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(メタ)アクリレート系重合体の製造方法、(メタ)アクリレート系重合体及び(メタ)アクリレート系単量体
説明

(メタ)アクリレート系重合体の製造方法、(メタ)アクリレート系重合体及び(メタ)アクリレート系単量体

【課題】 副生成物の生成を充分に抑制して、減水性や分散性、耐久性等の各種物性に優れた(メタ)アクリレート系重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 下記工程(1)及び(2)を含んでなる(メタ)アクリレート系重合体の製造方法であり、工程(1):触媒の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることにより、下記一般式(1);CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基を表し、nはオキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。)で表される(メタ)アクリレート系単量体を得る工程。工程(2):工程(1)により得られた(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリレート系重合体の製造方法、(メタ)アクリレート系重合体及び(メタ)アクリレート系単量体に関する。より詳しくは、各種高分子材料、粘着剤、接着剤、塗料、化粧品添加剤及び無機分散剤等の各種分散剤等の種々の用途に広く用いられている(メタ)アクリレート系重合体を製造する方法及びこのような(メタ)アクリレート系重合体、並びに、該(メタ)アクリレート系重合体の製造に好適に用いられる(メタ)アクリレート系単量体に関する。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリレート系重合体は、減水性や分散性、耐久性等に優れることが知られており、例えば、各種高分子材料、粘着剤、接着剤、塗料、化粧品添加剤及び無機分散剤等の各種分散剤等の種々の用途に広く用いられている。このような(メタ)アクリレート系重合体は、通常、触媒存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させて得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系単量体を重合することにより製造されている。しかしながら、従来の製造工程では、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応において、目的とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの生成と同時に、ヒドロキシエチルアセテート(以下「酢酸エステル」とも言う)や、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(以下、「ジエステル」ともいう。)、ジアルキレングリコール(メタ)アクリレート(以下、「二付加体」ともいう。)、アクリル酸ダイマー等の副生成物が多く生成し、この副生成物はその後の重合工程にも関与することがあり、得られる(メタ)アクリレート系重合体本来の特性を充分に発揮することができない場合がある。したがって、不純物が充分に低減され、各種物性をより充分に発揮できる(メタ)アクリレート系重合体が求められている。
【0003】
従来の技術において、(メタ)アクリレート系重合体中の不純物を低減するためには、その製造工程において煩雑で時間を要する精製工程を必要としている。しかしながら、蒸留等の精製工程が長くなると、生成物であるヒドロキシ(メタ)アクリレートが反応に使用した触媒の共存下で長時間にわたり比較的高温にさらされることとなり、不均化反応によってジエステル等が増大したり、残存するアクリル酸からアクリル酸ダイマーが増大したりして、純度が低下する場合がある。そして、実際に得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート中に含まれるジエステル量が多くなると、次の重合体を製造する工程において、溶媒に不溶なゲル体が多く生成することがある。また、重合体を製造する工程においては、重合体の生産効率を向上するために高濃度での重合を行うことが多々あるが、低濃度での重合時と比較すると、より少量のジエステル量でも溶媒に不溶なゲルが生じることがある。また、重合体中に副生成物として酢酸エステルが含まれることによってエステル交換反応が起こり、製品の品質・機能低下に繋がることもある。更に、精製工程が長くなると、単量体の生産性が低くなり、その結果、目的とする重合体の生産性も低下することとなる。したがって、煩雑で時間の要する単量体の精製工程を短縮し、不純物が充分に低減された(メタ)アクリレート系重合体を効率的に製造するための技術が強く望まれていた。
なお、本発明は従来技術にはない新規なものであり、本発明に関する先行技術文献情報は見当たらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、副生成物の生成を充分に抑制して、減水性や分散性、耐久性等の各種物性に優れた(メタ)アクリレート系重合体を製造する方法及びこのような高純度の(メタ)アクリレート系重合体、並びに、不純物の混入量の少ない(メタ)アクリレート系単量体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、(メタ)アクリレート系重合体の製造方法について種々検討したところ、オキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基を有する(メタ)アクリレート系単量体を重合することにより、減水性や分散性、耐久性等の各種物性に優れる(メタ)アクリレート系重合体が得られることに着目した。このような重合体の製造工程においては、アルキレンオキサイド付加物等の不純物が混入することがあり、これに起因して、得られる重合体が充分な作用効果を発揮できないことがあるが、触媒存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることで特定の(メタ)アクリレート系単量体を得る工程と、該単量体を重合する工程とを含んでなる製造方法を用いると、純度が高く、各種物性をより充分に発揮し得る(メタ)アクリレート系重合体を得ることができることを見いだした。例えば、(メタ)アクリレート系単量体の製造工程にて、触媒を適切な方法によって回収・再利用することによって、アルキレンオキサイド付加物の混入量が少ない(メタ)アクリレート系単量体を効率良く得ることが出来、これを原料とすることで各種物性がより優れた(メタ)アクリレート系重合体となることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0006】
すなわち本発明は、(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合してなる重合体を製造する方法であって、下記工程(1)及び(2)を含んでなる(メタ)アクリレート系重合体の製造方法である。
工程(1):触媒の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることにより、下記一般式(1);
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基の1種又は2種以上を表し、2種以上の場合は、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。nは、オキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。)で表される(メタ)アクリレート系単量体を得る工程。
工程(2):工程(1)により得られた(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合する工程。
本発明はまた、上記製造方法により得られる(メタ)アクリレート系重合体でもある。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法において、工程(1)とは、触媒の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることにより、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系単量体を得る工程であるが、このような工程(1)は、アルキレンオキサイドを反応させる工程を複数含んでなることが好適である。すなわち(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応を複数の段階に分けて行うことが好ましく、例えば、1段目の工程として、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る工程(以下、「工程(1−1)」ともいう。)と、2段目以降の工程として、触媒存在下、該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに更にアルキレンオキサイドを反応させ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの誘導体を得る工程(以下、「工程(1−2)」ともいう。)とを含む形態であることが好適である。より好ましくは、1段目の工程と2段目以降の工程とで用いる触媒を異なるものとすることである。この場合、例えば、1段目の反応ではクロム化合物(Cr)及び/又は鉄(Fe)化合物を用い、2段目以降の反応では1段目の反応で用いた触媒以外の触媒(その他の触媒)を用いることが好適であり、1段目の反応でこのような化合物を用いることによって反応速度を向上することができるため、反応時間を短縮して生産性を向上でき、副生成物の生成を充分に抑制することが可能となる。すなわち上記工程(1)が、クロム化合物(Cr)及び/又は鉄(Fe)化合物の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させる工程と、その他の触媒の存在下でアルキレンオキサイドを反応させる工程とを含んでなる形態は、本発明の好適な形態の1つである。
