説明

(4−フェニルピペラジン−1−イル)アシルピペリジン誘導体、これらの調製、および治療におけるこれらの適用

本発明は、塩基、酸付加塩、水和物、もしくは溶媒和物の形態における、一般式(I)


を有する(4−フェニルピペラジン−1−イル)アシルピペリジン誘導体に関する。本発明はまた、これの調製方法、および治療へのこれの適用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換(4−フェニルピペラジン−1−イル)アシルピペリジン誘導体、これらの調製、およびこれらの治療への適用に関する。
【0002】
本発明による化合物は、ニューロトロフィン受容体p75NTRへの親和性を示す。
【背景技術】
【0003】
ニューロトロフィンは、同様な構造および同様な機能を有するタンパク質の1つの族に属し、神経成長因子(NGF)、BDNF(大脳由来神経栄養因子)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4/5(NT−4/5)、およびニューロトロフィン−6(NT−6)を包含する。これらのタンパク質の生物学的作用(生存および分化)は、チロシンキナーゼ活性(trk−A、trk−B、およびtrk−C)を有する膜受容体との相互作用を通して行使される(H.THOENEN、サイエンス、1995年、270巻、593−598;G.R.LEWINおよびY.A.BARDE,Annu.Rev.Neurosci.、1996年、19巻、289−317;M.V.CHAO,J.,Neurobiol.、1994年、25巻、1373−1385;M.BOTHWELL,Annu.Rev.Neurosci.、1995年、18巻、223−253;G.DECHANTおよびY.A.BARDE、Curr.Opin.Neurobiol.、1997年、7巻、413−418)。しかしながら多くの研究は、ニューロトロフィンの活性におけるp75NTR受容体の優勢な役割を証明している。
【0004】
p75NTR受容体、すなわちすべてのニューロトロフィンに対する受容体は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体族の膜貫通型糖タンパク質である(W.J.FRIEDMANおよびL.A.GREENE,Exp.Cell.Res.、1999年、253巻、131−142;J.MELDOSISら、Trends Pharmacol.Sci.、2000年、21巻、242−243)。若干の生物学的機能は、p75NTR受容体に帰される。すなわち、一方で、trk受容体へのニューロトロフィンの親和性のモジュレーション;他方で、trkの不存在下における、この受容体のホモ二量化およびセラミド経路の活性化を通して発生するアポトーシスによる細胞死についてのシグナルの誘発である。
【0005】
アポトーシスまたはプログラムされた細胞死は、多数の組織における細胞の除去のための生理的メカニズムである。特にアポトーシスは、胚形成、形態形成、および細胞再生において優勢な役割を果たす。アポトーシスは、細胞損傷の進行した不可逆段階においてのみ発生する、遺伝的に制御された現象である。
【0006】
多くの研究は、アポトーシスが、中枢神経系のいくつかの病気、例えば筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病、およびプリオン病において発生することを証明している。さらには、アポトーシスを通した神経細胞の死はまた、大脳および心臓虚血後、非常に早期に発生する。細胞死はまた、アテローム性動脈硬化症における優勢な現象でもある。実際、ヒトにおける原発性アテローム硬化性損傷における壊死帯域は、80%と評価される(M.L.BOCHATON−PIALATら、Am.J.Pathol.、1995年、146巻、1−6;H.PERLMAN,Circulation、1997年、95巻、981−987)。アポトーシスはまた、心臓虚血−再灌流後の細胞死につながるメカニズムにも関与する(H.YAOITAら、Cardiovasc.Res.、2000年、45巻、630−641)。
【0007】
いくつかの研究は、p75NTR依存性アポトーシス促進性(pro−apoptotic)シグナルが、ニューロン細胞、希突起膠細胞、シュワン細胞、および同様に肝臓、心臓、および平滑筋細胞を包含する様々な細胞型において観察されることを証明している(J.M.FRADEら、Nature、1996年、383巻、166−168;P.LASACCIA−BONNEFILら、Nature、1996年、383巻、716−719;M.SOILU−HANNINENら、J.Neurosci.、1999年、19巻、4828−4838;N.TRIMら、Am.J.Pathol.、2000年、156巻、1235−1243;S.Y.WANGら、Am.J.Pathol.、2000年、157巻、1247−1258)。さらには生体内で実施されたいくつかの実験は、大規模なアポトーシスが記録されている大脳および心臓の部位における虚血後のp75NTRの発現の増加を証明している。したがってこれらの結果は、p75NTRが、虚血後アポトーシスを通した神経細胞の死につながるメカニズムにおいて優勢な役割を果たしうることを示唆している(P.P.ROUXら、J.Neurosci.、1999年、19巻、6887−6896;J.A.PARKら、J.Neurosci.、2000年、20巻、9096−9103)。
【0008】
p75NTR受容体は、プリオンペプチド(V.DELLA−BIANCAら、J.Biol.Chem.、2001年、印刷中)、およびβ−アミロイドペプチド(S.RABIZADEHら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994年、91巻、10703−10706)に対する細胞標的として記載され、したがってこれは、これらの化合物によって誘発されたアポトーシス現象に関与しているであろう。これらの結果は、感染性プリオンタンパク質によって(伝染性海綿状脳症)、またはベータ−アミロイドタンパク質(アルツハイマー病)によって誘発された神経細胞の死においてp75NTRが重要な役割を果たすであろうという仮説を裏付ける。
【0009】
最近の研究は、p75NTR受容体がまた、軸策再生においても、ノゴ(Nogo)受容体に対する共受容体(co−receptor)としてのこの機能を介して、重要な役割を果たしうるであろうことを示唆している(WONGら、Nature Neurosci.、2002年、5巻、1302−1308;KerracherおよびWinton、Neuron,2002年、36巻、345−348)。実際、いくつかのミエリン関連タンパク質(ミエリン関連糖タンパク質、MAG、ノゴ−A、および希突起膠細胞ミエリン糖タンパク質OMgp)は、髄または頭蓋外傷の間、中枢レベルにおいて神経再生を阻害する。これらのタンパク質は、軸策に直接隣接した希突起膠細胞の膜中に位置し、軸策膜に位置するノゴ受容体への高い親和性をともなう結合によって神経(neuritic)成長を阻害する。p75NTR受容体は、ノゴ受容体と関連しており、軸策成長に関連したこれらのミエリンタンパク質の阻害作用のシグナル伝達に関与している。この結果、p75NTR受容体は、ニューロン可塑性の調節において、およびニューロン−グリア相互作用において大きい役割を果たし、神経再生を促進するための最適な治療標的を代表する。
【0010】
末梢レベルにおいて、最近の研究は、p75NTR、およびニューロトロフィンの発現の増加、およびアテローム硬化性損傷における大規模なアポトーシスを証明している。さらには、NGFの脈管形成促進性および血管拡張効果も記録されている。最後に、細胞外部分において先端が切り取られたp75NTRの新規形態、ならびに確立された脈管形成におけるこの主要な役割が確認されている(D.VON SHACKら、Nature Neuroscience、2001年、4巻、977−978)。これらの最近のデータはすべて、この全体または先端が切り取られた形態におけるp75NTRはまた、血管病理学においても優勢な役割を果たしうるであろうことを示唆している。
【0011】
多くの化合物が、trkA/NGF/p75NTR系と相互作用するか、またはNGF型活性を有することが知られている。このようにして、特許出願第WO00/59893号は、NGF型活性を示し、および/またはPC12細胞へのNGFの活性を高める置換ピリミジン誘導体について記載している。特許出願第WO00/69828号および第WO00/69829号は、trkA受容体を発現しない細胞中のp75NTR受容体へのNGFの結合を阻害する多環式化合物について記載している。出願第WO94/11373号は、ニューロトロフィン受容体p75NTRへ結合するピリダジノ−キナゾロン誘導体について記載している。出願第WO94/22866号は、NGFに特異的に結合して、p75NTR受容体へのこの付着を避けるが、これがtrk受容体と相互作用するのを可能にするピラゾロキナゾロン誘導体について記載している。出願第WO01/49684号は、TNF−アルファのモジュレーションに対する活性を有する置換テトラヒドロピリジン誘導体について記載している。
【0012】
受容体p75NTRへの親和性を示す、新しい(4−フェニルピペラジン−1−イル)アシルピペリジン誘導体が今や発見された。
【発明の開示】
【0013】
本発明は、式(I)の化合物を提供する:
【0014】
【化12】

(式中:
− nは1または2であり;
− Rは、ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ;トリフルオロメトキシ基を表わし;
− Rは、水素原子またはハロゲン原子を表わし;
− Rは、水素原子;基−OR;基−CHOR;基−NR;基−NRCOR;基−CHNR1011;(C−C)アルコキシカルボニル;基−CONR1213;−CN基を表わし;
− Rは、非置換であるか、またはハロゲン原子;(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ;トリフルオロメチル基から独立して選択された置換基によって一、二、または三置換されたフェニルを表わし;
− Rは、水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− RおよびRは、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− Rは、水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− Rは、(C−C)アルキルを表わし;
− R10およびR11は、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;R11はまた、基−CH14を表わしてもよく;
− またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子とともに、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、およびモルホリンから選択されたヘテロ環を構成し;
− R12およびR13は、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− またはR12およびR13は、これらが結合している窒素原子とともに、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンから選択された、非置換であるか、または4位が(C−C)アルキルによって置換されているヘテロ環を構成し;
− R14は、次のもの:
【0015】
【化13】

