説明

(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法

【課題】医農薬、機能材料及びその製造中間体として有用な(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)


で表されるジアリールヨードニウム塩を、銅(I)塩の存在下、トリフルオロメタンスルフィン酸塩と反応させることで(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体を製造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬、機能材料及びそれらの製造中間体として有用な(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体は医農薬、機能材料及びそれらの製造中間体として有用である(特許文献1)。従来の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法として、アリール(トリフルオロメチル)スルフィドの酸化による製造方法が開示されている(非特許文献1)が、毒性の高い試薬を必要とし工業的な製法とはいえない。また、ベンゼンスルホン酸誘導体のトリフルオロメチル化による製造方法が開示されている(非特許文献2)が、高価な反応試薬が必要であり経済的な製造方法とは言いがたい。さらに、特許文献2には、アリール(2−フルオロフェニル)ヨードニウム塩とトリフルオロメタンスルフィン酸塩から1−フルオロ−2−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼンを合成する方法が開示されている。しかし、収率の記載はなく、また、他の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体を製造できるかは明らかではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際特許出願WO2010/147917号公報。
【特許文献2】国際特許出願WO2009/155386号公報。
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】The Journal of Organic Chemistry,68巻,5388−5391ページ,2003年。
【非特許文献2】The Journal of Organic Chemistry,64巻,2873−2876ページ,1999年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法は、毒性の高い反応試薬や高価な反応試薬が必要であり、また、基質一般性の乏しい製造方法であった。本発明の課題は、(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体を効率的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、銅(I)塩存在下、ジアリールヨードニウム塩とトリフルオロメチルスルフィン酸塩との反応により、(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体が簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は各々独立に水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアシル基、(炭素数1から5のアルコキシ)カルボニル基、ニトロ基、シアノ基、塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩を、銅(I)塩の存在下、一般式(2)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Mはアルカリ金属原子を表す。)で表されるトリフルオロメタンスルフィン酸塩と反応させることを特徴とする、一般式(3)
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で表される(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体及び/または一般式(4)
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、R、R、R、R及びR10は前記と同じ意味を表す。)で表される(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、医農薬、機能材料及びその製造中間体として有用な(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体を簡便に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を詳細に説明する。
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができる。
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10で表される炭素数1から6のハロアルキル基としては、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、5−ブロモペンチル基、6−ブロモヘキシル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、5−ヨードペンチル基、6−ヨードヘキシル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等を例示することができる。
【0017】
、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10で表される炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示することができる。
、R1a、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10で表される炭素数2から6のアシル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、アクリロイル基、クロトノイル基等を例示することができる。
、R1a、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10で表される(炭素数1から5のアルコキシ)カルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等を例示することができる。
、R及びR10は、経済性の観点からメチル基又は水素原子が好ましく、水素原子がさらに好ましい。
【0018】
及びRは、経済性の観点から水素原子が好ましい。
【0019】
Mで表されるアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムを例示することができる。収率がよい点で、ナトリウムが好ましい。
【0020】
次に、本発明の製造方法について詳しく述べる。
本発明の製造方法の原料であるジアリールヨードニウム塩(1)は、一部市販されているが、文献記載の方法(Advanced Synthesis & Catalysis,349巻,2610−2618ページ,2007年)により対応するヨードベンゼン誘導体から調製することができる。
【0021】
本発明の製造方法の原料であるトリフルオロメタンスルフィン酸塩(2)は市販されている。
【0022】
本発明の製造方法では、銅(I)塩を用いることが必須である。用いることのできる銅(I)塩としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体、酢酸銅(I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)、酸化銅(I)等を例示することができる。収率が良い点で、酸化銅(I)を用いることが好ましい。
銅(I)塩の使用量は特に制限はないが、いわゆる触媒量でも反応は進行する。具体的には、ジアリールヨードニウム塩(1)に対して0.1〜10モル%程度用いれば十分である。
【0023】
本発明の製造方法は溶媒中で行ってもよく、その際、用いることのできる溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等の非プロトン性極性溶媒を例示することができ、これらの溶媒のうち2種類以上を混合して用いても差し支えない。
【0024】
ジアリールヨードニウム塩(1)とトリフルオロメタンスルフィン酸塩(2)とのモル比は特に制限はないが、1:1から1:5が好ましく、収率が良い点で1:1から1:2がさらに好ましい。
【0025】
反応温度は、−78℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から50℃の範囲が好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から目的物を精製することができる。精製する方法には特に限定はないが、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を精製することができる。
【実施例】
【0026】
次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例−1
【0027】
【化5】