【0008】
ここで、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系単量体において、ROで表されるオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基としては、1種のものであってもよく、2種以上が混合された形態のものであってもよい。また、その炭素数としては、2〜18が適当であるが、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられ、また、任意の2種以上のアルキレンオキサイド付加物については、ランダム付加、ブロック付加、交互付加のいずれの形態であってもよい。なお、本明細書において、「アルキレンオキサイド」とは、スチレンオキサイドをも含むものを意味する。
上記ROで表されるオキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数nとしては、0〜300の数が適当であるが、0〜110が好ましく、1〜50がより好ましい。なお、n=1の場合の上記(メタ)アクリレート系単量体を「ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート」、n=2以上の場合の上記(メタ)アクリレート系単量体を「ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの誘導体」ともいう。
【0009】
上記工程(1)において、触媒としては、クロム化合物(Cr)及び/又は鉄(Fe)化合物が好適であるが、クロム(Cr)化合物は、クロム(Cr)原子を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロム等が挙げられる。また、鉄(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄等が挙げられる。
本発明においては、上記クロム(Cr)化合物と鉄(Fe)化合物とは併用して用いてもよく、また、それぞれ単独で用いてもよい。また、2種以上のクロム(Cr)化合物を併用してもよいし、2種以上の鉄(Fe)化合物を併用してもよい。
【0010】
なお、本発明の触媒として、上記クロム(Cr)化合物及び/又は鉄(Fe)化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物等と併用してもよい。
上記イットリウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンイットリウム、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、アクリル酸イットリウム及びメタクリル酸イットリウム等が挙げられる。上記ランタン化合物としては、例えば、アセチルアセトンランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、アクリル酸ランタン及びメタクリル酸ランタン等が挙げられ、上記セリウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウム及びメタクリル酸セリウム等が挙げられ、上記タングステン化合物としては、例えば、塩化タンクステン、アクリル酸タングステン及びメタクリル酸タングステン等が挙げられ、上記ジルコニウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、アクリル酸ジルコニウム、メタクリル酸ジルコニウム、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニル、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、アクリル酸ジルコニル及びメタクリル酸ジルコニル等が挙げられる。
【0011】
上記チタン化合物としては、例えば、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、アクリル酸チタン及びメタクリル酸チタン等が挙げられ、上記バナジウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンバナジウム、塩化バナジウム、ナフテン酸バナジウム、アクリル酸バナジウム及びメタクリル酸バナジウム等が挙げられ、上記リン化合物としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリトルイルホスフィン及び1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタン等の、アルキルホスフィン類及びその(メタ)アクリル酸塩等の4級ホスホニウム塩等が挙げられ、上記アルミニウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アクリル酸アルミニウム及びメタクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
【0012】
なお、上記触媒として、アミン化合物を併用することも可能である。アミン化合物としては特に限定されず、例えば、トリアルキルアミン類、ピリジン等の環状アミン類及びその4級塩等の均一系アミン化合物や、3級アミノ基、4級アンモニウム基及びピリジニウム基等の塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂等の不均一系アミン化合物が挙げられ、中でも、3級アミノ基、4級アンモニウム基及びピリジニウム基等の塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂が好適である。より好ましくは、3級アミノ基、4級アンモニウム基及びピリジニウム基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する塩基性アニオン交換樹脂である。
【0013】
上記工程(1−1)は、クロム化合物及び/又は鉄化合物等の触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る工程であるが、この反応で用いたクロム化合物及び/又は鉄化合物等の触媒を反応後に回収し、再利用することが好適である。これにより、触媒由来の副生成物であるアルキレンオキサイド付加物の含有量をより充分に低減することが可能となり、純度の高い(メタ)アクリレート系重合体を効率的に得ることができる。なお、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応としては特に限定されず、通常の反応であればよいが、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る際の製造方法の一実施形態については、後述することとする。
上記触媒の回収方法としては、反応液から目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収した後の残渣及び/又は反応液そのものを水及び/又はアルカリ溶液と混合する工程(水・アルカリ混合工程)と、該水・アルカリ混合工程により得られた混合物を固液分離して固形物を回収する工程(分離工程)と、該分離工程で分離された固形物を酸と混合する工程(酸混合工程)とを含んでなることが好ましい。以下に、これらの3工程について、クロム化合物を触媒として用いた場合を例に挙げて説明するが、鉄化合物やその他の触媒を用いた場合も同様である。
【0014】
上記水・アルカリ混合工程においては、上記残渣及び/又は反応液そのもの(以下、「使用後クロム触媒含有液」ともいう。)と水及び/又はアルカリ溶液とを混合することにより、使用後のクロム化合物が、水系媒体中で不溶な水酸化物に変化するものと推測され、水・アルカリ混合工程で得られる混合物には、通常、白色の不溶物(固形物)が生じることとなる。
このような工程において、使用後クロム触媒含有液としては、使用後のクロム化合物を含むものであればよく、目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをも含む反応液であってもよいし、反応液から目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収した後の残渣であってもよい。反応液から目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収した後の残渣とは、例えば、後述するように蒸留により精製を行う場合には、蒸留後の蒸留残液(釜残)がこれに該当する。
【0015】