から選択された芳香族基を表わし;
前記芳香族基は、非置換であるか、ハロゲン原子、(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシから独立して選択された置換基によって一置換または二置換されており;
− R15は、水素原子または(C−C)アルキルを表わす)。
【0016】
式(I)の化合物は、塩基もしくは酸付加塩の形態で存在してもよい。このような付加塩は、本発明に含まれる。
【0017】
これらの塩は有利には、医薬として許容される酸とともに調製される。ただし、式(I)の化合物の精製または単離に有用なほかの酸の塩も、本発明に含まれる。
【0018】
式(I)の化合物はまた、水和物もしくは溶媒和物の形態、特に水の1つまたはそれ以上の分子または溶媒との会合または組合わせの形態でも存在しうる。このような水和物および溶媒和物もまた、本発明に含まれる。
【0019】
ハロゲン原子は、臭素、塩素、フッ素、またはヨウ素原子である。
【0020】
(C−C)アルキルまたは(C−C)アルキルはそれぞれ、1から3個の炭素原子、または1から4個の炭素原子の線状または枝分かれアルキル基、それぞれ例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、または第三ブチル基である。
【0021】
(C−C)アルコキシは、1から4個の炭素原子の線状または枝分かれアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第二ブトキシ、または第三ブトキシ基である。
【0022】
本発明によって提供される式(I)の化合物のうち、次のように規定される好ましい化合物を挙げることができる:
− nは1または2であり;
− および/またはRは、フェニルの3位にあり、トリフルオロメチル基を表わし;
− および/またはRは、水素原子を表わし;
− および/またはRは、ヒドロキシル、アミノメチル、(2−フリル−メチルアミノ)メチル、(2−チエニルメチルアミノ)メチル、(2−ピリジルメチルアミノ)メチル、(3−ピリジルメチルアミノ)メチル、(4−ピリジルメチルアミノ)メチル、(メチルアミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、(N−メチルエチルアミノ)メチル、(ジエチルアミノ)メチル、アゼチジン−1−イルカルボニル;アミノカルボニル;(N−メチル−2−フリル−メチルアミノ)メチル;(3−フリルメチルアミノ)メチルを表わし;
− および/またはRは、フェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル;2,3−ジメチルフェニルを表わす。
【0023】
これらの後者の好ましい化合物のうち、特に好ましくは、次のような式(I)の化合物である:
− nは1または2であり;
− Rは、フェニルの3位にあり、トリフルオロメチル基を表わし;
− Rは、水素原子を表わし;
− Rは、ヒドロキシル、アミノメチル、(2−フリル−メチルアミノ)メチル、(2−チエニルメチルアミノ)メチル、(2−ピリジルメチルアミノ)メチル、(3−ピリジルメチルアミノ)メチル、(4−ピリジルメチルアミノ)メチル、(メチルアミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、(N−メチルエチルアミノ)メチル、(ジエチルアミノ)メチル、アゼチジン−1−イルカルボニル;アミノカルボニル;(N−メチル−2−フリル−メチルアミノ)メチル;(3−フリルメチルアミノ)メチルを表わし;
− Rは、フェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル;2,3−ジメチルフェニルを表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、および水和物もしくは溶媒和物の形態にある化合物。
【0024】
本発明によって提供される式(I)の化合物のうち、特に次の化合物を挙げることができる:
− 4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イル]アセチル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(3,4−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(3,5−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(4−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− [[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− (2−フリルメチル)[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル](2−チエニルメチル)アミン;
− [[1−(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル](ピリド−2−イルメチル)アミン;
− [[1−(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル](ピリド−3−イルメチル)アミン;
− [[1−(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル](ピリド−4−イルメチル)アミン;
− N−メチル−1−[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミン;
− N,N−ジメチル−1−[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミン;
− N−メチル−N−[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]エタンアミン;
− [[1−[[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−[[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−[[4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−[[4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]メチルアミン;
− [[1−[[4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]ジメチルアミン;
− [[1−[[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−[[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]ジメチルアミン;
− N−エチル−N−[[1−[[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]エタンアミン;
− 1−[2−[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル]−4−フェニルピペラジン;
− [[1−[[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]メチルアミン;
− 1−[[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;
− 1−[[4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;
− 1−[[4−(2,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;
− 1−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−カルボキサミド;
− 1−[3−(4−フェニルピペラジン−1−イル)プロパノイル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[3−[4−(4−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]プロパノイル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[3−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]プロパノイル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− 1−[3−[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]プロパノイル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−オール;
− [[1−[[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル](2−フリルメチル)メチルアミン;
− (3−フリルメチル)[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン;
− [[1−[[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン
であって、塩基もしくは酸付加塩の形態、および水和物もしくは溶媒和物の形態にあるもの。
【0025】
下の文章において、保護基Pgは、一方で、反応性官能基、例えばヒドロキシルまたはアミンが合成の間に保護されることを可能にし、他方で、この反応性官能基を、合成の終了時に無傷で再生することを可能にする基である。保護基の例、および同様に保護および脱保護の方法の例は、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、Greenら、第二版(John Wiley & Sons,Inc.,New York)に示されている。
【0026】
下記の文章中の脱離基は、電子対の出発をともなった、不均一結合(heterolytic bond)の破壊によって分子から容易に切断されうる基である。この基はしたがって、例えば置換反応の間に別の基によって容易に置換されうる。このような脱離基は例えば、ハロゲン、または活性化ヒドロキシル基、例えばメシル、トシル、トリフレート、アセチルなどである。脱離基の例、および同様にこれらの調製のための文献の例は、「有機化学における進歩(Advances in Organic Chemistry)」、J.March,第三版、Wiley Interscience、310−316ページに示されている。
【0027】
本発明によれば、n=1である式(I)の化合物は、次のことを特徴とする方法によって調製することができる:
a1)式:
【0028】
【化14】

(式中、R、R、およびRは、式(I)の化合物について規定されているものと同じであり、Halはハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わすが、Rがヒドロキシルまたはアミン官能基を含有するとき、これらの官能基は保護されていてもよいという条件がある)の化合物と、式:
【0029】
【化15】

(式中、Rは、式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させること
b1)および適切な場合にはR中に存在するヒドロキシルまたはアミン官能基の脱保護後、式(I)の化合物が得られること。
【0030】
適切な場合には、式(I)の化合物は、この酸付加塩の1つに転換される。
【0031】
本発明によれば、n=2である、式(I)の化合物は、次のことを特徴とする方法にしたがって調製することができる:
a2)式:
【0032】
【化16】

(式中、R、R、およびRは、式(I)の化合物について規定されているものと同じであるが、Rがヒドロキシルまたはアミン官能基を含有するとき、これらの官能基は保護されていてもよいという条件がある)の化合物と、式:
【0033】
【化17】

(式中、Rは、式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させること
b2)および適切な場合にはR中に存在するヒドロキシルまたはアミン官能基の脱保護後、式(I)の化合物が得られること。
【0034】
適切な場合には、式(I)の化合物は、この酸付加塩の1つに転換される。
【0035】
工程a1)または工程a2)において、式(IIa)または(IIb)の化合物が、式(III)の化合物と反応させられるとき、この反応は、有機塩基(例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、もしくはN−メチルモルホリン)、またはアルカリ金属炭酸塩もしくは重炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、もしくは重炭酸ナトリウム)から選択された塩基の存在下、およびアルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化カリウムもしくはヨウ化ナトリウムの不存在下または存在下に実施される。この反応は、溶媒、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、もしくはプロパン−2−オール中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で実施される。
【0036】
適切な場合には、工程b1)または工程b2)において、R中に存在するヒドロキシルまたはアミン官能基は、当業者に周知の従来の方法にしたがって脱保護される。
【0037】
この方法の1つのバージョンにおいて、Rが、基−CHNR1011(式中、R10およびR11は、各々水素を表わす)を表わすとき、
a3)式:
【0038】
【化18】

(式中、RおよびRは、式(I)の化合物について規定されているものと同じであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わす)の化合物と、式:
【0039】
【化19】

(式中、Rは、式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させて、式;
【0040】
【化20】

の化合物を生じること;
b3)式(I)の化合物のシアノ基が還元されて、R=CHNHである式(I)の化合物を生じること。
【0041】
適切な場合には、式(I)の化合物は、この酸付加塩の1つに転換される。
【0042】
工程a3)において、式(IIc)または(IId)の化合物と、式(III)の化合物との間の反応は、本発明による方法の工程a1)またはa2)において上に記載されているように実施される。
【0043】
工程b3)において、R=−CNである、式(I)の化合物のシアノ基の還元は、従来の方法にしたがって実施される。このようにして例えば、還元は、触媒、例えばラネー(Raney)(登録商標)ニッケル、またはアルミナ上のロジウムの存在下、およびアンモニアの存在または不存在下、溶媒、例えばメタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、もしくはテトラヒドロフラン、またはこれらの溶媒の混合物中で、周囲温度と60℃との間の温度の水素化反応で実施される。
【0044】
この方法のもう1つのバージョンにおいて、Rが、基−CHNR1011(式中、R11は、基−CH14を表わす)を表わすとき、
a4)式:
【0045】
【化21】

