説明

(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態

本発明は、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態、そのプロセス、その薬学的組成物、およびその使用に関する。本発明により、化合物1の6つの多形体形態、すなわち、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、および形態Fが提供される。本発明はまた、これらの多形体形態を作成するためのプロセスにも関係する。本発明はまた、治療方法、およびこのような多形体形態を含む薬学的組成物の調製における、これらの多形体形態の使用にも関する。本発明はまた、化合物1の不定形形態、そのような不定形形態を生成するためのプロセスにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態、そのプロセス、その薬学的組成物、およびそれを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本発明は、以下の構造を有している(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステル(以下、「化合物1」)の多形体形態に関する:
【0003】
【化1】


【0004】
本発明は、また、化合物1の多形体形態を調製するためのプロセスにも関する。
【0005】
化合物1は、IMPDHによって媒介される疾患の処置に有用な強力なIMPDH阻害因子である。化合物1、その組成物、およびそれを用いる方法は、特許文献1(以下、「’178号特許」)に開示されており、その開示全体は参考として本明細書中に援用される。
【特許文献1】米国特許第6,498,178号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明により、化合物1の6つの多形体形態、すなわち、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、および形態Fが提供される。本発明はまた、これらの多形体形態を作成するためのプロセスにも関係する。本発明はまた、治療方法、およびこのような多形体形態を含む薬学的組成物の調製における、これらの多形体形態の使用にも関する。本発明はまた、化合物1の不定形形態、そのような不定形形態を生成するためのプロセスにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(発明の詳細な説明)
用語「適切な」は、本明細書中で使用される場合は、溶媒、温度、濾液、攪拌、溶液、媒質、量、時間などを記載する。このような適切な溶媒、温度、濾液、攪拌、溶液、媒質、量、時間などは、当業者に容易に理解される。
【0008】
1つの実施形態によると、本発明により、化合物1の多形体形態A(以下、「形態A」)が提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約5.76、7.82、8.10、10.08、および15.73度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。別の実施形態によると、本発明により、図1と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Aが提供される。
【0009】
別の実施形態によると、形態Aは、約148℃から約156℃の間の融点を特徴とする。
【0010】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される形態Aを調製するための方法が提供される。
【0011】
別の実施形態によると、本発明により、形態Aと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0012】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Aを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0013】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Aまたは形態Aを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0014】
別の実施形態によると、本発明により、形態Aの多形体形態を調製するためのプロセスが提供され、上記プロセスには、以下の工程のうちの少なくとも1つが含まれる:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)上記溶液を、適切な温度で適切な媒質を通じて濾過して、適切な濾液を得る工程;
c)上記濾液をほぼ室温に冷却する工程;
d)適切な量の形態Aを上記濾液に播種する工程;
e)上記濾液を適切な減圧および適切な温度下で、もとの容量のおよそ3分の1に濃縮して、スラリーを得る工程;
f)上記スラリーを適切な温度で適切な時間攪拌する工程;
g)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
h)約1容量の適切な溶媒を適切な時間をかけて、適切な温度で攪拌しながら添加して、スラリーを得る工程;
i)上記スラリーをほぼ室温に冷却し、適切な時間攪拌する工程;
j)濾過または遠心分離によって生成物を単離する工程;
k)上記生成物を、適切な溶媒の約1:1混合物でリンスする工程;ならびに
l)上記生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程。
【0015】
別の実施形態によると、本発明により、以下の工程を含む形態Aの多形体形態を調製するためのプロセスが提供される。蒸留水中の形態Bの懸濁液は、室温で5〜10日間、攪拌しながら維持されたか、または攪拌せずに静置された。生成物は、濾過または遠心分離され、蒸留水で洗浄(3回)され、その後、室温で減圧乾燥させられ、形態Aが得られた。
【0016】
別の実施形態において、攪拌および/または温度の上昇により、形態Bから形態Aへの変換速度が加速される。別の実施形態において、温度は約20℃から約100℃の範囲である。
【0017】
別の実施形態によると、本発明により、以下の工程を含む、形態Aの多形体形態を調製するためのプロセスが提供される。SLSの界面活性剤溶液の容量に対して0.001〜0.1重量%の形態Bの懸濁液が、5〜10日間、室温で攪拌しながら維持されたか、または攪拌せずに静置された。生成物は、濾過または遠心分離され、蒸留水で洗浄(3回)され、その後、室温で減圧乾燥させられ、形態Aが得られた。
【0018】
1つの実施形態において、界面活性剤には陰イオン性界面活性剤が含まれる。別の実施形態において、陰イオン性界面活性剤には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、または硫酸イオンが含まれる。別の実施形態において、スルホン酸塩を含む陰イオン性界面活性剤には、長アルキル鎖のスルホン酸塩、例えば、ビス−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(エアロゾルOTまたはドキュセートナトリウム)およびスルホン酸アルキルアリール(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)が含まれる。さらに別の実施形態において、硫酸塩を含む陰イオン性界面活性剤には、硫酸アルキル(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。
【0019】
1つの実施形態において、界面活性剤には非イオン性界面活性剤が含まれる。別の実施形態において、非イオン性界面活性剤には、長鎖脂肪酸またはステロイド性アルコール、例えば、非極性のグループが含まれる。別の実施形態において、極性のグループには、エーテル結合を介してそれらのアルコール基の1つと連結されたポリオキシエチレンまたはポリエチレングリコール基が含まれる。さらに別の実施形態において、ポリオキシエチレングリコール基またはポリエチレングリコール基には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリソルベートおよびTween;ポリオキシエチレンアルキルエステル、例えば、BrijsまたはSolutol HS15;ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(例えば、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、およびポリオキシル60水素化ヒマシ油;ポリオキシエチレンステアリン酸塩または他の脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40およびステアリン酸ポリオキシル50(Myrjs);ポリエチレン脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸PEG400およびモノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol);d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS);カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド(Labrasol)、脂肪酸のグリセロールエステルおよびPEG1500エステル(Gellucire)が含まれる。
