説明

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法

【課題】高い収率で環状骨格を有する第3級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを得る方法を提供。
【解決手段】式(1)又は(2)、R1MgX1(1)、R1Li(2)で表される有機金属化合物及び第3級アミンの存在下、式(3)


(式中、R2は炭素数1以上のアルキル基、R3は炭素数2以上のアルキル基、環Zは炭素数5以上の多環の非芳香族性環等を示す)で表される第3級アルコールと、(メタ)アクリル酸ハライドとを、前記有機金属化合物及び第3級アミンの総使用量W1(第3級アルコールに対する当量)と(メタ)アクリル酸ハライドの使用量W2(第3級アルコールに対する当量)の差(W1−W2)が2.0以上である条件で反応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト原料、高機能性ポリマー原料として有用な(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、第3級アルコールエステルは、対応する第3級アルコールに酸又は酸ハライドを作用させることにより合成することができる。また、一般的な酸感応性の第3級アルコールエステルは、その酸感応性のため、トリエチルアミン等のアミン類の存在下、対応する第3級アルコールに酸ハライドを作用させて合成される。
【0003】
しかしながら、その分岐鎖の一つに嵩高い脂環式炭化水素環等を含有する第3級アルコールエステルは、対応するアクリル酸エステルの重合物が多く生成したり、多量の塩が析出するために基質濃度を上げられないなどの問題により、対応する第3級アルコールから上記の手法を用いて効率よく合成することは困難であった。特許文献1には、トリエチルアミンの存在下、第3級アルコールと(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させて、対応する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法が記載されているが、第3級アルコールとメタクリル酸ハライドとを反応させた場合に、十分に満足のいく収率で目的化合物を得られないことが問題であった。
【0004】
特許文献2には、有機リチウム試薬又はグリニア試薬等の有機金属化合物と酸ハライドとを第3級アルコールに反応させることにより、対応する第3級アルコールエステルの収率を改善する方法が記載されている。しかしながら、特に有機金属化合物としてグリニア試薬を使用する場合は、例えば2−アダマンチル−2−ブタノールなどの、ヒドロキシル基を有する炭素原子が脂環式炭化水素環等の環以外に炭素数2以上のアルキル基を有する第3級アルコールを使用すると、十分に満足のいく収率で目的化合物を得られないことが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−48933号公報
【特許文献2】特開2002−173466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、嵩高い環状骨格を有する第3級アルコールから、対応する(メタ)アクリル酸エステルを高い収率で得ることのできる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定量の有機リチウム試薬又はグリニア試薬、及び第3級アミンの存在下、嵩高い環状骨格を有する第3級アルコールと(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させると、一方の反応基質である第3級アルコールが、嵩高い基等の立体障害により有機リチウム試薬又はグリニア試薬(特に、グリニア試薬)によりプロトンを引き抜くことが困難であっても、併用する第3級アミンにより他方の反応基質である(メタ)アクリル酸ハライドを活性化することができるため、第3級アルコールと(メタ)アクリル酸ハライドとの反応が速やかに進行して、対応する(メタ)アクリル酸エステルを高収率で製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記式(1)又は(2)
1MgX1 (1)
1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物及び第3級アミンの存在下、下記式(3)
【化1】

(式中、R2は炭素数1以上のアルキル基、R3は炭素数2以上のアルキル基、環Zは炭素数5以上の単環若しくは多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す)
で表される第3級アルコールと、下記式(4)
【化2】

(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを、前記有機金属化合物及び第3級アミンの総使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW1(当量)、前記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW2(当量)としたとき、その差(W1−W2)が2.0以上である条件で反応させて、下記式(5)
【化3】