(式中、R、R、R、R10、およびnは、式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物と、式:
【0046】
【化22】

(式中、R14は、式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを、酸の存在下、溶媒中で反応させ、ついで、形成されたイミニウム塩中間体を、還元剤を用いて還元する。
【0047】
適切な場合には、式(I)の化合物は、この酸付加塩の1つに転換される。
【0048】
反応は、酸、例えば酢酸の存在下、溶媒、例えばジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で行なわれ、化学的には例えばナトリウムシアノボロハイドライド、またはナトリウムトリアセトキシボロハイドライドを用いて、または触媒的には水素、および触媒、例えば炭素上のパラジウムまたはラネー(登録商標)ニッケルを用いて還元されるイミン中間体をインサイチュで形成する。
【0049】
が、基−CHNR1011(式中、R10=Hであり、R11=(C−C)アルキルである)を表わす、式(I)の化合物はまた、式(I)(式中、R=−CHNHである)の化合物と(C−C)アルキルハライドとを、塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下、溶媒、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、もしくはテトラヒドロフラン中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製することもできる。同一の反応が、式(I)(式中、R10およびR11は各々、同一または異なる(C−C)アルキルを表わす)の化合物を調製するために用いられる。
【0050】
が、基−CHNR1011(式中、R10=Hまたは(C−C)アルキルであり、R11=(C−C)アルキルである)を表わす、式(I)の化合物はまた、式(I)(式中、R=−CH−NHR10である)の化合物とホルムアルデヒドと、または式OHC−(C−C)アルキルのアルデヒドと、または対応ケトンとを、還元剤、例えばナトリウムボロハイドライドまたはナトリウムトリアセトキシボロハイドライドの存在下、および酸、例えば酢酸の存在下、溶媒、例えばジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中で、0℃と周囲温度との間の温度で反応させることによって調製することもできる。
【0051】
が、基−CHNR1011(式中、R10およびR11は、これらが結合している窒素原子とともにアジリジンを構成する)を表わす、式(I)の化合物はまた、対応中間体(ここでRは、基−CHNH−CHCH−Clを表わす)を、塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下、アルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化カリウムの存在下、溶媒、例えばアセトニトリル中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で環化することによって調製することもできる。この対応中間体は、式(I)(式中、R=−CHNHである)の化合物とクロロアセトアルデヒドとを、上記の方法によって反応させることによって調製される。
【0052】
が、基−CHNR1011(式中、R10およびR11は、これらが結合している窒素原子とともに、それぞれアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはモルホリンを構成する)を表わす、式(I)の化合物はまた、式(I)(式中、R=−CHNHである)の化合物と、それぞれ式Hal−(CH−Hal、Hal−(CH−Hal、Hal−(CH−HalまたはHal−CHCH−O−CHCH−Hal(式中、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わす)の化合物とを、塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下、またはアルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化カリウムの存在下、溶媒、例えばアセトニトリル、エチレングリコール、またはこれらの溶媒の混合物中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製することもできる。
【0053】
が、基−CONR1213を表わす、式(I)の化合物はまた、対応中間体(ここで、Rはカルボキシルを表わす)と式HNR1213の化合物とを、従来のペプチドカップリング方法によって反応させることによって調製することもできる。この対応中間体は、従来の方法によって、式(I)(式中、Rは(C−C)アルコキシカルボニルを表わす)の化合物の酸または塩基処理によって、または式(I)(式中、R=−CNである)の化合物と強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カリウムとを、溶媒、例えばトルエンまたはエチレングリコール中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製される。
【0054】
が、基−CHOR(式中、Rは水素原子を表わす)を表わす、式(I)の化合物はまた、対応中間体(ここで、Rは、基−CHOCO(C−C)アルキルを表わす)の酸または塩基処理によって調製することもできる。
【0055】
このようにして得られた式(I)の化合物はこの後、反応媒体から分離され、従来の方法によって、例えば結晶化またはクロマトグラフィーによって精製されてもよい。
【0056】
このようにして得られた式(I)の化合物は、遊離塩基または塩の形態で、従来技術にしたがって単離される。
【0057】
式(IIa)の化合物は、式:
【0058】
【化23】

(式中、R、R、およびRは、式(I)の化合物について規定されたものと同じである)のピペリジン誘導体と式:
【0059】
【化24】

(式中、HalおよびHal’は各々独立して、ハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わす)の化合物とを反応させることによって調製される。この反応は、塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、もしくはN−メチルモルホリンの存在下に、溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはこれらの溶媒の混合物中で、0℃と周囲温度との間の温度で実施される。
【0060】
式(IIb)の化合物は、式(V)の化合物と式:
【0061】
【化25】

(式中、HalおよびHal’は、上に規定されているものと同じである)の化合物とを、上記の操作条件下に反応させることによって調製される。
【0062】
同様に、それぞれ式(IIc)または(IId)の化合物は、式:
【0063】
【化26】

(式中、RおよびRは、式(I)の化合物について規定されたものと同じである)の化合物と、それぞれ式(VI)または(VII)の化合物とを、上記と同じ操作条件にしたがって反応させることによって調製される。
【0064】
式(VI)または(VII)の化合物は、市販されているか、公知であるか、または公知の方法によって調製される。
【0065】
式(III)の化合物は、市販されているか、または公知の方法、例えば次の文献に記載されている方法によって調製される。すなわち、Tetrahedron Lett.、1996年、37巻(47)、8487−8488;Tetrahedron Lett.、1997年、38巻(39)、6875−6876;Tetrahedron Lett.、2000年、41巻(16)、2881−2884;Syn.Lett.、2000年、5巻、674−676;Bioorg.Med.Chem.Lett.、2000年、10巻、2489−2491;Bioorg.Med.Chem.2002年、10巻、4023−4027である。
【0066】
式(IV)の化合物は、市販されているか、または文献に記載されているか、また、この中に記載されている方法にしたがって調製することができる。例えば、J.Org.Chem.、1961年、26巻、2976;Chim.Ind.(ミラノ)、1968年、50巻、264;J.Med.Chem.、1970年、13巻、1208−1212;J.Heterocycl.Chem.、1990年、27(1)巻、1−12;Synth.Commun.、1995年、25巻(9)、1383−1390;Bioorg.Med.Chem.Lett.、2003年、13(3)巻、463−466である。
【0067】
式(V)の化合物は、市販されているか、公知であるか、または公知の方法、例えば第EP−0474561号、第EP−0673928号、または第WO96/23787号に記載されている方法によって調製される。
【0068】
式(V)の化合物は一般に、ピペリジンの窒素原子上で保護されている形態で調製される。脱保護工程後、式(V)の化合物それ自体が得られる。
【0069】
特に、Rが、基−OR(式中、R=Hである)を表わす、式(V)の化合物は、式:
【0070】
【化27】