【0020】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約4またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0021】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約8またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0022】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約10またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0023】
別の実施形態において、攪拌および/または温度の上昇により、形態Bから形態Aへの変換速度が加速される。別の実施形態において、温度は約20℃から約100℃の範囲である。
【0024】
1つの実施形態によると、本発明により、化合物1の多形体形態Bが提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約11.72、14.57、18.25、22.40、および27.72度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。
【0025】
別の実施形態によると、本発明により、図2と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Bが提供される。
【0026】
別の実施形態によると、形態Bは、約131℃の融点を特徴とする。
【0027】
別の実施形態によると、形態Bは高い生体利用性を示す。
【0028】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される、形態Bを調製するためのプロセスが提供される。
【0029】
別の実施形態によると、本発明により、形態Bと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0030】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Bを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0031】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Bまたは形態Bを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0032】
別の実施形態によると、本発明により、形態Bの多形体形態を調製するためのプロセスが提供され、上記プロセスには、以下の工程のうちの少なくとも1つが含まれる:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
c)上記濾液を適切な時間をかけて、適切に攪拌しながら、または攪拌せずに、ほぼ室温に冷却して、スラリーを得る工程;
d)上記スラリーを適切な時間攪拌する工程;
e)沈殿した生成物を濾過または遠心分離によって単離する工程;
f)上記生成物を適切な溶媒でリンスする工程;
g)上記生成物を適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら懸濁させる工程;
h)上記生成物を、適切な温度での濾過または遠心分離によって単離する工程;
i)上記生成物を、適切な溶媒でリンスする工程;ならびに
j)上記生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程。
【0033】
1つの実施形態によると、本発明により、化合物1の多形体形態Cが提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約3.82、8.50、10.74、15.22、17.02度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。別の実施形態によると、本発明により、図3と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Cが提供される。
【0034】
別の実施形態によると、形態Cは、約77℃の融点を特徴とする。
【0035】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される、形態Cを調製するためのプロセスが提供される。
【0036】
別の実施形態によると、本発明により、形態Cと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0037】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Cを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0038】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Cまたは形態Cを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0039】
1つの実施形態によると、本発明により、多形体形態Dが提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約6.06、9.53、および23.86度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。別の実施形態によると、本発明により、図4と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Dが提供される。
【0040】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される、形態Dを調製するためのプロセスが提供される。
【0041】
別の実施形態によると、本発明により、形態Dと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0042】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Dを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0043】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Dまたは形態Dを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0044】
別の実施形態によると、本発明により、形態Dの多形体形態を調製するためのプロセスが提供され、上記プロセスには、以下の工程のうちの少なくとも1つが含まれる:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
c)上記溶液を適切な時間をかけて、適切に攪拌しながら、または攪拌せずに、ほぼ室温に冷却して、スラリーを得る工程;
d)上記スラリーを適切な時間攪拌する工程;
e)沈殿した生成物を濾過または遠心分離によって単離する工程;
f)上記生成物を適切な溶媒でリンスする工程;
g)上記生成物を適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら懸濁させる工程;
h)上記生成物を、適切な温度での濾過または遠心分離によって単離する工程;
i)上記生成物を、適切な溶媒でリンスする工程;ならびに
j)上記生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程。
【0045】
