(1−4)結合したβ−D−マンヌロン酸からの哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類の経口免疫賦活
【課題】アルギン酸塩を用いて、魚の体重増加を賦活する方法もしくはその材料を提供する。
【解決手段】少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料およびその材料を用いた魚の体重増加を賦活する方法。
【解決手段】少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料およびその材料を用いた魚の体重増加を賦活する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、少なくとも40%の(1−4)結合したβ−D−マンヌロン酸含量を有する、免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活材料に関する。本発明はまた、哺乳類、鳥、魚、または爬虫類に本発明の材料を経口投与することを含む、哺乳類、鳥、魚、または爬虫類の免疫系を賦活する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギン酸塩は褐藻から単離される。アルギン酸塩はまた、アゾトバクタービネランディ(Azotobacter vinelandii)およびアゾバクタークロコカム(Azotobacter crococcum)等の土壌細菌およびいくつかの異なるシュードモナス属(Pseudomonas Sp.)において産生される。しかしながら、褐藻は、一般に市販のアルギン酸塩の供給源である。
【0003】
アルギン酸塩は、アルギン酸の塩であって、本明細書中ではMと称する(1−4)結合したβ−D−マンヌロン酸、および本明細書中ではGと称するα−L−グルロン酸からなる直鎖状のヘテロ多糖である。これら2種のウロン酸は次式を有する:
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
これらのポリマーは、Mブロックと称するマンヌロン酸のホモポリマー配列、Gブロックと称するグルロン酸のホモポリマー配列、およびMGブロックまたは交互ブロックと称するマンヌロン酸とグルロン酸ユニットの混合配列として存在する。アルギン酸塩の構造を以下のスキームで示す:
【0007】
【化3】
【0008】
アルギン酸塩は通常、3つのタイプのブロックすべてを含有し、1つのブロックの大半は3〜30のモノマー単位からなっている。これらブロックの分配はアルギン酸塩が単離される藻のタイプならびに藻類の年齢および部位に依存し、たとえば茎からのアルギン酸塩は葉から単離されたアルギン酸塩とは異なる配列およびブロック組成を有する。藻類を収穫した年もブロック組成および配列に影響する。一般的な知識によれば、最も高いG含量は古いハイパーボレア(L.hyperborea)の茎に見出され得る。同種の葉は幾分低いG含量および幾分短いGブロックを有するが、その含量は他の大半の種よりも高い。市販のアルギン酸塩は通常25〜70%のG含量を有する。
【0009】
アルギン酸塩は、食品に、ならびに薬学的、歯科的、化粧用、および他の工業製品に使用されることが既知である。最も一般的な工業用途はそれらのヒドロコロイド特性および高分子電解質特性に基づいており、これはゲル形成、増粘、安定化、膨潤および粘度付与の性質のベースを形成する。
【0010】
M含量に富んだアルギン酸塩はまた、米国特許第5,169,840号に記載されるとおり、ワクチンアジュバントとして有用な免疫賦活活性および創傷治癒組成を有することが示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
[発明の概要]
本発明は、少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活材料に関する。
【0012】
本発明はまた、免疫賦活量の免疫賦活摂取(ingestible)材料を上記哺乳類、鳥、魚、および爬虫類に経口投与することを含む、哺乳類、鳥、魚、および爬虫類の免疫系を賦活する方法に関し、上記材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む。
さらに具体的には、
(1)免疫賦活量の、少なくとも40%のマンヌロン酸(M)含量を有するアルギン酸塩、および許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(2)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、前記魚の免疫系を賦活する方法であって、該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法、
(3)免疫賦活量の、少なくとも80%のM含量を有するアルギン酸塩、および許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該アルギン酸塩が、ダービリア海草を水に混合かつ膨潤させること、少なくとも30分間、約20℃を超える温度で、約2.3を超えるpHに維持すること、ダービリア海草と水との混合物から可溶化フラクションを単離すること、および酸、塩、またはアルコールでの沈殿により該可溶化フラクションから前記少なくとも80%のM含量を有するアルギン酸塩を回収することにより作られ、該材料は(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(4)免疫賦活量の賦活材料を魚に経口投与することを含む、免疫賦活を通して魚の体重増加を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の体重増加を賦活する方法、
(5)免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(6)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法、
(7)免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含むが、ただし該アルギン酸塩が合成的に作られるか、または海草もしくは細菌源から単離されるかのいずれかである、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(8)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、前記魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含むが、ただし該アルギン酸塩は合成的に作られるか、または海草もしくは細菌源から単離されるかのいずれかであり、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法。
(9)少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む材料を、魚に経口投与して体重増加を賦活する方法であって、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、方法、である。
【0013】
以下の略語が図面で使用される;ダービリア(Durvillea)水抽出物=DWE、ダービリア標準抽出物=Std.DA、レッソニア(Lessonia)標準抽出物=Std.LN。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】12週の期間にわたり本発明のアルギン酸塩を含む餌を与えられたブタの重量増加を示すグラフである。
【図2】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおける全白血球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図3】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおける単球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図4】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおけるリンパ球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図5】ダービリア水抽出物を給餌されたブタからの血液を用いて測定された食作用のレベルを、対照との比較として示す。
【図6】ダービリア水抽出物を給餌されたブタからの血液を用いて測定された活性酸素生成を、対照との比較として示す。
【図7】ダービリア標準抽出物、ダービリア水抽出物、およびレッソニア標準抽出物を給餌されたブタについて、注射されたヒト血清アルブミン実験用ワクチンに対する免疫応答を、対照との比較として示す。
【図8】60日の期間にわたりダービリア水抽出物を含む餌を経口で給餌されたスポッティドウルフフィッシュの比成長速度(1日あたりの成長%)を対照群の比成長速度と比べて示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の詳細な説明]
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩は、本発明において、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活体として利用される。より詳細には、50%〜70%(レッソニア、ダービリア、およびラミナリア(Laminaria)由来など);70%〜80%(ダービリア由来など)および80%〜99.9%(細菌および例えば、以下の実施例に従って調製されるようなダービリアなどのアルギン酸塩の水抽出物に由来など)のM含量を有するアルギン酸塩が使用され得る。これらのアルギン酸塩は、異物による細胞攻撃および細胞の物理的損傷により引き起こされる疾患または外傷に対して、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類の免疫応答を賦活する。異物として、微生物、粒状物質、化学剤などが挙げられる。物理的損傷として、機械的創傷(擦過傷、裂傷、挫傷、創傷など)が挙げられる。
【0016】
本発明の経口免疫賦活材料および方法は、少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩を利用する。免疫賦活量は、免疫賦活材料を摂取することになっている被検体および必要な免疫賦活レベルに応じて変化し得る。例えば、制限することなく、魚の寿命(life)の最初の60日間、2〜20mgのアルギン酸塩/魚を経口投与する。もちろん、より成熟した魚はより多くの量を必要とするだろう。
【0017】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む経口免疫賦活材料は、薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形(錠剤、カプレット(caplets)、カプセル剤など)または粉末もしくは液体配合物であってもよい。これはまた、任意の型の、哺乳類、トリ、魚、または爬虫類消費用の固体または液体食(ペットフードなど)であってもよい。これはまた、固体、半固体、または液体の栄養補助物(フードバー、飲み物など)であってもよい。
【0018】
許容可能なキャリアは、薬学的、獣医学的、または栄養補助的な液体もしくは固体剤形、液体、固体および半固体食、ならびに液体および固体栄養補助物に従来から使用されるもののいずれかであり得る。
【0019】
実施例で以下に実証されるように、本発明のアルギン酸塩の免疫賦活活性は、対照と比較して、アルギン酸塩を摂取している哺乳類(ブタで以下に実証されている(図1参照))および魚(スポッティドウルフフィッシュ(spotted wolffish)で以下に実証されている(図8参照))で体重増加を賦活することもまた見いだされている。この態様は、そのようなアルギン酸塩が若い哺乳類に経口で与えられる場合に、特に有用でありかつ望ましい。したがって、本発明はまた、免疫賦活量の免疫賦活材料を哺乳類、鳥、魚、または爬虫類に経口投与することを含む、免疫賦活を通じた哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類の体重増加を賦活する方法に関し、ここで材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む。より詳細には、この方法はまた、50%〜70%、70%〜80%、または80%〜99.9%のM含量を有するアルギン酸塩の投与を含む。免疫賦活材料は、上記に記載されるもののいずれであってもよい。