(式中、R2、R3、R4、環Zは前記に同じ)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
【0009】
上記製造方法において、式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させた後、アルコールを加えることが好ましい。
【0010】
また、式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを重合禁止剤の存在下で反応させることも好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、有機金属化合物として有機リチウム試薬を使用しても、また、取り扱いが容易で安全にスケールアップすることができるが従来は目的化合物の収率の点で問題があったグリニア試薬等の有機マグネシウム化合物を使用しても、2−アダマンチル−2−ブタノールなどの、ヒドロキシル基を有する炭素原子が脂環式炭化水素環等の環以外に炭素数2以上のアルキル基を有する立体障害の大きい第3級アルコールと、(メタ)アクリル酸ハライドとを(特に、より立体障害が大きいメタクリル酸ハライドとも)、速やかに反応させて、80%を超える高い収率で目的とする(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。そのため、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、工業化に適している。本発明の製造方法により得られる(メタ)アクリル酸エステルは、レジスト原料、高機能性ポリマー原料として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[有機金属化合物]
本発明では、前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物を用いる。式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。
【0013】
1におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などのC1-6アルキル基等を挙げることができる。これらの中でも、特に、C1-4アルキル基が好ましい。
【0014】
1におけるハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル基等の前記アルキル基を構成する水素原子の1又は2以上がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)で置き換えられた基等を挙げることができる。
【0015】
1におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
【0016】
式(1)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどの有機マグネシウム化合物(グリニア試薬など)が挙げられる。また、式(2)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物が挙げられる。有機マグネシウム化合物はハロゲン化銅と組み合わせて用いることもできる。
【0017】
本発明における有機金属化合物としては、なかでも、取り扱いが容易であり、安全にスケールアップすることができ工業化に適している点で、上記式(1)で表される化合物を使用することが好ましい。
【0018】
[第3級アミン]
本発明における第3級アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基やニトロ基等が含まれていてもよい。さらに、モノアミンの他、ジアミン等のポリアミンであってもよい。
【0019】
本発明における第3級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエチルアミン、N−エチル−ジメチルアミン、N−エチル−ジイソプロピルアミン、N−エチル−ジアミルアミン等の脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン;N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルピリジン、N−メチルピロリジン等の複素環アミン;テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のジアミン等を挙げることができる。
【0020】
本発明における第3級アミンとしては、特に、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、N−メチルモルホリン等の複素環アミンが好ましく、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミンが、目的化合物の収率をより向上させることができる点で好ましい。
【0021】
[第3級アルコール]
本発明における第3級アルコールは、前記式(3)で表される。式中、R2は炭素数1以上のアルキル基、R3は炭素数2以上のアルキル基、環Zは炭素数5以上の単環若しくは多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。
【0022】
2における炭素数1以上のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)のアルキル基が好ましい。
【0023】
3における炭素数2以上のアルキル基としては、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、炭素数2〜6(特に炭素数2〜4)のアルキル基が好ましい。
【0024】
環Zにおける非芳香族性環には、脂環式炭化水素環(非芳香族性炭化水素環)及び非芳香族性複素環が含まれる。脂環式炭化水素環には、単環式炭化水素環及び多環式炭化水素環[スピロ炭化水素環、環集合炭化水素環、架橋環式炭化水素環(縮合環式炭化水素環を含む)]が含まれ、非芳香族性複素環には、単環式複素環及び多環式複素環(架橋環式複素環等)が含まれる。
【0025】
環Zにおける炭素数5以上の単環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン環などのC5-12シクロアルカン環;シクロヘキセン環などC5-12シクロアルケン環等を挙げることができる。スピロ炭化水素環としては、例えば、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロビシクロヘキサン環などのC5-16スピロ炭化水素環等を挙げることができる。環集合炭化水素環としては、例えば、ビシクロヘキサン、ビパーヒドロナフタレン環などのC5-12シクロアルカン環を含む環集合炭化水素環等を挙げることができる。
