説明

(メチルスルホニル)エチルベンゼンイソインドリン誘導体及びその治療的使用

(メチルスルホニル)エチルベンゼンイソインドリン化合物及びその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体が提供される。当該化合物の使用方法及び医薬組成物も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 分野)
本明細書において、(メチルスルホニル)エチルベンゼンイソインドリン誘導体が提供される。該化合物を含む医薬組成物、並びに様々な障害を治療、予防及び管理する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
(2. 背景)
多くの細胞機能は、アデノシン3',5'-サイクリックモノリン酸塩(cAMP)のレベルによって媒介される。このような細胞機能は、喘息、炎症及び他の状態を含む炎症性の状態及び疾患に寄与し得る(Lowe及びChengの文献、Drugs of the Future, 17(9), 799-807, 1992)。炎症性白血球におけるcAMPの増加がそれらの活性化、及びTNFαを含む炎症性メディエータの次なる放出を阻害することが示された。cAMPの増加したレベルは、気道平滑筋の弛緩ももたらす。加えて、過剰な又は非制御的なTNFα産生は、自己免疫及び炎症性疾患を含むがこれらに限定されない多くの疾患状態に関係している。具体的な疾患状態には、内毒血症及び/又は毒性ショック症候群[Traceyらの文献, Nature 330, 662-664 (1987)、及びHinshawらの文献, Circ. Shock 30, 279-292 (1990)]、関節リウマチ、炎症性腸疾患、悪液質[Dezubeらの文献, Lancet, 335 (8690), 662 (1990)]、ループス及び癌を含む。
【0003】
cAMPの不活化についての主要な細胞機構は、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)と呼ばれるアイソザイムのファミリーによるcAMPの分解である[Beavo及びReitsnyderの文献, Trends in Pharm., 11, 150-155, 1990]。PDEのファミリーの10を超える公知のメンバーがある。PDEタイプIV(PDE 4)酵素の阻害が炎症性のメディエータ放出の阻害及び気道平滑筋の弛緩の両方に特に効果的であることは十分に報告されている(Vergheseらの文献, Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 272(3),1313-1320, 1995]。
【0004】
cAMPレベル(例えば、PDE 4を阻害する)の増加及び/又はそれゆえTNFαレベルの減少は、多くの炎症性、伝染性、免疫学的及び悪性疾患の治療に対する有益な治療的な戦略を構成する。これらには、以下のものを含むが、限定されない:肺疾患、敗血性ショック、敗血症、エンドトキシンショック、血行力学的ショック及び敗血症症候群、虚血後再潅流損傷、マラリア、マイコバクテリウム感染症、髄膜炎、多くの種類の乾癬及び他の真皮疾患、鬱血性心不全、線維症疾患、悪液質、移植片拒絶、癌、腫瘍成長、望ましくない血管新生、自己免疫疾患、エイズの日和見感染、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、他の関節炎状態、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、全身性ループスエリテマトーデス(erythematosis)、ハンセン病におけるENL、放射線障害及び過酸素症の肺胞性損傷。
【0005】
加えて、様々な他の疾患及び障害は、また、望ましくない血管新生を伴い、又は該血管新生によって特徴づけられる。例えば、増強された、又は非制御的血管新生は、眼血管新生疾患、脈絡膜血管新生疾患、網膜血管新生疾患、皮膚潮紅(角の血管新生)、ウイルス性疾患、遺伝子病、炎症性疾患、アレルギー性疾患、腫瘍成長及び自己免疫疾患を含むが、これらに限定されない、多くの疾患及び医学的状態に関係する。当該疾患及び状態の例としては、糖尿病性網膜症;未熟児網膜症;隔膜移植片拒絶;血管新生緑内障;後水晶体繊維増殖症;関節炎;及び増殖性硝子体網膜症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
したがって、血管新生を制御し、PDE4を阻害し、かつ/又はTNF-αを含む特定のサイトカインの産生を阻害することができる化合物は、様々な疾患及び状態の治療及び予防に有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
(3. 要約)
(メチルスルホニル)エチルベンゼンイソインドリン類似体、及びその医薬として許容し得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、包接化合物又は立体異性体を本明細書で提供する。
【0008】
また、様々な疾患又は障害を治療及び管理する方法を提供する。該方法は、当該治療若しくは管理を必要とする患者、又はそのような疾患若しくは障害を有する患者に対して、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体の治療的有効量を投与することを含む。
【0009】
また、様々な疾患及び障害を予防する方法であって、当該予防を必要とする患者、又はそのような疾患若しくは障害のリスクのある患者に対して、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体の予防的有効量を投与することを含む方法を本明細書で提供する。
【0010】
また、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体を含む医薬組成物、単一単位剤形、投薬計画及びキットを本明細書で提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(4. 詳細な説明)
一実施態様において、(メチルスルホニル)エチルベンゼンイソインドリン化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物及び立体異性体を提供する。
【0012】
別の実施態様において、様々な疾患及び障害を治療、管理及び予防する方法であって、患者に対して、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物又は立体異性体の治療的又は予防的有効量を投与することを含む方法を提供する。疾患及び障害の例は、本明細書に記載されている。
【0013】
他の実施態様において、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体を別の薬物(「第2の活性剤」)又は治療と組み合わせて投与する。第2の活性剤としては、その例が本明細書に示される小分子及び大分子(例えば、タンパク質及び抗体)並びに幹細胞が挙げられる。本明細書に示される化合物の投与と併用できる方法又は療法としては、外科手術、輸血、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、及び本明細書に記載される様々な障害を治療、予防又は管理するのに現在用いられている他の非薬物ベースの療法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
また、本明細書で提供する方法に使用できる医薬組成物(例えば、単一単位剤形)を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体、及び任意に第2の活性剤を含む。
【0015】
(4.1 化合物)
一実施態様において、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体が本明細書に提供される:
【化1】

式中、R1は、水素、グルクロニド(「gluc」)、又は(シクロプロピル)-C(O)であり、式中、シクロプロピルは1以上のヒドロキシル基で置換でき;
R2は、水素、メチル、又はglucであり;
R3は、水素、エチル、又はglucであり;かつ、
R4は、水素、ヒドロキシル、又は-O-glucであり;
但し、R2がメチルであり、かつR3がエチルである場合、R1は非置換(シクロプロピル)-O-でないことを条件とする。
【0016】
一実施態様において、R1は、水素である。別の実施態様において、R1は、glucである。別の実施態様において、R1は、(シクロプロピル)-C(O)-である。別の実施態様において、R1は(シクロプロピル)-C(O)-であり、式中、シクロプロピルはヒドロキシル基で置換されている。
【0017】
一実施態様において、R2は、水素である。別の実施態様において、R2は、メチルである。別の実施態様において、R2は、glucである。
【0018】
一実施態様において、R3は、水素である。別の実施態様において、R3は、エチルである。別の実施態様において、R3は、glucである。
【0019】
一実施態様において、R4は、ヒドロキシルである。別の実施態様において、R4は、-O-glucである。
【0020】
R1-R4から生じる組合せの各々も、本明細書において提供されている。
【0021】
一実施態様において、R1は水素であり、R2はメチルであり、かつR3はエチルである。
【0022】
別の実施態様において、R1は水素であり、R2はglucであり、かつR3はエチルである。
【0023】
別の実施態様において、R1は(シクロプロピル)-C(O)-であり、式中シクロプロピルは-OHで置換され、R2はメチルであり、かつR3はエチルである。
【0024】
別の実施態様において、R1は(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR3はエチルである。別の実施態様において、R1が(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR3がエチルである場合、R2は水素である。別の実施態様において、R1が(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR3がエチルである場合、R2はglucである。
【0025】
一実施態様において、R2及びR3は両方とも水素である。別の実施態様において、R2及びR3が両方とも水素である場合、R1は(シクロプロピル)-C(O)-である。
【0026】
別の実施態様において、R1は(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR2はメチルである。別の実施態様において、R1が(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR2がメチルである場合、R1は水素である。別の実施態様において、R1が(シクロプロピル)-C(O)-であり、かつR2がメチルである場合、R1はglucである。
【0027】
別の実施態様において、R1は(シクロプロピル)-C(O)であり、式中、シクロプロピルは-OHで置換され、かつR3はエチルである。別の実施態様において、R1が(OH-置換されたシクロプロピル)-C(O)であり、かつR3がエチルである場合、R2は水素である。別の実施態様において、R1が(OH-置換されたシクロプロピル)-C(O)であり、かつR3がエチルである場合、R2はglucである。
【0028】
具体的な化合物には、以下を含むが、これらに限定されない:
【化2】