【0020】
本発明の経口免疫賦活材料は、合成的にもたらされるか、またはアルギン酸塩産生細菌種もしくは海草源のいずれかから単離される、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み得る。
【0021】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩は、当該技術分野で既知の多くのプロセスにより海草から得られ得る。要求されるM含量を有するアルギン酸塩の出発物質は、藻類または海草、特に褐藻類であり、これは一般にフェノールを定着させて藻類を保存するために、ホルムアルデヒドで処理される。さらに、藻類は、高粘度のラミナランおよびフコグリカン(fucoglycans)を除去するために酸で洗われ得る。好ましくは、それらはまた、発熱物質の含量を減少させるために、アルカリで処理され得る。藻類は任意の既知の様式で前処理され得ることが理解される。市販のアルギン酸塩、最も好ましくは乾燥して破砕されたダービリア種の藻類が使用され得るが、ダービリア、ラミナリア、レッソニア、エクロニア(Ecklonia)、マクロシスティス(Macrocystis)、またはアスコフィラム(Ascophyllum)の新鮮な、全体または破砕されていない藻類もまた、出発物質として適している。
【0022】
そのようなアルギン酸塩を生成するプロセスが、例えば、Greenの米国特許第2,036,934号、およびLe Gloahecの米国特許第2,128,551号に記載されており、そしてそのようなプロセスを、援用して本明細書の一部とする。本発明に有用な、アルギン酸塩を得る他の方法は、本明細書中以下、実施例で提供される。例えば、本発明のアルギン酸塩はまた、膨潤工程(少なくとも30分間、20℃より高い温度で、約2.3より高いpHを維持する)で高いM含量を有するアルギン酸塩源を水と1:3〜1:20の比で混合すること、および可溶化アルギン酸塩フラクションを濾過により固体材料から単離することによる、水抽出プロセスを用いて調製され得る。要求されるM含量を有するアルギン酸塩は、酸、塩、またはアルコールでの沈殿により、溶液から回収され得る。
【0023】
以下に記載される実施例は、本発明の態様の代表的な例を含む。実施例は、本発明の範囲を制限することを意味せず、むしろ例示の目的で機能する。他に示されない限り、全ての割合、パーセントなどは、重量によるものである。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
異なるダービリア種、D.ポタトルヌ(D.potatorum)(粉砕)(試料1)、およびD.アンタルクティカ(D.antarctica)(未粉砕)(試料2)からの出発原材料に、以下の表に記載される量で水を加え、3.5時間、55℃の温度で、時々手で攪拌した。周辺温度で一晩置いた後、藻類を55℃で1時間、2度抽出し、次いで2.5mlのホルムアルデヒドを加えて抽出を1時間続けた。
【0025】
【表1】
【0026】
次いで、懸濁液を60メッシュのフィルターで濾して、過剰の水で2回洗った。次いで溶液を、吸引漏斗で濾過助剤を用いて、その後グラスフィルターのプレフィルターで濾過した。次いで溶液を10℃に冷却させ、次いでNaClを0.5%濃度まで加えた。その後、磁気撹拌しながら、pH1.8まで希5.5M塩酸を滴下した。白色沈殿物が形成された。30分間10℃に維持した後、懸濁液を120メッシュのフィルター布で濾し、そして手で圧縮して、ペースト状の黄色の固まりを得て、これは圧縮後細かい線維になった。酸材料を全て250MLの容器に移し、そして水を加えて200mlにしてから、磁気撹拌しながら、固体ソーダ灰でpH7に中和した。溶液をもう一度、硝酸セルロースの0.8ミクロンフィルター膜で濾過した。濾液を10℃に冷却し、そして1:1の比のイソプロピルアルコールで沈殿させた。形成した線維を、70体積%イソプロピルアルコールで1回、次いで2回目は100体積%イソプロピルアルコールで洗った。線維をハサミで取り出して凍結乾燥させた。結果を以下の表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
以下の表は、この実施例のプロセスに従って、他の海草試料から調製されたMの収率を示す。
【0031】
【表5】
【0032】
(実施例2)
70メッシュより大きい粒子に破砕した1996年8月のダービリア・アンタルクティカからの試料を、出発物質として使用した。乾燥させた藻類30グラムを容器に量り取った。100mlの0.2MのHClを加え、そして材料を水で500mlに希釈した。撹拌して数分後、pHが2.3よりも上がったので、酸を加えてpHを2.3未満(PH1.8)に維持した。2分後、2.5mlの0.2MのHClを加えた。pHを常にpH2.3より低く、pH1.8に維持した場合、純水で膨潤させるのと比較して、材料はほとんど膨潤しなかった。1時間膨潤後、材料を、60メッシュの濾過布で濾し、手で圧縮し、そして容器に移した。次いで、得られる材料に500mlの水および50mlソーダ灰/水酸化ナトリウム溶液を加え、そして55℃で1時間抽出した。材料は非常に速く膨潤し、そしてペーストまたはパルプのようにどろどろになった。これを、次の日まで周辺温度に置いておいた。次いで、材料を55℃で1時間さらに抽出し、次いでミキサーユニットで破砕した。総量は、549グラムの重さになった。150グラムの材料を、撹拌しながら700グラムの水で希釈した。次いで、濾過助剤を加えた後、溶液を、水吸引からの減圧により、濾紙で濾過した。濾液の量は、測定すると564グラムとなり、これを10℃に冷却した。これに塩化ナトリウムを0.5%まで加え、そして希塩酸(1:1)を滴下してpHを1.6に調整した。柔らかい沈殿物が形成された。次いで、材料を120メッシュ濾過布で濾し、そして手で注意して圧縮した。次いで、材料を水に懸濁させ、そして20℃の温度で、約200mlの体積に希釈した。磁気攪拌を使用して、溶液のpHを固体ソーダ灰粉末で7に中和した。ガラス棒で攪拌することにより、同等の割合のイソプロピルアルコールで溶液が沈殿した。沈澱した線維を、70体積%イソプロピルアルコール溶液で1回洗った。次いで、純粋な100体積%イソプロピルアルコールで再度洗った。120メッシュ濾過布で濾して圧縮した後、線維をハサミで取り出し、次いで一晩真空で凍結乾燥させた。収量は、重さ1.04グラムのアルギン酸塩となり、ダービリア・アンタルクティカ出発物質から3.6重量%に相当した。M含量は、70%であり、そしてアルギン酸塩のブロック分布はNMRにより以下のように測定された。
【0033】
【表6】
【0034】
(実施例3)
抽出前工程において塩を加えることにより、マンヌロン酸の含量をさらに増加させることが可能である。1996年8月のチリからのダービリア・アンタルクティカ(破砕された>70メッシュの粗い粒子)藻類20グラムに500mlの水およびある量のNaClを加え、そして攪拌速度140rpmで、温度20℃で2時間、ジャー(Jar)検査機械での攪拌下、抽出した。以下の表に記載されるとおりの溶液濃度まで塩を加えた。
【0035】
【表7】
【0036】
次いで、材料を400メッシュ濾過布で濾して、手で圧縮した。以下の表に与えられるように、濾した溶液の重さを計り、そしてpHを測定した。
【0037】
【表8】
【0038】
次いで、濾した溶液を濾紙を用いて漏斗で減圧(水吸引ポンプ)濾過した。濾液の粘度をガラス管で測定し、その結果を以下の表に示す。
【0039】
【表9】
【0040】
濾液を15℃以下に冷却し、そして磁気攪拌機で撹拌しながら、試料それぞれに、pHが1.8〜2.0に達するまで5.5Mの塩酸を滴下した。線維状の沈殿が形成された。次いで、沈殿物を400メッシュ濾過布で濾して手で圧縮した。次いで、アルギン酸を水で希釈して、完全に溶解するまで、攪拌しながら固体ソーダ灰でpH6〜7に中和した。次いで、溶液を冷却し、そして同等の割合のイソプロピルアルコールで沈殿させた。その後、70体積%のイソプロピルアルコールで洗い、そして純粋な100体積%のイソプロピルアルコールで繰り返し洗った。沈澱した繊維を、ハサミで取り出して容器に移し、そして真空で一晩凍結乾燥させた。結果を以下の表に示すが、ここで、アルギン酸塩の損失はなく、そして全てのアルギン酸塩が加えた水に溶解すると仮定して、収量を計算した。
【0041】
【表10】
【0042】
(実施例4)
別々のフラクション中のマンヌロン酸含量は、CaCl2を加えることによりさらに増加した。出発物質は、>70メッシュの粗い粒子に破砕された、チリ産のD.アンタルクティカであった。抽出前工程の量および条件は、以下の表に記載される。抽出前工程を、ジャー検査機で約140rpmでの攪拌下行った。
【0043】
【表11】
【0044】
次いで、材料を400メッシュフィルターで濾して手で圧縮した。次いで、溶液を約30℃に加熱し、そして減圧吸引フラスコで濾紙を用いて濾過した。
【0045】
【表12】
【0046】
次いで、溶液を10℃に冷却して、0.5%まで塩化ナトリウムを加えた。次いで、注意して磁気攪拌しながら、pH1.8まで、5.5MのHClを滴下して加えた。白色沈殿物が形成された。次いで、材料の懸濁液を30分放置し、そして400メッシュ濾過布で濾して手で注意して圧縮した。材料は、ペースト状の黄色の塊で、これは圧縮後、光沢のある細かい繊維になった。次いで、酸材料を250mlの容器に移して水を加えて200mlにし、次いで、磁気攪拌しながら固体ソーダ灰でpH7に中和した。次いで、濾液を10℃に冷却して、1:1の比で100体積%のイソプロピルアルコールを用いて、攪拌で沈殿させた。巨大繊維が沈殿した。繊維を70体積%イソプロピルアルコールで2回、そして最後に100体積%イソプロピルアルコールで洗った。次いで、繊維をハサミで取り出し、その後真空下で一晩凍結乾燥させた。結果を、収率を示す表9および表10に示す、80%より多いMを含むアルギン酸塩中のマンヌロン酸含量の増加は、塩が加えられなかった場合には最大91%であったのが、塩が抽出前工程に加えられた場合には最大95%であった。
【0047】
【表13】
【0048】
【表14】
【0049】
(実施例5)
6腹からの、平均初期重量13.07kg(STD1.98)である、全部で48匹の交雑した[(ノルウェジアン・ランドレース(Norwegian Landrace)×ヨークシャ(Yorkshire))×ノルウェジアン・ランドレース]35〜38日齢の乳ばなれしたばかりのブタを、実験給餌研究のため4つの群に分け、そして環境を制御した保育舎に置いた。最初に、2.5m×2.5mの囲いあたり4匹のブタで、ブタを飼育した。給餌の6週間後、ブタを、個別の給餌区画のある15平方メートルの囲いに、囲いあたり6匹のブタで、移した。ブタには、無制限に、餌および水を取らせた。週1回の頻度で、個別にブタの重さを量った。ブタには、囲いに適合するための4日間の準備期間と標準的な市販の離乳用のブタの餌を取らせた。市販の餌(13%の水分含量)は、成長に必要なビタミンおよびミネラルで強化され、約18〜19%の原タンパク質含量、14〜15%の消化性タンパク質含量、40〜50%のデンプン含量、および約2.6%の原脂肪含量を有した。
【0050】
市販の餌への最初の適合後、それぞれ12匹のブタからなる4つの群に、異なる食事を10週間与えた。研究の最後の2週間、ブタは全て、市販の餌が与えられた。対照群のブタには、標準的な市販の餌を給餌したが、一方他の3つの群のブタには、1.25%(w/w)のアルギン酸塩が配合されている、同じ市販の餌を給餌した。検査した3種のアルギン酸塩は、1.ダービリア・アンタルクティカ水抽出物(89%のM)、2.ダービリアンタルクティカ標準抽出物(63%のM)、および3.レッソニア・ニグレッセンス標準抽出物(55%のM)であった。固有粘度および1H NMR分光測定により特性決定されるとおりのこれらのアルギン酸塩粉末は、以下のとおりにさらに記載される:
【0051】
ダービリア・アンタルクティカ標準抽出物は、7.0g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、210,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このダービリアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.63、およびグルロン酸(G)単位で0.37のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.44であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.18であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.19であった。