(式中、RおよびRは、式(I)の化合物について規定されたものと同じであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくは臭素を表わす)のオルガノマグネシウム誘導体と、1−ベンジル−4−ピペリジノンとを、溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製される。
【0071】
式(VIII)のオルガノマグネシウム誘導体は、対応ハロゲン化誘導体から、当業者に周知の従来の方法によって調製される。
【0072】
式(V)(式中、R=−OHである)の化合物から、式(V)(式中、R=−OR(式中、Rは、(C−C)アルキルを表わす)である)の化合物が、当業者に公知の方法によるアルキル化反応によって調製される。
【0073】
式(V)(式中、R=−OHである)を有し、ピペリジンの窒素原子上に保護基を有する化合物は、式(V)(式中、R=−NHCOCHである)の化合物を、第EP−0474561号に記載されている方法によって調製するために、酸性媒質中でのアセトニトリルによってリッター(Ritter)反応を受けうる。この場合、強酸性媒質中の加水分解が、式(V)(式中、R=−NR(式中、R=R=Hである)である)の化合物を調製するために用いられる。第EP−0673928号または第WO96/23787号に記載されている方法が、式(V)(式中、R=−NR(式中、Rおよび/またはRは(C−C)アルキルを表わす)である)の化合物を調製するために用いられる。
【0074】
式(V)(式中、R=−NRCOR(式中、Rは、(C−C)アルキル)であるか、また、R=−CHNR1011(式中、R10およびR11は各々独立して、水素、または(C−C)アルキルである)であるか、またR=(C−C)アルコキシカルボニルであるか、またR=−CONR1213である)の化合物は、第WO96/23787号に記載されている方法によって調製される。
【0075】
式(V)(式中、R=−CHNR1011(式中、R10=R11=Hである)である)の化合物は、式(Va)の化合物から、式(I)の化合物について上に記載された方法によって調製される。
【0076】
式(V)(式中、R=−CHNR1011(式中、R10=Hまたは(C−C)アルキルであり、R11=(C−C)アルキルまたは基−CH14である)である)の化合物は、式(I)の化合物について上に記載された方法によって調製される。
【0077】
式(V)(式中、R=−CHNR1011(式中、R10=Hであり、R11=−CHである)である)の化合物はまた、対応中間体(ここで、R=−CHNHCHOである)を、還元剤、例えばリチウムアルミニウムハイドライドを用いて、溶媒、例えばエーテルまたはテトラヒドロフラン中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で還元することによって調製することもできる。この対応中間体は、式(V)(式中、R=−CHNHである)の化合物と蟻酸エチルとを、周囲温度と60℃との間の温度で反応させることによって調製される。
【0078】
式(V)(式中、R=−CHNR1011(式中、R10およびR11は、これらが結合している窒素原子とともにアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、またはモルホリンを構成する)である)の化合物は、式(I)の化合物について上で記載された方法によって調製される。
【0079】
式(V)(式中、R=−CONR1213(式中、R12=R13=Hである)である)の化合物はまた、ピペリジンの窒素原子上で保護されている、式(Va)の化合物と過酸化水素とを、強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、および相転移触媒、例えば置換第四アンモニウム塩、例えば塩化トリエチルアンモニウムの存在下、溶媒、例えば水との混合物としてのトルエン中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製することもできる。
【0080】
式(Va)の化合物は、公知の方法、例えばBioorg.Med.Chem.Lett.、1999年、9巻、3273−3276、またはJ.Med.Chem.、1999年、42巻(23)、4778−4793に記載されている方法によって調製される。
【0081】
式(V)(式中、R=−CHOHである)の化合物から、式(V)(式中、R=−CHOR(式中、Rは(C−C)アルキルを表わす)である)の化合物が、当業者に公知の方法によるアルキル化反応によって調製される。
【0082】
式(V)(式中、R=−CHOR(式中、Rは水素原子を表わす)である)の化合物は、式(V)(式中、Rはメトキシカルボニルを表わす)の化合物を、当業者に公知の方法によって還元することによって調製される。
【0083】
式(V)(式中、Rは、(C−C)アルコキシカルボニルを表わす)の化合物は、対応中間体(ここで、Rは、カルボキシルを表わす)の、当業者に公知の方法によるエステル化によって調製される。この対応中間体は、式(Va)の化合物と強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カリウムとを、溶媒、例えばトルエンまたはエチレングリコール中で、周囲温度と溶媒の還流温度との間の温度で反応させることによって調製される。
【0084】
適切な場合には、用いられるN−保護基は、当業者に周知の従来のN−保護基、例えば第三ブトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル、ベンジル、ベンズヒドリリデン、またはベンジルオキシカルボニル基である。
【0085】
次の実施例は、本発明によるあるいくつかの化合物の調製について記載する。これらの実施例は限定的ではなく、単に本発明を例証するだけである。例示された化合物の数字は、下記の表Iに示された数字のことである。これらは、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を例証する。
【0086】
これらの調製および実施例において、次の省略形が用いられる:
エーテル:ジエチルエーテル
イソエーテル:ジイソプロピルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
DCM:ジクロロメタン
AcOEt:酢酸エチル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
PyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
2N塩酸エーテル:ジエチルエーテル中の塩酸の2N溶液
m.p.:融点
AT:周囲温度
b.p.:沸点
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
シリカH:メルク(Merck)(ダルムシュタット)によって販売されているシリカゲル60H
緩衝液pH=2:水1リットル中の16.66gのKHSOおよび32.32gのKSOの溶液。
【0087】
プロトン磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、200MHzで、DMSO−d中で、DMSO−dピークを対照として用いて記録される。化学シフトδは、ppmで表示される。観察されたシグナルは、次のように表示される:s:一重項;bs:広幅一重項;d:二重項;sd:分割二重項;t:三重項;st:分割三重項;q:四重項:unres.comp:未解像錯体;mt:多重項。
【0088】
NMRスペクトルは、これらの化合物の構造を確認する。
【0089】
本発明による化合物は、LC/UV/MS(液体クロマトグラフィー/UV検出/マススペクトロメトリー)によって分析される。
【0090】
これらの化合物に対して、プラスのエレクトロスプレーモード(ESI+)において得られたこれらのマススペクトルは、計算されたモル質量と矛盾がないかのチェックがなされる。
【0091】
本発明によるこれらの化合物のマススペクトルは一般に、これらの基本ピークとして分子イオンMHを有する。
【0092】
調製
1.式(V)および(Va)の化合物の調製
調製1.1
4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジノールハイドロクロライド
(V)、HCl:R=3−CF;R=H;R=−OH
A)1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジノールハイドロクロライド
2,670mlのTHF中のマグネシウム180gの混合物を30℃に加熱し、1,330mlのTHF中の1−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン1,670gの溶液33mlと混合し、ついでゆっくりとこの溶液の残りと混合して、THFの還流をもたらし、この後還流を維持し、これを2時間攪拌しつつ還流に放置する。続いて、3,200mlのTHF中の1−ベンジル−4−ピペリジノン1,000gの溶液をゆっくりと添加し、この混合物を還流下2時間加熱する。周囲温度に冷却した後、反応混合物を、30分間にわたって、水6,700ml中の塩化アンモニウム1,870gの溶液中に導入し、混合物を、20から25℃で2時間攪拌しつつ放置する。デカンテーション後、有機相を水5,330mlで洗浄し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣をエーテル5,330ml中に取り、プロパン−2−オール800ml中のHClガス210gの溶液をゆっくりと添加し、温度を25℃以下に保持し、混合物を40分間攪拌しつつ放置し、形成された結晶を、吸引で単離する。これらの結晶を、エーテル2,000ml中に取り、再び吸引で単離する。予想された生成物1,080gが、プロパン−2−オール/EtOH(70/30;v/v)混合物からの再結晶後に得られる。
【0093】
B)4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジノールハイドロクロライド
2,910mlのEtOHおよび2,910mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物1,000gと炭素上の10%パラジウム(50%湿分含量)83gとの混合物を、2バールの圧力下、50℃で水素化する。触媒を濾去し、660mlのMeOHで2回洗浄し、濾過物および洗浄液を真空下に濃縮する。残渣をエーテル3,320ml中に取り、周囲温度で1時間30分攪拌しつつ放置する。形成された沈殿物を、吸引で単離し、エーテル280mlで洗浄し、真空下に40℃で乾燥する。これは、予想された生成物726gを生じる。
【0094】
調製1.2
4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボニトリルハイドロクロライド
(Va)、HCl:R=3−CF;R=H
A)2−(2,2−ジエトキシエチル)−4,4−ジエトキシ−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタンニトリル
トルエン400ml中の3−(トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリル30gとナトリウムアミド14.4gとの混合物を、周囲温度で5分間攪拌しつつ放置し、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール66mlを添加し、ついで混合物を、60℃で3時間加熱する。これを真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、エーテルで抽出し、有機相を、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/AcOEt(100/5;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物26gを生じる。
【0095】
B)4−オキソ−2−(2−オキソエチル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタンニトリル
蟻酸90ml中の、先行工程において得られた化合物23.9gの混合物を、50℃で1時間攪拌しつつ放置する。水を反応混合物に添加し、これをついでAcOEtで抽出し、有機相を水で、および10%NaHCO溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物16gを生じる。これは、直ちに次の工程において用いられる。
【0096】
C)1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボニトリルハイドロクロライド
150mlのDCM中の、先行工程において得られた化合物16g、ベンジルアミン6.25ml、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド48.6g、および酢酸5滴の混合物を、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。続いて、40mlのMeOHを一滴ずつ添加し、ついで混合物を60℃で1時間加熱する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣をAcOEtで抽出し、有機相を、10%NaHCO溶液で、および水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、エーテル中のHClガスの飽和溶液中に取り、形成された沈殿物を、吸引で単離する。これは、予想された生成物18gを生じる。
【0097】
D)4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボニトリルハイドロクロライド
30mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物2gと炭素上の10%パラジウム0.2gとの混合物を、周囲温度で大気圧下3時間水素化する。触媒をセライト(登録商標)上で濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物1.5gを生じる。
【0098】
この化合物はまた、下記3工程にしたがって調製することもできる:
A’)第三ブチルビス(2−クロロエチル)カルバメート
1,500mlのDCM中のN,N−ビス(2−クロロエチル)アミンハイドロクロライド106gとジ第三ブチルジカーボネート130gとの混合物を、1時間30分にわたって周囲温度でトリエチルアミン83mlと一滴ずつ混合し、ついで周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。反応混合物を水で洗浄し、有機相を、NaSO上で乾燥し、真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物150gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0099】
B’)第三ブチル4−シアノ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピペリジンカルボキシレート
250mlのTHF中の、750mlのDMSO中の油中60%の濃度における水素化ナトリウム56gの懸濁液を、不活性雰囲気下、周囲温度で250mlのDMSO中の3−(トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリル120gの溶液と一滴ずつ混合し、ついで250mlのDMSO中の、先行工程において得られた化合物150gの溶液とゆっくりと混合し、60℃で一晩加熱する。反応混合物を、氷/HO混合物中に注ぎ入れ、エーテルで抽出し、有機相を、水で、および飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCMで、ついでDCM/AcOEt(80/20;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物191gを生じる。これは結晶する。m.p.=72から73℃。
【0100】
C’)4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボニトリルハイドロクロライド
先行工程において得られた化合物115g、エーテル中のHClの2N溶液500mlおよび150mlのMeOHの混合物を、周囲温度で4時間攪拌しつつ放置する。形成された結晶質生成物を、吸引で単離し、乾燥する。これは、予想された生成物75gを生じる。m.p.=259℃。
【0101】
調製1.3
第三ブチル[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルカルバメート
(V)、R=3−CF;R=H;R=−CHNH−COOC(CH
A)[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルアミン
20mlのMeOH中の、調製1.2の工程Cにおいて得られた化合物1.5g、ラネー(登録商標)ニッケル0.15g、および水性アンモニア5mlの混合物を、周囲温度で大気圧下一晩水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物1.45gを生じる。
【0102】
B)第三ブチル[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルカルバメート
先行工程において得られた化合物1.45gと20mlのAcOEtとの混合物を、40℃に加熱し、ジ第三ブチルジカーボネート0.9gを添加し、ついで混合物を還流下に30分間加熱する。周囲温度へ冷却した後、これを水と混合し、AcOEtで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物1.86gを生じる。
【0103】
C)第三ブチル[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルカルバメート
20mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物1.8gと炭素上の10%パラジウム0.18gとの混合物を、周囲温度で大気圧下一晩水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、油の形態の予想された生成物1.3gを生じる。
【0104】
調製1.4
第三ブチルメチル[[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチルカルバメート
(V):R=3−CF;R=H;R=−CHNH−COOC(CH
A)N,N−ビス(2−クロロエチル)ベンジルアミン
氷浴を用いて、1,000mlのDMF中の、N,N−ビス(2−クロロエチル)アミンハイドロクロライドと臭化ベンジル100mlとの混合物を冷却し、ついでトリエチルアミン120mlを一滴ずつ添加し、混合物を周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、エーテルで3回抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物113gを生じる。
【0105】
B)1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボニトリルハイドロクロライド
100mlのDMSOおよび100mlのTHF中の、油中60%の濃度における水素化ナトリウム23.24gの懸濁液を、不活性雰囲気下、周囲温度で150mlのDMSO中の3−(トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリル50gの溶液と一滴ずつ混合し、混合物を15分間攪拌しつつ放置する。150mlのDMSO中の、先行工程において得られた化合物62.43gの溶液を、ついで1時間にわたって添加し、混合物を周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。氷/水混合物を添加し、この系をエーテルで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、1,000mlのホットEtOH中に取り、この系を周囲温度で48時間攪拌しつつ放置し、形成された結晶質生成物を吸引で単離する。これは、予想された生成物50gを生じる。
【0106】
C)[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルアミン
先行工程において得られた化合物30gを、10%NaOH溶液中に溶解し、エーテルで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。遊離塩基の形態のこの生成物を、500mlのMeOHおよび20%水性アンモニア溶液30ml中に取り、ラネー(登録商標)ニッケル3gを添加し、この系を周囲温度で大気圧下一晩水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。残渣を水中に取り、AcOEtで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物27gを生じる。
【0107】
D)[[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチル]ホルムアミド
先行工程において得られた化合物27gと蟻酸エチル300mlとの混合物を、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置し、ついで60℃で6時間加熱し、周囲温度で48時間攪拌しつつ放置する。これを真空下に濃縮し、残渣を10%HCl溶液とともに取り、酸性水相をエーテルで洗浄し、氷を添加し、混合物を、10%NaOH溶液の添加によってアルカリ性にし、エーテルで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCMで、ついでDCM/MeOH(100/4;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物20gを生じる。
【0108】
E)[[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチル]メチルアミン
エーテル400ml中のリチウムアルミニウムハイドライド4gの懸濁液を、先行工程において得られた化合物20gと周囲温度で混合し、ついで周囲温度で16時間攪拌しつつ放置する。続いて連続的に、水3ml、3mlの30%NaOH、および水1mlを添加し、混合物を攪拌しつつ放置する。無機塩をセライト上で濾去し、濾過物をデカントし、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物18gを生じる。
【0109】
F)第三ブチル[[1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチル]メチルカルバメート
300mlのDCM中の、先行工程において得られた化合物18gとジ第三ブチルジカーボネート9.6gとの混合物を、周囲温度で1時間攪拌しつつ放置する。水をこの反応混合物に添加し、ついでこれをDCMで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(100/2;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物21gを生じる。
【0110】
G)第三ブチルメチル[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−ピペリド−4−イル]メチル]カルバメート
300mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物21gと炭素上の10%パラジウム2gとの混合物を、周囲温度で大気圧下12時間水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物16gを生じる。
【0111】
調製1.5
N,N−ジメチル−1−[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミンジハイドロクロライド
(V)、2HCl:R=3−CF;R=H;R=−CHN(CH
A)第三ブチル4−(アミノメチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキシレート
600mlのMeOH中の、調製1.2の工程B’において得られた化合物18.2g、ラネー(登録商標)ニッケル1.8g、およびアンモニア30mlの混合物を、25℃で大気圧下2日間水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物18gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0112】
B)第三ブチル4−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボキシレート
500mlのTHF中の、先行工程において得られた化合物18g、37%水性ホルムアルデヒド溶液9.4ml、酢酸1mlの混合物を、周囲温度でナトリウムトリアセトキシボロハイドライド106gと混合し、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。100mlのMeOHを添加し、混合物を70℃で1時間30分間加熱する。混合物を真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、濃NaOHの添加によってアルカリ性にし、DCMで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(96/4;v/v)混合物で溶離する。これは、油の形態の予想された生成物15.4gを生じる。これは固化する。
【0113】
C)N,N−ジメチル−1−[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミンジハイドロクロライド
20mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物15.4g、2N塩酸エーテル溶液150ml、および0.5mlの濃HClの混合物を、周囲温度で3時間攪拌しつつ放置する。混合物を真空下に濃縮し、残渣をエーテル中に取り、粉砕し、形成された沈殿物を吸引で濾去する。これは、予想された生成物11.9gを生じる。m.p.=240から245℃。
【0114】
調製1.6
(V)、HCl:R=3−CF;R=H;R=−COOCH
A)1−ベンジル−[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボン酸
エチレングリコール80ml中の、調製1.2の工程Cにおいて得られた化合物5gとKOHペレット4.25gとの混合物を、還流下3時間加熱する。混合物を周囲温度に冷却した後、水100mlを添加し、混合物を、10%HCl溶液の添加によってpH6.5に酸性化し、形成された沈殿物を吸引で濾去し、真空下に乾燥する。これは、予想された生成物3.9gを生じる。m.p.=243℃。
【0115】
B)メチル1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキシレートハイドロクロライド
100mlのDCM中の、先行工程において得られた化合物3gと塩化チオニル50mlとの混合物を、60℃で3時間加熱する。混合物を真空下に濃縮し、残渣を100mlのMeOH中に取り、60℃で一晩加熱する。混合物を真空下に濃縮すると、予想された生成物4gを生じる。m.p.=230℃。
【0116】
C)メチル4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキシレートハイドロクロライド
200mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物4gと炭素上の10%パラジウム0.4gとの混合物を、周囲温度で大気圧下一晩水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物2.5gを生じる。
【0117】
調製1.7
4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン
【0118】
【化28】