【0026】
環Zにおける炭素数5以上の架橋環式炭化水素環としては、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環;ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環等を挙げることができる。
【0027】
架橋環式炭化水素環には、ジエン類の二量体の水素添加物[例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどのシクロアルカジエンの二量体の水素添加物(例えば、パーヒドロ−4,7−メタノインデンなど)、ブタジエンの二量体(ビニルシクロヘキセン)やその水素添加物など]に対応する環なども含まれる。
【0028】
また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
【0029】
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルナン、ボルナン、アダマンタン、ビシクロオクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、デカリン環等が挙げられる。
【0030】
環Zにおける炭素数5以上の単環式非芳香族性複素環としては、例えば、オキソラン、オキサン、オキセパン、オキソカン環などの酸素原子含有複素環;パーヒドロアゼピン環などの窒素原子含有複素環等を挙げることができる。多環式非芳香族性複素環としては架橋環式複素環等を挙げることができる。
【0031】
また、環Zにおける炭素数5以上の芳香族性環には、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が含まれる。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フェナレン環などの単環または多環の芳香族炭化水素環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、フェナジン環などの酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1または複数個含む単環または多環の芳香族複素環が挙げられる。
【0032】
本発明における環Zとしては、なかでも、多環の非芳香族性環(炭化水素環又は複素環)が好ましく、特に、アダマンタン環などの2〜4個の環を含む架橋環式環(架橋環式炭化水素環又は架橋環式複素環)が好ましい。
【0033】
環Zは置換基を有していてもよい。該置換基としては、反応を損なわないものであれば特に限定されることがなく、例えば、ハロゲン原子(臭素、塩素、フッ素原子など)、アルキル基(メチル、エチル、ブチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。
【0034】
前記ヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル基など)、置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基など)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチルなど)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などのC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシカルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基など)が例示できる。好ましいヒドロキシル基の保護基には、C1-4アルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アシル基、C1-4アルコキシカルボニル基などが含まれる。
【0035】
前記アミノ基の保護基としては、前記ヒドロキシル基の保護基として例示した、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。好ましいアミノ基の保護基には、C1-4アルキル基、C1-6脂肪族アシル基、芳香族アシル基、C1-4アルコキシカルボニル基などが含まれる。
【0036】
本発明における第3級アルコールの最も代表的な例は、2−アダマンチル−2−ブタノールである。
【0037】
[(メタ)アクリル酸ハライド]
本発明における(メタ)アクリル酸ハライドは、前記式(4)で表される。式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す。
【0038】
2におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
【0039】
本発明における(メタ)アクリル酸ハライドとしては、例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロミド、(メタ)アクリル酸アイオダイド等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、入手が容易な点で、(メタ)アクリル酸クロライドが好ましい。
【0040】
[(メタ)アクリル酸エステルの製造方法]
本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物及び第3級アミンの存在下、前記式(3)で表される第3級アルコールと前記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを、前記有機金属化合物及び第3級アミンの総使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW1(当量)、前記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW2(当量)としたとき、その差(W1−W2)が2.0以上である条件で反応させて、前記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする。
【0041】
本発明においては、塩基として式(1)又は(2)で表される有機金属化合物と、第3級アミンを組み合わせて使用するため、第3級アミンにより(メタ)アクリル酸ハライドを活性化することができ、式(3)で表される嵩高い第3級アルコールであって、立体障害により式(1)又は(2)で表される有機金属化合物(特に、式(1)で表される有機金属化合物)によるプロトンの引き抜きが困難である第3級アルコールでも、第3級アミンにより活性化された(メタ)アクリル酸ハライドと(特に、より立体障害が大きいメタクリル酸ハライドとも)速やかに反応させることができ、高い収率で目的とする(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