上記アルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、アミン類等のアルカリ化合物の水溶液又はアルコール溶液が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、水に対する溶解度の低い水酸化マグネシウム等を用いることが好適であり、これにより、析出物(水酸化クロム)の粒径が大きくなるので、次の分離工程で分離しやすくなる(例えばろ過を行う場合に、ろ過性が良好でろ過時間が短くてすむ。)。なお、上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性の高いアルコールが好ましい。
【0016】
上記アルカリ溶液の濃度としては、使用後クロム系触媒含有液中に含まれるクロム量、すなわちヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する際に用いたクロム系触媒の量から算出される理論量、該液中に含まれるエステル量等の使用後クロム系触媒含有液の組成や、アルカリ溶液の使用量に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、留出率90%で蒸留した後の蒸留残液(釜残)でクロム含有量が0.5質量%である残渣を用いる場合、アルカリ化合物の含有量としては、残渣100質量%に対して5〜40質量%となるようにすることが好適である。
上記水及び/又はアルカリ溶液の使用量としては、生成する水酸化クロムが、使用後クロム系触媒含有液と水及び/又はアルカリ溶液との混合溶液中で不溶物として析出しうるような範囲であれば特に限定されず、該混合溶液に対する水酸化クロムの溶解度、すなわち使用後クロム系触媒含有液中に含まれるエステル量等の使用後クロム系触媒含有液の組成や水及び/又はアルカリ溶液の組成、水酸化クロムの量を考慮して適宜設定すればよい。例えば、留出率90%で蒸留した後の蒸留残液(釜残)でクロム含有量が0.5質量%である残液に、水及び/又はアルカリ溶液として10質量%水酸化ナトリウム水溶液を混合する場合には、水及び/又はアルカリ溶液の使用量としては、残渣100質量%に対して25〜500質量%であることが好ましい。
【0017】
上記水・アルカリ混合工程においては、使用後クロム系触媒含有液と水及び/又はアルカリ溶液とを混合した混合物を高温状態にすることが好ましく、これにより、クロム系触媒の回収効率を向上させることができる。ここで、混合物を高温状態にするとは、混合前に使用後クロム系触媒含有液と水及び/若しくはアルカリ溶液との一方又は両方を予め加熱しておいて混合すること、又は、使用後クロム系触媒含有液と水及び/若しくはアルカリ溶液とを混合すると同時に又は混合後に、混合物を加熱すること、を意味する。高温状態にする際の加熱温度としては特に制限されないが、例えば、40〜100℃の温度とすればよく、この範囲の温度を、例えば0.5〜5時間維持するようにすればよい。なお、高温状態としない(加熱を行わない)場合には、混合後、室温で2〜24時間熟成(放置)することが好適である。
【0018】
上記水・アルカリ混合工程においてはまた、使用後クロム系触媒含有液と水及び/又はアルカリ溶液とを混合するにあたり、水及び/又はアルカリ溶液の中に使用後クロム系触媒含有液を20分間〜5時間かけて添加することが好ましい。これにより、続く分離工程での固液分離が容易な(例えばろ過を行う場合に、ろ過性が良好でろ過時間が短くてすむ)不溶物を生じさせることができる。この添加に要する時間が20分間未満であると、ペースト状等粘性の高い不溶物が生じるおそれがあり、5時間を超えると、作業時間が長くなり効率的ではなくなるおそれがある。なお、上記使用後クロム系触媒含有液の添加は、可能な限り等速で滴下することにより行うことが好適である。
【0019】
上記水・アルカリ混合工程においては更に、単位体積あたりの攪拌動力が0.05〜1.5kW/mとなる条件で攪拌を行うことが好ましい。これにより、沈降速度が充分に速い不溶物を生じさせることができ、続く分離工程において固液分離を容易に行うことができる。0.05kW/m未満であると、充分に均一に混合することができないおそれがあり、1.5kW/mを超えると、得られる不溶物の沈降速度が充分なものとはならないおそれがある。
上記水・アルカリ混合工程は、バッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。連続式で行う場合には、上記使用後クロム系触媒含有液と水及び/又はアルカリ溶液とを反応器に供給するにあたり、それぞれ別のラインから供給するようにしてもよいし、例えばラインミキサー等を用いて混合しながら供給するようにしてもよい。
【0020】
上記分離工程においては、上記水・アルカリ混合工程により得られた混合物を固液分離して固形物を回収することとなるが、該混合物は、通常、液中に水・アルカリ混合工程で生じた不溶物である固形物が分散した状態の分散体となっており、固液分離して回収された固形物は、水酸化クロムであると推測される。このような固形物は、そのまま廃棄することもできるが、後述する酸混合工程に供することにより再利用することが好ましい。
上記固液分離の手段としては特に限定されないが、例えば、ろ過、デカンテーション、遠心分離等の通常の手段によればよく、また、ろ布(例えば、フンダーフィルター)を用いた処理形式を採用することもできる。
【0021】
上記分離工程においては、固液分離を行う前に、予め上記水・アルカリ混合工程で得られた混合物を静置することにより固形物を沈降させておくことが好ましい。これにより、上記水・アルカリ混合工程で得られた混合物は、固形物を含まない上澄み層と沈降した固形物を含む下層とに分かれた状態となるので、例えば、デカンテーションにより分離する場合には、容易かつ確実に固形物を分離することができ、また、ろ過や遠心分離等の手段により分離する場合には、上澄み液のみをデカンテーションにより除去した後にろ過や遠心分離等に供することで、固形物の回収率を充分に向上させることができる。また、固形物を沈降させておく場合には、上記水・アルカリ混合工程で得られた混合物に、例えば、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミ、硫酸バンド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集剤を添加しておくことが、沈降速度を速めることができる点で好適である。凝集剤を添加する場合には、凝集剤をそのまま添加するようにしてもよいし、また、例えば、凝集剤を予め水等の溶媒に溶解させ、凝集剤含有液として添加するようにしてもよい。凝集剤の添加量は、上記水・アルカリ混合工程で得られた混合物に対して100〜2000ppmとすることが好ましい。なお、凝集剤を予め水等の溶媒に溶解させた凝集剤含有液においては、1日程度置いておくと経時的に該液自体が凝集してしまい使用困難になることがあるので、これを回避する目的で硫酸等の酸を含有させておくことが好適である。
【0022】
上記分離工程で回収された固形物としては、上記水・アルカリ混合工程においてアルカリ溶液を用いる場合には、分離後に、水やメタノール等のアルカリに対して溶解度の高い溶剤で洗浄することが好適である。分離工程で分離された固形物にアルカリが付着する等してアルカリ溶液が残存していると、次の酸混合工程で副生物が生じるおそれがあるためである。なお、洗浄の程度としては、洗浄後の溶剤のpHが9以下、好ましくは8以下となるまで洗浄を繰り返し行うことが好ましい。
なお、上記工程(1−1)において、触媒としてクロム化合物を使用する場合には、上記分離工程で分離された液中のクロムイオン濃度が500ppm以下となっていることが好適である。この範囲よりもクロムイオン濃度が高いと、分離工程で分離された液は通常そのまま廃棄されるため、有害物質を環境中に拡散させるおそれがある。
【0023】
上記酸混合工程においては、水酸化クロムと推測される上記固形物と酸とを混合することにより、水酸化クロムが、使用した酸の金属塩(クロム塩)に変化するものと考えられる。この際、通常、白色である水酸化クロムは、クロム塩特有の濃緑色に変化する。
上記酸混合工程で用いられる酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、(メタ)アクリル酸、オクタン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸等の有機酸等の1種又は2種以上使用することができる。中でも、反応原料である(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記酸の使用量としては特に限定されないが、例えば、上記分離工程で回収された固形物中のクロム量に対して1〜20倍モルとすることが好適である。なお、基準となる固形物中のクロム量としては実測してもよいが、通常は、上記水・アルカリ混合工程において使用後クロム系触媒含有液中に含まれるクロムが全て固形物として析出するものと仮定して、使用後クロム系触媒含有液中のクロム量(すなわち、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する際に用いたクロム系触媒の量から算出される理論量)を、固形物中のクロム量とすればよい。
【0024】
上記酸混合工程においてはまた、上記分離工程で回収された固形物と酸とを混合した混合物を高温状態にすることが好ましく、これにより、クロム系触媒の回収効率をより向上させることができる。ここで、混合物を高温状態にするとは、混合前に酸を予め加熱しておいて混合すること、又は、上記固形物と酸とを混合するのと同時に若しくは混合後に混合物を加熱すること、を意味する。高温状態にする際の加熱温度としては、用いる酸の種類によって異なり、特に制限されないが、例えば、40〜100℃の温度とすればよく、この範囲の温度を、例えば0.5〜5時間維持するようにすればよい。なお、高温状態としない(加熱を行わない)場合には、混合後、室温で10〜48時間熟成(放置)することが好適である。