【0119】
A)4−(クロロホルミル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジンハイドロクロライド
10mlのDCM中の、調製1.6の工程Aにおいて得られた化合物1gと塩化チオニル10mlとの混合物を、60℃で2時間加熱する。これを真空下に濃縮すると、予想された生成物1.05gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0120】
B)4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン
10mlのDCM中の、先行工程において得られた化合物1.05g、アゼチジン0.283g、およびトリエチルアミン1.15mlの混合物を、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。飽和KCO溶液を反応混合物へ添加し、ついでこれをDCMで抽出し、抽出物をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(97/3;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物0.43gを生じる。
【0121】
C)4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン
先行工程において得られた化合物0.43g、炭素上の10%パラジウム1g、および20mlのMeOHの混合物を、25℃で大気圧下一晩水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物0.33gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0122】
調製1.8
4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキサミド
(V):R=3−CF;R=H;R=−CONH
A)1−ベンジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキサミド
調製1.2の工程Cにおいて得られた化合物5g、トルエン30ml、30%H溶液30ml、30%NaOH溶液30ml、およびアリコート336(塩化トリオクチルメチルアンモニウム)0.5gの混合物を、100℃で48時間加熱する。これを真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、DCMで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(100/3;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物2.5gを生じる。
【0123】
B)4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキサミド
30mlのMeOH中の、先行工程において得られた化合物2.5gと炭素上の10%パラジウム0.25gとの混合物を、周囲温度で大気圧下48時間水素化する。触媒を濾去し、濾過物を真空下に濃縮する。これは、予想された生成物1.7gを生じる。
【0124】
2.式(II)の化合物の調製
調製2.1
2−クロロ−1−[4−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピペリジル]−1−エタノン
(IIa):R=3−CF;R=H;R=−OH;Hal=Cl
40mlのDCM中の、調製1.1において得られた化合物5gと10mlのDIPEAとの混合物を、周囲温度で2−クロロアセチルクロライド1.63mlと一滴ずつ混合し、30分間攪拌しつつ放置する。反応混合物を水で洗浄し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(97/3;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物5.5gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0125】
調製2.2
第三ブチル[1−(2−クロロアセチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジル]メチルカルバメート
(IIa):R=3−CF;R=H;R=−CHNHCOOC(CH;Hal=Cl
氷浴を用いて、50mlのDCM中の、調製1.3において得られた化合物4.95gとトリエチルアミン6.8mlとの混合物を冷却し、ついでこれを、2−クロロアセチルクロライド1.65mlと一滴ずつ混合し、攪拌しつつ放置し、この間、温度を周囲温度に戻させる。これを真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液とともに取り、AcOEtで抽出し、有機相を飽和KCO溶液で、およびpH=2緩衝液で、および飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、混合物を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/AcOEt(80/20;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物1.8gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0126】
調製2.3
第三ブチル[[1−2−クロロアセチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジニル]メチル]メチルカルバメート
(IIa):R=3−CF;R=H;R=−CHN(CH)COOC(CH;Hal=Cl
300mlのDCM中の、調製1.4において得られた化合物14gおよびトリエチルアミン5.5mlの溶液を、−40℃に冷却し、2−クロロアセチルクロライド3.1mlをゆっくりと添加し、混合物を攪拌しつつ放置し、この間に温度を周囲温度に戻させる。これを真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、AcOEtで抽出し、有機相をpH=2緩衝液で、および水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物15.33gを生じる。
【0127】
調製2.4
[[1−2−クロロアセチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]ジメチルアミン
(IIa):R=3−CF;R=H;R=−CHN(CH;Hal=Cl
氷浴を用いて、エーテル20ml中の遊離塩基の形態の、調製1.5において得られた化合物0.94gの混合物を冷却し、トリエチルアミン0.66gを添加し、ついで15分にわたって一滴ずつエーテル10ml中の2−クロロアセチルクロライド0.27mlの溶液を添加する。反応混合物を水で洗浄し、有機相をNaSO上で乾燥し、エーテル中の予想された生成物の溶液を、実施例5の変形例において直ちに用いる。
【0128】
調製2.5
4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−1−(2−クロロアセチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン
【0129】
【化29】