【0042】
前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量としては、例えば、原料として用いる第3級アルコールに対して0.1〜5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.1〜5モル)、好ましくは0.8〜3当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.8〜3モル)、さらに好ましくは0.9〜2.5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.9〜2.5モル)、特に好ましくは0.95〜2.0当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.95〜2.0モル)程度である。式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を下回ると、(メタ)アクリル酸エステルの収率が低下する傾向があり、一方、式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を上回ると、反応後のクエンチ作業において負荷が増大する傾向がある。
【0043】
第3級アミンの使用量としては、例えば、原料として用いる第3級アルコールに対して0.1〜10当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.1〜10モル)、好ましくは0.8〜7当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.8〜7モル)、さらに好ましくは1〜5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して1〜5モル)程度である。第3級アミンの使用量が上記範囲を下回ると、(メタ)アクリル酸エステルの収率が低下する傾向があり、一方、第3級アミンの使用量が上記範囲を上回ると、コスト高となる傾向がある。
【0044】
式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量としては、例えば、原料として用いる第3級アルコールに対して0.1〜5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.1〜5モル)、好ましくは0.8〜4.5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.8〜4.5モル)、さらに好ましくは0.85〜4当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.85〜4モル)、特に好ましくは0.9〜3.5当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.9〜3.5モル)程度である。式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を下回ると、(メタ)アクリル酸エステルの収率が低下する傾向があり、一方、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を上回ると、(メタ)アクリル酸ハライド由来の重合物等の副生成物が増加する傾向がある。
【0045】
前記のように、本発明では、前記有機金属化合物及び第3級アミンの総使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量(通常、前記第3級アルコール1モルに対するモル数と等しい)]をW1(当量)、前記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量(通常、前記第3級アルコール1モルに対するモル数と等しい)]をW2(当量)としたとき、その差(W1−W2)が2.0以上である条件で反応させることが重要である。差(W1−W2)が2.0未満の場合には、(メタ)アクリル酸エステルの収率が大幅に低下する。差(W1−W2)は、好ましくは2.0〜10、さらに好ましくは2.1〜8、特に好ましくは2.5〜6である。差(W1−W2)が大きすぎると、コスト高になりやすい。
【0046】
また、本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法においては、重合禁止剤の存在下で反応を行うことが好ましい。重合禁止剤を添加することにより、反応に供する式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドや、目的生成物である(メタ)アクリル酸エステルが重合してオリゴマーを副生することを防止することができる。不純物としてのオリゴマー含有量が極めて低い(メタ)アクリル酸エステルをレジスト用ポリマーの原料として用いると、得られたポリマーを用いてレジスト膜を形成する際、均一且つ均質なレジスト膜を形成することができ、優れた感度及び解像度で微細パターンを形成することができるため、近年の基板回路の微細化に対応することができる。
【0047】
前記重合禁止剤としては、ベンゼン環上におけるフェノール性水酸基の2つのオルト位のうち一方は無置換であり他方は炭化水素基で置換されているフェノール類を使用することが好ましい。このような特定の構造を有するフェノール類を用いることにより、(メタ)アクリロイル基を有する原料や生成物の重合が抑制され、オリゴマーの副生を防止できる。
【0048】
ベンゼン環上におけるフェノール性水酸基のオルト位に有する炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができる。前記炭化水素基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に、t−ブチル基が好ましい。
【0049】
前記フェノール類において、フェノール性水酸基のメタ位、パラ位には置換基を有していても有していなくてもよいが、フェノール性水酸基の2つのメタ位のうち、置換基を有しないオルト位に隣接する位置には、置換基として炭化水素基を有しているのが好ましい。該炭化水素基としては、前記と同様の例を挙げることができるが、特にメチル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
【0050】
前記フェノール類の好ましい例として、下記式(6)
【化4】