1つの実施形態によると、本発明により、化合物1の多形体形態E(以下、「形態E」)が提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約5.15、14.76、20.86、24.28、24.94度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。
【0046】
別の実施形態によると、本発明により、図5と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Eが提供される。
【0047】
別の実施形態によると、形態Eは、約151℃の融点を特徴とする。
【0048】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される、形態Eを調製するためのプロセスが提供される。
【0049】
別の実施形態によると、本発明により、以下の工程を含む形態Eの多形体形態を調製するためのプロセスが提供される。蒸留水中の形態Bの懸濁液は、室温で5〜10日間、攪拌しながら維持されたか、または攪拌せずに静置された。生成物は、濾過または遠心分離され、蒸留水で洗浄(3回)され、その後、室温で減圧乾燥させられ、形態Eが得られた。
【0050】
別の実施形態において、攪拌および/または温度の上昇により、形態Bから形態Eへの変換速度が加速される。別の実施形態において、温度は約20℃から約100℃の範囲である。
【0051】
別の実施形態によると、本発明により、以下の工程を含む、形態Eの多形体形態を調製するためのプロセスが提供される。SLSの界面活性剤溶液の容量に対して0.1重量%の形態Bの懸濁液が、5〜10日間、室温で攪拌しながら維持されたか、または攪拌せずに静置された。生成物は、濾過または遠心分離され、蒸留水で洗浄(3回)され、その後、室温で減圧乾燥させられ、形態Eが得られた。
【0052】
1つの実施形態において、上記界面活性剤には陰イオン性界面活性剤が含まれる。別の実施形態において、陰イオン性界面活性剤には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、または硫酸イオンが含まれる。別の実施形態において、スルホン酸塩を含む陰イオン性界面活性剤には、長アルキル鎖のスルホン酸塩、例えば、ビス−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(エアロゾルOTまたはドキュセートナトリウム)およびスルホン酸アルキルアリール(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)が含まれる。さらに別の実施形態において、硫酸塩を含む陰イオン性界面活性剤には、硫酸アルキル(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。
【0053】
1つの実施形態において、上記界面活性剤には非イオン性界面活性剤が含まれる。別の実施形態において、非イオン性界面活性剤には、長鎖脂肪酸またはステロイド性アルコール、例えば、非極性のグループが含まれる。別の実施形態において、極性のグループには、エーテル結合を介してそれらのアルコール基の1つと連結されたポリオキシエチレンまたはポリエチレングリコール基が含まれる。さらに別の実施形態において、ポリオキシエチレンまたはポリエチレングリコール基には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリソルベートおよびTween;ポリオキシエチレンアルキルエステル、例えば、BrijsまたはSolutol HS15;ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(例えば、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、およびポリオキシル60水素化ヒマシ油;ポリオキシエチレンステアリン酸塩または他の脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40およびステアリン酸ポリオキシル50(Myrjs);ポリエチレン脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸PEG400およびモノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol);d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS);カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド(Labrasol)、脂肪酸のグリセロールエステルおよびPEG1500エステル(Gellucire)が含まれる。
【0054】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約4またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0055】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約8またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0056】
別の実施形態において、上記界面活性剤には、約10またはそれ以上の親水性物質−親油性物質平衡(HLB)数が含まれる。
【0057】
別の実施形態において、攪拌および/または温度の上昇により、形態Bから形態Eへの変換速度が加速される。別の実施形態において、温度は約20℃から約100℃の範囲である。
【0058】
別の実施形態によると、本発明により、形態Eと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0059】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Eを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0060】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Eまたは形態Eを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0061】
1つの実施形態によると、本発明により、化合物1の多形体形態F(以下、「形態F」)が提供され、これは、Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約7.82、8.16、12.93、19.01、23.83度の2θの1つ以上のピークを特徴とする。
【0062】
別の実施形態によると、本発明により、図6と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする形態Fが提供される。
【0063】
別の実施形態によると、本発明により、以下に例示される、形態Fを調製するためのプロセスが提供される。
【0064】
別の実施形態によると、本発明により、形態Fと薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
【0065】
別の実施形態によると、本発明により、化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を処方する方法が提供され、これには、以下の工程が含まれる:
(i)形態Fを不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)上記不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0066】
別の実施形態によると、本発明により、患者のIMPDHによって媒介される疾患を処置する方法が提供され、この方法には、治療有効量の形態Fまたは形態Fを含む薬学的組成物を上記患者に投与する工程が含まれる。
【0067】