【0029】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び有機酸を含む医薬として許容し得る無毒性酸から調製された塩を指す。好適な無毒性酸としては、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン酸、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸などの(但し、それらに限定されない)無機酸及び有機酸が挙げられる。一実施態様において、好適なのは、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸である。
【0030】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「溶媒和物」という用語は、非共有結合分子間力によって結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒をさらに含む化合物を指す。溶媒が水の場合は、溶媒和物は、水和物である。
【0031】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「プロドラッグ」という用語は、生物的条件下(インビトロ又はインビボ)で加水分解、酸化、或いは反応して、化合物を与えることができる該化合物の誘導体を指す。プロドラッグの例としては、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバミン酸塩、生加水分解性炭酸塩、生加水分解性ウレイド及び生加水分解性リン酸塩類似体などの生加水分解性成分を含む化合物が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO又は-ONO2成分を含む化合物が挙げられる。プロドラッグは、典型的には、「バージャーの医薬品化学及び薬物の発見(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」172-178、949-982(Manfred E.Wolff編、第5版、1995)及び「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(H.Bundgaard編、Elselvier、New York 1985)に記載されている方法などのよく知られている方法を使用して調製できる。
【0032】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「生加水分解性カルバミン酸塩」、「生加水分解性炭酸塩」、「生加水分解性ウレイド」及び「生加水分解性リン酸塩」という用語は、1)化合物の生物活性に干渉しないが、その化合物に取り込み、作用の持続時間又は作用の発生などのインビボの有利な特性を付与することができる、或いは2)生物的に不活性であるが、生物的に活性の化合物にインビボで変換される化合物のそれぞれカルバミン酸塩、炭酸塩、ウレイド及びリン酸塩を指す。生加水分解性カルバミン酸塩としては、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式アミン及び複素環式芳香族アミン並びにポリエーテルアミン成分を含むカルバミン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「立体異性体」という用語は、本明細書に提示されているすべてのエナンチオマーとして/立体異性体として純粋な化合物及びエナンチオマーとして/立体異性体として富化された化合物を包含する。
【0034】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「立体異性体として純粋な」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含む、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を指す。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物は、該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まないことになる。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないことになる。典型的な立体異性体として純粋な化合物は、該化合物の約80重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約20重量%未満の他の立体異性体、該化合物の約90重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約10重量%未満の他の立体異性体、該化合物の約95重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約5重量%未満の他の立体異性体、又は該化合物の約97重量%を超える1つの立体異性体及び該化合物の約3重量%未満の他の立体異性体を含む。
【0035】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「立体異性体として富化された」という用語は、化合物の約55重量%を超える1つの立体異性体、化合物の約60重量%を超える1つの立体異性体、化合物の約70重量%を超える1つの立体異性体、又は化合物の約80重量%を超える1つの立体異性体を含む組成物を指す。
【0036】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「エナンチオマーとして純粋な」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物を指す。同様に、「エナンチオマーして富化された」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として富化された組成物を指す。
【0037】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「アルキル」という用語は、本明細書に特定されている数の炭素原子を有する飽和直鎖状又は分枝状炭化水素を指す。代表的な飽和直鎖状アルキルとしては、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル及び-n-ヘキシルが挙げられ、飽和分枝状アルキルとしては、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル及び2,3-ジメチルブチルなどが挙げられる。「アルキル」という用語は、シクロアルキルをも包含する。
【0038】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「シクロアルキル」という用語は、炭素原子間の二重結合を交番又は共鳴させることなく、3個から15個の炭素原子を含むアルキル種を指す。それは、1個から4個の環を含むことができる。無置換のシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0039】
本明細書に使用されるように、「アリール」という用語は、5から14個の環原子を含む炭素環式芳香族環を指す。炭素環式アリール基の環原子は、すべて炭素原子である。アリール環構造は、単環式、二環式又は三環式化合物並びに5,6,7,8-テトラヒドロナフチルなどのベンゾ縮合炭素環式成分などの1つ以上の環構造を有する化合物を含む。具体的には、アリール基は、単環式環又は二環式環である。代表的なアリール基としては、フェニル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントレニル及びナフチルが挙げられる。
【0040】
示された構造とその構造に与えられた名称との間に差がある場合は、示された構造により大きな重みが与えるべきであることに留意すべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は点線で示されていない場合は、該構造又は該構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものと解釈すべきである。
【0041】
(4.2 治療、予防及び管理方法)
【0042】
本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、包接化合物若しくは立体異性体を使用して、様々な疾患又は障害を治療、予防及び/又は管理する方法を本明細書で提供する。特定の理論に限定されることなく、本明細書に提示されている化合物は、PDE4酵素の活性を阻害でき、血管新生を制御でき、又はTNF-α、INF-α、IP-10、MIG、IL-1β、IL-12、IL-18、GM-CSF及び/若しくはIL-6を含むがこれらに限定されない特定のサイトカインの産生を阻害することができる。特定の理論に限定されることなく、本明細書に提示されている化合物は、IL-10を含む特定の他のサイトカインの産生を刺激でき、かつT細胞活性化の阻害剤として作用することもでき、これによりIL-2及び/又はIFN-γなどの(但し、これらに限定されない)サイトカインの産生を減少させることができる。加えて、本明細書に提示されている化合物は、NK細胞の効果を阻害できる。更に、本明細書に提供されている化合物は、免疫調節性及び/又は細胞障害性であってよく、それゆえ、特に慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病及び拡散大細胞型B細胞リンパ腫などの(しかしこれらに限定されない)疾患に対する化学療法剤として有用であり得る。本明細書に提供されている化合物は、抗血管新生性であることができ、それゆえ癌の治療に有用であり得る。結果として、特定の理論に限定されることなく、本明細書に提示されている化合物が有する当該特性の一部又はすべては、該化合物を様々な疾患又は障害を治療、管理及び/又は予防するのに有用なものにさせることができる。
【0043】
疾患又は障害の例には、以下を含むが、これらに限定されない:喘息、COPD、硬皮症及び特発性肺線維症を含むがこれらに限定されない肺障害;皮膚ループスエリテマトーデス(erythmatosus)、円板状ループスエリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性ループスエリテマトーデス、乾癬、アトピー性皮膚炎(atomic dermatitis)、サルコイドーシス及び皮膚サルコイドーシスを含むがこれらに限定されない皮膚病;炎症性疾患、自己免疫疾患、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、痛風性関節炎、乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含むがこれらに限定されないTNFα関連障害;癌;慢性リンパ性白血病及び急性リンパ性白血病を含む白血病;拡散大細胞型B細胞リンパ腫を含むリンパ腫;癌又は腫瘍成長などの血管新生を伴う障害;複合性局所疼痛症候群(「CRPS」)を含むがこれに限定されない疼痛;黄斑変性(「MD」)及びブドウ膜炎及びその関連症候群;アスベスト関連障害;寄生虫病;免疫不全障害;CNS疾患;CNS損傷;アテローム性動脈硬化症及び関連障害;機能不全性睡眠及び関連障害;異常ヘモグロビン症及び関連障害(例えば、貧血);並びに、他の様々な疾患及び障害。
【0044】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、疾患若しくは障害又は該疾患若しくは障害に伴う1つ以上の症状の根絶又は改善を指す。一部の実施態様において、これらの用語は、当該疾患又は障害を有する対象に1つ以上の予防薬又は治療薬を投与することにより該疾患又は障害の拡散又は悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施態様において、該用語は、他の追加的な活性剤の有無にかかわらず、特定の疾患の症状発現後における、本明細書に提供されている化合物の投与に関する。
【0045】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「予防する」、「予防すること」及び「予防」という用語は、疾患若しくは障害又はその1つ以上の症状の発症、再発又は拡散の予防を指す。ある種の実施態様において、該用語は、他の追加的な活性化合物の有無にかかわらず、症状の発現前の、特に本明細書に提供されている疾患又は障害のリスクがある患者に対する、本明細書に提供されている化合物を用いた治療又はその投与に関する。該用語は、特定の疾患の症状の阻害又は減少を含む。特に疾患の家族的な病歴をもつ患者は、特定の実施態様における予防レジメン(regimen)の候補である。加えて、症状を再発する経歴を有する患者は、予防の潜在的候補でもある。これに関して、用語「予防」は、用語「予防的治療」と互換的に使用できる。
【0046】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、「管理する」、「管理すること」及び「管理」という用語は、疾患若しくは障害又はその1つ以上の症状の進行、拡散又は悪化を予防する、又は緩慢化させることを指す。しばしば、対象が予防薬及び/又は治療薬からもたらされる有益な効果は、疾患又は障害の治癒をもたらさない。これに関して、用語「管理すること」は、疾患の再発を予防又は最小化する試みにおいて特定の疾患を患った患者を治療することを含む。
【0047】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、化合物の「治療的有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理における治療有益性を与える、或いは該疾患又は障害に伴う1つ以上の症状を遅らせる、又は最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の治療的有効量は、疾患又は障害の治療又は管理における治療有益性を与える治療薬の単独の、又は他の治療薬と組み合わせた量を指す。「治療的有効量」という用語は、全体的治療を向上させ、疾患又は障害の症状又は原因を軽減又は回避し、或いは別の治療薬の治療効果を向上させる量を包含することができる。
【0048】
本明細書に使用されるように、及び他に特定する場合を除いて、化合物の「予防的有効量」は、疾患又は障害を予防する、又はその再発を予防するのに十分な量を指す。化合物の予防的有効量は、疾患の予防における有益性を与える治療薬の単独の、又は他の治療薬と組み合わせた量を指す。「予防的有効量」という用語は、全体的な予防を向上させ、又は別の予防薬の予防効果を向上させる量を包含することができる。
【0049】
ここで使用しているように、及び他に特定しない限り、「投与」という用語は、患者の身体の外側に存在する、本明細書に提供されている化合物の患者への提供を含む。従って、該用語は、単離又は精製された化合物の患者への提供を含む。
【0050】
肺障害の例には、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年10月27日公開の米国公開第2005/0239842A1号に記載されているものが挙げられるがこれに限定されない。具体例には、肺高血圧症及び関連障害が挙げられる。肺高血圧症及び関連障害の例には、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);原発性肺高血圧症 (PPH);続発性肺高血圧症(SPH);家族性PPH;散発性PPH;前毛細血管肺高血圧症;肺動脈性高血圧症(PAH);肺動脈高血圧症;特発性肺高血圧症;特発性肺線維症;血栓性肺動脈症(TPA);多陰性肺動脈症;機能性クラスIからIVの肺高血圧症;並びに左心室機能不全、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋疾患、縦隔線維症、異常肺静脈排出、肺静脈閉塞症、膠原血管病、先天性心疾患、HIVウイルス感染、フェンフルラミンなどの薬物及び毒素、先天性心疾患、肺静脈高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、組織間液肺疾患、睡眠時呼吸障害、肺胞低換気障害、慢性高所被曝、新生児肺疾患、肺胞毛細血管異形成症、鎌状赤血球病、他の凝血障害、慢性血栓閉栓症、結合組織疾患、全身性狼瘡及び皮膚狼瘡を含む狼瘡、住血吸虫病、類肉腫症又は肺毛細血管腫に伴う、関連する、又は付随的な肺高血圧症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
一実施態様において、喘息を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、COPDを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、特発性肺線維症を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0052】
皮膚病の例には、引用により本明細書に組み込まれている2005年9月29日に公開された米国公開番号2005/0214328A1に記載されるものを含むが、これらに限定されない。具体例には、角化症及び関連症状、表皮の過成長により特徴づけられる皮膚疾患又は障害、ざ瘡、しわ、及び他の皮膚病を含むが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用するように、用語「角化症」とは、角質層の限局的な過成長の存在により特徴づけられる表皮上の任意の病変をいい、当該病変には、光線性角化症、脂漏性角化症、角膜棘細胞腫、毛包角化症(Darier病)、反転性毛包角化症、掌蹠角皮症(PPK、手掌足底角化症)、毛孔性角化症、及びスタッコ角化症を含むがこれらに限定されない。また、用語「光線性角化症」とは、老人性角化症、老年性角化症、老年性疣贅、プラナ・セニリス(plana senilis)、太陽角化症、角皮、又は角化腫をいう。また、用語「脂漏性角化症」とは、脂漏疣、高齢性疣、又は基底細胞乳頭腫をいう。角化症は、以下の症状の1以上により特徴づけられる:露出表面(例えば、顔、手、耳、首、脚及び胸)上の粗い外見、鱗、紅斑性丘疹、斑、針状体又は小瘤、皮角と呼ばれる角質の異常な産生物、角質増殖、毛細管拡張症、弾力線維症、色素沈着したほくろ、表皮肥厚、不全角化症、異常角化症、乳頭腫症、基底細胞の色素沈着過度、細胞異型性、有糸分裂像、異常な細胞-細胞接着、高密度炎症性浸潤、及び扁平上皮癌の少ない罹患率。
【0054】
表皮の過成長により特徴づけられる皮膚の疾患又は障害の例には、表皮の過成長の存在により特徴づけられる任意の状態、疾患又は障害を含むがこれらに限定されず、乳頭腫ウイルスに関連する感染、ヒ素角化症(arsenical keratoses)、Leser-Trelatの徴候、疣贅状異角化腫(WD)、小棘性束毛症 (TS)、変異性紅斑角皮症(EKV)、胎児魚鱗癬(ハーレクイン魚鱗癬)、指結節、皮膚メラノ棘細胞腫、孔角化症、乾癬、扁平上皮癌、集密及び網状乳頭腫症(CRP)、尖端線維性軟肬、皮角、コードン(cowden)病(多発性過誤腫症候群)、黒色丘疹皮膚病(DPN)、表皮性母斑症候群(ENS)、尋常性魚鱗癬、伝染性軟疣、結節性痒疹、及び黒色表皮肥厚症(AN)を含むがこれらに限定されない。
【0055】
別の皮膚病には、皮膚ループスエリテマトーデス、円板状ループスエリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性ループスエリテマトーデス、乾癬及び皮膚サルコイドーシスが含まれるが、これらに限定されない。一実施態様において、皮膚ループスエリテマトーデスを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、円板状ループスエリテマトーデスを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、皮膚筋炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、全身性ループスエリテマトーデスを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、乾癬を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、皮膚サルコイドーシスを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0056】