【0052】
高いM含量を有するアルギン酸塩フラクションの選択的沈殿により得られた、ダービリア・アンタルクティカ水抽出物、すなわちダービリア水抽出物は、4.7g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、85,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.88、およびグルロン酸(G)単位で0.12のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.80であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.04であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.08であった。
【0053】
レッソニア・ニグレッセンス標準抽出物は、13.4g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、370,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このレッソニアアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.55、およびグルロン酸(G)単位で0.45のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.35であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.25であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.20であった。
【0054】
アルギン酸塩固有粘度を、「固定化材料としてのアルギン酸塩−いくつかの分子および機能性についての研究(Alginates as immobilization materials - A study of some molecular and functional properties」(Martinsen, Anita) Thesis; NTH-University of Trondheim, 1990に開示される方法を用いて決定した。重量平均である分子量を、固有粘度データおよびマーク・ホーウィンク式に基づいて推定した。単量体の組成および配列の並び順を、Grasdale等著「アルギン酸塩中のウロン酸残基の組成および配列のNMR研究(A NMR studie of composition and sequence of uronate residues in alginate)」、Carbohydrate research 1979; 68: 23 、および H. Grasdalen著「アルギン酸塩の高磁場1H NMR分光法:配列構造および結合配座(High Field 1H NMR spectroscopy of alginate: sequential structure and linkage conformation)」、 Carbohydrate Research, 1983 ; 118 : 255に記載されるように、Brucker400WM分光計で1H−NMR分光法により分析した。
【0055】
給餌の2週間後、ブタを免疫化し(7週齢で)、そして4週間後にそれらに追加免疫注射を与えた(11週齢で)。全てのブタを、0.25mlのウマヘルペスウイルス1(EHV)含有Pneumabort K(登録商標)(102BY0002, Fort Dodge Laboratories)と0.25mlのヒト血清アルブミン(HSA)(200μg/ml)(Sigma)との混合物0.5mlを用いて筋肉内で、0.5mlのインフルエンザウイルスA/Equi1、A/Equi2/M、A/Equi2/F(EIV)含有Prevacun F(登録商標)(027021E, Hoechst Roussel Vet, Germany)、ならびに1.0mlのジフテリアトキソイド(30Lf/ml)および破傷風トキソイド(7.5Lf/ml)含有ジフテリア/破傷風ワクチン(登録商標)(DT9169al, SBL Vaccin AB, Stockholm) を用いて皮下で、免疫化した。
【0056】
ヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma Chemical Industries, USA) およびジフテリアトキソイド(DIF)(国立公衆衛生研究所(National Institute of Public Health))に対する特異的抗体を、受身(passive)赤血球擬集反応法により測定した(Avrameas et al 1969)。検査した希釈下限は、1:8であった。阻害を示さなかった血清は、統計計算に使用するために力価4が与えられた。抗体力価の値をlog2変換して分布を規格化した。
【0057】
血清学、血液学、ならびに貪食細胞およびリンパ球の機能的特性決定のため、血液試料を2週間隔で集めた。血清を単離し、そして処理されるまで−20℃で貯蔵した。安定化(ヘパリン化およびEDTA)血液試料を朝集めて、ただちに分析した。ノルウェー獣医学大学(The Norwegian School of Veterinary Science, Oslo)の中央臨床研究室(Central Clinical Laboratory)で、血液試料を分析した(Technicon H-1)。全白血球数(WBC×109/L)、単球、好中球、および好酸球の数(×109/L)を、電子的に測定し、そしてリンパ球数ならびにリンパ球、単球、好中球、および好酸球の相対数(%)を推定した。全赤血球数(RBC×1012/L)、平均細胞体積(MCV fL)、およびヘモグロビン(HGBg/L)を測定し、そしてヘマトクリット(HCTL/L)を推定した。
【0058】
血液中の顆粒球の貪食活性を、Phagotest(登録商標) (Orpegen Pharma, Heidelberg) を用いて、使用説明書(operator's manual)に従いアッセイした。ヘパリン化(15IU/ml)全血を混合し、そして5mlバイアル(Falcon)の底部に分取(100μl)して、氷上で10分間インキュベートしてから、20μlの予冷、安定化、かつオプソニン化したFITC標識化大腸菌懸濁液(検査キット)を加えた。全てのバイアルを振盪し、そして試験試料を水浴中37℃で10分間インキュベートしたが、一方対照試料は氷上に置いたままだった。次いで、食作用を止めるために、全ての試料を同時に氷上に置き、そして100μlの氷冷したクエンチ溶液を各試料に加えてボルテックスミキサーで混合した。次いで、試料に3mlの洗浄溶液を加え、混合し、そして細胞を遠沈した(250×g、5分、4℃)。次いで洗浄手順を繰り返してから、200μlのDNA染色溶液を加えた。試料を混合して氷上で10分間インキュベートし、そして細胞を青−緑励起光(488nm)を用いてフローサイトメトリー(FACScan(商標)、LYSIS(商標)ソフトウェア) で分析した。食作用を示していた細胞の割合を分析した。
【0059】
活性酸素生成(oxidative burst)活性の見積もりを、Phagoburst(登録商標)(Orpegen Pharma, Heidelberg)を用いて使用説明書に従って、フローサイトメトリーで行った。ヘパリン化(15IU/ml)全血を混合して5mlバイアル(Falcon)の底部に分取(100μl)し、そして氷上で10分間インキュベートしてから20μlの予冷、安定化、かつオプソニン化した大腸菌懸濁液(検査キット)を加えた。検査された各動物に対して3本の対照バイアルが含まれた;1本の管には20μlの洗浄溶液(ネガティブ対照)を加え、1本の管には20μIの走化性ペプチドfMLP使用溶液(「低対照」)を加え、そして1本の管には20μlのホルボール12−ミリスチン酸13−酢酸(PMA)使用溶液(「高対照」)を加えた。全てのバイアルを混合し、そして検査試料を水浴中37℃で10分間インキュベートした。次いで、全ての試料に20μlの基質溶液を加え、十分に混合して、水浴中37℃でさらに10分間インキュベートした。次いで、全ての試料を水浴から同時に取り出し、そして全血を2mlのあらかじめ温めた溶解溶液で溶解および固定し、混合し、そして室温で20分間インキュベートした。試料を遠沈し(250×g、5分、4℃)、そして3mlの洗浄溶液を加えて1回洗浄した(250×g、5分、4℃)。上清をデカントし、そして200μlのDNA染色溶液を加え、試料を混合して氷上で10分間インキュベートした(光保護して)。細胞を青−緑励起光(488nm)を用いてフローサイトメトリー(FACScan(商標)、LYSIS(商標)ソフトウェア) で分析した。反応性酸素代謝産物を産生していた細胞の割合、ならびにそれらの平均蛍光強度を分析した。
【0060】
図1は、4つの群のブタについて給餌時間の関数として平均重量を示す。顕著な重量増加が、対照群と比較して、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群のブタについて見られた。重量の差異は、3週間後に統計的に有意と判断されるが、図1は、1週間後で対照群よりも速く重さが増加する、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群で一貫した重量増加の傾向を示す。ダービリア群と対照群との間の実際の重量の差異はダービリア水抽出物群とレッソニア群とについて見られるものほど劇的ではないものの、ダービリア群の平均重量が一貫して対照よりも高かったことが留意されるべきである。対照群の個々のブタは、アルギン酸塩含有餌を与えられた3つの群の個体と比較して、重量において高いばらつきを有したが、これは、対照群の個体の中には免疫応答の減少したものがおり、そのためそれらは外傷および/またはストレスに抗する能力がより劣っていたことを示唆する。ホルモンのコルチゾールは、ブタで、栄養素を筋肉および脂肪組織から分配して、動物が疾患ストレスに抗することを可能にする。
【0061】
図2〜図4は、全白血球、単球、およびリンパ球についての血液分析から得られたデータを示す。統計的に有意ではないものの、図2は、ダービリア水抽出物群についての全白血球が対照群より高いことを示す。ダービリア水抽出物群について観測された白血球数増加は、対照群と比較したダービリア水抽出物群についての、それぞれ6週間後および10週間後に単球(図3)およびリンパ球(図4)の両方での顕著な増加によるものである。レッソニア群についてのリンパ球は、ダービリア水抽出物群と比較して増加が遅い(10週目)ことを示す。ダービリア水抽出物群(および対照群)から採取された血を、食細胞活性についてもアッセイし、そして図5に見られるように、4週目で対照群と比較してダービリア水抽出物群に顕著な増加が測定された。図6に示される活性酸素生成データは、4週目および8週目の両方で、対照群と比較してダービリア水抽出物を給餌されたブタについて食細胞応答がより高いレベルであることをさらに支持する。レスピラトリーバースト(respiratory burst)を伴う根底にある化学プロセスがある種の細菌を殺すために必要であることから、対照群と比較してダービリア水抽出物群について4週目および8週目で活性酸素生成が持続して増加していることには意義があり、そしてこれは食作用の効果の改善を示す。
【0062】
図7は、ワクチン接種に対する免疫応答を示す。ヒト血清アルブミン実験ワクチンの注射に対する免疫応答(図7)は、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群について8週目で顕著な増加を示し、これは対照と比較して改善された免疫応答を示す。
【0063】