用語「薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバント」は、非毒性のキャリア、アジュバント、または媒体を意味し、これらは、一緒に処方される化合物の薬学的活性を損なうことはない。本発明の組成物において使用することができる薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、または媒体としては、イオン交換体、酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝性物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、水、塩、または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとする物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0068】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、薬学的に受容可能な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基に由来するものが挙げられる。適切な酸塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphosulfonate)、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコへプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩(hemisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。他の酸(例えば、シュウ酸)が、それ自体は薬学的に許容されないが、本発明の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な酸付加塩を得ることにおける中間体として有用な塩の調製に使用される場合がある。
【0069】
適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩、ならびにN(C1−4アルキル)塩が挙げられる。本発明によっては、本明細書中に開示される化合物の任意の塩基性の窒素含有基の四級化もまた想定される。水溶性または油溶性、あるいは分散させることができる生成物を、このような四級化によって得ることができる。
【0070】
本発明の組成物は、経口的に、全身的に、吸入によって、噴霧によって、局所的に、直腸から、鼻腔内に、口腔に、膣内に、または埋め込まれた貯蔵タンクから投与することができる。用語「全身的」には、本明細書中で使用される場合には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内、および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。好ましくは、組成物は経口で、腹腔内に、または静脈内に投与される。本発明の組成物の滅菌の注射可能な形態は、水性懸濁液または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の技術にしたがって処方することができる。滅菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒の中の滅菌の注射可能な溶液もしくは懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液である場合もある。許容される媒体および溶媒の中でも、水、リンガー溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液を使用することができる。さらに、滅菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常使用される。
【0071】
この目的については、合成のモノ−グリセリドまたはジ−グリセリドを含む任意のブレンドされた不揮発性油を使用することができる。脂肪酸(例えば、オレイン酸とそのグリセリド誘導体)が、注射可能なものの調製に有用であり、それは、天然に存在する薬学的に受容可能な油、例えば、特に、それらのポリオキシエチレン化されたバージョンの、オリーブオイルまたはヒマシ油も同様である。これらの油剤または油懸濁液にはまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)、あるいは、乳剤および懸濁剤を含む薬学的に受容可能な投与形態の処方に一般的に使用される同様の分散剤も含まれる場合がある。他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tweens、Spans)、ならびに、薬学的に受容可能な固体、液体、または他の投与形態の製造に通常使用される、他の乳化剤または生体利用性エンハンサーもまた、処方の目的に使用される場合がある。
【0072】
本発明の薬学的組成物は、任意の経口投与することができる投与形態で経口投与することができる。これには、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤、または液剤が含まれるが、これらに限定はされない。経口で使用するための錠剤の場合には、通常使用されるキャリアとしては、ラクトースとコーンスターチが挙げられる。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた、通常は、添加される。カプセル形態での経口投与については、有用な希釈剤として、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液が経口での使用に必要である場合には、有効成分は乳化剤および懸濁剤と混合される。所望される場合には、特定の甘味剤、香味剤、または着色剤が添加される場合もある。
【0073】
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与される場合がある。これらは、室温では固体であるが、直腸の温度では液体であり、したがって、直腸で融解して薬剤を放出する、適切な刺激性のない賦形剤と薬剤を混合することによって調製することができる。このような物質としては、ココアバター、ミツロウ、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0074】
本発明の薬学的組成物はまた、特に、処置の標的に局所投与によって容易に近づくことができる領域または臓器が含まれる場合(眼疾患、皮膚疾患、または下部腸管疾患を含む)には、局所投与される場合もある。これらの領域または臓器のそれぞれについて適切な局所用処方物が、容易に調製される。
【0075】
下部腸管への局所投与は、直腸用の坐剤処方物(上記を参照のこと)で、または適切な浣腸処方物で行うことができる。局所用経皮パッチもまた使用することができる。
【0076】
局所投与については、薬学的に受容可能な組成物は、1つ以上のキャリアの中に懸濁させられた、または溶解させられた有効成分を含む適切な軟膏に処方することができる。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、ミネラルオイル、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ、および水が挙げられるが、これらに限定はされない。あるいは、薬学的に受容可能な組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリアの中に懸濁させられたかまたは溶解させられた有効成分を含む、適切なローション剤またはクリーム剤に処方することができる。適切なキャリアとしては、ミネラルオイル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0077】
眼用の使用については、薬学的に受容可能な組成物は、等張性の、pHが調節された滅菌の生理食塩水中の微粉化懸濁液として、または、好ましくは、塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤を含むかまたはそれを含まないかのいずれかである、等張性の、pHが調節された滅菌の生理食塩水中の溶液として処方することができる。あるいは、眼用の使用については、薬学的に受容可能な組成物は、ワセリンのような軟膏に処方することができる。
【0078】
本発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することもできる。このような組成物は、薬学的処方物の分野で周知の技術にしたがって調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生体利用性を高めるための吸収促進剤、過フッ化炭化水素、および/または他の通常の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水中に、溶液として調製することができる。
【0079】
最も好ましくは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与用に処方される。
【0080】
1つの投薬形態の組成物を生成するためにキャリア物質と混合することができる本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与の態様に応じて変更することができる。好ましくは、組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の化合物の投与量を、これらの組成物が投与される患者に投与することができるように処方されるべきである。