【0130】
10mlのDCM中の、調製1.7において得られた化合物0.75gと0.85mlのDIPEAとの混合物を、周囲温度で2−クロロアセチルクロライド0.21mlと一滴ずつ混合し、周囲温度で30分間攪拌しつつ放置する。反応混合物を、pH=2緩衝液で洗浄し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物0.9gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0131】
調製2.6
1−(2−クロロアセチル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジンカルボキサミド
(IIa):R=3−CF;R=H;R=−CONH;Hal=Cl
10mlのDCMおよび10mlのジオキサン中の、調製1.8において得られた化合物0.7gとトリエチルアミン0.37mlとの混合物を、周囲温度で2−クロロアセチルクロライド0.21mlと一滴ずつ混合し、周囲温度で2時間攪拌しつつ放置する。これを真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、形成された沈殿物を吸引で単離し、乾燥する。これは、予想された生成物0.82gを生じる。m.p.=195から198℃。
【0132】
調製2.7
1−[4−ヒドロキシ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピペリジニル]−2−プロペン−1−オン
(IIb):R=3−CF;R=H;R=−OH
氷浴を用いて、50mlのDCM中の、調製1.1において得られた化合物5gとトリエチルアミン8mlとの混合物を冷却し、ついでこれを、3−ブロモプロピオニルクロライド2.07mlと一滴ずつ混合し、2時間攪拌しつつ放置し、この間、温度を周囲温度に戻させる。反応混合物を、飽和KCO溶液で、および水で洗浄し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(98.5/1.5から97/3;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物4.6gを生じる。これは、このまま用いられる。
【実施例1】
【0133】
化合物1
4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[[4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イル]アセチル]ピペリジン−4−オールハイドロクロライド
【0134】
【化30】

【0135】
アセトニトリル40ml中の、調製2.1において得られた化合物0.8g、1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン0.6g、ヨウ化カリウム0.475g、および0.72gのKCOの混合物を、周囲温度で4時間攪拌しつつ放置する。飽和KCO溶液を、反応混合物へ添加し、これをAcOEtで抽出し、有機相を水で、および飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(96/4;v/v)混合物で溶離する。得られた生成物を、2N塩酸エーテル溶液中に取り、粉砕後、形成された沈殿物を吸引で濾去する。これは、予想された生成物1.13gを生じる。m.p.=130℃(dec.)。
【実施例2】
【0136】
化合物5
[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミンハイドロクロライド
【0137】
【化31】

【0138】
A)第三ブチル[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]カルバメート
アセトニトリル40ml中の、調製2.2において得られた化合物4.2g、1−フェニルピペラジン1.57g、ヨウ化カリウム1.6g、および2.67gのKCOの混合物を、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を水中に取り、エーテルで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。これは、予想された生成物7gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0139】
B)[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミンハイドロクロライド
先行工程において得られた化合物7g、2N塩酸エーテル100ml、および50mlのMeOHの混合物を、周囲温度で30分間攪拌しつつ放置する。30%HCl溶液20mlを添加し、混合物を周囲温度で1時間攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を10%NaOH溶液中に取り、DCMで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH/HO(100/5/0.5から100/10/1;v/v/v)混合物で溶離する。これは、遊離塩基の形態の予想された生成物3.5gを生じ、得られた生成物0.4gを2N塩酸エーテル溶液中に取り、攪拌しつつ放置し、形成された沈殿物を吸引で濾去する。これは、予想された生成物0.33gを生じる。m.p.=185から200℃。
【0140】
マススペクトル:MH=461.2。
【実施例3】
【0141】
化合物6
(2−フリルメチル)[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]アミン
【0142】
【化32】

【0143】
30mlのTHF中の、遊離塩基の形態の0.67gの化合物5、2−フルアルデヒド0.14g、および酢酸3滴の混合物を、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.62gとポーションに分けて混合し、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を10mlのMeOH中に取り、この系を80℃で30分間加熱する。混合物を真空下に濃縮し、残渣を10%NaOH溶液中に取り、DCMで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲルH上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(100/1から100/5;v/v)混合物で溶離する。これは、イソエーテルからの再結晶化後、予想された生成物0.24gを生じる。m.p.=119℃。
【0144】
マススペクトル:MH=541.2。
【実施例4】
【0145】
化合物11
N−メチル−1−[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミンジハイドロクロライド、3H
【0146】
【化33】

【0147】
A)第三ブチルメチル[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]カルバメート
アセトニトリル20ml中の、調製2.3において得られた化合物1.98g、1−フェニルピペラジン0.74g、ヨウ化カリウム0.5g、および2.0gのKCOの混合物を、周囲温度で3日間攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(97/3;v/v)混合物で溶離する。これは、予想された生成物1.64gを生じる。これは、このまま用いられる。
【0148】
B)N−メチル−1−[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリド−4−イル]メタンアミンジハイドロクロライド、3H
メタノール10ml中の、先行工程において得られた化合物1.6gの溶液を、水一滴と混合し、ついで1時間にわたって、2N塩酸エーテル50mlと混合し、周囲温度で24時間攪拌しつつ放置する。形成された沈殿物を、吸引で濾去し、エーテルで洗浄する。これは、予想された生成物1.2gを生じる。m.p.=190から200℃。
【実施例5】
【0149】
化合物12
N,N−ジメチル−1−[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メタンアミン
【0150】
【化34】

【0151】
20mlのTHF中の0.5gの化合物11の懸濁液を、周囲温度で酢酸0.5mlと、ついで37%水性ホルムアルデヒド溶液0.14mlおよびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.36gと混合し、周囲温度で3時間攪拌しつつ放置する。反応混合物を、真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(95/5;v/v)混合物で溶離する。これは、DCM/イソエーテルからの再結晶後、予想された生成物0.25gを生じる。m.p.=123から124℃。
【0152】
化合物12はまた、次の手順にしたがって調製することもできる。
【0153】
アセトニトリル5ml中の1−フェニルピペラジン0.53g、ヨウ化カリウム0.12g、および1.2gのKCOの溶液を、エーテル中の調製2.4の化合物の溶液と混合し、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で、および飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(96/4;v/v)混合物で溶離する。これは、DCM/イソエーテルからの再結晶後、予想された生成物0.932gを生じる。m.p.=122℃。
【実施例6】
【0154】
化合物13
N−メチル−N−[[1−[(4−フェニルピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]エタンアミンジハイドロクロライド、3H
【0155】
【化35】