(式中、R5、R6は、同一又は異なって、アルキル基を示す)
で表される4−ヒドロキシ−2,5−ジアルキルフェニル基を有する化合物を挙げることができる。
【0051】
5、R6におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R6としては、特に、t−ブチル基が好ましく、R5としては、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が好ましい。
【0052】
前記式(6)で表される4−ヒドロキシ−2,5−ジアルキルフェニル基を有する化合物の代表的な例として、例えば、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0053】
重合禁止剤の使用量は、原料として用いる第3級アルコール1モルに対して、例えば0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モル程度である。
【0054】
本発明において(メタ)アクリル酸エステルの製造は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればよく、例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;ヘプタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、有機金属化合物の溶解性等に優れる点で、テトラヒドロフランとトルエン又はテトラヒドロフランとtert−ブチルメチルエーテルを組み合わせて使用することが好ましく、特に、テトラヒドロフランとトルエンを組み合わせて使用することが好ましい。
【0055】
反応温度は、有機金属化合物や反応成分の種類などにより、例えば−100℃〜150℃程度の範囲内で適宜選択できる。例えば、有機金属化合物として式(1)で表される化合物を用いる場合には、反応温度は、例えば0℃〜50℃程度、好ましくは0℃〜25℃程度、特に好ましくは0℃〜15℃である。有機金属化合物として式(2)で表される化合物を用いる場合には、反応温度は、例えば−5℃〜10℃、好ましくは−2℃〜5℃程度である。反応温度が上記範囲を外れると、収率が低下する傾向がある。
【0056】
反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。一般には、原料となる式(3)で表される第3級アルコールを含む溶液中に、式(1)又は(2)で表される有機金属化合物(又はこれを含む溶液)を逐次添加し、次いで、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライド(又はこれを含む溶液)を系内に逐次添加し、次いで第3級アミンを逐次添加する方法等により行われる。前記重合禁止剤を添加する場合は、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドを添加する前の適宜な時期に系内に添加することが好ましい。
【0057】
本発明では、式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させた後、アルコールを加えるのが好ましい。反応後に、アルコールを加えることにより、未反応の式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドをエステルに変換できる。アルコールを添加しない場合には、未反応の式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドに由来する副生物によって、目的物である(メタ)アクリル酸エステルの品質が低下する場合がある。例えば、(メタ)アクリル酸エステルが白濁したり、純度が低下しやすくなる。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコール等が挙げられる。
【0058】
前記アルコールの添加量は、通常、反応に用いた式(3)で表される第3級アルコールに対して、0.1〜10当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.1〜10モル)、好ましくは0.2〜7当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.2〜7モル)、さらに好ましくは0.4〜4当量(通常、第3級アルコール1モルに対して0.4〜4モル)である。前記アルコールを添加する際の温度は、前記反応温度と同様の範囲である。アルコール添加後の反応時間は、例えば0.1〜12時間、好ましくは0.3〜6時間である。
【0059】
式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとの反応混合液、又はそのアルコール処理物に対し、必要に応じて水を添加した後、例えば、液性調整、濾過、濃縮、抽出、洗浄、蒸留、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、吸着処理などの分離精製手段を用いることで、目的の式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
【0060】
また、重合禁止剤を添加する場合は、オリゴマーの副生を顕著に抑制できるため、例えば、反応終了後、反応生成物を水と有機溶媒を用いた抽出に付し、得られた有機層を、例えば濃縮、蒸留するだけで、目的反応生成物を得ることができる。
【0061】
本発明の製造方法によれば、高い収率(例えば80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは89%以上)で、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
【0062】
こうして得られた(メタ)アクリル酸エステルは、機能性高分子のモノマーや精密化学品の中間原料など、特に、レジスト用ポリマーの原料単量体として好適に使用でき、得られるポリマーを用いてレジスト膜を形成すると、均一且つ均質なレジスト膜が得られ、所望の微細パターンを精度よく得ることができる。
【実施例】
【0063】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例等において、純度及び不純物の含有量はガスクロマトグラフィー(GC)による面積%の値(溶媒を除いて計算した値)である。
【0064】
実施例1
2雰囲気にした反応容器に2−アダマンチル−2−ブタノール12.7重量%溶液6805g(溶媒:THF293g、トルエン5648g)、トルエン845g、重合禁止剤として4,4−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−m−クレゾール)を15.3g仕込んだ。そこへ、1.07mol/kgエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液5573g(1.38eq)を約30℃で滴下し、滴下終了後、トルエン900gで滴下ロート内を洗い流した。温度を50℃まで上げて1時間熟成した。その後、0℃まで冷却し、メタクリル酸クロライド813g(1.8eq)をトルエン2250gに希釈した溶液を0℃付近の温度を保持しながら反応容器内にゆっくり滴下した。その後、トリエチルアミンを1749g(4.0eq)滴下し、10℃まで昇温し、20時間反応させた。温度を0℃以下まで冷却し、トルエン9000gを添加後、0〜5℃の範囲内でメタノール277gを添加し、そのままの温度で1.5時間撹拌した。
別の反応容器に0.5M硫酸15300gを張り込んでおき、0℃まで冷却後、前記メタノールでクエンチした反応溶液を0〜5℃の範囲内で滴下した。有機層と水層に分液した後、有機層に1N水酸化ナトリウム水溶液を6750g添加し、有機層と撹拌した。その後、分液して、2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンのトルエン−THF溶液を24670g得た。得られた2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンのトルエン−THF溶液にメトキノン4.8g(4000ppm対2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン理論収量)を添加し、溶媒を留去した。さらに、トルエン2388gを添加し、溶媒を留去する操作を2回繰り返した。その後、2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンが30重量%になるようにトルエン2800gを添加し、さらに、吸着剤(商品名「キョーワード500SN」、協和化学工業社製)を358g(30重量%対2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン)添加し、40℃で5時間撹拌した。室温まで冷却後、トルエン1130gで洗いながら、濾過した後、イオン交換水5325gで3回水洗し、トルエンを1430g添加した後、溶媒を留去した。高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[下記式(5a)]の収率は91%(純度86.1重量%)であった。得られた2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンに濁りは全く見られなかった。
【化5】

