説明

(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形

【課題】成長ホルモンを放出させるように下垂体細胞に直接作用する医薬品として有用な(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(アナモレリン遊離塩基)の結晶多形体の提供。
【解決手段】メタノール溶媒和物及び水和物、一水和物又は無水結晶の状態の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(アナモレリン遊離塩基)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2004年6月29日に出願された米国仮出願第60/583,757号に基づく優先権を主張する。上記出願の全体の教示は、参照によって援用するものとする。
本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
成長ホルモンは、成長及び代謝を含め、いくつかの複合的な生理学的過程の制御に大きく関わっている。成長ホルモンは、代謝過程、例えば、蛋白質合成及び遊離脂肪酸動員の刺激に多大な影響を及ぼすこと及び炭水化物から脂肪酸代謝へのエネルギー代謝の変換をもたらすことが知られている。成長ホルモンが不足すると、多数の深刻な内科的疾患、例えば、低身長症が生じ得る。
【0003】
下垂体からの成長ホルモンの放出は、多数のホルモン及び神経伝達物質によって直接的に又は間接的に制御される。成長ホルモン放出は、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)によって刺激され、そしてソマトスタチンによって抑制され得る。この両方の場合において、該ホルモンは視床下部から放出されるが、それらの作用は、主として、下垂体内に局在する特定の受容体を介して仲介される。また、下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する他の化合物も記載されてきた。例えば、アルギニン、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(1−Dopa)、グルカゴン、バソプレシン、PACAP(下垂体アデニリルシクラーゼ活性化ペプチド)、ムスカリン性受容体アゴニスト及び合成ヘキサペプチド、GHRP(成長ホルモン放出ペプチド)が、下垂体に直接作用するか或いは視床下部からのGHRH及び/又はソマトスタチンの放出に作用するか、のいずれかによって内因性成長ホルモンを放出させる。
【0004】
これまでに、哺乳動物内で成長ホルモンのレベルを増加させるために所定の化合物を使用することが提案されている。例えば、米国特許第6,303,620号及び6,576,648号(これらの全内容は、参照によって援用するものとする)には、次の化学構造:
【化1】

を有する化合物:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドが開示されており、該化合物は、試験管内での通常の実験条件下で下垂体細胞に直接作用してそこから成長ホルモンを放出させる。この成長ホルモン放出化合物は、特に成長ホルモンの分泌が下垂体レベルでどのように調節されているのかについて理解するためのユニークな研究道具として試験管内で利用できる。さらに、この成長ホルモン放出化合物を哺乳動物に生体内で投与して内因性成長ホルモン放出を増加させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6303620号明細書
【特許文献2】米国特許第6576648号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概略
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは結晶化できることが分かった。99面積パーセントを超える純度を有する少なくとも4種の結晶形が生成された。(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドのこれらの結晶形は、内因性成長ホルモンの放出を増大させるために使用できる医薬組成物として有用であることが予期される。
【0007】
一具体例では、本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。
【0008】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約:10.1、11.1、17.6、20.0及び20.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が上に列挙した群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約:9.6、17.3、18.2、22.1及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0009】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約:17.0、19.4、21.5、26.2及び33.3よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が上に列挙した群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約:9.3、23.3、20.4、22.9及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0010】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約19.2、20.1、23.0、26.2及び27.0よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が上に列挙した群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約:16.3、21.4、24.0、29.8及び31.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0011】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約10.2、11.2、18.7、20.6及び23.4よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が上に列挙した群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ又は少なくとも2つの2θ値が約9.9、13.8、14.3、16.7及び19.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0012】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つの2θ値が10.1、17.0、20.6及び23.0よりなる群から選択され、且つ、随意に、CuKα放射を使用して測定される第2の追加の2θ値が約:17.6、19.2、23.0、23.4、26.2及び33.3又は随意にCuKα放射を使用して測定される第2の追加の2θ値が9.5、16.7、17.5、17.9、20.0、21.5、23.5、23.9及び27.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。
【0013】