【0156】
10mlのTHF中の、0.5gの化合物11および酢酸0.5mlの懸濁液を、周囲温度でアセトアルデヒド0.1mlと混合し、ついで一気に(in one go)ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.36gと混合し、周囲温度で24時間攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を20mlのMeOH中に取り、この系を、65℃で3時間加熱する。混合物を真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(96/4;v/v)混合物で溶離する。得られた生成物を、エーテル10mlおよび1滴のMeOH中に溶解し、2N塩酸エーテル溶液を添加し、形成された沈殿物を吸引で濾過する。これは、予想された生成物0.18gを生じる。
【0157】
マススペクトル:MH=503.4。
【実施例7】
【0158】
化合物20
[[1−[[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]ジメチルアミントリハイドロクロライド、2H
【0159】
【化36】

【0160】
10mlのTHF中の、0.65gの化合物19および酢酸0.5mlの溶液を、37%水性ホルムアルデヒド溶液0.5mlと、ついで一気にナトリウムトリアセトキシボロハイドライド1.25gと混合し、周囲温度で一晩攪拌しつつ放置する。ついで酢酸0.25ml、37%水性ホルムアルデヒド溶液0.25ml、およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.55gを添加し、混合物を周囲温度で24時間攪拌しつつ放置する。これを真空下に濃縮し、残渣を40mlのMeOH中に取り、この系を、65℃で5時間加熱する。混合物を真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、アルミナ上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(98/2;v/v)混合物で溶離する。得られた生成物を、2N塩酸エーテル溶液中に取り、攪拌しつつ放置し、形成された沈殿物を吸引で濾過する。これは、予想された生成物0.33gを生じる。m.p.=190から210℃。
【実施例8】
【0161】
化合物21
N−エチル−N−[[1−[[4−(3−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]アセチル]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル]メチル]エタンアミンジハイドロクロライド
【0162】
【化37】

【0163】
8mlのTHF中の、0.5gの化合物15および酢酸0.5mlの懸濁液を、周囲温度でアセトアルデヒド0.15mlと、ついでナトリウムトリアセトキシボロハイドライド0.56gと混合し、周囲温度で24時間攪拌しつつ放置する。反応混合物を真空下に濃縮し、残渣を30mlのMeOHに取り、この系を65℃で3時間加熱する。これを真空下に濃縮し、残渣を飽和KCO溶液中に取り、AcOEtで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(97/3;v/v)混合物で溶離する。得られた生成物を、2N塩酸エーテル溶液中に取り、攪拌しつつ放置し、形成された沈殿物を吸引で濾過する。これは、予想された生成物0.14gを生じる。
【0164】
マススペクトル:MH=547.2。
【実施例9】
【0165】
化合物22
1−[2−[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル]−4−フェニルピペラジン
【0166】
【化38】

【0167】
アセトニトリル10ml中の、調製2.5において得られた化合物0.42g、1−フェニルピペラジン0.2g、ヨウ化カリウム0.2g、および0.3gのKCOの混合物を、周囲温度で2時間攪拌しつつ放置する。飽和KCO溶液を反応混合物に添加し、これをDCMで抽出し、有機相を水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を真空下に蒸発させる。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、DCM/MeOH(97/3;v/v)混合物で溶離する。これは、DCM/イソエーテル混合物からの再結晶後、予想された生成物0.25gを生じる。m.p.=147から149℃。
【0168】
マススペクトル:MH=515.6。
【0169】
下記の表は、本発明による化合物のいくつかの例の化学構造および物理的性質を例証する。この表においては、次のとおりである:
− 「塩」列において、「−」は、遊離塩基の形態の化合物を表わし、一方、「HCl」は、ハイドロクロライド形態の化合物を表わし、「C」は、オキサレート形態の化合物を表わす。
【0170】
【表1】







(a)調製2.1の化合物および式(III)の対応化合物から、実施例1に記載された手順によって調製された化合物。
(b)化合物5および式(IV)の対応化合物から、実施例3に記載された手順によって調製された化合物。
(c)調製2.2において得られた化合物および式(III)の対応化合物から、実施例2の工程AおよびBに記載された手順によって調製された化合物。
(d)調製2.3において得られた化合物および式(III)の対応化合物から、実施例4の工程AおよびBに記載された手順によって調製された化合物。
(e)式(I)(式中、R=−CHNHCHである)の対応化合物から、実施例5に記載された手順によって調製された化合物。
(f)調製2.6において得られた化合物および式(III)の対応化合物から、実施例1に記載された手順によって調製された化合物。
(g)調製2.7において得られた化合物および式(III)の対応化合物から、実施例1に記載された手順によって調製された化合物。
(h)化合物23および式(IV)の対応化合物から、実施例3に記載された手順によって調製された化合物。
【0171】
本発明による化合物を、生化学調査に付した。
【0172】
細胞培養:
SH−SY−5Y株(ヒト神経芽細胞腫)を、コラーゲンコーティングされた培養フラスコ(フランス国ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))において、FCS(5%)(胎仔ウシ血清)(ドイツ国ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim))、ナトリウムピルベート(1mM)、抗−PPLO(5ml)(抗マイコプラズマ剤:正常食塩溶液中で調製されたチロシン(Tylocine)(登録商標)、6,000μg/ml)、ゲンタマイシン(0.1mg/ml)、およびグルタミン(4mM)を含有するDMEM培養培地(ダルベッコ変法イーグル培地)(フランス国ジブコ(Gibco)BRL)中で従来の方法で培養する。
【0173】
保存株SK−N−BE(ヒト神経芽細胞腫)、およびヒトp75NTR受容体(SK−N−BE Bep75)を発現するクローンBep75を、FCS(5%)、ナトリウムピルベート(1mM)、抗−PPLO(5ml)、ゲンタマイシン(0.1mg/ml)、およびグルタミン(4mM)を含有するDMEM培養培地中で従来の方法で培養する。
【0174】
p75NTR受容体への125I−NGFの結合の調査
125I−NGF(ヨウ素−125で放射能標識されたニューロン成長因子)の結合の調査を、Weskamp(ニューロン、1991年、6巻、649−663)によって記載された方法にしたがって、2つの株SH−SY−5YおよびSK−N−BE Bep75の細胞懸濁液に対して実施する。非特異的結合は、非放射能標識NGF(1μM)の存在下、37℃でこれらの細胞での1時間のプレインキュベーション後、総結合を測定することによって決定する。特異的結合は、総結合の測定値と非特異的結合の測定値との間の差によって計算する。競合実験は、0.3nMの125I−NGF濃度を用いて実施する。本発明による化合物のp75NTR受容体への125I−NGFの結合を50%阻害する濃度(IC50)は低く、10−6から10−11Mの間である。
【0175】
アポトーシスの測定:
これらの細胞(ヒト神経芽細胞腫株SH−SY−5YおよびSK−N−BE Bep75)を、5%FCSを含有するDMEM培養培地中で24時間、直径35mmのペトリ皿(バイオコート・コラーゲン(Biocoat Collagen)I)(10細胞/ウエル)で確立する。ついで細胞培地を除去し、これらの細胞を、PBS(ダルベッコリン酸塩緩衝食塩水)で濯ぎ洗いし、5%FCSを含有する新鮮培地か、またはNGFを10ng/mlの濃度で含有する培地のどちらかを、本発明による化合物の存在下または不存在下に添加する。アポトーシスのレベルを、株SH−SY−5Yの場合は処理の48時間後、および株SK−N−BE Bep75の場合は24時間後、DNA断片に関連した細胞質ヒストンを定量化することによって測定する(細胞死検出ELISA、ドイツ国ベーリンガー・マンハイム)。アポトーシスのレベルは、オリゴヌクレオソーム/105細胞±SDの量として表示する。各値は、3つの独立した実験にわたって分布した9つの実験点の平均に相当する。式(I)の化合物は、10−6から10−11Mの様々なIC50値を有するNGF−誘発アポトーシス阻害活性を示す。
【0176】
このようにして、p75NTR受容体への本発明による化合物の結合は結果として、一方で、生化学的レベルにおいて、ニューロトロフィンによって誘発された受容体の二量化の阻害を生じ、他方で、細胞レベルにおいて、p75NTR受容体によって仲介されたアポトーシス促進性作用の阻害を生じる。
【0177】
したがって本発明による化合物は、薬剤、特にp75NTR受容体が関与しているあらゆる病気の予防または治療のために意図されている薬剤の調製に用いることができる。
【0178】
このようにして、この側面のもう1つにおいて、本発明は、式(I)の化合物、または医薬として許容される酸でのこの付加塩、また式(I)の化合物の溶媒和物もしくは水和物を含んでいる薬剤を提供する。
【0179】
このようにして、本発明による化合物は、ヒトまたは動物において、様々なp75NTR−依存性状態、例えば中枢および末梢神経変性症、例えば老人性痴呆症、癲癇、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ダウン症候群、プリオン病、記憶喪失、統合失調症;筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症;心臓血管状態、例えば虚血後心臓損傷、心筋症、心筋梗塞、心不全、心臓虚血、脳梗塞;末梢ニューロパシー(糖尿病性、外傷性、または医原性のもの);視神経および網膜への損傷;脊髄外傷および頭蓋外傷;アテローム性動脈硬化症;狭窄;瘢痕形成;脱毛症の治療または予防に用いられてもよい。
【0180】
本発明による化合物はまた、癌、例えば肺癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、小腸癌、および結腸癌、乳癌の治療、腫瘍、転移、および白血病の治療にも用いることができる。
【0181】
本発明による化合物はまた、慢性神経障害性疼痛、および炎症性疼痛の治療、および自己免疫病、例えば慢性関節リウマチの治療にも用いることができる。
【0182】
本発明による化合物はまた、骨折の治療、および骨の病気、例えば骨粗鬆症の治療または予防にも用いることができる。
【0183】
この側面のもう1つにおいて、本発明は、活性成分として本発明による化合物を含んでいる医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1つの本発明による化合物、または前記化合物の医薬として許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物の有効用量、および少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤を含有する。
【0184】
前記賦形剤は、医薬形態および所望の投与方法にしたがって、当業者に公知の慣例的賦形剤から選択される。
【0185】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮、または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記の式(I)の活性成分、またはこの塩、溶媒和物、もしくは水和物は、適切な場合、投与用の単位形態で、従来の製薬賦形剤との混合物として、上記障害または病気の予防または治療のために、動物およびヒトへ投与することができる。
【0186】
投与に適した単位形態は、経口投与用形態、例えばタブレット、ソフトもしくはハードゼラチンカプセル、粉末、グラニュール、および経口溶液もしくは懸濁液、舌下、口内、気管内、眼内、または鼻腔内投与用形態、吸入による投与のための形態、局所、経皮、皮下、筋肉内、または静脈内投与用形態、直腸投与用形態、およびインプラントを含む。局所適用のために、本発明による化合物は、クリーム、ジェル、軟膏、またはローションとして用いられてもよい。
【0187】
例として、タブレット形態における本発明による化合物の投与用単位形態は、次の成分を含んでいてもよい:
本発明の化合物:50.0mg
マンニトール:223.75mg
クロスカラメローズナトリウム:6.0mg
コーンスターチ:15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.25mg
ステアリン酸マグネシウム:3.0mg
経口投与のために、一日あたり投与される活性成分の用量は、単一または分割用量として、0.01から100mg/kg、好ましくは0.02から50mg/kgまでであってもよい。
【0188】
より高い、またはより低い投薬量が適切である特別なケースがありうる。このような投薬量は、本発明の範囲外ではない。慣例的な実施によれば、各患者に適した投薬量は、投与方法、前記患者の体重および応答にしたがって、医師によって決定される。
【0189】
本発明はまた、この側面のもう1つにおいて、上に示されている病気の治療方法であって、本発明による化合物、またはこの医薬として許容される塩、またはこの水和物もしくは溶媒和物の1つの有効用量の患者への投与を含む方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中:
− nは1または2であり;
− Rは、ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ;トリフルオロメトキシ基を表わし;
− Rは、水素原子またはハロゲン原子を表わし;
− Rは、水素原子;基−OR;基−CHOR;基−NR;基−NRCOR;基−CHNR1011;(C−C)アルコキシカルボニル;基−CONR1213;−CN基を表わし;
− Rは、非置換であるか、またはハロゲン原子;(C−C)アルキル;(C−C)アルコキシ;トリフルオロメチル基から独立して選択された置換基によって一、二、または三置換されたフェニルを表わし;
− Rは、水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− RおよびRは、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− Rは、水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− Rは、(C−C)アルキルを表わし;
− R10およびR11は、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;R11はまた、基−CH14を表わしてもよく;
− またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子とともに、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、およびモルホリンから選択されたヘテロ環を構成し;
− R12およびR13は、各々独立して水素原子または(C−C)アルキルを表わし;
− またはR12およびR13は、これらが結合している窒素原子とともに、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンから選択された、非置換であるか、または4位が(C−C)アルキルによって置換されているヘテロ環を構成し;
− R14は、次のもの:
【化2】