【0028】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム(129mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(39.8mg,189μmol,63%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.06(2H,d,J=7.6Hz),7.85(1H,m),7.69(2H,m);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.9(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ136.6,131.2,130.6,129.9,119.8(q,J=325.7Hz).
実施例−2
【0029】
【化6】

【0030】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス[4−(メトキシカルボニル)フェニル]ヨードニウム(164mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜40:1)により精製し、4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸メチル(66.6mg,248μmol,83%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.32(2H,d,J=8.5Hz),8.13(2H,d,J=8.5Hz),4.00(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.5(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ164.9,137.4,135.1,130.8,130.8,119.6(q,J=325.9Hz),53.0.
実施例−3
【0031】
【化7】

【0032】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム(170mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−(トリフルオロメチル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(61.7mg,222μmol,74%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.21(2H,d,J=8.3Hz),7.96(2H,d,J=8.3Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−64.1(3F),−78.4(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ138.0(q,J=33.6Hz),135.1,131.5,127.0(q,J=3.6Hz),122.7(q,J=273.5Hz),119.6(q,J=325.9Hz).
実施例−4
【0033】
【化8】

【0034】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム(147mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1〜10:1)により精製し、4−(トリフルオロメチルスルホニル)アニソール(64.5mg,268μmol,89%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.94(2H,d,J=8.3Hz),7.10(2H,d,J=8.3Hz),3.93(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−79.4(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.2,133.2,121.9,119.9(q,J=325.5Hz),115.2,55.9.
実施例−5
【0035】
【化9】

【0036】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(4−クロロフェニル)ヨードニウム(149mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−クロロ−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(58.2mg,237μmol,79%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.98(2H,d,J=8.6Hz),7.67(2H,d,J=8.6Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.8(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ144.0,132.1,130.4,129.7,119.7(q,J=325.7Hz).
実施例−6
【0037】
【化10】

【0038】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(4−ブロモフェニル)ヨ−ドニウム(176mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−ブロモ−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(72.1mg,249μmol,83%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.89(2H,d,J=8.6Hz),7.83(2H,d,J=8.6Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.8(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ133.4,132.8,132.0,130.3,119.6(q,J=325.8Hz).
実施例−7
【0039】
【化11】

【0040】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム(137mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(53.9mg,240μmol,80%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.92(2H,d,J=8.3Hz),7.47(2H,d,J=8.3Hz),2.52(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−79.2(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ148.3,130.8,130.5,128.2,119.8(q,J=325.7Hz),21.9.
実施例−8
【0041】
【化12】

【0042】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(3−メチルフェニル)ヨードニウム(137mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(56.6mg,252μmol,84%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.82−7.86(2H,m),7.64(1H,m),7.55(1H,m),2.49(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−79.0(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ140.4,137.4,131.2,130.8,129.7,127.9,119.8(q,J=325.9Hz),21.2.
実施例−9
【0043】
【化13】

【0044】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム(170mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−(トリフルオロメチル)−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(59.9mg,215μmol,72%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.31(1H,s),8.26(1H,d,J=8.0Hz),8.11(1H,d,J=7.9Hz),7.87(1H,dd,J=8.0,7.9Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−63.5(3F),−78.4(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ134.0,133.2(q,J=3.4Hz),132.9(q,J=34.4Hz),132.9,130.9,127.7(q,J=3.7Hz),122.7(q,J=273.1Hz),119.6(q,J=325.7Hz).
実施例−10
【0045】
【化14】