さらに、本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの製造方法に関するものである。該方法は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドと溶媒とを混合させ、該溶媒から該結晶を沈殿させ、そして該結晶を単離することを含む。一具体例では、該溶媒は、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びそれらの混合物よりなる群から選択される。別の具体例では、該溶媒はメタノールと水の混合物である。さらなる具体例では、該溶媒は、40%(v/v)メタノール〜60%(v/v)メタノールを含む。さらなる具体例では、本発明は、上記の方法によって製造された結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。
【0014】
さらに、本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの製造方法である。該方法は、{1−[(1R)−2−](3R)−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−(1H−3−インドリルメチル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]−1−メチルエチル}カルバミン酸t−ブチルエステルと溶媒及び酸とを混合させる工程を含む。該方法は、該混合物を中和させ、該溶媒から結晶を沈殿させ、そして該結晶を分離することをさらに含む。一具体例では、該溶媒はメタノールであり、そして該混合物は、水酸化カリウムと水の混合物によって中和される。別の具体例では、該酸はメタンスルホン酸である。さらに別の具体例では、本発明は、上記の方法によって製造された結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。
【0015】
さらに、本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド及び少なくとも1種の薬学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含む医薬組成物に関するものである。
【0016】
さらに、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含むものに関する。
【0017】
本発明は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶多形であって、それぞれがより安定であり、且つ、この化合物の非晶形と比較して有利な製造特性を有するものを提供する。これらの結晶形は純度が高いため、これらのものは、製剤の処方にしばしば要求されるさらに厳格な薬事規制及び規格を満たすことができる。さらに、本発明の多形体は、溶媒中への懸濁が容易であり、容易に乾燥及びろ過されるので、それ自体が大規模生産に適する。さらに、これらの結晶形は、特化した保存条件を必要とすることなく長期間にわたって安定である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】例1に記載された方法によって製造された結晶形A(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドについての特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図(縦軸:強度(CPS);横軸:2θで表す回折角)である。
【図2】例2に記載された方法によって製造された結晶形B(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドについての特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図(縦軸:強度(CPS);横軸:2θ(°)で表す回折角)である。
【図3】例5に記載された方法によって製造された結晶形D(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドについての特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図(縦軸:強度(CPS);横軸:2θ(°)で表す回折角)である。
【図4】例8に記載された方法によって製造された結晶形C(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドについての特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図(縦軸:強度(CPS);横軸:2θ(°)で表す回折角)である。
【図5】例8に記載されるような形態C(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドについての特徴的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明の前記目的及び他の目的、特徴及び利点は、次の本発明の好ましい具体例のさらに詳しい説明から明らかであろう。添付した図面で例示するときには、同様の符号は、異なる図面を通して同一の要素を指す。これらの図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【0020】
本発明は、次の構造式:
【化2】

の結晶化化合物に関する。
【0021】
式Iの化学名は、1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドであるが、これは、2−アミノ−N−[(1R)−2−[−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−((1H−3−インドリル)メチル)−2−オキソエチル]−2−メチルプロピオンアミドの均等物である。
【0022】
好ましい具体例では、式Iの化合物は、式Iにおいて星印(*)で示される不斉炭素で(R)立体配置を有する。示された不斉炭素で(R)立体配置を有する式Iの化合物の化学名は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド:
【化3】

である。
【0023】
結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、特に除外しない限り、その水和物を含むことを理解すべきである。好ましい具体例では、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、二水和物の形態にある。本明細書において使用するときに、「二水和物」とは、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドのそれぞれの分子が約2個の水分子と会合した場合をいう。本明細書において使用するときに、「一水和物」とは、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドのそれぞれの分子が1個の水分子と会合した場合をいう。
【0024】
本明細書において使用するときに、「結晶形」とは、非常に規則的な化学構造を有する固形物質をいう。ある化合物が溶液又はスラリーから再結晶するときに、このものは様々な空間格子配列で結晶化することができ(「多形性」と呼ばれる特性)、この様々な結晶形を、個々に、「多形体」という。所定の物質の多形体は同一の化学組成を有するが、これらのものは、溶解性と分離性、真密度、融点、結晶形、圧密挙動、流動性及び/又は固体状態の安定性のような1以上の物性に関して互いに異なり得る。
【0025】
薬剤の多形性挙動は、薬学及び薬理学において極めて重要なものである。多形体によって示される物性の相違は、保存性、圧縮性及び密度(処方物及び製品を製造する際に重要である)並びに分解速度溶液(生物学的利用能を決定する際に重要な因子)のような製薬上のパラメーターに影響を与える。安定性の相違は、化学反応性の変化(例えば、所定の剤形が一方の多形体である場合に他方の多形体である場合よりも迅速に変色するような、異なった酸化)若しくは機構変化(例えば、動力学的に有利な多形体が熱力学的に安定な多形体に転化するときにタブレットが保存中に崩壊する)又はその両方(例えば、1種の多形体のタブレットが高い湿度でさらに崩壊しやすい)に起因し得る。さらに、該結晶の物性は、加工処理する際に重要になり得る:例えば、ある種の多形体は、溶媒和物を形成しやすく又は不純物をなくすように除去し且つ洗浄することが困難になる可能性がある(すなわち、粒子の形状及び粒度分布が一方の多形体と他方の多形体との間で異なり得る)。