(実施例6)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして短い超音波処理後、1リットルあたり4.2グラムのアルギン酸塩の濃度で溶解したアルギン酸塩を含む溶液を、市販の餌粒(Skretting/Nutreco, Dirdal, Norge)上に噴霧して餌に0.02%および0.06%のアルギン酸塩(重量%)を加えた。餌粒を2日間空気乾燥させてから、孵化したばかりのスポッティドウルフフィッシュ(アナリカス・マイナー(Anarhichas minor))稚魚に経口投与した。このダービリア・アンタルクティカ水抽出物は、8.3dl/gの固有粘度を有し、これはマーク・ホーウィンク式を用いて、推定重量、160000ダルトンの平均分子量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.89、およびグルロン酸(G)単位で0.11のモルフラクション含量を有する。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.81であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.03であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.09であった。
【0064】
各条件について、50匹の稚魚からなる複製(replicate)群3つを、魚に連続して給餌する60日間の給餌研究に使用した。魚あたりの平均重量は、給餌研究の開始時で約0.4gであった。研究の間、稚魚の重さを10日毎に測定した(湿潤重量)。検査条件は、3種の異なる餌を含んだ:対照(0%アルギン酸塩)、0.02%アルギン酸塩、および0.06%アルギン酸塩。対照餌を給餌される魚のさらなる群を、海水1リットルあたり0.1gのアルギン酸塩を含む浴槽に、1回の処置サイクルあたり12〜24時間の処置で魚を移すことにより60日間の給餌期間の間に2回浴槽処置し、次いで給餌研究した。
【0065】
図8に示されるとおり、アルギン酸塩含有餌を給餌された魚は、60日の成長期間にわたり、アルギン酸塩を加えなかった対照餌を給餌された魚と比較して(1日あたり4.857%の成長)、1日あたり5.197%の成長(0.02%アルギン酸塩について)および1日あたり5.247%の成長(0.06%アルギン酸塩について)のより高い成長の比速度を示した。60日の研究中に2回断続的に浴槽処置された魚は、対照群と比較してそれらの成長の比速度に顕著な違いを示さなかった(それぞれ、1日当たり4.745%成長対1日当たり4.857%成長)。図8における比成長速度は、以下の式による毎日の成長の割合として計算した:100%×[ln(研究終了時の重さ)−ln(研究の0日目の重さ)]÷研究日数(注:lnは自然対数である)。
【0066】
(実施例7)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして3%の濃度のアルギン酸塩を加えた。このダービリア・アンタルクティカ水抽出物は、4.7dl/gの固有粘度を有し、これはマーク・ホーウィンク式を用いて、推定重量、85000ダルトンの平均分子量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.88、およびグルロン酸(G)単位で0.12のモルフラクション含量を有する。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.80であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.04であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.08であった。
【0067】
約1200グラムの市販の餌(Biomar Ecoweaner EMB 16244) の一部に、以下の条件下、ベンチトップ流動床反応器(bench top fluidised bed reactor)で異なる量のアルギン酸塩溶液を噴霧コーティングした:粒子を流動化するのに十分な気流、40〜50℃、および1時間あたり60mlのアルギン酸塩溶液の流れ。乾燥餌粒子を、最初に投入した乾燥粉末の重量あたりにコーティングされたアルギン酸塩濃度およびアルギン酸塩溶液の量に基づいて計算されたとおりの異なる濃度のアルギン酸塩(0.01%、0.06%、および0.10%)で戻した。最低濃度について、0.5%に希釈したアルギン酸塩溶液を代わりに使用した。対照試料は、さらなる処理なしに使用した。0.6mmおよび1.0mmの粒子径を有する餌両方を、それぞれ初期および後期給餌期間に使用した。コーティングした、およびコーティングしていない餌粒子を顕微鏡で視覚的に検査し、そして外見または粒子径に差異は見られなかった。処理直後の乾燥物重量は、未コーティング(90%)と比較してコーティング粒子(95%)でわずかに高かった。
【0068】
餌粒子からのアルギン酸塩の損失を測定するため、ダービリア・アンタルクティカ水抽出物アルギン酸塩を、続く、海水中コーティング粒子から放出されるアルギン酸塩の測定で放射標識した。100mgのアルギン酸塩を、50mlの0.05Mホウ酸塩緩衝液にpH8.0で溶解させた。100mgのp−OHメチルベンズイミデート(benzimidate)(MPHBIM)を加え、そして溶液を24時間37℃で振盪した。溶液を、1%のナトリウムアジドを含む蒸留水に対して2日間透析した。分子量6000を有するポリエチレングリコールに対してさらなる透析を3日間行い、より濃縮されたアルギン酸塩溶液にした。全ての透析溶液は、1日に2回交換した。標識化アルギン酸塩の溶液を0.45ミクロンフィルターで濾過し、それから125ヨウ素(125I)でさらに標識した。50マイクロリットルのヨードゲン(1,3,4,6−テトラクロロ−3α,6α−ジフェニルグリコールウリル)をエレッルマン管(Ellermann tube)に加えた。溶液を管から蒸発させると、それを水で5回フラッシュして圧縮空気で乾燥させた。管に、50マイクロリットルのホスフェート緩衝溶液、4マイクロリットルの125I2、および2mlのMPHBIM標識化アルギン酸塩溶液を加えた。1時間後、100マイクロリットルの0.1M重亜硫酸ナトリウムを加えて反応を停止させた。未反応の同位体化合物を、SephadexG−25材料を用いてゲルクロマトグラフィーで除去した。未反応(non-reactor)化合物および標識化アルギン酸塩をガンマ計数器を用いて同定した。餌粒子を、125I2−MPHBIM−標識化アルギン酸塩で、実施例6におけるようにコーティングした。コーティングした餌粒子を海水中で5分間振盪し、水の試料の沈降後、ガンマ計数器での分析に用いた。6つ平行に分析し、そしてアルギン酸塩の損失は5.2%〜8.0%と測定された。したがって、給餌試験での実験的損失は、非常に少ないと判断される。なぜなら、幼生(larvae)は通常餌を数秒で消費するからである。
【0069】
孵化したばかりのスポッティドウルフフィッシュの幼生(約0.3グラム)を12個の容器に、それぞれ約80匹入れた。容器の大きさは40×20cmあり、そして容器を通る連続した水の流れが得られるように、一端から連続して流れる水が個別に供給された。水温は、実験中を通して8℃であった。消費されなかった餌および排泄物は連続的に除去された。3個の平行容器には各濃度でアルギン酸塩餌が入れられ、そして3個の容器には対照餌が入れられた。餌は、日中の間数回与えられ(約1時間毎)餌が制限要因とならないことを確実にした。10日ごとに30匹の幼生の重さを測定した。実験は60日間続いた。「*」印のついた棒は、有意差(p<0.05)を示す。比成長速度の結果を図9に示す。
【0070】
(実施例8)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして市販の餌(Biomar Ecoweaner EMB 16244)の一部をベンチトップ流動床反応器で異なる量のアルギン酸塩溶液を噴霧コーティングした。乾燥餌粒子を、実施例7におけるように、異なる濃度のアルギン酸塩(0.01%、0.06%、および0.10%)で戻した。
【0071】
実験の開始前に、タラの幼生を合計で10日間、慣らした。この最初の10日間の間、幼生は全て対照餌を給餌され、そして0.5〜1.0gの重さに達した。実験開始の3日前に、幼生を、12個の30リットル円形容器(直径40cmおよび高さ60cm)に各容器70匹の幼生で分けた。各容器は、底にプラスチックのふるいを備えた。水の体積は、実験を通じて15リットル〜20リットルの間で変化した。同じ期間中、水温は、自然の海水温に従い、そして8〜12℃上昇した。容器は、1分あたり約1.5リットルの個別の水供給および一定の光曝露を有した。消費されなかった餌は除去され、そして必要であれば容器は清掃された。幼生の重さを量るときに、容器は空にされて完全に清掃された。各容器での30匹の幼生についての基準重量を、試験給餌の開始前に決定した。3個の平行容器には各濃度のアルギン酸塩餌が入れられ、そして3個の容器には対照餌が入れられた。餌は、日中の間数回与えられ(約1時間毎)、餌が制限要因とならないことを確実にした。
【0072】
10日ごとに30匹の幼生の重さを測定した。実験は60日間続いた。比成長速度は実施例5のように計算された。比成長速度の結果を図10に示す。「*」印のついた棒は、有意差(p<0.05)を示す。
【0073】
(実施例9)
実施例7でのスポッティドウルフフィッシュの幼生の成長研究における死亡率が記録され、そして図11に示される。いずれの群の間にも有意差は測定されなかった(P<0.05)。
【0074】
(実施例10)
実施例8でのタラの幼生の成長研究における死亡率が記録され、そして図12に示される。いずれの群の間にも有意差は測定されなかった(P<0.05)。
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、少なくとも40%の(1−4)結合したβ−D−マンヌロン酸含量を有する、免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活材料に関する。本発明はまた、哺乳類、鳥、魚、または爬虫類に本発明の材料を経口投与することを含む、哺乳類、鳥、魚、または爬虫類の免疫系を賦活する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギン酸塩は褐藻から単離される。アルギン酸塩はまた、アゾトバクタービネランディ(Azotobacter vinelandii)およびアゾバクタークロコカム(Azotobacter crococcum)等の土壌細菌およびいくつかの異なるシュードモナス属(Pseudomonas Sp.)において産生される。しかしながら、褐藻は、一般に市販のアルギン酸塩の供給源である。
【0003】
アルギン酸塩は、アルギン酸の塩であって、本明細書中ではMと称する(1−4)結合したβ−D−マンヌロン酸、および本明細書中ではGと称するα−L−グルロン酸からなる直鎖状のヘテロ多糖である。これら2種のウロン酸は次式を有する:
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
これらのポリマーは、Mブロックと称するマンヌロン酸のホモポリマー配列、Gブロックと称するグルロン酸のホモポリマー配列、およびMGブロックまたは交互ブロックと称するマンヌロン酸とグルロン酸ユニットの混合配列として存在する。アルギン酸塩の構造を以下のスキームで示す:
【0007】
【化3】
【0008】
アルギン酸塩は通常、3つのタイプのブロックすべてを含有し、1つのブロックの大半は3〜30のモノマー単位からなっている。これらブロックの分配はアルギン酸塩が単離される藻のタイプならびに藻類の年齢および部位に依存し、たとえば茎からのアルギン酸塩は葉から単離されたアルギン酸塩とは異なる配列およびブロック組成を有する。藻類を収穫した年もブロック組成および配列に影響する。一般的な知識によれば、最も高いG含量は古いハイパーボレア(L.hyperborea)の茎に見出され得る。同種の葉は幾分低いG含量および幾分短いGブロックを有するが、その含量は他の大半の種よりも高い。市販のアルギン酸塩は通常25〜70%のG含量を有する。
【0009】
アルギン酸塩は、食品に、ならびに薬学的、歯科的、化粧用、および他の工業製品に使用されることが既知である。最も一般的な工業用途はそれらのヒドロコロイド特性および高分子電解質特性に基づいており、これはゲル形成、増粘、安定化、膨潤および粘度付与の性質のベースを形成する。
【0010】
M含量に富んだアルギン酸塩はまた、米国特許第5,169,840号に記載されるとおり、ワクチンアジュバントとして有用な免疫賦活活性および創傷治癒組成を有することが示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
[発明の概要]
本発明は、少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活材料に関する。