【0025】
本発明においては、上記酸混合工程で得られる混合物から酸を除去することにより、クロム化合物等の触媒を固体として回収することができ、これをそのまま(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応に再利用することができる。また、上記酸混合工程において反応原料を酸として用いた場合には、上記酸混合工程で得られる混合物をそのまま(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応に再利用することができる。なお、上記混合物から酸を除去する手段としては特に制限されず、例えば、減圧留去やスプレードライ等の通常の手段によればよい。
【0026】
なお、上記回収方法によって回収された触媒は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る際の製造方法に再利用することができるものであるが、この際、未使用の触媒を用いた場合と遜色ない触媒性能(反応効率等)を発揮するものである。また、一般に、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応においては、ジエステル体であるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートや、アルキレンオキサイドの二付加体であるジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の不純物が副生しやすいことが知られているが、上記回収方法によって回収された触媒は、これら不純物の副生を増長させることもなく、未使用の触媒を用いた場合と同等の結果を得ることができるものである。
【0027】
上記工程(1−2)としては、触媒の存在下で、工程(1−1)により得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに更にアルキレンオキサイドを反応させ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの誘導体を得る工程である。
上記工程(1−2)において用いる触媒については特に限定するものではなく、一般的な合成方法を適用することができるが、例えば以下に記すような触媒が挙げられる。
硫酸、塩酸、硝酸等のブレンステッド酸触媒;三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒;β−ゼオライト等の固体酸触媒;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基触媒;トリエチルアミンやジメチルアミノエタノール等のような有機性塩基触媒;アルミニウムイソプロポキシド等のようなアルミニウム化合物;硫酸ランタン等のようなランタン化合物;塩化第2スズ、塩化アンチモン、塩化アルミニウム、塩化第2鉄等の金属ハロゲン化物触媒;活性白土のような複合酸化物触媒;Fe、Zn、Ni、Co等からなる二金属シアン化物触媒。
【0028】
前記触媒を用いた(メタ)アクリレート系単量体合成条件(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにアルキレンオキサイドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの誘導体を得る際の反応条件)については、用いる触媒に応じて最適な条件を設定すればよいが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルレートあるいは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートへの、エチレンオキサイド(EO)を始めとするアルキレンオキサイドの付加反応について、四塩化スズ触媒および重合禁止剤であるハイドロキノンの存在下、不活性ガス中20〜90℃、特に10〜60℃で行う方法が知られている(特開昭50−157312号公報等参照)。
【0029】
上記誘導体である(メタ)アクリレート系単量体としては、アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下であることが好ましく、これにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、0.4質量%以下であり、更に好ましくは、0.3質量%以下であり、特に好ましくは、0.2質量%以下である。
なお、本明細書において、アルキレンオキサイド付加物とは、(メタ)アクリレート系重合体の製造原料である(メタ)アクリル酸以外の化合物にアルキレンオキサイドが付加した形態の化合物であれば特に限定されるものではない。このようなアルキレンオキサイド付加物の混入ルートとしては、例えば、原料中、触媒、触媒リサイクル工程(上記回収・再利用方法)等が想定される。
上記アルキレンオキサイド付加物としては、酢酸エステルであることが好適である。
【0030】
本発明においては、上記工程(1−1)において触媒を回収・再利用する方法を採用することにより、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと同時に生成する副生成物であるアルキレンオキサイド付加物の生成をより充分に抑制することができ、これによって、後述する工程(1−2)の反応に関与する該付加物の量が減少することとなり、上記工程(1−2)で得られる(メタ)アクリレート系単量体中の副生成物の含有量が低減されることとなる。その結果、上記工程(2)を経て、より純度の高い(メタ)アクリレート系重合体が製造されることとなる。
【0031】
次に、上記工程(1−1)における(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る方法の一般的な実施形態について説明するが、本発明はこの形態のみに限定されるものではない。なお、以下の方法は、未使用の触媒を使用する場合のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法でもあるし、上記回収方法で回収された触媒を再利用する際の製造方法でもある。
上記製造方法においては、例えば、反応器に触媒と(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを適宜供給して反応を進行させ、反応液中の残存(メタ)アクリル酸量が所望の量となった時点で反応を終了させるようにするのが一般的である。なお、上記反応は発熱反応であり、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとが触媒の存在下共存することとなった時点から反応が開始し、冷却等により、反応液の温度を、設定した所定の反応温度よりも下げることにより反応を終了させるものとする。
【0032】
上記アルキレンオキサイドとしては特に限定されず、その炭素数としては、2〜18が適当であるが、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。具体的には、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。中でも、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが好適である。
上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応において、これらの全供給量としては、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキサイドが1〜10モルであることが好ましい。1モル未満であると、反応が充分に進行しなくなるおそれがあり、10モルを超えると、アルキレンオキサイドの回収工程が必要となり経済的に不利益となるおそれがある。より好ましくは、1〜5モルであり、更に好ましくは、1〜3モル、特に好ましくは、1〜2モルである。
【0033】
上記(メタ)アクリル酸及びアルキレンオキサイドの仕込み方法(順序)としては特に限定されず、例えば、反応器に(メタ)アクリル酸の一部又は全量を初期仕込みしておき、そこにアルキレンオキサイド又は(メタ)アクリル酸の残量とアルキレンオキサイドとを供給してもよく、また、アルキレンオキサイドの一部又は全量を初期仕込みするようにしてもよい。
【0034】
上記(メタ)アクリル酸及びアルキレンオキサイドの供給方法は、一括投入及び逐次投入(連続的な投入及び/又は間欠的な投入)のいずれでもよいが、初期仕込み分については一括投入することが好ましく、その後の供給分については逐次投入することが好適である。なお、連続的な投入とは、少しずつ連続的に投入する形態を意味し、間欠的な供給とは、パルス的又は断続的に、任意の回数に分けて投入する形態を意味する。また、連続的に投入する場合には、投入速度を一定にしたまま投入完了まで進行させてもよいし、速度自体を連続的に任意に変化させながら進行させてもよい。但し、途中で速度を変化させる場合には、変更前から変更後へと速度を低下させることが好ましい。