【0026】
ある種の特定の具体例では、本発明は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶多形体に関するものである。ここで説明したこのような4種の結晶多形体を結晶形A、B、C及びDと示すが、これらは、それらの個々のX線粉末回折パターンによって区別できる。本発明の結晶形A、B、C及びDは、無水の形態並びに水和された形態及び溶媒和された形態で存在することができ、それらの全てが本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0027】
一具体例では、これらの多形体のX線粉末回折パターンは、Shimadzu XRD−6000X線粉末回折計でCuKα放射を使用して測定される。この装置は、高精度焦点X線管を備えている。この管の電圧及びアンペア数をそれぞれ40kV及び40mAに設定した。発散スリット及び散乱スリットを1°に設定し、そして受信スリットを0.15mmに設定する。回折した電磁波をNaIシンチレーション検出器で検出する。2.5から40°2θまで3°/分(0.4秒/0.02°間隔)でのθ−2θ連続スキャンを使用する。珪素基準物を分析して該装置の配置をチェックする。試料を、珪素インサートを有するアルミニウムホルダー内に置くことによって分析のために調製した。試料の高さの差のため、ピーク位置内でのいくらかのシフトが生じ得る。ここで定義するように、2θ位置は、±0.2°の誤差を有する。さらに、例えば粒度及び結晶密度のような試料の相違のため、ピーク位置内でいくらかのシフトが生じ得る。
【0028】
特定の具体例では、本発明は、例1に記載されるように溶液からの緩やかな蒸発によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Aであって、2θ、d間隔及び相対強度によって表される次のX線粉末回折パターン(図1にも示している)を特徴とするものに関する:
【0029】
【表1−1】

【表1−2】

【0030】
表1:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Aについてのピークデータの一覧表である。
【0031】
別の具体例では、本発明は、例2に記載されるように溶液からの緩やかな蒸発によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Bであって、2θ、d間隔及び相対強度によって表される次のX線粉末回折パターン(図2にも示している)を特徴とするものに関する:
【表2】

【0032】
表2:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Bについてのピークデータの一覧表である。
【0033】
別の具体例では、本発明は、例3に記載されるように溶液からの緩やかな蒸発によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cに関する。
【0034】
別の具体例では、本発明は、例5に記載されるように溶液からの緩やかな蒸発によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Dであって、2θ、d間隔及び相対強度によって表される次のX線粉末回折パターン(図3にも示している)を特徴とするものに関する:
【表3−1】

【表3−2】

【0035】
表3:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Dについてのピークデータの一覧表である。
【0036】
さらに、本発明は、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの製造方法であって、非晶質(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化を含むものに関する。一具体例では、該方法は、概して、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを生じさせる条件下で溶媒又はスラリーから溶質を結晶化することを含む。
【0037】
従って、例えば、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、該非晶形を溶媒溶液又は溶媒スラリーから結晶化させることによって製造できる。一具体例では、非晶質(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの溶媒溶液又はスラリーは、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドと溶媒とを混合させることによって形成される。
【0038】
別の好ましい具体例では、非晶質(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの溶媒溶液は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを溶媒に溶解させることによって形成される。
【0039】
好適な溶媒は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドがここに記載された方法によって結晶化できるようなものである。好適な溶媒の例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール)、極性有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド及びエチレングリコール)及び水よりなる群から選択されるものが挙げられる。
【0040】
好ましい具体例では、該溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びそれらの混合物よりなる群から選択される。さらに好ましい具体例では、該溶媒はメタノールである。最も好ましい具体例では、該溶媒は、例えば、5%〜95%(v/v)メタノール、20%〜80%(v/v)メタノール、好ましくは40%〜60%(v/v)メタノールを含有するメタノールと水の混合物である。
【0041】
別の具体例では、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、例えば、5%〜95%(v/v)エタノール、20%〜80%(v/v)エタノール、好ましくは40%〜60%(v/v)エタノールを含む水をベースとする溶媒から製造できる。
【0042】
さらなる具体例では、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、例えば、5%〜95%(v/v)イソプロパノール、20%〜80%(v/v)イソプロパノール、好ましくは40%〜60%(v/v)イソプロパノールを含む水をベースとする溶媒から製造できる。
【0043】
一具体例では、該溶媒は、高温に加熱できる。本明細書において使用するときに、「高温」とは、例えば、40℃〜100℃、50℃〜80℃又は好ましくは65℃〜75℃のような周囲温度よりも高いことをいう。別の具体例では、該溶媒は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドと溶媒とを混合させる前に高温に加熱される。別の具体例では、該溶媒は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドと溶媒とを混合した後に高温に加熱される。
【0044】