増加したTNFα関連障害の例には、いずれも引用により全面的に本明細書中に組み込まれている、WO98/03502及びWO98/54170に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、内毒素血症又は毒素ショック症候群;悪液質;成人呼吸促迫症候群;関節炎などの骨吸収疾患;カルシウム過剰血症;移植片対宿主反応;大脳マラリア;炎症;腫瘍成長;慢性肺炎症性疾患;再潅流傷害;心筋梗塞;卒中;循環器系ショック;関節リウマチ;クローン病;HIV感染及びAIDS;関節リウマチ;痛風性関節炎、リウマチ性脊椎炎、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎及び他の関節炎状態、敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、移植片対宿主病、消耗、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、ハンセン病におけるENL、HIV、AIDS及びAIDSにおける易感染症などの他の障害;敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、血行動態性ショック及び敗血症候群、虚血後再潅流傷害、マラリア、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、鬱血性心不全、線維性疾患、熱、悪液質、移植片拒絶、発癌性若しくは癌状態、喘息、自己免疫疾患、放射線障害及び過酸素肺胞傷害などの障害;ヘルペスウイルスによって引き起こされるものなどのウイルス感染症;ウイルス性結膜炎;又はアトピー性皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
一実施態様において、関節リウマチを治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、乾癬性関節炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、強直性脊椎炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、痛風性関節炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、クローン病を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、潰瘍性大腸炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、乾癬を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0058】
癌及び前癌状態の例には、以下に記載されるものを含むが、これらに限定されない:Mullerらに対する米国特許番号6,281,230及び5,635,517;Zeldisに対する種々の米国特許公報、例えば2004年11月4日に公開された公開番号2004/0220144A1 (骨髄異形成症候群の治療)、2004年2月12日に公開された公開番号2004/0029832A1(様々な型の癌の治療)、及び2004年5月6日に公開された公開番号2004/0087546(骨髄増殖性疾患の治療)。例には、2004年12月2日に公開されたWO 2004/103274に記載されているものも含む。これらの文献の全ては、引用によりその全てが本明細書に組み込まれている。
【0059】
癌の具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:皮膚の癌(例えば黒色腫);リンパ節の癌;乳癌;頸部癌;子宮癌;消化管の癌;肺癌;卵巣癌;前立腺癌;結腸癌;直腸癌;口の癌;脳の癌;頭頸部癌;咽喉癌;精巣癌;腎臓癌;膵臓癌;骨癌;脾臓癌;肝臓癌;膀胱癌;喉頭癌;鼻腔癌;及び、エイズに関連する癌。本化合物は、血液癌及び骨髄癌、例えば多発性骨髄腫、並びに急性及び慢性白血病、例えばリンパ芽球性白血病、骨髄性白血病、リンパ性白血病及び骨髄性白血病を治療するのにも有用である。本明細書に提供されている化合物は、原発性若しくは転移性腫瘍を治療、予防又は管理するために使用できる。
【0060】
他の具体的な癌には、以下のものを含むが、これらに限定されない:進行した悪性腫瘍、アミロイド症、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管外皮細胞腫、多発性脳転移、神経膠芽腫の多形、神経膠芽腫、脳幹神経膠腫、劣った予後悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、未分化星状細胞腫、未分化乏突起細胞腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC及びD結腸直腸癌、切除不能な結腸直腸癌、転移性肝臓癌、カポジ肉腫、カロタイプ(karotype)急性骨髄芽球性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、拡散大B細胞リンパ腫、軽度の小胞リンパ腫、転移性黒色腫(限局性黒色腫、例えば眼性黒色腫を含むがこれに限定されない)、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭漿液の癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、硬皮症、皮膚脈管炎、ランゲルハンス細胞組織球症、平滑筋肉腫、線維形成異常オシフィカンス(ossificans)進行形、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除されたハイリスク軟部組織肉腫、切除不能な肝臓癌、Waldenstromマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、卵管癌、アンドロゲン独立型前立腺癌、アンドロゲン依存的ステージIV非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭甲状腺癌、小胞甲状腺癌、髄様甲状腺癌及び平滑筋腫。特定の実施態様において、癌は、転移性である。別の実施態様において、癌は、難治性であるか、又は化学療法若しくは放射線に抵抗性である。
【0061】
一実施態様において、様々な型の白血病、例えば2006年2月9日に公開された米国公開番号2006/0030594(引用によりその全てが本明細書に組み込まれている)に開示される再発性、難治性又は抵抗性である白血病を含む、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0062】
用語「白血病」とは、造血組織の悪性腫瘍をいう。白血病には、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含むが、これらに限定されない。白血病は、従来の治療に対し再発性、難治性又は抵抗性であり得る。用語「再発性」とは、治療後に白血病が緩解した患者が、骨髄における白血病細胞の帰還、及び通常の血球の減少を有する状況をいう。用語「難治性又は抵抗性」とは、集中的な治療の後でさえも、患者がその骨髄に残留する白血病細胞を有する状況をいう。一実施態様において、慢性リンパ性白血病を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。別の実施態様において、急性リンパ性白血病を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0063】
別の実施態様において、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む、様々な型のリンパ腫を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。用語「リンパ腫」とは、網内系及びリンパ系に生じる不均一な腫瘍群をいう。「NHL」とは、リンパ節、骨髄、脾臓、肝臓及び消化管を含む免疫系の部位におけるリンパ球様細胞の悪性な単クローン増殖をいう。NHLの例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:マントル細胞リンパ腫(MCL)、中分化型リンパ性リンパ腫、中間リンパ性リンパ腫(ILL)、拡散低分化リンパ性リンパ腫(PDL)、拡散大細胞型B細胞リンパ腫、中心細胞性リンパ腫、小切れ込み核細胞型びまん性リンパ腫(DSCCL)、小胞リンパ腫、及び顕微鏡下で見ることができるマントル細胞リンパ腫の任意の型(結節性、拡散性、芽細胞性及びメントル(mentle)ゾーンリンパ腫)。一実施態様において、拡散大細胞型B細胞リンパ腫を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0064】
望ましくない血管新生に関連し、又は特徴づけられる疾患及び障害の例には、炎症性疾患、自己免疫疾患、ウイルス病、遺伝病、アレルギー疾患、細菌性疾患、眼性血管新生疾患、脈絡膜血管新生疾患、網膜血管新生疾患、癌、及び虹彩血管新生(rubeosis)(隅角(angle)の血管新生)を含むがこれらに限定されない。
【0065】
望ましくない血管新生に関連し、又は特徴づけられる疾患及び障害の具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:関節炎、子宮内膜症、クローン病、心不全、進行した心不全、腎臓障害、内毒血症、毒性ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、消耗、髄膜炎、シリカ誘導性線維症、アスベスト誘導性線維症、獣医学的障害、悪性関連高カルシウム血症、脳卒中、循環ショック、歯周炎、歯肉炎、大赤血球性貧血症、抵抗性性貧血及び5q-欠失症候群。
【0066】
疼痛の例には、2005年9月15日に公開された米国特許公開番号2005/0203142(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むが、これらに限定されない。疼痛の具体的な型としては、侵害受容疼痛、神経障害疼痛、侵害受容及び神経障害疼痛の混合疼痛、内臓痛、片頭痛、頭痛及び手術後の疼痛がを含むがこれらに限定されない。
【0067】
侵害受容疼痛の例には、化学熱傷又は熱傷に関連する疼痛、皮膚の切断、皮膚の挫傷、骨関節炎、関節リウマチ、腱炎及び筋筋膜疼痛が含まれるがこれらに限定されない。
【0068】
神経障害疼痛の例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:CRPSタイプI、CRPSタイプII、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、反射性神経血管性ジストロフィー、反射性ジストロフィー、交感神経性疼痛症候群、灼熱痛、骨のスデック(Sudeck)萎縮、疼痛神経ジストロフィー、肩手症候群、外傷後ジストロフィー、三叉神経痛、疱疹後神経痛、癌関連の疼痛、幻肢痛、線維筋痛、慢性疲労症候群、脊髄損傷疼痛、中枢性脳卒中後疼痛、神経根神経病、糖尿病性神経障害、脳卒中後疼痛、梅毒性神経障害、並びにビンクリスチン及びベルケードなどの薬剤により誘導されるものなどの他の疼痛性神経障害状態。
【0069】
本明細書で使用するように、用語「複合性局所疼痛症候群」、「CRPS」及び「CRPS及び関連症候群」は、以下の1以上により特徴づけられる慢性疼痛障害を意味する:自発的又は誘発的にかかわらない疼痛、例えば異痛症(通常疼痛を伴わない刺激に対する疼痛応答)及び痛覚過敏(通常少しだけの疼痛を伴う刺激に対する増幅された応答);刺激事象(例えば、足関節捻挫後の長年の激痛)に不相応である疼痛;単一の末梢神経分布に限られない局所疼痛;及び、栄養性の皮膚変化(毛髪及び爪の成長異常並びに皮膚潰瘍化)に関連する自律調節不全(例えば、浮腫、血流の変更及び多汗症)。
【0070】
MD及びブドウ膜炎及び関連症候群の例には、2004年5月13日に公開された米国特許公開番号2004/0091455(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には、萎縮性(乾燥性) MD、滲出性(湿潤性) MD、年齢関連性黄斑症(ARM)、脈絡膜血管新生(CNVM)、網膜色素上皮分離(PED)、及び網膜色素上皮(RPE)の萎縮を含むがこれらに限定されない。一実施態様において、ブドウ膜炎を治療、予防又は管理する方法が本明細書に提供される。
【0071】
アスベスト関連障害の例には、2005年5月12日に公開された米国公開番号2005/0100529(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には、限定はされないが、中皮腫、アスベスト症、悪性胸水、良性滲出性滲出、肋膜斑、肋膜石灰化、拡散性肋膜肥厚、丸い無気肺、線維症塊、及び肺癌が挙げられる。
【0072】
寄生虫病の例には、2006年7月13日に公開された米国公開番号2006/0154880(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。
【0073】
寄生虫病には、ヒトの細胞内寄生虫(例えば、以下に限定されないが、P.ファルファリウム(P. falcifarium)、P.オバル(P. ovale)、P.ビバックス(P. vivax)、P.マラリア(P. malariae)、L.ドノバリ(L. donovari)、L.インファンタム(L. infantum)、L. アエチオピカ(L. aethiopica)、L.メジャー(L. major)、L.トロピカ(L. tropica)、L.メキシカナ(L. mexicana)、L.ブラジリエンシス(L. braziliensis)、T.ゴンディ(T. Gondii)、B.ミクロチ(B. microti)、B.ダイバーゲンス(B. divergens)、B.コリ(B. coli)、C. パルバム(C. parvum)、C. カイエタネンシス(C. cayetanensis)、E.ヒストリチカ(E. histolytica)、I.ベリ(I. belli)、S. マンソニイ(S. mansonii)、S. ヘマトビウム(S. haematobium)、トリパノソーマ亜種、トキソプラズマ亜種及びO.ボルブラス(O. volvulus))によって引き起こされる疾患及び障害を含む。例えばバベシア・ボビス(Babesia bovis)、バベシア・カニス(Babesia canis)、バネシア・ギブソニ(Banesia Gibsoni)、ベスノイチア・ダルリンギ(Besnoitia darlingi)、サイタウクスズーン・フェリス(Cytauxzoon felis)、エイメリア亜種(Eimeria ssp.)、ハンモンディア亜種(Hammondia ssp.)、及びセイレリア亜種(Theileria ssp)を含むがこれらに限定されない、ヒト以外の細胞内寄生虫により引き起こされる他の疾患及び障害も包含される。具体例には、限定はされないが、マラリア、バベシア症、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症、髄膜脳炎、角膜炎、アメーバ症、ジアルジア鞭毛虫症、クリプトスポリジウム症、イソスポラ症、シクロスポリア症、微胞子虫症、回虫症、鞭虫症、鉤虫症、糞線虫症、トキソカラ症、旋毛虫病、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、フィラリア症、住血吸虫症、及び動物の住血吸虫により引き起こされる皮膚炎が挙げられる。
【0074】
免疫不全障害の例には、2006年8月24日に公開された米国公開番号2006/0188475に記載されているものが含まれるがこれらに限定されない。具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:アデノシンデアミナーゼ欠乏症、通常又は高いIgを有する抗体欠損、運動失調-毛細血管拡張症(tenlangiectasia)、裸リンパ球症候群、普通の多様な免疫不全、過剰IgMを有するIg欠損、Ig重鎖欠損、IgA欠損症、胸腺腫を有する免疫不全、網状発育不全、Nezelof症候群、選択的IgGサブクラス欠損症、乳児の一過性低ガンマグロブリン血症、Wistcott-Aldrich症候群、X連鎖無ガンマグロブリン血症、X連鎖型重症複合免疫不全。
【0075】
CNS疾患の例には、2005年6月30日に公開された米国公開番号2005/0143344(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には以下を含むがこれらに限定されない:筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、他の神経障害、例えばTourette症候群、デレリウム(delerium)、又は短時間に起こる意識の障害、並びに健忘障害、又は他の中枢神経系障害がない場合に起こる控えめな記憶障害。
【0076】
CNS損傷及び関連症候群の例には、2006年6月8日に公開された米国公開番号2006/0122228(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。具体例にはCNSの損傷/損傷を含むがこれに限定されず、関連症候群には以下のものを含むがこれらに限定されない:一次性脳損傷、二次性脳損傷、外傷性脳損傷、焦点性脳損傷、びまん性軸索損傷、頭部外傷、脳震盪、脳振盪後症候群、脳挫傷及び裂傷、硬膜下血腫、表皮性血腫、外傷後癲癇、慢性植物状態、完全SCI、不完全SCI、急性SCI、亜急性SCI、慢性SCI、脊髄中心症候群、Brown-Sequard症候群、前部脊髄(anterior cord)症候群、脊髄円錐症候群、馬尾症候群、神経性ショック、脊髄ショック、意識レベルの変化、頭痛、嘔気、嘔吐、記憶喪失、めまい、複視、かすみ目、感情的な不安定、睡眠障害、過敏、集中不能、神経過敏、行動障害、認識欠損、及び発作。
【0077】
他の疾患又は障害には、ウイルス性、遺伝性、アレルギー性及び自己免疫性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:HIV、肝炎、成人呼吸窮迫症候群、骨吸収病、慢性肺炎症性疾患、皮膚炎、嚢胞性線維症、敗血性ショック、敗血症、エンドトキシンショック、血行力学的ショック、敗血症症候群、虚血後再潅流損傷、髄膜炎、乾癬、線維症疾患、悪液質、移植片対宿主病、移植片拒絶、自己免疫疾患、リウマチ様脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、全身性ループスエリテマトーデス(erythrematosus)、ハンセン病におけるENL、放射線障害、癌、喘息、又は過酸素症の肺胞性損傷。
【0078】
アテローム性動脈硬化症及び関連状態の例には、2002年5月9日に公開された米国公開番号2002/0054899(引用により本明細書に組み込まれている。)に開示されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には、血管形成術、ステント術、粥腫切除及び移植などの脈管介入後の再狭窄を含む、アテローム性動脈硬化症が関与する状態の全ての形態を含むがこれらに限定されない。脈管介入のすべての形態は本明細書において意図されており、例えば以下のものを含むがこれらに限定されない心血管及び腎臓系の疾患を含む:腎臓血管形成術、経皮的冠動脈介入(PCI) 、経皮経管冠動脈形成(PTCA)、頸動脈経皮経管的血管形成術(PTA)、冠状バイパス移植片、ステント移植を用いる血管形成術、腸骨、大腿又は膝窩動脈の周縁経皮経管的介入、及び含浸された人工移植片を使用する外科的介入。以下の図は、治療を必要とし得る主要な全身動脈のリストを提供し、その全ては本明細書において意図されている:
【表1】