【0081】
任意の特定の患者についての特異的な投与量および処置レジュメは、使用される特異的な化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事療法、投与のタイミング、排出速度、薬剤の併用、および処置を行う医師の判断、処置される特定の疾患の重篤度を含む種々の要因に応じて変化することが理解されるはずである。組成物中の本発明の化合物の量もまた、組成物中の特定の化合物に応じて変化する。
【0082】
処置または予防される特定の症状または疾患に応じて、その症状を処置または予防するために通常投与される別の治療薬を、また、本発明の組成物中に存在させることができる。本明細書中で使用される場合は、特定の疾患または症状を処置または予防するために通常投与される別の治療薬は、「処置される疾患または商標に適している」として知られているものである。
【0083】
本発明の組成物に本発明のIMPDH阻害因子と、1つ以上の別の治療薬または予防薬(例えば、本明細書中に開示されるもの)の組み合わせが含まれる場合には、IMPDH阻害因子と別の薬剤(単数または複数)は、単剤療法レジュメにおいて通常投与される投与量の約10から100%の間、より好ましくは、約10から80%の間の投与量レベルで存在するべきである。別の薬剤は、多剤投与レジュメの一部として、本発明の化合物とは別に投与される場合がある。あるいは、これらの薬剤は、単剤組成物である本発明の化合物と一緒に混合された単剤投与形態の一部である場合もある。
【0084】
本発明の組成物に、本発明のIMPDH阻害因子と、1つ以上の別の治療薬または予防薬の組み合わせが含まれる場合は、化合物と別の薬剤の両方が、単剤療法のレジュメにおいて通常投与される投与量の約10から100%の間、別の実施形態において、約10から80%の間の投与量レベルで存在するべきである。
【0085】
1つの実施形態によると、本発明の薬学的組成物には、別の免疫抑制剤が含まれる。別の免疫抑制剤の例としては、シクロスポリンA、FK506、ラパマイシン、レフルノミド、デオキシスパガリン、プレドニソン、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、OKT3、ATAG、ミゾリビン、およびインターフェロン(PEG−Intron(登録商標)およびPegasys(登録商標)のようなα−インターフェロンを含む)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0086】
用語「インターフェロン」は、本明細書中で使用される場合は、ウイルスの複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答を調節する相同性の高い種特異的タンパク質のファミリーのメンバーを意味し、例えば、インターフェロンα、インターフェロンβ、またはインターフェロンγである。The Merck Index,entry 5015,第12版。
【0087】
本発明の1つの実施形態によると、インターフェロンはα−インターフェロンである。別の実施形態によると、本発明の治療用混合物は、天然に存在するαインターフェロン2aを利用する。または、本発明の治療用混合物は、天然に存在するαインターフェロン2bを利用する。別の実施形態において、本発明の治療用混合物は、組み換え体であるαインターフェロン2aまたは2bを利用する。なお別の実施形態において、インターフェロンは、ペグ化されたαインターフェロン2aまたは2bである。本発明に適しているインターフェロンとしては以下が挙げられる:
(a)イントロン(Intron)(インターフェロン−α 2B、Schering Plough)、
(b)ペグイントロン(Peg−Intron)、
(c)ペガシス(Pegasys)、
(d)ロフェロン(Roferon)、
(e)ベロホール(Berofor)、
(f)スミフェロン(Sumiferon)、
(g)ウェルフェロン(Wellferon)、
(h)Amgen,Inc.,Newbury Park,CAから入手することができるコンセンサスαインターフェロン、
(i)アルフェロン(Alferon);
(j)ビラフェロン(Viraferon)(登録商標);
(k)インファゲン(Infergen)(登録商標)。
【0088】
別の実施形態によると、本発明の薬学的組成物にはさらに、抗ガン剤が含まれる場合がある。抗ガン剤の例としては、シスプラチン、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、アムサクリン、ミトキサントロン、テニパシド、タキソール、コルヒチン、シクロスポリンA、フェノチアジン、インターフェロン、およびチオキサンテーレが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0089】
別の実施形態において、本発明の組成物にはさらに、別の抗ウイルス剤(抗HCV薬を含む)が含まれる。このような抗ウイルス剤としては、免疫調節薬(例えば、α−、β−、およびγ−インターフェロン、ペグ化によって誘導されたインターフェロン−α化合物、およびサイモシン);他の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン(およびリバビリンとペグ化インターフェロン[レベトロール(Rebetrol)(登録商標)]の併用療法)、d4T、ddI、AZT、アンプレナビル、fos−アンプレナビル、アシクロビル、NS3−NS4Aプロテアーゼ阻害因子(例えば、PCT公開番号WO02/018369に開示されているもの)、アマンタジン、サイトベン(Cytovene)、ガンシクロビル、リトニビル、ホスホノギ酸三ナトリウム、およびテルビブジン;C型肝炎プロテアーゼの他の阻害因子(NS2−NS3阻害因子およびNS3−NS4A阻害因子);HCV生存サイクル中の他の標的の阻害因子(ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害因子を含むが、これらに限定はされない);内部リボソーム侵入の阻害因子;ならびに、広範囲のウイルス阻害因子(例えば、IMPDH阻害因子(例えば、VX−497、ならびに、米国特許第5,807,876号および同第6,498,178号に開示されている他のIMPDH阻害因子、ミコフェノール酸およびその誘導体)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0090】
1つの実施形態において、本発明の組成物には、さらに、シトクロムP−450阻害因子を含む別の薬剤が含まれる。このような、シトクロムP−450阻害因子としては、リトナビルが挙げられるが、これに限定はされない。CYP阻害因子は、CYPによって阻害される化合物の肝臓での濃度を増大させることにおいて、および/または血中濃度を増大させることにおいて有用であり得る。
【0091】
本発明の1つの実施形態にCYP阻害因子が関係している場合は、IMPDH阻害因子の薬物動態特性を改善する任意のCYP阻害因子を、本発明の方法において使用することができる。これらのCYP阻害因子としては、リトナビル(WO/94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インディナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォサムプレナビル、サクイナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリストマイシン、VX−944、およびVX−497が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましいCYP阻害因子としては、レトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、およびクロメチアゾールが挙げられる。レトナビルの好ましい投与形態については、米国特許第6,037,157号およびその中に引用されている文献、すなわち米国特許第5,484,801号、米国特許出願番号08/402,690、ならびに、国際出願番号WO95/07696および同WO95/09614を参照のこと。
【0092】
シトクロムP450モノオキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定するための方法は公知である(US6,037,157、およびYun,et al.,Drug Metabolism & Disposition,第21巻、pp.403−407(1993)を参照のこと)。
【0093】