一具体例では、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを溶媒から沈殿させる。一具体例では、沈殿は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの溶媒溶液を、該溶媒の容量を減少させることにより濃縮することで誘導される。該溶媒は、例えば、溶媒の蒸発によって減少できる。別の具体例では、沈殿は、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの溶媒溶液を冷却させることによって誘導できる。
【0045】
別の具体例では、沈殿は、該溶液を急冷することによって、又は該溶液を徐冷することによって誘導できる。特定の具体例では、沈殿は、該溶液を約0.2℃/時間〜約20℃/時間、好ましくは約1℃/時間〜約10℃/時間を範囲とする速度で約20℃にゆっくりと冷却させることによって誘導できる。好ましい具体例では、該溶液を、初期の高温から60℃まで20℃/時間の速度で冷却し、次いで60℃から5℃/時間の速度で、次いで45℃から周囲温度まで15℃/時間の速度で冷却させる。該温度及び冷却速度は、溶媒の選択及びその容量に応じて適切に決定できる。本発明の目的上、周囲温度とは、約20℃〜約25℃である。
【0046】
一具体例では、沈殿した結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドが溶媒から単離される。本明細書において使用するときに、用語「単離された」には、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドであって、このものを製造した媒体中に含まれる物質のような他の物質から分離されたものが含まれるものとする。一具体例では、この単離された結晶は、該結晶を得た又は製造した源からの化学物質又は汚染溶媒を実質的に含まない。一具体例では、該結晶は、溶媒のろ過によって溶媒から単離される。好ましい具体例では、該結晶形は、該結晶の沈殿後に溶媒をろ過することによって該溶媒から単離される。
【0047】
一具体例では、単離された結晶は、例えば、メタノール/水混合物で洗浄され、そしてオーブン内で乾燥される。該結晶は、好ましくは、約周囲温度〜約70℃の間、好ましくは約40℃〜約60℃の温度のオーブン内で乾燥される。好ましくは、該乾燥は、減圧下で行う。
【0048】
さらなる具体例では、所望の多形体の「種晶」を該溶媒に添加して該溶媒中での特定の多形体の形成を促進させる。一具体例では、非晶質(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを該溶媒に添加し、そして冷却を開始した後に、該溶媒に所望の多形体の結晶を播種する。別法として、該溶媒を非晶質の(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドで飽和させてから該種晶を添加することができる。
【0049】
一具体例では、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、1−[(1R)−2−](3R)−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−(1H−3−インドリルメチル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]−1−メチルエチル}カルバミン酸t−ブチルエステルから形成される。1−[(1R)−2−](3R)−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−(1H−3−インドリルメチル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]−1−メチルエチル}カルバミン酸t−ブチルエステル上のt−ブトキシカルボニル基を酸の存在下に除去して遊離アミンを形成させる。一具体例では、この酸は、トリフルオル酢酸、弗化水素酸、塩酸、臭化水素酸又は硫酸である。好ましい具体例では、該酸はメタンスルホン酸である。t−ブトキシカルボニル基を除去したら、該混合物を、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム又は炭酸カリウムのような塩基を使用して中和させる。好ましい具体例では、該混合物を、水と、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム又は炭酸カリウムのような塩基との混合物で中和させる。該結晶化方法のうち他の部分は上記のように実施される。
【0050】
一具体例では、本発明は、上記の方法によって製造された結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。この結晶化の方法を変更すると、例えば、粒度及び結晶密度の変化を含め、結晶の変化が生じ得るが、これは、例えばピーク分裂のような結晶形間でのXRPDパターンの変化を生じさせ得る。このような方法によって生じた結晶も本発明に包含される。
【0051】
一具体例では、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cは、例4又例6に記載された方法によって製造できるが、その際に、異なるXRPDスペクトルは、結晶形C(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化よりも例3に記載されるようにその溶液からの緩やかな蒸発によって生成される。
【0052】
ここで使用するときに、「緩やかな蒸発」とは、結晶化されるべき化合物を有するその溶液又はスラリーからの溶媒又は溶媒混合物の大気条件下又は不活性雰囲気下での蒸発を意味する。
【0053】
一具体例では、本発明は、例4に記載された方法によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cである。
【0054】
一具体例では、本発明は、例6に記載された方法によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cである。一具体例では、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cは一水和物である。好ましい具体例では、(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形Cは二水和物である。
【0055】
別の具体例では、本発明は、例8に記載された方法によって製造された結晶形C(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの二水和物であって、Shimadzu XRD−6000X線粉末回折計でCuKα放射を使用して測定された次のX線粉末回折パターン(図4にも示している)を特徴とするものに関する。試料をSiゼロ−リターンミクロ試料ホルダー上に置く。管の電圧及びアンペア数をそれぞれ40kV及び40mAにセットする。発散スリット及び分散スリットを1°に設定し、そして受信スリットを0.30mmに設定する。θ−2θ連続スキャンを2°/分で3.0〜45°2θまで行い、ここで、サンプリングピッチは0.02degであり、プリセット時間は0.60秒である。そのX線粉末回折パターンは、2θ、d間隔及び相対強度によって表される:
【表4】

【0056】
表4:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド二水和物の結晶形Cについてのピークデータの一覧表である。
【0057】
別の具体例では、結晶形C二水和物は、示差走査熱量測定(DSC)又は当業者に知られている任意の他の方法によって特徴付けられ得る。
【0058】
一具体例では、本発明は、結晶形C(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド二水和物であって、68.5℃に中心がある広い吸熱、その後、110℃で始まり、116.8℃でピークとなる融解吸熱を示す示差走査熱量測定分析(図5)を特徴とするものに関する。
