少なくとも一対の位置決め用のマークが設けられたことを特徴とする鼻用シート状貼付材。
【請求項7】 前記マークは、印刷である請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項8】 前記マークは、窪みである請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項9】 前記マークは、突起である請求項6記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項10】 前記貼付層は支持体上に形成され、前記マークは当該支持体上に設けられたことを特徴とする請求項6〜9記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項11】 複数対のマークが設けられた請求項1〜10記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項12】 前記鼻用シート状貼付材の上端縁と下端縁は略平行であり、少なくとも左右の側端縁から前記下端縁にかけて膨らみを有する請求項1〜11記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項13】 前記貼付層は、湿潤粘着性組成物を含む請求項1〜12記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項14】 前記湿潤粘着性組成物は、A成分としてポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する請求項13記載の鼻用シート状貼付材。
【請求項15】 前記ポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体は、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物であることを特徴とする請求項14記載の鼻用シート状貼付材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【登録番号】第3046929号
【登録日】平成10年(1998)1月7日
【発行日】平成10年(1998)3月24日
【考案の名称】鼻用シート状貼付材
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−6208
【出願日】平成9年(1997)6月30日
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【登録日】平成10年(1998)1月7日
【発行日】平成10年(1998)3月24日
【考案の名称】鼻用シート状貼付材
【国際特許分類】
【出願番号】実願平9−6208
【出願日】平成9年(1997)6月30日
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
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