なお別の代替的な実施形態によると、本発明の薬学的組成物には、さらに、抗血管過剰増殖薬が含まれる。抗血管過剰増殖薬の例としては、HMG Co−Aレダクターゼ阻害因子、例えば、ロバスタチン、トロンボキサンA2合成酵素阻害因子、エイコサペンタン酸、シプロステン、トラピジル、ACE阻害因子、低分子量ヘパリン、ミコフェノール酸、ラパマイシン、および5−(3’−ピリジニルメチル)ベンゾフラン−2−カルボン酸が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0094】
患者の症状の改善に基づいて、本発明の化合物、組成物、または組み合わせの維持量を、必要に応じて投与することができる。続いて、投与量または投与頻度、あるいは両方を、症状の関数として、改善された症状を維持できるレベルに減少させることができ、症状が所望されるレベルに緩和されると、処置は中断されるべきである。しかし、患者には、疾患の症状の何らかの再発の際には長期的に断続的な処置が必要である場合がある。
【0095】
1つの実施形態によると、用語「IMPDHによって媒介される疾患」には、本明細書中で使用される場合は、移植の拒絶(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(島細胞)、骨髄、角膜、小腸および皮膚の同種移植、ならびに、心臓弁の異種移植)などの免疫系関連疾患、移植片対宿主疾患、ならびに、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、若年性糖尿病、喘息、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、湿疹、脂漏、肺の炎症、ブドウ膜炎、グレーヴス病、橋本甲状腺炎、ベーチェット病、シェーングレン症候群(ドライアイ/口内乾燥症)、悪性貧血または免疫溶血性貧血、突発性副腎機能障害、多腺性自己免疫症候群、糸球体腎炎、強皮症、扁平苔癬、尋常性白斑(皮膚の脱色素)、自己免疫性甲状腺炎、および肺胞炎が含まれる。
【0096】
別の実施形態によると、用語「IMPDHによって媒介される疾患」には、本明細書中で使用される場合には、ウイルス性疾患(例えば、オルトミクソウイルス(A型およびB型インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルス)、麻疹ウイルスおよび3型パラインフルエンザ)、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV−2、HHV−6、HHV−7、HHV−8、エプスタインバーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(HCMV)、および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV))、レトロウイルス(HIV−1、HIV−2、HTLV−1、HTLV−2)、フラビウイルスおよびペスチウイルス(黄熱病ウイルス(YFV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デング熱ウイルス、ウシ・ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、肝炎(hepatotrophic)ウイルス(A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、D型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、G型肝炎ウイルス(HGV)、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHF)、ブンヤウイルス(プンタトロ(Punta Toro)ウイルス、リフトバレー熱ウイルス(RVFV)、およびサシチョウバエ熱シシリアンウイルス)、ハンターンウイルス、カラパル(Caraparu)ウイルス)、ヒトパピローマウイルス、脳炎ウイルス(ラクロス(La Crosse)ウイルス)、アレナウイルス(フニンウイルスおよびタカリベウイルス)、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス(ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、脳心筋炎ウイルス(EMC))、ラッサ熱ウイルス、およびトガウイルス(シンドビスウイルスおよびセムリキ森林ウイルス)、ならびに、ポックスウイルス(ワクシニアウイルス)、アデノウイルス、ルビオラ(rubiola)ウイルス、および風疹ウイルスによる感染によって引き起こされるDNAウイルス疾患およびRNAウイルス疾患)が挙げられる。
【0097】
別の実施形態によると、用語「IMPDHによって媒介される疾患」には、本明細書中で使用される場合は、再狭窄、狭窄、動脈硬化症、および他の過剰増殖性の血管障害のような、血管細胞の過剰増殖性疾患が含まれる。
【0098】
別の実施形態によると、用語「IMPDHによって媒介される疾患」には、本明細書中で使用される場合は、リンパ腫、白血病、および他の形態のガン(例えば、乳ガン、前立腺ガン、結腸ガン、膵臓ガンなど)などの腫瘍が含まれる。
【0099】
別の実施形態によると、用語「IMPDHによって媒介される疾患」には、本明細書中で使用される場合は、炎症性疾患、例えば、変形性関節症、急性膵炎、慢性膵炎、喘息、および成人呼吸窮迫症候群が含まれる。
【0100】
別の実施形態によると、本発明により、不定形の化合物1が提供される。1つの実施形態によると、化合物1の不定形形態は、結晶形態の化合物1(例えば、形態A)を、不定形形態の化合物1へと変換させることによって生成される。
【0101】
別の実施形態によると、本発明により、不定形形態の化合物1と、薬学的に受容可能なアジュバントまたはキャリアを含む薬学的組成物が提供される。
【0102】
別の実施形態によると、本発明により、不定形形態の化合物1を含む薬学的組成物を処方する方法が提供される。この方法には、以下の工程が含まれる:
(i)形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、または形態Fのいずれか1つを不定形形態に変換する工程;および
(ii)上記不定形形態を、1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程。
【0103】
上記工程は、別々に行うことも、また同時に行うこともでき、薬学的組成物が生成される。
【0104】
別の実施形態によると、不定形形態の化合物1は形態Eから生成される。
【0105】
結晶形態(例えば、本発明の多形体形態)の処方に適している不定形形態への変換のための適切な方法は、当該分野で周知である。例えば、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」;Alfonso R.Gennaro,Editor,Mack Publishing,1995,第19版、第2巻(その全体が引用により本明細書中に組み入れられる)を参照のこと。
【0106】
本明細書中に記載される本発明がより完全に理解され得るために、以下の実施例が示される。これらの実施例は例示の目的のためのものにすぎず、いかなる様式においても本発明を限定するとは解釈されないことが理解されるはずである。
【実施例】
【0107】
実験方法
粉末X線回折
分析は、Shimadzu XRD−6000粉末X線結晶回折装置で、Cu K α線を使用して行った。この機器には、長距離高精度焦点X線管が取り付けられている。管電圧およびアンペア数は、それぞれ、40kVと40mAに設定した。発散および分散スリットを1°に設定し、受け入れスリットは0.15mmに設定した。回折された電磁波を、NaIシンチレーション検出器で検出した。3°/分(0.4秒/0.02°のステップ)での2.5から40°2θまでの、θ〜2θの連続読み取りを使用した。シリコン標準物を分析して、機器のアラインメントをチェックした。試料を、アルミニウム/シリコン試料保持器に試料を入れることによって、分析のために準備した。
【0108】
示差走査熱量測定法(DSC)
分析は、TA Instruments示差走査熱量計2920で行った。機器を、参照物質としてインジウムを使用して較正した。試料を、波型の蓋の構造の標準的なアルミニウムのDSCパンに載せ、重さを正確に記録した。試料セルを25℃で平衡化させ、10℃/分の速度の窒素パージ下で加熱して、最終的な温度を350℃まで上げた。DSCを使用して、多形体形態の融点もまた得た。
【0109】
(実施例1)
化合物1を、’178号特許に記載されている方法を使用して合成した。
【0110】
以下の実施例で使用する省略形および用語としては、以下が挙げられる:
EtOAc:酢酸エチル
MEK:メチルエチルケトン
:窒素ガス
L:リットル