【0012】
本発明はまた、免疫賦活量の免疫賦活摂取(ingestible)材料を上記哺乳類、鳥、魚、および爬虫類に経口投与することを含む、哺乳類、鳥、魚、および爬虫類の免疫系を賦活する方法に関し、上記材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む。
さらに具体的には、
(1)免疫賦活量の、少なくとも40%のマンヌロン酸(M)含量を有するアルギン酸塩、および許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(2)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、前記魚の免疫系を賦活する方法であって、該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法、
(3)免疫賦活量の、少なくとも80%のM含量を有するアルギン酸塩、および許容可能なキャリアを含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該アルギン酸塩が、ダービリア海草を水に混合かつ膨潤させること、少なくとも30分間、約20℃を超える温度で、約2.3を超えるpHに維持すること、ダービリア海草と水との混合物から可溶化フラクションを単離すること、および酸、塩、またはアルコールでの沈殿により該可溶化フラクションから前記少なくとも80%のM含量を有するアルギン酸塩を回収することにより作られ、該材料は(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(4)免疫賦活量の賦活材料を魚に経口投与することを含む、免疫賦活を通して魚の体重増加を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の体重増加を賦活する方法、
(5)免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(6)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法、
(7)免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含むが、ただし該アルギン酸塩が合成的に作られるか、または海草もしくは細菌源から単離されるかのいずれかである、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料、
(8)免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、前記魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含むが、ただし該アルギン酸塩は合成的に作られるか、または海草もしくは細菌源から単離されるかのいずれかであり、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法。
(9)少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む材料を、魚に経口投与して体重増加を賦活する方法であって、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、方法、である。
【0013】
以下の略語が図面で使用される;ダービリア(Durvillea)水抽出物=DWE、ダービリア標準抽出物=Std.DA、レッソニア(Lessonia)標準抽出物=Std.LN。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】12週の期間にわたり本発明のアルギン酸塩を含む餌を与えられたブタの重量増加を示すグラフである。
【図2】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおける全白血球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図3】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおける単球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図4】本発明のアルギン酸塩で試験したブタにおけるリンパ球の血清レベルを、対照との比較として示すグラフである。
【図5】ダービリア水抽出物を給餌されたブタからの血液を用いて測定された食作用のレベルを、対照との比較として示す。
【図6】ダービリア水抽出物を給餌されたブタからの血液を用いて測定された活性酸素生成を、対照との比較として示す。
【図7】ダービリア標準抽出物、ダービリア水抽出物、およびレッソニア標準抽出物を給餌されたブタについて、注射されたヒト血清アルブミン実験用ワクチンに対する免疫応答を、対照との比較として示す。
【図8】60日の期間にわたりダービリア水抽出物を含む餌を経口で給餌されたスポッティドウルフフィッシュの比成長速度(1日あたりの成長%)を対照群の比成長速度と比べて示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の詳細な説明]
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩は、本発明において、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類用の経口免疫賦活体として利用される。より詳細には、50%〜70%(レッソニア、ダービリア、およびラミナリア(Laminaria)由来など);70%〜80%(ダービリア由来など)および80%〜99.9%(細菌および例えば、以下の実施例に従って調製されるようなダービリアなどのアルギン酸塩の水抽出物に由来など)のM含量を有するアルギン酸塩が使用され得る。これらのアルギン酸塩は、異物による細胞攻撃および細胞の物理的損傷により引き起こされる疾患または外傷に対して、哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類の免疫応答を賦活する。異物として、微生物、粒状物質、化学剤などが挙げられる。物理的損傷として、機械的創傷(擦過傷、裂傷、挫傷、創傷など)が挙げられる。
【0016】
本発明の経口免疫賦活材料および方法は、少なくとも40%のM含量を有する免疫賦活量のアルギン酸塩を利用する。免疫賦活量は、免疫賦活材料を摂取することになっている被検体および必要な免疫賦活レベルに応じて変化し得る。例えば、制限することなく、魚の寿命(life)の最初の60日間、2〜20mgのアルギン酸塩/魚を経口投与する。もちろん、より成熟した魚はより多くの量を必要とするだろう。
【0017】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む経口免疫賦活材料は、薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形(錠剤、カプレット(caplets)、カプセル剤など)または粉末もしくは液体配合物であってもよい。これはまた、任意の型の、哺乳類、トリ、魚、または爬虫類消費用の固体または液体食(ペットフードなど)であってもよい。これはまた、固体、半固体、または液体の栄養補助物(フードバー、飲み物など)であってもよい。
【0018】
許容可能なキャリアは、薬学的、獣医学的、または栄養補助的な液体もしくは固体剤形、液体、固体および半固体食、ならびに液体および固体栄養補助物に従来から使用されるもののいずれかであり得る。
【0019】
実施例で以下に実証されるように、本発明のアルギン酸塩の免疫賦活活性は、対照と比較して、アルギン酸塩を摂取している哺乳類(ブタで以下に実証されている(図1参照))および魚(スポッティドウルフフィッシュ(spotted wolffish)で以下に実証されている(図8参照))で体重増加を賦活することもまた見いだされている。この態様は、そのようなアルギン酸塩が若い哺乳類に経口で与えられる場合に、特に有用でありかつ望ましい。したがって、本発明はまた、免疫賦活量の免疫賦活材料を哺乳類、鳥、魚、または爬虫類に経口投与することを含む、免疫賦活を通じた哺乳類、鳥類、魚、および爬虫類の体重増加を賦活する方法に関し、ここで材料は、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩、および必要または所望であれば、許容可能なキャリアを含む。より詳細には、この方法はまた、50%〜70%、70%〜80%、または80%〜99.9%のM含量を有するアルギン酸塩の投与を含む。免疫賦活材料は、上記に記載されるもののいずれであってもよい。
【0020】
本発明の経口免疫賦活材料は、合成的にもたらされるか、またはアルギン酸塩産生細菌種もしくは海草源のいずれかから単離される、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み得る。
【0021】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩は、当該技術分野で既知の多くのプロセスにより海草から得られ得る。要求されるM含量を有するアルギン酸塩の出発物質は、藻類または海草、特に褐藻類であり、これは一般にフェノールを定着させて藻類を保存するために、ホルムアルデヒドで処理される。さらに、藻類は、高粘度のラミナランおよびフコグリカン(fucoglycans)を除去するために酸で洗われ得る。好ましくは、それらはまた、発熱物質の含量を減少させるために、アルカリで処理され得る。藻類は任意の既知の様式で前処理され得ることが理解される。市販のアルギン酸塩、最も好ましくは乾燥して破砕されたダービリア種の藻類が使用され得るが、ダービリア、ラミナリア、レッソニア、エクロニア(Ecklonia)、マクロシスティス(Macrocystis)、またはアスコフィラム(Ascophyllum)の新鮮な、全体または破砕されていない藻類もまた、出発物質として適している。
【0022】
そのようなアルギン酸塩を生成するプロセスが、例えば、Greenの米国特許第2,036,934号、およびLe Gloahecの米国特許第2,128,551号に記載されており、そしてそのようなプロセスを、援用して本明細書の一部とする。本発明に有用な、アルギン酸塩を得る他の方法は、本明細書中以下、実施例で提供される。例えば、本発明のアルギン酸塩はまた、膨潤工程(少なくとも30分間、20℃より高い温度で、約2.3より高いpHを維持する)で高いM含量を有するアルギン酸塩源を水と1:3〜1:20の比で混合すること、および可溶化アルギン酸塩フラクションを濾過により固体材料から単離することによる、水抽出プロセスを用いて調製され得る。要求されるM含量を有するアルギン酸塩は、酸、塩、またはアルコールでの沈殿により、溶液から回収され得る。
【0023】
以下に記載される実施例は、本発明の態様の代表的な例を含む。実施例は、本発明の範囲を制限することを意味せず、むしろ例示の目的で機能する。他に示されない限り、全ての割合、パーセントなどは、重量によるものである。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
異なるダービリア種、D.ポタトルヌ(D.potatorum)(粉砕)(試料1)、およびD.アンタルクティカ(D.antarctica)(未粉砕)(試料2)からの出発原材料に、以下の表に記載される量で水を加え、3.5時間、55℃の温度で、時々手で攪拌した。周辺温度で一晩置いた後、藻類を55℃で1時間、2度抽出し、次いで2.5mlのホルムアルデヒドを加えて抽出を1時間続けた。
【0025】
【表1】
【0026】
次いで、懸濁液を60メッシュのフィルターで濾して、過剰の水で2回洗った。次いで溶液を、吸引漏斗で濾過助剤を用いて、その後グラスフィルターのプレフィルターで濾過した。次いで溶液を10℃に冷却させ、次いでNaClを0.5%濃度まで加えた。その後、磁気撹拌しながら、pH1.8まで希5.5M塩酸を滴下した。白色沈殿物が形成された。30分間10℃に維持した後、懸濁液を120メッシュのフィルター布で濾し、そして手で圧縮して、ペースト状の黄色の固まりを得て、これは圧縮後細かい線維になった。酸材料を全て250MLの容器に移し、そして水を加えて200mlにしてから、磁気撹拌しながら、固体ソーダ灰でpH7に中和した。溶液をもう一度、硝酸セルロースの0.8ミクロンフィルター膜で濾過した。濾液を10℃に冷却し、そして1:1の比のイソプロピルアルコールで沈殿させた。形成した線維を、70体積%イソプロピルアルコールで1回、次いで2回目は100体積%イソプロピルアルコールで洗った。線維をハサミで取り出して凍結乾燥させた。結果を以下の表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