【0059】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:10.1、11.1、17.6、20.0及び20.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.6、17.3、18.2、22.1及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0060】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:17.0、19.4、21.5、26.2及び33.3よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.3、23.3、20.4、22.9及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0061】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:19.2、20.1、23.0、26.2及び27.0よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:16.3、21.4、24.0、29.8及び31.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0062】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約10.2、11.2、18.7、20.6及び23.4よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。さらに別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.9、13.8、14.3、16.7及び19.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化化合物である。
【0063】
別の具体例では、本発明は、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの2θ値が約:10.1、17.0、20.6及び23.0よりなる群から選択され、且つ、随意に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの追加の2θ値が17.6、19.2、23.0、23.4、26.2及び33.3よりなる群から選択され、又は、随意に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ又は少なくとも9つの追加の2θ値が約:9.5、16.7、17.5、17.9、20.0、21.5、23.5、23.9及び27.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドである。
【0064】
さらに、本発明の(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶形は、医薬組成物として有用である。
【0065】
一具体例では、本発明は、ここに記載されるような結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドと、少なくとも1種の薬学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤とを含む医薬組成物である。
【0066】
本発明の多形体を含有する医薬組成物は、米国特許第6,576,648号に記載されるように、慣用技術によって製造できる。該特許文献の全内容は、参照によって援用するものとする。
【0067】
別の具体例では、本発明は、活性成分としての本発明の多形体を、薬学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤と共に含む医薬組成物に関するものである。
【0068】
使用される製剤キャリヤー又は希釈剤は、慣用されている固体又は液体キャリヤーであることができる。本発明の医薬組成物のキャリヤー、希釈剤、調製物、組成物、投与量及び投与方法は米国特許第6,576,648号に記載された通りである。これらの全内容は、参照によって援用するものとする。
【0069】
本発明の化合物は、生体内で内因性成長ホルモンを放出することができる能力を有することが予期される。そのため、該化合物は、成長ホルモンが不足したヒト又は高齢の患者又は家畜のような血漿中成長ホルモンレベルの増加が必要な状態の治療に使用できる。
【0070】
従って、一具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激するための医薬組成物であって、活性成分としての本発明の多形体を、薬学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤と共に含むものに関する。
【0071】
一具体例では、該哺乳動物は、ヒト、イヌ、ネズミ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ又はヤギである。好ましい具体例では、哺乳動物はヒトである。
【0072】
さらに、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に治療に有効な量の本発明の多形体を投与することを含む方法である。
【0073】
ここで使用するときに、「治療に有効な量」とは、治療効果又は予防効果を得るために好適な活性成分量をいい、これは細胞培養液又は実験動物において標準的な薬学的手順によって決定できる。
【0074】
一具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。
【0075】
別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:10.1、11.1、17.6、20.0及び20.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。さらに別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.6、17.3、18.2、22.1及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与する方法である。
【0076】
別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:17.0、19.4、21.5、26.2及び33.3よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。さらに別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.3、23.3、20.4、22.9及び23.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。
【0077】
別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:19.2、20.1、23.0、26.2及び27.0よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。さらに別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:16.3、21.4、24.0、29.8及び31.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。
【0078】