max:最高温度
SLS:硫酸ドデシル、ナトリウム塩
Nutsche:Nutscheフィルター
Rosenmund:Rosenmund加圧フィルター
Kg:キログラム。
【0111】
形態Aの調製
約72kgのEtOAc(酢酸エチル)中の化合物1を仕上げ濾過(polish filtered)し、その後、減圧下で濃縮して、約32Lの全容量とした。トルエン(109kg)を反応器に3時間かけてチャージした。得られたスラリーを、数日間室温で攪拌し、その後、遠心分離した。濾過ケーキを、50℃で20時間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させた。この生成物(10.89kg)を20.2kgのMEK(メチルエチルケトン)に、70℃で溶解させた。トルエン(83.2kg)を添加し、混合物をゆっくりと20℃に冷却させ、ここでこれを19時間攪拌し、その後、遠心分離した。濾過ケーキを、50℃で一晩、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させた。得られた生成物を65kgのヘプタンを用いて、室温で5時間かけてスラリーとし、その後、遠心分離した。濾過ケーキを、50℃で34時間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させて、形態Aを得た。
【0112】
形態Aの調製
300galの反応器の中で、化合物1(50kg)を、480LのEtOAcに70〜77℃で溶解させ、その後、30〜40℃で仕上げ濾過した(polish filtered)。これを25〜30℃に冷却し、150gの形態Aを播種した。その後、反応混合物を30〜40℃で減圧下で濃縮して、150Lの容量にした。温度を20〜30℃に調節し、1時間攪拌した。その結果、バッチは完全に結晶化した。これに対して、425LのEtOAcをチャージし、反応混合物を40〜50℃に加熱した。575Lのヘプタンを、40〜50℃で1時間かけてゆっくりと添加した。反応混合物を20〜25℃に1〜2時間かけて冷却し、20〜25℃で5時間攪拌した。生成物を、1mのRosenmund上で濾過し、370Lのヘプタン/EtOAc 1:1でリンスした。その後、濾過ケーキを、45〜55℃で12時間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させて、形態Aを得た。
【0113】
形態Aの調製
蒸留水中の形態Bの懸濁液を、5〜10日間、室温で攪拌しながら維持したか、または攪拌せずに静置した。生成物を、濾過または遠心分離し、蒸留水で洗浄(3回)し、その後、室温で減圧乾燥して、形態Aを得た。
【0114】
形態Aの調製
SLSの界面活性剤溶液の容量に対して0.001〜0.1重量%の形態Bの懸濁液を、5〜10日間、室温で攪拌しながら維持したか、または攪拌せずに静置した。生成物を、濾過または遠心分離し、蒸留水で洗浄(3回)し、その後、室温で減圧乾燥して、形態Aを得た。
【0115】
形態Bの調製
1.135kgの化合物1を2.4LのMEKに65℃で溶解させ、その後、仕上げ濾過した(polish filtered)。この溶液に対して、65℃で、11.5Lのトルエンを添加した。混合物を、攪拌しながら一晩冷却した。生成物を濾過し、トルエンでリンスし、その後、50℃で5日間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させた。この物質を、10倍量のヘプタン中に、室温で一晩かけてスラリーとし、その後、濾過し、リンスし、そして50℃で一晩、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させた。さらに1回のヘプタンスラリーを、残留トルエンを除去するために行った。その後、濾過ケーキを、50℃で一晩、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させて、形態Bを得た。
【0116】
形態Bの調製
2.29kgの化合物1を4.6LのMEKに60℃で溶解させた。この溶液に対して、13.8Lのトルエンを添加し、混合物を、攪拌せずに一晩、室温に冷却させた。沈殿した固形物を1時間攪拌し、その後、濾過し、トルエンでリンスした。得られた濾過ケーキを、23Lのヘキサン中に懸濁させ、一晩還流させた。懸濁液を高温で濾過し(filtered hot)、得られた濾過ケーキをヘキサンでリンスした。その後、生成物を、50℃で数日間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させて、形態Bを得た。
【0117】
形態Bの調製
化合物1をトリフルオロエタノールに溶解させ、形態Bを、ジエチルエーテルを使用した抗溶媒結晶化によって得た。
【0118】
形態Cの調製
N−プロパノールとヘプタンを、化合物1についてのクラッシュクール(crash cool)手順に使用した。形成した生成物を吸引濾過し、乾燥させて、形態Cを得た。
【0119】
形態Dの調製
2.29kgの化合物1を4.6LのMEKに60℃で溶解させた。これに対して、13.8Lのトルエンを添加し、溶液を、攪拌せずに一晩、室温に冷却させた。翌朝、固形物を1時間攪拌し、その後、濾過し、トルエンでリンスした。得られた濾過ケーキを、23Lのヘキサン中に懸濁させ、一晩還流させた。この懸濁液を高温で濾過し(filtered hot)、風乾させて、形態Dを得た。
【0120】
形態Dの調製
化合物1を、ニトロメタン/トルエン溶媒系、またはトリフルオロエタノール/トルエン溶媒系を用いた蒸発技術を使用して結晶化させた。得られた生成物を風乾させて、形態Dを得た。
【0121】
形態Eの調製
化合物1(約115g)を250mLのMEKに70℃で溶解させた。1Lのへプランを70℃で添加して、混合物を冷却した。生成物は油状であり(oiled out)、30℃で油が固化した(oil solidified)。懸濁液を、室温で一晩、攪拌した。スラリーを濾過し、リンスし、漏斗上で吸引乾燥させて、形態Eを得た。
【0122】
形態Eの調製
300galの反応器の中で、EtOAc中の化合物1を、減圧下で、Tmax=40℃で濃縮して、150〜250Lの全容量とした。EtOAc(400L)を反応器にチャージした。得られた溶液を仕上げ濾過し(polish filtered)、その後、減圧下で、Tmax=40℃で濃縮して、150〜200Lの全容量とした。別の390LのEtOAcを添加し、混合物を、減圧下で、Tmax=40℃で濃縮して、150〜200Lの全容量とした。これにより、生成物の沈殿が生じた。混合物を20〜35℃で1時間攪拌し、その後、424LのEtOAcをチャージした。混合物を40〜50℃に温め、700Lのヘプタンを、2時間かけてゆっくりと添加した。混合物を15〜25℃に、2時間かけて冷却し、その後、同じ温度で1時間攪拌した。懸濁液を、1mのnutscheフィルターで濾過し、その後、426Lのヘプタン/EtOAc、3:1でリンスした。得られた濾過ケーキを、45〜55℃で12時間、Nを抽気しながら減圧下で乾燥させて、形態Eを得た。
【0123】
形態Eの調製
SLSの界面活性剤溶液の容量に対して0.1重量%の形態Bの懸濁液を、5〜10日間、室温で攪拌しながら維持したか、または攪拌せずに静置した。生成物を、濾過または遠心分離し、蒸留水で洗浄(3回)し、その後、室温で減圧乾燥して、形態Eを得た。
【0124】
形態Fの調製
化合物1を、アセトン/水溶媒系を用いた徐冷技術を使用して結晶化させた。得られた生成物を風乾させて、形態Fを得た。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】図1は、形態Aの粉末X線回折パターンである。
【図2】図2は、形態Bの粉末X線回折パターンである。
【図3】図3は、形態Cの粉末X線回折パターンである。
【図4】図4は、形態Dの粉末X線回折パターンである。
【図5】図5は、形態Eの粉末X線回折パターンである。
【図6】図6は、形態Fの粉末X線回折パターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約5.76、7.82、8.10、10.08、および15.73度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態A。
【請求項2】
前記X線回折パターンが図1と実質的に同様である、請求項1に記載の多形体形態A。
【請求項3】
前記形態Aが、約148℃から約156℃の間の融点を特徴とする、請求項1に記載の多形体形態A。
【請求項4】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約11.72、14.57、18.25、22.40、および27.72度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態B。