から選択された芳香族基を表わし;
前記芳香族基は、非置換であるか、ハロゲン原子、(C−C)アルキル、または(C−C)アルコキシから独立して選択された置換基によって一置換または二置換されており;
− R15は、水素原子または(C−C)アルキルを表わす)
であって、塩基もしくは酸付加塩の形態、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある前記化合物。
【請求項2】
− nは1または2である
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
− Rは、フェニルの3位にあり、トリフルオロメチル基を表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
− Rは、水素原子を表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
− Rは、ヒドロキシル、アミノメチル、(2−フリルメチルアミノ)メチル、(2−チエニルメチルアミノ)メチル、(2−ピリジルメチルアミノ)メチル、(3−ピリジルメチルアミノ)メチル、(4−ピリジルメチルアミノ)メチル、(メチルアミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、(N−メチルエチルアミノ)メチル、(ジエチルアミノ)メチル、アゼチジン−1−イルカルボニル;アミノカルボニル;(N−メチル−2−フリルメチルアミノ)メチル;(3−フリルメチルアミノ)メチルを表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
− Rは、フェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル;2,3−ジメチルフェニルを表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、および水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
− nは1または2であり;
− Rは、フェニルの3位にあり、トリフルオロメチル基を表わし;
− Rは、水素原子を表わし;
− Rは、ヒドロキシル、アミノメチル、(2−フリル−メチルアミノ)メチル、(2−チエニルメチルアミノ)メチル、(2−ピリジルメチルアミノ)メチル、(3−ピリジルメチルアミノ)メチル、(4−ピリジルメチルアミノ)メチル、(メチルアミノ)メチル、(ジメチルアミノ)メチル、(N−メチルエチルアミノ)メチル、(ジエチルアミノ)メチル、アゼチジン−1−イルカルボニル;アミノカルボニル;(N−メチル−2−フリルメチルアミノ)メチル;(3−フリルメチルアミノ)メチルを表わし;
− Rは、フェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル;2,3−ジメチルフェニルを表わす
ことを特徴とする、塩基もしくは酸付加塩の形態、および水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
n=1である、請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
a1)式:
【化3】

(式中、R、R、およびRは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じであり、Halはハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わすが、Rがヒドロキシルまたはアミン官能基を含有するとき、これらの官能基は保護されていてもよいという条件がある)の化合物と、式:
【化4】

(式中、Rは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させること
b1)および適切な場合にR中に存在するヒドロキシルまたはアミン官能基の脱保護後、式(I)の化合物が得られること
を特徴とする、前記方法。
【請求項9】
n=2である、請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
a2)式:
【化5】

(式中、R、R、およびRは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じであるが、Rがヒドロキシルまたはアミン官能基を含有するとき、これらの官能基は保護されていてもよいという条件がある)の化合物と、式:
【化6】

(式中、Rは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させること
b2)および適切な場合にR中に存在するヒドロキシルまたはアミン官能基の脱保護後、式(I)の化合物が得られること
を特徴とする方法。
【請求項10】
が、基−CHNR1011(式中、R10およびR11は、各々独立して水素原子を表わす)を表わす、請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
a3)式:
【化7】

(式中、RおよびRは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表わす)の化合物と、式:
【化8】

(式中、Rは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを反応させて、式;
【化9】

の化合物を生じること;
b3)式(I)の化合物のシアノ基が還元されて、R=CHNHである請求項1に記載の式(I)の化合物を生じること
を特徴とする、前記方法。
【請求項11】
が、基−CNNR1011(式中、R11は、基−CH14を表わす)を表わす、請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
a4)式:
【化10】

(式中、R、R、R、R10、およびnは、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物と、式:
【化11】

(式中、R14は、請求項1において式(I)の化合物について規定されているものと同じである)の化合物とを、酸の存在下、溶媒中で反応させ、ついで、形成されたイミニウム塩中間体を、還元剤を用いて還元する、
前記方法。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、または医薬として許容される酸でのこの化合物の付加塩、または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項13】
請求項1から7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、またはこの化合物の医薬として許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項14】
中枢または末梢神経変性症;筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症;心臓血管疾患;末梢ニューロパシー;視神経および網膜への損傷;脊髄外傷および頭蓋外傷;アテローム性動脈硬化症;狭窄症;瘢痕形成;脱毛症;癌;腫瘍;転移;白血病;慢性神経障害性および炎症性疼痛;自己免疫疾患;骨折;骨の病気の予防または治療のために意図された薬剤の調製のための、請求項1から7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−512385(P2007−512385A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541975(P2006−541975)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003067
【国際公開番号】WO2005/054227
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】