別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約10.2、11.2、18.7、20.6及び23.4よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与すること含む方法である。さらに別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が上記の群から選択され、且つ、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は少なくとも5つの2θ値が約:9.9、13.8、14.3、16.7及び19.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを投与することを含む方法である。
【0079】
別の具体例では、本発明は、哺乳動物の下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する方法であって、該哺乳動物に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの2θ値が約:10.1、17.0、20.6及び23.0よりなる群から選択され、且つ、随意に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの追加の2θ値が17.6、19.2、23.0、23.4、26.2及び33.3よりなる群から選択され、又は、随意に、CuKα放射を使用して測定される少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ又は少なくとも9つの追加の2θ値が約:9.5、16.7、17.5、17.9、20.0、21.5、23.5、23.9及び27.5よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、治療に有効な量の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド投与することを含む方法である。
【0080】
当業者には、ヒトの成長ホルモンの現在の用途及び使用可能性が多種多様であり且つ多数存在することは周知である。従って、本発明の多形体は、下垂体からの成長ホルモンの放出を刺激する目的で投与でき、このときにこれは成長ホルモン自体と同様の効果又は用途を有するであろう。本発明の多形体は、例えば、高齢者における成長ホルモン放出の刺激、グルココルチコイドの代謝副作用の予防、骨粗鬆症の予防及び治療、慢性疲労症候群(CFS)の治療、急性疲労症候群及び待機手術後の筋肉欠損の治療、免疫系の刺激、創傷治癒の促進、骨折修復の促進、複雑骨折修復の促進、例えば、仮骨延長術、骨折続発性消耗症の治療、成長遅延の治療、腎不全又は機能不全によって生じる成長遅延の治療、心筋症の治療、慢性肝疾患に関連する消耗症の治療、血小板減少症の治療、クローン病に関連する成長遅延の治療、短腸症候群の治療、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関連する消耗症の治療、移植に関連する合併症の治療、生理学的低身長症(成長ホルモンが欠損した子供及び慢性疾患に関連する低身長症を含む)の治療、肥満及び肥満に関連する成長遅延の治療、食欲不振の治療、プラダー・ウィリー症候群及びターナー症候群に関連する成長遅延の治療;部分的成長ホルモン非感受性症候群患者の成長速度の増加、熱傷患者の回復促進及び入院期間の短縮;子宮内成長遅延、骨格形成異常、腎皮質機能亢進及びクッシング症候群の治療;拍動性成長ホルモン放出の誘導;ストレス状態にある患者における成長ホルモンの置換、骨軟骨異形成症、ヌーナン症候群、精神分裂病、鬱病、アルツハイマー病、遅延創傷治癒及び心理社会的剥奪の治療、肺機能不全及び人工呼吸器依存状態に関連する異化作用の治療;心不全又は関連する血管機能不全の治療、心臓機能障害の治療、心筋梗塞の治療又は予防、血圧の低下、心室機能障害に対する保護又は再かん流イベント予防;慢性透析成人の治療;大手術後の蛋白質異化反応の減衰、癌又はAIDSのような慢性疾患による悪液質及び蛋白質欠損の低減;高インスリン血症(膵島細胞症を含む)の治療、排卵誘発のためのアジュバント療法;胸腺発生の刺激及び加齢による胸腺機能の低下の予防、免疫不全患者の治療;筋肉減少症の治療、AIDSに関連する消耗症の治療;虚弱高齢者における筋力、機動力、皮膚厚みの維持、代謝恒常性及び腎臓恒常性の改善、骨芽細胞の刺激、骨再形成及び軟骨成長;食糧摂取量の調節;コンパニオンアニマルにおける免疫系の刺激及びコンパニオンアニマルにおける老化性疾患の治療、家畜成長の促進及びヒツジの羊毛成長の刺激、家畜におけるミルク生産量の増加、メタボリック症候群(症候群X)の治療、哺乳動物(例えばヒト)におけるインスリン抵抗性(NIDDMを含む)の治療、心臓におけるインスリン抵抗性の治療、睡眠の質の改善並びにレム睡眠の高度な増加及びレム潜時の減少による老齢の相対的低ソマトトロピン症の補正、低体温症の治療、老化に関連する薄弱の治療、うっ血性心不全の治療、股関節部骨折の治療、低T4/T8細胞比を有する個人における免疫不全症の治療、筋萎縮症の治療、高齢者における筋骨格障害の治療、蛋白質キナーゼB(PKB)活性の増強、肺機能全体の改善、睡眠障害の治療、ぜんそくに関連した成長遅延の治療、若年性関節リウマチに関連した成長遅延の治療並びに嚢胞性線維症に関連した成長遅延の治療に有用であることが予期される。
【0081】
随意に、本発明の医薬組成物は、本発明の多形体を、異なる活性を有する1種以上の化合物、例えば、抗生物質又は他の薬理活性物質と共に含むことができる。
【0082】
本発明の多形体の製薬学的用途のほかに、このものは、成長ホルモン放出の調節を研究するための有用な試験管内ツールであり得る。
【0083】
また、本発明の多形体は、下垂体の成長ホルモン放出能を評価するための有用な生体内ツールでもあり得る。例えば、該多形体をヒトに投与する前及び投与した後に得られた血清試料を成長ホルモンについて検定することができる。それぞれの血清試料中における成長ホルモンの比較から、患者の下垂体の成長ホルモン放出能力が直接判断されよう。
【0084】
本発明の多形体を商業的に重要な動物に投与してそれらの成長速度及び成長の程度を増加させ、またミルク生産量を増加させることができる。
【0085】
本発明の多形体のさらなる使用は、GHRP(2若しくは6)、GHRH及びそのアナログ、成長ホルモン及びそのアナログ又はIGF−1及びIGF−2を含むソマトメジンのような他の分泌促進薬との併用である。
【0086】
本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
【実施例】
【0087】
例1:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化(結晶形A)
0.0103gの(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドをガラス瓶中のメタノール(0.1mL)に溶解させた。次いで、該ガラス瓶を1個の穴が開けられたPARAFILM(登録商標)(熱可塑性フィルム)で覆った。次いで、該溶媒を周囲条件下で蒸発させた。X線回折パターンは、該化合物が結晶性であることを示した(図1)。
【0088】
例2:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化(結晶形B)
0.0124gの(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドをガラス瓶中のメタノール:水(2:1)混合物(0.15mL)に溶解させた。次いで、該ガラス瓶を1個の穴が開けられたPARAFILM(登録商標)(熱可塑性フィルム)で覆った。次いで、該溶媒を周囲条件下で蒸発させた。X線回折パターンは、該化合物が結晶性であることを示した(図2)。
【0089】
例3:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化(結晶形C)