以下の表は、この実施例のプロセスに従って、他の海草試料から調製されたMの収率を示す。
【0031】
【表5】
【0032】
(実施例2)
70メッシュより大きい粒子に破砕した1996年8月のダービリア・アンタルクティカからの試料を、出発物質として使用した。乾燥させた藻類30グラムを容器に量り取った。100mlの0.2MのHClを加え、そして材料を水で500mlに希釈した。撹拌して数分後、pHが2.3よりも上がったので、酸を加えてpHを2.3未満(PH1.8)に維持した。2分後、2.5mlの0.2MのHClを加えた。pHを常にpH2.3より低く、pH1.8に維持した場合、純水で膨潤させるのと比較して、材料はほとんど膨潤しなかった。1時間膨潤後、材料を、60メッシュの濾過布で濾し、手で圧縮し、そして容器に移した。次いで、得られる材料に500mlの水および50mlソーダ灰/水酸化ナトリウム溶液を加え、そして55℃で1時間抽出した。材料は非常に速く膨潤し、そしてペーストまたはパルプのようにどろどろになった。これを、次の日まで周辺温度に置いておいた。次いで、材料を55℃で1時間さらに抽出し、次いでミキサーユニットで破砕した。総量は、549グラムの重さになった。150グラムの材料を、撹拌しながら700グラムの水で希釈した。次いで、濾過助剤を加えた後、溶液を、水吸引からの減圧により、濾紙で濾過した。濾液の量は、測定すると564グラムとなり、これを10℃に冷却した。これに塩化ナトリウムを0.5%まで加え、そして希塩酸(1:1)を滴下してpHを1.6に調整した。柔らかい沈殿物が形成された。次いで、材料を120メッシュ濾過布で濾し、そして手で注意して圧縮した。次いで、材料を水に懸濁させ、そして20℃の温度で、約200mlの体積に希釈した。磁気攪拌を使用して、溶液のpHを固体ソーダ灰粉末で7に中和した。ガラス棒で攪拌することにより、同等の割合のイソプロピルアルコールで溶液が沈殿した。沈澱した線維を、70体積%イソプロピルアルコール溶液で1回洗った。次いで、純粋な100体積%イソプロピルアルコールで再度洗った。120メッシュ濾過布で濾して圧縮した後、線維をハサミで取り出し、次いで一晩真空で凍結乾燥させた。収量は、重さ1.04グラムのアルギン酸塩となり、ダービリア・アンタルクティカ出発物質から3.6重量%に相当した。M含量は、70%であり、そしてアルギン酸塩のブロック分布はNMRにより以下のように測定された。
【0033】
【表6】
【0034】
(実施例3)
抽出前工程において塩を加えることにより、マンヌロン酸の含量をさらに増加させることが可能である。1996年8月のチリからのダービリア・アンタルクティカ(破砕された>70メッシュの粗い粒子)藻類20グラムに500mlの水およびある量のNaClを加え、そして攪拌速度140rpmで、温度20℃で2時間、ジャー(Jar)検査機械での攪拌下、抽出した。以下の表に記載されるとおりの溶液濃度まで塩を加えた。
【0035】
【表7】
【0036】
次いで、材料を400メッシュ濾過布で濾して、手で圧縮した。以下の表に与えられるように、濾した溶液の重さを計り、そしてpHを測定した。
【0037】
【表8】
【0038】
次いで、濾した溶液を濾紙を用いて漏斗で減圧(水吸引ポンプ)濾過した。濾液の粘度をガラス管で測定し、その結果を以下の表に示す。
【0039】
【表9】
【0040】
濾液を15℃以下に冷却し、そして磁気攪拌機で撹拌しながら、試料それぞれに、pHが1.8〜2.0に達するまで5.5Mの塩酸を滴下した。線維状の沈殿が形成された。次いで、沈殿物を400メッシュ濾過布で濾して手で圧縮した。次いで、アルギン酸を水で希釈して、完全に溶解するまで、攪拌しながら固体ソーダ灰でpH6〜7に中和した。次いで、溶液を冷却し、そして同等の割合のイソプロピルアルコールで沈殿させた。その後、70体積%のイソプロピルアルコールで洗い、そして純粋な100体積%のイソプロピルアルコールで繰り返し洗った。沈澱した繊維を、ハサミで取り出して容器に移し、そして真空で一晩凍結乾燥させた。結果を以下の表に示すが、ここで、アルギン酸塩の損失はなく、そして全てのアルギン酸塩が加えた水に溶解すると仮定して、収量を計算した。
【0041】
【表10】
【0042】
(実施例4)
別々のフラクション中のマンヌロン酸含量は、CaCl2を加えることによりさらに増加した。出発物質は、>70メッシュの粗い粒子に破砕された、チリ産のD.アンタルクティカであった。抽出前工程の量および条件は、以下の表に記載される。抽出前工程を、ジャー検査機で約140rpmでの攪拌下行った。
【0043】
【表11】
【0044】
次いで、材料を400メッシュフィルターで濾して手で圧縮した。次いで、溶液を約30℃に加熱し、そして減圧吸引フラスコで濾紙を用いて濾過した。
【0045】
【表12】
【0046】
次いで、溶液を10℃に冷却して、0.5%まで塩化ナトリウムを加えた。次いで、注意して磁気攪拌しながら、pH1.8まで、5.5MのHClを滴下して加えた。白色沈殿物が形成された。次いで、材料の懸濁液を30分放置し、そして400メッシュ濾過布で濾して手で注意して圧縮した。材料は、ペースト状の黄色の塊で、これは圧縮後、光沢のある細かい繊維になった。次いで、酸材料を250mlの容器に移して水を加えて200mlにし、次いで、磁気攪拌しながら固体ソーダ灰でpH7に中和した。次いで、濾液を10℃に冷却して、1:1の比で100体積%のイソプロピルアルコールを用いて、攪拌で沈殿させた。巨大繊維が沈殿した。繊維を70体積%イソプロピルアルコールで2回、そして最後に100体積%イソプロピルアルコールで洗った。次いで、繊維をハサミで取り出し、その後真空下で一晩凍結乾燥させた。結果を、収率を示す表9および表10に示す、80%より多いMを含むアルギン酸塩中のマンヌロン酸含量の増加は、塩が加えられなかった場合には最大91%であったのが、塩が抽出前工程に加えられた場合には最大95%であった。
【0047】
【表13】
【0048】
【表14】
【0049】
(実施例5)
6腹からの、平均初期重量13.07kg(STD1.98)である、全部で48匹の交雑した[(ノルウェジアン・ランドレース(Norwegian Landrace)×ヨークシャ(Yorkshire))×ノルウェジアン・ランドレース]35〜38日齢の乳ばなれしたばかりのブタを、実験給餌研究のため4つの群に分け、そして環境を制御した保育舎に置いた。最初に、2.5m×2.5mの囲いあたり4匹のブタで、ブタを飼育した。給餌の6週間後、ブタを、個別の給餌区画のある15平方メートルの囲いに、囲いあたり6匹のブタで、移した。ブタには、無制限に、餌および水を取らせた。週1回の頻度で、個別にブタの重さを量った。ブタには、囲いに適合するための4日間の準備期間と標準的な市販の離乳用のブタの餌を取らせた。市販の餌(13%の水分含量)は、成長に必要なビタミンおよびミネラルで強化され、約18〜19%の原タンパク質含量、14〜15%の消化性タンパク質含量、40〜50%のデンプン含量、および約2.6%の原脂肪含量を有した。
【0050】
市販の餌への最初の適合後、それぞれ12匹のブタからなる4つの群に、異なる食事を10週間与えた。研究の最後の2週間、ブタは全て、市販の餌が与えられた。対照群のブタには、標準的な市販の餌を給餌したが、一方他の3つの群のブタには、1.25%(w/w)のアルギン酸塩が配合されている、同じ市販の餌を給餌した。検査した3種のアルギン酸塩は、1.ダービリア・アンタルクティカ水抽出物(89%のM)、2.ダービリアンタルクティカ標準抽出物(63%のM)、および3.レッソニア・ニグレッセンス標準抽出物(55%のM)であった。固有粘度および1H NMR分光測定により特性決定されるとおりのこれらのアルギン酸塩粉末は、以下のとおりにさらに記載される:
【0051】
ダービリア・アンタルクティカ標準抽出物は、7.0g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、210,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このダービリアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.63、およびグルロン酸(G)単位で0.37のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.44であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.18であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.19であった。
【0052】
高いM含量を有するアルギン酸塩フラクションの選択的沈殿により得られた、ダービリア・アンタルクティカ水抽出物、すなわちダービリア水抽出物は、4.7g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、85,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.88、およびグルロン酸(G)単位で0.12のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.80であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.04であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.08であった。
【0053】
レッソニア・ニグレッセンス標準抽出物は、13.4g/dlの固有粘度を有した。これはマーク・ホーウィンク式を用いて、370,000ダルトンの平均分子量の推定重量に相当する。このレッソニアアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.55、およびグルロン酸(G)単位で0.45のモルフラクション含量を有した。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.35であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.25であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.20であった。
【0054】
アルギン酸塩固有粘度を、「固定化材料としてのアルギン酸塩−いくつかの分子および機能性についての研究(Alginates as immobilization materials - A study of some molecular and functional properties」(Martinsen, Anita) Thesis; NTH-University of Trondheim, 1990に開示される方法を用いて決定した。重量平均である分子量を、固有粘度データおよびマーク・ホーウィンク式に基づいて推定した。単量体の組成および配列の並び順を、Grasdale等著「アルギン酸塩中のウロン酸残基の組成および配列のNMR研究(A NMR studie of composition and sequence of uronate residues in alginate)」、Carbohydrate research 1979; 68: 23 、および H. Grasdalen著「アルギン酸塩の高磁場1H NMR分光法:配列構造および結合配座(High Field 1H NMR spectroscopy of alginate: sequential structure and linkage conformation)」、 Carbohydrate Research, 1983 ; 118 : 255に記載されるように、Brucker400WM分光計で1H−NMR分光法により分析した。
【0055】