【0046】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(3−クロロフェニル)ヨードニウム(149mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−クロロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(58.8mg,240μmol,80%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(1H,m),7.95(1H,brd,J=7.9Hz),7.81(1H,ddd,J=7.9,2.1,1.0Hz),7.64(1H,t,J=7.9Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.5(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ136.7,136.3,133.1,131.1,130.5,128.8,119.6(q,J=325.9Hz).
実施例−11
【0047】
【化15】

【0048】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(2−メチルフェニル)ヨードニウム(137mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(44.0mg,196μmol,65%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.08(1H,d,J=8.0Hz),7.68(1H,dt,J=7.6,1.4Hz),7.42−7.50(2H,m),2.74(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.8(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ142.2,136.4,133.5,133.3,129.8,127.2,120.1(q,J=326.5Hz),20.6(q,J=1.3Hz).
実施例−12
【0049】
【化16】

【0050】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(フェニル)ヨードニウム(142mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(38.8mg,184μmol,61%)を無色油状物質として得た。
実施例−13
【0051】
【化17】

【0052】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル[4−(メトキシカルボニル)フェニル]ヨードニウム(159mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸メチル(68.6mg,256μmol,85%)を白色固体として得た。
実施例−14
【0053】
【化18】

【0054】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム(162mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−(トリフルオロメチル)−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(51.4mg,185μmol,62%)を白色固体として得た。
実施例−15
【0055】
【化19】

【0056】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム(151mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1〜10:1)により精製し、4−(トリフルオロメチルスルホニル)アニソール(63.2mg,263μmol,88%)を無色油状物質として得た。
実施例−16
【0057】
【化20】

【0058】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(4−クロロフェニル)(メシチル)ヨードニウム(152mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−クロロ−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(60.2mg,246μmol,82%)を白色固体として得た。
実施例−17
【0059】
【化21】

【0060】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(4−ブロモフェニル)(メシチル)ヨードニウム(165mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−ブロモ−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(71.8mg,248μmol,83%)を白色固体として得た。
実施例−18
【0061】
【化22】

【0062】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(4−メチルフェニル)ヨードニウム(146mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(58.7mg,262μmol,87%)を白色固体として得た。
実施例−19
【0063】
【化23】

【0064】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(3−メチルフェニル)ヨードニウム(146mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(53.4mg,238μmol,79%)を白色固体として得た。
実施例−20
【0065】
【化24】

【0066】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ヨードニウム(162mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−(トリフルオロメチル)−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(50.3mg,181μmol,60%)を無色油状物質として得た。
実施例−21
【0067】
【化25】

【0068】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(3−クロロフェニル)(メシチル)ヨードニウム(152mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−クロロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(61.5mg,251μmol,83%)を無色油状物質として得た。
実施例−22
【0069】
【化26】

【0070】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(2−メチルフェニル)ヨードニウム(146mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により精製し、1−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(49.5mg,221μmol,73%)を無色油状物質として得た。
実施例−23
【0071】
【化27】

【0072】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル(4−ニトロフェニル)ヨードニウム(155mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜50:1)により精製し、1−ニトロ−4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(67.0mg,262μmol,87%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.52(2H,d,J=9.0Hz),8.28(2H,d,J=9.0Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.1(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ152.5,137.0,132.3,124.9,119.5(q,J=325.9Hz).
実施例−24
【0073】
【化28】

【0074】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(4−シアノフェニル)(メシチル)ヨードニウム(149mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜30:1)により精製し、4−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゾニトリル(60.1mg,255μmol,85%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.19(2H,d,J=8.3Hz),7.99(2H,d,J=8.3Hz);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.1(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ135.5,133.5,131.3,120.3,119.5(q,J=326.2Hz),116.4.
実施例−25
【0075】
【化29】