【0079】
機能不全性睡眠及び関連症候群の例には、2005年10月6日に公開された米国公開番号2005/0222209A1(引用により本明細書に組み込まれている。)に開示されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:いびき、睡眠無呼吸、不眠症、ナルコレプシ、レストレスレッグ症候群、睡眠脅威、睡眠歩行睡眠摂食、及び慢性の神経学的又は炎症状態に関連する機能不全性睡眠。慢性的な神経学的又は炎症状態には、以下のものを含むがこれらに限定されない:複合性局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格疼痛、関節炎、神経根神経病、癌に伴う疼痛、線維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱の疼痛、慢性膵炎、神経障害(糖尿病性、帯状疱疹後、外傷性、又は炎症性)、及び神経変性障害、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、運動緩徐;筋硬直;パーキンソン病様震顫;パーキンソン病様歩行;動作停止;鬱;不完全な長期記憶、Rubinstein-Taybi症候群(RTS);痴呆;姿勢不安定性;運動低下障害;シヌクレイン障害;多系統萎縮症;線条体黒質変性症;オリーブ橋小脳萎縮症;シャイドラガー症候群;パーキンソン病様の特徴を有する運動ニューロン疾患;レビー小体痴呆;タウ病理学障害;漸進性核上麻痺;大脳皮質基底核変性症;前頭側頭痴呆;アミロイド病理学障害;軽度認知障害;パーキンソン病様を有するアルツハイマー病;Wilson病;Hallervorden-Spatz病;Chediak-Hagashi病;SCA 3 脊髄小脳運動失調;X連鎖型失調症パーキンソン症候群;プリオン病;多動障害;舞踏病;バリスムス;失調震顫;筋萎縮性側索硬化症 (ALS);CNS外傷及びミオクローヌス。
【0080】
異常ヘモグロビン症及び関連障害の例には、2005年6月30日に公開された米国公開番号2005/0143420A1(引用により本明細書に組み込まれている。)に記載されているものを含むがそれらに限定されない。具体例には、限定はされないが、異常ヘモグロビン症、鎌状赤血球性貧血、及びCD34+細胞の分化に関連した他の任意の障害が挙げられる。
【0081】
他の実施態様において、様々な免疫学的用途における、特に、引用により全面的に本明細書中に組み込まれている、2007年3月1日出願の米国出願第2007/0048327号に開示されているワクチンアジュバント、特に抗癌ワクチンアジュバントとして本明細書で提供する化合物の使用も包含されている。これらの実施態様は、また、本明細書で提供する化合物と、癌又は感染病を治療又は予防するためのワクチンとの併用、及びアレルギー反応の低減又は減感作などの免疫調節化合物の他の様々な使用に関する。
【0082】
本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、包接化合物、立体異性体若しくはプロドラッグの投与量は、治療、予防又は管理すべき具体的な適応症;患者の年齢及び状態;並びに存在すれば、使用される第2の活性剤の量などの要因に応じて異なる。一般に、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、包接化合物、立体異性体若しくはプロドラッグを1日当たり約0.1mgから約500mgの量で使用することができ、従来の様式(例えば、各治療期間、予防期間又は管理期間の日毎に同量を投与する様式)で、周期的に(例えば、1週間投与し、1週間投与しない)、或いは治療、予防又は管理の過程にわたって量を増加又は減少させて調整することができる。他の実施態様において、投与量は、約1mgから約300mg、約0.1mgから約150mg、約1mgから約200mg、約10mgから約100mg、約0.1mgから約50mg、約1mgから約50mg、約10mgから約50mg、約20mgから約30mg、約1mgから約30mg、又は約1mgから約20mgであり得る。
【0083】
(4.3 第2の活性剤)
本明細書で提供する方法及び組成物において、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物、若しくは立体異性体を他の薬理活性化合物(「第2の活性剤」)と組み合わせることができる。特定の組合せは、特定の種類の疾患又は障害並びに当該疾患又は障害に伴う状態及び症状の治療に相乗作用的に機能できる。本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、包接化合物、立体異性体若しくはプロドラッグは、特定の第2の活性剤に付随する有害作用を緩和するように、又はその逆に機能することもできる。
【0084】
1つ以上の第2の活性成分又は活性剤を本明細書で提供する方法及び組成物に使用することができる。第2の活性剤は、大分子(例えば、タンパク質)又は小分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子又は有機分子)であり得る。
【0085】
大分子活性剤の例には、造血成長因子、サイトカイン並びにモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。活性剤の具体例は、抗CD40モノクローナル抗体(例えば、SGN-40など);ヒストンデアセトリアーゼ阻害薬(例えば、SAHA及びLAQ824など);熱ショックタンパク質-90阻害薬(例えば、17-AAGなど);インシュリン様成長因子-1受容体キナーゼ阻害薬;血管内皮成長因子受容体キナーゼ阻害薬(例えば、PTK787など);インシュリン成長因子受容体阻害薬;リソホスファチジル酸アシルトランスフェラーゼ阻害薬;lkBキナーゼ阻害薬;p38MAPK阻害薬;EGFR阻害薬(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブHCLなど);HER-2抗体(例えば、トランスツズマブ(Herceptin(登録商標)など)及びペルツズマブ(Omnitarg(商標)));VEGFR抗体(例えば、ベバシズマブ(Avastin(商標)など));VEGFR阻害薬(例えば、flk-1特異的キナーゼ阻害薬、SU5416及びptk787/zk222584など);PI3K阻害薬(例えば、ウォルツマニンなど);C-Met阻害薬(例えば、PHA-665752など);モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))及びG250など);並びに抗TNF-α抗体である。小分子活性剤の例には、抗癌薬及び抗体(例えば、クラリトロマイシン)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供する化合物と組み合わせることができる具体的な第2の活性化合物は、治療、予防又は管理すべき具体的な適応症に応じて異なる。
【0086】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤は、以下のものを含むがこれらに限定されない:抗凝固剤、利尿薬、強心配糖体、カルシウムチャネル遮断物質、血管拡張剤、プロスタサイクリン類似体、エンドセリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE V阻害剤)、エンドペプチターゼ阻害剤、脂質を低くする薬剤、トロンボキサン阻害剤、ステロイド、及び肺動脈圧を減らすことが公知の他の治療剤。
【0087】
具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:ワルファリン(Coumadin(登録商標))、利尿薬、強心配糖体、ジゴキシン-酸素、ジルチアゼム、ニフェジピン、血管拡張薬、例えばプロスタサイクリン(例えば、プロスタグランジンI2(PGI2)、エポプロステノール(EPO、Floran(登録商標))、トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、一酸化窒素(NO)、ボセンタン(Tracleer(登録商標))、アムロジピン、エポプロステノール(Floran(登録商標))、トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、プロスタサイクリン、タダラフィル(Cialis(登録商標))、シンバスタチン(Zocor(登録商標))、オマパトリラット(Vanlev(登録商標))、イルベサルタン(Avapro(登録商標))、プラバスタチン(Pravachol(登録商標))、ジゴキシン、L-アルギニン、イロプロスト ベタプロスト、及びシルデナフィル(Viagra(登録商標))。
【0088】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、角質溶解薬、レチノイド、α-ヒドロキシ酸、抗生物質、コラーゲン、ボツリヌス毒素、インターフェロン、ステロイド、及び免疫調節薬を含むが、これらに限定されない。
【0089】
具体例には、以下のものを含むがこれらに限定されない:5-フルオロウラシル、マソプロコール、トリクロロ酢酸、サリチル酸、乳酸、乳酸アンモニウム、尿素、トレチノイン、イソトレチノイン、抗生物質、コラーゲン、ボツリヌス毒素、インターフェロン、副腎皮質ステロイド、トランスレチノイン酸酸、及びコラーゲン、例えばヒト胎盤コラーゲン、動物性胎盤コラーゲン、デルマロゲン(Dermalogen)、アロダーム(AlloDerm)、ファスシア(Fascia)、サイメトラ(Cymetra)、オートロゲン(Autologen)、ザイダーム(Zyderm)、ザイプラスト(Zyplast)、 レソプラスト(Resoplast)及びイソラゲン(Isolagen)。
【0090】
別の実施態様において、第2の活性剤には、セマキサニブ;シクロスポリン;エタネルセプト;ドキシサイクリン;ボルテゾミブ;アシビシン;アクラルビシン;塩化アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタト;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメル;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴル;セレコキシブ;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドクソルビシン;塩酸ドクソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミツルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩化エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコル;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテレ;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン及び塩酸ゾルビシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
他の第2の薬剤には、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌薬;抗エストロゲン;抗腫瘍薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子修飾物質;アポトーシス調節薬;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリニン酸;bFGF阻害薬;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルンス;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタソン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドクス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロールニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(Gleevec(登録商標))、イミキモド;免疫刺激ペプチド;インシュリン様成長因子-1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性プラチナ化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害薬;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害薬;ミフェプリストーン;ミルテホシン;ミリモスチン;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビツクス;ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌薬;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節薬;酸化窒素酸化予防剤;ニトルリン;オブリメルセン(Genasense(登録商標));O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害薬;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性体阻害薬;プラチナ錯体;プラチナ化合物;プラチナ-トリアミン錯体;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソム阻害薬;タンパク質A系免疫調節薬;タンパク質キナーゼC阻害薬;タンパク質キナーゼC阻害薬、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害薬;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬;ras阻害薬;ras-GAP阻害薬;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬態;セムスチン;老化誘導阻害薬1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害薬;シゾフィラン、ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテイト;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害薬;スルフィノシン;超活性血管作動性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジン;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害薬;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬態;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;チロイド刺激ホルモン;錫エチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害薬;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害薬;チルホスチン;UBC阻害薬;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソル;ベラミン;ベルジンス;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施態様において、活性剤には、2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、複数骨髄腫細胞におけるアポトーシスの誘導物質(例えば、TRAILなど)、スタチンス、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシサイクリン、ボルテゾミブ、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、レミカデ、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタソン(Decadron(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナ、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテレ、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセローダ、CPT-11、インターフェロンアルファ、ペグ化インターフェロンアルファ(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パクリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、デカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニソン、ビスホスホネート、三酸化砒素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、エトポシド、並びに種々の細胞傷害剤及び/又は細胞増殖抑制剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施態様において、治療、予防又は管理すべき適応症に応じた具体的な第2の薬剤の例を、以下の文献(そのすべてが全面的に本明細書中に組み込まれている)に見出すことができる:米国特許第6,281,230号及び第5,635,517号;米国公開第2004/0220144号、第2004/0190609号、第2004/0087546号、第2005/0203142号、第2004/0091455号、第2005/0100529号、第2005/0214328号、第2005/0239842号、第2006/0154880号、第2006/0188475号、第2006/0122228号及び第2005/0143344号。
【0094】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、抗鬱薬、抗痙攣薬、抗高血圧症薬、抗不安薬、カルシウムチャネル遮断薬、筋弛緩薬、非麻薬性鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬、抗炎症薬、cox-2阻害薬、免疫調節薬、アルファ-アドレナリン受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、免疫抑制薬、コルチコステロイド、高圧酸素、ケタミン、他の麻酔薬、NMDAアンタゴニスト、NSAID、及び例えば医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)2003に見出される他の治療薬が挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、サリチル酸アセテート(Aspirin(登録商標))、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、Enbrel(登録商標)、ケタミン、イブプロフェン、ガバペンチン(Neurontin(登録商標))、フェニトイン(Dilantin(登録商標))、カルバマゼピン(Tegretol(登録商標))、オキシカルバゼピン(Trileptal(登録商標))、バルプロ酸(Depakene(登録商標))、硫酸モルフィン、ヒドロモルホン、プレドニソン、グリセオフルビン、ペントニウム、アレンドロネート、ジフェンヒドラミド、グアネチジン、ケトロラク(Acular(登録商標))、チロカルシトニン、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)(DMSO)、クロニジン(Catapress(登録商標))、ブレチリウム、ケタンセリン、レセルピン、ドロペリドール、アトロピン、フェントラミン、ブピバカイン、リドカイン、アセタミノフェン、ノルトリプチリン(Pamelor(登録商標))、アミトリプチリン(Elavil(登録商標))、イミプラミン(Tofranil(登録商標))、ドキセピン(Sinequan(登録商標))、クロミプラミン(Anafranil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))、セルトラリン(Zoloft(登録商標))、ナプロキセン、ネファゾドン(Serzone(登録商標))、ベンラファキシン(Effexor(登録商標))、トラゾドン(Desyrel(登録商標))、ブプロピオン(Wellbutrin(登録商標))、メキシレチン、ニフェジピン、プロプラノロル、トラマドール、ラモトリギン、バイオックス、ジコノチド、ケタミン、デキストロメトルファン、ベンゾジアゼピン、バクロフェン、チザニジン及びフェノキシベンズアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、ステロイド、感光剤、インテグリン、酸化予防剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、好中球因子、血管新生調節薬、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症化合物若しくは抗血管新生化合物、又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、ベルテポルフィン、プルリチン、血管新生抑制ステロイド、rhuFab、インターフェロン-2α、ペントキシフィリン、錫エチオプルプリン、モテキサフィン、ルセンティス、ルテチウム、9-フルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16、17-1-メチルエチリジンビス(オキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、ラタノプロスト(米国特許第6,225,348号参照)、テトラサイクリン及びその誘導体、リファマイシン及びその誘導体、マクロライド、メトロニダゾール(米国特許第6,218,369号及び第6,015,803号)、ゲニステイン、ゲニスチン、6'-O-Malゲニスチン、6'-O-Acゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6'-O-Malダイジン、6'-O-Acダイジン、グリシテイン、グリシチン、6'-O-Malグリシチン、ビオカニンA、ホルモノネチン(米国特許第6,001,368号)、トリアムシノロンアセトミド、デキサメタソン(米国特許第5,770,589号)、サリドマイド、グルタチオン(米国特許第5,632,984号)、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor)(bFGF)、形質転換成長因子b(transforming growth factor b)(TGF-b)、脳由来好中球因子(brain-derived neurotrophic factor)(BDNF)、プラスミノゲン活性体因子2型(plasminogen activator factor type 2)(PAI-2)、EYE101(Eyetech Pharmaceuticals)、LY333531(Eli Lilly)、ミラバント及びRETISERTインプラント(Bausch & Lomb)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に挙げた文献のすべては引用によりその全てが組み込まれている。
【0096】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、アントラサイクリン、プラチナ、アルキル化剤、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、シスプラチナ、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、タキソテレ、イリノテカン、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニソン、ビスホスホネート、三酸化砒素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ヒアルロニダーゼ、ミトマイシンC、メパクリン、チオテパ、テトラサイクリン及びゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、クロロキン、キニン、キニジン、ピリメタミン、スルファジアジン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、メフロキン、ハロファントリン、プリマキン、ヒドロキシクロロキン、プログアニル、アトバクオン、アジトロマイシン、スラミン、ペンタミジン、メラルソプロル、ニフルチモクス、ベンズニダゾール、アンホテリシンB、五価アンチモン化合物(例えば、スチボグルクロン酸ナトリウム)、インターフェロンガンマ、イトラコナゾール、デッドプロマスチゴートとBCGの組合せ、ロイコボリン、コルチコステロイド、スルホンアミド、スピラマイシン、IgG(血清)、トリメトプリム及びスルファメトキサゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、アンピシリン、テトラサイクリン、ペニシリン、セファロスポリン、ストレプトマイシン、カナマイシン及びエリスロマイシンなどの(但し、これらに限定されない)抗生物質(治療又は予防);アマンタジン、リマンタジン、アシクロビル及びリバビリンなどの(但し、これらに限定されない)抗ウイルス薬;免疫グロブリン;血漿;レバミソール及びイソプリノシンなどの(但し、これらに限定されない)免疫増強薬;ガンマグロブリン、伝達因子、インターロイキン及びインターフェロンなどの(但し、これらに限定されない)生物学的製剤;チミンなどの(但し、それに限定されない)ホルモン;B細胞刺激薬(例えば、BAFF/BlyS)、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-4及びIL-5)、成長因子(例えば、TGF-α)、抗体(例えば、抗CD40及びIgM)、オリゴヌクレオチド含有非メチル化CpGモチーフ及びワクチン(例えば、ウイルス及び腫瘍ペプチドワクチン)などの(但し、これらに限定されない)その他の免疫学的薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、オピオイド;レボドーパ、L-DOPA、コカイン、α-メチル-チロシン、レセルピン、テトラベナジン、ベンゾトロピン、パルギリン、メシル酸フェノドルパム、カベルゴリン、二塩酸プラミペキソール、ロピノロール、塩酸アマンタジン、塩酸セレギリン、カルビドーパ、メシル酸ペルゴリド、シネメットCR及びシメトレルなどの(但し、これらに限定されない)ドーパミンアゴニスト又はアンタゴニスト;イプロニアジド、クロルギリン、フェネルジン及びイソカルボキサジドなどの(但し、これらに限定されない)MAO阻害薬;トルカポン及びエンタカポンなどの(但し、これらに限定されない)COMT阻害薬;サリチル酸フィソスチグミン、硫酸フィソスチグミン、臭化フィソスチグミン、臭化メオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化アンベノニム、塩化エドロフォニウム、タクリン、塩化プラリドキシム、塩化オビドキシム、臭化トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、エンドロホニウム、ピリドスチグミン及びデメカリウムなどの(但し、これらに限定されない)コリンエステラーゼ阻害薬;ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、Rho-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロン又はベータメタソン及び他のグルココルチコイドなどの(但し、これらに限定されない)抗炎症薬;並びにメトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物などの(但し、これらに限定されない)抗嘔吐薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、免疫調節薬、免疫抑制薬、抗高血圧症薬、抗痙攣薬、線維芽細胞溶解薬、抗血小板薬、抗精神病薬、抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、ブスピロン、アマンタジン並びにCNS損傷/損傷及び関連症候群の患者に使用される他の既知又は従来の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、ステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン、デキサメタソン及びベータメタソンなどの(但し、これらに限定されない)グルココルチコイド);ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、Rho-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロンを含むが、これらに限定されない抗炎症薬;db-cAMPを含むが、それに限定されないcAMP類似体;l-トレオ-メチルフェニデート、d-トレオ-メチルフェニデート、dl-トレオ-メチルフェニデート、l-エリスロ-メチルフェニデート、d-エリスロ-メチルフェニデート、dl-エリスロ-メチルフェニデート、及びそれらの混合物を含むメチルフェニデート薬を含む薬剤;並びにマンニトール、フロセミド、グリセロール及び尿素などの(但し、これらに限定されない)利尿薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、三環式抗鬱薬、選択的セロトニン再取込み阻害薬、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメート)、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル遮断薬、選択的炎症伝達物質阻害薬、オピオイド薬、第2の免疫調節化合物、複合薬、及び睡眠治療に使用される他の既知又は従来の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。具体例には、ニューロンチン、オキシコンチン、モルフィネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、カルバマゼピン、レボドーパ、L-DOPA、コカイン、α-メチル-チロシン、レセルピン、テトラベナジン、ベンゾトロピン、パルギリン、メシル酸フェノドルパム、カベルゴリン、二塩酸プラミペキソール、ロピノロール、塩酸アマンタジン、塩酸セレギリン、カルビドーパ、メシル酸ペルゴリド、シネメットCR、シメトレル、イプロニアジド、クロルギリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トルカポン、エンタカポン、サリチル酸フィソスチグミン、硫酸フィソスチグミン、臭化フィソスチグミン、臭化メオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化アンベノニム、塩化エドロフォニウム、タクリン、塩化プラリドキシム、塩化オビドキシム、臭化トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、エンドロホニウム、ピリドスチグミン、デメカリウム、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、Rho-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、ベータメタソン、並びに他のグルココルチコイド、メトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