0.1003gの(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドをガラス瓶中のメタノール(2mL)に添加した。該混合物を清浄な瓶にろ過した。次いで、該ガラス瓶を1個の穴が開けられたPARAFILM(登録商標)(熱可塑性フィルム)で覆った。次いで、該溶媒を周囲条件下で蒸発させた。(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドのXRPD分析から、該分子が結晶性であることが示された[データは示さない]。
【0090】
例4:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化(結晶形C)
{1−[(1R)−2−](3R)−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−(1H−3−インドリルメチル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]−1−メチルエチル}カルバミン酸t−ブチルエステル(4.72kg)をメタノール(5L/kg)に溶解させ、そして55±5℃に加熱した。メタンスルホン酸(1.5当量)を、55±5℃の温度を維持しつつ、45分にわたって滴下で添加した。添加が完了した後に、そのバッチ温度を上昇させ、そして60±5℃に維持した。反応の進行をHPLCを使用して監視した。脱保護の完了と同時に、該バッチを70±5℃に加熱し、そして水酸化カリウム(3当量)水溶液(5L/kgのBoc保護化合物)を、該温度を維持しつつ、2時間にわたって滴下で添加した。次いで、この熱を該容器から取り除き、そして該バッチを22℃にまで41時間にわたり冷却させた。該バッチをろ過し、そして該ケークを50%水性メタノール、次いで水で洗浄した。次いで、このフィルターのケークを水に50±5℃で24時間にわたり懸濁し、ろ過し、そして水で洗浄した。このフィルターのケークを再度水に50±5℃で17時間にわたり懸濁し、ろ過し、そして水で洗浄した。次いで、該生成物をトレイ上に載せ、そして減圧下において70±5℃で乾燥させた。結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの最終収量は、3.25kg(81%)であり、HPLCで99.8面積%の純度を有していた。この生成物の水分をカールフィッシャー法を使用して2つの別個の測定で決定したところ、2.4%及び3.2%であったが、これは、該試料が一水和物の形態にあることを示している。別の具体例では、フィルターのケークを精製水中に50±5℃で24時間にわたり懸濁し、再度ろ過し、そして精製水で洗浄する工程、またスラリー/ろ過/洗浄方法を反復する工程を省略することができる。
【0091】
例5:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形D)の製造
15gの結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを例4に記載された方法によって製造したが、ただし、フィルターのケークを水に50±5℃で再懸濁させる工程を省略し、しかも生成物を真空オーブン内において室温で乾燥させた。この試料を76mL(5容量)の水を有する容器に充填した。該混合物を一晩(16時間)穏やかに撹拌しつつ50℃に加熱した。まだ温かい混合物をワットマン#1ろ紙でろ過し、水(15mL;1容量)で洗浄し、そして真空オーブン内において60℃で54時間にわたって乾燥させ、次いで70℃で120時間にわたって乾燥させた。X線回折パターンは、該化合物が結晶性であることを示した(図3)。
【0092】
例6:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの結晶化(結晶形C)の結晶化
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド非晶質物をメタノール(5L/kg)に懸濁し、そして該混合物を撹拌しつつ65℃に加熱した。次いで、水(4L/kg)を、温度を65℃から68℃の間に維持しつつゆっくりと添加した。添加が完了した後に、該混合物を60℃に20℃/時間の速度で冷却し、次いで60℃から45℃まで5℃/時間で冷却し、次いで45℃から周囲温度まで15℃/時間の速度で冷却させた。結晶をろ過し、そしてメタノール−水(5:4 1.5L/kg)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
このプロトコールを使用して、99.3面積%の純度を有するほぼ175gの(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを、追跡可能な条件下で、粗(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(ほぼ90面積%)から単離した。
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドのXRPD分析から、該分子が結晶性であることが示された[データは示さない]。KF分析から、該試料は2.1%の水を含有することが示された。OVIの結果から、該生成物は1.9%のメタノールを含有することが示された。
【0093】
例7:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形C)の吸湿性の研究
例4に開示された方法によって製造された(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形C)(一水和物)の吸湿性を、動的蒸気収着分析(DVS)及び熱重量分析(TGA)を使用して評価した。
動的蒸気収着分析(DVS)
該試料を、Hiden IGAsorp蒸気収着分析器を使用して分析した。それぞれの試料を試料皿に置き、そして乾燥窒素流れ中で2時間にわたり25℃で乾燥にさらした。これによって、分析される試料が分析の開始前に一定の重量であることが保証された。次いで、該試料を25.0℃で分析した。吸着等温線を10〜90%RHの間で10%の刻み幅で測定した。脱着等温線を85〜0%RHの間で刻み幅10%で測定した。これらの等温線が完成した後に、該試料のそれぞれを減量曲線が漸近線に達するまで又は4時間にわたって125℃に加熱した。
熱重量分析(TGA)
該試料をMettler85le熱重量分析器を使用して分析した。試料をるつぼの中で秤量した。該試料を30℃から300.0℃まで10.00℃/分の上昇で空気パージしつつ加熱した。
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドは、初めは2.5重量%の結合水を含有していた(TGA分析によって示された)。結合水をTGAサーモグラムでの段階的変化によって同定した。DVS分析から、吸着等温線測定中に、試料が35%RHで6重量%含有するまで水を絶え間なく吸着したことが示されたが、これは安定な二水和物が存在することを示す。最高で90%RHまで、いかなる他の有意な追加の吸着も観察されなかった。脱着等温線測定中に、二水和物の結晶形が30%RHを切るまで観察され、その後水分の脱離が生じた。
結論として、DVSの結果は、該二水和物が35%の相対湿度を超えると形成されたことを示している。
【0094】
例8:(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形C)二水和物の製造並びに(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形C)一水和物及び(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(結晶形C)二水和物のキャラクタリゼーション
例4の方法によって製造された1gの結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(一水和物)をペトリ皿上に均一に広げ、そして乾燥器内において飽和BaCl2・2H2O溶液で2.5日間にわたり平衡させた。この環境内での相対湿度は〜90%であった。二水和物への転化は、平衡前後の試料重量測定によって確認した。次いで、出発原料(一水和物)及び二水和物をDSCで分析し、そしてKFで分析した。XRPDを実行し、水分収着が該出発原料の結晶格子を変化させたどうかを調査した。