また(メタ)アクリル酸及びアルキレンオキシドの両方を同時に投入する場合には、それぞれ別々の投入ラインから添加してもよいし、反応器に投入する前に、配管、ラインミキサー、ミキシングタンク等で予め混合してから添加してもよいが、それぞれ別々の投入ラインから添加した場合には、系内におけるアルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸とのモル比に偏りが生じるおそれがあるので、反応器へ投入する前に予め混合してから添加することが好適である。なお、それぞれ別々の投入ラインから添加する場合には、投入の形態(一括投入、逐次投入)、投入する原料の温度、投入速度等については、各原料で必ずしも同じである必要はない。
【0035】
上記(メタ)アクリル酸及びアルキレンオキサイドを投入する際の温度としては、常温で投入してもよいし、その時点での系内の温度を変化させないように所望の温度にまで予め加温してから投入してもよい。また、上記(メタ)アクリル酸及びアルキレンオキシドの全供給量を仕込み終えるまでに要する時間としては特に限定されず、反応の進行具合や生産性等を考慮して、適宜設定すればよい。
【0036】
上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応に関し、用いられるクロム化合物及び/又は鉄化合物等の触媒使用量としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸の全供給量100モル%に対して、0.001〜10モル%であることが好ましい。0.001モル%未満であると、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり、生産性が充分とはならないおそれがあり、10モル%を超えると、副生物の反応選択性が高くなるおそれがある。より好ましくは、0.005〜5モル%であり、更に好ましくは、0.01〜3モル%である。
なお、触媒としては、その全使用量を反応器に予め仕込んでおくことが一般的であるが、この形態のみに限定されず、例えば、全使用量の一部を反応器に初期仕込みし、その後、反応の進行途中で残部を追加して供給するようにしてもよい。また、上記触媒が均一系触媒の場合は、両原料のいずれかに予め溶解させておいた後に、反応器に仕込んだり、供給したりしてもよく、例えば、初期仕込みする場合には、反応器とは別の溶解槽で初期仕込みする原料に予め溶解させておき、その後反応器に仕込むようにしてもよい。
【0037】
上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応においては、必要に応じて、反応系内に重合防止剤を添加してもよい。重合防止剤としては特に限定されず、一般に工業的に用いられるものであればよい。具体的には、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルへブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4{ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル、4,4’,4’’−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト等のN−オキシル化合物等の1種又は2種以上使用することができる。
【0038】
上記重合防止剤の添加量としては、原料(メタ)アクリル酸の全供給量100質量%に対して、0.0001〜1質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.001〜0.5質量%である。また、重合防止剤の添加時機については特に限定されないが、初期仕込みする成分とともに初めに反応器内に添加しておくことが好ましい。
上記反応においては、反応を温和に進行させること等を目的として、必要に応じて、溶媒を存在させて反応を行ってもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、へプタン、オクタン等の一般的な溶媒の1種又は2種以上を用いることができる。
【0039】
上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応温度としては、通常は、40〜120℃の範囲が好ましい。40℃未満であると、反応速度の低下が著しく、反応時間が長くなり生産性が充分とはならないおそれがあり、120℃を超えると、ジエステル体や二付加体が副生しやすくなるおそれがある。より好ましくは、50〜120℃であり、更に好ましくは、50〜110℃であり、特に好ましくは、50〜100℃である。また、上記反応時の反応器内の圧力は、使用する原料の種類やその使用割合にもよるが、一般には加圧下で行うことが好ましい。
上記反応の終了時機(言い換えれば、反応の冷却開始時機)としては、残存する未反応(メタ)アクリル酸が充分に消失した時点をもって判断すればよく、具体的には、未反応(メタ)アクリル酸が0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下となった時点で冷却を開始することが好ましい。
【0040】
上記工程(1−1)において、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得るためには、上記反応の終了後、蒸留等、この種の反応で通常行われる精製を行って、目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収することが好適である。具体的には、例えば、1〜50hPa、好ましくは1〜20hPaの圧力下において、50〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で蒸留すればよい。
【0041】
また上記反応終了後、ジエステル抑制剤を添加することが好ましく、これにより、反応終了後に進行するジエステル体の副生をも効果的に抑制し、ジエステル体をより充分に低減することができる。
上記ジエステル抑制剤としては、例えば、シュウ酸、無水シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、サリチル酸、オクタン酸、アジピン酸、セパシン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,6−へキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、1,6,7,12−ドデカンテトラカルボン酸、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸及びその無水物;グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、クレゾール、1,2,6−へキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン、キシリトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシトルエン、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、2,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼン等の多価アルコール;エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノニ酢酸、1,2−ジアミノシクロへキサン四酢酸、アセチルアセトン、クペロン、オキシン、ベンジジン、ジエチルジチオカルバミン酸等の金属キレート剤等の1種又は2種以上使用することができる。
【0042】
上記ジエステル抑制剤の添加量としては、上記触媒1モルに対して、0.1〜10モルとすることが好ましい。0.1モル未満であると、ジエステルの副生を抑制する効果が充分に発揮されないおそれがあり、10モルを超えると、添加したジエステル抑制剤が製品純度を低下させるおそれがあり、特にカルボン酸類を用いた場合には得られる製品に含まれる酸成分の含有量が増加するおそれがある。より好ましくは、0.5〜5モルとである。また、ジエステル抑制剤の添加時機については、反応終了後であれば特に制限はなく、例えば、反応停止(冷却開始)直後、蒸留開始時、蒸留中等の際に、1回で又は複数回に分割して添加するようにすればよいが、反応停止直後に添加することが好適である。
【0043】
上記工程(2)は、上記工程(1)により得られた(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合する工程であるが、該単量体のみを重合してもよいし、該単量体と重合可能な単量体と共重合してもよい。全単量体成分100質量%に占める上記(メタ)アクリレート系単量体の上限値は99質量%であることが好ましく、より好ましくは、97質量%である。また、下限値は1質量%であることが好ましく、より好ましくは、40質量%である。
【0044】