いくつかの実施態様において、第2の活性剤には、IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリポックスIL-2を含む)、IL-10、IL-12及びIL-18などのインターロイキン;インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia及びインターフェロンガンマ-Ibなどのインターフェロン;及びG-CSF;ヒドロキシ尿素;ブチレート又はブチレート誘導体;酸化窒素;ヒドロキシ尿素;HEMOXIN(商標)(NIPRISAN(商標);米国特許第5,800,819号参照);クロトリマゾール及びトリアリールメタン誘導体などのガルドスチャネルアンタゴニスト;デフェロキサミン;タンパク質C;並びに血液、又はHemospan(商標)若しくはHemospan(商標)PS(Sangart)などの血液代用物の輸血剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、包接化合物、立体異性体若しくはプロドラッグ、及び第2の活性剤の患者に対する投与は、同一又は異なる投与経路によって同時に又は順次に起こり得る。特定の活性剤に採用される特定の投与経路の適性は、活性剤そのもの(例えば、血流に入る前に分解することなく経口投与できるかどうか)及び治療されている疾病に依存することになる。本明細書で提供する化合物の投与の1つは、経口である。第2の活性剤又は成分の投与経路は、当業者に知られている。例えば、医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)(第60版、2006)参照。
【0104】
一実施態様において、第2の活性剤を約1から約1000mg、約5から約500mg、約10から約350mg、或いは約50から約200mgの量で1日に1回又は2回静脈内又は皮下投与する。第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理されている疾患のタイプ、疾患の重度及び段階、及び本明細書で提供する化合物の量、並びに現在患者に投与されている任意の追加的な活性剤に依存することになる。
【0105】
本明細書の他の箇所において説明するように、外科手術、化学療法、放射線治療、ホルモン治療、生物学的治療及び免疫療法を含むが、これらに限定されない従来の治療に付随する有害作用又は望ましくない影響を低減、治療及び/又は予防する方法も本明細書で提供する。本明細書で提供する化合物及び他の活性成分を、従来の治療に付随する有害作用の発生の前、最中又は後に患者に投与することができる。
【0106】
(4.4 周期的治療)
一部の実施態様において、本明細書で提供する予防薬又は治療薬を患者に周期的に投与する。周期的治療は、活性剤を一定期間にわたって投与した後に、一定期間にわたって休止(即ち、投与を中止)し、この順次的な投与を繰り返すことを含む。周期的治療は、治療薬の1種以上に抵抗性の発生を抑えること、治療薬の1種の副作用を回避又は低減すること、及び/又は治療の効果を向上させることができる。
【0107】
結果として、一実施態様において、本明細書で提供する化合物を、約1週間又は2週間の休止期間を含む4から6週間周期で、単一又は分割投与量で毎日投与する。周期的治療は、さらに、投与周期の頻度、回数及び長さを増加させることが可能である。したがって、別の実施態様は、単独で投与される場合に典型的な周期より多くの周期にわたって本明細書で提供する化合物を投与することを含む。さらに他の実施態様において、本明細書で提供する化合物を、第2の活性成分も投与されていない患者において投与量を制限する毒性を典型的に引き起こすことになる、より多数の周期にわたって投与する。
【0108】
一実施態様において、本明細書で提供する化合物を1日当たり約0.1mgから約500mgの投与量で3又は4週間にわたって毎日及び継続的に投与した後に、1又は2週間休止する。他の実施態様において、投与量を約1mgから約300mg、約0.1mgから約150mg、約1mgから約200mg、約10mgから約100mg、約0.1mgから約50mg、約1mgから約50mg、約10mgから約50mg、約20mgから約30mg、又は約1mgから約20mgとし、その後休止することができる。
【0109】
一実施態様において、本明細書で提供する化合物及び第2の活性成分を経口投与し、本明細書で提供する化合物の投与は、4から6週間の周期を通じて第2の活性成分の30から60分間前に生じる。別の実施態様において、本明細書で提供する化合物と第2の活性成分との組合せを周期毎に約90分間にわたって静脈内注入によって投与する。
典型的には、組合せ治療薬を患者に投与する周期の数は、約1から約24周期、約2から約16周期、又は約4から約3周期になる。
【0110】
(4.5 医薬組成物及び剤形)
医薬組成物を個々の単一単位剤形の調製に使用することができる。本明細書で提供する医薬組成物及び剤形は、本明細書で提供する化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、包接化合物又はプロドラッグを含む。医薬組成物及び剤形は、1つ以上の賦形剤をさらに含むことができる。
本明細書で提供する医薬組成物及び剤形は、1つ以上の追加的な活性成分を含むこともできる。任意の第2の活性成分又は追加的な活性成分の例が、上記のセクション4.3に開示されている。
【0111】
本明細書で提供する単一単位剤形は、患者に対する経口投与、粘膜投与(例えば、鼻投与、舌下投与、膣投与、頬投与又は直腸投与)、非経口投与(例えば、皮下投与、静脈内投与、ボーラス注射、筋肉内投与又は動脈内投与)、局部投与(例えば、眼滴又は他の眼科製剤)、経皮(transdermal)又は経皮(transcutaneous)投与に好適である。剤形の例には、錠剤;カプレッツ剤;軟弾性ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;菓子錠剤;分散剤;坐薬;粉剤;エアロゾル剤(例えば、鼻スプレー剤又は吸入剤);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性若しくは非水性液体懸濁剤、水中油エマルジョン剤又は油中水液体エマルジョン剤)、液剤及びエリキシル剤を含む、患者に対する経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;患者に対する非経口投与に好適な液体剤形;局部投与に好適な眼滴又は他の眼科製剤;並びに患者に対する非経口投与に好適な液体剤形を得るために再構成することができる無菌固体(例えば、結晶又は非晶質の固体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
剤形の組成物、形状及び種類は、典型的には、それらの用途に応じて異なることになる。例えば、疾患の急性治療に使用される剤形は、同じ疾患の慢性治療に使用される剤形より多くの量の1種以上の活性成分を含むことができる。同様に、非経口剤形は、同じ疾患を治療するのに使用される経口剤形より少ない量の1種以上の活性成分を含むことができる。具体的な剤形が使用されるこれら及び他の様式がそれぞれ異なることは、当業者に容易に理解されるであろう。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1990)参照。
【0113】
一実施態様において、医薬組成物及び剤形は、1つ以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、製薬分野の当業者によく知られており、好適な賦形剤の非限定的な例を本明細書に提示する。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への導入に好適であるかどうかは、剤形が患者に投与されることになる様式を含むが、これらに限定されない、当業者によく知られている様々な要因に依存する。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形に使用するのに適さない賦形剤を含むことができる。特定の賦形剤の適性は、剤形における具体的な活性成分にも依存し得る。例えば、いくつかの活性成分の分解をラクトースなどのいくつかの賦形剤にしたがって、又は水に曝したときに加速させることができる。一級又は二級アミンを含む活性成分は、当該加速的分解を特に生じやすい。結果として、存在していても非常に少量のラクトース及び他の単糖類又は二糖類を含む医薬組成物及び剤形を提供する。本明細書に使用されるように、「無ラクトース」という用語は、存在していても、存在するラクトースの量が、活性成分の分解速度を実質的に上昇させるのに不十分であることを意味する。
【0114】
無ラクトース組成物は、当該技術分野でよく知られており、例えば、米国薬局方(U.S.Pharmacopeia(USP)25-NF20(2002))に記載されている賦形剤を含むことができる。概して、無ラクトース組成物は、活性成分、バインダ/充填剤、及び潤滑剤を医薬として適合し得る量及び医薬として許容し得る量で含む。一実施態様において、無ラクトース剤形は、活性成分、微結晶セルロース、アルファ化デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0115】
水は、いくつかの化合物の分解を促進し得るので、活性成分を含む無水医薬組成物及び剤形をさらに提供する。例えば、水の添加(例えば5%)は、経時的な製剤の保存寿命又は安定性などの特性を測定するために、長期的な保存をシミュレートする手段として医薬技術分野で広く許容されている。例えば、Jens T.Carstensenの論文、「薬物安定性:原理と実践(Drug Stability:Principles & Practice)」、第2版、Marcel Dekker、NY(ニューヨーク)州NY、1995、379〜380頁参照。実際、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加速させる。したがって、水分及び/又は湿分は、製剤の製造時、操作時、梱包時、保管時、出荷時及び使用時に広く発生するため、製剤に対する水の影響は、甚大であり得る。
無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿状態を用いて、無水医薬組成物及び剤形を調製することができる。ラクトースを含む医薬組成物及び剤形並びに一級アミン又は二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分は、製造時、梱包時及び/又は保管時における水分及び/又は湿分との実質的な接触が想定される場合は、無水であることが好ましい。
【0116】
無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製、保管されるべきである。したがって、一実施態様において、無水組成物を好適な処方キットに含めることができるように、水への曝露を予防することが知られている材料を使用して、無水組成物を梱包する。好適な梱包材料の例には、気密密閉箔、プラスチック、単位投与容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
活性成分が分解することになる速度を低下させる1つ以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形をさらに提供する。本明細書で「安定剤」と称する当該化合物には、アスコルビン酸などの酸化予防剤、pH緩衝剤又は塩緩衝剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
賦形剤の量及び種類のように、剤形における活性成分の量及び具体的な種類は、それが患者に投与される経路などの(但し、それに限定されない)要因に応じて異なり得る。一実施態様において、剤形は、本明細書で提供する化合物を約0.10から約500mgの量で含む。他の実施態様において、剤形は、本明細書で提供する化合物を約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450又は500mgの量で含む。
他の実施態様において、剤形は、第2の活性成分を1から約1000mg、約5から約500mg、約10から約350mg、又は約50から約200mgの量で含む。勿論、第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理されている疾患又は障害、並びに本明細書で提供する化合物及び患者に同時に投与される任意の追加的な活性剤の量に依存することになる。
【0118】
(4.5.1 経口剤形)
経口投与に好適な医薬組成物を錠剤(例えば、咀嚼性錠剤)、カプレッツ剤、カプセル剤及び液剤(例えば、香味シロップ)などの(但し、これらに限定されない)個別的剤形として提供することができる。当該剤形は、所定量の活性成分を含み、当業者によく知られている製薬方法によって調製できる。全般的に、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1990)参照。
本明細書で提供する経口剤形は、従来の医薬混合技術に従って、活性成分を少なくとも1つの賦形剤と十分に混合することによって調製されている。賦形剤は、投与に望ましい形の製剤に応じて広範な形をとることができる。例えば、経口液剤又はエアロゾル剤形における使用に好適な賦形剤には、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤及び着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。固体の経口剤形(例えば、粉剤、錠剤、カプセル剤及びカプレッツ剤)における使用に好適な賦形剤の例には、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダ及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
一実施態様において、経口剤形は、錠剤又はカプセル剤であり、その場合は固体賦形剤が採用されている。別の実施態様において、標準的な水性又は非水性技術によって錠剤にコーティングすることができる。当該剤形を製薬方法のいずれかによって調製することができる。概して、活性成分を液体担体、微細固体担体又はその両方と均一且つ十分に混合し、次いで必要に応じて産生物を所望の製剤に成形することによって医薬組成物及び剤形を調製する。
例えば、錠剤を圧縮又は成形によって調製することができる。賦形剤と任意に混合された粉末又は顆粒などの自由流動形の活性成分を好適な装置で圧縮することによって圧縮錠剤を調製することができる。不活性液体希釈剤で加湿された粉末化化合物の混合物を好適な装置で成形することによって成形錠剤を製造することができる。
【0120】
本明細書で提供する経口剤形に使用できる賦形剤の例には、バインダ、充填剤、崩壊剤及び潤滑剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形における使用に好適なバインダには、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアーゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910番)、微結晶セルロース及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
微結晶セルロースの好適な形には、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103 AVICEL RC-581、A VICEL-PH-105(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、PA(ペンシルバニア)州Marcus Hookから入手可能)として販売されている材料及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定のバインダは、AVICEL RC-581として販売されている微結晶セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物である。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)及びデンプン1500LMが挙げられる。
本明細書に示されている医薬組成物及び剤形における使用に好適な充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、珪酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物におけるバインダ又は充填剤は、一実施態様において、医薬組成物又は剤形の約50から約99重量パーセントで存在する。
【0122】
水性環境に曝されると崩壊する錠剤を提供するために、組成物に崩壊剤を使用することができる。多すぎる崩壊剤を含む錠剤は、保管中に崩壊する恐れがあり、少なすぎる崩壊剤を含む錠剤は、所望の速度又は所望の状態下で崩壊しないことがある。したがって、活性成分の放出に悪影響を与えるほど多すぎることもなく、少なすぎることもない十分量の崩壊剤を使用して、固体経口剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて異なり、当業者にとって容易に区別可能である。一実施態様において、医薬組成物は、約0.5から約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1から約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
医薬組成物及び剤形に使用できる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ジャガイモ又はタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
医薬組成物及び剤形に使用できる潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、硫酸ラウリルナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、アガー、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる潤滑剤には、例えば、サイロイドシリカゲル(MD(メリーランド)州BaltimoreのW.R.Grace Co.製AEROSIL200)、合成シリカの凝集エアロゾル(TX(テキサス)州PlanoのDegussa Co.が販売)、CAB-O-SIL(MA(マサチューセッツ)州BostonのCabot Co.が販売する発熱性二酸化珪素の製品)及びそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤を使用するのであれば、それらが組み込まれる医薬組成物又は剤形に約1重量パーセント未満の量で使用することができる。
一実施態様において、固体経口剤形は、本明細書で提供する化合物、無水ラクトース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド無水シリカ及びゼラチンを含む。
【0124】
(4.5.2 制御放出剤形)
本明細書で提供する活性成分を制御放出手段にしたがって、又は当業者によく知られている送達デバイスによって投与することができる。例には、それぞれ引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号及び第5,733,566号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、異なる割合で所望の放出プロファイルを与えるために、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、浸透膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、微小球又はそれらの組合せを使用して、1つ以上の活性成分を緩慢又は制御放出するために当該剤形を使用することができる。本明細書に記載されているものを含む、当業者に知られている好適な制御放出製剤を本明細書で提供する活性剤との使用に向けて容易に選択することができる。一実施態様において、制御放出に合わせて構成された錠剤、カプセル剤、ゲルカップ剤及びカプレッツ剤などの(但し、これらに限定されない)経口投与に好適な単一単位剤形を提供する。
【0125】
一実施態様において、制御放出医薬品は、非制御医薬品によって達成されるものと比較して薬物治療を向上させる。別の実施態様において、医薬治療における制御放出製剤の使用は、最小限の医薬物質を採用して、最小限の時間で状態を治癒又は抑制することを特徴とする。制御放出製剤の利点には、薬物の活性の拡大、投与頻度の低減及び患者コンプライアンスの向上が挙げられる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用の発生時間、又は薬物の血液レベルなどの他の特性に影響を与えることができるため、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を与えることができる。
【0126】
別の実施態様において、制御放出製剤は、所望の治療又は予防効果を即座にもたらす量の薬物(活性成分)を最初に放出し、長時間にわたってこの水準の治療又は予防効果を維持するための他の量の薬物を徐々に、及び連続的に放出するように設計されている。一実施態様において、一定量の薬物を身体内に維持するために、代謝して、身体から排泄される量の薬物に取って代わる速度で薬物を剤形から放出することもできる。活性成分の制御放出を、pH、温度、酵素、水若しくは他の生理的状態又は化合物を含むが、これらに限定されない様々な状態によって刺激することができる。
【0127】
(4.5.3 非経口剤形)
非経口剤形を、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内及び動脈内を含むが、これらに限定されない様々な経路によって患者に投与することができる。いくつかの実施態様において、非経口剤形の投与は、汚染物質に対する患者の自然防御を回避するため、これらの実施態様において、非経口剤形は、無菌であるか、患者に投与する前に滅菌が可能である。非経口剤形の例には、注射に即時利用可能な溶液、注射のための医薬として許容し得る媒体に即時溶解又は懸濁可能な乾燥品、注射に即時利用可能な懸濁液、及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
非経口剤形を提供するのに使用できる好適な媒体は、当業者によく知られている。例には、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液並びに乳酸加リンゲル注射液などの(但し、これらに限定されない)水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどの(但し、これらに限定されない)水溶性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルなどの(但し、これらに限定されない)非水性媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示されている活性成分の1種以上の溶解性を向上させる化合物を非経口剤形に組み込むこともできる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を使用して、本明細書で提供する化合物の溶解性を向上させることができる。例えば、引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,134,127号参照。
【0129】
(4.5.4 局部及び粘膜剤形)
本明細書で提供する局部及び粘膜剤形には、スプレー剤、エアロゾル剤、液剤、エマルジョン剤、懸濁剤、眼滴若しくは他の眼科製剤、又は当業者に知られている他の形が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版及び第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1980及び1990);及び「医薬剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」、第4版、Lea & Febiger、Philadelphia(1985)参照。口腔内の粘膜組織を治療するのに好適な剤形を洗口液又は経口ゲルとして処方することができる。
【0130】
本明細書に包含される局部及び粘膜剤形を提供するのに使用できる好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)並びに他の材料は、製薬技術分野の当業者によく知られており、所定の医薬組成物又は剤形が適用されることになる特定の組織に依存する。一実施態様において、賦形剤には、無毒性であり、医薬として許容し得る液剤、エマルジョン剤又はゲル剤を形成するための水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。加湿剤又は湿潤剤を医薬組成物及び剤形に添加することもできる。追加成分の例は当技術分野においてよく知られている。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版及び第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1980及び1990)参照。
【0131】
医薬組成物又は剤形のpHを調整して、1つ以上の活性成分の送達を向上させることもできる。また、溶媒担体の極性、そのイオン強度又は等張性を調整して、送達を向上させることもできる。ステアリル酸塩などの化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、送達を向上させるように1つ以上の活性成分の親水性又は親油性を変えることもできる。他の実施態様において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質媒体として、乳化剤又は界面活性剤として、又は送達向上剤又は浸透向上剤として機能することができる。他の実施態様において、活性成分の塩、溶媒和物、プロドラッグ、包接化合物又は立体異性体を使用して、得られる組成物の特性をさらに調整することができる。
【0132】
(4.6 キット)
一実施態様において、本明細書で提供する活性成分は、同時に又は同じ投与経路で患者に投与されない。したがって別の実施態様において、適切な量の活性成分の投与を簡単にすることができるキットを提供する。
一実施態様において、キットは、本明細書で提供する化合物の剤形を含む。キットは、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、トポテカン、ダカルバジン、イリノテカン、タキソテレ、IFN、COX-2阻害薬、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタソン、IL2、IL8、IL18、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、13シスレチン酸、又はその薬理活性変異体若しくは誘導体、或いはそれらの混合物などの追加的な活性成分をさらに含むことができる。追加的な活性成分の例には、本明細書に開示されているもの(例えば、セクション4.3参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施態様において、キットは、活性成分を投与するのに使用するデバイスをさらに含む。当該デバイスの例には、シリンジ、点滴バッグ、パッチ及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
キットは、移植用細胞又は血液、並びに1つ以上の活性成分を投与するのに使用できる医薬として許容し得る媒体をさらに含むことができる。例えば、非経口投与のために再構成しなければならない固体の形で活性成分を提供する場合は、キットは、活性成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子無菌溶液を形成することができる好適な媒体の密封容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例には、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液並びに乳酸加リンゲル注射液などの(但し、これらに限定されない)水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどの(但し、これらに限定されない)水溶性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルなどの(但し、これらに限定されない)非水性媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0134】
(5. 実施例)
本発明の一部の実施態様を以下の非限定的な実施例によって例示する。
(5.1 (2S,3S,4S,5R,6R)-6-(2(2((S)-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル-アミノ)-2-オキソエトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸)
【化3】