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折パターンを、Shimadzu XRD−6000X線粉末回折計でCuKα放射を使用して測定した。試料をSiゼロ−リターンミクロ試料ホルダー上に置いた。管の電圧及びアンペア数をそれぞれ40kV及び40mAにセットした。発散スリット及び分散スリットを1°に設定し、そして受信スリットを0.30mmに設定した。θ−2θ連続スキャンを、2°/分で3.0〜45°2θまで、0.02degのサンプリングピッチ及び0.60秒のプリセット時間で行った。
示差走査熱量測定分析(DSC)
試料を、Mettler82le示差走査熱量計DSCを使用して分析した。該試料を天秤皿中で秤量し、穴の空いた蓋で覆い、次いで圧着した(密封した)。分析条件は、窒素パージしながら10℃/分の上昇で30〜300.0℃であった。
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド一水和物のXRPD分析から、該分子は結晶性であることが示された。DSC分析によって、109.5℃から始まり、ピーク値が116.4℃である吸熱転位が示された。この幅のある始まりは、該材料の脱水によるものと考えられる。KF分析から、該試料は2.4%の水を含有することが示された。これは、0.8又は〜1の水/試料の平均モル比に相当するところ、これは該化合物が一水和物であることを示す。
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド二水和物のXRPDの結果から、該分子が結晶性であり(図4)、しかも一水和物出発原料に類似するパターンを示すことが示された。DSC分析から、水の喪失による68.5℃に中心がある広い吸熱、その後、110℃で始まり(onset)、116.8℃でピーク(peak)となる融解吸熱が示された(図5)。KF分析から、該試料は5.6%の水を含有することが示された。これは、1.7又は〜2.0の水/試料の平均モル比に相当するところ、これは該化合物が二水和物であったことを示している。
XRPDの結果から、一水和物及びその二水和物の両方が結晶性であり、しかも同様の粉末パターンを示すことが示された。DSC及びKF結果から、該一水和物からの二水和物の形成が確認された。
【0095】
例9:結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの安定性
結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドを二重のプラスチック袋中に置き、窒素ブランケット下で閉じ、そして小型ファイバーボード容器内に置き、外観、含水量、純度及び結晶性を様々な条件下で12ヶ月の期間にわたり3ヶ月毎に試験した。
この試験の結果を表5に示している。
(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの純度及び含水量を、12ヶ月の安定性試験の前、その間及びその後に、それぞれHPLC及びKFを使用して分析した。表5から明らかなように、結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジドの純度は12ヶ月後でもさほど変化がなかった。カールフィッシャー分析から、含水量が3.2%から12ヶ月後にはほぼ6%に増加したことが分かった。
【0096】
【表5】

【0097】
表5は、12ヶ月安定性試験である。
【0098】
均等
本発明を、その好ましい具体例を参照しながら具体的に示し且つ説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に包含される発明の範囲から逸脱することなく、その実施形態及び細部に様々な変更をなし得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタノール溶媒和物及び水和物、一水和物又は無水結晶の状態の結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(アナモレリン遊離塩基)。
【請求項2】
CuKα放射を使用して測定される少なくとも3つの2θ値が:10.1、11.1、17.6、20.0及び20.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶化アナモレリン遊離塩基。
【請求項3】
CuKα放射を使用して測定される少なくとも4又は5つの2θ値が:10.1、11.1、17.6、20.0及び20.8よりなる群から選択されるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶化アナモレリン遊離塩基。
【請求項4】
CuKα放射を使用して測定される2θ値が9.6、10.1、10.8、11.1、13.8、14.6、15.2、16.7、17.3、17.6、18.2、20.0、20.5、20.8、22.1、23.5、25.8、27.5、30.5及び35.0であるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶化アナモレリン遊離塩基。
【請求項5】
結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(アナモレリン遊離塩基)の製造方法であって、次の工程:
(a)アナモレリン遊離塩基を水、メタノール及びそれらの混合物よりなる群から選択される溶媒に溶解させ、
(b)該溶媒から結晶化アナモレリン遊離塩基を沈殿させ、及び
(c)該結晶化アナモレリン遊離塩基を単離すること
を含む、前記製造方法。
【請求項6】
前記溶媒が、20%(v/v)のメタノール〜80%(v/v)のメタノールを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
結晶化(3R)−1−(2−メチルアラニル−D−トリプトフィル)−3−(フェニルメチル)−3−ピペリジンカルボン酸1,2,2−トリメチルヒドラジド(アナモレリン遊離塩基)の製造方法であって、次の工程:
(a){1−[(1R)−2−](3R)−3−ベンジル−3−(N,N',N'−トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−1−(1H−3−インドリルメチル)−2−オキソ−エチルカルバモイル]−1−メチルエチル}カルバミン酸t−ブチルエステルを溶媒に溶解させ、
(b)該工程(a)からの溶液と酸とを混合させ、
(c)該工程(b)で形成された溶液を中和させ、
(d)該溶液から結晶化アナモレリン遊離塩基を沈殿させ、及び
(e)該結晶を単離すること
を含む、前記製造方法。
【請求項8】
工程(a)における溶媒がメタノールを含み、しかも工程(c)において前記溶液を水酸化カリウムと水との混合物で中和させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記酸がメタンスルホン酸である、請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−188452(P2012−188452A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134975(P2012−134975)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2007−519301(P2007−519301)の分割
【原出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(509227632)ヘルシン セラピューティクス(ユー.エス.),インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】