給餌の2週間後、ブタを免疫化し(7週齢で)、そして4週間後にそれらに追加免疫注射を与えた(11週齢で)。全てのブタを、0.25mlのウマヘルペスウイルス1(EHV)含有Pneumabort K(登録商標)(102BY0002, Fort Dodge Laboratories)と0.25mlのヒト血清アルブミン(HSA)(200μg/ml)(Sigma)との混合物0.5mlを用いて筋肉内で、0.5mlのインフルエンザウイルスA/Equi1、A/Equi2/M、A/Equi2/F(EIV)含有Prevacun F(登録商標)(027021E, Hoechst Roussel Vet, Germany)、ならびに1.0mlのジフテリアトキソイド(30Lf/ml)および破傷風トキソイド(7.5Lf/ml)含有ジフテリア/破傷風ワクチン(登録商標)(DT9169al, SBL Vaccin AB, Stockholm) を用いて皮下で、免疫化した。
【0056】
ヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma Chemical Industries, USA) およびジフテリアトキソイド(DIF)(国立公衆衛生研究所(National Institute of Public Health))に対する特異的抗体を、受身(passive)赤血球擬集反応法により測定した(Avrameas et al 1969)。検査した希釈下限は、1:8であった。阻害を示さなかった血清は、統計計算に使用するために力価4が与えられた。抗体力価の値をlog2変換して分布を規格化した。
【0057】
血清学、血液学、ならびに貪食細胞およびリンパ球の機能的特性決定のため、血液試料を2週間隔で集めた。血清を単離し、そして処理されるまで−20℃で貯蔵した。安定化(ヘパリン化およびEDTA)血液試料を朝集めて、ただちに分析した。ノルウェー獣医学大学(The Norwegian School of Veterinary Science, Oslo)の中央臨床研究室(Central Clinical Laboratory)で、血液試料を分析した(Technicon H-1)。全白血球数(WBC×109/L)、単球、好中球、および好酸球の数(×109/L)を、電子的に測定し、そしてリンパ球数ならびにリンパ球、単球、好中球、および好酸球の相対数(%)を推定した。全赤血球数(RBC×1012/L)、平均細胞体積(MCV fL)、およびヘモグロビン(HGBg/L)を測定し、そしてヘマトクリット(HCTL/L)を推定した。
【0058】
血液中の顆粒球の貪食活性を、Phagotest(登録商標) (Orpegen Pharma, Heidelberg) を用いて、使用説明書(operator's manual)に従いアッセイした。ヘパリン化(15IU/ml)全血を混合し、そして5mlバイアル(Falcon)の底部に分取(100μl)して、氷上で10分間インキュベートしてから、20μlの予冷、安定化、かつオプソニン化したFITC標識化大腸菌懸濁液(検査キット)を加えた。全てのバイアルを振盪し、そして試験試料を水浴中37℃で10分間インキュベートしたが、一方対照試料は氷上に置いたままだった。次いで、食作用を止めるために、全ての試料を同時に氷上に置き、そして100μlの氷冷したクエンチ溶液を各試料に加えてボルテックスミキサーで混合した。次いで、試料に3mlの洗浄溶液を加え、混合し、そして細胞を遠沈した(250×g、5分、4℃)。次いで洗浄手順を繰り返してから、200μlのDNA染色溶液を加えた。試料を混合して氷上で10分間インキュベートし、そして細胞を青−緑励起光(488nm)を用いてフローサイトメトリー(FACScan(商標)、LYSIS(商標)ソフトウェア) で分析した。食作用を示していた細胞の割合を分析した。
【0059】
活性酸素生成(oxidative burst)活性の見積もりを、Phagoburst(登録商標)(Orpegen Pharma, Heidelberg)を用いて使用説明書に従って、フローサイトメトリーで行った。ヘパリン化(15IU/ml)全血を混合して5mlバイアル(Falcon)の底部に分取(100μl)し、そして氷上で10分間インキュベートしてから20μlの予冷、安定化、かつオプソニン化した大腸菌懸濁液(検査キット)を加えた。検査された各動物に対して3本の対照バイアルが含まれた;1本の管には20μlの洗浄溶液(ネガティブ対照)を加え、1本の管には20μIの走化性ペプチドfMLP使用溶液(「低対照」)を加え、そして1本の管には20μlのホルボール12−ミリスチン酸13−酢酸(PMA)使用溶液(「高対照」)を加えた。全てのバイアルを混合し、そして検査試料を水浴中37℃で10分間インキュベートした。次いで、全ての試料に20μlの基質溶液を加え、十分に混合して、水浴中37℃でさらに10分間インキュベートした。次いで、全ての試料を水浴から同時に取り出し、そして全血を2mlのあらかじめ温めた溶解溶液で溶解および固定し、混合し、そして室温で20分間インキュベートした。試料を遠沈し(250×g、5分、4℃)、そして3mlの洗浄溶液を加えて1回洗浄した(250×g、5分、4℃)。上清をデカントし、そして200μlのDNA染色溶液を加え、試料を混合して氷上で10分間インキュベートした(光保護して)。細胞を青−緑励起光(488nm)を用いてフローサイトメトリー(FACScan(商標)、LYSIS(商標)ソフトウェア) で分析した。反応性酸素代謝産物を産生していた細胞の割合、ならびにそれらの平均蛍光強度を分析した。
【0060】
図1は、4つの群のブタについて給餌時間の関数として平均重量を示す。顕著な重量増加が、対照群と比較して、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群のブタについて見られた。重量の差異は、3週間後に統計的に有意と判断されるが、図1は、1週間後で対照群よりも速く重さが増加する、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群で一貫した重量増加の傾向を示す。ダービリア群と対照群との間の実際の重量の差異はダービリア水抽出物群とレッソニア群とについて見られるものほど劇的ではないものの、ダービリア群の平均重量が一貫して対照よりも高かったことが留意されるべきである。対照群の個々のブタは、アルギン酸塩含有餌を与えられた3つの群の個体と比較して、重量において高いばらつきを有したが、これは、対照群の個体の中には免疫応答の減少したものがおり、そのためそれらは外傷および/またはストレスに抗する能力がより劣っていたことを示唆する。ホルモンのコルチゾールは、ブタで、栄養素を筋肉および脂肪組織から分配して、動物が疾患ストレスに抗することを可能にする。
【0061】
図2〜図4は、全白血球、単球、およびリンパ球についての血液分析から得られたデータを示す。統計的に有意ではないものの、図2は、ダービリア水抽出物群についての全白血球が対照群より高いことを示す。ダービリア水抽出物群について観測された白血球数増加は、対照群と比較したダービリア水抽出物群についての、それぞれ6週間後および10週間後に単球(図3)およびリンパ球(図4)の両方での顕著な増加によるものである。レッソニア群についてのリンパ球は、ダービリア水抽出物群と比較して増加が遅い(10週目)ことを示す。ダービリア水抽出物群(および対照群)から採取された血を、食細胞活性についてもアッセイし、そして図5に見られるように、4週目で対照群と比較してダービリア水抽出物群に顕著な増加が測定された。図6に示される活性酸素生成データは、4週目および8週目の両方で、対照群と比較してダービリア水抽出物を給餌されたブタについて食細胞応答がより高いレベルであることをさらに支持する。レスピラトリーバースト(respiratory burst)を伴う根底にある化学プロセスがある種の細菌を殺すために必要であることから、対照群と比較してダービリア水抽出物群について4週目および8週目で活性酸素生成が持続して増加していることには意義があり、そしてこれは食作用の効果の改善を示す。
【0062】
図7は、ワクチン接種に対する免疫応答を示す。ヒト血清アルブミン実験ワクチンの注射に対する免疫応答(図7)は、ダービリア水抽出物群およびレッソニア群について8週目で顕著な増加を示し、これは対照と比較して改善された免疫応答を示す。
【0063】
(実施例6)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして短い超音波処理後、1リットルあたり4.2グラムのアルギン酸塩の濃度で溶解したアルギン酸塩を含む溶液を、市販の餌粒(Skretting/Nutreco, Dirdal, Norge)上に噴霧して餌に0.02%および0.06%のアルギン酸塩(重量%)を加えた。餌粒を2日間空気乾燥させてから、孵化したばかりのスポッティドウルフフィッシュ(アナリカス・マイナー(Anarhichas minor))稚魚に経口投与した。このダービリア・アンタルクティカ水抽出物は、8.3dl/gの固有粘度を有し、これはマーク・ホーウィンク式を用いて、推定重量、160000ダルトンの平均分子量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.89、およびグルロン酸(G)単位で0.11のモルフラクション含量を有する。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.81であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.03であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.09であった。
【0064】
各条件について、50匹の稚魚からなる複製(replicate)群3つを、魚に連続して給餌する60日間の給餌研究に使用した。魚あたりの平均重量は、給餌研究の開始時で約0.4gであった。研究の間、稚魚の重さを10日毎に測定した(湿潤重量)。検査条件は、3種の異なる餌を含んだ:対照(0%アルギン酸塩)、0.02%アルギン酸塩、および0.06%アルギン酸塩。対照餌を給餌される魚のさらなる群を、海水1リットルあたり0.1gのアルギン酸塩を含む浴槽に、1回の処置サイクルあたり12〜24時間の処置で魚を移すことにより60日間の給餌期間の間に2回浴槽処置し、次いで給餌研究した。
【0065】
図8に示されるとおり、アルギン酸塩含有餌を給餌された魚は、60日の成長期間にわたり、アルギン酸塩を加えなかった対照餌を給餌された魚と比較して(1日あたり4.857%の成長)、1日あたり5.197%の成長(0.02%アルギン酸塩について)および1日あたり5.247%の成長(0.06%アルギン酸塩について)のより高い成長の比速度を示した。60日の研究中に2回断続的に浴槽処置された魚は、対照群と比較してそれらの成長の比速度に顕著な違いを示さなかった(それぞれ、1日当たり4.745%成長対1日当たり4.857%成長)。図8における比成長速度は、以下の式による毎日の成長の割合として計算した:100%×[ln(研究終了時の重さ)−ln(研究の0日目の重さ)]÷研究日数(注:lnは自然対数である)。
【0066】
(実施例7)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして3%の濃度のアルギン酸塩を加えた。このダービリア・アンタルクティカ水抽出物は、4.7dl/gの固有粘度を有し、これはマーク・ホーウィンク式を用いて、推定重量、85000ダルトンの平均分子量に相当する。このダービリア水抽出物のアルギン酸塩試料は、マンヌロン酸(M)単位で0.88、およびグルロン酸(G)単位で0.12のモルフラクション含量を有する。MからMへの結合のフラクション含量、F(MM)は、0.80であった。GからGへの結合のフラクション含量、F(GG)は、0.04であった。MからGへの結合のフラクション含量、F(MG)は、GからMへの結合のフラクション含量F(GM)と等しく、0.08であった。
【0067】
約1200グラムの市販の餌(Biomar Ecoweaner EMB 16244) の一部に、以下の条件下、ベンチトップ流動床反応器(bench top fluidised bed reactor)で異なる量のアルギン酸塩溶液を噴霧コーティングした:粒子を流動化するのに十分な気流、40〜50℃、および1時間あたり60mlのアルギン酸塩溶液の流れ。乾燥餌粒子を、最初に投入した乾燥粉末の重量あたりにコーティングされたアルギン酸塩濃度およびアルギン酸塩溶液の量に基づいて計算されたとおりの異なる濃度のアルギン酸塩(0.01%、0.06%、および0.10%)で戻した。最低濃度について、0.5%に希釈したアルギン酸塩溶液を代わりに使用した。対照試料は、さらなる処理なしに使用した。0.6mmおよび1.0mmの粒子径を有する餌両方を、それぞれ初期および後期給餌期間に使用した。コーティングした、およびコーティングしていない餌粒子を顕微鏡で視覚的に検査し、そして外見または粒子径に差異は見られなかった。処理直後の乾燥物重量は、未コーティング(90%)と比較してコーティング粒子(95%)でわずかに高かった。