【0076】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸メシチル[4−(メトキシカルボニル)−2−メチルフェニル]ヨードニウム(163mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、3−メチル−4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸メチル(48.2mg,171μmol,57%)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.16(1H,d,J=8.4Hz),8.06−8.10(2H,m),3.98(3H,s),2.79(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−78.4(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ165.0,142.5,136.9,134.3,133.6,133.5,127.8,120.0(q,J=326.7Hz),52.9,20.6(q,J=1.2Hz).
実施例−26
【0077】
【化30】

【0078】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸[2−(メトキシカルボニル)フェニル](フェニル)ヨードニウム(146mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜5:1)により精製し、2−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸メチル(69.8mg,260μmol,86%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.13(1H,d,J=8.0Hz),7.87(1H,dt,J=7.6,1.2Hz),7.72−7.78(2H,m),3.97(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−75.6(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ166.3,136.3,136.1,132.7,131.2,130.0,129.9,119.8(q,J=327.8Hz),53.4.
実施例−27
【0079】
【化31】

【0080】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(2−アセチルフェニル)(フェニル)ヨードニウム(142mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜5:1)により精製し、2−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトフェノン(69.7mg,276μmol,92%)を無色油状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.08(1H,d,J=8.0Hz),7.87(1H,dt,J=7.6,1.2Hz),7.71(1H,m),7.47(1H,dd,J=7.6,1.0Hz),2.63(3H,s);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−77.2(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ200.6,145.6,136.6,132.6,130.3,128.0,127.1,119.6(q,J=327.0Hz),31.5.
実施例−28
【0081】
【化32】

【0082】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ニトロフェニル)(フェニル)ヨードニウム(142mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜3:1)により精製し、1−ニトロ−2−(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(39.2mg,154μmol,51%)を黄褐色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.25(1H,dd,J=7.7,1.4Hz),8.00(1H,m),7.87−7.93(2H,m);19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−73.8(3F);13C−NMR(100MHz,CDCl)δ149.9,137.8,134.0,132.8,125.8,125.4,119.7(q,J=327.9Hz).
実施例−29
【0083】
【化33】

【0084】
アルゴン雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸(4−メトキシカルボニルフェニル)(フェニル)ヨードニウム(146mg,300μmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(70.2mg,450μmol)及び酸化銅(I)(2.1mg,15μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液を室温で3日間攪拌後、0℃に冷却し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜3:1)により精製し、H−NMR及び19F−NMRより4−(トリフルオロメチルスルホニル)安息香酸メチル(収率:48%)及び(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン(収率:30%)の生成を確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は各々独立に水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数2から6のアシル基、(炭素数1から5のアルコキシ)カルボニル基、ニトロ基、シアノ基、塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩を、銅(I)塩の存在下、一般式(2)
【化2】

(式中、Mはアルカリ金属原子を表す。)で表されるトリフルオロメタンスルフィン酸塩と反応させることを特徴とする、一般式(3)
【化3】

(式中、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で表される(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体及び/または一般式(4)
【化4】

(式中、R、R、R、R及びR10は前記と同じ意味を表す。)で表される(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項2】
一般式(1)が、一般式(1a)
【化5】

(式中、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩である請求項1に記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項3】
一般式(1)が、一般式(1b)
【化6】

(式中、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩である請求項1に記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項4】
一般式(1)が、一般式(1c)
【化7】

(式中、R、R、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩である請求項1に記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項5】
一般式(1)が、一般式(1d)
【化8】

(式中、R1aは炭素数2から6のアシル基、(炭素数1から5のアルコキシ)カルボニル基又はニトロ基を表す。)で表されるジアリールヨードニウム塩である請求項1に記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項6】
1aが、アセチル基、メトキシカルボニル基又はニトロ基である請求項5に記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項7】
銅(I)塩が酸化銅(I)であり、Mがナトリウムである請求項1〜6のいずれかに記載の(トリフルオロメチルスルホニル)ベンゼン誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2012−250964(P2012−250964A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126997(P2011−126997)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(591180358)東ソ−・エフテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】