ステップ1:
ジクロロメタン(40mL)の(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド(0.38g、0.83mmol)及び3,4,5-トリアセトキシ-6-(2,2,2-トリクロロ-アセチミドイルオキシ)-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸ベンジルエステル(0.46g、0.83mmol)の反応混合物を-15℃〜-20℃に冷却し、BF3・OEt2(0.10mL、0.83mmol)で処理し、-15℃〜-20℃で2時間撹拌した。2時間後に、該反応混合物を室温に暖め、終夜撹拌した。該反応混合物をEtOAc(10vol)で希釈し、それから飽和水性NaHCO3(5vol)、2% NaCl(5vol)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。粗製混合物を120gのISCOカラム( 5%〜20% EtOAc/CH2Cl2 ) により溶出した。該画分の濃縮後、該生成物を真空下で12時間乾燥させ、淡黄色固体として(2S,3S,4S,5R,6S)-2-(ベンジルオキシカルボニル)-6-(4-((S)-1-(7-(シクロプロパンカルボキサミド)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-2-エトキシフェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(250mg、56%収率)を得た。
【化4】

HPLC: Waters Nova-Pak C18カラム, 150 x 3.9 mm, 4 μm; 勾配 CH3CN/0.1% H3PO4水溶液 10/90〜90/10 20分, 1.0 mL/分, tR 14.022分, 98.5 AP 240 nm。
【0135】
ステップ2:
EtOAc(150mL)の(2S,3S,4S,5R,6S)-2-(ベンジルオキシカルボニル)-6-(2-エトキシ-4-((S)-2-(メチルスルホニル)-1-(4-ニトロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)エチル)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(1.67g、1.96mmol)及び10% Pd-C(250mg)の懸濁液をParr水素化ボトル(3×窒素、3×水素でパージ)に入れ、圧力を40〜45psiに調整した。4時間後、該反応混合物をセライトで濾過し、該瀘過ケークをEtOAc(5mL)で洗浄した。濃縮の後、該生成物を真空下で2時間、40℃で乾燥させ、淡黄色固体として(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-((S)-1-(7-(シクロプロパンカルボキサミド)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-2-エトキシフェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸を得た(1.45g、>99%収率)。
【化5】