上記(メタ)アクリレート系単量体と重合可能な単量体としては特に限定されず、例えば、マレイン酸及びその誘導体が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。マレイン酸の誘導体としては特に限定されず、例えば、無水マレイン酸;マレイン酸と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル類;マレイン酸と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド類;マレイン酸と炭素原子数1〜30のアミノアルコールとのハーフアミド若しくはハーフエステル類;炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを平均1〜500モル付加させた化合物とマレイン酸とのハーフエステル類;炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを平均1〜500モル付加させた化合物の片末端の水酸基をアミノ化した化合物とマレイン酸とのハーフアミド類;マレイン酸と炭素原子数2〜18のグリコール若しくはこれらのグリコールの平均付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル;マレアミン酸と炭素原子数2〜18のグリコール若しくはこれらのグリコールの平均付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミドの他、これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩等が挙げられる。なお、一価金属としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が好適であり、二価金属としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ士類金属が好適であり、有機アンモニウムは、プロトン化した有機アミンであり、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムや、トリエチルアンモニウム等のアルキルアンモニウム等が好適である。中でも、マレイン酸及びその塩、無水マレイン酸、マレイン酸エステル無からなる群より選択される少なくとも1種の単量体を必須とするのが好ましく、無水マレイン酸又はマレイン酸を必須とするのが特に好ましい。
【0045】
またマレイン酸系以外の単量体として、次のような単量体も本発明の(メタ)アクリレート系単量体と共重合する単量体として挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類、及びこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩類;フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、及びこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩類;フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類とのエステル類;(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)ブチレングリコールモノメタクリレート等の、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの1〜500モル付加物類。
【0046】
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノブロビル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
N−ビニルコハクイミド、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル類。
【0047】
上記工程(2)においては、重合開始剤を用いて単量体成分を重合させることが好ましい。重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際に使用される溶媒としては特に限定されず、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。なお、マレイン酸系単量体として無水マレイン酸を用いる場合には、酸無水物基の開裂を避けるため、ベンゼン、トルエン、キシン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物等の不活性溶媒を用いることが好ましい。一方、マレイン酸系単量体としてマレイン酸(塩)等を用いる場合には、水及び炭素原子数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも水を溶媒に用いるのが、脱溶剤工程を省略できる点でより好ましい。
【0048】
上記水溶液重合を行う場合には、ラジカル重合開始剤として、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤等が使用でき、この場合、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタニ亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤(還元剤)を併用することもできる。中でも、過酸化水素と有機系還元剤との組み合わせが好ましく、有機系還元剤としては、L−アスコルビン酸(塩)、L−アスコルビン酸エステル、エリソルビン酸(塩)、エリソルビン酸エステル等が好適である。これらのラジカル重合開始剤や促進剤(還元剤)はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
また低級アルコール、芳香族若しくは脂肪族炭化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合や、塊状重合を行う場合には、例えば、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用いることができる。この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。更に、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記のラジカル重合開始剤、又は、ラジカル重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。なお、重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜150℃の範囲内で行われる。
【0050】
上記重合において、各単量体の反応容器への投入方法は特に限定されず、例えば、全量を反応容器に初期に一括投入する方法;全量を反応容器に分割若しくは連続投入する方法;一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割若しくは連続投入する方法等のいずれでもよい。なお、ラジカル重合開始剤は反応容器に初めから仕込んでもよく、反応容器へ滴下してもよく、又目的に応じてこれらを組み合わせてもよい。
【0051】
上記重合においては、得られる(メタ)アクリレート系重合体の分子量調整のために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;イソプロピルアルコール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜ニチオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜ニチオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等)の低級酸化物及びその塩等の公知の親水性連鎖移動剤を用いることができる。また、疎水性連鎖移動剤を用いると、コンクリート組成物の粘性改善に有効である。疎水性連鎖移動剤としては、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカブタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等の炭素原子数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を用いることが好ましい。2種以上の連鎖移動剤の併用も可能であり、親水性連鎖移動剤と疎水性連鎖移動剤とを組み合わせて用いてもよい。更に、(メタ)アクリレート系重合体の分子量調整のためには、単量体成分として、(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
【0052】
上記重合において、所定の分子量の共重合体を再現性よく得るには、重合反応を安定に進行させることが必要であることから、溶液重合する場合には、使用する溶媒の25℃における溶存酸素濃度を5ppm以下の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、0.01〜4ppmの範囲であり、更に好ましくは、0.01〜2ppmの範囲であり、最も好ましくは、0.01〜1ppmの範囲である。なお、溶媒に単量体を添加後、窒素置換等を行う場合には、単量体をも含んだ系の溶存酸素濃度を上記範囲内とすることが好適である。
【0053】
上記溶媒の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行ってもよく、予め溶存酸素量を調整したものを用いてもよいが、溶媒中の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを加圧充填後、密閉容器内の圧力を下げることで溶媒中の酸素の分圧を低くする。窒素気流下で、密閉容器内の圧力を下げてもよい。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
【0054】