【請求項5】
前記形態Bが、図2と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項4に記載の多形体形態B。
【請求項6】
前記形態Bが、約131℃の融点を特徴とする、請求項4に記載の多形体形態B。
【請求項7】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約3.82、8.5、10.74、15.22、17.02度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態C。
【請求項8】
前記形態Cが、図3と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項7に記載の多形体形態C。
【請求項9】
前記形態Cが、約77℃の融点を特徴とする、請求項7に記載の多形体形態C。
【請求項10】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約6.06、9.53、および23.86度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態D。
【請求項11】
前記形態Dが、図4と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項10に記載の多形体形態D。
【請求項12】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約5.15、14.76、20.86、24.28、24.94度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態E。
【請求項13】
前記形態Eが、図5と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項12に記載の多形体形態E。
【請求項14】
前記形態Eが、約151℃の融点を特徴とする、請求項12に記載の多形体形態E。
【請求項15】
Cu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンにおいて、約7.82、8.16、12.93、19.01、23.83度の2θの1つ以上のピークを特徴とする、(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの多形体形態F。
【請求項16】
前記形態Fが、図6と実質的に同様であるCu K α線を使用して得られる粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項15に記載の多形体形態F。
【請求項17】
(a)請求項2、5、8、11、13、または16のいずれか1項に記載の多形体形態;および
(b)薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバント
を含む、薬学的組成物。
【請求項18】
(1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルの不定形形態であって、請求項2、5、8、11、13、または16のいずれか1項に記載の多形体形態から生成される、不定形形態。
【請求項19】
前記不定形形態が多形体形態Eから生成される、請求項18に記載の不定形形態。
【請求項20】
請求項18に記載の不定形形態を含む薬学的組成物であって、該組成物が:
(i)多形体形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、または形態Fのいずれか1つを該不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)該不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程
によって生成される、薬学的組成物。
【請求項21】
前記多形体形態Eが前記不定形形態に変換される、請求項20に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
化合物1の不定形形態を含む薬学的組成物を生成する方法であって:
(i)多形体形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、または形態Fのいずれか1つを該不定形形態へと変換させる工程;および
(ii)該不定形形態を1つ以上の適切な薬学的キャリアまたはアジュバントと混合する工程
を含む、方法。
【請求項23】
前記多形体形態Eが前記不定形形態に変換される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項2に記載の形態Aの多形体を調製するためのプロセスであって、以下の工程:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)該溶液を、適切な温度で適切な媒質を通じて濾過して、適切な濾液を得る工程;
c)該濾液をほぼ室温に冷却する工程;
d)適切な量の形態Aを該濾液に播種する工程;
e)該濾液を適切な減圧および適切な温度下で、もとの容量のおよそ3分の1に濃縮して、スラリーを得る工程;
f)該スラリーを適切な温度で適切な時間攪拌する工程;
g)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
h)約1容量の適切な溶媒を適切な時間をかけて、適切な温度で攪拌しながら添加して、スラリーを得る工程;
i)該スラリーをほぼ室温に冷却し、適切な時間攪拌する工程;
j)濾過または遠心分離によって生成物を単離する工程;
k)該生成物を、適切な溶媒の約1:1混合物でリンスする工程;ならびに
l)該生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程、
のうちの少なくとも1つを包含する、プロセス。
【請求項25】
請求項5に記載の形態Bの多形体形態を調製するためのプロセスであって、以下の工程:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
c)該溶液を適切な時間をかけて、適切に攪拌しながら、または攪拌せずに、ほぼ室温に冷却して、スラリーを得る工程;
d)該スラリーを適切な時間攪拌する工程;
e)沈殿した生成物を濾過または遠心分離によって単離する工程;
f)該生成物を適切な溶媒でリンスする工程;
g)該生成物を適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら懸濁させる工程;
h)該生成物を、適切な温度での濾過または遠心分離によって単離する工程;
i)該生成物を、適切な溶媒でリンスする工程;ならびに
j)該生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程、
のうちの少なくとも1つを包含する、プロセス。
【請求項26】
請求項11に記載の形態Dの多形体形態を調製するためのプロセスであって、以下の工程:
a)1−{3−[3−(4−シアノ−3−メトキシ−フェニル)ウレイド]−フェニル}−エチル)−カルバミン酸−2−シアノ−1−エチル−エチルエステルを、適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら溶解させて、適切な溶液を得る工程;
b)適切な量の適切な溶媒を適切な温度で添加して、適切な溶液を得る工程;
c)該溶液を適切な時間をかけて、適切に攪拌しながら、または攪拌せずに、ほぼ室温に冷却して、スラリーを得る工程;
d)該スラリーを適切な時間攪拌する工程;
e)沈殿した生成物を濾過または遠心分離によって単離する工程;
f)該生成物を適切な溶媒でリンスする工程;
g)該生成物を適切な溶媒に、適切な温度で適切に攪拌しながら懸濁させる工程;
h)該生成物を、適切な温度での濾過または遠心分離によって単離する工程;
i)該生成物を、適切な溶媒でリンスする工程;ならびに
j)該生成物を、適切な温度で適切な減圧下で、適切な時間乾燥させて、恒量とする工程、
のうちの少なくとも1つを包含する、プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−530562(P2007−530562A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505099(P2007−505099)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/009516
【国際公開番号】WO2005/095333
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】