HPLC: Waters Nova-Pak C18カラム, 150 x 3.9 mm, 4 μm; 勾配 CH3CN/0.1% H3PO4水溶液 10/90〜90/10 20分, 1.0 mL/分, tR 10.951分, 96.2 AP 240 nm。
【0136】
ステップ3:
MeOH(40mL)の(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリアセトキシ-6-(4-((S)-1-(7-(シクロプロパンカルボキサミド)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-2-エトキシフェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸(1.4g、1.84mmol)及びNa2CO3(0.59g、5.52mmol)の懸濁液を30℃で8時間加熱した後、8時間室温においた。該反応混合物を0℃〜5℃に冷却した後、AcOH(0.53mL)で酸性化した。該反応混合物を室温に暖めた後、該混合を濃縮した。粗残渣は、10〜25% CH3CN/H2Oを用いてPrepSep 10gC18カラムを通して溶出した。画分の凍結乾燥により、淡黄色固体として、(2S,3S,4S,5R,6R)-6-(2-(2-((S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イルアミノ)-2-オキソエトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸を得た(920mg、78%):
【化6】

HPLC: Waters Nova-Pak C18カラム, 150 x 3.9 mm, 4 μm; 勾配 CH3CN/0.1% H3PO4水溶液 10/90〜90/10 20分, 1.0 mL/分, tR 6.952分, 99.03 AP 240 nm。算出C29H34N2O12S 1.9[H2O]: %C(52.07); %H(5.70); %N(4.19); 実測値: %C(51.78); %H(5.30); %N(4.01)。
【0137】
(5.2 (S)-N(2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル) シクロプロパンカルボキサミド)
【化7】

ステップ1:
(S)-7-アミノ-2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン(10g、24.7mmol)及び純(neat)TMSI(50g、250mmol)の混合物を80℃で1.5〜2時間加熱した。該混合物を0℃〜5℃まで冷やし、5%亜硫酸ナトリウム水溶液によりクエンチした。塩化メチレン(CH2Cl2)を加え、すべての固体が溶解するまでスラリーを活発に撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水及び鹹水で洗浄した後、泡に濃縮した(9.6g、>99%収率)。粗製物質をカラムクロマトグラフィ(60分にわたりMeOH 0-5%/CH2Cl2)により精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、黄色固体として(S)-7-アミノ-2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン与えた(6g、62%収率)。UPLC: Acquity UPLC BEH C8, 2.1 x 50 mm, 1.7 μ, 99:1〜15:85 2分以上の勾配, 0.1% TFA/ MeCN水溶液, 0.8 mL/分, 35 ℃: tR 0.86分。
【0138】
ステップ2:
(S)-7-アミノ-2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン(5.86g、15.0モル)のTHF(60mL)混合物に、塩化シクロプロパンカルボニル(1.5mL、16.1mmol)を添加した。該混合物を1時間60℃で加熱した後、室温に冷却した。溶媒を除去し、粗残渣をカラムクロマトグラフィ(60分にわたりMeOH/CH2Cl2;0-5%)を使用して精製し、4.7gの粗生成物(68%収率)を得た。その後、更なる精製をprep-HPLCにより実行し、白色固体として(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミドを得た(1.38g、20%収率)。HPLC: HPLC: Hypersil DBS C8 カラム, 250 x 4.6 mm, 5 μm; 99/1〜85/15 15分以上の勾配 CH3CN/10 mM KH2PO4水溶液, 1.0 mL/分, 35 ℃, 実行時間 20分: tR 12.45分。
【化8】

【0139】
(5.3 (S)-N-(2-(1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル) エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパン)カルボキサミド
【化9】

(S)-7-アミノ-2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン(5g、12.4mmol)及び純TMSI(25g、125mmol)の混合物を80℃で16時間加熱した。該混合物を室温に冷やし、5% 亜硫酸ナトリウム水溶液によりクエンチした。酢酸エチルを添加し、層を分離した。有機層を水、鹹水で洗浄した後、Na2SO4で乾燥させた。有機層を濃縮した後、THFに溶媒交換した。該THF溶液に、塩化シクロプロパンカルボニル(1.2mL、13.2mmol)を添加した。該混合物を0.5時間の40℃に加熱した後、室温に冷却した。該混合物を1N NaHCO3水溶液によりクエンチし、それから酢酸エチルで抽出した。該有機物を1N NaHCO3水溶液、水、その後鹹水で洗浄した。該溶媒を除去し、粗生成物をACN中40℃で1時間懸濁した。該生成物を濾過で回収し、1gの粗生成物( 19% 収率) を得た。prep-HPLCによる更なる精製とその後の2N HCl水溶液での処理により、白色固体として(S)-N-(2-(1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド(0.25g、5%収率)を得た。HPLC: HPLC: Hypersil DBS C8カラム, 250 x 4.6 mm, 5 μm; 99/1〜85/15 15分以上の勾配 CH3CN/10 mM KH2PO4水溶液, 1.0 mL/分, 35℃, 実行時間 20分: tR 10.91分。
【化10】

【0140】
(5.4 (S)-N-(2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル) シクロプロパンカルボキサミド)
【化11】

ステップ1:
(S)-7-アミノ-2-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン (10g、24.7mmol) 及び純TMSI(50g、250mmol)の混合物を80℃で1.5〜2時間加熱した。該混合物を0℃〜5℃まで冷やし、5% 亜硫酸ナトリウム水溶液によりクエンチした。塩化メチレンを添加し、すべての固体が溶解するまでスラリーを活発に撹拌した。CH2Cl2層を分離し、水及び鹹水で洗浄した後、泡に濃縮した(9.6g、>99%収率)。粗製物質をカラムクロマトグラフィ(60分にわたりMeOH 0-5%/CH2Cl2)により精製した。所望の画分を混合して濃縮し、黄色固体として(S)-7-アミノ-2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オンを得た (6g、65%収率)。UPLC: Acquity UPLC BEH C8, 2.1 x 50 mm, 1.7 μ, 99:1〜15:85 2 分以上の勾配, 0.1% TFA/ MeCN水溶液, 0.8 mL/分, 35℃: tR 0.80分。
【0141】
ステップ2:
(S)-7-アミノ-2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)イソインドリン-1-オン(5.86g、15.6mmol) のTHF(60mL)の混合物に、塩化シクロプロパンカルボニル(1.5mL、16.1mmol)を添加した。該混合物を1時間の60℃に加熱した後、室温に冷却した。溶媒を除去し、粗残渣をカラムクロマトグラフィ(60分にわたりMeOH/CH2Cl2: 0-5%)を使用して精製し、4.7g(68%収率)の粗生成物を得た。その後、更なる精製をprep-HPLCにより実行し、白色固体として(S)-N-(2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミドを得た(0.3g、4.3%収率)。HPLC: HPLC: Hypersil DBS C8 カラム, 250 x 4.6 mm, 5 μm; 99/1〜85/15 15分以上の勾配 CH3CN/10 mM KH2PO4水溶液, 1.0 mL/分, 35 ℃, 実行時間 20 分: tR 11.84分。
【化12】

【0142】
(5.5 7-アミノ-2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン)
【化13】

ステップ1:
DMF(40mL)の2-ブロモメチル-6-ニトロ-安息香酸メチルエステル(4.0g、14.6mmol)、(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチルアミン(4.0g、14.6mmol)及びトリエチルアミン(4.4mL、31.6mmol)の溶液を80℃〜90℃で1日間加熱した。溶媒を真空内で除去し、油を得た。該油を酢酸エチル(150mL)及びHCl(2N、50mL)により抽出した。有機層をHCl(2N、2×50 mL)、水(2×50 mL)、鹹水(2×50 mL) で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空内で除去し、黄色油を得た。該油をエーテル(50mL)中でスラリー化し、懸濁液を得た。該懸濁剤を濾過し、エーテルで洗浄して、黄色固体として2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オンを得た(3.43g、54%収率):
【化14】

【0143】
ステップ2:
2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン(3.0g、6.9mmol)及びPd/C(10% 350mg)のメタノール/酢酸エチル(それぞれ150mL)の懸濁液を、水素(50-60psi)存在下Parrにおいて20時間振盪した。該懸濁液をセライトのパッドを通して濾過し、アセトン(300mL)で洗浄した。溶媒を真空内で除去し、固体を得た。該固体をメタノール(10mL)中で3時間スラリー化した。該懸濁剤を濾過し、メタノールで洗浄して、白色固体として7-アミノ-2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オンを得た(1.5g、55%収率):
【化15】