上記重合方法により得られる(メタ)アクリレート系重合体は、そのままでも分散剤等の主成分として用いられるが、必要に応じてpH範囲を調整して使用してもよく、取り扱い性の観点から、水溶液状態で弱酸性以上のpH範囲に調整しておくことが好ましい。より好ましくはpH4以上、更に好ましくはpH5以上、特に好ましくはpH6以上の範囲である。一方、水溶液中での共重合反応をpH7以上で行ってもよいが、その場合、重合率の低下が起こると同時に、共重合性が悪くなり分散性能が低下するため、酸性から中性のpH範囲で共重合反応を行うことが好ましい。より好ましくはpH6未満、更に好ましくはpH5.5未満、特に好ましくはpH5未満の範囲である。従って、低いpHで共重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してより高いpHに調整することが好ましく、好適な実施形態としては、例えば、pH6未満で共重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH6以上に調整する方法、pH5未満で共重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH5以上に調整する方法、pH5未満で共重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH6以上に調整する方法等が挙げられる。pHの調整は、例えば、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン等のアルカリ性物質を用いて行うことができる。また、pHを下げる必要がある場合、特に、重合の際にpHの調整が必要な場合には、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用いてpHの調整を行うことができ、これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある点等からリン酸が好適である。なお、反応終了後、必要ならば濃度調整を行うこともできる。
【0055】
上記(メタ)アクリレート系重合体の質量平均分子量としては特に限定されないが、例えば、分散剤の主成分として用いる場合には、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(以下「GPC」ともいう)によるポリエチレングリコール換算で1000〜500000であることが好ましい。より好ましくは、5000〜300000であり、更に好ましくは、10000〜150000である。このような重量平均分子量の範囲を選ぶことによって、より高い分散性能を発揮する分散剤を得ることが可能となる。
【0056】
上記(メタ)アクリレート系重合体を分散剤等の種々の用途に用いる場合には、消泡剤を含有することもできる。この場合、消泡剤としては、上記重合体の製造後に添加してもよいし、重合開始前又は重合中に添加してもよい。添加割合は、重合体の全質量100質量%に対して、0.0001〜10質量%であることが好ましい。
上記消泡剤としては、例えば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールヘのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラウリルアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)、アルキレンオキシドを付加させた硬化牛脂アミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)等のポリオキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等の1種又は2種以上使用することができる。
【0057】
上記(メタ)アクリレート系重合体を使用する場合には、水溶液の形態で使用してもよいし、また、重合後にカルシウム、マグネシウム等の二価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたり、ドラム型乾燥装置、ディスク型乾燥装置又はベルト式乾燥装置を用いて支持体上に薄膜状に乾燥固化させた後に粉砕したりすることにより粉体化して使用してもよい。
【0058】
本発明は更に、アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下である(メタ)アクリレート系重合体であって、上記重合体は、(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合してなり、上記(メタ)アクリレート系単量体は、下記一般式(1)で表わされるものである。
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
【0059】
上記(メタ)アクリレート系重合体としては、該重合体100質量%中の上記アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下であることが適当である。1質量%を超えると、(メタ)アクリレート系重合体の純度が低下することによって、例えば分散剤として使用した際に、分散性、分散保持性といった機能が低下することに加え、系中に連行される空気の量や気泡の大きさをコントロールすることが難しくなるおそれがあり、優れた物性を充分に発揮できないおそれがある。より好ましくは、0.4質量%以下であり、更に好ましくは、0.3質量%以下であり、特に好ましくは、0.2質量%以下である。なお、アルキレンオキサイド付加物とは、上述したとおりであり、酢酸エステルであることが好適である。
上記(メタ)アクリレート系重合体の製造方法としては、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系単量体を製造した後に、該単量体を含有する単量体成分を重合する方法であることが好ましく、例えば、上述した本発明の製造方法によって製造することが好適である。
【0060】
上記(メタ)アクリレート系単量体としては、上記一般式(1)で表される単量体であれば特に限定されるものではないが、以下のような単量体を用いることが好適である。
すなわち、アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下である(メタ)アクリレート系単量体であって、上記単量体は、下記一般式(1);
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
(式中、R、R及びnは、上述したとおりである。)で表される単量体である(メタ)アクリレート系単量体もまた、本発明の1つである。
【0061】
上記(メタ)アクリレート系単量体としては、該単量体100質量%中の上記アルキレンオキサイド付加物の含有量(上記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート系単量体に対する、上記アルキレンオキサイド付加物の質量%)が1質量%以下であることが適当である。1質量%を超えると、これを原料として重合体を製造した場合に、目的生成物とのエステル交換反応による品質、機能の低下が生じるおそれがある。また、目的生成物である(メタ)アクリレート系重合体の純度が低下することによって分散性、消泡性、分散保持性といった機能が低下するおそれがある。より好ましくは、0.4質量%以下であり、更に好ましくは、0.3質量%以下であり、特に好ましくは、0.2質量%以下である。なお、アルキレンオキサイド付加物とは、上述したとおりであり、酢酸エステルであることが好適である。
上記(メタ)アクリレート系単量体の製造方法としては、触媒の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させる方法によることが好ましく、例えば、上述した本発明の製造方法における工程(1)によって製造することが好適である。
【0062】
本発明の製造方法により得られる(メタ)アクリレート系重合体及び本発明の(メタ)アクリレート系重合体としては、種々の用途に用いることができ、例えば、各種高分子材料、粘着剤、接着剤、塗料、化粧品添加剤、無機分散剤等の各種分散剤として利用可能である。
【発明の効果】
【0063】
本発明の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法は、上述のような構成であるので、副生成物の生成を充分に抑制して、減水性や分散性、耐久性等の各種物性に優れた(メタ)アクリレート系重合体を製造することができるものである。また、本発明の(メタ)アクリレート系重合体及び(メタ)アクリレート系単量体は、不純物が充分に低減された高純度のものであり、このような(メタ)アクリレート系単量体は、本発明の(メタ)アクリレート系重合体の製造に好適に用いることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
実施例1−1
<(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応(工程(1−1))>
メタクリル酸448g、触媒として酢酸クロム0.90g、及び重合防止剤としてフェノチアジン0.45gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、内圧を0.1MPaとした。次いで、エチレンオキシド252gを4時間かけてほぼ等速で供給し、この間60℃を維持して反応させた。エチレンオキシドの供給終了後、反応温度を80℃に昇温して、中和滴定により測定した未反応メタクリル酸量が0.10質量%になるまで反応を継続した。 2.1時間反応を継続することで、未反応メタクリル酸が0.10質量%になったので、反応液を冷却した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルメタクリレート濃度は96.0質量%、ジエステル体であるエチレングリコールジメタクリレート濃度は0.08質量%、二付加体であるジエチレングリコールモノメタクリレート濃度は3.7質量%、ヒドロキシエチルアセテート濃度は0.3質量%であった。