【0065】
実施例2
反応スケールを実施例1の1/430とし、且つエチルマグネシウムブロマイドの使用量を1.3eq、反応後のメタノールの添加量を0.5eqとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[前記式(5a)]の収率は86%(純度83.6重量%)であった。得られた2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンに濁りは全く見られなかった。
【0066】
実施例3
反応スケールを実施例1の1/430とし、且つエチルマグネシウムブロマイドの使用量を1.2eq、メタクリル酸クロライドの使用量を1.6eqとし、反応後にメタノールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[前記式(5a)]の収率は92%(純度78.4重量%)であった。なお、得られた2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンに白濁が見られた。
【0067】
実施例4
反応スケールを実施例1の1/430とし、且つエチルマグネシウムブロマイドの使用量を2.0eq、メタクリル酸クロライドの使用量を3.0eqとし、反応後のメタノールの添加量を3.0eqとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[前記式(5a)]の収率は82%(純度74.0重量%)であった。得られた2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンに濁りは全く見られなかった。
【0068】
実施例5
反応スケールを実施例1の1/430とし、且つエチルマグネシウムブロマイドの使用量を1.2eq、メタクリル酸クロライドの使用量を3.0eqとし、反応後にメタノールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[前記式(5a)]の収率は96%であった。
【0069】
比較例1
反応スケールを実施例1の1/430とし、且つエチルマグネシウムブロマイドの使用量を1.2eq、メタクリル酸クロライドの使用量を1.5eq、トリエチルアミンの使用量を2.0eqとし、反応後にメタノールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン[前記式(5a)]の収率は33%であった。
【0070】
実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。表1における用語、符号の意義を下記に示す。なお、表1において、「−」はデータの無いことを示す。
第3級アルコール:2−アダマンチル−2−ブタノール
EtMgBr:エチルマグネシウムブロマイド
MAC:メタクリル酸クロライド
TEA:トリエチルアミン
(メタ)アクリル酸エステル:2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタン
1:エチルマグネシウムブロマイド及びトリエチルアミンの総使用量(2−アダマンチル−2−ブタノールに対する当量)
2:メタクリル酸クロライドの使用量(2−アダマンチル−2−ブタノールに対する当量)
【0071】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)又は(2)
1MgX1 (1)
1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物及び第3級アミンの存在下、下記式(3)
【化1】

(式中、R2は炭素数1以上のアルキル基、R3は炭素数2以上のアルキル基、環Zは炭素数5以上の単環若しくは多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す)
で表される第3級アルコールと、下記式(4)
【化2】

(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを、前記有機金属化合物及び第3級アミンの総使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW1(当量)、前記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量[前記式(3)で表される第3級アルコールに対する当量]をW2(当量)としたとき、その差(W1−W2)が2.0以上である条件で反応させて、下記式(5)
【化3】

(式中、R2、R3、R4、環Zは前記に同じ)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項2】
式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを反応させた後、アルコールを加える請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項3】
式(3)で表される第3級アルコールと式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドとを重合禁止剤の存在下で反応させる請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エスルの製造方法。

【公開番号】特開2013−53098(P2013−53098A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192165(P2011−192165)
【出願日】平成23年9月3日(2011.9.3)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】