【0068】
餌粒子からのアルギン酸塩の損失を測定するため、ダービリア・アンタルクティカ水抽出物アルギン酸塩を、続く、海水中コーティング粒子から放出されるアルギン酸塩の測定で放射標識した。100mgのアルギン酸塩を、50mlの0.05Mホウ酸塩緩衝液にpH8.0で溶解させた。100mgのp−OHメチルベンズイミデート(benzimidate)(MPHBIM)を加え、そして溶液を24時間37℃で振盪した。溶液を、1%のナトリウムアジドを含む蒸留水に対して2日間透析した。分子量6000を有するポリエチレングリコールに対してさらなる透析を3日間行い、より濃縮されたアルギン酸塩溶液にした。全ての透析溶液は、1日に2回交換した。標識化アルギン酸塩の溶液を0.45ミクロンフィルターで濾過し、それから125ヨウ素(125I)でさらに標識した。50マイクロリットルのヨードゲン(1,3,4,6−テトラクロロ−3α,6α−ジフェニルグリコールウリル)をエレッルマン管(Ellermann tube)に加えた。溶液を管から蒸発させると、それを水で5回フラッシュして圧縮空気で乾燥させた。管に、50マイクロリットルのホスフェート緩衝溶液、4マイクロリットルの125I2、および2mlのMPHBIM標識化アルギン酸塩溶液を加えた。1時間後、100マイクロリットルの0.1M重亜硫酸ナトリウムを加えて反応を停止させた。未反応の同位体化合物を、SephadexG−25材料を用いてゲルクロマトグラフィーで除去した。未反応(non-reactor)化合物および標識化アルギン酸塩をガンマ計数器を用いて同定した。餌粒子を、125I2−MPHBIM−標識化アルギン酸塩で、実施例6におけるようにコーティングした。コーティングした餌粒子を海水中で5分間振盪し、水の試料の沈降後、ガンマ計数器での分析に用いた。6つ平行に分析し、そしてアルギン酸塩の損失は5.2%〜8.0%と測定された。したがって、給餌試験での実験的損失は、非常に少ないと判断される。なぜなら、幼生(larvae)は通常餌を数秒で消費するからである。
【0069】
孵化したばかりのスポッティドウルフフィッシュの幼生(約0.3グラム)を12個の容器に、それぞれ約80匹入れた。容器の大きさは40×20cmあり、そして容器を通る連続した水の流れが得られるように、一端から連続して流れる水が個別に供給された。水温は、実験中を通して8℃であった。消費されなかった餌および排泄物は連続的に除去された。3個の平行容器には各濃度でアルギン酸塩餌が入れられ、そして3個の容器には対照餌が入れられた。餌は、日中の間数回与えられ(約1時間毎)餌が制限要因とならないことを確実にした。10日ごとに30匹の幼生の重さを測定した。実験は60日間続いた。「*」印のついた棒は、有意差(p<0.05)を示す。比成長速度の結果を図9に示す。
【0070】
(実施例8)
ダービリア水抽出物アルギン酸塩(実施例5に記載されるとおり)を水に溶解し、そして市販の餌(Biomar Ecoweaner EMB 16244)の一部をベンチトップ流動床反応器で異なる量のアルギン酸塩溶液を噴霧コーティングした。乾燥餌粒子を、実施例7におけるように、異なる濃度のアルギン酸塩(0.01%、0.06%、および0.10%)で戻した。
【0071】
実験の開始前に、タラの幼生を合計で10日間、慣らした。この最初の10日間の間、幼生は全て対照餌を給餌され、そして0.5〜1.0gの重さに達した。実験開始の3日前に、幼生を、12個の30リットル円形容器(直径40cmおよび高さ60cm)に各容器70匹の幼生で分けた。各容器は、底にプラスチックのふるいを備えた。水の体積は、実験を通じて15リットル〜20リットルの間で変化した。同じ期間中、水温は、自然の海水温に従い、そして8〜12℃上昇した。容器は、1分あたり約1.5リットルの個別の水供給および一定の光曝露を有した。消費されなかった餌は除去され、そして必要であれば容器は清掃された。幼生の重さを量るときに、容器は空にされて完全に清掃された。各容器での30匹の幼生についての基準重量を、試験給餌の開始前に決定した。3個の平行容器には各濃度のアルギン酸塩餌が入れられ、そして3個の容器には対照餌が入れられた。餌は、日中の間数回与えられ(約1時間毎)、餌が制限要因とならないことを確実にした。
【0072】
10日ごとに30匹の幼生の重さを測定した。実験は60日間続いた。比成長速度は実施例5のように計算された。比成長速度の結果を図10に示す。「*」印のついた棒は、有意差(p<0.05)を示す。
【0073】
(実施例9)
実施例7でのスポッティドウルフフィッシュの幼生の成長研究における死亡率が記録され、そして図11に示される。いずれの群の間にも有意差は測定されなかった(P<0.05)。
【0074】
(実施例10)
実施例8でのタラの幼生の成長研究における死亡率が記録され、そして図12に示される。いずれの群の間にも有意差は測定されなかった(P<0.05)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫賦活量の賦活材料を魚に経口投与することを含む、免疫賦活を通して魚の体重増加を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項2】
前記M含量が50%〜70%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項3】
前記M含量が70%〜80%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項4】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項5】
免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項6】
前記M含量が50%〜70%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項7】
前記M含量が70%〜80%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項8】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項9】
免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項10】
前記M含量が50%〜70%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項11】
前記M含量が70%〜80%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項12】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項13】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む材料を、魚に経口投与して体重増加を賦活する方法であって、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、方法。
【請求項14】
前記材料を、魚の寿命(life)の最初の60日間、2〜20mgのアルギン酸塩/魚の量で経口投与する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記M含量が70%〜80%である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記材料が、さらに許容可能なキャリアを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項1】
免疫賦活量の賦活材料を魚に経口投与することを含む、免疫賦活を通して魚の体重増加を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩および許容可能なキャリアを含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項2】
前記M含量が50%〜70%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項3】
前記M含量が70%〜80%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項4】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項1に記載の魚の体重増加を賦活する方法。
【請求項5】
免疫賦活量の、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む、魚用の経口免疫賦活材料であって、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項6】
前記M含量が50%〜70%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項7】
前記M含量が70%〜80%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項8】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項5に記載の魚用の経口免疫賦活材料。
【請求項9】
免疫賦活量の免疫賦活材料を魚に経口投与することを含む、魚の免疫系を賦活する方法であって、ここで該材料が、少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含み、該免疫賦活量が魚の体重増加を賦活するために有効な量であり、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項10】
前記M含量が50%〜70%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項11】
前記M含量が70%〜80%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項12】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項9に記載の魚の免疫系を賦活する方法。
【請求項13】
少なくとも40%のM含量を有するアルギン酸塩を含む材料を、魚に経口投与して体重増加を賦活する方法であって、該材料が、(i)薬学的、獣医学的、または栄養補助的な、固体剤形、(ii)固体食、あるいは(iii)固体の栄養補助物である、方法。
【請求項14】
前記材料を、魚の寿命(life)の最初の60日間、2〜20mgのアルギン酸塩/魚の量で経口投与する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記M含量が70%〜80%である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記M含量が80%〜99.9%である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記材料が、さらに許容可能なキャリアを含む、請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−110332(P2010−110332A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25791(P2010−25791)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2003−546778(P2003−546778)の分割
【原出願日】平成14年11月21日(2002.11.21)
【出願人】(300084993)
【住所又は居所原語表記】Tomtegt 36 3013 Drammen,Norway
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2003−546778(P2003−546778)の分割
【原出願日】平成14年11月21日(2002.11.21)
【出願人】(300084993)
【住所又は居所原語表記】Tomtegt 36 3013 Drammen,Norway
【Fターム(参考)】
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