【0066】
次に、得られた反応液の全量を、容量1LのSUS−316製蒸留釜に仕込み、更にメチルハイドロキノン0.14gを添加し、蒸留釜の底部をオイルバスで加熱して、バッチ蒸留を行った。このとき、蒸留条件は、絶対圧4hPa、温度80〜100℃とし、釜に毎時300mlの空気を導入しながら、4時間かけて行い、630gの凝縮液(精製品)と、蒸留残渣70gを得た。なお、得られた精製品をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、その純度は98質量%であった。
【0067】
<反応後の触媒を回収・再利用する工程>
容量300mlの攪拌機付きSUS−316製容器に、上記工程(1−1)で得られた蒸留残渣70gを仕込み、これに5質量%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加し、60℃で1時間攪拌を行ったところ、液中に白色の不溶物が析出した。次いで、該不溶物をろ過した後、イオン交換水5gで2回洗浄し、白色粉体を得た。次に、得られた白色粉体を、容量50mlのガラス製フラスコに仕込み、これにメタクリル酸5gを添加し、90℃で1時間攪拌を行ったところ、白色粉体が溶解して濃緑色の液体となった。得られた濃緑色の液体を絶対圧100hPaまで減圧し、メタクリル酸を減圧留去させたところ、濃緑色粉体1.05gが得られた。該濃緑色粉体を元素分析及びIR分析によって分析したところ、該濃緑色粉体はメタクリル酸クロムであることが判った。以上のことから、濃緑色の液体は、メタクリル酸クロムを20質量%含有する液であることが判った。酢酸クロムの回収率(メタクリル酸クロムを酢酸クロムに換算したときの回収率)は94%であった。
【0068】
次に、上記工程(1−1)で触媒として用いた酢酸クロム0.90gの代わりに上記で得られた濃緑色の液体5.4gを用い、メタクリル酸の量を443gに変更したこと以外は、上記工程(1−1)と同様にして、メタクリル酸とエチレンオキシドとの反応を行った。その結果、2.2時間反応を継続することで、未反応メタクリル酸が0.10質量%になったので、反応液を冷却した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルメタクリレート濃度は96.0質量%、ジエステル体であるエチレングリコールジメタクリレート濃度は0.08質量%、二付加体であるジエチレングリコールモノメタクリレート濃度は3.7質量%、ヒドロキシエチルアセテート濃度は0.1質量%であった。
【0069】
実施例1−2
<(メタ)アクリレート系単量体の合成反応(工程(1−2))>
オートクレーブに、前記実施例1−1で得られたヒドロキシエチルメタクリレートを精製して重質分を除いたもの120g、p−メトキシフェノール0.177g、トルエン20g、塩化スズ(IV)(SnCl、和光純薬社製)3.7gを室温にて仕込んだ後、気相部分を窒素ガスで置換し、ゲージ圧を0.05MPaとした。攪拌しなから、圧力0.4MPa以下、温度40℃以下を保つようにエチレンオキサイド(EO)440gを11時間かけて圧入し、その後8時間熟成を行った。残存するEOをパージし、ヒドロキシエチルメタクリレートEO付加物を得た。EOパージ前後の重量変化より計算したところ、平均付加モル数は9.5であった。反応生成物を分析したところ、固形分中の酢酸エステルであるヒドロキシエチルアセテートEO付加物の濃度は1質量%以下であった。尚、固形分とは、上記共重合体を含む溶液から溶媒を除いて得られるものを指す。
【0070】
実施例1−3
<(メタ)アクリレート系重合体の合成反応(工程(2))>
温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却管を備えたガラス製反応容器に、水445gを仕込み、攪拌下で上記反応器内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で70℃まで昇温した。次に、前記実施例1−2で得られた単量体316g、メタクリル酸84g、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸5g及びイオン交換水100gからなる混合溶液を4時間かけて滴下すると同時に、9.0質量%の過硫酸アンモニウム水溶液50gを5時間かけて滴下した。滴下終了後反応混合液を70℃で1時間熟成させたところ、重量平均分子量19000の共重合体を含む水溶液が得られた。LCによる分析により、固形分中のヒドロキシエチルアセテートEO付加物の濃度は1質量%以下であった。尚、固形分とは、上記共重合体を含む水溶液から水を除いて得られるものを指す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合してなる重合体を製造する方法であって、下記工程(1)及び(2)を含んでなることを特徴とする(メタ)アクリレート系重合体の製造方法。
工程(1):触媒の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることにより、下記一般式(1);
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基の1種又は2種以上を表し、2種以上の場合は、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。nは、オキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。)で表される(メタ)アクリレート系単量体を得る工程。
工程(2):工程(1)により得られた(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合する工程。
【請求項2】
前記工程(1)は、アルキレンオキサイドを反応させる工程を複数含んでなることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法。
【請求項3】
前記工程(1)は、クロム(Cr)化合物及び/又は鉄(Fe)化合物の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させる工程と、その他の触媒の存在下でアルキレンオキサイドを反応させる工程とを含んでなることを特徴とする請求項2に記載の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法。
【請求項4】
前記(メタ)アクリレート系単量体は、アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法。
【請求項5】
前記アルキレンオキサイド付加物は、酢酸エステルであることを特徴とする請求項4に記載の(メタ)アクリレート系重合体の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする(メタ)アクリレート系重合体。
【請求項7】
アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下である(メタ)アクリレート系重合体であって、
該重合体は、(メタ)アクリレート系単量体を含有する単量体成分を重合してなり、
該(メタ)アクリレート系単量体は、下記一般式(1);
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基の1種又は2種以上を表し、2種以上の場合は、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。nは、オキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。)で表される単量体であることを特徴とする(メタ)アクリレート系重合体。
【請求項8】
前記アルキレンオキサイド付加物は、酢酸エステルであることを特徴とする請求項7に記載の(メタ)アクリレート系重合体。
【請求項9】
アルキレンオキサイド付加物の含有量が1質量%以下である(メタ)アクリレート系単量体であって、
該単量体は、下記一般式(1);
CH=C(R)−COO−(RO)−H (1)
(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜18のオキシアルキレン基及び/又はオキシスチレン基の1種又は2種以上を表し、2種以上の場合は、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。nは、オキシアルキレン基又はオキシスチレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。)で表される単量体であることを特徴とする(メタ)アクリレート系単量体。
【請求項10】
前記アルキレンオキサイド付加物は、酢酸エステルであることを特徴とする請求項9に記載の(メタ)アクリレート系単量体。

【公開番号】特開2006−70147(P2006−70147A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254717(P2004−254717)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】