【0144】
(5.6 アッセイ)
(5.6.1 PDE 4阻害アッセイ)
PDE 4阻害は、当該技術分野において従来公知の任意の方法を使用するアッセイであり得る。例えば、Hill及びMitchell[Hill及びMitchell、Faseb J.、8、A217(1994)]の方法を一部修正したものを使用して、U937細胞(ヒトの前単球細胞株)を1×106細胞/mLに増殖させ、遠心分離で回収する。1×109個の細胞ペレットをリン酸緩衝液で洗浄した後、後の精製のために-70℃で凍結させ、又は冷却均質化バッファ(20mM Tris-HCI, pH 7.1、3mM 2-メルカプトエタノール、1mM 塩化マグネシウム、0.1mM エチレングリコール-ビス-(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N1,N1-四酢酸(EGTA)、1 μMフェニルメチルスルホニルフロリド(PMSF)、及び1 μg/mLロイペプチン)に直ちに溶解する。細胞はDounceホモジナイザにおいて20ストロークで均質化し、細胞質画分を含む上清を遠心分離により得る。その後、該上清を、均質化バッファで平衡化した Sephacryl S-200カラム上にのせる。粗ホスホジエステラーゼタイプ4酵素は、均質化バッファ中およそ0.5mL/分の速度で溶出し、画分はロリプラムを使用するホスホジエステラーゼ活性についてアッセイする。PDE 4活性を含む画分(ロリプラム感受性)をプールし、後の使用のために等分する。
【0145】
ホスホジエステラーゼアッセイをHill及びMitchellにより記載されている手順に基づいて実行する。アッセイは、様々な濃度の関心対象の化合物、50mM Tris-HCI, pH 7.5、5mM 塩化マグネシウム及び1μM cAMP(このうち1%は3H cAMPである。)を含む総量100μlで実行される。反応は30分間30℃でインキュベートした後、2分間沸騰させることにより終了させる。これらの実験のために使用する抽出物を含むPDE 4の量は、反応が線形範囲内にあり、かつ全基質の15%未満を消費するように、予定されている。反応の終結後、サンプルを4℃で冷やし、それから10mg/mLのヘビ毒10μlを用いて15分間30℃で処理する。使用されない基質は、その後、200μlの第四級アンモニウムイオン交換樹脂(AG1-X8、BioRad)を15分間添加することによって、除去される。その後、サンプルは3000rpm で5分間遠心し、計数のために50μlの水相を回収する。各データポイントは二回反復で実行し、活性はコントロールのパーセンテージとして表す。その後、化合物のIC50は、最低3件の独立した実験の用量反応曲線から決定される。
【0146】
(5.6.2 PMBCにおけるTNFα阻害アッセイ)
正常な寄贈者からの抹消血液単核細胞(Peripheral blood mononuclear cells)(PBMC)をフィコールハイパック(Pharmacia、米国NJ(ニュージャージ)州Piscataway)密度遠心によって得る。10%AB+ヒト血清(Gemini Bio-products、米国CA(カリフォルニア)州Woodland)、2mM L-グルタミン、100U/mlのペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン(Life Technologies)が補給されたRPMI 1640(Life Technologies、米国NY(ニューヨーク)州Grand Island)で細胞を培養する。
PBMC(2×105細胞)を96ウェル平底コースター組織培養プレート(Corning、米国NY(ニューヨーク)州)に3連で接種する。細胞を化合物の不在又は存在下で、最終濃度1ng/mlのLPS(サルモネラ・アボルタス・エクイ(Salmonella abortus equi)、Sigmaカタログ番号L-1887、米国MO(ミズーリ)州St.Louis)で刺激する。本明細書で提供する化合物をDMSO(Sigma)に溶解させ、使用直前に培地でさらなる希釈を行う。すべてのアッセイにおける最終DMSO濃度は約0.25%であり得る。LPS刺激の1時間前に化合物を細胞に添加する。次いで、細胞を5%CO2において37℃で18〜20時間インキュベートし、次いで上清を回収し、培地で希釈し、ELISA(Endogen、米国MA(マサチューセッツ)州Boston)によりTNFαレベルについてアッセイする。最高値を100%に制限し、最低値を0%に制限し、可変勾配を可能にする非線形回帰シグモイド用量反応(non-linear regression, sigmoidal dose-response)(GraphPad Prism v3.02)を用いてIC50を計算する。
【0147】
(5.6.3 様々なPDE4阻害関連アッセイ)
(5.6.3.1 PBMC精製及び刺激)
健常な供血者(ニュージャージー血液センター, East Orange, NJ)からのヒト白血球単位を無菌のハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で1:1希釈し、室温においてFicoll-Paque Plus(GE Healthcare)で遠心分離して、末梢血単核細胞(PBMC)を得る。PBMCをHBSSで洗浄し、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)完全培地(RPMI 1640、BioWhittaker、Walkersville博士)、5% ヒト血清、100U/mlペニシリン、100mg/ml ストレプトマイシン、2mM L-グルタミン)に再懸濁し、計数する。100μlのPBMC (2×106/ml)を96ウェル平底プレートの各ウェルに加え(最終的な細胞数= 2×105/ウェル)、37℃で1時間インキュベートする。50μl(4×)の化合物を各試験ウェルに加え、1% ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む50μlの培地を各コントロールウェルに加える([DMSO]終濃度=0.25%)。プレートを37℃で1時間インキュベートする。その後、細胞は4ng/mlのサルモネラ・アボルタス・エクイイ(Salmonella abortus equii)由来のリポ多糖(LPS) (Sigma) 50μl([LPS]終濃度=1 ng/ml)で刺激し、37℃で18時間インキュベートする。スーパー抗原による刺激のために、PBMCを完全培地中3×105細胞/ウェルで96ウェル組織培養プレートにおき、化合物で1時間37℃で前処理した後、100ng/ml スタフィロコッカスのエンテロトキシンB(SEB) (Toxin Technology, Sarasota, FL)で18時間刺激する。
【0148】
(5.6.3.2 定量的逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応)
細胞を回収し、RNA単離を製造業者の指示に従って実行する(例えば、RNeasy、Qiagen、Valencia、CA)。製造業者のプロトコルに従って、各サンプルについて1μgのRNAからcDNAに変換する逆転写を実行する(例えば、RTキット, Applied Biosystems, Foster City, CA)。サンプル当たり50ngのcDNAを使用する遺伝子発現解析のために定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する。標的遺伝子及び内在性グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)コントロールの遺伝子発現アッセイは、例えばApplied Biosystems製であってよい。発現は、リアルタイムPCRシステム7500(Applied Biosystems)で測定する。相対的定量は、例えばSDS v.1.3.1ソフトウェアにより算出する。
【0149】
(5.6.3.3 サイトカイン及びケモカインタンパク質解析)
各ウェルからの50μlの上清を新しい丸底96ウェルプレートに移し、Luminex IS100計測器(Luminex Corporation、Austin、TX)を使用する血球計算ビードアレイによるサイトカイン解析のために-20℃で保存する。Luminex xMAP Technology(Millipore)のための抗体結合ビーズを用いるLincoPlexキットをアッセイ前に多重フォーマットに組み合わせる。Upstate Beadviewソフトウェアを使用してデータアッセイを実施する。SEB刺激されたPBMCからのIL-2及びIFN-γレベルを酵素結合免疫吸着検定法(ELISA) (R&D Systems)により測定する。
【0150】
(5.6.3.4 PMN単離及び刺激)
多形核細胞(PMN)は、PBMCを除去するFicoll勾配遠心分離を使用するPBMCからの分離により、ヒト白血球から単離される。赤血球は、3% デキストランにおける沈降、及びその後の0.2% 食鹹水中での低張性溶解により除去される。最後に、HLAクラスII磁気ビーズを使用して、全ての混入している単球を枯渇させる。PMN(3×105細胞/ウェル)を用量設定した化合物で1時間前処理した後、様々な用量のザイモサンA粒子(熱殺した出芽酵母(S. cerevisiae))で刺激する。硫酸ポリミキシンB(終濃度40nM)をすべてのサンプルに加え、全ての混入しているLPSを中和する。一晩の培養の後、上清を回収し、ELISAによりIL-8についてアッセイする。
【0151】
LTB4産生について、PMNは、10mMの4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(pH = 7.2)を含みカルシウム又はマグネシウムを含まないリン酸緩衝液(BioWhittaker)中に再懸濁し、1.7×106細胞/ウェルの濃度で96ウェル組織培養プレートに置く。細胞は、50μM チメロサール(Sigma)/1mM CaCl2/1mM MgCl2で15分間、37℃、5% CO2で処理した後、10分間二回反復で終濃度0.01%のDMSO中の化合物で処理する。PMNは、1μM ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLF、Sigma)で30分間刺激した後、メタノール(終濃度20%)の追加で溶解し、ドライアイス/イソプロパノール浴槽において10分間凍らせる。溶解物は、LTB4量が競合LTB4 ELISA(R&D Systems)により測定されるまで、-70℃で保存される。
CD18/CD11b(Mac-1)発現について、PMNは、化合物で10分間前処理し、N-ホルミル-Met-Leu-Phe(fMLF)で30分間刺激した後、氷上に置き、抗CD18-FITC及び抗CD11b-PEで染色し、蛍光標示式細胞分取器(FACS) Caliburフローサイトメータ(BD Biosciences)を使用するフローサイトメトリーにより解析される。
【0152】
内皮細胞に対する好中球の接着を測定するために、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC、Anthrogenesis社、Cedar Knolls、NJ)は、プレートへのHUVECの接着を確実にするために、実験の4日前に、2% FBSを含む培地中96ウェルプレート(ウェル当たりの5×103細胞)上に置いた。実験の日に、好中球をヒトの白血球から単離し、蛍光色素カルセイン(Calcein)-AM(Molecular Probes, Oregon)で1時間ラベルする。ラベルされた好中球(ウェル当たり2×105)を接着したHUVECに加え、5% CO2の加湿インキュベータにおいて化合物を用いて37℃で10分間前処理する。fMLFを加え、HUVECに接着した好中球を30分間誘発させる。細胞を2% グルコース含有PBSで洗浄して非接着好中球を除去し、付着した好中球の数を蛍光計で測定する。
IL-8産生アッセイについて、PMNは、完全培地中3×105細胞/ウェルで96ウェル組織培養プレートに置き、DMSO中終濃度0.1%の化合物を用いて二回反復で1時間、37℃、5%CO2で処理する。PMNはその後、非オプソニン化された煮沸ザイモサンA(Sigma)を用いて2.5×105粒子/ウェルで18時間刺激する。上清を回収し、ELISA(R&D Systems)によりIL-8について試験する。
【0153】
(5.6.3.5 NK細胞精製及び刺激)
NK細胞は、ネガティブ選択(StemCell Technologies社)によるNK細胞富化のためのRossetteSepカクテルを用いた30分のインキュベーション、及びその後のフィコール・ハイパック密度勾配遠心分離により、健常な供血者由来の白血球単位から単離される。CD56+ NK細胞は、フローサイトメトリーにより測定される〜85%純度に単離される。平底プレートは、100μg/mLのヒトIgG(Sigma)を用いて4℃で終夜コートする。未結合IgGを洗い流す。NK細胞は2×105細胞/ウェルで96ウェルプレートに置き、10ng/mLのIL-2(R&D Systems, Minneapolis MN)を添加する。それから試験化合物をプレートウェルに加える。48時間のインキュベーション後、上清を回収し、TNF-α、IFN-γ、GM-CSF及びMIP-1αのレベルについてELISA(R&D Systems)により解析する。
【0154】
(5.6.3.6 ケラチン産生細胞増殖、TNF-α産生及び生存度)
増殖研究について、ヒトの新生児包皮表皮ケラチン産生細胞(HEKn細胞)をCell Applications社(San Diego、CA)から得、3000細胞/ウェルで96ウェル平底組織培養プレートに2日間置く。細胞増殖は、細胞計数キット(Dojindo Molecular Technologies社, Gaithersburg, MD) を使用して測定される。TNF-α産生及び生存度研究について、HEKn細胞をCascade Biologics(Portland、OR)から得、成長因子を補充した無血清培地で増殖させる。細胞が80% 集密度に到達したとき、細胞をトリプシン処理し、6ウェルディッシュに1×105細胞/ウェルで置く。プレートを24時間インキュベートして細胞接着させる。HEKn細胞は、312ナノメートルUVBバルブにより較正されたUV Stratalinker 2400(Stratagene、La Jolla、CA)における50mJ/cm2での紫外線B(UVB)照射前1時間、試験化合物又はビヒクルコントロールとして0.1% DMSOで処理する。培地及び化合物を置き換え、細胞を18時間インキュベートする。TNF-α ELISA試験のために上清を除去した後、生存度のアッセイのために100μlのアデノシン三リン酸(ATP)-lite試薬(PerkinElmer Life and Analytical Sciences, Shelton, CT)を各ウェルに添加する。溶解物をプレートに移し、2分間振盪した後、化学発光がTopCount NXT Luminescence Counter(PerkinElmer Life and Analytical Sciences)で読み込まれる。
【0155】
(5.6.4 細胞増殖アッセイ)
細胞株ナマルバ(Namalwa)、MUTZ-5及びUT-7をDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(ドイツBraunschweig)から入手する。細胞株KG-1をアメリカンタイプカルチャーコレクション(米国VA(バージニア)州Manassas)から入手する。以下のように、すべての細胞株において、3H-チミジン導入によって示される細胞増殖を測定する。
培地中ウェル当たり6000個の濃度で細胞を96ウェルプレートに接種する。72時間にわたって、5%CO2の加湿インキュベータにおいて、37℃で約0.25%DMSOに対する終濃度が約100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001及び0μMの化合物で細胞を3連で前処理する。次いで、1マイクロキュリーの3H-チミジン(Amersham)を各ウェルに添加し、細胞を6時間にわたって5%CO2の加湿インキュベータにおいて、37℃で再びインキュベートする。細胞回収器(Tomtec)を使用して、細胞をUniFilter GF/Cフィルタプレート(Perkin Elmer)上に回収し、プレートを終夜乾燥させる。マイクロシント20(Packard)(25μl/ウェル)を添加し、プレートをTopCount NXT(Packard)でアッセイする。各ウェルを1分間にわたって計数する。3連のすべてを平均し、DMSO対照(0%阻害率)に対して正規化することによって細胞増殖の阻害率を計算する。各化合物を各細胞株において3つの個別の実験で試験する。最高値を100%に制限し、最低値を0%に制限し、可変勾配を可能にする非線形回帰シグモイド用量反応(GraphPad Prism v3.02)を用いて最終IC50を計算する。
【0156】
(5.6.5 細胞周期アッセイ)
細胞をDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で終夜処理する。製造元のプロトコルに従ってCycleTEST PLUS(Becton Dickinson)を使用して、細胞周期のためのヨウ化プロピジウム染色を行う。染色後、ModFit LTソフトウェア(Becton Dickinson)を使用して、FACSCalibur流動細胞計によって細胞をアッセイする。
【0157】
(5.6.6 アポトーシスアッセイ)
細胞を様々な時点においてDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で処理し、次いでアネキシン-V洗浄緩衝液(BD Biosciences)で洗浄する。細胞をアネキシン-V結合タンパク質及びヨウ化プロピジウム(BD Biosciences)とともに10分間インキュベートする。流動細胞数測定を用いてサンプルをアッセイする。
【0158】
(5.6.7 抗増殖アッセイ)
1日目:
細胞は、10%FBS RPMI(w/グルタミン、w/oペン-ストリップ)中50ul/ウェルで一晩96ウェルプレートに播種する。以下の細胞が使用される:
結腸直腸癌細胞:Colo 205 3200細胞/ウェル;ポジティブコントロール イリノテカン
膵臓癌細胞:BXPC-3 1200細胞/ウェル;ポジティブコントロール ゲムシタビン
前立腺癌細胞:PC3 1200細胞/ウェル;ポジティブコントロール ドセタキセル
乳癌細胞:MDA-MB-231 2400細胞/ウェル;ポジティブコントロール パクリタキセル
【0159】
2日目:
化合物は50μl/ウェル(2×)で0.00001μM〜10μ(又は0.000001μM〜1μM)に連続希釈し、相対的なポジティブコントロールを用いて二回反復でプレートに加える。その後、該プレートを37℃で72時間インキュベートした。
【0160】
5日目:
結果をCellTiter Glo法により検出する。100μl/ウェルのCellTiter Glo試薬をプレートに加え、10分間室温でインキュベートし、その後Top Countリーダーで解析する。各化合物のIC50は、典型的に2以上の個々の実験の結果に基づく。
【0161】
(5.7 PDE 4阻害)
PDE 4を阻害する特定化合物の能力は、上記の第5.6.1節及び第5.6.3節に記載されるものと実質的に同様の手順を使用して、決定した。
試験化合物には以下のものを含んだ:(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;(S)-N-(2-(1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;(S)-N-(2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;及び、7-アミノ-2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン。当該試験により、該試験化合物のIC50値が約2〜約85μMの範囲にあることが決定された。
【0162】
(5.8 TNFα阻害)
TNFαを阻害する特定化合物の能力は、上記の第5.6.2節に記載されるものと実質的に類似する手順を使用して、決定した。
試験化合物には以下のものを含んだ:(2S,3S,4S,5R,6R)-6-(2-(2-((S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イルアミノ)-2-オキソエトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸;(S)-N-(2-(1-(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;(S)-N-(2-(1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;(S)-N-(2-(1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-3-オキソイソインドリン-4-イル)シクロプロパンカルボキサミド;及び、7-アミノ-2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メタンスルホニル-エチル]-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン。
IC50が約0.6μMであると決定された1つの試験化合物を除いて、当該試験化合物のIC50値は決定されなかった。他の試験化合物について、 10μMの阻害割合を決定した。当該化合物の各々が10μMである場合、TNFαの約30〜約45パーセントの阻害が観測された。
【0163】
上記の本発明の実施態様を単なる例示であることを意図し、当業者であれば、単に慣例の実験を用いて、具体的な化合物、材料及び手順の多くの同等物を認識し、又は確認することができるであろう。すべての当該同等物を本発明の範囲内にあると考えられ、添付の請求項に包含する。
本明細書に言及されている特許、特許出願及び文献のすべてが、全面的に本明細書に組み込まれている。本出願における任意の参考文献の引用又は特定を当該参考文献が本発明に対する先行技術として使用可能であることを認めるものではない。本発明の全範囲を添付の請求項を参照することによってより深く理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体:
【化1】

式中、
R1は、水素、グルクロニド(「gluc」)、又は(シクロプロピル)-C(O)-であり、式中、シクロプロピルは1以上のヒドロキシル基で置換でき;
R2は、水素、メチル、又はglucであり;
R3は、水素、エチル、又はglucであり;かつ、
R4は、水素、ヒドロキシル、又は-O-glucであり;
但し、R2がメチルであり、かつR3がエチルである場合、R1は非置換(シクロプロピル)-O-でないことを条件とする。
【請求項2】
R1が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が(シクロプロピル)-C(O)-である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R2が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R2がメチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R2がglucである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R3が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R3がエチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R4がヒドロキシルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
R4が-O-glucである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
以下の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体である、請求項1記載の化合物:
【化2】


【請求項12】
以下の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体である、請求項1記載の化合物:
【化3】


【請求項13】
請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む、医薬組成物。
【請求項14】
疾患又は障害を治療、管理又は予防する方法であって、請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは立体異性体を患者に投与することを含み、該疾患又は障害が、癌、血管新生を伴う障害、疼痛、黄斑変性若しくは関連症候群、皮膚病、肺障害、アスベスト関連障害、寄生虫病、免疫不全障害、CNS障害、CNS損傷、アテローム性動脈硬化症若しくは関連障害、機能不全性睡眠若しくは関連障害、異常ヘモグロビン症若しくは関連障害、又はTNFα関連障害である、前記方法。

【公表番号】特表2013−515073(P2013−515073A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546129(P2012−546129)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061420
【国際公開番号】WO2011/079091
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(500026935)セルジーン コーポレイション (41)
【Fターム(参考)】